(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】ロボット集塵機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/28 20060101AFI20240712BHJP
【FI】
A47L9/28 E
(21)【出願番号】P 2018248276
(22)【出願日】2018-12-28
【審査請求日】2021-09-09
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小浦 健太郎
【合議体】
【審判長】柿崎 拓
【審判官】窪田 治彦
【審判官】関口 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-275157(JP,A)
【文献】特開2016-131744(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1400307(KR,B1)
【文献】特開2015-142328(JP,A)
【文献】特開2018-79170(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L9/02-9/08,9/22-9/32
G01C3/00-3/32
G01S1/72-1/82,3/80-3/86,5/18-5/30,7/48-7/64,15/00-17/95
G05D1/00-1/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口を有する本体と、
検出
光を射出して
清掃対象面の有無を検出する落下防止センサである物体センサと、
前記物体センサの周囲
及び前記物体センサから射出された前記検出光の光路の周囲に配置されるシール部材と、
前記光路に配置され前記検出光が透過可能な窓部を有する支持部材と、を備え、
前記シール部材は、前記物体センサと前記窓部との間の光路をシールして、前記物体センサ及び前記光路を密閉する、
ロボット集塵機。
【請求項2】
前記物体センサを支持する基板を備える、
請求項1に記載のロボット集塵機。
【請求項3】
前記基板は、前記物体センサが接続される接続面と前記接続面の周囲に配置されるフランジ面とを有し、
前記シール部材は、前記フランジ面に接触する、
請求項2に記載のロボット集塵機。
【請求項4】
前記支持部材は、前記検出
光の
光路の周囲に配置され、前記フランジ面に対向する支持面を有
し、
前記シール部材は、前記支持面に接触する、
請求項3に記載のロボット集塵機。
【請求項5】
前記シール部材は、前記フランジ面に接触する第1接触面と、前記支持面に接触する第2接触面とを有し、
前記シール部材に外力が付与されていない状態で、前記第1接触面と前記第2接触面との距離は第1距離であり、
前記フランジ面と前記支持面との距離が前記第1距離よりも短い第2距離の状態で、前記シール部材は、前記フランジ面と前記支持面との間に配置される、
請求項4に記載のロボット集塵機。
【請求項6】
前記本体は、側面と前記吸込口が設けられる底面とを有し、
前記物体センサは、前記底面に配置される、
請求項
1に記載のロボット集塵機。
【請求項7】
前記物体センサを保持する保持部材を備え、
前記支持部材は、前記保持部材に解放可能に連結される、
請求項
1から請求項
6のいずれか一項に記載のロボット集塵機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット集塵機に関する。
【背景技術】
【0002】
清掃作業においてロボット集塵機が使用される。ロボット集塵機は、自律走行しながら集塵する。ロボット集塵機は、周囲の物体を検出する物体センサを備える。特許文献1には、床面を撮影するカメラ部を備える自走式掃除機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
物体センサは、物体センサの少なくとも一部がロボット集塵機の本体の外面に配置されるように本体に支持される場合がある。物体センサの周囲の間隙を介して異物が侵入する可能性がある。
【0005】
本発明の態様は、物体センサを備えるロボット集塵機において、異物の侵入を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、吸込口を有する本体と、検出波を射出して前記本体の周囲の物体を検出する物体センサと、前記物体センサの周囲に配置されるシール部材と、を備えるロボット集塵機が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の態様によれば、物体センサを備えるロボット集塵機において、異物の侵入を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るロボット集塵機を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係るロボット集塵機を示す上面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係るロボット集塵機を示す底面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係るロボット集塵機を示す側面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るロボット集塵機を示す断面図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る光学センサユニットを示す断面図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る光学センサユニットを示す分解斜視図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係るシール部材及び光学センサユニットを模式的に示す図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る超音波センサユニットを示す断面図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係る超音波センサユニットを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
<ロボット集塵機>
図1は、本実施形態に係るロボット集塵機1を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係るロボット集塵機1を示す上面図である。
図3は、本実施形態に係るロボット集塵機1を示す底面図である。
図4は、本実施形態に係るロボット集塵機1を示す側断図である。
図5は、本実施形態に係るロボット集塵機1を示す断面図である。
【0010】
本実施形態においては、「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、及び「下」の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、ロボット集塵機1の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
【0011】
ロボット集塵機1は、清掃対象面FLを自律走行しながら集塵する。
図1、
図2、
図3、
図4、及び
図5に示すように、ロボット集塵機1は、本体2と、バンパ3と、バッテリ装着部4と、ファンユニット5と、ダストボックス6と、キャスタ7と、ローラ8と、走行装置12と、メインブラシ16と、メインブラシモータ17と、ガイド部材14と、サイドブラシ18と、サイドブラシモータ19と、ハンドル20と、物体センサ40と、インタフェース装置50とを備える。
【0012】
本体2は、上面2Aと、清掃対象面FLに対向する底面2Bと、上面2Aの周縁部と底面2Bの周縁部とを結ぶ側面2Cとを有する。上面2Aに平行な面内において、本体2の外形は、実質的に円形状である。
【0013】
本体2は、内部空間を有するハウジング11を含む。ハウジング11は、上ハウジング11Aと、上ハウジング11Aよりも下方に配置され、上ハウジング11Aに接続される下ハウジング11Bと、上ハウジング11Aに開閉可能に装着されるカバー板11Cと、下ハウジング11Bに装着されるボトムプレート11Dとを含む。上面2Aは、上ハウジング11A及びカバー板11Cに配置される。底面2Bは、下ハウジング11B及びボトムプレート11Dに配置される。
【0014】
本体2は、底面2Bに吸込口15を有する。吸込口15は、ボトムプレート11Dに設けられる。吸込口15は、清掃対象面FLの塵埃を吸い込む。吸込口15は、清掃対象面FLに対向する。吸込口15は、底面2Bの前部に設けられる。吸込口15は、左右方向に長い矩形状である。左右方向において、吸込口15の中心と本体2の中心とは一致する。なお、吸込口15の中心と本体2の中心とは一致しなくてもよい。
【0015】
バンパ3は、側面2Cの少なくとも一部に対向した状態で移動可能である。バンパ3は、本体2に移動可能に支持される。バンパ3は、側面2Cの前部に対向する。バンパ3は、ロボット集塵機1の周囲に存在する物体に衝突したとき、本体2に対して移動することにより、本体2に作用する衝撃を緩和する。
【0016】
バッテリ装着部4は、バッテリBTを支持する。バッテリBTは、バッテリ装着部4に装着される。バッテリ装着部4は、本体2の外面の少なくとも一部に設けられる。上ハウジング11Aの後部に凹部が設けられる。バッテリ装着部4は、上ハウジング11Aの凹部の内側に設けられる。バッテリ装着部4は、2つ設けられる。
【0017】
バッテリBTは、バッテリ装着部4に装着された状態で、ロボット集塵機1に搭載されている電気機器又は電子機器に電力を供給する。バッテリBTは、電動工具用のバッテリである。バッテリBTは、電動工具の電源として使用されるリチウムイオンバッテリを含む。バッテリBTは、充電可能な充電式電池を含む。バッテリ装着部4は、電動工具のバッテリ装着部と同等の構造を有する。
【0018】
ロボット集塵機1の使用者は、ハウジング11の外部空間において、バッテリ装着部4にバッテリBTを装着する作業及びバッテリ装着部4からバッテリBTを外す作業を実施することができる。バッテリ装着部4は、装着されるバッテリBTをガイドするガイド部材と、バッテリBTに設けられているバッテリ端子に接続される本体端子とを有する。使用者は、バッテリBTを上方からバッテリ装着部4に挿入することにより、バッテリBTをバッテリ装着部4に装着することができる。バッテリBTは、ガイド部材にガイドされながらバッテリ装着部4に挿入される。バッテリBTがバッテリ装着部4に装着されることにより、バッテリBTのバッテリ端子とバッテリ装着部4の本体端子とが電気的に接続される。ロボット集塵機1の使用者は、バッテリBTを上方に移動することにより、バッテリ装着部4からバッテリBTを外すことができる。
【0019】
ファンユニット5は、本体2に収容される。ファンユニット5は、塵埃を吸引するための吸引力を吸込口15に発生させる。ファンユニット5は、ハウジング11の内部空間に配置される。ファンユニット5は、本体2の後部において2つのバッテリ装着部4の間に配置される。ファンユニット5は、ダストボックス6を介して吸込口15に接続される。ファンユニット5は、ダストボックス6を介して吸込口15に吸引力を発生させる。
【0020】
図5に示すように、ファンユニット5は、ハウジング11の内部空間に配置されたケーシング5Aと、ケーシング5Aの内側に設けられた吸引ファン5Bと、吸引ファン5Bを回転させる動力を発生する吸引モータ5Cとを有する。ケーシング5Aは、ダストボックス6に接続される吸気口5Dと、排気口5Eとを有する。
【0021】
吸引モータ5Cは、バッテリBTから供給される電力により駆動する。吸引モータ5Cが駆動し、吸引ファン5Bが回転すると、吸気口5Dから排気口5Eに向かって気流が生成される。吸気口5Dは、ダストボックス6を介して吸込口15に接続される。吸引ファン5Bが回転すると、吸込口15から排気口5Eに向かって気流が生成される。これにより、吸込口15に吸引力が発生する。
【0022】
ダストボックス6は、本体2に収容される。ダストボックス6は、吸込口15から吸い込まれた塵埃を貯蔵する。ダストボックス6は、ハウジング11の内部空間に配置される。ダストボックス6は、吸込口15とファンユニット5との間に配置される。ダストボックス6は、吸込口15から吸い込まれた塵埃を回収して貯蔵する。
【0023】
図5に示すように、ダストボックス6は、本体部材6Aと、本体部材6Aの上端部に配置されるトレイ部材6Bと、トレイ部材6Bの上端部に配置される上板部材6Cとを有する。本体部材6Aの上端部に開口が設けられる。トレイ部材6Bは、本体部材6Aの上端部の開口を塞ぐように配置される。トレイ部材6Bの上端部に開口が設けられる。上板部材6Cは、トレイ部材6Bの上端部の開口を塞ぐように配置される。
【0024】
ダストボックス6は、内部に貯蔵空間Sを有する。吸込口15からの塵埃は、ダストボックス6の貯蔵空間Sに貯蔵される。貯蔵空間Sは、本体部材6Aとトレイ部材6Bとの間に規定される下側貯蔵空間S1と、トレイ部材6Bと上板部材6Cとの間に規定される上側貯蔵空間S2とを含む。
【0025】
ダストボックス6は、下側貯蔵空間S1に接続され、吸込口15からの塵埃を回収する下側回収口6Dと、上側貯蔵空間S2に接続され、吸込口15からの塵埃を回収する上側回収口6Eと、上側貯蔵空間S2に接続され、上側貯蔵空間S2からの空気が排出される排気口6Fとを有する。
【0026】
下側回収口6Dは、本体部材6Aの前部に設けられる。上側回収口6Eは、下側回収口6Dよりも上方に配置される。上側回収口6Eは、トレイ部材6Bの前部に設けられる。排気口6Fは、下側回収口6D及び上側回収口6Eよりも後方に配置される。排気口6Fは、トレイ部材6Bの後部に設けられる。下側貯蔵空間S1は、下側回収口6Dを介して吸込口15に接続される。上側貯蔵空間S2は、上側回収口6Eを介して吸込口15に接続される。排気口6Fは、ファンユニット5の吸気口5Dに接続される。ファンユニット5は、排気口6F及び上側貯蔵空間S2を介して吸込口15に接続される。排気口6Fと上側貯蔵空間S2との間に塵埃を捕集するフィルタ6Gが配置される。
【0027】
カバー板11Cは、上ハウジング11Aに開閉可能に装着される。カバー板11Cは、上ハウジング11Aに設けられている開口を塞ぐように配置される。ロボット集塵機1の使用者は、上ハウジング11Aの開口を介して、ハウジング11の内部空間からダストボックス6を取り出すことができる。ロボット集塵機1の使用者は、上ハウジング11Aの開口を介して、ハウジング11の内部空間にダストボックス6を収容することができる。
【0028】
キャスタ7及びローラ8のそれぞれは、本体2を移動可能に支持する。キャスタ7及びローラ8のそれぞれは、本体2に回転可能に支持される。キャスタ7は、底面2Bの後部に2つ設けられる。一方のキャスタ7は、本体2の左部に設けられる。他方のキャスタ7は、本体2の右部に設けられる。ローラ8は、底面2Bの前部に1つ設けられる。
【0029】
走行装置12は、本体2を前方及び後方の少なくとも一方に移動させる。走行装置12は、車輪9及び車輪モータ10を含む。
【0030】
車輪9は、本体2を移動可能に支持する。車輪9は、回転軸AXを中心に回転する。回転軸AXは、左右方向に延在する。車輪9は、2つ設けられる。一方の車輪9は、本体2の左部に設けられる。他方の車輪9は、本体2の右部に設けられる。
【0031】
車輪モータ10は、車輪9を回転させる動力を発生する。車輪モータ10は、バッテリBTから供給される電力により駆動する。車輪モータ10は、ハウジング11の内部空間に配置される。車輪モータ10は、2つ設けられる。一方の車輪モータ10は、本体2の左部に設けられている車輪9を回転させる動力を発生する。他方の車輪モータ10は、本体2の右部に設けられている車輪9を回転させる動力を発生する。車輪9は、車輪モータ10の駆動により回転する。車輪9が回転することにより、ロボット集塵機1は自律走行する。
【0032】
車輪モータ10は、車輪9の回転方向を変更可能である。車輪9が一方向に回転することにより、ロボット集塵機1は前進する。車輪9が他方向に回転することにより、ロボット集塵機1は後進する。2つの車輪モータ10は、異なる駆動量で駆動可能である。2つの車輪モータ10が異なる駆動量で駆動することにより、ロボット集塵機1は旋回する。
【0033】
走行装置12は、車輪9を支持する懸架装置を有する。懸架装置は、本体2に連結される。懸架装置の少なくとも一部は、ハウジング11の内部空間に配置される。車輪9は、懸架装置を介して本体2に支持される。懸架装置は、車輪9を上下方向に移動可能に支持する。懸架装置は、回転軸AXを中心に車輪9を回転可能に支持する。懸架装置は、車輪9の少なくとも一部が底面2Bから下方に突出するように、車輪9を支持する。車輪9の少なくとも一部は、底面2Bから下方に突出する。車輪9が清掃対象面FLに設置された状態において、本体2の底面2Bと清掃対象面FLとは、間隙を介して対向する。
【0034】
メインブラシ16は、吸込口15に配置される。メインブラシ16は、清掃対象面FLに対向する。メインブラシ16は、左右方向に長い。メインブラシ16は、回転軸MXを中心に回転する。回転軸MXは、左右方向に延在する。メインブラシ16は、左右方向に延在するロッド部材16Rと、ロッド部材16Rの外面に接続された複数のブラシ16Bとを有する。ロッド部材16Rの左端部及び右端部のそれぞれは、本体2に回転可能に支持される。ロッド部材16Rは、ブラシ16Bの少なくとも一部が底面2Bから下方に突出するように、本体2に支持される。車輪9が清掃対象面FLに設置された状態において、メインブラシ16の少なくとも一部は、清掃対象面FLに接触する。メインブラシ16が回転することにより、清掃対象面FLに存在する塵埃が掻き上げられ、吸込口15から吸い込まれる。
【0035】
メインブラシモータ17は、メインブラシ16を回転させる動力を発生する。メインブラシモータ17は、バッテリBTから供給される電力により駆動する。メインブラシモータ17は、ハウジング11の内部空間に配置される。メインブラシモータ17の駆動により、メインブラシ16が回転する。
【0036】
ガイド部材14は、清掃対象面FLに存在する塵埃を吸込口15にガイドする。ガイド部材14は、吸込口15の後端部に配置される。ガイド部材14は、メインブラシ16の回転軸MXよりも後方に配置される。ガイド部材14の下端部は、清掃対象面FLに接触する。ガイド部材14は、メインブラシ16により掻き上げられた塵埃の少なくとも一部を捕集する。ガイド部材14は、メインブラシ16により掻き上げられた塵埃が吸込口15よりも後方に移動することを抑制する。メインブラシ16により掻き上げられた塵埃の少なくとも一部は、ガイド部材14により捕集され、吸込口15から吸い込まれる。
【0037】
サイドブラシ18は、底面2Bの前部に配置される。サイドブラシ18は、清掃対象面FLに対向する。サイドブラシ18の少なくとも一部は、本体2よりも前方に配置される。サイドブラシ18は、2つ設けられる。一方のサイドブラシ18は、吸込口15よりも左方に設けられる。他方のサイドブラシ18は、吸込口15よりも右方に設けられる。サイドブラシ18は、円板部材18Dと、円板部材18Dに放射状に接続された複数のブラシ18Bとを有する。円板部材18Dは、本体2に回転可能に支持される。円板部材18Dは、ブラシ18Bの少なくとも一部が側面2Cよりも外側に突出するように、本体2に支持される。車輪9が清掃対象面FLに設置された状態において、サイドブラシ18の少なくとも一部は、清掃対象面FLに接触する。
【0038】
サイドブラシモータ19は、サイドブラシ18を回転させる動力を発生する。サイドブラシモータ19は、バッテリBTから供給される電力により駆動する。サイドブラシモータ19は、ハウジング11の内部空間に配置される。サイドブラシモータ19の駆動により、サイドブラシ18が回転する。サイドブラシ18が回転することによって、本体2の周囲の清掃対象面FLに存在する塵埃が吸込口15に移動する。
【0039】
ハンドル20は、上ハウジング11Aの前部に設けられる。ハンドル20の一端部及び他端部のそれぞれは、上ハウジング11Aに回動可能に連結される。ロボット集塵機1の使用者は、ハンドル20を保持してロボット集塵機1を持ち上げることができる。ロボット集塵機1の使用者は、ロボット集塵機1を持ち運びすることができる。
【0040】
インタフェース装置50は、カバー板11Cの後部に配置される。インタフェース装置50は、ロボット集塵機1の使用者に操作される複数の操作部及び複数の表示部を有する。インタフェース装置50の操作部として、電源ボタン50Aが例示される。インタフェース装置50の表示部として、バッテリBTの残量表示部50Bが例示される。また、上ハウジング11Aの前部には、例えば発光ダイオードを含む発光部51が設けられる。
【0041】
<物体センサ>
物体センサ40は、検出波を射出して本体2の周囲の物体を非接触で検出する。物体センサ40は、検出波の進路に存在する物体を検出することができる。物体センサ40は、検出波を射出する射出部と、物体で反射した検出波を受信する受信部とを有する。検出波として、検出光、電波、及び超音波の少なくとも一つが例示される。検出波の進路として、検出光の光路、電波の伝播路、及び超音波の伝播路の少なくとも一つが例示される。物体センサ40として、検出光を射出して物体を検出する光学センサ、電波を射出して物体を検出するレーダセンサ(RADAR:Radio Detection and Ranging)、及び超音波を射出して物体を検出する超音波センサ(Ultrasonic Sensor)の少なくとも一つが例示される。光学センサとして、レーザ光を射出することにより物体を検出するレーザセンサ(LIDAR:Light Detection and Ranging)及び赤外光を射出することにより物体を検出する赤外線センサの少なくとも一方が例示される。
【0042】
本実施形態において、物体センサ40は、ロボット集塵機1の周囲の少なくとも一部に存在する物体を検出する障害物センサ41と、清掃対象面FLの有無を検出する落下防止センサ42と、清掃対象面FLに設けられた区画部材を検出する部材センサ43とを含む。
【0043】
以下の説明においては、障害物センサ41が超音波センサであり、落下防止センサ42が光学センサであり、部材センサ43が光学センサであることとする。なお、障害物センサ41が光学センサ又はレーダセンサでもよい。落下防止センサ42がレーダセンサ又は超音波センサでもよい。部材センサ43がレーダセンサ又は超音波センサでもよい。
【0044】
障害物センサ41は、ロボット集塵機1の周囲の少なくとも一部に存在する物体を非接触で検出する。障害物センサ41は、本体2の側面2Cに配置される。障害物センサ41は、側面2Cに間隔をあけて複数設けられる。
【0045】
障害物センサ41は、本体2の周囲に超音波を射出することにより物体を検出する。ロボット集塵機1は、制御装置(不図示)を搭載する。制御装置は、コンピュータシステムを含む。制御装置は、障害物センサ41の検出データに基づいて、ロボット集塵機1の周囲の少なくとも一部に物体が存在するか否かを判定する。制御装置は、障害物センサ41の検出データに基づいて、ロボット集塵機1の周囲の少なくとも一部に物体が存在すると判定した場合、ロボット集塵機1が物体に接触しないようにロボット集塵機1を走行させる。制御装置は、ロボット集塵機1が物体に接触しないように、例えばロボット集塵機1の進行方向を変更する。なお、制御装置は、ロボット集塵機1が物体に接触しないように、ロボット集塵機1の走行を停止してもよい。なお、ロボット集塵機1は、物体に接触してもよい。制御装置は、ロボット集塵機1が物体に接触した後、ロボット集塵機1の進行方向を変更したり走行を停止したりしてもよい。
【0046】
落下防止センサ42は、清掃対象面FLの有無を非接触で検出する。落下防止センサ42は、底面2Bに配置される。
図3に示すように、落下防止センサ42は、底面2Bの周縁部に間隔をあけて複数配置される。落下防止センサ42は、底面2Bの前部に設けられた落下防止センサ42Fと、底面2Bの後部に設けられた落下防止センサ42Bと、底面2Bの左部に設けられた落下防止センサ42Lと、底面2Bの右部に設けられた落下防止センサ42Rとを含む。
【0047】
落下防止センサ42Fは、ローラ8よりも前方に配置される。落下防止センサ42Fは、左右方向において底面2Bの中心に1つ配置される。
【0048】
落下防止センサ42Lは、左側のサイドブラシ18の回転軸に対する放射方向において、左側のサイドブラシ18よりも外側に配置される。落下防止センサ42Lは、前後方向において、左側のサイドブラシ18と左側の車輪9の接地面(左側の車輪9の回転軸AX)との間に配置される。落下防止センサ42Lは、左右方向において、左側のサイドブラシ18の回転軸及び左側の車輪9よりも左側に配置される。
【0049】
落下防止センサ42Rは、右側のサイドブラシ18の回転軸に対する放射方向において、右側のサイドブラシ18よりも外側に配置される。落下防止センサ42Rは、前後方向において、右側のサイドブラシ18と右側の車輪9の接地面(右側の車輪9の回転軸AX)との間に配置される。落下防止センサ42Rは、左右方向において、右側のサイドブラシ18の回転軸及び右側の車輪9よりも右側に配置される。
【0050】
落下防止センサ42Bは、左右方向において底面2Bの中心に配置される。
【0051】
落下防止センサ42は、底面2Bに対向する位置に清掃対象面FLが存在するか否かを非接触で検出する。落下防止センサ42は、底面2Bと清掃対象面FLとの距離を検出する。落下防止センサ42は、下方に向かって検出光を射出することにより清掃対象面FLとの距離を検出する。落下防止センサ42として、レーザ光を射出することにより物体を検出するレーザセンサ、及び赤外光を射出することにより物体を検出する赤外線センサの少なくとも一方が例示される。底面2Bと清掃対象面FLとが規定距離以上離れている場合、ロボット集塵機1は、落下防止センサ42の検出データに基づいて、底面2Bに対向する位置に清掃対象面FLが存在しないと判定する。底面2Bに対向する位置に清掃対象面FLが存在しないと判定した場合、ロボット集塵機1は、走行を停止する。例えば清掃対象面FLの境界が下方に落ち込む段差に接続されている場合、落下防止センサ42は、段差を検出する。ロボット集塵機1は、落下防止センサ42の検出データに基づいて、段差が存在すると判定した場合、走行を停止する。これにより、ロボット集塵機1が段差の下に落下することが抑制される。
【0052】
部材センサ43は、清掃対象面FLに設けられた区画部材を検出する。部材センサ43は、底面2Bに配置される。
図3に示すように、部材センサ43は、底面2Bの前部に間隔をあけて複数配置される。
【0053】
部材センサ43は、ローラ8よりも左方及び右方のそれぞれに配置される。2つの部材センサ43は、左右方向に配置される。左側の部材センサ43は、左側のサイドブラシ18の回転軸に対する放射方向において、左側のサイドブラシ18よりも外側に配置される。左側の部材センサ43は、左右方向において、左側のサイドブラシ18とローラ8との間に配置される。右側の部材センサ43は、右側のサイドブラシ18の回転軸に対する放射方向において、右側のサイドブラシ18よりも外側に配置される。右側の部材センサ43は、左右方向において、右側のサイドブラシ18とローラ8との間に配置される。
【0054】
区画部材は、ロボット集塵機1の使用者によって清掃対象面FLの任意の位置に配置される。区画部材として、反射材料を含む反射テープが例示される。
【0055】
部材センサ43は、下方に向かって検出光を射出することにより区画部材を検出する。区画部材として、反射材料を含む反射テープが例示される。検出光として、レーザ光又は赤外光のような検出光が例示される。部材センサ43として、レーザ光を射出することにより反射テープを検出するレーザセンサ、及び赤外光を射出することにより反射テープを検出する赤外線センサの少なくとも一方が例示される。区画部材によって清掃対象範囲が規定される。ロボット集塵機1は、部材センサ43の検出データに基づいて、区画部材を超えないように走行する。これにより、ロボット集塵機1が清掃対象範囲の外側に移動することが抑制され、ロボット集塵機1は、清掃対象範囲を清掃することができる。
【0056】
なお、区画部材が、磁性材料を含む磁気テープでもよい。部材センサ43は、磁気テープを検出可能な磁気センサでもよい。
【0057】
落下防止センサ42及び部材センサ43のそれぞれは、底面2Bに平行な面内において、サイドブラシ18に重複しないように配置される。
【0058】
<落下防止センサ>
図6は、本実施形態に係る落下防止センサ42を含む光学センサユニット60の近傍を示す断面図である。
図7は、本実施形態に係る落下防止センサ42を含む光学センサユニット60を示す分解斜視図である。上述のように、本実施形態において、落下防止センサ42は、レーザ光又は赤外光のような検出光を射出することにより清掃対象面FLを検出する光学センサである。以下の説明においては、落下防止センサ42が底面2Bの前部に設けられた落下防止センサ42Fであることとする。なお、落下防止センサ42L,42R、42Bのそれぞれを含む光学センサユニットは、落下防止センサ42Fを含む光学センサユニット60と同様の構造である。
【0059】
図6及び
図7に示すように、光学センサユニット60は、本体2の周囲の物体として清掃対象面FLを検出する落下防止センサ42と、落下防止センサ42の周囲に配置されるシール部材61と、落下防止センサ42を支持する基板62と、少なくとも一部が落下防止センサ42と対向する支持部材63と、落下防止センサ42を保持する保持部材64とを備える。
【0060】
落下防止センサ42は、検出光を射出する射出部42Aと、物体で反射した検出光を受光する受光部42Bとを有する。
図7に示すように、射出部42Aと受光部42Bとは左右方向に配置される。なお、射出部42Aと受光部42Bとは前後方向に配置されてもよい。落下防止センサ42は、受光部42Bによる検出光の受光結果に基づいて、清掃対象面FLを検出する。
【0061】
基板62は、落下防止センサ42の上方に配置される。基板62は、落下防止センサ42と対向する下面を有する。基板62の下面は、落下防止センサ42が接続される接続面62Aと接続面62Aの周囲に配置されるフランジ面62Bとを有する。
【0062】
基板62の外形は、四角形である。基板62は、落下防止センサ42を制御する制御回路を有する制御基板である。基板62の上面にコネクタ65が配置される。コネクタ65は、ロボット集塵機1が有する制御装置(不図示)とケーブルを介して接続される。落下防止センサ42の検出データは、コネクタ65及びケーブルを介して制御装置に出力される。
【0063】
シール部材61は、弾性変形することができる。シール部材61は、柔軟でありクッション性を有する。シール部材61は、例えばウレタン樹脂製である。なお、シール部材61は、発泡ゴム製でもよい。
【0064】
シール部材61は、落下防止センサ42の周囲に配置される。シール部材61は、落下防止センサ42が配置される開口61Mを有する。
図6に示すように、シール部材61の少なくとも一部は、落下防止センサ42の射出部42Aから射出される検出光の光路の周囲に配置される。検出光は、開口61Mの内側を通過することができる。落下防止センサ42が開口61Mに配置された状態で、シール部材61は、基板62のフランジ面62Bに接触する。
【0065】
支持部材63は、シール部材61を支持する。支持部材63は、シール部材61を介して基板62及び落下防止センサ42を支持する。支持部材63は、検出光の光路に配置され検出光が透過可能な窓部63Aと、窓部63Aの周囲に配置され窓部63Aを支持するリング部63Bと、リング部63Bを支持する底板部63Cと、底板部63Cの周縁部に接続されるフレーム部63Dと、フレーム部63Dに接続されるアーム部63Eと、アーム部63Eの上端部に設けられるフック部63Fとを有する。
【0066】
支持部材63は、例えばポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂のような合成樹脂製である。窓部63Aは、実質的に透明であり、検出光を透過させる。なお、窓部63Aは、検出光を透過可能であればよく、透明でなくてもよい。例えば検出光が赤外光である場合、窓部63Aは、赤外線透過フィルタ(IRフィルタ)でもよい。窓部63Aは、清掃対象面FLと対向する。窓部63Aは、本体2の外面(底面2B)に配置される。窓部63Aは、本体2の外部空間に露出する。
【0067】
リング部63Bは、窓部63Aの周囲に配置され、窓部63Aを支持する。窓部63Aとリング部63Bとは隙間なく接合される。なお、窓部63Aとリング部63Bとは一体でもよい。リング部63Bと底板部63Cとフレーム部63Dとアーム部63Eとフック部63Fとは一体である。
【0068】
底板部63Cは、窓部63Aの周囲に配置される。底板部63Cは、検出光の光路の周囲に配置され、基板62のフランジ面62Bに対向する支持面63Gを有する。
【0069】
フレーム部63Dは、底板部63Cの周縁部に接続される。フレーム部63Dは、矩形状である。シール部材61は、フレーム部63Dの内側に配置される。シール部材61は、支持面63Gに接触する。
【0070】
アーム部63Eは、フレーム部63Dの周囲の一部に配置される。アーム部63Eは、フレーム部63Dの左側面及び右側面のそれぞれに配置される。フレーム部63Dの左側面に設けられるアーム部63Eは、フレーム部63Dの左側面から左方に突出する突出部と、突出部の左端部から上方に延在する延在部とを含む。フレーム部63Dの右側面に設けられるアーム部63Eは、フレーム部63Dの右側面から右方に突出する突出部と、突出部の右端部から上方に延在する延在部とを含む。延在部は、フレーム部63Dと間隙を介して対向する。延在部の上端部は、フレーム部63Dよりも上方に配置される。アーム部63Eは、フレーム部63Dに接近する方向及びフレーム部63Dから離れる方向の一方から他方に弾性変形することができる。
【0071】
フック部63Fは、アーム部63Eの延在部の上端部に設けられる。フック部63Fは、保持部材64の少なくとも一部に掛けられる。
【0072】
保持部材64は、基板62及び落下防止センサ42を保持する。保持部材64は、基板62が配置される収容空間64Aを有する収容部64Bと、収容部64Bに接続され本体2の少なくとも一部に固定される固定部64Cとを有する。
【0073】
収容部64Bは、収容空間64Aに配置された基板62の上面が接触する当接面64Dと、収容空間64Aに配置された基板62の側面が接触する内壁面64Eとを有する。基板62の上面が当接面64Dに接触することにより、上下方向における基板62と保持部材64との相対位置が固定される。基板62の側面が内壁面64Eに接触することにより、前後方向及び左右方向における基板62と保持部材64との相対位置が固定される。
【0074】
固定部64Cは、ボルトが挿入される開口64Fを有する。ボルトは、下方から開口64Fに挿入される。ボルトの先端部は、本体2の少なくとも一部に設けられているねじ孔(不図示)に挿入される。ボルトとねじ孔とが結合されることにより、保持部材64は本体2に固定される。
【0075】
保持部材64は、フック部63Fが掛けられるフック孔64Gを有する。フック部63Fがフック孔64Gに掛けられることにより、支持部材63と保持部材64とが連結される。フック部63Fがフック孔64Gから外されることにより、支持部材63と保持部材64との連結が解除される。フック部63Fにより、支持部材63は、保持部材64に解放可能に連結される。
【0076】
<シール部材>
図8は、本実施形態に係るシール部材61を模式的に示す図である。上述のように、シール部材61は、基板62のフランジ面62B及び支持部材63の支持面63Gのそれぞれに接触する。シール部材61は、フランジ面62Bに接触する第1接触面61Aと、支持面63Gに接触する第2接触面61Bとを有する。
【0077】
図8(A)に示すように、シール部材61に外力が付与されていない状態で、第1接触面61Aと第2接触面61Bとの距離は第1距離D1である。
【0078】
シール部材61が基板62と支持部材63との間に配置された状態で、フック部63Fがフック孔64Gに掛けられて、支持部材63と保持部材64とが連結される。
図8(B)に示すように、支持部材63と保持部材64とが連結された状態で、フランジ面62Bと支持面63Gとの距離は第1距離D1よりも短い第2距離D2になる。シール部材61は、フランジ面62Bと支持面63Gとの距離が第2距離D2の状態で、フランジ面62Bと支持面63Gとの間に配置される。すなわち、シール部材61は、押し潰された状態で、基板62と支持部材63との間に配置される。
【0079】
シール部材61は、落下防止センサ42と窓部63Aとの間の光路Kをシールする。シール部材61は、押し潰された状態で基板62と支持部材63との間に配置されるので、落下防止センサ42及び光路Kは密閉される。したがって、異物が落下防止センサ42に付着したり、異物が光路Kに侵入したりすることが効果的に抑制される。
【0080】
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、落下防止センサ42の周囲にシール部材61が配置されるので、本体2の内部に配置されている落下防止センサ42に異物が付着したり、異物が光路Kに侵入したりすることが抑制される。したがって、落下防止センサ42の検出精度の低下が抑制される。
【0081】
本実施形態において、シール部材61は、落下防止センサ42の周囲のみならず、落下防止センサ42の検出光の光路の周囲にも配置される。したがって、光路Kに異物が侵入することが十分に抑制される。
【0082】
本実施形態において、落下防止センサ42は基板62に支持される。基板62は、落下防止センサ42が接続される接続面62Aと接続面62Aの周囲に配置されるフランジ面62Bとを有する。シール部材61の第1接触面61Aは、フランジ面62Bに接触する。したがって、異物が落下防止センサ42に付着したり、異物が光路Kに侵入したりすることが効果的に抑制される。
【0083】
本実施形態において、シール部材61の第2接触面61Bは、フランジ面62Bに対向する支持部材63の支持面63Gに接触する。これにより、異物が落下防止センサ42に付着したり、異物が光路Kに侵入したりすることが効果的に抑制される。
【0084】
図8を参照して説明したように、シール部材61は、フランジ面62Bと支持面63Gとの距離が第2距離D2の状態で、フランジ面62Bと支持面63Gとの間に配置される。すなわち、シール部材61は、押し潰された状態で基板62と支持部材63との間に配置される。これにより、落下防止センサ42及び光路Kは密閉される。したがって、異物が落下防止センサ42に付着したり、異物が光路Kに侵入したりすることが効果的に抑制される。
【0085】
支持部材63は、検出光が透過可能な窓部63Aを有する。落下防止センサ42と窓部63Aとの間の光路Kがシール部材61によりシールされることにより、落下防止センサ42の検出精度の低下が抑制される。
【0086】
落下防止センサ42は、保持部材64に保持される。支持部材63は、フック部63Fを介して保持部材64に解放可能に連結される。これにより、例えば落下防止センサ42をメンテナンスする場合、支持部材63と保持部材64との連結を解除することにより、落下防止センサ42をメンテナンスすることができる。また、支持部材63が劣化した場合、新たな支持部材63と交換することができる。
【0087】
落下防止センサ42は、清掃対象面FLと対向する本体2の底面2Bに配置される。すなわち、ロボット集塵機1は、落下防止センサ42に異物が付着しやすい状況で使用される。異物は、清掃対象面FLに存在する塵埃を含む。本実施形態によれば、シール部材61が設けられることにより、異物が落下防止センサ42に付着したり、異物が光路Kに侵入したりすることが効果的に抑制される。
【0088】
なお、本実施形態においては、落下防止センサ42の周囲にシール部材61が配置されることとした。部材センサ43の周囲にシール部材61が配置されてもよい。落下防止センサ42と同様、部材センサ43は、本体2の底面2Bに配置される。部材センサ43の周囲にシール部材61が配置されることにより、部材センサ43の検出光の光路に異物が侵入することが抑制される。
【0089】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素について同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0090】
本実施形態においては、障害物センサ41の周囲にシール部材が配置される例について説明する。以下の説明においては、障害物センサ41が本体2の側面2Cの前部に設けられた障害物センサ41であることとする。
【0091】
図9は、本実施形態に係る障害物センサ41を含む超音波センサユニット70の近傍を示す断面図である。
図10は、本実施形態に係る障害物センサ41を含む超音波センサユニット70を示す分解斜視図である。
図9及び
図10に示すように、超音波センサユニット70は、本体2の周囲の物体として障害物を検出する障害物センサ41と、障害物センサ41の周囲に配置されるシール部材71と、障害物センサ41を支持する基板72と、シール部材71を介して障害物センサ41を支持する支持部材73と、基板72を介して障害物センサ41を保持する保持部材74とを備える。
【0092】
障害物センサ41は、超音波を射出する射出部41Aを有する。障害物センサ41の外形は、円柱状である。射出部41Aは、障害物センサ41の前端面を含む。障害物センサ41は、超音波を射出して、障害物で反射した超音波を受信することによって、障害物を検出する。
【0093】
基板72は、障害物センサ41の後方に配置される。基板72は、障害物センサ41と対向する前面を有する。基板72の前面は、障害物センサ41が接続される接続面72Aと接続面72Aの周囲に配置されるフランジ面72Bとを有する。
【0094】
基板72の外形は、四角形である。基板72は、障害物センサ41を制御する制御回路を有する制御基板である。
【0095】
シール部材71は、弾性変形することができる。シール部材71は、柔軟でありクッション性を有する。シール部材71は、ゴム製である。シール部材71は、発泡ゴム製でもよい。なお、シール部材71は、例えばウレタン樹脂製でもよい。
【0096】
シール部材71は、障害物センサ41の周囲に配置される。シール部材71は、円筒状である。本実施形態において、シール部材71は、フランジ部71Aと、フランジ部71Aよりも後方に配置され、フランジ部71Aよりも外径が小さいストレート部71Bとを有する。シール部材71は、障害物センサ41が配置される開口71Mを有する。シール部材71のフランジ部71Aの前端面は、障害物センサ41の射出部41Aよりも後方に配置される。障害物センサ41が開口71Mに配置された状態で、シール部材71のストレート部71Bの後端面は、基板72のフランジ面72Bに接触する。
【0097】
支持部材73は、シール部材71を支持する。支持部材73は、シール部材71を介して基板72及び障害物センサ41を支持する。支持部材73は、超音波の伝播路の周囲に配置される。本実施形態において、支持部材73は、バンパ3を含む。射出部41Aは、本体2の外面(側面2C)に配置される。射出部41Aは、支持部材73の開口73Aを介して本体2の外部空間に露出する。
【0098】
支持部材73は、超音波の伝播路の周囲に配置され、基板72のフランジ面72Bに対向する支持面73Gを有する。シール部材71のフランジ部71Aの前端部は、支持面73Gに接触する。
【0099】
保持部材74は、基板72及び障害物センサ41を保持する。保持部材74は、本体2の少なくとも一部に固定される。保持部材74は、基板72の後面が接触する第1当接部74Aと、基板72の側面が接触する第2当接部74Bとを有する。基板72の後面が第1当接部74Aに接触することにより、前後方向における基板72と保持部材74との相対位置が固定される。基板72の側面が第2当接部74Bに接触することにより、上下方向及び左右方向における基板72と保持部材74との相対位置が固定される。
【0100】
以上説明したように、本実施形態においては、障害物センサ41の周囲にシール部材71が配置されるので、開口73Aを介して本体2の内部に異物が侵入することが抑制される。また、障害物センサ41は超音波センサであり、超音波の発生により振動する。シール部材71が設けられることにより、障害物センサ41で発生した振動がハウジング11に伝達されることが抑制される。
【符号の説明】
【0101】
1…ロボット集塵機、2…本体、2A…上面、2B…底面、2C…側面、3…バンパ、4…バッテリ装着部、5…ファンユニット、5A…ケーシング、5B…吸引ファン、5C…吸引モータ、5D…吸気口、5E…排気口、6…ダストボックス、6A…本体部材、6B…トレイ部材、6C…上板部材、6D…下側回収口、6E…上側回収口、6F…排気口、6G…フィルタ、7…キャスタ、8…ローラ、9…車輪、10…車輪モータ、11…ハウジング、11A…上ハウジング、11B…下ハウジング、11C…カバー板、11D…ボトムプレート、12…走行装置、14…ガイド部材、15…吸込口、16…メインブラシ、16B…ブラシ、16R…ロッド部材、17…メインブラシモータ、18…サイドブラシ、18B…ブラシ、18D…円板部材、19…サイドブラシモータ、20…ハンドル、40…物体センサ、41…障害物センサ、41A…射出部、42…落下防止センサ、42A…射出部、42B…受光部、42F…落下防止センサ、42L…落下防止センサ、42R…落下防止センサ、43…部材センサ、50…インタフェース装置、50A…電源ボタン、50B…残量表示部、51…発光部、60…光学センサユニット、61…シール部材、61A…第1接触面、61B…第2接触面、61M…開口、62…基板、62A…接続面、62B…フランジ面、63…支持部材、63A…窓部、63B…リング部、63C…底板部、63D…フレーム部、63E…アーム部、63F…フック部、63G…支持面、64…保持部材、64A…収容空間、64B…収容部、64C…固定部、64D…当接面、64E…内壁面、64F…開口、64G…フック孔、65…コネクタ、70…超音波センサユニット、71…シール部材、71A…フランジ部、71B…ストレート部、71M…開口、72…基板、72A…接続面、72B…フランジ面、73…支持部材、73A…開口、73G…支持面、74…保持部材、74A…第1当接部、74B…第2当接部、FL…清掃対象面。