(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】減容化ロータを複数の異なる減容化構成に選択的に構成できるようにするためのシステムを有する材料減容化装置
(51)【国際特許分類】
B02C 13/06 20060101AFI20240712BHJP
B02C 13/286 20060101ALI20240712BHJP
B02C 21/02 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
B02C13/06
B02C13/286
B02C21/02
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019217703
(22)【出願日】2019-12-02
【審査請求日】2022-10-27
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519428993
【氏名又は名称】ヴァミィヤ マニュファクチャリング カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Vermeer Manufacturing Company
【住所又は居所原語表記】1210 Vermeer Road East,Pella,IA 50219,US
(74)【代理人】
【識別番号】100147511
【氏名又は名称】北来 亘
(72)【発明者】
【氏名】ヴァージリ,クラウディオ カラフィーロ
(72)【発明者】
【氏名】カーペンター,クラーク デイヴィッド
【審査官】宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-143708(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0006916(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0043403(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0230657(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102006047406(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 13/28
B02C 13/06
B02C 18/18
B02C 18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料減容化システムにおいて、
使用時に中心軸周りに回転させられるロータであって、複数の構成要素取り付け箇所を含んでいるロータと、
前記構成要素取り付け箇所に取り外し可能に取り付けできるようになっていて、前記構成要素取り付け箇所に取り付けられたときに前記ロータの外部にブランク箇所を画定するように構成されている、及び/又は前記構成要素取り付け箇所に取り付けられたときに前記ロータの前記外部にレデューサ箇所を画定するように構成されている複数の構成要素とを備えており、
前記構成要素は、
a)それぞれが減容化端及び反対側のブランク端を含んでいるシングルレデューサハンマーであって、複数のシングルレデューサハンマーのそれぞれが前記構成要素取り付け箇所の1つにて前記ロータへ取り付けられたとき、前記減容化端は前記ロータの前記外部の前記レデューサ箇所の1つを画定し、前記ブランク端は前記ロータの前記外部の前記ブランク箇所の1つを画定する、シングルレデューサハンマー、又は、
b)前記構成要素取り付け箇所に交換可能に取り付けできるようになっている別々の減容化構成要素及びブランク構成要素であって、複数の減容化構成要素はそれぞれ、前記構成要素取り付け箇所の1つに取り付けられたときに前記ロータの前記外部の前記レデューサ箇所の1つを画定し、複数のブランク構成要素はそれぞれ、前記構成要素取り付け箇所の1つに取り付けられたときに前記ロータの前記外部の前記ブランク箇所の1つを画定する、減容化構成要素及びブランク構成要素、を含んでいる、
材料減容化システム。
【請求項2】
請求項1に記載の材料減容化システムにおいて、前記構成要素取り付け箇所は複数のハンマー受け入れ部を含んでおり、前記複数のハンマー受け入れ部は第1のハンマー受け入れ部と第2のハンマー受け入れ部の対にされており、複数の構成要素取り付け箇所のそれぞれは前記第1のハンマー受け入れ部及び前記第2のハンマー受け入れ部の前記対の1つを含んでおり、前記構成要素は前記シングルレデューサハンマーを含んでおり、各構成要素取り付け箇所の前記第1のハンマー受け入れ部と前記第2のハンマー受け入れ部は前記シングルレデューサハンマーの1つを前記ロータへ取り付けるべく協働し、前記シングルレデューサハンマーが前記ロータへ取り付けられたとき、a)前記ブランク端は前記構成要素
取り付け箇所の第1のハンマー受け入れ部内に受け入れられ、b)前記減容化端は前記構成要素取り付け箇所の第2のハンマー受け入れ部内に受け入れられ、c)前記ブランク端は前記第1のハンマー受け入れ部に前記ブランク箇所を画定し、及びd)前記減容化端は前記ロータから外方に突き出て、前記第2のハンマー受け入れ部にレデューサ箇所を画定する、材料減容化システム。
【請求項3】
請求項2に記載の材料減容化システムにおいて、前記シングルレデューサハンマーが前記ロータへ取り付けられたとき、前記ブランク端は前記ロータの外部に対して面一であるか又は凹んでいる、材料減容化システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の材料減容化システムにおいて、前記シングルレデューサハンマーの前記減容化端は、取り外し可能なレデューサアタッチメントを前記レデューサ箇所に固定するための付着箇所を画定している、材料減容化システム。
【請求項5】
請求項4に記載の材料減容化システムにおいて、前記取り外し可能なレデューサアタッチメントはカッターである、材料減容化システム。
【請求項6】
請求項2又は請求項3に記載の材料減容化システムであって、前記構成要素取り付け箇所にて前記ロータに対して取り外し可能に取り付けできるようになっていて前記シングルレデューサハンマーと交換可能であるダブルレデューサハンマー、を更に備え、各構成要素取り付け箇所の前記第1のハンマー受け入れ部と前記第2のハンマー受け入れ部は複数のダブルレデューサハンマーのそれぞれを前記ロータに対して取り付けるべく協働し、前記ダブルレデューサハンマーは、当該ダブルレデューサハンマーが前記ロータに対して取り付けられたときに前記ロータの外部から突き出て前記第1のハンマー受け入れ部及び前記第2のハンマー受け入れ部にそれぞれレデューサ箇所を画定する2つの互いに反対側の第1のレデューサ端及び第2のレデューサ端を含んでいる、材料減容化システム。
【請求項7】
請求項2又は請求項3に記載の材料減容化システムであって、前記構成要素取り付け箇所にて前記ロータに対して取り外し可能に取り付けできるようになっているダブルブランク構成要素、を更に含み、複数のダブルブランク構成要素はそれぞれが互いに反対側の第1ブランク端と第2のブランク端を有し、各構成要素取り付け箇所の前記第1のハンマー受け入れ部と前記第2のハンマー受け入れ部は複数のダブルブランク構成要素のそれぞれを前記ロータへ取り付けるべく協働し、前記ダブルブランク構成要素の互いに反対側の前記第1ブランク端と前記第2のブランク端は、当該ダブルブランク構成要素が前記ロータに対して取り付けられたときに前記第1のハンマー受け入れ部及び前記第2のハンマー受け入れ部にそれぞれブランク箇所を画定する、材料減容化システム。
【請求項8】
請求項2、請求項3、請求項6及び請求項7の何れか一項に記載の材料減容化システムにおいて、ハンマー受け入れ部の各対の前記第1のハンマー受け入れ部と前記第2のハンマー受け入れ部は前記ロータの回転の中心軸に関し直径方向の互いに反対側に位置決めされている、材料減容化システム。
【請求項9】
請求項2から請求項8の何れか一項に記載の材料減容化システムにおいて、前記シングルレデューサハンマーは、前記ロータに対して取り付けられたときに前記ロータの回転の中心軸に関して直角に配向される、材料減容化システム。
【請求項10】
請求項1から請求項9の何れか一項に記載の材料減容化システムにおいて、前記ロータは細断機内に設置されている、材料減容化システム。
【請求項11】
請求項2、請求項3、及び請求項6乃至請求項8の何れか一項に記載の材料減容化システムにおいて、前記シングルレデューサハンマーは、それぞれ、前記ロータに対して取り付けられたときに前記ハンマー受け入れ部のうちの2つによってクランプされる、材料減容化システム。
【請求項12】
請求項6に記載の材料減容化システムにおいて、前記シングルレデューサハンマー及び前記ダブルレデューサハンマーは、それぞれ、前記ロータに対して取り付けられたときに前記ハンマー受け入れ部のうちの2つによってクランプされる、材料減容化システム。
【請求項13】
請求項6又は請求項12に記載の材料減容化システムにおいて、前記ロータは、当該ロータにダブルレデューサハンマーのみを設置することによって高密度構成に構成可能であり、前記ロータは、当該ロータにシングルレデューサハンマーのみを設置することによって低密度構成に構成可能であり、前記低密度構成は、随意的には、前記シングルレデューサハンマーを選択的に反転させることによって実施可能になる険しい螺旋角度の変化型と緩やかな螺旋角度の変化型を含む、材料減容化システム。
【請求項14】
請求項6、請求項12及び請求項13の何れか一項に記載の材料減容化システムにおいて、前記ロータは、前記ダブルレデューサハンマーと前記シングルレデューサハンマーの組合せが前記ロータに設置される中間密度構成に構成可能である、材料減容化システム。
【請求項15】
請求項14に記載の材料減容化システムにおいて、前記中間密度構成は、前記ダブルレデューサハンマーと前記シングルレデューサハンマーが前記ハンマー受け入れ部のうちの軸方向に隣接するハンマー受け入れ部に交互に設置されるという変化型を含み、更に、前記ダブルレデューサハンマーが前記ハンマー受け入れ部のうちの軸方向の最も外側のハンマー受け入れ部に設置され、前記シングルレデューサハンマーが前記ハンマー受け入れ部のうちの前記軸方向の最も外側のハンマー受け入れ部より軸方向内側に位置するハンマー受け入れ部内に設置されるという変化型を含む、材料減容化システム。
【請求項16】
請求項1から請求項15の何れか一項に記載の材料減容化システムにおいて、前記ロータは減容化機械内に取り付けられていて、前記構成要素は、前記ロータが前記減容化機械内に取り付けられたままの状態で設置され及び/又は交換されることができる、材料減容化システム。
【請求項17】
材料減容化装置において、
使用時に中心軸周りに回転させられるロータであって、複数のハンマー受け入れ部を含んでいるロータと、
前記ロータに対して取り外し可能に取り付けできるようになっている交換可能なハンマーであって、当該交換可能なハンマーは、ダブルレデューサハンマー及びシングルレデューサハンマーを含み、前記シングルレデューサハンマーはそれぞれ、減容化端及び反対側のブランク端を含み、前記ダブルレデューサハンマーはそれぞれ、互いに反対側の第1の減容化端及び第2の減容化端を含んでおり、前記ハンマー受け入れ部のうちの2つが前記シングルレデューサハンマー及び前記ダブルレデューサハンマーのそれぞれを前記ロータに対して取り付けるべく協働する、交換可能なハンマーとを備えており、
交換可能な前記シングルレデューサハンマー及び前記ダブルレデューサハンマーが、前記ロータが異なる減容化構成に構成されることを許容する、材料減容化装置。
【請求項18】
請求項17に記載の材料減容化装置において、前記ダブルレデューサハンマーの減容化端は、当該ダブルレデューサハンマーが前記ロータに対して取り付けられたときに前記ロータの外部から突き出るハンマー端を備えており、前記シングルレデューサハンマーの減容化端は、当該シングルレデューサハンマーが前記ロータに対して取り付けられたときに前記ロータの前記外部から突き出るハンマー端を備えている、材料減容化装置。
【請求項19】
請求項18に記載の材料減容化装置において、前記ダブルレデューサハンマーのハンマー端は取り外し可能なレデューサアタッチメントをそのハンマー端へ固定するための付着箇所を画定しており、前記シングルレデューサハンマーのハンマー端は取り外し可能なレデューサアタッチメントをそのハンマー端へ固定するための付着箇所を画定している、材料減容化装置。
【請求項20】
請求項19に記載の材料減容化装置において、前記取り外し可能なレデューサアタッチメントは、前記付着箇所へ締結されるカッターを含む、材料減容化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2018年12月20日出願の米国仮特許出願第62/782,717号の恩典を主張し、同仮出願の内容全体をこれにより参考文献としてここに援用する。
【0002】
本開示は、粉砕機、細断機、及び破砕機の様な、材料減容化(reducing)機械に関する。
【背景技術】
【0003】
廃棄材料の様な材料のサイズを縮小するのに材料減容化機械が使用される。廃棄材料の例には、廃棄木材(例えば、樹木、雑木、切り株、パレット、枕木、など)、ピートモス、紙、湿った有機材料、産業廃棄物、ゴミ、建設廃棄物、など、が挙げられる。粉砕機、破砕機、又は細断機の様な典型的な材料減容化機械は、複数のレデューサ(reducer)(例えば、歯、カッター、ブレード、粉砕用チップ、チゼル、など)が取り付けられたロータを含んでいる。レデューサは、典型的には、ロータの周囲を周って取り付けられていて、ロータが回転させられる際はロータの回転軸周りにロータと一体に担持される。減容化作動中、ロータは回転させられ、廃棄材料はレデューサと廃棄材料の間の接触が廃棄材料に対する減容化動作又は交換(commutating)動作をもたらすようにロータに隣接して給送される。
【0004】
粉砕機(grinders)及び破砕機(chippers)は、典型的には、レデューサが材料に直接衝突することを通して材料を減容化するように構成されている。対照的に、細断機は、レデューサがロータ回転時にレデューサと相互に噛み合う櫛構造と協働して作動するように構成されているのが一般的である。典型的な細断機の作動では、細断機へ給送される材料は、ロータが回転する際にレデューサによって強制的に櫛構造を通され、それにより細断動作がもたらされる。減容化作動中は、粉砕機及び破砕機のロータは、典型的には、細断機のロータよりも高い回転速度で作動するものと理解しておきたい。
【0005】
異なる種類の材料を処理するため、及び異なる材料特性を有する減容化後産物を現出させるために、異なる型式の減容化構成を有する諸ロータが使用され得る。所与の材料減容化機械のロータの減容化構成を修正するには、典型的に、第1の減容化構成を有するロータを第2の減容化構成を有する別のロータと取り換えることが必要となる。ゆえに、ロータ置換が必要となるのが典型的であり、そうすると時間が消費されるし、複数のロータを利用できるようにしておくことが要求されるため費用もかかる。米国特許第9,021,679号は、破砕(chipping)構成と粉砕(grinding)構成の間で変更できるロータを有する材料減容化機械を開示している。これは、異なる様式のレデューサ(例えば、破砕用レデューサ対粉砕用レデューサ)を交換することによって達成されている。しかしながら、どちらの構成でも、減容化要素は同じ位置に配置され、ロータは同じレデューサ密度及び同じレデューサパターンを有する。所与のロータについて、異なるレデューサ密度、異なるレデューサパターン、異なるレデューサ数、異なるレデューサ位置決めスキーム、及び異なるレデューサレイアウトを効率的に提供する能力を強化したシステム、方法、及びデバイスの必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第9,021,679号
【文献】米国特許第9,675,976号
【発明の概要】
【0007】
本開示の幾つかの特定の実施例は、減容化ロータが複数の異なる減容化構成のうちの1つに選択的に構成されることを可能にするように構成されたシステム、方法、及びデバイスに関する。1つの実施例では、減容化ロータが構成され得る異なる減容化構成は、異なる位置に配置されたレデューサを有する減容化構成、異なるレデューサ密度(例えば異なる全体密度及び異なる局所密度)を有する減容化構成、異なるレデューサ数を有するレデューサ構成、異なるレデューサパターンを有するレデューサ構成、及び異なるレイアウトを有するレデューサ構成、を含み得る。
【0008】
本開示の別の実施例は、ロータと、ロータへ取り付けできるようになっている複数の異なる様式のハンマーと、を含んでいる材料減容化装置に関する。異なる様式のハンマーは、ロータへ交換可能に取り付けできるようになっているシングルレデューサハンマー及びダブルレデューサハンマーを含むことができる。別の実施例では、材料減容化機械は、更に、シングルレデューサハンマー及びダブルレデューサハンマーと共にロータへ交換可能に取り付けできるようになっているダブルブランク構成要素を含むことができる。異なる様式のハンマー又は他の構成要素をロータの異なるハンマー取り付け箇所に選択的に設置することによって、ロータは、異なるレデューサ密度、異なるレデューサパターン、及び異なるレデューサ数を有する異なるロータ構成に構成されることができる。また、ロータの異なる領域が、ロータの他の領域と比較してより高いレデューサ密度及び/又はより低いレデューサ密度を提供されることができる。
【0009】
本開示の別の実施例は、使用中に中心軸周りに回転させられるロータを含んでいる材料減容化システムに関する。ロータは複数のハンマー受け入れ部を含んでいる。材料減容化システムは、更に、ロータへ取り外し可能に取り付けできるようになっている交換可能なハンマーを含んでいる。交換可能なハンマーはダブルレデューサハンマー及びシングルレデューサハンマーを含む。ハンマー受け入れ部2つが、シングルレデューサハンマー及びダブルレデューサハンマーのそれぞれをロータへ取り付けるべく協働する。交換可能なシングルレデューサハンマー及びダブルレデューサハンマーは、ロータが異なる減容化構成に構成されることを可能にする。
【0010】
本開示の別の実施例は、使用中に中心軸周りに回転させられるロータを含んでいる材料減容化システムに関する。ロータは複数のハンマー受け入れ部を含んでいる。材料減容化システムは、更に、ロータへ取り外し可能に取り付けできるようになっているシングルレデューサハンマーを含んでいる。シングルレデューサハンマーがロータへ取り付けられるとき、ハンマー受け入れ部2つがシングルレデューサハンマーのそれぞれをロータへ取り付けるべく協働する。シングルレデューサハンマーのそれぞれは、ブランク端及び反対側の減容化端を含んでいる。シングルレデューサハンマーがロータへ取り付けられたとき、a)ブランク端はハンマー受け入れ部の第1の受け入れ部内に受け入れられ、b)レデューサ端はハンマー受け入れ部の第2の受け入れ部内に受け入れられ、c)ブランク端はハンマー受け入れ部の第1の受け入れ部にブランク箇所を画定し、d)減容化端はロータから外方に突き出て、ハンマー受け入れ部の第2の受け入れ部にレデューサ箇所を画定する。
【0011】
本開示の別の実施例は、減容化ロータであって当該ロータの周辺に位置決めされた複数の構成要素取り付け箇所を有している減容化ロータ、を有する材料減容化機械に関する。複数の異なる構成要素が交換可能に、ロータの構成要素取り付け箇所のそれぞれに取り外し可能に取り付けできるようになっている。構成要素は、レデューサ構成要素及びブランク構成要素を含むことができる。様々な構成要素取り付け箇所にレデューサ構成要素か又はブランク構成要素のどちらかを選択的に使用することによって、ロータ上に異なるレデューサ密度、異なるレデューサパターン、及び異なるレデューサ数を提供することができる。使用されるブランク構成要素の数をレデューサ構成要素に比較して増加させることによってロータのレデューサ密度は減少するものと理解しておきたい。対照的に、使用されるブランクの数をレデューサ構成要素に比較して減少させることによってロータのレデューサ密度は増加することになる。加えて、ロータの長さに沿った異なる領域でレデューサ密度を変化させることもできる。
【0012】
本開示の別の実施例は、使用中に中心軸周りに回転させられるロータを含んでいる材料減容化システムに関する。ロータは複数の構成要素取り付け箇所を含んでいる。材料減容化システムは、更に、構成要素取り付け箇所に取り外し可能に取り付けできるようになっている複数の構成要素であって、構成要素取り付け箇所に取り付けられたときにロ-タの外部にブランク箇所を画定するように構成されている及び/又は構成要素取り付け箇所に取り付けられたときにロータの外部にレデューサ箇所を画定するように構成されている複数の構成要素、を含んでいる。構成要素は、a)それぞれが減容化端及び反対側のブランク端を含んでいるシングルレデューサハンマーであって、シングルレデューサハンマーのそれぞれが構成要素取り付け箇所の1つに取り付けられたときに、減容化端はロータの外部のレデューサ箇所の1つを画定し、ブランク端はロータの外部のブランク箇所の1つを画定する、シングルレデューサハンマー、又はb)構成要素取り付け箇所に交換可能に取り付けできるようになっている別々の減容化構成要素とブランク構成要素であって、減容化構成要素は、それぞれ、構成要素取り付け箇所の1つに取り付けられたときにロータの外部のレデューサ箇所の1つを画定し、ブランク構成要素は、それぞれ、構成要素取り付け箇所の1つに取り付けられたときにロータの外部のブランク箇所の1つを画定する、別々の減容化構成要素とブランク構成要素、を含んでいる。
【0013】
開示の様々な利点は、一部には以下の説明に提示され、一部には説明から明らかになりもすれば、本開示の様々な態様及び実施例を実践することによって知られもしよう。以上の概括的な説明と次に続く詳細な説明はどちらも例示及び解説のみが目的であり、実施例及び態様が根拠とする広範な進歩的原理を制限するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の原理によるロータシステムが利用され得る材料減容化機械の1つの型式の一例とされる材料減容化機械を描いている。
【
図3】
図1及び
図2の材料減容化機械の横断方向断面図である。
【
図4】本開示の原理による減容化ロータシステムの斜視図である。
【
図5】
図4のレデューサロータシステムの別の斜視図である。
【
図6】
図4のレデューサロータシステムの前面図である。
【
図7】
図4のレデューサロータシステムの端面図である。
【
図8】
図4のレデューサロータシステムの後面図である。
【
図9】
図4-
図8のレデューサロータシステムへ交換可能及び取り外し可能に取り付けできるようになっている3通りの異なる型式又は様式の構成要素を示す斜視図である。
【
図12】
図8の12-12切断線を通って取られた斜視断面図であり、ロータの直径方向の互いに反対側に位置決めされたハンマー受け入れ部を有するハンマー取り付け構造を示している。
【
図13】
図8の13-13切断線に沿って取られた断面図であり、ロータの互いに反対側のハンマー受け入れ部内に固定されたシングルレデューサハンマーを示している。
【
図14】
図8のロータの互いに反対側のハンマー受け入れ部内に取り付けられたダブルレデューサハンマーを示す断面図である。
【
図15】
図8のロータの互いに反対側のハンマー受け入れ部内に固定されたダブルブランク構成要素を示す断面図である。
【
図16】ロータのハンマー受け入れ部全てがダブルレデューサハンマーの端によって占められている構成に配置された
図8のロータの長手方向に切って広げられた平坦図である。
【
図17】ロータがシングルレデューサハンマーだけをくまなく装着され、半数のハンマー受け入れ部がレデューサを固定し、残り半数のハンマー受け入れ部がハンマーのブランク端を受け入れている構成に配置された
図8のロータの長手方向に切って広げられた平坦図である。
【
図18】ロータがシングルレデューサハンマーだけをくまなく装着され、ハンマーがロータの隣接する軸方向区分にて交互に反転される構成に配置された
図8のロータの長手方向に切って広げられた平坦図である。
【
図19】ロータがシングルレデューサハンマーだけをくまなく装着され、シングルロータハンマーがロータの長さに沿って2つおきの軸方向位置にて反転される構成に配置された
図8のロータの長手方向に切って広げられた平坦図である。
【
図20】シングルレデューサハンマーとダブルレデューサハンマーがロータの各隣り合う領域又は区分にて交互になっている構成に配置された
図8のロータの長手方向に切って広げられた平坦図である。
【
図21】ダブルレデューサハンマーがロータの互いに反対側の端の2つの最も外側の軸方向位置に設置され、シングルレデューサハンマーがロータの端区分の間に位置するロータの中央区分に設置されている構成に配置された
図8のロータの長手方向に切って広げられた平坦図である。
【
図22】本開示の原理による別のロータシステムを模式的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は、減容化ロータが異なる減容化構成に配置されることを容易に可能にする本開示の原理による材料減容化システムに関する。材料減容化システムは、初期ロータ装着時に操作者が複数の異なる減容化構成(例えば、少なくとも3通りの減容化構成、又は少なくとも4通りの減容化構成、又は少なくとも5通りの減容化構成)の間で選択することを可能にする。加えて、材料減容化システムは、初期装着後に必要に応じて操作者がロータの減容化構成を修正することを可能にする(例えば、減容化構成の修正は、ロータが減容化機械から取り外される必要なしに且つ異なるロータの置換を必要とすることなしに行われ得る)。
【0016】
幾つかの特定の実施例では、構成可能性及び/又は再構成可能性を強化するために、ロータの取り付け箇所(例えばハンマー受け入れ部)は、レデューサを選択的に装着される(例えば充填される)ことができ、又はブランクを選択的に装着されることができる。幾つかの特定の実施例では、ロータが減容化機械に取り付けられたままの状態で、異なる型式のレデューサ及び/又はブランクがロータ上で交換されることができる。
【0017】
幾つかの特定の実施例では、ロータは、それぞれがブランク端及び反対側の減容化端を含んでいるシングルレデューサハンマーと組み合わせて使用されることができる。幾つかの特定の実施例では、ロータは、それぞれが2つの互いに反対側に位置する減容化端を含んでいるダブルレデューサハンマーと組み合わせて使用されることができる。更に他の実施例では、ロータは、両端ブランク型構成要素と組み合わせて使用されることができる。
【0018】
図1-
図3は、本開示の原理による材料減容化システムを組み入れることのできる材料減容化機械の型式の1つの実施例である一例としての材料減容化機械20を描いている。材料減容化機械20は細断機として描かれているが、本開示の諸態様は粉砕機及び破砕機の様な他の型式の材料減容化機械にも適用できることを理解しておきたい。1つの随意的な実施例では、材料減容化機械20は、細断作動中にロータが40回転毎分以下の速度で作動する比較的低速な細断機とすることができる。より低速なロータ作動速度は、ロータバランスを維持することの重要性を軽減し、したがって異なる減容化ロータ構成を選択する際に融通を利かせ易くなることが理解されるだろう。
【0019】
図1-
図3の材料減容化機械20は、減容化ロータ24が配置される減容化箱22を画定する主要骨組みを含んでいる。減容化ロータ24は減容化箱22の中で中心軸周りに回転するように取り付けられている(例えば、減容化ロータ24は減容化箱22へ軸受けを介して回転可能に取り付けられることができる)。複数のレデューサ28がロータ24の外部に取り付けられている。ロータ24が中心軸26周りに回転させられるとき、レデューサ28はロータ24によって中心軸26を取り巻く円状減容化経路に沿って担持される。減容化機械は、減容化ロータ24の上方に、減容化させたい材料を減容化箱22の中へ給送できるようにするためのホッパー30を含んでおり、また随意ではあるが、減容化箱22から出力される減容化後産物のサイズを制御するために減容化ロータ24の下方に取り付けられるスクリーンを含んでいる。材料減容化機械20は、更に、減容化箱22内に取り付けられた細断櫛32を含んでいる。細断櫛32は複数の櫛歯を含んでいて、細断櫛32はロータ24に対して、ロータが中心軸26周りに回転させられるとレデューサ28が櫛歯と相互に噛み合うように位置決めされている。他の言い方をすれば、ロータ24が回転すると、レデューサ28は細断櫛32の櫛歯の対応する櫛歯の間を通ってゆくのである。材料減容化機械20は、更に、ロータ24の中心軸26周りの回転を駆動するためのパワートレインを含んでいる。パワートレインは、ロータ24の回転を駆動するのに要求されるパワーを提供する原動機(例えばエンジン)を含むことができる。パワートレインは、更に、パワーを原動機からロータへ伝達するための伝動装置を含むことができる。パワーはトルクの形態で伝達されることができる。材料減容化機械20は、更に、減容化箱22から排出される減容化後産物を減容化箱22から離して移送するための1つ又はそれ以上のコンベヤ34を含むことができる。
【0020】
材料減容化機械20の作動では、減容化させたい材料がホッパー30を通して減容化箱22の中へ給送される。減容化箱22の中で、ロータ24はパワートレインによって軸26周りに回転させられる。減容化箱22の中へ給送された材料は、回転するロータ24のレデューサ28によって衝突され、レデューサ28によって強制的に細断櫛32に通され、それにより材料は細断を経てサイズが縮小されることになる。強制的に櫛32を通された細断済み材料は、コンベヤ上に堆積され、コンベヤ34によってトラックの荷台又は地面上の堆積場の様な収集箇所へ移送される。ロータ24の下方にサイズ決めスクリーンが存在する場合は、スクリーンを通過するのに十分に小さいサイズまで減容化され終えた材料がコンベヤ34上に堆積され、一方、残りの材料は更なる処理のためにロータ24によって再循環され減容化箱22の中へ戻される。
【0021】
図4-
図15は、材料減容化機械20の様な材料減容化機械へ統合され得る材料減容化システム50を開示している。材料減容化システム50はロータ52を含んでいる。ロータ52は、材料減容化機械内(減容化機械20の減容化箱22内)に取り付けできるようになっていて、減容化機械内に取り付けられたときに中心回転軸54周りに回転するように適合されている。使用時、ロータ52は中心回転軸54周りに回転するようにトルク源(例えばパワートレイン)によって回転駆動されることができる。
【0022】
ロータ52は複数の構成要素取り付け箇所53を含んでいる。描かれている実施例では、構成要素取り付け箇所はハンマー受け入れ部56を含むものとすることができる。幾つかの特定の実施例では、ハンマー受け入れ部56は、減容化ハンマー、ブランク、又は他の構成要素の様な構成要素を受け入れるための、ポケット、レセプタクル、又は類似の構造を含むことができる。描かれている実施例では、各構成要素取り付け箇所53は、ロータ52の直径方向の互いに反対側に位置決めされている一対のハンマー受け入れ部56a、56b(即ちハンマー受け入れ部のセット)を含んでいる。対になったハンマー受け入れ部56aと56bは、ハンマー受け入れ部56aと56bの間にロータ52を貫いてそれぞれ延びる案内スリーブ58によって接続されている。
【0023】
構成要素取り付け箇所53は、ロータ52の軸方向長さに沿った複数の連続した軸方向位置に配置されているものとして描かれている。描かれている実施例では、ロータ52は、随意的に、円筒状外皮60を含んでいて、円筒状外皮60を貫いてハンマー受け入れ部56は画定されている。外皮60はロータ52の外部を画定している。外皮60は、更に、ロータ52の円筒状外境界を画定している。幾つかの特定の実施例では、ロータ52の軸方向長さに沿って軸方向に隣接する構成要素取り付け箇所53のハンマー受け入れ部56は、回転軸54周りに延びる配向において互いから周方向にオフセットされている。1つの実施例では、軸方向に隣接する構成要素取り付け箇所53のハンマー受け入れ部56a同士は、周方向に互いから繰り返しのオフセット角度(例えば周囲を周って60度)だけオフセットされていて、軸方向に隣接する構成要素取り付け箇所53のハンマー受け入れ部56b同士は、周方向に互いから繰り返しのオフセット角度(例えば周囲を周って60度)だけオフセットされている。
【0024】
ハンマー受け入れ部56a、56bは、構成要素をロータ52へ固定するように適合されているのが望ましい。例えば、ハンマー受け入れ部56a、56bのそれぞれは、そこに取り付けられた構成要素の対応する部分をロータへ連結するための固定箇所又は係合箇所として機能することができる。固定構造の例は、締結具、クランプ、などを含み得る。描かれている様に、ハンマー受け入れ部56a、56bのそれぞれは、そこに受け入れられた構成要素をロータ52に対してその場にクランプするべく締結具64によって作動させる1つ又はそれ以上のクランピングウェッジ62を含むクランピング装置(clamping arrangement)61を含んでいる。こうして、構成要素取り付け箇所53の1つにて固定される所与の構成要素は、ロータ52の互いに反対側に位置する2つの別々の固定箇所(例えばクランピング箇所)にてロータ52へ固定される。別々の固定箇所は、ハンマー受け入れ部56a、56bに対応している。これにより参考文献としてその全体が援用される米国特許第9,675,976号は、ロータ52と共に使用され得る例示としての構成要素取り付け箇所、ハンマー受け入れ部、及びクランピング装置についての更なる詳細事項を提供している。
【0025】
図4-
図15の描かれている例示としてのシステムは、ロータ52へ取り付けできるようになっている異なる構成要素を含むことができる。異なる構成要素は諸構成要素を含み得る。異なる減容化構成要素の例は、シングルレデューサハンマー及びダブルレデューサハンマーの様な異なる型式のハンマーを含む。一例としてのブランク構成要素は、所与の構成要素取り付け箇所に取り付けられたときにロータ上に2つのブランク箇所を形成するダブルブランク構成要素である。
図4-
図8に示されている様に、ロータ52上には1つの型式の減容化構成要素(例えばシングルレデューサハンマー)しか取り付けられていない。但し、描かれている減容化構成要素は構成要素取り付け箇所53に取り外し可能に取り付けられているということ、及び、ロータ52の減容化構成を変更するべく望ましくも他の型式の構成要素(例えばダブルレデューサハンマー、ダブルブランク構成要素)が描かれている減容化構成要素に関して交換可能であるということ、を理解しておきたい。それら構成要素は、ロータが減容化機械内に取り付けられたままの状態で構成要素取り付け箇所53へ装入され及び構成要素取り付け箇所53から取り外されることができる。ゆえに、ロータに構成要素を装着するのに又は異なる減容化構成の間で切り換えるべく構成要素を交換するのにロータを減容化機械から取り外す必要はない。幾つかの特定の実施例では、構成要素は構成要素取り付け箇所53へ滑り入れられ、次いでロータに対してその場に固定される(例えばクランプされ又は締結される)。幾つかの特定の実施例では、構成要素取り付け箇所53を、構成要素取り付け箇所53に容易にアクセスできる場所(例えば、ロータへの強化されたアクセスを提供するために減容化機械の側面を開口させるスイングダウン壁を有する減容化機械の側面)と選択的に整列させるために、ロータは減容化機械の中で回転させられ割り出されることができる。
【0026】
シングルレデューサハンマーは、一方の端だけが減容化端になっていて反対側の端はブランク端であるハンマーのことである。減容化端は、それ自体が単数又は複数のレデューサを形成しているか、又は、1つ又はそれ以上のレデューサを付着させるための付着箇所を提供しているかのどちらかであり得る。シングルレデューサハンマーが構成要素取り付け箇所53の1つに取り付けられたとき、ブランク端は構成要素取り付け箇所の1つの領域(例えば、所与の対になった受け入れ部の一方のハンマー受け入れ部56a、56bの様なロータ52の一方の側)にブランク箇所を形成し、減容化端は構成要素取り付け箇所の別の領域(例えば、所与の対になった受け入れ部の他方のハンマー受け入れ部56a、56bの様なロータの反対側)にレデューサ箇所を形成する。ブランク箇所は、ロータ52の外部に対して凹んでいるか又は面一であるのが望ましく、一方、レデューサ箇所はロータ52の外部を越えて外方に(例えば、中心軸54に対して半径方向に)突き出ているのが望ましい。
【0027】
或る例示としてのシングルレデューサハンマー70が、
図9-
図11に、ロータ52から孤立して描かれている。
図4-
図8は、シングルレデューサハンマー70をくまなく装着されたロータ52を示しており、
図12及び
図13は、シングルレデューサハンマー70がどの様に構成要素取り付け箇所53にてロータ52へ固定されるかを詳細に示す断面図である。
図9-
図11を参照して、シングルレデューサハンマー70は、減容化端72とは反対側に位置するブランク端71を有する細長いハンマー体67(例えばバー)を含んでいる。
図12及び
図13に示されている様に、ブランク端71は、シングルレデューサハンマー70がロータ52へ取り付けられたときに、ブランクキャップ又はブランクカバー75(
図12及び
図13参照)をブランク端71へ固定するのに使用される締結具74を受け入れるための締結具孔73を含んでいる。ブランクカバー71は、ロータの外部のブランク箇所を画定するのを支援し、ハンマーのブランク端に保護的な耐摩耗性面を提供する。ハンマーの設置に先立ってカバー71がハンマー上に事前設置されているなら、カバーは、ハンマーが構成要素取り付け箇所へ滑り入れられるときの能動的ストッパとして機能することができる。
図12及び
図13に示されている様に、減容化端72は、レデューサ取り付け面76を含んでいて、少なくとも1つの締結具79によってレデューサ(例えばカッター78)をレデューサ取り付け面76へ取り外し可能に付着させるのに使用される1つ又はそれ以上の締結具孔77を画定している。細長いハンマー体72は、構成要素取り付け箇所53に取り付けられるときに、ハンマー受け入れ部56a、56bを貫いて延び、ハンマー受け入れ部56a、56bにてクランピング装置61によってロータ52へクランプされる。その様に取り付けられた状態で、シングルレデューサハンマー70の減容化端72はハンマー受け入れ部56aに減容化箇所を画定し、ブランク端71はハンマー受け入れ部56bにブランク箇所を画定する。
【0028】
図13に描かれている様に、減容化端72及びブランク端71はどちらもロータへ(クランプを介して)別々の定着箇所にて定着されている。ブランク端71は二次的定着端と呼称され、減容化端72は一次的定着端と呼称されてもよい。定着箇所は互いに離間されていてハンマー体67の互いに反対側の端と一致している。1つの実施例では、定着箇所はロータの直径方向の互いに反対側に位置決めされていて、定着箇所の1つは対応するレデューサを含んでいない。
図13に示されている様に、細断中は、細断力Fがレデューサ78のシングルレデューサハンマー70へ加えられ、一次的反力R1が、一次的定着箇所(即ちハンマー受け入れ部56a)のハンマー70の減容化端に隣接してハンマー70へ加えられ、反対側の二次的反力R2が二次的定着箇所(即ちハンマー受け入れ部56b)のハンマーのブランク端に隣接してハンマー70へ加えられる。ハンマー体67の長さがレバーアームとなり、それがハンマー70の安定化/定着における二次的反力R2の効果を高め、それにより安定化を提供するのに要求される力R2の規模を軽減する。幾つかの特定の代わりの実施例では、ハンマー受け入れ部56bは、構成要素の非減容化端を受け入れるための盲端を画定する構造を含むことができ、但し、それは構成要素がロータの盲端を完全に通り抜けるのを許容するための手段を提供しない。ハンマーの非減容化端は盲端を画定している構造へ締結具、クランプ、又は他の構造によって固定されることができる。この型式の実施例は、シングルレデューサ箇所を支持するための別々になった構成要素定着箇所を有することに関連する補強的便益を提供するであろうが、シングルレデューサハンマーとダブルレデューサハンマーの両方を受け入れる能力を有するものではない。
【0029】
ダブルレデューサハンマーは2つの互いに反対側の端が減容化端になっているハンマーである。各減容化端は、それ自体が単数又は複数のレデューサを形成しているか、又は1つ又はそれ以上のレデューサを付着させるための付着箇所を提供しているかのどちらかであり得る。ダブルレデューサハンマーが構成要素取り付け箇所53の1つに取り付けられたとき、減容化端は構成要素取り付け箇所の別々の領域(例えばロータ52の互いに反対側)にレデューサ箇所を形成する。レデューサ箇所は、ロータ52の外部を越えて外方に(例えば中心軸54に対して半径方向に)突き出ているのが望ましい。
【0030】
例示としてのダブルレデューサハンマー80が、
図9-
図11に、ロータ52から孤立して描かれている。
図14は、構成要素取り付け箇所53の1つにてロータ52へ固定されているダブルレデューサハンマー80の1つの断面図である。
図9-
図11を参照して、ダブルレデューサハンマー80は、カッター78が締結具79を介して取り外し可能に付着される互いに反対側の減容化端72を有する細長いハンマー体82(例えばバー)を含んでいる。ハンマー体82は、ハンマー体72より長い。細長いハンマー体82は、構成要素取り付け箇所53に取り付けられるときに、ハンマー受け入れ部56a、56bを貫いて延び、ハンマー受け入れ部56a、56bにてクランピング装置61によってロータ52へクランプされる。減容化端72は、ハンマー受け入れ部56a、56bにてロータ52の外部から外方に突き出ている。
【0031】
ダブルブランク構成要素は、互いに反対側の端が、ダブルブランク構成要素がロータへ固定されたときにロータの外部にブランク箇所を形成するように適合されているブランク端になっている構成要素である。一例としてのダブルブランク構成要素90が、
図9-
図11に、ロータ52から孤立して描かれている。
図15は、構成要素取り付け箇所53の1つにてロータ52へ固定されたダブルブランク構成要素90の1つの断面図である。
図9-
図11を参照して、ダブルブランク構成要素ハンマー90は、互いに反対側のブランク端71を有する細長い構成要素体92(例えばバー)を含んでいる。構成要素体92はハンマー体72より短い。細長い構成要素体92は、構成要素取り付け箇所53に取り付けられるときに、ハンマー受け入れ部56a、56bを貫いて延び、ハンマー受け入れ部56a、56bにてクランピング装置61によってロータ52へクランプされる。ブランク端71はハンマー受け入れ部56a、56bにブランク箇所を形成する。
【0032】
以上に示唆されている様に、構成要素は、ロータが減容化機械の減容化箱22内に取り付けられたままの状態でロータへ装入され及びロータから取り外されることができる。これは、ロータを減容化機械から取り外すことなく構成要素が交換されることを可能にする。構成要素取り付け箇所にアクセスするには、減容化箱22の側壁を枢動させて下げ、ロータの一方の側を露出させればよい。作業用足場が、開放側に隣接して減容化機械によって提供されるようになっていてもよい。ロータを回転させて取り付け箇所を開放側と整列させるよう割り出すことができる。例えば、構成要素を構成要素取り付け箇所へ装入するには、ハンマー受け入れ部56aが減容化機械の開放側に面するようにロータを回転させればよい。次いで、構成要素を構成要素取り付け箇所へハンマー受け入れ部56aを通して装入し、ハンマー受け入れ部56aにてロータへ定着させればよい(例えば、ハンマー受け入れ部56aは構成要素の一方の端をクランプするのに使用されることができる)。次いで、ロータを180度回転させて、ハンマー受け入れ部56bが減容化機械の開放側に面するようにし、それによりハンマー受け入れ部56bに構成要素を定着させるためのアクセスが提供されるようにする(例えば、構成要素の互いに反対側の端をクランプするのにハンマー受け入れ部56bが使用される)。このときレデューサ又はブランクプレートも構成要素へ付着されることができる。構成要素を取り外すには、手順が逆に行われる。ハンマー受け入れ部56bが減容化機械の開放面に面するようにロータを回転させ、構成要素の一方の端をハンマー受け入れ部56bから解放できるようにする(例えば、構成要素の一方の端がハンマー受け入れ部56bに対してクランプ解除される)。そのときブランクプレート又はレデューサも構成要素から取り外されることができる。ロータを180度回転させ、ハンマー受け入れ部56aが減容化機械の開放側に面するようにする。次いで構成要素の反対側の端をハンマー受け入れ部56aから解放させ(例えばクランプ解除させ)、それにより構成要素をロータの構成要素取り付け箇所から滑り出させられるようにする。
【0033】
以上に説明されている様に、各構成要素取り付け箇所は、ロータの直径方向の互いに反対側に位置決めされている第1及び第2のハンマー受け入れ箇所56a、56bを含むものとして描かれている(第1のハンマー受け入れ箇所と第2のハンマー受け入れ箇所はロータの周囲を周って約180度離間されている)。こうして構成要素(例えば、シングルレデューサハンマー又はダブルレデューサハンマー又はダブルブランク構成要素)が取り付け箇所53の1つにてロータへ取り付けられたとき、構成要素はロータ52を貫き中心ロータ軸54を横切りロータ53全体を概ね貫通して延び、ロータ52の互いに反対側の2つの別々の箇所にてロータへ固定される。他の実施例では、所与のハンマー受け入れ部の対を形成する第1のハンマー受け入れ部と第2のハンマー受け入れ部は、ロータの周囲を周って180度未満で離間して位置決めされていて、ハンマーがより翼弦に似た構成に取り付けられるようにしており、随意的にはロータの中心軸に交わらないようにしている。
【0034】
図4の描かれている実施例では、ハンマーはロータの中心回転軸に対して直角の配向でロータへ取り付けられている。他の実施例では、ハンマーは斜め(例えば、ロータの中心回転軸に対して非直角の角度で配向)になっていることもある。
【0035】
図14に描かれている様に、ダブルレデューサハンマーの両端には同じ様式のレデューサが取り付けられていることが示されている。他の実施例では、所与のダブルレデューサハンマーの互いに反対側の端には異なる様式のレデューサが取り付けられることもできる。
【0036】
図4に描かれている様に、シングルレデューサハンマーはどれもが同じ様式のレデューサを有しているものとして描かれている。他の実施例では、異なる様式のレデューサを有するシングルレデューサハンマーが所与のロータに装着するべく使用されることもできる。
【0037】
図4-
図15の描かれているシステムでは、各構成要素取り付け箇所は、レデューサ箇所か又はブランク箇所が画定され得る第1と第2の別々の箇所に対応している。第1の箇所と第2の箇所が、どちらもレデューサによって占められるか、どちらもブランクによって占められるか、又は1つがブランクによって1つがレデューサによって占められるかどうかは、構成要素取り付け箇所に取り付けられる構成要素の型式に依存する。構成要素取り付け箇所に異なる型式の構成要素を装着することによって、ロータ52は異なる減容化構成に構成されることができる。ロータが構成され得る複数の異なる減容化構成が
図16-
図21に示されている。
図16-
図21では、ロータ52は、随意的に、ロータ52の長さに沿って軸方向に連続して配置されている21の構成要素取り付け箇所53を有していることが示されている。当然ながら、構成要素取り付け箇所の数は実施形態ごとに変えられてもよい。
図16-
図21では、ロータ52は長手方向に切られ平たく広げられて平面図を提供しており、ロータ52の長さLと周囲Cが完全に確認できる。
図16-
図21では、Xを記入されているボックスはレデューサ箇所を表現し、空白のボックスはブランク箇所を表現している。
【0038】
図16は、構成要素取り付け箇所53全てがダブルレデューサハンマー80を装着されているロータ52の第1の構成を表現しており、レデューサ箇所はロータ52の受け入れ部56a、56b全てに画定されている。第1の構成は、ロータ52が構成され得る最も高いレデューサ密度を表現している第1のレデューサ密度を有する。レデューサ密度は、ダブルレデューサハンマー80の1つ又はそれ以上をシングルレデューサハンマー70又はダブルブランク構成要素90と交換することによって減少させることができる。構成要素は、ブランク箇所及び/又はレデューサ箇所をパターン状に配置するように、又は、ブランク箇所及び/又はレデューサ箇所の無作為分布を提供するように、交換されることができる。
【0039】
図17は、構成要素取り付け箇所53全てがシングルレデューサハンマー70を装着されているロータ52の第2の構成を表現している。ハンマーは、レデューサ箇所が全ての第1の受け入れ部56aに提供され、ブランク箇所が全ての第2の受け入れ部56bに提供されるように配置されている。第2の構成は、第1のレデューサ密度の半分の密度である第2のレデューサ密度を有している。第2の構成では、シングルレデューサハンマー70は、隣接する構成要素取り付け箇所のレデューサ箇所が、比較的小さい(例えば約60度の)均一な第1の周方向オフセット角度で周方向にオフセットされるように配向されており、その結果、レデューサ箇所は協働して比較的低い第1の螺旋角度A1を有する第1の螺旋パターンを画定している。この場合も同じく、シングルレデューサハンマー70の選択されたものをダブルレデューサハンマー80又はダブルブランクハンマー90と置き換えて、ロータ52の全体レデューサ密度を修正することができ、及び、ロータ52の局所領域のレデューサパターン、レデューサ分布、及び/又はレデューサ密度を特注仕様化することができる。
【0040】
図18は、構成要素取り付け箇所53全てがシングルレデューサハンマー70を装着されているロータ52の第3の構成を表現している。ハンマーは、レデューサ箇所が、軸方向に隣接する構成要素取り付け箇所の第1の受け入れ部56aと第2の受け入れ部56bに交互に提供されるように配置されている。第3の構成は第2の構成と同じレデューサ密度を有する。第3の構成では、シングルレデューサハンマー70は、隣接する構成要素取り付け箇所のレデューサ箇所が、比較的大きい(例えば約120度の)均一な第2の周方向オフセット角度で周方向にオフセットされるように配向されており、その結果、レデューサ箇所は協働して比較的高い第2の螺旋角度A2を有する第2の螺旋パターンを画定している。この場合も同じく、シングルレデューサハンマー70の選択されたものをダブルレデューサハンマー80又はダブルブランクハンマー90と置き換えて、ロータ52の全体レデューサ密度を修正することができ、及び、ロータ52の局所領域のレデューサパターン、レデューサ分布、及び/又はレデューサ密度を特注仕様化することができる。
【0041】
図19は、構成要素取り付け箇所53全てがシングルレデューサハンマー70を装着されているロータ52の第4の構成を表現している。2つの連続した構成要素取り付け箇所についてはレデューサ箇所が第1の受け入れ部56aに位置し、2つおいた3つ目の構成要素取り付け箇所ではレデューサ箇所が第2の受け入れ部56bに位置するようなパターンにレデューサ箇所が配置されるようにして、ハンマーは配置されている。第4の構成は第2及び第3の構成と同じレデューサ密度を有する。第4の構成では、シングルレデューサハンマー70は、隣接する構成要素取り付け箇所のレデューサ箇所が、連続した構成要素取り付け箇所それぞれについて大きさを変えた周方向オフセット角度で周方向にオフセットされる(例えば、オフセットは第1の周方向オフセット角度と第2の周方向オフセット角度の間で交互する)ように配向されている。この場合も同じく、シングルレデューサハンマー70の選択されたものをダブルレデューサハンマー80又はダブルブランクハンマー90と置き換えて、ロータ52の全体レデューサ密度を修正することができ、及び、ロータ52の局所領域のレデューサパターン、レデューサ分布、及び/又はレデューサ密度を特注仕様化することができる。
【0042】
図20は、構成要素取り付け箇所53が、シングルレデューサハンマー70とダブルレデューサハンマー80を交互に装着されているロータ52の第5の構成を表現している。第5の構成は、第1の構成のレデューサ密度より低く且つ第2、第3、及び第4の構成のレデューサ密度より高いレデューサ密度を有する。この場合も同じく、ハンマーの選択されたものをシングルレデューサハンマー、ダブルレデューサハンマー80、又はダブルブランクハンマー90と置き換えて、ロータ52の全体レデューサ密度を修正することができ、及び、ロータ52の局所領域のレデューサパターン、レデューサ分布、及び/又はレデューサ密度を特注仕様化することができる。
【0043】
図21は、ロータ52の各端の或る特定の数(例えば描かれている様に2つ)の構成要素取り付け箇所53がダブルレデューサハンマー80を装着され、残りの構成要素取り付け箇所53がシングルレデューサハンマー70を装着されているロータ52の第6の構成を表現している。この場合も同じく、ハンマーの選択されたものをシングルレデューサハンマー、ダブルレデューサハンマー80、又はダブルブランクハンマー90と置き換えて、ロータ52の全体レデューサ密度を修正することができ、及び、ロータ52の局所領域のレデューサパターン、レデューサ分布、及び/又はレデューサ密度を特注仕様化することができる。他の実施例では、ロータ52の中央領域がダブルレデューサハンマー80を装着され、ロータ52の端領域がシングルレデューサハンマー70を装着されることもできる。シングルレデューサハンマー70しか有していない局所領域は、上述のパターン(
図17-
図19のパターンを参照)の何れのパターンに配置されてもよい。
【0044】
本開示の範囲内の他の実施形態では、構成要素取り付け箇所は、それぞれが、レデューサ箇所か又はブランク箇所が画定される1つの箇所にしか対応していない、ということもあり得る。その様な実施例では、構成要素取り付け箇所は、ロータを貫く進路の大部分を延びない構成要素を受け入れるように構成されることができる。この型式の構成では、第1の構成要素型式がロータの構成要素取り付け箇所に取り付けられたとき、第1の構成要素型式は、ロータの外部に1つのレデューサ箇所を画定するだけで、ロータの外部に何れのブランク箇所も画定しない。第1の構成要素型式はレデューサ構成要素と呼称され得る。この型式の構成では、第2の構成要素型式がロータの構成要素取り付け箇所に取り付けられたとき、第2の構成要素型式はロータの外部に1つのブランク箇所を画定するだけで、ロータの外部に何れのレデューサ箇所も画定しない。第1の構成要素型式はブランク構成要素と呼称され得る。それら構成要素は、ロータの直径を横断する進路の大部分を延びるようには適合されていないので、ロータに比較して相対的に短いということになろう。
図22は、レデューサ構成要素156とブランク構成要素158を取り外し可能に且つ交換可能に取り付けるための構成要素取り付け箇所154を有するこの型式の一例としてのロータ152を描いている。1つの実施例では、構成要素取り付け箇所154は、米国特許第9,675,976号に開示されている様にクランピングによって構成要素156、158を固定するように適合されていてもよい。
【0045】
(定義)
ブランク箇所とは、ロータ上の箇所であって、レデューサを含んでおらず且つレデューサを付着させるためのロータから突き出る構造を含んでいない箇所である。
【0046】
レデューサ箇所とは、ロータ上の箇所であって、少なくとも1つのレデューサがロータの外部に提供されている箇所である。
【0047】
減容化部分又は減容化端又は減容化構成要素とは、ロータの構成要素取り付け箇所に設置されたときに、a)それ自体が少なくとも1つのレデューサを形成するか、又は、b)少なくとも1つのレデューサをそこへ付着させられるようにするための付着箇所を画定するか、のどちらかの構造である。
【0048】
ブランク端又はブランクインサート又はブランク構成要素又はブランクは、ロータの構成要素取り付け箇所に設置されたときに、ロータの構成要素取り付け箇所にブランク箇所を形成する構造である。
【0049】
レデューサとは、カッター、チゼル、粉砕用チップ、ブレード、歯、又は類似構造の様な、材料を減容化するための構造である。
【0050】
レデューサアタッチメントとは、付着箇所へ取り外し可能に付着されることのできるレデューサである。
【0051】
取り外し可能に付着されるとは、溶接の様なより永久的な付着技法に比べて、締結具又はクランプを用いるという様な、部品の取り外し可能性を実現し易くすることを意図したやり方で付着されることを意味する。
【符号の説明】
【0052】
20 材料減容化機械
22 減容化箱
24 減容化ロータ
26 中心軸
28 レデューサ
30 ホッパー
32 細断櫛
34 コンベヤ
50 材料減容化システム
52 ロータ
53 構成要素取り付け箇所
54 中心回転軸
56、56a、56b ハンマー受け入れ部
58 案内スリーブ
60 円筒状外皮
61 クランピング装置
62 クランピングウェッジ
64 締結具
67 細長いハンマー体
70 シングルレデューサハンマー
71 ブランク端
72 減容化端
73 締結具孔
74 締結具
75 ブランクキャップ又はブランクカバー
76 レデューサ取り付け面
77 締結具孔
78 カッター
79 締結具
80 ダブルレデューサハンマー
82 細長いハンマー体
90 ダブルブランク構成要素
92 細長い構成要素体
152 ロータ
154 構成要素取り付け箇所
156 レデューサ構成要素
158 ブランク構成要素
A1、A2 螺旋角度
C ロータの周囲
L ロータの長さ
F 細断力
R1 一次的反力
R2 二次的反力