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特許7519919マイクロチャネル熱交換器管支持ブラケット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】マイクロチャネル熱交換器管支持ブラケット
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/013 20060101AFI20240712BHJP
   F28F 1/32 20060101ALI20240712BHJP
   F28D 1/047 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
F28F9/013 E
F28F1/32 W
F28D1/047 C
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020570578
(86)(22)【出願日】2019-10-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 US2019055866
(87)【国際公開番号】W WO2020081389
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】62/747,271
(32)【優先日】2018-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003493
【氏名又は名称】キャリア コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CARRIER CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】シーネル,トビアス エイチ.
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-133790(JP,A)
【文献】特開2015-055410(JP,A)
【文献】特開平08-145580(JP,A)
【文献】特開2006-242458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/013
F28F 1/32
F28D 1/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱、換気、空調及び冷却システムで用いられる熱交換器であって、
複数の流体通路を画定する複数の熱交換管セグメントと、
前記複数の熱交換管セグメントの隣り合う熱交換管セグメント間に設けられた複数のフィンと、
前記複数の熱交換管セグメントに形成された屈曲部であって、前記屈曲部の第1の側に設けられた熱交換器の第1の部分と、前記第1の側の反対側の前記屈曲部の第2の側に設けられた前記熱交換器の第2の部分とを画定する前記屈曲部と、
前記屈曲部に、または、その近くに設けられた支持部であって、この支持部は、当該熱交換器を1つまたは複数のブラケットに固定し、当該熱交換器を前記加熱、換気、空調及び冷却システムに配置する、前記支持部と、
を備え
記支持部は、
支持基部と、
前記支持基部から前記複数の熱交換管セグメントの隣り合う熱交換管セグメント間のギャップに延びる少なくとも1つの支持フィンガと、
を含む、加熱、換気、空調及び冷却システムで用いられる熱交換器。
【請求項2】
前記屈曲部は、前記複数の熱交換管セグメントを曲げ、ねじることによって形成されたリボン状屈曲部である、請求項1に記載の加熱、換気、空調及び冷却システムで用いられる熱交換器。
【請求項3】
前記支持部は、前記複数の熱交換管セグメントの少なくとも1つの熱交換管セグメントに固定される、請求項1に記載の加熱、換気、空調及び冷却システムで用いられる熱交換器。
【請求項4】
前記少なくとも1つの支持フィンガは、前記支持基部から直角に延びる、請求項1に記載の加熱、換気、空調及び冷却システムで用いられる熱交換器。
【請求項5】
前記少なくとも1つの支持フィンガは、前記屈曲部で、前記熱交換管セグメントのねじれ度を示すリボン角度と等しいフィンガ角度で、前記支持基部から延びる、請求項1に記載の加熱、換気、空調及び冷却システムで用いられる熱交換器。
【請求項6】
前記屈曲部は、鋭角または鈍角のいずれかである、請求項1に記載の加熱、換気、空調及び冷却システムで用いられる熱交換器。
【請求項7】
前記屈曲部は、180度の曲げ角である、請求項1に記載の加熱、換気、空調及び冷却システムで用いられる熱交換器。
【請求項8】
前記複数の熱交換管セグメントの第1の端部で、前記複数の熱交換管セグメントに流体的に結合された第1のヘッダと、
前記第1の端部の反対側の前記複数の熱交換管セグメントの第2の端部で、前記複数の熱交換管セグメントに流体的に結合された第2のヘッダと、
をさらに含む、請求項1に記載の加熱、換気、空調及び冷却システムで用いられる熱交換器。
【請求項9】
前記屈曲部は、前記第1の端部と前記第2の端部の間の前記複数の熱交換管セグメントのほぼ中点に位置する、請求項8に記載の加熱、換気、空調及び冷却システムで用いられる熱交換器。
【請求項10】
前記熱交換器の前記第1の部分は、前記熱交換器の前記第2の部分にほぼ平行である、請求項1に記載の加熱、換気、空調及び冷却システムで用いられる熱交換器。
【請求項11】
前記複数のフィンは、前記屈曲部には存在しない、請求項1に記載の加熱、換気、空調及び冷却システムで用いられる熱交換器。
【請求項12】
前記熱交換器は、ほぼC型形状である、請求項1に記載の加熱、換気、空調及び冷却システムで用いられる熱交換器。
【請求項13】
前記熱交換器は、蒸気圧縮サイクルの凝縮器または蒸発器の1つとして構成される、請求項1に記載の加熱、換気、空調及び冷却システムで用いられる熱交換器。
【請求項14】
加熱、換気、空調及び冷却システムで用いられる熱交換器を形成する方法であって、
複数の熱交換管セグメントを、前記複数の熱交換管セグメントの隣り合う熱交換管セグメント間に少なくとも1つのギャップを画定するように配置することと、
支持部であって、
支持基部と、
前記支持基部から前記少なくとも1つのギャップ内に延びる少なくとも1つの支持フィンガとを備える
前記支持部が当該熱交換器を1つまたは複数のブラケットに固定することで当該熱交換器を前記加熱、換気、空調及び冷却システムに配置すること、
前記複数の熱交換管セグメントに少なくとも1つの屈曲部を形成することと
を含み、前記支持部は、前記少なくとも1つの屈曲部に設けられる、方法。
【請求項15】
前記複数の熱交換管セグメントの隣り合う熱交換管セグメント間に複数のフィンを配置することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のフィンは、前記少なくとも1つの屈曲部には存在しない、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の熱交換管セグメントの第1の端部に第1のヘッダを固定することと、
前記第1の端部の反対側の前記複数の熱交換管セグメントの第2の端部に第2のヘッダを固定することと、
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示の実施形態は、熱交換器の技術に関する。より詳細には、本開示は、折り畳まれた、または、リボン状に折り曲げられたマイクロチャネル熱交換器の支持部に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロチャネル熱交換器は通常、熱交換器の冷媒チャネルに接続された冷媒を含むマニホルドによって支持される。マイクロチャネル熱交換器を支持する別の支持システムは、熱交換器を取り囲むフレームである。近年、折り畳まれた、または、リボン状に折り曲げられた熱交換器への関心が高まっている。このような熱交換器では、マニホルドは、熱交換器の第1の端部のみに設けられて、熱交換器の第2の端部は、熱交換器の支持に使用され得るマニホルドを有さない。現在、このような場合には、フレームが利用されて、熱交換器を密閉し、必要な支持を提供する。フレームは、費用対効果が高くないことが多く、全ての熱交換器に対して実現可能というわけではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態では、熱交換器は、複数の流体通路を画定する複数の熱交換管セグメント、及び複数の熱交換管セグメントの隣り合う熱交換管セグメント間に設けられた複数のフィンを備える。屈曲部が、複数の熱交換管セグメントに形成されて、屈曲部の第1の側に位置する熱交換器の第1の部分、及び第1の側と反対側の屈曲部の第2の側に位置する熱交換器の第2の部分を画定する。支持部は、屈曲部または屈曲部近くに位置し、支持部は、支持基部、及び支持基部から複数の熱交換管セグメントの隣り合う熱交換管セグメント間のギャップ内に延びる少なくとも1つの支持フィンガを含む。
【0004】
さらに、または代替的に、この実施形態または他の実施形態では、屈曲部は、リボン状屈曲部である。
【0005】
さらに、または代替的に、この実施形態または他の実施形態では、支持部は、複数の熱交換管セグメントの少なくとも1つの熱交換管セグメントに固定される。
【0006】
さらに、または代替的に、この実施形態または他の実施形態では、少なくとも1つの支持フィンガは、支持基部から直角に延びる。
【0007】
さらに、または代替的に、この実施形態または他の実施形態では、少なくとも1つの支持フィンガは、屈曲部の熱交換管セグメントのリボン角度と等しいフィンガ角度で支持基部から延びる。
【0008】
さらに、または代替的に、この実施形態または他の実施形態では、屈曲部は、鋭角または鈍角のいずれかである。
【0009】
さらに、または代替的に、この実施形態または他の実施形態では、屈曲部は、180度の曲げ角である。
【0010】
さらに、または代替的に、この実施形態または他の実施形態では、第1のヘッダは、複数の熱交換管セグメントの第1の端部で、複数の熱交換管セグメントに流体的に結合され、第2のヘッダは、第1の端部の反対側の複数の熱交換管セグメントの第2の端部で、複数の熱交換管セグメントに流体的に結合される。
【0011】
さらに、または代替的に、この実施形態または他の実施形態では、屈曲部は、第1の端部と第2の端部の間の複数の熱交換管セグメントのほぼ中点に位置する。
【0012】
さらに、または代替的に、この実施形態または他の実施形態では、熱交換器の第1の部分は、熱交換器の第2の部分にほぼ平行である。
【0013】
さらに、または代替的に、この実施形態または他の実施形態では、複数のフィンは、屈曲部には存在しない。
【0014】
さらに、または代替的に、この実施形態または他の実施形態では、熱交換器は、ほぼC型形状である。
【0015】
さらに、または代替的に、この実施形態または他の実施形態では、熱交換器は、蒸気圧縮サイクルの凝縮器または蒸発器の1つとして構成される。
【0016】
別の実施形態では、熱交換器を形成する方法は、複数の熱交換管セグメントの隣り合う熱交換管セグメント間に少なくとも1つのギャップを画定するように複数の熱交換管セグメントを配置すること、及び支持部を複数の熱交換管セグメントに固定することを含み、支持部は、支持基部、及び支持基部から少なくとも1つのギャップ内に延びる少なくとも1つの支持フィンガを含む。少なくとも1つの屈曲部は、複数の熱交換管セグメントに形成される。支持部は、少なくとも1つの屈曲部に位置する。
【0017】
さらに、または代替的に、この実施形態または他の実施形態では、支持部を複数の熱交換管セグメントに固定することは、支持部を複数の熱交換管セグメントの少なくとも1つの熱交換管セグメントにろう付けすることを含む。
【0018】
さらに、または代替的に、この実施形態または他の実施形態では、支持部は、少なくとも1つの屈曲部を形成する前に、複数の熱交換管セグメントに固定される。
【0019】
さらに、または代替的に、この実施形態または他の実施形態では、複数のフィンは、複数の熱交換管セグメントの隣り合う熱交換管セグメント間に配置される。
【0020】
さらに、または代替的に、この実施形態または他の実施形態では、複数のフィンは、少なくとも1つの屈曲部には存在しない。
【0021】
さらに、または代替的に、この実施形態または他の実施形態では、第1のヘッダは、複数の熱交換管セグメントの第1の端部に固定され、第2のヘッダは、第1の端部の反対側の複数の熱交換管セグメントの第2の端部に固定される。
【0022】
さらに、または代替的に、この実施形態または他の実施形態では、支持部は、少なくとも1つの屈曲部を形成した後、複数の熱交換管セグメントに取り付けられ、固定される。
【0023】
以下の説明は、いかなる場合も限定とみなされるべきではない。添付の図面の参照において、類似の要素は類似の番号を付されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】蒸気圧縮サイクルの実施形態の概略図である。
図2】折り曲げ動作の前の熱交換器の実施形態の平面図である。
図3】熱交換器の実施形態の部分断面図である。
図4】熱交換器に形成された屈曲部の概略図である。
図5】熱交換器の屈曲部の実施形態の部分斜視図である。
図6】熱交換器の別の実施形態の斜視図である。
図7】支持部を含む熱交換器の実施形態の部分斜視図である。
図8】支持部を含む熱交換器の別の実施形態の部分断面図である。
図9】熱交換器を形成する方法の概略図である。
図10】熱交換器を形成する別の方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
開示された装置及び方法の1つまたは複数の実施形態の詳細な説明を図面を参照して、限定ではなく例示として本明細書に提示する。
図1を参照すると、加熱、換気、空調及び冷却(HVAC&R)システムの蒸気圧縮冷媒サイクル20が、概略的に示されている。例示のHVAC&Rシステムは、例えば、分散された、パッケージ化された、冷却装置の、屋上の、スーパーマーケットの、及び、輸送用のHVAC&Rシステムを含むが、これらに限定されない。冷媒Rは、蒸気圧縮サイクル20を循環するように構成され、それによって、冷媒Rは、低温低圧で蒸発する時に熱を吸収し、高温高圧で凝縮される時に放熱する。
この蒸気圧縮冷媒サイクル20内で、冷媒は、矢印によって示されるように、反時計回りに流れる。圧縮機22は、冷媒蒸気を蒸発器24から受け取り、高温高圧に圧縮し、次に相対的に熱い蒸気を凝縮器26に送り、凝縮器26で、空気などの冷却媒体(図示せず)との熱交換関係によって、蒸気は冷却、凝縮されて液体状態になる。液体冷媒Rは、次に、凝縮器26から膨張装置28に送られ、冷媒Rは膨張して、蒸発器24に送られるとき、低温の二相の液体/蒸気状態になる。低圧の蒸気は次に、圧縮機22に戻り、サイクルは繰り返される。
ここで図2を参照すると、蒸気圧縮サイクル20で使用されるように構成される熱交換器30の実施例が、より詳細に示されている。熱交換器30は、蒸気圧縮サイクル20の凝縮器26または蒸発器24のいずれかとして使用されてよい。熱交換器30は、少なくとも、第1のマニホルドまたはヘッダ32と、第1のマニホルド32から間隔をおいた第2のマニホルドまたはヘッダ34と、第1のマニホルド32と第2のマニホルド34とを接続し、それらの間に平行に間隔をおいて延びる複数の熱交換管セグメント36とを備える。図に示した非制限的な実施形態では、第1のヘッダ32及び第2のヘッダ34は、ほぼ水平に向けられており、熱交換管セグメント36は、2つのヘッダ32と34の間にほぼ垂直に延びている。しかしながら、他の構成では、第1のヘッダ32及び第2のヘッダ34は、ほぼ垂直に配置され、熱交換管セグメント36は、第1のヘッダ32と第2のヘッダ34の間に水平に延びている。
【0026】
ここで図3を参照すると、熱交換管セグメント36の実施形態の断面図が示されている。熱交換管セグメント36は、前縁40、後縁42、第1表面44及び第2表面46を有する扁平なマイクロチャネル熱交換管を備える。熱交換管セグメント36の前縁40は、熱交換器30を通り、熱交換管セグメント36を流れる空気流Aに関して、各後縁42の上流にある。熱交換管セグメント36の内部流路は、内壁によって、複数の個別のフローチャネル48に分けられてよく、フローチャネル48は、熱交換管セグメント36の入口端から出口端までの長さにわたって延び、第1のマニホルド32と第2のマニホルド34の間で流体連通を確立する。フローチャネル48は、円形の断面、または、例えば、長方形の断面、台形の断面、三角形の断面、もしくは別の非円形の断面を有してよい。個別のフローチャネル48を備える熱交換管セグメント36は、押し出し、または折り畳みを含むが、これらに限定されない既知の技術及び材料を使用して形成されてよい。
【0027】
本明細書に開示の熱交換管セグメント36は、複数のフィン50を備える。いくつかの実施形態では、フィン50は、リボンのように蛇状に折り畳まれたフィン材料の連続ストリップから形成されて、熱交換管セグメント36に対してほぼ直角に延びる複数の密集したフィン50を提供する。熱交換管セグメント36内の1つまたは複数の流体と空気流Aとの熱エネルギー交換は、集合して主要な熱交換面を形成する熱交換管セグメント36の外側表面44、46と、二次的な熱交換面を画定するフィン50との熱エネルギー交換とを通して生じる。
【0028】
図4及び図5に示すように、屈曲部60は、熱交換器30の各熱交換管セグメント36に形成される。屈曲部60は、熱交換管セグメント36の縦軸54にほぼ垂直に延びる屈曲部軸52を中心に形成される。図示の実施形態においては、図5に最もよく示されるように、屈曲部60は、熱交換管セグメント36を曲げ、ねじることによって形成されたリボン状の屈曲部である。いくつかの実施形態では、リボン状の屈曲部60は、マンドレル(図示せず)を中心に形成される。他の手段またはツールがリボン状の屈曲部60の形成に利用されてよいことを当業者は理解されよう。リボン状の屈曲部60では、熱交換管セグメント36は、屈曲部60の各端部で、第1の向き、例えば、水平である。屈曲部60に沿って、熱交換管セグメント36は、屈曲部60の中点で、熱交換管セグメント36が第2の向き、例えば、垂直またはほぼ垂直になるように、ねじられる。しかしながら、他のタイプの屈曲部が、本開示の範囲内で企図される。いくつかの実施形態では、リボン状の屈曲部60を利用して、空気流Aに対してマルチパス熱交換器30の構成を形成する。しかしながら、リボン状の屈曲部60は、例えば、V型形状の熱交換器30等、他の熱交換器の形状の形成に利用されてよいことを、当業者は容易に理解されよう。
【0029】
屈曲部60は、熱交換管セグメント36の第1のセクション62及び第2のセクション64を画定し、第1のセクション62及び第2のセクション64は、屈曲部60をはさんで反対の側に配置される。屈曲部の構成においては、第1のセクション62は、熱交換器30の第1のパスまたは第1のスラブを画定し、第2のセクション64は、熱交換器30の第2のパスまたは第2のスラブを画定し、それによって、マルチパス熱交換器30の構成を画定する。図示の実施形態において、屈曲部60は、第1のマニホルド32と第2のマニホルド34の間の熱交換管セグメント36のほぼ中点に形成され、それによって、第1のセクション62及び第2のセクション64は、ほぼ等しい長さになる。他の実施形態では、第1のセクション62の長さ及び第2のセクション64の長さが等しくならないことがある場合に、他の構成が利用されてよい。
【0030】
図に示すように、熱交換器30は、第1のセクション62及び第2のセクション64が互いに鈍角または鋭角のいずれかで配置されるように、形成されてよい。さらに、図5に示すように、屈曲部60は、第1のセクション62と第2のセクション64がほぼ平行になるように構成されてよい。屈曲部60の結果として、熱交換器30は、図5に示すように、平らな平面の熱交換器30として、または、Aコイル式またはVコイル式熱交換器30として構成されてよい。さらに、ここで図6を参照すると、熱交換器30の構成は、屈曲部60が180度の屈曲部であるC型形状の熱交換器30などの他の形状をとってよく、熱交換器30は、屈曲部60とマニホルド32、34の間に追加の屈曲部66、68を備える。追加の屈曲部66、68は、180度未満であり、結果として、図6に示すC型形状の熱交換器30となる。いくつかの実施形態では、屈曲部66、68は、リボン状の屈曲部であり、他の実施形態では、他のタイプの屈曲部が利用されてよい。
【0031】
図2を再び参照すると、複数の第1のフィン50aは、第1のセクション62に配置され、複数の第2のフィン50bは、第2のセクション64に配置され、各熱交換管セグメント36の屈曲部60の部分に、フィン50は存在しない。第1のフィン50a及び第2のフィン50bは、ほぼ同じであってよい、または、代替的に、サイズ、形状、密度または材料のうちの1つまたは複数が異なってよい。
【0032】
図7を参照すると、熱交換器30は、屈曲部60に位置する支持部70を備える。支持部70は、屈曲部60の熱交換管セグメント36に固定された櫛状の構造であり、フィン50は存在しない。支持部70は、基部72、及び基部72から延びる複数のフィンガ74を備える。フィンガ74は、屈曲部60の隣り合う熱交換管セグメント36の間のリボン状ギャップ76にそれぞれ挿入されるように構成される。いくつかの実施形態では、支持部70は、図8に示すように、熱交換器の幅78全体にわたり、他の実施形態では、支持部70は、熱交換器の幅78の一部にのみわたる、または、複数の支持部70が屈曲部60で利用され、それぞれ、熱交換器の幅78に沿って部分的に延びる。支持部70は、例えば、ろう付けによって熱交換管セグメント36に固定される。さらに、いくつかの実施形態では、支持部70は、熱交換管セグメント36と同じ材料から形成され、他の実施形態では、支持部の材料70は、支持部70が屈曲部60で熱交換管セグメント36に固定されて、屈曲部60で熱交換器30を支持し得る限り、熱交換管セグメント36の材料とは異なってよい。支持部70を利用して、熱交換器30を1つまたは複数のブラケット84または他の取付構造に固定して、熱交換器30をHVAC&Rシステムに配置する。
【0033】
他の実施形態では、フィンガ74は、各リボン状ギャップ76に挿入され、他の実施形態では、フィンガ74は、リボン状ギャップ76の少なくとも一部では省略されてよく、支持部70は、それでもなお、屈曲部60で熱交換器30を十分に支持し得る。図7の実施形態では、複数のフィンガ74が、基部72から直角に延びる。別の実施形態では、図8の実施形態に示すように、複数のフィンガ74は、基部72から非直角に、折り曲げプロセスによる熱交換管セグメント36のねじれ度を表す屈曲部60のリボン角度82に対して補完的なフィンガ角度で、いくつかの実施形態では、リボン角度82とほぼ等しいフィンガの角度80で延びる。図8の実施形態では、支持部70は、例えば、膠または他の接着剤によって熱交換管セグメント36に固定される。
【0034】
図9を参照すると、熱交換器30を形成する方法の概略図が示されている。最初に、熱交換器30のコアがアセンブルされる。図9の実施形態では、ステップ100において、熱交換管セグメント36が形成され、フィン50がステップ102で形成される。熱交換管セグメント36とフィンとは、ステップ104で交互に積層される。ステップ106において、第1のヘッダ32及び第2のヘッダ34が、熱交換管セグメント36に取り付けられる。あるいは、別の実施形態では、第1のヘッダ32及び第2のヘッダ34は、フィン50が熱交換管セグメント36間に挿入された後、熱交換管セグメント36に取り付けられる。ブロック108において、支持部(複数可)70が、熱交換器30内に挿入されて、コアアセンブリを形成する。ブロック110において、コアアセンブリが一緒にろう付けされて、熱交換管セグメント36、フィン50、ヘッダ32、34、及び支持部70を適所に固定する。ブロック110で、アセンブリのろう付けの後、屈曲部(複数可)60が、熱交換器30に形成される。図9に示す実施形態では、支持部70は、第1のヘッダ32及び第2のヘッダ34の取付後、取り付けられるが、他の実施形態では、支持部70は、アセンブリのろう付け前の任意の時点で取り付けられることを当業者は理解されよう。
【0035】
図9の例示の方法では、屈曲部(複数可)60は、支持部70を熱交換器にろう付けした後、形成されるが、他の実施形態では、図10のフローチャートに示すように、支持部70は、屈曲部(複数可)60を形成した後、例えば、支持部70を接着することによって取り付けられてよいことは理解されるべきである。
【0036】
本開示の支持部70を利用することによって、マニホルド32、34、または、熱交換器30を取り囲むフレームを介して支持する必要がある既存の熱交換器とは異なり、熱交換管セグメント36に沿った様々な位置で熱交換器30を支持することが可能になる。さらに、支持部70は、以前のフレームより費用対効果の高い解決法を提供する。熱交換器30の屈曲部(複数可)60に、またはその近くに支持部70を設けることによって、折り曲げプロセス中に通常生じる熱交換管セグメント36の相対的な動きを防止するという追加の利益を有し、これは、システムのロバスト性を向上させる。
【0037】
「約」という用語は、出願時に利用可能な機器に基づいた特定の量の測定に関連する誤差の程度を含むことを意図する。
【0038】
本明細書の専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためのみに用いられており、本開示を限定する意図はない。本明細書で使用される場合、単数形の「a」、「an」及び「the」は、文脈により別段の明記がない限り、複数形も含むことが意図されている。用語「含む、備える(comprises)」及び/または「含んでいる、備えている(comprising)」は、本明細書で使用されるとき、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素及び/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことがさらに理解されよう。
【0039】
本開示は例示の1つまたは複数の実施形態を参照して記載されているが、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な変更が行われてよく、また均等物が本開示の要素の代わりをする場合もあることは当業者には理解されるであろう。さらに、本開示の必須の範囲を逸脱することなく、特定の状況または材料を本開示の教示に適合させるために多くの修正が行われてよい。したがって、本開示は、本開示を実施するために企図された最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されるのではなく、本開示は、特許請求の範囲内に収まる全ての実施形態を含むことが意図されている。
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