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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240712BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
G09F9/00 351
H04N5/64 581A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020142784
(22)【出願日】2020-08-26
(65)【公開番号】P2022038337
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-03-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ・ウェブサイトのアドレス 公開者 シャープ株式会社 (1)https://corporate.jp.sharp/news/200511-a.html 掲載日 令和2年5月11日 (2)http://cs.sharp.co.jp/select/download?productId=4T-C65CQ1&_ga=2.246569537.491937225.1594855593-1819424298.1565147692 掲載日 令和2年5月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】加藤 正義
(72)【発明者】
【氏名】諏訪 健一
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-120709(JP,A)
【文献】国際公開第2015/186529(WO,A1)
【文献】特開2010-271355(JP,A)
【文献】登録実用新案第3116087(JP,U)
【文献】特開2008-299002(JP,A)
【文献】特開2008-102286(JP,A)
【文献】特開2011-244257(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0051692(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0080270(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 91/00-97/08
B60R 9/00-11/06
F16M 1/00-13/08
G09F 9/00-9/46
H04N 5/64-5/655
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルを支持するスタンドと、
前記スタンドに固定される金具であって、
前記金具における前記表示パネル側の端部から、前記表示パネルの方向に突出する突出部と、
前記突出部から右下方向に離れた位置に設けられる第1係合部と、
前記突出部から左下方向に離れた位置に設けられる第2係合部とを有する金具と、
前記表示パネルに固定されるシャーシであって、
前記シャーシの表面に設けられ、かつ前記突出部に覆い被さる被覆部と、
前記被覆部よりも右方向に離れた位置に配置され、かつ前記第1係合部に係合される第1爪部と、
前記被覆部よりも左方向に離れた位置に配置され、かつ前記第2係合部に係合される第2爪部とを有するシャーシとを備え、
前記被覆部の周端より内側に開口が設けられており、前記スタンドに前記表示パネルを取付けた状態において、前記表示パネルの背面側から、前記開口により露出した前記突出部の上端部が視認可能であることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記金具は、
前記端部における、前記突出部から右方向に離れた位置に配置され、かつ横方向に延伸する第1端面部と、
前記端部における、前記突出部から左方向に離れた位置に配置され、かつ横方向に延伸する第2端面部とを有し、
前記シャーシは、
前記シャーシの表面における、前記被覆部から右方向に離れた位置に配置され、横方向に延伸し、かつ前記第1端面部と接触する第1位置決め部と、
前記シャーシの表面における、前記被覆部から左方向に離れた位置に配置され、横方向に延伸し、かつ前記第2端面部と接触する第2位置決め部とを有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示パネルに設けられ、かつ前記表示パネルを前記スタンドに取り付ける際に前記シャーシの右端面に接触する第1ガイド部と、
前記表示パネルに設けられ、かつ前記表示パネルを前記スタンドに取り付ける際に前記シャーシの左端面に接触する第2ガイド部とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記突出部の外縁部分が斜面形状になっていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、ディスプレイ10と、ディスプレイ10の背面19に連結されてディスプレイ10を支持する支持具23との連結構造であって、支持具23には、上向きの固定爪51と、移動可能な可動爪と、可動爪を移動させる操作部とが設けられ、ディスプレイ10の背面19には、固定爪51を係合させる係合穴部26,27と、可動爪を係合させる係合溝部32,33とが設けられている連結構造が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-178502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術では、ディスプレイ10をスタンド23に仮固定する作業において、固定爪51でディスプレイ10を支持する。したがって、例えば、ディスプレイ10の縦方向の長さの半分程度の位置に固定爪51が設けられている場合、ディスプレイ10の固定爪51より上部の重量が下部に比べて重ければ、背面方向に重力が偏る。これにより、固定爪51の上方突出板部53と背面板部24とが係合しないため、ディスプレイ10の前面への転倒は防止できたとしても、ディスプレイ10が背面に転倒する可能性がある。
【0005】
本発明の一態様は、組み立て時に前面にも背面にも転倒せずに済む表示装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルを支持するスタンドと、前記スタンドに固定される金具であって、前記金具における前記表示パネル側の端部から、前記表示パネルの方向に突出する突出部と、前記突出部から前記表示パネルの右端の方向および下端の方向の双方に離れた位置に設けられる第1係合部と、前記突出部よりも前記表示パネルの左端の方向および前記下端の方向の双方に離れた位置に設けられる第2係合部とを有する金具と、前記表示パネルに固定されるシャーシであって、前記シャーシの表面に設けられ、かつ前記突出部に覆い被さる被覆部と、前記被覆部よりも前記右端の方向に離れた位置に配置され、かつ前記第1係合部に係合される第1爪部と、前記被覆部よりも前記左端の方向に離れた位置に配置され、かつ前記第2係合部に係合される第2爪部とを有するシャーシとを備えている構成である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、組み立て時に前面にも背面にも転倒せずに済む表示装置を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る表示装置の正面側の外観を示す正面図である。
図2】本発明の実施形態に係る表示装置の背面側の外観を示す背面図である。
図3】表示パネルがスタンドに取り付けられる前の状態の表示装置の背面側の外観を示す図である。
図4】表示パネルがスタンドに取り付けられる前の状態の表示装置の背面側の外観を拡大して示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る突出部を拡大して示す図である。
図6】表示パネルをスタンドに仮固定した後の表示装置を示す図である。
図7】被覆部の周辺を拡大して示す図である。
図8】ネジを用いて互いに固定された金具およびシャーシを示す図である。
図9】図におけるA-A’箇所の断面を示す断面図である。
図10】図におけるB-B’箇所の断面を示す図である。
図11】金具およびシャーシがネジによって固定された状態の表示装置の背面を示す図である。
図12】本発明の実施形態2に係る表示装置が備える被覆部の周辺を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
図1は、本発明の実施形態に係る表示装置1の正面側の外観を示す正面図である。図2は、本発明の実施形態に係る表示装置1の背面側の外観を示す背面図である。これらの図に示すように、表示装置1は、表示パネル2およびスタンド4を備えている。表示パネル2は、各種の映像を表示する機能を有するパネルであり、例えば液晶表示パネルまたは有機EL(OLED)パネルなどとして実現される。スタンド4は表示パネル2を支持する部品である。スタンド4は、土台部6と、土台部6に固定される支柱部8とを備えている。土台部6は、表示装置1の設置面(床、台座等)と平行な平面構造を有しており、表示装置1の使用時に設置面に配置される。支柱部8は、土台部6の面内左右方向における中央位置に配置されており、かつ土台部6の面方向と直交する方向に延伸している。表示パネル2は、支柱部8に取り付けられることによって、スタンド4に支持される。図1および図2には、表示パネル2がスタンド4に支持された状態の表示装置1を示している。スタンド4は、図1に示す構成に限らず、例えば4本足を有する構造のものであってもよい。
【0010】
図3は、表示パネル2がスタンド4に取り付けられる前の状態の表示装置1の背面側の外観を示す図である。表示装置1は、表示パネル2のサイズが例えば55インチを超える、いわゆる大型の表示装置である。表示装置1の出荷時に、表示装置1は表示パネル2がスタンド4から取り外された状態で、梱包用の段ボール箱に梱包される。これは、梱包用の段ボールの厚さを極力薄くするための措置である。すなわち、表示パネル2から独立しているスタンド4を、土台部6が表示パネル2と重なる状態で表示パネル2と共に段ボール箱に梱包することによって、土台部6の幅以上の厚さを有する段ボール箱を使用せずに済むのである。
【0011】
図3に示すように、ユーザは、表示パネル2をスタンド4に取り付けることによって、表示装置1を組み立てる。その際、まず、支柱部8を鉛直方向に沿って立てるようにスタンド4を設置面に設置する。この状態で、表示パネル2をスタンド4の上方から下方に向けて移動させることによって、表示パネル2をスタンド4の所定位置に取り付ける。
【0012】
図4は、表示パネル2がスタンド4に取り付けられる前の状態の表示装置1の背面側を拡大して示す図である。図4に示すように、スタンド4は、スタンド4に固定される金具10をさらに備えている。また、表示パネル2は、表示パネル2に固定されるシャーシ20をさらに備えている。金具10およびシャーシ20はいずれも金属製の丈夫な部材である。金具10はスタンド4の上部近辺に配置されており、金具10は表示パネル2の下部近辺における背面側に配置されている。表示パネル2をスタンド4に取り付ける際、シャーシ20が金具10に取り付けられる。
【0013】
図4に示すように、金具10は、突出部11、係合部12(第1係合部)、および係合部13(第2係合部)を備えている。突出部11は、金具10における表示パネル2側の端部から、表示パネル2の方向に突出している。係合部12は、突出部11よりも表示パネル2の右端の方向および下端の方向の双方に離れた位置に設けられる。係合部13は、突出部11よりも表示パネル2の左端の方向および下端の方向の双方に離れた位置に設けられる。図4では、突出部11は、金具10における、表示パネル2の左右方向の中央位置に配置されている。係合部12および係合部13は、突出部11を中心として互いに点対称の位置にそれぞれ配置されている。突出部11は金具10の一部を構成しており、金具10の材料を加工する過程で個別に形成される。係合部12および係合部13も金具10の一部を構成しており、詳細にはいずれも金具10の表面の一部に相当する。
【0014】
図4に示すように、シャーシ20は、表示パネル2の背面側の下方近辺において、表示パネル2に固定されている。シャーシ20は、表示パネル2をスタンド4に取り付ける際に、金具10に取り付けられる。シャーシ20は、被覆部21、爪部22(第1爪部)、および爪部23(第2爪部)を備えている。被覆部21は、シャーシ20の表面に設けられており、シャーシ20の一部がその厚さをほぼ維持したまま表示装置1の背面側に膨れあがった構造を有している。被覆部21は、被覆部21における表示装置1の前面側に形成される空間を覆っている。詳しくは後述するが、表示パネル2をスタンド4に取り付ける際、被覆部21は突出部11に覆い被さることになる。
【0015】
爪部22は、被覆部21よりも表示パネル2の右端の方向に離れた位置に配置される。表示パネル2をスタンド4に取り付けた状態では、爪部22は係合部12に係合されている。爪部23は、被覆部21よりも表示パネル2の左端の方向に離れた位置に配置される。表示パネル2をスタンド4に取り付けた状態では、爪部23は係合部13に係合されている。爪部22および爪部23はいずれもシャーシ20の一部を構成しており、シャーシ20を製造する際に、シャーシ20の一部を折り曲げるようにして形成される。
【0016】
図4に示すように、金具10は、端面部14(第1端面部)および端面部15(第2端面部)をさらに有している。端面部14は、金具10の上端部における、突出部11から表示パネル2の右端の方向に離れた位置に配置され、かつ表示パネル2の横方向に延伸している。端面部15は、金具10の上端部における、突出部11から表示パネル2の左端の方向に離れた位置に配置され、かつ表示パネル2の横方向に延伸している。端面部14および端面部15は、金具10のの上端部の一部に相当しており、かつ、これらの延伸方向はいずれも表示パネル2の横方向に平行な一直線上に位置している。
【0017】
シャーシ20は、位置決め部24(第1位置決め部)および位置決め部25(第2位置決め部)をさらに有している。位置決め部24は、シャーシ20の表面における、被覆部21から表示パネル2の右端の方向に離れた位置に配置され、かつ表示パネル2の横方向に延伸している。位置決め部24は、表示パネル2がスタンド4に装着される状態において、端面部14と接触する。位置決め部25は、シャーシ20の表面における、被覆部21から表示パネル2の左端の方向に離れた位置に配置され、かつ表示パネル2の横方向に延伸している。位置決め部25は、表示パネル2がスタンド4に取り付けられた状態において、端面部15と接触する。位置決め部24および位置決め部25は、いずれもシャーシ20の一部を構成しており、シャーシ20を製造する際に、シャーシ20の一部を折り曲げるようにして形成される。
【0018】
図4に示すように、金具10には4つのネジ穴41が形成されており、シャーシ20には4つのネジ穴が形成されている。これらのネジ穴41,51は、後述するように、金具10およびシャーシ20を互いに固定するために用いられる。
【0019】
表示装置1は、表示パネル2に設けられるガイド部31(第1ガイド部)およびガイド部32(第2ガイド部)をさらに備えている。ガイド部31およびガイド部32は、いずれも、表示パネル2におけるシャーシ20の下方に配置されており、かつ表示パネル2の縦方向に沿って表示パネル2の下端部からシャーシ20の下端部まで延伸している。ガイド部31は、表示パネル2をスタンドに取り付ける際にシャーシ20の右端面に接触し、ガイド部32は、表示パネル2をスタンドに取り付ける際にシャーシ20の左端面に接触する。すなわち、表示パネル2をスタンド4に取り付ける際、表示パネル2は、ガイド部31およびガイド部32に金具10の両端が触れる状態で、上方から下方に移動する。このように、ガイド部31およびガイド部32は、表示パネル2をスタンド4に取り付ける際に表示パネル2の移動をユーザにガイドする機能を有する。
【0020】
図5は、本発明の一実施形態に係る突出部11を拡大して示す図である。この図に示すように、表示装置1では、突出部11の外縁部分16が斜面形状になっている。この斜面形状は、例えば、金具10を製造する際に、斜面形状が形成される前の突出部11の外縁部分16をプレスすることによって、C面として突出部11の外縁部分16に形成することができる。
【0021】
図6は、表示パネル2がスタンド4に仮固定された表示装置1を示す図である。この図に示すように、ユーザは、位置決め部24が端面部14に接触し、かつ位置決め部25が端面部15に接触するようになるまで、表示パネル2をスタンド4の方に降ろす。この際、突出部11の外縁部分16が斜面形状になっているので、突出部11は被覆部21の内壁面を滑るようにして容易に被覆部21内に挿入される。各接触が実現される位置にまで表示パネル2を降ろせば、突出部11が被覆部21によって覆い被され、爪部22が係合部12に係合し、さらに爪部23が係合部13に係合する。結果、爪部22は、金具10の上端部および表面に接触し、爪部23は、金具10の上端部および表面に接触することになる。これにより、爪部22および爪部23ならびに位置決め部24および位置決め部25は、金具10の上端部によって一度に支持される。こうして表示パネル2がスタンド4に仮固定される。このとき表示パネル2の横方向は水平方向に一致している。すなわち、表示パネル2は左右に斜めに傾くことなく、平行を保った状態で仮固定される。また、4つのネジ穴41が、対応するネジ穴51にそれぞれ重畳している。
【0022】
図7は、被覆部21の周辺を拡大して示す図である。この図に示すように、被覆部21には、突出部11を露出させる開口26が形成されている。開口26は、突出部11が正常に被覆部21内に挿入されたか否かをユーザに確認させるための確認窓としての機能を有する。開口26は、被覆部21における上部近辺に形成されており、その大きさは突出部11の上端部を露出できる程度に限られている。すなわち、被覆部21における突出部11に重畳する箇所の大半には、開口26が形成されない。表示パネル2がスタンド4に正しく取り付けられた場合、突出部11は、図7に示すように、被覆部21内において突出部11の一部が被覆部21を通じて露出する位置まで挿入される。
【0023】
図8は、表示パネル2がスタンド4に固定された表示装置1を示す図である。この図に示すように、ユーザは、表示パネル2をスタンド4に仮固定した後、ネジ61を用いて金具10およびシャーシ20を互いに固定する。図8では、4箇所のネジ穴41,51にそれぞれネジ61を挿入し、これらの箇所をネジ止めする。これにより金具10がシャーシ20に固定されるので、表示パネル2をスタンド4に固定することができる。
【0024】
図9は、図8におけるA-A’箇所の断面を示す断面図である。この図に示すように、表示パネル2がスタンド4に取り付けられた状態では、被覆部21が突出部11に覆い被さっている。図10は、図8におけるB-B’箇所の断面を示す図である。この図に示すように、表示パネル2がスタンド4に取り付けられた状態では、爪部23が係合部13に係合されている。
【0025】
図11は、金具10およびシャーシ20がネジ61によって固定された状態の表示装置1の背面を示す図である。この図に示すように、ネジ61を用いて金具10およびシャーシ20を互いに固定すると、表示パネル2をスタンド4の上部に安定して支持することができる。この後、金具10の箇所を保護するための保護ケースを取り付けることによって、図2に示すように、表示装置1の組み立てが完了する。
【0026】
(主要な作用効果)
表示パネル2の上部が重力によって、スタンドから前面に傾く際に、表示パネル2に前面への移動に係る応力が発生する。この際、爪部22および係合部12が係合関係にあり、かつ爪部22および係合部13が係合関係にある。したがって、発生した応力は、爪部22および爪部23をそれぞれ通って、金具10における爪部22および爪部23との各接触面(すなわち係合部12および係合部13)に伝わる。これにより、応力は、金具10の各接触面を通して金具10によって受け止められる。さらに、突出部11および被覆部21が係合関係にあるため、応力は、被覆部21の内壁面と突出部11の背壁面との接触面を通じても金具10に伝わる。したがって、応力を、爪部22、爪部23、および突出部11の3点を通して、金具10全体で受け止めることができる。これにより、表示パネル2を全面に倒そうとする応力が各点に分散されるので、表示パネル2上部の前面への移動が、爪部22、爪部23、および突出部11によって安定的に金具10に係止される。
【0027】
反対に、表示パネル2の上部が表示装置1の背面に傾く際は、背面への移動に係る応力は、金具10の突出部11と被覆部21の接触面を通して金具10全体に伝わる。これにより、応力が金具10全体で受け止められるので、表示パネル2上部の背面への移動が金具10に係止される。
【0028】
以上のように、表示パネル2が前面に傾く場合、スタンドの金具10に係合される爪部22および爪部23と、被覆部21に接触する突出部11とによって、表示パネル2が支えられる。逆に、表示パネル2が背面に傾く場合、金具10の表面に接触する突出部11によって、表示パネル2が支えられる。したがって、表示装置が前面にも背面にも転倒せずに済む。
【0029】
図に示すように、被覆部21に、突出部11を露出させる開口26が形成されている。これにより、ユーザは、スタンドに表示パネル2を取り付ける際、被覆部21を突出部11に正しく覆い被せたか否かを、開口26の視認によって容易に確認することができる。
【0030】
図4に示すように、表示パネル2をスタンドに取り付ける際、横方向に十分な長さを有する2つの位置決め部が、シャーシ20端部の2つの端面部にそれぞれ接触する。これにより、表示パネル2の横方向を水平方向に確実に一致させた状態で、表示パネル2をスタンドに取り付けることができる。
【0031】
図4に示すように、各ガイド部31および32を金具10の各横端面に接触させるようにして、表示パネル2をスタンドの方に降ろせば、表示パネル2が正しい位置でスタンドに取り付けられる。したがって、表示パネル2をスタンドに効率よく取り付けることができる。
【0032】
図5に示すように、表示パネル2の取り付け時に、斜面形状になっている突出部11の外縁部分に被覆部21を滑らせるようにして被覆部21を突出部11に覆い被せることができる。これにより、表示パネル2を効率よくスタンドに取り付けることができる。
【0033】
〔実施形態2〕
図12は、本発明の実施形態2に係る表示装置1Aが備える被覆部21Aの周辺を拡大して示す図である。表示装置1Aは、実施形態1に係る表示装置1と基本的に同一の各部材を備えている。しかし、表示装置1Aのスタンド4は、実施形態1とは異なり、被覆部21Aを有する金具10Aを備えている。本実施形態に係る被覆部21Aの大きさおよび位置は実施形態1に係る被覆部21と同一である。しかし、被覆部21Aは、実施形態1と異なり、開口26を有していない。したがって、ユーザは、表示装置1Aの組み立て時に、突出部11が被覆部21Aに正しく挿入されているか否かを、被覆部21Aの内部(裏側)を視認して確認することはできない。
【0034】
本実施形態では、そのような挿入完了後の視認が出来ないことは、表示パネル2をスタンド4に取り付ける際の大きな障害にならない。すなわち、本実施形態のように開口26が被覆部21Aに形成されない構成の表示装置1Aであっても、ユーザは、例えば突出部11の先端が被覆部21Aに挿入される寸前の様子を視認しながら表示装置1Aを組み立てることによって、少なくとも突出部11の先端が被覆部21A内に正しく挿入されたことを確認することはできる。そのような確認が出来た後に、そのまま表示パネル2を下方に降ろせば、突出部11を被覆部21の奥(被覆部21の上方)にまで正しく挿入できる。また、挿入時の様子を視認せずとも、ガイド部31およびガイド部32に金具10Aの両端が接する感覚を手のひらに感じながら表示パネル2を下方に降ろせば、突出部11が被覆部21Aの内側に正しく挿入した状態で表示パネル2をスタンド4に仮固定することができる。したがって、本実施形態においても、ユーザが表示パネル2をスタンド4に正しく取り付けることができることは、実施形態1と変わりない。
【0035】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルを支持するスタンドと、前記スタンドに固定される金具であって、前記金具における前記表示パネル側の端部から、前記表示パネルの方向に突出する突出部と、前記突出部から前記表示パネルの右端の方向および下端の方向の双方に離れた位置に設けられる第1係合部と、前記突出部よりも前記表示パネルの左端の方向および前記下端の方向の双方に離れた位置に設けられる第2係合部とを有する金具と、前記表示パネルに固定されるシャーシであって、前記シャーシの表面に設けられ、かつ前記突出部に覆い被さる被覆部と、前記被覆部よりも前記右端の方向に離れた位置に配置され、かつ前記第1係合部に係合される第1爪部と、前記被覆部よりも前記左端の方向に離れた位置に配置され、かつ前記第2係合部に係合される第2爪部とを有するシャーシとを備えている構成である。
【0036】
本発明の態様2に係る表示装置は、前記態様1において、前記被覆部に、前記突出部を露出させる開口が形成されている構成である。
【0037】
本発明の態様3に係る表示装置は、前記態様1または2において、前記金具は、前記端部における、前記突出部から前記右端の方向に離れた位置に配置され、かつ前記表示パネルの横方向に延伸する第1端面部と、前記端部における、前記突出部から前記左端の方向に離れた位置に配置され、かつ前記横方向に延伸する第2端面部とを有し、前記シャーシは、前記シャーシの表面における、前記被覆部から前記右端の方向に離れた位置に配置され、前記横方向に延伸し、かつ前記第1端面部と接触する第1位置決め部と、前記シャーシの表面における、前記被覆部から前記左端の方向に離れた位置に配置され、前記横方向に延伸し、かつ前記第2端面部と接触する第2位置決め部とを有する構成である。
【0038】
本発明の態様4に係る表示装置は、前記態様1~3のいずれかにおいて、前記表示パネルに設けられ、かつ前記表示パネルを前記スタンドに取り付ける際に前記シャーシの右端面に接触する第1ガイド部と、前記表示パネルに設けられ、かつ前記表示パネルを前記スタンドに取り付ける際に前記シャーシの左端面に接触する第2ガイド部とを備えている構成である。
【0039】
本発明の態様5に係る表示装置は、前記態様1~4のいずれかにおいて、前記突出部の外縁部分が斜面形状になっている構成である。
【0040】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0041】
1、1A 表示装置
2 表示パネル
4 スタンド
6 土台部
8 支柱部
10、10A 金具
11 突出部
12、13 係合部
14、15 端面部
16 外縁部分
20 シャーシ
21、21A 被覆部
22、23 爪部
26 開口
31、32 ガイド部
41、41,51、51 ネジ穴
61 ネジ
図1
図2
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図12