IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三星電子株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-マルチチップパッケージ 図1
  • 特許-マルチチップパッケージ 図2
  • 特許-マルチチップパッケージ 図3
  • 特許-マルチチップパッケージ 図4
  • 特許-マルチチップパッケージ 図5
  • 特許-マルチチップパッケージ 図6
  • 特許-マルチチップパッケージ 図7
  • 特許-マルチチップパッケージ 図8
  • 特許-マルチチップパッケージ 図9
  • 特許-マルチチップパッケージ 図10
  • 特許-マルチチップパッケージ 図11
  • 特許-マルチチップパッケージ 図12
  • 特許-マルチチップパッケージ 図13
  • 特許-マルチチップパッケージ 図14
  • 特許-マルチチップパッケージ 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】マルチチップパッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20240712BHJP
   H01L 25/065 20230101ALI20240712BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20240712BHJP
   G01R 31/50 20200101ALI20240712BHJP
   G01R 31/28 20060101ALI20240712BHJP
   G11C 5/04 20060101ALI20240712BHJP
   G11C 29/02 20060101ALI20240712BHJP
   H03K 19/0175 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
H01L25/08 E
G01R31/50
G01R31/28 U
G11C5/04 200
G11C29/02 110
H03K19/0175 220
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019215254
(22)【出願日】2019-11-28
(65)【公開番号】P2020113751
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2022-11-01
(31)【優先権主張番号】10-2019-0003644
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】羅 大▲勳▼
(72)【発明者】
【氏名】李 將雨
(72)【発明者】
【氏名】卞 辰▲ど▼
(72)【発明者】
【氏名】任 政燉
【審査官】金田 孝之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0158799(US,A1)
【文献】特開平06-003400(JP,A)
【文献】米国特許第05498886(US,A)
【文献】Hyun-Jin Kim et al.,A 1.2V 1.33Gb/s/pin 8Tb NAND flash memory multi-chip package employing F-chip for low power and high performance storage applications,2017 Symposium on VLSI Circuits,IEEE,2017年,C194-C195,<URL: https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=8008479>,<DOI: 10.23919/VLSIC.2017.8008479>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/00 -25/18
G01R 31/50
G01R 31/28
G11C 5/04
G11C 29/02
H03K 19/0175
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板上に実装された第1メモリチップおよび第2メモリチップと、
第1ボンディングワイヤおよび第2ボンディングワイヤを介して前記第1メモリチップおよび第2メモリチップに電気的に接続されるメモリコントローラと、
前記第1メモリチップの第1出力ドライバと、前記第2メモリチップの第2出力ドライバの駆動強度(drive strength)をそれぞれ制御する強度制御モジュールとを含み、
前記メモリコントローラは、前記強度制御モジュールによって駆動強度が設定された前記第1出力ドライバおよび前記第2出力ドライバから第1テストデータおよび第2テストデータをそれぞれ受信し、これより前記第1ボンディングワイヤおよび前記第2ボンディングワイヤの短絡(short)の有無を検出するための検出データを出力するインターフェース回路を含
前記インターフェース回路は、経路選択ロジックおよびテストロジックを含み、
前記経路選択ロジックは、テストモード(test mode)で動作する場合、第1レベルの第1選択信号および前記第1レベルの第2選択信号を前記テストロジックに提供し、
前記テストロジックは、
前記第1テストデータおよび前記第1レベルの前記第1選択信号の入力を受け、第1論理演算を行い、前記第1レベルと異なる第2レベルの第1中間データを出力する第1論理ゲートと、
前記第2テストデータおよび前記第1レベルの前記第2選択信号の入力を受け、第2論理演算を行い、前記第1ボンディングワイヤおよび前記第2ボンディングワイヤが短絡したことに応答して前記第1レベルから前記第2レベルに変化される第2中間データを出力する第2論理ゲートと、
前記第1中間データおよび前記第2中間データの入力を受け、第3論理演算を行い、前記第1ボンディングワイヤおよび前記第2ボンディングワイヤが短絡したことに応答して前記第2レベルから前記第1レベルに変化される前記検出データを出力する第3論理ゲートとを含む、マルチチップパッケージ。
【請求項2】
前記強度制御モジュールは、前記第1出力ドライバの駆動強度と前記第2出力ドライバの駆動強度のミスマッチ(mismatch)のために前記第1出力ドライバの駆動強度と前記第2出力ドライバの駆動強度を異なるように設定する、請求項1に記載のマルチチップパッケージ。
【請求項3】
前記強度制御モジュールは、前記第1テストデータまたは前記第2テストデータのデータフリップ(data flip)が発生するように前記第1出力ドライバの駆動強度と前記第2出力ドライバの駆動強度を異なるように設定する、請求項2に記載のマルチチップパッケージ。
【請求項4】
前記強度制御モジュールは、前記第1出力ドライバの駆動トランジスタの駆動強度より前記第2出力ドライバの駆動トランジスタの駆動強度をさらに大きく設定する、請求項3に記載のマルチチップパッケージ。
【請求項5】
前記強度制御モジュールは、前記第1出力ドライバの駆動トランジスタの駆動強度より前記第2出力ドライバの駆動トランジスタの駆動強度をさらに小さく設定する、請求項3に記載のマルチチップパッケージ。
【請求項6】
前記経路選択ロジックは、ノーマルモード(normal mode)で動作する場合、前記第1出力ドライバと前記第2出力ドライバのうちいずれか一つの出力のみを出力するように前記テストロジックを制御する、請求項に記載のマルチチップパッケージ。
【請求項7】
前記経路選択ロジックは、前記テストロジックを制御するための前記第1選択信号および前記第2選択信号を前記テストロジックに提供する、請求項に記載のマルチチップパッケージ。
【請求項8】
前記第1論理ゲートはNORゲートを含み、
前記第2論理ゲートはNORゲートを含み、
前記第3論理ゲートはNANDゲートを含む、請求項1に記載のマルチチップパッケージ。
【請求項9】
前記検出データは、前記第1ボンディングワイヤおよび前記第2ボンディングワイヤの短絡が発生しない場合に前記第2レベルを維持する、請求項8に記載のマルチチップパッケージ。
【請求項10】
プリント回路基板上に実装され、ODT(On Die Termination)をサポートするメモリチップと、
ボンディングワイヤを介して前記メモリチップに電気的に接続され、前記メモリチップを駆動するインターフェース回路を含むメモリコントローラと、
前記メモリチップの出力ドライバおよび前記インターフェース回路の駆動強度(drive strength)をそれぞれ制御する強度制御モジュールとを含み、
前記インターフェース回路は、前記強度制御モジュールによって駆動強度が設定された前記メモリチップの出力ドライバおよび前記インターフェース回路を用いて、前記メモリチップと前記インターフェース回路との間のチャネルの開放(open)の有無を検出するための検出データを出力する、マルチチップパッケージ。
【請求項11】
前記強度制御モジュールは、前記インターフェース回路で出力されるデータのデータフリップ(data flip)が発生するように前記メモリチップの出力ドライバの駆動強度と前記インターフェース回路の駆動強度を設定する、請求項10に記載のマルチチップパッケージ。
【請求項12】
前記インターフェース回路は、電源電圧を提供する第1駆動トランジスタと、接地電圧を提供する第2駆動トランジスタとを含み、
前記強度制御モジュールは、前記第1駆動トランジスタの駆動強度より前記第2駆動トランジスタの駆動強度をさらに小さく設定する、請求項11に記載のマルチチップパッケージ。
【請求項13】
前記強度制御モジュールは、前記第1駆動トランジスタの駆動強度より前記メモリチップの第3駆動トランジスタの駆動強度をさらに大きく設定する、請求項12に記載のマルチチップパッケージ。
【請求項14】
前記検出データは、前記メモリチップと前記インターフェース回路との間のチャネルの開放が発生しなかった場合、第1論理値を含み、前記メモリチップと前記インターフェース回路との間のチャネルの開放が発生した場合、前記第1論理値と異なる第2論理値を含む、請求項10に記載のマルチチップパッケージ。
【請求項15】
プリント回路基板上に実装されたメモリチップと、
ボンディングワイヤを介して前記メモリチップに電気的に接続され、前記メモリチップを駆動するインターフェース回路を含むメモリコントローラとを含み、
前記インターフェース回路は、前記メモリチップに電源電圧を提供する第1駆動トランジスタと、前記メモリチップに接地電圧を提供する第2駆動トランジスタとを含み、前記第1駆動トランジスタまたは前記第2駆動トランジスタを流れる電流量の変化をモニタリングすることによって、前記メモリチップと前記メモリコントローラとの間のチャネルの開放(open)の有無を検出する、マルチチップパッケージ。
【請求項16】
前記メモリチップは、
前記ボンディングワイヤに電気的に接続されるボンディングパッドと、
前記ボンディングパッドに電気的に接続されて前記ボンディングパッドをプルアップ(pull up)するプルアップ回路とを含む、請求項15に記載のマルチチップパッケージ。
【請求項17】
前記メモリチップと前記メモリコントローラとの間のチャネルの開放が発生しなかった場合、前記第2駆動トランジスタを流れる電流量は増加し、前記メモリチップと前記メモリコントローラとの間のチャネルの開放が発生した場合、前記第2駆動トランジスタを流れる電流量は増加しない、請求項16に記載のマルチチップパッケージ。
【請求項18】
前記メモリチップは、
前記ボンディングワイヤに電気的に接続されるボンディングパッドと、
前記ボンディングパッドに電気的に接続されて前記ボンディングパッドをプルダウン(pull down)するプルダウン回路とを含む、請求項15に記載のマルチチップパッケージ。
【請求項19】
前記メモリチップと前記メモリコントローラとの間のチャネルの開放が発生しなかった場合、前記第1駆動トランジスタを流れる電流量は増加し、前記メモリチップと前記メモリコントローラとの間のチャネルの開放が発生した場合、前記第1駆動トランジスタを流れる電流量は増加しない、請求項18に記載のマルチチップパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマルチチップパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
マルチチップパッケージは、その内部に複数の半導体チップを実装する。マルチチップパッケージに実装された複数の半導体チップは、マルチチップパッケージ内部のボンディングワイヤを介して電気的に接続される。ここでマルチチップパッケージが組み込み用マルチメディアカード(embedded Multi Media Card:eMMC)システム、UFS(Universal Flash Storage)システムのようなメモリシステムに該当する場合、複数の半導体チップはデータを保存する複数の(不揮発性)メモリチップと、複数のメモリチップを制御してアクセスするメモリコントローラを含み得る。
【0003】
メモリコントローラと複数のメモリチップとの間のボンディングワイヤは、マルチチップパッケージの外部端子に直接接続されていない。したがって、2個のボンディングワイヤの短絡(short)のような不良や、メモリコントローラとメモリチップとの間に形成されるチャネルの開放(open)が発生する不良の場合、外部端子に印加される信号のみでその不良を検出することは難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、マルチチップパッケージの内部で発生し得る短絡および開放のような欠陥検出を正確に行うためのマルチチップパッケージを提供することにある。
【0005】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていないまた他の技術的課題は、以下の記載から該当技術分野における通常の技術者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を達成するための本発明の一実施形態によるマルチチップパッケージは、プリント回路基板上に実装された第1メモリチップおよび第2メモリチップと、第1ボンディングワイヤおよびボンディングワイヤを介して第1メモリチップおよび第2メモリチップに電気的に接続されるメモリコントローラと、第1メモリチップの第1出力ドライバと、第2メモリチップの第2出力ドライバの駆動強度(drive strength)をそれぞれ制御する強度制御モジュールとを含み、メモリコントローラは、強度制御モジュールによって駆動強度が設定された第1出力ドライバおよび第2出力ドライバから第1テストデータおよび第2テストデータをそれぞれ受信し、これより第1ボンディングワイヤおよびボンディングワイヤの短絡の有無を検出するための検出データを出力するインターフェース回路を含む。
【0007】
前記技術的課題を達成するための本発明の他の実施形態によるマルチチップパッケージは、プリント回路基板上に実装され、ODT(On Die Termination)をサポートするメモリチップと、ボンディングワイヤを介してメモリチップに電気的に接続され、メモリチップを駆動するインターフェース回路を含むメモリコントローラと、メモリチップの出力ドライバと、インターフェース回路の駆動強度をそれぞれ制御する強度制御モジュールとを含み、インターフェース回路は、強度制御モジュールによって駆動強度が設定されたメモリチップの出力ドライバおよびインターフェース回路を用いて、メモリチップとインターフェース回路との間のチャネルの開放の有無を検出するための検出データを出力する。
【0008】
前記技術的課題を達成するための本発明のまた他の実施形態によるマルチチップパッケージは、プリント回路基板上に実装されたメモリチップと、ボンディングワイヤを介してメモリチップに電気的に接続され、メモリチップを駆動するインターフェース回路を含むメモリコントローラとを含み、インターフェース回路は、メモリチップに電源電圧を提供する第1駆動トランジスタと、メモリチップに接地電圧を提供する第2駆動トランジスタとを含み、第1駆動トランジスタおよび第2駆動トランジスタを用いて、メモリチップとメモリコントローラとの間のチャネルの開放の有無を検出する。
【0009】
その他実施形態の具体的な内容は、詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態によるマルチチップパッケージを説明するための断面図である。
図2図1のマルチチップパッケージのノーマルモード(normal mode)での動作を説明するためのブロック図である。
図3図2のマルチチップパッケージのインターフェース回路135の一実施形態を説明するための図である。
図4図1のマルチチップパッケージのテストモード(test mode)での一動作例を説明するためのブロック図である。
図5図4のマルチチップパッケージのインターフェース回路135の一動作例を説明するための図である。
図6図1のマルチチップパッケージのテストモードでの一動作例を説明するためのブロック図である。
図7図6のマルチチップパッケージのインターフェース回路135の一動作例を説明するための図である。
図8図1のマルチチップパッケージの動作を説明するための表を示す図である。
図9】本発明の一実施形態によるマルチチップパッケージを説明するための断面図である。
図10図9のマルチチップパッケージを説明するためのブロック図である。
図11図9のマルチチップパッケージのテストモードでの一動作例を説明するためのブロック図である。
図12】本発明の一実施形態によるマルチチップパッケージを説明するためのブロック図である。
図13図12のマルチチップパッケージのテストモードでの一動作例を説明するためのブロック図である。
図14】本発明の一実施形態によるマルチチップパッケージを説明するためのブロック図である。
図15図14のマルチチップパッケージのテストモードでの一動作例を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態を説明するが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、以下で記述する実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【0012】
図1は本発明の一実施形態によるマルチチップパッケージを説明するための断面図である。図1を参照すると、マルチチップパッケージ1は、パッケージ100および外部端子110を含む。そして、パッケージ100は、プリント回路基板120上に実装された半導体チップ130と複数の半導体チップ(141~148)とを含む。
【0013】
ここでマルチチップパッケージ1は、高容量および高速のメモリ装置を提供するメモリシステムであり得る。例えば、マルチチップパッケージ1は、NANDフラッシュ基盤の不揮発性メモリ装置、すなわち複数の半導体チップ(141~148)を含み、不揮発性メモリ装置を制御するメモリコントローラ、すなわち半導体チップ130を含む組み込み用マルチメディアカード(embedded Multi Media Card:eMMC)システムまたはUFS(Universal Flash Storage)システムであり得る。
【0014】
本明細書では説明の便宜上、マルチチップパッケージ1がこのようなメモリシステムで具現されることを仮定し、半導体チップ130をメモリコントローラ130、複数の半導体チップ(141~148)を複数のメモリチップ(141~148)と説明するが、本発明の範囲はこれに制限されるものではなく、半導体チップ130と複数の半導体チップ(141~148)は、任意の半導体回路を含むチップで具現されることができる。
【0015】
一方、本発明のいくつかの実施形態で、マルチチップパッケージ1は、PoP(Package On Package)、BGA(Ball Grid Arrays)、CSP(Chip Scale Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、PDIP(Plastic Dual In-line Package)、Die in Waffle Pack、Die in Wafer Form、COB(Chip On Board)、CERDIP(CERamic Dual In-line Package)、MQFP(Metric Quad Flat Package)、TQFP(Thin Quad FlatPack)、Small Outline(SOIC)、SSOP(Shrink Small Outline Package)、TSOP(Thin Small Outline)、SIP(System In Package)、MCP(Multi Chip Package)、WFP(Wafer-level Fabricated Package)、WSP(Wafer-level processed Stack Package)等のようなパッケージで具現されるが、本発明の範囲はこれに制限されるものではない。
【0016】
先立って説明したようにパッケージ100は、メモリコントローラ130および複数のメモリチップ(141~148)を含み得る。
【0017】
本実施形態で、外部端子110は、複数のパッケージボール(package ball)で具現されるが、本発明の範囲はこれに制限されるものではない。
【0018】
本実施形態で、プリント回路基板120は、その内部に絶縁層によって分離される複数の導電層と貫通電極(Through-Silicon Via:TSV)とを含み得る。プリント回路基板120の導電層と貫通電極は、マルチチップパッケージ1の外部端子110と電気的に接続され得る。
【0019】
メモリコントローラ130は、ボンディングワイヤA1を介してマルチチップパッケージ1の外部端子110と電気的に接続され得る。ボンディングワイヤA1は、外部端子110と接続されるプリント回路基板120の貫通電極のパッドとメモリコントローラ130のパッドとの間に接続される。本発明のいくつかの実施形態で、ボンディングワイヤA1は、外部端子110と接続されるプリント回路基板120の導電層が接続されたパッドとメモリコントローラ130のパッドとの間に接続され得る。
【0020】
複数のメモリチップ(141~148)は、それぞれ不揮発性メモリ装置を含み得る。不揮発性メモリ装置は、NANDフラッシュメモリ、NORフラッシュメモリ、相変化メモリ(PRAM)、抵抗メモリ(ReRAM)、磁気抵抗メモリ(MRAM)等のような不揮発性メモリ素子を含み得る。説明の便宜上、本明細書で不揮発性メモリ装置は、NANDフラッシュメモリに基づいて説明する。
【0021】
不揮発性メモリ装置は、ワード線に該当する複数の行と、ビット線に該当する複数の列からなる複数のメモリセルを含むメモリセルアレイを含む。それぞれのメモリセルは、1ビットデータまたはMビットデータ(ここで、Mは2以上の整数)を保存し得る。それぞれのメモリセルは、フローティングゲートまたは電荷トラップ層のような電荷保存層を有するメモリセル、または可変抵抗素子を有するメモリセルなどで具現されることができる。
【0022】
メモリセルアレイは、単層アレイ構造(single-layer array structure)または2次元アレイ構造で具現されるか、多層アレイ構造(multi-layer array structure)または3次元アレイ構造で具現されることができる。本発明のいくつかの実施形態において、3次元アレイ構造では少なくとも一つのメモリセルが異なるメモリセルの上に位置するように垂直方向に配置されたNANDストリングを含み得る。
【0023】
複数のメモリチップ(141~148)の不揮発性メモリ装置は、メモリコントローラ130により制御される一つのチャネルを構成し得る。本発明のいくつかの実施形態で、互いに独立して動作する不揮発性メモリ装置同士が一つのチャネルを構成し得る。例えば、複数のメモリチップ(141~144)は、第1チャネルを構成し、複数のメモリチップ(145~148)は、第2チャネルを構成し得る。
【0024】
複数のメモリチップ(141~144)は、ボンディングワイヤ(B1~B4)を介してメモリコントローラ130と電気的に接続され得る。ボンディングワイヤ(B1~B4)は、メモリコントローラ130から提供されるコマンド、アドレスおよびデータを複数のメモリチップ(141~144)に伝送し得る。ボンディングワイヤ(B1~B4)は、チャネルの信号線を構成し得る。
【0025】
例えば、ボンディングワイヤB1は、メモリコントローラ130とメモリチップ141との間に接続され、ボンディングワイヤB2は、メモリチップ141とメモリチップ142との間に接続され、ボンディングワイヤB3は、メモリチップ142とメモリチップ143との間に接続され、ボンディングワイヤB4は、メモリチップ143とメモリチップ144との間に接続され得る。
【0026】
複数のメモリチップ(145~148)は、ボンディングワイヤ(C1~C4)を介してメモリコントローラ130と電気的に接続され得る。ボンディングワイヤ(C1~C4)は、メモリコントローラ130から提供されるコマンド、アドレスおよびデータを複数のメモリチップ(145~148)に伝送し得る。ボンディングワイヤ(C1~C4)は、チャネルの信号線を構成し得る。
【0027】
例えば、ボンディングワイヤC1は、メモリコントローラ130とメモリチップ145との間に接続され、ボンディングワイヤC2は、メモリチップ145とメモリチップ146との間に接続され、ボンディングワイヤC3は、メモリチップ146とメモリチップ147との間に接続され、ボンディングワイヤC4は、メモリチップ147とメモリチップ148との間に接続され得る。
【0028】
メモリコントローラ130と複数のメモリチップ(141~148)との間のボンディングワイヤ(B1~B4およびC1~C4)は、マルチチップパッケージ1の外部端子110に直接接続されていない。しかし、マルチチップパッケージ1の製造過程で不良が発生し得る。
【0029】
不良の一例として、2以上のボンディングワイヤ(B4,C1)が短絡し得る。マルチチップパッケージ1に用いられるボンディングワイヤは、微細な太さを有し、金のような金属からなるが、別途絶縁被覆はされていない。したがって、マルチチップパッケージ1にプリント回路基板120、メモリコントローラ130、複数のメモリチップ(141~148)等がすべて実装され、ボンディングワイヤ(B1~B4およびC1~C4)が接続された後、パッケージ100をフィリング(filling)する物質が埋められる過程でボンディングワイヤ(B1~B4およびC1~C4)の間に短絡が発生し得る。
【0030】
不良の他の例として、製造工程上メモリコントローラ130または複数のメモリチップ(141~148)に接続されていたボンディングワイヤ(B1~B4およびC1~C4)の一部が、メモリコントローラ130または複数のメモリチップ(141~148)から分離されて、メモリコントローラ130とメモリチップ(141~148)との間に形成されるチャネルの開放(open)が発生し得る。
【0031】
しかし、ボンディングワイヤ(B1~B4およびC1~C4)は、マルチチップパッケージ1の外部端子110に直接接続されていないので、外部端子110に印加される信号のみではマルチチップパッケージ1に発生した不良を検出することが難しい。以下ではマルチチップパッケージ1の内部で発生し得る短絡および開放のような欠陥検出を正確に行うための本発明の多様な実施形態について説明する。
【0032】
図2図1のマルチチップパッケージのノーマルモード(normal mode)での動作を説明するためのブロック図である。そして、図3図2のマルチチップパッケージのインターフェース回路135の一実施形態を説明するための図である。
【0033】
先に図2を参照すると、図1のマルチチップパッケージ1は、ノーマルモードで動作する。ノーマルモードは、後述するテストモード(test mode)と区別されるマルチチップパッケージ1の動作モードとして、本発明のマルチチップパッケージ1のメモリコントローラ130は、ノーマルモードでメモリチップ(144,145)に保存されたデータをリードしたり、メモリチップ(144,145)にデータを記録することができる。
【0034】
先にメモリチップ145は、ボンディングパッド1452にデータを出力する出力ドライバを含む。メモリチップ145の出力ドライバは、互いに直列接続されて信号S1によりゲーティングする駆動トランジスタ(TR1,TR2)を含み得る。ここで駆動トランジスタTR1は、ボンディングパッド1452に電源電圧VDDを提供し、駆動トランジスタTR2はボンディングパッド1452に接地電圧を提供し得る。
【0035】
ボンディングパッド1452は、ボンディングワイヤC1を介してメモリコントローラ130のボンディングパッド133に電気的に接続される。これにより、メモリコントローラ130は、メモリチップ145からリードしたデータD1をボンディングパッド133を介して受信し得る。
【0036】
一方メモリチップ144は、ボンディングパッド1442にデータを出力する出力ドライバを含む。メモリチップ144の出力ドライバは、互いに直列接続され、信号S2によりゲーティングされる駆動トランジスタ(TR3,TR4)を含み得る。ここで駆動トランジスタTR3は、ボンディングパッド1442に電源電圧VDDを提供し、駆動トランジスタTR4は、ボンディングパッド1442に接地電圧を提供し得る。
【0037】
ボンディングパッド1442は、ボンディングワイヤ(B4~B1)を介してメモリコントローラ130のボンディングパッド132に電気的に接続される。これにより、メモリコントローラ130は、メモリチップ144からリードしたデータD2をボンディングパッド132を介して受信し得る。
【0038】
本実施形態で、メモリコントローラ130は、前述したボンディングパッド(132,133)と、図1の外部端子110にボンディングワイヤA1を介して電気的に接続されるボンディングパッド139とを含む。また、メモリコントローラ130は、ボンディングパッド(132,133)とボンディングパッド139との間に配置されたインターフェース回路135を含む。
【0039】
インターフェース回路135は、ボンディングパッド133を介してメモリチップ145からリードしたデータD1と、ボンディングパッド132を介してメモリチップ144からリードしたデータD2の入力を受ける。そして、インターフェース回路135は、ノーマルモードでデータ(D1,D2)のうちいずれか一つをボンディングパッド139を介して外部端子110に出力し得る。
【0040】
具体的には、本実施形態でインターフェース回路135は、経路選択ロジック137およびテストロジック138を含む。
【0041】
経路選択ロジック137は、ノーマルモードまたはテストモードで動作し得る。例えば、経路選択ロジック137は、図2に「MODE=NORMAL」で、そして図4に「MODE=TEST」で示すように動作モードを設定するための設定値を外部から提供を受けることができる。ノーマルモードで経路選択ロジック137は、メモリチップ145の出力ドライバと、メモリチップ144の出力ドライバのうちいずれか一つの出力のみを出力するようにテストロジック138を制御し得る。
【0042】
すなわち、経路選択ロジック137は、メモリチップ145の出力ドライバから提供された第1論理値Hを有するデータD1と、メモリチップ144の出力ドライバから提供された第2論理値Lを有するデータD2のうち、データD1のみをデータD3として出力するようにテストロジック138を制御し得る。このために経路選択ロジック137は、テストロジック138に選択信号SELを提供し得る。
【0043】
次いで図3を参照すると、経路選択ロジック137は、テストロジック138を制御するための第1選択信号SEL1および第2選択信号SEL2をテストロジック138に提供し得る。
【0044】
テストロジック138は、ノーマルモードでは経路選択ロジック137により選ばれたデータをバイパス(bypass)する。それにもかかわらず、後述するテストモードで機能を発揮する複数の論理ゲート(G1,G2,G3)を含むように具現することができる。
【0045】
具体的に、テストロジック138は、データD1および第1選択信号SEL1の入力を受け、第1論理演算を行い中間データD4を出力する第1論理ゲートG1、データD2および第2選択信号SEL2の入力を受け、第2論理演算を行い中間データD5を出力する第2論理ゲートG2並びに中間データD4および中間データD5の入力を受け、第3論理演算を行いデータD3を出力する第3論理ゲートG3を含み得る。
【0046】
テストロジック138は第1選択信号SEL1の論理値が第1論理値Hであり、第2選択信号SEL2の論理値が第2論理値Lの場合、ノーマルモードで動作してデータD1をデータD3として出力する。図3はこのような場合を示している。
【0047】
これとは異なりテストロジック138は、第1選択信号SEL1の論理値が第2論理値Lであり、第2選択信号SEL2の論理値が第1論理値Hの場合、ノーマルモードで動作してデータD2をデータD3として出力する。
【0048】
これとは異なりテストロジック138は、第1選択信号SEL1および第2選択信号SEL2の論理値が、いずれも第2論理値Lの場合、テストモードで動作する。
【0049】
特にテストロジック138がテストモードで動作する場合、データD1およびデータD2はテストデータであり、データD3は検出データであり、これに関しては図4図8を参照して後述する。
【0050】
また、本実施形態で、第1論理演算および第2論理演算はNOR論理演算を含み、第3論理演算はNAND論理演算を含み得る。しかし、テストロジック138の具体的な具現は、本実施形態に制限されるものではなく、必要に応じていくらでも変形することができる。
【0051】
本実施形態では経路選択ロジック137がノーマルモードで動作するので、テストロジック138は、経路選択ロジック137により選ばれたデータをバイパスして結局メモリコントローラ130はメモリチップ144またはメモリチップ145からリードした値を外部端子110に出力することができる。
【0052】
図4図1のマルチチップパッケージのテストモードでの一動作例を説明するためのブロック図である。そして、図5図4のマルチチップパッケージのインターフェース回路135の一動作例を説明するための図である。
【0053】
先に図4を参照すると、本実施形態で、ボンディングワイヤC1とボンディングワイヤ(B4~B1)との間に短絡が発生した。これにより、ボンディングパッド1452とボンディングパッド1442との間には電気的経路が形成される。
【0054】
マルチチップパッケージ1は、欠陥を検出するためのテストモードで動作してこのような欠陥を検出し得る。このために、マルチチップパッケージ1は、強度制御モジュール150をさらに含み得る。強度制御モジュール150は、メモリコントローラ130の内部に具現されることができ、メモリコントローラ130外部の任意の位置に具現されることもできる。また、強度制御モジュール150は、複数のメモリチップ(141~148)のうち少なくとも一つに実装することもできる。
【0055】
強度制御モジュール150は、メモリチップ145の出力ドライバと、メモリチップ144の出力ドライバの駆動強度(drive strength)をそれぞれ制御する。ここで駆動強度は、駆動トランジスタが駆動できるロード(load)の量に関連し、駆動強度が高いと駆動可能なロードの量が大きく、駆動強度が低いと駆動可能なロードの量が小さくなる関係を有する。
【0056】
すなわち、強度制御モジュール150は、メモリチップ145の出力ドライバの駆動強度とメモリチップ144の出力ドライバの駆動強度がミスマッチ(mismatch)するように、メモリチップ145の出力ドライバの駆動強度とメモリチップ144の出力ドライバの駆動強度を異なるように設定する。
【0057】
例えば、強度制御モジュール150は、メモリチップ145の出力ドライバの駆動トランジスタTR1の駆動強度を1に設定し、メモリチップ144の出力ドライバの駆動トランジスタTR4の駆動強度を10に設定し得る。そして、マルチチップパッケージ1は、信号(S1,S2)を適切に設定し、メモリチップ145の駆動トランジスタTR1とメモリチップ144の駆動トランジスタTR4をターンオンさせる。
【0058】
ボンディングワイヤC1とボンディングワイヤ(B4~B1)との間に短絡が発生しなかった場合は、メモリチップ145の駆動トランジスタTR1とメモリチップ144の駆動トランジスタTR4がターンオンするとボンディングパッド1452およびボンディングパッド133は第1論理値Hを有し、ボンディングパッド1442およびボンディングパッド132は第2論理値Lを有するようになる。
【0059】
ボンディングワイヤC1とボンディングワイヤ(B4~B1)との間に短絡が発生することにより、そして、駆動トランジスタTR1の駆動強度より駆動トランジスタTR4の駆動強度をさらに大きく設定するとことによる電圧分配(voltage dividing)によりボンディングパッド(1452,1442,133,132)は、いずれも第2論理値Lを有する。
【0060】
すなわち、ボンディングパッド1452およびボンディングパッド133を介してメモリコントローラ130に提供される第1テストデータD1の場合、強度制御モジュール150によりその値が第1論理値Hから第2論理値Lに変更されるデータフリップ(data flip)が発生する。これにより、ボンディングパッド139を介して出力されるデータの値もまた、第1論理値Hから第2論理値Lに変更される。
【0061】
強度制御モジュール150は、このように第1テストデータD1または第2テストデータD2のデータフリップが発生するようにメモリチップ144の出力ドライバの駆動強度とメモリチップ145の出力ドライバの駆動強度を異なるように設定する。
【0062】
これによりインターフェース回路135は、強度制御モジュール150により駆動強度が設定されたメモリチップ144の出力ドライバと、メモリチップ145の出力ドライバから第1テストデータD1および第2テストデータD2をそれぞれ受信し、これよりボンディングワイヤC1およびボンディングワイヤ(B4~B1)の短絡の有無を検出するための検出データD3を出力する。
【0063】
次いで図5を参照すると、経路選択ロジック137は、第1テストデータD1および第2テストデータD2から検出データD3を生成するようにテストロジック138を制御するための第1選択信号SEL1および第2選択信号SEL2をテストロジック138に提供し得る。ここで第1選択信号SEL1および第2選択信号SEL2は第2論理値Lを有し得る。
【0064】
テストロジック138の第1論理ゲートG1は、第1テストデータD1および第1選択信号SEL1の入力を受け、第1論理演算を行い中間データD4を出力し、第2論理ゲートG2は、第2テストデータD2および第2選択信号SEL2の入力を受け、第2論理演算を行い中間データD5を出力する。そして、第3論理ゲートG3は、中間データD4および中間データD5の入力を受け、第3論理演算を行い検出データD3を出力する。
【0065】
ここで検出データD3は、第1ボンディングワイヤC1およびボンディングワイヤ(B4~B1)の短絡が発生しなかった場合、第1論理値Hを含み、第1ボンディングワイヤC1およびボンディングワイヤ(B4~B1)の短絡が発生した場合、第1論理値Hではない第2論理値Lを含む。
【0066】
すなわち、本実施形態で、第1テストデータD1は、第1論理値Hから第2論理値Lにフリップされ、これにより、中間データD4の値も第2論理値Lから第1論理値Hにフリップされ、これにより、検出データD3も第1論理値Hから第2論理値Lにフリップされる。
【0067】
すなわち、強度制御モジュール150は、メモリチップ145の出力ドライバの駆動トランジスタTR1の駆動強度よりメモリチップ144の出力ドライバの駆動トランジスタTR4の駆動強度をさらに大きく設定することによってデータフリップを誘導し得る。
【0068】
このように決定された検出データD3は、外部端子110を介して出力されるので、検出データD3を分析してマルチチップパッケージ1の内部で発生し得る短絡のような欠陥検出を正確に行うことができる。
【0069】
図6図1のマルチチップパッケージのテストモードでの一動作例を説明するためのブロック図である。そして、図7図6のマルチチップパッケージのインターフェース回路135の一動作例を説明するための図である。
【0070】
先に図6を参照すると、前述した実施形態と同様に、本実施形態で、ボンディングワイヤC1とボンディングワイヤ(B4~B1)との間に短絡が発生した。これにより、ボンディングパッド1452とボンディングパッド1442との間には電気的経路が形成される。
【0071】
本実施形態で、強度制御モジュール150は、メモリチップ144の出力ドライバの駆動トランジスタTR3の駆動強度を1に設定し、メモリチップ145の出力ドライバの駆動トランジスタTR2の駆動強度を10に設定し得る。そして、マルチチップパッケージ1は、信号(S1,S2)を適切に設定し、メモリチップ145の駆動トランジスタTR2とメモリチップ144の駆動トランジスタTR3をターンオンさせる。
【0072】
ボンディングワイヤC1とボンディングワイヤ(B4~B1)との間に短絡が発生しなかった場合は、メモリチップ145の駆動トランジスタTR2とメモリチップ144の駆動トランジスタTR3がターンオンするとボンディングパッド1452およびボンディングパッド133は第2論理値Lを有し、ボンディングパッド1442およびボンディングパッド132は第1論理値Hを有するようになる。
【0073】
ボンディングワイヤC1とボンディングワイヤ(B4~B1)との間に短絡が発生することにより、そして、駆動トランジスタTR3の駆動強度より駆動トランジスタTR2の駆動強度をさらに大きく設定することによる電圧分配によりボンディングパッド(1452,1442,133,132)は、いずれも第2論理値Lを有するようになる。
【0074】
すなわち、ボンディングパッド1442およびボンディングパッド132を介してメモリコントローラ130に提供される第2テストデータD2の場合、強度制御モジュール150によりその値が第1論理値Hから第2論理値Lに変更されるデータフリップが発生する。これにより、ボンディングパッド139を介して出力されるデータの値も第1論理値Hから第2論理値Lに変更される。
【0075】
次いで図7を参照すると、ここで検出データD3は、第1ボンディングワイヤC1およびボンディングワイヤ(B4~B1)の短絡が発生しなかった場合、第1論理値Hを含み、第1ボンディングワイヤC1およびボンディングワイヤ(B4~B1)の短絡が発生した場合、第1論理値Hではない第2論理値Lを含む。
【0076】
すなわち本実施形態で、第2テストデータD2は、第1論理値Hから第2論理値Lにフリップされ、これにより、中間データD5の値も第2論理値Lから第1論理値Hにフリップされ、これにより、検出データD3も第1論理値Hから第2論理値Lにフリップされる。
【0077】
すなわち、強度制御モジュール150は、メモリチップ145の出力ドライバの駆動トランジスタTR2の駆動強度よりメモリチップ144の出力ドライバの駆動トランジスタTR3の駆動強度をさらに小さく設定することによってデータフリップを誘導し得る。
【0078】
このように決定された検出データD3は、外部端子110を介して出力されるので、検出データD3を分析してマルチチップパッケージ1の内部で発生し得る短絡のような欠陥検出を正確に行うことができる。
【0079】
図8図1のマルチチップパッケージの動作を説明するための表を示す図である。図8を参照すると、ケース「1」は図4および図5を参照して説明した実施形態に該当し、ケース「2」は図6および図7を参照して説明した実施形態に該当する。
【0080】
ケース「1」の場合、メモリチップ145とメモリコントローラ130との間のチャネル(#0)でメモリチップ145の駆動トランジスタTR1の駆動強度を弱く設定し、メモリチップ144とメモリコントローラ130との間のチャネル(#1)でメモリチップ144の駆動トランジスタTR4の駆動強度を強く設定した場合、短絡の欠陥が存在する場合、テストデータD1が第1論理値Hからフリップされるので検出データD3は第2論理値Lを有する。
【0081】
ケース「2」の場合、メモリチップ145とメモリコントローラ130との間のチャネル(#0)でメモリチップ145の駆動トランジスタTR2の駆動強度を強く設定し、メモリチップ144とメモリコントローラ130との間のチャネル(#1)でメモリチップ144の駆動トランジスタTR3の駆動強度を弱く設定した場合、短絡の欠陥が存在する場合、テストデータD2が第1論理値Hからフリップされるので検出データD3は第2論理値Lを有する。
【0082】
このように決定された検出データD3は、外部端子110を介して出力されるので、検出データD3を分析してマルチチップパッケージ1の内部で発生し得る短絡のような欠陥検出を正確に行うことができる。
【0083】
図9は本発明の一実施形態によるマルチチップパッケージを説明するための断面図である。
【0084】
図9を参照すると、マルチチップパッケージ1はパッケージ100および外部端子110を含む。そして、パッケージ100はプリント回路基板120上に実装されたメモリコントローラ130と複数のメモリチップ(141~148)を含む。
【0085】
複数のメモリチップ(141~148)の不揮発性メモリ装置は、メモリコントローラ130により制御される一つのチャネルを構成し得る。本発明のいくつかの実施形態で、互いに独立して動作する不揮発性メモリ装置同士が一つのチャネルを構成し得る。例えば、複数のメモリチップ(141~144)は、第1チャネルを構成し、複数のメモリチップ(145~148)は、第2チャネルを構成し得る。
【0086】
複数のメモリチップ(141~144)は、ボンディングワイヤ(B1~B4)を介してメモリコントローラ130と電気的に接続され得る。ボンディングワイヤ(B1~B4)は、メモリコントローラ130から提供されるコマンド、アドレスおよびデータを複数のメモリチップ(141~144)に伝送し得る。ボンディングワイヤ(B1~B4)はチャネルの信号線を構成し得る。
【0087】
例えば、ボンディングワイヤB1は、メモリコントローラ130とメモリチップ141との間に接続され、ボンディングワイヤB2は、メモリチップ141とメモリチップ142との間に接続され、ボンディングワイヤB3は、メモリチップ142とメモリチップ143との間に接続され、ボンディングワイヤB4は、メモリチップ143とメモリチップ144との間に接続され得る。
【0088】
複数のメモリチップ(145~148)は、ボンディングワイヤ(C1~C4)を介してメモリコントローラ130と電気的に接続され得る。ボンディングワイヤ(C1~C4)は、メモリコントローラ130から提供されるコマンド、アドレスおよびデータを複数のメモリチップ(145~148)に伝送し得る。ボンディングワイヤ(C1~C4)は、チャネルの信号線を構成し得る。
【0089】
例えば、ボンディングワイヤC1は、メモリコントローラ130とメモリチップ145との間に接続され、ボンディングワイヤC2は、メモリチップ145とメモリチップ146との間に接続され、ボンディングワイヤC3は、メモリチップ146とメモリチップ147との間に接続され、ボンディングワイヤC4は、メモリチップ147とメモリチップ148との間に接続され得る。
【0090】
本実施形態で、マルチチップパッケージ1のメモリチップ146は、ボンディングワイヤに接続されていない。すなわち、メモリコントローラ130とメモリチップ146との間に形成されるチャネルに開放が発生した場合である。
【0091】
図10図9のマルチチップパッケージを説明するためのブロック図である。そして、図11図9のマルチチップパッケージのテストモードでの一動作例を説明するためのブロック図である。
【0092】
図10および図11を共に参照すると、本実施形態でインターフェース回路135は、ODT(On Die Termination)をサポートする。ODTは伝送ラインのインピーダンス整合(impedence matching)のための終端抵抗(termination resistor)が半導体チップの内部に位置するようにする技術であり、該当技術は公知された技術であるため本明細書ではこれに関する詳しい説明は省略する。
【0093】
本実施形態で、マルチチップパッケージ1は、強度制御モジュール150をさらに含み得る。強度制御モジュール150は、メモリコントローラ130の内部に具現されることができ、メモリコントローラ130の外部の任意の位置に具現されることもできる。また、強度制御モジュール150は、複数のメモリチップ(141~148)のうち少なくとも一つに実装されることもできる。
【0094】
強度制御モジュール150は、メモリチップ146の出力ドライバと、インターフェース回路135の駆動強度をそれぞれ制御する。ここで駆動強度は、駆動トランジスタが駆動できるロード(load)の量に関連し、駆動強度が高いと駆動可能なロードの量が大きく、駆動強度が低いと駆動可能なロードの量が小さくなる関係を有する。
【0095】
具体的に、強度制御モジュール150は、メモリチップ146の出力ドライバで出力されるデータのデータフリップが発生するようにメモリチップ146の出力ドライバの駆動強度とインターフェース回路135の駆動強度を設定する。
【0096】
例えば、メモリチップ146の出力ドライバは、電源電圧VDDを提供する駆動トランジスタTR5と、接地電圧を提供する駆動トランジスタTR6を含む。そして、インターフェース回路135は、電源電圧VDDを提供する駆動トランジスタTR7と、接地電圧を提供する駆動トランジスタTR8を含む。
【0097】
この場合、強度制御モジュール150は、駆動トランジスタTR7の駆動強度より駆動トランジスタTR8の駆動強度をさらに小さく設定する。そして、駆動トランジスタTR7の駆動強度より駆動トランジスタTR6の駆動強度をさらに大きく設定する。
【0098】
本実施形態で、強度制御モジュール150は、駆動トランジスタTR7の駆動強度を3に設定して駆動トランジスタTR8の駆動強度を1に設定したため、駆動トランジスタTR7の駆動強度より駆動トランジスタTR8の駆動強度がさらに小さい。
【0099】
また、本実施形態で、強度制御モジュール150は、駆動トランジスタTR6の駆動強度を10に設定したため、駆動トランジスタTR7の駆動強度より駆動トランジスタTR6の駆動強度がさらに大きい。
【0100】
そして、強度制御モジュール150は、駆動トランジスタTR5の駆動強度を5に設定した。
【0101】
メモリチップ146とインターフェース回路135との間のチャネルの開放が発生しなかった場合は、メモリチップ146が出力している値がボンディングパッド134に伝達され、ボンディングパッド139を介して出力される。この場合、駆動トランジスタTR5の駆動強度が5であり、駆動トランジスタTR6の駆動強度が10であるため、電圧分配によりボンディングパッド134は第2論理値Lを有さなければならない。
【0102】
しかし、図11のようにメモリチップ146とインターフェース回路135との間のチャネルの開放が発生した場合には、駆動トランジスタTR7の駆動強度が3であり、駆動トランジスタTR8の駆動強度が1であるため、電圧分配によりボンディングパッド134は第2論理値Lから第1論理値Hにフリップされる。
【0103】
すなわち、インターフェース回路135は、強度制御モジュール150により駆動強度が設定されたメモリチップ146の出力ドライバおよびインターフェース回路135を用いて、メモリチップ146とインターフェース回路135との間のチャネルの開放の有無を検出するための検出データD6を出力し得る。
【0104】
ここで検出データD6は、メモリチップ146とインターフェース回路135との間のチャネルの開放が発生しなかった場合、第2論理値Lを含み、メモリチップ146とインターフェース回路135との間のチャネルの開放が発生した場合、第2論理値Lではない第1論理値Hを含み得る。
【0105】
このように決定された検出データD6を分析してマルチチップパッケージ1の内部で発生し得る開放のような欠陥検出を正確に行うことができる。
【0106】
図12は本発明の一実施形態によるマルチチップパッケージを説明するためのブロック図である。そして、図13図12のマルチチップパッケージのテストモードでの一動作例を説明するためのブロック図である。
【0107】
図12を参照すると、インターフェース回路135は、メモリチップ146に電源電圧VDDを提供する駆動トランジスタTR9と、メモリチップ146に接地電圧を提供する駆動トランジスタTR10を含む。本実施形態では駆動トランジスタTR9と駆動トランジスタTR10を用いてメモリチップ146と前記メモリコントローラ130との間のチャネルの開放の有無を検出し得る。
【0108】
本実施形態で、メモリチップ146は、ボンディングワイヤ(C1~C2)に電気的に接続されるボンディングパッド1462と、ボンディングパッド1462に電気的に接続されてボンディングパッド1462をプルアップするプルアップ回路1464をさらに含む。ここでプルアップ回路1464の構成は、特定回路に制限されず、ボンディングパッド1462の電圧レベルをプルアップする任意の回路で具現されることができる。また、プルアップ回路1464は、メモリチップ146の内部に具現されることもでき、メモリチップ146の外部に具現されることもできる。
【0109】
テストモードにおいて、メモリチップ146のプルアップ回路1464とインターフェース回路の駆動トランジスタTR10は、いずれもターンオンされ得る。
【0110】
図12のようにメモリチップ146とメモリコントローラ130との間のチャネルの開放が発生しなかった場合、駆動トランジスタTR10を流れる電流量は増加し、図13のようにメモリチップ146とメモリコントローラ130との間のチャネルの開放が発生した場合、駆動トランジスタTR10を流れる電流量は増加しなくなる。
【0111】
したがって、本実施形態では駆動トランジスタTR10を流れる電流量の変化をモニタリングすることによってメモリチップ146とメモリコントローラ130との間のチャネルの開放の有無を検出し得る。
【0112】
図14は本発明の一実施形態によるマルチチップパッケージを説明するためのブロック図である。そして、図15図14のマルチチップパッケージのテストモードでの一動作例を説明するためのブロック図である。
【0113】
図14を参照すると、インターフェース回路135は、メモリチップ146に電源電圧VDDを提供する駆動トランジスタTR9と、メモリチップ146に接地電圧を提供する駆動トランジスタTR10を含む。本実施形態でも同様に駆動トランジスタTR9と駆動トランジスタTR10を用いてメモリチップ146と前記メモリコントローラ130との間のチャネルの開放の有無を検出し得る。
【0114】
本実施形態で、メモリチップ146は、ボンディングワイヤ(C1~C2)に電気的に接続されるボンディングパッド1462と、ボンディングパッド1462に電気的に接続され、ボンディングパッド1462をプルダウンするプルダウン回路1466をさらに含む。ここでプルダウン回路1466の構成は、特定回路に制限されず、ボンディングパッド1462の電圧レベルをプルダウンする任意の回路で具現されることができる。また、プルダウン回路1466は、メモリチップ146の内部に具現されることもでき、メモリチップ146の外部に具現することもできる。
【0115】
テストモードにおいて、メモリチップ146のプルダウン回路1466とインターフェース回路の駆動トランジスタTR9は、いずれもターンオンされ得る。
【0116】
図14のようにメモリチップ146とメモリコントローラ130との間のチャネルの開放が発生しなかった場合、駆動トランジスタTR9を流れる電流量は増加し、図15のようにメモリチップ146とメモリコントローラ130との間のチャネルの開放が発生した場合、駆動トランジスタTR9を流れる電流量は増加しない。
【0117】
したがって、本実施形態では駆動トランジスタTR9を流れる電流量の変化をモニタリングすることによって、メモリチップ146とメモリコントローラ130との間のチャネルの開放の有無を検出し得る。
【0118】
以上説明した本発明の多様な実施形態によれば、マルチチップパッケージの内部で発生し得る短絡および開放のような欠陥検出を正確に行うことができる。
【0119】
以上添付する図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で製造され得、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0120】
1 マルチチップパッケージ
100 パッケージ
110 外部端子
120 プリント回路基板
130 メモリコントローラ
132,133,134,1442,1452,1462 ボンディングパッド
135 インターフェース回路
137 経路選択ロジック
138 テストロジック
139 出力パッド
141,142,143,144,145,146,147,148 メモリチップ
150 強度制御モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15