(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】容器減容装置
(51)【国際特許分類】
B30B 9/32 20060101AFI20240712BHJP
【FI】
B30B9/32 101B
(21)【出願番号】P 2020123643
(22)【出願日】2020-07-20
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 恵介
(72)【発明者】
【氏名】内田 明伸
(72)【発明者】
【氏名】上田 翔
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-106974(JP,U)
【文献】特開2020-055006(JP,A)
【文献】特開2017-036112(JP,A)
【文献】特開昭60-071401(JP,A)
【文献】特開平11-077392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 9/00 - 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置部を有する容器投入部と、
前記載置部とは物理的に分離して設けられ、空容器を減容する減容部と、
板状に形成され、前記載置部から前記減容部へ至る経路を構成する案内部に、下端が接触するように吊り下げられた飛散防止部とを備え
、
前記飛散防止部は、下端の輪郭が直線的に形成されている
ことを特徴とする容器減容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器減容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空容器を回収する空容器減容回収機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この空容器減容回収機は、空容器を圧縮ローラに挟んで押し潰すことで減容し、収容する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば特許文献1に記載の空容器減容回収機において、投入された空容器が圧縮ローラへ至るまでの経路に、圧縮ローラにより押し潰された空容器の破片等の異物が詰まっている場合、投入された空容器が正常に圧縮ローラへ移動しない等の不具合が生じる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の容器減容装置は、少なくとも以下の構成を具備するものである。
容器減容装置は、載置部を有する容器投入部と、前記載置部とは物理的に分離して設けられ、空容器を減容する減容部と、板状に形成され、前記載置部から前記減容部へ至る経路を構成する案内部に、下端が接触するように吊り下げられた飛散防止部とを備え、前記飛散防止部は、下端の輪郭が直線的に形成されていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施形態に係る容器減容装置としての空容器回収装置の全体概念図であり、(a)は空容器回収装置の正面図、(b)は空容器回収装置の側面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る容器減容装置としての容器回収装置の側面概念図である。
【
図3】容器減容装置としての空容器回収装置の容器投入部の概念図である。
【
図4】外扉が閉状態で内扉が閉状態の容器減容装置(空容器回収装置)の一例を示す斜視図である。
【
図5】外扉が閉状態で内扉が閉状態の容器減容装置(空容器回収装置)の一例を示す側面概念図である。
【
図6】外扉が開状態で内扉が閉状態の容器減容装置(空容器回収装置)の一例を示す斜視図である。
【
図7】外扉が開状態で内扉が閉状態の容器減容装置(空容器回収装置)の一例を示す側面概念図である。
【
図8】外扉が閉状態(不図示)で内扉が開状態の容器減容装置(空容器回収装置)の一例を示す図であり、(a)は側面概念図であり、(b)は背面側からの斜視図である。
【
図9】外扉が閉状態(不図示)で内扉が開状態の容器減容装置(空容器回収装置)の一例を示す背面側からの斜視図である。
【
図10】内扉に凸部を有する容器減容装置(空容器回収装置)の一例を示す図であり、(a)は内扉が閉状態の容器減容装置の側面概念図であり、(b)は内扉が開状態の容器減容装置の側面概念図である。
【
図11】内扉(シャッター)と第1の飛散防止部(カーテン)と減容部と送り機構の一例を示す図である。(a)は内扉(シャッター)が閉状態での第1の飛散防止部(カーテン)の一例を示す概念図である。(b)は内扉(シャッター)が開状態での第1の飛散防止部(カーテン)の一例を示す概念図である。
【
図12】容器減容装置(空容器回収装置)の内扉と飛散防止部の一例を説明する概念斜視図である。(a)は内扉と飛散防止部の一例を示す分解斜視図である。(b)は内扉に吊り下げられた飛散防止部の一例を示す斜視図である。
【
図13】容器減容装置(空容器回収装置)の飛散防止部と送り機構の羽根部を説明するための概念図である。(a)は本発明の実施形態に係る容器減容装置(空容器回収装置)の飛散防止部と羽根部の一例を示す概念図である。(b)は比較例の飛散防止部と羽根部を説明するための概念図である。
【
図14】容器減容装置(空容器回収装置)の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態に係る容器減容装置は、載置部を有する容器投入部と、載置部とは物理的に分離して設けられ、空容器を減容する減容部と、板状に形成され、載置部から減容部へ至る経路を構成する案内部に、下端が接触するように吊り下げられた飛散防止部とを備える。
容器減容装置は、飛散防止部の下端が規制部材(ボトルガイド)に当接するように吊り下げられた飛散防止部を有するので、減容部からの破片等の異物が、載置部から減容部へ至る経路へ飛散することを防御することができ、空容器が載置部から規制部材を介して減容部へ支障なく移動する。
【0008】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。尚、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
なお、本発明の実施形態に係る容器減容装置として、例えば、空容器回収装置(物品回収装置ともいう)を説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係る容器減容装置として、回収対象の空容器(PETボトル等)を回収する空容器回収装置100の一例を示す図である。
本実施形態の空容器回収装置100は、待機時、物品投入部の外扉が閉状態であり、物品投入部と収容部の間に開閉自在に設けられた内扉が閉状態である。物品回収時に、物品投入部の外扉が開状態となり、制御部(判別部)により、物品投入部の載置部へ載置された物が回収対象物の物品(例えば、PETボトル等の樹脂製の空容器)であるか否かが判別される。回収対象物の物品(空容器)であると判別された場合、外扉が閉状態となり、物品投入部と収容部の間に設けられた内扉が開状態となり、収容部により容器が回収される。本実施形態では、空容器回収装置が減容機構を備え、減容機構により容器を減容することで、規定容量の収容部にて多量の減容された空容器を回収可能である。
【0010】
なお、物品としては、PETボトル、缶、ビンに限定されず、例えば、牛乳パック、トレー、インクカートリッジ、図書館やレンタル店への返却物(本やDVDなど)、クリーニング品、電池、電球など、回収の対象となる物品であればよい。つまり、空容器回収装置は物品回収装置の一実施例である。
【0011】
詳細には、
図1、
図2に示したように、本発明の実施形態に係る容器減容装置としての空容器回収装置100は、装置本体部100Bの上部に容器投入部110が設けられており、容器投入部110の開口部の外側には外扉111が設けられている。装置本体部100Bは、外扉111よりも上部付近の正面側に、表示操作部3、送受信部4(通信部)が設けられている。また、装置本体部100Bの正面側には、荷物フック100fが設けられている。
【0012】
また、容器投入部110の下方には、容器収容部140に連通する通路が設けられており、容器投入部110の載置部116から容器収容部140への通路71(経路ともいう)に内扉112が設けられている。
【0013】
本実施形態では、空容器回収装置100は、内扉112と、容器収容部140の間に減容部120(減容機構)が設けられている。減容部120は、内扉112が開状態の場合、容器投入部110からの空容器Aを押し潰して減容し、減容された容器RAを、下方の容器収容部140に出力する。
また、空容器回収装置100の装置本体部100Bは、容器収容部140を載置した引出し100Cを有し、正面側には引出用取手100eや、鍵孔100rが設けられており、鍵を鍵孔100rに差込み施解錠可能に構成されている。
【0014】
また、装置本体部100Bの正面側、詳細には、引出し100Cの正面側には、透光部100A(透光窓)が設けられており、外部から容器収容部140に収容されている空容器を視認可能に構成されている。
【0015】
また、装置本体部100Bの側面部には、搬送時に用いられる移動用取手100gが設けられている。
【0016】
また、装置本体部100Bは、正面側にキャップ投入部108を備え、キャップ投入部108から装置本体部内で下方に向かってキャップ用通路72が設けられ、キャップ投入部108に投入されたキャップがキャップ用通路72を介してキャップ収容部145に収容されるように構成されている。
尚、キャップ用通路72は、キャップと、キャップよりも小さなものを仕分けする機構を有してもよい。具体的には、キャップ用通路72が分岐されて、分岐部に網の目状の部材にて、飲み残し吸い殻、雨水等は別経路で排出、蓄積し、キャップのみキャップ収容部145へ収まるようにしてもよい。
【0017】
図2に示すように、減容部120は、略板形状の2つの支持部材(不図示)により、一対の回転軸811、911が回転自在に軸支された構造となっている。
【0018】
また、減容部120の上部には、送り機構50が設けられており、送り機構50の回転軸51が上記略板形状の支持部材により回転自在に軸支されている。送り機構50は、回転軸51に、パドルとして複数の羽根部52(金属製または樹脂製等)を有する。送り機構50は、回転軸51が回転することにより、羽根部52が回転軸51を回転中心として回転し、空容器Aを減容部120へ案内する。
【0019】
また、減容部120の上部には、傾斜した板形状の規制部材60、規制部材61、及び規制部材61に対して逆勾配の規制部材62が、空容器Aを減容部120の中心へ導くように設けられており、空容器Aをそれ以外の箇所へ移動することを規制する。
この案内部としての規制部材60,61は、容器投入部に設けられた載置部とは物理的に分離して設けられており、載置部から減容部120へ至る経路(通路71)を形成している。
【0020】
回転軸811、911、51はそれぞれ所定の間隔をあけて互いに平行に配置されている。一対の回転軸811、911それぞれにおいて、軸方向の両側面に刃面を備えた圧縮ローラ81、91と、当該圧縮ローラ81、91よりも小さい径で当該圧縮ローラ81、91の厚みよりも僅かに厚いスペーサ(不図示)とが軸方向に沿って交互に並設されている。
一方の回転軸に設けられた圧縮ローラの外周部が、他方の回転軸に設けられた圧縮ローラの間に配置されており、当該他方の回転軸に設けられた当該圧縮ローラの間に設けられたスペーサに対して所定の距離だけ離れた位置に配置されている。
【0021】
回転軸811の一方の端部には歯車(不図示)が設けられており、回転軸911の一方の端部に設けられた歯車(不図示)と噛合するように構成されている。この回転軸811、911、51は、駆動モータ(不図示)により回転駆動される。駆動時、回転軸811、回転軸911が互いに逆方向に回転し、中央部に投入された空容器Aが圧縮ローラ81、91により圧縮されて、減容された空容器が下方へ出力される。
【0022】
剥離部32(剥離手段30)は、減容部120の圧縮ローラ81、91により減容された容器を、圧縮ローラ81、91から剥がすように構成されている。
【0023】
また、空容器回収装置100は、減容部120の上方に、第1の飛散防止部175(カーテン等)、第2の飛散防止部78(透明アクリル板等)を有していてもよい。
第1の飛散防止部175(本発明に係る容器減容装置の飛散防止部)は、板状に形成され、内扉112が閉状態で、容器投入部110の載置部から減容部120へ至る経路を構成する規制部材60(ボトルガイド)に、下端が接触するように吊り下げられている。第1の飛散防止部175の詳細については後述する。
【0024】
第2の飛散防止部78(透明アクリル板等)は、容器減容装置(空容器回収装置100)のメンテナンス用の扉の機能を有する。詳細には、第2の飛散防止部78は、空容器回収装置の内部に設けられた固定部材に蝶番78a(ヒンジ)を介して、開口部を開閉自在に軸支されている。
操作者は、空容器回収装置100の上部の外装カバー100Kを開けた状態で、第2の飛散防止部78の把持部78d(取っ手)を把持して、第2の飛散防止部78を開状態とする。なお、外装カバー100Kは扉開閉式であってもよいし、それ以外のカバー部材であってもよい。
【0025】
図3は容器減容装置としての空容器回収装置の容器投入部110の概念図である。
図4、
図5は外扉111が閉状態で内扉112が閉状態の空容器回収装置の一例を示す図である。
図6、
図7は、外扉111が開状態で内扉112が閉状態の空容器回収装置100の一例を示す図である。
図8、
図9は、外扉111が閉状態で内扉112が開状態の空容器回収装置の一例を示す概念図である。なお、
図8、
図9では、外扉を図示していない。
【0026】
図3、
図4、
図5に示すように、空容器回収装置100の容器投入部110は、載置部116、外扉111、内扉112、台座118、計量部7、外扉用支持部S111、内扉用支持部S112、外扉駆動部5、内扉駆動部6、第1の制限部K111、第2の制限部K112などを有する。
【0027】
載置部116は、回収対象物などを載置可能に構成されている。載置部116には、受光部9aや発光部9bなどの光センサ9や金属センサなどが設けられている。また、載置部116の下部には計量部7が設けられている。計量部7は、載置部116に載置された物品(空容器等)の質量(重量)を計量する。
【0028】
また、本実施形態では、載置部116は、その載置面が水平ではなく、物品の投入口側(外扉111が開状態のときの開口側)よりも容器収容部140側が低くなるように傾斜をつけて設けられている。すなわち、載置部116は、投入された物品が自重により容器収容部140側(又は減容部120側)へ落ちることを促すように構成されている。これにより、物品(投入物)を容器収容部140へ送るための搬送機構を設ける必要がなく、小型の容器減容装置を提供することができる。
また、載置部116は、載置面の表面に表面処理が施され凹凸部が形成されており、投入された物品が載置部に貼りつくことを防止する構造を有する。容器減容装置が空容器回収装置である場合、容器が濡れていたとしても、容器表面と載置部の凹凸形状の表面との接触面積が比較的小さいので濡れによる表面張力が小さくなり、容器が容器収容部140側へ容易に移動する。すなわち、濡れている容器が容器収容部側へ落ちないといった不具合を防ぐことができる。
【0029】
外扉111は、載置部116の外側に設けられている。外扉駆動部5は、外扉111を開閉自在に駆動する。
内扉112は、載置部116と減容部120との間の通路71に設けられている。内扉駆動部6は、内扉112を開閉自在に駆動する。この内扉112には、
図6に示すように、空容器の載置状態を案内する載置案内部112Dが設けられている。載置案内部112Dは、露出され装置本体部から視認可能な位置に設けられている。載置案内部112Dは、物品(PETボトルなどの空容器等)を規定の向き、規定の位置(例えば、350ml、500ml、2000mlなど)に載置するように情報として案内表示されている。この載置案内部112Dは、内扉112の表面に設けられた凹部、凸部、ステッカー、LED表示部、LCDなどであってもよい。
また、容器減容装置は、撮像部などの検出センサにより、載置案内部112Dにより示された載置位置に、正しく物品が載置されているかを判定するための判定手段を備えていてもよい。また、撮像処理や光学センサなどの検知部により、載置向き及び位置が正しくない場合は、報知などを行うこともできる。
【0030】
本実施形態では、空容器回収装置100は、台座118を有し、この台座118は外扉111、及び外扉駆動部5を支持する外扉用支持部S118、S111を有する。詳細には、2つの外扉用支持部S118の上端部には外扉駆動部5、回転軸C111が設けられ、回転軸C111に扇形状の外扉用支持部S111が回動自在に設けられ、扇形状の外扉用支持部S111により外扉111が支持されている。2つの回転軸C111のうち一方の回転軸C111は、外扉駆動部5のモータの回転軸に接続されている。
扇形状の外扉用支持部S111には、内扉112の回転軸C112が貫通する孔部S111hが設けられている。
【0031】
計量部7は、台座118と載置部116の間に配置され、載置部116を支持する。
【0032】
また、内扉112は、開状態で、載置部116に載置された空容器を減容部120へ案内するように構成されている。また、本実施形態では、計量部7上に配置され、計量部7と載置部116の間から延出した構造の内扉用支持部S112により、内扉駆動部6や内扉112が支持されている。内扉駆動部6には、内扉112の回転軸C112が設けられ、その回転軸C112に内扉112が設けられている。内扉112を開状態とすることで、回収対象物を装置本体部内の容器収容部140へ案内することができる。また、内扉用支持部S112は、回転軸C111が貫通される孔部S112hを有する。
【0033】
すなわち、台座118の外扉用支持部S111により外扉駆動部5や外扉111が支持され、台座118上に配置された計量部7の上部に載置部116が設けられているので、計量部7により、載置部116に載置された回収対象物などの質量を高精度に計量することができる。詳細には、計量部7上には、外扉111や外扉駆動部5を支持していない構造であるので、計量部7は、外扉111や外扉駆動部5の振動等の影響を受けにくい構造となっており、載置部116上の回収対象物の質量を高精度に計量することができる。
【0034】
また、本発明の実施形態に係る物品回収装置としての空容器回収装置100の外扉111は、載置部116を露出する開位置と、載置部116を覆う閉位置との間を移動可能に構成されており、外扉111が閉じる場合、外扉111が開位置から、載置部116に向かって閉位置へ移動可能に構成されている。すなわち、外扉111が開状態から、載置部116へ向かって動き閉じるように構成されているので、例えば、ユーザの手や腕などが、外扉111と載置部116の間に挟まれたとき、計量部による計量値が変動し、制御部がその変動を検出することで、ユーザの手や腕、異物などが、外扉111と載置部116の間に挟まれたことを容易に検知することができる。
【0035】
また、本発明の実施形態に係る容器減容装置としての空容器回収装置100において、外扉111は、内扉112の移動を制限する第1の制限部K111を備える。内扉112は、外扉111の移動を制限する第2の制限部K112を備える。第1の制限部K111と、第2の制限部K112により、外扉111及び内扉112の両方が開状態となることを制限する機構を有する。
すなわち、空容器回収装置100は、外扉111に設けられた第1の制限部K111と、内扉112に設けられた第2の制限部K112を有するので、機械的に簡単な構造で、外扉111と内扉112それぞれの開閉状態に応じて、各扉の開閉動作を制限することができる。
【0036】
また、容器減容装置としての空容器回収装置100の第1の制限部K111は、外扉111の移動に応動するように構成されている。第2の制限部K112は、内扉112の移動に応動するように構成されている。また、空容器回収装置100は、外扉111が開状態の場合、第1の制限部K111が内扉112の移動を制限するように構成されており、内扉112が開状態の場合、第2の制限部K112が外扉111の移動を制限するように構成されている。
詳細には、本実施形態では、空容器回収装置100は、外扉111が開状態の場合、内扉112が閉状態のまま、開状態となることを制限するように構成されている。すなわち、外扉111が開状態で、投入された物が載置部116に載置された時には、内扉112は閉状態であり、開状態とはならず、載置部116に載置された物が、回収対象物、又は非回収対象物であるに関わらず、装置本体部100B内の容器収容部140にそれを収容しないように構成されている。すなわち、この状態では、内扉112に物品(回収対象物、又は非回収物)が当接した状態であり、内扉112は載置部の一部を兼ねる構造となっている。
【0037】
また、この第1の制限部K111と第2の制限部K112は、移動経路が重なるように構成されている。また、本実施形態では、空容器回収装置100は、第1の制限部K111と第2の制限部K112のうち一方が、他方の移動を制限する場合、第1の制限部K111と第2の制限部K112が弧形状に僅かに間隔をあけて隣接する構造となっている。詳細には、本実施形態では、第1の制限部K111は略扇形状に形成されている。第1の制限部K111は凸状弧形状部K111aと、凹形状部K111bを有する。また、第2の制限部K112は略扇形状に形成されている。詳細には、第2の制限部K112は、凸状弧形状部K112aと、凹形状部K112bを有する。
【0038】
図5に示すように、外扉111が閉状態で内扉112が閉状態の場合、空容器回収装置100は、載置部116の縁部116aと、内扉112の端面とを非接着状態に維持可能な手段を有する。詳細には、例えば、空容器回収装置100は、載置部116の縁部116aと、内扉112の端面とを所定間隔Lsをあけて維持可能な規制手段(規制部40)を有する。この所定間隔Lsとは、例えば、指が入らない程度の間隔であることが好ましい。
本実施形態では、規制手段(規制部40)は、載置部116における内扉112側の縁部116aに凸部41(40)、及び/又は載置部116の側壁部116W(側面カバー)における内扉側の部分116Waに凸部42(40)を有する。
すなわち、内扉112が閉状態の場合であっても、載置部116の縁部116aと内扉112の端面112aとを所定間隔Lsをあけて維持することができ、残留液体を、載置部116と内扉112の隙間から排出することができる。
なお、凸部42(40)は内扉112側に設けられていてもよい。
また、載置部116の縁部116aと、内扉112の端面とを非接着状態に維持可能な手段としては、例えば、以下の構成を挙げることができる。例えば、内扉112と載置部116が接する面の表面は、液体が付着し難い撥水性を有していてもよし、また、上記凸部42(40)の表面が撥水性を有していてもよい。また、凸部42(40)の代わりに、内扉112と載置部116が接する面の表面は、液体が付着し難い撥水性を有していてもよい。凸部42(40)の代わりに上記表面が撥水性を有する場合、この撥水性を有する表面が規制手段である。上記表面の撥水性は、例えば、ロータス効果を有する微細な凹凸構造の表面を形成することで得られてもよいし、フッ素樹脂、シリコン樹脂、又はシリコンオイル等の撥水性材料を表面に塗布し、撥水性膜を形成することで得られてもよい。
【0039】
図6、
図7に示したように、外扉111が開状態で内扉112が閉状態で、第1の制限部K111が、第2の制限部K112の移動を制限する場合、第1の制限部K111の凸状弧形状部K111aと第2の制限部K112の凹形状部K112bが弧形状に僅かに間隔をあけて隣接する構造となっている。
すなわち、本発明の実施形態では、上述したように、外扉111が開状態の場合、内扉112が閉状態で、第1の制限部K111により、第2の制限部K112の移動が制限されるので、内扉112が閉状態のまま維持され、開状態にはならない。
【0040】
図8(a)、
図8(b)に示したように、本実施形態では、規制手段(規制部40)は、載置部116における内扉112側の縁部116aの一部分に、内扉側に突出した形状の凸部41(40)を有し、及び/又は載置部116の側壁部116W(側面カバー)における内扉側の部分116Waの一部分に、内扉側に突出した形状の凸部42(40)を有する。なお、規制手段は、凸部41、凸部42のうち、いずれか一方だけ有してもよいし、複数個有していてもよい。
すなわち、規制部40が設けられているので、載置部116の縁部116aと内扉112の端面112aとを所定間隔Lsをあけて維持した内扉閉状態から、内扉112を容易に開状態とすることができる。
【0041】
すなわち、本発明の実施形態の容器減容装置としての空容器回収装置は、外扉111が閉状態で、内扉112が開状態の場合、第2の制限部K112により、第1の制限部K111の移動が制限されるので、外扉111が閉状態のまま維持され、開状態にはならない構造となっている。
【0042】
また、本実施形態では、空容器回収装置100は、第1の制限部K111と第2の制限部K112の一方又は両方の移動を禁止する禁止手段を有してもよい。詳細には、禁止手段は、例えば、ソレノイドを有する。このソレノイドは、例えば、コイル内に金属製の可動ピン(プランジャ)が配置され、コイルに対して非通電時には、付勢部によりコイル端部から可動ピン(プランジャ)が突出した位置に配置された構造であり、コイルに対して通電時に可動ピンがコイル内へ移動するように構成されている。
例えば、外扉111の閉状態から開状態への移動を禁止可能な禁止手段として、外扉用のソレノイドの可動ピン(プランジャ)が、第1の制限部K111に設けられた孔部に係合可能に構成されていてもよく、第1の制限部K111の閉状態を維持し、開状態への動きを禁止する場合には、その孔部に可動ピンを係合し、動きを禁止しない場合には、可動ピンを非係合状態とするように、制御部により制御が行われる構成となっている。すなわち、禁止手段は、簡単な構造で、第1の制限部K111の閉状態から開状態への動きを禁止することができる。
また、内扉112の閉状態から開状態への移動を禁止可能な禁止手段として、内扉用のソレノイドの可動ピン(プランジャ)が、第2の制限部K112に設けられた孔部に係合可能に構成されていてもよく、第2の制限部K112の閉状態を維持し、開状態への動きを禁止する場合には、その孔部に可動ピンを係合し、動きを禁止しない場合には、可動ピンを非係合状態とするように、制御部により制御が行われる構成となっている。すなわち、禁止手段は、簡単な構造で、第2の制限部K112の閉状態から開状態への動きを禁止することができる。
【0043】
図10は本発明の実施形態に係る、内扉に凸部を有する容器減容装置(空容器回収装置)の一例を示す図である。詳細には、
図10(a)は内扉が閉状態の容器減容装置の側面概念図であり、
図10(b)は内扉が開状態の容器減容装置の側面概念図である。
【0044】
図10(a)に示すように、外扉111が閉状態(不図示)で内扉112が閉状態の場合、空容器回収装置100は、載置部116の縁部116aと、内扉112の端面とを所定間隔Lsをあけて維持可能な規制手段(規制部40)を有する。
図10(a)、
図10(b)に示すように、本実施形態では、規制手段(規制部40)は、内扉112の端面112aにおける載置部116の縁部116aに当接する部分に凸部43(40)を有し、及び/又は内扉112の端面112aにおける載置部116の側壁部116W(側壁カバー)に当接する部分116Waに、凸部44(40)を有していてもよい。内扉112が閉状態の場合であっても、載置部116の縁部116aと内扉112の端面112aとを所定間隔Lsをあけて維持することができ、残留液体を、載置部116と内扉112の隙間から排出することができる。
【0045】
図11は、内扉112(シャッター)と第1の飛散防止部175(カーテン)と減容部120と送り機構50の一例を示す図である。
詳細には、
図11(a)は内扉112(シャッター)が閉状態での第1の飛散防止部175(カーテン)の一例を示す概念図である。
図11(b)は内扉112(シャッター)が開状態での第1の飛散防止部175(カーテン)の一例を示す概念図である。
【0046】
空容器回収装置100では、空容器を減容する減容部120は、容器投入部110の載置部116とは物理的に分離して設けられている。
詳細には、載置部116とは物理的に分離して、案内部(規制部材60,61又はボトルガイドともいう)が設けられ、載置部116から減容部120へ至る経路(通路71)を形成している。具体的には、載置部116と案内部(規制部材60)の間には隙間65が形成されている。また、載置部116の減容部側端部には、載置部116の載置面よりも所定の高さだけ低い位置から、規制部材60側へ突出した突出部1161が形成されている。
第1の飛散防止部175(カーテン等)は、板状に形成され、載置部116から減容部120へ至る経路を構成する規制部材60(ボトルガイド)に、カーテンの下端175bが接触するように吊り下げられている(内扉112が閉状態)。第1の飛散防止部175は、例えば、柔軟性を有する板状部材であってもよいし、剛性の板状部材であってもよい。本実施形態では、第1の飛散防止部175は、例えば柔軟性を有するPET帆布等の材料から成る。
【0047】
この第1の飛散防止部175(カーテン)は、上端175aが内扉112(シャッター)の減容部側に設けられている。具体的には、第1の飛散防止部175は、例えば
図12(a),
図12(b)に示すように、内扉112(シャッター)に設けられる。
【0048】
詳細には、
図12(a)に示す例では、内扉112は、第1部分1121及び第2部分1122を有し、その第1部分1121と第2部分1122の間の略中央部に屈曲部112Lが設けられている。
第1部分1121は、内扉112が閉状態の場合、上部に回転軸C112に接続されており、回転軸C112から下方へ向けて延設するとともに、屈曲部112Lにて第2部分1122に接続されている。
第2部分1122は、第1部分1121の下端の屈曲部から前方(載置部)に向けて約40°屈曲して延設されている。
【0049】
第1部分1121と、第2部分1122の屈曲部112Lの減容部側(裏面側)には、第1の飛散防止部175(カーテン)の上端175aが回動自在に接続されている。
詳細には、
図12に示す例では、第1部分1121と、第2部分1122の屈曲部112Lの減容部側(裏面側)に複数の補強部112F(リブ)が設けられている。その補強部112Fに設けられた孔部112hに、水平棒状部材1127が配置されており、その水平棒状部材1127に、第1の飛散防止部175(カーテン)の上端175aが接続されている。水平棒状部材1127は、回転軸C112に平行に設けられている。
【0050】
なお、内扉112の裏面側と、第1の飛散防止部175(カーテン)の上端175aの接続関係は、この実施形態に限られるものではなく、例えば、接着剤、セロハンテープ、又は面ファスナー等によりそれぞれが接続されていてもよい。
【0051】
第1の飛散防止部175は、内扉112の開閉動作に連動するように構成されている。
詳細には、
図11(a)に示すように、第1の飛散防止部175は、内扉112が閉状態で、容器投入部110の載置部116から減容部120へ至る経路を構成する規制部材60(ボトルガイド)に、下端175bが接触するように吊り下げられている。
【0052】
図11(b)に示すように、内扉112が回転軸C112を回転中心として回動し開状態となった場合、第1の飛散防止部175は、内扉112の開状態への動作に連動するように、下端175bが上方に押し上げられる。
図11(b)に示すように、第1の飛散防止部175の可動域が、送り機構50の羽根部52の回転範囲と重ならないように構成されている。
回収対象物の物品(容器)の通路71が確保される。そして、載置部116上の回収対象物の物品(容器)が、第1の飛散防止部175に邪魔されることなく、通路71を通って減容部120へ移動する。
そして、
図11(a)に示すように、内扉112が開状態から閉状態へ移行し、第1の飛散防止部175が初期状態に戻り通路71を塞ぐことにより、簡単な構造で、減容部120から内扉112への破片の飛散を防止することができる。
【0053】
図13は容器減容装置(空容器回収装置100)の第1の飛散防止部175と送り機構50の羽根部を説明するための概念図である。
詳細には、
図13(a)は本発明の実施形態に係る容器減容装置(空容器回収装置100)の第1の飛散防止部175と送り機構50の羽根部52の一例を示す概念図である。
図13(b)は比較例の飛散防止部75と羽根部52を説明するための概念図である。
【0054】
送り機構50の羽根部52の先端52aには、外方(径方向)に突起した複数の突起部52cが並設されている。
比較例では、例えば比較例の飛散防止部75の上端75aが空容器回収装置の本体部上部に接続され、内扉が閉状態から開状態となった場合に、
図13(b)に示すように、比較例の飛散防止部75の下端75bが、送り機構50の羽根部52の先端52aの突起部52cに接触しないように、切欠部75cが設けられている。
【0055】
一方、本発明では、
図13(a)に示すように、内扉112が閉状態から開状態となった場合であっても、容器減容装置の第1の飛散防止部175(カーテン)の下端175bは、送り機構50の羽根部52の先端52aの突起部52cに接触しないように構成されており、且つ、第1の飛散防止部175(カーテン)の下端175bが直線的に形成されている。つまり、内扉が閉状態では、第1の飛散防止部175(カーテン)の下端175bは、規制部材60の平坦な上面に隙間なく当接するように構成されている。
【0056】
なお、第1の飛散防止部175(カーテン)は、下端175bが規制部材60に当接するのではなく、第1の飛散防止部175(カーテン)の下端175b付近の部分(下端よりも上側部分)が規制部材60に当接するように構成されていてもよい。
【0057】
減容部120で物品を減容する際、第1の飛散防止部175により、物品の破片を内扉112側へ飛散することを防止することができ、内扉112が確実に開閉動作を行うことができる空容器回収装置100を提供することができる。
【0058】
次に、
図14を参照しながら、本発明の実施形態に係る容器減容装置としての空容器回収装置100の電気的構成の一例を説明する。
空容器回収装置100は、制御部1(CPU)、記憶部2、表示操作部3、送受信部4、外扉駆動部5、内扉駆動部6、計量部7、金属センサ8、光センサ9、扉位置センサ10、扉ロック部11、減容駆動部15等を有する。各構成要素は、信号線等により電気的に接続されている。
【0059】
制御部1(CPU)は、容器減容装置(空容器回収装置100)の各構成要素を統括的に制御する。制御部1は、例えば、制御用プログラムを実行することにより、本発明に係る機能をコンピュータに実現する。
【0060】
記憶部2は、RAMやROMなどの記憶装置である。記憶部2は、制御用プログラムなどを記憶する。また、記憶部2は、回収対象物の空容器の特徴を記憶している。空容器の特徴とは、例えば、容器質量の範囲、樹脂材料であるか否かを判別する。
【0061】
表示操作部3は、制御部1の制御により所定の表示を行う。また、表示操作部3は、ユーザ等の操作に応じた信号を制御部1へ出力する。表示操作部3は、例えば、タッチパネル式表示装置などである。
【0062】
送受信部4は、非接触式ICカードやICタグ等に対して通信を行う送受信装置であり、制御部1の制御により、所定の通信を行う。また、送受信部4は、制御部1の制御により、無線式通信路または有線式通信路を介して他の端末装置(コンピュータ)と所定の通信を行う。
【0063】
外扉駆動部5は、外扉111を開閉させるためのモータ等であり、制御部1からの制御により、駆動制御される。
【0064】
内扉駆動部6は、内扉112を開閉させるためのモータ等であり、制御部1からの制御により、内扉を開状態、又は閉状態に駆動制御される。
【0065】
計量部7は、容器投入部110の載置部116に載置された空容器、又は非回収対象物の質量を計量する。計量部7はロードセルなどの計量装置である。
また、計量部7は、容器投入部110の載置部116に載置された容器内の飲み残し等を検出することで、回収可否を判断するセンサとして利用される。また、計量部7は、回収可と判断した容器の重量値を積算することで、容器収容部140に収容されている総重量を特定することも可能に構成されている。この機能により、容器収容部140に計量部を設ける必要がなく、大きな容量の容器収容部140を確保することができ、かつ計量部7自体を小さくすることができる。計量する対象が比較的小さいため、大きな計量部7を設ける必要がない。
【0066】
金属センサ8は、容器投入部110の載置部116に載置された物が金属であるか非金属であるかを検出する。本実施形態では、制御部1は、金属センサ8により載置部116に載置された物が金属であると検出された場合、載置部116に載置された物が非回収対象物であると判別する。
【0067】
また、光センサ9は、容器投入部110に設けられた発光部9bからの光を受光する受光部9aを有する。光センサ9は、例えば、偏光板を備え、その偏光板を介して受光するよう構成されており、PETボトルなどの透光性の空容器を透過した偏光した光を検出することにより回収対象の空容器を検出可能に構成されている。
制御部1は、容器投入部の載置部に載置された透光性の空容器を透過して受光した光を、光センサ9で検出し、その光センサ9からの検出信号に基づいて、回収対象の空容器であるか否かを判別する。
【0068】
尚、容器減容装置は、載置部周辺に回収要否を判定するための上記センサ類が設けられている。例えば、従来の回収装置では、装置内に物品を取り込み、回収対象であるか否かを判定し、投入口とは異なる排出口から非回収対象物を排出しており、装置内に判定部が備えられているため、排出口を設ける必要がある。
一方、本発明の実施形態に係る容器減容装置は、装置の投入口にあたる載置部に回収要否を判定するセンサ類が設けられているため、装置内に回収対象物を取り込む必要がない構成となっている。よって、排出口を設ける必要がなく、小型の容器減容装置を提供することができる。
【0069】
扉位置センサ10は、外扉111の位置や内扉112の位置を検出し、外扉111の位置や内扉112の位置に関する信号を制御部1に出力する。制御部1は、その信号に基づいて外扉111、内扉112の開閉状態を制御する。
【0070】
扉ロック部11は、例えば、ソレノイドなどのロック装置を有し、制御部1からの制御により、必要に応じて外扉111や内扉112の移動をロックする。
【0071】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、容器減容装置に関する。
[背景技術]
空容器を回収する空容器減容回収機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この空容器減容回収機は、空容器を圧縮ローラに挟んで押し潰すことで減容し、収容する。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2005-153019号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、例えば特許文献1に記載の空容器減容回収機において、投入された空容器が圧縮ローラへ至るまでの経路に、圧縮ローラにより押し潰された空容器の破片等の異物が詰まっている場合、投入された空容器が正常に圧縮ローラへ移動しない等の不具合が生じる虞がある。
[課題を解決するための手段]
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、載置部116を有する容器投入部110と、前記載置部116とは物理的に分離して設けられ、空容器を減容する減容部120と、板状に形成され、前記載置部116から前記減容部120へ至る経路を構成する案内部(規制部材60(ボトルガイドともいう))に、下端175bが接触するように吊り下げられた飛散防止部(第1の飛散防止部175ともいう)とを備えることを特徴とする容器減容装置(空容器回収装置100等)である。
【0072】
上記構成によれば、容器減容装置としての空容器回収装置100は、カーテン等の飛散防止部(第1の飛散防止部175)を有し、例えば減容部120による空容器の減容時に、飛散防止部(第1の飛散防止部175)の下端175bが案内部(規制部材60)に接触するように構成されているので、弾け飛ぶ破片等の異物が隙間65に詰まることを防止することができる、容器減容装置としての空容器回収装置100を提供することができる。
また、破片等の異物に妨げられることなく、空容器を載置部116から減容部120へ良好に移動させることができる、容器減容装置としての空容器回収装置100を提供することができる。
なお、外扉111が開状態又は閉状態であっても、第1の飛散防止部175(カーテン等)は、外扉111に干渉しないように構成されている。
【0073】
また、本実施形態では、容器減容装置としての空容器回収装置100は、載置部116に載置された空容器等の物品を計量する計量部7を有し、載置部116と、載置部116から減容部120又は容器収容部140へ至る経路とが分離されており、飛散防止部(第1の飛散防止部175)により、載置部116と経路との間の隙間65に、ペットボトル等の破片等の詰まりを防止することができ、載置部116に載置された物品の質量を高精度に検知することができる。
【0074】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載の容器減容装置としての空容器回収装置100であって、載置部116から減容部120へ至る経路において、前記飛散防止部(第1の飛散防止部175)よりも下流に設けられ、回転軸51を中心として回転する羽根部52によって空容器を減容部120へ案内する送り機構50を有する。
飛散防止部(第1の飛散防止部175)は、水平方向における減容部側の向きに回動可能であり、可動域が羽根部52の回転範囲と重ならないように構成されている。
本実施形態では、減容部120の回転軸、羽根部52(パドル)の回転軸51、飛散防止部(第1の飛散防止部175)の回動軸、内扉112の回転軸C112それぞれが平行になるように構成されている。
【0075】
すなわち、飛散防止部(第1の飛散防止部175)は、内扉112が開状態であっても、送り機構50の羽根部52に接触することがなく、且つ、隙間65への異物の詰まり防止することができる。
【0076】
(3)本実施形態の一態様は、(2)に記載の容器減容装置としての空容器回収装置100において、載置部116と送り機構50との間に設けられた内扉112を有する。この内扉112は、水平方向における減容部側の向きに回動することで閉状態から開状態へと移動可能に構成されている。
飛散防止部(第1の飛散防止部175)は、上端175aが内扉112の減容部側に設けられている。
【0077】
すなわち、内扉112が閉状態の場合、飛散防止部(第1の飛散防止部175)の下端175bが案内部(規制部材60)に当接する。
本実施形態では、内扉112は、側面視で屈曲した形状に形成されている。
すなわち、内扉112が閉状態の場合、飛散防止部(第1の飛散防止部175)が、内扉112の屈曲部から吊り下げられており、飛散防止部(第1の飛散防止部175)の下端175bが案内部である規制部材60に当接している。
内扉112が開状態となるように回動した場合(内扉112の下端が後方、減容部側に向けて移動した場合)、飛散防止部(第1の飛散防止部175)が内扉112の下端近傍に位置する。
【0078】
(4)本実施形態の一態様は、(3)に記載の容器減容装置において、飛散防止部(第1の飛散防止部175)は、内扉112の動作に連動するように構成されている。
すなわち、内扉112が開状態となるように回動した場合、その内扉112の動きに連動して動作する。
詳細には、飛散防止部(第1の飛散防止部175)の上端が内扉112の屈曲部又は屈曲部付近に回動自在に吊り下げられており、内扉112が開状態となるように回動する動きに連動して、飛散防止部(第1の飛散防止部175)の上端が上方に移動しながら、飛散防止部(第1の飛散防止部175)の下端が内扉112の下端に当接し、さらに内扉112の下端が上方に移動すると、内扉112の下端が飛散防止部(第1の飛散防止部175)に当接した状態で、押し上げる。
内扉112が最大に開いた状態であっても、送り機構50の羽根部52の可動範囲と、飛散防止部(第1の飛散防止部175)の可動範囲が重ならないので、例えば、飛散防止部(第1の飛散防止部175)の下端に切り欠き(羽根部の先端に対応した形状)を設ける必要がない。
【0079】
(5)本実施形態の一態様は、(1)から(4)のいずれかに記載の容器減容装置において、飛散防止部(第1の飛散防止部175)は、下端の輪郭が直線的に形成されている。
すなわち、飛散防止部(第1の飛散防止部175)はその下端が、案内部(規制部材60)の上面に隙間なく当接するので、減容部120からの破片の隙間65への詰まりを防止することができる。
【0080】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【0081】
上述した本発明の実施形態に係る空容器回収装置は、空容器を減容する減容部(減容機構)を備えていたが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、減容機構を備えず、投入された回収対象物の空容器をそのままの状態で回収してもよい。
【0082】
上述した実施形態では、空容器回収装置は、PETボトルなどの空容器を回収したが、アルミ缶やスチール缶などを回収する構成であってもよく、PETボトル、アルミ缶、スチール缶の回収を兼用した装置であってもよい。
【0083】
また、本発明の実施形態に係る空容器回収装置は、外扉と内扉を有していたが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、外扉はなくともよい。
【0084】
また、上述した実施形態では、空容器回収装置は計量部を備えていたが、計量部はなくともよい。
【0085】
上記実施形態では、内扉112の背面側に飛散防止部(第1の飛散防止部175(カーテン))が設けられていたが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、第1の飛散防止部175(カーテン)の上端は、内扉ではなく、容器減容装置の本体部に接続されていてもよい。
減容部へ至る経路の案内部(規制部材60)に、カーテンの下端が当接可能に設けられていればよい。
【符号の説明】
【0086】
60…規制部材(案内部又はボトルガイドともいう)
100…空容器回収装置(物品回収装置又は容器減容装置ともいう)
110…容器投入部(物品投入部)
111…外扉
112…内扉
116…載置部
120…減容部(減容機構)
140…容器収容部(収容部)
175…第1の飛散防止部(飛散防止部ともいう)
175a…上端
175b…下端
1121…第1部分
1122…第2部分