(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】ユーザ支援装置及びユーザ支援方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20240712BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20240712BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G08G1/13
G01C21/26 B
(21)【出願番号】P 2020167039
(22)【出願日】2020-10-01
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】金子 庸平
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-128573(JP,A)
【文献】特開2018-190142(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36、23/00-25/00
G08B 19/00-31/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
介助を必要とする状態になったユーザを支援するための処理を実行するコンピュータを備えたユーザ支援装置であって、
前記コンピュータは、
前記ユーザが介助を必要とする状態であることを示すデータを取得し、
前記ユーザの位置情報を取得し、
前記ユーザの位置情報に基づいて、前記ユーザとは異なる、前記ユーザの現在位置から所定範囲内にいる他ユーザを特定し、
前記他ユーザが乗車している他ユーザ車両の車載装置又は前記他ユーザが所持する端末装置に、前記ユーザの介助依頼を送信
し、
前記他ユーザが前記ユーザを介助した後に、前記他ユーザ車両を継続して利用する場合に必要となる、少なくとも前記他ユーザ車両の認証情報を含む支援情報を作成し、
前記支援情報を、前記他ユーザ車両の車載装置及び前記他ユーザが所持する端末装置に送信する
ことを特徴とするユーザ支援装置。
【請求項2】
介助を必要とする状態になったユーザを支援するための処理を実行するコンピュータを備えたユーザ支援装置であって、
前記コンピュータは、
前記ユーザが介助を必要とする状態であることを示すデータを取得し、
前記ユーザの位置情報を取得し、
前記ユーザの位置情報に基づいて、前記ユーザとは異なる、前記ユーザの現在位置から所定範囲内にいる他ユーザを特定し、
前記他ユーザが乗車している他ユーザ車両の車載装置又は前記他ユーザが所持する端末装置に、前記ユーザの介助依頼を送信し、
前記他ユーザ車両が前記ユーザの現在位置に停車した後に、前記他ユーザが前記他ユーザ車両の利用を継続する信号を受信した場合、前記他ユーザ車両の現在位置から前記他ユーザの目的地までの走行ルートを前記他ユーザ車両に送信し、
前記他ユーザ車両が前記ユーザの現在位置に停車した後に、前記他ユーザが前記他ユーザ車両の利用を継続する信号を受信しない場合、次の配車計画の受け付けを許可する信号を前記他ユーザ車両に送信する
ことを特徴とするユーザ支援装置。
【請求項3】
前記コンピュータは、
前記他ユーザが
前記介助依頼を承認した場合、前記他ユーザ車両の車載装置又は前記他ユーザが所持する端末装置に、少なくとも前記ユーザの位置情報を送信する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のユーザ支援装置。
【請求項4】
前記コンピュータは、
前記他ユーザの位置情報を取得し、
前記他ユーザが、前記他ユーザの現在位置から前記ユーザの現在位置に到着するまでに要する所要時間を演算し、
前記所要時間が短い他ユーザを優先して、前記介助依頼を送信する
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のユーザ支援装置。
【請求項5】
前記コンピュータは、
前記ユーザ及び前記他ユーザのユーザ情報を取得し、
前記ユーザのユーザ情報に基づいて前記ユーザが必要とする介助の種類を推定し、
推定した前記介助の種類に適した前記他ユーザを優先して、前記介助依頼を送信する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のユーザ支援装置。
【請求項6】
前記コンピュータは、
前記他ユーザ車両の走行ルートを、前記ユーザの現在位置に停車するように変更し、
変更した前記走行ルートを、前記他ユーザ車両の車載装置に送信する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のユーザ支援装置。
【請求項7】
前記コンピュータは、
前記他ユーザが前記
他ユーザ車両に乗車していない場合、前記他ユーザの現在位置から前記ユーザの現在位置までの案内情報を作成し、
前記案内情報を、前記他ユーザが所持する端末装置に送信する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のユーザ支援装置。
【請求項8】
前記コンピュータは、
前記他ユーザが前記
介助依頼を承認した場合、前記介助により発生する遅延時間を加味して前記他ユーザ車両の配車計画を変更する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のユーザ支援装置。
【請求項9】
前記コンピュータは、
前記ユーザが所持又は身体に装着する端末装置、センサのいずれかによって、前記ユーザが介助を必要とする状態であることを示すデータを取得する
ことを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のユーザ支援装置。
【請求項10】
介助を必要とする状態になったユーザを支援するための処理を実行するコンピュータを用いたユーザ支援方法であって、
前記コンピュータは、
前記ユーザが介助を必要とする状態であることを示すデータを取得し、
前記ユーザの位置情報を取得し、
前記ユーザの位置情報に基づいて、前記ユーザとは異なる、前記ユーザの現在位置から所定範囲内にいる他ユーザを特定し、
前記他ユーザが乗車している他ユーザ車両の車載装置又は前記他ユーザが所持する端末装置に、前記ユーザの介助依頼を送信し、
前記他ユーザが前記ユーザを介助した後に、前記他ユーザ車両を継続して利用する場合に必要となる、少なくとも前記他ユーザ車両の認証情報を含む支援情報を作成し、
前記支援情報を、前記他ユーザ車両の車載装置及び前記他ユーザが所持する端末装置に送信する
ことを特徴とする
ユーザ支援方法。
【請求項11】
介助を必要とする状態になったユーザを支援するための処理を実行するコンピュータを用いたユーザ支援方法であって、
前記コンピュータは、
前記ユーザが介助を必要とする状態であることを示すデータを取得し、
前記ユーザの位置情報を取得し、
前記ユーザの位置情報に基づいて、前記ユーザとは異なる、前記ユーザの現在位置から所定範囲内にいる他ユーザを特定し、
前記他ユーザが乗車している他ユーザ車両の車載装置又は前記他ユーザが所持する端末装置に、前記ユーザの介助依頼を送信し、
前記他ユーザ車両が前記ユーザの現在位置に停車した後に、前記他ユーザが前記他ユーザ車両の利用を継続する信号を受信した場合、前記他ユーザ車両の現在位置から前記他ユーザの目的地までの走行ルートを前記他ユーザ車両に送信し、
前記他ユーザ車両が前記ユーザの現在位置に停車した後に、前記他ユーザが前記他ユーザ車両の利用を継続する信号を受信しない場合、次の配車計画の受け付けを許可する信号を前記他ユーザ車両に送信する
ことを特徴とするユーザ支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転車両のユーザを支援するためのユーザ支援装置及びユーザ支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動運転制御装置を搭載した車両の乗客が降車不能状態となったときに、乗客を支援できる乗客支援装置が開示されている。この乗客支援装置は、乗客の状態を検出し、乗客が降車可能な状態にあるか否かを判定し、乗客が降車不能な状態にあると判断した場合に、乗客の覚醒を支援する覚醒動作を行う。さらに、覚醒動作後も乗客が降車不能な状態であると判定された場合に、事前に登録された連絡先に通知して迎えを依頼する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の乗客支援装置では、乗客の現在位置が事前に登録された連絡先から離れていると、依頼を受けた者が迎えに来るまでに要する時間が長くなる。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、介助を必要とする状態になったユーザの介助までに要する時間を短縮することができるユーザ支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様に係るユーザ支援装置は、介助を必要とする状態になったユーザを支援するための処理を実行するコンピュータを備える。このユーザ支援装置のコンピュータは、ユーザが介助を必要とする状態であることを示すデータを取得し、ユーザの位置情報を取得する。そして、ユーザの位置情報に基づいて、ユーザとは異なる、ユーザの現在位置から所定範囲内にいる他ユーザを特定し、他ユーザが乗車している他ユーザ車両の車載装置又は他ユーザが所持する端末装置に、ユーザの介助依頼を送信する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、介助を必要とする状態になったユーザの介助までに要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係るユーザ支援装置を含む配車システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の他ユーザの特定方法について説明するための図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係るユーザ支援装置が作成する案内情報の一例を説明する図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係るユーザ支援装置によるユーザ支援の処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係るユーザ支援装置によるユーザ支援の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した実施形態について、図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0010】
[配車システムの構成例]
図1を参照して、本実施形態に係るユーザ支援装置の構成例を説明する。本実施形態に係るユーザ支援装置24は、ユーザが車両の配車を依頼する配車リクエストに応じて車両を配車する配車システム10に含まれる。
【0011】
配車システム10は、サーバ20と、配車車両40と、他ユーザ車両50と、配車システム10により提供される配車サービスのユーザが所持するユーザ端末60とを主体に構成されている。なお本実施形態では、ユーザ支援装置24はサーバ20に搭載される。
【0012】
サーバ20は、無線又は有線のネットワークを介して、配車車両40、他ユーザ車両50及びユーザ端末60と通信する。なお、ネットワークは、例えばインターネットであり、4G/LTEや5Gなどのモバイル通信機能を利用するものであってもよい。
【0013】
サーバ20は、ユーザ端末60から送信された配車リクエストに応じた配車を行うための処理(「配車処理」と呼ぶ)と、配車車両40のユーザを支援するための処理(「ユーザ支援処理」と呼ぶ)を行うコントローラ(情報処理ユニット)である。サーバ20の設置場所は特に限定されないが、例えばサーバ20は、配車車両40及び他ユーザ車両50を運用する事業者の管理センタに設置される。サーバ20は、通信装置21と、記憶装置22と、マイクロプロセッサとを備えるコンピュータである。マイクロプロセッサが有する情報処理機能及び演算処理機能のうち、配車処理に係る機能を配車装置23と呼び、ユーザ支援処理に係る機能をユーザ支援装置24と呼ぶ。
【0014】
通信装置21は、ネットワークアダプタなどのハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、ネットワークなどを介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0015】
通信装置21は、ネットワークを介して配車車両40、他ユーザ車両50及びユーザ端末60との間で通信を行う。なお、通信装置21は、例えば、4G/LTEなどのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、Wifi(登録商標)通信機能を備えたデバイスであってもよい。
【0016】
記憶装置22は、配車サービスに必要な各種の情報やデータベースを格納する。記憶装置22は、例えば、配車装置23により作成された配車車両40の配車計画を記憶する。また、記憶装置22は、配車車両40の走行ルートを演算するための地図情報を保有する地図データベース、配車車両40から取得された車両情報を管理する車両データベース、ユーザ端末60から取得したユーザ情報を管理するユーザデータベースなどを格納する。
【0017】
[配車装置の構成例]
配車装置23は、サーバ20のマイクロプロセッサが有する情報処理機能及び演算処理機能のなかの、配車処理に係る機能を指す。配車装置23は、ユーザからの配車リクエスト及び車両の情報を取得し、取得した情報に基づいて、ユーザに配車する配車車両40を決定する。配車リクエストには、少なくともユーザが希望する乗降地と、ユーザIDなどの配車リクエストを送信したユーザを特定するための情報が含まれる。配車装置23は、メモリ(
図1では図示を省略)などに記憶されている様々なコンピュータプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる各種の命令を実行する。
【0018】
配車装置23は、配車車両40の配車計画を作成し、配車車両40の走行ルートを演算する。配車計画には、ユーザの乗降地、配車車両40が乗降地に停車する予定停車時刻などが含まれている。配車装置23は、作成した配車計画及び演算した走行ルートを配車車両40に送信する。また、配車装置23は、配車車両40の配車計画を配車車両40のユーザが所持するユーザ端末60に送信する。
【0019】
[ユーザ支援装置の構成例]
ユーザ支援装置24は、サーバ20のマイクロプロセッサが有する情報処理機能及び演算処理機能のなかの、ユーザ支援処理に係る機能を指す。ユーザ支援装置24は、配車リクエストに応じて配車された配車車両40のユーザを支援するための処理を行う。
【0020】
ユーザ支援装置24は、メモリ(
図1では図示を省略)などに記憶されている様々なコンピュータプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる各種の命令を実行する。プログラムを実行することにより、ユーザ支援装置24は、サーバ20が備える複数の機能のなかの、ユーザ支援処理に係る機能を実現する。
【0021】
ユーザ支援装置24は、配車車両40のユーザが介助を必要とする場合に、配車車両40の位置情報に基づいて、配車車両40のユーザとは異なる、配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内にいる他ユーザを特定する。他ユーザの特定方法については、
図2を参照して後述する。ユーザ支援装置24は、特定した他ユーザが乗車している他ユーザ車両50又は特定した他ユーザが所持するユーザ端末60に、介助を必要とするユーザの介助依頼を送信する。
【0022】
ユーザ支援装置24は、情報取得部241と、他ユーザ特定部242と、走行ルート演算部243と、案内情報作成部244と、配車計画変更部245と、支援情報作成部246と、走行再開部247と、送信部248とを備えている。
【0023】
なお、本実施形態では、汎用のコンピュータにインストールされるソフトウェアによってサーバ20が備える複数の情報処理回路を実現する例を示すが、もちろん、以下に示す各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、情報処理回路を構成することも可能である。また、ユーザ支援装置24を、配車装置23と一体のコントローラとして構成してもよく、サーバ20とは異なる個別のサーバにより構成してもよい。また、ユーザ支援装置24は、配車車両40に搭載されてもよい。
【0024】
情報取得部241は、配車車両40から、配車車両40のユーザが介助を必要とする状態であることを示す情報を取得する。なお、情報取得部241は、スマートフォン、携帯電話、タブレット、ウェアラブル端末などの配車車両40のユーザが所持又は装着する端末装置や、身体に装着するセンサなどから、配車車両40のユーザが介助を必要とする状態であることを示す情報を取得してもよい。また、情報取得部241は、配車車両40に搭載された車載装置又は配車車両40のユーザが所持するユーザ端末60から、介助を依頼する情報を取得してもよい。情報取得部241は、配車車両40のユーザが介助を必要とする場合に、配車車両40から、配車車両40の位置情報を取得する。
【0025】
他ユーザ特定部242は、配車車両40の位置情報に基づいて、配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内にいる他ユーザを特定する。
図2を参照して、他ユーザの特定方法を説明する。
【0026】
[他ユーザの特定方法]
他ユーザ特定部242は、配車車両40のユーザが介助を必要とする場合に、配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内の、介助依頼を送信していない他ユーザが乗車している他ユーザ車両50を探索する。具体的には、他ユーザ特定部242は、配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内の、介助依頼を送信していない他ユーザが乗車している他ユーザ車両501~507を抽出する。他ユーザ特定部242は、他ユーザ車両501~507の各々の現在位置から、配車車両40の現在位置に到着するまでに要する所要時間を演算する。そして、配車車両40の現在位置に到着するまでに要する所要時間が最も短い他ユーザ車両501の配車計画を取得して、他ユーザ車両501に乗車している他ユーザを特定する。なお、他ユーザ特定部242は、配車車両40の現在位置から最も近い位置にいる他ユーザ車両50に乗車している他ユーザを特定してもよい。
【0027】
他ユーザ特定部242は、配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内に介助依頼を送信していない他ユーザが乗車している他ユーザ車両50が見つからない場合に、配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内の乗車地で他ユーザ車両50に乗車予定の、介助依頼を送信していない他ユーザを探索する。具体的には、他ユーザ特定部242は、配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内の配車計画の情報を取得する。そして、配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内の乗車地で他ユーザ車両50に乗車予定の、介助依頼を送信していない他ユーザを抽出する。他ユーザ特定部242は、抽出した他ユーザが所持するユーザ端末60の位置情報を取得する。他ユーザ特定部242は、抽出した他ユーザの各々の現在位置から、配車車両40の現在位置に到着するまでに要する所要時間を演算する。そして、配車車両40の現在位置に到着するまでに要する所要時間が最も短い他ユーザを特定する。なお、他ユーザ特定部242は、配車車両40の現在位置から最も近い位置にいる他ユーザを特定してもよい。
【0028】
走行ルート演算部243は、他ユーザが配車車両40のユーザの介助を依頼する介助依頼を承認した場合に、介助依頼を承認した他ユーザが乗車中又は乗車予定の他ユーザ車両50の現在位置から配車車両40の現在位置までの走行ルートを演算する。
【0029】
案内情報作成部244は、介助依頼を承認した他ユーザの現在位置から配車車両40の現在位置までの案内情報を作成する。案内情報には、少なくとも配車車両40の現在位置情報が含まれる。ここで、
図3を参照して、案内情報の例を説明する。案内情報作成部244は、他ユーザの現在位置から配車車両40の現在位置までの案内ルートを演算し、案内情報としてもよく、他ユーザの現在位置から配車車両40の現在位置までの所要時間を演算し、案内情報としてもよい。また、案内情報作成部244は、他ユーザ車両50に乗車していない他ユーザが配車車両40の現在位置に到着してから、他ユーザ車両50が配車車両40の現在位置に到着するまでの待機時間を演算し、案内情報としてもよい。
【0030】
配車計画変更部245は、介助依頼を承認した他ユーザが乗車中又は乗車予定の他ユーザ車両50の配車計画を、介助により発生する遅延時間を加味して変更する。介助により発生する遅延時間には、例えば、他ユーザが乗車中の他ユーザ車両50の走行ルートの変更に伴う乗車時間の延長、他ユーザが乗車予定の他ユーザ車両50の乗車地の変更に伴う出発時間の遅れ、介助活動中の待機時間などが含まれる。
【0031】
支援情報作成部246は、介助依頼を承認した他ユーザが乗車している他ユーザ車両50又は介助依頼を承認した他ユーザが所持するユーザ端末60の位置情報を取得する。支援情報作成部246は、介助依頼を承認した他ユーザが乗車している他ユーザ車両50又は介助依頼を承認した他ユーザが所持するユーザ端末60の位置情報に基づいて、他ユーザが配車車両40の現在位置に到着したか否かを判定する。他ユーザが配車車両40の現在位置に到着した場合には、支援情報作成部246は、他ユーザが配車車両40のユーザを介助した後に、他ユーザ車両50を継続して利用する場合に必要となる支援情報を作成する。なお、支援情報には、少なくとも、他ユーザ車両50の乗車認証に必要となる他ユーザ車両50の認証情報が含まれる。他ユーザ車両50の認証情報は、例えば、他ユーザ車両50のドアをアンロックするための暗証番号である。また、支援情報には、介助活動中に他ユーザ車両50が配車車両40から離れた位置に移動して待機する場合の、他ユーザ車両50の位置情報が含まれてもよい。
【0032】
走行再開部247は、他ユーザ車両50が配車車両40の現在位置に到着した後に、他ユーザが他ユーザ車両50の利用を継続する信号を受信したか否かを判定する。走行再開部247は、他ユーザ車両50が配車車両40の現在位置に到着した後に、他ユーザが他ユーザ車両50の利用を継続する信号を受信した場合に、他ユーザ車両50の現在位置から他ユーザの目的地までの走行ルートを演算する。
【0033】
具体的には、走行再開部247は、他ユーザ車両50が配車車両40の現在位置に到着した後に、他ユーザが他ユーザ車両50の乗車認証を行ったことを示す情報を、他ユーザ車両50から取得する。走行再開部247は、他ユーザ車両50が配車車両40の現在位置に到着してから所定時間内に、他ユーザが他ユーザ車両50の乗車認証を行ったか否かを判定する。例えば、走行再開部247は、他ユーザ車両50が配車車両40の現在位置に到着してから20分以内に、他ユーザが他ユーザ車両50の乗車認証を行ったか否かを判定する。「所定時間」は、配車車両40のユーザの介助にかかる時間に応じて設定することができる。例えば、助手席又は後部座席を車室内外で移動可能な福祉車両、車いすを車両後部から搬入可能な福祉車両、等の配車車両40の情報から、設定することができる。あるいは、「所定時間」は、介助に必要な時間としてユーザが申告した時間に応じて設定してもよい。ユーザが申告した時間は、ユーザ端末60から取得したユーザ情報に含まれる。
【0034】
他ユーザ車両50が配車車両40の現在位置に到着してから所定時間内に、他ユーザが他ユーザ車両50の乗車認証を行った場合に、走行再開部247は、他ユーザ車両50の現在位置から、他ユーザの目的地までの走行ルートを演算する。また、走行再開部247は、他ユーザが所持するユーザ端末60から、走行開始を承認する信号を受信したか否かを判定する。
【0035】
さらに、走行再開部247は、他ユーザ車両50が配車車両40の現在位置に到着してから所定時間内に、他ユーザが他ユーザ車両50の乗車認証を行わない場合に、他ユーザ車両50から、他ユーザ車両50の周囲の情報を取得する。走行再開部247は、他ユーザ車両50の周囲に要介助者が不在か否かを判定し、他ユーザ車両50の周囲に要介助者が存在する場合には、再度所定時間待機した後に、他ユーザが他ユーザ車両50の乗車認証を行ったか否かを判定する処理を繰り返す。
【0036】
送信部248は、配車車両40のユーザの支援をするために必要な情報を、通信装置21を介して他ユーザ車両50及びユーザ端末60に送信する。例えば、送信部248は、他ユーザ特定部242により特定された他ユーザが乗車している他ユーザ車両50又は他ユーザ特定部242により特定された他ユーザが所持するユーザ端末60に、配車車両40のユーザの介助依頼を送信する。なお、介助依頼には、少なくとも周辺に介助を必要とする要介助者がいることを示す情報と、介助依頼を承認するか否かを確認する通知が含まれる。
【0037】
また、送信部248は、配車車両40の現在位置を、介助依頼を承認した他ユーザが乗車する他ユーザ車両50又は介助依頼を承認した他ユーザが所持するユーザ端末60に送信する。送信部248は、他ユーザ車両50の配車計画、走行ルート及び支援情報を、他ユーザ車両50に送信する。送信部248は、配車車両40の配車計画、案内情報及び支援情報を、他ユーザが所持するユーザ端末60に送信する。
【0038】
さらに、送信部248は、走行開始を承認するか否かを確認する通知を、他ユーザが所持するユーザ端末60に送信する。送信部248は、走行開始を許可する信号又は次の配車計画の受け付けを許可する信号を、他ユーザ車両50に送信する。
【0039】
[配車車両の構成]
配車車両40は、ユーザが指定する目的地(ユーザの行き先)までの移動手段を提供する乗り物であり、運転者が存在しない自動運転車両である。なお、配車システム10には、複数台の配車車両が登録されているものとする。
【0040】
配車車両40は、通信装置41と、車両ECU(Electronic Control Unit)42と、センサ43と、状態判定装置44と、報知装置45とを備える。
【0041】
通信装置41は、通信装置21、通信装置51及び通信装置61と同様の構成を備えており、ネットワークを介してサーバ20と通信する。通信装置41は、例えば、配車計画、走行ルートなどの所定の情報をサーバ20から取得する。通信装置41は、車両情報、GPS受信機によって取得された位置情報などの所定の情報をサーバ20に送信する。通信装置41は、ユーザが介助を必要とすることを示す情報をサーバ20に送信する。
【0042】
車両ECU42は、配車車両40の走行を制御するためのコンピュータである。車両ECU42は、サーバ20からの指令に基づいて各種のアクチュエータ(例えばブレーキアクチュエータ、アクセルアクチュエータ、ステアリングアクチュエータなど)を制御する。
【0043】
センサ43は、配車車両40のユーザの状態を判定するための情報を取得する。センサ43は、例えば、配車車両40の車両内の天井や側面、車両外のドアミラーなど、ユーザの顔や体及び配車車両40の周囲を撮影可能な位置に複数設置されたカメラである。
【0044】
状態判定装置44は、センサ43から、ユーザの状態を判定するための情報を取得する。状態判定装置44は、センサ43から取得した情報に基づいて、配車車両40のユーザが介助を必要とする状態か否かを判定する。なお、ユーザが介助を必要とする状態とは、例えば、身体障害者が乗降時に転倒し、自力では起き上がれない状態や、ユーザが急病で動けない状態である。状態判定装置44は、例えば、配車車両40のドアが開いた状態で、カメラ画像から認識されるユーザが車両内又は車両外で動かない状態が基準時間(例えば10分)以上続く場合、ユーザが介助を必要とする状態であると判定する。また、状態判定装置44は、車両に取り付けられたマイク(センサ43の他の例)が検出した音声データから音声認識を行い、ユーザの介助の要否を判断してもよい。
【0045】
状態判定装置44は、配車車両40のユーザが介助を必要とする状態であると判定した場合に、通信装置41を介して、配車車両40のユーザが介助を必要とする状態であることを示す情報をサーバ20に送信する。また、状態判定装置44は、配車車両40のユーザが介助を必要とする状態であると判定した場合に、配車車両40のユーザが介助を必要とする状態であることを示す情報を報知装置45に送信する。
【0046】
報知装置45は、配車車両40のユーザが介助を必要とする状態である場合に、配車車両40の周囲に、ユーザが介助を必要とすることを報知する。報知装置45は、例えば、配車車両40の外部に設置されたスピーカにより、配車車両40の周囲に介助を依頼するメッセージや警報を流す。
【0047】
[他ユーザ車両の構成]
他ユーザ車両50は、配車車両40のユーザが介助を必要とする状態である場合に、配車システムが管理する、配車車両40とは異なる配車車両のなかから、ユーザ支援装置24によって抽出される。他ユーザ車両50は、通信装置51と、車両ECU52と、センサ53とを備える。
【0048】
通信装置51は、通信装置21、通信装置41及び通信装置61と同様の構成を備えており、ネットワークを介してサーバ20と通信する。通信装置51は、例えば、配車計画、走行ルート、支援情報などの所定の情報をサーバ20から取得する。通信装置51は、車両情報、GPS受信機によって取得された位置情報などの所定の情報をサーバ20に送信する。車両ECU52及びセンサ53は配車車両40と同様であるため、説明を省略する。
【0049】
[ユーザ端末の構成]
ユーザ端末60は、通信装置61と、コントローラ62と、表示部63と、入力部64とを備える。ユーザ端末60は、例えば、スマートフォン、タブレットなどである。また、ユーザ端末60は、ウェアラブル型の装置であってもよい。
【0050】
通信装置61は、通信装置21、通信装置41及び通信装置51と同様の構成を備えており、ネットワークを介してサーバ20と通信する。通信装置61は、例えば、配車計画、介助依頼、案内情報、支援情報などの所定の情報を、サーバ20から取得する。通信装置61は、例えば、配車リクエスト及びGPS受信機(
図1では図示を省略)によって取得されたユーザ端末60の位置情報、介助依頼を承認するか否かなどの所定の情報を、サーバ20に送信する。
【0051】
コントローラ62は、通信装置61、表示部63、入力部64、GPS受信機と接続されている。コントローラ62には、通信装置61、入力部64、GPS受信機からの情報が入力され、コントローラ62からは通信装置61、表示部63への情報が出力される。なお、コントローラ62は、CPU、メモリ、及び入出力部を備える汎用のマイクロコンピュータである。
【0052】
表示部63は、配車システム10によって配車される配車車両40の情報や、配車車両40と待ち合わせる乗車地に関する情報などを表示する。配車車両40の情報及び乗車地に関する情報は、通信装置61により、ネットワークを介してサーバ20から取得する。表示部63は、ユーザ支援装置24によって作成された介助依頼、案内情報及び支援情報を表示する。
【0053】
入力部64は、配車システム10に対するユーザからの各種の指示に対応するユーザの操作を受け付ける。入力部64は、例えば、表示部63によって提示した介助依頼を承認するか否かの通知に対するユーザの回答を受け付ける。
【0054】
次に、
図4を参照し、本実施形態に係るユーザ支援装置24の動作の流れを説明する。
図4の処理は、配車車両40において、配車車両40のユーザが介助を必要とする状態であると判定された場合に実行される。
【0055】
まず、
図4のステップS101において、情報取得部241は、配車車両40のユーザが介助を必要とする状態であることを示す情報を、配車車両40から取得する。ステップS102に進み、情報取得部241は、配車車両40の位置情報を、配車車両40から取得する。
【0056】
ステップS103に進み、他ユーザ特定部242は、配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内の、介助依頼を送信していない他ユーザが乗車している他ユーザ車両50を探索する。
【0057】
ステップS104に進み、他ユーザ特定部242は、配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内に、介助依頼を送信していない他ユーザが乗車している他ユーザ車両50が存在するか否かを判定する。配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内に介助依頼を送信していない他ユーザが乗車している他ユーザ車両50が存在する場合には、ステップS104で肯定判定され、ステップS105に進む。一方、配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内に、介助依頼を送信していない他ユーザが乗車している他ユーザ車両50が存在しない場合には、ステップS104で否定判定され、ステップS108に進む。
【0058】
ステップS105において、他ユーザ特定部242は、配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内の、介助依頼を送信していない他ユーザが乗車している他ユーザ車両50を抽出する。他ユーザ特定部242は、他ユーザ車両50の現在位置から、配車車両40の現在位置に到着するまでに要する所要時間を演算する。そして、配車車両40の現在位置に到着するまでに要する所要時間が最も短い他ユーザ車両50の配車計画を取得して、配車車両40の現在位置に到着するまでに要する所要時間が最も短い他ユーザ車両50に乗車している他ユーザを特定する。
【0059】
ステップS106に進み、送信部248は、特定した他ユーザが所持するユーザ端末60に、介助依頼を送信する。表示部63は、受信した介助依頼を表示する。入力部64は、他ユーザが介助依頼を承認するか否かの回答を受け付け、サーバ20に送信する。なお、送信部248は、特定した他ユーザが乗車している他ユーザ車両50に介助依頼を送信してもよい。
【0060】
ステップS107に進み、走行ルート演算部243は、介助依頼が他ユーザによって承認されたか否かを判定する。ユーザ端末60から介助依頼を承認する信号を受信した場合、すなわち介助依頼が他ユーザに承認された場合には、ステップS107で肯定判定され、ステップS114に進む。一方、介助依頼を承認する信号を受信しない場合、すなわち介助依頼が他ユーザによって承認されない場合には、ステップS107で否定判定され、ステップS103に戻る。
【0061】
ステップS108において、他ユーザ特定部242は、配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内の配車計画の情報を取得する。そして、配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内の乗車地で他ユーザ車両50に乗車予定の、介助依頼を送信していない他ユーザを探索する。
【0062】
ステップS109に進み、他ユーザ特定部242は、配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内の乗車地で他ユーザ車両50に乗車予定の、介助依頼を送信していない他ユーザが存在するか否かを判定する。配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内の乗車地で他ユーザ車両50に乗車予定の、介助依頼を送信していない他ユーザが存在する場合には、ステップS109で肯定判定され、ステップS110に進む。一方、配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内の乗車地で他ユーザ車両50に乗車予定の、介助依頼を送信していない他ユーザが存在しない場合には、ステップS109で否定判定され、ステップS103に戻る。
【0063】
ステップS110において、他ユーザ特定部242は、ステップS109で肯定判定された他ユーザが所持するユーザ端末60の位置情報を取得する。そして、ステップS109で肯定判定された他ユーザが所持するユーザ端末60の現在位置から、配車車両40の現在位置に到着するまでに要する所要時間を演算する。そして、配車車両40の現在位置に到着するまでに要する所要時間が最も短い他ユーザを特定する。
【0064】
ステップS111に進み、送信部248は、特定した他ユーザが所持するユーザ端末60に、介助依頼を送信する。表示部63は、受信した介助依頼を表示する。入力部64は、他ユーザが介助依頼を承認するか否かの回答を受け付け、サーバ20に送信する。
【0065】
ステップS112に進み、案内情報作成部244は、介助依頼が他ユーザによって承認されたか否かを判定する。ユーザ端末60から介助依頼を承認する信号を受信した場合、すなわち介助依頼が他ユーザによって承認された場合には、ステップS112で肯定判定され、ステップS113に進む。一方、介助依頼を承認する信号を受信しない場合、すなわち介助依頼が他ユーザによって承認されない場合には、ステップS112で否定判定され、ステップS103に戻る。
【0066】
ステップS113において、案内情報作成部244は、他ユーザの現在位置から配車車両40の現在位置までの案内情報を作成する。案内情報には、少なくとも配車車両40の現在位置情報が含まれる。送信部248は、作成した案内情報を、他ユーザが所持するユーザ端末60に送信し、ステップS114に進む。
【0067】
ステップS114において、走行ルート演算部243は、介助依頼を承認した他ユーザが乗車中又は乗車予定の他ユーザ車両50の現在位置から配車車両40の現在位置までの走行ルートを演算する。送信部248は、演算した走行ルートを、他ユーザ車両50に送信し、ステップS115に進む。
【0068】
ステップS115において、配車計画変更部245は、介助依頼を承認した他ユーザが乗車中又は乗車予定の他ユーザ車両50の配車計画を変更する。配車計画変更部245は、介助により発生する遅延時間を加味して、他ユーザ車両の配車計画を変更する。介助により発生する遅延時間には、走行ルートの変更に伴う乗車時間の延長、乗車地の変更に伴う出発時刻の遅れ、介助活動中の待機時間などが含まれる。送信部248は、変更した配車計画を、他ユーザ車両50に送信する。
【0069】
ステップS116に進み、支援情報作成部246は、介助依頼を承認した他ユーザが乗車している他ユーザ車両50又は介助依頼を承認した他ユーザが所持するユーザ端末60の位置情報を取得する。支援情報作成部246は、取得した他ユーザ車両50又は他ユーザが所持するユーザ端末60の位置情報に基づいて、他ユーザが配車車両40の現在位置に到着したか否かを判定する。他ユーザが配車車両40の現在位置に到着した場合には、ステップS116で肯定判定され、
図5のステップS201に進む。他ユーザが配車車両40の現在位置に到着していない場合には、ステップS116で否定判定され、ステップS116に戻る。つまり、ステップS116で肯定判定されるまで、他ユーザ車両50又はユーザ端末60の位置情報を取得し、他ユーザが配車車両40の現在位置に到着したか否かを判定する処理(S116)を繰り返し実施する。
【0070】
以下の説明では、他ユーザ車両50は、他ユーザが配車車両40の現在位置に到着し、配車車両40のユーザの介助活動を行っている間、ドアを自動でロックし、他ユーザ車両50を配車車両40の周辺に停車させて待機するものとする。
【0071】
図5のステップS201において、支援情報作成部246は、他ユーザが配車車両40のユーザを介助した後に、他ユーザ車両50を継続して利用する場合に必要となる支援情報を作成する。支援情報には、少なくとも、他ユーザ車両50の乗車認証に必要となる他ユーザ車両50の認証情報が含まれる。送信部248は、作成した支援情報を、他ユーザ車両50及び他ユーザが所持するユーザ端末60に送信する。
【0072】
ステップS202に進み、走行再開部247は、他ユーザ車両50が配車車両40の現在位置に到着した後に、他ユーザが他ユーザ車両50の乗車認証を行ったことを示す情報を、他ユーザ車両50から取得する。走行再開部247は、他ユーザ車両50が配車車両40の現在位置に到着してから所定時間内に、他ユーザが他ユーザ車両50の乗車認証を行ったか否かを判定する。
【0073】
他ユーザ車両50が配車車両40の現在位置に到着してから所定時間内に、他ユーザが他ユーザ車両50の乗車認証を行った場合には、ステップS202で肯定判定され、ステップS203に進む。一方、ステップS202で否定判定された場合には、ステップS207に進む。他ユーザ車両50は、他ユーザから乗車認証を受け付けた場合(S202でYES)には、自動でドアをアンロックする。
【0074】
ステップS203において、走行再開部247は、配車車両40の現在位置から、他ユーザの目的地までの走行ルートを演算する。送信部248は、演算した走行ルートを、他ユーザ車両50に送信する。
【0075】
ステップS204に進み、送信部248は、走行開始を承認するか否かを確認する通知を、他ユーザが所持するユーザ端末60に送信する。表示部63は、受信した走行開始を承認するか否かを確認する通知を表示する。入力部64は、他ユーザが走行開始を承認するか否かの回答を受け付け、サーバ20に送信する。
【0076】
ステップS205に進み、走行再開部247は、走行開始が他ユーザによって承認されたか否かを判定する。ユーザ端末60から走行開始を承認する信号を受信した場合、すなわち走行開始が他ユーザによって承認された場合には、ステップS205で肯定判定され、ステップS206に進む。一方、走行開始を承認する信号を受信しない場合、すなわち走行開始が他ユーザによって承認されない場合には、ステップS205で否定判定され、ステップS205に戻る。
【0077】
ステップS206において、送信部248は、走行開始を許可する信号を他ユーザ車両50に送信し、
図4~5の処理を終了する。
【0078】
ステップS207において、走行再開部247は、他ユーザ車両50から、他ユーザ車両50の周囲の情報を取得する。ステップS208に進み、走行再開部247は、他ユーザ車両50の周囲に、要介助者が不在か否かを判定する。他ユーザ車両50の周囲に要介助者が不在の場合には、ステップS208で肯定判定され、ステップS210に進む。一方、他ユーザ車両50の周囲に要介助者が存在する場合には、ステップS208で否定判定され、ステップS209に進む。ステップS209において、走行再開部247は、再度所定時間待機したのち、ステップS202の処理を繰り返す。
【0079】
ステップS210において、送信部248は、次の配車計画の受け付けを許可する信号を他ユーザ車両50に送信し、
図4~5の処理を終了する。
【0080】
[本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態に係るユーザ支援装置は、ユーザが介助を必要とする状態であることを示すデータを取得し、ユーザの位置情報を取得する。そして、ユーザの位置情報に基づいて、ユーザとは異なる、ユーザの現在位置から所定範囲内にいる他ユーザを特定し、他ユーザが乗車している他ユーザ車両の車載装置又は他ユーザが所持する端末装置に、ユーザの介助依頼を送信する。
【0081】
これにより、自動運転車両のユーザが介助を必要とする場合に、介助を必要とするユーザの現在位置から所定範囲内にいる他ユーザに介助依頼を送信することができる。よって、自動運転車両のユーザが急病や転倒などにより介助を必要とする場合に、ユーザの現在位置から近い位置にいる他ユーザに介助の依頼を送信でき、介助までに要する時間を抑制できる。また、配車サービスを利用中又は利用予定の他ユーザを特定して介助依頼を個別に送信することができ、配車車両40が備えるスピーカから出力される音声によって周囲に居る不特定の者に対して介助を依頼するよりも、介助依頼が承認される可能性を向上できる。
【0082】
本実施形態に係るユーザ支援装置は、他ユーザが介助依頼を承認した場合、他ユーザ車両の車載装置又は他ユーザが所持する端末装置に、少なくともユーザの位置情報を送信する。これにより、介助を必要とするユーザの現在位置を他ユーザに送信することができ、他ユーザがユーザの介助に向かうことができる。また、ユーザの位置情報を、ユーザを介助する他ユーザに限定して送信することができる。
【0083】
本実施形態に係るユーザ支援装置は、他ユーザの位置情報を取得し、他ユーザが、他ユーザの現在位置からユーザの現在位置に到着するまでに要する所要時間を演算し、所要時間が短い他ユーザを優先して、介助依頼を送信する。これにより、介助が必要なユーザのところにできるだけ早く到着する他ユーザに介助依頼を送信することができ、介助までに要する時間を抑制できる。
【0084】
本実施形態に係るユーザ支援装置は、他ユーザ車両の走行ルートを、ユーザの現在位置に停車するように変更し、変更した走行ルートを、他ユーザ車両の車載装置に送信する。これにより、介助を必要とするユーザの現在位置を他ユーザ車両に送信することができ、他ユーザ車両に乗車している他ユーザがユーザの介助に向かうことができる。また、他ユーザがユーザの介助をした後に、他ユーザ車両に乗車できる。
【0085】
本実施形態に係るユーザ支援装置は、他ユーザが他ユーザ車両に乗車していない場合、他ユーザの現在位置からユーザの現在位置までの案内情報を作成し、案内情報を、他ユーザが所持する端末装置に送信する。これにより、介助を必要とするユーザの現在位置を他ユーザに送信することができ、他ユーザがユーザの介助に向かうことができる。
【0086】
本実施形態に係るユーザ支援装置は、他ユーザが介助依頼を承認した場合、介助により発生する遅延時間を加味して他ユーザ車両の配車計画を変更する。「介助により発生する遅延時間」には、走行ルートの変更に伴う乗車時間の延長、乗車地の変更に伴う出発時刻の遅れ、介助活動中の待機時間が含まれる。これらの遅延時間を加味して他ユーザ車両の配車計画を変更することにより、他ユーザは変更後の配車計画に沿って、他ユーザ車両の利用を継続することができる。
【0087】
本実施形態に係るユーザ支援装置は、他ユーザがユーザを介助した後に、他ユーザ車両を継続して利用する場合に必要となる、少なくとも他ユーザ車両の認証情報を含む支援情報を作成し、支援情報を、他ユーザ車両の車載装置及び他ユーザが所持する端末装置に送信する。これにより、他ユーザがユーザを介助した後も他ユーザ車両を継続して利用できる。
【0088】
本実施形態に係るユーザ支援装置は、他ユーザ車両がユーザの現在位置に停車した後に、他ユーザが他ユーザ車両の利用を継続する信号を受信した場合、他ユーザ車両の現在位置から他ユーザの目的地までの走行ルートを他ユーザ車両に送信する。そして、他ユーザ車両がユーザの現在位置に停車した後に、他ユーザが他ユーザ車両の利用を継続する信号を受信しない場合、次の配車計画の受け付けを許可する信号を他ユーザ車両に送信する。これにより、他ユーザがユーザを介助した後に他ユーザ車両を利用する場合には、他ユーザ車両の利用を継続することができ、他ユーザ車両を利用しない場合には、次の配車計画を受け付けることができる。よって、他ユーザがユーザの介助に向かう事による配車サービスの機会損失を抑制できる。
【0089】
なお、本実施形態では、配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内にいる他ユーザのなかから、他ユーザの現在位置から配車車両40の現在位置に到着するまでに要する所要時間が短い他ユーザを優先して、介助依頼を送信する形態を説明した。しかしながら、ユーザ支援装置24は、介助を必要とする状態になったユーザのユーザ情報及び他ユーザのユーザ情報を取得し、ユーザのユーザ情報に基づいて、ユーザが必要とする介助の種類を推定し、推定した介助の種類に適した他ユーザを優先して、介助依頼を送信してもよい。
【0090】
例えば、配車車両40のユーザがてんかんなどの発作を伴う病気であった場合に、配車車両40が、ユーザが介助を必要とする状態であると判定したとする。この場合、ユーザ支援装置24は、配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲A内にいる他ユーザのなかから、医者や看護師などの医療関係者を優先して、介助依頼を送信する。この場合、ユーザ情報は、予め配車サービスを利用するユーザによって登録されたユーザ情報から取得されてもよく、ユーザが配車リクエストを送信する際に、ユーザに申告してもらった情報から取得されてもよい。また、ユーザ情報には、身体障害者であることを示す情報や、持病の情報などが含まれてもよく、医者や看護師など医療関係者である、CPR(Cardiopulmonary Resuscitation)又はBLS(Basic Life Support)の資格が持っていることを示す情報が含まれてもよい。
【0091】
これにより、介助を必要とするユーザに適した介助を行うことが可能な他ユーザを優先して介助の依頼を送信でき、よりスムーズにユーザを介助できる他ユーザに介助を依頼できる。
【0092】
また、本実施形態では、配車車両40のユーザが介助を必要とする状態であることを示す情報及びユーザの位置情報を、配車車両40から取得する形態を説明した。しかしながら、ユーザ支援装置24は、前記ユーザが所持又は身体に装着する端末装置、センサのいずれかによって、前記ユーザが介助を必要とする状態であることを示すデータを取得してもよい。
【0093】
例えば、配車車両40のユーザが、脈拍や姿勢を計測できるウェアラブル端末を装着している場合に、ウェアラブル端末がユーザの脈拍に異常があることや、ユーザが転倒していることを検知し、ユーザが介助を必要とする状態であると判定したとする。この場合、ユーザ支援装置24は、ウェアラブル端末からユーザが介助を必要とする状態であることを示す情報を取得する。これにより、ユーザが介助を必要とする状態であることを示す情報をより確実に取得できる。
【0094】
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0095】
24 ユーザ支援装置
40 配車車両
50 他ユーザ車両
60 ユーザ端末(他ユーザが所持する端末装置)
A 配車車両40の現在位置から所定時間内に到達できる範囲(所定範囲)