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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】車両へのドアの取り付け
(51)【国際特許分類】
   B62D 65/06 20060101AFI20240712BHJP
【FI】
B62D65/06 A
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2020526614
(86)(22)【出願日】2018-11-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-12
(86)【国際出願番号】 EP2018080985
(87)【国際公開番号】W WO2019096752
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-08-30
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】1719116.4
(32)【優先日】2017-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】509257444
【氏名又は名称】ゴードン・マレー・テクノロジーズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(74)【代理人】
【識別番号】100147603
【弁理士】
【氏名又は名称】松波 太郎
(72)【発明者】
【氏名】マツミヤ、 タケシ
(72)【発明者】
【氏名】フィーガン、 ティム
【合議体】
【審判長】中村 則夫
【審判官】高橋 学
【審判官】北中 忠
(56)【参考文献】
【文献】特公平7-90807(JP,B2)
【文献】特開平8-207842(JP,A)
【文献】特開2017-47872(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 65/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を組み立てる方法であって、
シャーシ構造体を提供するステップと、
前記シャーシ構造体によって画定されたドア開口部に隣接する位置にヒンジ式アタッチメントを介してドア構造体を固定するステップと、
前記ドア構造体にドアアウターパネルを接着剤のみによって取り付けるステップと、
前記シャーシ構造体に少なくとも一つの外部ボディーパネルを取り付けるステップと
を含み、
前記ドアアウターパネル及び前記外部ボディーパネルのうち、最後に取り付けられるものが取り付けられ、取り付け中に他方に対して位置を合わせ、前記接着剤は構造上の公差を受け入れる方法。
【請求項2】
前記ドア構造体は、前記シャーシ構造体に機械的に取り付けられて固定される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ドア構造体は、前記ドア開口部の少なくとも一部を覆う請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ドア構造体は、前記ドア開口部の少なくとも周辺部を覆う請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記ドア構造体は、ドアが閉じられたときに前記シャーシ構造体に対して密閉するシールを有する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記シャーシ構造体は、ドアが閉じられたときに前記ドア構造体に対して密閉するシールを有する請求項3から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記シャーシ構造体は、シャーシと少なくとも1つの中間パネルを含み、前記中間パネルは接着剤によってシャーシに固定された請求項3から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
シャーシ構造体を提供するステップと、
前記ドア構造体に前記ドアアウターパネルを取り付けるステップと、
前記シャーシ構造体に前記ドア構造体を固定するステップと、
前記シャーシ構造体に前記少なくとも一つの外部ボディーパネルを取り付け、取り付け中に前記外部ボディーパネルを前記ドアアウターパネルに対して位置を合わせるステップと
の順序でステップが実行される請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記外部ボディーパネルが取り付けられている間に少なくとも1つの治具部分が前記外部ボディーパネルと接している請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記外部ボディーパネルが取り付けられた後で、前記治具部分が取り外される請求項9に記載の方法。
【請求項11】
シャーシ構造体を提供するステップと、
前記シャーシ構造体に前記ドア構造体を固定するステップと、
前記シャーシ構造体に前記少なくとも一つの外部ボディーパネルを取り付けるステップと、
前記ドア構造体に前記ドアアウターパネルを取り付け、取り付け中に前記ドアアウターパネルを前記外部ボディーパネルに対して位置を合わせるステップと
の順序でステップが実行される請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ドアアウターパネルがドアインナーパネルに取り付けられている間に少なくとも1つの治具部分が前記ドアアウターパネルと接している請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ドアアウターパネルが取り付けられた後で、前記治具部分が取り外される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ドアアウターパネルは、接着剤による固定を介して前記ドア構造体に取り付けられた請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記シャーシ構造体は相互に連結された管状部材のフレームワークを含む、又はシャーシは相互に連結された管状部材のフレームワークである請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記シャーシ構造体又は前記シャーシは、前記フレームワークに取り付けられたパネルを含み、各パネルは管状部材の間の空間を覆うように複数の管状部材に取り付けられた請求項15に記載の方法。
【請求項17】
シャーシ構造体と、前記シャーシ構造体によって画定されたドア開口部に隣接する位置でヒンジ式アタッチメントを介して前記シャーシ構造体に取り付けられたドアインナーパネルと、前記シャーシ構造体に取り付けられた外部ボディーパネルと、接着剤のみによる固定を介して前記ドアインナーパネルに取り付けられたドアアウターパネルとを含み、前記接着剤は構造上の公差を受け入れる、車両。
【請求項18】
前記ドアインナーパネルは、前記シャーシ構造体に機械的に取り付けられた請求項17に記載の車両。
【請求項19】
前記ドアインナーパネルは、前記ドア開口部の少なくとも一部を覆う請求項17又は18に記載の車両。
【請求項20】
前記ドアインナーパネルは、前記ドア開口部の少なくとも周辺部を覆う請求項17から19のいずれか一項に記載の車両。
【請求項21】
前記ドアインナーパネルは、ドアが閉じられたときにシャーシ構造体に対して密封するシールを有する請求項20に記載の車両。
【請求項22】
前記シャーシ構造体は、ドアが閉じられたときに前記ドアインナーパネルに対して密封するシールを有する請求項20又は21に記載の車両。
【請求項23】
前記シャーシ構造体は、接着剤による固定を介してシャーシに取り付けられた中間パネルを含む請求項17から22のいずれか一項に記載の車両。
【請求項24】
少なくとも1つの治具部分が、前記ドアアウターパネルに接触又は解放可能に取り付けられた請求項17から23までのいずれか一項に記載の車両。
【請求項25】
前記シャーシ構造体は相互に連結された管状部材のフレームワークを含む、又はシャーシは相互に連結された管状部材のフレームワークを含む請求項17から24のいずれか一項に記載の車両。
【請求項26】
前記シャーシ構造体又は前記シャーシは、前記フレームワークに取り付けられたパネルを含み、前記パネルが管状部材の間の空間を覆うように複数の管状部材に取り付けられている請求項25に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両への車両ドアの取り付け及び車両ドアの性質に関するものである。
【背景技術】
【0002】
新車の重要な側面は、安全性、性能などを除くと、外部パネルの一貫したパネルギャップや平らな取り付けなどの提示的なディテールを含む外観である。
【0003】
従来の車体では、リアバンパーやフェンダーは、通常はボディーフレーム構造体の一部となっている。したがって、ドアを取り付ける際には、平らに、小さく一貫したパネルギャップを維持するように、その取り付けがリアボディーパネルと調和するように調整する必要がある。続いて、フロントバンパーやフェンダーは典型的にはボディーに取り付けられ、その後で、フロントフェンダーは、同様に、平らに、一貫したパネルギャップを与えるように、ドアに対して調整される必要がある。その後、ドアシールは、水の浸入を止めるために、(AピラーからBピラーまで延びているので、ABフランジとして知られる)ボディーのドア開口フランジに取り付けられる。
【0004】
ドアシールの効果を確実に発揮させるためには、ドアとドア開口フランジとの間のギャップが許容差内にあることが必要である。このことは、ドアのセッティングは、シールのための良好なギャップと、良好なパネルギャップと、平らであることとを両立させるために、妥協しなければならないことを意味する。シールギャップが広すぎると、効果的なシールができず、水の浸入を許してしまう。シールギャップが小さすぎると、ドアを閉める際にシールが過度に圧縮されなければならず、結果としてドアを閉めるために必要な労力が増えてしまう。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明は、車両を製造する方法を提供し、シャーシ構造体を提供するステップと、シャーシ構造体によって画定されたドア開口部に隣接する位置でヒンジ式アタッチメントを介してシャーシ構造体にドア構造体を取り付けるステップと、ドアアウターパネルをドア構造体に取り付けるステップと、少なくとも1つの外部ボディーパネルをシャーシ構造体に取り付けるステップとを含み、ドアアウターパネル及び外部ボディーパネルのうち最後に取り付けられるものが取り付けられ、取り付け中に、他のものに位置が合わせられる。
【0006】
ドア構造体は、ボルト接続などの機械的な取り付けを介してシャーシ構造体に固定することができ、必要な機械的強度を提供し、(好ましくは)車両寿命中に必要であれば後で取り外すことを可能にする。それは、好ましくはドア開口部の少なくとも一部、理想的にはドア開口部の周縁部を覆い、それによって、ドアが閉じられたときに、シャーシ構造体に対して密閉するシールを担持することができる。シャーシ構造体はまた、ドアが閉じたときに、ドア構造体に対して密閉するシールを有していてもよい。
【0007】
シャーシ構造体は、シャーシと、少なくとも1つの中間パネルとを含み、中間パネルは、接着剤でシャーシに固定されている。中間パネルは、シャーシの許容差にかかわらず、正確な基準を提供することができる。ドア自体のような機械的な取り付けは、基礎となるシャーシに行うことができるが、中間パネル又はその中の形成物の助けを借りて位置合わせ及び位置決めをすることもできる。
【0008】
ステップは、好ましくは、シャーシ構造体を提供するステップ、ドアアウターパネルをドア構造体に取り付けるステップ、ドア構造体をシャーシ構造体に取り付けるステップ、ドア構造体をシャーシ構造体に取り付けるステップ、少なくとも1つの外部ボディーパネルをシャーシ構造体に取り付けるステップ、及び、取り付け中に、外部ボディーパネルをドアアウターパネルに対して位置を合わせるステップの順で実行される。このプロセスを支援するために、取り付け中に1つ以上の治具部品を外部ボディーパネルに取り付けたり、外部ボディーパネルと接したりさせることができ、これらは、外部ボディーパネルが取り付けられた後に取り外すことができる。
【0009】
あるいは、シャーシ構造体を提供するステップ、ドア構造体をシャーシ構造体に取り付けるステップ、少なくとも1つの外部ボディーパネルをシャーシ構造体に取り付けるステップ、ドアアウターパネルをドア構造体に取り付けるステップ、及び、取り付け中に、ドアアウターパネルを外部ボディーパネルに対して位置を合わせるステップの順で実施することができる。このようにして、ドアインナーパネルは、製造中に、ドアとシャーシ構造体との間に提供されるシールの必要に応じた適切な位置に取り付けることができる。車両の生産は続行することができ、やがて外部ボディーパネルをシャーシ構造体に取り付けることができるようになる。ドアアウターパネルは、接着剤でドアインナーパネルに取り付けることができ、このことによって、接着剤による取り付けにおける許容差の使用によってパネルギャップや平らな取り付けの調製ができるようになる。このプロセスを支援するために、ドアアウターパネルを取り付けている間に、1つ以上の治具部品をドアアウターパネルに取り付けたり、接したりさせることができる、これらは、ドアアウターパネルを取り付けた後に取り外すことができる。
【0010】
シャーシ構造体は、例えば先願の国際公開第2014/009271号に記載されているように、1枚以上の中間パネルが取り付けられたシャーシを含むことができる。これらは、機械的な取り付けを介して又は接着剤によってシャーシに固定することができる。中間パネルは、好ましくはドアの開口部の少なくとも周辺部を覆うが、それは、ドアが閉じるときにドアの内側に対して密閉するシールを支持することができるからである。中間パネルは、好ましくは接着剤による固定によってシャーシに取り付けられるが、先願の国際公開第2014/009271号に記載されているように、このことによって、基礎となるシャーシの許容差にかかわらず、中間パネルが選ばれた基準に位置を設定できるようになる。シャーシ自体は、相互に連結された管状部材のフレームワークであってもよく、理想的にはフレームに取り付けられたパネルを含み、各パネルは複数の管状部材に取り付けられ、先願の国際公開第2009/122178号に記載されているように、管状部材間の空間を覆うようにしている。
【0011】
本発明はまた、シャーシ構造体と、シャーシ構造体によって画定されたドア開口に隣接する位置でヒンジ式アタッチメントを介してシャーシ構造体に取り付けられたドアインナーパネルと、中間パネルに取り付けられた外部ボディーパネルと、ドアインナーパネルとは区別されているが接着剤による固定を介してドアインナーパネルに取り付けられたドアアウターパネルとを含む車両を提供する。このような車両はまた、上述した他の好ましい特徴を含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の一実施形態を、添付の図を参照して、例によって説明する。
図1】本発明の第1の実施形態に従って、車両及びドアを組み立てる際の連続したステップを模式的に図示した水平断面図である。
図2】本発明の第1の実施形態に従って、車両及びドアを組み立てる際の連続したステップを模式的に図示した水平断面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に従って、車両及びドアを組み立てる際の連続したステップを模式的に図示した水平断面図である。
図4】本発明の第1の実施形態に従って、車両及びドアを組み立てる際の連続したステップを模式的に図示した水平断面図である。
図5】本発明の第2の実施形態に従った、車両及びドアを組み立てる際のステップを図示した断面図の類似する一続きを示している。
図6】本発明の第2の実施形態に従った、車両及びドアを組み立てる際のステップを図示した断面図の類似する一続きを示している。
図7】本発明の第2の実施形態に従った、車両及びドアを組み立てる際のステップを図示した断面図の類似する一続きを示している。
図8】完全に組み立てられた本発明の実施形態を通る垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の第1の実施形態に従った方法によって組み立てられる車両の一部をこの方法の初期段階において模式的に図示した水平断面図として示している。車両の部分10は、シャーシの一部を形成する管状支柱12,12’を有している。これは、先願の国際公報第2009/122178号に記載されているように、管状部分間で力を伝達するために、他の管状部分、及び/又は1つ以上の補強パネルによって補強されてもよい。あるいは、シャーシは、従来のものであってもよい。中間パネル14、14’の部分は、先願の国際公報第2014/009271号に記載されているように、シャーシに取り付けられているが、中間パネルの残りの部分は、見やすくするために図示されていない。シャーシ及び中間パネルは、一緒に車両のシャーシ構造体を画定している。アタッチメント26、26’は、さらなる構成要素への後続の接続を可能にするか、又はそれを補助するため、及び/又はそれらの要素を正確に位置決めすることを補助するために、中間パネル上に設けられている。アタッチメント26、26’は、中間パネル14に取り付けられているように示されているが、好ましくはその代わりに中間パネルと一体的に形成されてもよい。
【0014】
国際公報第2014/009271号で説明されているように、中間パネル14は、接着剤層15、15’によってシャーシに取り付けられ、接着剤層15、15’は管状支柱12、12’の正確な位置における製造の許容差に対応するのに十分な呼称厚さを有する。このようにして、管状部分は、CNC切断、曲げ及び溶接技術を用いてミリ単位の許容差でフレームワークに組み立てることができ、中間パネルは、(それによって固定された基準点を提供する)治具を介して、又は自動化された取扱装置によって取り付けられる。その結果、既知の基準位置にある1枚以上の中間パネルが得られる。
【0015】
図2は、ヒンジ式アタッチメント24を介して、ドアインナーパネル16がシャーシ12に取り付けられた、図1に示した部分10を示している。ドアインナーパネル16は、ドア開口部18に隣接して配置されている。ヒンジ式アタッチメント24は、シャーシ管12に固定してもよいし、中間パネル14に固定してもよいが、ヒンジ式アタッチメント24を構造要素に固定するので前者が好ましい。
【0016】
図3は、外部ボディーパネル20、20’がアタッチメント26、26’を介して取り付けられた、図2に示された部分10を示す。ここでも、これらは、(示されているように)間接的に又は直接に中間パネル14に取り付けられているので、それらは、既知の基準に対して位置し、それゆえ、それらの位置を保証することができる。
【0017】
図4は、最終的なステップであるドアアウターパネル22の取り付けを示している。これは、接着剤層28、28’を介してドアインナーパネル16に接着剤で接着される。シャーシへの中間パネルの取り付けと同様に、これらの接着剤層28,28’は、位置の許容差に対応するのに十分な厚さであり、したがって、ドアアウターパネル22は、車両に既に取り付けられている外部ボディーパネル20に対して正確に配置することができる。ドアアウターパネル22がドアインナーパネル16に取り付けられている間、組立工程中に補助するために、治具部品30、30’がドアアウターパネル22に取り付けられていてもよい。これらの治具部品30,30’は、ドアアウターパネル22と外部ボディーパネル20との間にパネルギャップを設けるために、ドアアウターパネル22と外部ボディーパネル20との間のギャップに延びる舌片を含んでいる。また、それらは、ドアアウターパネル22の外面と同じ高さに設定され、関連する外部ボディーパネル20に接するように配置され、ドアアウターパネル22が周囲のパネルと平らになるような適切な深さに設定されるようにするための突出部を含んでいる。
【0018】
最終的に、基準に対して位置が固定され、それゆえにドアシールのために理想的に配置されているインナーパネルと、周囲のボディーパネルに対して正確に位置し、平らで、良好なパネルギャップを有するアウターパネルとを含むドアが得られる。
【0019】
図5から図7は、第2の実施形態に従った方法を示している。ドアの構成要素の多くは同じであり、したがって、同様の部品を表すために同様の参照数字が採用されている。図5は、図1と同じレイアウトで、方法の初期段階におけるそのような車両の一部の水平断面を模式的に図示したものである。ここでも、車両のこの部分10は、シャーシの一部を形成する管状支柱12,12’を有している。中間パネル14,14’の部分はシャーシに取り付けられ、中間パネルの残りの部分は簡単のために図示されていない。アタッチメント26、26’、27は、中間パネル14に設けられ、他の要素に続いて接続するために、また、それらの要素を正確に位置決めするのを補助するために存在している。第1の実施形態に関連して説明したように、中間パネルは、それに取り付けられる部品のための既知の基準位置を提供している。
【0020】
図6は、正確な位置を得るために統合パネル14上の形成物27を使用して、予め形成されたドア11がヒンジ式アタッチメント24を介してシャーシ12に取り付けられた、図5に示された部分10を示している。ドアは、概ねインナーパネル16とアウターパネル22とから構成され、それらは接着剤層28,28’を介して接着剤によって結合されている。このことは、ドア11が(ヒンジ式アタッチメント24を含む)予め定められた寸法に正確に構築されることを確保するために、シャーシ12から離れた適切な治具上で行われる。ヒンジ式アタッチメント24は、シャーシ管12に固定してもよいし、中間パネル14に固定してもよいが、ヒンジ式アタッチメント24を構造要素に固定するために前者が好ましい。予め形成されたドアが中間パネルに取り付けられると、ドアは、インナー及びアウタードアパネル16,22の両方を含み、中間パネルに対して所定の位置にあることになる。したがって、ドアシールは、中間パネル14に対するドアインナーパネル16の位置によって画定される既知の間隙にあるようになる。同様に、ドアアウターパネルは既知の位置にあるようになる。
【0021】
図7は、最終的なステップであって、ドアインナーパネルへの機械的な固定又は接着剤による、中間パネル14への外部ボディーパネル20,20’の取り付けを示している。治具部品30,30’は、外部ボディーパネル20が中間パネル14に取り付けられている間、組立工程中に補助するために、ドアアウターパネル22及び/又は外部ボディーパネル20に取り付けられてもよい。機械式固定具は、ドアパネルに対して正確に相対的に位置決めできるように、パネル位置の微調整を可能にするものであることが好ましい。
【0022】
最終的な結果は、再び、その位置が基準に対して固定され、それゆえにドアシールのために理想的に配置されるインナーパネルと、周囲のボディーパネルに対して正確に配置され、平らで、良好なパネルギャップを有するアウターパネルとを含むドアである。
【0023】
固定具及びアタッチメント24、26、26’、28、28’、30、30’は、分かりやすさを助けるために簡略化された形態で示されているが、実際には、ヒンジ式アタッチメント及び/又は接着剤固定具を含む様々なタイプの機械的な取り付けであってもよい。
【0024】
ヒンジ式アタッチメント24は、シャーシ又は中間パネルに取り付けられるように準備されているような単なるヒンジであってもよい。そのようなヒンジは、通常、それらの間に回転可能に接続された2枚のヒンジプレートを含んでいる。したがって、一方のプレートはドア構造体に、他方のプレートはシャーシに取り付けられる。どちらか又は両方のプレートは、それぞれシャーシ又はドアパネルに一体化されていてもよい。複数のヒンジが使用される場合には、これらは別々に取り付けられてもよいし、1つ以上の共有ヒンジプレートを使用してもよいし、1つ以上のサブフレームが提供されてもよく、それらはヒンジプレートを取り付けることができ、それ自体は最終的に管状支柱12又はドア構造体の(適切な)残りの部分に取り付けることができる。
【0025】
図8は、本発明の方法に従って組み立てられた代替車両の一部を、ドアの底部を示すそのような車両の一部を通る垂直断面として示している。部分100は、管状セクション112、112’を有し、管状セクションに接着剤で接着された補強パネル110と共に、これらは、中間パネル114が取り付けられたそれぞれのシャーシの一部を形成している。外部ボディーパネル120もまた、中間パネル114に取り付けられている。車両のドアが閉じられたとき(例えば図8に描かれているように)、ドアインナーパネル116と外部ボディーパネル120との間にシールが形成されるように、第1のシール124が中間パネル114に取り付けられ、第2のシール126がドアインナーパネル116に取り付けられている。ドアアウターパネル122は、接着剤による接続部128を介してドアインナーパネル116に取り付けられている。また、図8には、完全性のために含まれているが、本発明に直接関係しない車両の部品、例えば、車両の床200及びドアフレーム202が示されている。
【0026】
いうまでもなく、本発明の範囲から逸脱することなく、上述の実施形態に多くの変形がなされ得ることが理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8