IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社マキタの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】電動作業機
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/02 20060101AFI20240712BHJP
   H02K 21/14 20060101ALI20240712BHJP
   H02K 5/08 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
B25F5/02
H02K21/14 M
H02K5/08 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020114929
(22)【出願日】2020-07-02
(65)【公開番号】P2022012823
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 史成
【審査官】中田 善邦
(56)【参考文献】
【文献】特許第6234128(JP,B2)
【文献】特開2001-150365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 1/00- 5/02
H02K 21/00- 21/48
H02K 5/00- 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータ及び回転軸を中心に回転するロータを有するモータと、
前記モータを収容するハウジングと、を備え、
前記ステータは、ステータコアと、前記ステータコアに固定されるインシュレータと、前記インシュレータに固定される複数のコイルと、前記コイルに接続される端子と、を有し、
前記ハウジングは、前記ステータの表面の少なくとも一部と接触する第1凸部を有し、
前記回転軸と平行な軸方向において、前記第1凸部と前記端子の少なくとも一部とは同じ位置に配置され
軸方向において、前記第1凸部は、前記コイルの端部よりもステータの中心側に配置される、
電動作業機。
【請求項2】
前記回転軸の周方向において、前記第1凸部の位置と前記端子の位置とは異なる、
請求項1に記載の電動作業機。
【請求項3】
前記ステータの表面は、軸方向を向く軸方向面を含み、
前記第1凸部は、前記軸方向面と接触する第1支持面を有する、
請求項1又は請求項2に記載の電動作業機。
【請求項4】
前記軸方向面は、軸方向を向く前記ステータコアの端面を含む、
請求項3に記載の電動作業機。
【請求項5】
前記インシュレータは、前記軸方向を向く前記ステータコアの端面の少なくとも一部を覆う被覆部を有し、
前記軸方向面は、前記被覆部の表面を含む、
請求項3又は請求項4に記載の電動作業機。
【請求項6】
前記ステータの表面は、前記回転軸の周方向を向く周方向面を含み、
前記第1凸部は、前記周方向面と接触する接触面を有する、
請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項7】
前記周方向面は、周方向一方側を向く第1周方向面と、周方向他方側を向く第2周方向面とを含み、
前記第1凸部は、前記第1周方向面及び前記第2周方向面のそれぞれに接触するように、前記回転軸の周囲に複数設けられる、
請求項6に記載の電動作業機。
【請求項8】
前記インシュレータは、前記軸方向を向く前記ステータコアの端面の少なくとも一部を覆う被覆部を有し、
前記周方向面は、前記被覆部の側面を含む、
請求項6又は請求項7に記載の電動作業機。
【請求項9】
前記軸方向面は、軸方向一方側を向く第1軸方向面と、軸方向他方側を向く第2軸方向面とを含み、
前記第1凸部の前記第1支持面は、前記第1軸方向面と接触する、
請求項3から請求項8のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項10】
前記ハウジングは、軸方向において前記第1凸部とは異なる位置に配置され、前記ステータの表面の少なくとも一部と接触する第2凸部を有し、
前記第2凸部は、前記第2軸方向面と接触する第2支持面を有する、
請求項9に記載の電動作業機。
【請求項11】
前記ステータの少なくとも一部は、前記第1凸部と前記第2凸部とに挟まれる、
請求項10に記載の電動作業機。
【請求項12】
前記インシュレータは、前記コイルよりも径方向外側に配置され、前記ステータコアの端面から軸方向に突出するコイル止部を有し、
前記回転軸と平行な軸方向において、前記第2凸部と前記コイル止部の少なくとも一部とは同じ位置に配置される、
請求項10又は請求項11に記載の電動作業機。
【請求項13】
ステータ及び回転軸を中心に回転するロータを有するモータと、
前記モータを収容するハウジングと、を備え、
前記ステータは、ステータコアと、前記ステータコアに固定されるインシュレータと、前記インシュレータに固定される複数のコイルと、を有し、
前記インシュレータは、前記コイルよりも径方向外側に配置され、前記ステータコアの端面から軸方向に突出するコイル止部を有し、
前記ハウジングは、前記ステータの表面の少なくとも一部と接触する第2凸部を有し、
前記回転軸と平行な軸方向において、前記第2凸部と前記コイル止部の少なくとも一部とは同じ位置に配置され
軸方向において、前記第2凸部は、前記コイルの端部よりもステータの中心側に配置される、
電動作業機。
【請求項14】
前記回転軸の周方向において、前記第2凸部と前記コイル止部の少なくとも一部とは同じ位置に配置される、
請求項12又は請求項13に記載の電動作業機。
【請求項15】
ステータ及び回転軸を中心に回転するロータを有するモータと、
前記モータを収容するハウジングと、を備え、
前記ステータは、ステータコアと、前記ステータコアに固定されるインシュレータと、前記インシュレータに固定される複数のコイルと、を有し、
前記ハウジングは、第1凸部と、前記回転軸と平行な軸方向において前記第1凸部とは異なる位置に配置される第2凸部と、を有し、
前記ステータの表面は、軸方向を向く軸方向面を含み、
前記軸方向面は、軸方向一方側を向く第1軸方向面と、軸方向他方側を向く第2軸方向面とを含み、
前記第1凸部は、前記第1軸方向面と接触する第1支持面を有し、
前記第2凸部は、前記第2軸方向面と接触する第2支持面を有する、
電動作業機。
【請求項16】
前記ステータの少なくとも一部は、前記第1凸部と前記第2凸部とに挟まれる、
請求項15に記載の電動作業機。
【請求項17】
前記回転軸の周方向において、前記第1凸部と前記第2凸部の少なくとも一部とは同じ位置に配置される、
請求項15又は請求項16に記載の電動作業機。
【請求項18】
前記第1凸部は、前記回転軸の周囲に複数配置され、
前記第2凸部は、前記回転軸の周囲に複数配置される、
請求項15から請求項17のいずれか一項に記載の電動作業機。
【請求項19】
前記ハウジングは、第1半割ハウジングと、前記第1半割ハウジングに組み合わせられる第2半割ハウジングと、を含み、
一部の前記第1凸部及び一部の前記第2凸部は前記第1半割ハウジングに設けられ、
別の一部の前記第1凸部及び別の一部の前記第2凸部は前記第2半割ハウジングに設けられる、
請求項18に記載の電動作業機。
【請求項20】
前記ステータの表面は、前記回転軸の周方向を向く周方向面を含み、
前記第1凸部及び前記第2凸部の少なくとも一方は、前記周方向面と接触する接触面を有する、
請求項15から請求項19のいずれか一項に記載の電動作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
電動作業機に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような、モータ及びモータを収容するハウジングを備える電動工具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6234128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動作業機において、モータの小型化が要求される。モータが大型化し、電動作業機が大型化すると、電動作業機を使用する作業者は、電動作業機を円滑に使用することが困難になる可能性がある。
【0005】
本開示は、電動作業機のモータを小型化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、ステータ及び回転軸を中心に回転するロータを有するモータと、前記モータを収容するハウジングと、を備え、前記ステータは、ステータコアと、前記ステータコアに固定されるインシュレータと、前記インシュレータに固定される複数のコイルと、前記コイルに接続される端子と、を有し、前記ハウジングは、前記ステータの表面の少なくとも一部と接触する第1凸部を有し、前記回転軸と平行な軸方向において、前記第1凸部と前記端子の少なくとも一部とは同じ位置に配置される、電動作業機が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電動作業機のモータを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る電動作業機を示す側面図である。
図2図2は、実施形態に係るモータアセンブリを示す前方からの分解斜視図である。
図3図3は、実施形態に係るモータアセンブリを示す後方からの分解斜視図である。
図4図4は、実施形態に係るステータ及びセンサユニットを左方から視た図である。
図5図5は、実施形態に係るステータ及びセンサユニットを前方から視た図である。
図6図6は、実施形態に係るステータ及びセンサユニットを後方から視た図である。
図7図7は、実施形態に係るステータ及びセンサユニットを示す前方からの分解斜視図である。
図8図8は、実施形態に係るステータ及びセンサユニットを示す後方からの分解斜視図である。
図9図9は、実施形態に係るステータコア及びインシュレータを示す前方からの分解斜視図である。
図10図10は、実施形態に係るステータコア及びインシュレータを示す後方からの分解斜視図である。
図11図11は、実施形態に係るインシュレータに固定されたコイルを示す前方からの斜視図である。
図12図12は、実施形態に係るインシュレータに固定されたコイルを示す後方からの斜視図である。
図13図13は、実施形態に係るバスバーユニットを示す前方からの分解斜視図である。
図14図14は、実施形態に係るバスバーユニットを示す後方からの分解斜視図である。
図15図15は、実施形態に係るステータを模式的に示す図である。
図16図16は、実施形態に係るコイルの結線状態を模式的に示す図である。
図17図17は、実施形態に係るモータアセンブリを収容したハウジングを示す前方からの斜視図である。
図18図18は、実施形態に係るモータアセンブリを収容したハウジングを示す後方からの斜視図である。
図19図19は、実施形態に係るモータアセンブリを収容したハウジングを前方から視た図である。
図20図20は、実施形態に係るモータアセンブリを収容したハウジングを後方から視た図である。
図21図21は、実施形態に係るハウジングを示す前方からの分解斜視図である。
図22図22は、実施形態に係るハウジングを示す後方からの分解斜視図である。
図23図23は、実施形態に係るハウジングを前方から視た分解図である。
図24図24は、実施形態に係るハウジングを後方から視た分解図である。
図25図25は、実施形態に係るモータアセンブリを収容するハウジングを左方から視た図である。
図26図26は、実施形態に係るモータアセンブリを収容するハウジングを右方から視た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
実施形態においては、「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、及び「下」の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、電動作業機の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
【0011】
電動作業機は、モータを有する。実施形態においては、モータの回転軸AXと平行な方向を適宜、軸方向、と称する。モータの回転軸AXの放射方向を適宜、径方向、と称する。モータの回転軸AXを周回する方向を適宜、周方向又は回転方向、と称する。
【0012】
径方向において、モータの回転軸AXに近い位置又は接近する方向を適宜、径方向内側、と称し、モータの回転軸AXから遠い位置又は離隔する方向を適宜、径方向外側、と称する。周方向の一方側の位置又は一方側の方向を適宜、周方向一方側、と称し、周方向の他方側の位置又は他方側の方向を適宜、周方向他方側、と称する。
【0013】
[電動作業機]
図1は、実施形態に係る電動作業機1を示す側面図である。実施形態において、電動作業機1は、電動工具の一種である震動ドライバドリルである。図1に示すように、電動作業機1は、ハウジング2と、リヤカバー3と、ギヤケース4と、バッテリ装着部5と、モータアセンブリ6と、動力伝達機構7と、スピンドル8と、コントローラ9と、トリガスイッチ10と、正逆切換レバー11と、速度切換レバー12と、モードチェンジリング13と、チェンジリング14と、ライト15とを備える。
【0014】
ハウジング2は、モータ収容部16と、グリップ部17と、コントローラ収容部18とを有する。ハウジング2は、合成樹脂製である。
【0015】
モータ収容部16は、モータアセンブリ6の少なくとも一部を収容する。モータ収容部16は、筒状である。
【0016】
グリップ部17は、電動作業機1を使用する作業者に握られる。グリップ部17は、モータ収容部16の下部から下方に突出する。
【0017】
コントローラ収容部18は、コントローラ9を収容する。コントローラ収容部18は、グリップ部17の下端部に接続される。前後方向及び左右方向のそれぞれにおいて、コントローラ収容部18の外形の寸法は、グリップ部17の外形の寸法よりも大きい。
【0018】
リヤカバー3は、モータ収容部16の後部の開口を覆うように、モータ収容部16の後部に接続される。リヤカバー3は、合成樹脂製である。
【0019】
ギヤケース4は、モータ収容部16の前部に接続される。ギヤケース4は、動力伝達機構7の少なくとも一部を収容する。ギヤケース4は、筒状である。ギヤケース4は、金属製である。
【0020】
バッテリ装着部5は、ハウジング2のコントローラ収容部18の下部に設けられる。バッテリパック19は、バッテリ装着部5に装着される。バッテリパック19は、バッテリ装着部5に着脱可能である。バッテリパック19は、二次電池を含む。実施形態において、バッテリパック19は、充電式のリチウムイオン電池を含む。バッテリパック19は、電動作業機1の電源部として機能する。バッテリパック19は、バッテリ装着部5に装着されることにより、電動作業機1に電力を供給可能である。
【0021】
モータアセンブリ6は、モータ20と、ファン21と、センサユニット22とを有する。モータ20は、電動作業機1の動力源である。モータ20は、ロータ23と、ステータ24とを有する。ロータ23は、回転軸AXを中心に回転する。ファン21は、モータ20を冷却するための気流を生成する。ファン21は、モータ20が発生する回転力により回転する。センサユニット22は、ロータ23の回転を検出する。センサユニット22の検出信号は、コントローラ9に出力される。
【0022】
モータ収容部16は、吸気口25を有する。リヤカバー3は、排気口26を有する。排気口26は、吸気口25よりも後方に設けられる。吸気口25は、ハウジング2の内部空間と外部空間とを接続する。排気口26は、ハウジング2の内部空間と外部空間とを接続する。吸気口25は、モータ収容部16の左部及び右部のそれぞれに設けられる。排気口26は、リヤカバー3の左部及び右部のそれぞれに設けられる。ファン21が回転することにより、ハウジング2の外部空間の空気は、吸気口25を介してハウジング2の内部空間に流入する。ハウジング2の内部空間に流入した空気は、モータ20を冷却する。ハウジング2の内部空間の空気は、排気口26を介してハウジング2の外部空間に流出する。
【0023】
動力伝達機構7は、モータ20が発生した回転力をスピンドル8に伝達する。動力伝達機構7は、複数のギヤを含む。
【0024】
スピンドル8は、動力伝達機構7により伝達されたモータ20の回転力に基づいて回転する。スピンドル8は、回転軸AXを中心に回転する。スピンドル8は、先端工具が挿入される挿入孔を有する。スピンドル8の周囲の少なくとも一部に、先端工具を保持するチャック機構8Cが設けられる。先端工具は、スピンドル8の挿入孔に挿入された状態で、チャック機構8Cにより保持される。
【0025】
コントローラ9は、モータ20を制御する。コントローラ9は、センサユニット22の検出信号に基づいて、バッテリパック19からモータ20に供給される駆動電流を制御する。コントローラ9は、コントローラ収容部18に収容される。コントローラ9は、複数の電子部品が実装された基板を含む。基板に実装される電子部品として、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ、ROM(Read Only Memory)又はストレージのような不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリ、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)、及び抵抗が例示される。
【0026】
トリガスイッチ10は、モータ20を駆動するために作業者に操作される。トリガスイッチ10は、グリップ部17の上部に設けられる。トリガスイッチ10は、グリップ部17の前部の上部から前方に突出する。トリガスイッチ10は、後方に移動するように作業者に操作される。作業者は、例えば人差し指によりトリガスイッチ10を後方に移動することができる。トリガスイッチ10は、作業者に操作されることにより、操作信号を生成する。トリガスイッチ10の操作信号は、コントローラ9に入力される。コントローラ9は、トリガスイッチ10の操作信号に基づいて、モータ20を駆動する。トリガスイッチ10の操作が解除されることにより、モータ20が停止する。作業者は、例えば人差し指によるトリガスイッチ10の後方への移動を止めることにより、モータ20を停止することができる。
【0027】
正逆切換レバー11は、モータ20の回転方向を正転方向と逆転方向とに切り換えるために作業者に操作される。正逆切換レバー11は、モータ収容部16の下端部とグリップ部17の上端部との境界に設けられる。正逆切換レバー11は、左方又は右方に移動するように作業者に操作される。正逆切換レバー11が左方又は右方に移動されることにより、モータ20の回転方向が切り換えられる。モータ20の回転方向が切り換えられることにより、スピンドル8の回転方向が切り換えられる。
【0028】
速度切換レバー12は、スピンドル8の回転速度を第1速度と第2速度とに切り換えるために作業者に操作される。速度切換レバー12は、モータ収容部16の上部に設けられる。速度切換レバー12は、前方又は後方に移動するように作業者に操作される。速度切換レバー12が前方又は後方に移動されることにより、モータ20の回転速度が切り換えられる。
【0029】
モードチェンジリング13は、電動作業機1の作業モードを切り換えるために作業者に操作される。モードチェンジリング13は、ギヤケース4よりも前方に配置される。モードチェンジリング13は、回転するように作業者に操作される。電動作業機1の作業モードは、スピンドル8が軸方向に振動する震動モードと、スピンドル8が軸方向に振動しない非震動モードとを含む。非震動モードは、スピンドル8に作用する回転負荷に関わらずスピンドル8に動力が伝達されるドリルモードと、スピンドル8に作用する回転負荷に基づいてスピンドル8に伝達される動力が遮断されるクラッチモードとを含む。
【0030】
チェンジリング14は、スピンドル8に伝達される動力を遮断する解放値を設定するために作業者に操作される。チェンジリング14は、モードチェンジリング13よりも前方に配置される。チェンジリング14は、回転するように作業者に操作される。解放値は、スピンドル8に作用する回転負荷に係る値である。スピンドル8に作用する回転負荷が解放値に到達したときに、スピンドル8に伝達される動力が遮断される。
【0031】
ライト15は、電動作業機1の前方を照明する照明光を射出する。ライト15は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を含む。ライト15は、グリップ部17の前部の上部に設けられる。
【0032】
[モータアセンブリ]
図2は、実施形態に係るモータアセンブリ6を示す前方からの分解斜視図である。図3は、実施形態に係るモータアセンブリ6を示す後方からの分解斜視図である。モータアセンブリ6は、モータ20と、ファン21と、センサユニット22とを有する。
【0033】
実施形態において、モータ20の回転軸AXは、前後方向に延伸する。実施形態において、軸方向と前後方向とは平行である。以下の説明において、軸方向一方側を適宜、前方側、と称し、軸方向他方側を適宜、後方側、と称する。
【0034】
<モータ>
モータ20は、バッテリパック19から供給される電力に基づいて駆動する。モータ20は、スピンドル8を回転させるための回転力を発生する。
【0035】
モータ20は、ロータ23と、ステータ24とを有する。ロータ23は、ステータ24に対して回転する。実施形態において、モータ20は、インナロータ型のブラシレスモータである。ステータ24は、ロータ23の周囲に配置される。ロータ23は、回転軸AXを中心に回転する。
【0036】
ロータ23は、ロータコア27と、ロータシャフト28と、永久磁石29とを有する。
【0037】
ロータコア27は、積層された複数の鋼板を含む。鋼板は、鉄を主成分とする金属製の板である。ロータコア27は、回転軸AXを囲むように配置される。ロータコア27は、前方側を向く端面27Fと、後方側を向く端面27Rと、径方向外側を向く外面27Sとを有する。
【0038】
ロータシャフト28は、軸方向に延伸する。ロータシャフト28は、ロータコア27の内側に配置される。ロータコア27とロータシャフト28とは固定される。ロータシャフト28の前部は、ロータコア27の端面27Fから前方側に突出する。ロータシャフト28の後部は、ロータコア27の端面27Rから後方側に突出する。ロータシャフト28の前部は、不図示の前軸受に回転可能に支持される。ロータシャフト28の後部は、不図示の後軸受に回転可能に支持される。ロータシャフト28の前端部は、動力伝達機構7に連結される。
【0039】
永久磁石29は、ロータコア27に支持される。実施形態において、永久磁石29は、回転軸AXの周囲に4つ配置される。ロータコア27と永久磁石29とは固定される。永久磁石29として、ネオジム・鉄・ボロン系磁石が例示される。永久磁石29は、板状である。永久磁石29は、ロータコア27の内部に配置される。モータ20は、磁石埋込式(IPM:Interior Permanent Magnet)モータである。ロータコア27は、磁石孔30を有する。磁石孔30は、軸方向に延伸する。永久磁石29は、磁石孔30に配置される。永久磁石29の外面と磁石孔30の内面との間の間隙に樹脂31が充填される。
【0040】
ロータコア27の外面27Sに凹部32が形成される。凹部32は、軸方向に延伸する。凹部32の前端部は、ロータコア27の端面27Fに接続される。凹部32の後端部は、ロータコア27の端面27Rに接続される。凹部32は、ロータコア27の外面27Sに複数設けられる。実施形態において、凹部32は、回転軸AXの周囲に4つ設けられる。複数の凹部32は、周方向に等間隔に配置される。凹部32は、ロータコア27の回転に起因する騒音の発生を抑制するために設けられる。なお、凹部32は、省略されてもよい。
【0041】
ファン21は、モータ20を冷却するための気流を生成する。ファン21は、ステータ24及びロータコア27よりも後方側に配置される。ファン21は、ロータシャフト28の後部に固定される。ファン21の少なくとも一部は、ロータコア27の端面27Rと対向する位置に配置される。ファン21は、モータ20が発生する回転力により回転する。ロータシャフト28が回転すると、ファン21は、ロータシャフト28と一緒に回転する。
【0042】
図4は、実施形態に係るステータ24及びセンサユニット22を左方から視た図である。図5は、実施形態に係るステータ24及びセンサユニット22を前方から視た図である。図6は、実施形態に係るステータ24及びセンサユニット22を後方から視た図である。図7は、実施形態に係るステータ24及びセンサユニット22を示す前方からの分解斜視図である。図8は、実施形態に係るステータ24及びセンサユニット22を示す後方からの分解斜視図である。
【0043】
図2図3図4図5図6図7、及び図8に示すように、ステータ24は、ステータコア33と、インシュレータ34と、コイル35と、バスバーユニット36とを有する。
【0044】
ステータコア33は、積層された複数の鋼板を含む。鋼板は、鉄を主成分とする金属製の板である。ステータコア33は、ロータ23のロータコア27の周囲に配置される。インシュレータ34は、合成樹脂製の電気絶縁部材である。インシュレータ34は、ステータコア33に固定される。インシュレータ34は、ステータコア33と一体成型される。インシュレータ34は、例えばインサート成形によりステータコア33に固定される。コイル35は、複数設けられる。実施形態において、コイルは、6つ設けられる。コイル35は、インシュレータ34に固定される。バスバーユニット36は、インシュレータ34に固定される。
【0045】
図9は、実施形態に係るステータコア33及びインシュレータ34を示す前方からの分解斜視図である。図10は、実施形態に係るステータコア33及びインシュレータ34を示す後方からの分解斜視図である。
【0046】
ステータコア33は、外筒部37と、ティース部38と、内壁部39とを有する。外筒部37は、回転軸AXを囲むように配置される。ティース部38は、外筒部37の内面から径方向内側に突出する。ティース部38は、周方向に複数設けられる。実施形態において、ティース部38は、6つ設けられる。複数のティース部38は、周方向に間隔をあけて配置される。内壁部39は、ティース部38の径方向内側の端部に接続される。周方向において、内壁部39の寸法は、ティース部38の寸法よりも大きい。周方向において、ティース部38の中心の位置と内壁部39の中心の位置とは、一致する。内壁部39は、ティース部38の内端部から周方向一方側及び周方向他方側のそれぞれに突出する突出部40を含む。
【0047】
ステータコア33の表面は、内面41と、外面42と、端面43と、端面44と、対向面45と、対向面46と、側面47と、側面48とを含む。
【0048】
内面41は、径方向内側を向く。内面41は、内壁部39に配置される。内面41は、ロータコア27と対向する。回転軸AXと直交する面内において、内面41は、円弧状である。
【0049】
外面42は、径方向外側を向く。外面42は、外筒部37に配置される。
【0050】
端面43は、前方側を向く。端面43は、外筒部37の前方側を向く端面43Aと、ティース部38の前方側を向く端面43Bと、内壁部39の前方側を向く端面43Cとを含む。外筒部37の端面43Aと、ティース部38の端面43Bと、内壁部39の端面43Cとは、同一面内に配置される。端面43は、回転軸AXに直交する。
【0051】
端面44は、後方側を向く。端面44は、外筒部37の後方側を向く端面44Aと、ティース部38の後方側を向く端面44Bと、内壁部39の後方側を向く端面44Cとを含む。外筒部37の端面44Aと、ティース部38の端面44Bと、内壁部39の端面44Cとは、同一面内に配置される。端面44は、回転軸AXに直交する。
【0052】
対向面45は、径方向外側を向く。対向面45は、内壁部39に配置される。
【0053】
対向面46は、径方向内側を向く。対向面46は、外筒部37に配置される。
【0054】
側面47は、周方向一方側を向く。側面47は、ティース部38に配置される。
【0055】
側面48は、周方向他方側を向く。側面48は、ティース部38に配置される。
【0056】
インシュレータ34は、ステータコア33の表面の少なくとも一部を覆うように配置される。インシュレータ34は、被覆部49と、被覆部50と、被覆部51と、被覆部52とを有する。被覆部49は、外筒部37の前方側を向く端面43Aの少なくとも一部を覆う。被覆部50は、外筒部37の後方側を向く端面44Aの少なくとも一部を覆う。被覆部51は、ティース部38の表面を覆う。ティース部38の表面は、ティース部38の端面43B、端面44B、側面47、及び側面48を含む。コイル35は、被覆部51を介してティース部38に巻かれる。被覆部52は、外筒部37の対向面46を覆う。被覆部49と、被覆部50と、被覆部51と、被覆部52とは、一体である。
【0057】
被覆部49は、被覆領域491と、被覆領域492と、被覆領域493と、被覆領域494と、被覆領域495とを含む。被覆領域491と、被覆領域492と、被覆領域493と、被覆領域494と、被覆領域495とは、外筒部37の端面43Aにおいて周方向に間隔をあけて配置される。
【0058】
被覆領域491は、端面43Aの左部に配置される。被覆領域492は、端面43Aの左上部に配置される。被覆領域493は、端面43Aの右上部に配置される。被覆領域494は、端面43Aの右部に配置される。被覆領域495は、端面43Aの下部に配置される。周方向において、被覆領域495の寸法は、被覆領域491の寸法、被覆領域492の寸法、被覆領域493の寸法、及び被覆領域494の寸法よりも大きい。
【0059】
被覆部50は、被覆領域501と、被覆領域502と、被覆領域503と、被覆領域504と、被覆領域505と、被覆領域506とを含む。被覆領域501と、被覆領域502と、被覆領域503と、被覆領域504と、被覆領域505と、被覆領域506とは、外筒部37の端面44Aにおいて周方向に間隔をあけて配置される。
【0060】
被覆領域501は、端面44Aの左下部に配置される。被覆領域502は、端面44Aの左上部に配置される。被覆領域503は、端面44Aの上部に配置される。被覆領域504は、端面44Aの右上部に配置される。被覆領域505は、端面44Aの右下部に配置される。被覆領域506は、端面44Aの下部に配置される。周方向において、被覆領域501の寸法と、被覆領域502の寸法と、被覆領域503の寸法と、被覆領域504の寸法と、被覆領域505の寸法と、被覆領域506の寸法とは、等しい。
【0061】
インシュレータ34は、コイル止部53と、コイル止部54と、コイル止部55と、ワイヤ支持部56と、ねじボス部57と、連結部58と、リブ110とを有する。
【0062】
コイル止部53は、被覆部51の径方向内側の端部に接続される。コイル35が被覆部51に巻かれた状態で、コイル止部53は、コイル35よりも径方向内側に配置される。
【0063】
コイル止部53は、内壁部39を囲むように配置される。軸方向において、コイル止部53の寸法は、被覆部51の寸法よりも大きい。周方向において、コイル止部53の寸法は、被覆部51の寸法よりも大きい。
【0064】
コイル止部53は、被覆部51の径方向外側の端部に接続される。コイル止部53は、被覆部51から前方側及び後方側のそれぞれに突出する。コイル止部53は、被覆部51から周方向一方側及び周方向他方側のそれぞれに突出する。コイル止部53の少なくとも一部は、ステータコア33の端面43から前方側に突出する。コイル止部53の少なくとも一部は、ステータコア33の端面44から後方側に突出する。
【0065】
コイル止部54は、被覆部51の径方向外側の端部に接続される。コイル止部54は、ステータコア33の端面43から前方側に突出するように配置される。軸方向において、端面43とコイル止部54の前方側の端部との距離は、端面43とコイル止部53の前方側の端部との距離よりも小さい。すなわち、端面43からのコイル止部54の突出量は、端面43からのコイル止部53の突出量よりも小さい。
【0066】
コイル止部55は、被覆部51の径方向外側の端部に接続される。コイル止部55は、ステータコア33の端面44から後方側に突出するように配置される。軸方向において、端面43とコイル止部55の後方側の端部との距離は、端面43とコイル止部53の後方側の端部との距離よりも大きい。すなわち、端面43からのコイル止部55の突出量は、端面43からのコイル止部53の突出量よりも大きい。
【0067】
ワイヤ支持部56は、被覆部49に設けられる。ワイヤ支持部56は、コイル35の数と同じ数だけ設けられる。ワイヤ支持部56は、コイル35よりも径方向外側に配置される。ワイヤ支持部56は、被覆部49から前方側に突出する一対の突出部59と、被覆部49から前方側に突出する一対の突出部60とを含む。一対の突出部59は、周方向に配置される。一対の突出部60は、周方向に配置される。突出部60は、突出部59よりも径方向外側に配置される。軸方向において、端面43と突出部59の前方側の端部との距離は、端面43と突出部60の前方側の端部との距離よりも大きい。すなわち、端面43からの突出部59の突出量は、端面43からの突出部60の突出量よりも大きい。
【0068】
ワイヤ支持部56は、被覆領域491、被覆領域492、被覆領域493、及び被覆領域494のそれぞれに1つずつ設けられる。ワイヤ支持部56は、被覆領域495に2つ設けられる。
【0069】
ねじボス部57は、被覆部49に設けられる。ねじボス部57は、被覆部49から前方側に突出する。ねじボス部57は、回転軸AXの周囲に複数配置される。実施形態において、ねじボス部57は、周方向に間隔をあけて4つ設けられる。ねじボス部57は、被覆領域492及び被覆領域493のそれぞれに1つずつ設けられる。ねじボス部57は、被覆領域495に2つ設けられる。ねじボス部57のそれぞれにねじ孔61が形成される。
【0070】
リブ110は、被覆部49の一部に設けられる。リブ110は、被覆部49の表面から前方側に突出する。実施形態において、被覆領域491及び被覆領域494のそれぞれがリブ110を有する。リブ110は、左右方向に延伸する。被覆領域491において、リブ110は、ワイヤ支持部56の周方向両側に配置される。被覆領域494において、リブ110は、ワイヤ支持部56の周方向両側に配置される。
【0071】
実施形態において、リブ110は、被覆領域491に配置されたリブ111及びリブ112と、被覆領域494に配置されたリブ113及びリブ114とを含む。リブ111は、被覆領域491においてワイヤ支持部56よりも下方に配置される。リブ112は、被覆領域491においてワイヤ支持部56よりも上方に配置される。リブ113は、被覆領域494においてワイヤ支持部56よりも上方に配置される。リブ114は、被覆領域494においてワイヤ支持部56よりも下方に配置される。
【0072】
連結部58は、端面43Aの下部を覆う被覆領域495から径方向外側に突出する。
【0073】
図11は、実施形態に係るインシュレータ34に固定されたコイル35を示す前方からの斜視図である。図12は、実施形態に係るインシュレータ34に固定されたコイル35を示す後方からの斜視図である。
【0074】
コイル35は、インシュレータ34を介してステータコア33に装着される。コイル35は、複数設けられる。実施形態において、コイル35は、6つ設けられる。コイル35は、被覆部51の周囲に配置される。コイル35は、被覆部51を介して複数のティース部38のそれぞれに巻かれる。
【0075】
コイル35が被覆部51に巻かれた状態で、コイル止部53は、コイル35よりも径方向内側に配置される。
【0076】
コイル35が被覆部51に巻かれた状態で、コイル止部54は、コイル35よりも径方向外側に配置される。
【0077】
コイル35が被覆部51に巻かれた状態で、コイル止部55は、コイル35よりも径方向外側に配置される。
【0078】
径方向において、コイル35の一部は、コイル止部53とコイル止部54との間に配置される。径方向において、コイル35の別の一部は、コイル止部53とコイル止部55との間に配置される。複数のコイル35は、インシュレータ34に固定される。コイル35とステータコア33とは、インシュレータ34により絶縁される。
【0079】
複数のコイル35は、1本のワイヤ620を巻くことに形成される。周方向に隣り合うコイル35は、ワイヤ620の一部である接続線62により繋がれる。接続線62は、一つのコイル35と他の一つのコイル35との間のワイヤ620である。軸方向において、接続線62は、コイル35の中心とコイル35の前方側の端部との間に配置される。
【0080】
接続線62は、インシュレータ34のワイヤ支持部56に支持される。実施形態において、接続線62は、径方向において突出部59と突出部60との間に配置される。
【0081】
図4及び図6に示すように、ワイヤ620の中間部分35Mは、コイル止部55よりも径方向外側に配置される。図7及び図8に示すように、中間部分35Mは、一つのコイル35から径方向外側に突出するように配置される。中間部分35Mは、接続線62よりも径方向外側に配置される。軸方向において、中間部分35Mは、コイル35の中心とコイル35の後方側の端部との間に配置される。中間部分35Mがコイル止部55よりも径方向外側に配置されるので、コイル35の冷却性が高められる。
【0082】
図13は、実施形態に係るバスバーユニット36を示す前方からの分解斜視図である。図14は、実施形態に係るバスバーユニット36を示す後方からの分解斜視図である。
【0083】
バスバーユニット36は、バッテリパック19からの駆動電流を供給される。バッテリパック19からの駆動電流は、コントローラ9を介してバスバーユニット36に供給される。バッテリパック19からバスバーユニット36に供給される駆動電流は、コントローラ9により制御される。バスバーユニット36は、外部端子63と、ヒュージング端子64と、短絡部材65と、絶縁部材66とを有する。
【0084】
外部端子63は、コントローラ9を介してバッテリパック19に接続される。バッテリパック19からの駆動電流は、電源線を介して外部端子63に供給される。実施形態において、外部端子63は、3つ設けられる。
【0085】
ヒュージング端子64は、接続線62を介してコイル35に接続される。ヒュージング端子64は、導電部材である。接続線62は、ワイヤ支持部56に支持されている状態で、ヒュージング端子64に接続される。接続線62は、ヒュージング端子64の折り曲げ部分の内側に配置される。ヒュージング端子64と接続線62とは溶接される。ヒュージング端子64と接続線62とが溶接されることにより、ヒュージング端子64は、接続線62を介してコイル35に接続される。
【0086】
軸方向において、中間部分35Mは、コイル35の中心とコイル35の後方側の端部との間に配置される。接続線62は、コイル35の中心とコイル35の前方側の端部との間に配置される。これにより、ヒュージング端子64は、中間部分35Mに干渉することなく、接続線62に接続される。
【0087】
ヒュージング端子64は、回転軸AXの周囲に複数配置される。軸方向において、複数のヒュージング端子64の位置は等しい。ヒュージング端子64は、コイル35の数と同じ数だけ設けられる。実施形態において、ヒュージング端子64は、6つ設けられる。
【0088】
短絡部材65は、径方向に対向する一対の接続線62を接続(短絡)する。径方向に対向する一対の接続線62は、周方向において180[°]離れている。短絡部材65は、外部端子63とヒュージング端子64とを接続する。短絡部材65は、導電部材である。回転軸AXと直交する面内において、短絡部材65は、湾曲する。短絡部材65は、複数設けられる。実施形態において、短絡部材65は、3つ設けられる。短絡部材65は、一つの外部端子63と二つのヒュージング端子64とを接続(短絡)する。
【0089】
絶縁部材66は、合成樹脂製である。絶縁部材66は、回転軸AXを囲むように設けられる。絶縁部材66は、外部端子63及び短絡部材65を支持する。ヒュージング端子64は、短絡部材65を介して絶縁部材66に支持される。絶縁部材66は、ベース部67と、第1ねじボス部68と、第2ねじボス部69と、位置決めピン70と、位置決め凹部71と、連結部72とを有する。
【0090】
ベース部67は、環状である。短絡部材65の少なくとも一部は、ベース部67の内部に配置される。ベース部67は、短絡部材65と一体成型される。短絡部材65は、ベース部67を形成する合成樹脂でモールドされる。なお、ベース部67は、例えばインサート成形により短絡部材65に固定されてもよい。ベース部67により、3つの短絡部材65は、相互に絶縁される。
【0091】
第1ねじボス部68は、ベース部67の内縁部から径方向内側に突出する。第1ねじボス部68は、周方向に複数設けられる。実施形態において、第1ねじボス部68は、3つ設けられる。3つの第1ねじボス部68は、周方向に等間隔で配置される。第1ねじボス部68にねじ孔73が形成される。
【0092】
第2ねじボス部69は、ベース部67の外縁部から径方向外側に突出する。第2ねじボス部69は、周方向に複数設けられる。実施形態において、第2ねじボス部69は、4つ設けられる。第2ねじボス部69に開口74が形成される。
【0093】
位置決めピン70は、ベース部67よりも径方向内側に配置される。絶縁部材66は、ベース部67の内縁部から径方向内側に突出する支持部75を有する。位置決めピン70は、支持部75から前方側に突出する。支持部75及び位置決めピン70のそれぞれは、周方向に複数設けられる。実施形態において、支持部75は、2つ設けられる。位置決めピン70は、1つの支持部75に1つ設けられる。
【0094】
位置決め凹部71は、ベース部67よりも径方向外側に配置される。位置決め凹部71は、第2ねじボス部69に設けられる。位置決め凹部71は、第2ねじボス部69の後方側の端面から前方側に凹むように設けられる。
【0095】
連結部72は、ベース部67の下部から下方に突出する。連結部72は、インシュレータ34の連結部58と対向する。連結部72は、外部端子63が配置される凹部72Rを有する。凹部72Rは、3つ設けられる。3つの凹部72Rのそれぞれに、外部端子63が配置される。
【0096】
図15は、実施形態に係るステータ24を模式的に示す図である。図16は、実施形態に係るコイル35の結線状態を模式的に示す図である。
【0097】
複数のコイル35は、1本のワイヤ620を巻くことに形成される。図15及び図16に示すように、ワイヤ620は、巻き始め部分35Sからティース部38に巻き始められる。周方向に隣り合うティース部38のそれぞれにワイヤ620が順次巻かれることによって、6つのコイル35が形成される。ワイヤ620は、巻き終わり部分35Eにおいて巻き終わる。
【0098】
バッテリパック19からの駆動電流は、コントローラ9及び電源線を介して、バスバーユニット36の外部端子63に供給される。バッテリパック19から外部端子63に供給された駆動電流は、短絡部材65及びヒュージング端子64を流れた後、接続線62を介してコイル35に供給される。
【0099】
実施形態において、バッテリパック19からモータ20に供給される駆動電流は、U相駆動電流、V相駆動電流、及びW相駆動電流を含む。
【0100】
電源線は、U相駆動電流が供給される電源線93Uと、V相駆動電流が供給される電源線93Vと、W相駆動電流が供給される電源線93Wとを含む。
【0101】
外部端子63は、U相駆動電流が供給される外部端子63Uと、V相駆動電流が供給される外部端子63Vと、W相駆動電流が供給される外部端子63Wとを含む。
【0102】
短絡部材65は、外部端子63Uを介して電源線93Uに接続される短絡部材65Uと、外部端子63Vを介して電源線93Vに接続される短絡部材65Vと、外部端子63Wを介して電源線93Wに接続される短絡部材65Wとを含む。
【0103】
ヒュージング端子64は、短絡部材65Uに接続される一対のヒュージング端子64Uと、短絡部材65Vに接続される一対のヒュージング端子64Vと、短絡部材65Wに接続される一対のヒュージング端子64Wとを含む。
【0104】
図13及び図14に示すように、短絡部材65Uは、外部端子63Uと一対のヒュージング端子64Uのそれぞれとを接続する。短絡部材65Vは、外部端子63Vと一対のヒュージング端子64Vのそれぞれとを接続する。短絡部材65Wは、外部端子63Wと一対のヒュージング端子64Wのそれぞれとを接続する。外部端子63Uとヒュージング端子64Uと短絡部材65Uとは、単一部材である。外部端子63Vとヒュージング端子64Vと短絡部材65Vとは、単一部材である。外部端子63Wとヒュージング端子64Wと短絡部材65Wとは、単一部材である。
【0105】
周方向の上端部の位置を0[°]の位置、周方向の左端部の位置を90[°]の位置、周方向の下端部の位置を180[°]の位置、周方向の右端部の位置を270[°]の位置とした場合、外部端子63Uは、180[°]の位置に配置される。一方のヒュージング端子64Uは、150[°]の位置に配置される。他方のヒュージング端子64Uは、330[°]の位置に配置される。
【0106】
外部端子63Vは、180[°]の位置に配置される。一方のヒュージング端子64Vは、90[°]の位置に配置される。他方のヒュージング端子64Vは、270[°]の位置に配置される。
【0107】
外部端子63Wは、180[°]の位置に配置される。一方のヒュージング端子64Wは、30[°]の位置に配置される。他方のヒュージング端子64Wは、210[°]の位置に配置される。
【0108】
6つのコイル35のそれぞれは、U(U-V)相、V(V-W)相、及びW(W-U)相のいずれか一つの相に割り当てられる。
【0109】
一対のコイル35が、U相、V相、W相のそれぞれに割り当てられる。6つのコイル35は、U相に割り当てられた一対のU相コイル35Uと、V相に割り当てられた一対のV相コイル35Vと、W相に割り当てられた一対のW相コイル35Wとを含む。
【0110】
図11及び図12に示すように、一対のU相コイル35Uは、径方向に対向して配置される。一対のV相コイル35Vは、径方向に対向して配置される。一対のW相コイル35Wは、径方向に対向して配置される。
【0111】
図15に示すように、周方向において、U相コイル35U1の一方の隣にV相コイル35V1が配置され、V相コイル35V1の一方の隣にW相コイル35W1が配置され、W相コイル35W1の一方の隣にU相コイル35U2が配置され、U相コイル35U2の一方の隣にV相コイル35V2が配置され、V相コイル35V2の一方の隣にW相コイル35W2が配置される。U相コイル35U1とU相コイル35U2とは、径方向に対向して配置される。V相コイル35V1とV相コイル35V2とは、径方向に対向して配置される。W相コイル35W1とW相コイル35W2とは、径方向に対向して配置される。
【0112】
一方のヒュージング端子64Uは、周方向に隣り合うU相コイル35U1とV相コイル35V1とを繋ぐ接続線62に接続される。他方のヒュージング端子64Uは、周方向に隣り合うU相コイル35U2とV相コイル35V2とを繋ぐ接続線62に接続される。一方のヒュージング端子64Vは、周方向に隣り合うV相コイル35V1とW相コイル35W1とを繋ぐ接続線62に接続される。他方のヒュージング端子64Vは、周方向に隣り合うV相コイル35V2とW相コイル35W2とを繋ぐ接続線62に接続される。一方のヒュージング端子64Wは、周方向に隣り合うW相コイル35W1とU相コイル35U2とを繋ぐ接続線62に接続される。他方のヒュージング端子64Wは、周方向に隣り合うW相コイル35W2とU相コイル35U1とを繋ぐ接続線62に接続される。
【0113】
図16に示すように、1組のU相コイル35U1とV相コイル35V1とW相コイル35W1とは、デルタ結線される。1組のU相コイル35U2とV相コイル35V2とW相コイル35W2とは、デルタ結線される。一方のデルタ結線と他方のデルタ結線とは、並列に配置される。
【0114】
電源線93UにU相駆動電流が入力された場合、U相駆動電流は、短絡部材65Uを介して一対のヒュージング端子64Uのそれぞれに供給される。一対のU相コイル35Uのうち、一方のU相コイル35U1がN極に励磁される場合、他方のU相コイル35U2はS極に励磁される。N極に励磁されたU相コイル35U1の隣のV相コイル35V1はS極に励磁され、S極に励磁されたU相コイル35U2の隣のV相コイル35V2はN極に励磁される。
【0115】
電源線93VにV相駆動電流が入力された場合、V相駆動電流は、短絡部材65Vを介して一対のヒュージング端子64Vのそれぞれに供給される。一対のV相コイル35Vのうち、一方のV相コイル35V1がN極に励磁される場合、他方のV相コイル35V2はS極に励磁される。N極に励磁されたV相コイル35V1の隣のW相コイル35W1はS極に励磁され、S極に励磁されたV相コイル35V2の隣のW相コイル35W2はN極に励磁される。
【0116】
電源線93WにW相駆動電流が入力された場合、W相駆動電流は、短絡部材65Wを介して一対のヒュージング端子64Wのそれぞれに供給される。一対のW相コイル35Wのうち、一方のW相コイル35W1がN極に励磁される場合、他方のW相コイル35W2はS極に励磁される。N極に励磁されたW相コイル35W1の隣のU相コイル35U1はS極に励磁され、S極に励磁されたW相コイル35W2の隣のU相コイル35U2はN極に励磁される。
【0117】
[センサユニット]
センサユニット22は、ロータ23の回転を検出する。センサユニット22の少なくとも一部は、ロータ23と対向する位置に配置される。
【0118】
図7及び図8等に示すように、センサユニット22は、センサ基板76と、コネクタ77とを有する。センサ基板76は、回転センサ78と、プレート部79と、絶縁部材82とを有する。
【0119】
回転センサ78は、ロータ23の回転を検出する。回転センサ78は、ロータコア27に支持されている永久磁石29の位置を検出することによって、回転方向におけるロータ23の位置を検出する。回転センサ78は、ホール素子を含む磁気センサである。回転センサ78は、3つ設けられる。回転センサ78は、コイル35よりも径方向内側に配置される。回転センサ78は、ロータコア27の前側の端面27Fと対向するように配置される。
【0120】
プレート部79は、回転センサ78を支持する。プレート部79は、環状である。プレート部79は、回転軸AXを囲むように配置される。プレート部79は、第1ねじ87が配置される開口88を有する。開口88は、プレート部79に複数設けられる。実施形態において、開口88は、3つ設けられる。
【0121】
プレート部79は、位置決めピン70が配置される位置決め孔89を有する。位置決め孔89は、プレート部79に複数設けられる。実施形態において、位置決め孔89は、2つ設けられる。
【0122】
回転センサ78の検出信号は、コネクタ77を介して、コントローラ9に出力される。コントローラ9は、回転センサ78の検出信号に基づいて、コイル35に駆動電流を供給する。
【0123】
絶縁部材82は、回転センサ78及びプレート部79の表面の少なくとも一部を覆う。絶縁部材82は、合成樹脂製である。実施形態において、センサ基板76は、成型回路部品(MID:Molded Interconnect Device)を含む。
【0124】
[モータアセンブリの組立方法]
モータアセンブリ6の組立作業において、ステータコア33にインシュレータ34が固定された後、インシュレータ34にコイル35が巻かれる。インシュレータ34にコイル35が巻かれた後、インシュレータ34にバスバーユニット36が接続される。インシュレータ34にバスバーユニット36が接続された後、バスバーユニット36にセンサユニット22が接続される。
【0125】
バスバーユニット36の絶縁部材66とインシュレータ34とを接続する場合、インシュレータ34のねじボス部57がバスバーユニット36の位置決め凹部71に配置される。ねじボス部57は、位置決め凹部71に配置される位置決め凸部として機能する。これにより、バスバーユニット36の絶縁部材66とインシュレータ34とが位置決めされる。
【0126】
バスバーユニット36の絶縁部材66は、インシュレータ34に固定される。モータアセンブリ6は、バスバーユニット36の絶縁部材66とインシュレータ34とを固定する第2ねじ92を有する。第2ねじ92は、絶縁部材66の第2ねじボス部69の開口74を介して、インシュレータ34のねじボス部57のねじ孔61に結合される。第2ねじ92により、バスバーユニット36の絶縁部材66とインシュレータ34とが固定される。バスバーユニット36の少なくとも一部は、インシュレータ34よりも前方側に配置される。
【0127】
上述のように、接続線62とヒュージング端子64とが接続される。ヒュージング端子64において、接続線62がヒュージング端子64の折り曲げ部分の内側に配置される。接続線62は、ヒュージング端子64にヒュージングにより固定される。
【0128】
センサユニット22とバスバーユニット36とを接続する場合、バスバーユニット36の位置決めピン70がセンサユニット22の位置決め孔89に配置される。これにより、センサユニット22のプレート部79とバスバーユニット36の絶縁部材66とが位置決めされる。
【0129】
センサユニット22のセンサ基板76は、バスバーユニット36の絶縁部材66に固定される。モータアセンブリ6は、センサ基板76と絶縁部材66とを固定する第1ねじ87を有する。第1ねじ87は、プレート部79の開口88を介して、絶縁部材66の第1ねじボス部68のねじ孔73に結合される。第1ねじ87により、センサ基板76とバスバーユニット36の絶縁部材66とが固定される。センサ基板76の少なくとも一部は、バスバーユニット36の絶縁部材66よりも径方向内側に配置される。
【0130】
[ハウジング]
図17は、実施形態に係るモータアセンブリ6を収容したハウジング2を示す前方からの斜視図である。図18は、実施形態に係るモータアセンブリ6を収容したハウジング2を示す後方からの斜視図である。図19は、実施形態に係るモータアセンブリ6を収容したハウジング2を前方から視た図である。図20は、実施形態に係るモータアセンブリ6を収容したハウジング2を後方から視た図である。図21は、実施形態に係るハウジング2を示す前方からの分解斜視図である。図22は、実施形態に係るハウジング2を示す後方からの分解斜視図である。図23は、実施形態に係るハウジング2を前方から視た分解図である。図24は、実施形態に係るハウジング2を後方から視た分解図である。図25は、実施形態に係るモータアセンブリ6を収容するハウジング2を左方から視た図である。図26は、実施形態に係るモータアセンブリ6を収容するハウジング2を右方から視た図である。図25及び図26は、ハウジング2とステータ24との関係を示すためにハウジング2の一部を省略してある。また、図17から図26のそれぞれに示すハウジング2は、模式的に示したモータ収容部16である。
【0131】
ハウジング2は、合成樹脂により形成される。ハウジング2は、第1半割ハウジング95と、第1半割ハウジング95に組み合わせられる第2半割ハウジング96とを含む。第1半割ハウジング95は、第2半割ハウジング96の左方に配置される。第1半割ハウジング95と第2半割ハウジング96とは、複数のねじ(不図示)により固定される。
【0132】
ハウジング2は、ステータ24の表面の少なくとも一部と接触する第1凸部101と、ステータ24の表面の少なくとも一部と接触する第2凸部102とを有する。第1凸部101及び第2凸部102のそれぞれは、ハウジング2の内面に配置される。第1凸部101は、ハウジング2の内面から径方向内側に突出する。第2凸部102は、ハウジング2の内面から径方向内側に突出する。
【0133】
軸方向において、第1凸部101と第2凸部102とは、異なる位置に配置される。実施形態において、第1凸部101は、第2凸部102よりも前方側に配置される。
【0134】
ステータ24の表面は、軸方向を向く軸方向面120を含む。軸方向面120は、前方側を向く第1軸方向面121(前面)と、後方側を向く第2軸方向面122(後面)とを含む。第1凸部101は、第1軸方向面121と接触する第1支持面103(後面)を有する。第2凸部102は、第2軸方向面122と接触する第2支持面104(前面)を有する。第1支持面103は、後方側を向く。第2支持面104は、前方側を向く。
【0135】
第1軸方向面121として、前方側を向くステータコア33の外筒部37の端面43Aが例示される。
【0136】
第2軸方向面122として、端面44Aの少なくとも一部を覆うインシュレータ34の被覆部50の表面が例示される。被覆部50は、上述のような、被覆領域501、被覆領域502、被覆領域503、被覆領域504、被覆領域505、及び被覆領域506の少なくとも一部を含む。
【0137】
実施形態において、第1凸部101は、第1支持面103と端面43Aとが接触するように配置される。第2凸部102は、第2支持面104と被覆部50の表面とが接触するように配置される。実施形態において、第2凸部102は、被覆領域501の表面、被覆領域502の表面、被覆領域504の表面、及び被覆領域505の表面に接触する。
【0138】
ステータ24の少なくとも一部は、第1凸部101と第2凸部102とに軸方向から挟まれる。ハウジング2は、第1凸部101と第2凸部102とを介して、モータアセンブリ6を支持する。
【0139】
ヒュージング端子64は、ステータコア33よりも前方側に配置される。図25及び図26に示すように、軸方向において、第1凸部101とヒュージング端子64の少なくとも一部とは、同じ位置に配置される。実施形態において、軸方向において、第1凸部101とヒュージング端子64の後方側の端部とが、同じ位置に配置される。また、軸方向において、第1凸部101とワイヤ支持部56の少なくとも一部とが、同じ位置に配置される。また、軸方向において、第1凸部101とコイル止部54の少なくとも一部とが、同じ位置に配置される。第1凸部101は、コイル止部54の前方側の端部よりも後方側に配置される。また、軸方向において、第1凸部101とコイル35の少なくとも一部とが、同じ位置に配置される。第1凸部101は、コイル35の前方側の端部よりも後方側に配置される。第1凸部101は、接続線62よりも後方側に配置される。
【0140】
コイル止部55は、ステータコア33よりも後方側に配置される。図25及び図26に示すように、軸方向において、第2凸部102とコイル止部55の少なくとも一部とは、同じ位置に配置される。第2凸部102は、コイル止部55の後方側の端部よりも前方側に配置される。第2凸部102は、コイル35の後方側の端部よりも前方側に配置される。
【0141】
図17及び図19等に示すように、周方向において、第1凸部101の位置とヒュージング端子64の位置とは、異なる。周方向において、第1凸部101の位置とワイヤ支持部56の位置とは、異なる。周方向において、ワイヤ支持部56の位置とコイル止部54の少なくとも一部の位置とは、異なる。周方向において、ワイヤ支持部56は、隣り合うコイル止部54の間に配置される。周方向において、第1凸部101とコイル止部54の少なくとも一部とは、同じ位置に配置される。第1凸部101は、コイル止部54よりも径方向外側に配置される。第1凸部101は、コイル止部54の径方向外側の外面と対向するように配置される。
【0142】
図18及び図20等に示すように、周方向において、第2凸部102とコイル止部55の少なくとも一部とは、同じ位置に配置される。周方向において、コイル止部55と被覆部50の少なくとも一部とは、同じ位置に配置される。第2凸部102は、コイル止部55よりも径方向外側に配置される。第2凸部102は、被覆部50と接触した状態で、コイル止部55の径方向外側の外面と対向するように配置される。
【0143】
また、ステータ24の表面は、周方向を向く周方向面130を含む。第1凸部101は、周方向面130と接触する接触面105を有する。周方向面130として、被覆部49のリブ110の側面が例示される。
【0144】
実施形態において、周方向面130は、周方向一方側を向く第1周方向面131と、周方向他方側を向く第2周方向面132とを含む。第1周方向面131として、リブ112の上面及びリブ114の下面が例示される。第2周方向面132として、リブ111の下面及びリブ113の上面が例示される。
【0145】
第1凸部101は、回転軸AXの周囲に複数配置される。第1凸部101は、第1周方向面131及び第2周方向面132のそれぞれに接触するように、回転軸AXの周囲に複数設けられる。実施形態において、第1凸部101として、リブ111の下面と接触する第1凸部101Aと、リブ112の上面と接触する第1凸部101Bと、リブ113の上面と接触する第1凸部101Cと、リブ114の下面と接触する第1凸部101Dとが設けられる。
【0146】
第2凸部102は、回転軸AXの周囲に複数配置される。周方向において、第1凸部101と第2凸部102の少なくとも一部とは同じ位置に配置される。実施形態において、第2凸部102として、周方向において第1凸部101Aの少なくとも一部と同じ位置に配置される第2凸部102Aと、周方向において第1凸部101Bの少なくとも一部と同じ位置に配置される第2凸部102Bと、周方向において第1凸部101Cの少なくとも一部と同じ位置に配置される第2凸部102Cと、周方向において第1凸部101Dの少なくとも一部と同じ位置に配置される第2凸部102Dとが設けられる。第2凸部102Aは、被覆領域501に接触する。第2凸部102Bは、被覆領域502に接触する。第2凸部102Cは、被覆領域504に接触する。第2凸部102Dは、被覆領域505に接触する。
【0147】
複数の第1凸部101のうち、一部の第1凸部101は、第1半割ハウジング95に設けられ、別の一部の第1凸部101は、第2半割ハウジング96に設けられる。複数の第2凸部102のうち、一部の第2凸部102は、第1半割ハウジング95に設けられ、別の一部の第2凸部102は、第2半割ハウジング96に設けられる。実施形態において、第1凸部101A、第1凸部101B、第2凸部102A、及び第2凸部102Bが、第1半割ハウジング95に設けられる。第1凸部101C、第1凸部101D、第2凸部102C、及び第2凸部102Dが、第2半割ハウジング96に設けられる。
【0148】
第1半割ハウジング95の内面に、支持リブ141及び支持リブ142が配置される。支持リブ141及び支持リブ142のそれぞれは、第1半割ハウジング95の内面から径方向内側に突出する。回転軸AXと直交する面内において、支持リブ141及び支持リブ142のそれぞれは、湾曲する。支持リブ141は、第1凸部101Aと第1凸部101Bとを繋ぐように配置される。支持リブ142は、第2凸部102Aと第2凸部102Bとを繋ぐように配置される。
【0149】
第2半割ハウジング96の内面に、支持リブ143及び支持リブ144が配置される。支持リブ143及び支持リブ144のそれぞれは、第2半割ハウジング96の内面から径方向内側に突出する。回転軸AXと直交する面内において、支持リブ143及び支持リブ144のそれぞれは、湾曲する。支持リブ143は、第1凸部101Cと第1凸部101Dとを繋ぐように配置される。支持リブ144は、第2凸部102Cと第2凸部102Dとを繋ぐように配置される。
【0150】
モータアセンブリ6をハウジング2に固定する場合、第1半割ハウジング95の第1凸部101A及び第1凸部101Bが第1軸方向面121に接触され、第1半割ハウジング95の第2凸部102A及び第2凸部102Bが第2軸方向面122に接触される。
【0151】
また、第2半割ハウジング96の第1凸部101C及び第1凸部101Dが第1軸方向面121に接触され、第2半割ハウジング96の第2凸部102C及び第2凸部102Dが第2軸方向面122に接触される。
【0152】
また、第1半割ハウジング95の第1凸部101Aが第2周方向面132に接触され、第1半割ハウジング95の第1凸部101Bが第1周方向面131に接触される。
【0153】
また、第2半割ハウジング96の第1凸部101Cが第2周方向面132に接触され、第2半割ハウジング96の第1凸部101Dが第1周方向面131に接触される。
【0154】
第1凸部101が第1軸方向面121に接触し、第2凸部102が第2軸方向面122に接触することにより、軸方向においてモータアセンブリ6とハウジング2とが位置決めされる。
【0155】
また、第1凸部101の一部が第1周方向面131に接触し、第1凸部101の別の一部が第2周方向面132に接触することにより、周方向においてモータアセンブリ6とハウジング2とが位置決めされる。
【0156】
軸方向及び周方向のそれぞれにおいてモータアセンブリ6とハウジング2とが位置決めされた後、第1半割ハウジング95と第2半割ハウジング96とが、ねじにより固定される。ねじが締め付けられることにより、第1半割ハウジング95と第2半割ハウジング96とが接近する。第1半割ハウジング95と第2半割ハウジング96とが接近することにより、ステータコア33の前部が支持リブ141と支持リブ143とに締め付けられ、ステータコア33の後部が支持リブ142と支持リブ144とに締め付けられる。これにより、モータアセンブリ6がハウジング2に固定される。
【0157】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、ハウジング2は、ステータ24の表面の少なくとも一部と接触する第1凸部101を有する。軸方向において、第1凸部101とヒュージング端子64の少なくとも一部とは同じ位置に配置される。これにより、軸方向におけるステータ24の寸法が小さくなる。したがって、電動作業機1のモータ20が小型化する。
【0158】
周方向において、第1凸部101の位置とヒュージング端子64の位置とは異なる。これにより、第1凸部101とヒュージング端子64とが軸方向に並ぶことが抑制される。したがって、軸方向におけるステータ24の寸法が小さくなる。
【0159】
ステータ24の表面は、軸方向を向く軸方向面120を含む。第1凸部101は、軸方向面120と接触する第1支持面103を有する。第1凸部101の第1支持面103とステータ24の軸方向面120とが接触することにより、軸方向においてハウジング2とステータ24とが位置決めされる。
【0160】
軸方向面120は、軸方向を向くステータコア33の端面43Aを含む。ステータコア33は、金属製である。第1凸部101の第1支持面103とステータコア33の端面43Aとが接触することにより、軸方向においてハウジング2とステータ24とは位置決めされる。
【0161】
ステータ24の表面は、周方向を向く周方向面130を含む。第1凸部101は、周方向面130と接触する接触面105を有する。第1凸部101の接触面105とステータ24の周方向面130とが接触することにより、周方向においてハウジング2とステータ24とが位置決めされる。
【0162】
周方向面130は、周方向一方側を向く第1周方向面131と、周方向他方側を向く第2周方向面132とを含む。第1凸部101は、第1周方向面131及び第2周方向面132のそれぞれに接触するように、回転軸AXの周囲に複数設けられる。実施形態において、第1周方向面131は、2つ設けられる。第2周方向面132は、2つ設けられる。2つの第1周方向面131のそれぞれに接触するように、第1凸部101B及び第1凸部101Dが設けられる。2つの第2周方向面132のそれぞれに接触するように、第1凸部101A及び第1凸部101Cが設けられる。第1凸部101の一部と第1周方向面131とが接触し、第1凸部101の別の一部と第2周方向面132とが接触することにより、周方向一方側及び周方向他方側のそれぞれにおいて、ハウジング2とステータ24とが位置決めされる。
【0163】
インシュレータ34は、軸方向を向くステータコア33の端面43Aの少なくとも一部を覆う被覆部49を有する。周方向面130は、被覆部49の側面を含む。実施形態において、周方向面130は、被覆部49のリブ110の側面を含む。第1周方向面131は、リブ112及びリブ114のそれぞれに配置される。第2周方向面132は、リブ111及びリブ113のそれぞれに配置される。ステータコア33に周方向面130を設けることが制限される場合においても、ステータコア33と一体成型されるインシュレータ34の被覆部49に周方向面130が配置されることにより、周方向においてハウジング2とステータ24とが位置決めされる。
【0164】
軸方向面120は、軸方向一方側を向く第1軸方向面121と、軸方向他方側を向く第2軸方向面122とを含む。第1凸部101の第1支持面103は、第1軸方向面121と接触する。第2凸部102の第2支持面104は、第2軸方向面122と接触する。第1凸部101と第1軸方向面121とが接触し、第2凸部102と第2軸方向面122とが接触することにより、軸方向一方側及び軸方向他方側のそれぞれにおいて、ハウジング2とステータ24とが位置決めされる。
【0165】
ステータ24の少なくとも一部は、第1凸部101と第2凸部102とに挟まれる。これにより、ハウジング2によるステータ24の固定が安定する。また、ステータ24の少なくとも一部が第1凸部101と第2凸部102とにより軸方向両側から挟まれることにより、軸方向におけるステータ24の寸法が大きくなることが抑制される。したがって、電動作業機1のモータ20が小型化する。
【0166】
軸方向において、第2凸部102とコイル止部55の少なくとも一部とは同じ位置に配置される。これにより、軸方向におけるステータ24の寸法が小さくなる。したがって、電動作業機1のモータ20が小型化する。
【0167】
周方向において、第2凸部102とコイル止部55の少なくとも一部とは同じ位置に配置される。実施形態において、第2凸部102は、コイル止部55よりも径方向外側に配置される。周方向において、第2凸部102とコイル止部55の少なくとも一部とが同じ位置に配置されるので、第2凸部102によりステータ24の保持が安定する。
【0168】
周方向において、第1凸部101と第2凸部102の少なくとも一部とは同じ位置に配置される。これにより、第1凸部101と第2凸部102とは、ステータ24を軸方向両側から挟み付けることができる。
【0169】
第1凸部101は、回転軸AXの周囲に複数配置される。第2凸部102は、回転軸AAXの周囲に複数配置される。これにより、第1凸部101は、ステータ24の複数位置を保持することができる。同様に、第2凸部102は、ステータ24の複数位置を保持することができる。したがって、ハウジング2とステータ24との固定が安定する。
【0170】
ハウジング2は、第1半割ハウジング95と、第1半割ハウジング95に組み合わせられる第2半割ハウジング96とを含む。複数の第1凸部101のうち、一部の第1凸部101が第1半割ハウジング95に設けられ、複数の第2凸部102のうち、一部の第2凸部102が第1半割ハウジング95に設けられる。複数の第1凸部101のうち、別の一部の第1凸部101が第2半割ハウジング96に設けられ、複数の第2凸部102のうち、別の一部の第2凸部102が第2半割ハウジング96に設けられる。第1凸部101及び第2凸部102のそれぞれが第1半割ハウジング95及び第2半割ハウジング96のそれぞれに分散して配置されているので、第1半割ハウジング95と第2半割ハウジング96とをねじで固定するとき、複数の第1凸部101及び複数の第2凸部102のそれぞれで、ハウジング2とステータ24とを位置決めしながら、第1半割ハウジング95と第2半割ハウジング96とを固定することができる。
【0171】
ステータコア33とインシュレータ34とは一体成型される。実施形態において、金属製のステータコア33が金型の内部に配置された後、インシュレータ34を形成するための樹脂が金型の内部に注入されることによって、ステータコア33とインシュレータ34とがインサート成形により一体成型される。そのため、インシュレータ34の被覆部50は、金型により高精度に形成される。したがって、第2凸部102がインシュレータ34の被覆部50に接触することにより、モータアセンブリ6とハウジング2とは適正に位置決めされる。
【0172】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、第1凸部101の第1支持面103が接触する第1軸方向面121は、ステータコア33の端面43Aであることとした。第1凸部101の第1支持面103が接触する第1軸方向面121は、端面43Aの少なくとも一部を覆うインシュレータ34の被覆部49の表面でもよい。
【0173】
上述の実施形態において、第2凸部102の第2支持面104が接触する第2軸方向面122は、被覆部50の表面であることとした。第2凸部102の第2支持面104が接触する第2軸方向面122は、後方側を向くステータコア33の端面44Aでもよい。
【0174】
上述の実施形態において、周方向面130が被覆部49に設けられ、第1凸部101が周方向面130に接触する接触面105を有することとした。周方向面130が被覆部50に設けられ、第2凸部102が周方向面130に接触する接触面105を有してもよい。第1凸部101及び第2凸部102の両方が、周方向面130と接触する接触面105を有してもよい。
【0175】
なお、上述の実施形態において、電動作業機1は、電動工具の一種である震動ドライバドリルであることとした。電動工具は、震動ドライバドリルに限定されない。電動工具として、ドライバドリル、アングルドリル、インパクトドライバ、グラインダ、ハンマ、ハンマドリル、マルノコ、及びレシプロソーが例示される。また、電動作業機1は、園芸工具(Outdoor Power Equipment)でもよい。園芸工具として、チェーンソー、ヘッジトリマ、芝刈り機、草刈機、及びブロワが例示される。
【0176】
上述の実施形態においては、電動作業機の電源としてバッテリ装着部に装着されるバッテリパック19が使用されることとした。電動作業機の電源として、商用電源(交流電源)が使用されてもよい。
【符号の説明】
【0177】
1…電動作業機、2…ハウジング、3…リヤカバー、4…ギヤケース、5…バッテリ装着部、6…モータアセンブリ、7…動力伝達機構、8…スピンドル、8C…チャック機構、9…コントローラ、10…トリガスイッチ、11…正逆切換レバー、12…速度切換レバー、13…モードチェンジリング、14…チェンジリング、15…ライト、16…モータ収容部、17…グリップ部、18…コントローラ収容部、19…バッテリパック、20…モータ、21…ファン、22…センサユニット、23…ロータ、24…ステータ、25…吸気口、26…排気口、27…ロータコア、27F…端面、27R…端面、27S…外面、28…ロータシャフト、29…永久磁石、30…磁石孔、31…樹脂、32…凹部、33…ステータコア、34…インシュレータ、35…コイル、35E…巻き終わり部分、35M…中間部分、35S…巻き始め部分、35U…U相コイル、35V…V相コイル、35W…W相コイル、36…バスバーユニット、37…外筒部、38……ティース部、39…内壁部、40…突出部、41…内面、42…外面、43…端面、43A…端面、43B…端面、43C…端面、44…端面、44A…端面、44B…端面、44C…端面、45…対向面、46…対向面、47…側面、48…側面、49…被覆部、50…被覆部、51…被覆部、52…被覆部、53…コイル止部、54…コイル止部、55…コイル止部、56…ワイヤ支持部、57…ねじボス部、58…連結部、59…突出部、60…突出部、61…ねじ孔、62…接続線、63…外部端子、63U…外部端子、63V…外部端子、63W…外部端子、64…ヒュージング端子(端子)、64U…ヒュージング端子、64V…ヒュージング端子、64W…ヒュージング端子、65…短絡部材、65U…短絡部材、65V…短絡部材、65W…短絡部材、66…絶縁部材、67…ベース部、68…第1ねじボス部、69…第2ねじボス部、70…位置決めピン、71…位置決め凹部、72…連結部、72R…凹部、73…ねじ孔、74…開口、75…支持部、76…センサ基板、77…コネクタ、78…回転センサ、79…プレート部、82…絶縁部材、87…第1ねじ、88…開口、89…位置決め孔、92…第2ねじ、93U…電源線、93V…電源線、93W…電源線、95…第1半割ハウジング、96…第2半割ハウジング、101…第1凸部、101A…第1凸部、101B…第1凸部、101C…第1凸部、101D…第1凸部、102…第2凸部、102A…第2凸部、102B…第2凸部、102C…第2凸部、102D…第2凸部、103…第1支持面、104…第2支持面、105…接触面、110…リブ、111…リブ、112…リブ、113…リブ、114…リブ、120…軸方向面、121…第1軸方向面、122…第2軸方向面、130…周方向面、131…第1周方向面、132…第2周方向面、141…支持リブ、142…支持リブ、143…支持リブ、144…支持リブ、491…被覆領域、492…被覆領域、493…被覆領域、494…被覆領域、495…被覆領域、501…被覆領域、502…被覆領域、503…被覆領域、504…被覆領域、505…被覆領域、506…被覆領域、620…ワイヤ、AX…回転軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26