(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】情報提供システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20240712BHJP
G16Y 40/40 20200101ALI20240712BHJP
【FI】
G06Q10/20
G16Y40/40
(21)【出願番号】P 2020176401
(22)【出願日】2020-10-21
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】平瀬 公太
(72)【発明者】
【氏名】川田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】大野 明子
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-178820(JP,A)
【文献】特開2020-022959(JP,A)
【文献】特開2017-204166(JP,A)
【文献】特開2019-185760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16Y 40/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器使用者から当該機器の消耗品に関する言葉が発話されたタイミング及び定期的なタイミングで、
前記機器の消耗品の交換時期又は当該消耗品の発注に関する情報を
音声で前記機器使用者に通知する対話型コミュニケーション装置に対し、当該機器の消耗品の交換時期又は当該消耗品の発注に関する情報を提供する提供手段を有し、
前記提供手段は、前記対話型コミュニケーション装置に前記機器の消耗品の交換時期又は前記消耗品の発注に関する情報提供した後の当該対話型コミュニケーション装置からの指示に応じて、当該機器の消耗品の交換時期又は当該消耗品の発注に関する情報を当該対話型コミュニケーション装置とは異なる携帯端末に提供すること
、
を特徴とする
情報提供システム。
【請求項2】
コンピュータに、
機器使用者から当該機器の消耗品に関する言葉が発話されたタイミング及び定期的なタイミングで、
前記機器の消耗品の交換時期又は当該消耗品の発注に関する情報を音声で前記機器使用者に通知する対話型コミュニケーション装置に対し、当該機器の消耗品の交換時期又は当該消耗品の発注に関する情報を提供する提供機能を実現させ、
前記提供機能は、前記対話型コミュニケーション装置に前記機器の消耗品の交換時期又は前記消耗品の発注に関する情報提供した後の当該対話型コミュニケーション装置からの指示に応じて、当該機器の消耗品の交換時期又は当該消耗品の発注に関する情報を当該対話型コミュニケーション装置とは異なる携帯端末に提供する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対話型コミュニケーション装置、機器、情報提供システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、浄水カートリッジの利用開始後の経過時間を測定し、所定時間の経過後に時間経過を浄水器使用者に通知して、浄水カートリッジの交換を促し、さらには浄水カートリッジの発注を支援するためのスマートフォン向けのアプリケーションが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、浄水器の浄水カートリッジ等の定期的に交換が必要となる消耗品の交換時期は、機器使用者にとっては気が付きにくく、忘れがちである。特許文献1に記載されたようなスマートフォン向けのアプリケーションは、浄水カートリッジ交換時期が近づくと機器使用者に通知したり、浄水カートリッジの交換に関する情報を提供したりする。
ところが、特許文献1の技術では機器使用者は、アプリから浄水カートリッジの交換時期の通知があるまでは、交換時期を意識することができず、機器使用期間中にいつでも交換時期を確認するわけにはいかなかった。
本発明の目的は、従来の消耗品の交換時期を通知するアプリに比べ、機器使用者に対しより自然なタイミングで消耗品の交換時期を伝えることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が適用される情報提供システムは、機器使用者から当該機器の消耗品に関する言葉が発話されたタイミング及び定期的なタイミングで、前記機器の消耗品の交換時期又は当該消耗品の発注に関する情報を音声で前記機器使用者に通知する対話型コミュニケーション装置に対し、当該機器の消耗品の交換時期又は当該消耗品の発注に関する情報を提供する提供手段を有し、前記提供手段は、前記対話型コミュニケーション装置に前記機器の消耗品の交換時期又は前記消耗品の発注に関する情報提供した後の当該対話型コミュニケーション装置からの指示に応じて、当該機器の消耗品の交換時期又は当該消耗品の発注に関する情報を当該対話型コミュニケーション装置とは異なる携帯端末に提供すること、を特徴とするものである。
また、本発明が適用されるプログラムは、コンピュータに、機器使用者から当該機器の消耗品に関する言葉が発話されたタイミング又は定期的なタイミングで、前記機器の消耗品の交換時期又は当該消耗品の発注に関する情報を音声で前記機器使用者に通知する対話型コミュニケーション装置に対し、当該機器の消耗品の交換時期又は当該消耗品の発注に関する情報を提供する提供機能を実現させ、前記提供機能は、前記対話型コミュニケーション装置に前記機器の消耗品の交換時期又は前記消耗品の発注に関する情報提供した後の当該対話型コミュニケーション装置からの指示に応じて、当該機器の消耗品の交換時期又は当該消耗品の発注に関する情報を当該対話型コミュニケーション装置とは異なる携帯端末に提供する、プログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、従来の消耗品の交換時期を通知するアプリに比べ、機器使用者に対しより自然なタイミングで消耗品の交換時期を伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施の形態における情報提供システムの構成例を示す図である。
【
図3】情報提供システムの概略動作の例について示す図である。
【
図4】情報提供システムの機能構成例を示したブロック図である。
【
図5】情報提供システムが行う動作について説明するフローチャートである。
【
図6】ロボットと使用者との会話例を文字にして説明する図である。
【
図7】ロボットと使用者との会話例を文字にして説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<情報提供システム1全体の説明>
図1は、本実施の形態における情報提供システム1の構成例を示す図である。
図示するように本実施の形態の情報提供システム1は、浄水器10と携帯端末20とロボット30と管理サーバ40とが、ネットワーク70、ネットワーク80、アクセスポイント90を介して接続されることにより構成されている。
なお、
図1では、浄水器10、携帯端末20およびロボット30は、それぞれ1つずつしか示していないが、個数はいくつでもよい。
【0009】
浄水器10は、住居内で水道水をろ過するためのフィルタないし浄水カートリッジ10a(以下、「カートリッジ10a」と略すことがある)を装着可能なように構成されている。浄水器10は、例えば蛇口に直接取り付けられ、水道水(原水)を蛇口からの水圧によりカートリッジ10aでろ過して浄水する。浄水器10は、消耗品であるカートリッジ10aを定期的に交換して使用されるものである。浄水器10は、浄水または水道水(原水)を選択するレバーを備える。
【0010】
なお、本実施の形態では、情報提供システム1に浄水器10を含む構成を採用するが、消耗品が装着される機器であればよく、浄水器10に限られない。例えば浄水器10以外の家電製品(不図示)でもよい。例えば、フィルタを定期的に交換するエアコンや、充電したバッテリーの電力で動作する掃除機等である。エアコンの場合の消耗品はフィルタであり、掃除機の場合の消耗品はバッテリーである。
【0011】
携帯端末20は、例えば、モバイルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット等のモバイル端末である。携帯端末20は、無線通信を行うためにアクセスポイント90に接続する。そして、携帯端末20は、アクセスポイント90を介して、有線で通信を行うネットワーク70に接続する。携帯端末20は、詳しくは後述するが、上記住居に居住する居住人物が所有する携帯端末である。
【0012】
ロボット30は、使用者の住居に置かれ、管理サーバ40と通信可能に接続される。ロボット30は、人との間で発話(対話)を通じて自律的に情報の伝達を行うコミュニケーション機能(会話機能)を備える。ロボット30は、例えば大人が片手でも持てる程度の大きさである。ロボット30の詳細は後述する。
なお、管理サーバ40と通信可能なロボットを複数台とし、使用者の住居に1台、その使用者とは非同居の家族(例えば使用者の子ども)が住む住居に1台を置く例も考えられる。なお、使用者や使用者との同居者を単に「使用者」と省略することがある。
【0013】
管理サーバ40は、情報提供システム1の全体の管理をするサーバコンピュータである。詳しくは後述するが、管理サーバ40は、使用者のユーザIDと、ユーザIDに対応する浄水器10に関する情報とを有する。
ここにいう浄水器10に関する情報は、例えば消耗品であるカートリッジ10aの交換時期情報を含む。また、浄水器10に関する情報に、浄水器10を特定するための浄水器識別情報を含ませてもよい。浄水器識別情報を含ませる場合、使用者が使用する複数の浄水器10ごとにカートリッジ10aの交換時期情報を対応付けることが可能になる。
【0014】
携帯端末20及び管理サーバ40は、演算手段であるCPUと、記憶手段であるメインメモリ及びHDD(Hard Disk Drive)等のストレージとを備える。ここで、CPUは、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションプログラム(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアを実行する。また、メインメモリは、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、ストレージは、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
さらに、携帯端末20および管理サーバ40は、外部との通信を行うための通信インタフェース(以下、「通信I/F」と表記する)と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構と、入力ボタン、タッチパネル、キーボード等の入力機構とを備える。
【0015】
また、住居は、人が居住できる建築物であり、浄水器10が設置される場所である。例えば、一戸建て住宅や、マンション・アパートなどの集合住宅などである。この場合、常設であるか、仮設であるかは問わない。
【0016】
ネットワーク70は、浄水器10、携帯端末20、ロボット30及び管理サーバ40の間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、インターネットである。
ネットワーク80も、ネットワーク70と同様に、浄水器10、携帯端末20、ロボット30及び管理サーバ40の間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、LAN(Local Area Network)である。
【0017】
アクセスポイント90は、有線で通信を行うネットワーク70に対して、無線通信回線を利用して無線通信を行う機器である。アクセスポイント90は、浄水器10とロボット30とネットワーク70との間の情報の送受信を媒介する。
無線通信回線の種類としては、携帯電話回線、PHS(Personal Handy-phone System)回線、Wi-Fi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、UWB(Ultra Wideband)、LPWA(Low Power Wide Area)等の各回線が使用可能である。
【0018】
図2は、ロボット30を説明する図である。
図2に示した、ロボット30は、歩行等を行うことで移動する機能を有する移動式としてもよいが、移動しない非移動式としてもよい。
ロボット30は、送信情報の送信および受信を行う通信アンテナ301と、動画の撮影を行うカメラ302と、音声を取得するマイクロフォン303と、送信情報を表示するディスプレイ304と、音声等の音を出力するスピーカ305と、ユーザが操作を行う操作ボタン306と、ロボット30の周囲における人の有無を検知する人感センサ307と、ロボット30の全体の制御を行う制御部308と、管理サーバ40から受信した各種の情報を記憶するメモリ309とを備える。メモリ309に記憶されている情報の全部または一部をそのまま乃至加工し、例えばディスプレイ304やスピーカ305からユーザに通知される。
また、操作ボタン306は、録画を行う録画ボタン306aと、送られた送信情報を再生する再生ボタン306bと、ロボット30の設定などを行うためのメニューボタン306cとを備える。
【0019】
ネットワーク70は、ロボット30及び管理サーバ40の間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、インターネットである。
ネットワーク80も、ネットワーク70と同様に、ロボット30及び管理サーバ40の間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、LAN(Local Area Network)である。
【0020】
アクセスポイント90は、有線で通信を行うネットワーク70に対して、無線通信回線を利用して無線通信を行う機器である。アクセスポイント90は、ロボット30とネットワーク70との間の情報の送受信を媒介する。
無線通信回線の種類としては、携帯電話回線、PHS(Personal Handy-phone System)回線、Wi-Fi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、UWB(Ultra Wideband)、LPWA(Low Power Wide Area)等の各回線が使用可能である。
【0021】
<情報提供システム1の動作の概略説明>
図3は、情報提供システム1の概略動作の例について示す図である。
まず、浄水器10が時間計測を行い、測定結果によりカートリッジ交換時期に関する情報を、アクセスポイント90、ネットワーク70及びネットワーク80(
図1参照)を介して、管理サーバ40に対し送信する(1A)。
ここにいうカートリッジ交換時期に関する情報は、前回のカートリッジ交換時からの経過時間または、前回のカートリッジ交換後に浄水が行われた時間の累積値である。また、カートリッジ交換時期に関する情報は、浄水器10によりカートリッジ交換時期の到来を検出可能な場合には、カートリッジ交換時期であることを示す情報である場合もある。
【0022】
管理サーバ40は、ユーザIDまたは浄水器識別情報と関連付けて、受信した情報を記憶し、通信ログを更新する(1B)。管理サーバ40は、HDD等から、関連付けられた情報を取得する(1C)。
【0023】
次に、管理サーバ40は、ユーザIDまたは浄水器識別情報により、前回の交換から次回の交換までの間の時間を示す情報をHDD等から読み出し、読み出した時間情報とカートリッジ交換時期に関する情報とを比較して交換時期を判定する(1D)。判定結果は、HDD等に記憶される。記憶される判定結果は、交換時期が到来しているときはそれを示す情報であり、交換時期が到来してないときは、交換時期までの残りの期間を示す情報である。
【0024】
そして、管理サーバ40は、判定結果をロボット30に対して送信する(1E)。ロボット30は、受信した情報をメモリ309(
図2参照)に記憶し、使用者との予め定められたタイミングで使用者に通知される(1F)。
【0025】
ロボット30は、使用者が詳細情報を携帯端末20で見ることを希望するときは管理サーバ40に対し、携帯端末20での詳細情報の表示を指示する(1G)。
管理サーバ40は、ロボット30からの指示に応じて携帯端末20に詳細情報を送信する(1H)。これにより、使用者は、携帯端末20にて詳細情報を確認することができる。
なお、浄水器10で上記判定を行う場合にはロボット30に判定結果を直接送信する構成を採用することが考えられる。
【0026】
<情報提供システム1の機能構成の説明>
図4は、情報提供システム1の機能構成例を示したブロック図である。なおここでは、情報提供システム1が有する種々の機能のうち本実施の形態に関係するものを選択して図示している。
浄水器10は、時間を計測する時間計測部11と、情報の送受信を行う送受信部12とを備える。
【0027】
浄水器10の時間計測部11は、カートリッジ10aの利用開始後からの経過時間を計測する。また、時間計測部11は、前回のカートリッジ交換後に浄水が行われた浄水累積時間を計測するようにしてもよい。また、時間計測部11は、計測した時間の情報を、予め定められている値と比較し、カートリッジの交換時期までの期間を算出するようにしてもよい。
浄水器10の送受信部12は、管理サーバ40に計測した時間の情報等を送信する。なお、送受信部21は、管理サーバ40への送信の代わりに或いは管理サーバ40への送信と共に、ロボット30の送受信部31に情報を送信するように構成しても良い。
【0028】
ロボット30は、情報の送受信を行う送受信部31と、受信情報を記憶する記憶部32と、音声の取得を行う取得部33と、音声を再生する再生部34と、音の分析を行う分析部35と、音声の再生の条件を決定する決定部36と、使用者により操作される操作部37とを備える。
【0029】
ロボット30は、使用者と会話を行うことができる機能(会話機能)を有する。会話機能を簡単に説明すると、取得部33により使用者の話し言葉が入力され、入力内容を分析部35が分析し、決定部36がその返事内容を決定し、決定された返事が再生部34により出力される。会話機能は、ロボット30の内部処理で実現しているが、分析及び返事内容の決定を管理サーバ40に行わせる制御を採用しても良い。
【0030】
ロボット30の送受信部31は、管理サーバ40からの送信情報を受信する。送受信部31は、例えば、通信I/Fであり、制御部308(
図2参照)に含まれる。また、通信アンテナ301(
図2参照)もこれに含まれる。送受信部31は、アクセスポイント90およびネットワーク70を介し、管理サーバ40との間で情報の送受信を行う。
【0031】
記憶部32は、受信された情報を記憶する。また、記憶部32は、必要な場合にこれを出力する。記憶部32は、例えば、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などであり、メモリ309(
図2参照)に対応する。
【0032】
取得部33は、音声及び動画を取得する。取得部33は、音声を取得するマイクロフォン303(
図2参照)に対応する。マイクロフォンの種類としては、ダイナミック型、コンデンサ型等、既存の種々のものを用いてよい。また、マイクロフォンとして、無指向性のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)型マイクロフォンであることが好ましい。
【0033】
また、取得部33は、動画の撮影を行うカメラ302(
図2参照)に対応する。カメラ302は、撮影対象の像を収束する光学系と、光学系により収束された像を検出するイメージセンサとを備えるデジタルカメラである。光学系は、単一のレンズまたは複数のレンズを組み合わせて構成される。例えば、2つの半球レンズを使用し、その球面側を向かい合わせに組み合わせたツインレンズが用いられる。レンズの組み合わせおよびレンズ表面に施されたコーティング等により、各種の不要な収差は適切に除去されている。イメージセンサは、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を配列して構成される。
【0034】
また、取得部33は、周囲に人がいないか否かの情報を取得する。取得部は、人感センサ307(
図2参照)に対応する。人感センサ307は、人を検知できる人感センサであれば特に限定されることはない。例えば、人が発する特定波長の赤外線を焦電効果を用いて検知することにより予め定められた領域内に人が入ってきたことを検出する焦電センサを用いることができる。また、赤外線発光ダイオード等からなる発光素子と発光素子から発した光が人に反射されたときにその反射光を受光する受光素子とを有する赤外線反射型の反射型センサを用いることができる。
【0035】
再生部34は、ロボット30の近くにいる使用者等に向けた音声の再生を行う。再生部34は、スピーカ305(
図2参照)に対応する。
【0036】
分析部35は、取得部33により取得された音声や動画を分析する。
より詳細には、分析部35は、取得した音声を認識し、話し言葉を文字列に変換する。分析部35は、変換した文字列に、予め定められた文字が含まれているかどうかを分析する。本実施の形態での文字は、浄水器ないし消耗品に関するものである。例えば、ロボット30と使用者との会話中に使用者が「消耗品の交換時期」に関する言及があったかどうかの分析を行う。
また、分析部35は、取得した音声が使用者又はその家族(同居人)の音声であるかどうかの分析を行う。
【0037】
また、分析部35は、取得した動画により人を認識し、その人の様子を分析する。分析部35は、例えば、動画に映っている人が長い間動いていないことの様子を分析する。また、再生部34により動画に映っている人に呼びかけをした場合に、音声の応答があるか否かの分析を行う。
また、分析部35は、動画に映っている人が使用者あるいはその同居人であるか否かの分析を動画により行う。かかる分析は、動画のほか音声も含めて分析を行うと、分析の精度が高まる。
また、分析部35は、取得した人検知情報により、住居あるいは部屋に使用者や同居人が不在であるか否かを分析する。なお、分析部35は、人検知情報を取得したときに、動画によりその人の様子を分析し始める制御を採用してもよい。
【0038】
決定部36は、分析部35による分析の結果から、浄水器の消耗品に関する情報を使用者に伝えるかどうかの決定を行い、伝えることを決定した場合には、記憶部32に記憶される情報のうちどの情報を伝えるかの決定を行う。浄水器の消耗品に関する情報としては、消耗品の交換時期や、消耗品の発注に関する情報である。消耗品の交換時期とは、適切な交換時期、あとどれくらいで交換のタイミングが訪れるか、等の情報である。消耗品の発注に関する情報とは、消耗品の発注先の連絡先等であり、発注手続をするかという確認の質問を含む。
なお、伝える内容の決定に際し、記憶部32に記憶されている情報のほか、管理サーバ40に追加/変更の情報があるかどうかの問合せを行うようにしても良い。
【0039】
また、決定部36は、情報を伝えるコミュニケーションのタイミングの決定を行う。例えば、特定の人が在宅のときに情報を伝えること、使用者及び同居人以外の人がいるときには情報を伝えないこと等である。
分析部35および決定部36は、例えば、CPUであり、制御部308(
図2参照)に含まれる。
【0040】
操作部37は、録音や再生を行うための使用者による操作を受け付ける。操作部37は、操作ボタン306(
図2参照)に対応する。また、操作部37は、キーボードやマウス等で構成されていてもよい。
【0041】
管理サーバ40は、外部と通信を行う送受信部41と、所定の情報を記憶する記憶部42とを有する。
送受信部41は、例えば、通信I/Fであり、ロボット30と通信を行い、所定の情報のやりとりを行う。送受信部41は、他のサーバ(不図示)から浄水器10や消耗品に関する情報を受信する。また、送受信部41は、他のサーバから使用者の契約情報を受信し、使用者の契約に変動があった場合は、最新の契約情報を受信する。
【0042】
記憶部42は、送受信部41により受信された浄水器10や消耗品に関する情報及び使用者の契約に関する情報を記憶する。これらの情報は、常にアップデートされる。
【0043】
携帯端末20は、送受信部21と、情報を入力する入力部22と、画像の表示を行う表示部23とを備える。
【0044】
送受信部21は、例えば、通信I/Fであり、アクセスポイント90、ネットワーク70およびネットワーク80を介し、管理サーバ40と情報の送受信を行う。
【0045】
入力部22は、例えば、上述したタッチパネルである。つまりこの場合、タッチパネルは、入力部22および表示部23の双方の機能を有する。また、入力部22は、キーボードやマウス等で構成されていてもよい。
【0046】
表示部23は、例えば、タッチパネルである。この場合、表示部23は、各種情報が表示されるディスプレイと、指やスタイラスペン等で接触された位置を検出する位置検出シートとを備える。接触された位置を検出する手段としては、接触による圧力をもとに検出する抵抗膜方式や、接触した物の静電気をもとに検出する静電容量方式など、どのようなものが用いられてもよい。
【0047】
ロボット30は、対話型コミュニケーション装置の一例である。決定部36は取得手段の一例であり、再生部34は音声出力手段の一例である。
浄水器10は、消耗品が着脱される機器の一例であり、浄水器10のカートリッジ10aは、消耗品の一例である。また、浄水器10の時間計測部11は、時間計測手段の一例であり、送受信部12は、送信手段の一例である。
管理サーバ40は、提供手段の一例であり、情報提供システム1は情報提供システムの一例である。
【0048】
<情報提供システム1の動作の例>
次に、本実施の形態の情報提供システム1が行う動作の例について、より詳細に説明を行う。
図5は、情報提供システム1が行う動作について説明するフローチャートである。
本実施の形態では、管理サーバ40において、送受信部41が他のサーバから情報を受信すると(ステップ101)、記憶部42に記憶される(ステップ102)。ここにいう情報は、上述した浄水器10や消耗品に関する情報及び使用者の契約に関する情報を指す。そして、記憶部42に記憶された情報は、ロボット30に送信される(ステップ103)。
【0049】
ロボット30において、送受信部31が管理サーバ40から情報を受信すると(ステップ104)、記憶部32に記憶される(ステップ105)。
使用者との会話(ステップ106)において、会話中に浄水器10の消耗品であるカートリッジに関する言及(言葉)があるか否かを判断する(ステップ107)。使用者がロボット30と会話しているときに、予め定められている言葉(例えば「水」という言葉)が発話されたかどうかを、決定部36が判断する。
【0050】
ここで、浄水器10の消耗品に関する言及ないし言葉とは、消耗品の交換を直接的に表す言葉や消耗品の交換を示唆する言葉をいう。消耗品や交換のほか、浄水器10そのものを表す言葉やそれを示唆する言葉で判断しても良い。例えばおいしい食事の話、お酒の話、何かを交換する話、取り寄せの話といった「水」や「交換」等に関連する会話があったことを判断する。これにより、消耗品であるカートリッジ10aの交換の会話にスムーズに移行できる。
【0051】
会話中に消耗品に関する言及があると判断された場合(ステップ107でYes)、使用者が消耗品について興味を持つことを検出したことから、消耗品の交換について説明する(ステップ108)。かかる説明は、消耗品の交換時期及び/又は消耗品の発注に関する情報の通知である。
【0052】
次に、ロボット30は、詳細情報を携帯端末20に表示するか否かを使用者に確認する(ステップ109)。
ロボット30は、使用者が携帯端末20への表示を希望することを検出すると(ステップ109でYes)、携帯端末20への詳細情報表示の指示を管理サーバ40に送信する(ステップ110)。
ロボット30が使用者の携帯端末20への表示希望を検出しない場合(ステップ109でNo)、処理が終了する。
【0053】
管理サーバ40は、ロボット30から携帯端末20への詳細情報表示の指示を受信すると(ステップ111)、携帯端末20に詳細情報を表示するための情報を送信する(ステップ112)。
携帯端末20は、管理サーバ40から情報を受信すると(ステップ113)、その情報を表示する(ステップ114)。
【0054】
会話中に消耗品に関する言及はないと判断された場合(ステップ107でNo)、使用者に自発的に通知する時期が到来したか否かを判断する(ステップ115)。具体的には、前回通知した時期から予め定められている期間(例えば10日間)が経過したかどうかを確認することにより、通知時期の到来の有無を判断する。また、次回のカートリッジ交換時期までの残りの期間が、予め定められている期間(例えば1週間)よりも少なくなっているか否かで、通知時期の到来の有無を判断する。
【0055】
通知時期が到来した場合(ステップ115でYes)、ステップ109に進み、通知時期が到来していない場合(ステップ115でNo)、ステップ107に戻る。
【0056】
<情報提供システム1の第1会話例>
図6は、ロボット30と使用者との会話例を文字にして説明する図である。より詳細には、
図6は、
図5のS107~S114の処理が行われる例を示す図であり、左側の文字がロボット30の声、右側の文字が使用者の声をそれぞれ示し、上から下に時系列に表している。
使用者がロボット30との会話で、「浄水器のカートリッジの交換はまだかな?」と話しかけた場合(c11)、ロボット30は、使用者がカートリッジ10aの交換時期を気にしていることを検知し、記憶部32に記憶されているカートリッジ10aの交換時期の情報を用いて、本会話例では「あと2週間は利用できます。」という返答する(c12)。
【0057】
さらに、ロボット30は、記憶部32に記憶されているカートリッジ10aの発注に関する情報を用いて、本会話例では「カートリッジの発注は、○○○に連絡してください。」と通知する(c13)。
【0058】
さらにまた、ロボット30は、使用者の携帯端末20への詳細情報の表示を希望するかどうかを確認するために、「詳しい情報を携帯端末に表示しましょうか。」と問い合わせた場合(c14)、使用者は、「はい、携帯端末に表示してください。」と答えている(c15)。
これに応じて、ロボット30は、「携帯端末に表示します。携帯端末を用意してお待ちください。」と案内する(c16)。さらに、ロボット30は、管理サーバ40に対し、携帯端末20への詳細情報表示の指示を行う(ステップ110を参照)。ここにいう詳細情報としては、例えばカートリッジ10aの品番、発注先の連絡先や受付時間等である。
【0059】
携帯端末20は、使用者のものであることを予め管理サーバ40に登録済みである。このように、浄水器の消耗品に関する情報の通知は、始めはロボット30を介して行い、詳細情報は使用者の希望に応じて、携帯端末20の画面で確認するという使用態様を採用する。
【0060】
このように、本実施の形態では、コミュニケーション機能を有するロボット30との会話により、ロボット30が機器の消耗品の交換時期や消耗品の発注情報を音声通知してくれるので、使用者は家庭生活を送りながら自然に消耗品の交換に関する情報を知得することができる。
【0061】
なお、本実施の形態では、ロボット30による通知と必要に応じた携帯端末20の表示によりカートリッジ10aに関する情報の通知を行っているが、これに限られず、対話アプリをインストールした携帯端末20において通知および必要に応じた表示を行う構成例も考えられる。
【0062】
<情報提供システム1の第2会話例>
図7は、ロボット30と使用者との会話例を文字にして説明する図である。より詳細には、
図7は、
図5のS115及びS108の処理が行われる例を示す図であり、左側の文字がロボット30の声、右側の文字が使用者の声をそれぞれ示し、上から下に時系列に表している。
ロボット30は、使用者との会話中に、消耗品であるカートリッジ10aの交換に関する言及がない場合(ステップ107でNoを参照)、定期的なタイミングでカートリッジ10aの交換についての通知を行う。本会話例では、ロボット30は「浄水器で困っていることはないですか?」と話しかける(c21)。
【0063】
これに対し、使用者は、浄水器で困っていることがなければ例えば「とくにないわね。」と答える(c22)。もし、浄水器で困っていると答えたときには、例えば
図6で説明した流れの会話が行われる。
【0064】
ロボット30は、使用者が浄水器で困っていることはないことを把握し、例えば「そうなの?それはよかったです。」と伝え(c23)、さらに、「浄水器のカートリッジの交換時期を知らせてよいですか?」と使用者に話しかけ(c24)、カートリッジ10aの交換時期を知りたいかどうかを確認する。
【0065】
使用者が「交換時期はいつ頃か教えて。」と答えた場合(c25)、ロボット30は、「カートリッジの交換時期まであと3週間ぐらいです。」とカートリッジ10aの交換時期を伝える(c26)。使用者が「交換時期の1週間前ぐらいにもう一度知らせてください。」と要望した場合(c27)、ロボット30は、「承知しました。カートリッジの交換時期の1週間前にまたお知らせします。」と答え(c28)、要望内容を記憶部32に記憶する。
【0066】
定期的なタイミングで浄水器10に関する会話を行った場合に、ロボット30は、会話の内容や日付を情報として記憶しておき、今後の会話に活用することが考えられる。また、定期的な使用者への問い掛けの反応により、使用者の満足度を評価し、評価結果を記憶部32に記憶しておき、今後に利用することも考えられる。
【0067】
なお、本実施の形態は、浄水器10の消耗品についての適用例を説明したが、これに限られず、消耗品が装着される機器例えば、フィルタを定期的に交換するエアコンや、充電するバッテリーの電力で動作する掃除機等にも適用することができる。
【0068】
また、消耗品が着脱される機器として、例えば浄水器10のほかにエアコン等の異なる複数の機器について、消耗品の交換時期を本実施の形態に係る情報提供システム1に適用することも考えられる。その場合、機器ごとに識別情報で管理することで実現できる。
また、同一機種が複数ある場合も、機器ごとに識別情報で管理することで実現できる。
【0069】
<プログラムの説明>
ここで、以上説明を行った本実施の形態におけるロボット30が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。そして、この処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。即ち、端末装置10に設けられたコンピュータ内部の図示しないCPUが、上述した各機能を実現するプログラムを実行し、これらの各機能を実現させる。
【0070】
よって、本実施の形態で、ロボット30が行う処理は、コンピュータに、機器使用者から当該機器の消耗品に関する言葉が発話されたタイミング又は定期的なタイミングで、当該機器の消耗品の交換時期又は当該消耗品の発注に関する情報を取得する取得機能と、取得した前記交換時期又は前記消耗品の発注に関する情報を音声で前記機器使用者に通知する音声通知機能と、を実現させるためのプログラムとして捉えることもできる。
【0071】
なお、本実施の形態を実現するプログラムは、ネットワーク70等の通信手段により提供することはもちろんCD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0072】
1…情報提供システム、10…浄水器、10a…浄水カートリッジ、11…時間計測部、12…送受信部、30…ロボット、36…決定部、34…再生部、40…管理サーバ