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特許7520096ページバッファのスイッチングデバイスを有するメモリデバイス及びその消去方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】ページバッファのスイッチングデバイスを有するメモリデバイス及びその消去方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/50 20230101AFI20240712BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20240712BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240712BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20240712BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20240712BHJP
   G11C 16/04 20060101ALI20240712BHJP
   G11C 16/24 20060101ALI20240712BHJP
   G11C 16/14 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
H10B43/50
H10B43/27
H01L29/78 371
G11C16/04 170
G11C16/24 100
G11C16/14 110
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022199400
(22)【出願日】2022-12-14
(65)【公開番号】P2024047511
(43)【公開日】2024-04-05
【審査請求日】2022-12-14
(31)【優先権主張番号】17/953,094
(32)【優先日】2022-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599129074
【氏名又は名称】旺宏電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】丁 榕泉
(72)【発明者】
【氏名】楊 怡箴
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-119530(JP,A)
【文献】特開2006-185533(JP,A)
【文献】特開2016-167331(JP,A)
【文献】特開2015-060602(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0329344(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 43/50
H10B 43/27
H01L 21/336
H01L 29/788
H01L 29/792
G11C 16/04
G11C 16/24
G11C 16/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ページバッファ用のスイッチングデバイスを有するメモリデバイスであって、
メモリセルアレイとページバッファのセンス増幅回路との間に結合された複数のスイッチングユニットを備え、
前記複数のスイッチングユニットの各々は、
互いに直列に接続された高電圧素子及び低電圧素子をさらに備え、
前記高電圧素子の第1の端部は前記センス増幅回路に結合され、前記低電圧素子の第1の端部は前記メモリセルアレイの共通ソース線に結合され、
前記高電圧素子の第2の端部と前記低電圧素子の第2の端部とは互いに接続され、前記メモリセルアレイの対応するビット線に結合され、
前記複数のスイッチングユニットの各々に結合された前記共通ソース線は、共通の活性領域を共有する、ページバッファ用のスイッチングデバイスを有するメモリデバイス。
【請求項2】
前記高電圧素子及び前記低電圧素子は、それぞれ第1のトランジスタ及び第2のトランジスタであり、
前記第1のトランジスタは第1のソース/ドレイン及び第2のソース/ドレインを有し、前記第1のソース/ドレインは前記対応するビット線に対応するセンス増幅器に結合され、前記第2のソース/ドレインは前記対応するビット線に結合され、
前記第2のトランジスタは第1のソース/ドレイン及び第2のソース/ドレインを有し、前記第1のソース/ドレインは前記対応するビット線に結合され、前記第2のソース/ドレインは前記共通ソース線に結合され、
前記第2のトランジスタのゲート長は、前記第1のトランジスタのゲート長よりも小さい、請求項1に記載のページバッファのスイッチングデバイスを有するメモリデバイス。
【請求項3】
前記スイッチングデバイスのレイアウト構造は、
第1の方向に沿って延在する複数の第1の活性領域と、
第2の方向に沿って延在し、前記複数の第1の活性領域に接続する第2の活性領域であって、前記第2の活性領域は、前記複数の第1の活性領域の各々を第1の領域と第2の領域とに分割し、前記第1の方向と前記第2の方向とは互いに交差している、第2の活性領域と、
前記第2の方向に沿って延在し、前記第1の領域及び前記第2の領域の各々に配置され、前記複数の第1の活性領域の各々の上方に配置される第1のゲート及び第2のゲートであって、前記第2のゲートは前記第1のゲートよりも前記第2の活性領域に近い、第1のゲート及び第2のゲートと、を備える、請求項2に記載のページバッファ用のスイッチン グデバイスを有するメモリデバイス。
【請求項4】
前記第1の領域内の前記複数の第1の活性領域の各々は、前記第1のゲート及び前記複数の第1の活性領域の各々は、前記第1のトランジスタ及び前記第2のゲートを形成し、前記複数の第1の活性領域の各々は、前記第2のトランジスタを形成し、
前記第2の領域における前記複数の第1の活性領域の各々は、前記第1のゲート及び前記複数の第1の活性領域の各々は前記第1のトランジスタ及び前記第2のゲートを形成し、前記複数の第1の活性領域の各々は前記第2のトランジスタを形成し、前記第2のゲートの前記第1の方向における前記第2のトランジスタの前記ゲート長は、前記第1のゲートの前記第1の方向における前記第1のトランジスタの前記ゲート長よりも小さい、
請求項3に記載のページバッファ用のスイッチングデバイスを有するメモリデバイス。
【請求項5】
前記第2のトランジスタの前記ゲート長に対する前記第1のトランジスタの前記ゲート長の比は3~4である、請求項2に記載のページバッファ用のスイッチングデバイスを有するメモリデバイス。
【請求項6】
前記第2のトランジスタのゲート酸化物層の厚さは、前記第1のトランジスタのゲート酸化物層の厚さよりも小さい、請求項2に記載のページバッファ用のスイッチングデバイスを有するメモリデバイス。
【請求項7】
前記メモリセルアレイは3次元構造であり、前記ページバッファは前記メモリセルアレイの下方に配置される、請求項1に記載のページバッファのスイッチングデバイスを有するメモリデバイス。
【請求項8】
前記メモリセルアレイは、第1のサブアレイ及び第2のサブアレイをさらに備え、前記ページバッファの前記センス増幅回路は、第1のセンス増幅回路及び第2のセンス増幅回路をさらに備え、
前記第1のセンス増幅回路及び前記第2のセンス増幅回路は、前記第1のサブアレイ及び前記第2のサブアレイの下方にそれぞれ配置され、
前記スイッチングデバイスは、前記メモリセルアレイの下方であって、前記第1のサブアレイと前記第2のサブアレイとの間に配置される、
請求項7に記載のページバッファのスイッチングデバイスを有するメモリデバイス。
【請求項9】
ページバッファのスイッチングデバイスを有するメモリデバイスであって、
複数のビット線、複数のワード線、及び複数のメモリセルを含むメモリセルアレイであって、前記複数のメモリセルの各々は、前記複数のワード線と前記複数のビット線との交点にそれぞれ配置される、メモリセルアレイを備え、
ページバッファは前記メモリセルアレイの前記複数のビット線に結合され、前記ページバッファは、スイッチングデバイス及びセンス増幅器回路をさらに含み、
前記スイッチングデバイスは、
前記メモリセルアレイと前記センス増幅回路との間に結合された複数のスイッチングユニットをさらに含み、
前記複数のスイッチングユニットの各々は、互いに直列に接続された高電圧素子及び低電圧素子をさらに備え、
前記高電圧素子の第1の端部は前記センス増幅回路に結合され、前記低電圧素子の第1の端部は前記メモリセルアレイの共通ソース線に結合され、
前記高電圧素子の第2の端部と前記低電圧素子の第2の端部とは互いに接続され、前記メモリセルアレイの対応するビット線に結合され、
前記複数のスイッチングユニットの各々に結合された前記共通ソース線は、共通の活性領域を共有する、ページバッファのスイッチングデバイスを有するメモリデバイス。
【請求項10】
前記高電圧素子及び前記低電圧素子は、それぞれ第1のトランジスタ及び第2のトランジスタであり、
前記第1のトランジスタは第1のソース/ドレイン及び第2のソース/ドレインを有し、前記第1のソース/ドレインは前記対応するビット線に対応するセンス増幅器に結合され、前記第2のソース/ドレインは前記対応するビット線に結合され、
前記第2のトランジスタは第1のソース/ドレイン及び第2のソース/ドレインを有し、前記第1のソース/ドレインは前記対応するビット線に結合され、前記第2のソース/ドレインは前記共通ソース線に結合され、
前記第2のトランジスタのゲート長は、前記第1のトランジスタのゲート長よりも小さい、請求項9に記載のページバッファのスイッチングデバイスを有するメモリデバイス。
【請求項11】
前記スイッチングデバイスのレイアウト構造は、
第1の方向に沿って延在する複数の第1の活性領域と、
第2の方向に沿って延在し、前記複数の第1の活性領域に接続する第2の活性領域であって、前記第2の活性領域は、前記複数の第1の活性領域の各々を第1の領域と第2の領域とに分割し、前記第1の方向と前記第2の方向とは互いに交差している、第2の活性領域と、
前記第2の方向に沿って延在し、前記第1の領域及び前記第2の領域の各々に配置され、前記複数の第1の活性領域の各々の上方に配置される第1のゲート及び第2のゲートであって、前記第2のゲートは前記第1のゲートよりも前記第2の活性領域に近い、第1のゲート及び第2のゲートと、を備える、請求項10に記載のページバッファ用のスイッチングデバイスを有するメモリデバイス。
【請求項12】
前記第1の領域内の前記複数の第1の活性領域の各々は、前記第1のゲート及び前記複数の第1の活性領域の各々は、前記第1のトランジスタ及び前記第2のゲートを形成し、前記複数の第1の活性領域の各々は、前記第2のトランジスタを形成し、
前記第2の領域における前記複数の第1の活性領域の各々は、前記第1のゲート及び前記複数の第1の活性領域の各々は前記第1のトランジスタ及び前記第2のゲートを形成し、前記複数の第1の活性領域の各々は前記第2のトランジスタを形成し、前記第2のゲートの前記第1の方向における前記第2のトランジスタの前記ゲート長は、前記第1のゲートの前記第1の方向における前記第1のトランジスタの前記ゲート長よりも小さい、
請求項11に記載のページバッファ用のスイッチングデバイスを有するメモリデバイス。
【請求項13】
前記第2のトランジスタの前記ゲート長に対する前記第1のトランジスタの前記ゲート長の比は3から4である、請求項10に記載のページバッファのスイッチングデバイスを有するメモリデバイス。
【請求項14】
前記第2のトランジスタのゲート酸化物層の厚さは、前記第1のトランジスタのゲート酸化物層の厚さよりも小さい、請求項10に記載のページバッファのスイッチングデバイスを有するメモリデバイス。
【請求項15】
前記メモリセルアレイは3次元構造であり、前記ページバッファは前記メモリセルアレイの下方に配置される、請求項9に記載のページバッファのスイッチングデバイスを有するメモリデバイス。
【請求項16】
前記メモリセルアレイは、第1のサブアレイ及び第2のサブアレイをさらに備え、前記ページバッファの前記センス増幅回路は、第1のセンス増幅回路及び第2のセンス増幅回路をさらに備え、
前記第1のセンス増幅回路及び前記第2のセンス増幅回路は、前記第1のサブアレイ及び前記第2のサブアレイの下方にそれぞれ配置され、
前記スイッチングデバイスは、前記メモリセルアレイの下方であって、前記第1のサブアレイと前記第2のサブアレイとの間に配置される、
請求項15に記載のページバッファのスイッチングデバイスを有するメモリデバイス。
【請求項17】
メモリデバイスの消去方法であって、前記メモリデバイスは、メモリセルアレイと、前記メモリセルアレイに結合されたページバッファとを含み、前記ページバッファは、複数のスイッチングユニットを有するスイッチングデバイスを含み、前記スイッチングユニットの各々は、高電圧素子としての第1のトランジスタと、低電圧素子としての第2のトランジスタとを含み、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタは直列に接続され、前記第1のトランジスタの第1の端部は、前記ページバッファのセンス増幅回路に結合され、前記第2のトランジスタの第1の端部は、前記メモリセルアレイの共通ソース線に結合され、前記第1のトランジスタの第2の端部及び前記第2のトランジスタの第2の他の端部は、互いに接続され、前記メモリセルアレイの対応するビット線に結合され、前記複数のスイッチングユニットの各々に結合された前記共通ソース線は、共通の活性領域 を共有し、前記スイッチングユニットの各々の消去方法は、
前記第1のトランジスタをオフにすることと、
前記第2のトランジスタをオンにするために前記第2のトランジスタのゲートに第1の電圧を印加することと、前記第2のトランジスタの前記ゲートに印加される前記第1の電圧が予め設定された時間安定して維持される場合、前記共通ソース線に消去電圧が印加され、
前記消去電圧によって前記第2のトランジスタの前記ゲート上のゲート電圧を前記消去電圧と前記第1の電圧との和まで昇圧させ、前記対応するビット線上のビット線電圧を前記消去電圧まで昇圧させることと、
前記対応するビット線上のメモリセルに対して両面消去を実行することと、を含む、消去方法。
【請求項18】
前記共通ソース線上の共通電圧を前記消去電圧まで多段階方式で上昇させる、請求項17に記載の消去方法。
【請求項19】
前記多段階方式の各段階の増分は同じ又は異なる、請求項18に記載の消去方法。
【請求項20】
前記多段階方式の各段階の適用時間は同じ又は異なる、請求項18に記載の消去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ページバッファのスイッチングデバイスを有するメモリデバイス及びその消去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリデバイスの発展に伴い、メモリデバイス内のメモリセルの数も増加しており、結果としてメモリデバイスの面積が増加している。
【0003】
メモリデバイスは、メモリセルアレイ及びその関連回路を主に含み、メモリセルアレイのビット線と内部データ出力線との間には、ページバッファが接続されている。一般に、スイッチングデバイスは、薄いゲート酸化物層及び消去動作のための深い接合部を有する高電圧素子を備えるページバッファ内に含まれてもよい。したがって、これらの高電圧素子はより多くの面積を占める。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、既存の機能を実現し、メモリ領域を削減することができるページバッファのスイッチングデバイスの構造をどのように提供するかが、取り組むべき課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の説明に基づいて、本発明は、ページバッファのスイッチングデバイス、スイッチングデバイスを有するメモリデバイス、及びその消去方法を提供する。
【0006】
本発明の一実施形態によれば、ページバッファ用のスイッチングデバイスを有するメモリデバイスが提供される。ページバッファ用のスイッチングデバイスを有するメモリデバイスは、メモリセルアレイとページバッファのセンス増幅回路との間に結合された複数のスイッチングユニットを備える。複数のスイッチングユニットの各々は、互いに直列に接続された高電圧素子及び低電圧素子をさらに備える。高電圧素子の第1の端部はセンス増幅回路に結合され、低電圧素子の第1の端部はメモリセルアレイの共通ソース線に結合される。高電圧素子の第2の端部及び低電圧素子の第2の端部は互いに接続され、メモリセルアレイの対応するビット線に結合される。複数のスイッチングユニットの各々に結合された共通ソース線は、共通の活性領域を共有する。
【0007】
本発明の別の実施形態によれば、ページバッファ用のスイッチングデバイスを有するメモリデバイスが提供される。ページバッファ用のスイッチングデバイスを有するメモリデバイスは、メモリセルアレイ及びページバッファを備える。メモリセルアレイは、複数のビット線と、複数のワード線と、複数のメモリセルとを含む。複数のメモリセルの各々は、複数のワード線と複数のビット線との交点に配置される。ページバッファは、メモリセルアレイの複数のビット線に結合される。ページバッファは、スイッチングデバイス及びセンス増幅回路をさらに含む。スイッチングデバイスは、メモリセルアレイとセンス増幅回路との間に結合された複数のスイッチングユニットをさらに含む。複数のスイッチングユニットの各々は、互いに直列に接続された高電圧素子及び低電圧素子をさらに備える。高電圧素子の第1の端部はセンス増幅回路に結合され、低電圧素子の第1の端部はメモリセルアレイの共通ソース線に結合される。高電圧素子の第2の端部及び低電圧素子の第2の端部は互いに接続され、メモリセルアレイの対応するビット線に結合される。複数のスイッチングユニットの各々に結合された共通ソース線は、共通の活性領域を共有する。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、メモリデバイスの消去方法が提供される。メモリデバイスは、メモリセルアレイと、メモリセルアレイに結合されたページバッファとを含む。ページバッファは、複数のスイッチングユニットを有するスイッチングデバイスを含む。スイッチングユニットの各々は、高電圧素子としての第1のトランジスタと、低電圧素子としての第2のトランジスタとを含む。第1のトランジスタ及び第2のトランジスタは、直列に接続される。第1のトランジスタの第1の端部はページバッファのセンス増幅回路に結合され、第2のトランジスタの第1の端部はメモリセルアレイの共通ソース線に結合される。第1のトランジスタの第2の端部及び第2のトランジスタの第2の端部は互いに接続され、メモリセルアレイの対応するビット線に結合される。複数のスイッチングユニットの各々に結合された共通ソース線は、共通の活性領域を共有する。スイッチングユニットの各々の消去方法は、第1のトランジスタをオフにすることと、第2のトランジスタをオンにするために第2のトランジスタのゲートに第1の電圧を印加することと、第2のトランジスタのゲートに印加される第1の電圧が予め設定された時間安定して維持される場合、共通ソース線に消去電圧が印加され、消去電圧によって第2のトランジスタのゲート上のゲート電圧を消去電圧と第1の電圧との和まで昇圧させ、対応するビット線上のビット線電圧を消去電圧まで昇圧させることと、対応するビット線上のメモリセルに対して両面消去を実行することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】メモリデバイスの回路構成のブロック図を示す。
【0010】
図2】ページバッファのスイッチングデバイスの概略回路図を示す。
【0011】
図3A】本発明の一実施形態によるページバッファ内のスイッチングデバイスのスイッチングユニットの回路構成の概略図を示す。
【0012】
図3B】本発明の一実施形態によるページバッファのスイッチングデバイスの概略レイアウト構造を示す。
【0013】
図3C図3Bのレイアウト構造に対応するスイッチングデバイスの有効回路の一部を示す。
【0014】
図4A】本発明によるページバッファのスイッチングデバイスの製造工程を示す概略図である。
図4B】本発明によるページバッファのスイッチングデバイスの製造工程を示す概略図である。
図4C】本発明によるページバッファのスイッチングデバイスの製造工程を示す概略図である。
図4D】本発明によるページバッファのスイッチングデバイスの製造工程を示す概略図である。
図4E】本発明によるページバッファのスイッチングデバイスの製造工程を示す概略図である。
図4F】本発明によるページバッファのスイッチングデバイスの製造工程を示す概略図である。
図4G】本発明によるページバッファのスイッチングデバイスの製造工程を示す概略図である。
図4H】本発明によるページバッファのスイッチングデバイスの製造工程を示す概略図である。
図4I】本発明によるページバッファのスイッチングデバイスの製造工程を示す概略図である。
図4J】本発明によるページバッファのスイッチングデバイスの製造工程を示す概略図である。
【0015】
図5】本発明のページバッファのスイッチングデバイスを適用した3Dフラッシュメモリの概略構造図である。
【0016】
図6】本発明の実施形態によるページバッファのスイッチングデバイスが消去動作を行う際の電圧波形の概略図である。
【0017】
図7】本発明の一実施形態によるページバッファのスイッチングデバイスの面積削減効果を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、メモリデバイスの回路構成のブロック図を示す。メモリデバイス100は、基本的に、メモリセルアレイ102、行デコーダ104a、列デコーダ104b、ページバッファ106、高電圧生成器108、制御回路110、コマンドレジスタ112a、アドレスレジスタ112b、ステータスレジスタ112c、出力バッファ114a、制御バッファ114b、データバッファ114c、行プレデコーダ116a、及び列プレデコーダ116bを備える。
【0019】
メモリセルアレイ102は、複数のメモリセルを備えてもよく、メモリセルアレイ102は、複数のビット線BL及び複数のワード線WLを備えてもよく、複数のメモリセルは、複数のビット線と複数のワード線WLとの交点にそれぞれ配置される。アドレス信号を行デコーダ104a及び列デコーダ104bでデコードすることにより、メモリセルアレイ102内の特定のメモリセルを特定することができ、メモリセルの書き込み(プログラム)、読み出し又は消去が可能である。
【0020】
高電圧生成器108は、メモリセルアレイ102及びページバッファ106に対するメモリ動作に必要な高電圧を生成することができる。制御回路110は、メモリセルアレイ102及び周辺回路の全ての動作を制御することができる。他のレジスタ及びバッファは、様々なデータ、信号、又はコマンドの一時的な記憶及びバッファリングに使用することができる。本発明は、メモリデバイス100の構造を限定するものではなく、当業者は、設計要件に従ってメモリデバイス100の内部回路の設計を変更又は修正することができ、これは本発明の実施に影響を及ぼさない。
【0021】
図2は、ページバッファのスイッチングデバイスの概略回路図である。図2に示すように、メモリセルアレイ102は、複数のブロックBlock[1]~Block[k]を備えてもよく、各ブロックは、ページ1~ページiなどの複数のページを備えてもよい。図2に示すように、各ブロック(例えば、ブロック[1])は、複数のビット線BL0~BLiを備える。各ビット線(例えば、BL0)は、複数のワード線WL1~WLi、ストリング選択線(SSL)及びゲート選択線(GSL)と交差している。ページバッファ106は、センス増幅回路106a及びスイッチングデバイス106bを備える。センス増幅回路106aは、対応するビット線BL0~BLiにそれぞれ結合される複数のセンス増幅器SA0~SAiを備えてもよい。
【0022】
さらに、スイッチングデバイス106bは、複数のスイッチングユニットを備えてもよく、各スイッチングユニットは、第1のトランジスタMN1及び第2のトランジスタMN2を備える。第1のトランジスタMN1と第2のトランジスタMN2とは直列に接続され、第1のトランジスタMN1と第2のトランジスタMN2との接続点は、対応するビット線(例えばBL0)に結合されている。第1のトランジスタMN1のゲートには、ビット線選択信号BLSが入力される。第1のトランジスタMN1のソース/ドレインの一方は、センス増幅回路106a内のビット線BL0に対応するセンス増幅器SA0に結合され、他方は、対応するビット線BL0に結合されている。第2のトランジスタMN2のゲートにはバイアス電圧選択信号Bias_selectが入力され、ソース/ドレインの一方は共通ソース線CSLに結合され、他方のソース/ドレインは対応するビット線BL0に結合されている。
【0023】
スイッチングデバイス106bでは、各スイッチングユニットの第1のトランジスタMN1のゲート同士が結合され、各スイッチングユニットの第2のトランジスタMN2のゲート同士も結合されている。また、本実施形態では、第1のトランジスタMN1は高電圧素子であり、第2のトランジスタMN2は低電圧素子である。すなわち、本発明の実施形態によれば、スイッチングデバイス106bの各スイッチングユニットは、高電圧素子として機能するトランジスタと、低電圧素子として機能するトランジスタとを備える。ここで、第1のトランジスタMN1及び第2のトランジスタMN2は、例えばMOSトランジスタである。第1のトランジスタMN1と第2のトランジスタMN2とは、同じ構造であってもよいが、ゲート長が異なっていてもよい。
【0024】
図3Aは、本発明の一実施形態によるページバッファ内のスイッチングデバイスのスイッチングユニットの回路構成の概略図であり、図3Bは、本発明の一実施形態によるページバッファのスイッチングデバイスの概略レイアウト構造図である。図3Cは、図3Bのレイアウト構造に対応するスイッチングデバイスの有効回路の一部を示す。
【0025】
図2に示すように、スイッチングデバイス106bは、メモリセルアレイ102とページバッファ106のセンス増幅回路106aとの間に結合され、スイッチングデバイス106bは、メモリセルアレイ102の全てのビット線BL0~BLiに結合されている。
【0026】
スイッチングデバイス106bは、複数のスイッチングユニット200を備え、各スイッチングユニット200は、図3Aに示すように、メモリセルアレイ102内の対応するビット線BLj(j=0~i、この例ではBL0)に接続されている。スイッチングユニット200の一方の端部は、ビット線BL0に対応するセンス増幅器SAに接続され、スイッチングユニット200の他方の端部は、メモリセルアレイ102の共通ソース線CSLに接続されている。図3Aに示すように、スイッチングユニット200は、互いに直列に接続された高電圧素子202及び低電圧素子204を備える。高電圧素子202の第1の端部はセンス増幅回路106a(SA)に結合され、低電圧素子204の第1の端部はメモリセルアレイ102の共通ソース線CSLに結合されている。高電圧素子202の第2の端部と低電圧素子204の第2の端部は互いに接続され(ノードN0)、複数のビット線BL0~BLiの対応するビット線BL0に結合されている。複数のスイッチングユニット200の共通ソース線CSLのノードは、共通の活性領域212(図3Bを参照)を共有する。高電圧素子202及び低電圧素子204は、それぞれビット線選択信号BLS0及びバイアス電圧選択信号Bias_select0によって制御される。
【0027】
具体的には、高電圧素子202及び低電圧素子204は、それぞれMOSトランジスタMN1及びMN2によって構成されてもよい。すなわち、スイッチングユニット200は、高電圧素子202としての第1のトランジスタMN1と、低電圧素子204としての第2のトランジスタMN2とを備え、第1のトランジスタMN1と第2のトランジスタMN2とはノードN0において直列に接続されてもよい。第1のトランジスタMN1のゲートはビット線選択信号BLS0を受け取ることができ、第1のソース/ドレインはビット線BL0に対応するセンス増幅器SAに結合され、第2のソース/ドレインはノードN0を介してビット線BL0に結合される。第2のトランジスタMN2のゲートはバイアス選択信号Bias_select0を受け取ることができ、第1のソース/ドレインもノードN0を介してビット線BL0に結合され、第2のソース/ドレインは共通ソース線CSLに結合される。
【0028】
また、第2のトランジスタMN2のゲート長L2は、第1のトランジスタMN1のゲート長L1よりも小さい。一実施形態において、第2のトランジスタMN2のゲート長L2に対する第1のトランジスタMN1のゲート長L1の比L1/L2は、約3~4であってもよい。また、一実施形態において、第2のトランジスタMN2のゲート酸化物層の厚さT2は、第1のトランジスタMN1のゲート酸化物層の厚さT1よりも小さい。一例では、第2のトランジスタMN2のゲート酸化物層の厚さT2に対する第1のトランジスタMN1のゲート酸化物層の厚さT1の比T1/T2は、約5~6であってもよい。
【0029】
また、図3Cは、後述するレイアウト構造に対応するスイッチングデバイスの有効回路の一部を示す。図3Cでは、第2のトランジスタMN2、MN3の第2のソース/ドレインが共通ソース線CSLに接続されているため、スイッチングデバイス106bの回路の一部は、図3Aに示すスイッチングユニットによって構成される。図3Cでは、図3Aの2つのスイッチングユニット200が直列に接続されている。ビット線BL0に接続された上側スイッチングユニット200は、第1のトランジスタMN1及び第2のトランジスタMN2を備え、同様に、ビット線BL1に接続された下側スイッチングユニット200は、第1のトランジスタMN4及び第2のトランジスタMN3を備える。ここで、第1のトランジスタMN1(MN4)及び第2のトランジスタMN2(MN3)の接続については、図3Aと同様であるため説明を省略する。また、第1のトランジスタMN1、MN4のゲートにはビット線選択信号BLS0、BLS1がそれぞれ入力され、第2のトランジスタMN2、MN3のゲートにはバイアス選択信号Bias_select0、Bias_select1がそれぞれ入力される。
【0030】
図3Bに示すスイッチングデバイスのレイアウト構造図に示すように、複数のスイッチングユニット200が示されており、基本的に、スイッチングユニット200の数は、メモリセルアレイ102のビット線BL0~BLiの数に等しい。図3Bにおいて、スイッチングデバイス106bは、第1の方向Xに延在する複数の第1の活性領域210と、第2の方向Yに延在し、第1の活性領域210の略中央位置に沿って配置された第2の活性領域212とを備える。第1の方向Xと第2の方向Yとは交差(非平行)しており、例えば、第1の方向Xは第2の方向Yに対して略垂直である。第2の活性領域212は、第1の活性領域210を第1の領域と第2の領域とに分割する。図3Bに示す例のように、第2の活性領域212の上方の第1の活性領域210の各々は第1の領域の一例であり、第2の活性領域212の下方の第1の活性領域210の各々は第2の領域の一例である。ここで、第2の活性領域212の上方又は下方について図3Bを参照して説明するが、本発明の範囲を限定するものではない。
【0031】
スイッチングデバイス106bは、第1の活性領域210の第1の領域及び第2の領域の各々に配置された第1のゲート202a及び第2のゲート204aをさらに備える。例えば、各第1の活性領域210の第1の領域において、第1のゲート202a及び第2のゲート204aは、第2の方向Yに延在し、各第1の活性領域210の上方に配置されている。第1のゲート202a及び第2のゲート204aは、第1の活性領域210の各々の第1の領域に対して略垂直である。第2のゲート204aは、第1のゲート202aよりも第2の活性領域212に近い。第1のゲート202aと第1の活性領域210の各々の第1の領域とは、共に複数の第1のトランジスタMN1(すなわち、高電圧素子202)を形成している。第2のゲート204aと第1の活性領域210の各々の第1の領域とは、共に複数の第2のトランジスタMN2(すなわち、低電圧素子204)を形成している。また、第1の活性領域210の各々の第1の領域における第1のゲート202aと第2のゲート204aとの間の領域は、コンタクトのような接続構造を介して対応するビット線(例えばビット線BL0)と電気的に結合され得る。
【0032】
同様に、各第1の活性領域210の第2の領域において、第1のゲート202a及び第2のゲート204aは、第2の方向Yに延在し、各第1の活性領域210の上方に配置されている。第1のゲート202a及び第2のゲート204aは、第1の活性領域210の各々の第2の領域に対して略垂直である。第2のゲート204aは、第1のゲート202aよりも第2の活性領域212に近い。第1のゲート202aと第1の活性領域210の各々の第2の領域とは、共に複数の第1のトランジスタMN4(すなわち、高電圧素子202)を形成している。第2のゲート204aと第1の活性領域210の各々の第2の領域とは、共に複数の第2のトランジスタMN3(すなわち、低電圧素子204)を形成している。また、第1の活性領域210の各々の第2の領域における第1のゲート202aと第2のゲート204aとの間の領域は、コンタクトのような接続構造を介して対応するビット線(例えばビット線BL1)と電気的に結合され得る。
【0033】
上述したように、第2のトランジスタMN2(MN3)のゲート(すなわち、第2のゲート204a)のゲート長L2は、第1のトランジスタMN1(MN4)のゲート(すなわち、第1のゲート202a)のゲート長L1よりも小さい。また、第2の活性領域212は、共通ソース線CSLを接続するための共通活性領域である。したがって、この構成では、スイッチングデバイス106bの各スイッチングユニット200における共通ソース線CSLに接続するためのノードに結合される活性領域212は共通である。
【0034】
動作方法については、図3Cのビット線BL0に接続されたスイッチングユニット200を例に説明する。読み出し動作を行う場合、図1に示すように、行デコーダ104a及び列デコーダ104bによって、メモリセルがビット線で指定され、ワード線が選択される。このとき、バイアス選択信号Bias_select0は、スイッチングユニット200の第2のトランジスタMN2をオフにすることができ、ビット線選択信号BLS0は、スイッチングユニット200の第1のトランジスタMN1をオンにする。
【0035】
このように、ビット線BL0が選択されると、ビット線BL0と選択ワード線WLとの交点に位置するメモリセルに記憶されたデータを、対応するビット線BL0を介して対応するセンス増幅器SAに転送して読み出すことができる。他のビット線の読み出し動作も同様である。
【0036】
また、消去動作が行われるとき、バイアス電圧選択信号Bias_select0は、トランジスタMN2をオンにし、ビット線選択信号BLS0は、トランジスタMN1をオフにすることができる。これにより、共通ソース線CSLに印加された消去電圧をトランジスタMN2を介してビット線BL0に印加し、ビット線BL0上の全てのメモリセルを消去することができる。フラッシュメモリはブロック消去を用いて消去されるため、他のビット線上のメモリセルも同様に消去される。同時に、図2に太線で示す電圧印加経路を参照すると、ビット線BL0を例にとると、共通ソース線CSLに印加される消去電圧は、メモリセルストリングの上からビット線BL0を介して各メモリセルに印加することができ、一方で、各メモリセルは、メモリセルストリングの下から消去することもできる。すなわち、この消去動作は、一方がビット線側から、他方がソース線側からの両面消去である。各メモリセルストリング上のメモリセルの数が増加すると、両面消去は消去速度を向上させることができる。
【0037】
図4A図4Jは、本発明の一実施形態によるページバッファのスイッチングデバイスの製造工程を示す概略図である。断面図は図3BのA-A’で切断したものである。
【0038】
図4Aに示すように、まず基板300が設けられ、基板300上にパッド酸化物層302及び窒化シリコン層304が順次形成される。次に、図4Bにおいて、窒化シリコン層304をパターニングして窒化シリコン層304aを形成する。パターニングされた窒化シリコン層304aは、注入のマスクとして用いられる。基板300a上には、注入工程によりウェル領域を有する構造300bが形成される。一例では、構造300bなどのNウェルは、P型基板300a上に形成することができる。
【0039】
図4Cにおいて、窒化シリコン層304aに覆われていないパッド酸化物層302を除去する。同じ位置に熱酸化法により厚い酸化物部分を形成する。構造300b上には、より厚い酸化物部分を含む酸化物層306が形成されている。次に、図4Dにおいて、パターニングされた窒化シリコン層304aを除去する。酸化物層306が露出している。
【0040】
次に、図4Eにおいて、酸化物層306をエッチバックして洗浄し、酸化物層306を部分的に薄くする。その後、薄い酸化物層の成長を行い、最終的にゲート酸化物層306aを形成する。ゲート酸化物層306aは、厚さT1の厚い部分と厚さT2の薄い部分とを含む。厚さT1は、厚さT2よりも大きい。次に、図4Fにおいて、ゲート酸化物層306a上に、蒸着法により導体層310を形成する。導体層310は、例えば、ポリシリコン及び金属シリサイドを含む。金属シリサイドは、例えば、タングステンシリサイドであり得る。次に、図4Gにおいて、導体層310上にマスク層312を形成する。マスク層312は、導体層310をパターニングしてゲート310-1、310-2、310-3、310-4を形成するためのゲート電極としてのパターンを有する。一例では、導体層310をエッチングによってパターニングして、ゲート310-1、310-2、310-3、及び310-4を形成することができる。
【0041】
図4Hにおいて、マスク層312を除去してゲート310-1、310-2、310-3、310-4を露出させる。ウェル領域300bには、複数のLDD領域320が形成されている。次に、図4Iにおいて、ゲート310-1、310-2、310-3、310-4の側壁の周囲にスペーサ314を形成する。また、ウェル領域300bには、複数のドープ領域322が形成されている。ここで、各ドープ領域322はトランジスタのソース/ドレインとして作用する。各ドープ領域322は、各ゲート電極310-1、310-2、310-3、及び310-4と共にトランジスタをそれぞれ形成し、これは図3CのトランジスタMN1、MN2、MN3、及びMN4と同等である。
【0042】
次に、ゲート310-1、310-2、310-3、310-4の上に層間誘電体層330を形成する。その後、層間誘電体層330にドープ領域322と位置合わせされた位置にコンタクト開口部を形成し、コンタクト開口部に金属材料を充填してコンタクト340を形成する。
【0043】
以上のようにして形成されたトランジスタMN1、MN2、MN3、MN4のうち、トランジスタMN2、MN3は低電圧素子204として用いられ、ゲート長はL2である。トランジスタMN2及びMN3のゲートは、図4Iのゲート310-2及び310-3をそれぞれ参照することができる。トランジスタMN1、MN4は、高電圧素子202として用いられ、そのゲート長はL1であり、長さL1は長さL2よりも大きい。トランジスタMN1及びMN4のゲートは、図4Iのゲート310-1及び310-4をそれぞれ参照することができる。一例では、長さL1は1μmであってもよく、長さL2は約0.35μmである。加えて、トランジスタMN2及びMN3のゲート酸化物の厚さT2は約70Åとすることができ、一方、トランジスタMN1及びMN4のゲート酸化物の厚さT1は約400Åである。
【0044】
以上の説明は、スイッチングデバイスのトランジスタMN1、MN2、MN3、MN4の形成例に過ぎない。本発明は、これらのトランジスタの形成方法を限定するものではない。本発明のスイッチングデバイスを形成することができる任意の方法を使用することができる。
【0045】
図5は、本発明のページバッファのスイッチングデバイスを適用した3Dフラッシュメモリの概略構造図である。本発明のページバッファのスイッチングデバイスは、2次元メモリ構造に適用できるだけでなく、3次元メモリ構造にも適用できる。
【0046】
図5に示すように、これは3次元NANDフラッシュメモリの構造を示す概略図である。この例では、ページバッファ410は、メモリセルアレイ420の下方に配置されている。図5に示すように、ページバッファ410は、センス増幅回路412及びスイッチングデバイス414を備える。センス増幅回路412は、複数のセンス増幅器SAをそれぞれ有する第1のセンス増幅回路412a及び第2のセンス増幅回路412bをさらに備える。スイッチングデバイス414の構造は、例えば、図3B~3Cに示す構造であってもよい。
【0047】
図5に示す例では、メモリセルアレイ420は、複数の垂直チャネルピラーを含む。各垂直チャネルピラーは、メモリセルのストリングを含み、対応するビット線(BL0~BLi)に結合されている。垂直チャネルピラーは、導電層(ゲート層又はワード線層)及び絶縁層の複数の交互の対を通って下方に貫通する。絶縁層は、誘電材料、例えば酸化ケイ素で作ることができる。導電層は、導電性材料、例えばタングステン(W)などの金属で作ることができる。導電層は、1つ又は複数のストリング選択線(SSL)、1つ又は複数のワード線(WL)、及び1つ又は複数の接地選択線(GSL)を形成することができる。垂直チャネルピラーの外面は、メモリセルのゲートとして機能する導電層に接触する。垂直チャネルピラーは、トンネル層、電荷トラップ層、及びブロッキング層を含むことができる複数の層を含むことができる。トンネル層は、酸化ケイ素、又は酸化ケイ素/窒化ケイ素の組み合わせ(例えば、酸化物/窒化物/酸化物又はONO)を含むことができる。電荷トラップ層は、窒化ケイ素又は電荷をトラップすることができる他の材料を含むことができる。ブロッキング層は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、及び/又はそのような材料の組み合わせを含むことができる。複数の層を垂直チャネルピラーの内面に形成することができ、ポリシリコンを垂直チャネルピラーの中央に充填することができる。導電層と交差する各垂直チャネルピラー内の充填材料(例えば、複数の層及びポリシリコン)は、Z方向などの垂直方向に沿ってメモリセルのストリングを形成することができる。
【0048】
図5に示す例では、メモリセルアレイ420は、第1のサブアレイ420a及び第2のサブアレイ420bを備えてもよい。第1のサブアレイ420a及び第2のサブアレイ420bは、いずれもビット線BL0~BLiを備え、第1のサブアレイ420a及び第2のサブアレイ420bのビット線BL0~BLiは、それぞれ電気的に互いに接続されている。第1のサブアレイ420a及び第2のサブアレイ420bは、それぞれ対応する第1のセンス増幅回路412a及び第2のセンス増幅回路412bを有する。第1のセンス増幅回路412a及び第2のセンス増幅回路412bは、それぞれ第1のサブアレイ420a及び第2のサブアレイ420bの下方に配置されてもよい。すなわち、第1のセンス増幅回路412a及び第2のセンス増幅回路412bは、第1のサブアレイ420a及び第2のサブアレイ420bの複数の垂直チャネルピラーの下方に配置されている。
【0049】
図5に示す例では、スイッチングデバイス414は、第1のサブアレイ420aと第2のサブアレイ420bとの間の下方に配置されてもよい。上述したように、スイッチングデバイス414では、トランジスタMN1、MN2間のノードを、例えば金属線や金属接続構造を用いて、第1のサブアレイ420a及び第2のサブアレイ420bのビット線BL0に対して上方に接続することができる。同様に、他のビット線BL1~BLnも同様にスイッチングデバイス414に結合される。
【0050】
なお、ページバッファ410のスイッチングデバイス414を用いたメモリセルアレイ420の読み出し、書き込み、及び消去の動作については上述した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略する。なお、上述したメモリセルアレイ420の配置はあくまで一例であり、メモリセルアレイ420の配置は任意に変更又は変更可能であり、本発明のスイッチングデバイス414の配置及び動作概念に影響を及ぼすものではない。
【0051】
図6は、本発明の実施形態によるページバッファのスイッチングデバイスを用いて消去動作を行う際の電圧波形の概略図である。ここでは、図3Cの第1のトランジスタMN1及び第2のトランジスタMN2を例に挙げて説明するが、トランジスタMN3及びMN4の動作タイミングは同じである。
【0052】
なお、以下の説明を簡単にするため、1本のビット線BL0を用いて説明するが、実際にはメモリセルアレイの消去動作はブロック消去のように行われる。また、以下の説明では、21Vの消去電圧を例に挙げて説明するが、本発明において具体的な消去電圧は特に限定されない。また、ここで説明した消去方法は、上述した2次元又は3次元のメモリセルアレイに適用することができる。
【0053】
図6に示すように、消去動作中は、第1のトランジスタMN1をオフにし、第2のトランジスタMN2をオンにすることで、共通ソース線CSLを介してビット線BL0に消去電圧を印加することができる。まず、時刻t1~t2の間に、電源側(すなわち、ゲート電圧を供給する電源)から第2のトランジスタMN2のゲート用の電圧(第1の電圧)V1を有するゲート電力が供給され、時刻t2で電源がオフにされる。同時に、第2のトランジスタMN2のゲートが電圧V1まで上昇し、時刻t2以降、第2のトランジスタMN2のゲートの電圧は電圧V1に維持される。このとき、第2のトランジスタMN2のチャネルはオンになっており、キャパシタとみなすことができ、ゲートはフローティング状態となっている。
【0054】
そして、時点t3のように、第2のトランジスタMN2のゲートに印加される電圧が予め設定された時間、電圧V1で安定した後、共通ソース線CSLに消去電圧が印加される。この例では、第2のトランジスタMN2のゲートが一度に過大な電圧を受けることを防止するために、共通ソース線CSLに消去電圧を段階的に印加してもよい。第2のトランジスタMN2のチャネルのターンオンを利用して、共通ソース線CSLに印加される消去電圧によって、第2のトランジスタMN2のゲートの電圧を消去電圧(例えば、21V)までさらに昇圧させることができる。
【0055】
本実施形態では、共通ソース線CSLに消去電圧が3段階で印加される。例えば、まず、共通ソース線CSLに7Vの消去電圧を一定期間印加し、その後、消去電圧を14Vに上昇させて共通ソース線CSLに一定期間印加し、最後に消去電圧を21Vに上昇させる。また、共通ソース線CSLに消去電圧が印加されると、第2のトランジスタMN2のゲートのゲート電圧は、さらに7V+V1、14V+V1、21V+V1に昇圧される。同時に、ビット線BL0に印加されるビット線電圧も0Vから7V、14V、そして20Vへと徐々に昇圧される。ビット線BL0に印加される電圧は、基板効果に起因してチャネルをオフにし、その結果、ビット線BL0の電圧は、21Vの消去電圧よりもわずかに低くなる。
【0056】
また、上述した共通ソース線CSLへの消去電圧の印加は段階的に行われるが、21Vの消去電圧を一度に直接印加してもよい。また、上記の例では、共通ソース線CSLに印加する消去電圧を7V、14V、21Vのようにして、すなわち、各ステップにおいて印加される消去電圧を同じ刻み幅で増加させているが、その刻み幅は等しくなくてもよい。また、各ステップにおいて消去電圧を印加する時間間隔は、同じであっても異なっていてもよい。共通ソース線CSLへの消去電圧の印加方法は種々変更可能であり、消去電圧の印加方法は、実際の用途に依存する。
【0057】
本発明によれば、メモリセルアレイのブロックを消去する際に、ビット線BL側から消去電圧を印加することに加えて、共通ソース線CSL側(ソース線側)からも消去電圧を印加することができる。すなわち、本発明の少なくとも1つの実施形態のページバッファのスイッチングデバイスを用いてメモリセルアレイのブロック消去を行う際に、消去速度を加速するために、各メモリセルストリングの両側から消去電圧を印加することができる。
【0058】
図7は、本発明の一実施形態によるページバッファのスイッチングデバイスによる面積削減効果を示す概略図である。
【0059】
図7に示すように、本発明の少なくとも1つの実施形態の第2のトランジスタMN2のゲートの圧縮率は、既存構造の第2のトランジスタMN2のゲートの圧縮率に比べて34%程度低減されている。既存構造と比較して、本発明の第1のトランジスタMN1のゲートと第2のトランジスタMN2のゲートとの間の活性領域の面積圧縮率は、約68%低減される。また、本発明の少なくとも1つの実施形態における共通ソース線CSLの活性領域が共有されるため、面積圧縮率を37%程度低減することができる。
【0060】
そこで、本発明の少なくとも1つの実施形態のページバッファのスイッチングデバイスによれば、高電圧トランジスタ素子を低電圧トランジスタ素子(例えば、第2のトランジスタMN2、MN3)に置き換え、そのゲート長を高電圧トランジスタ素子としての第1のトランジスタMN1、MN4よりも小さくする。また、共通ソース線CSL用の活性領域が共有される。スイッチングデバイスの構造により、スイッチングデバイスのレイアウト面積をさらに削減することができ、メモリデバイスのレイアウト面積も削減することができる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図5
図6
図7