(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】分散型台帳ベースの会社間ネッティングのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/06 20120101AFI20240712BHJP
【FI】
G06Q20/06 300
(21)【出願番号】P 2020570699
(86)(22)【出願日】2019-06-18
(86)【国際出願番号】 US2019037683
(87)【国際公開番号】W WO2019246062
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-06-13
(32)【優先日】2018-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519022104
【氏名又は名称】ジェイピーモルガン・チェース・バンク,ナショナル・アソシエーション
【氏名又は名称原語表記】JPMorgan Chase Bank,N.A.
【住所又は居所原語表記】383 Madison Avenue,New York,NY 10179,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】マレラ,ナビーン
(72)【発明者】
【氏名】シャー,グーラング
(72)【発明者】
【氏名】マンダナ,バルーン
(72)【発明者】
【氏名】ストーカー,マーティン
(72)【発明者】
【氏名】デュガー,マノージ
(72)【発明者】
【氏名】グプタ,アビジット
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/145004(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/011601(WO,A1)
【文献】特開2002-366876(JP,A)
【文献】特表2008-512777(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織内の第1のエンティティと、前記組織内の第2のエンティティと、金融機関とが関与する分散型台帳ベースの会社間ネッティングのための
コンピュータにより実行される方法であって、
前記金融機関において、前記第1のエンティティから、フィアット通貨を格納するための第1の口座への第1の金額のフィアット通貨資金の第1の預金を受け取るステップと、
前記金融機関により、かつ前記第1の預金に応答して、前記金融機関により維持される分散型台帳の第1のコピーに第1の取引を書き込むステップであって、前記第1の取引は、前記第1の金額のフィアット通貨資金を示す、ステップと、
前記第1の取引の書き込みに応答して、トークン化スマートコントラクトを実行するステップであって、前記トークン化スマートコントラクトは、前記第1の金額のフィアット通貨資金を第1の金額のデジタルトークン資金にトークン化し、前記第1の金額のデジタルトークン資金を、前記金融機関によって維持される前記分散型台帳の第1のコピー上の前記第1のエンティティに関する第1のトークンウォレットに書き込む、ステップと、
前記第1の金額のフィアット通貨のトークン化に応答して、制限スマートコントラクトを実行するステップであって、前記制限スマートコントラクトは、前記第1の口座の前記第1の金額のフィアット通貨資金に第1の制限を適用し、前記第1の制限は、前記第1の口座の前記第1の金額のフィアット通貨資金へのアクセスを制限する、ステップと、
前記金融機関において、前記第2のエンティティから、フィアット通貨を格納するための第2の口座への第2の金額のフィアット通貨資金の第2の預金を受け取るステップと、
前記金融機関により、前記第2の預金に応答して、前記金融機関により維持される分散型台帳の前記第1のコピーに第2の取引を書き込むステップであって、前記第2の取引は前記第2の金額のフィアット通貨資金を示す、ステップと、
前記第2の取引に応答して、前記トークン化スマートコントラクトを実行するステップであって、前記トークン化スマートコントラクトは、前記第2の金額のフィアット通貨資金を第2の金額のデジタルトークン資金にトークン化し、前記第2の金額のデジタルトークン資金を、前記金融機関によって維持される前記分散型台帳の前記第1のコピー上の前記第2のエンティティの第2のトークンウォレットに書き込む、ステップと、
前記第2の金額のフィアット通貨の前記トークン化に応答して、前記制限スマートコントラクトを実行するステップであって、前記制限スマートコントラクトは、前記第2の口座の前記第2の金額のフィアット通貨資金に第2の制限を適用し、前記第2の制限は、前記第2の口座の前記第2の金額のフィアット通貨資金へのアクセスを制限する、ステップと、
前記第1のエンティティによって、前記第1のエンティティが維持する前記分散型台帳の第2のコピーにエンティティ間取引を書き込むステップであって、前記エンティティ間取引は、デジタルトークン資金の転送額を指定し、前記デジタルトークン資金の前記転送額は、前記第1のエンティティから前記第2のエンティティに転送されるデジタルトークン資金の金額を示す、ステップと、
前記エンティティ間取引に応答して、ネッティングスマートコントラクトを実行するステップであって、前記ネッティングスマートコントラクトは、デジタルトークン資金の前記転送額を決定し、前記第1のトークンウォレットのトークン残高から前記転送額を差し引き、前記第2のトークンウォレットのトークン残高に前記転送額を加える、ステップと、
前記前記第1のトークンウォレットおよび前記第2のトークンウォレットの前記トークン残高に基づいて、前記第1の口座および前記第2の口座をそれぞれ照合するステップと、
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記第1の金額のフィアット通貨資金と前記第2の金額のフィアット通貨資金は、前記フィアット通貨資金と1対1に対応するデジタルトークン資金にトークン化される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、さらに
前記第1のエンティティから引渡しトークン金額を受け取るステップであって、前記引渡しトークン金額は、対応する金額のフィアット通貨資金と換えられる前記第1の金額のデジタルトークン資金からの前記第1の金額を含む、ステップと
前記制限スマートコントラクトによって、前記引渡しトークン金額を前記第1のトークンウォレットから差し引くステップと、
前記制限スマートコントラクトによって、前記第1の口座内の前記第1の金額のフィアット通貨資金に対する前記第1の制限を部分的に解除するステップであって、部分的に解除することにより、前記対応する金額のフィアット通貨資金に等しい前記第1の金額のフィアット通貨の部分的な金額が解除される、ステップ
を備える、方法。
【請求項4】
前記制限スマートコントラクトは、前記第1のトークンウォレットから前記引渡しトークン金額のトークンを破棄または削除する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のトークンウォレットの前記差し引き額は前記分散型台帳に書き込まれる、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のエンティティ、前記第2のエンティティ、および前記金融機関は、分散型台帳ネットワークのノードであり、各々は前記分散型台帳のコピーを維持する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の口座または前記第2の口座は、エスクロー口座を含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記第1の口座または前記第2の口座は、国庫オムニバス口座を含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
分散型台帳ベースの会社間ネッティングのためのシステムであって、前記システムは、
組織内の第1のエンティティと、
前記組織内の第2のエンティティと、
前記第1のエンティティの第1の口座および前記第2のエンティティの第2の口座を維持する金融機関と、を含み、前記第1の口座と前記第2の口座とは、フィアット通貨を格納するように構成され、
前記システムのコンピュータは以下の機能:
前記金融機関は、前記第1のエンティティから前記第1の口座への第1の金額のフィアット通貨資金の第1の預金を受け取り、
前記金融機関は、前記第1の預金に応答して、金融機関によって維持される分散型台帳の第1のコピーに第1の取引を書き込みし、
前記第1の取引に応答して、トークン化スマートコントラクトが実行され、前記トークン化スマートコントラクトは、第1の金額のフィアット通貨資金を第1の金額のデジタルトークン資金にトークン化し、前記第1の金額のデジタルトークン資金を、金融機関によって維持される分散型台帳の第1のコピー上の第1のエンティティに関する第1のトークンウォレットに書き込みし、
第1の金額のフィアット通貨のトークン化に応答して、制限スマートコントラクトが実行され、前記制限スマートコントラクトは、前記第1の口座の前記第1の金額のフィアット通貨資金に第1の制限を適用し、前記第1の制限は、前記第1の口座の前記第1の金額のフィアット通貨資金へのアクセスを制限し、
前記金融機関は、前記第2のエンティティから前記第2の口座への第2の金額のフィアット通貨資金の第2の預金を受け取りし、
前記金融機関は、前記第2の預金に応答して、前記金融機関により維持される分散型台帳の第1のコピーに第2の取引を書き込みし、前記第2の取引は第2の金額のフィアット通貨資金を示し、
前記第2の取引に応答して、前記トークン化スマートコントラクトは、前記第2の金額のフィアット通貨資金を第2の金額のデジタルトークン資金にトークン化し、前記第2の金額のデジタルトークン資金を、前記金融機関によって維持される前記分散型台帳の第1のコピー上の前記第2のエンティティの第2のトークンウォレットに書き込みし、
前記第2の金額のフィアット通貨の前記トークン化に応答して、前記制限スマートコントラクトが実行され、前記制限スマートコントラクトは、前記第2の口座の前記第2の金額のフィアット通貨資金に第2の制限を適用し、第2の制限は、前記第2の口座の前記第2の金額のフィアット通貨資金へのアクセスを制限し、
前記第1のエンティティは、前記第1のエンティティが維持する前記分散型台帳の第2のコピーにエンティティ間取引を書き込み、前記エンティティ間取引は、デジタルトークン資金の転送額を指定し、前記デジタルトークン資金の転送額は、前記第1のエンティティから前記第2のエンティティに転送されるデジタルトークン資金の金額を示し、
前記エンティティ間取引に応答して、ネッティングスマートコントラクトが実行され、前記ネッティングスマートコントラクトは、デジタルトークン資金の前記転送額を決定し、前記第1のトークンウォレットのトークン残高から前記転送額を差し引き、前記第2のトークンウォレットのトークン残高に前記転送額を加え、
前記金融機関は、前記第1のトークンウォレットおよび前記第2のトークンウォレットの前記トークン残高に基づいて、前記第1の口座および前記第2の口座をそれぞれ照合する
ことを実行するよう構成される、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、前記第1の金額のフィアット通貨資金と前記第2の金額のフィアット通貨資金は、前記フィアット通貨資金と1対1に対応するようにトークン化される、システム。
【請求項11】
請求項9に記載のシステムであって
、前記システムのコンピュータは以下の機能:
前記金融機関は、前記第1のエンティティから引渡しトークン金額を受け取り、前記引渡しトークン金額は、対応する金額のフィアット通貨資金と換えられる前記第1の金額のデジタルトークン資金からのトークン金額を含み、
前記制限スマートコントラクトは、前記引渡しトークン金額を前記第1のトークンウォレットから差し引きし、
前記制限スマートコントラクトは、前記第1の口座内の前記第1の金額のフィアット通貨資金に対する前記第1の制限を部分的解除し、前記部分的解除は、前記対応する金額のフィアット通貨資金に等しい前記第1の金額のフィアット通貨の部分的な金額を解除すること
を実行するよう構成される、システム。
【請求項12】
前記制限スマートコントラクトは、前記第1のトークンウォレットから前記引渡しトークン金額のトークンを破壊または削除する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のエンティティ、前記第2のエンティティ、および前記金融機関は、分散型台帳ネットワークのノードであり、各々は分散型台帳のコピーを維持する、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の口座または前記第2の口座は、エスクロー口座を含む、請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[0001]本出願は2018年6月18日に出願された米国仮特許出願第62/686,131号の優先権および利益を主張し、その開示は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示は、一般に、分散型台帳ベースの会社間ネッティングのためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]会社間ネッティングは、資本の最適化、リスクの軽減、および取引コストの低減に役立つプロセスである。しかしながら、このプロセスは、依然として時間がかかり、多数のステップを必要とし、多数の当事者に依存する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]分散型台帳ベースの会社間ネッティングのためのシステムおよび方法が開示される。1つの実施形態では、少なくとも1つのコンピュータプロセッサを含む情報処理装置において、分散型台帳ベースの会社間ネッティングのための方法は、(1)組織内の第1のエンティティから、第1の口座への第1の金額の資金の預金を受け取るステップと、(2)第1の金額の資金をトークン化し、分散型台帳の第1のエンティティの第1のトークンウォレットに第1の金額の資金を書き込むステップと、(3)組織内の第2のエンティティから、第2の口座への第2の金額の資金の預金を受け取るステップと、(4)第2の金額の資金をトークン化し、分散型台帳の第2のエンティティの第2のトークンウォレットに第2の金額の資金を書き込むステップと、(5)第1のエンティティから第2のエンティティへの取引金額の転送を含む取引を、第1のウォレットのトークン残高から取引金額を差し引き、第2のウォレットのトークン残高に取引金額を加えることによって、実行するステップとを含むことができる。
【0005】
[0005]1つの実施形態では、第1の金額の資金および第2の金額の資金は、基準通貨との1対1対応によりトークン化することができる。
[0006]1つの実施形態では、この方法は、第1の金額の資金がトークン化された後、第1の口座の第1の金額の資金に制限を適用するステップをさらに含むことができ、制限が、口座の第1の金額の資金へのアクセスを制限する。
【0006】
[0007]1つの実施形態では、この方法は、第1のエンティティから引渡しトークン金額の引渡しを受け取るステップと、第1のウォレットから引渡しトークン金額を差し引くステップと、第1の口座の資金の引渡し金額への制限を解除するステップとをさらに含むことができる。
【0007】
[0008]1つの実施形態では、引渡し金額に対応する第1のウォレットのトークンが、差引き額に応じて破棄または削除される。
[0009]1つの実施形態では、第1のウォレットの差引き額は、分散型台帳に書き込むことができる。
【0008】
[0010]1つの実施形態では、この方法は、第1のウォレットおよび第2のウォレットの残高に基づいて、それぞれ、第1の口座および第2の口座を照合する(reconcile)ステップをさらに含むことができる。
【0009】
[0011]1つの実施形態では、第1のウォレットのトークン残高から取引金額を差し引き、第2のウォレットのトークン残高に取引金額を加えるステップは、スマートコンタクトによって実行することができる。
【0010】
[0012]1つの実施形態では、第1のエンティティ、第2のエンティティ、および金融機関は、分散型台帳ネットワークのノードとすることができ、各々は、分散型台帳のコピーを維持する。
【0011】
[0013]1つの実施形態では、第1の口座および/または第2の口座は、エスクロー口座、国庫オムニバス口座(treasury omnibus account)などとすることができる。
【0012】
[0014]別の実施形態によれば、分散型台帳ベースの会社間ネッティングのためのシステムは、組織内の第1のエンティティと、組織内の第2のエンティティと、第1のエンティティの第1の口座および第2のエンティティの第2の口座を維持する金融機関とを含むことができる。金融機関は、第1のエンティティから第1の口座への第1の金額の資金の預金を受け取ることができ、第1の金額の資金をトークン化し、分散型台帳の第1のエンティティの第1のトークンウォレットに第1の金額の資金を書き込むことができ、第2のエンティティから第2の口座への第2の金額の資金の預金を受け取ることができ、第2の金額の資金をトークン化し、分散型台帳の第2のエンティティの第2のトークンウォレットに第2の金額の資金を書き込むことができ、第1のエンティティから第2のエンティティへの取引金額の転送を含む取引を分散型台帳に書き込むことができる。分散型台帳によって実行されるスマートコンタクトは、第1のウォレットのトークン残高から取引金額を差し引き、第2のウォレットのトークン残高に取引金額を加えることができる。
【0013】
[0015]1つの実施形態では、第1の金額の資金および第2の金額の資金は、基準通貨との1対1対応によりトークン化することができる。
[0016]1つの実施形態では、金融機関は、第1の金額の資金がトークン化された後、第1の口座の第1の金額の資金に制限を適用することができ、制限は、口座の第1の金額の資金へのアクセスを制限する。
【0014】
[0017]1つの実施形態では、金融機関は、第1のエンティティから引渡しトークン金額の引渡しを受け取ることができ、第1のウォレットから引渡しトークン金額を差し引くことができ、第1の口座の資金の引渡し金額への制限を解除することができる。
【0015】
[0018]1つの実施形態では、引渡し金額に対応する第1のウォレットのトークンは、差引き額に応じて破棄または削除することができる。
[0019]1つの実施形態では、スマートコントラクトは、第1のウォレットの差引き額を分散型台帳に書き込むことができる。
【0016】
[0020]1つの実施形態では、金融機関は、第1のウォレットおよび第2のウォレットの残高に基づいて、それぞれ、第1の口座および第2の口座を照合することができる。
[0021]1つの実施形態では、第1のエンティティ、第2のエンティティ、および金融機関は、分散型台帳ネットワークのノードとすることができ、各々は、分散型台帳のコピーを維持する。
【0017】
[0022]1つの実施形態では、第1の口座および/または第2の口座は、エスクロー口座とすることができる。
[0023]本発明、その目的および利点のより完全な理解のために、次に、添付図面に関連して行われる以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】[0024]1つの実施形態による分散型台帳ベースの会社間ネッティングのためのシステムを示す図である。
【
図2】[0025]1つの実施形態による分散型台帳ベースの会社間ネッティングのための方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0026]実施形態は、会社間ネッティングのためのブロックチェーン分散型台帳などの分散型台帳の使用に関する。
[0027]分散型台帳は、中央権限のないピアツーピアネットワークを提供する。分散型台帳は、安全であり、正当な当事者および取引を決定するために暗号技術を使用する。取引の各ステップは、強力な監査証跡によりデジタル署名されるので変更不可能であり、取引の各データには、ハッシュなどの一意のフィンガープリントを与えることができる。
【0020】
[0028]実施形態では、ブロックチェーン分散型台帳などの分散型台帳を会社間ネッティングに使用することができる。例えば、フィアットキャッシュは、企業コインまたはトークンに変換することができる。企業コインは、銀行で造り出すことができ、国庫からのフィアット通貨担保の背後で子会社ウォレットに入金することができる。次いで、子会社は、ピアツーピア方式で企業コインを使用して、会社間取引を決済することができる。その後、子会社は、銀行を通して企業コインをフィアット通貨に換えることができる。
【0021】
[0029]実施形態は、透明性を改善し、ステップを除去することができ、自動化されてもよく、連続的であってもよい。
[0030]
図1を参照すると、分散型台帳ベースの会社間ネッティングのためのシステムが、1つの実施形態に従って開示される。システム100は、任意のタイプの組織(例えば、公的、私的など)でありうる組織110を含むことができる。組織は、1つまたは複数の子会社、事業部門、エンティティなど120
1、120
2、…120
nを有することができる。組織110および子会社120
1、120
2、…120
nは、各々、金融機関130に1つまたは複数の口座を有することができる。例えば、金融機関130は、組織110および子会社120
1、320
2、…120
nの口座を維持することができ、口座への預金と引き換えにトークンを発行することができる。
【0022】
[0031]1つの実施形態では、口座は、トークンが発行されるすべての異なるエンティティからのキャッシュを保持することができる国庫オムニバス口座とすることができる。別の実施形態では、口座は、エスクロー口座とすることができる。
【0023】
[0032]国庫140が用意されてもよく、国庫140は組織110のための企業の国庫/本部を表すことができる。
[0033]分散型台帳ネットワーク115、125、135、145などは、例えば、ブロックチェーンベース台帳、イーサリアム台帳などを含む任意の適切な台帳とすることができる。組織110、子会社1201、1202、…120n、および金融機関130は、各々、分散型台帳ネットワーク115、125、135、145と対話する(例えば、分散型台帳のそれぞれのコピーに取引を書き込む)ことができるクライアント(図示せず)を有することができる。
【0024】
[0034]1つの実施形態では、分散型台帳ネットワーク115、125、135、145は、スマートコントラクトプラットホーム、機密性(例えば、取引の詳細は当事者の個人的なものとすることができる)、セキュリティ(例えば、高度暗号化、許可制)、および分散化(例えば、中央サービスへの依存なし)を提供することができる。分散型台帳ネットワーク115、125、135、145は、さらに、リアルタイムのグロス決済機能、分散処理(例えば、単一障害点のない分散型で障害許容力のあるインフラストラクチャ)、決済完了性(例えば、確定的決済完了性による支払指示の最終および取消不能の決済)による支払いのデジタル化を提供することができ、流動性効率を最大化するためにネッティングおよびグリッドロック解決アルゴリズムを実装することによって流動性を最適化することができる。
【0025】
[0035]加えて、分散型台帳ネットワーク115、125、135、145は、ゼロ知識セキュリティ層を設けることができ、それにより、台帳の分散化の性質を損なうことなく、シールドされたトークン(shielded token)の大量保存および二重使用防止を可能にすることができ、zk-SNARK(ゼロ知識暗号証明)を使用することができる。
【0026】
[0036]1つの実施形態では、スマートコンタクトは、分散型台帳ネットワーク115、125、135、145の内容に基づいて実行することができる。例えば、スマートコントラクトは、分散型台帳ネットワーク115、125、135、145に書き込まれた取引に応じて、組織110または子会社120のトークンを増減するように機能することができ、スマートコントラクトにより、金融機関130は、トークンの譲渡などに応じて、組織110または子会社120にキャッシュを発行することができる。
【0027】
[0037]実施形態は、さらに第三者の顧客(図示せず)、第三者の供給業者(図示せず)、第三者の販売業者(図示せず)などをさらに含むことができる。これらの第三者は、資金を口座に預けることもでき、分散型台帳ネットワーク115、125、135、145にアクセスして取引を書き込むこともできる。
【0028】
[0038]
図2を照会すると、分散型台帳ベースの会社間ネッティングのための方法が、1つの実施形態に従って開示される。
[0039]ステップ205において、組織の各エンティティ(例えば、子会社)は、金融機関の口座に資金を預けることができる。1つの実施形態では、各エンティティは、別個の法的エンティティ、事業部門、またはそれ自体の予算を有することができるより大きい組織の任意の一部とすることができる。
【0029】
[0040]1つの実施形態では、単一の口座が、組織内の多数のエンティティに対して使用されてもよく、別の実施形態では、各エンティティが、それ自体の口座を有してもよい。
[0041]1つの実施形態では、口座は、トークンが発行されるすべての異なるエンティティからのキャッシュを保持することができる国庫オムニバス口座とすることができる。別の実施形態では、口座は、エスクロー口座とすることができる。
【0030】
[0042]ステップ210において、金融機関は、預けられた資金に対してトークンを発行することができる。1つの実施形態では、トークンは、預けられた通貨の単位と1対1の対応を有するように発行されうる(例えば、1ドルにつき1トークンなど)。したがって、エンティティが10000ドルを預ける場合、10000トークンが発行されうる。必要および/または所望に応じて、他の比率および対応を使用することができる。
【0031】
[0043]ステップ215において、金融機関は、分散型台帳ネットワークの分散型台帳に各エンティティのトークン預金を書き込むことができる。1つの実施形態では、トークン預金は、エンティティごとに既存のトークン残高に加えることができる。
【0032】
[0044]1つの実施形態では、分散型台帳は、ブロックチェーンベースの分散型台帳とすることができる。必要および/または所望に応じて、他の適切な台帳を使用することができる。
【0033】
[0045]1つの実施形態では、各エンティティは、分散型台帳にウォレットを維持することができ、ウォレットは、それぞれのエンティティのトークン残高を反映することができる。
【0034】
[0046]1つの実施形態では、資金がトークン化された後、資金が、利用できない、または別の方法でアクセス、引出し、もしくは転送を制限されているとして識別された対応する資金に、制限が関連づけられうる。トークン化された資金へのアクセスを制限する適切な方法が、必要および/または所望に応じて、使用されてもよい。
【0035】
[0047]ステップ220において、第1の組織エンティティは、第2の組織エンティティに関係する取引を分散型台帳に書き込むことができる。1つの実施形態では、第1のエンティティは、資金源、資金の受取人、金額などを識別することができる。1つの実施形態では、取引は、取引の金額に対応するトークンの数を識別することができる。
【0036】
[0048]必要および/または所望に応じて、他の情報を提供することができる。
[0049]ステップ225において、スマートコントラクトは、取引を実行することができ、トークンを用いて適切な処置を行うことができる。例えば、取引に、第1のエンティティが第2のエンティティに資金を転送することが含まれている場合、スマートコンタクトは、資金源(例えば、第1のエンティティのウォレット)からトークンの数を引き落とし、トークンを資金の受取人(例えば、第2のエンティティのウォレット)に預けることができる。
【0037】
[0050]1つの実施形態では、取引は、第1のエンティティがキャッシュのためにトークンを引き渡すときなどに第1のエンティティのみに関わることがある。1つの実施形態では、トークンが引き渡されると、トークンを、破棄、削除などをすることができ、対応する資金への制限を解除することができる。したがって、エンティティは、所望に応じて、口座から資金にアクセス、引出し、転送などを行うことができる。
【0038】
[0051]別の実施形態では、スマートコントラクトは、トークンの引渡しと引き換えに対応する資金を引渡しエンティティの口座に供給することができる。
[0052]ステップ230において、口座およびウォレットは、1つまたは複数の取引を反映するように照合されてもよい。1つの実施形態では、口座は、定期的に(例えば、毎日、毎週など)、オンデマンドで、または別の方法で必要および/または所望に応じて、照合されてもよい。
【0039】
[0053]1つの実施形態では、スマートコントラクトは、未払いのトークンの預金利率に基づいて利息を計算し、トークンに自己廃棄させ、未払いの期間に基づいてフィアットキャッシュに自動償還し、トークンの移動に対して税の計算(例えば、源泉徴収税など)を実行することができる。
【0040】
[0054]実施形態は、以下の利点および改善のうちの一部またはすべてを提供することができる。実施形態は、運用流動性(例えば、キャッシュに対する分散管理を犠牲にすることなく、意図的に集中化された子会社と共に閉じ込められた運用流動性)を高め、効率を向上させ(例えば、物理的なキャッシュフローがリアルタイムで企業コイン/トークン転送と交換され、それによって、プロセスおよびインフラストラクチャの非効率性を除去する)、外国為替の取扱いを簡単化することができる。
【0041】
[0055]いくつかの実施形態が開示されているが、これらの実施形態は、相互に排他的ではなく、一方による特徴は他方の特徴とともに使用することができることを認識されたい。
【0042】
[0056]以下の文献は、その全体が、参照により本明細書に組み込まれる。米国特許出願第15/903,215号、第15/903,159号、第15/475,846号、第15/797,602号、第62/414,398号、第62/534,772号、およびPCT出願第PCT/US17/59015号。
【0043】
[0057]以下、本発明のシステムおよび方法の実施態様の一般的な態様が記載される。
[0058]本発明のシステムまたは本発明のシステムの一部は、例えば、汎用コンピュータなどの「処理機械」の形態のものとすることができる。本明細書で使用される「処理機械」という用語は、少なくとも1つのメモリを使用する少なくとも1つのプロセッサを含むと理解されるべきである。少なくとも1つのメモリは、命令のセットを格納する。命令は、処理機械の1つまたは複数のメモリに永久的にまたは一時的に格納することができる。プロセッサは、データを処理するために1つまたは複数のメモリに格納されている命令を実行する。命令のセットは、上述のタスクなどの特定の1つまたは複数のタスクを実行する様々な命令を含むことができる。特定のタスクを実行するためのそのような命令のセットは、プログラム、ソフトウェアプログラム、または単にソフトウェアとして特徴づけることができる。
【0044】
[0059]1つの実施形態では、処理機械は、専用プロセッサとすることができる。
[0060]上記のように、処理機械は、データを処理するために1つまたは複数のメモリに格納されている命令を実行する。データのこの処理は、例えば、処理機械の1人または複数のユーザによるコマンドに応じる、前の処理に応じる、別の処理機械による要求および/または他の入力に応じることができる。
【0045】
[0061]上記のように、本発明を実施するために使用される処理機械は、汎用コンピュータとすることができる。しかしながら、上述の処理機械は、多種多様な他の技術のうちの任意の技術を利用することもできる。多種多様な他の技術には、専用コンピュータ、例えば、マイクロコンピュータ、ミニコンピュータ、またはメインフレームを含むコンピュータシステム、プログラム式マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、周辺集積回路要素、CSIC(特定顧客向け集積回路)またはASIC(特定用途向け集積回路)もしくは他の集積回路、ロジック回路、デジタル信号プロセッサ、FPGA、PLD、PLA、またはPALなどのプログラマブルロジックデバイス、または本発明のプロセスのステップを実施することができる他のデバイスもしくはデバイスの構成が含まれる。
【0046】
[0062]本発明を実施するために使用される処理機械は、適切なオペレーティングシステムを利用することができる。したがって、本発明の実施形態は、iOSオペレーティングシステム、OS Xオペレーティングシステム、Androidオペレーティングシステム、Microsoft Windows(商標)オペレーティングシステム、Unixオペレーティングシステム、Linux(登録商標)オペレーティングシステム、Xenixオペレーティングシステム、IBM AIX(商標)オペレーティングシステム、Hewlett-Packard UX(商標)オペレーティングシステム、Novell Netware(商標)オペレーティングシステム、Sun Microsystems Solaris(商標)オペレーティングシステム、OS/2(商標)オペレーティングシステム、BeOSオペレーティングシステム、Macintoshオペレーティングシステム、Apacheオペレーティングシステム、OpenStep(商標)オペレーティングシステム、または別のオペレーティングシステムもしくはプラットフォームを実行する処理機械を含むことができる。
【0047】
[0063]上述のような本発明の方法を実施するために、処理機械のプロセッサおよび/またはメモリは同じ地理的ロケーションに物理的に配置されることは必要でないことが理解される。すなわち、処理機械によって使用されるプロセッサおよびメモリの各々は、地理的に別個のロケーションに配置され、任意の適切な方法で通信するように接続されてもよい。加えて、プロセッサおよび/またはメモリの各々は、異なる物理的な機器で構成されてもよいことが理解される。したがって、プロセッサが1つのロケーションにおける単一の機器であること、およびメモリが別のロケーションにおける別の単一の機器であることは必要ではない。すなわち、プロセッサが2つの異なる物理的ロケーションにおける2つの機器であってもよいことが企図される。2つの別個の機器は、適切な方法で接続することができる。加えて、メモリは、2つ以上の物理的ロケーションにおけるメモリの2つ以上の部分を含むことができる。
【0048】
[0064]さらに説明すると、上述のような処理は、様々な構成要素および様々なメモリによって実行される。しかしながら、上述のように2つの別個の構成要素によって実行される処理は、本発明のさらなる実施形態によれば、単一の構成要素によって実行されうることが理解される。さらに、上述のように1つの別個の構成要素によって実行される処理は、2つの別個の構成要素によって実行されてもよい。同様に、上述のように2つの別個のメモリ部分によって実行されるメモリ記憶は、本発明のさらなる実施形態によれば、単一のメモリ部分によって実行されてもよい。さらに、上述のように1つの別個のメモリ部分によって実行されるメモリ記憶は、2つのメモリ部分によって実行されてもよい。
【0049】
[0065]さらに、様々なプロセッサおよび/またはメモリの間の通信を提供するために、ならびに本発明のプロセッサおよび/またはメモリが任意の他のエンティティと通信することを可能にするために、すなわち、例えば、さらなる命令を得るためにもしくはリモートメモリストアにアクセスし使用するために、様々な技術が使用されてもよい。そのような通信を提供するために使用されるそのような技術は、例えば、ネットワーク、インターネット、イントラネット、エクストラネット、LAN、イーサネット、セルタワーもしくは衛星を介した無線通信、または通信を提供する任意のクライアントサーバシステムを含むことができる。そのような通信技術は、例えば、TCP/IP、UDP、またはOSIなどの任意の適切なプロトコルを使用することができる。
【0050】
[0066]上述のように、命令のセットが、本発明の処理で使用されてもよい。命令のセットは、プログラムまたはソフトウェアの形態のものであってもよい。ソフトウェアは、例えば、システムソフトウェアまたはアプリケーションソフトウェアの形態のものであってもよい。ソフトウェアはまた、例えば、別個のプログラムの集合、より大きいプログラム内のプログラムモジュール、またはプログラムモジュールの一部分の形態のものであってもよい。使用されるソフトウェアはまた、オブジェクト指向プログラミングの形態のモジュール式プログラミングを含むことができる。ソフトウェアは、処理されるデータをどう扱うかを処理機械に伝える。
【0051】
[0067]さらに、本発明の実施態様および運用において使用される命令または命令のセットは、処理機械が命令を読み取ることができるような適切な形態のものでありうることが理解される。例えば、プログラムを形成する命令は、1つまたは複数のプロセッサが命令を読取ることを可能にするために機械語またはオブジェクトコードに変換される適切なプログラミング言語の形態のものとすることができる。すなわち、特定のプログラミング言語におけるプログラミングコードまたはソースコードの書かれたラインは、コンパイラー、アセンブラー、またはインタープリターを使用して機械語に変換される。機械語は、例えば、特定のタイプの処理機械、すなわち、特定のタイプのコンピュータに特有である2値符号化機械命令である。コンピュータは機械語を理解する。
【0052】
[0068]任意の適切なプログラミング言語が、本発明の様々な実施形態に従って使用されてもよい。例証として、使用されるプログラミング言語は、例えば、アセンブリ言語、Ada、APL、Basic、C、C++、COBOL、dBase、Forth、Fortran、Java、Modula-2、Pascal、Prolog、REXX、Visual Basic、および/またはJavaScriptを含むことができる。さらに、単一のタイプの命令または単一のプログラミング言語が本発明のシステムおよび方法の運用に関連して利用されることは必要ではない。むしろ、任意の数の異なるプログラミング言語が、必要および/または所望に応じて利用されてもよい。
【0053】
[0069]同様に、本発明の実施において使用される命令および/またはデータは、所望されうるように、任意の圧縮または暗号化技法またはアルゴリズムを利用することができる。暗号化モジュールが、データを暗号化するために使用されてもよい。さらに、ファイルまたは他のデータが、例えば、適切な解読モジュールを使用して解読されてもよい。
【0054】
[0070]上述のように、本発明は、例証として、例えば、少なくとも1つのメモリを含むコンピュータまたはコンピュータシステムを含む処理機械の形態で具現化することができる。コンピュータオペレーティングシステムが上述の運用を実行することを可能にする命令のセット、すなわち、例えば、ソフトウェアが、所望に応じて、多種多様な1つまたは複数の媒体のうちの任意の媒体に含まれてもよいことを理解されたい。さらに、命令のセットによって処理されるデータはまた、多種多様な1つまたは複数の媒体のうちの任意の媒体に含まれてもよい。すなわち、本発明で使用される命令のセットおよび/またはデータを保持するために利用される処理機械内の特定の媒体、すなわち、メモリは、例えば、様々な物理的形態または伝送媒体のうちの任意のものをとることができる。例証として、媒体は、紙、透明紙、コンパクトディスク、DVD、集積回路、ハードディスク、フロッピーディスク、光ディスク、磁気テープ、RAM、ROM、PROM、EPROM、ワイヤ、ケーブル、ファイバ、通信チャネル、衛星伝送、メモリカード、SIMカード、または他の遠隔伝送、ならびに本発明のプロセッサが読み取ることができる任意の他のデータの媒体またはソースの形態のものとすることができる。
【0055】
[0071]さらに、本発明を実施する処理機械で使用される1つまたは複数のメモリは、所望に応じて、メモリが命令、データ、または他の情報を保持することを可能にする多種多様な形態のうちの任意の形態とすることができる。したがって、メモリは、データを保持するためのデータベースの形態のものであってもよい。データベースは、例えば、フラットファイル構成またはリレーショナルデータベース構成などの任意の所望のファイルの構成を使用することができる。
【0056】
[0072]本発明のシステムおよび方法において、様々な「ユーザインターフェース」を利用して、ユーザは、本発明を実施するために使用される1つまたは複数の処理機械とインターフェースすることが可能になる。本明細書で使用するとき、ユーザインターフェースは、ユーザが処理機械と対話することを可能にする、処理機械によって使用される任意のハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組合せを含む。ユーザインターフェースは、例えば、ダイアログスクリーンの形態のものであってもよい。ユーザインターフェースは、マウス、タッチスクリーン、キーボード、キーパッド、音声リーダ、音声認識器、ダイアログスクリーン、メニューボックス、リスト、チェックボックス、トグルスイッチ、プッシュボタン、または、任意の他のデバイスであって、任意の他のデバイスが命令のセットを処理するおよび/または処理機械に情報を提供するときに、処理機械の運用に関する情報をユーザが受け取ることを可能にする、任意の他のデバイスのうちの任意のものをさらに含むことができる。したがって、ユーザインターフェースは、ユーザと処理機械との間の通信を提供する任意のデバイスである。ユーザインターフェースを通してユーザによって処理機械に提供される情報は、例えば、コマンド、データの選択、または何らかの他の入力の形態のものであってもよい。
【0057】
[0073]上述で論じたように、ユーザインターフェースは、命令のセットを実行する処理機械によって利用され、その結果、処理機械は、ユーザのためにデータを処理する。ユーザインターフェースは、一般に、情報を伝達するかまたはユーザからの情報を受け取るためにユーザと対話するための処理機械によって使用される。しかしながら、本発明のシステムおよび方法のいくつかの実施形態によれば、人間のユーザが本発明の処理機械によって使用されるユーザインターフェースと実際に対話することは必要でないことが理解されるべきである。むしろ、本発明のユーザインターフェースは、人間のユーザではなく別の処理機械と対話する、すなわち、情報を伝達し情報を受け取ることができることも企図される。したがって、他の処理機械は、ユーザと見なされてもよい。さらに、本発明のシステムおよび方法で利用されるユーザインターフェースは、別の1つまたは複数の処理機械と部分的に対話するとともに、人間のユーザとも部分的に対話することができることが企図される。
【0058】
[0074]本発明が広範囲の実用性および用途を受け入れることができることが当業者によって容易に理解されるであろう。本明細書に記載されたもの以外の本発明の多くの実施形態および適応形態、ならびに多くの変形形態、修正形態、および等価形態が、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、本発明および本発明の前述の説明から明らかになるか、またはそれによって合理的に示唆されるであろう。
【0059】
[0075]したがって、本発明が、例示的な実施形態に関連してここで詳細に記載されたが、本開示は、単なる本発明の例証および例示であり、本発明の実施可能な程度の開示を提供するために行われていることを理解されたい。したがって、前述の開示は、本発明を限定する、または別の方法で任意の他のそのような実施形態、適応形態、変形形態、修正形態、もしくは等価形態を排除すると解釈されるように意図されていない。