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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】渦加速風力エネルギ塔
(51)【国際特許分類】
   F03D 3/02 20060101AFI20240712BHJP
   F03D 80/00 20160101ALI20240712BHJP
   F03D 9/22 20160101ALI20240712BHJP
【FI】
F03D3/02 A
F03D80/00
F03D9/22
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020570606
(86)(22)【出願日】2019-03-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-01
(86)【国際出願番号】 CA2019050279
(87)【国際公開番号】W WO2019169498
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2022-03-07
(31)【優先権主張番号】2,997,766
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CA
(73)【特許権者】
【識別番号】520344257
【氏名又は名称】ミゼリット,ブランコ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ミゼリット,ブランコ
【審査官】西山 智宏
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-103973(JP,A)
【文献】特開2014-077393(JP,A)
【文献】特表2015-506440(JP,A)
【文献】特開平06-257554(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02275970(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 3/02
F03D 80/00
F03D 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギ収穫建物構造であって、
複数の階と、
前記複数の階の各々を通り、前記複数の階から受け取られた移動する空気を前記建物構造の頂上における出口へ向かって上向きに方向付けるように構成された中央渦塔と、
風からエネルギを収穫するために前記中央渦塔内に位置する少なくとも1つの風力タービンと、
前記複数の階のそれぞれ異なる階に各々配置された複数の水平配向風取入口であって、各水平配向風取入口は、複数の様々な方向で前記建物構造の外部に面する複数の風入口を介して入風に晒される、風取入口と、
各水平配向風取入口内にある、その垂直軸の周りで旋回するように各々旋回可能に取り付けられた複数の可動風翼であって、前記可動風翼は、限られた揺動範囲を各々有し、前記入風へのその風受け面の露出に依存して、前記風受け面に対する前記入の力応答して、前記入風を前記中央渦塔へ向かって内向きに渦巻くように向け直すためにその限られた揺動範囲の端部における対応する位置へ旋回するように構成される、可動風翼と、
前記水平配向風取入口のうちの少なくとも1つの中にある、前記複数の可動風翼の径方向内側に位置するそれぞれの風ツイスタであって、前記風ツイスタは、前記入風が内向きに渦巻き続け、前記中央渦塔内へ上向きに方向付けられて、前記少なくとも1つの風力タービンを駆動するために前記中央渦塔内で周回上向きの空気渦を供給するように、前記可動風翼から前記入風を受け取って向け直すように構成された複数の固定空気流方向付け表面を画定する、風ツイスタと、
を備える、建物構造。
【請求項2】
前記複数の可動風翼は、前記水平配向風取入口の径方向外側部分内に配置された第1の複数の風翼と、前記水平配向風取入口の径方向内側部分内に配置された第2の複数の風翼とを備え、前記第1の複数の風翼の各々の径方向内側エッジは、前記入風を向け直すための表面を形成するために、前記第2の複数の風翼のうちの対応する風翼の径方向外側エッジと当接するように構成される、請求項1に記載の建物構造。
【請求項3】
前記可動風翼のうちの少なくともいくつかは、開放フレームの1つの側面上に取り付けられた変形可能な部分を備え、前記変形可能な部分は、第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面とを有し、前記変形可能な部分が前記入風に対して前記開放フレームの風下側にある時には、前記第1の面は前記入風に晒され、前記第2の面は前記入風から風下にあり、前記変形可能な部分は、前記第1の面に、前記入風を湾曲経路に沿って向け直すための全体的に凸状の垂直表面を有するようにさせるように変形し、前記変形可能な部分が前記入風に対して前記開放フレームの風上側にある時には、前記第2の面は前記入風に晒され、前記第1の面は前記入風から風下にあり、前記変形可能な部分は、前記第2の面に、直線経路に沿って前記入風を向け直すための全体的に平坦な垂直表面を有するようにさせるように変形する、請求項1または2に記載の建物構造。
【請求項4】
記変形可能な部分は、前記開放フレームから吊り下げられた可撓性垂直表面を備え、前記開放フレームは、前記第2の面が前記入風に晒され、前記第1の面が前記入風から風下にある時には、前記可撓性垂直表面と接触してその湾曲を妨げるように構成される、請求項3に記載の建物構造。
【請求項5】
記変形可能な部分は、垂直ヒンジ連結を用いて一体に結合された一対の表面を備え、前記垂直ヒンジ連結は、前記一対の表面の限られた範囲のそれぞれの旋回を可能にする、請求項3または4に記載の建物構造。
【請求項6】
前記可撓性垂直表面は、伸縮式の帆または表面であり、前記可動風翼の少なくともいくつかの各々は、前記伸縮式の帆または表面のためのハウジングと、前記伸縮式の帆または表面を前記ハウジング内に引き込むように付勢された機構とを更に備える、請求項に記載の建物構造。
【請求項7】
前記建物構造は、全ての水平方向からの入風に晒される自動的に制御されるルーバ付き風入口を有するマルチアングル建物構造であり、前記風入口は、前記風入口の外側に位置する複数の水平配向ベンチュリファンネル構造を集合的に備え、前記ベンチュリファンネル構造の各々は、前記入風を受け取って集中させるように構成された、上面、底面、またはそれらの組み合わせを備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の建物構造。
【請求項8】
前記水平配向風取入口のうちの最も上の風取入口は、前記入風を、前記中央渦塔内に位置し、前記水平配向風取入口のうちの最も上の風取入口と位置合わせされた更なるツイン風力タービンへ供給するように構成され、前記更なるツイン風力タービンは、前記水平配向風取入口のうちの最も上の風取入口からの風によって駆動される時には、前記中央渦塔内で上向きに空気を引き上げるように構成される、請求項1~7のいずれか1項に記載の建物構造。
【請求項9】
風を受け取り、前記複数の風入口のうちの対応する風入口へ向かって内側に向け直すように各々構成された1つ以上の垂直外壁を更に備える、請求項1~8のいずれか1項に記載の建物構造。
【請求項10】
前記建物構造は、前記水平配向風取入口のうちの最も下の風取入口より下に設けられた強制温風生成システムを更に備え、前記強制温風生成システムは、温風を生成し、前記温風を、前記空気渦に対応する上向きの渦巻きの中で前記中央渦塔内へ上向きに供給するように構成される、請求項1~9のいずれか1項に記載の建物構造。
【請求項11】
前記建物構造は、1つ以上の占有可能建物階を更に備え、前記占有可能建物階のうちの少なくとも1つは、連続する水平配向風取入口の間に設けられる、請求項1~10のいずれか1項に記載の建物構造。
【請求項12】
前記中央渦塔は、前記複数の水平配向風取入口のうちの少なくとも1つを通る時に、径において増大し、前記風ツイスタは、複数の風ツイスタのうちの1つであり、前記複数の風ツイスタのうちの第1の風ツイスタは、前記水平配向風取入口のうちの第1の風取入口と同じ高さにあり、前記複数の風ツイスタのうちの第2の風ツイスタは、前記水平配向風取入口のうちの第1の風取入口より上にある前記水平配向風取入口のうちの第2の風取入口と同じ高さにあり、前記複数の風ツイスタのうちの第1の風ツイスタの径は、前記複数の風ツイスタのうちの第2の風ツイスタの径よりも小さい、請求項1~11のいずれか1項に記載の建物構造。
【請求項13】
前記風ツイスタは、能動側で入来風を、前記中央渦塔内への周回上向き方向へ向け、更に、前記能動側とは反対側の受動側に空気吸引を生み出し、前記受動側から前記中央渦塔内へ空気を吸い上げるように構成され、前記複数の固定空気流方向付け表面は、それぞれの風入口および風出口を各々含む複数のチャネルを画定し、前記複数のチャネルの各々一方の風出口は上向きに方向付けられ、そこから追い出された風が前記複数のチャネルの各々他方の中へ通過するのを妨げる、請求項1~12のいずれか1項に記載の建物構造。
【請求項14】
前記風ツイスタの複数の固定空気流方向付け表面は、前記入風を圧縮するために徐々に減少する断面積のチャネルを画定する、請求項1~13のいずれか1項に記載の建物構造。
【請求項15】
前記風ツイスタの複数の固定空気流方向付け表面および前記複数の可動風翼は、前記入風を中央渦塔内へ向け直すように協働的に構成される、請求項1~14のいずれか1項に記載の建物構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に環境発電構造に関し、特に、風力、太陽、地熱、および焼却エネルギを収穫し利用する建物構造に関する。
【背景技術】
【0002】
数年来、エネルギおよび電力を生成する産業に用いられる石油、石炭、および他のガスの備蓄は、世界的に減少している。空気ならびに農業や水供給に重大な汚染をもたらすとともに、これらの産業は、先進的な科学者および大衆による批判の主な対象となっている。クリーンで無公害の再生可能エネルギプロジェクトは、今後のエネルギ生成の主な焦点となりつつある。多数の構想が設計および構築され、毎年、新しいものが特許を取り、試験されている。太陽パネル、波力、潮流、および他の多くの種類の発電システムの中で、風に基づく設計およびタービン発電機は、現在および今後の発電所に関する今日の計画に大きな影響を与えてきた。水平および垂直風力タービン設計構想には様々な構成があり、それらは全て、多くの利益および不利益を伴う。
【0003】
HAWT(水平軸風力タービン)は、何世紀も前に発案された最も古いアイデアである。これらは、その創設以来修正されており、今日のHAWTは非常に高度であり、クリーンエネルギを生成するための実行可能な選択肢を大幅に効率よく提供するものである。
【0004】
HAWTの主な難点および不利益。高度なブレード設計を有する場合でも、それを実行可能なエネルギ源にするために、風力タービンの塔は、高く、大きな径のブレードスイープを有する必要があり、これは非常に強い風による破壊を受けやすくなり得る。軸は風の中を指す必要があり、風感知および配向機構を必要とする。HAWTは、住宅向きの人口密集地域付近では非常に不評判である。またこれらは、鳥および航空交通に関して危険でもあり得る。これらの点検および保全は、特に破損または老朽化した部品を交換する時、非常に厄介かつ高費用であり得る。
【0005】
垂直軸風力タービン(VAWT)は、主要ロータ軸が風に対し横断方向に(しかし必ずしも垂直ではなく)設置され、主要部品がタービンの基部に位置する型式の風力タービンである。この配置は、発電機およびギアボックスが地面の近くに位置することを可能にし、点検および修理を容易にする。VAWTは、風の中を指す必要がなく、風感知および配向機構の必要性が取り除かれる。早期の設計(サボニウス、ダリウス、サイクロタービン、ならびにジャイロミルタービン)の主な欠点は、各回転中の著しいトルク変動または「リップル」、およびブレードへの大きな曲げモーメントを含んだ。後期の設計は、ブレードを螺旋状にスイープすることによって、トルクリップル問題に対処した。
【0006】
垂直軸風力タービンは、風流線に対し直角を成し地面に対し垂直な軸を有する。この選択肢を含むより一般的な用語は、「横断軸風力タービン」または「交差流風力タービン」である。たとえば、ダリウス原特許である米国特許1835018号は、両方の選択肢を含む。VAWTは、従来技術(HAWT)に勝る数々の利点を提供する。
【0007】
VAWTは、無指向性であり、風を追跡する必要がない。これは、それらが複雑な機構およびロータの向きを変えブレードを傾けるためのモータを必要としないことを意味する。これらは、激しい風および突風を利用する能力を有する。そのような風は、HAWTによって収穫されず、実際、HAWTの疲労促進の原因となる。
【0008】
VAWTのギアボックスは、HAWTのギアボックスよりも大幅に少ない疲労しか被らない。交換が必要な場合も、ギアボックスが地上の高さで容易に接近可能であるため、交換はより低費用かつ単純である。これは、クレーンまたは他の大型機器が現場で必要とされないことを意味し、費用および環境への影響が低減される。モータおよびギアボックスの故障は一般に、陸上および海上両方のHAWT風力発電所の動作および保全費用を増加させる。
【0009】
カリフォルニア工科大学の物理および数学部門における研究もまた、VAWTを用いて慎重に設計された風力発電所が、同じサイズのHAWT風力発電所の何倍もの出力電力を有し得ることを示している。この20年間で、機械効率ならびに電力出力を著しく向上させた多くの様々な先進的VAWT設計および事業が展開されている。今日のより高度なVAWT設計および事業の特徴は、以下のようなカテゴリに分類され得る。
【0010】
ソーラー煙突発電プラントとも呼ばれるソーラーアップドラフト型発電プラント(SUPP)は、煙突上昇気流力の原理で動作する。空気は、廃熱の焼却の太陽パネルによってプラントの底部で加熱され、強い上昇気流風を生成する高い煙突内に引き込まれ、これが、煙突の基部、中間部、上部、またはそれらの組み合わせにおいて垂直または水平軸タービンを動かす。これらの発電プラントは、非常に大型かつ背が高く、何エーカーもの土地を占める。そのようなプラントの建設は、大規模な資本投資および長期的資本回収を必要とする。これらのプラントの出力は一定ではなく、効率はなお非常に低く、煙突の高さおよび太陽熱収集器の表面積に大いに依存する。この技術の多数の例の1つは、米国特許2009/0212570A1号およびUS2004/0112055A1号において説明される。
【0011】
ソーラーダウンドラフト型発電プラント(SDPP)もまた、「蒸気駆動型ダウンドラフト電力生成システム」の原理で作動する非常に大きな事業である。これは、太陽の太陽光によって加熱された乾いた空気を、強力な触媒として作用するH20と結合し、強大な自然下降気流風を生成する。水滴の蒸発に起因する冷却は、未蒸発液滴の重さと相まって、空気をより重く高密度にし、塔の深さ全体に沈下させる。塔の底部において、空気は水平方向に押され、塔の基部を出る際に複数のタービンを駆動する。プラントの最大生産性は、周囲相対湿度が最小になる時(午後遅く)である。この設計の一例は、アリゾナ州に建設される「太陽風力エネルギ塔」事業である。このプラントは640エーカーを占め、2200フィート超過の塔の高さおよび1200フィートの径を伴う(特許8,517,662B2号)。そのようなプラントの建設は、大規模な資本投資を必要とするので、長期的資本回収を伴う複数レベルでの参加および投資は、非常に危機的であり獲得が困難である。いくつかのそのようなプラントが多くの広告および宣伝とともに提案されてきたが、いずれも今日まで建設されていない。
【0012】
偏倚風翼VAWTは一般に、ロータに対して周方向に間隔を有する、複数の垂直配置固定ステータ風翼で構成される。単列または多列構成において、これらの固定風翼は、風を所望の方向に押し込む指向性垂直面としての機能を果たし、静翼のより狭い部分を通るように風を向けることにより、風および風速をロータブレード内に圧縮し、タービンを駆動する。今日、多くの設計および事業が存在しており、それらは同じ原理を用いるが、どのように風を捕捉しロータブレード内へ向けるかという点で全て異なっている。この原理の例は、特許US6740989B2号、US5852331A号、およびWO2014043507A1号に示され得る。
【0013】
圧縮空気VAWTまたはHAWTは、多方向頂部入口収集器において風を捕捉し、それを、ベンチュリ効果によって風を集めるファンネルに下方向に押し通すという原理で設計される。その後ファンネルは、タービン発電機が位置する第2の水平ベンチュリ菅狭部に風を更に通す。風は、拡散器を通ってファンネルから出る。この構想の一例は、Sheerwind社のINVELOXによる事業である。この事業は、多くの広告および出資を獲得したが、この企業によって発表されたデータおよび計算の一部は、その妥当性が問われている。
【0014】
垂直多段VAWTは、008で説明したような個々の偏倚風翼タービンを上下に積み重ねることにより、電力出力を増加させるという構想を表す。この構想の一例は、KIONASと名付けられた事業である。2016年に受領され2017年に認められたDemos T. Tsahalisによって発表されたKIONAS数理および計算研究によると、この事業は、2~3MWの範囲で電力を生成する大型機構には競合できないが、10~100kW範囲の小型機構の主要な競合相手である。
【0015】
建物表面風力タービン(BSWT)は、建物の垂直壁表面への風圧を利用し、これを角度付き水平壁型固定風翼によって圧縮し、小型多重HAWTに動力供給するという構想である。Jeongsu Park他著、Frede Blaabjerg編集の“A New Building-Integrated Wind Turbine System Utilizing the Building”と題された、この構想の計算研究は、Energies第8巻第10号11846~11870頁において2015年に発表された。これは、この型式のシステムから推定される生産可能電力が、高層住居建物のエネルギ消費と比較して、必要な電力の約6.3%しか提供できないことを結論付けた。この原理を用いる事業は、今日まで着手されていない。
【0016】
建物形方向性風タービン(BSDWT)は、WAVTが位置する機械フロアの方向へ風を導くために、わずかに凸状の外壁を用いる高層建物構想である。この構想の一例は、2013年に完成した、広州にある高さ1,015フィートの珠江タワーである。この事業は、高層建物における集積型再生可能エネルギにおける先進的アプローチを象徴するものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の目的は、渦構成を用いて風力エネルギを収穫するエネルギ収穫建物構造を提供することである。この建物は、風ならびにたとえば太陽、地熱、および焼却などの他のエネルギ源からエネルギを収穫し得る。たとえば熱エネルギを用いることによって風渦の維持を支援するなど、多数のエネルギ源が協働的に収穫および利用される。本発明の態様によると、エネルギ収穫建物構造は、複数の階と、複数の階の各々を通り、複数の階から受け取られた移動する空気を建物構造の頂上における出口へ向かって上向きに方向付けるように構成された中央渦塔と、風からエネルギを収穫するための中央渦塔内に位置する少なくとも1つの風力タービンと、各々が複数の階のそれぞれ異なる1つに配置された複数の水平配向風取入口であって、各水平集風エリアが、複数の様々な方向で建物構造の外部に面する風入口を介して入射風に晒された複数の水平配向風取入口と、各水平集風エリアにおける、各々がそれぞれの垂直ピボット軸に旋回可能に取り付けられ、各々が、限られた揺動範囲を有し、入射風への露出に依存して、入射風を中央渦塔へ向かって内向きに渦巻くように向け直すために限られた揺動範囲の端部における対応する位置へ旋回するように構成された複数の可動風翼と、水平配向風取入口の少なくとも1つにおける、入射風が内向きに渦巻き続け、中央渦塔内へ上向きに方向付けられて、少なくとも1つの風力タービンを駆動するための中央渦塔内の空気渦を供給するように、可動風翼からの前記入射風を受け取って向け直すように構成された複数の固定空気流方向付け表面を画定する、複数の可動風翼の径方向内側に位置するそれぞれの風ツイスタと、を含む。
【0018】
今日までに使用または公表されている、1つまたは最大2つの設計原理のみを用いて電力を生成する、背景技術において説明したようなエネルギ回収設計およびシステムの構想の全てと異なり、CIVARエネルギ塔の実施形態は、建物自体の物理設計、ウインドサーフィンおよび帆走原理、ベンチュリ効果原理、暖炉上昇気流原理、浴室ファン排気原理、およびトルネード渦原理という最大6つの異なる物理設計原理に基づいている。CIVARエネルギ塔は、太陽、風、および地熱システムならびに廃棄物焼却からの熱をエネルギ源として用いており、6つ全ての原理を同時に用いて、それらを1つの相互作用発電機械に一体化する。CIVARエネルギ塔建物構造は、多数の階で風を捕捉し、それを、能動風翼を介して内側固定翼ツイスタを通り中央渦塔内へ向けるために、全風露出を利用するように設計される。同時に、加熱された空気は、地上風取入口を介して渦塔の底部へ押し込まれる。煙突効果が空気を上向きに引き上げ、多数の階における複合的な渦風流入量と結合されると、空気は回転し、浮き立ち、頂部塔出口へ送り込まれて、様々な階における多数の発電機に動力供給する。従来、風力発電装置は、高い塔の一部を形成するか、建物および他の構造物の頂部に取り付けられるが、それらは全てはっきりと目に見え、居住エリアでは不評判である。CIVARエネルギ塔には、建物の外側または内側から見える風力発電装置は存在せず、建物を視覚的に魅力的かつ人々に親しみやすいものにする。発電機械であること以外に、CIVAR塔建物は、住宅、オフィス、または軽工業用などの多数の占有に適応するように設計される。CIVARエネルギ塔は、年間を通して休みなく電力を生成し、その構造は、ハリケーン耐性を有し、強風の間も高い電力生成を提供する。強風の間に生成されたアクセスエネルギは、多数のリチウム電池に、または揚水によって付近のより高い地上貯蔵器に格納されてよく、建物による低発電の間、水タービンをより低い貯水器へ運ぶために用いる。最大エネルギ生成のために、CIVARエネルギ塔建物をより高い地面に、または大量の予測可能な風露出がある場所に配置することが理想的である。CIVERエネルギ塔は、6つ全ての物理原理を同時に用いて、電力を生成し、同じ建物内に多数の占有を提供し、同時に、物理的に非侵入的であるだけではなく非常に魅力的かつ人々に親しみやすい建物である、最初の事業である。
【0019】
本発明の実施形態は、多数の内部占有、建物エネルギ要件を運営するためにエネルギを生成するために特に設計された構造を有する、場合によっては100%クリーンエネルギ回収建物であり得る複合型相互作用渦加速回収(CIVAR)エネルギ塔を提供する。本発明は、風、太陽、地熱、および廃棄物焼却熱を用い、それを、これら全ての供給源を1つの相互作用エネルギ生成システムに結合することによってクリーンエネルギに変換し得る。本発明は、垂直複合するように中央渦塔内で相互作用するように建物の多数の階における風取入口を具現化し得る。本発明において、中央渦塔内の風の正および負の力は、渦風力を生み出し、加速し、増大させるためにともに作用する。外側または内側から見える風力発電装置は存在せず、建物は、視覚的に魅力的かつ人々に親しみやすいものになる。
【0020】
以下の図面の説明は、上記図面の内容を明確化するための凝縮された説明および/または一般的コメントにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】基本八角形構想の概略図、その寸法および寸法比、ならびに、典型的な「外側、中間、および内側リング」風翼および風タービンの位置および相互関係を示す典型的なCIVARエネルギ回収風プラットフォーム。
図2】風を「内側リング」固定翼ツイスタ内へ導くための(帆走原理から取り入れた)外側リング旋回翼および中間リング屈曲風翼を有する、最大風露出を捕捉する基本八角形構想の概略図を示す典型的なCIVAR風力エネルギ回収プラットフォーム。
図3】2つの選択肢を示す、CIVAR中間リング屈曲風翼の細部を描写する。選択肢Aは、帆型可撓性風翼設計を有し、選択肢Bは、山付き風翼設計を有する。この図は、風方向に対する風翼枢支点の位置も示す。
図4】風方向および枢支点に対する風翼の偏倚を示す、CIVAR中間リング屈曲風翼の3次元図である。
図5】外側リング旋回風翼、中間リング旋回および偏倚風翼、内側リング固定ツイスタ翼、ならびに垂直風壁を有する典型的な風プラットフォームの全風露出を示すフロアプランである。
図6】CIVAR渦塔内の外側および内側風タービンを示す最上階風取入口のフロアプランである。この図は、湾曲またはスレートブレードを有する外側風タービンの3D図も描写する。
図7】様々な建物階における多数の風取入口および増加的に強力になる風渦の複合効果を示す、CIVAR渦塔概念図の断面図である。
図8】CIVAR中央塔風渦の力の増加においてともに作用する2つの階の風入口からの典型的な内側リング風ツイスタを示す、3次元概略図である。
図9】複合的風渦構想の全ての部分および構成要素ならびに風タービンの位置を示す、CIVARエネルギ塔建物の概略断面図である。
図10】塔に階が追加されるごとに渦風力を増加させる、CIVARエネルギ塔の多数積層中間ユニットの概略図を描写する。
図11】多数の風取入口、垂直風壁および傾斜周壁の選択肢、ならびに多数の占有階のためのエリアを示す、CIVARエネルギ塔建物外部の立面概念図である。
図12】風取入口、風壁、周囲傾斜壁、および拡散渦風出口を示す、完成時の八角形CIVARエネルギ塔の3次元概念図である。
図13】多数の占有のための追加階を収容するために取り付けられた湾曲建物を有するCIVARエネルギ塔八角形建物の風プラットフォーム階のフロアプランを示す。
図14】2つの図を描写する。14Aは、図13に描写するようなCIVARエネルギ塔風プラットフォームのフロアプランを示す。図14Bは、14Aと同じ建物の、多数の占有のために用いられる開放構想を有する占有階におけるフロアプランを表す。
図15】居住用に分割されたCIVARエネルギ塔占有階の例を示す。下は、メインエントランスおよびおよび追加の拡張地上階建物を有する完成時のCIVAR塔の立面概念図である。
図16】CIVARエネルギ塔の底部に位置し得る機械室を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書で用いられる技術的表現は、本発明に対する限定として意図されたものではなく、特定の実施形態を説明する目的を持つ。「および/または」という用語は、羅列された項目のうちの1または複数の全ての組み合わせを含む。単数語の「a」、「an」、および「the」は、単数形および複数形を含むことが意図される。「備える、備えている」、「表す、表している」、「~から構成される、成る」という用語は、記載された特徴、動作、要素、および構成要素の存在を明示するが、他の特徴、動作、要素、構成要素、およびそれらのグループの存在を除外するものではない。CIVAR垂直塔発明を説明することによって、数々のプロセスおよび機能が開示されることが明らかである。各々が個々の利益を有し、他の開示された特徴、動作、または構成要素の1つ、複数、または全てと併用され得る。本CIVARエネルギ塔発明および複数のそれらを表す「CIVERエネルギ塔」という語句は、以下、完全な上記語句、部分的語句、または単数の語「CIVAR」として用いられ、これらは全て、上記完全な語句「CIVERエネルギ塔」発明を表すものである。
【0023】
本開示は、本発明およびその一部の仕様および説明書とみなされるべきであり、本発明を、図面、概略図、以下の数値または説明に示されるような特定の実施形態に限定することは意図されていない。本発明を例示および/または提示する以下の図面は、概略的および/または概念的性質を有し、上記発明の最終的な構造を表すものではない。
【0024】
以下の記述において、説明を目的として、本発明の完全な理解を提供するために数々の具体的な細部および機能が記載される。上述したCIVARエネルギ塔発明の説明および上記説明を理解および読解し易くするために、上記図面の説明は順序立てて書かれ、01~16の上記順序における累進的図面番号に従って、情報、考察、および説明を提供することが理解される。
【0025】
例示的実施形態によると、CIVARエネルギ塔発明は、風、太陽、および地熱および/または廃棄物焼却源からの熱を捕捉する際に同時に相互作用する6つの独立した構成要素を具現化し、それを混ぜ合わせて、様々な高さにおける複数の発電機を動かすために強力な渦エネルギにし、風への露出が同じであるHAWTよりも5~6倍多いエネルギを生成する。CIVARエネルギ塔は、建物自体の物理設計、ウインドサーフィンおよび帆走原理、ベンチュリ効果原理、暖炉アップドラフト原理、浴室排気ファン原理、およびトルネード渦原理という、6つの異なる独立した物理原理に基づく。上記原理は、以下の図面1~16によって、単一または複数で説明および参照される。
図1
【0026】
建物の物理的設計は、様々な高さの八角形構造を具現化するものである。上記八角形設計の変更例として、他のマルチアングル建物および/または円形構成が用いられ得る。マルチアングル建物構造とは、たとえば正多角形の5、6、またはそれより多い数の側壁を有し得る(一般に凸状の)構造を指す。上記八角形構造の高さおよび径は、最終的なCIVERエネルギ塔発電量ならびに様々な占有のために利用可能な内部空間を決定する。図1に示すように、CIVAR建物風プラットフォームのフロアプランは、いくつかの構成要素から成る。八角形建物10は、外側半径10A(点線)を占め、その半径は、外側リング7、中間リング8、およびセクション3、4、および5を備える内側リング9という3つの等しいセクションに分割される。この本構成において、リングは幅20フィート(6m)であるように示されるが、様々な要望に適応するように変更され得る。建物設計の他の重要な特徴は、図5、6、7、9、11、および12~15において説明され参照される。
【0027】
ウインドサーフィンおよび帆走の原理は、2列の旋回および偏倚風翼を取り付けることによってCIVARエネルギ塔において用いられる。図1に示すように、建物の外周に枢支点11を有する垂直旋回風翼1を具現化する外側リング7は、帆装材料で構成される。外側に面する枢支点を有する、垂直旋回風翼2を具現化する中間リング8は、可撓性屈曲材料、および/または、上記翼を保持する開放山付き旋回翼の上に取り付けられた山付き可動部で構成される。風翼のより詳細な説明は、図2図3、および図4において明らかになる。図1に示すように、リング8の一部を形成する風翼2の枢支点は、外側翼1の間で中間に位置し、リング7の一部を形成する。そのような分割により、八角形建物の1つの直線の辺が4つの等しいセクション6に分割される。
【0028】
以下、「内側リング」と称される内側リング3は、合計20フィートの幅でありリングの3/4(25フィート)を表すタービン4および5も含む内側リング9の1/4(5フィート)を構成し、多数の垂直固定角度付き風翼を具現化する。内側風翼始点は、全ての風翼2の中心に位置し、(上記風翼2の中心に位置する)風流入点から発する右方向へ角度を有し、風流を加速させ続けながら、中央風渦の強さを有利に増加させることにより、風力発電機4および5のブレードに当たる上記渦の角度を大きくする。内側風翼におけるより具体的な説明は、図8および図9の説明にある。
図2
【0029】
様々な階におけるいくつかの可能なわずかな差異を有する、CIVER塔の典型的な風プラットフォームの全体概略図は、風翼1および2の機能、それらの枢支点11、および上記風翼の揺動範囲12を示す。垂直風翼は、どの方向からCIVER構造に風が入るかに依存して、風によってそれらの枢支点11で揺動する。プラットフォームの中心から更に離れて、山付き風翼1は、入来する風の力によって、風翼2の枢支点に接触するまで揺動する。風翼2は、入来風方向に対し上記フレームの風下側に位置する当て木または屈曲パネルを有する帆を有する開放剛性フレームで構成される。ウインドサーフィンおよび帆走と同様、この原理は、船を駆動するために最大露出および風力を捕捉するようにトリミングすることによって調整される帆の曲率とともに風の力を用いることに基づく。CIVAR構想において、2列の旋回風翼および帆曲率原理は、風を限られた可能な限り最小の抵抗で内側塔風タービンへ導くために用いられる。フレームの風下側における帆または屈曲パネルを有する翼2の開放フレームに入来風が当たると、帆または屈曲パネルは、フレームから離れる方向への湾曲構成に突き出して、風が妨げられることなく内側リング固定翼3へ流れることを可能にし、これは、中央塔への入風角度を更に大きくする。この構成は、CIVAR風プラットフォーム発明が、上記プラットフォームに到達する風力の(たとえば100%に近い)大部分を捕捉すると同時に、風の乱れおよび有利な風翼設計またはその位置の欠如に起因するエネルギ損失を少なくすることを可能にする。
【0030】
風翼の開放フレームは、外側フレームと、風が開口部を外側フレーム内へ通過することを可能にする開口部と、外側フレームの対向するエッジ間のたとえば横梁などの1または複数の支持体とを含み得る。帆または屈曲パネル(変形可能部分とも称される)は、開放フレームの一側面に位置する。帆または屈曲パネルが開放フレームの風下側にある場合、風は、開口部を開放フレーム内へ通過し、帆または屈曲パネルを開放フレームから離れる方向へ湾曲させる。帆または屈曲パネルが開放フレームの風上側にある場合、風は、帆または屈曲パネルを開放フレームの方向へ押しやる。したがって、帆または屈曲パネル(たとえばその支持体)は、支持体および/または外側フレームに接触する。この接触は、開放フレームの開口部を通る帆または屈曲パネルの更なる動きを妨げ、帆または屈曲パネルに、支持体に接触する略平坦構成をとらせる。
【0031】
図2は、風翼1および2の概略的な動作を、風方向および上記翼の枢支点の位置と関連して示す図、詳細図AおよびBを含む。翼の枢支点が入風方向の(風を見下ろして)右側にある場合、詳細図A、翼1は、翼2の枢支点に当たる(揺動12の範囲を参照)。帆または屈曲パネルは、この場合、フレームの風上側に位置し、風によって直線形山付き開放フレーム内へ押し込まれることにより、帆またはパネルが突出することを防ぐ。この場合、開放フレームの支持体が、帆またはパネルが突出することを妨げ得る。直線形風翼2は、風に押されてリング3の固定翼に接触し、妨げられることなく、破断力または阻害力を有さずに、開口部内へ風を導く。
【0032】
図2の)詳細図Bもまた、風翼1および2の概略的動作を、風方向および上記翼の枢支点の位置と関連して示す。翼の枢支点が入風方向の(風を見下ろして)左側にある場合、詳細図B、翼1は、翼2の枢支点に当たる(揺動12の範囲)。したがって翼1は、その揺動範囲の終点におけるバックストップ位置まで旋回する。翼2は、固定翼3のエッジに接触すると、その揺動範囲の終点におけるバックストップ位置まで旋回する。以下、上記帆または屈曲パネルの両方を表す帆は、この場合、直線形山付き開放フレームの風下側に位置するので、帆またはパネルが内側リング固定翼3に当たると、帆またはパネルを突出させ、上記リング3の翼内へ流れ込む風の全力を受け入れるようにその表面を偏倚させ、実質的に妨げられることなく破断力または阻害力を有さず(またはほとんど有さず)、リング3固定翼開口部を通るように風を導くための開けた道をもたらす。
図3
【0033】
図3は、中間リング2の当て木付き旋回風翼/帆の模式図、および固定内側リング翼3への風流方向を最大にするためのその自動突出および/または屈曲機能を示す。この図は、風下および/または風上アプローチと関連して風翼旋回動作も示す。具体的には、この図は、風翼建設構想の2つの選択肢を示す。
【0034】
選択肢2Aは、風翼2の山付き開放フレーム13、上記翼に接近する風の任意の角度を受け入れるように突出した帆の湾曲を制御するために突出リストリクタ15Rを用いて突出位置における当て木付き突出可能帆15の模式図を示す。帆を突出させる翼2への風の力がない場合、上記突出した帆は、枢支位置周囲のテンションケーブルまたはばね負荷を用いて翼2の開放フレームの裏側かつ風翼2の枢支点に位置する帆ハウジング16内へ自動的に収縮14する。この構想は、帆船で用いられる自己巻取り帆原理から取り入れられたものである。これは、帆船における自己巻取り原理と同様である。
【0035】
選択肢2Bは、山付き開放フレーム13、および上記翼2に接近する任意の角度の風を受け入れるような突出位置における2つ以上のヒンジ付き山付きパネルの風翼2概略図を示す。翼2への風の力がない場合、突出した山付きパネルは、枢支位置の周囲のテンションケーブルまたはばね負荷を用いて翼2の開放フレームの裏側の直線位置へ自動的に収縮して戻る。この図は、どちらも入来風に対し、左側18Lにある枢支位置を有する開放フレーム19Bの後ろ側の突出位置における翼2、および右側18Rにおける枢支位置を有する、開放フレーム19Aの前側の直線位置にある翼も描写する。
図4
【0036】
図4は、1つの典型的な風翼1および2を示す3次元概略図であり、各上記風翼は、中央CIVAR塔5の対向する側面に設置されている。この図は、中央塔5の対向する側面における1および2の風翼の両方を同時に作動させ、風を互いの反対方向へ向ける入風方向を示す。またこの図は、風翼2の全ての枢支点が位置する円10Cも示す。
【0037】
風下に見ると、左側翼1は、翼2の風下枢支点18Lに接触しており、山付き開放フレーム13を有する翼2は、風下固定風翼3へ押し付けられる。以下、帆および屈曲パネルの両方を表す、翼2の帆は、風に押され、そのハウジング16から突出し、風方向を滑らかに方向転換してリング3固定風翼へ向けるような湾曲した帆19Aを形成する。
【0038】
同時に、対向する側面において、右側にある枢支点11Rを有する翼1は、翼2の風下枢支点にも当たる。帆は、この場合、フレームの風上側に位置し、風によって、風翼2の直線形山付き開放フレーム内へ押し込まれるので、帆が突出19Bすることが妨げられる。右側にある枢支点18Rを有する翼2の直線形風翼フレーム13は、風に押され、リング3の風下固定翼に接触し、妨げられることなく破断力または阻害力を有さずに風を開口部内へ導く。
図5
【0039】
図5は、CIVARエネルギ塔建物の平面図を、その全体および風上側における完全な「能動的風露出」AWIならびに反対側における「受動的風取入口」PWIの両方において示す図である。図に示すように、能動的風上側AWIにおいて、風上風プラットフォームは、中央垂直塔へ入る時に風渦内への風の周回方向を増加させるために、垂直方向に対し角度を有する能動風翼1および2および内側リング固定風翼3を介して中央垂直塔5内へ風を押し込んでいる。内側風翼3の設計により、風を上向きに押し上げると(図8を参照)、リング3風プラットフォームAWIの能動側からの入来する回転する力を持つ空気の力が、風リング3プラットフォームPWIの受動側における収束効果により負圧を生み出し、内側リング3を通過する追加の利用可能な空気を中央渦塔内へ吸い上げる。中央渦塔は、垂直軸とも称されてよく、これを通って風は上向きに流れ得る。
【0040】
具体的には、この図は、旋回風翼1および2の両方を示し、それらの枢支点18Aは、右を風下とする翼の旋回方向を示し、枢支点18Bは、左を風下とする翼の旋回方向を示す。風下を向いて左側において、上記翼2は、風下の固定翼3に接触するように押され、突出し19A、風を風翼3の方向へ移動するように滑らかに方向転換する。風下を向いて右側において、上記翼2は、風下の内側リング3の固定翼に接触するように押され、その帆は、翼のフレームに押し付けられ、風を風翼3の方向へ移動するように滑らかに方向転換する直線形風表面19Bをもたらす。
【0041】
図1に示すのとは異なり、八角形建物10の周囲は、円10Aの外側に位置する。これは、スケールおよび大きさの差異を表すものにすぎず、CIVAR発明の機能部分にほぼ全く影響を及ぼさない。この本発明に示されるような建物寸法は、図1に示すのと同じ寸法である、セクション7、8、および9で構成され、合計60フィートである寸法10Cと、寸法10Cの1/3を表す20フィートを表す10Dとから成る。示される寸法は、全体の大きさおよびCIVARエネルギ塔全体の機能が損なわれなければ、修正され得る。この図は、CIVARエネルギ塔発明の全体設計の一部を形成する、建物の直線レーン接続点の外周に設置された、建物Cの8つの垂直部品も示す。この構想もまた、建物自体の設計によって風露出を向上させる、本発明の一部である。上記垂直風壁Cの目的は、AWIの矢印で示す八角形建物の風プラットフォームへ更に多くの風を向けることであり、CIVAR塔構造全体の構造部材としての機能を果たすことでもある。垂直風壁Cを連結している外側水平外周線10Bは、図7、9、10、11、12、および15にも示され説明される、風プラットフォームに入る前に入来する風の圧縮をもたらすための傾斜水平壁を表す。
図6
【0042】
図6は、最大利用可能風露出AWI利用可能受動空気露出PWIを捕捉し、これを、垂直風壁C、外側旋回風翼1、中間リング旋回風翼2および2A、および内側リング固定風翼3を用いて、風力を加速し最大限にしてその風タービンを動かすように滑らかに導く、CIVARエネルギ塔風プラットフォームの基本的な八角形構想を示す概略図である。具体的には、この図は、トップユニット風取入口TUWI/24(図7)を有するCIVARエネルギ塔風取入口プラットフォームの上部を示す。
【0043】
この図は、様々な要望を最適化するために調整され得る、最上階風プラットフォーム風タービンおよびそのブレード配向4の3次元概念図も包含する。タービン4および5の高さ25は、トップ風プラットフォーム入口の高さに依存して可変である。対を成す最上階タービンは、垂直円筒型分離体によって内側円形風タービン5から分離され、最上階風取入口によって駆動され、入来する水平翼によって動力を得る外側タービン4、および下から到来する中央塔渦風によって駆動される内側円形風タービン5を具現化する。
【0044】
風取入口は、略水平に配向され、水平集風エリアとも称され得る。
図7
【0045】
図7は、たとえば地上ユニットGU、ベースユニットBU、トップユニットTUおよび屋根上など、内部占有のためのユニットを具現化する、ベンチュリ原理を用いて風を捕捉し、個々のCIVAR塔風プラットフォーム内へ導くための傾斜外壁を有するCIVARエネルギ塔建物の典型的な断面図を表す。この概略断面図は、複合的な方法で垂直方向に相互作用し、風が渦出口塔32の方向へ上向きに強制される時に加速した渦風力を生み出すための、地上ユニット風取入口GUWI、ベースユニット風取入口BUWI、およびトップユニット風取入口TUWIにおける風取入口を示す。全ての風取入口階は、異なる階における風タービンを動かすために上記渦の総力(図9)に加えて垂直塔へ入る強力な円形風渦を表す。
【0046】
地上ユニットは、中央機械室20を具現化し、ここで空気は、熱交換器によって加熱され、風取入口によって、建物21の地上高度における地上管路および入口を介して中央渦塔21の底部へ押し込まれる。渦風力の加速は、次の物理原理によって生み出される。第1に、正圧が、風取入口21を通って中央渦塔へ入る。強制空気が熱交換器を介して加熱され、暖炉火炎を排気する煙突内でのように上昇する。これは、それ自体が中央渦塔内での上昇力を生み出す。第2に、建物自体の設計が、その垂直および水平形状を用いて入来する風を導き圧縮することにより、集風器のように作用している。第3に、風は、内部占有を包含し、ベンチュリ原理を用いて、風が再び圧縮される風プラットフォーム22、23、および24内へ風を向ける周囲径斜壁を有して設計された、GU、BU、およびTUユニットによって圧縮される。第4に、風プラットフォームに入る圧縮され導かれた風は、翼1および2を具現化する旋回および可撓性風翼Aを介して、帆走およびウインドサーフィン原理を用いて導かれる。第5に、固定内側風翼Bは、トルネード渦の原理を用いて、上向きに動く強力な回転運動を生み出す、角度を有して傾斜して上向きである(図8を参照)内側翼3を具現化している。第6に、風吸引の原理は、浴室ファンの原理を表しており、これは、CIVAR中央渦塔内の複数の風タービンおよびトップ内側風タービン5によって生み出される。外側タービン4とともに作動すること、ならびに強力な上向き吸引効果を生み出すことにより、複数の風タービンは、渦塔出口開口部の方向へ上向きに渦を引き上げる。この多重「押し引き」または「吹出しおよび吸上げ」原理は、CIVARエネルギ塔発明を、風力エネルギを収穫し、その力を増加させて多数の階で垂直軸風タービンを動かすという、場合によっては独自の例にするものである。
図8
【0047】
図8は、風ツイスタとしての機能を果たし、風を回転上向き方向に強制する、複数の風プラットフォーム入風口および内側リング風翼3の3次元概念図を表す。下側および中間風ツイスタはどちらも同じ設計であるが、それらの径のサイズが異なっている。下側渦塔において、固定内側リング風ツイスタ3Aは、地上ユニット風取入口GUWIに設置される。上記風ツイスタは、入来する風を、周回上向き方向およびCIVAR下側渦塔LVT内へ強制する。ベースユニットBUより上の次の階にあるのは、圧縮された入来風の次の高度を(上を向いて)表すベースユニット風取入口BUWIである。内側リング固定風ツイスタ3Bは、入来する風を、周回上向き方向および下側渦塔LVTよりも大きな径を有するCIVAR中央中間渦塔MVT内へ強制する。この構成は、CIVAR中央渦塔内へ新しい風を取り込むことにより、風質量およびそれが上向きに動く時の渦力を増加させる。
【0048】
トップユニットTUより上の次の階(図7)にあるのは、上を向いて、入来する圧縮された風の最後の高度を表す、トップユニット風取入口TUWIである。上記トップユニット風取入口TUWIは、下の風取入口の相対的に2倍の高さである。明確性のために、この図は、この階のみを示し、任意の細部を示していない。トップ内側リング固定風ツイスタ3Cは、周回方向のみに風を強制し、風ツイスタ3Aおよび3Bのように上向きには強制しないことが理解される。その構成の根拠は、2種類のブレード設計から成るトップツインタービンの設計である。図6に示すように、外周風タービン4は、上向きに角度を有するブレードを有し、TUWI階で入来する圧縮された風のみによって動力を得る。上記トップツインタービンの一部を形成する内側風タービン5は、CIVAR渦塔内で生み出された風渦によって動力を得る。圧縮された入来する風をCIVAR渦塔出口開口部内へ上向きに強制する、角度付きブレードを有するトップ外周風タービン(図6)は、内側中央風塔よりも大きな径を有することにより、風質量およびそれが上向きに動く時の渦力を増加させる(図9を参照)。トップ渦塔TVTは、下の風渦塔LVTおよびMVTよりも径が大きい。より低い階の構成と同様に、この構想は、CIVAR中央渦塔内へより多くの新しい風を取り込むことにより、風質量、およびそれが中央渦塔32の出口開口部へ向かって上向きに動く時の渦力を増加させる。
【0049】
外周風タービン4は、ツインタービンの径方向外側セクションとも称され、内側風タービン5は、ツインタービンの径方向内側セクションとも称される。2つのセクション間に風が流れることを妨げ、代わりに風を上向きに方向転換するために、径方向外側セクションと径方向内側セクションとの間に円筒形側壁が配置される。
【0050】
また図8は、風ツイスタ設計の断面を示す図8Aも含む。この図は、3つの風ツイスタ断面を示し、その中で中間の1つが、3Aおよび3Bであり、(断面図8Aの左にある)3次元図にも示される。図3Aにおける風ツイスタは、CIVAR塔の目的および機能に特に適応するように適合されている。中間の図は、その物理全体を通して上記ツイスタと同じ垂直高さを有する風ツイスタ3Aを示す。風ツイスタの基部BVTおよび上記風ツイスタの天井CVTを具現化するCIVAR風ツイスタは、ツイスタ3Aに示すものと同じ基本設計を有するが、垂直CIVAR中央塔に入ると入来周囲高さが増加する特有の設計特徴を有する。上記ツイスタの基部および天井の、この特有の累進的上向き湾曲設計は、CIVAR中央渦塔発明に特徴的であり、2つの選択肢3C1および3C2に示される。
【0051】
CIVAR風ツイスタ発明は、図8Aの例3Aに示すものと同じ設計部品を具現化するが、ツイスタの内側円形出口高さが異なっている。設計3C1において、入来風高さ開口部は、中央開口部の内側リングと同じであるが、風ツイスタブレードは、入来風取入口の全高の追加の66%を表す、図に示すようなツイスタの天井の曲率に従って高さ3C1まで湾曲している。設計3C2において、風ツイスタの天井である、入来風高さ開口部は、中央開口部の内側リングよりも25%高く、風ツイスタブレードは、図に示すような入来風取入口の全高の追加の50%を表す、高さ3C2まで湾曲したツイスタの天井に従って湾曲している。ここで説明するようなCIVAR風ツイスタの寸法および/または高さの%は、上記変動が設計構想自体に当てはまる状態である限り、様々な要望を満たすように修正可能である。3C1および3C2両方の風ツイスタ設計の目的は、CIVAR渦塔に入る可能性のある横風乱気流をなくすことである。任意の方向から入来する風は、常に一方向においてCIVAR中央塔に入り、上記塔内の風渦を供給するように強制される。
図9
【0052】
図9は、CIVARエネルギ塔建物の概略断面図であり、建物の底部から始まりトップ渦塔出口開口部で終わる風渦制流の全ての構成要素を示す。具体的には、この図は、風を建物内へ向ける外周垂直風壁Cを示す。地上ユニットGU、ベースユニットBU、トップユニットTU、および屋根ユニットRUは、空気を、風プラットフォーム、およびたとえば地上ユニット風取入口GUWI、ベースユニット風取入口BUWI、トップユニット風取入口TUWIおよびTUWIの一部を形成する屋根ユニットといったそれらの風取入口内へ圧縮する。GUWI、BUWI、およびTUWI風プラットフォーム内で、この図は、旋回風翼1、旋回および突出風翼2、ならびに内側リング固定風ツイスタ3を示す。水平破線/点線FLは、ユニットGU、BU、TU、およびRUにおける内部占有のための床面を表す。前出の段落において説明され示されたようなCIVARエネルギ塔発明は、複合的な渦プロセスが上述の段落において説明および論述される。
【0053】
CIVAR塔の底部において、中央に機械室20(図7および16)が位置する。地上39の上に位置するその複数の空気入口38(図11)を有する地上ダクトGDを通り、水平ルーバ26を通って入来する空気は、中央空気収集器27内へ引き込まれ、ここで、様々な供給源から得られる地熱ポンプおよび廃棄物焼却からの熱を用いて機械室内の複数の熱交換機53および54(図16)によって加熱される。暖炉の煙突内でのように、温風は自然に上昇し、ダクトシステムGDを通る空気を引き上げる。完全に風がない場合でも、空気は地上ダクトGDを通って自然に引き込まれ、上にある熱交換器シリンダへ入る前に、ニュートラルギアに設定された電動ファン52を回し、その後、出口のトップへ至るシリンダの内壁に設置された固定ウォーム式翼55(図16)による周回運動へ巻き込まれる。風がある場合、風は、自然な上昇流原理を、円形ウォーム式翼シリンダユニット55を通り暖かい強制上昇気流を中央渦塔内へ押し込む強制温風加熱システムへと変える、地上風取入口GUへ入る。より強く強制された空気が所望される場合、電動ファンが作動され、上昇気流風へのより大きな力を生み出し得る。
【0054】
地上ユニットGUの上の地上階風プラットフォームにおいて、圧縮された風は、地上ユニット風取入口GUWIへ入り、これが、風翼1および2によって第1の内側リング固定翼ツイスタ3A内へ向けられる。風は、周回上向き運動を強制され、追加の上向きの力を生み出し、より小さな径の温風出口(径増加のサイズおよび比率は可変であり、様々な要望に適応するように修正され得る)から温風を引き上げる。これにより、CIVAR中央塔内での垂直風渦の始まりが生じる。段落032において明らかにされ、図5に示されたように、能動風取入口AWIは、受動風取入口PWIである風ツイスタ3Aの反対側に負圧を生み出すことにより、垂直方向に成長する渦を供給するために利用可能な追加の空気を吸い上げる。
【0055】
ユニットBUの上の基準階風プラットフォームにおいて、圧縮された風は、ベースユニット風取入口BUWIへ入り、これが、風翼1および2によって第2の内側リング固定風ツイスタ3B内へ向けられる(風ツイスタ径増加のサイズおよび比率は可変であり、様々な要望に適応するように修正され得る)。風は、周回上向き運動を強制され、追加の上向きの力を生み出し、下にあるより小さな径の渦塔から温風ツイスタを引き上げる。BUWIにおける第2の風取入口は、追加の新しい風をCIVAR中央渦塔内へ取り込むことにより、風質量およびそれが上向きに動く時の渦力を増加させる。この相互作用により、CIVAR中央塔における垂直風渦の複合的な力が生じる。段落032において明らかにされ、図5に示されたのと同じく、基準階能動風取入口AWIもまた、受動風取入口PWIである反対側に負圧を生み出すことにより、垂直方向に成長する渦を供給するための追加の空気を吸い上げる。
【0056】
トップユニットTUより上の最上階風プラットフォームにおいて、圧縮された風は、トップユニット風取入口TUWIへ入る。上記トップユニット風取入口TUWIは、下にある風取入口の相対的に2倍の高さである。風翼1および2によってトップ内側リング固定風ツイスタ3C内へ導かれる圧縮された風は、下にある風ツイスタと同じ径であるが、増加した風入口サイズにより、風プラットフォーム高さに合致するほど高くなる。このトップツイスタ3の径は可変であり、様々な要望に適応するように修正され得る。風は、外周風タービン4によって上向きに強制され、追加の上向きの力を生み出し、下にあるより小さな径の渦塔からトップ内側風タービン5によって温風ツイスタを引き上げる。TUWIにおける第3の風取入口は、CIVARエネルギ塔へ新しい風を取り込むことにより、風質量およびそれが上向きに動く時の渦力を増加させ、出口タービン31を駆動する。
【0057】
CIVAR中央塔における垂直風渦のこの複合的な力は、第1に、渦塔の底部へ押し込まれた加熱空気、第2に、強制圧縮風取入口GUWI、BUWI、およびTUWIによって生み出され、風ツイスタ3A、3B、3Cによって円形および3A、3B内で導かれ、中央塔内への上向きの方向にも導かれ、強力な正の渦力を生み出す正の駆動力、第3に、駆動力の作用および最上階風タービン5によって生み出された、追加の吸引力を生み出し、タービンを通ってCIVAR渦塔の出口開口部へ渦を引き上げる吸引力という、3つの主な原理の結果である。渦塔32は、渦風が塔から出る時に渦風を偏倚させるために出口開口部30において偏倚している。
【0058】
この図は、塔内の風タービンの位置、ならびに多数の階においてCIVAR中央渦塔の外側に位置する発電機および関連する機械室も示す。発電機PGは、より弱いまたは強い風においてより高効率かつ生産的に作動するために無段変速機を備える。発電装置PGは、それぞれの風タービン4および5の近くに位置するが、様々な要望を満たすために移転され得る。
図10
【0059】
図10は、ベースユニットBUとトップユニットTUとの間に配置および/または積層されるように中間ユニットMUを導入することによる、CIVARエネルギ塔の垂直積層選択肢を示す概略図である。上記中間ユニットMUは、全体としてベースユニットBUと同一であるが、全体渦塔構想およびその機能が損なわれなければ、小さな差異が受け入れられ得る。この図は、示された描写に限定されるものではないが、上記CIVARエネルギ塔の高さおよびその発電出力の差異を表す3つの積層選択肢を示す。
【0060】
第1の概略断面図T1は、本発明の図において目下説明され、明らかにされ、示されるような元のCIVARエネルギ塔の全体を表す。第2の任意選択的なバリエーションT2は、1つの中間ユニットMUがベースユニットBUとトップユニットTUとの間に位置するCIVARエネルギ塔を示す。第3の任意選択的なバリエーションT3は、3つの中間ユニットMUがベースユニットBUとトップユニットTUとの間に位置するCIVARエネルギ塔を示す。またこの図は、3つ全てのバリエーションにおける風プラットフォーム入口、およびより多くの入口をCIVAR中央渦塔内に追加することによって風力が増加するものとしてそれらの複合的な風力効果も示す。
図11
【0061】
CIVARエネルギ塔建物の立面概念図もまた、垂直風壁Cの設計選択肢37、ならびにたとえばGU、BU、およびTUならびにMU(図10)などの典型的な内部占有ユニット35の三角形構成を形成するような傾斜外壁の設計選択肢を示す。本発明において、上記ユニットの典型的な高さは3階に適応するが、CIVARエネルギ塔の機能が損なわれない限り、その多くのバリエーションが考慮され得る。この立面図は、CIVAR塔風入口WI、地上風取入口38、完成時の外側基準面39、および、たとえばガラスまたは単一材パネルを表す太陽パネル34および36などの外装選択肢を有する傾斜外壁ユニット35も示す。
【0062】
具体的には、この図は、様々な形状CA、CB、およびCCで構成されるような風壁Cのバリエーションも示す。本発明において、この図は選択肢CAおよびCCを描写する。選択肢CAは、平坦(たとえば長方形)壁形状である。選択肢CBは、平坦な壁部を用いた涙型または膨らみ形状として表され得る。選択肢CCは、湾曲した壁部を用いた涙型または膨らみ形状として表され得る。留意すべき点として、構成CCは、垂直風壁を介して風を集めるために最も有利である。たとえばCU、BU、MU、TUなどの内部占有ユニット35の外側傾斜設計バリエーションは様々であるが、傾斜壁が浅いほど、風プラットフォームへの風流が良好であることが理解される。この図は、選択肢35Aおよび35Bを示すが、本発明の上記および前出の段落および図において明らかにされるように、風プラットフォームへの風流を妨げない限り、他の多くの設計バリエーションが許容可能である。CIVARエネルギ塔のトップは、中央渦塔開口部であり、その内壁は、渦風32を塔から出るように方向転換させるために外側へ傾斜している。
図12
【0063】
図12は、たとえば地上ユニット風取入口GUWI、ベースユニット風取入口BUWI、およびトップユニット風取入口TUWIなど、様々な階における風取入口を示す、八角形CIVARエネルギ塔の全体の3次元概念図である。風取入口は、風プラットフォームエリアのメンテナンスのため、または風プラットフォームの内部への風流を増加および減少させるために開閉する、山付き耐錆性撥水材料で作られた機能性水平ルーバとともに示される。この図を容易に理解するために、CIVAR塔の垂直風壁は、選択肢CA(図11を参照)、および選択肢35Bとして示される外側傾斜壁を有する内部占有ユニット35として示される。ユニット35の上側傾斜壁の外壁は、透明太陽パネル34で外装され、傾斜壁の下部は、ガラスパネルで外装され、上記ユニット35の内部へ十分な自然光をもたらす。CIVERエネルギ塔建物40の屋根は、直接的なエネルギを供給し、またはスターリングエンジン発電機を動かすために、たとえば回転太陽パネルまたは追跡太陽ディッシュ収集器などの追加の太陽熱収集器を受け入れるために平坦である。CIVAR塔の中央において、出ていく渦風32を逃し方向転換するための中央渦塔の開口部がある。出口塔の高さは、様々な要望を満たすために増加され得る。
図13
【0064】
図13は、内部占有のための追加の空間43を取り入れる、CIVARエネルギ塔建物設計バリエーションのフロアプランを表す。この図は、元の上記八角形CIVARエネルギ塔に一体化された翼型塔設計41が追加された、元のCIVAR塔構成(図5を参照)で設計されたような部品を具現化する、風プラットフォーム階を示すCIVAR塔フロアプランを描写する。この図は、風壁内の階段を介した上下通行移動44を有する垂直風壁C(設計形状選択肢CC)、風翼1、2、3および突出した風翼2A、ならびに中央渦塔風力発電機5を描写する。追加の翼型塔41は、八角形CIVAR塔建物の全高に伸長し、エレベータ45または追加の階段を介した追加の上下通行選択肢を提供する。この図に描写された本CIVAR発明において、この図で提供されたスケールは参照目的にすぎず、概念的フロアプランおよび/またはその部品全体の正確な寸法を反映するものではない。この図は、風WDの入来方向、および圧縮された風が流れを乱されないように固定風翼3へ入ることを容易にするために風によって作動する風プラットフォーム上の風翼1および2を示す。
【0065】
追加された翼塔は、その本体の形状によって、および風上側に垂直枢支点42Aを有する追加の垂直風翼42によって、CIVAR塔風プラットフォーム内への妨げのない風流をもたらすように設計される。翼塔は、建物の好ましい一般的窓の反対側において、CIVAR八角形建物の連結点の1つの中間に位置する。翼付き建物の鋭い起点は、旋回風翼2の円から始まり、上記点からCIVAR建物の外側へ100フィート伸長する41A。この建物は、幅50フィートであり41B、建物の八角形の交点の外点より向こう側へ50フィート伸長する41C。図に示す長さ対幅の比は2対1であるが、CIVAR塔風プラットフォームへの風流が影響を受けない限り、何らかの修正が考慮され得る。正確かつ乱れのない風流をもたらすために、CIVAR翼塔の壁外装は、たとえば金属および/または複合材パネルなどの滑らかな質感であることが強く推奨される。
図14
【0066】
図14は、2つの概略フロアプランを示し、左側にある方の14Aは、図13で描写されたものと同じ図であり、風プラットフォーム高度における八角形CIVARエネルギ塔、垂直風壁C、垂直風翼を有する新たな翼設計形状の塔41および内部占有のための新たな空間43を示す。
【0067】
右側にある図14Bは、同じ八角形CIVARエネルギ塔を描写するが、図11に示されるように、風プラットフォーム間に設けられた一般的な占有階35のフロアプランを示す。このフロアプランは、CIVAR八角形塔46内の開放空間を包含し、複数の風タービン5を有する中央渦塔を除外するが、その内部空間43を有する翼型塔の増築部41を含む。図14Bは、垂直風翼C、その構造内壁CST、風壁44内の上下階段通行、および上記風壁44A内の追加の利用可能空間も描写する。このフロアプランは、占有階35の水平内周壁47ならびに上記占有階35の外周壁48を描写する。翼塔の増築部41は、翼増築部を有するCIVAR塔建物の全階を点検するためのエレベータ45を包含する。
図15
【0068】
図15は、翼型の増築部を有するCIVARエネルギ塔の占有フロアプランである、典型的な占有階35(図11も参照)を示す概念図である。CIVARエネルギ塔の本発明において、この概略図における構成は、空間ごとに約3,000平方フィートを有するマンションまたはアパート利用のために用いられる空間46A、および空間ごとに1,500平方フィートを占有するより小さなアパートのためのより小さな区分としての46Bを示す、フロアプランの空間区分の例を描写する。翼塔46C内の空間は、1つのユニットとして用いられ、または、より小さな2つのユニットに分割され得る。このフロアプランは、移動回廊、階段44(図14を参照)、およびエレベータ45も示す。
【0069】
この図は、翼塔増築部41を含む、CIVARエネルギ塔建物の全体の立面図の概念図も描写する。この図において、立面図は、風壁Cのわずかな差異を示し、占有階35は、図11に示すような外部傾斜選択肢35Bとともに示される。また建物は、公共、オフィス、または商業目的で用いられる、エントランス50を有する地上階増築部49も包含する。増築部49は、任意選択的な増築部であり、本CIVARエネルギ塔発明の一部を形成するものではない。この存在は、上記本発明において説明および描写されたように本発明を用いることによってエネルギを自給しながら、日々の生活の様々な要望に適合するCIVARエネルギ塔建物発明の高い柔軟性を示すことが目的である。
図16
【0070】
図16に示すように、建物の地上または地下階(図9を参照)の中央に設けられるCIVAR機械室20(図7)は、相互作用加熱システムを用いて複数の渦塔風取入口38を加熱するのと同時に、建物の温風、給湯を加熱し、ならびに、地熱および廃棄物焼却熱を用いて排気管から電力を生成する、以下、加熱ラインと称される水または油ベースの循環システムを用いた複数の熱交換器を包含する。
【0071】
具体的には、061において要約したような相互作用加熱システムの機能は、強風の間、ニュートラル位置にあり、エネルギを生み出し、または風がない時、シリンダ内へ空気を駆動する能動位置にある電動ファン型タービン51を通過して中央渦シリンダへ入る中央空気収集器27(図9)からの入来空気51を示す概念図において描写される。強制空気はその後、地熱加熱源GTHからの地熱加熱室53および焼却熱源WIHからの焼却加熱室54によって加熱された、中央シリンダ内のデュアル熱交換器HE1へ入る。強制加熱空気はその後、トップシリンダ出口を通って出て中央渦塔CVTへ入る時、強制温風を回転に押し込む、シリンダ内に位置するウォーム式風翼を有する中央シリンダ55の上部へ入る。
【0072】
熱交換器HE1の加熱室を通過すると、加熱ラインは、第2の熱交換器HE2へ続き、加熱室53Aおよび54Aへ入り、ファン57によって駆動および制御される、建物56から到来する建物の空気を加熱し、両方の加熱室を通過し、建物給湯BHSへ戻るために頂部に出る。両方の加熱ラインが第2の熱交換器HE2から出た後、それらは第3の熱交換器HE3へ入り、結合された加熱室54Cとともに、地上供給源58から到来する家庭給水を加熱し、雑多な目的のために用いられるように建物59へ抜ける。様々な要望に適応するために、様々な位置に追加のオンデマンド電気温水器が設けられ得る。
【0073】
このシステムにおいて汚染排気を生成する唯一の加熱ユニットは、非常に高い熱を生成し得る炉である廃棄物焼却ユニットWIHである。火に供給するために給気60を用いる上記ユニットは、炉を離れる未だ非常に高温の排気を有し、これは、最初に一酸化炭素を二酸化炭素に、次に呼吸に適した空気(または市場で利用可能な同様のシステム)に変換し、その後、インラインファン62を用いて、未だ高温であるが清浄な排気を、多数の装置を動かすための電力66を供給するために発電機65を動かす多数のスターリングエンジンを動作させるために多数の熱交換器63を通るように導き、最終的に、清浄な低温排気67として(必要であればファンの助けを借りて)建物から逃す、多くの既知の既存の技術および触媒を用いる様々な濾過システムを有する多段浄化モジュール61を通るように導かれる。
【0074】
CIVARエネルギ塔発明の要素および実施形態のための好適な材料が説明されたが、本発明は、これらの材料に限定されるものではない。他の材料は、本発明の様々な実施形態におけるこれらの要素の一部またはすべてを備えてよい。
【0075】
本明細書においてその全体が説明され描写されたような本CIVARエネルギ塔発明、ならびにその好適な実施形態および具体例への具体的な参照を伴うその複数の実施形態があるが、当業者には、他の実施形態および例が、様々な応用において同様の機能を実行し得るが、その全体および複数の本発明におけるCIVARエネルギ塔と異なることが明らかである。
【0076】
様々な実施形態において、CIVARエネルギ塔は、多数の占有のための内部空間を提供する1つの視覚的に魅力的なエネルギ回収構造に結合された、複数の原理および革新的な構成要素から成る発明を具現化するものであり、たとえば一般的な大型風タービンが象徴するような不所望の視覚的障害物を居住エリアに作ることなく、今日のクリーンエネルギ需要を解決するために役立ち、現在から何十年にもわたり長寿命のクリーンエネルギ生成を提供し、画期的な新しいクリーンかつ安価なエネルギ生成が開発されている。CIVAR構造は、その際、その全ての風プラットフォーム階を占有空間となるように変更し、仕上がった建物の一部を形成することによって、容易に適合され得る。
【0077】
本発明の実施形態は、以下の主な関連構成要素から成る複数の原理および機能の入力および同時相互作用を用いて、太陽、風、および地熱および焼却熱を用いることによってCO排出のない電気エネルギ生成を具現化する渦加速風エネルギ塔を提供するものである。
‐(集風原理とアーキテクチャを結び付ける)建物自体の物理設計
‐(帆走原理を用いた)複数の固定旋回風翼および風ツイスタ
‐(煙突原理を用いた)強制風空気加熱、回転、およびこれの中央渦塔への導入
‐(トルネード原理を用いた)中央渦塔設計および機能
‐(浴室ファン原理を用いた)風の吸上げおよび吸引
‐(ベンチュリ原理を用いた)能動的な同時圧縮および吸上げ動作による渦風力の複合および加速。
【0078】
本発明の実施形態は、八角形(多角または円形)物理建物を提供する。その設計、形状、寸法比、および関連する機能を具現化するものであり、特にこの目的のために、垂直集風器および水平集風器としての機能を果たす設計構造は、その風露出の場合によっては100%に近い部分を捕捉し、それを、建物内に風渦を生み出すために、入来する風を圧縮および加速することによって妨げられることなく建物の風プラットフォーム内へ向け、電力を生成し多数の占有ユニットの内部へ自然光を捕捉するための透明太陽パネルおよびガラスパネルを有する複数の傾斜水平壁を包含する、多数の構成要素から成る。
【0079】
いくつかの実施形態において、CIVAR塔と同じ高さであり、八角形建物構造の一部を形成する建物の外周垂直風壁設計は、特に、外壁内に平坦垂直構造壁を有するマルチアングルまたは湾曲型であり得る形状および構成を用いて、またたとえば金属または複合材パネルなどの滑らかな外側表面仕上げを用いて、入来する風を建物の方向へ向けるように設計され、最大効果のために、上記壁の周囲により幅広の円を具現化し、外側リング風翼の枢支点を翼枢支点と結ぶ直線上の内点へ向かって壁を狭くしていく湾曲外壁構成のそれを用いることが推奨される。
【0080】
様々な実施形態において、建物は、入来する圧縮された風を中央渦塔内へ向ける多数の風プラットフォーム入口と、ベンチュリ原理を用いて入来する風を圧縮し、多数の風プラットフォーム内へ向ける水平集風器としての機能を果たす、上記多数の風プラットフォーム入口間に位置する、単数および/または多数の(たとえば住宅、オフィス、商業、および軽工業目的などの)内部占有のために用いられる、透明太陽パネルで外装された外周を向くように続く周囲水平傾斜壁を有する建物ユニットとを含む。
【0081】
様々な実施形態において、この建物は、上述したような塔構成であるが、地上、ベース、およびトップユニット、および上記ユニット間に位置する風プラットフォームを始点アセンブリ点として用い、トップユニットと同じ1または複数の中間ユニットを、ベースユニットとトップユニットとの間に積層することにより、複数の内部占有階を有する垂直積層CIVAR塔ならびに建物の要件を満たすより高いエネルギ生成をもたらす塔構成を含む。
【0082】
様々な実施形態において、この建物は、風プラットフォームエリアのメンテナンスのため、または風プラットフォーム内部への風流を増加および減少させるために、一般的な水平ルーバ動作システムによって自動的に開閉し、建物の外部から見た場合の視覚および聴覚的障壁を提供するとともに、上記風プラットフォームに鳥が入ることを防ぐための耐錆性材料で作られた山付き網戸を提供する、山付き耐錆性撥水材料で作られた、寒冷地方のためのビルトイン暖房オプションを有する機能的水平ルーバを有する、特にCIVAR建物のために設計された、周囲風プラットフォームルーバ付き入口を含む。
【0083】
様々な実施形態において、この建物は特に、中央塔内で風を加速させるために、多数の風量が風閉塞効果をもたらさずに風ツイスタを通って中央塔へ入ることを可能にし、拡幅トップ出口径を通って塔へ入ることによって風偏倚を可能にする、上を向いた複数の上記風プラットフォーム取入口を備える、風プラットフォーム取入口ごとに塔の径が大きくなるように設計される。
【0084】
様々な実施形態において、この建物は、CIVAR塔建物に加えて、CIVAR塔と同じ高さである、滑らかな金属または複合材外装を有する翼型湾曲建物から成る、CIVAR塔リング1および2の幅の各々が1ユニット(20フィート)を表す場合、高さが5ユニットかつ建物の最も幅広部分で2.5ユニットの寸法比を有する翼型建物増築部を含み、建物の翼の先端点は、CIVAR塔から突き出し、上記塔の中間リング風翼2の枢支点を終点とする。
【0085】
様々な実施形態において、特にCIVAR塔のために設計されると、翼建物(増築部)は、建物に取り付けられた複数の上記水平フレームを用い、入来する風によって動作して上記水平フレーム上に位置する上記風翼を上下に旋回させ、風を中央渦塔へ向かって方向付ける、最大風偏流効果のために塔の周囲に戦略的に配置された水平フレーム構造を有し、建物の中央に向かって制限されるが有利に計算された揺動範囲を有し、山付き撥水材料で作られた2列の上下に動作する風翼を含む。
【0086】
様々な実施形態は、風を渦回転に偏流および圧縮し、外側リング旋回山付き風翼、中間リング旋回および偏倚風翼、および内側リング固定風ツイスタ翼から成る多数の風入口プラットフォームによって複合化する、風プラットフォームにおける多数の固定および能動風翼の具体的な配置を提供する。
【0087】
いくつかの実施形態において、外側リングは、開放山付きフレームと、フレーム内の単一材パネルと、金属またはナイロン低摩擦枢軸座金を有する伸縮可能ボトムおよび/またはトップ枢軸ピンと、中間リング風翼枢支点において床および天井絞り弁に当たる時の衝撃を緩和するためのフレームの旋回位置の両側にあるゴム式トップおよびボトムバンパとから成る、上記八角形構造の全ての交点ならびに上記建物の八角形交点の間の中心に位置するそれらの枢支位置を有するCIVAR八角形構造内に設けられた、入来する風を中間風翼へ滑らかに向けるための、中間リング風翼の枢支点の間の範囲である特定の揺動範囲を有する合計で16の旋回山付き風翼となる山付き旋回風翼を含む。
【0088】
翼は、限られた揺動範囲を有し、この範囲の両極端は、限られた揺動範囲の両端、あるいはバックストップ位置と称される。揺動範囲における限界は、翼の一部(たとえば、翼のピボットアンカから離れたところに位置し、翼が揺動すると移動する最も内側のエッジ)を固定物体に接触させることによって提供される。固定物体は、翼の径方向内側にある他の翼の係留部分であってよい。固定物体は、風ツイスタの固定部であってよい。
【0089】
いくつかの実施形態において、中間リング旋回風翼は、3つの水平山付き部材および2つの垂直山付き部材から成る、アルミニウムまたは複合材料で作られた、伸縮式帆または屈曲パネルを収容するためのハウジングを枢支点に有し、それが入来する風の方向に対し上記フレームの後ろ側にある場合、突出し、上記帆または屈曲パネルが、入来する風の風上側である上記フレームの前側に位置する場合、直線翼形状を形成するように上記ハウジング内へ収縮する開放山付きフレームを含む。
【0090】
様々な実施形態において、風下に見ると、伸縮式中間リング風翼の帆は、ハウジングの外向き点型偏倚開口部を有する全閉形垂直山付きハウジング内の枢支点位置の間に取り付けられた、(上記翼の枢支点である)フレームの後ろ側に位置し、同じ翼のフレームの対向垂直側面へ延伸され、またはそこに取り付けられ、風の力によって突出し、翼のハウジング内に位置するばねまたは同様の機構によって収縮する、上記帆および/またはパネルの偏倚を制限するために開放フレームに取り付けられた収縮式防止具ラインを有する、当て木または山付きかつ屈曲可能パネルを有する。
【0091】
様々な実施形態において、いくつかの径の風ツイスタは、アルミニウムまたは複合撥水材料で作られ、風プラットフォームの内側リング二重作用固定渦風翼から成り、有効な入来風を中央渦塔内への周回および上向き方向へ向けると同時に、風取入口の受動側における吸引力を生み出すように配置および角度付けられ、受動側からの風を、上記二重作用風ツイスタを通して中央渦塔内へ吸い上げる。
【0092】
様々な実施形態において、いくつかの異なる径の風ツイスタは、下から垂直に入来する風のための底部内側入口径と、垂直に出る風のための風ツイスタ出口の頂部を形成する上側出口径とから成る径が、水平方向に測定され、そのサイズが、様々な風プラットフォーム入口において上に向かって増加する渦塔の幅と一致し、追加の風質量が渦塔へ入ることを可能にすることにより風の渦力を高めるようなものである。
【0093】
様々な実施形態において、内側リング風ツイスタは、複数の固定風翼を具現化し、垂直風翼は、風プラットフォームの中間リング風翼からの風の入来角度と一致し(両方が入来風に対して対向する旋回位置を有し)、上記中間風翼によって方向付けられた入来風と同じ方向へ上記風を導き続け、風を圧縮し、中央渦塔内へ方向付け、周回渦型風運動を生み出すと同時に、受動風ツイスタ取入口側に負圧を生成し、受動取入口側からの利用可能な空気を中央渦塔内へ吸い上げるように設計される。
【0094】
様々な実施形態において、ツイスタの風翼の長さは、地上ユニット風取入口であるCIVAR地上ユニットより上に風が入る下側渦塔においてより長く、ベースユニット風取入口であるCIVARベースユニットより上で風が入る中間風ツイスタにおいてより短く、中央渦塔の径の増大をもたらすことによって上記塔へ入る風質量の増加を可能にする。
【0095】
様々な実施形態において、内側リング風ツイスタは、16の固定風翼を具現化し、中間リング風翼から出る風の入来角度と一致するように設計され、中間風翼の揺動範囲の外周に始点を有する上記揺動範囲の丁度中心に位置し、風によって作動し上記風ツイスタ垂直翼の外側点に押し込まれると、上記風翼の開口部と一致するように設計される。
【0096】
様々な実施形態において、内側リング風ツイスタは、下側が基部部品であり上側リングが天井部品である2つの円形凹形リングから成るエンクロージャを具現化し、基部は、リングの外周において水平であり、上記リングの内側のより小さな周囲に向かって上向きに湾曲することにより、上記中央渦塔へ45度の角度で入る、中央渦塔内への継続的な妨げのない上向きの風の流れを形成し、上記風ツイスタの天井部品は、風取入口プラットフォームと同じ高さであり(基部の内側入口は同じまたはより低い高さであり)、リングの外周における風取入口の天井において水平方向に始まり、上記天井リングの内側のより小さな周囲に向かって上向きに湾曲し、上にある中央渦塔の径と一致し、上記中央渦塔へ45度の角度で入る、中央渦塔内への継続的な妨げのない上向きの風の流れを形成し、ここで説明するような風ツイスタの高さの寸法、程度、および/または%は、設計構想および意図される機能に当てはまる状態である限り、様々な要望を満たすために修正可能である。
【0097】
様々な実施形態において、機械強制温風システムは、CIVAR渦塔の底部に位置し、地熱および焼却加熱ユニットの1つのシステムへの統合、中央渦塔に供給するための多数の空気入口、熱交換器より上にあるシリンダ内に位置する垂直ウォームドライブによってツイストされた強制温風を供給するための一体型三重熱交換器システム、温風を中央渦塔内へツイストすること、建物用の温風を加熱すること、建物用の家庭給水を加熱すること、および電力を生成するために多数のスターリングエンジンを動かすための排気システムという、複数の実施形態から成る。
【0098】
様々な実施形態において、CIVAR中央渦強制空気加熱システムは、ニュートラルまたは動作モードに設定されたファン型ブレード付き電動モータを通って中央機械室へ続き、内部に地熱、燃焼プラントによる焼却熱およびし尿によって加熱されるツイン加熱室交換機を有する垂直シリンダ型エンクロージャの底部に入るダクト、および入来する強制空気が上記シリンダの頂部から出る時にそれを回転させるための上記シリンダの内周における多列ウォーム式翼から成る頂部シリンダ部を有する、建物の地上階における多数の風入口を含む。
【0099】
様々な実施形態において、一体型熱交換器は、中央塔シリンダユニットの地熱加熱室および焼却加熱室を含み、加熱室から到来する加熱ラインを出て、これもまた上記二重加熱室から成る第2の熱交換器へ入り、CIVAR建物内部占有空間のために空気を加熱および/または冷却する。
【0100】
様々な実施形態において、熱交換器の継続的統合は、地熱および焼却加熱室を含み、第2の熱交換器の加熱室から到来する加熱ラインから出て、1つのユニットとして結合された加熱室から成る第3の熱交換器へ入り、CIVAR建物内部占有空間のための家庭用給水を加熱する。
【0101】
様々な実施形態において、処理および廃棄物焼却炉廃熱からのエネルギの使用のための複合動作は、最初に一酸化炭素を二酸化炭素に、次に呼吸に適した空気(または市場で利用可能な同様のシステム)に変え、その後、インラインファンを用いて、まだ高温であるが清浄な排気を、より小さな発電機を動かす多数のスターリングエンジンを動作させるために数々の空気を通して液体熱交換器へ導くことによって、排気を浄化および濾過するための既知の既存の技術および触媒を用いる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16