(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】流体製品補充品
(51)【国際特許分類】
B65D 47/24 20060101AFI20240712BHJP
【FI】
B65D47/24 110
B65D47/24 BRG
(21)【出願番号】P 2021571801
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(86)【国際出願番号】 FR2020050934
(87)【国際公開番号】W WO2020245533
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-05-29
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】521330574
【氏名又は名称】シセイドウ インターナショナル フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】弁理士法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】シモン ブルーノ
(72)【発明者】
【氏名】スーラール ファブリス
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-137692(JP,A)
【文献】特開2005-313982(JP,A)
【文献】特開2018-62351(JP,A)
【文献】特開2011-16588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネジ付きネック部(C)を備えるボトル(F)に流体製品を充填するための流体製品補充品(R)であって、
開口部を含む可撓性パウチ(P)と、
インサート部(1;1´)およびストッパ部(2;2´)を含む吐出アセンブリ(D1;D2)と、を備え、
前記インサート部(1;1´)は、
封止付属部(11;11´)と、通路(10)と、カムウェイ(120)または外側ネジ(120´)とが形成されており、
前記ストッパ部(2;2´)は、
前記ボトル(F)のネジ付きネック部(C)のネジに適合する内側螺旋ネジ(221)が形成されたネジ付き接続スリーブ(22;22´)と、前記カムウェイ(120)または外側ネジ(120´)にそれぞれ係合するカムプロファイル(210)または内側ネジ(210´)とが形成されており、
前記ストッパ部(2;2´)が最初は前記インサート部(1;1´)と密封係合して前記通路(10)が閉じており、前記ボトル(F)のネジ付きネック部(C)の前記ネジ付き接続スリーブ(22;22´)へのねじ込みにより、前記カムプロファイル(210)または内側ネジ(210´)が前記カムウェイ(120)内をまたは外側ネジ(120´)に対して移動すると、前記通路(10)が開く
ことを特徴する流体製品補充品(R)。
【請求項2】
前記ボトル(F)のネジ付きネック部(C)の前記ネジ付き接続スリーブ(22;22´)へのねじ込みと前記通路(10)の開放は、同じねじ込み方向、有利には右回りに連続して行われることを特徴とする請求項1に記載の流体製品補充品(R)。
【請求項3】
前記インサート部(1;1´)および前記ストッパ部(2;2´)は、それらの相互運動を制限するための移動端ストッパ手段(122;122´、211)が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の流体製品補充品(R)。
【請求項4】
前記封止付属部(11;11´)のみが前記可撓性パウチ(P)に入ることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の流体製品補充品(R)。
【請求項5】
前記インサート部(1;1´)は、チューブ(13;13´)を含み、前記ストッパ部(2;2´)は、前記ネジ付き接続スリーブ(22;22´)の内側で前記チューブ(13;13´)の周囲と係合するカフ(23;23´)を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の流体製品補充品(R)。
【請求項6】
前記カフ(23;23´)は、
前記ボトル(F)のネジ付きネック部(C)の前記ネジ付き接続スリーブ(22;22´)へのねじ込みにおいて、初期閉鎖位置と最終開放位置との間で前記チューブ(13;13´)の周りを密封状態で摺動することを特徴とする請求項5に記載の流体製品補充品(R)。
【請求項7】
前記インサート部(1;1´)は、前記封止付属部(11;11´)と前記チューブ(13;13´)との間に配置された円筒状本体(12;12´)を含み、
前記ストッパ部(2;2´)は、前記ネジ付き接続スリーブ(22;22´)の下であり、前記円筒状本体(12;12´)の周りに配置されたスカート(21;21´)を備え、
前記円筒状本体(12;12´)は、前記カムウェイ(120)または外側ネジ(120´)が形成されており、
前記スカート(21;21´)は、前記カムプロファイル(210)または内側ネジ(210´)が形成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の流体製品補充品(R)。
【請求項8】
前記ネジ付き接続スリーブ(22;22´)は、前記スカート(21;21´)を延長した部分に延在することを特徴とする請求項7に記載の流体製品補充品(R)。
【請求項9】
前記スカート(21;21´)は、前記円筒状本体(12;12´)の周りを密封状態で摺動することを特徴とする請求項7または8に記載の流体製品補充品(R)。
【請求項10】
前記ストッパ部(2;2´)は、前記インサート部(1;1´)と係合している不正開封防止リング(216;212)を備え、
前記ボトル(F)のネジ付きネック部(C)の前記ネジ付き接続スリーブ(22;22´)へのねじ込みにより、前記不正開封防止リング(216;212)が破壊されることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の流体製品補充品(R)。
【請求項11】
前記インサート部(1)の前記カムウェイ(120)は、2つの端部、すなわち軸方向取付ファネル(123)に接続された入口端部(121)と、移動端ストッパ手段として機能するブラインド端部(122)とを備え、
前記軸方向取付ファネル(123)と前記カムウェイ(120)との接続部に有利に形成されている保持プロファイル(124)が、前記カムプロファイル(210)を前記カムウェイ(120)内に保持させ、前記軸方向取付ファネル(123)への戻りを防止することを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の流体製品補充品(R)。
【請求項12】
前記インサート部(1´)は、カラー(122´)が形成され、
前記ストッパ部(2´)は、当接ハープーン(211)が形成され、
前記インサート部(1´)の周りへの前記ストッパ部(2´)の取り付け中に、前記当接ハープーン(211)は、前記カラー(122´)よりも下側に強制的に持ち込まれた後、もはや上側に外すことができないことを特徴とする請求項3に記載の流体製品補充品(R)。
【請求項13】
前記カムウェイ(120)または外側ネジ(120´)の巻き方向が前記ネジ付き接続スリーブ(22;22´)のネジに対して逆向きになっており、一方向かつ一回の回転中に、前記ボトル(F)のネジ付きネック部(C)の前記ネジ付き接続スリーブ(22;22´)へのねじ込みと、前記インサート部(1;1´)の前記ストッパ部(2;2´)からのねじ緩みとの両方が行われることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の流体製品補充品(R)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の流体製品補充品(R)を用いて、ネジ付きネック部(C)を備えるボトル(F)に流体製品を充填する方法であって、
前記ストッパ部(2;2´)の前記ネジ付き接続スリーブ(22;22´)を前記ボトル(F)のネジ付きネック部(C)の周りに係合させるステップと、
前記流体製品補充品(R)を回転させて、前記ネジ付き接続スリーブ(22;22´)を前記ボトル(F)のネジ付きネック部(C)にねじ込むステップと、
前記ネジ付き接続スリーブ(22;22´)が前記ボトル(F)のネジ付きネック部(C)に完全にねじ込まれると、前記流体製品補充品(R)にトルクを加え続けて、前記可撓性パウチ(P)と前記インサート部(1;1´)を、前記ストッパ部(2;2´)と前記ボトル(F)を中心に回転させるステップと、
前記可撓性パウチ(P)を押して、その内容物を前記吐出アセンブリ(D1;D2)を通じて前記ボトル(F)内に排出するステップと、
前記流体製品補充品(R)を前記ボトル(F)から外すステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネジ付きネック部を備えたボトルに流体製品を充填するための流体製品補充品に関する。
【背景技術】
【0002】
ボトルは、例えばポンプを一体化した吐出ヘッドをさらに備えるディスペンサの一部を形成することができる。吐出ヘッドは、ボトルのネジ付きネック部に取り外し可能にねじ止めされる。このようなディスペンサは、香水や化粧品の分野で頻繁に使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、取り外し可能な吐出ヘッドを通してボトル内の内容物が吐出された後、そのボトルに流体製品を補充することを目的とする。それゆえ、吐出ヘッドは、ネジを緩めることによってボトルから取り外され、本発明に係る流体製品補充品と一時的に交換される。本発明は、ボトルのネック部に容易かつ迅速に接続して、流体製品の損失のリスクなしにボトルに流体製品を迅速に充填することができる流体製品補充品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
流体製品とは、香水、ローション、クリーム、ジェル、ファンデーションなどの任意の液体を意味する。
【0006】
これを行うために、本発明に係る流体製品補充品は、ネジ付きネック部を備えるボトルに流体製品を充填するためのものであり、開口部を含む可撓性パウチと、インサート部およびストッパ部を含む吐出アセンブリと、を備え、前記インサート部は、封止付属部と、通路と、カムウェイまたは外側ネジとが形成されており、前記ストッパ部は、前記ボトルのネジ付きネック部のネジに適合する内側螺旋ネジが形成されたネジ付き接続スリーブと、前記カムウェイまたは外側ネジにそれぞれ係合するカムプロファイルまたは内側ネジとが形成されており、前記ストッパ部が最初は前記インサート部と密封係合して前記通路が閉じており、前記ボトルのネジ付きネック部の前記ネジ付き接続スリーブへのねじ込みに続いてまたは連続して、前記カムプロファイルまたは内側ネジが前記カムウェイまたは外側ネジ内を移動すると、前記通路が開くことを特徴する。
【0007】
言い換えれば、本発明に係る流体製品補充品は、ボトルのネジ付きネック部のネジに対応するネジ山を備えたパウチ支持体に取り付けられた押し潰し可能な可撓性パウチの形態で提供される。したがって、流体製品補充品は、ボトルのネジ付きネック部にねじ込むことができ、次にそのパウチを押したり潰したりして、そのパウチから流体製品を損失のリスクなく前記ボトル内に排出することができる。
【0008】
ストッパ部を回転させるのはボトルのネック部であり、これにより、可撓性パウチとボトルとの間に流体製品の流路が確立される。好ましくは、ストッパ部のインサート部に対する回転は、ボトルのネック部のネジ付き接続スリーブへのねじ込みと同じねじ込み方向、例えばより自然なように右回りにねじ込んだ後に行われる。
【0009】
有利には、インサート部およびストッパ部には、それらの相互運動を制限するための移動端ストッパ手段が形成されている。一つの実施形態によれば、インサート部にはカラーを形成することができ、ストッパ部には当接ハープーンを形成することができ、インサート部の周りへのストッパ部の取り付け中に、当接ハープーンがカラーよりも下側に強制的に持ち込まれた後、もはやカラーよりも上側に外すことができない。
【0010】
別の態様によれば、封止付属部のみが可撓性パウチの中に入る。したがって、吐出アセンブリの残りの部分は、ボトルのネック部またはその周りに入り、漏れのリスクを低減する。一方、流体製品が充填されるボトルからその中の空気をスリーブのネジ山付きのゾーンを通じて排出するための通路を可能して、その充填を加速することができる。
【0011】
実用的な実施形態によれば、インサート部のカムウェイが2つの端部、すなわち軸方向取付ファネルに接続された入口端部と、移動端ストッパ手段として機能するブラインド端部とを備え、軸方向取付ファネルとカムウェイとの接続部に有利に形成されている保持プロファイルが、カムプロファイルをカムウェイ内に保持させ、軸方向取付ファネルへの戻りを防止する。
【0012】
別の態様によれば、インサート部がチューブを含み、ストッパ部がネジ付き接続スリーブの内側でチューブの周囲と係合するカフを含むことができる。好ましくは、カフは、ボトルのネジ付きネック部のネジ付き接続スリーブへのねじ込みにおいて、初期閉鎖位置と最終開放位置との間でチューブの周りを密封状態で摺動する。
【0013】
一方、インサート部が、封止付属部とチューブとの間に配置された円筒状本体を含むことができ、ストッパ部が、ネジ付き接続スリーブの下であり、円筒状本体の周りに配置されたスカートを備えることができ、円筒状本体には、カムウェイまたは外側ネジが形成されており、スカートには、カムプロファイルまたは内側ネジが形成されている。好ましくは、ネジ付き接続スリーブがスカートを延長した部分に延在する。有利には、スカートが円筒状本体の周りを密封状態で摺動する。例えば、スカートの内壁は、円筒状本体と摺動接触するリップまたは環状溝を形成することができる。この摺動接触によるシールは、スリーブとチューブの間に設けられたシールに追加されるものであり、このため漏れのリスクがゼロになる。
【0014】
本発明の別の特徴によれば、ストッパ部がインサート部と係合している不正開封防止リングを備え、ボトルのネジ付きネック部のネジ付き接続スリーブへのねじ込みにより、その不正開封防止リングが破壊される。不正開封防止リングは、ストッパ部の基部に配置することができ、加えられる回転トルクが十分であるとき、インサート部の緩み止めに当接して破損する。
【0015】
また、本発明は、流体製品補充品を用いて、ネジ付きネック部を備えるボトルに流体製品を充填する方法において、(a)ストッパ部のネジ付き接続スリーブをボトルのネジ付きネック部の周りに係合させるステップと、(b)流体製品補充品を回転させて、ネジ付き接続スリーブをボトルのネジ付きネック部にねじ込むステップと、(c)ネジ付き接続スリーブがボトルのネジ付きネック部に完全にねじ込まれると、流体製品補充品にトルクを加え続けて、可撓性パウチとインサート部を、ストッパ部とボトルを中心に回転させるステップと、(d)可撓性パウチを押して、その内容物を吐出アセンブリを通じてボトル内に排出するステップと、(e)流体製品補充品をボトルから外すステップを含む。
【0016】
ストッパ部は、最初はねじ込み開始時にインサート部と一体になっており、ねじ込み終了時にボトルと一体になるように取り付けられる。ユーザは、気付かないうちに、1回の単一の方向のねじ込み操作中にストッパ部の閉鎖機能を解除することができる。もちろん、1回の同じ方向への回転中に、ボトルのネック部のネジ付き接続スリーブへのねじ込みと、インサート部のストッパ部からのネジの緩みとの両方を行うには、ストッパ部のネジの巻き方向をネジ付き接続スリーブのネジの巻き方向に対して逆向きの逆ネジにする必要がある。
【0017】
本発明は、基本的に、平坦化可能な可撓性パウチを有するねじ込み式補充品にある。ストッパ部は、ボトルにねじ止めされていない場合、流体製品補充品の完全な閉鎖を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下、本発明のいくつかの実施形態を非限定的な例として示す添付の図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【
図1】流体ディスペンサのボトルに取り付け可能である、本発明に係る流体製品補充品を示す概略図である。
【
図2】
図1に示す流体製品補充品の吐出アセンブリの垂直断面図である。
【
図3】
図2に示す吐出アセンブリのインサート部の斜視図である。
【
図4】実施形態の変形例に係る構成の、
図2と同様の垂直断面図である。
【
図5】上記の発明の一部を形成しない他の実施形態に係る吐出アセンブリの垂直断面図である。
【
図6】上記の発明の一部を形成しない他の実施形態に係る吐出アセンブリの垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
まず、
図1を参照して、本発明に係る流体製品補充品と、ボトルまたは流体ディスペンサでの流体製品補充品の使用について説明する。
【0020】
流体製品補充品は、大文字の符号Rによって組立品で示されており、2つの構成要素、すなわち可撓性パウチPと吐出アセンブリD1を備える。
【0021】
可撓性パウチPは、手動でつぶして平坦にすることが可能であり、例えば、積層シート(アルミニウムとプラスチック材料)のような任意の適切な材料から作ることができる。パウチPはまた、ブロー成形または押出成形によって製造することもできる。パウチPは、開口部(不図示)を備え、吐出アセンブリD1は、例えば溶接または接着によってその開口部に取り付けられる。
図1に示されるように吐出アセンブリD1は、可撓性パウチPの外側に突出する。
【0022】
ボトルFは、ネック部Cを有し、ネック部Cには、1つ以上のネジ山Tが設けられている。ボトルFは、例えばガラス、金属、プラスチック材料などの任意の適切な材料から作製することができる。ボトルFは、透明、半透明または不透明とすることができる。ボトルFは、ポンプK、押しボタンBおよび固定リングMを含む吐出ヘッドHをさらに備える流体ディスペンサの一部を形成することができる。吐出ヘッドHは、その固定リングMを用いてボトルFのネジ付きネック部Cにねじ止めによって取り付けることができる。この取り付けにより流体ディスペンサが構成される。ユーザは、押しボタンBを押してポンプKを作動させる。ポンプKは、押しボタンBに形成されている吐出口B1を通じてある用量の流体製品を吐出させる。これは、香水や化粧品の分野における流体ディスペンサの従来のものと同じである。
【0023】
本発明は、流体ディスペンサが空になると、流体ディスペンサのボトルFに流体製品を充填できるようにする流体製品補充品Rを提供することを目的としている。実際には、吐出ヘッドHは、ボトルFのネジ付きネック部Cからねじって外される。本発明に係る流体製品補充品Rは、可撓性パウチPの内容物を吐出アセンブリD1を通じてボトルF内に注ぐことができるように、ボトルFのネジ付きネック部Cに取り付けられる。
【0024】
次に、
図2と
図3を参照して、本発明に係る流体製品補充品R、より具体的には、その吐出アセンブリD1の構造および動作を詳細に説明する。
【0025】
吐出アセンブリD1は、2つの重要な構成要素、すなわちインサート部1とストッパ部2を備える。これらの2つのパーツは、プラスチック材料による射出成形によって作ることができる。
【0026】
インサート部1は、封止付属部11を備え、その幾何学的形状は
図3に明確に示されている。封止付属部11は、目または菱形の断面形状を有する。この封止付属部11は、可撓性パウチPの開口部に挿入されて固定、好ましくは熱溶接によって固定される。封止付属部11は、内部に通路10を有し、封止付属部11のみがパウチPの内側に入る。
【0027】
インサート部1は、封止付属部11の上に、通路10が貫通する円筒状本体12が形成される。この本体12は、外側面に2つの中空の窪みが形成されており、各々は、外側カムウェイ120と軸方向取付ファネル123を備える。カムウェイ120は、入口下端部121とブラインドストッパ上端部122とを含む。カムウェイ120は、これら2つの端部121と122の間でアーチ状に延びている。軸方向取付ファネル123は、本体12の上端からカムウェイ120の入口下端部121まで延びている。このファネル123は、漏斗部分125を備える。漏斗部分125は、下から上に広がっており、カムウェイ120の入口端部121に通じる直線部分と通じている。軸方向取付ファネル123の下端部と入口端部121との間の接続部には、保持プロファイル124が設けられている。この機能については後述する。
【0028】
また、インサート部1は、円筒状本体12の上に軸方向上方に延びるチューブ13を備えている。このチューブ13は、また、通路10と通じており、通路10は、2つの横方向開口部130を介して外部と通じている。チューブ13は、Oリング133を受け入れる環状溝132を備える。チューブ13の上端部は、小さなキャップ131によって閉じられている。
【0029】
ストッパ部2は、
図2に示すようにインサート部1の本体12とチューブ13の周りに係合され、本体12の周りに延びるスカート21を含む。このスカート21は、内側に2つのカムプロファイル210が形成されており、これは、極めて単純に小さな円筒状の突起で構成することができる。
図2において、カムプロファイル210は、軸方向取付ファネル123の下方であってカムウェイ120の入口端部121のところに位置している。この状態において本体12の周りをストッパ部2が回転すると、カムプロファイル210がカムウェイ120に沿って移動し、ストッパ部2をインサート部1に対して軸方向上方に移動させる効果があることが理解される。
【0030】
ストッパ部2は、また、スカート21の延長部に実質的に延在するネジ付き接続スリーブ22を備える。このネジ付き接続スリーブ22は、1つ以上の内側螺旋ネジ221が内面に形成されている。ネジ付き接続スリーブ22の直径と内側螺旋ネジ221のピッチは、ボトルFのネック部Cの直径とネジピッチに対応している。このネジ付き接続スリーブ22は、ボトルFのネック部Cにねじ止めするためのものである。
【0031】
ストッパ部2は、また、スカート21またはネジ付き接続スリーブ22から半径方向内側に延びるプレート24を備える。プレート24の内周側の部分は、その上方に位置し、チューブ13の周りに広がっているカフ(cuff)23に接続されている。Oリング133は、スリーブ状のカフ23の内壁と密封接触することに留意されたい。ネジ付き接続スリーブ22は、また、チューブ13の小キャップ131と密封係合する自由上端部232を含む。したがって、2つの横方向開口部130と通じる通路10は、各横方向開口部130に対して軸方向両側に形成される2つの環状シール接触部、すなわちOリング133による密封接触と、端部232および小キャップ131の密閉係合とにより、外部と連通することができない。
図2は、吐出アセンブリD1がその初期閉鎖位置にある様子を示している。
【0032】
カムプロファイル210のカムウェイ120内への係合が軸方向取付ファネル123を通して行われることを考えると、ストッパ部2のインサート部1への取り付けは、特に簡単である。実際には、各カムプロファイル210を対応する漏斗部分125の内側で係合させることで十分であり、そこから、各カムプロファイル210は、対応するカムウェイ120の入口につながる軸方向取付ファネル123の下部に向かって案内される。カムプロファイル210を、漏斗部分125から、カムウェイ120の入口下端部121の入口に位置する保持プロファイル124を通過させるためには、わずかな追加の軸方向圧力が必要であろう。
【0033】
また、カムウェイ120のブラインド端部122は、ねじ緩み移動端ストッパとして機能することにも留意されたい。実際、カムプロファイル210は、入口端部121からブラインド端部122に移動されて、ブラインド端部122に当接する。これが、ストッパ部2のねじ緩みの完全かつ最終的な状態を示す。
【0034】
再び
図1に戻って、流体製品補充品Rは、ボトルFのネジ付きネック部Cの周りにネジ付き接続スリーブ22が係合するように、ネジ付きネック部Cの上方で上下逆さまの姿勢にされてネジ付きネック部Cに取り付け可能であることが分かる。ユーザは、可撓性パウチPを通して補充品Rを掴み、ネジ付きネック部Cの周りにネジ付き接続スリーブ22をねじ込むように、可撓性パウチPつまり補充品Rを回転させる。これにより最初に、ネジ付きネック部Cがプレート24に当接するまでネジ付き接続スリーブ22の内側に入り込む。その後もユーザは、可撓性パウチPを回転させ続けることができる。このことは、可撓性パウチPとそのインサート部1とを、今やネジ付きネック部Cと一体になっているストッパ部2に対して回転させるという効果を有する。この際、2つのカムプロファイル210は、対応するカムウェイ120内で移動するように強制され、この強制移動がカフ23の上端部232とチューブ13の小キャップ131との間の密封接触を解除する結果をもたらす。そうすることで、通路10と、横方向開口部130と、上端部232と小キャップ131との間に開口する出口通路とを通じて、可撓性パウチPとボトルFとの間に流体連通が確立される。Oリング133は、ストッパ部2とインサート部1との間の流体製品が本体12に向かって漏れるのを防止する。
【0035】
その後、ユーザは、可撓性パウチPを押すかまたは潰して可撓性パウチPに収容されている流体製品をボトルF内に押し込むか排出することができる。ボトルF内に最初に収容されている空気は、例えばネジ付きネック部Cとネジ付き接続スリーブ22との間のシールされていない状態でねじ係合している部分を通じて逃げることができる。可撓性パウチが平坦化可能であるとすれば、可撓性パウチ内においてその液体内容物の体積を空気で置き換える必要はない。
【0036】
したがって、ボトルFに対する可撓性パウチPの単純な回転は、2つの連続した動作、すなわち、最初にネジ付きネック部C上へのネジ付き接続スリーブ22のねじ込み、および次にインサート部1に対するストッパ部2のねじ緩みを生成することがわかる。この順序付けは好ましいが、必須ではない。回転方向は、単一の方向で右旋回であることが好ましい。
【0037】
任意選択的に、スカート21の下端には、破断ブリッジによってスカート21に接続される不正開封防止リング216(または初回使用フェールセーフリング)が設けられる。他方、円筒状本体12の基部には、不正開封防止リング216と係合する1つ以上の緩み止め126が形成されており、この係合により、インサート部1上でのストッパ部2の回転が阻止される。
【0038】
しかしながら、ストッパ部とインサート部との間の十分なトルクは、破断ブリッジを破断する効果を有し、スカート21から不正開封防止リング216を分離する。全ての破断ブリッジは、ストッパ部2がインサート部1からねじ戻しにより緩められたことがないことをユーザに示す。ブリッジの破断は、好ましくは、ネック部にネジ付きスリーブをねじ込む操作と、インサート部に対してストッパ部を緩める操作との間に行われる。
【0039】
図4には、ストッパ部2´のスカート21´とインサート部1´の円筒状本体12´とが係合する点で第1の実施形態と異なる実施形態の変形例が示されている。実際、カムウェイ120およびカムプロファイル210の代わりに、ここでは円筒状本体12´に外側ネジ120´が設けられ、スカート21´の内壁に、対応する内側ネジ210´が設けられる。このため、インサート部1´へのストッパ部2´の取付けは、第1の実施形態のように純粋な軸方向取付けによって行うことができず、ねじ込みによってのみ行うことができる。
【0040】
第1の実施形態との別の違いは、
図4に示すようにインサート部1´に対するストッパ部2´のねじ緩みを制限するために、円筒状本体12´に形成されたカラー122´の下側に当接することを意図した当接ハープーン(harpoon)211がスカート21´の内側に形成されていることである。ハープーン211は、ストッパ部2´のインサート部1´へのねじ込みを必要とする取付け作業中に、カラー122´をその上方から強制的に通過することができる。しかし、ハープーン211の戻り止め形状の構成により、カラー122´の下側から上側にカラー122´を通過することはもはやできない。
【0041】
任意選択的に、スカート21´はまた、トルクが十分になるとすぐに破壊される不正開封防止ストリップ212を形成する。
【0042】
図4に示す変形例では、接続スリーブ22´、チューブ13´およびカフ23´は、第1の実施形態のものと同一とすることができる。封止付属部11´は、その機能を変更することなく、より短くなっている。
【0043】
チューブ13´とカフ23´との間、有利には円筒状本体12´とスカート21´との間にも、回転摺動シールが設けられている。これらのシールは、摩擦接触でシールされるリップまたは環状溝の形をとることができる。また、第1の実施形態でOリング133を用いたように、Oリングを実装することもできる。
【0044】
吐出アセンブリD2を一体化した流体製品補充品は、上述した吐出アセンブリD1とまったく同じ方法で使用される。上記のネック部Cへのストッパ部2´のねじ込み操作の終わりに、当接ハープーン211がカラー122´にその下から当接するまで、ストッパ部2´が本体12´から緩められる。その回転方向は、好ましくは一方向であり、連続的な右旋回である。ストッパ部が緩められることは、ユーザが気付かないうちに、一回の操作においてボトルのネック部Cのストッパ部2´へのねじ込みに連続して行われる。それゆえ、流体製品補充品をボトルにねじ込むだけである。ストッパ部が緩められていることはユーザからは見えない。
【0045】
図5は、第1の実施形態と動作が異なる別の実施形態を示す図である。吐出アセンブリD3は、蓋110によって閉じられる封止付属部11´´を形成するインサート部1´´を備える。そのインサート部はまた、内側ネジ141だけでなく外側ネジ144も画定する接続スリーブ14を形成する。言い換えれば、スリーブ14は、内側と外側の両方にネジ山が形成されている。
図5において、取り外し可能なフード4が、ネジ付きスリーブ14と係合していることが分かる。より具体的には、この取り外し可能なフード4は、上部閉鎖壁41と、スリーブ14のネジ144に対応するネジ43が内側に形成されている円筒形壁42とを備えている。フード4はまた、初回使用フェールセーフリング44を含む。フード4は、スリーブ14に密封状態でねじ込まれている。
【0046】
図5に示す吐出アセンブリD3はまた、封止付属部11´´の内側およびスリーブ14の内側に係合する穿刺針3を備える。この穿刺針3は、1つ以上の内部通路30を画定し、スラストカラー32と、シールリップ33と、斜端31とを備える。カラー32は、最初はスリーブ14の内側に、実質的に中間の高さに配置される。シールリップ33は、封止付属部11´´の内側に密封状態で摺動係合し、これには、追加のシーリングビード111をさらに備えることができる。斜端31は、封止付属部11´´の下端を閉鎖する蓋110の近傍に配置されているか、またはそれと接触して配置されている。それゆえ、穿刺針3は、インサート部1´´と取り外し可能なフード4とによって画定される密閉空間内に配置されているといえる。
【0047】
図示されていないが、吐出アセンブリD3は、本発明に係る流体製品補充品を構成する可撓性パウチに組み付けられる。最初に、ユーザは、初回使用フェールセーフストリップ44を取り外した後に、取り外し可能なフード4のネジを緩める。この吐出アセンブリD3は、
図1に示す方法と同様に、上下逆さまにしてボトルF上に取り付けることができる。接続スリーブ14は、ボトルFのネジ付きネック部Cにねじ込まれる。このねじ込みにより、ネック部Cの上端がスラストカラー32と接触して穿刺針3を付勢する。この結果、穿刺針3が動く。したがって、穿刺針3は蓋110に向かって軸方向に移動し、必然的に蓋110を穿刺する。このようにして、可撓性パウチPとボトルFとの間に、穿刺針3によって画定された内部通路30を介して流体連通が確立される。
【0048】
この第2の実施形態では、ネジ付きネック部Cへのスリーブ14のねじ込みと、インサート部1´´の内側における穿刺針3の移動とが同時に行われる。穿刺針3のみがパウチPとネジ付きネック部Cの内側との間の通路を確保するので、漏れのリスクは極端に低減される。実際、スラストカラー32は、穿刺針3の上端から後退していることが分かり、この穿刺針3の上端がネック部Cの内側に入ることができる。
【0049】
図6には、特にシンプルな第3の実施形態が示されている。吐出アセンブリD4は、図示されていない可撓性パウチのための封止付属部11´´´を画定するインサート部1´´´を備える。インサート部1´´´は、前述の実施形態と同様に、内側と外側にネジが設けられた接続スリーブ14´を含む。また、吐出アセンブリD4は、ネジ付きスリーブ14´の周囲にねじ込まれる、取り外し可能なフード4´を備える。
【0050】
ユーザは、取り外し可能なフード4´を取り外した後、ボトルFを逆さまにして吐出アセンブリD4上に戻す。ユーザは、ごく自然にボトルFを回転させて、ネジ付きスリーブ14´の内側にネジ付きネック部Cをねじ込むことができる。ねじ込みが終了すると、ユーザは、そのアセンブリを逆さまにして、可撓性パウチPを押して流体製品を排出させることができる。これにより、その流体製品がインサート部1´´´を通じてボトルF内に収容される。この構成は、特にシンプルな設計であるが、内部通路と、ボトルFのネジ付きネック部Cをねじ止めによって受け入れるように適合された内側ネジ付きスリーブとを備える吐出アセンブリを実施する。
【0051】
本発明のおかげで、ボトルのネジ付きネック部に容易に接続することができる、吐出アセンブリを含み可撓性パウチ付きの流体製品補充品が達成される。