(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取るためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20240712BHJP
【FI】
G01N35/02 C
(21)【出願番号】P 2022115480
(22)【出願日】2022-07-20
(62)【分割の表示】P 2017552914の分割
【原出願日】2016-04-06
【審査請求日】2022-07-20
(32)【優先日】2015-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500169900
【氏名又は名称】ジェン-プローブ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ノーバート ハーゲン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド オパルスキー
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ シルバート
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0288056(US,A1)
【文献】特表2015-509202(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02080553(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取る方法であって、前記方法は、
筐体内の第1のレーンに沿って第1の位置と第2の位置との間で、第1の複数の試料容器を保持するように構成されている第1の試料ラックを移動させることであって、前記第1の複数の試料容器の各々は、機械読み取り可能な標識を有
し、前記筐体は、絶対位置測定システムを含み、前記第1の試料ラックは、第1の絶対位置測定インジケータを含む、ことと、
前記第1のレーンに沿った点にカメラの焦点を合わせるために前記カメラを移動させることと、
前記第1の試料ラックが前記第1の位置から前記第2の位置に移動しているとき、前記第1の試料ラックの前記第1の複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識を読み取ることと、
前記筐体内の前記第1のレーンとは異なる第2のレーンに沿って第1の位置と第2の位置との間で、第2の複数の試料容器を保持するように構成されている第2の試料ラックを移動させることであって、前記第2の複数の試料容器の各々は、機械読み取り可能な標識を有
し、前記第2の試料ラックは、第2の絶対位置測定インジケータを含む、ことと、
前記第2のレーンに沿った点に前記カメラの焦点を合わせるために前記カメラを移動させることと、
前記第2の試料ラックが前記第1の位置から前記第2の位置に移動しているとき、前記第2の試料ラックの前記第2の複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識を読み取ることと
を含
み、前記カメラのアクティブ化は、前記第1の試料ラックおよび第2の試料ラックの各々の絶対位置に基づいて決定される、方法。
【請求項2】
前記カメラは、固定焦点距離カメラである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カメラは、可変焦点距離カメラである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の試料ラックを移動させることは、前記第1の試料ラックを手動で移動させることを含み、前記第2の試料ラックを移動させることは、前記第2の試料ラックを手動で移動させることを含む、請求項1~3のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の試料ラックを移動させることは、前記第1の試料ラックを自動的に移動させることを含み、前記第2の試料ラックを移動させることは、前記第2の試料ラックを自動的に移動させることを含む、請求項1~3のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の試料ラックが前記第1の位置から前記第2の位置に移動しているとき、前記第1の試料ラックの前記第1の複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識を読み取ることと同時に、光源をアクティブにすることと、前記第2の試料ラックが前記第1の位置から前記第2の位置に移動しているとき、前記第2の試料ラックの前記第2の複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識を読み取ることと同時に、前記光源をアクティブにすることとをさらに含む、請求項1~5のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1および第2の試料ラックの各々におけるラック識別機械読み取り可能な標識を読み取ることをさらに含む、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記機械読み取り可能な標識は、2次元バーコードを備えている、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記2次元バーコードは、前記試料容器内の試料を患者に関連付ける情報を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取るためのシステムであって、前記システムは、
少なくとも第1のレーンおよび第2のレーンを画定する筐体であって、各レーンは、複数の試料容器を保持するように適合されている試料ラックを受け取るように構成され、前記試料容器の各々は、機械読み取り可能な標識を有
し、前記筐体は、絶対位置測定システムを含み、前記試料ラックは、絶対位置測定インジケータを含む、筐体と、
カメラと
を備え、
前記カメラは、前記第1のレーンに沿った第1の位置に前記カメラの焦点を合わせる第1の位置と、前記第2のレーンに沿った第2の位置に前記カメラの焦点を合わせる第2の位置とに移動するように構成され、前記カメラは、前記第1のレーンに沿って移動する第1の試料ラックの第1の複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識の画像と、前記第2のレーンに沿って移動する第2の試料ラックの第2の複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識の画像とを取得するように構成され
、前記カメラのアクティブ化は、前記第1の試料ラックおよび第2の試料ラックの各々の絶対位置に基づいて決定される、システム。
【請求項11】
前記カメラは、固定焦点距離カメラである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記カメラは、可変焦点距離カメラである、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記カメラは、前記第1のレーンおよび前記第2のレーンに沿って手動で移動させられている試料ラックの複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識の画像を取得するように構成されている、請求項10~12のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記カメラは、前記第1のレーンおよび前記第2のレーンに沿って自動的に移動させられている試料ラックの複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識の画像を取得するように構成されている、請求項10~13のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記機械読み取り可能な標識は、2次元バーコードを備えている、請求項10~14のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記2次元バーコードは、前記試料容器内の試料を患者に関連付ける情報を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記カメラは、CCDカメラまたはCMOSカメラを備えている、請求項10~16のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記筐体内の各試料容器の前記機械読み取り可能な標識を照射するように構成されている光源をさらに備えている、請求項10~17のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
移動可能ステージをさらに備え、前記カメラおよび前記光源は、前記ステージに結合されている、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記カメラは、前記第1および第2のレーンに平行なレーンに沿って移動するように構成されている、請求項10~19のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
前記カメラと、前記第1のレーン上の第1の位置および前記第2のレーン上の第2の位置との間の光路に沿って位置付けられているミラーをさらに備えている、請求項10~20のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、試料容器、例えば、アッセイを実施するために使用される試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取るためのシステムおよび方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
分析器システムが、流体試料材料に対してアッセイを実施することができる。例えば、臨床検査室の状況では、分析器システムは、多段階分析プロセス(例えば、ウイルスまたは細菌等の微生物を検出するように設計される核酸試験(NAT))を実施するように構成されることができ、多段階分析プロセスは、試料、固体支持体、緩衝剤、油、プライマ、ポリメラーゼ、ヌクレオチド、標識、プローブ、もしくは他の反応液等の物質(例えば、流体)を容器に追加すること、および/もしくは物質を容器から除去すること、それらの内容物を混合するように容器を攪拌すること、容器の内容物の温度を維持および/もしくは改変すること、容器の内容物を加熱もしくは冷蔵すること、容器の1つ以上の内容物成分の濃度を改変すること、容器の内容物の構成物成分を分離もしくは単離すること、容器の内容物から電磁信号放出(例えば、光)を検出すること、進行中の反応を不活性化もしくは停止させること、またはそのようなプロセスのうちの2つ以上のものの任意の組み合わせを伴う。
【0003】
分析器システムは、所望の分析プロセスを実施するように自動化されることができる。故に、分析器システムは、試料容器の内容物および実施するアッセイを自動的に識別することができる。例えば、分析器システムは、試料容器上の標識、例えば、バーコードを読み取り、試料容器の内容物および実施するアッセイを識別することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態では、試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取る方法が、筐体内の第1の位置と第2の位置との間で、複数の試料容器を保持するように構成されている試料ラックを移動させることを含む。各試料容器は、機械読み取り可能な標識を有する。方法は、試料ラックが第1の位置と第2の位置との間を移動しているとき、試料ラックの絶対位置を測定することと、試料ラックが第1の位置から第2の位置に移動しているとき、複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識の画像を取得することとも含む。さらに、方法は、複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識の取得された画像をデコードすることを含む。いくつかの実施形態では、方法は、機械読み取り可能な標識の画像が取得されたときに測定された試料ラックの絶対位置に基づいて、複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識のデコードされた取得された画像を対応する試料容器に関連付けることも含む。機械読み取り可能な標識は、バーコードであり得る。いくつかの実施形態では、バーコードは、1または2次元バーコードであり得る。いくつかの実施形態では、バーコードは、試料容器内の試料をある患者に関連付ける情報を含む。試料ラックを移動させることは、試料ラックを手動で移動させること、または試料ラックを自動的に移動させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、試料ラックは、高速度で移動させられる。いくつかの実施形態では、筐体内の第2の位置は、完全に挿入された位置であり、取得された画像をデコードすることは、試料ラックが第2の位置に移動させられた後に起こる。いくつかの実施形態では、試料ラックの絶対位置を測定することは、リーダを使用し、機械読み取り可能な標識の画像を取得することは、そのリーダを使用する。いくつかの実施形態では、試料ラックの絶対位置を測定することは、リーダを使用し、機械読み取り可能な標識の画像を取得することは、第1のリーダとは別個の第2のリーダを使用する。いくつかの実施形態では、機械読み取り可能な標識の画像を取得することは、リーダを使用することを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取る方法が、筐体内の第1の位置と第2の位置との間で、複数の試料容器を保持するように構成されている試料ラックを移動させることを含む。各試料容器は、機械読み取り可能な標識を有する。方法は、試料ラックが第1の位置から第2の位置に移動しているときに複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識を読み取るために、試料ラックが第1の位置と第2の位置との間の複数の事前決定された位置の各々にあるとき、標識リーダをアクティブにすることも含む。いくつかの実施形態では、方法は、試料ラックが複数の事前決定された位置の各々にあるとき、光源をアクティブにすることを含む。いくつかの実施形態では、試料ラックを移動させることは、試料ラックを手動で移動させることを含む。いくつかの実施形態では、試料ラックを移動させることは、試料ラックを自動的に移動させることを含む。いくつかの実施形態では、方法はまた、試料ラックが第1の位置と第2の位置との間を移動しているとき、試料ラックの位置を測定することも含む。試料ラックの位置を測定することは、試料ラック上のインジケータに動作可能に結合されているセンサを使用することを含むことができる。インジケータは、陥凹、突出部、光学的反射要素、磁気要素、および容量性要素から成る群のうちの少なくとも1つを含むことができる。機械読み取り可能な標識は、1または2次元バーコードであり得る。機械読み取り可能な標識は、試料容器内の試料をある患者に関連付ける情報を含む、2次元バーコードであり得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取る方法が、筐体内の第1の位置と第2の位置との間で、複数の試料容器を保持するように構成されている試料ラックを移動させることを含む。各試料容器は、機械読み取り可能な標識を有する。方法は、試料ラックが第1の位置と第2の位置との間を移動しているとき、試料ラックの位置を測定することも含む。さらに、方法は、試料ラックが第1の位置から第2の位置に移動しているとき、複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識を読み取ることを含む。方法は、複数の試料容器のうちの各試料容器の読み取られた機械読み取り可能な標識をデコードすることを含む。方法は、機械読み取り可能な標識が読み取られたときに測定された試料ラックの位置に基づいて、複数の試料容器のうちの各試料容器のデコードされた機械読み取り可能な標識を、対応する容器に関連付けることも含む。いくつかの実施形態では、試料ラックを移動させることは、試料ラックを手動で移動させることを含む。他の実施形態では、試料ラックを移動させることは、試料ラックを自動的に移動させることを含む。いくつかの実施形態では、機械読み取り可能な標識は、試料容器内の試料をある患者に関連付ける情報を含む。いくつかの実施形態では、筐体内の第2の位置は、完全に挿入された位置であり、機械読み取り可能な標識をデコードすることは、試料ラックが第2の位置に移動させられた後に起こる。いくつかの実施形態では、機械読み取り可能な標識は、バーコードである。いくつかの実施形態では、バーコードは、1または2次元バーコードである。
【0007】
いくつかの実施形態では、試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取る方法が、第1の場所において、第1の標識リーダを用いて複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識を読み取ることを含む。複数の試料容器は、ラック識別機械読み取り可能な標識を有する試料ラックによって保持される。方法は、ラックを第1の場所から別個の第2の場所に移動させることと、第2の場所において、第1の標識リーダとは別個のセンサを用いて試料ラック上のラック識別子を感知することとも含む。方法は、感知されたラック識別子を複数の試料容器のうちの各試料容器の読み取られた機械読み取り可能な標識に関連付けることを含む。いくつかの実施形態では、ラック識別子は、機械読み取り可能な標識であり、センサは、第2の標識リーダである。いくつかの実施形態では、ラック識別子は、RFIDタグであり、センサは、RFIDリーダである。いくつかの実施形態では、方法は、試料ラックが移動させられた第2の場所を識別する場所データを取得することも含む。いくつかの実施形態では、複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識は、2次元バーコードである。2次元バーコードは、試料容器内の試料をある患者に関連付ける情報を含むことができる。いくつかの実施形態では、方法は、試料ラックが第1の場所から別個の第2の場所に移動させられた期間が事前決定された期間閾値を超えるかどうかを決定することも含む。いくつかの実施形態では、複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識を読み取ることは、試料ラックが第1の場所における第1の位置と第2の位置との間で移動させられている間に起こる。いくつかの実施形態では、方法は、試料ラックが第1の位置と第2の位置との間を移動しているとき、試料ラックの位置を測定することと、試料ラックが第1の位置から第2の位置に移動しているとき、複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識の画像を取得することと、複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識の取得された画像をデコードすることと、機械読み取り可能な標識の画像が取得されたときに測定された試料ラックの位置に基づいて、複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識のデコードされた取得された画像を対応する試料容器に関連付けることとも含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取る方法が、筐体内の第1のレーンに沿って第1の位置と第2の位置との間で、各々が機械読み取り可能な標識を有する第1の複数の試料容器を保持するように構成される第1の試料ラックを移動させることを含む。方法は、第1のレーンに沿った点にカメラの焦点を合わせるためにカメラを移動させることと、第1の試料ラックが第1の位置から第2の位置に移動しているとき、第1の試料ラックの第1の複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識を読み取ることとも含む。方法は、筐体内の第1のレーンとは異なる第2のレーンに沿って第1の位置と第2の位置との間で、各々が機械読み取り可能な標識を有する第2の複数の試料容器を保持するように構成される第2の試料ラックを移動させることも含む。さらに、方法は、第2のレーンに沿った点にカメラの焦点を合わせるためにカメラを移動させることと、第2の試料ラックが第1の位置から第2の位置に移動しているとき、第2の試料ラックの第2の複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識を読み取ることとを含む。いくつかの実施形態では、カメラは、固定焦点距離カメラである。他の実施形態では、カメラは、可変焦点距離カメラである。いくつかの実施形態では、第1の試料ラックを移動させることは、第1の試料ラックを手動で移動させることを含み、第2の試料ラックを移動させることは、第2の試料ラックを手動で移動させることを含む。他の実施形態では、第1の試料ラックを移動させることは、第1の試料ラックを自動的に移動させることを含み、第2の試料ラックを移動させることは、第2の試料ラックを自動的に移動させることを含む。いくつかの実施形態では、方法は、第1の試料ラックが第1の位置から第2の位置に移動しているとき、第1の試料ラックの第1の複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識を読み取ることと同時に、光源をアクティブにすることと、第2の試料ラックが第1の位置から第2の位置に移動しているとき、第2の試料ラックの第2の複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識を読み取ることと同時に、光源をアクティブにすることとも含む。いくつかの実施形態では、方法は、第1および第2の試料ラックの各々におけるラック識別機械読み取り可能な標識を読み取ることを含む。機械読み取り可能な標識は、いくつかの実施形態では、試料容器内の試料をある患者に関連付ける情報を含む2次元バーコードであり得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取るためのシステムが、筐体と、複数の試料容器を保持するように構成されている試料ラックが筐体内の第1の位置と第2の位置との間を移動しているとき、複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識の画像を取得するように構成されるカメラとを含む。システムは、複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識の取得された画像をデコードするように構成される処理および制御ユニットも含む。処理および制御ユニットは、機械読み取り可能な標識の画像が取得されたときに測定された試料ラックの絶対位置に基づいて、複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識のデコードされた取得された画像を対応する試料容器に関連付けるようにも構成される。いくつかの実施形態では、システムは、試料ラックの絶対位置を測定するように構成される位置センサも含む。位置センサは、試料ラック上の位置インジケータを使用して、試料ラックの絶対位置を測定するように構成される。位置センサは、複数の光学読み取りセンサ、複数の磁気読み取りセンサ、複数の容量読み取りセンサ、複数の歯車、または複数の摩擦車であり得る。いくつかの実施形態では、カメラは、試料ラック上の光学エンコーダストリップの画像を取得するように構成され、処理および制御ユニットは、光学エンコーダストリップの取得された画像をデコードし、試料ラックの絶対位置を測定するように構成され、試料ラックの測定された絶対位置を、複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識の取得された画像に関連付けるように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、試料ラックが第1の位置と第2の位置との間で手動で移動させられるように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、試料ラックが第1の位置と第2の位置との間で自動的に移動させられるように構成される。カメラは、ラインスキャンカメラまたはエリアスキャンカメラであり得る。機械読み取り可能な標識は、いくつかの実施形態では、試料容器内の試料をある患者に関連付ける情報を含む、2次元バーコードであり得る。カメラは、筐体内に配置されているか、または筐体に結合されていることができる。処理および制御ユニットは、筐体内に配置されているか、または筐体に結合されていることができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取るためのシステムが、筐体と、筐体内の第1の位置と第2の位置との間を移動する試料ラックによって保持されている複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識を読み取るように構成される標識リーダとを含む。システムは、試料ラックが第1の位置から第2の位置に移動しているときに複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識を読み取るために、試料ラックが第1の位置と第2の位置との間の複数の事前決定された位置の各々にあるとき、標識リーダをアクティブにするように構成される処理および制御ユニットも含む。いくつかの実施形態では、標識リーダは、試料ラック上の機械読み取り可能なラック識別子標識を読み取るようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、システムはまた、試料ラック上のRFIDタグに動作可能に結合されているセンサも含む。いくつかの実施形態では、システムは、第1の位置と第2の位置との間の試料ラックの位置を決定するために、試料ラック上の位置インジケータに動作可能に結合されているセンサも含む。位置センサは、複数の光学読み取りセンサ、複数の磁気読み取りセンサ、複数の容量読み取りセンサ、複数の歯車、または複数の摩擦車であり得る。処理および制御ユニットは、試料ラックが複数の事前決定された位置の各々にあるとき、光源をアクティブにするように構成されることができる。システムは、試料ラックが第1の位置と第2の位置との間で手動で移動させられるように構成されることができる。システムは、試料ラックが第1の位置と第2の位置との間で自動的に移動させられるように構成されることもできる。いくつかの実施形態では、標識リーダは、筐体内に配置されているか、または筐体に結合されている。いくつかの実施形態では、処理および制御ユニットは、筐体内に配置されているか、または筐体に結合されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取るためのシステムが、ラック識別子を有し、各々が機械読み取り可能な標識を有する複数の試料容器を保持するように構成される試料ラックを含む。システムは、試料ラックを受け取るように構成される第1の場所と、試料ラックが第1の場所にあるとき、ラック識別子を読み取るように構成されるセンサとも含む。システムは、試料ラックを受け取るように構成される第2の場所と、ラックが第2の場所にあるとき、複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識を読み取るように構成されるセンサとは別個の第1の標識リーダとも含む。いくつかの実施形態では、ラック識別子は、機械読み取り可能な標識であり、センサは、第2の標識リーダである。いくつかの実施形態では、ラック識別子は、RFIDタグであり、センサは、RFIDリーダである。いくつかの実施形態では、機械読み取り可能な標識は、2次元バーコードであり、2次元バーコードは、いくつかの実施形態では、試料容器内の試料をある患者に関連付ける情報を含む。システムは、試料ラックが第1の場所にあるとき、第1の位置と第2の位置との間で手動で移動させられるように構成されることができる。システムは、試料ラックが第1の場所にあるとき、第1の位置と第2の位置との間で自動的に移動させられるようにも構成されることができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取るためのシステムが、筐体と、各々が2次元機械読み取り可能な標識を有する複数の試料容器を保持するように構成され、筐体内の第1の位置と第2の位置との間を移動するように構成される試料ラックとを含む。システムは、試料ラックが第1の位置と第2の位置との間を移動しているとき、複数の試料容器のうちの各試料容器の2次元機械読み取り可能な標識を読み取るように構成されるリーダも含む。システムは、複数の試料容器のうちの各試料容器の読み取られた2次元機械読み取り可能な標識をデコードするように構成される処理および制御ユニットも含む。処理および制御ユニットは、2次元機械読み取り可能な標識が読み取られたときに測定された試料ラックの位置に基づいて、複数の試料容器のうちの各試料容器のデコードされた2次元機械読み取り可能な標識を対応する試料容器に関連付けるようにも構成される。いくつかの実施形態では、システムは、試料ラックが第1の位置と第2の位置との間で手動で移動させられるように構成される。他の実施形態では、システムは、試料ラックが第1の位置と第2の位置との間で自動的に移動させられるように構成される。いくつかの実施形態では、リーダは、筐体内に配置されているか、または筐体に結合されている。いくつかの実施形態では、処理および制御ユニットは、筐体内に配置されているか、または筐体に結合されている。
【0013】
いくつかの実施形態では、試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取るためのシステムが、少なくとも第1のレーンおよび第2のレーンを画定する筐体を含む。各レーンは、複数の試料容器を保持するように適合されている試料ラックを受け取るように構成され、試料容器の各々は、機械読み取り可能な標識を有する。システムは、第1のレーンに沿った第1の位置にカメラの焦点を合わせる第1の位置と、第2のレーンに沿った第2の位置にカメラの焦点を合わせる第2の位置とに移動するように構成されるカメラも含む。カメラは、第1のレーンに沿って移動する第1の試料ラックの第1の複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識の画像を取得するように構成される。カメラは、第2のレーンに沿って移動する第2の試料ラックの第2の複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識の画像を取得するようにも構成される。いくつかの実施形態では、カメラは、固定焦点距離カメラである。いくつかの実施形態では、カメラは、可変焦点距離カメラである。いくつかの実施形態では、カメラは、第1のレーンおよび第2のレーンに沿って手動で移動させられている試料ラックの複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識の画像を取得するように構成される。いくつかの実施形態では、カメラは、第1のレーンおよび第2のレーンに沿って自動的に移動させられている試料ラックの複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識の画像を取得するように構成される。いくつかの実施形態では、機械読み取り可能な標識は、いくつかの実施形態では、試料容器内の試料をある患者に関連付ける情報を含む2次元バーコードである。いくつかの実施形態では、カメラは、CCDカメラまたはCMOSカメラを備えている。いくつかの実施形態では、システムは、筐体内の各試料容器の機械読み取り可能な標識を照射するように構成される光源も含む。いくつかの実施形態では、システムは、カメラおよび光源が結合される移動可能ステージを含む。いくつかの実施形態では、カメラは、第1および第2のレーンに平行なレーンに沿って移動するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、カメラと第1のレーン上の第1の位置と第2のレーン上の第2の位置との間の光路に沿って位置付けられているミラーも含む。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取る方法であって、前記方法は、
筐体内の第1の位置と第2の位置との間で、複数の試料容器を保持するように構成されている試料ラックを移動させることであって、前記複数の試料容器の各々は、機械読み取り可能な標識を有する、ことと、
前記試料ラックが前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動しているとき、前記試料ラックの絶対位置を測定することと、
前記試料ラックが前記第1の位置から前記第2の位置に移動しているとき、前記複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識の画像を取得することと、
前記複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識の前記取得された画像をデコードすることと
を含む、方法。
(項目2)
前記機械読み取り可能な標識の前記画像が取得されたときの前記試料ラックの測定された絶対位置に基づいて、前記複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識のデコードされた取得された画像を対応する試料容器に関連付けることをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記機械読み取り可能な標識は、バーコードを備えている、項目1-2のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目4)
前記バーコードは、2次元バーコードを備えている、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記バーコードは、前記試料容器内の試料をある患者に関連付ける情報を含む、項目3-4のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目6)
前記試料ラックを移動させることは、前記試料ラックを手動で移動させることを含む、項目1-4のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
前記試料ラックを移動させることは、前記試料ラックを少なくとも100mm/秒の速度で移動させることを含む、項目1-6のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
前記試料ラックを移動させることは、前記試料ラックを自動的に移動させることを含む、項目1-5のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目9)
前記筐体内の前記第2の位置は、完全に挿入された位置であり、前記取得された画像をデコードすることは、前記試料ラックが前記第2の位置に移動させられた後に起こる、項目1-8のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
前記試料ラックの前記絶対位置を測定することは、リーダを使用し、前記機械読み取り可能な標識の画像を取得することは、前記リーダを使用する、項目1-9のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
前記試料ラックの前記絶対位置を測定することは、リーダを使用し、前記機械読み取り可能な標識の画像を取得することは、前記第1のリーダとは別個の第2のリーダを使用する、項目1-9のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
前記機械読み取り可能な標識の前記画像を取得することは、リーダを使用することを含む、項目1-11のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
前記リーダは、ラインスキャンカメラまたはエリアスキャンカメラを備えている、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記試料ラックの前記絶対位置を測定することは、前記試料ラックが前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動しているとき、前記試料ラック上の光学標識の画像を取得することを含む、項目1-13のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取る方法であって、前記方法は、
筐体内の第1の位置と第2の位置との間で、複数の試料容器を保持するように構成されている試料ラックを移動させることであって、前記複数の試料容器の各々は、機械読み取り可能な標識を有する、ことと、
前記試料ラックが前記第1の位置から前記第2の位置に移動しているときに前記複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識を読み取るために、前記試料ラックが前記第1の位置と前記第2の位置との間の複数の事前決定された位置の各々にあるとき、標識リーダをアクティブにすることと
を含む、方法。
(項目16)
前記試料ラックが前記複数の事前決定された位置の各々にあるとき、光源をアクティブにすることをさらに含む、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記試料ラックを移動させることは、前記試料ラックを手動で移動させることを含む、項目15-16のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目18)
前記試料ラックを移動させることは、前記試料ラックを少なくとも100mm/秒の速度で移動させることを含む、項目15-17のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
前記試料ラックを移動させることは、前記試料ラックを自動的に移動させることを含む、項目15-16のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
前記試料ラックが前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動しているとき、前記試料ラックの位置を測定することをさらに含む、項目15-19のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
前記試料ラックの位置を測定することは、前記試料ラック上のインジケータに動作可能に結合されているセンサを使用することを含む、項目19に記載の方法。
(項目22)
前記インジケータは、陥凹、突出部、光学的反射要素、磁気要素、および容量性要素から成る群のうちの少なくとも1つを備えている、項目15-21のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
前記機械読み取り可能な標識は、1または2次元バーコードを備えている、項目15-22のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
前記機械読み取り可能な標識は、2次元バーコードを備え、前記2次元バーコードは、前記試料容器内の試料をある患者に関連付ける情報を含む、項目15-23に記載の方法。
(項目25)
試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取る方法であって、前記方法は、
筐体内の第1の位置と第2の位置との間で、複数の試料容器を保持するように構成されている試料ラックを移動させることであって、前記複数の試料容器の各々は、機械読み取り可能な標識を有する、ことと、
前記試料ラックが前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動しているとき、前記試料ラックの位置を測定することと、
前記試料ラックが前記第1の位置から前記第2の位置に移動しているとき、前記複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識を読み取ることと、
前記複数の試料容器のうちの各試料容器の読み取られた機械読み取り可能な標識をデコードすることと、
前記機械読み取り可能な標識が読み取られたときに測定された前記試料ラックの位置に基づいて、前記複数の試料容器のうちの各試料容器のデコードされた機械読み取り可能な標識を対応する試料容器に関連付けることと
を含む、方法。
(項目26)
前記試料ラックを移動させることは、前記試料ラックを手動で移動させることを含む、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記試料ラックを移動させることは、前記試料ラックを自動的に移動させることを含む、項目25に記載の方法。
(項目28)
前記機械読み取り可能な標識は、前記試料容器内の試料をある患者に関連付ける情報を含む、項目25-27のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
前記筐体内の前記第2の位置は、完全に挿入された位置であり、前記読み取られた機械読み取り可能な標識をデコードすることは、前記試料ラックが前記第2の位置に移動させられた後に起こる、項目25-28のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
前記機械読み取り可能な標識は、バーコードを備えている、項目25-29のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目31)
前記バーコードは、2次元バーコードを備えている、項目30に記載の方法。
(項目32)
試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取る方法であって、前記方法は、
第1の場所において、第1の標識リーダを用いて、複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識を読み取ることであって、前記複数の試料容器は、ラック識別機械読み取り可能な標識を有する試料ラックによって保持されている、ことと、
前記試料ラックを前記第1の場所から別個の第2の場所に移動させることと、
前記第2の場所において、前記第1の標識リーダとは別個のセンサを用いて、前記試料ラック上のラック識別子を感知することと、
感知されたラック識別子を複数の試料容器のうちの各試料容器の読み取られた機械読み取り可能な標識に関連付けることと、
を含む、方法。
(項目33)
前記ラック識別子は、機械読み取り可能な標識であり、前記センサは、第2の標識リーダである、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記ラック識別子は、RFIDタグであり、前記センサは、RFIDリーダである、項目32に記載の方法。
(項目35)
前記試料ラックが移動させられた前記第2の場所を識別する場所データを取得することをさらに含む、項目32-34のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目36)
前記複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識は、2次元バーコードを備えている、項目32および34-35のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目37)
前記2次元バーコードは、前記試料容器内の試料をある患者に関連付ける情報を含む、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記試料ラックが前記第1の場所から前記別個の第2の場所に移動させられた期間が、事前決定された期間閾値を超えるかどうかを決定することをさらに含む、項目32-37のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目39)
前記複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識を読み取ることは、前記第1の場所において、前記試料ラックが第1の位置と第2の位置との間で移動させられている間に起こる、項目32および36-38のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目40)
前記試料ラックが前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動しているとき、前記試料ラックの位置を測定することと、
前記試料ラックが前記第1の位置から前記第2の位置に移動しているとき、前記複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識の画像を取得することと、
前記複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識の前記取得された画像をデコードすることと、
前記機械読み取り可能な標識の前記画像が取得されたときに測定された前記試料ラックの位置に基づいて、前記複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識のデコードされた取得された画像を対応する試料容器に関連付けることと、
をさらに含む、項目39に記載の方法。
(項目41)
試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取る方法であって、前記方法は、
筐体内の第1のレーンに沿って第1の位置と第2の位置との間で、第1の複数の試料容器を保持するように構成されている第1の試料ラックを移動させることであって、前記第1の複数の試料容器の各々は、機械読み取り可能な標識を有する、ことと、
前記第1のレーンに沿った点にカメラの焦点を合わせるために前記カメラを移動させることと、
前記第1の試料ラックが前記第1の位置から前記第2の位置に移動しているとき、前記第1の試料ラックの前記第1の複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識を読み取ることと、
前記筐体内の前記第1のレーンとは異なる第2のレーンに沿って第1の位置と第2の位置との間で、第2の複数の試料容器を保持するように構成されている第2の試料ラックを移動させることであって、前記第2の複数の試料容器の各々は、機械読み取り可能な標識を有する、ことと、
前記第2のレーンに沿った点に前記カメラの焦点を合わせるために前記カメラを移動させることと、
前記第2の試料ラックが前記第1の位置から前記第2の位置に移動しているとき、前記第2の試料ラックの前記第2の複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識を読み取ることと
を含む、方法。
(項目42)
前記カメラは、固定焦点距離カメラである、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記カメラは、可変焦点距離カメラである、項目41に記載の方法。
(項目44)
前記第1の試料ラックを移動させることは、前記第1の試料ラックを手動で移動させることを含み、前記第2の試料ラックを移動させることは、前記第2の試料ラックを手動で移動させることを含む、項目41-43のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目45)
前記第1の試料ラックを移動させることは、前記第1の試料ラックを自動的に移動させることを含み、前記第2の試料ラックを移動させることは、前記第2の試料ラックを自動的に移動させることを含む、項目41-43のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目46)
前記第1の試料ラックが前記第1の位置から前記第2の位置に移動しているとき、前記第1の試料ラックの前記第1の複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識を読み取ることと同時に、光源をアクティブにすることと、前記第2の試料ラックが前記第1の位置から前記第2の位置に移動しているとき、前記第2の試料ラックの前記第2の複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識を読み取ることと同時に、前記光源をアクティブにすることとをさらに含む、項目41-45のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目47)
前記第1および第2の試料ラックの各々におけるラック識別機械読み取り可能な標識を読み取ることをさらに含む、項目41-46のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目48)
前記機械読み取り可能な標識は、2次元バーコードを備えている、項目41-46のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目49)
前記2次元バーコードは、前記試料容器内の試料をある患者に関連付ける情報を含む、項目48に記載の方法。
(項目50)
試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取るためのシステムであって、前記システムは、
筐体と、
複数の試料容器を保持するように構成されている試料ラックが前記筐体内の第1の位置と第2の位置との間を移動しているとき、前記複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識の画像を取得するように構成されているカメラと、
前記複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識の取得された画像をデコードするように構成されている処理および制御ユニットと
を備え、
前記処理および制御ユニットは、前記機械読み取り可能な標識の前記画像が取得されたときの前記試料ラックの測定された絶対位置に基づいて、前記複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識のデコードされた取得された画像を対応する試料容器に関連付けるように構成されている、システム。
(項目51)
前記試料ラックの絶対位置を測定するように構成されている位置センサをさらに備えている、項目50に記載のシステム。
(項目52)
前記位置センサは、前記試料ラック上の位置インジケータを使用して、前記試料ラックの前記絶対位置を測定し、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記試料ラックの絶対位置を決定するように構成されている、項目51に記載のシステム。
(項目53)
前記位置センサは、複数の光学読み取りセンサ、複数の磁気読み取りセンサ、複数の容量性読み取りセンサ、複数の歯車、および複数の摩擦車から成る群からの1つ以上のものを備えている、項目51-52のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目54)
前記カメラは、前記試料ラック上の光学エンコーダストリップの画像を取得するように構成され、前記処理および制御ユニットは、前記光学エンコーダストリップの取得された画像をデコードし、前記試料ラックの前記絶対位置を測定するように構成され、前記試料ラックの測定された絶対位置を前記複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識の前記取得された画像に関連付けるように構成されている、項目50-53のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目55)
前記システムは、前記試料ラックが前記第1の位置と前記第2の位置との間で手動で移動させられるように構成されている、項目50-54のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目56)
前記システムは、前記試料ラックが前記第1の位置と前記第2の位置との間で自動的に移動させられるように構成されている、項目50-54のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目57)
前記カメラは、ラインスキャンカメラまたはエリアスキャンカメラを備えている、項目50-56のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目58)
前記機械読み取り可能な標識は、2次元バーコードを備えている、項目50-57のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目59)
前記2次元バーコードは、前記試料容器内の試料をある患者に関連付ける情報を含む、項目58に記載のシステム。
(項目60)
前記カメラは、前記筐体内に配置されているか、または前記筐体に結合されている、項目50-59のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目61)
前記処理および制御ユニットは、前記筐体内に配置されているか、または前記筐体に結合されている、項目50-60のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目62)
試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取るためのシステムであって、前記システムは、
筐体と、
前記筐体内の第1の位置と第2の位置との間を移動する試料ラックによって保持されている複数の試料容器のうちの各試料容器の機械読み取り可能な標識を読み取るように構成されている標識リーダと、
前記試料ラックが前記第1の位置から前記第2の位置に移動しているときに前記複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識を読み取るために、前記試料ラックが前記第1の位置と前記第2の位置との間の複数の事前決定された位置の各々にあるとき、前記標識リーダをアクティブにするように構成されている処理および制御ユニットと
を備えている、システム。
(項目63)
前記標識リーダは、前記試料ラック上の機械読み取り可能なラック識別子標識を読み取るようにさらに構成されている、項目62に記載のシステム。
(項目64)
前記試料ラック上のRFIDタグに動作可能に結合されているセンサをさらに備えている、項目62に記載のシステム。
(項目65)
前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記試料ラックの位置を決定するために、前記試料ラック上の位置インジケータに動作可能に結合されているセンサをさらに備えている、項目62-64のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目66)
前記位置センサは、複数の光学読み取りセンサ、複数の磁気読み取りセンサ、複数の容量読み取りセンサ、複数の歯車、および複数の摩擦車から成る群からの1つ以上のものを備えている、項目65に記載のシステム。
(項目67)
前記処理および制御ユニットは、前記試料ラックが前記複数の事前決定された位置の各々にあるとき、光源をアクティブにするようにさらに構成されている、項目62-66のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目68)
前記システムは、前記試料ラックが前記第1の位置と前記第2の位置との間で手動で移動させられるように構成されている、項目62-67のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目69)
前記システムは、前記試料ラックが前記第1の位置と前記第2の位置との間で自動的に移動させられるように構成されている、項目62-67のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目70)
前記標識リーダは、前記筐体内に配置されているか、または前記筐体に結合されている、項目62-69のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目71)
前記処理および制御ユニットは、前記筐体内に配置されているか、または前記筐体に結合されている、項目62-70のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目72)
試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取るためのシステムであって、前記システムは、
ラック識別子を有する試料ラックであって、前記試料ラックは、複数の試料容器を保持するように構成され、前記複数の試料容器の各々は、機械読み取り可能な標識を有する、試料ラックと、
前記試料ラックを受け取るように構成されている第1の場所と、
前記試料ラックが前記第1の場所にあるとき、前記ラック識別子を読み取るように構成されているセンサと、
前記試料ラックを受け取るように構成されている第2の場所と、
前記試料ラックが前記第2の場所にあるとき、前記複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識を読み取るように構成されている第1の標識リーダであって、前記第1の標識リーダは、前記センサとは別個である、第1の標識リーダと
を備えている、システム。
(項目73)
前記ラック識別子は、機械読み取り可能な標識であり、前記センサは、第2の標識リーダである、項目72に記載のシステム。
(項目74)
前記ラック識別子は、RFIDタグであり、前記センサは、RFIDリーダである、項目72に記載のシステム。
(項目75)
前記複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識は、2次元バーコードを備えている、項目72-74のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目76)
前記2次元バーコードは、前記試料容器内の試料をある患者に関連付ける情報を含む、項目75に記載のシステム。
(項目77)
前記システムは、前記試料ラックが前記第1の場所にあるとき、前記試料ラックが第1の位置と第2の位置との間で手動で移動させられるように構成されている、項目72-76のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目78)
前記システムは、前記試料ラックが前記第1の場所にあるとき、前記試料ラックが第1の位置と第2の位置との間で自動的に移動させられるように構成されている、項目72-76のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目79)
試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取るためのシステムであって、前記システムは、
筐体と、
複数の試料容器を保持するように構成されている試料ラックであって、前記複数の試料容器の各々は。2次元機械読み取り可能な標識を有し、前記試料ラックは、前記筐体内の第1の位置と第2の位置との間を移動するように構成されている、試料ラックと、
前記試料ラックが前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動しているとき、前記複数の試料容器のうちの各試料容器の前記2次元機械読み取り可能な標識を読み取るように構成されているリーダと、
前記複数の試料容器のうちの各試料容器の読み取られた2次元機械読み取り可能な標識をデコードするように構成されている処理および制御ユニットと
を備え、
前記処理および制御ユニットは、前記2次元機械読み取り可能な標識が読み取られたときに測定された試料ラックの位置に基づいて、前記複数の試料容器のうちの各試料容器の前記デコードされた2次元機械読み取り可能な標識を対応する試料容器に関連付けるように構成されている、システム。
(項目80)
前記システムは、前記試料ラックが前記第1の位置と前記第2の位置との間で手動で移動させられるように構成されている、項目79に記載のシステム。
(項目81)
前記システムは、前記試料ラックが前記第1の位置と前記第2の位置との間で自動的に移動させられるように構成されている、項目79-80のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目82)
前記リーダは、前記筐体内に配置されているか、または前記筐体に結合されている、項目79-81のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目83)
前記処理および制御ユニットは、前記筐体内に配置されているか、または前記筐体に結合されている、項目79-82のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目84)
試料容器上の機械読み取り可能な標識を読み取るためのシステムであって、前記システムは、
少なくとも第1のレーンおよび第2のレーンを画定する筐体であって、各レーンは、複数の試料容器を保持するように適合されている試料ラックを受け取るように構成され、前記試料容器の各々は、機械読み取り可能な標識を有する、筐体と、
カメラと
を備え、
前記カメラは、前記第1のレーンに沿った第1の位置にカメラの焦点を合わせる第1の位置と、前記第2のレーンに沿った第2の位置に前記カメラの焦点を合わせる第2の位置とに移動するように構成され、前記カメラは、前記第1のレーンに沿って移動する第1の試料ラックの第1の複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識の画像と、前記第2のレーンに沿って移動する第2の試料ラックの第2の複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識の画像とを取得するように構成されている、システム。
(項目85)
前記カメラは、固定焦点距離カメラである、項目84に記載のシステム。
(項目86)
前記カメラは、可変焦点距離カメラである、項目84に記載のシステム。
(項目87)
前記カメラは、前記第1のレーンおよび前記第2のレーンに沿って手動で移動させられている試料ラックの複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識の画像を取得するように構成されている、項目84-86のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目88)
前記カメラは、前記第1のレーンおよび前記第2のレーンに沿って自動的に移動させられている試料ラックの複数の試料容器のうちの各試料容器の前記機械読み取り可能な標識の画像を取得するように構成されている、項目84-87のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目89)
前記機械読み取り可能な標識は、2次元バーコードを備えている、項目84-88のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目90)
前記2次元バーコードは、前記試料容器内の試料をある患者に関連付ける情報を含む、項目89に記載のシステム。
(項目91)
前記カメラは、CCDカメラまたはCMOSカメラを備えている、項目84-90のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目92)
前記筐体内の各試料容器の前記機械読み取り可能な標識を照射するように構成されている光源をさらに備えている、項目84-91のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目93)
移動可能ステージをさらに備え、前記カメラおよび前記光源は、前記ステージに結合されている、項目92に記載のシステム。
(項目94)
前記カメラは、前記第1および第2のレーンに平行なレーンに沿って移動するように構成されている、項目84-93のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目95)
前記カメラと、前記第1のレーン上の第1の位置および前記第2のレーン上の第2の位置との間の光路に沿って位置付けられているミラーをさらに備えている、項目84-94のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する、付随の図面は、実施形態を図示し、説明とともに、さらに、実施形態の原理を説明し、当業者が実施形態を作製および使用することを可能にする役割を果たす。
【
図1】
図1は、ある実施形態による、試料庫を含む分析器システムの部分斜視図を図示する。
【
図2】
図2は、ある実施形態による、
図1の分析器システムの断面平面図を図示する。
【
図3】
図3は、ある実施形態による、試料庫の正面斜視図を図示する。
【
図4】
図4は、ある実施形態による、
図3の試料庫の後面斜視図を図示する。
【
図5】
図5は、ある実施形態による、カバーの一部が例証目的のために除去された、複数の試料容器を保持するように構成されている試料ラックを図示する。
【
図6】
図6は、ある実施形態による、カバーが試料ラックの基部から結合解除された、試料ラックの側面図を図示する。
【
図7】
図7は、ある実施形態による、試料ラックの底面斜視図を図示する。
【
図8】
図8は、ある実施形態による、位置インジケータを有する試料ラックの側面図を図示する。
【
図9】
図9は、別の実施形態による、位置インジケータを有する試料ラックの側面図を図示する。
【
図10】
図10は、なおも別の実施形態による、位置インジケータを有する試料ラックの後面斜視図を図示する。
【
図11】
図11は、ある実施形態による、ラックが試料庫の筐体に部分的に挿入された、試料庫の正面斜視図を図示する。
【
図12】
図12は、ある実施形態による、ラックが試料庫の筐体に完全に挿入された、
図11の試料庫の正面斜視図を図示する。
【
図13】
図13は、ある実施形態による、位置センサを有する試料庫の正面斜視図を図示する。
【
図14】
図14は、別の実施形態による、位置センサを有する試料庫の正面斜視図を図示する。
【
図15】
図15は、なおも別の実施形態による、位置センサを有する試料庫モジュールの正面斜視図を図示する。
【
図16】
図16は、別の実施形態による、位置センサを有する試料庫の正面斜視図を図示する。
【
図17】
図17は、さらになおも別の実施形態による、試料庫の側面斜視図を図示する。
【
図18】
図18は、試料庫と、試料ラックを撮像するための別個の区画とを有する、分析器システムの正面斜視図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施形態の特徴および利点は、同様の参照文字が全体を通して対応する要素を識別する図面と併せて検討されるとき、以下に記載される発明を実施するための形態からより明白となるであろう。図面では、同様の参照番号は、概して、同じ、機能的に類似する、および/または構造的に類似する要素を示す。
【0016】
本発明は、ここで、付随の図面に図示されるようなその実施形態を参照して詳細に説明される。「一実施形態」、「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例示的実施形態」、「例えば」、「ある実施例」等の言及は、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を含み得るが、全ての実施形態が、必ずしも、その特定の特徴、構造、または特性を含むわけではないことを示す。さらに、そのような語句は、必ずしも、同一の実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が、ある実施形態と関連して説明されるとき、明示的に説明されているかどうかにかかわらず、他の実施形態と関連してそのような特徴、構造、または特性に影響を及ぼすことが当業者の知識内であることが、思量される。
【0017】
本願に説明されるいくつかの実施形態は、以下の設計考慮事項、すなわち、限定された作業空間、厳しい視野要件、高分解能要件、および高速度要件(例えば、容器がユーザによって手動で移動させられるとき)のうちの1つ以上のものが存在する用途において、試料容器上の1次元および2次元バーコードを読み取るためのシステムおよび方法を提供する。例えば、システムが、複数のレーンに沿って複数の試料ラックを受け取るように構成される筐体(例えば、試料庫筐体)を含むことができる。各試料ラックは、2次元バーコードを有する試料容器を保持する。システムは、2次元バーコードを読み取るリーダ、例えば、レーザーバーコード走査装置またはカメラを含む。システムは、バーコードから情報を取得し、情報を対応する試料容器に関連付けるために、読み取られた2次元バーコードをデコードする処理および制御ユニットも含む。試料容器上の2次元バーコードを読み取るためのそのようなシステムおよび方法は、流体試料材料に対するアッセイを実施するために、および、試料容器の内容物、例えば、患者情報(例えば、患者識別番号)を識別するために使用されることができる。
【0018】
図1および2は、それぞれ、流体試料材料に対するアッセイを実施するための例示的分析器システム10の斜視図および平面図を図示する。いくつかの実施形態では、分析器システム10は、多段階分析プロセス(例えば、ウイルスまたは細菌等の微生物を検出するように設計される核酸試験(NAT))または他の化学的、生化学的、もしくは生物学的プロセスを実施するように構成される。例示的プロセスステップは、例えば、試料、固体支持体、緩衝剤、油、プライマ、ポリメラーゼ、ヌクレオチド、標識、プローブ、もしくは他の反応液等の物質(例えば、流体)を容器に追加すること、および/もしくは物質を容器から除去すること、その内容物を混合するように容器を攪拌すること、(例えば、複数の反応容器を受け取り、高温環境において容器を維持するように構成される加熱培養器を使用して)容器の内容物の温度を維持および/もしくは改変すること、(例えば、反応容器の内容物の温度を上昇させるように構成される温度逓増ステーションまたは容器の内容物の温度を降下させるように構成される冷蔵モジュールを使用して)容器の内容物を加熱もしくは冷蔵すること、容器の1つ以上の内容物成分の濃度を改変すること、(例えば、磁気応答固体支持体上に固定された標的核酸を容器の内容物から単離するように構成される磁気分離洗浄ステーションを使用して)容器の内容物の構成物成分を分離もしくは単離すること、(例えば、反応容器の内容物によって放出される信号(例えば、光学信号)を検出するように構成される検出器を使用して)容器の内容物から電磁信号放出(例えば、光)を検出すること、進行中の反応を不活性化もしくは停止させること、またはそのようなプロセスのうちの2つ以上のものの任意の組み合わせを含む。流体試料材料は、例えば、尿、血液、血漿、痰、唾液、粘液、膿、精液、羊水、脳脊髄液、滑液、および培養液を含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、流体試料材料が、試料庫100を介して分析器システム10に導入される。
図2は、ある実施形態による、分析器10の断面図を図示する。
図2に示されるように、分析器10は、以下にさらに説明される複数の試料ラックを受け取るように構成される試料庫100を含む。いくつかの実施形態では、分析器10は、試薬庫12も含む。試薬庫12は、多段階分析プロセス中に使用される試薬の1つ以上のコンテナを貯蔵するように構成される。いくつかの実施形態では、分析器10は、試薬庫12内に貯蔵される試薬コンテナ上の機械読み取り可能な標識、例えば、バーコードを読み取るように構成されるリーダ14、例えば、バーコードリーダを含む。いくつかの実施形態では、分析器10は、流体移送デバイスによって使用される複数の先端具を貯蔵するように構成される、1つ以上の先端具引き出し16を含む。いくつかの実施形態では、分析器10は、標的捕捉試薬(TCR)の1つ以上のコンテナを支持および回転させるように構成される標的捕捉試薬カルーセル18を含む。いくつかの実施形態では、分析器10は、TCRカルーセル18上のTCRコンテナ上の機械読み取り可能な標識、例えば、バーコードを読み取るように構成されるリーダ20、例えば、バーコードリーダを含む。
【0020】
図3および4は、それぞれ、ある実施形態による、試料庫100の正面斜視図および後面斜視図を図示する。試料庫100は、試料庫100内に画定されたレーンに沿って複数の試料ラック102を受け取るように構成される。試料ラック102は、流体試料材料を含む複数の試料容器(
図3および4に図示せず)を支持する。例えば、
図3に示されるように、試料庫100は、試料庫100内に画定されたレーンに沿って移動する8つの試料ラック102を受け取るように構成される。他の実施形態では、試料庫100は、8つを下回る、または8つを上回る試料ラック102を受け取るように構成される。
【0021】
図3および4を参照すると、試料庫100は、試料ラック102を受け取る内部区画を画定する筐体101を含む。筐体101は、
図3および4に示されるような長方形または任意の他の好適な形状であり得る。いくつかの実施形態では、筐体101は、平面かつ長方形である基部104と、基部104の対向する側から延びている第1の側壁106および第2の側壁108と、基部104の裏側から第1および第2の側壁106および108間に延びている後壁110とを含む。筐体101は、その前端に開口部112を有し、試料ラック102が、筐体101によって画定される区画に挿入され、それから除去されることを可能にする。
【0022】
いくつかの実施形態では、筐体101は、それらに沿って試料ラック102が移動する複数のレーン、例えば、
図3および4に示されるような8つのレーンを画定する。いくつかの実施形態では、基部104は、筐体101のレーンを画定する複数のガイド114を含む。ガイド114は、基部104から延びている突出部であり、試料ラック102の対応する陥凹と動作可能に嵌合するように構成される。ガイド114は、試料ラック102が移動するとき、試料ラック102が筐体101の画定されたレーン内に正確かつ繰り返し可能に位置付けられることを確実にすることに役立ち得る。
図3および4に示されるように、レーンは、直線であり、筐体101の前端から筐体101の後端に延びている。
【0023】
いくつかの実施形態では、筐体101は、上面パネル116も含む。いくつかの実施形態では、上面パネル116は、ガイド114とともに、試料ラック102が移動するレーンを画定する複数のガイド118を含む。ガイド118は、上面パネル116から基部104に向かって延び、試料ラック102上の対応する陥凹と動作可能に嵌合するように構成される突出部であり得る。いくつかの実施形態では、上面パネル116は、複数の試料容器アクセス開口部126を画定し、それらは、
図3に示されるようないくつかの実施形態では、長方形アレイの行および列において配列される。開口部126の各列は、それぞれの試料ラック102と整列させられ、システム、例えば、分析器システムに、試料ラック102によって保持される容器への容易なアクセスを提供する。
【0024】
試料庫100は、試料ラック102によって保持される容器上の機械読み取り可能な標識を含む、試料ラック102上の機械読み取り可能な標識を読み取るように構成されるリーダ124も含む。いくつかの実施形態では、
図3および4に示されるように、試料庫100は、リーダ124を支持するように構成されるリーダ支持体120を含む。いくつかの実施形態では、リーダ124は、リーダ支持体120に結合され、したがって、筐体101に結合される。
図3および4に示されるように、リーダ支持体120は、筐体101に固定して結合され、例えば、側壁108に固定して結合される。いくつかの実施形態では、上方から視認すると、リーダ支持体120は、U形であり、リーダ124を受け取り、支持するようにサイズを決定される区画を形成する。リーダ124は、いくつかの実施形態では、リーダ支持体120に結合され、筐体101に対してリーダ124の位置を固定する。
【0025】
側壁108は、筐体101によって画定される内部区画に延びている開口部122を画定し、したがって、リーダ124は、開口部122を通して筐体101内の試料ラック102上の標識を読み取ることができる。いくつかの実施形態では、リーダ124は、試料ラック102が筐体101の中に押し込まれるか、もしくはそれから除去されるとき、または試料ラック102が筐体101に完全に挿入された後、機械読み取り可能な標識を読み取るように構成される。いくつかの実施形態では、リーダ124は、例えば、バーコードを読み取るように構成される。いくつかの実施形態では、機械読み取り可能な標識を読み取ることは、光源から光を放出することと、例えば、レーザーバーコードリーダを使用することによって、光源が機械読み取り可能な標識を横断して走査するとき、機械読み取り可能な標識から後方反射される光の強度を測定することとを含む。他の実施形態では、機械読み取り可能な標識を読み取ることは、機械読み取り可能な標識の画像を取得することを含む。いくつかの実施形態では、リーダ124は、試料ラック102によって保持される容器上の機械読み取り可能な標識を含む、試料ラック102上の2次元バーコード標識(ならびにいくつかの実施形態では、1次元バーコード標識または1次元および2次元バーコード標識の両方)を読み取るように構成される。
【0026】
いくつかの実施形態では、リーダ124は、
図3、4、および11-16に示されるように、筐体101の外側に配置され、開口部122から間隔を置かれる。いくつかの実施形態(図示せず)では、リーダ124は、筐体101の外側に、開口部122に直接隣接して配置される。他の実施形態(図示せず)では、リーダ124は、筐体101内に配置される。
【0027】
いくつかの実施形態では、
図3に示されるように、試料庫100は、筐体101の内部を照射するように構成される光源125、例えば、ストロボを含む。例えば、光源125は、筐体101内の試料容器128上の標識を照射することができる。
図3に示されるように、例えば、光源125は、リーダ124に近接し、リーダ支持体120に結合される。いくつかの実施形態では、光源125は、LEDアレイを含む。いくつかの実施形態(図示せず)では、光源125は、筐体101の内側または任意の他の好適な場所に配置される。いくつかの実施形態では、光源125は、リーダ124内に具現化される。
【0028】
いくつかの実施形態では、リーダ124と、そのデータ処理システムとを含む試料庫100は、2010年5月17日に出願された国際出願第PCT/US2010/035146号および2012年10月18日に公開された米国特許出願公開第2012/0261469号(その両方は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示される種々の実施形態において説明されるように構成される。
【0029】
図5-10は、試料ラック102の種々の実施形態を図示する。
図5を参照すると、試料ラック102は、複数の試料容器128を保持するように構成される。例えば、
図5に示されるように、試料ラック102は、15個の試料容器128を保持するように構成される。いくつかの実施形態では、試料ラック102は、試料容器128を密接に受け取るための複数のポケット130を画定する基部129を含む。ポケット130は、いくつかの実施形態では、垂直隔壁によって互いに分離されることができる。いくつかの実施形態では、試料容器128は、管状コンテナ、例えば、試験管である。他の実施形態では、試料容器128は、流体もしくは液体を保持するために好適な任意の他のコンテナ、例えば、キュベット、ビーカ、またはマイクロタイタープレートであり得る。いくつかの実施形態では、
図5に示されるように、試料容器128は、試料容器128をシールするキャップを含む。キャップは、分析器システム10の流体移送機構のプローブによって穿通されることができる。いくつかの実施形態では、試料ラック102は、好適な非反応性材料、例えば、プラスチックまたはDelrin(登録商標)アセチル樹脂から作製される。
【0030】
いくつかの実施形態では、
図5および6に最良に見られるように、試料ラック102は、各ポケット130に対して、ばねクリップ131等の弾力的な要素を含む。ばねクリップ131は、ポケット130を画定する隔壁に取り付けられる1つの部分と、ポケット130に鋭角に延びている別の部分とを伴う(例えば、ばねステンレス鋼から作製される)曲げられた要素を備えている。各ばねクリップ131は、可変サイズの試料容器128に対応することができる。試料容器128は、試料容器128をポケット130の片側を形成する隔壁に向かって押すばねクリップ131を用いて、ポケット130内の比較的に確実な固定位置内に保持される。
【0031】
図5に示されるように、試料ラック102は、いくつかの実施形態では、ユーザが試料ラック102を握持し、手動で移動させることを可能にするように構成されるハンドル132を含む。例えば、ユーザは、ハンドル132を握持し、試料庫100の筐体101に試料ラック102を挿入すること、または試料庫100の筐体101から試料ラック102を除去することができる。いくつかの実施形態では、ハンドル132は、ユーザの指が通過することを可能にするように構成される開口部134を画定する。いくつかの実施形態では、開口部134は、リーダ124から開口部134の反対側上に位置付けられる試料ラック102上の機械読み取り可能な標識を読み取るために、リーダ124の光路150(
図11および12参照)が試料ラック102を通過することを可能にする。
【0032】
いくつかの実施形態では、試料ラック102は、固有のラック識別情報、例えば、ラック識別番号を提供するラック識別子136を含む。いくつかの実施形態(図示せず)では、ラック識別子136は、RFIDタグである。そのようなRFID実施形態では、試料庫100は、試料ラック102が試料庫100内にあるとき、RFIDタグを調べるように構成されるRFIDリーダを含む。他の実施形態では、ラック識別子136は、機械読み取り可能な標識、例えば、1次元バーコード(
図5に示されるような)または2次元バーコードである。そのような機械読み取り可能な標識実施形態では、リーダ124は、ラック識別子136を読み取るように構成される標識リーダである。ラック識別子136は、
図5に示されるように、試料ラック102のハンドル132に近接して位置付けられることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、試料ラック102は、試料ラック102の各ポケット130のための固有のポケット識別情報を提供するポケット識別子138、例えば、1次元バーコード(
図5に示されるような)または2次元バーコードを含む。いくつかの実施形態では、ポケット識別子138は、試料ラック102上の対応するポケット130の位置を示し、したがって、試料ラック102上の対応するポケット130内の試料容器128の位置を示す。いくつかの実施形態では、ポケット識別子138は、隣接するポケット130を互いに分離する隔壁の外面上に位置する。いくつかの実施形態では、ポケット識別子138は、各ポケット130を固有に識別する、英数字識別子、例えば、「A」、「B」、「C」等を含む。いくつかの実施形態では、試料ラック102は、試料容器128を含まないポケット130を識別するために使用される空陥凹識別子140、例えば、次元バーコード1(
図5に示されるような)または2次元バーコード等の機械読み取り可能な標識を含む。例えば、
図5に示されるように、空陥凹識別子140は、各ポケット130内に位置する。
【0034】
いくつかの実施形態では、試料ラック102は、試料ラック102のポケット130内に保持される試料容器128の上部を覆って取り付くように構成されるカバー146を含む。いくつかの実施形態では、カバー146は、ポケット130の内容物がカバー146を除去することなく観察され得るように、透明または半透明である。カバー146は、試料ラック102の基部129に解放可能に固定されるように構成される。他の実施形態では、試料ラック102は、カバー146を含まない。
【0035】
図5および6を参照すると、カバー146は、1次元バーコード(
図5に示されるような)または2次元バーコード等の機械読み取り可能な標識137を含む。標識137は、カバー146が基部129に結合されているかどうか、および/または基部129に対して適切に位置付けられているかどうかを決定するために使用されるように構成される。
【0036】
図5に示されるように、試料ラック102内の各試料容器128は、いくつかの実施形態では、標識142を含む。いくつかの実施形態では、標識142は、機械読み取り可能な標識144、例えば、1次元または2次元(
図5に示されるような)バーコードを含む。2次元バーコードは、2方向において、例えば、水平および垂直方向において情報を表し、スタックバーコードおよびマトリクスバーコードを含む。2次元バーコードは、例えば、Aztecコード、PDF417コード、MaxiCode、Codablockコード、Data Matrixコード、およびQRコード(登録商標)を含む。2次元バーコードは、デコード正確度を改良し、1次元バーコードに対してバーコード内に含まれる情報の量を増加させることができる。いくつかの実施形態では、2次元バーコード標識144は、以下の情報項目のうちの1つ以上のものを含む:固有の患者識別子(例えば、患者名または患者識別番号)、患者メタデータ(例えば、生年月日、年齢、性別、身長、または体重)、医療履歴、または任意の他の所望の患者情報等の患者情報;および、アッセイを要求する医療提供者、試料が収集された日付、収集部位、実施されるべきアッセイのタイプ、アッセイ試験結果、および他の好適な情報等の試料情報。
【0037】
いくつかの実施形態では、2次元バーコード標識144は、0.2mm×0.2mmと同程度に小さい特徴を有する。そのような実施形態では、リーダ124は、試料ラック102が高速度、例えば、100mm/秒を上回る速度、例えば、300mm/秒、500mm/秒、600mm/秒、および1,000mm/秒を上回る速度で移動しているとき、2次元バーコード標識144を正確に読み取るように構成される。
【0038】
試料ラック102の底面154を図示する
図7を参照すると、試料ラック102は、いくつかの実施形態では、筐体101の基部104上のガイド114と動作可能に嵌合するように構成される陥凹付きガイド軌道156を含む。例えば、試料ラック102の底面154は、試料ラックガイド114に係合する陥凹付きガイド軌道156を形成し、筐体101内に画定されるレーンに沿った試料ラック102の適切かつ繰り返し可能な位置付けを確実にすることができる。ばねクリップ131が
図7に図示されていないが、
図7の試料ラック102は、ばねクリップ131を含むことができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、試料庫100は、試料ラック102が試料庫100の筐体101内に手動で挿入されるように構成される。本願では、「手動で挿入される」、「手動で移動させられる」、または類似する語句は、試料ラック102が自動化または電気デバイス構成要素を使用せずに挿入または移動させられることを意味する。つまり、試料ラック102は、ユーザの手のみを使用して、画定されたレーンに沿って筐体101内に挿入され、移動させられる。試料ラック102が手動で移動させられるとき、試料ラック102は、100mm/秒を超える高速度、例えば、300mm/秒、500mm/秒、600mm/秒、または1,000mm/秒を上回る速度で移動することができる。
【0040】
他の実施形態では、試料庫100は、試料庫100の筐体101内で試料ラック102を自動的に移動させるように構成される。例えば、試料庫100は、試料庫100の筐体101内の試料ラック102を完全に挿入された位置に移動させる自動化アクチュエータを含むことができる。いくつかの実施形態では、試料ラック102は、筐体101内で、既知の一定の速度で自動的に移動させられる。
【0041】
試料庫100の筐体101内に試料ラック102を配置するために、ユーザは、ガイド軌道156を基部104上のガイド114と整列させる。ユーザは、次いで、ガイド114によって画定されるレーンに沿って方向148(
図11に示されるような)に、試料庫100の筐体101内の第1の初期位置から第2の完全に挿入された位置に試料ラック102を移動させる。いくつかの実施形態では、試料庫100は、試料ラック102の存在を検出し、試料ラック102が試料庫100に完全に挿入されているかどうかを検出するセンサを含む。
図5に最良に見られるように、試料容器128は、標識142が隣接するポケット130を互いに分離する隔壁によって画定される開口部と整列させられるように、試料ラック102内に配置される。故に、標識142は、筐体101の側壁108において画定される開口部122を通してリーダ124に可視である。したがって、試料ラック102が初期位置から完全に挿入されるまで移動するとき、リーダ124は、試料ラック102上の各試料容器128上の標識142を読み取ることができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、試料庫100は、筐体101内の試料ラック102の位置を測定する位置測定システムを含む。いくつかの実施形態では、位置測定システムは、試料ラック102の絶対位置を決定するように構成される。本願では、「絶対位置」は、試料庫100内の試料ラック102の厳密な位置を意味する。対照的に、例えば、「増分位置」は、試料ラック102が基準点からの試料庫100内にあり得る位置の増分範囲を意味する。
【0043】
試料庫100が絶対位置測定システムを含むいくつかの実施形態では、試料ラック102は、絶対位置インジケータ158を含む。いくつかの実施形態では、位置インジケータ158は、ポケット130と重複する試料ラック102の長さに沿って(例えば、基部129またはカバー146に沿って)延びている。例えば、
図8および10を参照すると、位置インジケータ158は、いくつかの実施形態では、試料ラック102内に画定される全てのポケット130に重複するカバー146の長さに沿って延びている。
図8では、位置インジケータ158は、カバー146の側面161上に位置し、
図10では、位置インジケータ158は、カバー146の上面162上に位置付けられる。いくつかの実施形態では、位置インジケータ158は、試料ラック102内に画定される全てのポケット130に重複する基部129の長さに沿って延びている。
図7を参照すると、いくつかの実施形態では、位置インジケータ158は、試料ラック102の底面154上に位置付けられる。いくつかの実施形態では、試料ラック102の構造特徴が、位置インジケータ158を形成する。例えば、
図7では、ガイド軌道156は、位置インジケータ158としても機能する。ガイド軌道156は、繰り返し交互パターンのオフセット区分159および160を含む。位置インジケータ158は、任意の他の好適な場所に位置付けられることができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、位置インジケータ158は、試料ラック102に添着される光学エンコーダストリップ、試料ラック102に添着される磁気エンコーダストリップ、試料ラック102上に形成される摩擦ストリップ、または試料ラック102上に形成される繰り返しパターンの複数の陥凹(例えば、貫通孔を含む)、または試料ラック102上に形成される繰り返しパターンの複数の突出部(例えば、歯車歯を含む)であり得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、位置測定システムは、試料ラック102に結合される位置インジケータ158のタイプに動作可能に対応する位置センサを含む。例えば、位置インジケータ158が、試料ラック102に添着される光学エンコーダストリップまたは磁気エンコーダストリップであるいくつかの実施形態では、測定システムは、
図13および14に示されるように、筐体101に結合され、試料ラック102が光学または磁気読み取りセンサ164に近接して(例えば、その上を、その下を、またはその側面を)通過するとき、光学エンコーダストリップまたは磁気エンコーダストリップを読み取るように構成される光学または磁気読み取りセンサ164を含むことができる。いくつかの実施形態では、読み取りセンサ164は、位置インジケータ158が試料ラック102の底面上に位置するとき、
図13に示されるように、基部104上に位置付けられる。
図13および14に示されるように、例えば、試料庫100の筐体101内の各レーンは、対応するレーンに沿って移動している試料ラック102上の位置インジケータ158を感知するように構成される光学または磁気読み取りセンサ164を含む。光学エンコーダストリップまたは磁気エンコーダストリップがカバー146の上面162に固定されるいくつかの実施形態では、測定システムは、
図14に示されるように、上面パネル116上に位置付けられ、試料ラック102がセンサ164を通過するとき、光学エンコーダストリップまたは磁気エンコーダストリップ158を読み取るように構成される光学または磁気読み取りセンサ164を含むことができる。位置インジケータ158が側面161に固定される光学エンコーダストリップである他の実施形態では、測定システムは、光学エンコーダストリップ158を読み取るために、位置インジケータ158と整列させられるビームを生成する全通ビームセンサ165を含むことができる。位置インジケータ158が試料ラック102上に形成される複数の繰り返し陥凹であるいくつかの実施形態では、測定システムは、
図15に示されるように、試料ラック102上に形成される複数の対応する陥凹に係合する歯車166を含む位置センサを含むことができる。試料ラック102が試料庫100の筐体101内のレーンに沿った位置間を移動しているとき、歯車166は、試料ラック102の絶対位置をエンコードするように回転する。位置インジケータ158が試料ラック102に添着される摩擦ストリップであるいくつかの実施形態では、測定システムは、歯を伴わず、代わりに、高摩擦係数を伴う表面を有することを除いて、
図15に示される歯車166に類似する摩擦車を含む位置センサを含むことができる。摩擦ストリップ158を有する試料ラック102が、試料庫100内のレーンに沿った位置間を移動しているとき、摩擦車は、摩擦ストリップ158に係合し、試料ラック102の絶対位置をエンコードするように回転する。
【0046】
いくつかの実施形態では、位置測定システムは、試料ラック102の増分位置を決定するように構成される。
【0047】
図11および12を参照すると、いくつかの実施形態では、リーダ124は、光路150を有し、光路150に沿ったオブジェクトプレーン(object plane)152における標識を読み取るように構成される。いくつかの実施形態では、リーダ124の作業距離範囲は、それに沿って試料ラック102が移動する筐体101内に画定される各レーンを含むために十分に大きい。リーダ124がカメラであるいくつかの実施形態では、リーダ124は、電荷結合素子(CCD)または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)カメラである。いくつかのカメラ実施形態では、リーダ124は、ラインスキャンまたはエリアスキャンカメラである。いくつかのカメラ実施形態では、リーダ124は、筐体101の各レーンにおける試料ラック102上の標識、例えば、標識144を読み取るために十分な視野高さを有する。いくつかのカメラ実施形態では、リーダ124は、例えば、100mm/秒、300mm/秒、500mm/秒、および600mm/秒を含む、少なくとも1,000mm/秒までの速度で移動する試料ラック102上の標識、例えば、標識144の画像を取得するために十分な速度でサンプリングする。例えば、いくつかの実施形態では、リーダ124は、50Hzまたは60Hz等の少なくとも35Hzの速度でサンプリングする。例えば、リーダ124は、それに沿って試料ラック102が移動する筐体101の各レーンを含む作業距離範囲、試料ラック102の高さを上回る視野、および少なくとも60Hzのサンプル速度を有するCMOSラインスキャンカメラであり得る。
【0048】
リーダ124がカメラであるいくつかの実施形態では、試料ラック102がガイド114によって画定されるレーンに沿って試料庫100に(かつ方向148に)挿入されるとき、リーダ124は、試料ラック102がオブジェクトプレーン152を通過するときにその画像を取得するように構成される。例えば、取得される画像は、リーダ124のオブジェクトプレーン152を通過する標識138、140、144、137、および136の画像を含むことができる。いくつかの実施形態では、取得された画像は、取得された画像を処理し、取得された画像の標識138、140、144、137、および136内に含まれる情報をデコードするように構成される処理および制御ユニットに伝送される。いくつかの実施形態では、処理および制御ユニットは、筐体101に結合されるか、またはその中に配置される。いくつかの実施形態では、この画像デコードは、試料ラック102が試料庫100の筐体101に完全に挿入された後に起こる。いくつかの実施形態では、試料ラック102が完全に挿入された後に取得された画像をデコードすることは、カメラリーダ124がより高いサンプル速度を有することを可能にする。例えば、そのような後処理の場合、カメラリーダ124は、少なくとも30フレーム/秒、いくつかの実施形態では、少なくとも60フレーム/秒のサンプル速度を有することができる。いくつかの実施形態では、処理および制御ユニットは、(リアルタイムデコードとは対照的に)画像が取得された後にカメラリーダ124によって捕捉される1~3秒ビデオストリームをデコードするように構成され、それは、サンプル速度を増加させることができる。
【0049】
試料ラック102上の位置インジケータ158が光学エンコーダストリップであるいくつかの実施形態では、リーダ124は、標識138、140、144、137、および136の画像を取得することに加えて、光学エンコーダストリップの画像を取得するように構成されることができる。光学エンコーダストリップ158の取得された画像は、処理および制御ユニットに伝送されることができ、処理および制御ユニットは、光学エンコーダストリップの取得された画像をデコードし、試料庫100の筐体101内の試料ラック102の絶対位置を決定する。そのような実施形態では、リーダ124は、ラインスキャンカメラであり得る。いくつかのラインスキャンカメラ実施形態では、リーダ124は、少なくとも5μmピクセル分解能(例えば、7μmピクセル分解能)を有し、それは、少なくとも50フレーム/秒(例えば、60または80フレーム/秒)の速度でサンプリングする。例えば、60フレーム/秒の速度でサンプリングするラインスキャンカメラリーダ124は、試料ラック102が600mm/秒の速度で移動するとき、約10μm毎に画像を捕捉することができる。いくつかのラインスキャンカメラ実施形態では、リーダ124は、少なくとも1,500ピクセル(例えば、2,000ピクセル)および少なくとも50mm(例えば、100mm)の視野を有する。例えば、ラインスキャンカメラリーダ124が、2,000ピクセルおよび100mmの視野を有するとき、ピクセル画像の各々は、約50μmである。いくつかの実施形態では、光学エンコーダストリップは、ラインスキャンカメラリーダ124の少なくとも3つのピクセルを対象とする幅を有する複数の線を含む。いくつかのラインスキャンカメラ実施形態では、ラインスキャンカメラリーダ124は、200mm~300mmの範囲内の作業距離を有する。
【0050】
いくつかの実施形態では、試料ラック102は、試料庫100の筐体101内の第1の位置と試料庫100の筐体101内の第2の位置との間で移動させられる。第1の位置は、例えば、試料ラック102が最初に筐体101の基部104上のガイド114に係合するときであり得、第2の位置は、例えば、第1の位置と試料ラック102が筐体101内に完全に挿入される位置との間の任意の位置であり得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、ユーザは、第1および第2の位置間で試料ラック102を手動で移動させる。手動で挿入されるとき、試料ラック102は、100mm/秒を超える速度、例えば、300mm/秒、500mm/秒、600mm/秒、または1,000mm/秒を超える速度で移動させられることができる。
【0052】
試料ラック102が筐体101内の第1の位置と第2の位置との間で移動させられるとき、位置測定システム、例えば、位置測定システムの上で説明される実施形態のうちの任意の1つが、いくつかの実施形態では、試料ラック102の絶対位置を測定する。試料ラック102が第1の位置と第2の位置との間で移動させられるとき、リーダ124は、リーダ124のオブジェクトプレーン152において、試料容器128の機械読み取り可能な標識144の画像を含む試料ラック102の画像を取得する。リーダ124は、取得された画像を処理および制御ユニットに伝送し、それは、オブジェクトプレーン152を通過する各試料容器128上の機械読み取り可能な標識144の取得された画像をデコードすることを含み、取得された画像をデコードする。いくつかの実施形態では、取得された画像をデコードすることは、取得された画像を処理し、取得された画像が機械読み取り可能な標識を含むかどうかを決定することを含み、該当する場合、機械読み取り可能な標識内に含まれる情報を抽出することを含む。いくつかの実施形態では、このデコードすることは、試料ラック102が試料庫100の筐体101内に完全に挿入された後に起こる。
【0053】
いくつかの実施形態では、処理および制御ユニットは、試料ラック102が筐体101内の第1および第2の位置間で移動させられる速度を決定する。例えば、光学エンコーダストリップを使用する実施形態では、処理および制御ユニットは、取得された画像を処理し、ラック挿入速度を決定する。いくつかの実施形態では、処理および制御ユニットはまた、機械読み取り可能な標識144のデコードされる画像が取得されたときに測定された試料ラック102の絶対位置に基づいて、機械読み取り可能な標識144の取得された画像からデコードされた情報を、対応する試料容器128に関連付ける。処理および制御ユニットは、この関連付けをシステムのメモリに記憶することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、処理および制御ユニットは、試料ラック102上のポケット識別子138の画像を取得することなく、機械読み取り可能な標識144の取得された画像から情報をデコードし、デコードされた情報を対応する試料容器128に関連付ける。例えば、処理および制御ユニットは、試料ラック102が、試料ラック102の各ポケット130の中心がリーダ124のオブジェクトプレーン152と整列させられるとき、ラック識別子136がリーダ124のオブジェクトプレーン152と整列させられるとき、およびカバー識別子137がオブジェクトプレーン152と整列させられるときに対応する事前決定された位置にあるとき、リーダ124をアクティブにするように構成されることができる。これらの事前決定された位置において、リーダ124は、それぞれ、空陥凹識別子140または2次元バーコード144、ラック識別子136、およびカバー識別子144の画像を取得する。処理および制御ユニットは、試料ラック102が、試料ラック102の各ポケット130の中心がリーダ124のオブジェクトプレーン152と整列させられるとき、ラック識別子136がリーダ124のオブジェクトプレーン152と整列させられるとき、およびカバー識別子137がオブジェクトプレーン152と整列させられるときに対応する事前決定された位置にないとき、リーダ124を非アクティブにすることができる。つまり、リーダ124のアクティブ化は、試料ラック102の位置に基づいて調整される。そのような実施形態では、リーダ124は、試料ラック102が100mm/秒を超える速度、例えば、500mm/秒を超える速度(試料庫100内の試料ラック102の手動挿入に関連付けられる速度)で進行しているときであっても、35走査/秒を下回るサンプル速度、例えば、約16~32走査/秒の走査速度を有する2次元バーコードリーダ、例えば、レーザーバーコードリーダであり得る。いくつかの実施形態では、試料ラック102は、最大1,000mm/秒の速度で移動する。そのような実施形態では、試料ラック102の測定される位置は、リーダ124とは別個のセンサを有する位置測定システムによって決定される。例えば、試料ラック102の測定される位置は、上で説明されるように、位置インジケータ158(例えば、あるパターンの陥凹または突出部、光学エンコーダテープ、磁気エンコーダテープ、容量性ストリップ)および位置センサ(例えば、光学もしくは磁気読み取りセンサ164、歯車もしくは摩擦車166、または全通ビームセンサ165)を使用して決定されることができる。位置インジケータ158およびリーダ124とは別個の位置センサ164、165、または166を使用して試料ラック102の位置を決定することは、リーダ124の必要な性能要件を最小化することに役立ち得る。いくつかの実施形態では、処理および制御ユニットは、試料ラック102が複数の事前決定された位置の各々にあるとき、(リーダ124を用いて画像を取得すると同時に)光源125をアクティブにするように構成される。画像を取得するときに光源125を使用することは、リーダ124の必要な性能要件をさらに低減させることができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、機械読み取り可能な標識144のデコードされた取得された画像からの情報を対応する試料容器128に関連付ける方法は、試料ラック102を筐体101内の第1および第2の位置間で手動で移動させるとき、例えば、試料ラック102が少なくとも100mm/秒(例えば、少なくとも300mm/秒または500mm/秒および1,000mm/秒と同程度の速さ)の速度で移動させるときに使用される。
【0056】
図18を参照すると、いくつかの実施形態では、分析器システム10は、リーダ124を有する試料庫100と、試料庫100とは別個である第2のモジュール180とを含む。いくつかの実施形態では、第2のモジュール180は、少なくとも1つの試料ラック102を受け取るように構成される区画184を画定する。第2のモジュール180も、試料庫100のリーダ124とは別個の第2のリーダ186を有する。いくつかの実施形態では、
図18に示されるように、試料庫100および第2のモジュール180は、一緒に結合された別個の筐体内に封入され、第2のモジュール180の筐体182は、試料庫100を画定する筐体とは別個である。他の実施形態では、試料庫100および第2のモジュール180は、同一の筐体内に封入されるが、各試料庫100および第2のモジュール180の区画は、壁によって分離される。
【0057】
第2のリーダ186は、第2のモジュール180内に挿入されると、各試料容器128上の機械読み取り可能な標識、例えば、ラック識別子136、カバー識別子137、および2次元バーコード144を読み取るように構成される。いくつかの実施形態では、第2のリーダ186は、試料ラック102が第2のモジュール180の区画184内に挿入されるとき、各試料容器128上の2次元バーコード144を読み取るように構成される。他の実施形態では、第2のリーダ186は、試料ラック102が挿入された後、試料ラック102を走査し、各試料容器128のための2次元バーコード144を読み取るように構成される。取得された画像は、処理および制御ユニットに伝送され、デコードされる。
【0058】
第2のモジュール180内の試料ラック102の容器128上の2次元バーコード144を含む、バーコードの画像を取得した後、ユーザは、試料ラック102を第2のモジュール180から手動で除去し、同一の試料ラック102を試料庫100内に挿入することができる。いくつかの実施形態では、バーコードリーダ124(例えば、1次元レーザーバーコードリーダ)は、試料ラック102が試料庫100内の利用可能なレーンに沿って挿入されるとき、容器128上のバーコード144を読み取らない。代わりに、リーダ124は、ラック識別子136(例えば、1次元バーコード)のみを読み取り、第2のモジュール180内で走査されたばかりの試料ラック102が試料庫100内に挿入されたことを確認する。リーダ124は、カバー146の存在および適切な位置付けを確実にするために、カバー識別子137を読み取ることもできる。処理および制御ユニットは、次いで、第2のモジュール180における2次元バーコード144の取得された画像からデコードされた情報を、試料庫100内に挿入された試料ラック102のラック識別子136に関連付けることができる。いくつかの実施形態では、処理および制御ユニットは、試料ラック102が事前決定された期間、例えば、5秒以内に試料庫100に挿入されない場合、リーダ124を消去するか、またはそうでなければそれを無効にするように構成されることができる。したがって、試料ラック102が事前決定された期間以内に試料庫100に移動させられない場合、処理および制御ユニットは、試料ラック102が以前に第2のモジュール180内で走査されたものとして認識せず、試料ラック102は、第2のモジュール内で再び走査される必要があるであろう。このタイミング要件は、1つ以上の走査されていない容器が、試料ラック102を第2のモジュール180から除去することと、試料ラック102を試料庫100に挿入することとの間の時間内に、走査された容器128に代わって交換されるリスクを最小化することに役立ち得る。いくつかの実施形態では、リーダ124は、1次元バーコード標識のみを読み取るように構成され、第2のリーダ186は、1次元および2次元バーコードを読み取るように構成される。ラック識別子136がRFIDタグであるいくつかの実施形態では、システム10は、RFIDタグを有する試料ラック102を調べるように構成されるRFIDリーダを試料庫100内に含む。
【0059】
図17を参照すると、いくつかの実施形態では、試料庫100は、試料庫100の筐体101内で、それに沿って試料ラック102が移動するレーンに対して移動可能であるリーダ支持体168を含む。いくつかの実施形態では、試料庫100は、リーダ支持体168に固定して結合されるカメラ170を含み、したがって、カメラ170は、リーダ支持体168とともに移動する。いくつかの実施形態では、カメラ170は、固定焦点距離を有する。他の実施形態では、カメラ170は、可変焦点距離を有する。試料庫100は、リーダ支持体168を経路169に沿って移動させるアクチュエータを含むことができ、したがって、カメラ170のオブジェクトプレーン152が、撮像されている試料ラック102を有するレーンと動作可能に整列させられる。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、例えば、機械式、油圧式、空気圧式、圧電式、および電気機械式線形アクチュエータ等の線形アクチュエータである。いくつかの実施形態では、リーダ支持体168は、経路169に沿って約150mm~約350mmの範囲内で移動するように構成される。リータ支持体168は、カメラ170のオブジェクトプレーン152が試料庫100内の各レーンと整列させられ得るように構成される。いくつかの実施形態では、リーダ支持体168の経路169は、試料庫1001内で、それに沿って試料ラック102が移動するレーンに平行である。いくつかの実施形態では、カメラ170は、CCDまたはCMOSカメラである。いくつかの実施形態では、カメラ170は、少なくとも35フレーム/秒の速度で画像を取得する。例えば、カメラ170は、60フレーム/秒の速度で画像を取得することができる。いくつかの実施形態では、カメラ170のレンズ172からの光路150の方向は、折り曲げられる。例えば、
図17に示されるように、試料庫100は、光路150を、それに沿って試料ラック102が移動するレーンに向かって折り曲げるミラー176を含むことができる。例えば、
図17に示されるように、ミラー176は、光路150を試料庫100のレーンに向かって90度折り曲げる。他の実施形態では、ミラー176は、光路150を90度を上回る、またはそれを下回る他の角度に折り曲げる。いくつかの実施形態では、試料庫100は、試料庫100内のレーンを照射するように構成される光源174を含む。いくつかの実施形態では、光源174も、リーダ支持体168に結合され、したがって、光源174は、リーダ支持体168およびカメラ170とともに移動する。いくつかの実施形態では、光源174から放出される光波の光路は、カメラ170の光路150と一致する。光源174は、いくつかの実施形態では、1つ以上のLEDであり得る。いくつかの実施形態では、
図17に示されるように、光源174は、8つのLED、例えば、カメラ170のレンズ172の上方に4つおよびレンズ172の下方に4つを備えている。他の実施形態では、光源174は、4つのLED、例えば、レンズ172の上方に2つおよびレンズ172の下方に2つを備えている。光源174がLEDを備えている実施形態では、LEDの数および構成は、試料庫100内に所望の照明を達成するために変動し得る。いくつかの実施形態では、光源174は、カメラ170に組み込まれる。
【0060】
使用持、試料ラック102は、試料庫100の筐体101内の第1のレーンに沿った第1の位置と第2の位置との間で移動させられる。例えば、試料ラック102は、第1のレーンに沿って手動で移動させられる。第1の位置は、例えば、試料ラック102が基部104上のガイド114に係合する位置であり得、第2の位置は、例えば、第1の位置と試料ラック102が試料庫100内に完全に挿入される位置との間の位置であり得る。試料ラック102がレーンに沿って第1の位置と第2の位置との間を移動しているとき、カメラ174は、試料ラック102によって支持される試料容器128上の機械読み取り可能な標識144の画像を取得する。取得された画像は、処理および制御ユニットに伝送され、デコードされる。取得された画像は、試料ラック102が試料庫100内に完全に挿入された後にデコードされることができる。別の試料ラック102が、例えば、試料庫100の筐体内の異なるレーンに沿った第1の位置と第2の位置との間で手動で移動させられることができる。処理および制御ユニットは、リーダ支持体168に結合されるアクチュエータを制御し、リーダ支持体168を移動させ、したがって、カメラ170のオブジェクトプレーン152を、それに沿って第2の試料ラック102が移動している第2のレーンに位置付ける。第2の試料ラック102がレーンに沿って第1の位置と第2の位置との間を移動しているとき、カメラ170は、第2の試料ラック102によって支持される試料容器128上の機械読み取り可能な標識144の画像を取得する。取得された画像は、処理および制御ユニットに伝送され、デコードされる。第2の試料ラック102の取得された画像は、試料ラック102が試料庫100内に完全に挿入された後にデコードされることができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、カメラ170は、60フレーム/秒の速度でサンプリングし、光源174を使用して筐体101の内部をストロボ照射するとき、1/10,000秒のシャッタ速度を有する。いくつかの実施形態では、カメラ170は、250mmの作業距離を有する。いくつかの実施形態では、カメラ170は、焦点面から少なくとも±10mmの焦点距離を有する。いくつかの実施形態では、カメラ170は、80mm高さおよび25mm幅である視野を有する。いくつかの実施形態では、カメラ170は、1,600×1,200ピクセルを有する。
【0062】
いくつかの実施形態では、処理および制御ユニットは、第1および第2の試料ラック102上に支持される各試料容器128の機械読み取り可能な標識144の画像を取得するとき、同時に光源174をアクティブにする。
【0063】
いくつかの実施形態では、カメラ170および光源174は、1つ以上のケーブル178を通して処理および制御ユニットに動作可能に結合される。例えば、カメラ170によって取得された画像は、複数のケーブル178のうちの1つを介して処理および制御ユニットに伝送されることができる。例えば、光源174をアクティブにする制御信号は、複数のケーブル178のうちの1つを介して処理および制御ユニットから光源174に伝送されることができる。いくつかの実施形態では、複数のケーブル178のうちの1つは、支持体168を移動させるアクチュエータに動作可能に結合される。
【0064】
上で開示される実施形態のいずれかでは、ユーザは、試料ラック102を筐体101に挿入することができる。例えば、ユーザは、試料ラック102のガイド軌道156を筐体101の基部104上に形成されるガイド113と整列させることができる。この第1の位置から、ユーザは、試料ラック102を、ガイド114によって画定されるレーンに沿って、筐体101内の完全に挿入された位置に手動で移動させることができる。試料ラック102が完全に挿入された位置に移動させられるとき、リーダ124は、試料ラック102上の標識、例えば、試料ラック102によって保持される試料容器128上の2次元標識144を読み取る。いくつかの実施形態では、試料ラック102が完全に挿入された後、処理および制御ユニットは、読み取られた標識をデコードし、情報、例えば、実施する特定のアッセイおよび患者情報を抽出する。試料ラック102が試料庫10に挿入された後、試料ラック102内で運ばれる試料容器128内に含まれる試料材料は、上面パネル116において形成されるアクセス開口部126を通して、自動化されたロボット動作ピペットデバイスのプローブ等の流体移送機構(例えば、その上に搭載されるピペット先端具等の保護先端具を伴うバレル)を介してアクセスされることができる。そして、分析器システム10は、例えば、2次元バーコード144からデコードされた情報において示されるようなアッセイを実施する。
【0065】
いくつかの実施形態は、制御およびコンピューティングハードウェアコンポーネント、ユーザ作成ソフトウェア、データ入力コンポーネント、ならびにデータ出力コンポーネントを介して実装される。ハードウェアコンポーネントは、マイクロプロセッサおよびコンピュータ等の処理および制御ユニット(例えば、システムコントローラ)を含み、処理および制御ユニットは、例えば、1つ以上の入力値を受信すること、操作するための命令または別様に入力値に作用するための命令を提供する非一過性機械読み取り可能な媒体(例えば、ソフトウェア)上に記憶される1つ以上のアルゴリズムを実行することこと、1つ以上の出力値を出力することによって、算出および/または制御ステップをもたらすように構成される。そのような出力は、オペレータに情報、例えば、器具またはそれによって実施されているプロセスのステータスに関する情報を提供するために、オペレータに表示されるか、別様に示され得るか、またはそのような出力は、他のプロセスおよび/もしくは制御アルゴリズムへの入力を構成し得る。データ入力コンポーネントは、それによってデータが制御およびコンピューティングハードウェアコンポーネントによる使用のために入力される要素を備えている。そのようなデータ入力は、位置センサ、モータエンコーダ、ならびにグラフィックユーザインターフェース、キーボード、タッチスクリーン、マイクロホン、スイッチ、手動動作走査装置、音声起動入力等の手動入力要素を備え得る。データ出力コンポーネントは、ハードドライブもしくは他の記憶媒体、グラフィックユーザインターフェース、モニタ、プリンタ、インジケータライト、または可聴信号要素(例えば、ブザー、ホーン、ベル等)を備え得る。いくつかの実施形態では、処理および制御ユニットは、画像処理およびシステム制御を実施する単一モジュールを備えていることができる。他の実施形態では、処理および制御ユニットは、個別の処理および制御ステップを実施する複数のモジュールを備えている。いくつかの実施形態では、画像処理モジュールは、リーダ124のバッファ内に記憶される画像を処理(例えば、後処理)するリーダ124のコンポーネントであり得る。
【0066】
ソフトウェアは、制御およびコンピューティングハードウェアによって実行されると、制御およびコンピューティングハードウェアに1つ以上の自動化または半自動化プロセスを実施させる、非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶される命令を含む。いくつかの実施形態では、画像処理のためのソフトウェアは、例えば、リーダ124上のメモリ内に記憶される。いくつかの実施形態では、画像処理のためのソフトウェアは、処理および制御ユニットと通信する外部メモリ内に記憶される。
【0067】
発明を実施するための形態の節は、請求項を解釈するために使用されるように意図され、発明の概要および要約の節は、そのように意図されないことを理解されたい。発明の概要および要約の節は、本発明者によって想定されるような本発明の、全てではないが、1つ以上の例示的実施形態を記載し得、したがって、本発明および添付される請求項をいかようにも限定するように意図されない。
【0068】
本発明は、規定される機能およびその関係の実装を例証する機能的な基礎的要素を用いて上で説明された。これらの機能的な基礎的要素の境界は、説明の便宜上、本明細書において恣意的に定義されている。代替境界が、規定される機能およびその関係が適切に実施される限り、定義されることができる。
【0069】
具体的実施形態の前述の説明は、本発明の一般的性質を完全に明らかにするため、当業者は、当分野内の知識を適用することによって、過度の実験を伴わず、本発明の一般的概念から逸脱することなく、種々の用途のためにそのような具体的実施形態を容易に修正および/または適合することができる。したがって、そのような適合および修正は、本明細書に提示される教示および指針に基づいて、開示される実施形態の均等物の意味および範囲内であるように意図される。本明細書における語句または専門用語は、限定ではなく、説明を目的とし、したがって、本明細書の専門用語または語句は、当業者によって教示および指針に照らして解釈されるべきであることを理解されたい。
【0070】
本発明の範疇および範囲は、上で説明される例示的実施形態のいずれかによって限定されるべきではく、以下の請求項およびその均等物のみに従って定義されるべきである。