(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】入金処理機、入金処理方法、及び入金処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20230101AFI20240712BHJP
G07D 11/00 20190101ALI20240712BHJP
G07D 11/20 20190101ALI20240712BHJP
【FI】
G06Q40/02
G07D11/00
G07D11/20
(21)【出願番号】P 2020014652
(22)【出願日】2020-01-31
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】松本 重雄
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 広景
(72)【発明者】
【氏名】難波 紀久子
【審査官】山崎 雄司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-092266(JP,A)
【文献】特開2014-041489(JP,A)
【文献】特開2000-020621(JP,A)
【文献】特開2007-188254(JP,A)
【文献】特開2005-025623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07D 11/00
G07D 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入金処理を実行する
入金処理システムであって、
入金処理機と、
テラープリンタと、
テラー端末と、を備え、
前記入金処理機は、
受け付けた情報媒体から情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記情報に応じて複数の異なる前記入金処理を切り替えて実行する処理実行部と、を備え、
複数の異なる前記入金処理は、オンライン入金処理及びオフライン入金処理であり、
前記オンライン入金処理は、入金された金額を示す入金金額情報を前記入金処理機から勘定系ホストコンピュータに送信する処理であり、
前記オフライン入金処理は、前記入金金額情報を前記入金処理機から前記勘定系ホストコンピュータ
及び前記テラー端末に送信せずに
前記テラープリンタへ送信する処理であ
り、
前記テラー端末は、テラーから前記入金金額情報の入力を受け付けて、入力された前記入金金額情報を前記勘定系ホストコンピュータへ送信する、入金処理システム。
【請求項2】
入金処理を実行する
入金処理システムであって、
入金処理機と、
テラー端末と、を備え、
前記入金処理機は、
受け付けた情報媒体から情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記情報に応じて複数の異なる前記入金処理を切り替えて実行する処理実行部と、
印字部と、を備え、
複数の異なる前記入金処理は、オンライン入金処理及びオフライン入金処理であり、
前記オンライン入金処理は、入金された金額を示す入金金額情報を前記入金処理機から勘定系ホストコンピュータに送信する処理であり、
前記オフライン入金処理は、前記入金金額情報を前記入金処理機から前記勘定系ホストコンピュータ
及び前記テラー端末に送信せずに、前記印字部を制御して前記入金金額情報を印字する処理であ
り、
前記テラー端末は、テラーから前記入金金額情報の入力を受け付けて、入力された前記入金金額情報を前記勘定系ホストコンピュータへ送信する、入金処理システム。
【請求項3】
前記情報取得部は、前記情報媒体としての第1カード及び第2カードから情報の取得が可能なように構成されており、
前記処理実行部は、前記情報取得部が前記第1カードから情報を取得したことに応じて前記オンライン入金処理を実行し、前記情報取得部が前記第2カードから情報を取得したことに応じて前記オフライン入金処理を実行する請求項1または2に記載の
入金処理システム。
【請求項4】
前記第1カードはキャッシュカードであり、前記第2カードは前記入金処理機用の入金カードである請求項3に記載の
入金処理システム。
【請求項5】
前記第1カードは前記入金処理機用のオンライン入金カードであり、前記第2カードは前記入金処理機用のオフライン入金カードである請求項3に記載の
入金処理システム。
【請求項6】
実行する入金処理の選択入力を顧客から受け付ける入力受付部を更に備え、
前記処理実行部は、前記情報取得部が取得した前記情報から複数の異なる入金処理のどれを実行するのか判別できない場合に、前記入力受付部が受け付けた前記選択入力に応じて複数の異なる前記入金処理を切り替えて実行する請求項3から5のいずれか1項に記載の
入金処理システム。
【請求項7】
入金処理を実行する入金処理機であって、
受け付けた情報媒体から情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記情報に応じて複数の異なる前記入金処理を切り替えて実行する処理実行部と、を備え、
複数の異なる前記入金処理は、オンライン入金処理及びオフライン入金処理であり、
前記オンライン入金処理は、入金された金額を示す入金金額情報を前記入金処理機から勘定系ホストコンピュータに送信する処理であり、
前記オフライン入金処理は、前記入金金額情報を前記入金処理機から前記勘定系ホストコンピュータに送信せずにテラープリンタへ送信する処理であ
り、
前記オフライン入金処理において、追加の入金を受け付ける別入金処理の実行が許容され、
前記オンライン入金処理において前記別入金処理の実行が禁止されて
おり、
前記別入金処理において、先の入金とは別の入金金額情報が生成され、当該入金金額情報が前記入金処理機から前記勘定系ホストコンピュータに送信されずに前記テラープリンタへ送信される入金処理機。
【請求項8】
入金処理システムにおいて実行される入金処理方法であって、
入金処理機が、受け付けた情報媒体から情報を取得する情報取得ステップと、
前記入金処理機が、前記情報取得ステップにおいて取得された前記情報に応じて複数の異なる入金処理を切り替えて実行する処理実行ステップと、を含み、
複数の異なる前記入金処理は、オンライン入金処理及びオフライン入金処理であり、
前記オンライン入金処理は、入金された金額を示す入金金額情報を前記入金処理機から勘定系ホストコンピュータに送信する処理であり、
前記オフライン入金処理は、前記入金金額情報を前記入金処理機から前記勘定系ホストコンピュータ
及びテラー端末に送信せずにテラープリンタへ送信する処理であ
り、
前記テラー端末が、テラーから前記入金金額情報の入力を受け付けて、入力された前記入金金額情報を前記勘定系ホストコンピュータへ送信する送信ステップを含む入金処理方法。
【請求項9】
入金処理システムにおいて実行される入金処理方法であって、
入金処理機が、受け付けた情報媒体から情報を取得する情報取得ステップと、
前記入金処理機が、前記情報取得ステップにおいて取得された前記情報に応じて複数の異なる入金処理を切り替えて実行する処理実行ステップと、を含み、
複数の異なる前記入金処理は、オンライン入金処理及びオフライン入金処理であり、
前記オンライン入金処理は、入金された金額を示す入金金額情報を前記入金処理機から勘定系ホストコンピュータに送信する処理であり、
前記オフライン入金処理は、前記入金金額情報を前記入金処理機から前記勘定系ホストコンピュータ
及びテラー端末に送信せずに、
前記入金処理機が備える印字部を制御して前記入金金額情報を印字する処理であ
り、
前記テラー端末が、テラーから前記入金金額情報の入力を受け付けて、入力された前記入金金額情報を前記勘定系ホストコンピュータへ送信する送信ステップを含む入金処理方法。
【請求項10】
入金処理を実行する入金処理システムであって、
顧客からの入金を受け付ける入金処理機と、
テラープリンタと、
テラー端末と、
前記入金処理機及び勘定系ホストコンピュータと通信可能な中継コンピュータと、
前記入金処理機に備えられ、受け付けた情報媒体から情報を取得する情報取得部と、
前記中継コンピュータに備えられ、前記情報取得部が取得した前記情報に応じて複数の異なる前記入金処理を切り替えて実行する処理実行部と
、を備え、
前記入金処理機は、入金された金額を示す入金金額情報を前記中継コンピュータへ送信し、
複数の異なる前記入金処理は、オンライン入金処理及びオフライン入金処理であり、
前記オンライン入金処理は、
前記入金金額情報を前記中継コンピュータから前記勘定系ホストコンピュータに送信する処理であり、
前記オフライン入金処理は、前記入金金額情報を前記中継コンピュータから前記勘定系ホストコンピュータ
及び前記テラー端末に送信せずに
前記テラープリンタへ送信する処理であ
り、
前記テラー端末は、テラーから前記入金金額情報の入力を受け付けて、入力された前記入金金額情報を前記勘定系ホストコンピュータへ送信する、入金処理システム。
【請求項11】
入金処理を実行する入金処理システムであって、
印字部を備え顧客からの入金を受け付ける入金処理機と、
テラー端末と、
前記入金処理機及び勘定系ホストコンピュータと通信可能な中継コンピュータと、
前記入金処理機に備えられ、受け付けた情報媒体から情報を取得する情報取得部と、
前記中継コンピュータに備えられ、前記情報取得部が取得した前記情報に応じて複数の異なる前記入金処理を切り替えて実行する処理実行部と
、を備え、
前記入金処理機は、入金された金額を示す入金金額情報を前記中継コンピュータへ送信し、
複数の異なる前記入金処理は、オンライン入金処理及びオフライン入金処理であり、
前記オンライン入金処理は、
前記入金金額情報を前記中継コンピュータから前記勘定系ホストコンピュータに送信する処理であり、
前記オフライン入金処理は、前記入金金額情報を前記中継コンピュータから前記勘定系ホストコンピュータ
及び前記テラー端末に送信せずに、前記印字部を制御して前記入金金額情報を印字する処理であ
り、
前記テラー端末は、テラーから前記入金金額情報の入力を受け付けて、入力された前記入金金額情報を前記勘定系ホストコンピュータへ送信する、入金処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入金処理機、入金処理方法、及び入金処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関における入金は、窓口でテラーに伝票と現金を渡すことにより行われていた。大口の入金の場合には、テラーが後方の係員に現金を渡し、その係員が現金の金額を計算して出納印の押印又は認証を行う。係員が押印又は認証された伝票をテラーに渡す。テラーが伝票に従って端末操作を行って、入金データをホストコンピュータに入力する。そして、記帳された通帳を顧客に手渡して処理が終了する。
【0003】
特許文献1には、銀行等の金融機関に設置され、顧客からの現金の入金を受け付けるロビー入金機が記載されている。この特許文献1では、大口の入金の顧客に対して、このロビー入金機により現金を入金してもらい、その金額データをカウンタ内に設置したプリンタに送信し、印字出力された伝票を見てテラーが端末に入力処理を行うというシステムが提案されている。
【0004】
特許文献2には、入金処理受付システムが記載されている。このシステムは、優先番号発行手段を有するロビー入金機と、コントローラとを備えている。ロビー入金機で顧客が現金を入金すると、優先番号が発行される。コントローラは、ロビー入金機から優先番号が発行されると、最後尾の受付番号よりも前で、且つ、先の優先番号よりも後の所定の位置に優先番号を割り込ませるようにして、受付番号を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-20621号公報
【文献】特開2005-25623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
銀行等の金融機関では、近年の労働者不足及び賃金上昇のため省力化が求められており、そして同時に顧客満足度の向上も求められている。特許文献1の技術よれば、現金計算業務をテラーで完結させて後方の係員の事務処理を削減することができるが、顧客満足度を高めることは意図されていない。特許文献2の技術によれば、ロビー入金機で入金した顧客は自分の順番が早くなるので顧客満足度は向上するが、銀行側の業務の省力化は意図されていない。
【0007】
本発明の目的は、入金処理において業務の省力化と顧客満足度の向上とを両立できる入金処理機、入金処理方法、及び入金処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る入金処理システムの特徴は、入金処理を実行する入金処理システムであって、入金処理機と、テラープリンタと、テラー端末と、を備え、前記入金処理機は、受け付けた情報媒体から情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した前記情報に応じて複数の異なる前記入金処理を切り替えて実行する処理実行部と、を備え、複数の異なる前記入金処理は、オンライン入金処理及びオフライン入金処理であり、前記オンライン入金処理は、入金された金額を示す入金金額情報を前記入金処理機から勘定系ホストコンピュータに送信する処理であり、前記オフライン入金処理は、前記入金金額情報を前記入金処理機から前記勘定系ホストコンピュータ及び前記テラー端末に送信せずに前記テラープリンタへ送信する処理であり、前記テラー端末は、テラーから前記入金金額情報の入力を受け付けて、入力された前記入金金額情報を前記勘定系ホストコンピュータへ送信する点にある。
本発明に係る入金処理システムの特徴は、入金処理を実行する入金処理システムであって、入金処理機と、テラー端末と、を備え、前記入金処理機は、受け付けた情報媒体から情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した前記情報に応じて複数の異なる前記入金処理を切り替えて実行する処理実行部と、印字部と、を備え、複数の異なる前記入金処理は、オンライン入金処理及びオフライン入金処理であり、前記オンライン入金処理は、入金された金額を示す入金金額情報を前記入金処理機から勘定系ホストコンピュータに送信する処理であり、前記オフライン入金処理は、前記入金金額情報を前記入金処理機から前記勘定系ホストコンピュータ及び前記テラー端末に送信せずに、前記印字部を制御して前記入金金額情報を印字する処理であり、前記テラー端末は、テラーから前記入金金額情報の入力を受け付けて、入力された前記入金金額情報を前記勘定系ホストコンピュータへ送信する点にある。
【0009】
本発明に係る入金処理方法の特徴は、入金処理システムにおいて実行される入金処理方法であって、入金処理機が、受け付けた情報媒体から情報を取得する情報取得ステップと、前記入金処理機が、前記情報取得ステップにおいて取得された前記情報に応じて複数の異なる入金処理を切り替えて実行する処理実行ステップと、を含み、複数の異なる前記入金処理は、オンライン入金処理及びオフライン入金処理であり、前記オンライン入金処理は、入金された金額を示す入金金額情報を前記入金処理機から勘定系ホストコンピュータに送信する処理であり、前記オフライン入金処理は、前記入金金額情報を前記入金処理機から前記勘定系ホストコンピュータ及びテラー端末に送信せずにテラープリンタへ送信する処理であり、前記テラー端末が、テラーから前記入金金額情報の入力を受け付けて、入力された前記入金金額情報を前記勘定系ホストコンピュータへ送信する送信ステップを含む点にある。
本発明に係る入金処理方法の特徴は、入金処理システムにおいて実行される入金処理方法であって、入金処理機が、受け付けた情報媒体から情報を取得する情報取得ステップと、前記入金処理機が、前記情報取得ステップにおいて取得された前記情報に応じて複数の異なる入金処理を切り替えて実行する処理実行ステップと、を含み、複数の異なる前記入金処理は、オンライン入金処理及びオフライン入金処理であり、前記オンライン入金処理は、入金された金額を示す入金金額情報を前記入金処理機から勘定系ホストコンピュータに送信する処理であり、前記オフライン入金処理は、前記入金金額情報を前記入金処理機から前記勘定系ホストコンピュータ及びテラー端末に送信せずに、前記入金処理機が備える印字部を制御して前記入金金額情報を印字する処理であり、前記テラー端末が、テラーから前記入金金額情報の入力を受け付けて、入力された前記入金金額情報を前記勘定系ホストコンピュータへ送信する送信ステップを含む点にある。
【0010】
本発明によれば、入金処理機において入金処理が実行されるので、係員が現金を計数する必要がなく、業務の省力化を実現することができる。そして、情報媒体から取得した情報に応じて自動的に入金処理が切り替わるため、顧客は入金処理を選択操作することなく、提示した情報媒体に応じたサービスを受けることができる。従って、顧客の手間が削減されるので、顧客満足度を向上することができる。すなわち、入金処理において業務の省力化と顧客満足度の向上とを両立することができる。なお「情報媒体」とは、入金処理機に情報を取得させることが可能な媒体であればよく、例えば、入金処理機に読み取らせるカード、バーコード、二次元コード、入金処理機と通信するICタグ等である。
また本発明によれば、情報媒体から取得した情報に応じて自動的にオンライン入金処理とオフライン入金処理とが切り替わるので、顧客はこれらの処理を選択操作することなく、入金処理機に受け付けさせる情報媒体に応じたオンライン入金又はオフライン入金を行うことができる。従って、顧客の手間が削減されるので、顧客満足度を向上することができる。
加えて、オンライン入金処理によれば、入金処理機から入金金額情報が勘定系ホストコンピュータへ送信されるので、顧客は窓口で更なる手続きを行うことなく入金を終えることができる。オフライン入金処理によれば、入金処理機から入金金額情報が勘定系ホストコンピュータへ送信されないので、入金に関して窓口で更なる手続き(例えば、入金処理機による現金入金と小切手による入金との合算)を行うことができる。すなわち本発明によれば、顧客は情報媒体を入金処理機に受け付けさせるだけで、選択操作を行うことなく、情報媒体に応じたいずれかのサービスを受けることができる。
【0015】
本発明においては、前記情報取得部は、前記情報媒体としての第1カード及び第2カードから情報の取得が可能なように構成されており、前記処理実行部は、前記情報取得部が前記第1カードから情報を取得したことに応じて前記オンライン入金処理を実行し、前記情報取得部が前記第2カードから情報を取得したことに応じて前記オフライン入金処理を実行すると好適である。
【0016】
本発明によれば、顧客は第1カード又は第2カードを入金処理機に読み取らせるだけで、選択操作を行うことなく、カードに応じた処理を実行させサービスを受けることができる。
【0017】
本発明においては、前記第1カードはキャッシュカードであり、前記第2カードは前記入金処理機用の入金カードであると好適である。
【0018】
本発明によれば、顧客がキャッシュカードを入金処理機に読み取らせるとオンライン入金処理が実行され、入金カードを入金専用機に読み取らせるとオフライン入金処理が実行される。すなわち本発明によれば、キャッシュカードを入金処理機でも使用でき、オンライン入金を行うことができるので、入金処理機の利便性が高まり、顧客満足度を向上することができる。
【0019】
本発明においては、前記第1カードは前記入金処理機用のオンライン入金カードであり、前記第2カードは前記入金処理機用のオフライン入金カードであると好適である。
【0020】
本発明によれば、顧客がオンライン入金カードを入金処理機に読み取らせるとオンライン入金処理が実行され、オフライン入金カードを入金処理機に読み取らせるとオフライン入金処理が実行される。すなわち、顧客の読み取らせるカードに応じて操作入力を要することなく自動的にオンライン入金又はオフライン入金を行うことができるので、入金処理機の利便性を高め、顧客満足度を向上することができる。
【0021】
本発明においては、実行する入金処理の選択入力を顧客から受け付ける入力受付部を更に備え、前記処理実行部は、前記情報取得部が取得した前記情報から複数の異なる入金処理のどれを実行するのか判別できない場合に、前記入力受付部が受け付けた前記選択入力に応じて複数の異なる前記入金処理を切り替えて実行すると好適である。
【0022】
本発明によれば、入金処理機により取り扱われる情報媒体が幅広いものとなる。例えば、取得した情報から何れの入金処理を実行するのか判別できない情報媒体であっても、入力受付部を備えることにより、顧客から選択入力を受け付けることができ、実行する入金処理を決定することができる。例えば、情報取得部が情報媒体としての預金通帳から情報を取得した場合に、オンライン入金処理とオフライン入金処理のいずれを実行するかの選択入力を入力受付部から受け付けるように入金処理機を構成する。これにより入金処理機の利便性が高まり、顧客満足度を向上することができる。
【0023】
本発明に係る入金処理機の特徴は、入金処理を実行する入金処理機であって、受け付けた情報媒体から情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した前記情報に応じて複数の異なる前記入金処理を切り替えて実行する処理実行部と、を備え、複数の異なる前記入金処理は、オンライン入金処理及びオフライン入金処理であり、前記オンライン入金処理は、入金された金額を示す入金金額情報を前記入金処理機から勘定系ホストコンピュータに送信する処理であり、前記オフライン入金処理は、前記入金金額情報を前記入金処理機から前記勘定系ホストコンピュータに送信せずにテラープリンタへ送信する処理であり、前記オフライン入金処理において、追加の入金を受け付ける別入金処理の実行が許容され、前記オンライン入金処理において前記別入金処理の実行が禁止されており、前記別入金処理において、先の入金とは別の入金金額情報が生成され、当該入金金額情報が前記入金処理機から前記勘定系ホストコンピュータに送信されずに前記テラープリンタへ送信される点にある。
【0024】
本発明によれば、オフライン入金の際に追加の入金を受け付け可能であるので、入金処理機の利便性が更に高まり、顧客満足度を向上することができる。また、オンライン入金の際には追加の入金を受け付けないので、煩雑な返金処理の発生が回避され好ましい。
【0025】
本発明に係る入金処理システムの特徴は、入金処理を実行する入金処理システムであって、顧客からの入金を受け付ける入金処理機と、テラープリンタと、テラー端末と、前記入金処理機及び勘定系ホストコンピュータと通信可能な中継コンピュータと、前記入金処理機に備えられ、受け付けた情報媒体から情報を取得する情報取得部と、前記中継コンピュータに備えられ、前記情報取得部が取得した前記情報に応じて複数の異なる前記入金処理を切り替えて実行する処理実行部と、を備え、前記入金処理機は、入金された金額を示す入金金額情報を前記中継コンピュータへ送信し、複数の異なる前記入金処理は、オンライン入金処理及びオフライン入金処理であり、前記オンライン入金処理は、前記入金金額情報を前記中継コンピュータから前記勘定系ホストコンピュータに送信する処理であり、前記オフライン入金処理は、前記入金金額情報を前記中継コンピュータから前記勘定系ホストコンピュータ及び前記テラー端末に送信せずに前記テラープリンタへ送信する処理であり、前記テラー端末は、テラーから前記入金金額情報の入力を受け付けて、入力された前記入金金額情報を前記勘定系ホストコンピュータへ送信する点にある。
本発明に係る入金処理システムの特徴は、入金処理を実行する入金処理システムであって、印字部を備え顧客からの入金を受け付ける入金処理機と、テラー端末と、前記入金処理機及び勘定系ホストコンピュータと通信可能な中継コンピュータと、前記入金処理機に備えられ、受け付けた情報媒体から情報を取得する情報取得部と、前記中継コンピュータに備えられ、前記情報取得部が取得した前記情報に応じて複数の異なる前記入金処理を切り替えて実行する処理実行部と、を備え、前記入金処理機は、入金された金額を示す入金金額情報を前記中継コンピュータへ送信し、複数の異なる前記入金処理は、オンライン入金処理及びオフライン入金処理であり、前記オンライン入金処理は、前記入金金額情報を前記中継コンピュータから前記勘定系ホストコンピュータに送信する処理であり、前記オフライン入金処理は、前記入金金額情報を前記中継コンピュータから前記勘定系ホストコンピュータ及び前記テラー端末に送信せずに、前記印字部を制御して前記入金金額情報を印字する処理であり、前記テラー端末は、テラーから前記入金金額情報の入力を受け付けて、入力された前記入金金額情報を前記勘定系ホストコンピュータへ送信する、点にある。
【0026】
本発明によれば、入金処理システムにおいて入金処理が実行されるので、係員が現金を計数する必要がなく、業務の省力化を実現することができる。そして、情報媒体から取得した情報に応じて自動的に入金処理が切り替わるため、顧客は入金処理を選択操作することなく、提示した情報媒体に応じたサービスを受けることができる。従って、顧客の手間が削減されるので、顧客満足度を向上することができる。すなわち、入金処理において業務の省力化と顧客満足度の向上とを両立することができる。なお「情報媒体」とは、入金処理機に情報を取得させることが可能な媒体であればよく、例えば、入金処理機に読み取らせるカード、バーコード、二次元コード、入金処理機と通信するICタグ等である。
また本発明によれば、情報媒体から取得した情報に応じて自動的にオンライン入金処理とオフライン入金処理とが切り替わるので、顧客はこれらの処理を選択操作することなく、入金処理機に受け付けさせる情報媒体に応じたオフライン入金又はオンライン入金を行うことができる。従って、顧客の手間が削減されるので、顧客満足度を向上することができる。
加えてオンライン入金処理によれば、中継コンピュータから入金金額情報が勘定系ホストコンピュータへ送信されるので、顧客は窓口で更なる手続きを行うことなく入金を終えることができる。オフライン入金処理によれば、中継コンピュータから入金金額情報が勘定系ホストコンピュータへ送信されないので、入金に関して窓口で更なる手続き(例えば、入金処理機による現金入金と小切手による入金との合算)を行うことができる。すなわち本発明によれば、顧客は情報媒体を入金処理機に受け付けさせるだけで、選択操作を行うことなく、情報媒体に応じたいずれかのサービスを受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図3】入金システムで行われる処理を示すフローチャートである。
【
図4】オンライン入金処理を示すフローチャートである。
【
図5】オフライン入金処理を示すフローチャートである。
【
図8】オンライン入金処理を示すフローチャートである。
【
図9】オフライン入金処理を示すフローチャートである。
【
図10】データ中継処理を示すフローチャートである。
【
図11】入金システムで行われる処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
〔第1実施形態〕
以下、本発明に係る入金処理機、入金処理方法、及び入金処理システムの実施の形態であるロビー入金機、入金処理方法、及び入金システムについて、図面に基づいて説明する。なお本発明は、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0035】
〔入金システムの概要〕
図1を参照しながら、入金システム1(入金処理システムの一例)の概要を説明する。入金システム1は、銀行等の金融機関において用いられるシステムであって、入金処理を実行するシステムである。入金システム1は、ロビー入金機2(入金処理機の一例)、テラープリンタ3、及びテラー端末4を備えている。
【0036】
ロビー入金機2は、金融機関の店舗に設置され、顧客からの現金の入金を受け付ける装置である。本実施形態では、ロビー入金機2は、ATMと異なり、現金を払い出す機能(出金機能)を有さない入金手続専用の装置(入金専用機)である。ロビー入金機2は、通信ネットワークを通じてテラープリンタ3及び勘定系ホストコンピュータHと通信可能である。なお、本実施形態において「現金」とは紙幣と硬貨の両方を指すものとする。
【0037】
ロビー入金機2は、顧客からカードC(情報媒体の一例)の挿入を受け付けて、挿入されたカードCから情報(例えば、口座番号やカードの種別等)を取得する。そしてロビー入金機2は、カードCから取得した情報に応じて、複数の異なる入金処理を切り替えて実行する。本実施形態では、ロビー入金機2は、カードCからの種別に応じて、オンライン入金処理とオフライン入金処理とを切り替えて実行する。
【0038】
オンライン入金処理は、ロビー入金機2に入金された金額を示す入金金額情報を入金システム1(詳しくはロビー入金機2)から勘定系ホストコンピュータHに送信する処理である。入金金額情報は、例えば、ロビー入金機2への入金金額、入金の日時、科目、店番、口座番号等を示す情報である(以下同様)。本実施形態では、ロビー入金機2が入金金額情報(詳しくは、入金金額を示すデータ。以下同様。)を勘定系ホストコンピュータHへ送信する。オンライン入金処理によれば、入金金額情報がロビー入金機2から勘定系ホストコンピュータHに送信されるので、入金が即時に口座に反映される。従って、テラーが明細票の確認やテラー端末4での入力手続き等を行う必要がなく、顧客が窓口へ赴く必要も生じない。
【0039】
オフライン入金処理は、ロビー入金機2に入金された金額を示す入金金額情報を入金システム1から勘定系ホストコンピュータHに送信しない処理である。本実施形態では、ロビー入金機2が入金金額情報をテラープリンタ3へ送信すると共に、受付レシートを印字する。テラープリンタ3が、受信した入金金額情報に基づいて、入金金額情報(入金金額等)を示す明細書面を印字する。顧客は、ロビー入金機2が印字した受付レシートを持ち、テラーの窓口で手続きを行う。テラーが、テラープリンタ3にて印字された明細書面を確認し、入金金額情報をテラー端末4へ入力する。そしてテラーが、テラー端末4を操作して、入力された入金金額情報をテラー端末4から勘定系ホストコンピュータHへ送信する。オフライン入金処理によれば、ロビー入金機2で顧客からの入金を受け付けた上で、テラー窓口で手続きが行われるので、小切手など現金以外の入金(ロビー入金機2で受け付けることができない種別の入金、電子マネー等)を受け付けることができ、ロビー入金機2で受け付けた入金と窓口で受け付けた入金とを合わせて1件の入金の処理として取り扱うことが可能となる。
【0040】
そして本実施形態によれば、上述のオンライン入金処理とオフライン入金処理とが、ロビー入金機2が受け付けたカードの種別に応じて自動的に切り替わり実行される。これにより、顧客の手間が削減され、顧客満足度を向上することができる。
【0041】
また、顧客からの操作入力に応じてオンライン入金処理とオフライン入金処理とを切り替える形態では、顧客の操作ミスにより、顧客の意図しない入金処理が実行されてしまう可能性がある。例えば、オンライン入金処理を希望している場合に、操作ミスによりオフライン入金処理が選択され実行されてしまうと、顧客は入金の後で窓口に赴く必要が生じ、不満を感じるおそれがある。本実施形態によれば、このような操作ミス発生による顧客満足度の低下を抑制することができる。
【0042】
〔入金システムの構成〕
図1、
図2を参照しながら、入金システム1の構成の詳細について説明する。ロビー入金機2は、カード受付部11(情報取得部の一例)、印字部12、現金受付部13、排出部14、通信部15、表示部16、入力受付部17、制御部18(処理実行部の一例)、及び記憶部19を備えている。
【0043】
カード受付部11は、顧客からのカードCの挿入を受け付けて、カードCの備える磁気ストライプ又はICチップから情報を読み取る機構である。カード受付部11は、カードCから読み取った情報(詳しくは、当該情報を示すデータ)を制御部18へ送信する。
【0044】
本実施形態では、カード受付部11は、カードCとしてのキャッシュカード(第1カードの一例)及び入金カード(第2カードの一例)から情報の取得が可能なように構成されている。
【0045】
キャッシュカードとは、金融機関が口座開設者に発行し、ATM(現金自動預け入れ払い出し機)を操作する際の本人確認に用いられるカードであって、ATMにて口座への入金及び口座からの出金の両方が可能なカードである。カード受付部11がキャッシュカードから読み取る情報には、当該カードの種別(すなわち当該カードがキャッシュカードであることを示す情報)と、店番、及び口座番号が含まれる。
【0046】
入金カードとは、入金システム1(ロビー入金機2)用のカードであって、金融機関が口座開設者に対してキャッシュカードとは別に発行するカードである。入金カードは、ATMでは使用できず、入金システム1(ロビー入金機2)での入金のみを行うことができるカードである。入金カードが、入金システム1(ロビー入金機2)専用のカードであってもよい。カード受付部11が入金カードから読み取る情報には、当該カードの種別(すなわち当該カードが入金カードであることを示す情報)と、店番、及び口座番号が含まれる。
【0047】
制御部18は、カード受付部11がキャッシュカードから情報を取得したことに応じてオンライン入金処理を実行し、カード受付部11が入金カードから情報を取得したことに応じてオフライン入金処理を実行する。
【0048】
印字部12は、顧客へ提供する印字物を印字する。印字物は例えば、オンライン入金処理の際に提供される明細票や、オフライン入金処理の際に提供される受付票である。
【0049】
現金受付部13は、顧客から現金を受け付けて収納する機構である。現金受付部13は、顧客から受け付けた現金の金種及び数量を示す信号を制御部18へ送信する。なお
図1には、現金受付部13について紙幣を受け付ける機構と貨幣を受け付ける機構の両方が示されている。
【0050】
現金受付部13は、受入部13a、一時保留部13b、及び収納部13cを備えている。顧客から受け付けた現金は、まず受入部13aへ格納される。受入部13aへ格納された現金は、計数及び金種識別を受けながら一時保留部13bへ搬送され、一時保留部13bにて一時保留される。そして顧客から入金完了の操作入力を受けた後、一時保留部13bに一時保留された現金が収納部13cへ収納される。
【0051】
排出部14は、入金されず顧客へ返却される現金を排出する機構である。排出部14は、現金受付部13で搬送異常(斜行、連鎖、又は重送)、媒体異常(偽券又は損券)、又はその他の識別エラーと判定された現金を排出する。なお
図1には、排出部14について紙幣を排出する機構と貨幣を排出する機構の両方が示されている。
【0052】
通信部15は、通信ネットワークを介してテラープリンタ3及び勘定系ホストコンピュータH等とデータの送受信を行う機構である。
【0053】
表示部16は、種々の画面を表示して顧客に情報を提示する機構である。本実施形態では、表示部16は液晶ディスプレイ装置である。
【0054】
入力受付部17は、操作入力を顧客から受け付け、受け付けた操作入力に応じた信号を制御部18へ送信する機構である。本実施形態では、入力受付部17は表示部16に重ねて配置されたタッチパネル式入力装置である。入力受付部17が、キースイッチや音声入力装置等であってもよい。
【0055】
制御部18は、ロビー入金機2の動作を制御する制御部であり、処理判別部18a、表示制御部18b、現金処理部18c、入力判別部18d、データ生成部18e、通信制御部18f、及び印字制御部18gを有して構成される。実際には、各機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、それらプログラムをCPUにロードして実行することにより、各機能部に対応するプロセスが実行される。
【0056】
制御部18は、上述した各機能部により実行されるプロセスにより、カード受付部11が取得した情報に応じて複数の異なる入金処理を切り替えて実行する。本実施形態では、複数の異なる入金処理は、上述したオンライン入金処理及びオフライン入金処理である。すなわち制御部18は、カード受付部11がカードCから取得した情報に応じてオンライン入金処理とオフライン入金処理とを切り替えて実行する。
【0057】
処理判別部18aは、カード受付部11から受信した情報に基づいて、複数の異なる入金処理のうち何れを実行するかを決定する。詳しくは、処理判別部18aは、カード受付部11から受信した情報が、カードCがキャッシュカードであることを示していることに応じて、オンライン入金処理を実行する旨を決定する。処理判別部18aは、カード受付部11から受信した情報が、カードCが入金カードであることを示していることに応じて、オフライン入金処理を実行する旨を決定する。
【0058】
表示制御部18bは、表示部16を制御して、表示部16に種々の画面を表示させる。例えば、表示制御部18bは、オンライン入金処理において表示部16に入金完了確認画面及び記帳案内画面を表示させ、オフライン入金処理において表示部16に入金完了確認画面及び窓口案内画面を表示させる。これら画面の表示内容については後述する。
【0059】
現金処理部18cは、現金受付部13及び排出部14を制御して、受入部13aへ投入された現金の計数や搬送、現金の一時保留部13b及び収納部13cへの格納、現金の排出部14への排出等を実行させる。
【0060】
入力判別部18dは、入力受付部17からの信号に基づいて、顧客から何れの操作入力を受け付けたかを判別する。
【0061】
データ生成部18eは、ロビー入金機2に入金された金額を示す入金金額情報(詳しくは、当該情報を示すデータ)を生成し、記憶部19へ記憶させる。本実施形態では、データ生成部18eは、オンライン入金処理においては、勘定系ホストコンピュータHが受信して入金金額を口座情報へ反映する処理が実行可能な形態にて、入金金額情報を生成する。そしてデータ生成部18eは、オフライン入金処理においては、テラープリンタ3が受信して入金金額等を示す明細書面を印刷可能な形態にて、入金金額情報を生成する。
【0062】
通信制御部18fは、通信部15を制御して、データ生成部18eが生成し記憶部19に記憶されている入金金額情報を外部へ送信する。本実施形態では、通信制御部18fは、オンライン入金処理においては入金金額情報を勘定系ホストコンピュータHへ送信し、オフライン入金処理においては入金金額情報をテラープリンタ3へ送信する。
【0063】
記憶部19は、データを記憶するデバイスであり、HDDや不揮発性RAMといった記憶デバイスで構成される。記憶部19は、制御部18で実行されるプログラムの記憶や、制御部18の動作に際してデータの一時記憶等に用いられる。本実施形態では、記憶部19は、データ生成部18eが生成した入金金額情報を記憶する。
【0064】
テラープリンタ3は、通信ネットワークを介してロビー入金機2と通信可能、且つ、受信した情報を示す書面を印字可能に構成されている。
【0065】
テラー端末4は、通信ネットワークを介して勘定系ホストコンピュータHと通信可能な端末装置であって、窓口に配置されてテラーに操作される端末装置である。テラー端末4は、例えばパーソナルコンピュータである。詳しくは、テラー端末4は、テラーから入金処理に係る情報(入金金額、店番、口座番号等)の入力を受け付けて、受け付けた情報を勘定系ホストコンピュータHへ送信可能に構成されている。
【0066】
〔入金システムの動作〕
図3のフローチャートを参照しながら入金システム1の動作について説明し、入金システム1で実行される入金処理方法について説明する。
【0067】
ロビー入金機2のカード受付部11へカードCが挿入されると、カード受付部11がカードCから情報を取得し、制御部18へ送信する(#101)。
【0068】
制御部18の処理判別部18aが、カード受付部11から受信した情報に基づいて、実行すべき入金処理を判別する(#102)。本実施形態では、処理判別部18aは、受け付けたカードCがキャッシュカードであることをカード受付部11から受信した情報が示していることに応じて、実行すべき入金処理がオンライン入金処理であると判別する。処理判別部18aは、受け付けたカードCが入金カードであることをカード受付部11から受信した情報が示していることに応じて、実行すべき入金処理がオフライン入金処理であると判別する。
【0069】
処理判別部18aによる判別結果がオンライン入金処理であったことに応じて(#103:Yes)、制御部18はオンライン入金処理を実行する(#104)。処理判別部18aによる判別結果がオフライン入金処理であったことに応じて(#103:No)、制御部18はオフライン入金処理を実行する(#105)。
【0070】
〔オンライン入金処理〕
図4のフローチャートを参照しながら、オンライン入金処理について説明する。
【0071】
現金処理部18cが、現金受付部13を制御して受入部13aの投入口を開放させ、顧客からの現金の投入を待機する。受入部13aへ現金が投入されると、現金投入口を閉じ、現金を受入部13aへ格納する(#201)。
【0072】
現金処理部18cが、現金受付部13を制御して受入部13aの現金を一時保留部13bへ搬送させ、現金の計数及び金種識別を行わせる(#202)。そして、現金を一時保留部13bへ一時保留させる(#203)。
【0073】
表示制御部18bが、表示部16を制御して、入金完了確認画面を表示部16に表示させる(#204)。入金完了画面には、入金額及び金種毎の数量が示されると共に、追加計数ボタン及び完了ボタンが配置される。顧客が画面の追加計数ボタンを押すと、追加計数の操作入力が入力受付部17に受け付けられ、その旨を示す信号が入力受付部17から制御部18へ送信される。顧客が画面の完了ボタンを押すと、入金完了の操作入力が入力受付部17に受け付けられ、その旨を示す信号が入力受付部17から制御部18へ送信される。
【0074】
制御部18が、入力受付部17からの信号を監視する(#205)。追加計数の操作入力を受け付けた旨を示す信号を入力受付部17から受信したことに応じて(#205:Yes)、制御部18は再び#201から処理を実行し、現金受付部13への顧客からの追加の現金投入を受け付ける。
【0075】
追加計数の操作入力を受け付けた旨を示す信号を入力受付部17から受信せず(#205:No)、入金完了の操作入力を受け付けた旨を示す信号を入力受付部17から受信しないことに応じて(#206:No)、制御部18は入力受付部17からの信号の監視を継続する(#205)。
【0076】
追加計数の操作入力を受け付けた旨を示す信号を入力受付部17から受信せず(#205:No)、入金完了の操作入力を受け付けた旨を示す信号を入力受付部17から受信したことに応じて(#206:Yes)、現金処理部18cが、現金受付部13を制御して、一時保留部13bに一時保留された現金を収納部13cへ収納させる(#207)。
【0077】
データ生成部18eが、ロビー入金機2に入金された金額、すなわち収納部13cへ収納された金額を示す入金金額情報を生成し、記憶部19へ一時記憶させる(#208)。入金金額情報は、勘定系ホストコンピュータHが受信して入金金額を口座情報へ反映する処理が実行可能な形態にて、生成される。
【0078】
通信制御部18fが、通信部15を制御して、記憶部19へ一時記憶された入金金額情報を勘定系ホストコンピュータHへ送信する(#209)。
【0079】
印字制御部18gが、印字部12を制御して、オンライン入金処理の結果を示す明細票を印字させる(#210)。明細票には、入金金額、入金の日時、口座番号等が印字される。
【0080】
制御部18が、カード受付部11を制御して、顧客から挿入されたカードCをカード受付部11から排出させる(#211)。
【0081】
表示制御部18bが、表示部16を制御して、記帳案内画面を表示部16に表示させる(#212)。そして制御部18が、オンライン入金処理を終了する。
【0082】
記帳案内画面は、カードC及び明細票の受け取りを顧客に促し、オンライン入金処理が完了した旨を顧客に報知し、通帳の記帳手続きを顧客に促す画面である。例えば、記帳案内画面には、「明細票・カードをお取りください」、「ATMで記帳を行ってください」、「ご利用ありがとうございました」、「口座にご入金いたします」の文字列が示される。
【0083】
記帳案内画面が2つに分けられて、順に表示されてもよい。例えば、まず第1の画面が表示され、顧客がカードC及び明細票を受け取ったことに応じて、第2の画面が表示されてもよい。この場合、第1の画面に「明細票・カードをお取りください」及び「ATMで記帳を行ってください」の文字列が示され、第2の画面に「ご利用ありがとうございました」及び「口座にご入金いたします」の文字列が示されると好適である。
【0084】
なお、オンライン入金処理の実行中、入金完了の操作入力を受け付けた旨を示す信号を入力受付部17から受信するまでの間(#201から#206:Yesまで)、表示部16に表示される画面には取消ボタンが配置される。顧客が画面の取消ボタンを押すと、手続取消の操作入力が入力受付部17に受け付けられ、その旨を示す信号が入力受付部17から制御部18へ送信される。手続取消の操作入力を受け付けた旨を示す信号を入力受付部17から受信したことに応じて、制御部18は、現金受付部13及び排出部14を制御して、受入部13a又は一時保留部13bにある現金を顧客が取り出し可能な状態とする。具体的には制御部18は、受入部13aの投入口を開放させ、又は、一時保留部13bに一時保留された現金を排出部14へ搬送させて排出部14から排出させる。
【0085】
また、オンライン入金処理の実行中には、その旨を示す文字列やアイコン等が表示部16に表示されると好ましい。例えば、「口座入金」の文字列が表示部16に表示される。
【0086】
〔オフライン入金処理〕
図5のフローチャートを参照しながら、オフライン入金処理について説明する。なお、以下説明する#301,#302,#303,#305,#307,#308,#312の処理は、オフライン入金処理の#201,#202,#203,#205,#306,#207,#211の処理とほぼ同じ内容である。
【0087】
現金処理部18cが、現金受付部13を制御して受入部13aの投入口を開放させ、顧客からの現金の投入を待機する。受入部13aへ現金が投入されると、現金投入口を閉じ、現金を受入部13aへ格納する(#301)。
【0088】
現金処理部18cが、現金受付部13を制御して受入部13aの現金を一時保留部13bへ搬送させ、現金の計数及び金種識別を行わせる(#302)。そして、現金を一時保留部13bへ一時保留させる(#303)。
【0089】
表示制御部18bが、表示部16を制御して、入金完了確認画面を表示部16に表示させる(#304)。入金完了画面には、入金額及び金種毎の数量が示されると共に、追加計数ボタン、別入金ボタン及び完了ボタンが配置される。顧客が画面の追加計数ボタンを押すと、追加計数の操作入力が入力受付部17に受け付けられ、その旨を示す信号が入力受付部17から制御部18へ送信される。顧客が画面の別入金ボタンを押すと、別入金の操作入力が入力受付部17に受け付けられ、その旨を示す信号が入力受付部17から制御部18へ送信される。顧客が画面の完了ボタンを押すと、入金完了の操作入力が入力受付部17に受け付けられ、その旨を示す信号が入力受付部17から制御部18へ送信される。
【0090】
制御部18が、入力受付部17からの信号を監視する(#305)。追加計数の操作入力を受け付けた旨を示す信号を入力受付部17から受信したことに応じて(#305:Yes)、制御部18は再び#301から処理を実行し、現金受付部13への顧客からの追加の現金投入を受け付ける。
【0091】
追加計数の操作入力を受け付けた旨を示す信号を入力受付部17から受信せず(#305:No)、別入金の操作入力を受け付けた旨を示す信号を入力受付部17から受信せず(#306:No)、入金完了の操作入力を受け付けた旨を示す信号を入力受付部17から受信しないことに応じて(#307:No)、制御部18は入力受付部17からの信号の監視を継続する(#305)。
【0092】
入金完了の操作入力を受け付けた旨を示す信号を入力受付部17から受信したことに応じて(#307:Yes)、現金処理部18cが、現金受付部13を制御して、一時保留部13bに一時保留された現金を収納部13cへ収納させる(#308)。
【0093】
データ生成部18eが、ロビー入金機2に入金された金額、すなわち収納部13cへ収納された金額を示す入金金額情報を生成し、記憶部19へ一時記憶させる(#309)。入金金額情報は、テラープリンタ3が受信して入金金額等を示す明細書面を印刷可能な形態にて、生成される。
【0094】
通信制御部18fが、通信部15を制御して、記憶部19へ一時記憶された入金金額情報をテラープリンタ3へ送信する(#310)。
【0095】
印字制御部18gが、印字部12を制御して、オフライン入金処理の結果を示す受付票を印字させる(#311)。受付票には、入金金額、入金の日時、口座番号、受付番号等が印字される。受付番号は、テラーからの呼び出しに用いられる番号である。
【0096】
制御部18が、カード受付部11を制御して、顧客から挿入されたカードCをカード受付部11から排出させる(#312)。
【0097】
表示制御部18bが、表示部16を制御して、窓口案内画面を表示部16に表示させる(#313)。そして制御部18が、オフライン入金処理を終了する。
【0098】
窓口案内画面は、オフライン入金処理が完了した旨を顧客に報知し、窓口への移動を顧客に促す画面である。例えば、窓口案内画面には、「受付票・カードをお取りください」、「受付処理をしますので、窓口までおこしください」、「ご利用ありがとうございました」及び「当日中に受付票を当店窓口までご持参ください」の文字列が示される。
【0099】
窓口案内画面が2つに分けられて、順に表示されてもよい。例えば、まず第1の画面が表示され、顧客がカードC及び受付票を受け取ったことに応じて、第2の画面が表示されてもよい。この場合、第1の画面に「受付票・カードをお取りください」及び「受付処理をしますので、窓口までおこしください」の文字列が示され、第2の画面に「ご利用ありがとうございました」及び「当日中に受付票を当店窓口までご持参ください」の文字列が示されると好適である。
【0100】
なお、オフライン入金処理の実行中、入金完了の操作入力を受け付けた旨を示す信号を入力受付部17から受信するまでの間(#301から#307:Yesまで、#314~#316の実行中を含む)、表示部16に表示される画面には取消ボタンが配置される。顧客が画面の取消ボタンを押すと、手続取消の操作入力が入力受付部17に受け付けられ、その旨を示す信号が入力受付部17から制御部18へ送信される。手続取消の操作入力を受け付けた旨を示す信号を入力受付部17から受信したことに応じて、制御部18は、現金受付部13及び排出部14を制御して、受入部13a又は一時保留部13bにある現金を顧客が取り出し可能な状態とする。具体的には制御部18は、受入部13aの投入口を開放させ、又は、一時保留部13bに一時保留された現金を排出部14へ搬送させて排出部14から排出させる。
【0101】
また、オフライン入金処理の実行中には、その旨を示す文字列やアイコン等が表示部16に表示されると好ましい。例えば、「窓口入金」の文字列が表示部16に表示される。
【0102】
〔オフライン入金処理中の別入金処理〕
別入金の操作入力を受け付けた旨を示す信号を入力受付部17から受信したことに応じて(#306:Yes)、制御部18が#314から#316までの処理を実行する。#314から#316までの処理は、#308から#310までの処理と同様である。すなわち、一時保留部13bに一時保留された現金が収納部13cへ収納され(#314)、入金金額情報が生成され(#315)、入金金額情報がテラープリンタ3へ送信される(#316)。そして制御部18は再び#301から処理を実行する。すなわち、#301からの処理が再び実行され、ロビー入金機2が顧客から追加の入金を受け付ける。この追加入金について、先の入金とは別に入金金額を示すデータが生成され(#309又は#315)、テラープリンタ3へ再度データが送信される(#310又は#316)。本実施形態の入金システム1によれば、カードCを再び挿入する手間を要さず、同じ口座に対して追加の入金(別の手続としての入金)を行うことができるので、入金システム1の利便性を向上することができる。
【0103】
オフライン入金処理において別入金の操作入力を入力受付部17が受け付けたこと(#306:Yes)に応じて再び実行される#301以降の処理が、特許請求の範囲に記載された「別入金処理」の一例である。本実施形態では、オフライン入金処理において追加の入金を受け付ける別入金処理の実行が許容され、オンライン入金処理において別入金処理の実行が禁止されている。
【0104】
ここで、オンライン入金処理において別入金処理の実行が許容されると、以下の問題が生じる。別入金処理は、上述の通り、カードCを再挿入することなく同じ口座に追加の入金(換言すれば、複数回の入金)を行う手続であり、入金毎に入金金額情報が生成されてロビー入金機2から送信される。オンライン入金処理において別入金処理が実行されるとすると、その別入金処理を開始する前に、先の入金について入金金額情報が生成され勘定系ホストコンピュータHへ送信される。そうすると、勘定系ホストコンピュータHは受信した入金金額情報に基づいて直ちに入金を口座情報へ反映する。ここで、別入金処理の実行中に顧客が取消ボタンを押した場合、入金を中止して顧客へ返金する必要がある。先の入金については既に勘定系ホストコンピュータHにより口座情報へ反映されてしまっているので、口座情報の修正(完了した手続の取り消し)が必要となり、処理が非常に煩雑となる。この問題を避けるため、本実施形態では、オンライン入金処理において別入金処理の実行が禁止されている。
【0105】
以上述べた通り、本実施形態に係るロビー入金機2は、顧客から受け付けたカードCから情報を取得するカード受付部11と、カード受付部11が取得した情報に応じて複数の異なる入金処理を切り替えて実行する制御部18と、を備える。
【0106】
そして、本実施形態に係るロビー入金機2において実行される入金処理方法は、顧客から受け付けたカードCから情報を取得する情報取得ステップ(#101)と、情報取得ステップにおいて取得された情報に応じて複数の異なる入金処理を切り替えて実行する処理実行ステップ(#102~#105)と、含む。
【0107】
〔第2実施形態〕
以下、本発明に係る入金処理機、入金処理方法、及び入金処理システムの別の実施形態について、図面に基づいて説明する。以下の説明では、上述の実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する場合がある。
【0108】
〔入金システムの概要〕
図6、
図7に示されるように、本実施形態の入金システム1Aは、上記の実施形態と内部構成が異なるロビー入金機2A、テラープリンタ3、及びテラー端末4を備え、更に中継コンピュータ5を備える。中継コンピュータ5は、勘定系ホストコンピュータHと通信可能なコンピュータである。
【0109】
オンライン入金処理は、ロビー入金機2Aに入金された金額を示す入金金額情報を中継コンピュータ5から勘定系ホストコンピュータHに送信する処理である。本実施形態では、ロビー入金機2Aが、オンライン用の入金金額情報を生成して、ロビー入金機2Aが備える記憶部19へ記憶させる。中継コンピュータ5は、ロビー入金機2Aの記憶部19を定期的に監視し、記憶部19にオンライン用の入金金額情報が記憶されたことに応じて、その入金金額情報を中継コンピュータ5へ送信させる。中継コンピュータ5は、ロビー入金機2Aから受信した情報に基づいて、勘定系ホストコンピュータHが受信して入金金額を口座情報へ反映する処理が実行可能な形態にて入金金額情報を生成し、勘定系ホストコンピュータHへ送信する。
【0110】
オフライン入金処理は、ロビー入金機2Aに入金された金額を示す入金金額情報を中継コンピュータ5から勘定系ホストコンピュータHに送信しない処理である。本実施形態では、ロビー入金機2Aが、オフライン用の入金金額情報を生成して、ロビー入金機2Aが備える記憶部19へ記憶させる。中継コンピュータ5は、ロビー入金機2Aの記憶部19を定期的に監視し、記憶部19にオフライン用の入金金額情報が記憶されたことに応じて、その入金金額情報を中継コンピュータ5へ送信させる。中継コンピュータ5は、ロビー入金機2Aから受信した情報に基づいて、テラープリンタ3が受信して入金金額等を示す明細書面を印刷可能な形態にて入金金額情報を生成し、テラープリンタ3へ送信する。
【0111】
本実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様に、オンライン入金処理において入金金額情報が入金システム1Aから勘定系ホストコンピュータHに送信され、入金が即時に口座に反映される。またオフライン入金処理によれば、ロビー入金機2Aで顧客からの入金を受け付けた上で、テラー窓口で手続きが行われる。そしてオンライン入金処理とオフライン入金処理とが、ロビー入金機2Aが受け付けたカードの種別に応じて自動的に切り替わり実行される。
【0112】
〔入金システムの構成〕
図7を参照しながら、入金システム1Aの構成の詳細について説明する。
【0113】
本実施形態に係るロビー入金機2Aについて、上述した第1実施形態と異なる構成を中心に説明する。ロビー入金機2Aのデータ生成部18eは、ロビー入金機2Aに入金された金額を示す入金金額情報(詳しくは、当該情報を示すデータ)を生成し、記憶部19へ記憶させる。本実施形態では、データ生成部18eは、オンライン入金処理においては、オンライン入金処理による入金である旨を示す情報を含む形態にて、入金金額情報(オンライン用入金金額情報、
図6)を生成する。そしてデータ生成部18eは、オフライン入金処理においては、オフライン入金処理による入金である旨を示す情報を含む形態にて、入金金額情報(オフライン用入金金額情報、
図6)を生成する。
【0114】
ロビー入金機2Aの通信制御部18fは、記憶部19へ記憶された入金金額情報を、自動的には送信しない。通信制御部18fは、中継コンピュータ5から送信要求を受けたことに応じて、記憶部19へ記憶された入金金額情報を中継コンピュータ5へ送信する。
【0115】
中継コンピュータ5は、通信ネットワークを介してロビー入金機2A、テラープリンタ3、及び勘定系ホストコンピュータHと通信可能なコンピュータである。中継コンピュータ5は、通信部31、制御部32、及び記憶部33を備えている。
【0116】
通信部31は、通信ネットワークを介してロビー入金機2A、テラープリンタ3、及び勘定系ホストコンピュータH等とデータの送受信を行う機構である。
【0117】
制御部32は、中継コンピュータ5の動作を制御する制御部であり、データ生成部32a、及び通信制御部32bを有して構成される。実際には、各機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、それらプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、各機能部に対応するプロセスが実行される。
【0118】
データ生成部32aは、ロビー入金機2Aから受信した情報に基づいて、ロビー入金機2Aに入金された金額を示す入金金額情報(詳しくは、当該情報を示すデータ)を生成し、記憶部33へ記憶させる。詳しくは、データ生成部32aは、ロビー入金機2Aから受信した情報に、オンライン入金処理による入金である旨を示す情報が含まれることに応じて、勘定系ホストコンピュータHが受信して入金金額を口座情報へ反映する処理が実行可能な形態にて、勘定系ホストコンピュータH用の入金金額情報を生成する。またデータ生成部32aは、ロビー入金機2Aから受信した情報に、オフライン入金処理による入金である旨を示す情報が含まれることに応じて、テラープリンタ3が受信して入金金額等を示す明細書面を印刷可能な形態にて、テラープリンタ3用の入金金額情報を生成する。なお、ここでいう「入金金額情報の生成」とは、新たに入金金額情報を生成することだけでなく、勘定系ホストコンピュータH(又はテラープリンタ3)が受信・処理可能な形態へロビー入金機2Aから受信した情報を加工・修正することを含む。
【0119】
通信制御部32bは、通信部31を制御して、データ生成部32aが勘定系ホストコンピュータH用の入金金額情報を生成したことに応じて、記憶部33に記憶されている当該入金金額情報を勘定系ホストコンピュータHへ送信する。また通信制御部32bは、通信部31を制御して、データ生成部32aがテラープリンタ3用の入金金額情報を生成したことに応じて、記憶部33に記憶されている当該入金金額情報をテラープリンタ3へ送信する。
【0120】
記憶部33は、データを記憶するデバイスであり、HDDや不揮発性RAMといった記憶デバイスで構成される。記憶部33は、制御部32で実行されるプログラムの記憶や、制御部32の動作に際してデータの一時記憶等に用いられる。本実施形態では、記憶部33は、データ生成部32aが生成した入金金額情報を記憶する。
【0121】
〔入金システムの動作〕
本実施形態においても、入金システム1Aは、
図3のフローチャートに従って動作し、処理判別部18aによる判別結果がオンライン入金処理であったことに応じて(#103:Yes)、制御部18はオンライン入金処理を実行する(#104)。処理判別部18aによる判別結果がオフライン入金処理であったことに応じて(#103:No)、制御部18はオフライン入金処理を実行する(#105)。
【0122】
〔オンライン入金処理〕
図8のフローチャートを参照しながら、本実施形態のオンライン入金処理について説明する。#401~#407の処理は、第1実施形態の#201~#207(
図4)の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0123】
データ生成部18eが、ロビー入金機2Aに入金された金額、すなわち収納部13cへ収納された金額を示すオンライン用入金金額情報を生成する(#408)。オンライン用入金金額情報は、オンライン入金処理による入金である旨を示す情報を含む形態にて、生成される。
【0124】
データ生成部18eが、#408で生成したオンライン用の入金金額情報を記憶部19へ記憶させる。そして中継コンピュータ5によりデータ中継処理(後述)が実行され、中継コンピュータ5から勘定系ホストコンピュータHへ入金金額情報が送信される(#409)。
【0125】
#410~#412の処理は、第1実施形態の#210~#212(
図4)の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0126】
〔オフライン入金処理〕
図9のフローチャートを参照しながら、本実施形態のオフライン入金処理について説明する。#501~#508の処理は、第1実施形態の#301~#308(
図5)の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0127】
データ生成部18eが、ロビー入金機2Aに入金された金額、すなわち収納部13cへ収納された金額を示すオフライン用入金金額情報を生成する(#509)。オフライン用入金金額情報は、オフライン入金処理による入金である旨を示す情報を含む形態にて、生成される。
【0128】
データ生成部18eが、#509で生成したオフライン用の入金金額情報を記憶部19へ記憶させる。そして中継コンピュータ5によりデータ中継処理(後述)が実行され、中継コンピュータ5からテラープリンタ3へ入金金額情報が送信される(#510)。
【0129】
#511~#514の処理は、第1実施形態の#311~#314(
図5)の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0130】
データ生成部18eが、ロビー入金機2Aに入金された金額、すなわち収納部13cへ収納された金額を示すオフライン用入金金額情報を生成する(#515)。オフライン用入金金額情報は、オフライン入金処理による入金である旨を示す情報を含む形態にて、生成される。
【0131】
データ生成部18eが、#515で生成したオフライン用の入金金額情報を記憶部19へ記憶させる。そして中継コンピュータ5によりデータ中継処理(後述)が実行され、中継コンピュータ5からテラープリンタ3へ入金金額情報が送信される(#516)。
【0132】
〔データ中継処理〕
図10のフローチャートを参照しながら、中継コンピュータ5で行われるデータ中継処理について説明する。
【0133】
中継コンピュータ5の制御部32が、通信部31を制御してロビー入金機2Aと通信し、ロビー入金機2Aの記憶部19に記憶されている情報を監視し(#601)、記憶部19に入金金額情報が記憶されているか否かを判定する(#602)。記憶部19に入金金額情報が記憶されていないと判定したことに応じて(#602:No)、#601の処理を継続する。
【0134】
記憶部19に入金金額情報が記憶されていると判定したことに応じて(#602:Yes)、制御部32は、記憶部19に記憶されている入金金額情報がオンライン入金処理によるものであるか否かを判定する(#603)。#603の判定は、入金金額情報が、オンライン入金処理による入金である旨を示す情報を含むか否かにより行われる。
【0135】
記憶部19に記憶されている入金金額情報がオンライン入金処理によるものであると判定したことに応じて(#603:Yes)、データ生成部32aが、当該入金金額情報に基づいて勘定系ホストコンピュータH送信用の入金金額情報を生成し、記憶部33へ記憶させる(#604)。詳しくは、まず通信制御部32bが、通信部31を制御してロビー入金機2Aへ入金金額情報の送信を要求する。ロビー入金機2Aの通信制御部18fは、中継コンピュータ5から送信要求を受けたことに応じて、記憶部19へ記憶された入金金額情報を中継コンピュータ5へ送信する。データ生成部32aは、ロビー入金機2Aから受信した入金金額情報に基づいて、勘定系ホストコンピュータH送信用の入金金額情報を生成し、記憶部33へ記憶させる。
【0136】
通信制御部32bは、#604にてデータ生成部32aが生成した勘定系ホストコンピュータH送信用の入金金額情報を、勘定系ホストコンピュータHへ送信する(#605)。そして制御部32は、データ中継処理を終了する。
【0137】
記憶部19に記憶されている入金金額情報がオンライン入金処理によるものではないと判定したことに応じて(#603:No)、データ生成部32aが、当該入金金額情報に基づいて、テラープリンタ3送信用の入金金額情報を生成し、記憶部33へ記憶させる(#606)。詳しくは、まず通信制御部32bが、通信部31を制御してロビー入金機2Aへ入金金額情報の送信を要求する。ロビー入金機2Aの通信制御部18fは、中継コンピュータ5から送信要求を受けたことに応じて、記憶部19へ記憶された入金金額情報を中継コンピュータ5へ送信する。データ生成部32aは、ロビー入金機2Aから受信した入金金額情報に基づいて、テラープリンタ3送信用の入金金額情報を生成し、記憶部33へ記憶させる。
【0138】
通信制御部32bは、#606にてデータ生成部32aが生成したテラープリンタ3送信用の入金金額情報を、テラープリンタ3へ送信する(#607)。そして制御部32は、データ中継処理を終了する。
【0139】
なお、本実施形態では、中継コンピュータ5がロビー入金機2Aへ入金金額情報の送信を要求し、ロビー入金機2Aが中継コンピュータ5へ入金金額情報を送信する。中継コンピュータ5が、ロビー入金機2Aの記憶部19から中継コンピュータ5の記憶部33へ入金金額情報をコピーする形態も可能である。
【0140】
〔他の実施形態〕
〔1〕
第1実施形態のオンライン入金処理と、第2実施形態のオフライン入金処理とが、入金システム1で実行されてもよい。また、第2実施形態のオンライン入金処理と、第1実施形態のオフライン入金処理とが、入金システム1で実行されてもよい。更に、第1実施形態のオンライン入金処理及びオフライン入金処理、第2実施形態のオンライン入金処理及びオフライン入金処理が、入金システム1で実行されてもよい。
【0141】
〔2〕
入金システム1及びロビー入金機2が、オンライン入金処理及びオフライン入金処理だけでなく、他の入金処理を含む複数の異なる入金処理を切り替えて実行するよう、構成されてもよい。
【0142】
〔3〕
入金システム1が顧客から受け付ける情報媒体は、上述の例に限られない。カード受付部11が、カードCとしてのオンライン入金カード(第1カードの一例)及びオフライン入金カード(第2カードの一例)から情報の取得が可能なように構成されてもよい。この場合、制御部18は、カード受付部11がオンライン入金カードから情報を取得したことに応じてオンライン入金処理を実行し、カード受付部11がオフライン入金カードから情報を取得したことに応じてオフライン入金処理を実行する。オンライン入金カード、及びオフライン入金カードは、入金システム1(ロビー入金機2)用のカードであって、金融機関が口座開設者に対してキャッシュカードとは別に発行するカードである。オンライン入金カード、及びオフライン入金カードは、ATMでは使用できず、入金システム1(ロビー入金機2)での入金のみを行うことができるカードである。オンライン入金カード、及びオフライン入金カードが、入金システム1(ロビー入金機2)専用のカードであってもよい。
【0143】
また、カード受付部11が、カードCとしてのキャッシュカード(第1カードの一例)、オンライン入金カード(第1カードの一例)、及びオフライン入金カード(第2カードの一例)から情報の取得が可能なように構成されてもよい。この場合、制御部18は、カード受付部11がキャッシュカード又はオンライン入金カードから情報を取得したことに応じてオンライン入金処理を実行し、カード受付部11がオフライン入金カードから情報を取得したことに応じてオフライン入金処理を実行する。
【0144】
〔4〕
ロビー入金機2が、入金システム1が顧客から受け付ける情報媒体に応じた情報取得部を備えると好適である。情報媒体がバーコードや二次元コードが保存・記載された帳票・カード等である場合には、入金システム1が、情報取得部としてのバーコードリーダや二次元コードリーダを備えるとよい。情報媒体が、情報を電波で送受信するICタグ等である場合には、入金システム1が、情報取得部としての電波送受信機構を備えるとよい。
【0145】
〔5〕
また、入金システム1が顧客から受け付ける情報媒体が、預金通帳であってもよい。この場合、ロビー入金機2は、通帳受付部を更に備える。通帳受付部は、顧客から預金通帳の挿入を受け付けて、預金通帳の備える磁気ストライプ又はICタグ等のICチップから情報を読み取る機構である。通帳受付部は、預金通帳から読み取った情報を示すデータを制御部18へ送信する。
【0146】
通常、預金通帳の磁気ストライプから読み取られる情報には、異なる入金処理のどれを実行するのか(例えば、オンライン入金処理とオフライン入金処理のいずれを実行するのか)を示す情報は含まれていない。そこで、ロビー入金機2の制御部18を、通帳受付部が取得した情報から複数の異なる入金処理のどれを実行するのか判別できない場合に、通帳受付部が受け付けた選択入力に応じて複数の異なる入金処理を切り替えて実行するよう構成してもよい。
【0147】
情報媒体としての預金通帳を受付可能な本実施形態の入金システム1の動作について、
図11のフローチャートを参照しながら説明する。
【0148】
ロビー入金機2のカード受付部11へカードCが挿入されると、カード受付部11がカードCから情報を取得し、制御部18へ送信する。また、ロビー入金機2の通帳受付部へ預金通帳が挿入されると、通帳受付部が預金通帳から情報を取得し、制御部18へ送信する(#701)。
【0149】
制御部18の処理判別部18aが、カード受付部11又は通帳受付部から受信した情報に基づいて、実行すべき入金処理を判別する(#702)。本実施形態では、処理判別部18aは、受け付けた情報媒体がキャッシュカードであることをカード受付部11から受信した情報が示していることに応じて、実行すべき入金処理がオンライン入金処理であると判別する。処理判別部18aは、受け付けた情報媒体が入金カードであることをカード受付部11から受信した情報が示していることに応じて、実行すべき入金処理がオフライン入金処理であると判別する。処理判別部18aは、受け付けた情報媒体が預金通帳であることを通帳受付部から受信した情報が示していることに応じて、実行すべき入金処理を判別不可能であると判定する。
【0150】
受信した情報に基づいて実行すべき入金処理を処理判別部18aが判別可能であり(#703:Yes)、且つ、処理判別部18aによる判別結果がオンライン入金処理であったことに応じて(#704:Yes)、制御部18はオンライン入金処理を実行する(#705)。
【0151】
受信した情報に基づいて実行すべき入金処理を処理判別部18aが判別可能であり(#703:Yes)、且つ、処理判別部18aによる判別結果がオフライン入金処理であったことに応じて(#704:No)、制御部18はオフライン入金処理を実行する(#706)。
【0152】
受信した情報に基づいて実行すべき入金処理を処理判別部18aが判別不可能であることに応じて(#703:No)、表示制御部18bが、表示部16を制御して、選択画面を表示部16に表示させる(#707)。選択画面には、口座入金ボタン、及び窓口入金ボタンが配置される。口座入金ボタンは、オンライン入金処理を選択するボタンである。窓口入金ボタンは、オフライン入金処理を選択するボタンである。顧客が画面の口座入金ボタンを押すと、口座入金の操作入力が入力受付部17に受け付けられ、その旨を示す信号が入力受付部17から制御部18へ送信される。顧客が画面の窓口入金ボタンを押すと、窓口入金の操作入力が入力受付部17に受け付けられ、その旨を示す信号が入力受付部17から制御部18へ送信される。
【0153】
制御部18が、入力受付部17からの信号を監視する(#708)。口座入金の操作入力を受け付けた旨を示す信号を入力受付部17から受信したことに応じて(#708:Yes)、制御部18はオンライン入金処理を実行する(#705)。窓口入金の操作入力を受け付けた旨を示す信号を入力受付部17から受信したことに応じて(#708:No)、制御部18はオフライン入金処理を実行する(#706)。
【0154】
すなわち、本実施形態では、制御部18は、入力受付部17が受け付けた選択入力に応じて複数の異なる入金処理を切り替えて実行する。詳しくは、制御部18は、通帳受付部(情報取得部)が取得した情報から複数の異なる入金処理のどれを実行するのか判別できない場合に、入力受付部17が受け付けた選択入力に応じて複数の異なる入金処理を切り替えて実行する。
【0155】
〔6〕
上記の実施形態では、オフライン入金処理において、ロビー入金機2又は中継コンピュータ5からテラープリンタ3へ入金金額情報が送信され、テラープリンタ3が入金金額を示す明細書面を印字し、当該明細書面をテラーが見てテラー端末4へ入金金額等を入力し、テラーがテラー端末4を操作して勘定系ホストコンピュータHへ入金金額情報を送信する例が説明された。これを改変し、オフライン入金処理において、ロビー入金機2又は中継コンピュータ5からテラー端末4へ入金金額情報が送信され、テラー端末4の表示装置に表示された入金金額等をテラーが見て確認し、テラーがテラー端末4を操作して勘定系ホストコンピュータHへ入金金額情報を送信するよう、入金システム1を構成してもよい。
【0156】
〔7〕
オンライン入金処理においてエラーが生じた場合にオフライン入金処理へ切り替えるよう、入金システム1(ロビー入金機2)を構成してもよい。エラーとは例えば、現金受付部13での搬送異常(斜行、連鎖、又は重送)、媒体異常(偽券又は損券)、又はその他の識別エラー(#202(
図4)、又は#402(
図8)でのエラー)である。またエラーとは例えば、満量エラー(現金受付部13の収納部13cの残容量が一時保留部13bの現金量よりも小さい。#203(
図4)、又は#403(
図8)でのエラー。)である。例えば、オンライン入金処理の#202又は#203(#402又は#403)においてエラーが生じた場合に、#204(#404)以降の処理に換えて、オフライン入金処理の#304(#504)以降の処理を実行するよう、入金システム1(ロビー入金機2)を構成してもよい。
【0157】
エラーが生じた場合に、入力受付部17が顧客から受け付ける操作入力に応じて、制御部18が、オンライン入金処理の続行又はオフライン入金処理への切り替えを行うよう、制御部18が構成されてもよい。このように構成した入金システム1は、次のような利点がある。顧客が投入した現金の一部がエラーで入金できず、一部が入金可能であるとする。顧客が一部の入金不可を許容できる場合は、オンライン入金処理を選択して残部を入金すれば、顧客は窓口へ赴く必要がない。顧客が(エラーで排出された現金を含め)投入現金の全ての入金を希望する場合は、オフライン入金処理を選択して残部を入金の上、窓口にてエラー排出分を合算して入金すれば、当初意図した全額の入金が可能となる。このように、本実施形態によれば、入金システム1の利便性を高めて顧客満足度を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本発明は、入金処理を行う入金処理機、入金処理方法、及び入金処理システムに利用することができる。また本発明は、入金処理と出金処理を行う装置(例えばATM)、当該装置で行われる入金処理方法、及び当該装置を含むシステムに利用することができる。また本発明は、出金処理を行う機能を有さない入金専用機、当該装置で行われる入金処理方法、及び当該装置を含むシステム(入金専用システム)に利用することができる。
【符号の説明】
【0159】
1 :入金システム(入金処理システム)
1A :入金システム(入金処理システム)
2 :ロビー入金機(入金処理機)
2A :ロビー入金機(入金処理機)
5 :中継コンピュータ
11 :カード受付部(情報取得部)
17 :入力受付部
18 :制御部(処理実行部)
C :カード(情報媒体)
H :勘定系ホストコンピュータ