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▶ ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】耐吸塵性を有するポリマー配合物
(51)【国際特許分類】
   C08L 23/08 20060101AFI20240712BHJP
   C08K 3/00 20180101ALI20240712BHJP
   C08L 23/26 20060101ALI20240712BHJP
   C08L 51/06 20060101ALI20240712BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20240712BHJP
   C08L 53/00 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
C08L23/08
C08K3/00
C08L23/26
C08L51/06
C08J5/18 CES
C08L53/00
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021157052
(22)【出願日】2021-09-27
(62)【分割の表示】P 2017566635の分割
【原出願日】2016-06-20
(65)【公開番号】P2022017231
(43)【公開日】2022-01-25
【審査請求日】2021-10-27
(31)【優先権主張番号】62/186,733
(32)【優先日】2015-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルン・タークル
(72)【発明者】
【氏名】ステファン・ウルチ
(72)【発明者】
【氏名】ユーコ・ビョエリッカエ
(72)【発明者】
【氏名】ヨゼフ・ジェイ・ヴァン・ダン
(72)【発明者】
【氏名】エヴァ-マリア・クプシュ
【審査官】佐藤 貴浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-017164(JP,A)
【文献】特開2015-000913(JP,A)
【文献】特表2011-513515(JP,A)
【文献】特表2015-522673(JP,A)
【文献】特表2017-530226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08J 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)5重量%~30重量%の、(i)エチレンモノマーと、(ii)エチルアクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、アクリル酸、およびビニルアセテートからなる群から選択されるコモノマー、並びに、(iii)任意選択で無水マレイン酸である官能基とを含むエチレン系ポリマーと、
(B-1)0.1~1.0g/10分のメルトインデックスを有する、15重量%~25重量%の第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーと、
(B-2)25~35g/10分のメルトインデックスを有する、10重量%~20重量%の前記第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーとは異なる、第2のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーと、
(C)43重量%~55重量%の難燃剤と、を含む組成物。
【請求項2】
前記エチレン系ポリマーが、エチレンエチルアクリレート(EEA)、エチレンメチルアクリレート(EMA)、エチレンメチルメタクリレート、エチレンブチルアクリレート(EBA)、エチレンアクリル酸およびエチレン/エチルアクリレート/無水マレイン酸ターポリマーからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記エチレン系ポリマーがエチレンビニルアセテートコポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、3.0~5.5の耐吸塵性(非UV曝露)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
(A)(i)5重量%~30重量%のエチレンモノマーと、(ii)エチルアクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、アクリル酸、およびビニルアセテートからなる群から選択されるコモノマー、並びに(iii)任意選択で無水マレイン酸である官能基とを含むエチレン系ポリマーと、
(B-1)15重量%~25重量%の第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーと、
(B-2)10重量%~20重量%の前記第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーとは異なる、第2のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーと、
(C)43重量%~55重量%の難燃剤と、を含む組成物を含有する
少なくとも1つの層を含むルーフィング膜。
【請求項6】
前記エチレン系ポリマーが、エチレンエチルアクリレート(EEA)、エチレンメチルアクリレート(EMA)、エチレンメチルメタクリレート、エチレンブチルアクリレート(EBA)、エチレンアクリル酸およびエチレン/エチルアクリレート/無水マレイン酸ターポリマーからなる群から選択される、請求項5に記載のルーフィング膜
【請求項7】
前記エチレン系ポリマーがエチレンビニルアセテートコポリマーである、請求項5に記載のルーフィング膜
【請求項8】
前記組成物が、3.0~5.5の耐吸塵性(非UV曝露)を有する、請求項5~7のいずれか一項に記載のルーフィング膜
【請求項9】
前記少なくとも1つの層が、前記ルーフィング膜の上部層である、請求項5~8のいずれか一項に記載のルーフィング膜。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
耐汚れ性は、仕上製品が汚染に曝される用途において重要である。汚染の源としては、
例えば、土壌、大気汚染、有毒ガス、加水分解または流体、及び化学物質が挙げられる。
織物建築、ルーフィング膜、ジオメンブレン、工業用タンクライナ、工業用コンテナ、工
業用包装、自動車用ダッシュボードなどの用途は、汚染に曝される最終製品のいくつかの
例である。
【0002】
耐汚れ(または汚染)性は、耐吸塵性(またはDPUR)として、定量測定される。従
来、ポリオレフィンなどの材料は、(i)特別なコーティング(アクリル、ポリウレタン
、フルオロシラン、ポリ二塩化ビニル、UV硬化インクをベースとしたコーティング)を
それに塗布すること、及び/または(ii)表面改質法(気相フッ素化、電子ビームグラ
フト)、及び/または(iii)表面改質剤(ポリジメチルシロキサン、ナノシリカ)の
使用によって、DPURを達成する。
【0003】
当技術は、コーティングまたは第2の製造プロセスを必要とすることなく、DPURを
有する材料の必要性を認識する。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、記載されるコーティングまたは第2の製造プロセスのいずれかを必要とする
ことなく達成される改善されたDPURを有するポリオレフィン系組成物に関する。
【0005】
本開示は、組成物を提供する。実施形態において、組成物は、
A)エチレン/アクリレートインターポリマーまたはエチレン/アセテートインターポ
リマーと、
B)エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーと、
C)難燃剤と、を含む。
【0006】
実施形態において、エチレン/アクリレートインターポリマーは、官能化エチレン/ア
クリレートインターポリマーである。
【0007】
本開示は、物品を提供する。物品は、本組成物を含有する。
【0008】
実施形態において、物品は、ルーフィング膜である。ルーフィング膜は、本組成物を含
有する少なくとも1つの層を含む。組成物は、
(A)5重量%~30重量%のグラフト化エチレン/アクリレートインターポリマーま
たはエチレン/アセテートインターポリマーと、
(B-1)15重量%~25重量%の第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロック
コポリマーと、
(B-2)第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーとは異なる、1
0重量%~20重量%の第2のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーと、
(C)40重量%~55重量%の難燃剤と、を含む。
【0009】
本開示の利点は、改善された耐吸塵性(DPUR)を有する組成物である。
【0010】
本開示の利点は、改善されたDPURを有する物品である。
【0011】
本開示の利点は、改善されたDPURを有するルーフィング膜である。
【0012】
定義
本明細書において、元素周期表に対するすべての参照は、CRC Press,Inc
.,2003によって出版され、著作権で保護されている元素周期表を参照するものとす
る。また、族に対するいかなる参照も、族を番号付けするためのIUPACシステムを使
用して、この元素周期表において反映される族であるものとする。反対の記述、文脈から
の暗示、または当技術分野における慣習がない限り、すべての部及び百分率は重量に基づ
く。米国特許実務のために、本明細書において参照されるあらゆる特許、特許出願、また
は刊行物の内容は、特に、合成技術の開示、定義(本明細書において提供されるいかなる
定義とも矛盾しない程度に)、及び当技術分野における一般知識に関して、その全体が参
照により本明細書に組み込まれる(または、その相当する米国版が、同じように参照によ
り組み込まれる)。
【0013】
本明細書に開示される数値範囲は、下限値から上限値、及びそれらの値を含むすべての
値を含む。明確な値(例えば、1、または2、または3~5、または6、または7)を含
有する範囲については、任意の2つの明確な値の間のあらゆる部分範囲が含まれる(例え
ば、1~2、2~6、5~7、3~7、5~6など)。
【0014】
反対の記述、文脈からの暗示、または当技術分野においての慣例がない限り、すべての
部及び百分率は重量基準であり、すべての試験方法は、本願の出願日時点で最新のもので
ある。
【0015】
本明細書で使用する場合、「組成物」という用語は、組成物を含む材料の混合物、なら
びに組成物の材料から形成される反応生成物及び分解生成物を指す。
【0016】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する」と
いう用語、及びそれらの派生語は、同じであることが特に開示されているかどうかにかか
わらず、あらゆる追加の構成成分、ステップ、または手順の存在を排除することを意図し
ない。あらゆる疑念を回避するために、「含む(comprising)」という用語の
使用により請求されるすべての組成物は、反対の記述がない限り、重合による、または別
の方法によるかにかかわらず、あらゆる追加の添加剤、補助剤、または化合物を含んでも
よい。対照的に、「から本質的になる」という用語は、あらゆる後続の詳説の範囲から、
あらゆる他の構成成分、ステップ、または手順を排除し、実施可能性にとって必須でない
ものを除く。「からなる」という用語は、明確に詳述されないかまたは列挙されない、あ
らゆる構成成分、ステップ、または手順を排除する。
【0017】
密度は、ASTM D 792に従って測定される。
【0018】
耐吸塵性(DPUR)は、外環境条件による表面の汚損に対して、その本来の外観を維
持するための材料の能力である。DPUR試験は、下記の手順に従って、ASTM D
3719に従って実行される。
●アルミ箔で膜の1/3をブロックして、その領域におけるUV曝露を防止することに
よって、紫外線(UV)曝露用のポリオレフィン膜が調製される
●次いで、Q-Labによって製造されたQUV(登録商標)促進耐候試験検査器内に
、24時間、ポリオレフィン膜が置かれる。QUV(登録商標)促進耐候試験検査器を使
用して、日光、雨、及び露によって生じる損傷を再生する。このQUV(登録商標)検査
器は、B-バルブが装備され、ISO 4892-3サイクルを使用して作動する
●人工汚れは、以下の構成成分を溶解機中で5分間、混合することによって調製される
-25gの水
-25gのBayferrox 130M(酸化鉄)
-0.125gのOrotan 731 A-ER
●酸化鉄の汚れスラリをポリオレフィン膜の下半分の2/3に塗布し、4時間乾燥させ

●次いで、膜を冷たい水道水下に置き、乾燥した汚れスラリをチーズ布でこすり落とす
●洗浄後、膜を2時間乾燥させ、次いで、色を測定して、デルタE値を報告する
【0019】
DPURは、「デルタE値」として報告される。デルタEは、以下の式(1)
【0020】
【数1】
【0021】
(式中、L、a、及びbは、表色系の3つの軸を表す)によって定義される色の全変化
である。
【0022】
Byk Spectro-guide(球体)gloss分光光度計、バージョン4.
51、カタログ番号6834(シリアル番号1166110)を使用して、デルタE値を
決定する。
【0023】
破断点伸度(機械方向)は、ASTM D 628に従って測定される。結果は、パー
セント(%)で報告される。
【0024】
本明細書において使用する場合、「エチレン系ポリマー」は、過半量の重合エチレンモ
ノマー(ポリマーの重量に基づく)を含有するポリマーであり、任意選択で、少なくとも
1つのコモノマーを含有してもよい。
【0025】
難燃性は、表面点火を伴うSmall Burner Test(EN 11925-
2)を使用して評価される。合格/不合格のシナリオが報告される。
【0026】
試験は、試料の表面を45度に傾斜させ、炎に30秒間曝すことを伴う。30秒後に炎
が除去され、30秒後に燃えている試料上の炎の長さが観察される。燃えた全長が60秒
以内で150mm未満である場合、試料は、試験を合格する。火炎液滴も記載される。
【0027】
メルトフローインデックス(MFR)は、ASTM D 1238、条件230℃/2
.16kg(g/10分)に従って測定される。
【0028】
メルトインデックス(MI)は、ASTM D 1238、条件190℃/2.16k
g(g/10分)に従って測定される。
【0029】
ショアA硬度は、ASTM D 2240に従って測定される。
【0030】
引張強度(機械方向)は、EN ISO 527に従って測定される。結果は、メガパ
スカル(MPa)で報告される。
【0031】
本明細書において使用されるTmまたは「融点」(プロットされたDSC曲線の形状に
関する融解ピークとも呼ばれる)は、典型的に、USP5,783,638に記載される
ように、ポリオレフィンの融点またはピークを測定するためのDSC(示差走査熱量測定
)法によって、測定される。2つ以上のポリオレフィンを含む多くの配合物は、複数の融
点または融解ピークを有し、多くの個々のポリオレフィンは、1つのみの融点または融解
ピークを含むことに留意すべきである。
【0032】
本明細書において使用する場合、「オレフィン系ポリマー」は、過半量の重合オレフィ
ンモノマー(ポリマーの重量に基づく)を含有するポリマーであり、任意選択で、少なく
とも1つのコモノマーを含有してもよい。オレフィン系ポリマーの非限定的な例としては
、エチレン系ポリマー及びプロピレン系ポリマーが挙げられる。
【0033】
「ポリマー」は、重合形態が、ポリマーを構成する複数の及び/または繰り返し「単位
」または「マー単位」を提供するとういう点で、同じまたは異なる種類であるかにかかわ
らず、モノマーを重合させることによって調製される化合物である。したがって、ポリマ
ーという総称は、ホモポリマーという用語(微量の不純物をポリマー構造に組み込むこと
ができるという理解とともに、1種類のみのモノマーから調製されるポリマーを指すのに
用いられる)、及びコポリマーという用語(典型的に、少なくとも2種類のモノマーから
調製されるポリマーを指すのに用いられる)を包含する。それはまた、コポリマー、例え
ば、ランダム、ブロックなどのすべての形態も包含する。「エチレン/α-オレフィンポ
リマー」及び「プロピレン/α-オレフィンポリマー」という用語は、上述のように、そ
れぞれ、エチレンまたはプロピレン、及び1つ以上の追加の重合性α-オレフィンモノマ
ーを重合させることから調製されるコポリマーを表す。ポリマーは、多くの場合、1つ以
上の特定のモノマー「からなる」、特定のモノマーまたはモノマータイプ「に基づく」、
特定のモノマー含有量を「含有する」などと呼ばれるが、この文脈において、「モノマー
」という用語は、特定のモノマーの重合残留物を呼び、未重合種を呼ぶものではないこと
が理解されることに留意する。一般に、本明細書におけるポリマーは、対応するモノマー
の重合形態である「単位」に基づいていると呼ばれる。微量の不純物、例えば、触媒残留
物は、ポリマーに及び/またはポリマー内に組み込まれてもよい。
【0034】
本明細書において使用する場合、インターポリマーは、少なくとも2種類の異なるモノ
マーの重合によって調製されるポリマーを指す。このため、インターポリマーという総称
は、コポリマー(2種類の異なるモノマーから調製されたポリマーを表すのに使用される
)、及び2種類超の異なるモノマーから調製されるポリマーを含む。
【0035】
「プロピレン系ポリマー」は、50モルパーセント超の重合プロピレンモノマー(重合
性モノマーの総量に基づく)を含有するポリマーであり、任意選択で、少なくとも1つの
コモノマーを含有してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示は、組成物を提供する。実施形態において、組成物は、
A)エチレン/アクリレートインターポリマーまたはエチレン/アセテートインターポ
リマーと、
B)エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーと、
C)難燃剤と、を含む。
【0037】
実施形態において、本組成物は、エチレン/アクリレートインターポリマーを含む。本
明細書において使用する場合、「エチレン/アクリレートインターポリマー」という用語
は、エチレンモノマー及びアクリレートコモノマーを含むインターポリマーである。好適
なエチレン/アクリレートインターポリマーの非限定的な例としては、エチレンエチルア
クリレート(EEA)、エチレンメチルアクリレート(EMA)及びエチレンメチルメタ
クリレート、ならびにエチレンブチルアクリレート(EBA)が挙げられる。
【0038】
1.官能化エチレン/アクリレートインターポリマー
実施形態において、エチレン/アクリレートインターポリマーは、官能化エチレン/ア
クリレートインターポリマーである。本明細書において使用する場合、「官能化エチレン
/アクリレートインターポリマー」という用語は、エチレンモノマー、アクリレートコモ
ノマー、及び少なくとも1つのヘテロ原子を含む少なくとも1つの官能基を含むインター
ポリマーである。
【0039】
ヘテロ原子は、炭素または水素ではない原子と定義される。一般的なヘテロ原子として
は、酸素、窒素、硫黄、及びリンが挙げられるが、それらに限定されるものではない。官
能基は、共有結合によって結合され、ポリマー鎖の一部であってもまたはそうでなくても
よい。好適な官能基の非限定的な例としては、カルボキシル酸、エステル、及び無水物が
挙げられる。
【0040】
実施形態において、官能化エチレン/アクリレートインターポリマーは、官能基がポリ
マー鎖にペンダントして共有結合されるグラフト化エチレン/アクリレートインターポリ
マーである。グラフト化エチレン/アクリレートインターポリマーの非限定的な例として
は、無水物エチレン/アクリレートインターポリマー(例えば、無水マレイン酸グラフト
化エチレン/アクリレートインターポリマーインターポリマー(MAH-g-EA))、
無水マレイン酸グラフト化エチレンエチルアクリレート(MAH-g-EEA)、無水マ
レイン酸グラフト化エチレンメチルアクリレート(MAH-g-EMA)、無水マレイン
酸グラフト化エチレンブチルアクリレート(MAH-g-EBA)、グリシジルメタクリ
レートグラフト化エチレンエチルアクリレート(GMA-g-EEA)、グリシジルメタ
クリレートグラフト化エチレンメチルアクリレート(GMA-g-EMA)、グリシジル
メタクリレートグラフト化エチレンブチルアクリレート(GMA-g-EBA)、及びそ
れらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0041】
実施形態において、官能化エチレン/アクリレートインターポリマーは、MAH-g-
EEAである。
【0042】
実施形態において、官能化エチレン/アクリレートインターポリマーは、以下の特性の
うちの1つ、いくつか、またはすべてを有するMAH-g-EEAである:
(i)0.880g/cc、または0.885g/cc、または0.890g/cc、
または0.900g/cc、または0.910g/cc~0.917g/cc、または0
.920g/cc、または0.930g/ccの密度、
(ii)5.0g/10分、または6.0g/10分、または7.0g/10分~7.
5g/10分、または8.0g/10分、または10.0g/10分のメルトインデック
ス、MI、及び
(iii)MAH-g-EEAの総重量に基づいて、0.1重量%、または0.15重
量%~0.18重量%、または0.20重量%、または0.25重量%のMAH-グラフ
トレベル。
【0043】
好適なMAH-g-EEAの非限定的な例は、The Dow Chemical C
ompanyから入手可能な商標名AMPLIFY TY 4351として販売されてい
る。
【0044】
本官能化エチレン/アクリレートインターポリマーは、本明細書において開示される2
つ以上の実施形態を含んでもよい。
【0045】
2.エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー
本組成物は、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーを含む。「エチレン
/α-オレフィンマルチブロックコポリマー」という用語は、エチレン及び化学的または
物理的特性において異なる2つ以上の重合モノマー単位の複数のブロックまたはセグメン
トを特徴とする、重合形態において1つ以上の共重合性α-オレフィンを含む。「エチレ
ン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー」という用語は、2つのブロック(ジブロ
ック)及び2つ超のブロック(マルチブロック)を有するブロックコポリマーを含む。「
インターポリマー」及び「コポリマー」という用語は、本明細書において、同じ意味で使
用される。コポリマー中の「エチレン」または「コモノマー」の量に関する場合、その重
合単位を意味するものと理解される。いくつかの実施形態において、エチレン/α-オレ
フィンマルチブロックコポリマーは、以下の式:
【0046】
【数2】
【0047】
(式中、nは、少なくとも1、好ましくは、1超、例えば、2、3、4、5、10、1
5、20、30、40、50、60、70、80、90、100以上の整数であり、「A
」は、ハードブロックまたはセグメントを表し、「B」は、ソフトブロックまたはセグメ
ントを表す)によって表すことができる。好ましくは、A及びBは、実質的に分岐状また
は実質的に星型状と対照的に、実質的に線状もしくは線形で、結合または共有結合される
。他の実施形態において、Aブロック及びBブロックは、ポリマー鎖に沿ってランダムに
分布する。言い換えれば、ブロックコポリマーは、通常、以下のような構造を有さない:
【0048】
【数3】
【0049】
さらに他の実施形態において、ブロックコポリマーは、通常、異なるコモノマーを含む
第3の種類のブロックを有さない。さらに他の実施形態において、ブロックA及びブロッ
クBのそれぞれは、ブロック内で実質的にランダムに分布するモノマーまたはコモノマー
を有する。言い換えれば、残りのブロックよりも実質的に異なる組成を有する、別個の組
成物の2つ以上のサブセグメント(またはサブブロック)、例えば先端セグメントをブロ
ックAもブロックBも含まない。
【0050】
好ましくは、エチレンは、全ブロックコポリマーの大多数のモル分率を含む、すなわち
、エチレンは、全ポリマーの少なくとも50モルパーセントを含む。より好ましくは、エ
チレンは、少なくとも60モルパーセント、少なくとも70モルパーセント、または少な
くとも80モルパーセントを含み、全ポリマーの実質的な残りが、好ましくは、3つ以上
の炭素原子を有するα-オレフィンである少なくとも1つの他のコモノマーを含む。いく
つかの実施形態において、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、50
mol%~90mol%のエチレン、または60mol%~85mol%、または65m
ol%~80mol%のエチレンを含んでもよい。多くのエチレン/オクテンマルチブロ
ックコポリマーについて、組成物は、全ポリマーの80モルパーセント超のエチレン含有
量及び全ポリマーの10~15、または15~20モルパーセントのオクテン含有量を含
む。
【0051】
エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、種々の量の「ハード」セグメ
ント及び「ソフト」セグメントを含む。「ハード」セグメントは、エチレンが、ポリマー
の重量に基づいて、90重量パーセント超、または95重量パーセント、または95重量
パーセント超、または98重量パーセント超、最大100重量パーセントの量で存在する
重合単位のブロックである。言い換えれば、ハードセグメント中のコモノマー含有量(エ
チレン以外のモノマーの含有量)は、ポリマーの重量に基づいて、10重量パーセント未
満、または5重量パーセント、または5重量パーセント未満、または2重量パーセント未
満であり、ゼロと同程度の低さであり得る。いくつかの実施形態において、ハードセグメ
ントは、エチレンから誘導された、すべてまたは実質的にすべての単位を含む。「ソフト
」セグメントは、コモノマー含有量(エチレン以外のモノマーの含有量)が、ポリマーの
重量に基づいて、5重量パーセント超、または8重量パーセント超、10重量パーセント
超、または15重量パーセント超である重合単位のブロックである。いくつかの実施形態
において、ソフトセグメント中のコモノマー含有量は、20重量パーセント超、25重量
パーセント超、30重量パーセント超、35重量パーセント超、40重量パーセント超、
45重量パーセント超、50重量パーセント超、または60重量パーセント超であり得、
最大100重量パーセントであり得る。
【0052】
ソフトセグメントは、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーの総重量の
1重量パーセント~99重量パーセント、または5重量パーセント~95重量パーセント
、10重量パーセント~90重量パーセント、15重量パーセント~85重量パーセント
、20重量パーセント~80重量パーセント、25重量パーセント~75重量パーセント
、30重量パーセント~70重量パーセント、35重量パーセント~65重量パーセント
、40重量パーセント~60重量パーセント、または45重量パーセント~55重量パー
セントでエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー中に存在し得る。反対に、
ハードセグメントは、同様の範囲で存在することができる。ソフトセグメント重量百分率
及びハードセグメント重量百分率は、DSCまたはNMRから得られるデータに基づいて
算出することができる。このような方法及び計算は、例えば、Colin L.P.Sh
an,Lonnie Hazlittらの名前において、2006年3月15日に出願さ
れ、Dow Global Technologies Inc.に譲渡された、「Et
hylene/α-Olefin Block Inter-polymers,」と題
する米国特許第7,608,668号に開示されており、その開示内容全体が参照として
本明細書に組み込まれる。特に、ハードセグメント及びソフトセグメント重量百分率及び
コモノマー含有量は、US7,608,668の欄57~欄63において記載されるよう
に、決定されてもよい。
【0053】
エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、好ましくは、線形に連結され
た(または共有結合された)2つ以上の化学的に別個の領域またはセグメント(「ブロッ
ク」と呼ばれる)を含むポリマー、すなわち、ペンダントまたはグラフト状ではなく、重
合エチレン官能基に対して、末端間で連結された化学的に区別された単位を含むポリマー
である。実施形態において、ブロックは、組み込まれたコモノマーの量もしくは種類、密
度、結晶化度の量、このような組成のポリマーに起因する結晶サイズ、立体規則性(アイ
ソタクチックもしくはシンジオタクチック)のタイプまたは程度、部位規則性もしくは部
位不規則性、分岐(長鎖分岐もしくは超分岐を含む)の量、均一性、または他の任意の化
学的もしくは物理的特性で異なる。一連のモノマー添加、可動性触媒、またはアニオン重
合法によって生成されるインターポリマーを含む従来技術のブロックインターポリマーと
比較して、本エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、実施形態において
、それらの調製において使用される複数の触媒と組み合わせたシャトリング剤の効果に起
因する、両方のポリマーの多分散性の特有の分布(PDIまたはMw/MnもしくはMW
D)、多分散ブロック長分布、及び/または多分散ブロック数分布を特徴とする。
【0054】
実施形態において、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、連続プロ
セスにおいて生成され、1.7~3.5、または、1.8~3.0、または1.8~2.
5、または1.8~2.2の多分散指数(Mw/Mn)を所有する。バッチまたは半バッ
チプロセスにおいて生成されるとき、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマ
ーは、1.0~3.5、または1.3~3.0、または1.4~2.5、または1.4~
2.0のMw/Mnを所有する。
【0055】
加えて、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、ポアソン分布ではな
くシュルツ-フローリー分布に適合するPDI(またはMw/Mn)を所有する。本エチ
レン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、多分散ブロック分布及びブロックサ
イズの多分散分布の両方を有する。これは、改善され区別可能な物理的特性を有するポリ
マー生成物の形成をもたらす。多分散ブロック分布の理論上の利点は、Potemkin
,Physical Review E(1998)57(6),pp.6902-69
12及びDobrynin,J.Chem.Phvs.(1997)107(21),p
p 9234-9238において既にモデル化され、考察されている。
【0056】
実施形態において、本エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、最も可
能性が高いブロック長の分布を所有する。
【0057】
さらなる実施形態において、本開示のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリ
マー、特に、連続的な溶液重合反応器中で作製されたものは、最も有望なブロック長の分
布を所有する。この開示の実施形態において、エチレン/α-オレフィンマルチブロック
コポリマーは、下記の特性(A)~(G)のうちの1つ、それらのいくつか、それらの任
意の組み合わせ、またはそれらのすべてを有すると定義される:
(A)約1.7~約3.5のMw/Mn、摂氏温度における少なくとも1つの融点、T
m、及びグラム/立方センチメートルにおける密度、dであり、Tm及びdの数値が、以
下の関係式に対応する:
Tm>-2002.9+4538.5(d)-2422.2(d)、かつ/または
(B)約1.7~約3.5のMw/Mnであり、J/gにおける融解熱、ΔH及び、最
も高いDSCピークと最も高い結晶化分析分別(CRYSTAF)ピークとの間の温度差
と定義される摂氏温度における、デルタ量、ΔTを特徴とし、ΔT及びΔHの数値が、以
下の関係式を有する:
【0058】
ゼロ超であり最大130J/gのΔHについて、
【0059】
【数4】
【0060】
130J/g超のΔHについて、
【0061】
【数5】
【0062】
ここで、CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5パーセントを使用して
決定され、ポリマーの5パーセント未満が識別可能なCRYSTAFピークを有する場合
、そのとき、CRYSTAF温度は、30℃であり、かつ/または
(C)300パーセントのひずみでのパーセント及びエチレン/α-オレフィンインタ
ーポリマーの圧縮成形されたフィルムで1サイクル測定された、弾性回復率、Reであり
、グラム/立方センチメートルにおける密度、dを有し、Re及びdの数値が、エチレン
/α-オレフィンインターポリマーが実質的に架橋相を有しないとき、以下の関係式を満
たす:
【0063】
【数6】
【0064】
かつ/または
(D)留分が同じ温度間で溶出する同等のランダムエチレンインターポリマー留分のも
のよりも少なくとも5パーセント超のモルコモノマー含有量を有することを特徴とする、
TREFを使用して分留されるときに、40℃~130℃で溶出する、分子量留分を有し
、該同等のランダムエチレンインターポリマーが、同じコモノマーを有し、エチレン/α
-オレフィンインターポリマーのものの10パーセント以内のメルトインデックス、密度
、及びモルコモノマー含有量(全ポリマーに基づく)を有する、かつ/または
(E)25℃での貯蔵弾性率、G´(25℃)対100℃での貯蔵弾性率、G´(10
0℃)の比が、約1:1~約9:1の範囲内である。
【0065】
エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーはまた、以下を有してもよい:
(F)分留が少なくとも0.5であり最大約1のブロックインデックス及び約1.3超
の分子量分布、Mw/Mnを有することを特徴とする、TREFを使用して分留されると
きに、40℃~130℃で溶出する分子分留、ならびに/または
(G)ゼロ超であり最大約1.0の平均ブロックインデックス及び約1.3超の分子量
分布、Mw/Mn。
【0066】
本エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーの調製での使用に好適なモノマ
ーは、エチレン及びエチレン以外の1つ以上の追加の重合性モノマーを含む。好適なコモ
ノマーの例としては、3~30個の炭素原子、または4~12個の炭素原子の直鎖または
分岐状α-オレフィン、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-
l-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1
-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オ
クタデセン、及び1-エイコセン、3~30個、または4~20個の炭素原子のシクロオ
レフィン、例えば、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-
ノルボルネン、テトラサイクロドデセン、及び2-メチル-1,4,5,8-ジメタノ-
1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、ジ及びポリオレフィン
、例えば、ブタジエン、イソプレン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ペン
タジエン、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,
3-ヘキサジエン、1,3-オクタジエン、1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエ
ン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノ
ルボルネン、ジシクロペンタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、4-エチリデ
ン-8-メチル-1,7-ノナジエン、及び5,9-ジメチル-1,4,8-デカトリエ
ン、ならびに3-フェニルプロペン、4-フェニルプロペン、1,2-ジフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン、及び3,3,3-トリフルオロ-1-プロペンが挙げられ
る。
【0067】
エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、参照として本明細書に組み込
まれる米国特許第7,858,706号に記載されるような鎖往復プロセスを介して生成
することができる。特に、好適な鎖往復剤及び関連情報は、16欄、39行目~19欄、
44行目に列挙される。好適な触媒は、19欄、45行目~46欄、19行目に記載され
、好適な共触媒は、46欄、20行目~51欄、28行目に記載されている。プロセスは
、文書の全体にわたって記載されているが、特に、51欄、29行目~54欄、56行目
に記載されている。プロセスは、例えば、以下の米国特許第7,608,668号、同7
,893,166号、及び同7,947,793号にも記載されている。
【0068】
実施形態において、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、エチレン
/C4-12α-オレフィンマルチブロックコポリマーであり、ハードセグメント及びソ
フトセグメントを有して、以下を有するように定義される:
【0069】
1.7~3.5のMw/Mn、摂氏温度における少なくとも1つの融点、Tm、及びグ
ラム/立方センチメートルにおける密度であり、Tm及びdの数値が以下の関係式に対応
する:
【0070】
【数7】
【0071】
式中、dは、0.86g/cc、または0.87g/cc、または0.88g/cc~
0.89g/ccであり、
かつ
Tmは、80℃、もしくは85℃、もしくは90℃~95℃、または99℃、もしくは
100℃、もしくは105℃~110℃、もしくは115℃、もしくは120℃、もしく
は125℃である。
【0072】
実施形態において、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、エチレン
/C4-12α-オレフィンマルチブロックコポリマーであり、下記の特性(i)~(x
)のうちの1つ、それらのいくつか、それらの任意の組み合わせ、またはそれらのすべて
を有する:
(i)1.7または1.8~2.2、または2.5、または3.5のMw/Mn、
(ii)80℃、もしくは85℃、もしくは90℃~95℃、または99℃、もしくは
100℃、もしくは105℃~110℃、もしくは115℃、もしくは120℃、もしく
は125℃の融解温度(Tm)、
(iii)0.86g/cc、または0.87g/cc、または0.88g/cc~0
.89g/ccの密度、
(iv)50~85重量%のソフトセグメント及び40~15重量%のハードセグメン
ト、
(v)ソフトセグメント中の10mol%、または13mol%、または14mol%
、または15mol%~16mol%、または17mol%、または18mol%、また
は19mol%、または20mol%のC-C12α-オレフィン、
(vi)ハードセグメント中の0.5mol%、または1.0mol%、または2.0
mol%、または3.0mol%~4.0mol%、または5mol%、または6mol
%、または7mol%、または9mol%のオクテン、
(vii)1g/10分、または2g/10分、または5g/10分、または7g/1
0分~10g/10分~15g/10分、または20g/10分のメルトインデックス(
MI)、
(viii)65、または70、または71、または72~73、または74、または
75、または77、または79、または80のショアA硬度、
(ix)ASTM D 1708に従って測定される21℃での300%300%mi
で50%、または60%~70%、または80%、または90%の弾性回復率(Re
)、ならびに
(x)ブロックの多分散分布及びブロックサイズの多分散分布。
【0073】
実施形態において、エチレン/C4-12α-オレフィンマルチブロックコポリマーは
、上記の特性(i)~(x)のうちの1つ、それらのいくつか、またはそれらのすべてを
有するエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーである。
【0074】
実施形態において、本組成物は、2つのエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポ
リマー-第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー(B-1)及び第2
のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー(B-2)を含む。第2のエチレ
ン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー(B-2)は、エチレン/α-オレフィン
マルチブロックコポリマー(B-1)とは異なる。第1のエチレン/α-オレフィンマル
チブロックコポリマー(B-1)及び第2のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコ
ポリマー(B-2)は、本明細書において記載されるように任意のエチレン/α-オレフ
ィンマルチブロックコポリマーであり得る。第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロ
ックコポリマーと比較するとき、第2のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリ
マーは、第2のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーについて少なくとも
1つの特性が異なるように、第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー
「とは異なる」。第2のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーと第1のエ
チレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーとの間で異なり得る特性の非限定的な
例としては、エチレン含有量、コモノマータイプ、コモノマー含有量、密度、MI、Tm
、Re、Mw、Mn、MWDなど)が挙げられる。
【0075】
実施形態において、第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー(B-
1)及び第2のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー(B-2)は、下記
の表1に記載されるような特性を有する。
【0076】
【表1】
【0077】
実施形態において、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーのうちの少な
くとも1つは、The Dow Chemical Company,Midland,
Michigan,USAから入手可能な商標名INFUSE(商標)として販売されて
いる。
【0078】
実施形態において、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーのうちの少な
くとも1つ(または少なくとも2つ)は、INFUSE(商標)9010、INFUSE
(商標)9100、INFUSE(商標)9507、INFUSE(商標)9530、及
びINFUSE(商標)9807から選択される。
【0079】
実施形態において、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーのうちの少な
くとも1つは、The Dow Chemical Companyから入手可能なD9
900.05である。
【0080】
本エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、本明細書において開示され
る2つ以上の実施形態を含んでもよい。
【0081】
3.難燃剤
本組成物は、少なくとも1つの難燃剤を含む。難燃剤は、粒状形態または粉末形態の固
体である。好適な難燃剤の非限定的な例としては、アルミナ水酸化物(ATH)、水酸化
マグネシウム(MDH)、ハンタイト/ハイドロマグネサイト、N及びP系難燃剤(例え
ば、メラミン-ポリ(リン酸アルミニウム)またはメラミン-ポリ(リン酸亜鉛))、炭
酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム硫酸バリウム、二酸化
チタン、酸化アンチモン、チタネート、ボレート、マイカ、タルク、ガラス(ガラス繊維
及びガラス微小球など)、ナノ粘土、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0082】
実施形態において、難燃剤は、ハロゲンを含まない。「ハロゲンを含まない難燃剤」は
、ハロゲン原子がない(F、Cl、Br、Iがない)難燃剤である。
【0083】
実施形態において、難燃剤は、表面着火試験について、EN ISO 11925-2
に従って測定される分類Dの難燃性評価を有する本組成物を提供する量で存在する。
【0084】
難燃剤は、本明細書において記載される2つ以上の実施形態を含んでもよい。
【0085】
4.添加剤
本組成物は、1つ以上の任意選択の添加剤を含んでもよい。好適な添加剤としては、難
燃剤、抗酸化剤、UV安定剤、起泡剤、着色剤または顔料、及びそれらの組み合わせが挙
げられるが、それらに限定されるものではない。
【0086】
好適な難燃剤の非限定的な例としては、N及びP系難燃剤(例えば、メラミン-ポリ(
リン酸アルミニウム)及び/またはメラミン-ポリ(リン酸亜鉛))が挙げられる。
【0087】
実施形態において、組成物は、1重量%~5重量%の添加剤パッケージを含む。添加剤
パッケージは、エチレン系ポリマーキャリア、熱安定剤、ヒンダードアミン光安定剤(H
ALS)、及び二酸化チタンを含む。添加剤パッケージは、30重量%~40重量%のエ
チレン系ポリマーキャリア、1重量%~5重量%の熱安定剤、5重量%~15重量%のH
ALS、及び45重量%~55重量%の二酸化チタンを含む。
【0088】
本開示は、別の組成物を提供する。実施形態において、組成物は、
A)エチレン/アセテートインターポリマーと、
B)エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーと、
C)難燃剤と、を含む。
【0089】
本明細書において使用する場合、「エチレン/アセテートインターポリマー」という用
語は、エチレンモノマー及びアセテートコモノマーを含むインターポリマーである。好適
なエチレン/アセテートインターポリマーの非限定的な例としては、エチレンビニルアセ
テートコポリマーが挙げられる。
【0090】
実施形態において、エチレン/アセテートインターポリマーは、無水マレイン酸グラフ
ト化エチレン/アセテートコポリマーである。
【0091】
エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー及び難燃剤は、本明細書において
開示される2つ以上の実施形態及び本明細書において以前に開示されたような難燃剤を含
んでもよい、それぞれの任意のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーであ
ってもよい。
【0092】
5.組成物
実施形態において、本組成物(組成物1)は、以下を含有する。
【0093】
(A)5重量%、または7重量%、または9重量%、または10重量%、または15重
量%、または19.6重量%~20重量%、または25重量%、または30重量%のグラ
フト化エチレン/アクリレートインターポリマー、
【0094】
(B-1)15重量%、または18重量%~20重量%、または22重量%、25重量
%の第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー、
【0095】
(B-2)第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーとは異なる、1
0重量%、または12重量%~15重量%、または18重量%、または20重量%の第2
のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー、及び
【0096】
(C)40重量%、または43重量%~45重量%、または48重量%、または50重
量%、55重量%の難燃剤。
【0097】
実施形態において、組成物1は、3.0、または3.2、または3.5、または3.7
、または3.9、または4.0、または4.1~4.3、または4.5、または4.7、
または4.9、または5.0、または5.1、または5.3、または5.5の耐吸塵性(
DPUR)(非UV曝露)を有する。
【0098】
実施形態において、組成物1は、3.0、または3.3、または3.5、または3.7
、または3.9~4.0、または4.3、または4.5、または4.7、または4.9、
または5.0、または5.1の耐吸塵性DPUR(UV曝露)を有する。
【0099】
実施形態において、組成物1は、12.0MPa、または12.5MPa、または13
.0MPa、または14.0MPa、または14.5MPa~15.0MPa、または1
6.0MPa、または16.5MPa、または17.0MPaの引張強度を有する。
【0100】
実施形態において、組成物1は、500%、または501%、または510%、または
525%、または550%、または575%、または600%~625%、または650
%、または675%、または700%の破断点伸度を有する。
【0101】
実施形態において、組成物1は、粘着付与剤を排除する(または、さもなければない)
【0102】
組成物(及び/または組成物1)は、本明細書において開示される2つ以上の実施形態
を含んでもよい。
【0103】
実施形態において、組成物(組成物2)は、(A)7重量%、または8重量%、または
9重量%、または10重量%~12重量%、または15重量%、または17重量%、また
は20重量%のエチレンビニルアセテートコポリマー、
(B-1)18重量%、または19重量%~20重量%、~22重量%、または24重
量%、または25重量%の第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー、
(B-2)第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーとは異なる、1
2重量%、または14重量%~15重量%、または16重量%の第2のエチレン/α-オ
レフィンマルチブロックコポリマー、及び
(C)44重量%、または45重量%、または46重量%、または48重量%~49重
量%、または50重量%、または51重量%の難燃剤、を含む。
【0104】
実施形態において、組成物2は、3.0~3.3または3.5のDPUR(非UV曝露
)を有する。
【0105】
実施形態において、組成物2は、3.0、または3.2、または、3.3~3.4、ま
たは3.5、または3.6のDPUR(UV曝露)を有する。
【0106】
実施形態において、組成物2は、12.0MPa、または12.5MPa、または13
.0MPa、または14.0MPa、または14.5MPa~15.0MPa、または1
6.0MPaの引張強度を有する。
【0107】
実施形態において、組成物2は、500%、または505%~507%、または509
%、または510%の破断点伸度を有する。
【0108】
実施形態において、組成物2は、粘着付与剤を排除する(または、さもなければない)
【0109】
組成物2は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含んでもよい。
【0110】
6.物品
本開示は、物品を提供する。物品は、本組成物、例えば組成物1または組成物2を含む
【0111】
実施形態において、物品は、シートである。
【0112】
実施形態において、物品は、フィルムである。
【0113】
一実施形態において、物品は、ルーフィング構成要素である。
【0114】
本開示は、別の物品を提供する。実施形態において、物品は、ルーフィング膜である。
ルーフィング膜は、本組成物を含有する少なくとも1つの層を含む。ルーフィング膜は、
単層であってもよく、または多層から構成されてもよい。ルーフィング膜は、35ミル、
または40ミル、または45ミル、または50ミル~55ミル、または60ミル、または
65ミル、または70ミル、または75ミル、または80ミル、または90ミルの厚さを
有する。45ミル、60ミル、及び80ミルの厚さは、一般的な業界標準である。さらな
る実施形態において、ルーフィング膜は、ハロゲンを含まない。
【0115】
実施形態において、ルーフィング膜は、多層構造であり、2層のルーフィング膜の間の
中心に補強布またはスクリム強化材料を含有してもよい。ルーフィング膜は、耐吸塵性、
柔軟性、長命、難燃性、UV耐性、及び耐化学性を呈する。加えて、ルーフィング膜は、
熱風溶接シームを形成することができる。
【0116】
実施形態において、ルーフィング膜は、以下の多層構造(上部から底部)を有する:
(1)上部層、
(2)フィルム層(典型的に、上部層と共押出される)、
(3)ガラスフリース、
(4)スクリム層(典型的に、布地)、
(5)底部層、及び
(6)バッキング基材(接着用、典型的に、フリース)。
【0117】
実施形態において、ルーフィング膜は、本組成物、例えば、組成物1もしくは組成物2
を含む、またはさもなければそれらから作製される上部層を有する。上部層中に存在する
組成物は、
(A)5重量%、または7重量%、または9重量%、または10重量%、または15重
量%、または19.6重量%~20重量%、または25重量%、または30重量%のグラ
フト化エチレン/アクリレートインターポリマー(組成物1について)、またはエチレン
/アセテートインターポリマー(組成物2について)、
(B-1)15重量%、または18重量%~20重量%、または22重量%、25重量
%の第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー、
(B-2)第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーとは異なる、1
0重量%、または12重量%~15重量%、または18重量%、または20重量%の第2
のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー、及び
(C)40重量%、または43重量%~45重量%、または48重量%、または50重
量%、55重量%の難燃剤、を含む。
【0118】
実施形態において、ルーフィング膜の上部層は、3.0、または3.2、または3.5
、または3.7、または3.9、または4.0、または4.1~4.3、または4.5、
または4.7、または4.9、または5.0、または5.1、または5.3、または5.
5の耐吸塵性(DPUR)(非UV曝露)を有する。
【0119】
実施形態において、ルーフィング膜の上部層は、3.0、または3.3、または3.5
、または3.7、または3.9~4.0、または4.3、または4.5、または4.7、
または4.9、または5.0、または5.1の耐吸塵性(UV曝露)を有する。
【0120】
実施形態において、ルーフィング膜の上部層は、12.0MPa、または12.5MP
a、または13.0MPa、または14.0MPa、または15.0MPa、または16
.0MPa、または16.5MPa、または17.0MPaの引張強度を有する。
【0121】
実施形態において、組成物1または組成物2は、500%、または501%、または5
10%、または525%、または550%、または575%、または600%~625%
、または650%、または675%、または700%の破断点伸度を有する。
【0122】
限定ではなく一例として、本開示の実施例が提供される。
【実施例
【0123】
1.材料
実施例において使用する材料は、下記の表2に提供する。
【0124】
【表2-1】
【0125】
【表2-2】
【0126】
2.試験シートの調製
25mmの共回転二軸スクリュ押出機を使用して試験シートを生成する。充填剤を第2
のホッパーに供給するとともに、追加のマスターバッチと一緒にすべてのポリマーを第1
のホッパーに供給する。押出中、ポリマーを一緒に融解混合して、充填剤を添加する。均
質な融解物が1ミリメートル(mm)の厚さを有するシートに成形される幅300mmの
ダイに混合物を入れる。押出ダイから出ると、シートは、3本ロールカレンダを通過して
、回転によって巻回される。押出機の温度範囲は、170~220℃であり、カレンダロ
ール温度は、40~45℃である。さらなる評価のために1mm厚の連続シートをA4サ
イズのシートに切り分ける。
【0127】
引張試験機を使用するEN ISO 527に従って機械的特性を試験する。使用する
試験片は、タイプ5Aであり、200mm/分の試験速度を伴う。引張強度及び破断点伸
度値を測定する。
【0128】
押出シートの組成及び特性を下記の表3にて提供する。
【0129】
【表3-1】
【0130】
【表3-2】
【0131】
より低いDPUR値(より低いデルタE)は、汚れ塗布前後の試料の色のより小さい全
変化に対応する。したがって、比較試料25のDPUR値未満のDPUR値を有する試料
は、耐吸塵性の改善を示す。
【0132】
表3は、エチレン/アクリレートインターポリマー(非官能化対官能化)の異なる組成
及び最終組成物中のそれぞれの量、ならびにDPUR値に対する効果を比較する。試料2
6~29及び31~32は、エチレンエチルアクリレート(EEA)を含有する。試料3
0は、エチレンブチルアクリレート(EBA)を含有する。試料34は、エチレンアクリ
ル酸(EAA)を含有する。試料35は、エチレンビニルアセテート(EVA)を含有す
る。試料36は、PDMSを含有する。
【0133】
表3の結果は、エステル官能基を有するエチレン/アクリレートコポリマーを含有する
試料が、低いDPURを呈することを示す。対照試料25についてのDPUR値未満のD
PUR値、すなわち、5.70未満のDPUR(非UV曝露)及び/または5.34未満
のDPUR(UV曝露)を有する組成物が最も望ましい。
【0134】
全体として、試料26(9.8重量%のMAH-g-EEA)及び試料35(12.2
重量%のEVA)は、(1)非UV曝露させた5.7未満のDPUR(非UV曝露させた
試料26、3.89、非UV曝露させた試料35 3.00)、(2)12MPa超の引
張強度(試料26、12.6MPa、試料35 14.5MPa)、ならびに(3)50
0%超の破断点伸度(試料26、508%、試料35 511%)の特性の最善の組み合
わせを提供する。
【0135】
本開示は、本明細書に含まれる実施形態及び例証に限定されるものではなく、実施形態の一部及び以下の請求項の範囲内に付属する様々な実施形態の要素の組み合わせを含むそれらの実施形態の修飾形態を含むことが特に意図されている。
本願は以下の発明に関するものである。
(1) A)エチレン/アクリレートインターポリマーと、
B)エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーと、
C)難燃剤と、を含む組成物。
(2) 前記エチレン/アクリレートインターポリマーが、官能化エチレン/アクリレートインターポリマーである、前記(1)に記載の組成物。
(3) 官能化エチレンアクリレートインターポリマーが、グラフト化エチレン/アクリレートインターポリマーである、前記(2)に記載の組成物。
(4) 前記グラフト化エチレン系アクリレートインターポリマーが、無水マレイン酸グラフト化エチレン/アクリレートコポリマーである、前記(3)に記載の組成物。
(5) 第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーと、前記第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーとは異なる、第2のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーと、を含む、前記(1)~(4)のいずれか一項に記載の組成物。
(6) 前記組成物が、
(A)5重量%~30重量%のグラフト化エチレン/アクリレートインターポリマーと、
(B-1)15重量%~25重量%の第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーと、
(B-2)前記第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーとは異なる、10重量%~20重量%の第2のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーと、
(C)40重量%~55重量%の難燃剤と、を含む、前記(1)~(5)のいずれか一項に記載の組成物。
(7) 前記組成物が、3.0~5.5の耐吸塵性(非UV曝露)を有する、前記(6)に記載の組成物。
(8) 前記組成物が、3.0~5.1の耐吸塵性(UV曝露)を有する、前記(6)または(7)に記載の組成物。
(9) 前記(1)~(8)のいずれか一項に記載の組成物を含む、物品。
(10) (A)5重量%~30重量%のグラフト化エチレン/アクリレートインターポリマーと、
(B-1)15重量%~25重量%の第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーと、
(B-2)前記第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーとは異なる、10重量%~20重量%の第2のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーと、
(C)40重量%~55重量%の難燃剤と、を含む組成物を含有する少なくとも1つの層を含むルーフィング膜。
(11) 前記組成物が、3.0~5.5の耐吸塵性(非UV曝露)を有する、前記(10)に記載のルーフィング膜。
(12) 前記少なくとも1つの層が、前記ルーフィング膜の上部層である、前記(10)~(11)のいずれか一項に記載のルーフィング膜。
(13) (A)5重量%~30重量%のエチレンビニルアセテートコポリマーと、
(B-1)15重量%~25重量%の第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーと、
(B-2)前記第1のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーとは異なる、10重量%~20重量%の第2のエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーと、
(C)40重量%~55重量%の難燃剤と、を含む組成物。
(14) 前記組成物が、3.0~5.5の耐吸塵性(非UV曝露)を有する、前記(13)に記載の組成物。
(15) 前記(13)~(14)のいずれか一項に記載の組成物を含む、物品。