(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】仕切装置
(51)【国際特許分類】
A47F 5/00 20060101AFI20240712BHJP
【FI】
A47F5/00 G
(21)【出願番号】P 2024017325
(22)【出願日】2024-02-07
【審査請求日】2024-03-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 充嗣
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2022-0120605(KR,A)
【文献】特開2000-060691(JP,A)
【文献】中国実用新案第219229490(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向に帯状に延びるとともに前後方向に延びる複数の溝部を有する固定部と、
前端部と、後端部と、を有するとともに、前記固定部の直下に設けられる移動板であって、前記固定部に対して前記後端部でオーバーラップした第1位置と、前記固定部に対して前記前端部でオーバーラップした第2位置と、の間で移動可能で、商品が載置される移動板と、
前記移動板上に設けられる仕切板と、
を備え、
前記仕切板は、
前記固定部を収納可能なスロットと、
前記スロットの前側に設けられ、前記スロット内に突出するとともに、前記移動板が前記第2位置にあるときに前記複数の溝部のいずれかに係合可能な係合部と、
前記スロットの後側に設けられ、前記移動板が前記第1位置にあるときに前記固定部との間に隙間を存して前記固定部を収納可能な拡径部と、
を有する仕切装置。
【請求項2】
前記第2位置にある前記移動板の前記後端部の近傍に設けられる第2固定部であって、前記移動板が前記第2位置にあるときに前記仕切板の後部に係合してこれを保持する第2固定部を備える請求項1に記載の仕切装置。
【請求項3】
前記第2固定部は、前記前後方向に延びる複数の第2溝部を有し、
前記移動板が前記第2位置にあるときに、前記仕切板の後部は、前記複数の第2溝部の何れかに差し込まれて保持される請求項2に記載の仕切装置。
【請求項4】
前記第2固定部は、弾性体を有し、
前記移動板が前記第2位置にあるときに、前記仕切板の後部は、前記弾性体に食い込んでこれを弾性変形させた状態で前記弾性体に保持される請求項2に記載の仕切装置。
【請求項5】
前記固定部は、前記複数の溝部が設けられる第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有し、
前記仕切板は、前記スロットの前側に設けられ前記固定部の前記第2面に係合するアンカー部を有する請求項1~4のいずれか1項に記載の仕切装置。
【請求項6】
前記仕切板は、前記移動板の前記前端部に設けられた溝に対して差し込んだり、当該溝から分離したり可能な差込片を有する請求項1~4のいずか1項に記載の仕切装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動板上を仕切ること可能な仕切装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、陳列棚用商品仕切板が知られている(例えば、特許文献1参照)。この仕切板は、略L字状又は略逆T字状の基板を備えており、前端に棚板に係合するための係合部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような仕切板は、棚板の幅方向への移動が可能となるために、店舗管理者にとって利便性が向上している。しかしながら、仕切板の後方部分が固定されていないために、商品が当初の陳列位置からずれてしまう陳列ずれを生じる可能性がある。一方、仕切板の後方部分を棚に対して固定すると、商品の入れ替えの際に、作業性が悪くなる問題がある。
【0005】
従って、本発明の目的は、移動板上で商品のずれを防止できるとともに、商品入れ替えの際の良好な作業性を確保できる仕切装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、以下の本発明により解決される。すなわち、本発明(1)の仕切装置は、
幅方向に帯状に延びるとともに前後方向に延びる複数の溝部を有する固定部と、
前端部と、後端部と、を有するとともに、前記固定部の直下に設けられる移動板であって、前記固定部に対して前記後端部でオーバーラップした第1位置と、前記固定部に対して前記前端部でオーバーラップした第2位置と、の間で移動可能で、商品が載置される移動板と、
前記移動板上に設けられる仕切板と、
を備え、
前記仕切板は、
前記固定部を収納可能なスロットと、
前記スロットの前側に設けられ、前記スロット内に突出するとともに、前記移動板が前記第2位置にあるときに前記複数の溝部のいずれかに係合可能な係合部と、
前記スロットの後側に設けられ、前記移動板が前記第1位置にあるときに前記固定部との間に隙間を存して前記固定部を収納可能な拡径部と、
を有する。
【0007】
また、本発明(2)の仕切装置は、(1)記載の仕切装置であって、
前記第2位置にある前記移動板の前記後端部の近傍に設けられる第2固定部であって、前記移動板が前記第2位置にあるときに前記仕切板の後部に係合してこれを保持する第2固定部を備える。
【0008】
また、本発明(3)の仕切装置は、(2)記載の仕切装置であって、
前記第2固定部は、前記前後方向に延びる複数の第2溝部を有し、
前記移動板が前記第2位置にあるときに、前記仕切板の後部は、前記複数の第2溝部の何れかに差し込まれて保持される。
【0009】
また、本発明(4)の仕切装置は、(2)記載の仕切装置であって、
前記第2固定部は、弾性体を有し、
前記移動板が前記第2位置にあるときに、前記仕切板の後部は、前記弾性体に食い込んでこれを弾性変形させた状態で前記弾性体に保持される。
【0010】
また、本発明(5)の仕切装置は、(1)~(4)のいずれか1項に記載の仕切装置であって、
前記固定部は、前記複数の溝部が設けられる第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有し、
前記仕切板は、前記スロットの前側に設けられ前記固定部の前記第2面に係合するアンカー部を有する。
【0011】
また、本発明(6)の仕切装置は、(1)~(4)のいずれか1項に記載の仕切装置であって、
前記仕切板は、前記移動板の前記前端部に設けられた溝に対して差し込んだり、当該溝から分離したり可能な差込片を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、移動板上で商品のずれを防止できるとともに、商品入れ替えの際の良好な作業性を確保できる仕切装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】
図1に示す棚を第2位置から第1位置に引き出した状態を示す斜視図である。なお、本図では、1つの仕切板をピックアップしている状態を示し、移動板に対して仕切板が着脱可能であることを模式的に示している。
【
図4】
図1に示す棚の第2固定部を示す斜視図である。
【
図7】
図1に示す棚の移動板を第2位置から第1位置にした状態を示す断面図である。
【
図8】
図7に示す棚において、仕切板の周囲を縦方向に切断して示した断面図である。
【
図9】
図7に示す棚の移動板を第1位置から第2位置にした状態を示す断面図である。
【
図10】
図9に示す棚を拡大して示す断面図である。
【
図12】
図11に示す棚において、仕切板の周囲を縦方向に切断して示した断面図である。
【
図13】第2実施形態の棚において、移動板が第1位置にある状態を示す斜視図である。
【
図14】
図13に示す棚において、移動板が第2位置にある状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面を参照して、本発明の棚の実施形態について説明する。本発明の棚は、移動板の前方向への引き出し動作および後方向への押し込み動作によって、自動的に商品を前出しできるものである。以下では、棚の前方向をF、後方向をR、幅方向をW、として説明を進める。
[第1実施形態]
【0015】
図1~
図12を参照して、第1実施形態の棚10について説明する。棚10は、本発明にいう仕切装置の一例である。
【0016】
図1~
図6に示すように、棚10は、基台11と、基台11の後端部かつ両端部から起立する一対のフレーム12と、一対のフレーム12同士の間に渡された背面板13と、一対のフレーム12に対して固定された固定部14および第2固定部19と、一対のフレーム12にそれぞれ固定された一対のブラケット15と、一対のブラケット15に設けられた一対の棚板用レール16と、一対の棚板用レール16を介して前方向Fに引き出したり後方向Rに押し込んだり可能な移動板17(移動棚板)と、移動板17上を前後方向に沿って仕切る仕切板24と、を備える。
【0017】
一対のフレーム12のそれぞれは、ブラケット15を固定するための複数の貫通口25を縦並びに有する。複数の貫通口25が形成する列は、2列以上であってもよい。
【0018】
図1、
図3、
図10に示すように、固定部14は、フレーム12に着脱可能な一対の金属製の支持ブラケット26と、一対の支持ブラケット26同士の間に渡された金属製の横架板27と、横架板27の上面に取り付けられた樹脂製の平板28と、を有する。固定部14の横架板27および平板28は、幅方向Wに関して、移動板17の略全幅に亘って設けられており、幅方向Wに細長く延びた帯状に形成されている。平板28は、横架板27に対して、爪の係合などによって着脱可能に固定されている。
図10に示すように、平板28は、第1面28Aと、第1面28Aとは反対側の第2面28Bと、を有する。平板28の第2面28Bは、横架板27に当接されている。平板28は、第1面28Aに、前後方向FRに延びる複数の溝部31を有する。
図6に示すように、平板28は、さらに、第2面28Bで前側の端部に、仕切板24の後述するアンカー部32が引っ掛けられるための凹部34を有する。
【0019】
図4、
図11に示すように、第2固定部19は、第2位置P2にある移動板17の後端部17Bに対応する位置で、第2位置P2にある移動板17の後端部17Bから所定距離だけ離間した位置に設けられている。第2固定部19は、移動板17上に設置された仕切板24の高さの範囲内で、第2位置P2にある移動板17の後端部17Bの近傍に設けられている。第2固定部19は、フレーム12に着脱可能な一対の金属製の第2支持ブラケット41と、一対の第2支持ブラケット41同士の間に渡された金属製の横架部材40と、横架部材40の前面に取り付けられた樹脂製の前面部材43と、を有する。
【0020】
第2固定部19の横架部材40および前面部材43は、幅方向Wに関して、移動板17の略全幅に亘って設けられている。
図11に示すように、横架部材40は、角形のパイプ状に形成されている。前面部材43は、横架部材40に対して、爪の係合などによって着脱可能に固定されている。前面部材43は、前方向Fに突出した複数の突出片44を有する。突出片44同士の間には、仕切板24の後部を差し込むことができる程度の隙間が形成されている。当該隙間は、前後方向FRに延びている。当該複数の隙間は、本発明にいう複数の第2溝部の一例である。突出片44の形状は任意であるが、店舗管理者がけがをしないように丸みを帯びた形状をなしていることが望ましい。
【0021】
図2に示すように、一対の棚板用レール16は、一対のブラケット15の内面側にそれぞれ設けられている。一対の棚板用レール16のそれぞれは、前後方向FRに沿って伸縮可能であり、移動板17を前後方向FRにスライド移動可能に支持することができる。したがって、移動板17は、
図2、
図7に示すように固定部14(平板28)に対して後端部17Bでオーバーラップした第1位置P1と、
図1、
図9に示すように固定部14(平板28)に対して前端部17Aでオーバーラップした第2位置P2と、の間で移動可能である。
【0022】
移動板17は、金属板によって平板状に形成されている。移動板17上に商品が載置されている。なお、移動板17を第1位置P1と第2位置P2との間で移動する際に、固定部14に対して商品が干渉しないように、図示しないレール部材を商品46の下側かつ移動板17上側に下駄状に介在させて、これの上側に商品46を載置するようにしても当然によい。
【0023】
移動板17は、固定部14の直下に設けられている。
図7に示すように、移動板17は、前端部17Aと、前端部17Aとは反対側の後端部17Bと、を有する。移動板17は、前端部17Aに、下方に折り曲げされた指掛部17AAを有する。店舗管理者は、指掛部17AAに指を掛け、図示しないロック機構を解除しながら手前側に引くことで、移動板17を第2位置P2から第1位置P1に引き出すことができる。なお、移動板17は、棚10中の1つの棚板(前後方向に引き出し可能な移動棚板)で構成されているが、これに限られるものではない。移動板17は、ボックス状の陳列用の什器に対して、前後方向に引き出し可能な平板で構成されていても当然によい。
【0024】
図1、
図7に示すように、移動板17は、前端部17Aに、仕切板24の差込片42を差し込むことが可能に、断面U字形をなした起立片35を有する。起立片35は、幅方向Wに沿って延びている。起立片35は、前端部17Aに設けられた横溝36に対して差し込まれて固定されている(
図10参照)。起立片35は、本発明にいう移動板17の前端部17Aに設けられた溝であって、仕切板24の差込片42を差し込み可能な溝の一例である。
【0025】
図1に示すように、仕切板24は、移動板17上に載置されて使用され、移動板17上を前後方向に沿って仕切ることができる。これによって、複数種類の商品46を移動板17上に陳列することができる。
図1に示すように、仕切板24は、縦方向に延びる平板として形成されており、前後方向FRに延びるように、移動板17上に設置される。
【0026】
図5、
図6に示すように、仕切板24は、前側に傾斜面を有する略台形の平板状をなした仕切板本体51と、仕切板本体51の前端部に設けられた差込片42と、仕切板本体51の下部に設けられ固定部14(横架板27および平板28)を収納可能なスロット45と、スロット45の前後方向FRにおける中間部および前側に設けられた係合部47と、スロット45の最も前側に設けられたアンカー部32と、スロット45の後側に設けられた拡径部48と、仕切板本体51の後側の下部でスロット45よりも後側に設けられた後側保持部52と、を有する。
【0027】
図5に示すように、差込片42は、下方に突出する爪状に設けられている。差込片42の上部は、商品46が移動板17から脱落するのを防ぐとともに商品46が転倒してしまうことを防止する転び止めとなっている。差込片42の上部には、さらに、商品46の値段等を記載したポップを差し込むことができる差込部分42Aが設けられている。差込片42は、移動板17の起立片35(溝)に対して差し込んだり、当該起立片35(溝)から分離したり可能である。このため、仕切板24は、
図2に示すように、移動板17に対して着脱可能に構成されている。また、仕切板24は、幅方向Wに関して、移動板17上の任意の位置に配置することができる。
【0028】
スロット45は、仕切板24の側面に前後方向FRに細長く形成されている。このため、このスロット45内を固定部14(横架板27および平板28)が相対移動することができる。実際には、移動板17の前後方向FRの移動に伴い、仕切板24がこれと一緒に移動することになるが、固定部14の位置は変化しない。このため、移動板17の移動に伴って、仕切板24が移動板17とともに一緒に円滑に移動する。
【0029】
図6、
図7に示すように、係合部47は、スロット45内で、固定部14に近づく方向に向けて板状に突出するように設けられている。係合部47は、前後方向FRに沿って細長く形成されている。
図9に示すように、移動板17が後側に収納された第2位置P2にあるときに、係合部47は、固定部14の複数の溝部31のいずれかに対して係合する。
図7に示すように、移動板17が手前側に引き出された第1位置P1にあるときに、係合部47は、固定部14の複数の溝部31から分離した位置にあり、複数の溝部31に対して係合することができない。
【0030】
図6、
図10に示すように、アンカー部32は、後方向Rに向けて突出した爪状に形成されており、固定部14(平板28)の第2面28B(凹部34)に対してきっちりと係合することができる。移動板17が第2位置P2にあるときに、仕切板24は、固定部14に対して固定されることになり、固定部14および移動板17から仕切板24を取り外すことができない。
【0031】
図5、
図6に示すように、拡径部48は、スロット45内で係合部47が設けられている箇所よりも、隙間の高さ寸法が大きく形成されている。また、
図7に示すように、拡径部48を構成する隙間の高さ寸法は、固定部14(平板28)の高さ寸法(厚さ寸法)よりも大きく形成されている。このため、移動板17が第1位置P1にあるときに、拡径部48は、固定部14との間に隙間を存して固定部14を収納可能である。
【0032】
図1に示すように、後側保持部52は、移動板17の後端部17Bに引っかかることが可能に構成されている。
図6に示すように、後側保持部52は、かぎ状に形成されている。このため、仕切板24は、前方向Fにおいて差込片42で移動板17の前端部17Aに固定され、後方向Rにおいて後側保持部52で移動板17の後端部17Bに固定されている。
【0033】
続いて、
図7~
図12を参照して、本実施形態の棚10の作用について説明する。店舗管理者が商品46の補充を行いたい場合には、ロック機構を解除して移動板17を前方向Fに引き出す。これによって、移動板17は、
図1、
図9に示す第2位置P2から、
図2、
図7に示す第1位置P1になる。この状態で、店舗管理者は、移動板17の後側に残存している商品46を手を用いて手前側に移動させ、手前側に移動させた商品46の後側にスペースを形成して、そのスペースに新しい商品46を補充していくことができる。
【0034】
また、この状態では、
図2、
図7、
図8に示すように、固定部14の溝部31に対して係合部47が差し込まれておらず、固定部14は、拡径部48内に収納されている。このため、店舗管理者は、仕切板24を幅方向Wの任意の位置に移動させることができる。したがって、店舗管理者は、移動板17が第1位置P1にある際に、商品46の補充だけでなく、必要に応じて商品46の入替作業も円滑に行うことができる。
【0035】
商品46の補充の完了後、店舗管理者は、移動板17を第1位置P1から第2位置P2に移動させる。その際、固定部14は、移動板17の上で、後端部17Bから前端部17Aに向けて相対移動する。固定部14の相対移動によって、
図11、
図12に示すように、係合部47が固定部14の溝部31内に差し込まれる。また、仕切板24の後部が第2固定部19の突出片44同士の間の隙間に差し込まれる。これによって、仕切板24が、その前側と後側の両方で、幅方向Wに移動することが規制される。このため、移動板17が第2位置P2にあるときには、仕切板24の横ずれが防止されるため、店舗を訪れた顧客に対して陳列中の商品46が荷崩れしてずれてしまうことがない。
【0036】
また、この状態では、仕切板24のアンカー部32が固定部14の凹部34に係合するため、仕切板24が固定部14から浮き上がることが防止される。このため、商品46の姿勢が安定する。以上より、商品46の前出しと、商品46の補充とが完了する。
【0037】
本実施形態によれば、以下のことがいえる。棚10は、幅方向Wに帯状に延びるとともに前後方向に延びる複数の溝部31を有する固定部14と、前端部17Aと、後端部17Bと、を有するとともに、固定部14の直下に設けられる移動板17であって、固定部14に対して後端部17Bでオーバーラップした第1位置P1と、固定部14に対して前端部17Aでオーバーラップした第2位置P2と、の間で移動可能で、商品46が載置される移動板17と、移動板17上に設けられる仕切板24と、を備え、仕切板24は、固定部14を収納可能なスロット45と、スロット45の前側に設けられ、スロット45内に突出するとともに、移動板17が第2位置P2にあるときに複数の溝部31のいずれかに係合可能な係合部47と、スロット45の後側に設けられ、移動板17が第1位置P1にあるときに固定部14との間に隙間を存して固定部14を収納可能な拡径部48と、を有する。
【0038】
この構成によれば、移動板17が第1位置P1にあるとき、固定部14を拡径部48内に収納することができるため、仕切板24を前後方向FRと交差する幅方向Wに自由に移動させることができる。これによって、商品入れ替え時などに、店舗管理者の作業性を向上することができる。また、移動板17が第2位置P2にあるときには、実際に顧客に向けて商品46が陳列されている状態であるが、この状態では、溝部31に対して係合部47が複数の溝部31のいずれかに係合しているため、幅方向Wに仕切板24が移動してしまうことがない。このため、実際に商品46を陳列している状態で、商品46が幅方向Wにずれてしまう陳列ずれを生じることを防止できる。
【0039】
棚10は、第2位置P2にある移動板17の後端部17Bの近傍に設けられる第2固定部19であって、移動板17が第2位置P2にあるときに仕切板24の後部に係合してこれを保持する第2固定部19を備える。
【0040】
この構成によれば、移動板17が第2位置P2にあるときに、仕切板24の後部を第2固定部19で保持することができる。このため、移動板17が第2位置P2にあるときに、仕切板24を前側の固定部14の溝部31と、後側の第2固定部19によって、強固に保持することができる。これによって、実際に商品46を陳列している状態(第2位置)で、商品46が幅方向Wにずれてしまう陳列ずれを生じることを防止できる。
【0041】
第2固定部19は、前後方向FRに延びる複数の第2溝部を有し、移動板17が第2位置P2にあるときに、仕切板24の後部は、複数の第2溝部の何れかに差し込まれて保持される。この構成によれば、第2位置P2に移動板17があるときに仕切板24の後部を確実に保持できる構成を実現できる。
【0042】
固定部14は、複数の溝部31が設けられる第1面28Aと、第1面28Aとは反対側の第2面28Bと、を有し、仕切板24は、スロット45の前側に設けられ固定部14の第2面28Bに係合するアンカー部32を有する。
【0043】
この構成によれば、移動板17が第2位置P2にあるときに仕切板24が移動板17から浮き上がってしまうことを防止することができる。これによって、実際に商品46を陳列している状態(第2位置P2)で、商品46に陳列ずれを生じることを防止できる。
【0044】
仕切板24は、移動板17の前端部17Aに設けられた溝に対して差し込んだり、当該溝から分離したり可能な差込片42を有する。この構成によれば、移動板17に対してワンタッチで仕切板24を装着したり、移動板17から取り外したりすることができる。
【0045】
続いて、本実施形態の棚10の変形の実施形態について説明する。以下の実施形態では、主として上記第1実施形態と異なる部分について説明し、上記第1実施形態と共通する部分については説明を省略する。
[第2実施形態]
【0046】
図13、
図14を参照して、第2実施形態の棚10について説明する。棚10は、本発明にいう仕切装置の一例である。本実施形態では、第2固定部19の構成が第1実施形態とは異なっているが、他の部分は第1実施形態と共通している。
【0047】
図13に示すように、第2固定部19は、第2位置P2にある移動板17の後端部17Bに対応する位置で、第2位置P2にある移動板17の後端部17Bから所定距離だけ離間した位置に設けられている。第2固定部19は、移動板17上に設置された仕切板24の高さの範囲内で、第2位置P2にある移動板17の後端部17Bの近傍に設けられている。第2固定部19は、フレーム12に着脱可能な一対の金属製の第2支持ブラケット41と、一対の第2支持ブラケット41同士の間に渡された金属製の横架部材40と、横架部材40の前面に取り付けられた樹脂製の前面部材43と、を有する。
【0048】
第2固定部19の横架部材40および前面部材43は、幅方向Wに関して、移動板17の略全幅に亘って設けられている。
図13に示すように、横架部材40は、角形のパイプ状に形成されている。前面部材43は、横架部材40に対して、例えば両面テープ等で固定されている。前面部材43は、例えば、帯状の弾性体で構成されている。より詳細には、前面部材43は、発泡ウレタンや発泡ゴム、或いは中空のゴム等の、ゴム状の弾性を有する弾性体で構成されている。前面部材43は、これに仕切板24の後部が差し込まれた際に、弾性変形することで仕切板24を幅方向Wに移動不可能な状態で保持することができる。
【0049】
続いて、
図13、
図14を参照して、本実施形態の棚10の作用について説明する。店舗管理者が商品46の補充を行いたい場合には、ロック機構を解除して移動板17を前方向Fに引き出す。これによって、移動板17は、
図1、
図14に示す第2位置P2から、
図2、
図13に示す第1位置P1になる。この状態で、店舗管理者は、移動板17の後側に残存している商品46を手を用いて手前側に移動させ、手前側に移動させた商品46の後側にスペースを形成して、当該スペースに新しい商品46を補充していくことができる。
【0050】
また、この状態では、
図13に示すように、固定部14の溝部31に対して係合部47が差し込まれておらず、固定部14は、拡径部48内に収納されている。このため、店舗管理者は、仕切板24を幅方向Wの任意の位置に移動させることができる。したがって、店舗管理者は、移動板17が第1位置P1にある際に、商品46の補充だけでなく、必要に応じて商品46の入替作業も円滑に行うことができる。
【0051】
商品46の補充の完了後、店舗管理者は、移動板17を第1位置P1から第2位置P2に移動させる。その際、固定部14は、移動板17の上で、後端部17Bから前端部17Aに向けて相対移動する。固定部14の相対移動によって、
図14に示すように、係合部47が固定部14の溝部31のいずれかの内側に差し込まれる。また、仕切板24の後部が第2固定部19の前面部材43にめり込むように差し込まれる。これによって、仕切板24が、その前側と後側の両方で、幅方向Wに移動することが規制される。このため、移動板17が第2位置P2にあるときには、仕切板24の横ずれが防止されるため、商品46が荷崩れしてずれてしまうことがない。
【0052】
また、この状態では、仕切板24のアンカー部32が固定部14の凹部34に係合するため、仕切板24が固定部14から浮き上がることが防止される。このため、商品46の姿勢が安定する。以上より、商品46の前出しと、商品46の補充とが完了する。
【0053】
本実施形態によれば、以下のことがいえる。第2固定部19は、弾性体を有し、移動板17が第2位置P2にあるときに、仕切板24の後部は、前記弾性体に食い込んでこれを弾性変形させた状態で前記弾性体に保持される。
【0054】
この構成によれば、第2位置P2に移動板17があるときに仕切板24の後部を保持できる構成を簡単かつ低コストな構造物で実現できる。
【0055】
上記した実施形態は、さらなる種々の置き換えや変形を加えて実施できる。上記の異なる実施形態を適宜に組み合わせて一つの発明を構成することも当然にできる。
【符号の説明】
【0056】
10 棚
14 固定部
17 移動板
17A 前端部
17B 後端部
19 第2固定部
24 仕切板
28A 第1面
28B 第2面
31 溝部
32 アンカー部
35 起立片(溝)
42 差込片
43 前面部材
44 突出片
45 スロット
46 商品
47 係合部
48 拡径部
P1 第1位置
P2 第2位置
W 幅方向
F 前方向
R 後方向
【要約】
【課題】移動板上で商品のずれを防止できるとともに、商品入れ替えの際の良好な作業性を確保できる仕切装置を提供する。
【解決手段】仕切装置は、幅方向に帯状に延びるとともに前後方向に延びる複数の溝部を有する固定部と、前端部と、後端部と、を有するとともに、前記固定部の直下に設けられる移動板であって、前記固定部に対して前記後端部でオーバーラップした第1位置と、前記固定部に対して前記前端部でオーバーラップした第2位置と、の間で移動可能で、商品が載置される移動板と、前記移動板上に設けられる仕切板と、を備え、前記仕切板は、前記固定部を収納可能なスロットと、前記スロットの前側に設けられ、前記スロット内に突出するとともに、前記移動板が前記第2位置にあるときに前記複数の溝部のいずれかに係合可能な係合部と、前記スロットの後側に設けられ、前記移動板が前記第1位置にあるときに前記固定部との間に隙間を存して前記固定部を収納可能な拡径部と、を有する。
【選択図】
図1