(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】防虫装置及び回り継手を備えたフレームを有する骨組構造体
(51)【国際特許分類】
A01M 3/00 20060101AFI20240712BHJP
【FI】
A01M3/00 Z
(21)【出願番号】P 2021558561
(86)(22)【出願日】2020-04-15
(86)【国際出願番号】 EP2020060559
(87)【国際公開番号】W WO2020216656
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-01-16
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521246301
【氏名又は名称】アルント・ビューデンベンダー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アルント・ビューデンベンダー
(72)【発明者】
【氏名】リツケ・ヨハネス・ファン・リューベン
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/129487(WO,A2)
【文献】欧州特許第03138990(EP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0238544(US,A1)
【文献】米国特許第06283136(US,B1)
【文献】実開平04-029924(JP,U)
【文献】特開2010-085642(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01788186(EP,A2)
【文献】米国特許出願公開第2015/0257535(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
防虫装置であって、
-少なくとも2つの第1のフレーム支柱(1.1、1.2)と、
-少なくとも2つの第2のフレーム支柱(2.1、2.2)と、
を含むフレームであって、
・2つの前記第1のフレーム支柱(1.1、1.2)及び/又は2つの前記第2のフレーム支柱(2.1、2.2)の長さを変更することは不可能であり、
・前記第1のフレーム支柱(1.1、1.2)は、前記第1のフレーム支柱の端部において、それぞれ前記第2のフレーム支柱(2.1、2.2)に接続されており、前記第2のフレーム支柱(2.1、2.2)は、前記第2のフレーム支柱の端部において、それぞれ前記第1のフレーム支柱(1.1、1.2)に接続されており、
・前記第1のフレーム支柱(1.1、1.2)及び前記第2のフレーム支柱(2.1、2.2)は、組み立て位置において、フレーム平面内で、互いに対して直角に配置されている、フレームと、
前記フレーム内又は前記フレーム上に固定された防虫ネットと、を有する防虫装置において、
-それぞれ前記第1のフレーム支柱(1.1、1.2)と前記第2のフレーム支柱(2.1、2.2)との間の接続は、それぞれ少なくとも1つの回転軸(9、10)を備えた回り継手(11)を有しており、
-前記回り継手(11)は、
・開始位置において、2つの前記第1のフレーム支柱(1.1、1.2)と2つの前記第2のフレーム支柱(2.1、2.2)とが、互いに対して平行に配列されており、
・前記フレームは、フレーム支柱(1.1、1.2、2.1、2.2)が互いに対して、前記回り継手(11)の前記回転軸(9、10)の周りに旋回することによって、前記組み立て位置に移動可能であるように構成されていることを特徴とする防虫装置。
【請求項2】
前記回り継手(11)の前記回転軸(9)が、前記組み立て位置において対角線上で向かい合う前記フレームの角から、前記フレーム平面に直交するように配列されている、
請求項1に記載の防虫装
置。
【請求項3】
前記回り継手(11)の前記回転軸(10)が、前記組み立て位置において対角線上で向かい合う前記フレームの角から、前記フレーム平面に対して平行に配列されているか、又は、前記フレーム平面内に配置されている、
請求項1又は2に記載の防虫装
置。
【請求項4】
それぞれ2対の平行なフレーム支柱(1.1及び2.1、1.2及び2.2)が、開始位置から、まず、前記フレーム平面に直交するように配列された前記回転軸(9)の周りに旋回することによって、中間位置に移動することが可能であり、前記中間位置では、前記2対の平行なフレーム支柱(1.1及び2.1、1.2及び2.2)が、互いに対して直角に配置されており、以下において、前記フレーム支柱は、前記中間位置から、前記中間位置において互いに直角に配置された2対のフレーム支柱(1.1及び2.1、1.2及び2.2)が、前記フレーム平面に対して平行又は前記フレーム平面内に配置された前記回転軸(10)の周りに旋回することによって、前記組み立て位置に移動可能である、
請求項2及び3に記載の防虫装
置。
【請求項5】
前記フレーム支柱の各端部に、前記回り継手(11)それぞれのための回転軸(9、10)がそれぞれ形成されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の防虫装
置。
【請求項6】
2つの前記第1のフレーム支柱(1.1、1.2)又は2つの前記第2のフレーム支柱(2.1、2.2)が、少なくとも1つの外側プロファイルストリップと、伸縮自在に押し込む深さを変更しながら、前記外側プロファイルストリップに挿入される、少なくとも1つの内側プロファイルストリップとを含んでいる
請求項1から5のいずれか一項に記載の防虫装
置。
【請求項7】
前記回り継手(11)それぞれに対して、別個の固定要素(23)が設けられており、前記固定要素は、前記組み立て位置において、前記回り継手(11)の領域で、2つの隣接する前記フレーム支柱に接続可能であり、これによって、隣接する前記フレーム支柱を、旋回から守っている、
請求項1から6のいずれか一項に記載の防虫装
置。
【請求項8】
-前記フレーム支柱がそれぞれ、プロファイルストリップ(3、4)を有しており、
-プロファイル接続部(5.1、5.2、6.1、6.2)が設けられており、前記プロファイル接続部はそれぞれ、少なくとも1つの第1の接続ブラケット(7)及び第2の接続ブラケット(8)を有しており、
-前記第1の接続ブラケット(7)が、プラグイン接続によって、第1のプロファイルストリップ(3)に接続されており、前記第2の接続ブラケット(8)が、プラグイン接続によって、隣接する第2のプロファイルストリップ(4)に接続されており、
-前記回り継手(11)が、前記第1の接続ブラケット(7)と前記第2の接続ブラケット(8)との間に形成されている、
請求項1から7のいずれか一項に記載の防虫装
置。
【請求項9】
前記プロファイル接続部(5.1、5.2、6.1、6.2)の前記第1の接続ブラケット(7)が、突出した安定要素(14)を有しており、前記安定要素は、前記組み立て位置において、前記プロファイル接続部(5.1、5.2、6.1、6.2)の前記第2の接続ブラケット(8)と重なっている、
請求項8に記載の防虫装
置。
【請求項10】
-前記第1の接続ブラケット(7)が第1の受容管(21)を有し、前記第2の接続ブラケット(8)は第2の受容管(22)を有しており、前記第1の受容管(21)と前記第2の受容管(22)とは、前記組み立て位置において、互いに位置合わせして配置されており、
-別個の固定要素(23)が設けられており、前記固定要素(23)は、前記組み立て位置において、前記第1の受容管(21)及び前記第2の受容管(22)に導入可能であり、これによって、前記第1の接続ブラケット(7)と前記第2の接続ブラケット(8)とは、相対運動から守られている、
請求項8又は9に記載の防虫装
置。
【請求項11】
前記第1のフレーム支柱及び前記第2のフレーム支柱の端部には、屋根の骨組を構成するための第3のフレーム支柱と、脚部を構成するための第4のフレーム支柱とが、関節式に取り付けられている、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の
防虫装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防虫装置と骨組構造体とに関するものであり、防虫装置及び骨組構造体はそれぞれ、フレームを含んでおり、フレームは、少なくとも2つの第1の、特に一体型のフレーム支柱と、少なくとも2つの第2の、特に一体型のフレーム支柱と、を含んでおり、2つの第1のフレーム支柱及び/又は2つの第2のフレーム支柱は、その長さを変更することが不可能であり、第1のフレーム支柱は、その端部でそれぞれ、第2のフレーム支柱に接続されており、第2のフレーム支柱は、その端部でそれぞれ、第1のフレーム支柱に接続されており、第1のフレーム支柱と第2のフレーム支柱とは、組み立て位置において、フレーム平面内で、互いに対して直角に配置されている。
【背景技術】
【0002】
2つの第1のフレーム支柱も、2つの第2のフレーム支柱も、その長さを変更することが不可能であるフレームは、例えば、フレーム支柱が互いに固く接続されている一般的な額縁によって実現されるであろう。絵画が大きい場合、このような額縁は、非常に大きな面を形成する。従って、額縁のフレーム支柱を組み立て部品として、最終利用者に提供することが考えられ、この場合、最終利用者は、フレーム支柱を、その端部で互いに接続しなければならない。しかしながら、これは、最終利用者にとって、ある程度の負担を伴っている。
【0003】
このような、組み立て位置において直角に配置された(部分)フレームを、例えば骨組構造体も有している。この場合、最終利用者は、パビリオン全体が構築され得る前に、例えば複数のパイプから成るフレーム支柱を、それぞれ角接続部を介して互いに接続しなければならない。骨組構造体は、例えば特許文献1から知られている。
【0004】
防虫装置の分野においても、最終利用者が組み立ての間に、フレーム支柱を角接続部を介して互いに接続しなければならないような組み立て部品が知られている。防虫装置は、例えば特許文献2から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第6283136号明細書
【文献】欧州特許出願公開第3138990号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の課題は、先行技術に関連して記載した欠点を取り除き、特に、使用しやすく、より少ない負担で組み立てられる防虫装置及び骨組構造体に関して記載することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本課題は、各独立請求項の特徴を備えた防虫装置及び骨組構造体によって解決される。フレームの有利なさらなる発展形態は、従属請求項及び明細書に記載されており、有利な発展形態の個々の特徴を、技術的に有意義な方法で、互いに組み合わせることが可能である。
【0008】
本課題は、特に冒頭に挙げた特徴を有するフレームを備えた防虫装置及び骨組構造体によって解決され、当該防虫装置及び骨組構造体においては、それぞれ第1のフレーム支柱と第2のフレーム支柱との間の接続が、それぞれ少なくとも1つの回転軸を有する回り継手を備えており、回り継手は、開始位置において、2つの第1のフレーム支柱も2つの第2のフレーム支柱も、(全て)互いに対して平行に配列されており、回り継手の回転軸の周りにフレーム支柱が互いに対して旋回することによって、フレームが組み立て位置に移動可能であるように構成されている。
【0009】
本発明は、その根本思想において、フレーム支柱がヒンジ状に互いに接続されており、これによって、回り継手を通じて予め組み立てられたフレーム支柱が、コンパクトな開始位置において最終利用者に供給可能であり、開始位置では、組み立て位置において直角に配置されるフレーム支柱は、まず互いに対して平行に配置されている、と定めている。最終利用者は単に、フレームを、その開始位置から組み立て位置に折り畳めばよい。
【0010】
本発明は、最終利用者にとって、フレームの高さ及び/又は幅が、予め決定的に設定されているフレームに関する。特に本発明は、2つの第1のフレーム支柱も2つの第2のフレーム支柱も、その長さを変更できないフレームに関する。代替的に、本発明は、第1のフレーム支柱の長さか、又は、第2のフレーム支柱の長さは変更できないが、それぞれ他方の2つのフレーム支柱の長さは変更可能であるフレームに関する。
【0011】
長さを変更できるフレーム支柱は、例えば一体型に構成されていてもよく、最終利用者にとって、一体型のフレーム支柱を縮めることは、自明のことながら想定されてはいない。フレーム支柱は、例えば内側が中空のプロファイルストリップ、パイプ、又は、任意の横断面を有する中実プロファイルによって形成されていてよい。しかしまた、長さを変更できないフレーム支柱は、フレーム支柱が所定の長さを有するように複数の部分が互いに接続され得る場合にのみ、複数の部分から構成されていてもよい。例えば、フレーム支柱の複数の部分は、適切なプラグイン-ラッチ接続を通じて互いに接続可能であってよい。長方形のフレームを構成するために、第1のフレーム支柱が同じ長さを有し、第2のフレーム支柱が、第1のフレーム支柱の長さとは異なる、同じ長さを有する限りにおいて、特に、正方形のフレームを構成するために、全てのフレーム支柱が同じ長さを有すると規定してよい。
【0012】
長さを変更できるフレーム支柱は、複数の部分から構成されており、特に、少なくとも1つの外側プロファイルストリップと、少なくとも1つの内側プロファイルストリップとを含んでおり、内側プロファイルストリップは、伸縮自在に押し込む深さを変更しながら、外側プロファイルストリップに挿入される。つまり、2つの第1のフレーム支柱又は2つの第2のフレーム支柱は、それぞれ、少なくとも1つの外側プロファイルストリップと少なくとも内側プロファイルストリップとを含んでいる。組み立て位置において、最終利用者は、内側プロファイルストリップと外側プロファイルストリップとの互いに対するはめ込みによって、容易に、フレームの高さ又は幅を変更することができる。
【0013】
(複数の部分から成る)フレーム支柱は、その端部に、回り継手を有しているので、必要とされる回り継手は、専ら第1のフレーム支柱と第2のフレーム支柱との間に配置されている。これに対して、複数の部分から成るフレーム支柱の部分間には、回り継手は構成されるべきではない。
【0014】
以下において、最終利用者は、高さ又は幅が変更されたフレームを、対応する押し込みの深さでもって、内側プロファイルストリップと外側プロファイルストリップとの間に、適切な手段によって固定することが可能である。押し込みの深さを固定するための手段は、以下の要素の内、少なくとも1つの要素を含み得る:
-内側プロファイルストリップと外側プロファイルストリップとを互いに対して固定するために用いられるネジ、
-フレーム支柱の全長にわたって延在している、好ましくは両面の接着テープであって、片面の接着テープの場合、好ましくは、その接着面に背向する表面に、多数の(10以上又は100以上)T字形の係合フックが、防虫ネットを固定するために形成されている接着テープ、
-内側プロファイルストリップに取り付け可能であり、内側プロファイルストリップに沿って延在する突起に取り付けられるか、又は、内側プロファイルストリップに沿って延在する溝の内に差し込まれるアダプタプロファイルストリップであって、アダプタプロファイルストリップの外側断面又は内側断面は、外側プロファイルストリップの突起又は溝の対応する断面と位置合わせされており、好ましくはフレーム支柱全体にわたって延在しているクランプストリップは、(内側プロファイルストリップの領域において)アダプタプロファイルストリップに、(外側プロファイルストリップの領域において)突起に取り付けられ得るアダプタプロファイルストリップ。
【0015】
全部で4つのフレーム支柱から成る本発明に係るフレームは、さらなるフレーム支柱を有するフレーム又は骨組の部分であってもよい。必要なのは、単に、組み立て位置においても互いに対して平行に配置されている、本発明に係る2つの第1のフレーム支柱と、同様に組み立て位置において互いに対して平行に配置されている2つの第2のフレーム支柱とが、組み立て位置において、直角の(部分)フレームを構成するということである。
【0016】
特に、第1のフレーム支柱の端部に、ラッチ要素が形成されており、第2のフレーム支柱の端部に、第1のラッチ要素を補完するラッチ要素が形成されており、これによって、フレーム支柱が、組み立て位置において互いにラッチされる、と規定されている。ラッチ要素は、例えば特に鉤型の突起を有していてよく、当該突起は、組み立て位置において、第2のフレーム支柱の対応する補完的なアンダーカットに係合する。このような方法で、第1のロックが与えられていてよく、第1のロックを用いて、フレーム支柱は、組み立て位置において、意図しない元の位置への旋回から守られている。
【0017】
フレーム支柱が組み立て位置において、フレームに高い安定性を与えるために、第1のフレーム支柱は、開始位置において第2のフレーム支柱の方向に突出した安定要素を有しており、当該安定要素は、組み立て位置において、第2のフレーム支柱と重なっている、と規定してよい。特に一体型の、フレーム支柱から突出した安定要素は、特に、第2のフレーム支柱の対応する凹んだ箇所に受容される。この際、特に、少なくとも1つのラッチ要素が、安定要素上に形成されている、と規定してよい。
【0018】
2つのフレーム支柱の間の回り継手は、特に正確に2つの回転軸を有しており、その内、一方の回転軸は、第1のフレーム支柱内又は第1のフレーム支柱上に形成されていてよく、第2の回転軸は、第2のフレーム支柱内又は第2のフレーム支柱上に形成されていてよい。この際、各回り継手の特に互いに対して平行に配列された回転軸は、少なくとも1つの接続要素を介して、互いに接続されている。
【0019】
一実施形態において、回り継手の回転軸は、組み立て位置において、対角線上に向かい合うフレームの角から、フレーム平面に直交するように配列されている。このような長方形のフレーム(部分)は、4つのフレーム支柱を有しており、対角線上で向かい合う、すなわち同一のフレーム支柱には接続されていないプロファイル接続部は、組み立て位置においてフレーム支柱によって形成されたフレーム平面に直交するように配列された回転軸を有している。
【0020】
この関連において、他方の2つの、それぞれ組み立て位置において対角線上に向かい合ったフレームの角が、組み立て位置においてフレーム平面に対して平行に配列された、又は、フレーム平面内に配置された回転軸を有している、と規定されている。この際、当該回り継手の回転軸は、特に、フレーム支柱の延在方向に対して45°の角度を成すように配列されている。
【0021】
このような配置によって、それぞれ開始位置において互いに対して平行に配置された2対のフレーム支柱が、まず、フレーム平面に直交するように配列された回転軸の周りに旋回することによって、中間位置に移動することが可能であり、中間位置では、2対の平行なフレーム支柱が、互いに対して直角に配置されており、以下において、フレーム支柱は、中間位置において互いに直角に配置された2対のフレーム支柱が、フレーム平面に対して平行又はフレーム平面内に配置された回転軸の周りに旋回することによって、中間位置から組み立て位置に移動可能である。
【0022】
表現を変えると、まず開始位置において互いに対して平行に配置されたフレーム支柱は、フレーム支柱が、フレーム平面に直交するように配置された回転軸の周りに旋回することによって、旋回運動を通じて、互いに対して直角に配置される。以下において、フレームは、フレーム支柱がフレーム平面内に配置された回転軸の周りに旋回することによってさらに広げられ、既に互いに対して直角に配置された(かつ、フレーム平面に直交するように配列された回転軸を有している)角は、中間位置においては依然として互いに隣接して配置されていたが、広げられたフレームの対角線上で向かい合う側に動かされる。既に中間位置において2つの互いに対して直角に方向づけられたフレーム支柱の間に配置された角の内の1つは、中間位置から組み立て位置へ、一種の円弧を描いて移動する。
【0023】
フレームの代替的な実施形態において、全ての回り継手の回転軸は、フレーム平面に対して直交するように配列されている。この際、特に、互いに対角線上で向かい合う回り継手の回転軸は、外側においてフレームに接して配置されており、他方、互いに対角線上で向かい合うさらなる回り継手の回転軸は、フレームの内部に配置されている。このような方法で、フレームのフレーム支柱は、折り畳みプロセスの間に、互いに対してひし形(第1のフレーム支柱が互いに対して平行に配置されており、第2のフレーム支柱が互いに対して平行に配置されている)に配置されているので、フレーム支柱は、開始位置において互いに対して平行に配列されている。
【0024】
さらに、各回り継手のために別個の固定要素が設けられており、当該固定要素は、組み立て位置において、回り継手の領域内で、2つの隣接するフレーム支柱に接続可能であり、これによって、隣接するフレーム支柱を旋回から守っている、と規定してもよい。例えば、このような固定要素は、隣接するフレーム支柱内に固定され得るカバーキャップとして構成されていてよい。当該カバーキャップは、特に平らに設計されており、両方のフレーム支柱と接続されている。このために、カバーキャップは、例えばラッチ接続を用いて、フレーム支柱上に形状接続的に固定可能であってよい。当該カバーキャップは、摩擦接続的にプロファイル接続部に固定可能であってもよい。代替的に、隣接するフレーム支柱内にはそれぞれ受容管が形成されており、隣接するフレーム支柱の受容管は、組み立て位置において、互いに位置合わせして配置されており、固定要素は、互いに位置合わせして配置された受容管内に、直線運動によって導入可能である、と規定してもよい。
【0025】
上述の説明に従って、回り継手を構成するため、及び、隣接するフレーム支柱の安定化/ラッチ接続のための要素が、特に一体型として、又は、フレーム支柱上に直に形成されている限りにおいて、製造を容易にするために、フレーム支柱がそれぞれプロファイルストリップ(中空又は中実に構成された)を有しており、それぞれ少なくとも1つの第1の接続ブラケットと第2の接続ブラケットとを有するプロファイル接続部が設けられており、第1の接続ブラケットは、プラグイン接続を用いて、第1のフレーム支柱の第1のプロファイルストリップに接続されており、第2の接続ブラケットは、プラグイン接続を用いて、第2のフレーム支柱の第2のプロファイルストリップに接続されており、回り継手は、第1の接続ブラケットと第2の接続ブラケットとの間に形成されている、と規定してもよい。
【0026】
プロファイル接続部の接続ブラケットは、それぞれ特に、プロファイルストリップ内に存在する差し込み部分を有しており、当該差し込み部分は、摩擦接続的及び/又は形状接続的に、プロファイルストリップ内に固定されている。さらに、各接続ブラケットは、特にプロファイルストリップから張り出した、従ってプロファイルストリップの外側に配置された、特に差し込み部分と一体的に構成された角部分を有しており、当該角部分上又は角部分内には、回り継手の少なくとも1つの回転軸が形成されている。つまり、各プロファイル接続部は、複数の部分から構成されており、少なくとも第1の接続ブラケット、第2の接続ブラケット、及び、場合によっては別個の部材として構成された、回転軸を形成するための要素を含んでいる。フレーム支柱が、プロファイル接続部の接続ブラケットに差し込まれていることも可能である。
【0027】
従って、回り継手を構成するための要素もまた、プロファイル接続部の一方及び/又は両方の接続ブラケット上に形成されていてよい。これによって、プロファイル接続部をフレーム支柱から独立して製造可能にする、モジュール式の構成も可能になる。
【0028】
このようなプロファイル接続部は、特に、組み立て位置にあるフレームの角を構成しており、回り継手の回転軸は、組み立て位置において向かい合うプロファイル接続部から、フレーム平面に対して直交するように配列されており、別の2つの、やはりそれぞれ対角線上で向かい合うプロファイル接続部は、組み立て位置においてフレーム平面に対して平行に配列されているか、又は、フレーム平面内に配置された回転軸を有している。
【0029】
しかしまた、ラッチ要素及び補完的なラッチ要素、並びに/又は、安定要素及び補完的な安定要素が、プロファイル接続部の接続ブラケット上に形成されていてもよい。さらに、フレームを固定するための要素が、その組み立て位置において(固定要素)、プロファイル接続部に取り付けるためにも構成されていてよい。
【0030】
この関連において、特に、第1の接続ブラケットは第1の受容管を有し、第2の接続ブラケットは第2の受容管を有しており、第1の受容管と第2の受容管とは、組み立て位置において、互いに位置合わせして配置されており、別個の固定要素が設けられており、当該固定要素は、組み立て位置において、第1の受容管及び第2の受容管に、直線運動によって導入可能であり、これによって、第1の接続ブラケットと第2の接続ブラケットとは、相対運動から守られている。固定要素は、特に、防虫装置の一部を構成するフレームを、窓枠に取り付ける際に用いられ得るクリップ要素として構成されていてよい。
【0031】
一実施形態において、防虫装置として用いるためのフレームが、窓のために設けられており、この場合、フレームは、特に2つの側方の垂直なフレーム支柱と、下側及び上側の水平なフレーム支柱とから構成されており、プロファイル接続部は、角接続部として、それぞれ正確に2つの互いに対して旋回可能な接続ブラケットを有するように構成されている。このようなフレームは、上述したクリップ要素を用いて、窓枠に固定され得る。
【0032】
しかしまた、提案されたフレームは、戸口に配設された防虫装置のために設けられていてもよく、この場合、フレームは、例えばヒンジを用いて、戸枠に固定可能である。この場合、フレームは、特に4つの側方のフレーム支柱と、下側、中間及び上側の水平なフレーム支柱とから構成されており、中間のフレーム支柱は、それぞれ両方の端部で、中間接続部として構成されたプロファイル接続部を用いて、2つの垂直方向のフレーム支柱と接続されており、当該中間接続部は、それぞれ3つの接続ブラケットを有している。
【0033】
フレームは、平らな防虫ネットを広げるために用いることができる。当該フレームは、襞を付けた防虫ネットのためのフレームとしても用いることができる。襞を受容するために、少なくとも垂直方向のフレーム支柱は、その延在方向に沿って連続する、フレームの内側に対向した開口部を有している。従って、襞の縁部は、垂直方向のフレーム支柱内部に配置可能であり、襞は、反対側の垂直方向のフレーム支柱まで、及び、当該フレーム支柱内に延在している。
【0034】
防虫装置は、フレームと、フレーム上に、又は、襞の場合はフレーム内で移動可能に固定された防虫ネットと、を含んでいる。
【0035】
当該フレームはしかしまた、本発明によると、骨組構造体の一部であってもよく、この場合、フレームは、骨組構造体の長方形に構成された部分を形成している。特に、本発明に係るフレームは、フレームの組み立て状態において水平に配列された部分を形成しており、当該部分に、下に向かって、骨組構造体の脚部が接続されており、部分フレームの上側には、屋根の骨組を構成するための構造が配置されている。この際、第1のフレーム支柱及び第2のフレーム支柱の端部には、第3のフレーム支柱が屋根の骨組を構成するために、かつ、第4のフレーム支柱が脚部を構成するために、関節式に取り付けられていてよく、これによって、これらのフレーム支柱も、開始状態において、他方のフレーム支柱に対して平行に配置され得る。この関連において、プロファイル接続部上に、第3及び/又は第4のフレーム支柱に接続された、対応するさらなる接続ブラケットが形成されていると特に好ましい。この場合、プロファイル接続部の第3の接続ブラケット及び第4の接続ブラケットは、第1の接続ブラケット及び第2の接続ブラケットに対して関節を成すように構成されているであろう。この際、第3及び/又は第4のフレーム支柱は、好ましくは、第1のフレーム支柱及び第2のフレーム支柱と関節式に接続されており、従って、第3及び/又は第4のフレーム支柱も、開始位置において、第1のフレーム支柱及び第2のフレーム支柱に対して平行に配置され得る。
【0036】
以下において、本発明と技術分野とを、図面を用いて例示的に説明する。以下の図面が概略的に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】組み立て位置におけるフレームを示す図である。
【
図4】中間位置から組み立て位置に移動する際のフレームを示す図である。
【
図5】組み立て位置におけるフレームを示す図である。
【
図6】開始位置における、フレーム平面に対して直交するように配列されて回転軸を有するプロファイル接続部を示す図である。
【
図7】組み立て位置における、
図6に係るプロファイル接続部を示す図である。
【
図8】開始位置における、フレーム平面に対して平行に配列された回転軸を有するプロファイル接続部を示す図である。
【
図9】中間位置から組み立て位置に移動する際の、
図8に係るプロファイル接続部を示す図である。
【
図10】組み立て位置における、
図8に係るプロファイル接続部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1~
図5に示されたフレームは、2つの第1のフレーム支柱1.1、1.2と、2つの第2のフレーム支柱2.1、2.2とを含んでいる。
図1~
図5で、その組み立て位置において斜視図で示されたフレームは、フレーム平面を形成している。
【0039】
第1のフレーム支柱1.1、1.2は、それぞれ第1のプロファイルストリップ3から構成されており、第2のフレーム支柱2.1、2.2は、それぞれ第2のプロファイルストリップ4から構成されており、プロファイルストリップ3、4は、それぞれ所定の長さを有している。
【0040】
第1のフレーム支柱1.1は、フレーム平面に対して平行に配列された回転軸10を有する第1のプロファイル接続部6.1を介して、第2のフレーム支柱2.1に接続されており、プロファイル接続部6.1の第1の接続ブラケット7は、第1のフレーム支柱1.1の第1のプロファイルストリップ3に差し込まれており、第1のプロファイル接続部6.1の第2の接続ブラケット8は、第2のフレーム支柱2.1の第2のプロファイルストリップ4に差し込まれている。フレーム面に対して平行に配列された2つの回転軸10を有する継手11を備えた第2のプロファイル接続部6.2は、第2のフレーム支柱2.2を、第1のフレーム支柱1.2に接続している。
【0041】
フレーム平面に対して直交するように配置された2つの回転軸9を有する回り継手11を備えた第1のプロファイル接続部5.1は、その第1の接続ブラケット7及び第2の接続ブラケット8によって、第1の垂直方向のフレーム支柱1.1を、第2のフレーム支柱2.2に接続している。同様にフレーム平面に対して直交するように配置された2つの回転軸9を有する回り継手11を備えた第2のプロファイル接続部5.2は、さらに、第2のフレーム支柱2.1を、第1のフレーム支柱1.2に接続している。
【0042】
フレーム平面に直交するように配置された回転軸9を有するプロファイル接続部に関して、第1のプロファイル接続部5.1及び第2のプロファイル接続部5.2として、どのように用いられるかが、
図6及び
図7に詳細に示されている。プロファイル接続部は、第1の接続ブラケット7と、第2の接続ブラケット8と、を含んでいる。接続ブラケット7及び8は、それぞれ差し込み部分18を有しており、差し込み部分18は、フレーム支柱のプロファイルストリップに差し込まれる。接続ブラケット7及び8はさらに、それぞれ角部分19を有しており、角部分19は、プロファイルストリップから張り出している。角部分19には、それぞれ回転軸9が形成されており、回転軸9は、フレーム平面に直交するように配列されており、接続要素20を介して互いに接続されている。
図6に示されたプロファイル接続部の第1の接続ブラケット7には、さらに、鉤型のラッチ要素12と安定要素14とが形成されているが、第2の接続ブラケット8には、補完的なラッチ要素13がアンダーカットの形で形成されており、補完的な安定要素15が凹んだ形で形成されている。
【0043】
図6に示された開始位置において、第1の接続ブラケット7及び第2の接続ブラケット8の差し込み部分18は、互いに対して平行に配列されている。プロファイル接続部は、第1の接続ブラケット7及び第2の接続ブラケット8が、2つの直交する回転軸9を有するように構成された継手11の周りに旋回することによって、
図7に示した位置に移動し、当該位置では、差し込み部分18と接続ブラケット7及び8とが、互いに対して直角に配置されている。当該位置において、鉤型のラッチ要素12は、アンダーカットによって形成された補完的なラッチ要素13に係合しているが、第1の接続ブラケット7の突起として形成された安定要素14は、凹んだ形として形成された補完的な安定要素15に係合している。従って、プロファイル接続部は、一方では、ラッチ要素12及び補完的なラッチ要素13によって、意図しない元の位置への旋回から守られており、他方では、安定要素14及び補完的な安定要素15によって、安定するように調整されている。
【0044】
図8~
図10に示されたプロファイル接続部は、同様に、それぞれ差し込み部分18と角部分19とを備えた、第1の接続ブラケット7及び第2の接続ブラケット8を有している。第1の接続ブラケット7及び第2の接続ブラケット8は、回り継手11を介して互いに接続されており、フレーム平面に対して平行に配列された回転軸10は、第1の接続ブラケット7内に形成されており、フレーム平面に対して平行に配列された第2の回転軸10は、第2の接続ブラケット8内に形成されている。回転軸10は、接続要素20を介して互いに接続されている。第1の接続ブラケット7にはさらに、安定要素14が、安定要素14上に鉤型に形成されたラッチ要素12を有するように構成されており、他方、第2の接続ブラケット8には、補完的な安定要素が凹んだ形で形成されており、補完的なラッチ要素13がアンダーカットの形で形成されている。
【0045】
図8に示された開始位置において、接続ブラケット7及び8の差し込み部分18は、互いに対して平行に配列されている。接続ブラケット7及び8は、両方の回転軸10(
図9を参照)の周りに旋回することによって、
図10に示した位置にもたらされ、当該位置では、差し込み部分18と接続ブラケット7及び8とが、互いに対して直角に配置されている。
図10に示された位置では、鉤型のラッチ要素12が、補完的なラッチ要素13としてのアンダーカットに係合しているので、当該プロファイル接続部は、意図しない元の位置への旋回から守られている。さらに、第1の接続ブラケット7の安定要素14は、第2の接続ブラケット8の補完的な安定要素15に重なるので、
図10に示された位置では、高い安定性が与えられている。
【0046】
さらに、
図6~
図10からは、第1の接続ブラケット7それぞれが、受容部16を有しており、受容部16には、(図示されていない)クリップ要素を差し込むことが可能であり、当該クリップ要素は、係合フックの弾性を有する構造ゆえに、様々な差し込み位置において、容易にプロファイル接続部に固定することが可能であり、これによって、クリップ要素が、フレームが固定されるべき窓枠の深さに容易に適応可能であることが認識される。
【0047】
フレーム支柱1.1、1.2、2.1及び2.2を、
図2に示された開始位置において、互いに対して平行に配置することが可能になった一方で、既に各プロファイル接続部5.1、5.2、6.1及び6.2は、その両方の接続ブラケット7、8で、それぞれ2つのフレーム支柱のプロファイルストリップに差し込まれている。従って、フレームは、非常にコンパクトな状態に予め組み立てられて供給されることができる。
【0048】
フレームを、開始位置から組み立て位置に広げるために、まず第1のフレーム支柱1.1と第2のフレーム支柱2.1とが共に、第1のフレーム支柱1.2及び第2のフレーム支柱2.2に対して、プロファイル接続部5.1及び5.2のフレーム平面に直交するように配列された回転軸9の周りに、
図3に示した中間位置まで旋回する。
図3に示された中間位置において、第1のフレーム支柱1.1及び第2のフレーム支柱2.1から成るフレーム支柱の一対が、第1のフレーム支柱1.2及び第2のフレーム支柱2.2から成るフレーム支柱の一対と直角を成すように配置されており、プロファイル接続部5.1及び5.2は、
図7に示された位置にある。
【0049】
以下において(
図4を参照)、第1のフレーム支柱1.2は、第2のフレーム支柱2.1と共に、第1のフレーム支柱1.1及び第2のフレーム支柱2.2に対して、プロファイル接続部6.1及び6.2のフレーム平面に対して平行に配置された回転軸10の周りに、第1のフレーム支柱1.1及び1.2が互いに対して平行に配置され、かつ、第2のフレーム支柱2.1及び2.2に対して直角に配置されている平面に全てのフレーム支柱1.1、1.2、2.1及び2.2が配置されるまで旋回する。組み立て位置とも称されるこの位置は、
図5に示されている。
【0050】
本発明によって、コンパクトな形に予め組み立てられたフレームを、最終利用者に供給することが可能であり、最終利用者は、フレームを広げさえすればよい。
【符号の説明】
【0051】
1.1、1.2 第1のフレーム支柱
2.1、2.2 第2のフレーム支柱
3 第1のプロファイルストリップ
4 第2のプロファイルストリップ
5.1、5.2 直交する回転軸を有するプロファイル接続部
6.1、6.2 平行な回転軸を有するプロファイル接続部
7 第1の接続ブラケット
8 第2の接続ブラケット
9 直交する回転軸
10 平行な回転軸
11 回り継手
12 ラッチ要素
13 補完的なラッチ要素
14 安定要素
15 補完的な安定要素
16 受容部
17.1、17.2 受容部溝
18 差し込み部分
19 角部分
20 接続要素