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特許7519995LNGとLPGの混合から得られる流体を使用するパワーサイクルにて電気エネルギーおよび熱エネルギーを製造するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】LNGとLPGの混合から得られる流体を使用するパワーサイクルにて電気エネルギーおよび熱エネルギーを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   F01K 25/06 20060101AFI20240712BHJP
   F01K 25/10 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
F01K25/06
F01K25/10 W
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021519730
(86)(22)【出願日】2019-10-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 IB2019058656
(87)【国際公開番号】W WO2020075112
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-09-27
(31)【優先権主張番号】102018000009306
(32)【優先日】2018-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102018000009308
(32)【優先日】2018-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519190263
【氏名又は名称】サイペム・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】SAIPEM S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】マッテオ・ベッラ
(72)【発明者】
【氏名】アントン・マルコ・ファントリーニ
(72)【発明者】
【氏名】サロヴァトーレ・デ・リナルディス
(72)【発明者】
【氏名】ルカ・ダヴィデ・イングレーゼ
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-164183(JP,A)
【文献】特表2008-513726(JP,A)
【文献】特許第6371930(JP,B2)
【文献】国際公開第2018/078688(WO,A1)
【文献】特表2008-506883(JP,A)
【文献】特開2003-232226(JP,A)
【文献】特開2015-161482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01K 23/00-27/02
F02D 13/00-28/00
F17C 1/00-13/12
F25J 1/00- 5/00
F17D 1/00- 5/08
C10L 3/00- 3/12
C09K 5/00- 5/20
C10K 1/00- 3/06
B01D 53/22;61/00-71/82;C02F 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工程I) 第1ドラム(530)で液化天然ガスの第1量(101)を調製する工程、
工程II) 液化石油ガスの第1量(210)を前記液化天然ガスの第1量(101)に加える工程、
工程III) 揮発性化合物の一部を蒸発させる工程、
工程IV) 場合によっては、圧力を減じる工程、
工程V) 場合によっては、作動流体(IMR)の凝縮温度に達するまで、工程II)、III)またはIV)のうちの1つ以上を繰り返す工程、
を含んで成り、
工程II)において、液化天然ガス1体積に対して、液化天然ガス0.25~1.2体積の液化石油ガスの量を加える、
第1ドラム(530)で作動流体(IMR)を製造するための方法。
【請求項2】
前記液化石油ガスを予備的な精製工程に付す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
精製が、
工程1) 液化石油ガスの第1精製量(200)を外部交換器(620)のシェル側に送り、液化石油ガスの第2精製量(201)を得る工程、
工程2) 工程1)で得られる液化石油ガスの第2精製量(201)を前記作動流体のドラム(530)の内部コイル(610)に送り、液化石油ガスの第3精製量(202)を得る工程、
工程3) 工程2)で得られる液化石油ガスの第3量(202)を前記外部交換器(620)の管側に送り、液化石油ガスの第3量(202)がシェル側に流れる工程1)の液化石油ガスの前記第1精製量(200)を冷却し、液化石油ガスの第4量(203)を得る工程、
場合によっては、工程4) 工程3)で得られる液化石油ガスの前記第4量(203)を固体フィルタ(630)でさらに濾過する工程、を含んで成る請求項2に記載の方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法で得られる作動流体(IMR)。
【請求項5】
前記作動流体(IMR)を生成するために、液化石油ガスの量を液化天然ガスの量に加えるための第1ドラム(530)、
前記液化天然ガスのための第2ドラム(510)および
前記液化石油ガスのための第3ドラム(520)並びに
場合によっては、前記液化石油ガスの精製のためのクライオジェニック・フィルタ(620)
を有して成る、請求項4に記載の作動流体(IMR)を製造するためのプラント。
【請求項6】
前記液化天然ガスと、請求項4で得られる前記作動流体(IMR)の量との間で熱交換を実施する工程を含んで成る、液化天然ガスフローの再ガス化方法。
【請求項7】
作動流体(IMR)を使用する発電サイクルにて機械的および/または電気的並びに熱的エネルギーを生成するための方法であって、前記作動流体(IMR)が請求項1~3のいずれか1項に記載の方法で得られる、方法。
【請求項8】
作動流体の第1量(400)を、
工程a) サブ工程a1)前記作動流体の量(400)を高温レキュペレーター(550)で加熱し、高温で加熱された量(420)を得る工程、および、サブ工程a2)高温熱源(560)で加熱し、加熱作動流体の第2量(430)を得ること、を含んで成る工程、
工程b) 機械的エネルギーの生成を伴うタービン(570)内で膨張させ、膨張作動流体の第3量(440)を得る工程、
工程c) 部分的に冷却し、部分冷却作動流体の第4量(310)を得る工程、に付す、請求項7に記載の、作動流体(IMR)を使用する発電サイクルにて機械的および/または電気的並びに熱的エネルギーを生成するための方法。
【請求項9】
工程a)に先立って、工程a0)前記作動流体の第1量の第1部分(401)を低温熱源(580)によって加熱し、第2加熱部分(402)を得て、次いで、作動流体の第1量(400)と合流させる工程、を含んで成る請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
程c)が、
工程c1) 膨張作動流体の第3量(440)が、高温レキュペレーター(550)で、工程a1)の作動流体の第1量(400)に熱を部分的に伝達し、冷却作動流体の第5量(410)を得る工程、および
工程c2) 冷却作動流体の前記第5量(410)が、低温レキュペレーター(540)で、前記作動流体のドラム(530)から排出される前記作動流体の第1量(300)との熱交換によって部分的に冷却され、ドラムから排出される前記作動流体の第2冷却量(310)および作動流体の前記第1量(400)を得る工程、を含んで成る請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記高温熱源を、燃焼機関のヒューム、場合によっては後燃焼されるタービンの排気ガスの第1冷却から得られる熱、ボイラーもしくは1つ以上の再生可能源、またはそれらの互いの組合せを含んで成る群から選択する、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記低温熱源を、燃焼機関のラジエーターによって廃棄される熱、場合によっては後燃焼されるタービンの排気ガスの第2冷却から得られる熱、タービンの燃焼空気の予備冷却および場合によっては後燃焼されるタービンの排気ガスの第2冷却から得られる第1熱回収の組合せ系、ボイラーもしくは1つ以上の再生可能源、またはそれらの組合せを含んで成る群から選択する、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
ドラムから排出される作動流体の第2冷却量(310)を、熱が移動することになる液化天然ガスの量(100)の再ガス化工程で次いで使用する、請求項8~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記液化天然ガスの量(100)を請求項4により得られる前記作動流体の量との熱交換によって再ガス化する再ガス化セクション(590)を有して成る、液化天然ガスの再ガス化ライン。
【請求項15】
前記液化天然ガスの量(100)を請求項10に記載の方法で得られる前記作動流体の量(310)との熱交換によって再ガス化する再ガス化セクション(590)を有して成る、液化天然ガスの再ガス化ライン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化天然ガス(LNG)の再ガス化の分野に適用される。
【背景技術】
【0002】
液化天然ガス(LNG)の再ガス化で知られている技術である。
【0003】
液化天然ガスは、主にメタン、比較的程度は少ないがエタン、プロパン、イソブタン、n-ブタン、ペンタン、窒素等の他の軽質炭化水素から成る天然ガス混合物であり、この混合物は(外気温度において)気体状態から(約-160℃で)液体状態へ変わり、その混合物の輸送を可能にする。
【0004】
液化プラントは天然ガス生産現場の近くに位置し、一方で再ガス化プラント(または「再ガス化ターミナル」)はユーザーの近くに位置する。
【0005】
ほとんどのプラント(約85%)は陸上(又はオンショア;onshore)に位置し、一方で残りの部分(約15%)は海上(又は沖合、又はオフショア;offshore)プラットフォームまたは船にある。
【0006】
各再ガス化ターミナルは、液化天然ガスの負荷や要求に対応するために、また柔軟性や技術的ニーズ(例えば、ラインの整備等)のために、複数の再ガス化ラインを有して成ることが一般的である。
【0007】
再ガス化技術は、-160℃の温度、大気圧でドラムに貯蔵された液化天然ガスを通常含み、ガスを約70~80バールまで圧縮し、約3℃まで気化しおよび過熱する工程を提供する。
【0008】
139t/hの再ガス化に必要な火力は約27MWtであり、一方で電力は約2.25MWe(プラントの他の補助負荷を考慮すると4.85MWe、4つの再ガス化ラインでのプラントの電力負荷の最大は19.4MWe)である。
【0009】
これらの中で、再ガス化ターミナルの約70%で使用される、オープンラック式気化器(ORV)と、サブマージド・コンバスション式気化器(又は水中燃焼気化器;submerged combustion vaporizer)(SCV)が、個別にまたは互いに組み合わせて最も使用される。
【0010】
オープンラック式気化器(ORV)
この技術は、液化天然ガス(約70~80bar、および温度-160℃)を、パネルを形成するように並べて配置されたアルミニウム管内に上向きに流すことを提供し、気化は流体が進むにつれて徐々に起こる。
【0011】
熱媒体は、管の外側表面を下向きに流れる海水であり、温度差による気化に必要な熱を提供する。
【0012】
熱交換は、パネル全体に薄い海水膜の均一分布を得る、管のプロファイル(又は外形、又は断面、又は輪郭;profile))と表面粗さの設計によって特に最適化される。
【0013】
サブマージド・コンバスション式気化器(SCV)
このような技術は、熱媒体として、浸漬火炎バーナー(又は水中火炎バーナー;immersed flame burner)によって加熱された脱塩水(又は純水;demineralized water)浴を利用する。特に、燃料ガス(FG)は燃焼部で燃焼され、発生したヒュームは、燃焼ガス(combusted gas)の気泡が排出する穴あき管のコイルを通過し、水浴を加熱し、したがって凝縮熱も伝達する。
【0014】
液化天然ガス(LNG)は、同じ脱塩温水浴に浸されたステンレス鋼管の別のコイルで気化する。
【0015】
均一な温度分布を確保するために、同じ浴水が循環し続ける。
【0016】
代わりに、排出されたヒュームはSCV排気スタックから排出される。
【0017】
特にサブマージド・コンバスション式気化器(SCV)に関して、このような技術では、生成されるガスの約1.5%に等しい燃料ガスの消費量が発生し、水浴のpHを低下する二酸化炭素が生成され、苛性ソーダによる処理が必要になり、および139トン/時を再ガス化するために約50,000トン/年のCOの生成をもたらす。
【0018】
代わりに、オープンラック気化器に関して、そのような技術は、管の外側部分、特にLNGがより冷たい部分で海水の凍結を部分的に引き起こし得る。
さらに:
i)主に亜熱帯地域によって示される、海水の温度が少なくとも5~9℃である地理的地域および/または季節で利用され得る。
ii)海水は管の亜鉛コーティングを腐食する可能性のある重金属の含有量を排除または削減するように事前に処理される。
iii)SCV技術(24.2MWeに等しい総プラント電力)に関する再ガス化ラインあたり1.2MWeの追加消費を伴う、ORVの高さの進展に等しいレベルの地理的差異を超える海水ポンプを動作するための電気エネルギーの消費をもたらす。
iv)最後に、上記技術はかなり複雑であり、限られた数のサプライヤーから、および限られた数のサイズで利用可能である。
【0019】
ゆえに、従来の技術は、一般に、プラントに必要な電気エネルギーを生成することができず、冷却エネルギーの形態で大量のエネルギー損失をもたらす。
【0020】
有機ランキンサイクル
有機ランキンサイクル(ORC)は、地熱分野やバイオマス用途、または工業プロセスからの廃熱回収に広く使用されている。
【0021】
このようなサイクルは、数十の可能性のある流体(または様々な、または数重の可能な液体;tens of possible fluid)の中から作動流体を選択する可能性を提供し、また、低い熱源温度(low source temperature)および小熱源に対して、効率的な熱力学的サイクルを達成することを可能にする。
【0022】
さらに、低沸点流体の選択は、凍結問題を発生することなく、または真空度が高すぎることなく、極低温で凝縮サイクルを達成し得る。
【0023】
米国特許出願US2013/0160486(オーマット・テクノロジー株式会社)は、単一の流体で動作する単一レベルまたは2レベルの圧力サイクルを記載しており、両方のレベルでサイクル内の熱交換(再生)を有する場合と有さない場合がある。一実施形態では、2つのカスケードサイクルは2つの異なる流体で動作され、第1のサイクルの熱は第2の流体を蒸発させるためにのみ使用され、液化天然ガスは第2の流体のサイクルによって放出される熱のみで気化される。
【0024】
上記の特許の図2および図6に示されているように、オーマットによって記載されたサイクルは、エンジン流体として純物質を使用して動作する。実際、蒸発/凝縮曲線は、温度が一定のままであり、例として言及されている物質はすべて純物質であることを示す。
【0025】
これは、サイクルから抽出可能な電力がより小さくなる熱力学的不利をもたらす。図7、7A、7D、7Eで提案されている構成では、LNGの加熱がLNG加熱曲線に近い、2つの熱レベルで調整され得るように、エキスパンダーから作動流体の一部を抽出することでこのような問題を回避しようと試みている。
【0026】
この動作は、ORCからの抽出可能電力を増やす効果を有するものの、不均衡になり、エキスパンダーを複雑にする。または、このような問題を回避するために、ORCエンジンの流体凝縮曲線とLNG気化曲線に近づくために必要な2つの熱レベルを生成する2つの別々のエキスパンダーを使用する。
【0027】
先行技術文献JP201614801は、蒸発およびボイルオフガス(BOG)の形成を低減するために、いわゆる都市ガス(ガス燃料)の発熱量を制御するための方法を記載している。この目的のために、液化石油ガス(LPG)のある量が、冷却され、液化天然ガス(LNG)に追加される。
【0028】
先行技術文献JPS57164183は、プロパンおよび/または市販(または商業用、または商業上の、または工業用の;commercial)のブタンと市販のブタン等が矯正(または補正;corrective)添加剤として加えられている液化天然ガス(LNG)を蒸留することによって得られる、エタンに富む流体流れ(または流れ、または気流、または流動、または電流;current)からランキン発電サイクルで使用されるエンジン流体を連続的に調製するための方法を記載している。
【0029】
先行技術文献JPH05271671は、少量の液化天然ガス(LNG)を有する石油ガス(LPG)を混合することによって、都市燃料ガス(ガス燃料)の熱量値を補正する方法の範囲内で、逆浸透によって液化石油ガス(LPG)を連続的に精製するための方法を記載している。
【0030】
先行技術文献CN203240278は、燃料混合物の発熱量を増加させるために液化天然ガスと液化石油ガスを混合するための連続的な方法を記載している。
【0031】
先行技術文献JP2008115842は、炭素粒子の触媒燃焼を促進するために、ある量の水が加えられるディーゼル動力ディーゼルエンジンにおける粒子状物質の生成を低減するための方法を記載している。
【0032】
先行技術文献US4,444,015は、熱源と、蒸発するLNGによって表されるコールドウェルとの間で動作する2つのランキンカスケードサイクルによって発電するための方法を記載している。その使用は、窒素、水素、および炭化水素と、1~6個の炭素原子または同等のハロゲン化原子を含む混合物で表される一般的なエンジン流体の使用について記載している。
【0033】
それゆえ、従来の技術は、プラントに必要な電気エネルギーが発生可能では一般的でなく、結果として冷却エネルギーの形態で大量のエネルギー損失をもたらす。
【発明の概要】
【0034】
本発明の著者は、液化天然ガス(LNG)と液化石油ガス(LPG)との混合物が発電サイクル(PGC)で作動流体(または加工流体;working fluid)として使用され得て、残留熱が再ガス化液化天然ガス(LNG)に使用できることを驚くべきことに発見した。
【0035】
第1の目的では、液化天然ガス(LNG)と液化石油ガス(LPG)との混合物によって表される作動流体(IMR)を調製(または作製する、または製造する;preparing)するための方法(又はプロセス;process)が記載される。
【0036】
このような方法によって得られる液化天然ガス(LNG)および液化石油ガス(LPG)を含む作動流体(IMR)は、本発明の第2の目的を表す。
【0037】
第3の目的では、本発明の作動流体(IMR)を使用する液化天然ガス(LNG)を再ガス化するための方法が記載される。
【0038】
第4の目的では、本発明の作動流体(IMR)を使用する液化天然ガス(LNG)再ガス化ラインが記載される。
【0039】
第5の目的によると、液化天然ガス(LNG)の再ガス化方法で使用される作動流体(IMR)は、パワーサイクル(または発電サイクル、又は動力サイクル、又は電源サイクル;power cycle)で使用される。
【0040】
さらなる目的では、本発明の作動流体(IMR)を使用する発電サイクル(power generating cycle)が記載される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、本発明による再ガス化ラインの一般的な簡略図を示す。
図2図2は、図1をより詳細に示す。
図3図3は、互いに独立して使用できる熱源の例を有する、小規模のLNG再ガス化ラインを示す。
図4図4は、ガスタービンによって生成されるヒュームの熱が回収される、本発明の代替の実施形態を示す。
図5図5は、ガスタービンのヒュームの後燃焼器(又はポスト燃焼器、又はポスト・コンバスチョン、又は二次燃焼、又はアフターファイヤー;post-combustion)が追加される実施形態を示す。
図6図6は、IMRターボエキスパンダーが利用不可の場合において、本発明の別の実施形態による再ガス化ラインの図を示す。
図7図7は、低温熱源としてタービンの燃焼空気も使用する、本発明の一実施形態による再ガス化ラインを示す。
図8図8は、蓄熱器(又はヒート・アキュムレーター;heat accumulator)を使用する、本発明のさらなる一実施形態による再ガス化ラインを示す。
図9図9は、本発明のLNGの蒸発曲線およびIMRの凝縮曲線を示す図である。
図10図10は、LNGの化学組成が一定のままである場合に、分子量(分子平均)が変化する際の、本発明による様々なLNGの蒸発曲線および様々なIMRの凝縮曲線を示す。
図11図11は、本発明によるIMRユニットの熱力学的サイクルの描写を示す
図12図12は、LPG極低温フィルタの詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の第1の目的によると、作動流体(以降IMRとして示す)を製造(または調製;prepare)するための方法が説明される
【0043】
上記作動流体は液体混合物である。
【0044】
特に、そのような流体は、市販の液化石油ガス(LPG)および市販の液化天然ガスを混合することによって得られる。
【0045】
「市販の液化石油ガス(LPG)」という用語は、以下の特性を有する、民間および産業分野において通常の使用のために、その特徴が明確に定義されている燃料を意味する。
- 100°Fでの蒸気圧;
- 仮想(又は仮定の、又は仮説の;hypothetical)サンプルの体積の95%が大気圧で、場合によっては正確な方法論(又は方法、又は方式、又は技法、又は手法、又はメソドロジー;methodology)による加熱によって、蒸発する最低温度(又は最小温度;minimum temperature);
- 4を超える炭素原子数を有する分子のパーセントモル(又は%mol;percentage molar)含有量;本発明の目的のために、それは実際に7または>7の炭素原子を有する炭化水素も含む。
【0046】
どのような液化石油ガス(LPG)が原油のカット(または蒸留カット;cut)であるのか、トッピングカラムでの精製によってどのように原油から分離されるかが知られている。
【0047】
さまざまな精製方法で液化石油ガス(LPG)が生成される。たとえば、分解(またはクラッキング;cracking)は、液化石油ガス(LPG)を副産物として生成する。
【0048】
本発明の目的のために、液化石油ガス(LPG)は、好ましくは、以下の表に定義される制限範囲内にある(又は含まれる、又は入る;fall within)特徴を有する可燃性流体として定義される。
【0049】
【表1】
【0050】
(1)試験される(又は調査される)サンプルの体積(又は量、又は容積、又はボリューム;volume)の95%の蒸発が大気圧で得られる最高温度
(2)少なくとも5個の炭素原子を持つ分子の含有量
【0051】
「市販の液化天然ガス(LNG)」という用語は、天然ガスを十分に低い温度で凝縮することによって得られ、大気圧でも液体に維持される、主に液体状態の炭化水素流体を意味する。
【0052】
天然ガスは主にメタンと軽質炭化水素で構成されており、炭素原子数が5を超えることはめったにない。また、さまざまな比率で窒素も含まれ得る。
【0053】
本発明の目的において、「IMR」は、液化天然ガス(LNG)1体積に対して液化天然ガス(LNG)0.25~1.2体積の液化石油ガス(LNG)の量と混合することによって得られる、液化天然ガス(LNG)および液化石油ガス(LPG)の任意の混合物として定義される。
【0054】
より詳細には、作動流体を製造するための本発明の方法は、液化天然ガス(LNG)の第1量のドラム(510)からの液化天然ガス(LNG)の第1量(101)が、作動流体の第1ドラム(530)中で調製される(又は作製される、又は調合される;prepared)工程I)を含む。;実際には、液化天然ガス(LNG)フロー(又は流れ;flow)の適切な量がドラム(530、IMRドラム)の中に積まれる(または詰め込まれる;loaded)。
【0055】
工程II)において、液化石油ガス(LPG)の適切な第1量(210)(またはフロー)が加えられる。
【0056】
したがって、IMRの形成を伴う液化天然ガス(LNG)と液化石油ガス(LPG)との接触は、上記第1ドラム(530、IMRドラム)内で起こる。
【0057】
本発明の目的のために、液化石油ガス(LPG)は、外気温度(または周囲温度;ambient temperature)で液化天然ガス(LNG)に加えられる。
【0058】
工程III)では、任意の揮発性化合物が蒸発(又は気化;evaporating)によって移動する(又は離れる、又は除去する;move away)。
【0059】
このような蒸発は、外気温度で液化天然ガス(LNG)に追加される液化石油ガス(LPG)によって促進される。
【0060】
工程IV)では、必要に応じて、圧力を減じる
【0061】
好ましい態様では、圧力を約2~20barまで減じる。
【0062】
場合によっては(又は実施し得る、又は取り得る、又は可能性として;possible、possibly)、以下でさらに詳述するように、工程V)では、工程II)、III)またはIV)のうちの1つ以上が、流体の凝縮温度(又は凝結温度、又は濃縮温度;condensation temperature)に達するまで繰り返される。
【0063】
特に、工程I)において、液化天然ガス(LNG)の体積(または容積、またはボリューム;volume)は、作動流体としてIMRを使用して実施し得るパワーサイクルのサイズ(または規模;size)に従って、当業者によって決定され得る。
【0064】
液化天然ガス(LNG)に関して、ポンプ(600)による高圧圧送(またはポンピング;pumping)工程後であり得る、再ガス化セクション(590)に送られる量(100)は、保存される場所であるドラム(510)から始まる(又は発生する;originate)。
【0065】
圧送工程後、上記のように、作動流体を調製するために第1ドラム(530、IMRドラム)に送られる液化天然ガス(101)の上記第1量の一部が、好ましくは、分離される。
【0066】
工程II)の追加と、続いて起こる液化石油ガス(LPG)と液化天然ガス(LNG)の混合が、IMRドラムで得られて含まれるIMRの加熱を生み出す。これにより、そこに含まれる最も揮発性の高い化学化合物が蒸発によって移動し(工程III)、IMRドラム内の圧力が上昇する。
【0067】
これは、圧力がパワーサイクルの一部分であるパワーサイクルを動作(又は操作;operate)する目的のために、第1のドラム(530、IMRドラム)に必要な圧力に到達することを有利に可能にする。
【0068】
圧力が過剰である場合、過剰な蒸気がベントバルブ(図には示されていない)によって第1ドラム(IMRドラム)から工程IV)にて移動され得る。
【0069】
本発明の目的のために、工程II)の混合は、混合装置の必要がなく、加える(または添加、または追加;added)ことによって発生する。
【0070】
本発明の特定の態様によれば、作動流体を得るために液化天然ガス(LNG)に加えられる液化石油ガス(LPG)の総量は、上記の制限内で変動する。
【0071】
最終的な目標は、特定の液化点(またはポイント;point)に到達することである。
【0072】
最終的な添加量は、方法を最適化することによって決定され得る。特に、以下に基づいて最適化され得る。
-液化天然ガス(LNG)の再ガス化方法の性能(又はパフォーマンス;performance):および/または
-作動流体としてIMRを使用することが可能な発電サイクルの性能。
【0073】
例えば、液化石油ガス(LPG)の任意の量(上記の制限内)が、発電サイクルのサイズおよびその後のパワーサイクル装置で得られるIMR循環に十分である液化天然ガス(LNG)の量に加えられ得る。
【0074】
得られる性能に従い、IMRの組成が所望の性能を得るように修正(又は変更;modify)され得る。
【0075】
あるいは、LNGの熱交換曲線が、実験室規模、およびIMR変動の取り得る領域で液化天然ガス(LNG)の設定量と液化石油ガス(LPG)のある量を(上記制限範囲内で)混合することによって調製される様々なIMRサンプルで、決定され得る。
【0076】
実用的な観点から、液化天然ガス(LNG)とIMRの動作圧力、および関連する流量を固定する必要がある。
【0077】
プラントエンジニアリングの性能を最も満たす混合比が決定された場合、次いで、必要な修正を実施することにより、方法が工業規模に置き換えられ得る。
【0078】
上記2つの方法論の代替として、もし希望する特定のプラントおよび特定の期間に使用される液化天然ガス(LNG)および液化石油ガス(LPG)の化学分析が利用できる場合は、適切なシミュレーションが実施され得る。
【0079】
最初の2つの方法論では、IMRがIMRドラム内に有し得る圧力および温度が計算できるため、体積を測定するのではなく、圧力インジケーターと温度センサーを使用してIMRを調製できる。
【0080】
本発明に記載の方法は、バッチ式の方法であることが好ましい。
【0081】
本発明の一態様によると、可能性として、(必ずしもそうである必要はない)液化石油ガス(LPG)中の水および重質炭化水素等の成分の固化を回避するために、液化石油ガス(LPG)の精製工程が、液化石油ガス(LPG)と液化天然ガス(LNG)との混合に先立ってあり得る(又は予備的な精製工程、又は予めの精製工程があり得る)。
【0082】
このような工程は、水と炭化水素を分離するためのモレキュラーシーブの使用等のよく知られた方法論によって実施し得る。
【0083】
あるいは、図12に示されるような極低温フィルタが用いられる。
【0084】
図12に示す極低温フィルタは、第1ドラム(530、IMRドラム)の外部交換器(620)と第1ドラム(530、IMRドラム)の内部コイル(610)、および取り得るその他の固体フィルタ(630)から成る。
【0085】
特に、外部交換器(620)は、多管式(またはシェルアンドチューブ式;shell and tube)コンデンサータイプである。
【0086】
工程1)において、液化石油ガスのドラム(520)から液化石油ガス(LPG)の第1精製量(200)が、外部交換器(620)のシェル側に供給される。
【0087】
これにより、管(又はチューブ、又はパイプ;pipe)内を流れる低温流体(または冷媒;cold fluid)との接触によって、精製液化石油ガス(LPG)が冷却され、管の低温表面で固化する不要な成分の除去が可能になり、したがって液化石油ガスの第2精製量(201)が発生する。
【0088】
後続の工程2)において、シェル側から排出され(又は出力され;output)て得た液化石油ガス(LPG)の第2精製量(201)は、第1ドラム(IMRドラム)の内部コイル(610)に送られる。
【0089】
これにより、液化石油ガス(LPG)は、その冷却を実施する作動流体と熱交換し、したがって、液化石油ガスの第3精製(202)量を得る。
【0090】
工程3)において、内部コイル(610)から排出される、液化石油ガス(LPG)の上記第3精製量(202)は、シェル側を流れる液化石油ガス(LPG)の上記の第1精製量(200)を冷却する低温流体を構成し、外部交換器(620)の管側に供給される。したがって、液化石油ガスの第4精製量(203)を得る。
【0091】
工程4)もおそらく実施され得る。外部交換器(620)の管側から排出される液化石油ガス(LPG)の上記第4量(203)が、固体フィルタ(630)でさらに濾過される。
【0092】
液化石油ガス(LPG)の第1量(210)が、作動流体を調製するために第1ドラム(IMRドラム)に送られる工程3)または工程4)から得られる。
【0093】
有利なことに、作動流体を調製するために作動流体の第1ドラム(530、IMRドラム)に送られる液化石油ガス(LPG)のそのような第1量(210)は、重く、潜在的に固化可能な成分を減じた含有量を有する。
【0094】
本発明の好ましい態様では、第1ドラム(530、IMRドラム)に送られるそのような量は、ペンタンを減じた含有量を有する。
【0095】
本発明の好ましい一態様では、そのような含有量は0.1%よりも小さい。
【0096】
以上のことから、液化石油ガス(LPG)の精製に関連する液化天然ガス(LNG)と液化石油ガス(LPG)は、作動流体(IMR)の調製に使用されているものと同じであることがわかり、それゆえ外部流体の必要はない。
【0097】
上記方法によると、作動流体(IMR)は本発明のさらなる目的を表す。
【0098】
本発明の一態様では、そのような作動流体(IMR)は、熱が交換される液体の温度に応じて、冷却特性を有し得る(すなわち、標準圧力での液化点が低い)。
【0099】
本発明はまた、上記の作動流体を調製するためのプラントにも関する。
【0100】
このようなプラントは、上記作動流体(IMR)を生成するために、液化石油ガスのある量(210)を液化天然ガスのある量(101)に加えるための第1ドラム(530)と、上記液化天然ガスのための第2ドラム(510)、および上記液化石油ガスのための第3ドラム(520)を有して成る。
【0101】
本発明の一態様では、プラントは、上記のように、液化石油ガス(LPG)を精製するためのクライオジェニック(又は極低温;cryogenic)・フィルタ(630)をさらに備える。
【0102】
明らかに、プラントはダクト、管、バルブを有して成る。
【0103】
第3の目的によれば、本発明は、液化天然ガス(LNG)と本発明の作動流体との間で内部で熱交換が発生する、液化天然ガスの気化セクション(590)を有して成る液化天然ガス(LNG)用の再ガス化ラインを説明する。
【0104】
本発明では特に液化天然ガス(LNG)の再ガス化について言及しているが、以下に記載する再ガス化ライン、再ガス化ターミナル、および再ガス化方法は、低温(約0℃より低い)または極低温(-45℃より低い)で貯蔵された他の液化流体の再ガス化または気化にも等しく適用可能である。
【0105】
したがって、本発明はまた、例えば、空気、窒素、アルカン等の炭化水素化合物、例えば、プロパンおよびブタン、またはアルケン、例えば、エチレンまたはプロピレンを含む群から選択される液化ガスを、再ガス化または気化する(又は蒸発する;vaporize)ために適用される。
【0106】
以下の説明において、「液化ガス」という用語は、一般的な液体組成を有する流体を意味する。
【0107】
「再ガス化ライン」という用語は、液化天然ガス(LNG)を再ガス化するための構造、設備、機械、およびシステムを有して成るプラントの部分を意味する。
【0108】
このような構造、設備、機械およびシステムは、特に液化天然ガス(LNG)が貯蔵される第2ドラム(510)および液化石油ガスが貯蔵される第3ドラム(520)に始まり、再ガス化された液化天然ガス(LNG)のガス自体の分配ネットワーク(または分配管;distribution network)への導入点で終わる。
【0109】
より詳細には、ドラム(510)内の液化天然ガス(LNG)は、大気圧および約-160℃の温度で貯蔵される。
【0110】
場合によっては、たとえば小規模なプラントの場合、圧力が3barg~10bargの間で、温度が-150℃~-130℃である。
【0111】
液化ガスドラムは、再ガス化プラントとは異なる場所または構造に特に配置することができ、たとえば、陸上または海上に配置することができる。
【0112】
再ガス化セクションで再ガス化されると、天然ガスは天然ガス分配ネットワークに導入され得る。
【0113】
本発明の一態様によれば、液化天然ガスの再ガス化ライン(ベース回路)は、液化天然ガス(LNG)バイパス回路を統合するように変更される。
【0114】
特に、2つの回路間の統合は、ベース回路からの液化天然ガスの引き込み接続と、分配ネットワークへの目的地(または行先、または先;destination)としてベース回路で再ガス化された液化天然ガスの再導入接続にある。
【0115】
引き込み接続は、好ましくは、極低温ポンプの下流および気化浴の上流である。
【0116】
それゆえ、本発明の目的のために、以下が記載される。
-本発明に従って天然ガス再ガス化バイパス回路(改修(または改造、または改良、または刷新;revamping))を統合するように変更された既存の従来の再ガス化ライン、および
-例えば、新しいプラントを作るために、本発明によって記載されたラインのメインラインとして形成された再ガス化ライン。
【0117】
本発明の第4の目的によれば、上記液化天然ガス(LNG)と本発明に記載の作動流体との間で熱交換を行う工程を含む、液化天然ガス(LNG)を再ガス化するための方法を記載する。
【0118】
このような作動流体は上記詳述のように冷却能力を有し得る。
【0119】
このような目的のために、性能上の制約は、プラントを操作(又は動作;operate)するために必要な温度と圧力で再ガス化され、液化天然ガス(LNG)気化器から排出されるIMRが完全に凝縮されるまたはおそらく(IMRリークを回避するために)過冷却されている、液化天然ガス(LNG)を取得することにあり、方法は周期的であり得る。
【0120】
特に、液化天然ガス(LNG)の再ガス化方法は、液化天然ガスの気化セクション(590)において、液化天然ガスのある量(100)と作動流体のある量(310)との間で熱交換を実施する工程を含む。
【0121】
再ガス化セクション(590)からの排出として得られる天然ガス(NG)の量は、必要な圧力および温度(通常、約70バールおよび3℃)で天然ガス自体の分配ネットワークに導入される。
【0122】
本発明の一態様では、液化天然ガス(LNG)を再ガス化するために使用されるIMRの量(300)は、IMRドラム(530)に由来する。
【0123】
本発明の代替の態様によれば、液化天然ガス(LNG)を蒸発するために使用されるIMRの量は、発電サイクルに由来する量(310)である。
【0124】
本発明のさらなる目的によれば、上記の作動流体を使用する発電サイクルに関している。
【0125】
より具体的には、そのような流体は、生成サイクルにおいて一連の工程に付される。
【0126】
本発明の一態様によれば、液化天然ガス(LNG)を再ガス化するために使用される作動流体(IMR)の量(310)は、発電サイクル(IMRドラムからの排出後)に流入された(または入力された;input)作動流体(IMR)の量(300)と、発電サイクル工程から得られた作動流体(IMR)の量(410)との間の熱交換工程から得られる量である。
【0127】
本発明の目的のために、作動流体のそのような量(310)は、以下の工程のうちの1つ以上に付される:
-熱伝達、および/または
-熱取得、および/または
-(適切な発電機による)電気的および/または機械的エネルギーの生成を伴うタービン(570)内での膨張
【0128】
本発明による取り得る発電サイクルの例は、以下に詳述され、特に以下を含む。
-エンジン流体収集ドラム(530、IMRドラム)、
-作動流体を圧送する(またはポンプする;pumping)ための1つ以上のポンプ(20、IMRポンプ)、
-作動流体の膨張から機械的および場合によっては電気的エネルギーを生成するためのターボエキスパンダー(570)、
-さまざまな温度で作動流体の部分間の熱交換によって熱を回収するための高温熱交換器(550)および低温熱交換器(540)、
-低温または高温の熱源を利用して熱を回収するための1つ以上のレキュペレーター(又は復熱装置、又は伝熱式熱交換器;recuperator)。そのような熱源は、たとえば、内燃機関からの排気ガスであり得る。
-場合によっては、エンジン流体を圧送するための1つ以上のポンプ(図面には示されていない)。
【0129】
発電サイクルは、液化天然ガス(LNG)の再ガス化セクション(590)の高温側をさらに含む。
【0130】
本発明の目的のために、液化天然ガス(LNG)を再ガス化するために使用される作動流体の量(310)は、以下の工程を含む方法によって得られる。
a)加熱すること;
b)タービン(570)内での膨張;
c)部分的に冷却すること
【0131】
特に、方法における上記作動流体の第1量(400)は、以下の工程に付される。
a)加熱し、したがって、加熱された作動流体の第2量(430)を得ること
b)機械的エネルギーの生成を伴うタービン(570)内での膨張、したがって、膨張作動流体の第3量(440)を得ること
c)部分的に冷却し、したがって、部分冷却された作動流体の第4量(310)を得ること。
【0132】
本発明の目的のために、上記工程a)は、以下の工程を含む。
a1)作動流体の上記量(400)を高温レキュペレーター(550)で加熱し、したがって高温で加熱された量(420)を得ること、および工程a2)高温熱源(560)で加熱すること、したがって、作動流体の上記第2加熱量(430)を得ること。
【0133】
本発明の一態様では、工程a1)に先立って、作動流体の上記量の第1部分(401)を低温熱源(580)によって加熱する工程a0)が実施され得て、したがって、第2加熱部分(402)を得る。
【0134】
次に、そのような第2加熱部分(402)は、作動流体の第1量(400)と合流させ、したがって、作動流体のさらなる量(403)を得る。
【0135】
本発明の別の態様によれば、上記工程c)は、以下の工程を含む。
c1)膨張作動流体の上記第3量(440)が、高温レキュペレーター(550)で工程a1)の上記第1量(400)に熱を部分的に伝達し、したがって加熱された作動流体の第5量(410)を得ること、および
c2)ドラム(530)から排出される作動流体の量(300)との熱交換によって、上記作動流体の第5量(410)が低温レキュペレーター(540)内で部分的に冷却され、したがって、ドラムから排出される作動流体の第2冷却量(310)および加熱された作動流体の第1量(400)を得ること。
【0136】
図1に示すように、ドラム(530、IMRドラム)内の液化天然ガス(LNG)の量(101)は、実施し得る上記の精製工程の後に、ドラム(520)からの液化石油ガスの量(210)とともに混合物(IMR)を形成する。
【0137】
作動流体のある量(300)が、実施し得るポンプ(20)を用いた圧送によって、ドラム(530、IMRドラム)から低温レキュペレーター(540)に送られ、そこで熱を獲得し、したがって、発電サイクルのための加熱された作動流体の第1量(400)が生じる。
【0138】
このような熱交換は、特に、高温レキュペレーター(550)から排出される作動流体の量(410)で発生する。
【0139】
作動流体(310)のある量が低温レキュペレーター(540)を出て、その量が液化天然ガスの再ガス化セクション(590)に送られ、そこから冷却された作動流体のある量(320)が出て、次にそのドラム(530、IMRドラム)に送り返される。
【0140】
低温レキュペレーター(540)からの排出としての作動流体(400)は、高温レキュペレーター(550)に送られる。
【0141】
本発明の好ましい態様では、高温レキュペレーター(550)に入る前に、作動流体の第1量の第1部分(401)を低温熱源(580)によって加熱し、したがって第2の加熱された部分(402)を得て、次に、作動流体の第1量(400)と合流させ、したがって、作動流体のさらなる量(403)を得る。
【0142】
本発明の目的のために、低温熱源は、燃焼エンジンのラジエーターによって廃棄される熱、または、場合によっては後燃焼されるタービンの排気ガスの第2の冷却から得られる熱、またはタービンの燃焼用空気の予冷から得られる第1の熱回収と場合によっては後燃焼されるタービンの排気ガスの第2の冷却の組み合わせた系である(図3の580’)。
【0143】
あるいは、ボイラーまたは1つ以上の再生可能源(または資源;resource)を使用され得て、例えば、太陽エネルギー、空気/水、地熱エネルギー、グラファイト蓄熱器または溶融塩等を互いに組み合わせても使用され得る。
【0144】
例えば図7に示される本発明の実施形態によれば、第2低温熱源(581)もまた、追加の工程a0’)で利用され得る。
【0145】
本発明の特定の実施形態では、そのような工程a0’)が工程a0)に置き換わる。
【0146】
本発明の別の実施形態では、工程a2)は、低温熱源のために実施される。
【0147】
それゆえ、作動流体の最初の量(400)またはさらなる量(403)が高温レキュペレーター(550)に送られる。
【0148】
高温で加熱された作動流体の量(420)は、加熱された高温レキュペレーター(550)からの排出として得られ、この量は、高温熱源(560)から回収された熱によってさらに加熱される。
【0149】
例えば図7に示される本発明の実施形態によれば、そのような高温熱源は、低温熱源(581)で置き換えることができる。
【0150】
本発明の目的のために、高温熱源は、燃焼機関のヒューム(又は煙、又はガス、又は蒸気、または燃焼ガス;fume)の熱、または、場合によっては後燃焼される(図3の560’)タービンの排気ガスの第1冷却から得られる熱であり、または、代わりに、ボイラーまたは1つ以上の再生可能なエネルギー源、たとえば、太陽エネルギー、空気/水、地熱エネルギー、グラファイト蓄熱器、または溶融塩(図3の560’)等、または互いの組合せである。
【0151】
高温熱源(560)による加熱工程の後、加熱された作動流体の第2量(430)がタービン(570)内で膨張され、部分的に冷却を伴って機械的(および場合によっては電気的)エネルギーを生成する。
【0152】
タービン(570)から排出される作動流体の第3膨張量(440)が得られ、その第3膨張量は高温レキュペレーター(550)に送られ、作動流体の量(400)またはさらなる量(403)を予熱するために、その内部で残留熱の一部を伝達する。
【0153】
このようにして、高温レキュペレーター(550)で冷却された作動流体の第5量(410)が得られ、その第5冷却量は低温レキュペレーター(540)に送られ、ドラム(530、IMRドラム)から排出される作動流体の量(300)を予熱するために、その内部で熱の一部が伝達される。したがって、高温レキュペレーター(550)に向けられた作動流体の第1量(400)を生じさせる。
【0154】
本発明の一態様によれば、タービン(570)のバイパスを提供し得て、これは、タービンが停止した場合の始動動作および実施し得る動作に有用である。タービンはまた、上記のバイパスラインによって部分的にのみバイパスされ得て、したがって、第3膨張作動量(440)の温度を調整し得ることは注目に値する。
【0155】
上記のように、液化石油ガスの量は、作動流体ドラム(530、IMRドラム)に導入される前に濾過工程に付され得る。
【0156】
この目的のために、図12に示されるように、第2ドラム(520)から排出される液化石油ガスの第1精製量(200)は、外部交換器(620)のシェル側の通路によって冷却工程に付され得る。
【0157】
これにより、固化する可能性のある汚染物質が、管の外側に堆積し、管の外側に、内側のコイル(610)から第1ドラム(530、IMRドラム)に戻る液化石油ガス(LPG)が通過する。液化石油ガス(LPG)の温度は、作動流体製造方法の開始時に積まれた液化天然ガス(LNG)との熱交換によってさらに低下する。
【0158】
交換器(620)からの排出としての液化石油ガス(LPG)の第2精製量(201)は、第1ドラム(530、IMRドラム)の内部コイル(610)と交差し、したがって冷却される。
【0159】
このようにして得られた液化石油ガスの第3精製量(202)は、管束の管内の上記通路により交換器(620)に送られ、このようにして得られた液化石油ガスの第4精製量(203)は、次にフィルタ(630、LPGFS-LPG固形物フィルタ)を通過して、持ち越された固形物を分離する。
【0160】
このようにして行われる動作には、液化石油ガス(LPG)の熱を分散させないという利点があり、液化天然ガス(LNG)中の軽質成分を蒸発させるのに役立つ。
【0161】
第1ドラム(530、IMRドラム)のコイル(610)(極低温コイル)は、液化天然ガス(LNG)の流れと交差する場合、現在の動作と作動流体を冷たく保つための両方に使用することができる点で価値がある。
【実施例
【0162】
[実施例1]
実施例1の目標は、6.7t/hに等しいLNG流量を再ガス化することである。手持ちのLNGの化学分析が作製され、本明細書に示される。
【0163】
【表2】
【0164】
本目的は、本発明の特定の実施形態による発電サイクル(PGC)および再ガス化ラインが示されている、添付の図3の図によって達成される。
【0165】
IMRを生成するために、LPGはプラントに取り込まれ、下記結果を有する、LPGの化学実験室(又は分析室;chemical laboratory)の結果が利用可能である。
【0166】
【表3】
【0167】
LNGとLPGの両方の化学分析が利用可能であり、IMRは上記記載に従って決定される。
【0168】
LNG気化器内の圧力を操作するLNGおよびIMRが設定される。
【0169】
LNG圧力は、再ガス化ラインの特定のニーズ(又は要求、又は必要性;needs)によって明確に決定される。本発明の実施例では、74.5bargで天然ガス(NG)ネットワークに導入する必要がある。
【0170】
IMR圧力に関して、発電サイクル(又はPGC)を形成する機器、特に発電動作機(ターボエキスパンダー)の設計圧力に厳密に関連する。
【0171】
上記機械の最適動作圧力は76.5bargであり、最適膨張比は約7であるため、負荷損失(loss of load)を計算すると、LNG気化器から排出されるIMRの圧力は9.5bargである。
【0172】
負荷損失は、最大0.5バールまでLNG再ガス化装置の両側に適用される。
【0173】
LNGとIMR圧力がわかると、仮想IMRサンプルが調製され、これは、IMRドラム内でも貯蔵圧力に保たれている可能性のある、貯蔵温度でのLNGと、外気温度でのLPGを混合することによって得られる。
【0174】
上記混合方法は、異なる分子量を有する一連のIMRサンプルの形成をもたらす。
【0175】
再ガス化されるLNGに対するIMRサンプルの熱交換曲線の一群(またはファミリー;family)が生成され、従って図10に示す結果と同様の結果が得られる。
【0176】
再ガス化装置に必要な交換面を技術的経済的実現可能性の制限内に制限しながら、エネルギー性能を最大化するIMRサンプルが選択される。今回の場合、IMRの平均モル分子量は30.55u.m.aである。
【0177】
計算によると、このようなIMRサンプルの沸点は9.5bargで-117.5℃を有する。
【0178】
IMRは、9.5bargの圧力で-117.5℃の上記温度に達するまでLNGにLPGを加えることによって調製される。
【0179】
操作的に、提示された図の操作は以下の通りである。1.55MWeの動力(又は電力、又は出力;power)と4MWに等しい熱入力を生成するシリンダーエンジンが、PGCの熱源であり、したがって、以下の仕事をする。
【0180】
PGC:流量7.8t/hおよび温度-117.5℃の流体「01」(IMR)が、IMRドラムに収集され、78.5bargの圧力(サイクルの最大値)で圧送され、次にIMR流体流れ「08」から伝達される熱を消費(又は犠牲に;expense)して-27.6℃の温度まで低温レキュペレーターで加熱され、次に、IMR予熱流体流れ「03」がシリンダーエンジン(熱機関)のラジエーターと熱接触し、そこで760kWの熱動力(又は熱出力、又は火力;thermal power)を受け取り60℃まで加熱され、次にエキスパンダー「07」からのIMR排出を消費して、高温レキュペレーターでの継続的な予熱が行われる。このようにして得られた流体流れ「05」は135℃の温度を有し、排気ガスレキュペレーターでの最終加熱の準備ができている。排気ガスレキュペレーターで、シリンダーエンジンの排気ガスと接触し、排気ガスを148℃の温度に落ち着かせる(又は冷却する;cool down)。排気ガスレキュペレーターから温度280℃、圧力76.5bargで「06」排出され、IMRターボエキスパンダーに入り、そこで作業(または動作、またはワーク;work)を行い、11bargおよび187.5℃で排出「07」になる。次に、IMRは高温レキュペレーターで熱を伝達し、そこで「08」を80℃に予冷する。8℃への最終冷却は、LNG再ガス化装置/IMRコンデンサーで5℃以上の最小アプローチを維持するような温度である低温レキュペレーターで行われる。
【0181】
ここでLNG再ガス化装置/IMRコンデンサーと呼ばれるLNG再ガス化装置は、IMR流れとの純粋な向流で動作することにより、超臨界LNGを-145℃から3℃の温度に加熱する。
【0182】
-IMRターボエキスパンダーによって生成される機械的出力は455kWに等しく、これは、IMRポンプで使用される35kWに等しいエネルギーを差し引いて、燃焼ヒュームから取り戻された(または回復された;recuperated)900kWの火力に対して420kWの利用可能な電力を提供する。これは46.7%の機械効率に相当し、同じサイズのディーゼルエンジンの機械効率(約35%)よりもはるかに高くなる。
【0183】
-シリンダーエンジンへの熱入力の80%は、生成されるエネルギーおよびLNGの再ガス化に使用される熱の両方の形で回収される。
【0184】
従来技術からの方法に関して、
-エタンサイクル(純粋な構成要素を使用したサイクルでより高い効率を提供する流体)は以下を有する:
a)46.7%から32.9%に低下するPGCの効率
b)420kWからわずか240kWへと、回収される正味の機械的出力
c)76%での全体の効率(回収されたエネルギー/導入されたエネルギー)
【0185】
-ターボエキスパンダーの同じ熱レベルと同じ圧力ジャンプに基づくPGCの同じ構成を使用するが、IMRがエタンに置き換えられた場合のさらなる比較では、次の結果が得られる。
a)効率が46.7%から42.7%に低下する
b)回収された正味の機械的出力が420kWから375kWに減少(-10%)
c)全体的な効率(回収されたエネルギー/導入されたエネルギー)は78%に低下する。
【0186】
[実施例2]
実施例2の目標は、139t/hに等しいLNG流量を再ガス化することである。
【0187】
LNGの化学分析が以下の通り調製された:
【0188】
【表4】
【0189】
本目的は、本発明の特定の実施形態による発電サイクル(PGC)および再ガス化ラインが示されている添付の図7の図によって達成される。
【0190】
作動流体を生成するために、LPGはプラントに取り込まれ、下記結果を有する、LPGの化学実験室の結果が利用可能である。
【0191】
【表5】
【0192】
LNGとLPGの両方の化学分析が利用可能であり、IMRは上記記載に従って調製される。
【0193】
LNG気化器のLNGおよびIMR操作圧力が設定される。
【0194】
LNG圧力は、再ガス化ラインの特定のニーズによって明確に決定される。本実施例では、74.5bargの天然ガス(NG)ネットワークに導入する必要がある。
【0195】
IMR圧力に関して、PGCを形成する機器、特に発電機(ターボエキスパンダー)の設計圧力に依存する。
【0196】
上記機械の最適運転圧力は76.5bargであり、最適膨張比は約7であるため、負荷損失を計算すると、LNG気化器から排出されるIMRの圧力は9.5bargになる。
【0197】
負荷損失は、最大0.5barまでLNG再ガス化装置の両側に適用される。
【0198】
計算機を使用して、仮想IMRサンプルが調製される。これは、IMRドラム内でも貯蔵圧力に保たれている可能性のある、貯蔵温度でのLNGと、外気温度でLPGを混合することによって得られる。
【0199】
上記徹底的な記載によれば、混合方法は、異なる分子量を有する一連のIMRサンプルの形成をもたらす。
【0200】
この場合も、計算機を使用して、再ガス化されるLNGへのIMRサンプルの熱交換曲線の一群が生成され、図10に示す結果と同様の結果が得られる。
【0201】
この時点で、再ガス化装置に必要な交換面が技術的経済的実現可能性の制限内に制限しながら、エネルギー性能を最大化するIMRサンプルが選択される。今回の場合、IMRの平均モル分子量は29.7u.m.aになる。
【0202】
計算から、このようなIMRサンプルは9.5bargで-123.2℃の沸点を有する。
【0203】
IMRは、9.5bargの圧力で-123.2℃の前述の温度に達するまで製造される。
【0204】
操作的に、提示された図の操作は以下のとおりである。
【0205】
24.5MWeのガスタービンで、75MWtに等しい熱入力が、PGCの熱源であり、従って以下のように仕事をする。
【0206】
-PGC:流量168t/hおよび温度-123.2℃の流体流れ「01」(IMR)がIMRドラムに収集され、78.5bargの圧力(サイクルの最大値)で圧送され、低温レキュペレーターで-38.9℃の温度までIMR流体流れ「08」から伝達される熱を消費して加熱される。次に、予熱されたIMR流体流れ「02」がタービンの燃焼用空気の冷却装置と熱的に接触する(たとえば、5℃に冷却される、相対湿度の80%および15℃での空気と考える)。そこで1860kWの火力を受け取り、-25℃まで加熱される。
【0207】
次に、IMRは排気ガスレキュペレーターの第1のコイル「03」に入り、そこで排気されたタービンガスによって伝達される熱の最後の部分を回収する。それは、60℃の温度で排出「04」になり、その後、エキスパンダー「07」からのIMR排出を消費して、高温レキュペレーターで連続的に予熱される。このようにして得られた流体流れ「04」は、温度が138℃であり、タービンから排出されたばかりの排気ガスと出会う排気ガスレキュペレーターでの最終加熱の準備ができている。排気ガスレキュペレーターによって実施される回収の総和(または合計、または和;sum)は、ヒュームの温度を160℃まで下げる。
【0208】
IMRは、ここで280℃の温度と76.5bargの圧力「06」で、IMRターボエキスパンダーに入り、そこで作業を実施し、11bargと186℃で「07」を排出する。次に、IMRは高温レキュペレーターで熱を伝達し、そこで「08」を80℃に予冷する。8℃での最終冷却は、LNG再ガス化装置/IMRコンデンサーで5℃以上の最小アプローチを維持するように適合された温度である低温レキュペレーターで行われる。
【0209】
ここで示したLNG再ガス化装置は、IMRフローと純粋な向流で動作することにより、超臨界LNGを-162℃から3℃の温度に加熱することを示す。
【0210】
-IMRターボエキスパンダーによって生成される機械的出力は10kWに等しく、IMRポンプによって使用されるエネルギーに等しい760kWを差し引いて、燃焼ガスから回復された35.4kWの火力に対して9300kWの利用可能な電力を提供する。
【0211】
-タービンの入熱の80%は、生成されたエネルギーとLNGの再ガス化に使用される熱の両方の形で回収される。
【0212】
この構成でのタービン燃焼空気の冷却は、そのために有益であり、したがって、その効率を高めることは注目に値する。
【0213】
[実施例3]
図4の図は、特に中規模および大規模のアプリケーションに適合する。
【0214】
[実施例4]
図5の図は、図4の図の変形を示す。この図では、出力の低いタービンが設置されているが、LNG蒸発とサイクル出力の点で、排気されたタービン煙の後燃焼器を使用しても同じ結果が得られる。
【0215】
燃焼後の調整の可能性により、さらなる柔軟性がもたらされ、熱を無駄にすることなくプラントの最小負荷を調整することができる。実際、図4では、ORCに提供される熱の調整は、熱回収の前にタービン排気の一部を大気中に放出することによって発生し、システムに導入された熱入力の一部を無駄にした。
【0216】
当業者は、上記の説明から、本発明によって提供されるいくつかの利点を理解することができる。
【0217】
第一に、本発明は、液化天然ガス(LNG)の気化曲線と作動流体(IMR)の凝縮曲線との近接のため、エネルギーに関して優れた結果をもたらす液化天然ガス(LNG)の再ガス化に使用できる新しい混合物を利用可能にする。
【0218】
さらに、それが市販の流体から調製され得るという事実は、方法の調達の容易さおよび手頃な価格を著しく向上させる。
【0219】
実際、作動流体(IMR)を調製するための本発明の方法は、例えば、混合物の2つの成分を調製するための蒸留工程を必要としない。
【0220】
使用される液化天然ガス(LNG)はプラント自体のものである可能性があり、液化石油ガス(LPG)は輸入された商用グレードのものである可能性がある。
【0221】
この場合も、液化石油ガス(LPG)をプラントに保管する必要がない場合がある。これは、IMRが形成されると、液化天然ガス(LNG)を追加することによって混合物が「変更(altered)」され得る。(LNGの軽質成分が自然に蒸発する傾向があるため)。
【0222】
さらに、説明したシステムは、IMRの構成を動的に変更して、サイクルパフォーマンスを最適化できるため、柔軟性が高くなる。
【0223】
このプラントは、単一のタービンを使用し、抽出を必要とせずに製造が容易であるため、複数のタービンまたはより複雑なタービンを備えたプラントに対してプラントの全体的な信頼性が向上する。
【0224】
タービンヒューム用の後燃焼器を備えた実施形態では、タービン自体のサイズは有利に小さくてもよい
【0225】
図6の構成は、採り得るスタンバイ速度または起動速度をカバーするために特に興味深い場合がある。タービンまたは停止したプラントが利用できない場合、最初のドラム(530、IMRドラム)での液化天然ガスの循環により、回路が低温に保たれる。
【0226】
代わりに、従来の技術に関して、記載された方法がどのように電気エネルギーのコジェネレーションをもたらし、総効率として、(機械的動力または電力+理論上のLNG蒸発熱)/導入される火力を考慮して、75%を超える効率でLNGを蒸発させるかは注目に値する。
【0227】
環境の観点から、従来のSCVまたはORV技術によって、同じ機械的または電力の別々の生成と液化天然ガス(LNG)の蒸発を取得するための燃料ガス消費量の削減に比例するCO排出量削減が得られる。
【0228】
当業者はまた、上記の技術をどのように適用して新しい再ガス化ラインまたはプラントを構築することができるかだけでなく、既存のプラントを変更する(改造する)ことも理解することができる。
【0229】
本発明で説明される再ガス化ターミナルは、例えば、プラントの流量を再ガス化または貯蔵された液化天然ガス(LNG)の要求に適合させる必要性、および逆に、プラントの操作性を適合させる必要性、液化天然ガス(LNG)の量の削減の可能性、たとえば、議論の余地のない管理の柔軟性による1つ以上のラインの定期的または補足的なメンテナンスに関連する技術的要件等、複数の必要性を満たすことを可能にする。
【0230】
本発明によって提案される解決策はまた、季節的または日々の気象条件に高度に適応可能である。
【0231】
さらに疑いの余地のない利点は、システムが異なる温度の熱源を使用できることである。これにより、少なくとも2つの熱回収熱交換器(HTS、LTS)を導入することで、より高い温度の熱源エネルギーを最大限に活用できる。
【0232】
液化天然ガス(LNG)の再ガス化に関して本発明が特にどのように説明されるかについても注目に値するが、本明細書に記載の再ガス化ライン、再ガス化ターミナルおよび再ガス化方法は、低温(約0℃未満)または極低温(-45℃未満)で貯蔵された他の液化流体の再ガス化または気化に等しく適用可能である。
【0233】
例えば、本発明は、他の液化ガスを再ガス化または気化するためにも適用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12