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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/50 20100101AFI20240712BHJP
   H01S 5/022 20210101ALI20240712BHJP
【FI】
H01L33/50
H01S5/022
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024064664
(22)【出願日】2024-04-12
【審査請求日】2024-04-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504174434
【氏名又は名称】レボックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100105315
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 温
(72)【発明者】
【氏名】郷田 哲也
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-134071(JP,A)
【文献】特開2014-027054(JP,A)
【文献】特表2017-530399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
H01S 5/00- 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピーク波長が互いに異なる光を発し、かつ、配線パターンを有する基板に実装された複数の固体光源と、
蛍光物質を有する蛍光体であって、前記複数の固体光源から発せられた光の進行方向に配置され、前記複数の固体光源から発せられた光が透過可能な蛍光体と、を備え、
前記複数の固体光源のうちの第1の固体光源は、280nm以下の範囲にピーク波長を有する光であって、前記蛍光体に対して励起光として機能し前記蛍光体によって少なくとも赤色及び緑色の可視光に変換される光を発する光源であり、
前記複数の固体光源のうちの前記第1の固体光源とは異なる第2の固体光源は、420nmから470nmの間にピーク波長を有する光を発する光源である、発光装置。
【請求項2】
前記蛍光体は、少なくとも200nm以上かつ280nm以下の光を励起光として、緑色の光と赤色の光とを発する蛍光物質を含む、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記蛍光体は、少なくとも200nm以上かつ280nm以下の光を励起光として、青色の光と緑色の光と赤色の光とを発する蛍光物質を含む、請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記固体光源との間に前記蛍光体を挟んで配置された光透過部材であって、300nm以下の光を透過させない光透過部材をさらに備えた、請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記複数の固体光源のうち、少なくとも1つの固体光源がLEDである、請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
前記複数の固体光源のうち、少なくとも1つの固体光源がレーザーダイオードである、請求項1に記載の発光装置。
【請求項7】
前記第1の固体光源は、深紫外光源であり、前記第2の固体光源は、青色光源であり、
前記第1の固体光源の調光と前記第2の固体光源の調光とを、互いに別個に制御する制御部をさらに備える、請求項1に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超高圧水銀灯や低圧水銀灯、メタルハライドランプや蛍光灯など、近年、環境保護の目的で水銀の使用を撤廃する動きが盛んになっている。水銀の使用の規制が除外されていた産業界においても、水銀を使用しない動きが出てきている。
【0003】
また、液晶パネルや機能性フィルムなどの製造工程では、干渉縞を利用した検査工程が導入されている。干渉縞を用いる検査では、未だに、ピーク波長を挟んだ波長領域で鋭いピークを有する特性の光源が用いられている。例えば、赤色の光と緑色の光と青色の光とを用いる3波長蛍光灯が利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-349576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さらに、最近では、3波長蛍光灯の製造すらも中止されてきており、代替の光源として赤、緑、青のLEDを組み合わせた光源や、赤、緑、青のレーザーダイオードを組み合わせた光源などが販売されている。しかしながら、赤、緑、青のLEDを組み合わせた光源は、それぞれのLEDのピーク波長を挟んだ波長領域で鈍く拡がった特性を有し(特に緑色)、明暗が明確な干渉縞(シャープな干渉縞)を形成することが困難になっている。
【0006】
一方、赤、緑、青のレーザーダイオードを組み合わせた光源は、ピーク波長を挟んだ波長領域において鋭いピークを有するとともに、明暗が明確な干渉縞も形成できる。しかしながら、レーザー光が放射されるため、直射光はもとより反射光についても、取り扱いに十分な注意が必要であり、導入に手間と時間とコストとを要している。
【0007】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものである。その目的は、ピーク波長を挟んだ波長領域において鋭いピークを有する発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による発光装置の特徴は、
ピーク波長が互いに異なる光を発し、かつ、配線パターンを有する基板に実装された複数の固体光源と、
蛍光物質を有する蛍光体であって、前記複数の固体光源から発せられた光の進行方向に配置され、前記複数の固体光源から発せられた光が透過可能な蛍光体と、を備え、
前記複数の固体光源のうちの第1の固体光源は、280nm以下の範囲にピーク波長を有する光であって、前記蛍光体に対して励起光として機能し前記蛍光体によって少なくとも赤色及び緑色の可視光に変換される光を発する光源であり、
前記複数の固体光源のうちの前記第1の固体光源とは異なる第2の固体光源は、420nmから470nmの間にピーク波長を有する光を発する光源である、ことである。
【発明の効果】
【0009】
ピーク波長を挟んだ波長領域において鋭いピークを有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態による発光装置の構成を示す断面図である。
図2】本実施の形態による発光装置の構成を示す平面図である。
図3】固体光源100a及び100bの調光を制御する制御回路を示すブロック図である。
図4】複数の固体光源を直線状に配置した発光装置の変形例の構成を示す平面図である。
図5】複数の固体光源を円状に配置した発光装置の変形例の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<<<<本実施の形態の概要>>>>
<<第1の特徴>>
第1の特徴によれば、
ピーク波長が互いに異なる光を発し、かつ、配線パターンを有する基板に実装された複数の固体光源と、
蛍光物質を有する蛍光体であって、前記複数の固体光源から発せられた光の進行方向に配置され、前記複数の固体光源から発せられた光が透過可能な蛍光体と、を備え、
前記複数の固体光源のうちの第1の固体光源は、280nm以下の範囲にピーク波長を有する光源であり、
前記複数の固体光源のうちの前記第1の固体光源とは異なる第2の固体光源は、420nmから470nmの間にピーク波長を有する光源である、発光装置が提供される。
【0012】
固体光源によって、280nm以下の範囲にピーク波長を有する光と、420nmから470nmの間にピーク波長を有する光とを発することができる発光装置を提供することができる。280nm以下の範囲にピーク波長を有する光を励起光として、別の波長の光に変えて発することができる。420nmから470nmの間にピーク波長を有する光を、青色の光の代替の光として発する。水銀の輝線スペクトルである436nmの青色光を代替することができる。固体光源を用いて、3波長蛍光灯のスペクトルを再現しやすくできる。
【0013】
第1の固体光源から発せられた光と、第2の固体光源から発せられた光とは、ともに蛍光体に達する。第1の固体光源から発せられた光は、蛍光体に対して励起光として機能する。一方、第2の固体光源から発せられた光は、単に蛍光体を通過する。発光装置は、蛍光体によって励起光にするための光を発する光源と、励起光にせずに単に通過させる光を発する光源とを備える。このように、励起光と、光源からの直接光との双方の光を発する構成としたことにより、簡素な構成で効率よく広い波長範囲の光を発する発光装置を提供することができる。
【0014】
<<第2の特徴>>
第2の特徴は、第1の特徴において、
前記蛍光体は、少なくとも200nm以上かつ280nm以下の光を励起光として、緑色の光と赤色の光とを発する蛍光物質を含む。なお、励起光の範囲を200nm以上かつ280nm以下の範囲とすることで、一般的な蛍光灯用蛍光体を効率よく励起できる。
【0015】
<<第3の特徴>>
第3の特徴は、第1の特徴において、
前記蛍光体は、少なくとも200nm以上かつ280nm以下の光を励起光として、青色の光と緑色の光と赤色の光とを発する蛍光物質を含む。なお、励起光の範囲を200nm以上かつ280nm以下の範囲とすることで、一般的な蛍光灯用蛍光体を効率よく励起できる。また、緑色の光と赤色の光だけでなく、青色の光も発するので、第2の固体光源から発する光を補ったり増強させたりすることができる。
【0016】
<<第4の特徴>>
第4の特徴は、第1の特徴において、
前記固体光源との間に前記蛍光体を挟んで配置された光透過部材であって、300nm以下の光を透過させない光透過部材をさらに備える。
【0017】
所望しない光を発しないようにできる。
【0018】
<<第5の特徴>>
第5の特徴は、第1の特徴において、
前記複数の固体光源のうち、少なくとも1つの固体光源がLED(light-emitting diode)である。
【0019】
<<第6の特徴>>
第6の特徴は、第1の特徴において、
前記複数の固体光源のうち、少なくとも1つの固体光源がレーザーダイオードである。
【0020】
<<第7の特徴>>
第7の特徴は、第1の特徴において、
前記第1の固体光源は、深紫外光源であり、前記第2の固体光源は、青色光源であり、
前記第1の固体光源の調光と前記第2の固体光源の調光とを、互いに別個に制御する制御部をさらに備える。
【0021】
第1の固体光源から発する光の明るさと、第2の固体光源から発する光の明るさとのバランスを調節することができる。例えば、第1の固体光源から発する光の明るさと、第2の固体光源から発する光の明るさとを揃えることができる。
【0022】
<<<<本実施の形態の詳細>>>>
以下に、実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0023】
<<<発光装置10>>>
図1は、本実施の形態による発光装置10の構成を示す断面図である。図2は、本実施の形態による発光装置の構成を示す平面図である。
【0024】
発光装置10は、主に、固体光源100(固体光源100a及び100b)と、基板140と、蛍光体160と、光透過部材180と、壁体190とを有する。
【0025】
<<固体光源100(固体光源100a及び100b)>>
固体光源100は、給電されることで、所定のピーク波長を含む範囲の波長の光を発する。固体光源100は、例えば、LEDやレーザーダイオードなどにすることができる。固体光源100は、固体光源100a及び100bを有する。固体光源100aは、280nm以下の範囲にピーク波長を有する光を発する。固体光源100bは、420nmから470nmの間にピーク波長を有する光を発する。なお、以下では、固体光源100a及び100bを区別しない場合や、区別できない場合には、単に固体光源100と称する。
【0026】
固体光源100a及び100bは、ともに、基板140の表面142に配設されている。固体光源100a及び100bは、互いに異なる一定の位置に配置される。固体光源100a及び100bは、間隔dだけ離隔して配置される。固体光源100a及び100bは、光軸が平行になるように配置される。
【0027】
固体光源100aは、280nm以下の範囲にピーク波長を有する光を発する発光部102aを有する。固体光源100aは、表面実装用パッケージ(SMDパッケージ)によって構成される。固体光源100bは、420nmから470nmの間にピーク波長を有する光を発する発光部102bを有する。固体光源100bは、チップオンボード用基板(COB基板)または表面実装用パッケージ(SMDパッケージ)によって構成される。発光部102a及び102bは、LEDチップやレーザーダイオードチップを有する。
【0028】
発光部102a及び102bの発光面(図示せず)は、基板140を背にして位置づけられている。発光部102a及び102bから発せられる光は、基板140から離れる方向に進み、蛍光体160及び光透過部材180に向かう。固体光源100aは、電極(図示せず)を有し、発光部102aに電気的に接続されている。固体光源100bは、電極(図示せず)を有し、発光部102bに電気的に接続されている。固体光源100a及び100bの電極は、さらに、基板140に形成された配線パターンにも電気的に接続されている。固体光源100a及び100bは、基板140に形成された配線パターン(図示せず)を介して給電される。
【0029】
<<基板140>>
基板140は、本実施形態の場合、略平板状(薄板状)の部材である。基板140は、平面状に延在する。基板140は、固体光源100a及び100bを並置できる大きさを有する。
【0030】
基板140は、放熱のため、熱伝導率の高い材質、例えばアルミ基板などの金属で形成するのが好ましい。なお、基板140は、これに限られず、樹脂やセラミックスなどによって形成されてもよい。
【0031】
基板140は、表面142と、表面142の反対側の裏面144とを有する。表面142は、蛍光体160及び光透過部材180と向かい合う面である。配線パターン(図示せず)が、表面142又は裏面144に形成されている。配線パターンは、固体光源100に電力を供給するための導電体である。なお、基板140の表面142又は裏面144に配線パターンを形成せずに、リード線等を結線することで固体光源100に電力を供給するようにしてもよい。
【0032】
<<蛍光体160>>
蛍光体160は、固体光源100から離隔した位置に配置される。具体的には、蛍光体160は、光透過部材180の下面182に塗布されて形成される。蛍光体160は、平坦なフィルム状の形状を有する。光透過部材180は、基板140と平行に配置され、蛍光体160も、基板140と平行に配置される。蛍光体160は、固体光源100を覆うように設けられている。
【0033】
蛍光体160は、固体光源100の発光部102a及び102bと向かい合って配置される。蛍光体160は、固体光源100a及び100bの双方を覆う大きさを有する。固体光源100a及び100bの光軸は、蛍光体160が延在する平面に対して垂直に延在する。固体光源100から発せられた光は、蛍光体160に向かって進み、蛍光体160の全面に亘って照明される。
【0034】
<蛍光粒子>
蛍光体160は、蛍光物質である蛍光粒子(図示せず)を含む。蛍光粒子は、所定のピーク波長を有する光によって励起され、ピーク波長よりもさらに長波長の光(言い換えれば、赤外光に近い光)を発する。
【0035】
固体光源100aは、280nm以下の範囲にピーク波長を有する光を発する。固体光源100aから発せられた光を励起光にして、励起された蛍光粒子は、長波長の光に変換して発する。本実施の形態では、波長蛍光灯に使用されている蛍光粒子と同じ蛍光粒子を使用する。具体的には、東京化学研究所の赤色蛍光体「YOX」、緑色蛍光体「CAT」、青色蛍光体「BAM」などにすることができる。
【0036】
蛍光体160は、固体光源100aから発せられた光を励起光にして、緑色の可視光を発する蛍光粒子と、赤色の可視光を発する蛍光粒子と、青色の可視光を発する蛍光粒子とを含む。
【0037】
なお、蛍光体160は、固体光源100aから発せられた光を励起光にして、緑色の可視光を発する蛍光粒子と、赤色の可視光を発する蛍光粒子と、を含むものでもよい。蛍光体160が有する蛍光粒子の種類は、固体光源100aから発せられた光の波長と、蛍光粒子によって変換する光の波長とに応じて適宜に定めればよい。
【0038】
固体光源を用いた場合でも、蛍光灯に使用されている蛍光体と同じ蛍光体を使用することにより、3波長蛍光灯のスペクトルをほぼ完全に再現することができる。
【0039】
<<光透過部材180>>
光透過部材180は、基板140から高さhだけ離隔して配置される。光透過部材180は、平坦な薄板状の形状を有する。光透過部材180は、基板140に対して平行に配置される。光透過部材180は、下面182と上面184とを有する。下面182には、蛍光体160が塗布される。
【0040】
光透過部材180は、300nm以下の光を透過させない。すなわち、300nm以下の光を透過させない素材が、光透過部材180に用いられる。具体的には、フロートガラス板や、ロングパスフィルター付きガラスなどが、光透過部材180に使用される。
【0041】
蛍光体160を透過した光は、光透過部材180の下面182に直ちに入射し、光透過部材180の内部で、300nm以下の光が減衰されて、300nmより長い波長の光のみが上面184から出射する。このように構成したことにより、蛍光体160を励起するための人体に有害な280nmにピーク波長を有する光は、発光装置10から発せられない。人体に有害な280nm付近の光を遮断しつつ、かつ、水銀を使用することなく、3波長蛍光灯のスペクトルとほぼ同等の光を発する発光装置を提供することができる。
【0042】
蛍光体160を透過した光は、下面182に直ちに入射するので、蛍光体160を透過した光の全てを光透過部材180に案内することができる。このようにしたことで、蛍光体160と光透過部材180との間を介して発光装置10から外側に光が漏れるのを防止することができる。
【0043】
<<壁体190>>
壁体190は、基板140の表面142から離れる方向に沿って立設される。壁体190は、下端部192と上端部194とを有する。壁体190の下端部192に、基板140の表面142が位置付けられる。より具体的には、壁体190は、基板140の表面142の周縁に沿って周回して立設されている。壁体190の上端部194には、蛍光体160が位置付けられる。
【0044】
壁体190は、非導電性で、かつ、非透光性の材料で構成されている。壁体190を設けることにより、固体光源100から発せられた光が、発光装置10から漏れ出ることを防止できる。壁体190は、基板140と一体に形成されても別体に形成されてもよい。
【0045】
なお、壁体190の内面を、光を反射する物質で構成してもよい。このようにすることで、固体光源100から発せられた光を、蛍光体160及び光透過部材180に積極的に案内することで、有効に利用することができる。
【0046】
壁体190によって、基板140と蛍光体160との間に一定の間隙hを形成することができる。間隙hは、固体光源100a及び100bの配光特性や、固体光源100aと100bとの間隔dなどに応じて適宜に定めればよい。固体光源100から発せられた光が、蛍光体160の全面を照明するように、間隙hを決定することができる。
【0047】
<<<固体光源100a及び100bの調光制御>>>
図3は、固体光源100a及び100bの調光を制御する制御回路を示すブロック図である。
【0048】
制御回路は、主に、電源装置と、定電流回路110a及び110bと、制御部120とを有する。
【0049】
<<電源装置>>
電源装置は、電源ユニット(図示せず)を有する。電源ユニットは、固体光源100a及び100bに電源電圧を供給する。電源ユニットは、主に、スイッチング電源(図示せず)などを有し、商用電源からの電力を整流して、直流の一定の電源電圧を出力する。電源ユニットは、スイッチング電源を有しても、リニア電源を有してもよい。電源ユニットは、一定の電源電圧を固体光源100a及び100bに供給できればよい。さらに、DC/DCコンバータなどを有する定電圧回路(図示せず)によって、安定した定電圧電源が固体光源100a及び100bに供給されるように構成してもよい。
【0050】
<<制御部120>>
制御部120は、主に、プロセッサ(CPU(中央処理装置)など)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、通信インターフェースなどを有する(図示せず)。
【0051】
制御部120は、固体光源100a及び100bの調光(明るさ)を指示するための調光値信号a及びbを定電流回路110a及び110bに出力する。固体光源100a及び100bは、調光値に応じた明るさの光を発する。
【0052】
制御部120は、固体光源100a及び100bの調光を示す調光値を記憶する。調光値は、予備実験などによって定められて予めROMやRAMなどに記憶されている。これに限られず、発光装置10が稼働している状態で、操作者の操作や、外部の制御装置(図示せず)からの指示信号などによって、調光値が制御部120に適宜に供給されるように構成してもよい。
【0053】
<<定電流回路110a及び110b>>
定電流回路110a及び110bは、固体光源100a及び100bに定電流を供給する。
【0054】
定電流回路110a及び110bは、主に、オペアンプとFET(Field-effect transistor)とを有する(図示せず)。なお、FETではなく、電流を制御する他の電流増幅素子を用いてもよい。定電流回路110a及び110bは、いわゆる吸い込み型にすることができる。
【0055】
制御部120から出力された調光値信号aは定電流回路110aに供給され、調光値信号bは定電流回路110bに供給される。定電流回路110aは、調光値信号aが示す調光値に応じて定電流を生成して固体光源100aに供給する。定電流回路110bは、調光値信号bが示す調光値に応じて定電流を生成して固体光源100bに供給する。
【0056】
前述したように、調光値は、固体光源100a及び100bから発する光の明るさを指定するための値である。調光値が小さければ、固体光源100a及び100bに流す電流値も小さくなり、固体光源100a及び100bから暗い光が発せられる。一方、調光値が大きければ、固体光源100a及び100bに流す電流値も大きくなり、固体光源100a及び100bから明るい光が発せられる。
【0057】
発光装置10から発する光が、欠陥などを検出するための検査に適したスペクトル分布となるように、固体光源100aの調光値と固体光源100bの調光値との双方の調光値を定め、固体光源100aから発する光の明るさと、固体光源100bから発する光の明るさとのバランスを図ることができる。前述したように、調光値は、予備実験などによって定めたり、発光装置10の稼働中に適宜に調節したりすることができる。
【0058】
また、所定の時間ごとに点灯と消灯を繰り返す、いわゆるパルス点灯による場合には、固体光源100aの点灯又は消灯のタイミングと、固体光源100bの点灯又は消灯のタイミングとを同期させる必要がある。制御部120のプロセッサは、固体光源100aが発する光の強度及び波長の分布と固体光源100bが発する光の強度及び波長の分布とに応じて、調光値信号aを出力するタイミングと、調光値信号bを出力するタイミングとを適宜に調節することができる。固体光源100a及び100bを同時に発光させたり、一方を他方に対して遅らせたり早めたりして発光させることができる。
【0059】
<<<変形例1>>>
図4は、複数の固体光源100a及び100bを直線状に配置した発光装置の変形例の構成を示す平面図である。固体光源100a及び100bを長手方向に並べることで、長尺な蛍光灯と同等の光源を提供することができる。
【0060】
<<<変形例2>>>
図5は、複数の固体光源100a及び100bを円状に配置した発光装置の変形例の構成を示す平面図である。固体光源100a及び100bを、円状に並べる事で、従来の一体的に形成された蛍光灯では難しかった形状の対象物を照明して検査することも可能になる。なお、円状に限られず、楕円状、長円状、矩形状、ジグザグ状、格子状など、検査対象物の形状に応じて適宜に配置すればよい。
【0061】
<<<変形例3>>>
また、固体光源100a及び100bから発せられる光の波長は、前述したものに限られず、蛍光体160によって所望する波長に変換するための励起光として機能できるものであればよく、蛍光体160の特性などに応じて適宜に定めればよい。また、固体光源100a及び100bのパッケージは、前述したものに限られず、輝度や放熱性能などに応じて、適宜に選択することができる。
【0062】
固体光源100は、固体光源100a及び100bだけでなく、他の固体光源を有してもよい。
【0063】
図1及び図2に示した発光装置10は、固体光源100a及び100bをそれぞれ1つずつ有する構成を示した。これに限られず、固体光源100a及び100bの数は、それぞれ複数でもよい。さらに、固体光源100aの数と固体光源100bの数とは同数でなくてもよい。
【0064】
<<<<実施の形態の範囲>>>>
上述したように、本実施の形態を記載した。しかし、この開示の一部をなす記載及び図面は、限定するものと理解すべきでない。ここで記載していない様々な実施の形態等が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
水銀を使用することなく、3波長蛍光灯のスペクトルとほぼ同等の光を発する発光装置を提供する。
【符号の説明】
【0066】
10、20、30 発光装置
100、100a、100b 固体光源
140 基板
160 蛍光体
180 光透過部材
190 壁体

【要約】
【課題】 ピーク波長を挟んだ波長領域において鋭いピークを有する発光装置を提供する。
【解決手段】 発光装置は、ピーク波長が互いに異なる光を発し、かつ、配線パターンを有する基板に実装された複数の固体光源と、蛍光物質を有する蛍光体であって、前記複数の固体光源から発せられた光の進行方向に配置され、前記複数の固体光源から発せられた光が透過可能な蛍光体と、を備え、前記複数の固体光源のうちの第1の固体光源は、280nm以下の範囲にピーク波長を有する光源であり、前記複数の固体光源のうちの前記第1の固体光源とは異なる第2の固体光源は、420nmから470nmの間にピーク波長を有する光源である。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5