(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】マルチモード・キュービット読出しおよびキュービット状態割当て
(51)【国際特許分類】
G06F 7/38 20060101AFI20240712BHJP
G06N 10/00 20220101ALI20240712BHJP
H10N 60/00 20230101ALI20240712BHJP
【FI】
G06F7/38 510
G06N10/00 ZAA
G06F7/38 610
H10N60/00 Z
(21)【出願番号】P 2021521132
(86)(22)【出願日】2019-12-02
(86)【国際出願番号】 EP2019083224
(87)【国際公開番号】W WO2020120183
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-05-26
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】テメ、ポール、クリスタン
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァデーセ、サルヴァトーレ、ベルナルド
(72)【発明者】
【氏名】コルコレス、ゴンザレス、アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ガンベッタ、ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ビショップ、レフ、サミュエル
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/103694(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/055988(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 7/38
G06N 10/00
H10N 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実行可能構成要素を記憶したメモリと、
前記メモリに記憶された前記コンピュータ実行可能構成要素を実行するプロセッサと
を含み、
前記コンピュータ実行可能構成要素が、
キュービットに結合された読出しデバイスの応答を解析する解析構成要素と、
前記キュービットの読出し状態を前記応答に基づいて割り当てる割当て構成要素と
を含
み、
前記読出しデバイスが、前記解析に基づく規定キュービット読出し忠実度、規定キュービット減衰時間保護、または規定キュービット位相緩和保護のうちの少なくとも1つを容易にする1つまたは複数のパラメータに基づいて前記キュービットに結合される、
システム。
【請求項2】
前記
読出しデバイスが、マルチモード読出しデバイスである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記マルチモード読出しデバイスが、多数のプロービング・タップを有する超伝導共振器を含む、請求項
2に記載のシステム。
【請求項4】
前記マルチモード読出しデバイスが、同時マルチ・トーン励起に基づいて前記応答を生成する、請求項
2または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記解析構成要素が、ブール論理解析、前記応答のカーネル積分応答、前記応答の時間軌道、線形判別解析、2次判別解析、またはサポート・ベクター・マシン解析のうちの少なくとも1つに基づいて前記応答を解析する、請求項
1ないし4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記割当て構成要素が、前記応答の多数決、規定キュービット読出し忠実度、規定キュービット減衰時間保護、または規定キュービット位相緩和保護のうちの少なくとも1つに基づいて前記読出し状態を割り当てる、請求項
1ないし5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記読出しデバイスが、前記キュービットまたは前記キュービットの環境の少なくとも一方に規定電気結合値に基づいて電気的に結合された、請求項
1ないし
6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記解析構成要素が、規定キュービット読出し忠実度、規定キュービット減衰時間保護、または規定キュービット位相緩和保護のうちの少なくとも1つを容易にする1つまたは複数のパラメータに基づいて前記キュービットに結合された前記読出しデバイスの前記応答を解析する、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
プロセッサに動作可能に結合されたシステムによって、
前記プロセッサが、キュービットに結合された読出しデバイスの応答を解析すること
、
前記プロセッサが、前記キュービットの読出し状態を前記応答に基づいて割り当てること
、および
前記プロセッサが、前記読出しデバイスの前記キュービットへの結合を、前記解析に基づく規定キュービット読出し忠実度、規定キュービット減衰時間保護、または規定キュービット位相緩和保護のうちの少なくとも1つを容易にする1つまたは複数のパラメータに基づいて調整させること
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記読出しデバイスは、マルチモード読出しデバイスである、請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
マルチモード読出しデバイスが、同時マルチ・トーン励起に基づいて前記応答を生成する、請求項
10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記解析することが、ブール論理解析、前記応答のカーネル積分応答、前記応答の時間軌道、線形判別解析、2次判別解析、またはサポート・ベクター・マシン解析のうちの少なくとも1つに基づいて前記応答を解析することを含む、請求項
9ないし11のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記割り当てることが、前記応答の多数決、規定キュービット読出し忠実度、規定キュービット減衰時間保護、または規定キュービット位相緩和保護のうちの少なくとも1つに基づいて前記読出し状態を割り当てることを含む、請求項
9ないし12のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記解析することが、前記キュービットまたは前記キュービットの環境の少なくとも一方に規定電気結合値に基づいて電気的に結合された前記読出しデバイスの前記応答を解析することを含み、それによって前記プロセッサに関連した改善された処理の正確さを容易にする、請求項
9ないし
13のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記解析することが
、規定キュービット読出し忠実度、規定キュービット減衰時間保護、または規定キュービット位相緩和保護のうちの少なくとも1つを容易にする1つまたは複数のパラメータに基づいて前記キュービットに結合された前記読出しデバイスの前記応答を解析することを含む、請求項
9ないし14のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
キュービット読出しおよび状態割当てプロセスを容易にするコンピュータ・プログラムであって、
キュービットに結合された読出しデバイスの応答を解析すること
、
前記キュービットの読出し状態を前記応答に基づいて割り当てること
、および
前記読出しデバイスの前記キュービットへの結合を、前記解析に基づく規定キュービット読出し忠実度、規定キュービット減衰時間保護、または規定キュービット位相緩和保護のうちの少なくとも1つを容易にする1つまたは複数のパラメータに基づいて調整させること
をプロセッサに実行させるための、コンピュータ・プログラム。
【請求項17】
前記コンピュータ・プログラムがさらに、
ブール論理解析、前記応答のカーネル積分応答、前記応答の時間軌道、線形判別解析、2次判別解析、またはサポート・ベクター・マシン解析のうちの少なくとも1つに基づいて前記応答を解析すること
を前記プロセッサに実行させるための、請求項
16に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項18】
前記コンピュータ・プログラムがさらに、
前記応答の多数決、規定キュービット読出し忠実度、規定キュービット減衰時間保護、または規定キュービット位相緩和保護のうちの少なくとも1つに基づいて前記読出し状態を割り当てること
を前記プロセッサに実行させるための、請求項
16または
17に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項19】
前記コンピュータ・プログラムがさらに、
前記キュービットまたは前記キュービットの環境の少なくとも一方に規定電気結合値に基づいて電気的に結合された前
記読出しデバイスの前記応答を解析すること
を前記プロセッサに実行させるための、請求項16ないし18のいずれか1項に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項20】
前記コンピュータ・プログラムがさらに、
規定キュービット読出し忠実度、規定キュービット減衰時間保護、または規定キュービット位相緩和保護のうちの少なくとも1つを容易にする1つまたは複数のパラメータに基づいて前記キュービットに結合された前記読出しデバイスの前記応答を解析すること
を前記プロセッサに実行させるための、請求項16ないし19のいずれか1項に記載のコンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
主題である発明は超伝導量子回路に関し、より詳細には、マルチモード・キュービット読出しおよびキュービット状態割当て(multi-mode qubit readout and qubit state assignment)に関する。
【背景技術】
【0002】
量子コンピューティングは一般に、コンピューティング機能および情報処理機能を実行する目的で量子力学的現象を使用することである。量子コンピューティングは、一般にトランジスタを用いて2進値に対して演算を実行する古典コンピューティングと対照をなすものと見ることができる。すなわち、古典コンピュータは、0または1のいずれかであるビット値で演算を実行することができるが、量子コンピュータは、0および1の両方の重ね合わせ(superposition)を含む量子ビットで演算を実行し、多数の量子ビット(キュービット)をエンタングルする(entangle)ことができ、干渉(interference)を使用する。
【0003】
量子コンピューティング・ハードウェアは古典コンピューティング・ハードウェアとは異なる。特に、超伝導量子回路は一般にジョセフソン接合に依存し、ジョセフソン接合は半導体基板上に製造することができる。ジョセフソン接合は一般に、超伝導電流のジョセフソン効果を発現し、その場合、電流は、印加電圧なしでジョセフソン接合を横切って際限なく流れることができる。超伝導回路に1つまたは複数のジョセフソン接合を埋め込んで、量子ビット(キュービット)を形成することができる。半導体基板上に製造された超伝導量子回路内にこのような複数のキュービットを配列することができ、超伝導量子回路はさらに、対応するそれぞれのキュービットに結合されたマイクロ波読出し共振器であって、キュービットの量子情報を読む(キュービットの量子論理状態をアドレスするまたは読むとも言う)ことを容易にするマイクロ波読出し共振器を含むことができる。このような超伝導量子回路およびマイクロ波読出し共振器を半導体基板上に集積して、古典コンピューティング・デバイス(例えば汎用コンピュータ、専用コンピュータなど)によって実行することができる機能よりも大幅に複雑な計算機能および情報処理機能を実行することができる集積量子プロセッサを形成することができる。
【0004】
超伝導キュービットを効率的かつ迅速に読むことに関連した問題は、しばしば互いに矛盾するいくつかの設計パラメータを含む。第1に、通常は、測定後に特定の計算またはアルゴリズムにおいてキュービットを再び使用することができるように、量子非破壊(Quantum-non-demolition)(QND)測定として知られているものが好まれる。これは、ほぼ排他的に、読出し技法を、回路量子電磁力学(Quantum Electrodynamics)(回路QED)アーキテクチャ内に存在する異なる方式に制限し、このアーキテクチャでは、超伝導共振器が超伝導キュービットに容量的または誘導的に結合されている。キュービットの量子状態は、結合された共振器の共振周波数に影響を及ぼし、この方式で、キュービットの精密な読出しを達成することができる。
【0005】
しばしば迅速な読出しが好ましいが、環境に強く結合された読出し共振器では、共振器を介してキュービットがそのエネルギーを環境へ緩和するパーセル効果(Purcell effect)によって、キュービット・コヒーレンスが低くなる。この機構を軽減するため、いくつかの既存の超伝導量子システムは、共振器周波数にある光子を読出し線を通して透過させ、その一方でキュービットの緩和を抑制することができるさまざまなフィルタを使用する。これらのフィルタは嵩張ることがあり、これらのフィルタにはしばしば、それぞれの読出し共振器の動力学の制御を限定しうる設計製造制約が伴う。
【0006】
さらに、高速で高忠実度(high-fidelity)のキュービット状態割当てを可能にする環境への読出し共振器の大きな結合は、共振器周波数における雑音に対してシステムを極めて敏感にし、これは、そのコヒーレンス時間の損失においてキュービットを位相緩和する(dephase)。パーセル・フィルタは、減衰(decay)に対してキュービットを保護するだけであり、位相緩和雑音に対して共振器を保護することはしない。
【発明の概要】
【0007】
以下に、本発明の1つまたは複数の実施形態の基本的理解を提供する概要を示す。この概要が、鍵となる要素もしくは決定的に重要な要素を識別すること、または、この概要が、特定の実施形態のいかなる範囲もしくは特許請求の範囲のいかなる範囲を正確に示すことは意図されていない。その唯一の目的は、後に示すより詳細な説明に対する前置きとして、着想を、簡略化された形で示すことにある。本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態では、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当てを容易にすることができるデバイス、システム、コンピュータ実装方法(computer-implemented method)もしくはコンピュータ・プログラム製品またはこれらの組合せが説明される。
【0008】
一実施形態によれば、システムは、コンピュータ実行可能構成要素を記憶したメモリと、メモリに記憶されたコンピュータ実行可能構成要素を実行するプロセッサとを含むことができる。コンピュータ実行可能構成要素は、キュービットに結合されたマルチモード読出しデバイスの応答を解析することができる解析構成要素を含むことができる。コンピュータ実行可能構成要素はさらに、キュービットの読出し状態を応答に基づいて割り当てることができる割当て構成要素を含むことができる。このようなシステムの利点は、このようなシステムが、(例えばパーセル効果による)増大したキュービット減衰もしくは増大した位相緩和またはその両方を、パーセル・フィルタを使用することなしに被ることなく、改善されたキュービット読出し忠実度を提供することができることである。
【0009】
いくつかの実施形態では、マルチモード読出しデバイスを、キュービットまたはキュービットの環境の少なくとも一方に、規定電気結合値(defined electrical coupling value)に基づいて電気的に結合することができる。このようなシステムの利点は、このようなシステムが、マルチモード読出しデバイスを、キュービットもしくはキュービットの環境またはその両方に弱く結合することができることであり、このような弱い結合は、システムによって生成されたシミュレーション結果の改善された正確さを容易にすることができ、このことは、システムに関連づけられた処理ユニットの改善された処理の正確さ、改善された処理効率もしくは改善された処理性能、またはこれらの組合せを容易にすることができる。
【0010】
一実施形態によれば、コンピュータ実装方法は、プロセッサに動作可能に結合されたシステムによって、キュービットに結合されたマルチモード読出しデバイスの応答を解析することを含むことができる。このコンピュータ実装方法はさらに、システムによって、キュービットの読出し状態を応答に基づいて割り当てることを含むことができる。このようなコンピュータ実装方法の利点は、このようなコンピュータ実装方法を使用して、(例えばパーセル効果による)増大したキュービット減衰もしくは増大した位相緩和またはその両方を、パーセル・フィルタを使用することなしに被ることなく、改善されたキュービット読出し忠実度を提供することができることである。
【0011】
いくつかの実施形態では、解析することが、システムによって、キュービットまたはキュービットの環境の少なくとも一方に規定電気結合値に基づいて電気的に結合されたマルチモード読出しデバイスの応答を解析することを含むことができる。このようなコンピュータ実装方法の利点は、このようなコンピュータ実装方法を使用して、マルチモード読出しデバイスを、キュービットもしくはキュービットの環境またはその両方に弱く結合することができることであり、このような弱い結合は、マルチモード読出しデバイスに結合されたシステムによって生成されたシミュレーション結果の改善された正確さを容易にすることができ、このことは、システムに関連づけられた処理ユニットの改善された処理の正確さ、改善された処理効率もしくは改善された処理性能、またはこれらの組合せを容易にすることができる。
【0012】
別の実施形態によれば、コンピュータ・プログラム製品は、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当てプロセスを容易にすることができる。このコンピュータ・プログラム製品は、プログラム命令が具現化されたコンピュータ可読ストレージ媒体を含むことができ、このプログラム命令は、プロセッサによって、キュービットに結合されたマルチモード読出しデバイスの応答を解析することをこのプロセッサに実行させるように実行可能なものとすることができる。このプログラム命令はさらに、プロセッサによって、このプロセッサによって、キュービットの読出し状態を応答に基づいて割り当てることをこのプロセッサに実行させるように実行可能なものとすることができる。このようなコンピュータ・プログラム製品の利点は、このようなコンピュータ・プログラム製品を使用して、(例えばパーセル効果による)増大したキュービット減衰もしくは増大した位相緩和またはその両方を、パーセル・フィルタを使用することなしに被ることなく、改善されたキュービット読出し忠実度を提供することができることである。
【0013】
いくつかの実施形態では、このプログラム命令がさらに、プロセッサによって、キュービットまたはキュービットの環境の少なくとも一方に規定電気結合値に基づいて電気的に結合されたマルチモード読出しデバイスの応答を解析することを、このプロセッサに実行させるように実行可能なものとすることができる。このようなコンピュータ・プログラム製品の利点は、このようなコンピュータ・プログラム製品を使用して、マルチモード読出しデバイスを、キュービットもしくはキュービットの環境またはその両方に弱く結合することができることであり、このような弱い結合は、マルチモード読出しデバイスに結合されたシステムによって生成されたシミュレーション結果の改善された正確さを容易にすることができ、このことは、システムに関連づけられた処理ユニットの改善された処理の正確さ、改善された処理効率もしくは改善された処理性能、またはこれらの組合せを容易にすることができる。
【0014】
別の実施形態によれば、システムは、コンピュータ実行可能構成要素を記憶したメモリと、メモリに記憶されたコンピュータ実行可能構成要素を実行するプロセッサとを含むことができる。コンピュータ実行可能構成要素は、キュービットに結合された読出しデバイスの応答を解析することができる解析構成要素を含むことができる。コンピュータ実行可能構成要素はさらに、キュービットの読出し状態を応答に基づいて割り当てることができる割当て構成要素を含むことができる。このようなシステムの利点は、このようなシステムが、(例えばパーセル効果による)増大したキュービット減衰もしくは増大した位相緩和またはその両方を、パーセル・フィルタを使用することなしに被ることなく、改善されたキュービット読出し忠実度を提供することができることである。
【0015】
いくつかの実施形態では、読出しデバイスを、キュービットまたはキュービットの環境の少なくとも一方に規定電気結合値に基づいて電気的に結合することができる。このようなシステムの利点は、このようなシステムが、読出しデバイスを、キュービットもしくはキュービットの環境またはその両方に弱く結合することができることであり、このような弱い結合は、システムによって生成されたシミュレーション結果の改善された正確さを容易にすることができ、このことは、システムに関連づけられた処理ユニットの改善された処理の正確さ、改善された処理効率もしくは改善された処理性能、またはこれらの組合せを容易にすることができる。
【0016】
別の実施形態によれば、コンピュータ実装方法は、プロセッサに動作可能に結合されたシステムによって、キュービットに結合された読出しデバイスの応答を解析することを含むことができる。このコンピュータ実装方法はさらに、システムによって、キュービットの読出し状態を応答に基づいて割り当てることを含むことができる。このようなコンピュータ実装方法の利点は、このようなコンピュータ実装方法を使用して、(例えばパーセル効果による)増大したキュービット減衰もしくは増大した位相緩和またはその両方を、パーセル・フィルタを使用することなしに被ることなく、改善されたキュービット読出し忠実度を提供することができることである。
【0017】
いくつかの実施形態では、解析することが、システムによって、キュービットまたはキュービットの環境の少なくとも一方に規定電気結合値に基づいて電気的に結合された読出しデバイスの応答を解析することを含むことができる。このようなコンピュータ実装方法の利点は、このようなコンピュータ実装方法を使用して、読出しデバイスを、キュービットもしくはキュービットの環境またはその両方に弱く結合することができることであり、このような弱い結合は、読出しデバイスに結合されたシステムによって生成されたシミュレーション結果の改善された正確さを容易にすることができ、このことは、システムに関連づけられた処理ユニットの改善された処理の正確さ、改善された処理効率もしくは改善された処理性能、またはこれらの組合せを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態による、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当て構成要素を容易にすることができる例示的で非限定的なシステムのブロック図である。
【
図2】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態による、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当て構成要素を容易にすることができる例示的で非限定的なシステムのブロック図である。
【
図3】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態による、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当て構成要素を容易にすることができる例示的で非限定的なシステムの上面図である。
【
図4】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態による、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当て構成要素を容易にすることができる例示的で非限定的なシステムの電気概略図である。
【
図5】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態による、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当て構成要素を容易にすることができる例示的で非限定的な情報を示す図である。
【
図6】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態による、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当て構成要素を容易にすることができる例示的で非限定的な情報を示す図である。
【
図7】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態による、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当て構成要素を容易にすることができる例示的で非限定的な情報を示す図である。
【
図8】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態による、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当て構成要素を容易にすることができる例示的で非限定的なコンピュータ実装方法の流れ図である。
【
図9】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態による、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当て構成要素を容易にすることができる例示的で非限定的なコンピュータ実装方法の流れ図である。
【
図10】本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態を容易にすることができる例示的で非限定的な動作環境のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の詳細な説明は単なる例示であり、以下の詳細な説明が、実施形態または実施形態の用途もしくは使用あるいはその両方を限定することは意図されていない。さらに、上記の「背景技術」もしくは「発明の概要」または「発明を実施するための形態」に示された明示または暗示の情報によって拘束されることも意図されていない。
【0020】
次に、図面を参照して1つまたは複数の実施形態を説明する。全体を通じて、同じ要素を指すために同じ参照符号が使用されている。以下の説明では、説明の目的上、1つまたは複数の実施形態のより完全な理解を提供するために、数多くの特定の詳細が示される。しかしながら、さまざまなケースにおいて、それらの特定の詳細なしで1つまたは複数の実施形態を実施することができることは明白である。本出願の図面は、例示だけを目的として提供されたものであり、そのため、図面は一定の倍率では描かれていないことに留意されたい。
【0021】
このようなキュービットのキュービット状態をプロービングすることもしくは測定することまたはその両方に起因するキュービット減衰もしくはキュービットの位相緩和またはその両方に関する上記の問題が存在するとすれば、本開示を実施して、この問題に対する解決策であって、キュービットに結合されたマルチモード読出しデバイスの応答、および/もしくはキュービットに結合された多数のシングル・モード読出しデバイスの異なる個々のモードの応答を解析すること、ならびに/またはキュービットの読出し状態を応答に基づいて割り当てることを容易にすることができるシステム、コンピュータ実装方法またはコンピュータ・プログラム製品あるいはこれらの組合せの形態の解決策を生み出すことができる。このようなシステム、コンピュータ実装方法もしくはコンピュータ・プログラム製品またはこれらの組合せの利点は、それらを使用して、(例えばパーセル効果による)増大したキュービット減衰もしくは増大した位相緩和またはその両方を、パーセル・フィルタを使用することなしに被ることなく、改善されたキュービット読出し忠実度を提供することができることである。
【0022】
さらに、このようなキュービットのキュービット状態をプロービングすることもしくは測定することまたはその両方に起因するキュービット減衰もしくはキュービットの位相緩和またはその両方に関する上記の問題が存在するとすれば、本開示を実施して、この問題に対する解決策であって、いくつかの実施形態では、マルチモード読出しデバイスもしくは多数のシングル・モード読出しデバイスまたはその両方を、キュービットまたはキュービットの環境の少なくとも一方に規定電気結合値に基づいて電気的に結合することを容易にすることができるシステム、コンピュータ実装方法もしくはコンピュータ・プログラム製品またはこれらの組合せの形態の解決策を生み出すことができる。このようなシステム、コンピュータ実装方法もしくはコンピュータ・プログラム製品またはこれらの組合せの利点は、それらを使用して、マルチモード読出しデバイスもしくは多数のシングル・モード読出しデバイスまたはその両方を、キュービットもしくはキュービットの環境またはその両方に弱く結合することができることであり、このような弱い結合は、このようなデバイスに結合されたシステムによって生成されたシミュレーション結果の改善された正確さを容易にすることができ、このことは、システムに関連づけられた処理ユニットの改善された処理の正確さ、改善された処理効率もしくは改善された処理性能、またはこれらの組合せを容易にすることができる。
【0023】
図1は、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態による、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当て構成要素を容易にすることができる例示的で非限定的なシステム100のブロック図を示している。いくつかの実施形態によれば、システム100は、キュービット状態割当てシステム102、量子システム114もしくは外部電子デバイス124またはこれらの組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、キュービット状態割当てシステム102が、メモリ104、プロセッサ106、解析構成要素108、割当て構成要素110もしくはバス112またはこれらの組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、量子システム114が、1つもしくは複数の読出しデバイス116または1つもしくは複数のキュービット118、あるいはその両方を含むことができる。いくつかの実施形態では、量子システム114の構成要素を、電気回路120を介して互いに(例えば電気的に、通信可能に、動作可能になど)結合することができる。いくつかの実施形態では、例えばキュービット状態割当てシステム102、量子システム114もしくは外部電子デバイス124またはこれらの組合せなどのシステム100の構成要素を、線状の受動マイクロ波構造体(passive microwave structure)122を介して(例えば電気的に、通信可能に、動作可能になど)結合することができる。
【0024】
本明細書に開示されたさまざまな図に示された主題である開示(以後、主題開示)の実施形態は単に例示であり、そのため、そのような実施形態のアーキテクチャは、それらの図に示されたシステム、デバイスもしくは構成要素またはそれらの組合せに限定されないことを認識すべきである。例えば、いくつかの実施形態では、システム100、キュービット状態割当てシステム102、量子システム114もしくは外部電子デバイス124またはこれらの組合せがさらに、動作環境1000および
図10に関して本明細書で説明されるさまざまなコンピュータ要素もしくはコンピューティング・ベースの要素またはその両方を含むことができる。いくつかの実施形態では、このようなコンピュータ要素もしくはコンピューティング・ベースの要素またはその両方を、
図1に関してまたは本明細書に開示されたその他の図に関して図示および説明されたシステム、デバイス、構成要素およびコンピュータ実装演算のうちの1つまたは複数の実施に関して使用することができる。
【0025】
多数の実施形態によれば、メモリ104は、コンピュータもしくはマシンまたはその両方が読み取ること、書き込むこともしくは実行することまたはこれらの組合せを行うことができる1つもしくは複数の構成要素もしくは命令またはその両方であって、プロセッサ106によって実行されたときに、実行することができるそれらの構成要素もしくは命令またはその両方によって規定された演算の実行を容易にすることができる、1つもしくは複数の構成要素もしくは命令またはその両方を記憶することができる。例えば、メモリ104は、コンピュータおよび/またはマシンが読み取ること、書き込むことおよび/または実行することができる構成要素および/または命令であって、プロセッサ106によって実行されたときに、キュービット状態割当てシステム102、解析構成要素108、割当て構成要素110、量子システム114、読出しデバイス116、キュービット118、外部電子デバイス124、ならびに/またはシステム100および/もしくはキュービット状態割当てシステム102に関連した、主題開示のさまざまな図を参照してもしくは参照せずに本明細書で説明された別の構成要素、に関係した本明細書に記載されたさまざまな機能の実行を容易にすることができる構成要素および/または命令を記憶することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、メモリ104が、揮発性メモリ(例えばランダム・アクセス・メモリ(RAM)、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)など)、もしくは不揮発性メモリ(例えばリード・オンリー・メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能なプログラマブルROM(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)など)、またはその両方を含むことができ、それらの揮発性メモリもしくは不揮発性メモリまたはその両方は、1つもしくは複数のメモリ・アーキテクチャを使用することができる。メモリ104のさらなる例は、システム・メモリ1016および
図10を参照して後に説明される。メモリ104のこのような例を使用して、主題開示の任意の実施形態を実施することができる。
【0027】
多数の実施形態によれば、プロセッサ106は、コンピュータもしくはマシンまたはその両方が読み取ること、書き込むこともしくは実行することまたはこれらの組合せを行うことができる1つもしくは複数の構成要素もしくは命令またはその両方であって、メモリ104に記憶することができる1つもしくは複数の構成要素もしくは命令またはその両方を実施することができる、1つもしくは複数のタイプのプロセッサもしくは電子回路またはその両方を含むことができる。例えば、プロセッサ106は、コンピュータもしくはマシンまたはその両方が読み取ること、書き込むこともしくは実行することまたはこれらの組合せを行うことができるこのような構成要素もしくは命令またはその両方によって指定することができるさまざまな演算を実行することができ、それらの演算は、限定はされないが、論理、制御、入力/出力(I/O)、算術演算もしくはその他の演算またはこれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ106が、1つまたは複数の中央処理ユニット、マルチコア・プロセッサ、マイクロプロセッサ、デュアル・マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、システム・オン・ア・チップ(SOC)、アレイ・プロセッサ、ベクトル・プロセッサもしくは別のタイプのプロセッサ、またはこれらの組合せを含むことができる。プロセッサ106のさらなる例は、処理ユニット1014および
図10に関して後に説明される。プロセッサ106のこのような例を使用して、主題開示の任意の実施形態を実施することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、システム100、キュービット状態割当てシステム102もしくはそれらに結合された任意の構成要素、またはこれらの組合せの機能を実行するために、キュービット状態割当てシステム102、メモリ104、プロセッサ106、解析構成要素108、割当て構成要素110、もしくは本明細書に記載されたキュービット状態割当てシステム102の別の構成要素、またはこれらの組合せを、バス112を介して互いに、通信可能に、電気的にもしくは動作可能にまたはこれらの組合せで結合することができる。いくつかの実施形態では、バス112が、1つまたは複数のメモリ・バス、メモリ・コントローラ、周辺バス、外部バス、ローカル・バスもしくは別のタイプのバス、またはこれらの組合せを含むことができ、これらのバスは、さまざまなバス・アーキテクチャを使用することができる。バス112のさらなる例は、システム・バス1018および
図10を参照して後に説明される。バス112のこのような例を使用して、本開示の任意の実施形態を実施することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、キュービット状態割当てシステム102、量子システム114および/もしくは外部電子デバイス124が、プロセッサを含む任意のタイプの構成要素、マシン、デバイス、設備、装置および/もしくは機器を含むことができ、ならびに/または有線ネットワークおよび/もしくは無線ネットワークまたはその両方と有効にもしくは動作可能にまたはその両方で通信することができる。このような全ての実施形態が想像される。例えば、キュービット状態割当てシステム102、量子システム114および/または外部電子デバイス124は、サーバ・デバイス、コンピューティング・デバイス、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、量子コンピューティング・デバイス(例えば量子コンピュータ、量子プロセッサなど)、タブレット・コンピューティング・デバイス、ハンドヘルド・デバイス、サーバ・クラス・コンピューティング・マシンおよび/もしくはデータベース、ラップトップ・コンピュータ、ノートブック・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、携帯電話、スマート・フォン、コンシューマ機器および/もしくは器具、工業用および/もしくは商用デバイス、デジタル・アシスタント、マルチメディア・インターネット電話機(multimedia Internet enabled phone)、マルチメディア・プレーヤ、ならびに/または別のタイプのデバイスを含むことができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、キュービット状態割当てシステム102、量子システム114もしくは外部電子デバイス124またはこれらの組合せを、データ・ケーブル(例えば同軸ケーブル、ハイデフィニション・マルチメディア・インターフェース(High-Definition Multimedia Interface)(HDMI(R))、レコメンデッド・スタンダード(recommended standard)(RS)232、Ethernet(R)ケーブルなど)を介して、1つもしくは複数の外部システム、ソースもしくはデバイス(例えばコンピューティング・デバイス、通信デバイスなど)またはこれらの組合せに(例えば通信可能に、電気的に、動作可能になど)結合することができる。いくつかの実施形態では、キュービット状態割当てシステム102、量子システム114もしくは外部電子デバイス124またはこれらの組合せを、ネットワークを介して、1つもしくは複数の外部システム、ソースもしくはデバイス(例えばコンピューティング・デバイス、通信デバイスなど)またはこれらの組合せに(例えば通信可能に、電気的に、動作可能になど)結合することができる。
【0031】
多数の実施形態によれば、このようなネットワークは、限定はされないが、セル方式ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)(例えばインターネット)またはローカル・エリア・ネットワーク(LAN)を含む有線および無線ネットワークを含むことができる。例えば、キュービット状態割当てシステム102、量子システム114および/または外部電子デバイス124は、実質的に任意の所望の有線または無線技術を使用して、1つもしくは複数の外部システム、ソースおよび/またはデバイス、例えばコンピューティング・デバイスと通信することができ(その逆もまた真である)、この実質的に任意の所望の有線または無線技術は、限定はされないが、ワイヤレス・フィデリティ(wireless fidelity)(Wi-Fi)、グローバル・システム・フォー・モバイル・テレコミュニケーションズ・システム(global system for mobile communications)(GSM)、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーションズ・システム(universal mobile telecommunications system)(UMTS)、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(worldwide interoperability for microwave access)(WiMAX)、エンハンスト・ジェネラル・パケット・ラジオ・サービス(enhanced general packet radio service)(エンハンストGPRS)、サード・ジェネレーション・パートナーシップ・プロジェクト(third generation partnership project)(3GPP)ロング・ターム・エボルーション(long term evolution)(LTE)、サード・ジェネレーション・パートナーシップ・プロジェクト2(3GPP2)ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(ultra mobile broadband)(UMB)、ハイ・スピード・パケット・アクセス(high speed packet access)(HSPA)、Zigbeeおよび他の802.XX無線技術および/もしくは従来の電気通信技術、BLUETOOTH(R)、セッション・イニシエーション・プロトコル(Session Initiation Protocol)(SIP)、ZIGBEE(R)、RF4CEプロトコル、WirelessHARTプロトコル、6LoWPAN(IPv6オーバー・ローパワー・ワイヤレス・エリア・ネットワーク(IPv6 over Low power Wireless Area Networks))、Z-Wave、ANT、ウルトラワイドバンド(ultra-wideband)(UWB)標準プロトコル、ならびに/またはその他の専用および非専用通信プロトコルを含む。したがって、このような例では、キュービット状態割当てシステム102、量子システム114もしくは外部電子デバイス124またはこれらの組合せが、キュービット状態割当てシステム102、量子システム114もしくは外部電子デバイス124またはこれらの組合せと外部システム、ソースもしくはデバイス(例えばコンピューティング・デバイス、通信デバイスなど)またはこれらの組合せとの間の情報伝達を容易にする、ハードウェア(例えば中央処理ユニット(CPU)、トランシーバ、復号器)、ソフトウェア(例えば一組のスレッド、一組のプロセス、実行中のソフトウェア)、またはハードウェアとソフトウェアの組合せを含むことができる。
【0032】
多数の実施形態によれば、キュービット状態割当てシステム102は、コンピュータもしくはマシンまたはその両方が読み取ること、書き込むこともしくは実行することまたはこれらの組合せを行うことができる1つもしくは複数の構成要素もしくは命令またはその両方であって、プロセッサ106によって実行されたときに、このような構成要素もしくは命令またはその両方によって規定された演算の実行を容易にすることができる、1つもしくは複数の構成要素もしくは命令またはその両方を含むことができる。さらに、数多くの実施形態では、キュービット状態割当てシステム102に関連した、本開示のさまざまな図を参照してまたは参照せずに本明細書で説明された任意の構成要素が、コンピュータもしくはマシンまたはその両方が読み取ること、書き込むこともしくは実行することまたはこれらの組合せを行うことができる1つもしくは複数の構成要素もしくは命令またはその両方であって、プロセッサ106によって実行されたときに、このような構成要素もしくは命令またはその両方によって規定された演算の実行を容易にすることができる、1つもしくは複数の構成要素もしくは命令またはその両方を含むことができる。例えば、(例えば、キュービット状態割当てシステム102に通信可能に、電子的におよび/もしくは動作可能に結合され、ならびに/またはキュービット状態割当てシステム102によって通信可能に、電子的におよび/もしくは動作可能に使用される)解析構成要素108、割当て構成要素110、および/またはキュービット状態割当てシステム102に関連した本明細書に開示された他の構成要素は、コンピュータおよび/またはマシンが読み取ること、書き込むことおよび/または実行することができるこのような構成要素および/または命令を含むことができる。その結果、数多くの実施形態によれば、キュービット状態割当てシステム102もしくはキュービット状態割当てシステム102に関連した本明細書に開示された任意の構成要素、またはその両方は、キュービット状態割当てシステム102もしくはキュービット状態割当てシステム102に関連した任意の構成要素またはその両方に関して本明細書で説明された1つまたは複数の演算の実行を容易にするために、プロセッサ106を使用して、コンピュータもしくはマシンまたはその両方が読み取ること、書き込むこともしくは実行することまたはこれらの組合せを行うことができるこのような構成要素もしくは命令またはその両方を実行することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のキュービット状態割当て演算を実施するために、キュービット状態割当てシステム102が、解析構成要素108、割当て構成要素110、量子システム114、読出しデバイス116、キュービット118、外部電子デバイス124、および/もしくはキュービット状態割当てシステム102に関連した本明細書に開示された別の構成要素によって実行される演算、ならびに/または解析構成要素108、割当て構成要素110、量子システム114、読出しデバイス116、キュービット118、外部電子デバイス124、および/もしくはキュービット状態割当てシステム102に関連した本明細書に開示された他の構成要素に関連した演算の実行を容易にすることができる。例えば、後に詳述するが、キュービット状態割当てシステム102は、キュービットに結合されたマルチモード読出しデバイスの応答を解析すること、キュービットに結合された読出しデバイスの応答を解析すること、キュービットの読出し状態を応答に基づいて割り当てること、同時マルチ・トーン励起(simultaneous multi-tone excitation)に基づいて応答を生成すること、ブール論理解析(Boolean logic analysis)、応答のカーネル積分応答(kernel-integrated response)、応答の時間軌道(time trajectory)、線形判別解析(linear discriminant analysis)、2次判別解析(quadratic discriminant analysis)および/もしくはサポート・ベクター・マシン解析(support vector machine analysis)に基づいて応答を解析すること、応答の多数決(majority vote)に基づいて読出し状態を割り当てること、キュービットまたはキュービットの環境の少なくとも一方に規定電気結合値に基づいて電気的に結合されたマルチモード読出しデバイスの応答を解析すること、ならびに/または規定キュービット読出し忠実度(defined qubit readout fidelity)、規定キュービット減衰時間保護(defined qubit decay time protection)および/もしくは規定キュービット位相緩和保護(defined qubit dephasing protection)を容易にする1つまたは複数のパラメータに基づいて読出し状態を割り当てること、を容易にすることができる。
【0034】
多数の実施形態によれば、量子システム114は超伝導システムを含むことができる。例えば、量子システム114は、限定はされないが、量子コンピューティング・デバイス(例えば量子コンピュータ、量子プロセッサ、量子ハードウェアなど)、超伝導チップ、半導体基板(例えばシリコン基板)上に製造された超伝導量子ビット回路(キュービット回路)、回路量子電磁力学(回路QED)システムもしくは別の超伝導システム、またはこれらの組合せを含む、超伝導システムを含むことができる。いくつかの実施形態では、量子システム114が、1つまたは複数のキュービットに結合された1つまたは複数の読出しデバイスを含む超伝導チップを含むことができる。例えば、量子システム114は、電気回路120を介して互いにもしくはキュービット118にまたはその両方に(例えば通信可能に、電気的に、動作可能に、機械的になど)結合された1つまたは複数の読出しデバイス116を含む超伝導チップを含むことができる。
【0035】
数多くの実施形態によれば、読出しデバイス116は、キュービットのキュービット状態を測定することができるキュービット状態測定デバイスを含むことができる。例えば、読出しデバイス116は、限定はされないが、シングル・モード読出しデバイス、マルチモード読出しデバイス、超伝導共振器、マイクロ波共振器、機械式共振器もしくは別のキュービット状態測定デバイス、またはこれらの組合せを含む、キュービット状態測定デバイスを含むことができる。いくつかの実施形態では、読出しデバイス116が、例えば多数のモード(本明細書ではチャネル(channel)、トーン(tone)、ハーモニック(harmonic)などとも呼ぶ)を使用してキュービット状態を同時にまたは逐次的に測定することができるマルチモード・マイクロ波共振器などの、マルチモード読出しデバイスを含むことができる。いくつかの実施形態では、読出しデバイス116が、例えば多数のモードを使用してキュービット状態を(例えば同時にまたは逐次的に)測定することができる多数のプロービング・タップ(probing tap)を有するマルチモード超伝導共振器(例えばマイクロ波共振器)などの、マルチモード読出しデバイスを含むことができ、このような多数のモードはそれぞれ、このような多数のプロービング・タップに対応する(例えばそれぞれのプロービング・タップに対して異なるモードが対応する)ことができる。いくつかの実施形態では、読出しデバイス116が、例えば(例えば読出しデバイス116a、116b、116nおよび
図2を参照して後述するように)単一のモードを使用してキュービット状態を測定することができるシングル・モード・マイクロ波共振器などの、シングル・モード読出しデバイスを含むことができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、規定キュービット読出し忠実度、規定キュービット減衰時間保護もしくは規定キュービット位相緩和保護またはこれらの組合せを容易にすることができる1つまたは複数のパラメータに基づいて、読出しデバイス116をキュービットに結合することができる。例えば、読出しデバイス116がマルチモード読出しデバイス(例えばマルチモード・マイクロ波共振器)を含むいくつかの実施形態では、規定キュービット読出し忠実度、規定キュービット減衰時間保護もしくは規定キュービット位相緩和保護またはこれらの組合せを容易にすることができる1つまたは複数のパラメータに基づいて、読出しデバイス116をキュービット118に電気的に(例えば容量的に、誘導的になど)結合することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、このような規定キュービット読出し忠実度、規定キュービット減衰時間保護もしくは規定キュービット位相緩和保護またはこれらの組合せがそれぞれ、最適キュービット読出し忠実度、最適キュービット減衰時間保護もしくは最適キュービット位相緩和保護またはこれらの組合せを構成しうる。いくつかの実施形態では、キュービット忠実度関数F(例えば測定時間t
mの関数としての忠実度)もしくは(例えば定常状態における)信号対雑音比関数SNRまたはその両方、例えばそれぞれ下式(1)もしくは下式(2)またはその両方を(例えばキュービット状態割当てシステム102を介して)使用することによって、このような最適キュービット読出し忠実度、最適キュービット減衰時間保護もしくは最適キュービット位相緩和保護またはこれらの組合せを決定することができる。
式(1):
【数1】
上式で、
【数2】
式(2):
【数3】
【0038】
いくつかの実施形態では、式(1)もしくは式(2)またはその両方が単一のモードに対応することができる。いくつかの実施形態では、
【数4】
が、単一モード測定における平均光子数を示すことができ、この平均光子数は、それぞれのモードがどれくらい強く励起されるのかの尺度となりうる。いくつかの実施形態では、
【数5】
を約10
【数6】
とすることができる。いくつかの実施形態では、ηが、増幅器効率を示すことができ、増幅器効率は、キュービット(例えばキュービット118)の環境へどれくらいの情報(例えば量子情報)が放散される(例えば失われる)のかを示しうる。いくつかの実施形態では、増幅器効率ηを約0.1(η≒0.1)とすることができる。いくつかの実施形態では、例えば、後述するように、キャビティ減衰率(cavity decay rate)κを約500キロヘルツ(kHz)(κ≒500kHz)とすることができる。いくつかの実施形態では、例えば、後述するように、キャビティ・プル(cavity pull)χを約500kHz(χ≒500kHz)とすることができる。いくつかの実施形態では、τが、キュービット寿命(T
1)の単位の測定時間を示すことができる。いくつかの実施形態では、τ
finalが全測定時間を示すことができる。いくつかの実施形態では、σが、測定信号の標準偏差を示すことができる。いくつかの実施形態では、ν
thが、キュービット118の環境の温度を示すことができ、ν
th=0は、有限の温度によっては雑音が生じないことを示しうる。いくつかの実施形態では、キュービット減衰時間T
1を約50マイクロ秒(μs)(T
1≒50μs)とすることができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、時間の関数として、読出しデバイス116から情報(例えば量子情報)を得ることができること、および、ますます多くの光子が読出しデバイス116から得られるため、忠実度(例えば読出し忠実度)は、時間の関数として増大しうること(例えばキュービット状態についての知識が改善しうること)を、式(1)が示しうる。これらの実施形態では、ある時点でキュービット(例えばキュービット118)が減衰し始め、このことが読出し忠実度の低下を引き起こしうる。これらの実施形態では、例えば
図5に示されている式(1)のプロットが、測定を継続するにつれて割当てエラーがどのように低減し、続いてどのように増大しうるのかを示すことができ、このことは、割当てエラーを最小化することができる最適時間が存在することを示しうる。これらの実施形態では、その最適時間に関して、モードの数を増やすことによって割当てエラーを低減させることができ、測定時間も短縮することができる。いくつかの実施形態では、キュービット(例えばキュービット118のキュービット状態)から得ることができる情報(例えば量子情報)が、キュービット減衰もしくは位相緩和またはその両方によって、どのように変化しうるのかを、式(1)が示しうる。
【0040】
いくつかの実施形態では、上式(1)もしくは上式(2)またはその両方の1つまたは複数のパラメータを(例えばキュービット状態割当てシステム102を介して)変更することによって、最適キュービット読出し忠実度、最適キュービット減衰時間保護もしくは最適キュービット位相緩和保護またはこれらの組合せを決定することができる。例えば、限定はされないがキャビティ減衰率κ、キャビティ・プルχもしくは別のパラメータまたはこれらの組合せを含む、上式(1)もしくは上式(2)またはその両方の1つまたは複数のパラメータを、(例えばキュービット状態割当てシステム102を介して)変更することによって、このような最適キュービット読出し忠実度、最適キュービット減衰時間保護もしくは最適キュービット位相緩和保護またはこれらの組合せを決定することができる。例えば、キュービット減衰(例えばキュービットが基底状態まで減衰しうるレート(rate))もしくは位相緩和またはその両方によるキュービット(例えばキュービット118)の量子情報の損失を回避するために、実体(entity)(例えば人間ユーザ)は、システム100もしくはキュービット状態割当てシステム102またはその両方を使用して、キュービット減衰時間の保護もしくは位相緩和の保護またはその両方を容易にすることができる読出しデバイス116のキャビティ減衰率κ値もしくはキャビティ・プルχ値またはその両方を、(例えばキュービット状態割当てシステム102のグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を介して)選択することができる。いくつかの実施形態では、例えば、キュービット減衰もしくは位相緩和またはその両方によるキュービット(例えばキュービット118)の量子情報の損失を回避するために、実体が、システム100もしくはキュービット状態割当てシステム102またはその両方を使用して、約500kHzのキャビティ減衰率κ値もしくは約500kHzのキャビティ・プルχ値またはその両方を選択することができ、これらの値はそれぞれ、キュービット減衰時間の保護もしくは位相緩和の保護またはその両方を容易にすることができる。これらの実施形態では、このようなキャビティ減衰率κ値もしくはキャビティ・プルχ値またはその両方が、最適キュービット読出し忠実度、最適キュービット減衰時間保護もしくは最適キュービット位相緩和保護またはこれらの組合せを容易にすることができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、上式(1)もしくは上式(2)またはその両方のあるパラメータ(例えばキャビティ減衰率κ、キャビティ・プルχなど)の選択が、電気的に(例えば容量的に、誘導的になど)読出しデバイス116を環境にどの程度結合することができるのか、もしくは電気的に(例えば容量的に、誘導的になど)読出しデバイス116をキュービット118にどの程度結合することができるのか、またはその両方を決定することができる。本明細書で参照されるように、キュービットの環境は、量子システムのこのようなキュービットを含む部分以外の全てと定義されうる。例えば、本明細書で参照されるように、キュービットの環境は、量子システムの部分以外のキュービット情報(例えば量子情報)が存在しうるあらゆる位置への可能な全ての漏れチャネルを含みうる。別の例では、本明細書で参照されるように、キュービットの環境が、非コヒーレント放射の経路となりうる雑音のある熱バックグラウンド(thermal background)を含みうる。
【0042】
いくつかの実施形態では、上式(1)もしくは上式(2)またはその両方のいくつかのパラメータ(例えばキャビティ減衰率κ、キャビティ・プルχなど)は、キュービット118から情報を得ることを容易にすることができ、その際のレートは、(例えば読出しデバイス116を介して)このような情報を得ることを妨げるようなやり方でキュービット118がキュービット118の環境への情報を失う(例えば放出、緩和)可能性があるレートに比べて有利なレートである。例えば、キュービット(例えばキュービット118)は、固有のキュービット減衰時間T1を有しており、したがって、このようなキュービットは、読出しデバイス(例えば読出しデバイス116)に電気的に結合されていなくてもエネルギー(例えば量子情報)を失いうる。その結果として、いくつかの実施形態では、このようなキュービット(例えばキュービット118)を読出しデバイス116に電気的に結合することによって生じるエネルギー(例えば量子情報)の追加の損失を制限すること、もしくは位相緩和を制限すること、またはその両方を容易にすることができる、上式(1)もしくは上式(2)またはその両方のあるパラメータ(例えばキャビティ減衰率κ、キャビティ・プルχなど)の値を、実体が、(例えば上述のキュービット状態割当てシステム102のGUIを介して)選択することができる。これらの実施形態では、このような実体が、いくつかのパラメータがキュービット減衰時間T1を制限するのに有利に働き、他のパラメータが位相緩和を制限するのに有利に働くときにキュービット減衰時間T1と位相緩和とのバランスをとることを容易にすることができる、上式(1)もしくは上式(2)またはその両方のあるパラメータの値(例えばあるパラメータの最適値)を選択することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、読出しデバイス116を、キュービットもしくはそのようなキュービットの環境またはその両方に規定電気結合値に基づいて結合することができる。例えば、読出しデバイス116がマルチモード読出しデバイス(例えばマルチモード・マイクロ波共振器)を含む実施形態では、読出しデバイス116を、キュービット118もしくはキュービット118の環境またはその両方に規定電気結合値に基づいて電気的に(例えば容量的に、誘導的になど)結合することができる。例えば、約500kHzのキャビティ・プルχ値に基づいて、読出しデバイス116をキュービット118に電気的に結合することができ、このキャビティ・プルχ値は、キュービット118への読出しデバイス116の弱い電気結合を構成しうる。別の例では、約500kHzのキャビティ減衰率κ値に基づいて、読出しデバイス116をキュービット118に電気的に結合することができ、キャビティ減衰率κ値は、キュービット118の環境への読出しデバイス116の弱い電気結合を構成しうる。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、キュービット118は、さまざまなタイプの量子ビット(キュービット)を含むことができる。例えば、キュービット118は、限定はされないが、トランスモン・キュービット、チャージ・キュービット、フラックス・キュービット、フェーズ・キュービットもしくは別のタイプのキュービットまたはこれらの組合せを含むキュービットを含むことができる。いくつかの実施形態では、キュービット118が、1つまたは複数のジョセフソン接合を有するキュービットを含むことができる。本明細書で参照されるとき、ジョセフソン接合は、超伝導電流のジョセフソン効果を発現する超伝導構成要素を含むことができ、その場合、電流は、印加電圧なしでジョセフソン接合を横切って際限なく流れることができる。例えば、ジョセフソン接合は、例えば酸化アルミニウム(Al2O3)などの非超伝導性、非導電性材料を含むものとすることができるトンネル障壁(またはトンネル層)を使用して2つの超伝導体(例えば容量性パッド)を(例えば通信可能に、電気的に、動作可能になど)弱く結合することによって形成することができる。
【0045】
多数の実施形態によれば、電気回路120は、電流もしくは電気信号またはその両方が流れることができる導電性構成要素を含むことができる。例えば、電気回路120は、限定はされないが、電流(例えば交流もしくは直流またはその両方)もしくは電気信号(例えばマイクロ波周波数信号)またはその両方が流れることができる導線、トレース、コンデンサ、トランジスタ、抵抗器、ダイオードもしくはその他の構成要素、またはこれらの組合せを含む、導電性構成要素を含むことができる。別の例では、電気回路120が、限定はされないが、バス112、共振バスもしくは別のタイプのバスまたはこれらの組合せを含む、バスを含むことができる。数多くの実施形態では、電気回路120が、量子システム114、読出しデバイス116、キュービット118もしくはこれらに結合された構成要素(例えばキュービット状態割当てシステム102、解析構成要素108、割当て構成要素110など)またはこれらの組合せのさまざまな動作(例えば電流、電気信号もしくは電気データまたはこれらの組合せの転送、記憶もしくは変更またはこれらの組合せ)を容易にすることができる。
【0046】
数多くの実施形態によれば、線状受動マイクロ波構造体122が、マイクロ波周波数信号の伝送を容易にすることができる線状受動マイクロ波構造体を含むことができる。例えば、線状受動マイクロ波構造体122は、同軸ケーブル(例えば50オーム(Ω)ケーブル)、伝送線、バス(例えば共振バス)、導波管もしくは別の線状受動マイクロ波構造体、またはこれらの組合せを含むことができる。
【0047】
多数の実施形態によれば、外部電子デバイス124は、1つもしく複数の周波数(例えばシングル・トーン、マルチ・トーン)のマイクロ波信号を送信することができ、またはそのような1つもしくは複数の周波数の反射マイクロ波信号を受信することができ、あるいはその両方を行うことができる、任意の外部電子デバイスを含むことができる。例えば、外部電子デバイス124は、単一周波数または多数の周波数のマイクロ波信号を(例えば線状受動マイクロ波構造体122を介して)量子システム114、読出しデバイス116もしくはキュービット118またはこれらの組合せに送信することができるベクトル・ネットワーク・アナライザ(vector network analyzer)(VNA)を含むことができる。この例では、キュービット状態割当てシステム102もしくは外部電子デバイス124またはその両方が、単一周波数または多数の周波数のマイクロ波信号を受信することができ、このようなマイクロ波信号は、量子システム114、読出しデバイス116もしくはキュービット118またはこれらの組合せによって反射されたものとすることができる。この例では、外部電子デバイス124による単一周波数または多数の周波数のマイクロ波信号のこのような送信が、キュービット118をプロービングすることを構成することができる。
図1は、(例えばキュービット状態割当てシステム102もしくは量子システム114またはその両方の外部にある)リモート・デバイスとして外部電子デバイス124を示しているが、主題開示は、そのようなものに限定しないことを認識すべきである。例えば、いくつかの実施形態では、キュービット状態割当てシステム102が外部電子デバイス124を含むことができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、キュービット状態割当てシステム102が、外部電子デバイス124を使用して、キュービット118を上述のようにプロービングすることができ、このようなプロービングは、上述のとおりに決定することができる、規定キュービット読出し忠実度、規定キュービット減衰時間保護、規定キュービット位相緩和保護もしくは規定電気結合値、またはこれらの組合せに基づくことができる。これらの実施形態では、このようなプロービングに基づいて、キュービット状態割当てシステム102もしくはキュービット状態割当てシステム102の構成要素またはその両方が、量子システム114、読出しデバイス116もしくはキュービット118、またはこれらの組合せから、このようなプロービングに対応する反射マイクロ波信号を受信することができる。これらの実施形態では、解析構成要素108が、(例えば読出しデバイス116の応答を後述するように解析することによって)このような反射マイクロ波信号を解析することができる。これらの実施形態では、割当て構成要素110が、解析構成要素108によって実行されたこのような解析に基づいて、キュービット118の読出し状態(例えばキュービット状態)を割り当てることができる。これらの実施形態では、割当て構成要素110によるキュービット118の読出し状態のこのような割当てが、規定キュービット読出し忠実度、規定キュービット減衰時間保護もしくは規定キュービット位相緩和保護、またはこれらの組合せに基づいて読出し状態を割り当てることを構成することができる。
【0049】
多数の実施形態によれば、解析構成要素108は、キュービットに結合されたマルチモード読出しデバイスの応答を解析することができる。本明細書で参照されるとき、このような応答は、キュービット応答、キュービットの分散読出し(dispersive readout)、キュービット状態情報、量子情報、キュービット論理状態、キュービット応答関数、マイクロ波ポート応答、アドミタンス関数(行列)、マルチポート・アドミタンス関数(行列)、インピーダンス関数(行列)もしくは別の応答、またはこれらの組合せを含むことができるが、これらには限定されない。いくつかの実施形態では、解析構成要素108が、多数のモード(例えば異なるモード)を使用してキュービットを同時にまたは逐次的に並行してプロービングすることを容易にすることができるマルチモード読出しデバイスの応答を解析することができ、キュービットのこのような同時並行プロービングもしくは逐次並行プロービングまたはその両方は、多数のモードのうちのそれぞれのモードに対応する異なる読出し応答を提供することができる。例えば、解析構成要素108は読出しデバイス116の応答を解析することができ、読出しデバイス116は、読出しデバイス116の多数のモードの同時励起または逐次励起(本明細書では同時マルチ・トーン励起もしくは逐次マルチ・トーン励起または同時および逐次マルチ・トーン励起とも呼ばれる)に基づいてキュービット118をプロービングすることを容易にすることができるマルチモード読出しデバイス(例えばマルチモード・マイクロ波共振器)を含むことができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、
図1に示されているように、読出しデバイス116が、多数のハーモニック(例えばモード、トーン、チャネルなど)を含むことができる単一のマルチモード読出しデバイス(例えばマルチモード・マイクロ波共振器)を含むことができ、読出しデバイス116を多数の異なる周波数で刺激することによって、このようなそれぞれのハーモニックを別々に使用することができる。これらの実施形態では、このような刺激を同時にまたは逐次的に加えることができる。いくつかの実施形態では、読出しデバイス116のこのような刺激を容易にするため、システム100もしくはキュービット状態割当てシステム102またはその両方が、外部電子デバイス124(例えばVNA)を使用して、多数の周波数のマイクロ波信号を(例えば線状受動マイクロ波構造体122を介して)量子システム114、読出しデバイス116もしくはキュービット118またはこれらの組合せに送信することができる。これらの実施形態では、外部電子デバイス124による多数の周波数のマイクロ波信号のこのような送信が、キュービット118をプロービングすることを構成することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、上で説明したキュービット118のこのようなプロービングに基づいて、キュービット状態割当てシステム102もしくはキュービット状態割当てシステム102の構成要素(例えば解析構成要素108)またはその両方が、このような多数の周波数の反射マイクロ波信号を受信することができ、このようなマイクロ波信号は、量子システム114、読出しデバイス116もしくはキュービット118またはこれらの組合せによって反射されたものとすることができる。これらの実施形態では、キュービット状態割当てシステム102もしくは解析構成要素108またはその両方が、このような多数の周波数のこのようなマイクロ波信号を受信したことに基づいて、解析構成要素108が、後述する1つまたは複数の解析技法を使用して、マルチモード読出しデバイスの応答を、個別にもしくはひとまとめにまたはその両方で解析することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、解析構成要素108が、マルチモード読出しデバイスの応答を個別に解析して、それぞれの個々のモード応答に対応するキュービット状態判断(qubit state decision)を決定することができる。これらの実施形態では、割当て構成要素110が、応答もしくはこのような個別キュービット状態判断の解析またはその両方に基づいて、キュービットの読出し状態(例えばキュービット状態)を割り当てることができる。例えば、割当て構成要素110は、このような個別キュービット状態判断のうちの1つをキュービット118のキュービット状態であるとして選択することによって、キュービット118のキュービット状態を割り当てることができる。例えば、割当て構成要素110は、規定された1つまたは複数の判定基準を含む個別キュービット状態判断を選択することができる。この例では、例えば、割当て構成要素110が、規定されたブール値(例えば0または1)、規定された忠実度レベル(例えばこのような全ての個別キュービット状態判断の中の高い忠実度もしくは最も高い忠実度またはその両方)、規定された別の判定基準、または規定されたこのような判定基準の組合せを含むがここれらには限定されない、規定された判定基準を含む個体キュービット状態判断を選択することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、割当て構成要素110が、応答の多数決に基づいてキュービットの読出し状態(例えばキュービット状態)を割り当てることができる。例えば、解析構成要素108が、上述のように、それぞれの個々のモード応答に対応するキュービット状態判断を決定したことに基づいて、割当て構成要素110は、このような個別キュービット状態判断に多数決手法を適用することによって、キュービット118の読出し状態(例えばキュービット状態)を割り当てることができる。例えば、半分を超える(例えば50パーセント(50%)を超える)個別キュービット状態判断がある判断を含み、それによって多数票を構成している場合、割当て構成要素110は、そのような判断を、キュービット118の読出し状態(例えばキュービット状態)であるとして割り当てることができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、解析構成要素108が、このような応答をひとまとめに解析することによってマルチモード応答を解析することができる。例えば、解析構成要素108は、それぞれの個々のモード応答もしくは上述のようにそれぞれの個々のモードに対応するキュービット状態判断またはその両方を解析することとは対照的に、マルチモード応答の全体を解析することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、解析構成要素108が、全ての個々のモード応答の積分された応答(例えばカーネル積分応答)を解析することによってマルチモード応答の全体を解析することができる。例えば、解析構成要素108は、非線形判別解析(non-linear discrimination analysis)を使用することによってマルチモード応答の全体を解析することができ、個々のモード応答に対応するカーネル重み付き応答を、このような解析への入力として使用することができる。例えば、解析構成要素108は、線形判別解析(LDA)、2次判別解析(QDA)、サポート・ベクター・マシン(SVM、これは状態ベクトル・マシンとも呼ばれる)もしくは別の非線形判別解析またはこれらの組合せを含むがこれらに限定されない、非線形判別解析を使用することによってマルチモード応答の全体を解析することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、解析構成要素108が、(例えば上述の積分された応答とは対照的に)それぞれの個々のモード応答の完全な時間軌道を解析することによって、マルチモード応答の全体を解析することができる。例えば、解析構成要素108は、非線形判別解析を使用することによってマルチモード応答の全体を解析することができ、このような解析への入力として、個々のモード応答に対応する完全な時間軌道を使用することができる。例えば、解析構成要素108は、上述の非線形判別解析(例えばLDA、QDA、SVMなど)のうちの1つまたは複数の非線形判別解析を使用し、個々のモード応答に対応する完全な時間軌道をこのような解析への入力として使用することによって、マルチモード応答の全体を解析することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、割当て構成要素110が、応答、もしくはマルチモード応答の全体を解析するために解析構成要素108によって使用されたものとすることができる解析プロセスの出力、またはその両方に基づいてキュービットの読出し状態(例えばキュービット状態)を割り当てることができる。例えば、割当て構成要素110は、上述のとおりマルチモード応答の全体を解析するために解析構成要素108によって使用されたものとすることができるこのような非線形判別解析(例えばLDA、QDA、SVM)の出力に基づいて、キュービットの読出し状態を割り当てることができる。この例では、割当て構成要素110が、個々のモード応答に対応するカーネル積分応答(例えば、例えば電圧値、積分された電圧値などの実数値)、もしくは個々のモード応答に対応する完全な時間軌道(例えば、例えばf(t)または時間の関数としての電圧値V(t)など)、またはその両方に基づいて、キュービットの読出し状態を割り当てることができる。例えば、割当て構成要素110は、規定された1つまたは複数の判定基準(例えば規定された電圧値、時間の関数としての規定された電圧値V(t)など)を含むこのような非線形判別解析の出力を選択することによって、キュービット118の読出し状態を割り当てることができる。
【0058】
図2は、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態による、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当て構成要素を容易にすることができる例示的で非限定的なシステム200のブロック図を示している。簡潔にするため、対応するそれぞれの実施形態で使用されている同じ要素もしくはプロセスまたはその両方の繰返しの説明は省く。
【0059】
多数の実施形態によれば、システム200は、システム100の例示的で非限定的な代替実施形態を含むことができる。このような実施形態では、システム200の量子システム114が、キュービット118に電気的に(例えば容量的に、誘導的になど)結合されたものとすることができる多数の読出しデバイス116a、116b、116nを含むことができ、nは、キュービット118に結合することができる読出しデバイス116の総数を表すことができる。これらの実施形態では、読出しデバイス116a、116b、116nがシングル・モード読出しデバイスを含むことができ、それぞれのデバイスは、他の全ての読出しデバイス116a、116b、116nのモードとは異なる単一のモード(例えばチャネル、ハーモニック、トーンなど)を使用して動作することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、解析構成要素108が、キュービット118に電気的に結合されたこのような読出しデバイス116a、116b、116nの応答を解析することができる。例えば、(例えば外部電子デバイス124を介して)キュービット118をプロービングすること、もしくはこのようなプロービングに基づいて反射マイクロ波信号(例えばキュービット状態割当てシステム102もしくはキュービット状態割当てシステム102の構成要素によって受信される反射マイクロ波信号)を受信すること、またはその両方に基づいて、解析構成要素108は、
図1を参照して上で説明した1つまたは複数の解析技法(例えば個別キュービット状態判断の選択、多数決、LDA、QDA、SVMなど)を使用して、それぞれの読出しデバイス116a、116b、116nに対応するそれぞれのモードの応答を、個別にもしくはひとまとめにまたはその両方で解析することができる。この例では、割当て構成要素110が、このような応答、もしくは解析構成要素108によって実行された(例えば
図1を参照して上で説明した)解析の出力、またはその両方に基づいて、キュービット118の読出し状態を割り当てることができる。
【0061】
図3は、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態による、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当て構成要素を容易にすることができる例示的で非限定的なシステム300の上面図を示している。簡潔にするため、対応するそれぞれの実施形態で使用されている同じ要素もしくはプロセスまたはその両方の繰返しの説明は省く。
【0062】
多数の実施形態によれば、システム300は、
図1を参照して上で説明した量子システム114の一実施形態を含むことができ、量子システム114のこのような実施形態は超伝導チップ302を含むことができる。いくつかの実施形態では、超伝導チップ302が、多数の読出しデバイス116a、116b、116n、キュービット118、または1つもしくは複数のポート304a、304b、304n、あるいはこれらの組合せを含むことができ、このような読出しデバイス116a、116b、116nを、電気回路120を介して互いにもしくはキュービット118にまたはその両方に(例えば電気的に、通信可能に、動作可能に、機械的になど)結合することができる。いくつかの実施形態では、読出しデバイス116a、116b、116nにそれぞれポート304a、304b、304nを(例えば電気的に、通信可能に、動作可能に、機械的になど)結合することができる。いくつかの実施形態では、ポート304a、304b、304nをさらに、(例えば線状受動マイクロ波構造体122を介して)キュービット状態割当てシステム102もしくは外部電子デバイス124またはその両方に結合することができる。いくつかの実施形態では、ポート304a、304b、304nが、(例えば、
図1を参照して上で説明した外部電子デバイス124を介して)キュービット118をプロービングすること、もしくはこのようなプロービングに基づいて、読出しデバイス116a、116b、116nの読出し応答を(例えば、
図1を参照して上で説明したキュービット状態割当てシステム102もしくはキュービット状態割当てシステム102の構成要素またはその両方を介して)捕捉する(例えば取得する、測定する、解析する)こと、またはその両方を容易にすることができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、超伝導チップ302が、半導体基板上に実装することができる超伝導回路を含むことができる。例えば、超伝導チップ302は、1つまたは複数の半導体基板製造技法を利用して半導体基板(例えばシリコン基板)上に実装することができる超伝導回路(例えば量子回路、集積量子回路など)を含むことができる。例えば、フォトリソグラフィ、マイクロリソグラフィ、ナノリソグラフィ、ナノインプリント・リソグラフィ、フォトマスキング技法、パターニング技法、フォトレジスト技法(例えばポジ型フォトレジスト、ネガ型フォトレジスト、ハイブリッド型フォトレジストなど)、エッチング技法(例えば反応性イオン・エッチング(RIE)、ドライ・エッチング、ウェット・エッチング、イオン・ビーム・エッチング、プラズマ・エッチング、レーザ・アブレーションなど)、蒸着技法、スパッタリング技法、プラズマ・アッシング技法、熱処理(例えば高速熱アニール、炉アニール、熱酸化など)、物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)、原子層付着(ALD)、プラズマ加速化学蒸着(PECVD)、化学溶液付着、電気めっき、分子線エピタキシ(MBE)、電気化学付着(ECD)、リフトオフ技法、化学機械平坦化(CMP)、裏面研削技法、もしくは集積回路を製造するための別の技法、またはこれらの技法の組合せを含むが、これらに限定されない技法を使用することによって、超伝導チップ302もしくは超伝導チップ302の構成要素またはその両方を製造することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、さまざまな材料を使用して超伝導チップ302もしくは超伝導チップ302の構成要素の製造を実行することができる。例えば、導電性材料、半導体材料、超伝導材料、誘電体材料、ポリマー材料、有機材料、無機材料、非導電性材料、または上述の集積回路製造技法のうちの1つもしくは複数の技法とともに利用することができる別の材料、もしくはこれらの材料の組合せを含むがこれらに限定されない、1つまたは複数の異なる材料クラスの材料を使用して、超伝導チップ302もしくは超伝導チップ302の構成要素またはその両方を製造することができる。
【0065】
図4は、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態による、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当て構成要素を容易にすることができる例示的で非限定的なシステム400の電気概略図を示している。簡潔にするため、対応するそれぞれの実施形態で使用されている同じ要素もしくはプロセスまたはその両方の繰返しの説明は省く。
【0066】
多数の実施形態によれば、システム400は、
図3を参照して上で説明した超伝導チップ302の一実施形態を含むことができ、
図4は、超伝導チップ302のこのような実施形態の例示的で非限定的な電気概略トポロジを含むことができる。いくつかの実施形態では、システム400が、1つもしくは複数の環境キャパシタ402a、402b、402n、または1つもしくは複数のキュービット・キャパシタ404a、404b、404n、あるいはその両方を含むことができ、nは、このようなそれぞれのキャパシタの総数を表すことができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、環境キャパシタ402a、402b、402nをそれぞれポート304a、304b、304nに(例えば電気的に、通信可能に、動作可能に、機械的になど)結合することができる。いくつかの実施形態ではさらに、環境キャパシタ402a、402b、402nをそれぞれ読出しデバイス116a、116b、116nに(例えば電気的に、通信可能に、動作可能に、機械的になど)結合することができる。いくつかの実施形態では、環境キャパシタ402a、402b、402nが、対応するそれぞれの読出しデバイス116a、116b、116nのキュービット118の環境への電気結合を規定する(例えば設定する)ことを容易にすることができ、このような電気結合は、キャビティ減衰率κに基づくことができる。いくつかの実施形態では、(例えば、例えば人間ユーザなどの実体によって、キュービット状態割当てシステム102のGUIを介して)環境キャパシタ402a、402b、402nを(例えばキャビティ減衰率κの値を変更することにより)調整することによって、読出しデバイス116a、116b、116nのキュービット118の環境へのこのような電気結合を調節することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、キュービット・キャパシタ404a、404b、404nをそれぞれ読出しデバイス116a、116b、116nに(例えば電気的に、通信可能に、動作可能に、機械的になど)結合することができる。いくつかの実施形態ではさらに、キュービット・キャパシタ404a、404b、404nを(例えば電気回路120を介して)キュービット118に(例えば電気的に、通信可能に、動作可能に、機械的になど)結合することができる。いくつかの実施形態では、キュービット・キャパシタ404a、404b、404nが、線共振(line resonance)(例えばシステム400もしくは読出しデバイス116a、116b、116nまたはその両方の線共振)を減結合することを容易にすることができる。いくつかの実施形態では、キュービット・キャパシタ404a、404b、404nが、対応するそれぞれの読出しデバイス116a、116b、116nのキュービット118への電気結合を規定する(例えば設定する)ことを容易にすることができ、このような電気結合は、キャビティ・プルχに基づくことができる。いくつかの実施形態では、(例えば、例えば人間ユーザなどの実体によって、キュービット状態割当てシステム102のGUIを介して)キュービット・キャパシタ404a、404b、404nを(例えばキャビティ・プルχの値を変更することにより)調整することによって、読出しデバイス116a、116b、116nのキュービット118へのこのような電気結合を調節することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、システム400が、1つまたは複数の読出しデバイス(例えば読出しデバイス116もしくは読出しデバイス116a、116b、116nまたはその両方)を使用してキュービット読出し状態をプロービングすることもしくは測定すること、またはその両方を容易にするように実装されたものとすることができる等価回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、システム400が、例えば
図4に示された環境キャパシタ402a、402b、402nもしくはキュービット・キャパシタ404a、404b、404nまたはその両方を使用することによって、どのようにすれば読出しデバイス116a、116b、116nを一緒に(例えば電気的に)結合することができるのか、およびどのようにすれば読出しデバイス116a、116b、116nをひとまとめにキュービット(例えばキュービット118)に(例えば電気的に)結合することができるのかを示すことができる。いくつかの実施形態では、例えば、システム400が等価回路を含む場合、そのような回路は、主題開示の1つまたは複数の実施形態に従って本明細書で説明されたとおりにキュービット読出し状態をプロービングすることもしくはその状態を測定すること、またはその両方を容易にすることができるよう等価回路を決定するのに使用可能な(例えばキュービット状態割当てシステム102を介した)電磁シミュレーションの完了後に作成することができる。
【0070】
図5は、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態による、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当て構成要素を容易にすることができる例示的で非限定的な情報500を示す。簡潔にするため、対応するそれぞれの実施形態で使用されている同じ要素もしくはプロセスまたはその両方の繰返しの説明は省く。
【0071】
多数の実施形態によれば、情報500は、
図1を参照して上で説明した式(1)のプロットを含むことができる。いくつかの実施形態では、情報500が、1つまたは複数のモードの測定を継続するにつれて割当てエラーがどのように低減し、続いてどのように増大しうるのかを示すことができ、このことは、割当てエラーを最小化することができる最適時間が存在することを示しうる。これらの実施形態では、その最適時間に関して、モードの数を増やすことによって割当てエラーを低減させることができ、測定時間も短縮することができる。これらの実施形態では、線プロット502が1つのモードを含むことができ、線プロット504が3つのモードを含むことができ、線プロット506が5つのモードを含むことができ、線プロット508が7つのモードを含むことができ、もしくは線プロット510が9つのモードを含むことができ、またはこれらの組合せであることができる。
【0072】
図6は、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態による、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当て構成要素を容易にすることができる例示的で非限定的な情報600を示している。簡潔にするため、対応するそれぞれの実施形態で使用されている同じ要素もしくはプロセスまたはその両方の繰返しの説明は省く。
【0073】
多数の実施形態によれば、情報600は対数(log)スケールを含むことができ、x軸は、読出しデバイス116のモードの数nを表すことができ、y軸は、互いに重ねて示された別個の2つの値を含むことができる。例えば、情報600のy軸は、割当てエラーのlog(例えば、読出しエラーのlogもしくは読出し測定のlogまたはその両方)を表す第1の値、および時間(例えば秒)を表す第2の値を含むことができ、第1の値は、
図6に示された黒い点602に対応することができ、第2の値は、
図6の灰色の点604によって表されたキュービット減衰時間もしくは
図6の白い点606によって表された位相緩和時間またはその両方に対応することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、情報600が、下に規定された仮定に基づくことができ、Γはレートを示すことができ、Γ
T1は、キュービット減衰のレートを示すことができ、
【数7】
は、位相緩和を示すことができ、もしくは
【数8】
は、キュービット位相緩和のレートを示すことができ、またはこれらの組合せとすることができる。いくつかの実施形態では、情報600が、1つのモード
【数9】
もしくは
【数10】
またはその両方に基づくことができ、mは、読出しモードの数を示すことができる。
仮定:
【数11】
【0075】
いくつかの実施形態では、情報600が、キュービット減衰もしくは位相緩和またはその両方がどのように進みうるのかを、読出しデバイス116のモードの数n(例えばチャネル、トーン、ハーモニックなどの数)の関数として示すことができる。例えば、情報600によって示されているとおり、キュービット減衰もしくは位相緩和またはその両方は、読出し忠実度(例えば読出しによって得ることができる量子情報)が大きくなりうるレートよりも遅いレートで大きくなりうる(例えば増大しうる)。例えば、情報600によって示されているとおり、黒い点602の傾きは、灰色の点604の傾きもしくは白い点606の傾きまたはその両方よりも大きくなり得、このことは、読出し(例えば読出し応答)においては、読出しプロセスによって誘発されうるキュービット減衰もしくは位相緩和またはその両方によって引き起こされるエラーの量よりも速く割当てエラーが減衰しうることを示す。
【0076】
いくつかの実施形態では、情報600のy軸に表示された時間値(例えばキュービット減衰時間もしくは位相緩和時間またはその両方)が、読出しプロセスによってキュービット(例えばキュービット118)に加えられる全減衰時間を表しうる。これらの実施形態では、情報600によって示されているとおり、モードの数nが増えると、キュービットが緩和するための追加のモード(例えばチャネル)が導入されるため、このような時間値は低下しうる。
【0077】
いくつかの実施形態では、灰色の点604もしくは白い点606もしくはその両方の低下する傾きが、時間がより短くなっていることにより、キュービット減衰もしくは位相緩和またはその両方が増大していることを示す。しかしながら、これらの実施形態では、情報600によって示されているように、このようなキュービット減衰もしくは位相緩和またはその両方の増大が、読出しエラーが低減するレートよりもはるかに遅いレートで起こりうる(例えば、黒い点602の傾きの低下は、灰色の点604および白い点606のそれに比べて大きい)。いくつかの実施形態では、情報600が、灰色の点604および白い点606の傾きが低下するレートが、黒い点602の傾きが低下するレートよりも遅いことを示す。いくつかの実施形態では、情報600によって示されているように、多数のモードn(例えば
図5に示されているように9つのモード)を使用することによって、黒い点602は約3桁低下することができ、灰色の点604および白い点606は約1桁低下することができる。
【0078】
図7は、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態による、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当て構成要素を容易にすることができる例示的で非限定的な情報700を示している。簡潔にするため、対応するそれぞれの実施形態で使用されている同じ要素もしくはプロセスまたはその両方の繰返しの説明は省く。
【0079】
多数の実施形態によれば、情報700は、3つの個々のモード、例えば3つの読出しデバイスの3つの個々のモードを示しており、それらの個々のモードは、読出しデバイスが独立してもしくは同時にまたはその両方でプロービングすることができるシフトされた周波数(例えば6.91ギガヘルツ(GHz)、6.989GHzおよび7.07GHz)で共振することができる。いくつかの実施形態では、情報700が、それぞれの読出しデバイス(例えば
図2、3および4を参照して上で説明した読出しデバイス116a、116b、116n)、もしくはマルチモード読出しデバイス(例えば
図1を参照して上で説明した読出しデバイス116)のそれぞれのモード、またはその両方の共振を表しうる。この共振は、y軸に沿って表示されたデシベル(dB)で表された信号電力およびx軸に沿って表示された周波数(GHz)として示されている。いくつかの実施形態では、主題開示が、キュービット(例えばキュービット118の読出し状態)についての情報(例えば量子情報)を得るために、(例えばキュービット状態割当てシステム102、外部電子デバイス124などを介して、)このような読出しデバイスを、ほぼ
図7に示された周波数で(例えば同時にもしくは独立してまたはその両方で)励起しうることを、情報700が示す。
【0080】
いくつかの実施形態では、キュービット状態割当てシステム102を、さまざまな技術に関連づけられたマルチモード・キュービット読出しおよび状態割当てシステム、もしくはマルチモード・キュービット読出しおよび状態割当てプロセス、またはその両方とすることができる。例えば、キュービット状態割当てシステム102を、超伝導量子回路技術、量子ビット(キュービット)技術、回路量子電磁力学(回路QED)技術、量子コンピューティング技術、スケーラブル量子コンピューティング・アーキテクチャ技術、表面符号アーキテクチャ技術、表面符号エラー訂正アーキテクチャ技術、量子ハードウェア技術もしくはその他の技術、またはこれらの技術の組合せに関連づけることができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、キュービット状態割当てシステム102が、システム、デバイス、構成要素、動作ステップもしくは処理ステップまたはこれらの組合せに対して、上で識別されたさまざまな技術に関連する技術的改善を提供することができる。例えば、キュービット状態割当てシステム102は、読出しデバイス(例えば読出しデバイス116)の多数のモードもしくは多数の読出しデバイス(例えば読出しデバイス116a、116b、116n)の異なる個々のモードまたはその両方、および(例えばそれぞれ解析構成要素108もしくは割当て構成要素110またはその両方によって実行される)本明細書に記載された応答解析技法もしくはキュービット状態割当て技法またはその両方を使用することによって、改善されたキュービット読出し忠実度を提供することを容易にすることができる。この例では、キュービット状態割当てシステム102が、例えばパーセル効果の増大(例えばキュービット減衰の増大)もしくは位相緩和の増大またはその両方など、キュービット読出し実行の増加に関連した不利益を被ることなく、このような改善されたキュービット読出し忠実度を提供することを容易にすることができる。この例では、キュービット状態割当てシステム102が、キュービット読出し実行の増加に関連したこのような不利益を被ることなく、および嵩張る別個のパーセル・フィルタもしくは(例えばキュービット118に)強く結合された別個のパーセル・フィルタまたはその両方を使用することなしに、このような改善されたキュービット読出し忠実度を提供することを容易にすることができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、キュービット状態割当てシステム102が、処理ユニット(例えばプロセッサ106)に対して、量子コンピューティング・デバイス(例えば量子プロセッサ、量子ハードウェアなど)、回路QEDシステムもしくは超伝導量子回路またはこれらの組合せに関連する技術的改善を提供することができる。例えば、キュービット状態割当てシステム102を、キュービット(例えばキュービット118)もしくはキュービットの環境またはその両方に弱く結合することができ(例えば読出しデバイス116および
図1に関して上で規定した弱い電気結合)、このような弱い結合は、(例えばキュービット状態割当てシステム102によって実行されたシミュレーションの)シミュレーション結果の改善された正確さを容易にすることができる。この例では、このようなシミュレーション結果のこのような改善された正確さが、キュービット状態割当てシステム102に関連づけられた処理ユニット(例えばプロセッサ106)の改善された処理の正確さ、改善された処理効率もしくは改善された処理性能またはこれらの組合せを容易にすることができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、キュービット状態割当てシステム102が、ハードウェアもしくはソフトウェアまたはその両方を使用して、その性質において高度に技術的であり、抽象的ではなく、人間による一組の頭脳行為として実行することができない問題を解決することができる。例えば、キュービット状態割当てシステム102は、キュービットに結合されたマルチモード読出しデバイスの応答を解析すること、キュービットに結合された読出しデバイスの応答を解析すること、もしくはキュービットの読出し状態をそれらの応答に基づいて割り当てること、またはこれらの組合せを容易にすることができる。このような例では、キュービット状態割当てシステム102が、マイクロ波周波数信号を処理すること、ならびに/または多数の変数を含む複雑なさまざまな数学的関数および/もしくはアルゴリズム(例えば、
図1を参照して上で説明した式(1)および/もしくは(2))を使用して、本明細書に記載されたキュービット状態割当てシステム102のさまざまな動作の実行を容易にすることができる。
【0084】
キュービット状態割当てシステム102は、人間の頭脳内で複製することまたは人間が実行することができないマルチモード・キュービット読出しおよび状態割当てプロセスを、電気構成要素、機械構成要素および回路のさまざまな組合せを利用して実行することができることを認識すべきである。例えば、キュービットに結合されたマルチモード読出しデバイスの応答および/もしくはキュービットに結合された多数のシングル・モード読出しデバイスの応答を、さまざまな電気接続、電気回路およびマイクロ波周波数信号を使用して解析すること、ならびに/または、キュービットの読出し状態をそれらの応答に基づいて割り当てることは、人間の頭脳の能力を超える演算である。例えば、処理されるデータの量、そのようなデータを処理する速度、もしくはある時間にわたってキュービット状態割当てシステム102によって処理されるデータのタイプ、またはこれらの組合せは、同じ時間に人間の頭脳が処理することができる量、速度もしくはデータ・タイプまたはこれらの組合せよりも大きくすること、速くすること、もしくはそれらとは異なるものとすること、またはこれらの組合せとすることができる。
【0085】
いくつかの実施形態によれば、キュービット状態割当てシステム102がさらに、上述のマルチモード・キュービット読出しおよび状態割当てプロセスをも実行しながら、1つまたは複数の他の機能を実行することに対しても完全にオペレーショナルであること(例えば完全にパワーオンされること、完全に実行されることなど)ができる。このような同時マルチオペレーショナル実行は、人間の頭脳の能力を超えていることを認識すべきである。キュービット状態割当てシステム102は、人間ユーザなどの実体が手作業で得ることが不可能な情報を含むことができることも認識すべきである。例えば、解析構成要素108もしくは割当て構成要素110またはこの両方に含まれる情報のタイプ、量もしくは多様性またはこれらの組合せは、人間ユーザが手作業で得る情報よりも複雑でありうる。
【0086】
図8は、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態による、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当て構成要素を容易にすることができる例示的で非限定的なコンピュータ実装方法800の流れ図を示している。簡潔にするため、対応するそれぞれの実施形態で使用されている同じ要素もしくはプロセスまたはその両方の繰返しの説明は省く。
【0087】
802で、プロセッサ(例えばプロセッサ106)に動作可能に結合されたシステム(例えばキュービット状態割当てシステム102もしくは解析構成要素108またはその両方)によって、キュービット(例えばキュービット118)に結合されたマルチモード読出しデバイス(例えば読出しデバイス116)の応答(例えばキュービット応答、キュービットの分散読出し、キュービット状態情報、量子情報など)を解析する。804で、システム(例えばキュービット状態割当てシステム102もしくは割当て構成要素110またはその両方)によって、キュービットの読出し状態(例えばキュービット状態)をこれらの応答に基づいて割り当てる。
【0088】
図9は、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態による、マルチモード・キュービット読出しおよび状態割当て構成要素を容易にすることができる例示的で非限定的なコンピュータ実装方法900の流れ図を示している。簡潔にするため、対応するそれぞれの実施形態で使用されている同じ要素もしくはプロセスまたはその両方の繰返しの説明は省く。
【0089】
902で、(例えばキュービット状態割当てシステム102もしくは解析構成要素108またはその両方を介して)プロセッサ(例えばプロセッサ106)に動作可能に結合されたシステムによって、キュービット(例えばキュービット118)に結合された読出しデバイス(例えば読出しデバイス116a、116b、116n)の応答(例えばキュービット応答、キュービットの分散読出し、キュービット状態情報、量子情報など)を解析する。904で、システム(例えばキュービット状態割当てシステム102もしくは割当て構成要素110またはその両方)によって、キュービットの読出し状態(例えばキュービット状態)をこれらの応答に基づいて割り当てる。
【0090】
説明を単純にするため、コンピュータ実装方法は、一連の動作として示され、説明される。本イノベーションは、示された動作によって、もしくは動作の順序によって、またはその両方によって限定されるものではなく、例えば、動作は、さまざまな順序でもしくは同時に、またはその両方で実施することができ、本明細書に示されていない他の動作および本明細書に記載されてない他の動作とともに実施することができることを理解および認識すべきである。さらに、開示された本発明に従ってコンピュータ実装方法を実施するのに、示された全ての動作が必要であるというわけではない。さらに、代替として、コンピュータ実装方法を、状態図または事象によって、相互に関係づけられた一連の状態として表すことができることを当業者は理解および認識するであろう。さらに、以下に開示されるコンピュータ実装方法および本明細書の全体を通して開示されるコンピュータ実装方法は、そのようなコンピュータ実装方法をコンピュータに移送および転送することを容易にするために、製品上に記憶することができることも認識すべきである。本明細書で使用されるとき、製品という用語は、任意のコンピュータ可読デバイスまたはストレージ媒体からアクセス可能なコンピュータ・プログラムを包含することが意図されている。
【0091】
開示された本発明のさまざまな態様に対する背景を提供するため、
図10および以下の議論は、開示された本発明の様々な態様を実施することができる適当な環境の一般的な説明を提供することが意図されている。
図10は、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態を容易にすることができる例示的で非限定的な動作環境のブロック図を示している。簡潔にするため、本明細書に記載された他の実施形態で使用されている同じ要素の繰返しの説明は省く。
【0092】
図10を参照すると、本開示のさまざまな態様を実施するための適当な動作環境1000はさらに、コンピュータ1012を含むことができる。コンピュータ1012はさらに、処理ユニット1014、システム・メモリ1016およびシステム・バス1018を含むことができる。システム・バス1018は、限定はされないが、システム・メモリ1016を含むシステム構成要素を処理ユニット1014に結合する。処理ユニット1014は、使用可能なさまざまなプロセッサのうちの任意のプロセッサとすることができる。デュアル・マイクロプロセッサおよびその他のマルチプロセッサ・アーキテクチャを処理ユニット1014として使用することもできる。システム・バス1018は、限定はされないがインダストリアル・スタンダード・アーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネル・アーキテクチャ(MCA)、拡張ISA(EISA)、インテリジェント・ドライブ・エレクトロニクス(IDE)、VESAローカル・バス(VLB)、ペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト(PCI)、カード・バス、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、アドバンスト・グラフィクス・ポート(AGP)、Firewire(IEEE 1394)、およびスモール・コンピュータ・システムズ・インターフェース(SCSI)を含む任意の使用可能なさまざまなバス・アーキテクチャを使用した、メモリ・バスもしくはメモリ・コントローラ、周辺バスもしくは外部バス、またはローカル・バス、あるいはこれらの組合せを含む、いくつかのタイプのバス構造体のうちの任意のバス構造体とすることができる。
【0093】
システム・メモリ1016はさらに、揮発性メモリ1020および不揮発性メモリ1022を含むことができる。不揮発性メモリ1022には基本入出力システム(BIOS)が記憶されており、BIOSは、起動中などにコンピュータ1012内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む。コンピュータ1012はさらに、取外し可能/非取外し可能な揮発性/不揮発性コンピュータ・ストレージ媒体を含むことができる。
図10は例えばディスク・ストレージ1024を示している。ディスク・ストレージ1024はさらに、限定はされないが、磁気ディスク・ドライブ、フロッピー(R)・ディスク・ドライブ、テープ・ドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-100ドライブ、フラッシュ・メモリ・カードまたはメモリ・スティックのようなデバイスを含むことができる。ディスク・ストレージ1024はさらに、他のストレージ媒体とは別個の、または他のストレージ媒体と組み合わされた、ストレージ媒体を含むことができる。システム・バス1018へのディスク・ストレージ1024の接続を容易にするため、通常は、インターフェース1026などの取外し可能なまたは非取外し可能なインターフェースが使用される。
図10はさらに、適当な動作環境1000の中で説明した基本コンピュータ・リソースとユーザとの間の媒介物として機能するソフトウェアを示している。このようなソフトウェアはさらに、例えばオペレーティング・システム1028を含むことができる。ディスク・ストレージ1024に記憶することができるオペレーティング・システム1028は、コンピュータ1012のリソースの制御および割振りを実行するように機能する。
【0094】
システム・アプリケーション1030は、例えばシステム・メモリ1016またはディスク・ストレージ1024のいずれかに記憶されたプログラム・モジュール1032およびプログラム・データ1034を介したオペレーティング・システム1028によるリソースの管理を利用する。本開示は、さまざまなオペレーティング・システムまたはオペレーティング・システムの組合せを用いて実施することができることを認識すべきである。ユーザは、入力デバイス1036を介してコンピュータ1012にコマンドまたは情報を入力する。入力デバイス1036は、限定はされないが、マウスなどのポインティング・デバイス、トラックボール、スタイラス、タッチ・パッド、キーボード、マイクロホン、ジョイスティック、ゲーム・パッド、衛星アンテナ、スキャナ、TVチューナ・カード、デジタル・カメラ、デジタル・ビデオ・カメラ、ウェブ・カメラなどを含む。これらの入力デバイスおよびその他の入力デバイスは、インターフェース・ポート1038を介し、システム・バス1018を通して処理ユニット1014に接続する。インターフェース・ポート1038は、例えばシリアル・ポート、パラレル・ポート、ゲーム・ポートおよびユニバーサル・シリアル・バス(USB)を含む。出力デバイス1040は、入力デバイス1036と同じタイプのポートのうちのいくつかのポートを使用する。したがって、例えば、USBポートを使用して、コンピュータ1012に入力を提供すること、およびコンピュータ1012から出力デバイス1040に情報を出力することができる。とりわけモニタ、スピーカおよびプリンタのように、専用アダプタを必要とするいくつかの出力デバイス1040があることを示すために、出力アダプタ1042が提供されている。例として、出力アダプタ1042は、限定はされないが、出力デバイス1040とシステム・バス1018の間の接続手段を提供するビデオ・カードおよびサウンド・カードを含む。リモート・コンピュータ1044などの他のデバイスもしくはデバイス・システムまたはその両方は、入力機能と出力機能の両方を提供することに留意すべきである。
【0095】
コンピュータ1012は、ネットワーク化された環境内で、リモート・コンピュータ1044などの1つまたは複数のリモート・コンピュータへの論理接続を使用して動作することができる。リモート・コンピュータ1044は、コンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサ・ベースの機器、ピア・デバイスまたは他の一般的なネットワーク・ノードなどであることができ、通常はさらに、コンピュータ1012に関して説明した要素のうちの多くの要素または全ての要素を含むことができる。簡潔にするため、リモート・コンピュータ1044にはメモリ・ストレージ・デバイス1046だけが示されている。リモート・コンピュータ1044は、ネットワーク・インターフェース1048を介してコンピュータ1012に論理的に接続されており、次いで通信接続1050を介して物理的に接続されている。ネットワーク・インターフェース1048は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、セル方式ネットワークなどの有線もしくは無線通信ネットワークまたはその両方を包含する。LAN技術は、光ファイバ分散データ・インターフェース(FDDI)、銅線分散データ・インターフェース(CDDI)、Ethernet(R)、トークン・リングなどを含む。WAN技術は、限定はされないが、ポイント・ツー・ポイント・リンク、回線交換ネットワーク、例えば統合サービス・デジタル・ネットワーク(ISDN)およびその変形物、パケット交換ネットワーク、ならびにデジタル加入者線(DSL)を含む。通信接続1050は、ネットワーク・インターフェース1048をシステム・バス1018に接続するのに使用されるハードウェア/ソフトウェアを指す。図を分かりやすくするために、通信接続1050はコンピュータ1012の内側に示されているが、通信接続1050をコンピュータ1012の外側に置くこともできる。例示だけが目的だが、ネットワーク・インターフェース1048に接続するためのハードウェア/ソフトウェアはさらに、通常の電話機グレードのモデム、ケーブル・モデムおよびDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタならびにEthernet(R)カードなどの内部および外部技術を含むことができる。
【0096】
本発明は、インテグレーションのあらゆる可能な技術的詳細レベルにおける、システム、方法、装置もしくはコンピュータ・プログラム製品、またはこれらの組合せであることができる。コンピュータ・プログラム製品は、本発明の諸態様をプロセッサに実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令をその上に有するコンピュータ可読ストレージ媒体を含むことができる。コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行デバイスが使用するための命令を保持および記憶することができる有形のデバイスとすることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体は例えば、限定はされないが、電子ストレージ・デバイス、磁気ストレージ・デバイス、光学ストレージ・デバイス、電磁気ストレージ・デバイス、半導体ストレージ・デバイスまたはこれらの任意の適当な組合せとすることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体のより具体的な例の非網羅的なリストはさらに、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル・リード・オンリー・メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクト・ディスク・リード・オンリー・メモリ(CD-ROM)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピー(R)・ディスク、機械的にコード化されたデバイス、例えばパンチカードまたはその上に命令が記録された溝の中の一段高くなった構造体、およびこれらの任意の適当な組合せを含みうる。本明細書で使用されるコンピュータ可読ストレージ媒体は、それ自体が一過性の信号、例えば電波もしくは他の自由に伝搬する電磁波、ウェーブガイドもしくは他の伝送媒体内を伝搬する電磁波(例えば光ファイバ・ケーブル内を通る光パルス)、または導線を通して伝送される電気信号であると解釈されるべきではない。
【0097】
本明細書に記載されたコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読ストレージ媒体から対応するそれぞれのコンピューティング/処理デバイスにダウンロードすることができ、またはネットワーク、例えばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワークもしくは無線ネットワークまたはそれらの組合せを介して外部コンピュータもしくは外部ストレージ・デバイスにダウンロードすることができる。このネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータもしくはエッジ・サーバ、またはこれらの組合せを含むことができる。それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェースは、コンピュータ可読プログラム命令をネットワークから受け取り、それらのコンピュータ可読プログラム命令を、対応するそれぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読ストレージ媒体に記憶するために転送する。本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データもしくは集積回路用の構成データとすることができ、またはSmalltalk(R)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語および「C」プログラミング言語もしくは同種のプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語を含む、1つもしくは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれた、ソース・コードもしくはオブジェクト・コードのいずれかとすることもできる。このコンピュータ可読プログラム命令は、その全体をユーザのコンピュータ上で実行することができ、一部をユーザのコンピュータ上で実行することができ、独立型ソフトウェア・パッケージとして実行することができ、一部をユーザのコンピュータ上で、一部をリモート・コンピュータ上で実行することができ、または全体をリモート・コンピュータもしくはリモート・サーバ上で実行することができる。上記の最後のシナリオでは、リモート・コンピュータを、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)もしくはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができ、またはこの接続を、外部コンピュータに対して(例えばインターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを介して)実施することができる。いくつかの実施形態では、本発明の諸態様を実施するために、例えばプログラム可能論理回路、フィールドプログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)またはプログラム可能論理アレイ(PLA)を含む電子回路が、このコンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用してその電子回路をパーソナライズすることにより、このコンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0098】
本明細書では、本発明の諸態様が、本発明の実施形態による方法、装置(システム)およびコンピュータ・プログラム製品の流れ図もしくはブロック図またはその両方の図を参照して説明される。それらの流れ図もしくはブロック図またはその両方の図のそれぞれのブロック、およびそれらの流れ図もしくはブロック図またはその両方の図のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施することができることが理解される。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、流れ図もしくはブロック図またはその両方の図の1つまたは複数のブロックに指定された機能/動作を実施する手段を生成するように、汎用コンピュータ、専用コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供されてマシンを作り出すことができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令はさらに、命令が記憶されたコンピュータ可読ストレージ媒体が、流れ図もしくはブロック図またはその両方の図の1つまたは複数のブロックに指定された機能/動作の態様を実施する命令を含む製品を含むようにコンピュータ可読ストレージ媒体に記憶され、コンピュータ、プログラム可能データ処理装置もしくは他のデバイスまたはこれらの組合せに特定の方式で機能するように指示することができる。コンピュータ可読プログラム命令はさらに、コンピュータ、他のプログラム可能装置または他のデバイス上で実施される命令が、流れ図もしくはブロック図またはその両方の図の1つまたは複数のブロックに指定された機能/動作を実施するように、コンピュータによって実施されるプロセスを生み出すために、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置または他のデバイス上にロードされ、コンピュータ、他のプログラム可能装置または他のデバイス上で一連の動作行為を実行させることができる。
【0099】
添付図中の流れ図およびブロック図は、本発明のさまざまな実施形態によるシステム、方法およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実施態様のアーキテクチャ、機能および動作を示している。この点に関して、それらの流れ図またはブロック図のそれぞれのブロックは、指定された論理機能を実施するための1つまたは複数の実行可能命令を含む、命令のモジュール、セグメントまたは部分を表しうる。いくつかの代替実施態様では、これらのブロックに示された機能を、図に示された順序とは異なる順序で実施することができる。例えば、連続して示された2つのブロックを、実際には、実質的に同時に実行することができ、または、含まれる機能によってはそれらのブロックを逆の順序で実行することもできる。それらのブロック図もしくは流れ図またはその両方の図のそれぞれのブロック、ならびにそれらのブロック図もしくは流れ図またはその両方の図のブロックの組合せを、指定された機能もしくは動作を実行しまたは専用ハードウェアとコンピュータ命令の組合せを実施するハードウェアベースの専用システムによって実施することができることにも留意すべきである。
【0100】
以上に、1つのコンピュータ上もしくは複数のコンピュータ上またはその両方でランするコンピュータ・プログラム製品のコンピュータ実行命令の一般的な文脈で本発明を説明したが、他のプログラム・モジュールと組み合わせて本開示を実施することもできることを当業者は認識するであろう。一般に、プログラム・モジュールは、特定のタスクを実行し、もしくは特定の抽象データ型を実装し、またはその両方を実行する、ルーチン、プログラム、構成要素、データ構造などを含む。さらに、本発明のコンピュータ実装方法は、シングルプロセッサまたはマルチプロセッサ・コンピュータ・システム、ミニコンピューティング・デバイス、メインフレーム・コンピュータ、ならびにコンピュータ、ハンドヘルド・コンピューティング・デバイス(例えばPDA、電話機)、マイクロプロセッサ・ベースのまたはプログラム可能な家庭用または産業用電子機器などを含む、他のコンピュータ・システム構成を用いて実施することもできることを当業者は認識するであろう。示された態様は、通信ネットワークを通してリンクされたリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散コンピューティング環境で実施することもできる。しかしながら、全部ではないにせよ、本開示の一部の態様を、独立型コンピュータ上で実施することもできる。分散コンピューティング環境では、ローカル・メモリ・ストレージ・デバイスとリモート・メモリ・ストレージ・デバイスの両方にプログラム・モジュールを置くことができる。
【0101】
本明細書で使用されるとき、用語「構成要素」、「システム」、「プラットホーム」、「インターフェース」などは、1つもしくは複数の特定の機能を有する実体であって、コンピュータもしくはオペレーショナル・マシン(operational machine)に関係した実体を指すことができ、またはそのようは実体を含むことができ、またはその両方であることができる。本明細書に開示された実体は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組合せ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアのいずれかであることができる。例えば、構成要素は、限定はされないが、プロセッサ上でランしているプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能物(executable)、実行スレッド、プログラムもしくはコンピュータ、またはこれらの組合せであることができる。例として、サーバ上でランしているアプリケーションとサーバの両方が構成要素であることがある。プロセスもしくは実行スレッドまたはその両方の中に、1つまたは複数の構成要素が存在することができ、構成要素は、1つのコンピュータ上に限局されていること、もしくは2つ以上のコンピュータ間に分散化されていること、またはその両方であることができる。別の例では、さまざまなデータ構造がその上に記憶されたさまざまなコンピュータ可読媒体から、対応するそれぞれの構成要素を実行することができる。構成要素は、ローカル・プロセスもしくはリモート・プロセスまたはその両方を介して、例えば1つまたは複数のデータ・パケット(例えば、ローカル・システム内で、分散システム内で、もしくはインターネットなどのネットワークを横切って、またはこれらの組合せで、他のシステムとともに、信号を介して別の構成要素と対話している1つの構成要素からのデータ)を有する信号に従って通信することができる。別の例として、構成要素は、電気または電子回路によって操作される機械部品によって提供される特定の機能を有する装置であることができ、この電気または電子回路は、プロセッサによって実行されるソフトウェアまたはファームウェア・アプリケーションによって操作される。このような場合、プロセッサは、装置内または装置外に置くことができ、ソフトウェア・アプリケーションまたはファームウェア・アプリケーションの少なくとも一部を実行することができる。さらに別の例として、構成要素は、機械部品を含まない電子構成要素を介して特定の機能を提供する装置であることができ、それらの電子構成要素は、電子構成要素の機能を少なくとも部分的に与えるソフトウェアまたはファームウェアを実行するためのプロセッサまたは他の方法を含むことができる。一態様では、構成要素が、例えばクラウド・コンピューティング・システム内で、仮想マシンを介して電子構成要素をエミュレートすることができる。
【0102】
さらに、用語「または」は、排他的な「または」ではなく包括的な「または」を意味することが意図されている。すなわち、特段の記載がある場合、または文脈から明白である場合を除き、「XがAまたはBを使用する」は、自然な包括的置換(natural inclusive permutation)のうちのいずれかを意味することが意図されている。すなわち、XがAを使用する場合、XがBを使用する場合、またはXがAとBの両方を使用する場合、「Xが、AまたはBを使用する」は、上記の事例のうちのいずれの下でも満たされる。さらに、特段の記載がある場合、または単数形を指示していることが文脈から明白である場合を除き、本明細書および添付図面で使用される冠詞「a」および「an」は、一般に、「1つまたは複数」を意味すると解釈すべきである。本明細書で使用されるとき、用語「例」もしくは「例示的な」またはその両方は、例、事例または例示として役に立つものであることを意味するために利用される。誤解を避けるために言うと、本明細書に開示された主題はこのような例によって限定されない。さらに、「例」もしくは「例示的な」またはその両方として本明細書に記載された任意の態様または設計を、他の態様または設計よりも好ましいまたは有利であると解釈する必要は必ずしもなく、あるいは、そのような態様または設計が、当業者に知られている等価の例示的な構造体および技法を排除することも意味しない。
【0103】
本明細書で使用されるとき、「プロセッサ」という用語は、限定はされないが、シングルコア・プロセッサ、ソフトウェア・マルチスレッド実行機能を有するシングルコア・プロセッサ、マルチコア・プロセッサ、ソフトウェア・マルチスレッド実行機能を有するマルチコア・プロセッサ、ハードウェア・マルチスレッド技術を有するマルチコア・プロセッサ、パラレル・プラットホーム、および分散共用メモリを有するパラレル・プラットホームを含む、実質的に任意のコンピューティング処理ユニットまたはデバイスを指しうる。さらに、プロセッサは、本明細書に記載された機能を実行するように設計された集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号処理プロセッサ(DSP)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)、ディスクリート・ゲートまたはトランジスタ・ロジック、ディスクリート・ハードウェア構成要素、またはこれらの任意の組合せを指しうる。さらに、プロセッサは、空間使用を最適化し、またはユーザ機器の性能を強化するために、限定はされないが、分子ベースおよび量子ドット・ベースのトランジスタ、スイッチおよびゲートなどのナノスケール・アーキテクチャを利用することができる。プロセッサを、コンピューティング処理ユニットの組合せとして実施することもできる。本開示では、「ストア」、「ストレージ」、「データ・ストア」、「データ・ストレージ」、「データベース」などの用語、ならびに構成要素の動作および機能に関連する実質的に任意の他の情報ストレージ構成要素が、「メモリ」またはメモリを含む構成要素として具現化された実体である「メモリ構成要素」を指すために利用される。本明細書に記載されたメモリもしくはメモリ構成要素またはその両方は、揮発性メモリもしくは不揮発性メモリのいずれかであることができ、または揮発性メモリと不揮発性メモリの両方を含むことができることを認識すべきである。例として、不揮発性メモリは、限定はされないが、リード・オンリー・メモリ(ROM)、プログラマブルなROM(PROM)、消去可能なプログラマブルROM(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュ・メモリまたは不揮発性のランダム・アクセス・メモリ(RAM)(例えば強誘電体RAM(FeRAM))を含むことができる。揮発性メモリはRAMを含むことができ、RAMは、例えば外部キャッシュ・メモリとして機能することができる。例として、限定はされないが、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブル・データ・レートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンストSDRAM(ESDRAM)、Synchlink DRAM(SLDRAM)、ダイレクトRambus RAM(DRRAM)、ダイレクトRambusダイナミックRAM(DRDRAM)およびRambusダイナミックRAM(RDRAM)など、多くの形態のRAMが使用可能である。さらに、本明細書のシステムまたはコンピュータ実装方法の開示されたメモリ構成要素は、含むことに限定はされないが、これらのタイプのメモリおよび任意の他の適当なタイプのメモリを含むことが意図されている。
【0104】
以上に説明したことは、システムおよびコンピュータ実装方法の単なる例を含む。当然ながら、本開示を説明するために、構成要素またはコンピュータ実装方法の考えうるあらゆる組合せを記載することは不可能だが、本開示の他の多くの組合せおよび置換が可能であることを当業者は理解することができる。さらに、詳細な説明、特許請求の範囲、付録および図面において用語「含む(includes)」、「有する(has)」、「所有する(possesses)」などが使用される範囲で、このような用語は、用語「備える/含む(comprising)」が、請求項中で変化形語(transitional word)として使用されているときに解釈されるのと同様に、包括的であることが意図されている。
【0105】
さまざまな実施形態の以上の説明は例示のために示したものであり、以上の説明が網羅的であること、または、以上の説明が、開示された実施形態に限定されることは意図されていない。当業者には、記載された実施形態の範囲および思想を逸脱しない多くの変更および変形が明らかとなろう。本明細書で使用した用語は、実施形態の原理、実用的用途、もしくは市販されている技術にはない技術的改善点を最もよく説明するように、または本明細書に開示された実施形態を当業者が理解できるように選択した。