(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】ボールベアリング、当該ベアリングが設けられた、荷重下で摩擦トルクを測定するためのユニット、および当該測定するためのユニットが設けられた回転装置のためのテストベンチ
(51)【国際特許分類】
F16C 19/06 20060101AFI20240712BHJP
G01L 5/00 20060101ALI20240712BHJP
F16C 33/58 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
F16C19/06
G01L5/00 G
F16C33/58
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019117470
(22)【出願日】2019-06-25
【審査請求日】2022-05-25
(32)【優先日】2018-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】508282993
【氏名又は名称】アクティエボラゲット・エスコーエッフ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン・バザール
(72)【発明者】
【氏名】エマニュエル・シャルル
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル・ランベール
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-194270(JP,A)
【文献】実開平02-135834(JP,U)
【文献】特開2000-120703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 19/00-19/56,33/30-33/66
G01L 5/00-5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷重を受けた回転装置(2)の摩擦トルクを測定するためのユニット(12)であって、
トルクセンサ(41)と、
シャフト(20)であって、その第1端部(20-1)は、前記回転装置(2)に連結されるように設計された、シャフト(20)と、
中心ボア(33-1)を備え且つプレート(4)の面に固定された管状ハウジング(33)であって、前記シャフト(20)は前記プレート(4)を貫通して、前記管状ハウジング(33)のボア(33-1)内へと延びた、管状ハウジング(33)と、
少なくとも1つの軸受(35、36)であって、第1軸受トラック(36-5)が設けられた第1リング(36-2)と、第2軸受トラック(36-7)が設けられた第2リング(36-3)と、を備え、前記第1リング(36-2)および前記第2リング(36-3)は同心であり且つ中心軸(X33)の周りに相対回転し、前記第1軸受トラック(36-5)と前記第2軸受トラック(36-7)との間に径方向に搭載されたボール(36-1)の列を備えた軸受(35、36)であって、該軸受は、回転動作において前記シャフト(20)を支持するために、前記管状ハウジング(33)のボア(33-1)と前記シャフト(20)との間に挿入されており、前記第1リング(36-2)は前記シャフト(20)に固定的に装着されており、前記第2リング(36-3)は前記管状ハウジング(33)内に固定的に装着されており、ボールの列(36-1)は、前記第1リングおよび前記第2リングの一方に設けられ且つ面(36-6)上に形成された凹型環状溝から成る第1軸受トラック(36-5)と、他方のリングに設けられ且つ円筒面から成る第2軸受トラック(36-7)と、の間に配置された、少なくとも1つの軸受(35、36)と、
前記管状ハウジング(33)内に配置された測定プレート(39)であって、オルダム継手(40)を用いて前記シャフト(20)の第2端部(20-2)に連結された第1面を備え、これにより前記シャフト(20)は前記測定プレート(39)のみにトルクを伝達し、前記測定プレート(39)および前記シャフト(20)は、前記オルダム継手(40)に対応した形状を有し、前記測定プレート(39)は、前記トルクセンサ(41)と協働する第2面を備えた、測定プレート(39)と、
前記シャフト(20)の第2端部(20-2)と前記測定プレート(39)の第1面との間に挿入された停止部(42)であって、前記測定プレート(39)の第1面に固定された第1リングと、前記シャフト(20)の第2端部(20-2)に固定された第2リングと、2つの前記リングの間に挿入された少なくとも一列の転動要素と、を備え、前記転動要素の列は、前記オルダム継手(40)を径方向に取り囲んだ、停止部(42)と、
を備えている、測定するためのユニット。
【請求項2】
周方向に前記ボール(36-1)を支持するために、ケージ(36-9)が設けられている、請求項1に記載の測定するためのユニット。
【請求項3】
前記第1リング(36-2)は、ボア(36-4)および外側円筒面(36-6)が設けられ、前記第1軸受トラック(36-5)は、前記外側円筒面(36-6)上に形成された凹型環状溝であり、前記第2リング(36-3)は、外側面(36-8)および円筒内側ボア(36-7)が設けられ、前記第2軸受トラックは、前記円筒内側ボア(36-7)によって形成されている、請求項1または2に記載の測定するためのユニット。
【請求項4】
前記第1リングは、ボアおよび外側円筒面が設けられ、前記第1軸受トラックは、前記外側円筒面によって形成されており、前記第2リングは、外側面および円筒内側ボアが設けられ、前記第2軸受トラックは、前記円筒内側ボア上に形成された凹型環状溝である、請求項1または2に記載の測定するためのユニット。
【請求項5】
前記管状ハウジング(33)は、前記シャフト(20)とは反対側に配置され且つカバー(43)によって閉じられた自由端、および前記カバー(43)と前記管状ハウジング(33)との間の一時的な連結手段(44)を備え、前記カバー(43)は前記トルクセンサ(41)と接触している、請求項1から4のいずれか一項に記載の測定するためのユニット。
【請求項6】
前記測定するためのユニット(12)は、前記測定プレート(39)と前記管状ハウジング(33)との間の一時的な連結手段(45)を備え、前記測定プレート(39)は、これにより前記管状ハウジング(33)に固定されており、前記測定プレート(39)は、前記一時的な連結手段(45)および前記管状ハウジング(33)と協働することが可能な、少なくとも1つの径方向突出部(39-2)を備えている、請求項1から5のいずれか一項に記載の測定するためのユニット。
【請求項7】
前記一時的な連結手段は、前記測定プレート(39)および前記管状ハウジング(33)の対応した穴内に延びた、少なくとも1つのネジ(45)を含んでいる、請求項5または6に記載の測定するためのユニット。
【請求項8】
回転装置(2)の摩擦トルクを測定するためのテストベンチ(1)であって、
第1固定プレート(3)と、
並進移動可能であり、前記第1
固定プレート(3)に接近するように移動し、または前記第1
固定プレートから離れるように移動し、これにより前記回転装置(2)に軸方向荷重を与えることが可能な第2プレート(4)と、
前記プレート(3、4)の間に形成されたテストチャンバ(9)と、
前記第1
固定プレート(3)に固定された駆動手段(10)と、
請求項1から7のいずれか一項に記載の測定するためのユニット(12)であって、前記第2プレート(4)に固定された、測定するためのユニット(12)と、
前記駆動手段(10)に回転可能に連結された第1支持部(11)であって、前記テストチャンバ(9)内に配置されて、回転するように可動式の、前記回転装置(2)の第1要素(15)に固定されるように設計された、第1支持部(11)と、
前記測定するためのユニット(12)に連結された第2支持部(13)であって、前記回転装置(2)の第2要素(16)に固定されるように設計された、第2支持部(13)と、
を備えているテストベンチ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボールベアリングの分野、より具体的には、荷重下で摩擦トルクを測定するためのユニット内での使用に関する。本発明はさらにテストベンチの分野、より具体的には回転装置、特に自動車のためのバンプストップ装置の摩擦トルクを測定するために設計されたテストベンチに関する。
【背景技術】
【0002】
既知の方式において、自動車サスペンションシステムは、軸および自動車のホイールを支持したストラットを備えている。バンプストップは、ホイールおよび路面の反対側の、サスペンションスプリングと自動車本体に固定された上部部材との間のストラットの上部に配置されている。スプリングは減衰ピストンロッドの周りに配置され、その端部は自動車の本体に固定されることが可能である。
【0003】
バンプストップは、軸受、下側バネ保持器、上側バネ保持器、および2つのバネ保持器の間に配置された少なくとも1つのガスケットシールを備えている。バンプストップの種々の構成要素は、プラスチック材料から形成されてもよく、バネ保持器は、その機械的強度を増大させるために、特に金属から形成された剛体インサートによって補強されることが可能である。上側バネ保持器は、軸受の上側リングと上側部材との間に挿入され、一方で下側バネ保持器は、軸受の下側リングとサスペンションスプリングとの間に挿入されている。したがって、バンプストップは、サスペンションスプリングと自動車の本体との間の軸方向力の伝達を可能にしており、一方で軸受のリング間の相対角度移動を許容している。
【0004】
バンプストップの中心軸およびバネを備えたストラットの中心軸は、互いに対して傾斜されてもよく、軸の相対傾斜は5°から10°の間とすることが可能である。したがって、バンプストップは、結果として生じる径方向力を受ける。
【0005】
機械的強度およびシールに関する性能とは別に、バンプストップの品質における重要な因子は、荷重下におけるその摩擦トルクである。その運転快適性に加えて、バンプストップが組み込まれる自動車のサスペンション性能に影響するので、バンプストップの機械的この特性を確認することは重要である。荷重下においてバンプストップの摩擦トルクを測定するように設計されたテストベンチは、その構造、材料、および設計を最適化するために、開発されてきた。これらのテストベンチは、適用状態に近いテスト状態を提供しなければならない。
【0006】
既知の様式において、荷重下においてバンプストップの摩擦トルクを測定するためのテストベンチは、円筒ボアが設けられた管状スリーブを備え、そのボア内に、2つのバンプストップが上から下まで装着され、各バンプストップは、ボアの軸方向端部の一方に装着される。バンプストップの、固定されたバネ保持器の各々は、ボア内において固定される。バンプストップの、回転するように可動式のバネ保持器は、シャフトによって回転するように接続され、このシャフトはバンプストップに荷重を与える。ボアは、水平に対して傾斜した所定の角度に沿った中心軸の周りに延びており、中心軸は、各バンプストップとストラットをシミュレートするシャフトとの間の相対傾斜の特徴である角度に沿っている。中心軸の周りに回転するように揺動する動作は、モータによってシャフトに与えられ、この動作は、テストされる2つのバンプストップに伝達される。
【0007】
したがって、そのようなテストベンチは、適用される状態に近い揺動動作、傾斜、軸方向荷重、ならびに(決定された傾斜および与えられた軸方向荷重に起因した)径方向荷重の状態にあるバンプストップをテストすることが可能である。テストベンチには、2つのバンプストップの揺動に起因した摩擦トルクを測定するための、少なくとも1つの摩擦トルクセンサも設けられている。摩擦トルクを測定するための、2つの関連したバンプストップは、テスト中の一方のバンプストップと既知の特性を備えた他方のバンプストップとが同一であってもよく、または異なっていてもよい。
【0008】
そのようなテストベンチ内でテストされたバンプストップの摩擦トルクは、バンプストップが受ける荷重によって顕著に影響を受ける。さらに、この問題は、荷重下にあるバンプストップの摩擦トルクの特徴付けに関してだけでなく、荷重下にある適用条件を有する任意の回転装置の特徴付けに関しても生じる。したがって、信頼性の高い且つ再現可能な測定を確実にした、荷重下で摩擦トルクを測定するためのユニットを備えたテストベンチを提供することが望まれる。
【0009】
さらに、回転して軸方向荷重を受ける任意のシステム、特に自動車内で使用されるか、またはテストベンチ内でテストされるバンプストップだけでなく、クラッチ軸受/クラッチ解放軸受のような他のタイプの軸受も、荷重を受けている位置と荷重を受けていない位置との間の、軸受の位置の移動の問題の対象となる。そのような回転システムは、回転シャフトに連結されて、軸方向荷重を受け得る。そのようなシャフトは、全体的に固定ハウジング内に装着されて、回転動作中のシャフトを支持するために、少なくとも1つの軸受がシャフトとハウジングとの間に挿入されている。
【0010】
このタイプの用途においては、軸受は、シャフトに固定され且つ凹型溝によって形成された軸受トラックを備えた内側リングと、ハウジング内に装着され且つ凹型溝によって形成された軸受トラックを備えた外側リングと、それらの相対回転を支持するための、2つのリングの軸受トラックの間の少なくとも1列のボールと、を備えている。軸受がシャフトの軸方向移動に追従することを許容するために、軸受の外側リングを固定ハウジング内に無調節に装着することが知られている。
【0011】
しかしながら、リングは、特に半径方向平面における位置ずれを伴って、最適化されていない相対位置になることがある。ボールと軸受トラックとの間の接触は、所定の角度において、シャフトから軸受へ伝達されることが可能な、軸方向荷重の一部となり得る。さらに、追加の摩擦トルクが、シャフトの、ひいては回転システムの回転トルクに作用する軸受によって生じ得る。したがって、回転システムを備えた用途、および特に荷重を受けて摩擦トルクを測定するためのユニットを備えた、荷重下におけるテストベンチに適した軸受を提供することが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前述の欠点がない、回転しおよび荷重を受ける装置を支持することを可能にした玉軸受を提供することを目的としており、この軸受は、この軸受は、例えばバンプストップのような、荷重を受けた回転装置の摩擦トルクを測定するためのユニット内で使用されることが特に可能であり、適用条件を再現することが可能であり、任意のタイプの回転装置に適しており、高信頼性且つ再現可能な測定を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、第1軸受トラックが設けられた第1リングと、第2軸受トラックが設けられた第2リングと、を備え、2つのリングは同心であり且つ中心軸の周りに相対回転し、第1軸受トラックと第2軸受トラックとの間に径方向に搭載されたボールの列を備えた玉軸受に関する。
【0014】
本発明によれば、第1軸受トラックは、第1リングの面上に形成された凹型環状溝であり、第2軸受トラックは、第2リングの円筒面である。
【0015】
本発明によれば、第1リングの軸方向動作は、第1軸受トラックを形成した溝内に収容されたボールを駆動し、これらのボールは、第2リングの第2軸受トラックを形成した円筒面上を軸方向にスライドする。第1リングと第2リングとの間の相対径方向位置がどこであっても、ボールとリングとの間の軸受は、追加の摩擦トルクを生じることなく最適化される。
【0016】
有利であるが強制的でない玉軸受のさらなる特徴によれば、個別にまたは組み合わせて実行される。
- 周方向にボールを支持するために、軸受はケージを備えている。
- 第1リングは、ボアおよび外側円筒面が設けられた内側リングであり、第1軸受トラックは、外側円筒面上に形成された凹型環状溝であり、第2リングは、外側面および円筒内側ボアが設けられた外側リングであり、第2軸受トラックは、円筒内側ボアによって形成されている。
- 第1リングは、ボアおよび外側円筒面が設けられた内側リングであり、第1軸受トラックは、外側円筒面によって形成されており、第2リングは、外側面および円筒内側ボアが設けられた外側リングであり、第2軸受トラックは、円筒内側ボア上に形成された凹型環状溝である。
- 内側リングは回転する。
- 外側リングは非回転である。
【0017】
さらなる特徴によれば、本発明は、トルクセンサを備えた、荷重下において回転装置の摩擦トルクを測定するためのユニットに関する。
【0018】
測定するためのユニットはシャフトを備え、その第1端部は回転装置に連結されるように設計されている。測定するためのユニットは、中心ボアを備え且つプレートの面に固定された管状ハウジングを備え、シャフトはプレートを貫通して、ハウジングのボア内へと延びている。
【0019】
測定するためのユニットは、前述の実施形態のいずれか1つによる、少なくとも1つの軸受も備え、その軸受は、回転動作においてシャフトを支持するために、ハウジングのボアとシャフトとの間に挿入されている。この軸受は、シャフトに固定的に装着された内側リングと、ハウジング内に固定的に装着された外側リングと、ボールの列と、を備え、ボールの列は、前記2つのリングの一方に設けられ且つ面上に形成された凹型環状溝から成る第1軸受トラックと、他方のリングに設けられ且つ円筒面から成る第2軸受トラックと、の間に配置されている。
【0020】
測定するためのユニットは、ハウジング内に配置された測定プレートを備え、この測定プレートは、オルダム継手を用いてシャフトの第2端部に連結された第1面を備え、これによりシャフトは測定プレートのみにトルクを伝達し、測定プレートおよびシャフトは、オルダム継手に対応した形状を有し、測定プレートは、トルクセンサと協働する第2面を備えている。停止部は、シャフトの第2端部と測定プレートの第1面との間に挿入されており、停止部は、測定プレートの第1面に固定された第1リングと、シャフトの第2端部に固定された第2リングと、2つのリングの間に挿入された少なくとも一列の転動要素と、を備え、転動要素の列は、オルダム継手を径方向に取り囲んでいる。
【0021】
したがって、回転し且つ荷重を受ける、測定するためのユニットのシャフトは、本発明による玉軸受によって支持されている。シャフトが荷重を受けていない場合、玉軸受の構成部品は、各々がシャフトの回転に寄与する所与の位置にある。シャフトが荷重を受けている場合、このシャフトは軸方向に変位する。軸受の内側リングは、この軸方向変位に追従し、外側リングは、ハウジング内に静止したままである。軸受のリングの相対的な軸方向移動の間に、ボールは第2軸受トラックの円筒面上を軸方向にスライドし、これらのボールは、第1中空軸受トラック内に軸方向に保持され、第2円筒軸受トラックに対して軸方向の制限を受けない。本発明を用いることにより、軸受は追加の摩擦トルクを生じず、測定するためのユニットによって測定されたトルクは、回転装置のトルクである。さらに、軸方向荷重の剰余の部分は、軸受に伝達されない。
【0022】
有利であるが強制的でない、測定するためのユニットのさらなる特徴は、個別にまたは組み合わせて採用される。
- 測定プレートの第2面は、トルクセンサに連結された突出部を備えている。
- ハウジングは、シャフトの反対側に配置され且つカバーによって閉じられた自由端を備えている。
- トルクセンサには、荷重を測定するための手段も設けられている。
- 測定するためのユニットは、カバーとハウジングとの間の一時的な連結手段を備え、カバーはトルクセンサと接触している。
- 一時的な連結手段は、カバーおよびハウジングの対応した穴内に延びた少なくとも1つのネジを備えている。
- 測定するためのユニットは、測定プレートとハウジングとの間の一時的な連結手段を備え、測定プレートは、これによりハウジングに固定されている。
- 測定プレートは、一時的な連結手段およびハウジングと協働することが可能な、少なくとも1つの径方向突出部を備えている。
- ハウジングは少なくとも1つの開口部を備え、この開口部内に、測定プレートの少なくとも1つの径方向突出部が収容されている。
- 一時的な連結手段は、測定プレートおよびハウジングの対応した穴内に延びた、少なくとも1つのネジを備えている。
【0023】
さらなる特徴によれば、本発明は回転装置の摩擦トルクを測定するためのテストベンチに関連しており、このテストベンチは、第1固定プレートと、並進移動可能であり、第1プレートに接近するように移動し、または第1プレートから離れるように移動し、これにより回転装置に軸方向荷重を与えることが可能な第2プレートと、プレートの間に形成されたテストチャンバと、第1プレートに固定された駆動手段と、第2プレートに固定された、本発明の前述の実施形態のいずれかによる測定するためのユニットと、駆動手段に回転可能に連結された第1支持部と、測定するためのユニットに連結された第2支持部と、を備え、第1支持部は、テストチャンバ内に配置されて、回転するように可動式の、回転装置の第1要素に固定されるように設計されており、第2支持部は、回転装置の第2要素に固定されるように設計されている。
【0024】
本発明は、非限定的な例によって提供された、以下の記載を読むことによって、より明確に理解されるだろう。記載は添付図を参照して記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明による測定するためのユニットが設けられた、バンプストップデバイスのためのテストベンチの正面を示した図である。
【
図2】
図1のテストベンチの側面を示した斜視図である。
【
図3】軸方向断面による、
図1のテストベンチ内のバンプストップデバイスの詳細を示した図である。
【
図4】
図1のテストベンチのための駆動手段の詳細を示した斜視図である。
【
図5】軸方向断面I-Iに沿った
図1のテストベンチの測定するためのユニットの詳細を示した図である。
【
図6】第1形態における、軸方向断面II-IIに沿った
図5のテストベンチの測定するためのユニットの詳細を示した図である。
【
図7】第2形態における、軸方向断面II-IIに沿った
図5のテストベンチの測定するためのユニットの詳細を示した図である。
【
図8】軸方向断面に沿った、
図5の測定するためのユニットのための軸受を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1および
図2は、この場合バンプストップである回転装置2の摩擦トルクを測定するための、全体的に参照符号1によって示されたテストベンチを示している。記載および図の明確化の理由のために、テストベンチ1は、テストベンチを保持し且つテストベンチを地面に固定する固定筐体と共には図示されていない。
【0027】
テストベンチ1は、第1下部プレート3を備えている。この第1プレート3は水平面内に広がっており、静止して、テストベンチ1の筐体に固定されている。
【0028】
テストベンチ1は、第2プレート4を備えている。この第2プレート4は水平面内に広がっており、第1プレート3に平行であり、第1プレート3に対して並進するように移動可能である。
【0029】
テストベンチ1は4つの管状ガイド5を備え、これらは第1プレート3および第3上部プレート7に固定されており、第3上部プレートも、静止して筐体に固定されている。管状ガイド5は、各々が第1固定下部プレート3と第3固定上部プレート7との間に、プレート3、4、および7に対して直交した軸に沿って延びている。管状ガイド5は第2可動プレート4を貫通して、各々がプレート4の並進移動のためのガイドを形成している。
【0030】
テストベンチ1は、移動体の変速機のための機構6も備え、この場合は既知のネジタイプ8であり、第2プレート4の直進運動に寄与している。変速機機構6は、有利に第3プレート7に固定されている。第2プレート4は、第1プレート3と第3プレート7との間を並進移動可能である。
【0031】
テストベンチ1は、第1固定プレート3と、並進移動可能な第2プレート4と、の間に形成されたテストチャンバ9を備えている。バンプストップ2は、テストベンチにおいてテストされるように設計されており、このテストチャンバ内に収容される。
【0032】
第2プレート4は、テストベンチ1内でテストされるバンプストップ2に軸方向荷重をかけるために並進移動可能であり、そのことはこれ以降により詳細に説明される。第2プレート4はテストの間静止したままであり、テスト状態の設定および調整の段階の間のみに並進移動するように設定される。
【0033】
有利には、第1プレート3および第2プレート4は、各々が断熱材料の層3-1、4-1を備え、これらの層は、それぞれテストチャンバ9内においてそれらのプレートの内面にある。
【0034】
図示されていない変形によれば、テストベンチ1は側壁を備えた支持筐体を備え、側壁は、テストチャンバ9内において側壁の内面の断熱材料の層によっても覆われている。したがって、テストチャンバ9は断熱されている。有利には、テストベンチは、テストチャンバ9内の温度を調整するための手段(図示略)を備え、これにより用途の状態を再現するために、テストの温度を調節してもよい。テストチャンバ9内の湿度測定を監視するための手段を設けることも可能である。
【0035】
テストベンチ1は、第1下部静止プレート3に固定された駆動手段10、および回転可能に駆動手段10に連結された第1下部支持部11を備えている。テストベンチ1は、並進移動可能な第2上部プレート4に固定された、測定するためのユニット12、および測定するためのユニット12に連結された第2上部支持部13も備えている。テストベンチ1内においてテストされるように設計されたバンプストップ2は、一方では第1支持部11に連結され、他方では第2支持部13に連結されている。
【0036】
図3は、テストベンチ1のテストチャンバ内に装着されたバンプストップ2を示している。バンプストップ2は、図示されたこの実施形態においては、マクファーソンサスペンションベアリングユニットまたはMSBU型である。
【0037】
バンプストップ2は、斜めに接触した単一のベアリング14、回転式に可動式の下側バネ保持器15、および上側バネ保持器16を備えている。バンプストップ2およびその構成要素は、中心軸X2を中心として全体的に円形の対称形状を有する。バネ保持器15および16は、互いに内部筐体を画定しており、この内部筐体内にベアリング14が収容されている。バンプストップ2は、外部汚染に対してベアリングのシールを提供するために、外部および/または内部シール手段を有利に備え得る。
【0038】
本実施形態においては、ベアリング14は、この場合ボールである転動要素の列に加えて、内側リングおよび外側リングを備え、転動要素はリング間に斜めに接触して配列されている(図示略)。ベアリング14は、使用時のバンプストップ2への内力および摩擦を制限するために、好適に斜めに接触している。
【0039】
下側バネ保持器15は、軸X2を中心として且つ上側バネ保持器16に対して回転可能である。下側バネ保持器15は環状であり、中央管状部およびこの管状部から外側に延びた径方向部を備えている。下側バネ保持器15は、ベリングのための第1上軸側からの下部支持部を形成し、第2下軸側の、自動車のストラットバネと協働することが可能な支持部を形成している。
【0040】
図示された実施形態においては、テストベンチ1の第1下部支持部11は、軸X17に沿って延びた支持ロッド17を備え、軸X17は角度A17に沿ってバンプストップ2の軸X2に対して傾斜している。支持ロッド17は、以下に記載された、駆動手段10に連結された第1下側端部17-1、および第1適合手段18が設けられた第2上側端部17-2を備え、第1適合手段は、下側バネ保持器15の下面と適合した形状とされている。支持ロッド17の第1適合手段18は、自動車のストラットバネの構造的特徴および機構的特徴を再現することを可能にしている。第1適合手段18は、少なくとも1つの固定ネジ19を用いて支持ロッド17に固定されている。したがって、第1適合手段18は、特にテストされるさらなるバンプストップに適した、異なった形状の第1適合手段に交換される場合に、容易に支持ロッド17に装着されるか、または容易に支持ロッド17から取り外され得る。
【0041】
代替的に、支持ロッドはその第2端部にバネが設けられたストラットに交換されてもよく、このバネは、バンプストップの第1バネ保持器の支持面に対して支持されるように設計されている。
【0042】
上側バネ保持器16は、軸X2を中心として環状であり、ベアリング14のための上部支持部を形成している。上側バネ保持器16は、自動車のサスペンション装置内で概して静止しており、この上側バネ保持器16は、自動車のシャーシに固定されている。バンプストップ2はテストベンチ1に装着され、これにより上側バネ保持器16は静止状態になく、下側バネ保持器15の回転揺動動作によって生じた摩擦トルクを伝達し得る。
【0043】
図示された実施形態においては、テストベンチ1の第2上部支持部13はシャフト20を備え、このシャフトには、バンプストップ2の上側バネ保持器16に連結された第1下側端部20-1、および測定するためのユニット12に連結された第2上側端部20-2が設けられており、それは以下に記載されている。第2支持部13は、上側バネ保持器16に固定された第2適合要素21も備え、この第2適合要素21は、枢軸連結器22を用いてシャフト20の第1端部20-1に連結されている。したがって、シャフト20とバンプストップ2との間の連結は、任意のタイプのテストされたバンプストップおよび支持ロッド17の傾斜に対応可能である。
【0044】
有利には、第2適合要素21は、上側バネ保持器16に固定された下側部分21-1、および枢軸連結器22を用いてシャフト20の第1端部20-1に連結された上側部分21-2を備え、2つの部分21―1および21―2は、固定ネジ21-3によって互いに対して固定され得る。したがって、第2適合要素21の下側部分21-1は、特にテストされるさらなるバンプストップに適した、異なった形状の第2適合手段に交換される場合に、上側部分21-2、ひいてはシャフト20に容易に装着され得るか、またはシャフト20から容易に取り外され得る。
【0045】
代替的に、バンプストップは多様な構造的デザインを備えてもよく、本発明によるテストベンチ1は、任意のタイプのバンプストップを受容し且つテストすることに適している。より具体的には、下側バネ保持器を備えた第1適合要素を備えた、支持ロッド17の第2端部17-2、および/または上側バネ保持器を備えた第2適合要素の、シャフト20の第1端部20-1を設けることで十分であり、これらの端部は、テストされるバンプストップのこれらの要素に連結されることが可能である。
【0046】
第1下部支持部11は、回転可能に駆動手段10に連結されている。第1支持部11は、第1端部17-1を備えた支持ロッド17を備え、この第1端部は、
図4に示されたように駆動手段10に連結されている。
【0047】
第1支持部11はガイド23を備え、支持ロッド17の第1端部17-1は、そこに連結要素24を用いて枢動接続部25と連結されている。ガイド23は2つの側方レール23-1および23-2を備え、連結要素24は、これらのレール23-1、23-2と協働することが可能な突出部を備えている。連結要素24がガイド23のレール23-1、23-2上に配置された場合、連結要素24は、例えばネジ、クランプ手段、または任意の他の一時的な固定手段のような固定手段(図示略)によってこの所望の位置に固定される。したがって、ロッド17はガイド23に連結され、これによりロッド17の傾斜の角度は、一方ではバンプストップ2に対して決定され、他方ではガイド23に対して決定され得る。
【0048】
第1支持部11は、回転可能に駆動手段10に連結された支持プレート26も備えている。ガイド23は、例えば固定ネジのような任意の適切な手段によって、動作の観点から支持プレート26に固定されている。したがって、ロッド17は、ガイド23に装着された連結要素24を用いて駆動手段10に連結され、このことは、ロッド17および支持プレート26が傾斜することを保証することを可能にしている。
【0049】
第1支持部11のアセンブリは、テストベンチの固定下部プレート3に装着されている。支持プレート26は、このプレート3に設けられた開口部を貫通したシャフト(図示略)を用いて、駆動手段10によって駆動される。
【0050】
駆動手段10は
図1に示されており、回転軸X28を中心として回転する駆動プレート28を配置したモータ27を備えている。接続ロッド29には、旋回接続部30によって駆動プレート28に連結された第1端部、および旋回接続部31によってクランク32の第1端部に連結された第2端部が設けられている。このクランク32は第2端部を備え、この第2端部は、下部プレート3を貫通したシャフト(図示略)を用いて、第1支持部11の支持プレート26に回転可能なように連結されている。
【0051】
本発明の実施形態においては、駆動手段10は既知のタイプのロッド-クランク接続であり、回転動作を軸の周りの揺動動作に変換することが可能である。クランク32は、この揺動動作を支持プレート26に伝達し、連続的な接続により連結要素24を備えたガイド23に、第1適合手段18を備えた支持ロッド17に、最終的に、テストベンチ1内のテストされるバンプストップ2の下側バネ保持器15に伝達する。そのような駆動手段10を備えたテストベンチ1は、組み立てられた状態においてテストされるバンプストップ2が受ける動作を再現することを可能にしている。
【0052】
バンプストップ2の下側バネ保持器15が連結された駆動手段10の反対側において、テストベンチ1は、バンプストップ2の上側バネ保持器16に連結された測定するためのユニット12を備えている。
【0053】
より具体的には、上側バネ保持器は、第2支持部13を用いて測定するためのユニット12に連結されており、第2支持部は、シャフト20の第1端部20-1に連結された第2適合要素21を含んでいる。測定するためのユニット12は、第1装着構成による
図5および
図6、ならびに第2装着構成による
図7に示されている。
【0054】
測定するためのユニット12は、中心軸X33に沿って延びた中心ボア33-1を備えた管状ハウジング33を備え、並進移動可能な第2プレート4の外側面に固定されている。ハウジング33は、径方向端縁33-2、およびこの端縁33-2を通じて形成された開口部を貫通した複数の固定ネジ34を有利に備えており、これは、第2プレート4に形成された対応した開口部に固定されるためである。
【0055】
第2プレート4には、シャフト20が横断したボア4-2も設けられており、このシャフト20は、中心軸X33と同心の軸X20に沿って、ハウジング33のボア33-1内を延びている。したがって、シャフト20は、バンプストップ2が、テストチャンバ9の内側の一側において、テストチャンバ9の外側の第2プレート4の反対側に装着された測定するためのユニット12に連結されることを可能にしている。
【0056】
2つの軸受35、36は、回転動作時にシャフト20を支持するために、ハウジング33のボア33-1とシャフト20との間に差し込まれている。本実施形態においては、軸受35、36は類似しており、軸受36のみがこれ以降記載され、
図8において詳細に示されている。
【0057】
軸受36は、内側リング33-2および外側リング33-3を備え、これらのリングは同心であり、ハウジング33のボア33-1の中心軸X33を中心として相対回転し、リングの間に径方向に配置されたボールの列36-1を備えている。
【0058】
シャフト20は段付きの外側面20-3を備え、軸受36の内側リングが装着される円筒面は、より大きい直径を有する外側面を備えたシャフトの中心部よりも、より小さい直径を有するように形成されている。内側リング36-2は、シャフト20の外側面20-3の円筒部にクランプされる方式において装着された、円筒ボア36-4を備えている。したがって、シャフト20は、軸受35、36の単純な装着を許容した段付きの外側面20-3を備えている。軸受35、36の内側リングの軸方向支持を提供するために、ショルダがシャフト20の周囲に形成されている。軸方向における軸受35、36の内側リングを固定するために、2つの支持リング37、38がシャフト20に固定的に装着されている。支持リング38は、特にシャフト20の第2端部20-2の周りに装着されている。
【0059】
有利には、テストチャンバ9と測定するためのユニット12との間のシャフト20を通じた熱の逃げを回避するために、リング37は断熱材料から形成されている。
【0060】
ハウジング33のボア33-1は、原則的に円筒形である。外側リング36-3は、ハウジング33のボア33-1にクランプされる方式において装着された円筒外側面36-8を備えている。軸受35の外側リングのための下側軸方向保持を提供するために、ボア33-1は下側ショルダを有利に備えている。軸受35の外側リングの上側軸方向支持および軸受36の外側リング36-3の下側軸方向支持を提供するために、中間スペーサ46が、軸受35と軸受36の間に軸方向に装着されている。軸受36の外側リング36-3の上側軸方向支持を提供するために、支持リング37は、ハウジング33のボア33-1内に固定的に装着されている。
【0061】
内側リング36-2は、内側軸受トラックを形成した凹型環状溝36-5が設けられた円筒外側面36-6を備え、この溝内に、ボール36-1が収容されている。外側リング36-3は、外側軸受トラックを形成した円筒ボア36-7を備え、ボール36-1は、この円筒ボアと径方向に接触している。中心軸X33を中心とした内側リング36-2と外側リング36-3との相対回転は、ボール36-1と内側軸受トラック36-5および外側軸受トラック36-7との間の軸受接触によって提供されている。
【0062】
図示された実施形態においては、内側リング36-2は中実、すなわち金属管、バー、鍛造部品、または積層ブランクを用いて機械加工またはモールド成型から得られている。外側リング36-3は、金属管から切り出されて、幾何的公差を調節するために研削されることによって形成され得る。
【0063】
有利には、軸受36には複数の凹部が設けられた環状ケージ36-9が設けられ、これらの凹部内にボール36-1が収容されている。したがって、荷重を均一にするために、ボール36-1の列は周方向に、有利には均一に離間されて支持されている。
【0064】
一方では、支持ロッド17は、バンプストップ2の下側バネ保持器15に対して傾斜しているので、且つ他方では、並進移動可能な第2プレート4は、軸方向荷重をバンプストップ2に与えるので、径方向荷重が、特にバンプストップ2および上側バネ保持器16に生じる。上側バネ保持器16によってシャフト20に与えられた径方向荷重は、軸受35、36を用いて第2プレート4に固定されたハウジング33に伝達される。この構成は、径方向荷重のフィルタリングの手段を構成し、これにより径方向荷重は、測定するためのユニット12内の摩擦トルクの測定に影響しない。
【0065】
測定するためのユニット12は、ハウジング33内に配置された測定プレート39も備えている。
【0066】
測定プレート39は、オルダム継手40を用いてシャフト20の第2端部20-2に連結された下面を備え、これによりシャフト20は、この測定プレート39のみにトルクを伝達する。オルダム継手は先行技術から公知であり、測定プレート39およびシャフト20は、オルダム継手40に対応した形状を備えている。より具体的には、測定プレート39の下面は、第1軸面内において延びた突起部39-1を備え、シャフト20の第2端部20-2は、第1軸面に直交した第2軸面内において延びた突起部20-4を備え、オルダム継手40は、その上側面に、測定プレート39の突起部39-1を受容するチャネル、およびその下側面に、シャフト20の突起部20-4を受容するチャネルを備えている。下側バネ保持器15が揺動動作を伴って回転した場合、バンプストップ2の上側バネ保持器16によって伝達される摩擦トルクは、シャフト20に伝達され、次いでオルダム継手40を用いて測定プレート39に伝達される。
【0067】
オルダム継手40に連結された下面の反対側では、測定プレート39は、トルクセンサ41と協働する上側面を備えている。測定プレート39の上側面は、複数の固定ネジによってトルクセンサ41に連結された突起部39-3を備えている。
【0068】
ボールを備えた停止部42は、測定プレート39とシャフト20との間に軸方向に挿入されている。
【0069】
停止部42は、固定ネジによって測定プレート39の下側面に固定された上側リングを備えている。停止部42は、オルダム継手40を放射状に取り囲んでいる。停止部42は、シャフト20の第2端部に、より詳細にはシャフト20の第2端部に装着された支持リング38に固定された下側リングを備えている。転動要素の列はこの場合ボールであり、上側リングと下側リングとの間に挿入され、これにより停止部42を形成し、それらのリングは、径方向面に平行に且つ軸X33の周りに回転する。停止部42は、シャフト20と測定プレート39との間において軸方向荷重を伝達することを可能にしている。
【0070】
図6はテストベンチ1の、特に測定するためのユニット12の第1装着部および運転形態を示している。
【0071】
ハウジング33は、シャフト20の反対側に配置され且つカバー43によって閉じられた自由端を備え、カバー43は、トルクセンサ41およびハウジング33の上端縁と接触している。ハウジング33およびカバー43は、ハウジング33およびカバー43の上端縁を通じて形成された開口部内に固定された固定ネジ44によって、互いに固定されている。
【0072】
したがって、第2プレート4は、ハウジング33に固定されたカバー43を通じて、バンプストップ2に軸方向荷重を与え得る。軸方向荷重は、第2プレート4からハウジング33へと、カバー43へと、トルクセンサ41へと、測定プレート39へと、シャフト20へと、ボールを備えた停止部42を用いて、およびバンプストップ2の上側バネ保持器16へと第2支持部13を用いて、連続的に伝達される。軸受35、36はハウジング内に自由に装着されて、これにより軸方向荷重と干渉しない。
【0073】
さらに、
図7に示され且つこれ以降に記載された測定するためのユニット12の第2装着構成とは対照的に、測定プレート39およびハウジング33は互いから分離され、固定ネジ42が除去されている。したがって、測定プレート39は、オルダム継手40を用いてシャフト20によって伝達される摩擦トルクの作用の下で、自由に変形される。
【0074】
したがって、トルクセンサ41はバンプストップ2に連結されている。駆動手段10は、回転揺動動作を、第1支持部11を用いてバンプストップ2の下側バネ保持器15に与える。摩擦トルクは、下側バネ保持器15と上側バネ保持器16との間に生じる。この摩擦トルクは、上側バネ保持器16から第2支持部13に、特にシャフト20に伝達され、次いでオルダム継手を用いて測定プレート39に伝達される。したがって、トルクセンサ41は、測定プレート39を用いて摩擦トルクを測定する。
【0075】
有利には、トルクセンサ41には、荷重測定手段も設けられていてもよい。
【0076】
図7はテストベンチ1の、特に測定するためのユニット12の第2装着部および運転形態を示している。
【0077】
測定プレート39は、径方向突起部39-2を備えている。ハウジング33は開口部33-3を備え、測定プレート39の径方向突起部39-2は、その内部に収容されている。突起部39-2は、ハウジング33の径方向端縁33-4上に軸方向に静止している。ハウジング33および測定プレート39は、固定ネジ45によって互いに固定され、固定ネジは、突起部39-2および端縁33-4を通じて形成された開口部内に固定されている。
【0078】
有利には、測定プレート39は複数の突起部39-2を備えていてもよく、ハウジング33は、これらの突起部39-2を協働するために、径方向端縁33-4を備えた同数の開口部33-3を備えていてもよい。
【0079】
図6に示された、測定するためのユニット12の第1装着構成において、測定プレート39およびハウジング33は、互いから分離されている。
【0080】
測定するためのユニット12のこの第2装着構成において、測定プレート39はハウジング33に、したがって第2プレート4に固定されている。第2プレート4はテストの間は固定されたままであり、テスト条件の設定および調整の段階の間のみに並進移動するように設定される。したがって、測定プレート39は、この第2装着構成では、動作の観点においてブロックされている。シャフト20によって測定プレート39へとオルダム継手40を通じて伝達される摩擦トルクは、トルクセンサ41へと伝達されることが不可能である。
【0081】
さらに、
図6に示された測定するためのユニット12の第1装着構成とは対照的に、カバー43およびハウジング33は互いから分離されており、固定ネジ44は除去されている。
【0082】
トルクセンサ41は、測定プレート39から荷重を受けておらず、プレート39の摩擦トルクの測定を実行するために構成されていない。
【0083】
一方で、第2プレート4はハウジング33に固定された測定プレート39を通じて、バンプストップ2に軸方向荷重を与え得る。軸方向荷重は、第2プレート4からハウジング33へと、測定プレート39へと、ボールを備えた停止部42を通じてシャフト20へと、次いで、第2支持部13を用いてバンプストップ2の上側バネ保持器16へと、連続的に伝達される。
【0084】
他方では、トルクセンサ41は、バンプストップ2から連結解除されている。市場において入手可能な既知のトルクセンサは、長時間にわたる連続的な稼働に適していない。この第2装着構成のために、さらなるテストベンチを使用することなく、または測定するためのユニット12を取り外すことなく、バンプストップ2の長時間にわたるテスト時間の耐久テストを実行することが可能である。測定するためのユニット12の連結/連結解除は、単に固定ネジ44、45の単なる装着/抜去により、極めて簡素化されている。
【0085】
テストベンチ1の測定するためのユニット12の第1形態において、シャフト20は軸方向に荷重を与えられている。軸受36の内側リングは、シャフト20との回転および軸方向の観点において固定されており、第1軸方向位置にある。テストベンチ1の測定するためのユニット12の第2形態においては、シャフト20は軸方向に荷重を与えられていない。これら2つの形態の間では、シャフト20は軸方向にオフセットされており、このオフセットは、10分の1ミリメートル、または1ミリメートルのオーダーである。したがって、軸受36の内側リングは、シャフト20が荷重を受けている場合に、その第1位置に対して軸方向にオフセットされた第2軸方向位置に配置されている。ボール36-1は、内側リング36-2の内側軸受トラック36-5を形成した溝内に収容されており、したがって、第1位置と第2位置との間の内側リング36-2の軸方向変位に追随する。外側リング36-3は、ハウジング内において軸方向に固定されており、ボール36-1は、外側リング36-3のボア36-7の円筒面をスライドすることによって、軸方向に再位置決めされる。したがって、ボール36-1は、テストベンチ1の2つの形態において、軸受36の内側リング36-2および外側リング36-3の回転支持を提供している。
【0086】
軸受35も、自身の内側リングおよび自身の円筒外側軸受トラックの外側リングに対して軸方向に調節された自身のボールを備え、これは前述の軸受36と類似している。
【0087】
したがって、軸受35、36の性能は最適化され、追加の摩擦トルクを生じることなく、シャフト20の回転支持を提供している。トルクセンサ41は、軸受36-2、36-3の起こり得る不整合によって妨害されることなく、トルクを測定する。
【0088】
テストベンチ1は、
図6に示された第1装着構成における摩擦トルクの測定、および
図7に示された第2装着構成における耐久テストの両方に寄与し得るものであり、これらは任意のタイプのバンプストップに対する揺動動作、傾斜軸方向および径方向荷重、または温度に関連さえする適用状態において実施される。
【0089】
特に、バンプストップ2の摩擦トルクの第1測定、次いで耐久テスト、および耐久テスト後の摩擦トルクの最終測定を含んだ一連のテストを提供することは、有利になり得る。中間摩擦トルク測定も、想定され得る。これらすべては、2つの可能な構成を有する本発明によるテストベンチによって可能になり、一方の構成から他方の構成への移行は、単純化された方法で実施することが可能である。
【0090】
測定するためのユニットである本発明は、バンプストップデバイスのためのテストベンチの例に限定されることなく記載されている。言うまでもなく、本発明による測定するためのユニットは、そのような適用状態において稼働する、荷重を受けた任意の回転装置の任意の摩擦トルク測定手段に実施され得る。
【0091】
玉軸受である本発明は、バンプストップデバイスのためのテストベンチへの適用の非限定的な例において記載されている。本発明による玉軸受は、回転システムを備えた任意の用途において使用され得る。
【符号の説明】
【0092】
1 ・・・テストベンチ
2 ・・・回転装置
3 ・・・第1下部プレート
4 ・・・第2プレート
5 ・・・管状ガイド
6 ・・・変速機機構
7 ・・・第3上部プレート
9 ・・・テストチャンバ
10 ・・・駆動手段
11 ・・・第1下部支持部
12 ・・・測定するためのユニット
13 ・・・第2上部支持部
14 ・・・ベアリング
15 ・・・下側バネ保持器
16 ・・・上側バネ保持器
17 ・・・支持ロッド
18 ・・・第1適合手段
19 ・・・固定ネジ
20 ・・・シャフト
21 ・・・第2適合要素
22 ・・・枢軸連結器
23 ・・・ガイド
23-1、23-2 ・・・側方レール
24 ・・・連結要素
25 ・・・枢動接続部
26 ・・・支持プレート
27 ・・・モータ
28 ・・・駆動プレート
29 ・・・接続ロッド
30、31 ・・・旋回接続部
32 ・・・クランク
33 ・・・管状ハウジング
34 ・・・固定ネジ
35、36 ・・・軸受
37、38 ・・・支持リング
39 ・・・測定プレート
40 ・・・オルダム継手
41 ・・・トルクセンサ
42 ・・・停止部
43 ・・・カバー
44、45 ・・・固定ネジ