(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】ディスプレイ用発光素子およびそれを有するディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/08 20100101AFI20240712BHJP
H01L 33/10 20100101ALI20240712BHJP
【FI】
H01L33/08
H01L33/10
(21)【出願番号】P 2022510821
(86)(22)【出願日】2020-07-31
(86)【国際出願番号】 KR2020010104
(87)【国際公開番号】W WO2021033949
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2023-07-28
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】65-16,Sandan-ro 163 Beon-gil,Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジョン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ソム グン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ソン ギュ
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0164944(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0288093(US,A1)
【文献】国際公開第2019/103577(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のピーク波長の光を生成する第1のLED積層と、
前記第1のLED積層の下に位置し、第2のピーク波長の光を生成する第2のLED積層と、
前記第2のLED積層の下に位置し、第3のピーク波長の光を生成する第3のLED積層と、
前記第1のLED積層上部に位置し、前記第1のピーク波長の光を反射させ
、前記第1のLED積層と電気的に離隔し、金属材料を含むフローティング反射層と、
を含み、
前記第1のピーク波長は、前記第2および第3のピーク波長に比べて長波長である、ディスプレイ用発光素子。
【請求項2】
前記第1、第2および第3のLED積層は、それぞれ赤色光、緑色光および青色光を発する、請求項1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項3】
前記フローティング反射層は、Au,Al,Ag,
またはPt
からなる前記金属材料又は
前記金属材料の合金を含む、請求項1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項4】
前記フローティング反射層は、分布ブラッグ反射器を含む、請求項1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項5】
前記第1のLED積層と前記フローティング反射層間に介在した第1の中間絶縁層をさらに含む、請求項1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項6】
前記フローティング反射層を覆う第2の中間絶縁層をさらに含む、請求項5に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項7】
前記第2の中間絶縁層上に配置された上部コネクタをさらに含み、
前記上部コネクタは、それぞれ前記第1~第3のLED積層のうち少なくとも一つに電気的に接続された、請求項6に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項8】
前記上部コネクタの上に配置されたバンプパッドをさらに含み、
前記バンプパッドは第1~第3のバンプパッドと共通バンプパッドを含み、
前記共通バンプパッドは前記第1~第3のLED積層に共通して電気的に接続され、
前記第1のバンプパッド、第2のバンプパッド、および第3のバンプパッドは、それぞれ前記第1のLED積層、第2のLED積層、および第3のLED積層に電気的に接続された、請求項7に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項9】
前記第1のLED積層と前記第2のLED積層間に介在し、前記第1のLED積層の下面にオーミック接触する第1の透明電極と、
前記第1のLED積層と前記第2のLED積層間に介在し、前記第2のLED積層の上面にオーミック接触する第2の透明電極と、
前記第2のLED積層と前記第3のLED積層間に介在し、前記第3のLED積層の上面にオーミック接触する第3の透明電極と、
をさらに含む、請求項1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項10】
前記第1のLED積層はテクスチャリングによって粗い表面を有し、
前記第2のLED積層はテクスチャリングによって粗い表面を有する、請求項1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項11】
前記第1~第3のLED積層は成長基板から分離された、請求項1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項12】
前記第1~第3のLED積層は独立的に駆動でき、
前記第1のLED積層で生成された光は、前記第2のLED積層および前記第3のLED積層を透過して外部に放出され、
前記第2のLED積層で生成された光は、前記第3のLED積層を透過して外部に放出される、請求項1に記載のディスプレイ用発光素子。
【請求項13】
回路基板と、
前記回路基板上に整列した複数の発光素子と、
を含み、
前記発光素子は、それぞれ、
第1のピーク波長の光を生成する第1のLED積層と、
前記第1のLED積層の下に位置し、第2のピーク波長の光を生成する第2のLED積層と、
前記第2のLED積層の下に位置し、第3のピーク波長の光を生成する第3のLED積層と、
前記第1のLED積層上部に位置し、前記第1のピーク波長の光を反射させ
、前記第1のLED積層と電気的に離隔し、金属材料を含むフローティング反射層と、
を含み、
前記第1のピーク波長は、前記第2および第3のピーク波長に比べて長波長である、ディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ディスプレイ用発光素子およびディスプレイ装置に関するものであり、特に、複数のLEDの積層構造を有するディスプレイ用発光素子およびそれを有するディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは、無機光源であり、ディスプレイ装置、車両用ランプ、一般照明のような様々な分野に多様に用いられている。発光ダイオードは、寿命が長く、且つ消費電力が低く、応答速度が速いという長所があるため、既存の光源を速い速度で置き換えている。
【0003】
一方、従来の発光ダイオードは、ディスプレイ装置においてバックライト光源として主に使用されて来た。しかし、近年、発光ダイオードを用いて直接イメージを具現するLEDディスプレイが開発されている。
【0004】
ディスプレイ装置は、一般的に、青色、緑色および赤色の混合色を用いて多様な色を具現する。ディスプレイ装置は、多様なイメージを具現するために複数のピクセルを含み、各ピクセルは、青色、緑色および赤色のサブピクセルを備え、これらサブピクセルの色を通じて特定ピクセルの色が決められ、これらピクセルの組合せによってイメージが具現される。
【0005】
LEDは、その材料によって多様な色の光を放出することができ、青色、緑色および赤色を放出する個別LEDチップを二次元平面上に配列してディスプレイ装置を提供できる。しかし、各サブピクセルに一つのLEDチップを配列する場合、LEDチップの個数が多くなるため実装工程に多くの時間がかかる。
【0006】
サブピクセルを二次元平面上に配列するため、青色、緑色および赤色サブピクセルを含む一つのピクセルが占有する面積が相対的に広くなる。よって、制限された面積内にサブピクセルを配列するためには、各LEDチップの面積を減らす必要がある。しかし、LEDチップの大きさを減少させることは、LEDチップの実装を困難にし得、さらに、発光面積の減少を招く。
【0007】
一方、多様な色を具現するディスプレイ装置は、高品質の白色光を一貫して提供する必要がある。従来、TVはD65の標準白色光を具現するために3:6:1のRGB混合比を使用していた。つまり、青色の光度に比べて赤色の光度が相対的により高く、緑色との光度が相対的に最も高い。ところが、現在使用されているLEDチップは、一般的に青色LEDの光度が他のLEDに比べ相対的に非常に高いため、LEDチップを用いたディスプレイ装置においてRGBの混合比を合わせることは難しいという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示が解決しようとする課題は、制限されたピクセル面積内で各サブピクセルの面積を増やすことができるディスプレイ用発光素子およびディスプレイ装置を提供することである。
【0009】
本開示が解決しようとするまた別の課題は、実装工程時間を短縮できるディスプレイ用発光素子およびディスプレイ装置を提供することである。
【0010】
本開示が解決しようとするまた別の課題は、工程歩留まりを増大させることのできるディスプレイ用発光素子およびディスプレイ装置を提供することである。
【0011】
本開示が解決しようとするまた別の課題は、RGB混合比を容易に制御できるディスプレイ用発光素子およびディスプレイ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子は、第1のピーク波長の光を生成する第1のLED積層;前記の第1のLED積層の下に位置し、第2のピーク波長の光を生成する第2のLED積層;前記の第2のLED積層の下に位置し、第3のピーク波長の光を生成する第3のLED積層;および前記の第1のLED積層の上部に位置し、前記の第1のピーク波長の光を反射させるフローティング反射層を含み、前記の第1のピーク波長は前記の第2および第3のピーク波長に比べて長波長である。
【0013】
本開示の一実施例にかかるディスプレイ装置は、回路基板;及び前記回路基板上に整列された複数の発光素子を含むが、前記発光素子はそれぞれ上で説明した発光素子である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の実施例にかかるディスプレイ装置を説明するための概略的な斜視図である。
【
図2】本開示の一実施例にかかるディスプレイパネルを説明するための概略的な平面図である。
【
図3】本開示の一実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な平面図である。
【
図4a】
図3の切り取り線A-A’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図4b】
図3の切り取り線B-B’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図4c】
図3の切り取り線C-C’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図5a】本開示の一実施例に従って成長基板上に成長した第1のLED積層を説明するための概略的な断面図である。
【
図5b】本開示の一実施例に従って成長基板上に成長した第2のLED積層を説明するための概略的な断面図である。
【
図5c】本開示の一実施例に従って成長基板上に成長した第3のLED積層を説明するための概略的な断面図である。
【
図6a】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である
【
図6b】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である
【
図7a】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である
【
図7b】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である
【
図8a】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である
【
図8b】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である
【
図9a】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である
【
図9b】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である
【
図10a】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である
【
図10b】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である
【
図11a】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な平面図である
【
図11b】本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子を製造する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図12】回路基板上に実装された発光素子を説明するための概略的な断面図である。
【
図13a】本開示の一実施例に従って発光素子を回路基板に転写する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図13b】本開示の一実施例に従って発光素子を回路基板に転写する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図13c】本開示の一実施例に従って発光素子を回路基板に転写する方法を説明するための概略的な断面図である。
【
図14】本開示のまた別の実施例に従って発光素子を回路基板に転写する方法を説明するための概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照して本開示の実施例を詳しく説明する。次に紹介する実施例は、本開示の属する技術分野の通常の技術者に本開示の思想が十分に伝わるようにするために例として提供するものである。よって、本開示は以下で説明する実施例に限定されるのではなく、他の形態に具現化することもできる。そして、図面において、構成要素の幅、長さ、厚さ等は便宜のために誇張して表現する場合もある。また、一つの構成要素が他の構成要素の「上部に」又は「上に」あると記載されている場合は、各部分が他の部分の「真上部」又は「真上に」ある場合だけでなく、各構成要素と他の構成要素間にまた別の構成要素が介在する場合も含む。明細書全体に亘って、同じ参照番号は同じ構成要素を表す。
【0016】
本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子は、第1のピーク波長の光を生成する第1のLED積層;前記第1のLED積層の下に位置し、第2のピーク波長の光を生成する第2のLED積層;前記第2のLED積層の下に位置し、第3のピーク波長の光を生成する第3のLED積層;および前記の第1のLED積層の上部に位置し、前記第1のピーク波長の光を反射させるフローティング反射層を含み、前記第1のピーク波長は前記第2および第3のピーク波長に比べて長波長である。
【0017】
本明細書では、説明の便宜のために第1のLED積層の下に第2のLED積層が配置され、第2のLED積層の下に第3のLED積層が配置されていると説明しているが、発光素子はフリップボンディングすることができ、よって、これら第1~第3のLED積層の上下位置が逆になり得るということに留意する必要がある。
【0018】
本明細書において、用語「フローティング反射層」とは、第1のLED積層から離隔された反射層を意味する。特に、フローティング反射層は第1のLED積層に直接電気的に接続しない。
【0019】
第1~第3のLED積層を相互積層することにより、ピクセル面積を増加させないと共に、各サブピクセルの発光面積を増加させることができる。さらに、前記フローティング反射層を採択することにより、相対的に長波長の光を放出する第1のLED積層の光度を選択的に向上させることができる。
【0020】
例えば、前記の第1、第2および第3のLED積層は、それぞれ赤色光、緑色光および青色光を発することができる。
【0021】
一方、前記の第1~第3のLED積層は、独立して駆動することができ、前記第1のLED積層で生成された光は、前記第2のLED積層および前記第3のLED積層を透過して外部に放出され、前記第2のLED積層で生成された光は、前記第3のLED積層を透過して外部に放出することができる。
【0022】
前記フローティング反射層は、例えば、Au、Al、Ag、Pt又はこれらの合金を含むことができる。例えば、Au合金は、AuGe、AuBe、AuTe、AuZn等を含むことができる。
【0023】
一方、前記フローティング反射層は、分布ブラッグ反射器を含むこともできる。
【0024】
前記ディスプレイ用発光素子は、前記第1のLED積層と前記フローティング反射層間に介在した第1の中間絶縁層をさらに含むことができる。第1の中間絶縁層は、前記フローティング反射層を前記第1のLED積層から絶縁させることができる。
【0025】
一方、前記ディスプレイ用発光素子は、前記フローティング反射層を覆う第2の中間絶縁層をさらに含むことができる。第2の中間絶縁層は、フローティング反射層上部に配置される上部コネクタからフローティング反射層を絶縁させることができる。
【0026】
前記ディスプレイ用発光素子は、前記第2の中間絶縁層上に配置された上部コネクタをさらに含むことができ、前記上部コネクタは、それぞれ前記の第1~第3のLED積層の少なくとも一つに電気的に接続することができる。
【0027】
さらに、前記ディスプレイ用発光素子は、前記第2のLED積層と前記第3のLED積層間に介在した第1のボンディング層;前記第1のLED積層と前記第2のLED積層間に介在した第2のボンディング層;前記第2のボンディング層と前記第2のLED積層間に介在した下部絶縁層;前記下部絶縁層および前記第2のLED積層を貫通して前記第3のLED積層の第1の導電型半導体層および第2の導電型半導体層にそれぞれ電気的に接続された下部埋立層;および前記第1のLED積層および第2のボンディング層を貫通して前記下部埋立層に電気的に接続された上部埋立層をさらに含むことができ、前記上部コネクタは、それぞれ前記上部埋立層を覆って前記上部埋立層に電気的に接続された上部コネクタを含むことができる。
【0028】
前記ディスプレイ用発光素子は、前記第3のLED積層の第1の導電型半導体層に電気的に接続するn電極パッド;および前記第3のLED積層の第2の導電型半導体層上に配置された下部p電極パッドをさらに含むことができ、前記下部埋立層は、それぞれ前記n電極パッドおよび下部p電極パッドに電気的に接続することができる。
【0029】
前記ディスプレイ用発光素子は、前記下部絶縁層を貫通して前記第2のLED積層の第1の導電型半導体層に電気的に接続する下部埋立層;および前記第1のLED積層および前記第2のボンディング層を貫通して、前記下部埋立層に電気的に接続する上部埋立層をさらに含むことができ、前記上部コネクタの一つは、前記上部埋立層および前記下部埋立層を通じて前記第2のLED積層の第1の導電型半導体層に電気的に接続できる。
【0030】
さらに、前記上部コネクタの一つは、前記第1~第3のLED積層の第1の導電型半導体層に共通して電気的に接続された上部共通コネクタになることができる。
【0031】
前記ディスプレイ用発光素子は、前記第1のLED積層、前記第1のボンディング層および前記下部絶縁層を貫通して第2のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続する上部埋立層をさらに含むことができ、前記上部コネクタの一つは、前記上部埋立層に接続されて前記第2のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続できる。
【0032】
さらに、前記上部コネクタの一つは、前記第1のLED積層の第2の導電型半導体層に電気的に接続することができる。
【0033】
一方、前記ディスプレイ用発光素子は、前記上部コネクタ上に配置されたバンプパッドをさらに含むことができ、前記バンプパッドは第1~第3のバンプパッドと共通バンプパッドを含むことができ、前記共通バンプパッドは前記第1~第3のLED積層に共通して電気的に接続され、前記第1~第3のバンプパッドはそれぞれ前記第1~第3のLED積層に電気的に接続することができる。
【0034】
前記ディスプレイ用発光素子は、前記第1のLED積層と前記第2のLED積層間に介在し、前記第1のLED積層の下面にオーミック接触する第1の透明電極;前記第1のLED積層と前記第2のLED積層間に介在し、前記第2のLED積層の上面にオーミック接触する第2の透明電極;および前記第2のLED積層と前記第3のLED積層間に介在し、前記第3のLED積層の上面にオーミック接触する第3の透明電極をさらに含むことができる。
【0035】
一方、前記第1のLED積層はテクスチャリングによって粗い表面を有することができ、前記第2のLED積層はテクスチャリングによって粗い表面を有することができる。
【0036】
さらに、前記第3のLED積層の上面および下面は、テクスチャリングがなく平坦な表面を有することができる。
【0037】
前記第1~第3のLED積層は、それぞれ成長基板から分離されたものになり得る。
【0038】
本開示の一実施例にかかるディスプレイ装置は、回路基板;および前記回路基板上に配置された複数の発光素子を含み、前記発光素子は、それぞれ上で説明した発光素子である。
【0039】
以下、図面を参照して本開示の実施例について具体的に説明する。
【0040】
図1は、本開示の実施例にかかるディスプレイ装置を説明するための概略的な斜視図である。
【0041】
本開示の発光素子は、特別限定されるのではないが、特に、スマートウォッチ1000a、VRヘッドセット1000bのようなVRディスプレイ装置、又は拡張現実眼鏡1000cのようなARディスプレイ装置内に使用される。
【0042】
ディスプレイ装置内には、イメージを具現するためのディスプレイパネルが実装される。
図2は、本開示の一実施例にかかるディスプレイパネルを説明するための概略的な平面図である。
【0043】
図2を参照すると、ディスプレイパネルは回路基板101及び発光素子100を含む。
【0044】
回路基板101は、手動マトリックス駆動または能動マトリックス駆動のための回路を含み得る。一実施例において、回路基板101は内部に配線および抵抗を含むことができる。他の実施例において、回路基板101は配線、トランジスタ及びキャパシタを含むことができる。回路基板101はまた、内部に配置された回路に電気的接続を許容するためのパッドを上面に有することができる。
【0045】
複数の発光素子100は、回路基板101上に整列される。それぞれの発光素子100は一つのピクセルを構成する。発光素子100は、バンプパッド73を有し、バンプパッド73が回路基板101に電気的に接続される。例えば、バンプパッド73は回路基板101上に露出されたパッドにボンディングされてもよい。
【0046】
発光素子100間の間隔は、少なくとも発光素子の幅よりも広くてもよい。
【0047】
発光素子100の具体的な構成に対して、
図3、
図4a、
図4b及び
図4cを参照して説明する。
図3は、本開示の一実施例にかかる発光素子100を説明するための概略的な平面図であり、
図4a、
図4b及び
図4cは、それぞれ本開示の一実施例にかかる発光素子100を説明するために、
図3の切り取り線A-A’、B-B’及びC-C’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【0048】
説明の便宜のために、バンプパッド73r,73b,73g,73cが上側に配置されたことを図示および説明するが、発光素子100は
図2に示したように、回路基板101上にフリップボンディングされ、この場合、バンプパッド73r,73b,73g,73cが下側に配置される。さらに、特定実施例において、バンプパッド73r,73b,73g,73cは、省略する場合もある。
【0049】
図3、
図4a、
図4bおよび
図4cを参照すると、発光素子100は、第1のLED積層23、第2のLED積層33、第3のLED積層43、第1の透明電極25、第2の透明電極35、第3の透明電極45、n電極パッド47a、下部p電極パッド47b、上部p電極パッド37b、下部埋立層55b,55cb,55cg、上部埋立層65r,65b,65g,65cr,65cg,65cb、第1の側壁絶縁層53、上部共通コネクタ67c、第1の上部コネクタ67r、第2の上部コネクタ67g、第3の上部コネクタ67b、第1のボンディング層49、第2のボンディング層59、下部絶縁層51、第1の中間絶縁層61、フローティング反射層62、第2の中間絶縁層63、上部絶縁層71およびバンプパッド73r,73b,73g,73cを含むことができる。さらに、発光素子100は、第1のLED積層23を貫通する貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4,23h5、第2のLED積層33を貫通する貫通ホール33h1,33h2を含むことができる。
【0050】
図4a、
図4bおよび
図4cに示したように、本開示の実施例は第1~第3のLED積層23,33,43が垂直方向に積層される。一方、各LED積層23,33,43は、互いに異なる成長基板上で成長したものだが、本開示の実施例において成長基板は最終発光素子100に残留させず全て除去される。よって、発光素子100は成長基板を含まない。しかし、本開示が必ずしもこれに限定されるのではなく、少なくとも一つの成長基板が含まれてもよい。
【0051】
第1のLED積層23、第2のLED積層33及び第3のLED積層43は、それぞれ第1の導電型半導体層23a,33a、又は43a、第2の導電型半導体層23b,33b、又は43b及びこれらの間に介在した活性層(図示せず)を含む。活性層は、特に多重量子井戸構造を有することができる。
【0052】
一実施例において、第1のLED積層23の下に第2のLED積層33が配置され、第2のLED積層33の下に第3のLED積層43が配置される。第1~第3のLED積層23,33,43で生成された光は、最終的に第3のLED積層43を通じて外部に放出され得る。例えば、第1のLED積層23は赤色光を、第2のLED積層33は緑色光を、第3のLED積層43は青色光を放出することができる。よって、第1~第3のLED積層23,33,43は、上から赤色光/緑色光/青色光の順に光を放出するように積層することができる。別の実施例において、第2のLED積層33と第3のLED積層43は、互いに順序を変えてもよい。つまり、第1~第3のLED積層23,33,43は、上から赤色光/青色光/緑色光の順に光を放出するように積層することができる。この場合、第1~第3のLED積層23、33、43で生成された光は、最終的に第2のLED積層33を通じて外部に放出することもできる。
【0053】
第1のLED積層23は第2および第3のLED積層33,43に比べて長波長である第1のピーク波長の光を放出し、第2のLED積層33は第3のLED積層43に比べて長波長である第2のピーク波長の光を放出する。第3のLED積層43は第1および第2のピーク波長に比べて短波長である第3のピーク波長の光を放出する。例えば、第1のLED積層23は赤色光を発する無機発光ダイオードで、第2のLED積層33は緑色光を発する無機発光ダイオードで、第3のLED積層43は青色光を発する無機発光ダイオードになり得る。第1のLED積層23はAlGaInP系列の井戸層を含んでもよく、第2のLED積層33はAlGaInP系列またはAlGaInN系列の井戸層を含んでもよく、第3のLED積層43はAlGaInN系列の井戸層を含んでもよい。
【0054】
第1のLED積層23は、第2および第3のLED積層33,43に比べて長波長の光を放出するため、第1のLED積層23で生成された光は、第2および第3のLED積層33,43を透過して外部に放出できる。また、第2のLED積層33は、第3のLED積層43に比べて長波長の光を放出するため、第2のLED積層33で生成された光は第3のLED積層43を透過して外部に放出できる。第2のLED積層33と第3のLED積層43が互いに順序を変えて配置された場合、第3のLED積層43で生成された光の一部は、第2のLED積層33に吸収されて損失し得る。
【0055】
一方、各LED積層23,33又は43の第1の導電型半導体層23a,33a,43aはそれぞれn型半導体層で、第2の導電型半導体層23b,33b,43bはp型半導体層である。また、本実施例において、第1のLED積層23の上面はn型半導体層23aで、第2のLED積層33の上面はp型半導体層33bで、第3のLED積層43の上面はp型半導体層43bである。つまり、第1のLED積層23の積層の順序が、第2のLED積層33および第3のLED積層43の積層順序と反対になっている。第2のLED積層33の半導体層を第3のLED積層43の半導体層と同じ順序で配置することにより、工程安定性を確保することができ、これについては製造方法を説明しながら後で詳しく説明する。しかし、第1~第3のLED積層23,33,43の半導体層の積層順序が必ずしもこれに限定されるのではない。
【0056】
第2のLED積層33は、第2の導電型半導体層33bが除去されて第1の導電型半導体層33aの上面を露出させるメサエッチング領域を含む。
図3および
図4aに示したように、第2のLED積層33のメサエッチング領域を貫通して下部埋立層55b,55cbが形成され、また、第2のLED積層33のメサエッチング領域上に下部埋立層55cgが形成される。
【0057】
第3のLED積層43もまた、第2の導電型半導体層43bが除去されて第1の導電型半導体層43aの上面を露出させるメサエッチング領域を含む。これに対して第1のLED積層23は、メサエッチング領域を含まない場合もある。
【0058】
一方、第1のLED積層23は粗い表面23rを有することができる。粗い表面23rは、第1の導電型半導体層23aの表面に形成され得るが、必ずしもこれに限定されるのではない。粗い表面23rは、第1のLED積層23の光抽出効率を向上させて第1のLED積層23で生成された光の光度(luminous intensity)を増加させる。粗い表面23rは、第1の導電型半導体層23aの表面全体に形成することもできるが、これに限定されるのではなく、一部の領域、例えば貫通ホールが形成される領域周辺や電気的接続が形成される領域は平坦な面になる場合もある。
【0059】
また、第2のLED積層33は粗い表面33rを有し得る。粗い表面33rは、第1の導電型半導体層33aの表面に形成され得る。粗い表面33rは、第2のLED積層33の光抽出効率を向上させて第2のLED積層33で生成された光の光度(luminous intensity)を増加させる。粗い表面33rは、第1の導電型半導体層33aの表面全体に形成することもできるが、これに限定されるのではなく、一部の領域、例えば貫通ホールが形成される領域周辺や電気的接続が形成される領域は平坦な面になる場合もある。
【0060】
貫通ホール33h1,33h2は、メサエッチング領域に露出した第1の導電型半導体層33aを貫通するように形成できる。一方、貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4,23h5は、第1のLED積層23を貫通することができ、特に、第1および第2の導電型半導体層23a,23bを貫通することができる。
【0061】
一方、第1および第2のLED積層23,33とは異なり、第3のLED積層43は、表面テクスチャリングによって形成された粗い表面を有さなくてもよい。これにより、第1および第2のLED積層23,33の光度を第3のLED積層43よりも相対的にさらに高く調節することができる。
【0062】
さらに、本実施例において、第1のLED積層23、第2のLED積層33及び第3のLED積層43は、互いに重なり合って、また、ほぼ同じ大きさの発光面積を有し得る。但し、上部貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4,23h5、および貫通ホール33h1,33h2によって第1のLED積層23の発光面積が第2のLED積層33の発光面積よりも小さくてもよく、第2のLED積層33の発光面積が第3のLED積層43の発光面積よりも小さくてもよい。また、発光素子100の側面は、第1のLED積層23から第3のLED積層43に行くほど幅が広くなるように傾斜し得、これによって、第3のLED積層43の発光面積が第1のLED積層23の発光面積よりもさらに大きくてもよい。第3のLED積層43の上面に対して発光素子100の側面が成す傾斜角は、約75度~90度とすることができる。傾斜角が75度よりも小さいと第1のLED積層23の発光面積が小さすぎて発光素子100の大きさを減らすことが難しい。
【0063】
第1の透明電極25は、第1のLED積層23と第2のLED積層33の間に配置される。第1の透明電極25は、第1のLED積層23の第2の導電型半導体層23bにオーミック接触し、第1のLED積層23で生成された光を透過させる。第1の透明電極25は、インジウムスズ酸化物(ITO)等の透明酸化物層や金属層を用いて形成できる。第1の透明電極25は、第1のLED積層23の第2の導電型半導体層23bの全面を覆うことができ、その側面は第1のLED積層23の側面と並んで配置できる。つまり、第1の透明電極25の側面は、第2のボンディング層59で覆われないこともある。さらに、貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4は、第1の透明電極25を貫通し得、よって、これら貫通ホールの側壁に第1の透明電極25が露出し得る。一方、貫通ホール23h5は、第1の透明電極25の上面を露出させる。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、第1のLED積層23の縁に沿って第1の透明電極25が部分的に除去されることにより、第1の透明電極25の側面が第2のボンディング層59で覆われ得る。また、貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4が形成される領域で第1の透明電極25を予めパターニングして除去することにより、貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4の側壁に第1の透明電極25が露出しないようにすることができる。
【0064】
一方、第2の透明電極35は、第2のLED積層33の第2の導電型半導体層33bにオーミック接触する。図示したように、第2の透明電極35は第1のLED積層23と第2のLED積層33の間で第2のLED積層33の上面に接触する。第2の透明電極35は、赤色光に透明な金属層または導電性酸化物層で形成できる。導電性酸化物層の例としては、SnO2、InO2、ITO、ZnO、IZO等を挙げることができる。特に、第2の透明電極35はZnOで形成できるが、ZnOは第2のLED積層33上に単結晶で形成することができるため、金属層や他の導電性酸化物層に比べて電気的および光学的特性に優れる。特に、ZnOは第2のLED積層33に対する接合力が強くレーザーリフトオフを用いて成長基板を分離しても損傷せず残っている。
【0065】
一方、第2の透明電極35は、第2のLED積層33の縁に沿って部分的に除去することができ、これにより、第2の透明電極35の外側の側面は、外部に露出されず、下部絶縁層51で覆われる。つまり、第2の透明電極35の側面は、第2のLED積層33の側面よりも内側にリセスされ、第2の透明電極35がリセスされた領域は、下部絶縁層51及び/又は第2のボンディング層59で埋められる。一方、第2のLED積層33のメサエッチング領域近くでも第2の透明電極35がリセスされ、リセスされた領域は下部絶縁層51及び第2のボンディング層59で埋められる。
【0066】
第3の透明電極45は、第3のLED積層43の第2の導電型半導体層43bにオーミック接触する。第3の透明電極45は、第2のLED積層33と第3のLED積層43の間に位置し得、第3のLED積層43の上面に接触する。第3の透明電極45は、赤色光および緑色光に透明な金属層または導電性酸化物層で形成することができる。導電性酸化物層の例としては、SnO2、InO2、ITO、ZnO、IZO等を挙げることができる。特に、第3の透明電極45はZnOで形成できるが、ZnOは第3のLED積層43上に単結晶で形成され得るため、金属層や他の導電性酸化物層に比べて電気的および光学的特性に優れる。特に、ZnOは第3のLED積層43に対する接合力が強くレーザーリフトオフを用いて成長基板を分離しても損傷せず残っている。
【0067】
第3の透明電極45は、第3のLED積層43の縁に沿って部分的に除去することができ、これにより、第3の透明電極45の外側の側面は、外部に露出せず、第1のボンディング層49で覆われる。つまり、第3の透明電極45の側面は、第3のLED積層43の側面よりも内側にリセスされ、第3の透明電極45がリセスされた領域は、第1のボンディング層49で埋められる。一方、第3のLED積層43のメサエッチング領域近くでも第3の透明電極45がリセスされ、リセスされた領域は第1のボンディング層49で埋められる。
【0068】
第2の透明電極35及び第3の透明電極45を上のようにリセスすることにより、これらの側面がエッチングガスに露出することを防ぐため、発光素子100の工程歩留まりを向上させることができる。
【0069】
一方、本実施例において、第2の透明電極35及び第3の透明電極45は、同種の導電性酸化物層、例えば、ZnOで形成することができ、第1の透明電極25は第2および第3の透明電極35,45と異なる種類の導電性酸化物層、例えば、ITOで形成することができる。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、これら第1~第3の透明電極25,35,45は全て同種でもよく、少なくとも一つが別の種類でもよい。
【0070】
n電極パッド47aは、第3のLED積層43の第1の導電型半導体層43aにオーミック接触する。n電極パッド47aは、第2の導電型半導体層43bを通じて露出された第1の導電型半導体層43a上に、つまり、メサエッチング領域に配置され得る。n電極パッド47aは、例えば、Cr/Au/Tiに形成することができる。n電極パッド47aの上面は、第2の導電型半導体層43bの上面、さらに、第3の透明電極45の上面よりも高くなり得る。例えば、n電極パッド47aの厚さは、約2um以上になり得る。n電極パッド47aは、円錐台形状になり得るが、これに限定されるのではなく、四角錐台、円筒形、四角筒形等の多様な形状を有することができる。
【0071】
下部p電極パッド47bは、n電極パッド47aと同じ材料で形成することができる。但し、下部p電極パッド47bの上面は、n電極パッド47aと同じ高さに位置させることができ、よって、下部p電極パッド47bの厚さはn電極パッド47aよりも小さくなり得る。つまり、下部p電極パッド47bの厚さは、第3の透明電極45上に突出したn電極パッド47a部分の厚さと大体同じになり得る。例えば、下部p電極パッド47bの厚さは、約1.2um以下になり得る。下部p電極パッド47bの上面がn電極パッド47aの上面と同じ高さに位置するようにさせることにより、貫通ホール33h1,33h2を形成する際、下部p電極パッド47bとn電極パッド47aが同時に露出するようにできる。n電極パッド47aと下部p電極パッド47bの高さが異なる場合、いずれかの電極パッドがエッチング工程で大きく損傷し得る。よって、n電極パッド47aと下部p電極パッド47bの高さを大体同じに合わせることにより、いずれかの電極パッドが大きく損傷することを防ぐことができる。
【0072】
第1のボンディング層49は、第2のLED積層33を第3のLED積層43に結合する。第1のボンディング層49は、第1の導電型半導体層33aと第3の透明電極45の間でこれらを結合させることができる。第1のボンディング層49は、第2の導電型半導体層43bに部分的に接し得、メサエッチング領域に露出された第1の導電型半導体層43aに部分的に接し得る。さらに、第1のボンディング層49は、n電極パッド47a及び下部p電極パッド47bを覆うことができる。
【0073】
第1のボンディング層49は、透明有機物層で形成されても、透明無機物層で形成されてもよい。有機物層は、SU8、ポリメチルメタアクリレート(poly(methylmethacrylate):PMMA)、ポリイミド、パリレン、ベンゾシクロブテン(Benzocyclobutene:BCB)等を例として挙げることができ、無機物層は、Al2O3、SiO2、SiNx等を例として挙げることができる。また、第1のボンディング層49はスピン-オン-ガラス(SOG)で形成することもできる。
【0074】
上部p電極パッド37bは、第2の透明電極35上に配置され得る。
図3および
図4bに示したように、上部p電極パッド37bは下部絶縁層51によって覆われ得る。上部p電極パッド37bは、例えば、Ni/Au/Tiに形成することができ、約2umの厚さに形成できる。
【0075】
下部絶縁層51は、第2のLED積層33上に形成され、第2の透明電極35を覆う。下部絶縁層51はまた、第2のLED積層33のメサエッチング領域を覆って平坦な上部面を提供することができる。下部絶縁層51は、例えば、SiO2で形成できる。
【0076】
貫通ホール33h1及び貫通ホール33h2は、下部絶縁層51、第2のLED積層33及び第1のボンディング層49を貫通してそれぞれn電極パッド47aおよび下部p電極パッド47bを露出させる。上で説明したように、貫通ホール33h1,33h2は、第2のLED積層33のメサエッチング領域内に形成できる。一方、貫通ホール51hは
図4bに示したように、下部絶縁層51を貫通して第1の導電型半導体層33aを露出させる。
【0077】
第1の側壁絶縁層53は、貫通ホール33h1,33h2,51hの側壁を覆い、貫通ホールの底を露出させる開口部を有する。第1の側壁絶縁層53は、例えば、化学蒸着技術または原子層蒸着技術を用いて形成することができ、例えば、Al2O3、SiO2、Si3N4等で形成できる。
【0078】
下部埋立層55cb,55b,55cgは、それぞれ貫通ホール33h1,33h2,51hを埋めることができる。下部埋立層55cb,55bは、第1の側壁絶縁層53によって第2のLED積層33から絶縁される。下部埋立層55cbは、n電極パッド47aに電気的に接続され、下部埋立層55bは下部p電極パッド47bに電気的に接続され、下部埋立層55cgは第2のLED積層33の第1の導電型半導体層33aに電気的に接続することができる。
【0079】
下部埋立層55cb,55b,55cgは、化学機械研磨技術を用いて形成できる。例えば、シード層を形成し、めっき技術を用いて貫通ホール33h1,33h2,51hを埋めた後、化学機械研磨技術を用いて下部絶縁層51上の金属層を除去することにより、下部埋立層55cb,55b,55cgが形成できる。さらに、シード層を形成する前に金属バリア層が形成されてもよい。
【0080】
下部埋立層55cb,55b,55cgは、同じ工程を通じて一緒に形成できる。これにより、下部埋立層55cb,55b,55cgは、上面が下部絶縁層51と大体並び得る。しかし、本開示が本実施例に限定されるのではなく、互いに異なる工程を通じて形成することもできる。
【0081】
第2のボンディング層59は、第1のLED積層23を第2のLED積層33に結合する。図示したように、第2のボンディング層59は第1の透明電極25と下部絶縁層51の間に配置され得る。第2のボンディング層59は、前述の第1のボンディング層49について説明した材料と同じ材料で形成することができ、重複を避けるために、詳しい説明は省略する。
【0082】
第1の中間絶縁層61は、第1のLED積層23を覆う。第1の中間絶縁層61は、アルミニウム酸化膜、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜で形成できる。
【0083】
フローティング反射層62は、第1の中間絶縁層61上に配置され、よって、第1のLED積層23から離隔される。さらに、フローティング反射層62は、第1のLED積層23から電気的に離隔されてもよい。フローティング反射層62は、第1のLED積層23で生成された光を反射する反射物質で形成される。例えば、フローティング反射層62は、赤色光を反射する反射金属層、Au、Al、Ag、Pt又はこれらの合金、例えばAu合金で形成できる。フローティング反射層62はまた、分布ブラッグ反射器で形成することもできる。特に、フローティング反射層62を分布ブラッグ反射器で形成する場合、この分布ブラッグ反射器は、第1のLED積層23で生成された赤色光に対して高い反射率を有するように形成することができる。例えば、第1のLED積層23でフローティング反射層62に入射される光の入射角を考慮して、分布ブラッグ反射器は約600nm~約650nmの波長範囲にわたって80%以上、さらには90%以上の高い反射率を有するように形成することができる。
【0084】
第2のLED積層33および第3のLED積層43で生成された光は、一般的に第1のLED積層23に吸収される。よって、フローティング反射層62は、第1のLED積層23で生成された光を選択的に反射することができるため、第1のLED積層23で生成された光の光度を、第2のLED積層33や第3のLED積層43で生成された光の光度に比べて相対的により高くすることができる。
【0085】
フローティング反射層62は、開口部62aを有することができる。開口部62aは、貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4,23h5,61hが形成される領域に位置し得る。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、フローティング反射層62は、貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4,23h5,61hで囲まれた領域内に限定して形成され得、よって、開口部62aは省略することもできる。フローティング反射層62の面積は、第1のLED積層23の面積の約60%以上になり得る。
【0086】
第2の中間絶縁層63は、フローティング反射層62を覆う。第2の中間絶縁層63は、例えば、アルミニウム酸化膜、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜で形成することができる。
【0087】
一方、貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4,23h5は、第1のLED積層23を貫通する。貫通ホール23h1は下部埋立層55cbに電気的接続を許容するための通路を提供するために形成される。また、貫通ホール23h2は下部埋立層55bに電気的接続を許容するための通路を提供するために形成され、貫通ホール23h3は上部p電極パッド37bに電気的接続を許容するための通路を提供するために形成され、貫通ホール23h4は下部埋立層55cgに電気的接続を許容するための通路を提供するために形成される。
【0088】
本実施例において、貫通ホール23h1は下部埋立層55cbの上面を露出させることができ、貫通ホール23h2は下部埋立層55bの上面を露出させ、貫通ホール23h3は上部p電極パッド37bを露出させ、貫通ホール23h4は下部埋立層55cgの上面を露出させることができる。
【0089】
一方、貫通ホール23h5は、第1の透明電極25に電気的接続を許容するための通路を提供するために形成される。貫通ホール23h5は第1の透明電極25を貫通しない。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、貫通ホール23h1が第1の透明電極25への電気的接続のための通路を提供する限り、第1の透明電極25を貫通することもある。
【0090】
貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4は、第1のLED積層23を貫通すると共に、第1及び第2の中間絶縁層61,63、第1の透明電極25及び第2のボンディング層59を貫通し得る。さらに、貫通ホール23h3は下部絶縁層51を貫通することができる。
【0091】
一方、貫通ホール61hは、第1及び第2の中間絶縁層61,63を貫通して第1のLED積層23の第1の導電型半導体層23aを露出させることができる。
【0092】
第2の側壁絶縁層64は、貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4,23h5,61hの側壁を覆い、貫通ホールの底を露出させる開口部を有する。第2の側壁絶縁層64は、例えば、化学気相蒸着技術または原子層蒸着技術を用いて形成することができ、例えば、Al2O3、SiO2、Si3N4等で形成できる。
【0093】
上部埋立層65cb,65b,65g,65cg,65r,65crは、それぞれ貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4,23h5,61hを埋めることができる。上部埋立層65cb,65b,65g,65cg,65rは第2の側壁絶縁層64によって第1のLED積層23から電気的に絶縁される。
【0094】
一方、上部埋立層65cbは、下部埋立層55cbに電気的に接続され、上部埋立層65bは下部埋立層55bに電気的に接続され、上部埋立層65gは上部p電極パッド37bに電気的に接続され、上部埋立層65cgは下部埋立層55cgに電気的に接続される。また、上部埋立層65rは第1の透明電極25に電気的に接続することができ、上部埋立層65crは第1のLED積層23の第1の導電型半導体層23aに電気的に接続することができる。
【0095】
上部埋立層65cb,65b,65g,65cg,65r,65crは、化学機械研磨技術を用いて形成できる。例えば、シード層を形成し、めっき技術を用いて貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4,23h5,61hを埋めた後、化学機械研磨技術を用いて第2の中間絶縁層63上の金属層を除去することにより、上部埋立層65cb,65b,65g,65cg,65r,65crを形成することができる。さらに、シード層を形成する前に金属バリア層が形成されてもよい。
【0096】
上部埋立層65cb,65b,65g,65cg,65r,65crは、同じ工程を通じて一緒に形成できる。これにより、上部埋立層65cb,65b,65g,65cg,65r,65crは上面が第2の中間絶縁層63と大体並び得る。しかし、本開示が本実施例に限定されるのではなく、互いに異なる工程を通じて形成することもできる。
【0097】
第1の上部コネクタ67r、第2の上部コネクタ67g、第3の上部コネクタ67b及び上部共通コネクタ67cは、第2の中間絶縁層63上に配置される。第1の上部コネクタ67rは上部埋立層65rに電気的に接続され、第2の上部コネクタ67gは上部埋立層65gに電気的に接続され、第3の上部コネクタ67bは上部埋立層65bに電気的に接続される。一方、上部共通コネクタ67cは上部埋立層65cb,65cg,65crに共通して電気的に接続される。つまり、上部埋立層65cb,65cg,65crは、共通上部コネクタ67cによって互いに電気的に接続され、よって、第1~第3のLED積層23,33,43の第1の導電型半導体層23a,33a,43aが互いに電気的に接続される。
【0098】
第1の上部コネクタ67r、第2の上部コネクタ67g、第3の上部コネクタ67b及び上部共通コネクタ67cは、同じ工程で同じ材料により形成することができ、例えば、AuGe/Ni/Au/Tiに形成できる。AuGeは、第1の導電型半導体層23aにオーミック接触できる。AuGeは、約100nmの厚さに形成することができ、Ni/Au/Tiは約2umの厚さに形成できる。AuGeの代わりにAuTeを使用することもできる。
【0099】
上部絶縁層71は、第2の中間絶縁層63を覆い、第1の上部コネクタ67r、第2の上部コネクタ67g、第3の上部コネクタ67b及び上部共通コネクタ67cを覆う。上部絶縁層71はまた、第1~第3のLED積層23,33,43の側面を覆うことができる。上部絶縁層71は、第1の上部コネクタ67r、第2の上部コネクタ67g、第3の上部コネクタ67b及び上部共通コネクタ67cを露出させる開口部71aを有し得る。上部絶縁層71の開口部71aは、概ね、第1の上部コネクタ67r、第2の上部コネクタ67g、第3の上部コネクタ67b及び上部共通コネクタ67cの平らな面上に配置することができる。上部絶縁層71は、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜で形成することができ、例えば、約400nmの厚さに形成できる。
【0100】
バンプパッド73r,73g,73b,73cは、それぞれ上部絶縁層71の開口部71a内で第1の上部コネクタ67r、第2の上部コネクタ67g、第3の上部コネクタ67b及び上部共通コネクタ67c上に配置されてこれらに電気的に接続できる。
【0101】
第1のバンプパッド73rは、第1の上部コネクタ67r及び第1の透明電極25を通じて第1のLED積層23の第2の導電型半導体層23bに電気的に接続できる。
【0102】
第2のバンプパッド73gは、第2の上部コネクタ67g、上部埋立層65g、上部p電極パッド37b及び第2の透明電極35を通じて、第2のLED積層33の第2の導電型半導体層33bに電気的に接続できる。
【0103】
第3のバンプパッド73bは、第3の上部コネクタ67b、上部埋立層65b、下部埋立層55b、下部p電極パッド47b及び第3の透明電極45を通じて第3のLED積層43の第2の導電型半導体層43bに電気的に接続できる。
【0104】
共通バンプパッド73cは、上部共通コネクタ67cを通じて上部埋立層65cb,65cg,65crに電気的に接続され、これにより第1~第3のLED積層23,33,43の第1の導電型半導体層23a,33a,43aに電気的に接続される。
【0105】
つまり、第1~第3のバンプパッド73r,73g,73bは、それぞれ第1~第3のLED積層23,33,43の第2の導電型半導体層23b,33b,43bに電気的に接続され、共通バンプパッド73cは第1~第3のLED積層23,33,43の第1の導電型半導体層23a,33a,43aに共通して電気的に接続される。
【0106】
前記バンプパッド73r,73g,73b,73cは、上部絶縁層71の開口部71a内に配置され得、バンプパッドの上面は平坦な面になり得る。バンプパッド73r,73g,73b,73cは、第1~第3の上部コネクタ67r,67g,67b及び上部共通コネクタ67cの平坦な面上に位置し得る。前記バンプパッド73r,73g,73b,73cは、Au/Inに形成することができ、例えば、Auは3umの厚さに形成され、Inは約1umの厚さに形成できる。発光素子100は、Inを用いて回路基板101上のパッドにボンディングされ得る。本実施例において、Inを用いてバンプパッドをボンディングすることについて説明するが、Inに限定されるのではなく、Pb又はAuSnを用いてボンディングすることもできる。
【0107】
本実施例において、バンプパッド73r,73g,73b,73cの上面が平坦であると説明および図示しているが、本開示がこれに限定されるのではない。例えば、バンプパッド73r,73g,73b,73cの上面が不規則な面の場合もあり、バンプパッドの一部が上部絶縁層71上に位置する場合もある。
【0108】
本実施例によると、第1のLED積層23はバンプパッド73r,73cに電気的に連結され、第2のLED積層33はバンプパッド73g,73cに電気的に連結され、第3のLED積層43はバンプパッド73b,73cに電気的に連結される。これにより、第1のLED積層23、第2のLED積層33及び第3のLED積層43のカソードが共通バンプパッド73cに電気的に接続され、アノードが第1~第3のバンプパッド73r,73g,73bにそれぞれ電気的に接続する。よって、第1~第3のLED積層23,33,43は、独立的に駆動し得る。
【0109】
本実施例において、バンプパッド73r,73g,73b,73cが形成されたことを例に挙げて説明するが、バンプパッドは省略する場合もある。特に異方性伝導性フィルムや異方性伝導性ペースト等を用いて回路基板にボンディングする場合、バンプパッドが省略され、上部コネクタ67r,67g,67b,67cが直接ボンディングされることもある。これにより、ボンディング面積を増やすことができる。
【0110】
以下では、発光素子100の製造方法を具体的に説明する。下記で説明する製造方法を通じて、発光素子100の構造についてもより詳しく理解できると考える。
図5a、
図5b及び
図5cは、本開示の一実施例によって成長基板上に成長した第1~第3のLED積層23,33,43を説明するための概略的な断面図である。
【0111】
先ず、
図5aを参照すると、第1の基板21上に第1の導電型半導体層23a及び第2の導電型半導体層23bを含む第1のLED積層23が成長する。第1の導電型半導体層23aと第2の導電型半導体層23bの間に活性層(図示せず)が介在し得る。
【0112】
第1の基板21は、第1のLED積層23を成長させるために使用できる基板、例えば、GaAs基板になり得る。第1の導電型半導体層23a及び第2の導電型半導体層23bは、AlGaInAs系列またはAlGaInP系列の半導体層で形成でき、活性層は、例えば、AlGaInP系列の井戸層を含み得る。第1のLED積層23は、例えば、赤色光を発するようにAlGaInPの組成比が定められ得る。
【0113】
第2の導電型半導体層23b上に第1の透明電極25が形成され得る。第1の透明電極25は、上で説明したように、第1のLED積層23で生成された光、例えば、赤色光を透過する金属層または導電性酸化物層で形成することができる。例えば、第1の透明電極25は、ITO(indium-tin oxide)で形成できる。
【0114】
図5bを参照すると、第2の基板31上に第1の導電型半導体層33a及び第2の導電型半導体層33bを含む第2のLED積層33が成長する。第1の導電型半導体層33aと第2の導電型半導体層33b間に活性層(図示せず)が介在し得る。
【0115】
第2の基板31は、第2のLED積層33を成長させるために使用できる基板、例えば、サファイア基板、GaN基板またはGaAs基板になり得る。第1の導電型半導体層33a及び第2の導電型半導体層33bは、AlGaInAs系列またはAlGaInP系列の半導体層、AlGaInN系列の半導体層で形成でき、活性層は、例えば、AlGaInP系列の井戸層またはAlGaInN系列の井戸層を含み得る。第2のLED積層33は、例えば、緑色光を発するようにAlGaInP又はAlGaInNの組成比を定めることができる。
【0116】
第2の導電型半導体層33b上に第2の透明電極35が形成できる。第2の透明電極35は、上で説明したように、第1のLED積層23で生成された光、例えば、赤色光を透過する金属層または導電性酸化物層で形成することができる。特に、第2の透明電極35は、ZnOで形成できる。
【0117】
図5cを参照すると、第3の基板41上に第1の導電型半導体層43a及び第2の導電型半導体層43bを含む第3のLED積層43が成長する。第1の導電型半導体層43aと第2の導電型半導体層43b間に活性層(図示せず)が介在し得る。
【0118】
第3の基板41は、第3のLED積層43を成長させるために使用できる基板、例えば、サファイア基板、SiC基板またはGaN基板になり得る。一実施例において、第3の基板41は平らなサファイア基板になり得るが、パターニングされたサファイア基板でもよい。第1の導電型半導体層43a及び第2の導電型半導体層43bは、AlGaInN系列の半導体層で形成することができ、活性層は、例えば、AlGaInN系列の井戸層を含み得る。第3のLED積層43は、例えば、青色光を発するようにAlGaInNの組成比を定めることができる。
【0119】
第2の導電型半導体層43b上に第3の透明電極45が形成され得る。第3の透明電極45は、上で説明したように、第1および第2のLED積層23,33で生成された光、例えば、赤色光および緑色光を透過する金属層または導電性酸化物層で形成できる。特に、第3の透明電極45は、ZnOで形成することができる。
【0120】
第1~第3のLED積層23,33,43は、それぞれ相互異なる成長基板21,31,41上で成長し、よって、その製造工程の順序は制限されない。
【0121】
以下では、成長基板21,31,41上に成長した第1~第3のLED積層23,33,43を用いて発光素子100を製造する方法を説明する。以下では、主に一つの発光素子100領域について図示および説明するが、当業者であれば成長基板21,31,41上に成長したLED積層23,33,43を用いて同じ製造工程で複数の発光素子100が一括して製造できることを理解できると考える。
【0122】
図6a、6b、7a、7b、8a、8b、9a、9b、10a、10b、11a、および11bは、本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子100を製造する方法を説明するための概略的な平面図および断面図である。ここで、断面図は、
図3の切り取り線A-A’に対応する。
【0123】
先ず、
図6a及び
図6bを参照すると、写真およびエッチング技術を用いて第3の透明電極45及び第2の導電型半導体層43bをパターニングして第1の導電型半導体層43aを露出させる。この工程は、例えば、メサエッチング工程に該当する。フォトレジストパターンをエッチングマスクとして使用して行うことができる。例えば、エッチングマスクを形成した後、湿式エッチング技術で第3の透明電極45を先にエッチングし、次いで、同一エッチングマスクを用いて乾式エッチング技術で第2の導電型半導体層43bをエッチングできる。これにより、第3の透明電極45はメサエッチング領域からリセスできる。
図6aには図面を簡略して表すために、メサの縁を図示し、第3の透明電極45の縁は図示していない。しかし、同じエッチングマスクを使用して第3の透明電極45を湿式エッチングするため、第3の透明電極45の縁がメサの縁からメサ内側にリセスされることを容易に理解することができる。同じエッチングマスクを用いるため、写真工程数が増加しなく、工程コストを節約することができる。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、メサエッチング工程のためのエッチングマスクと第3の透明電極45をエッチングするためのエッチングマスクをそれぞれ使用することもできる。
【0124】
続いて、n電極パッド47a及び下部p電極パッド47bがそれぞれ第1の導電型半導体層43a及び第3の透明電極45上に形成される。n電極パッド47aと下部p電極パッド47bは互いに異なる厚さに形成することができる。特に、n電極パッド47aと下部p電極パッド47bの上面が同じ高さに位置することができる。
【0125】
図7a及び
図7bを参照すると、
図6a及び
図6bを参照して説明した第3のLED積層43上に
図5bを参照して説明した第2のLED積層33がボンディングされる。TBDB(temporary bonding/debonding)技術を用いて一時基板に第2のLED積層33をボンディングし、第2の基板31が第2のLED積層33から先に除去される。第2の基板31は、例えば、レーザーリフトオフ技術を用いて除去することができる。第2の基板31が除去された後、第1の導電型半導体層33aの表面に粗い面33rが形成することができる。その後、一時基板にボンディングされた第2のLED積層33の第1の導電型半導体層33aが、第3のLED積層43に向くように配置されて第3のLED積層43にボンディングすることができる。第2のLED積層33と第3のLED積層43は、第1のボンディング層49によって互いにボンディングされる。第2のLED積層33をボンディングした後、一時基板もレーザーリフトオフ技術を用いて除去することができる。これにより、第2の透明電極35が上面に配置された形態で第2のLED積層33が第3のLED積層43に配置することができる。
【0126】
ITOは、レーザーリフトオフ技術を用いて第2の基板31を分離する際、第2のLED積層33から剥離することができる。よって、レーザーリフトオフ技術を用いて第2の基板31を除去する場合、第2の透明電極35は接合力に優れるZnOで形成されたものが有利となる。
【0127】
次いで、第2の透明電極35及び第2の導電型半導体層33bをパターニングして第1の導電型半導体層33aを露出させる。第2の透明電極35及び第2の導電型半導体層33bは、写真およびエッチング技術を用いてパターニングできる。この工程は、前述の第3の透明電極45及び第2の導電型半導体層43bをエッチングしたメサエッチング工程と同じ方法で湿式エッチング及び乾式エッチング技術を用いて行うことができる。
【0128】
例えば、エッチングマスクを形成した後、湿式エッチング技術で第2の透明電極35を先にエッチングし、次いで同じエッチングマスクを用いて乾式エッチング技術で第2の導電型半導体層33bをエッチングすることができる。これにより、第2の透明電極35はメサエッチング領域からリセスされ得る。
図7aには図面を簡略に表すためにメサの縁を図示し、第2の透明電極35の縁は図示していない。しかし、同じエッチングマスクを使用して第2の透明電極35を湿式エッチングするため、第2の透明電極35の縁がメサの縁からメサ内側にリセスされることが容易に理解できる。同じエッチングマスクを用いるため、フォトリソグラフィプロセスの工程数が増えないことから、工程コストを節約することができる。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、メサエッチング工程のためのエッチングマスクと第2の透明電極35をエッチングするためのエッチングマスクをそれぞれ使用することもできる。
【0129】
図7aに示した通り、第2のLED積層33のメサエッチング領域は、第3のLED積層43のメサエッチング領域と一部重なり得る。例えば、第2のLED積層33のメサエッチング領域の一部はn電極パッド47a上部に形成できる。また、メサエッチング領域のまた別の一部は、下部p電極パッド47b上部に位置することができる。
【0130】
また、
図7aに示したように、上部p電極パッド37bが第2の透明電極35上に形成できる。
【0131】
一方、
図7bに示したように、下部絶縁層51が第2のLED積層33および第2の透明電極35を覆うように形成できる。下部絶縁層51はまた、上部p電極パッド37bを覆うことができ、さらに平坦な上面を有するように形成できる。
【0132】
図8a及び
図8bを参照すると、第2のLED積層33を貫通する貫通ホール33h1,33h2が形成される。貫通ホール33h1,33h2は、第1のボンディング層49を貫通してn電極パッド47a及び下部p電極パッド47bを露出させる。貫通ホール33h1,33h2は、メサエッチング領域内に形成できる。
【0133】
一方、第2のLED積層33の第1の導電型半導体層33aを露出させる貫通ホール51hが形成できる。貫通ホール51hは、第2の導電型半導体層33のメサエッチング領域内に位置し得る。貫通ホール51hは貫通ホール33h1,33h2を形成した後、又は前に形成することができる。
【0134】
次いで、第1の側壁絶縁層53が形成される。第1の側壁絶縁層53は、例えば、原子層蒸着技術を用いて形成できる。第1の側壁絶縁層53は、下部絶縁層51の上面を覆うことができ、さらに、貫通ホール33h1,33h2,51hの側壁および底面を覆うことができる。貫通ホール33h1,33h2,51hの底面に形成された第1の側壁絶縁層53は、エッチング工程を通じて除去することができ、よって、n電極パッド47a、下部p電極パッド47bおよび第1の導電型半導体層33aを露出させることができる。
【0135】
次いで、シード層を形成し、めっき技術を用いて金属層を形成した後、化学機械研磨技術を用いて下部絶縁層51上面に形成された金属層を除去することにより、貫通ホール33h1,33h2,51hを埋める下部埋立層55cb,55b,55cgが完成する。
【0136】
その後、
図5aで説明した第1のLED積層23が第2のLED積層33にボンディングされる。第2のボンディング層59を用いて第1の透明電極25が第2のLED積層33に向くように、第1のLED積層23と第2のLED積層33がボンディングされ得る。これにより、第2のボンディング層59は第1の透明電極25に接すると共に、下部絶縁層51および下部埋立層55cb,55b,55cgに接することができる。
【0137】
一方、第1の基板21は、第1のLED積層23から除去される。第1の基板21は、例えば、エッチング技術を用いて除去され得る。第1の基板21が除去された後、第1の導電型半導体層23aの表面に粗い面23rが形成され得る。
【0138】
一方、第1の導電型半導体層23aを覆う第1の中間絶縁層61が形成され、第1の中間絶縁層61上にフローティング反射層62が形成される。フローティング反射層62はまた、開口部62aを有するようにパターニングされ得る。次いで、第2の中間絶縁層63のフローティング反射層62を覆うように形成される。
【0139】
図9aおよび
図9bを参照すると、第1のLED積層23および第1の透明電極25を貫通する貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4が形成される。貫通ホール23h1は下部埋立層55cbを露出させ、貫通ホール23h2は下部埋立層55bを露出させ、貫通ホール23h3は上部p電極パッド37bを露出させ、貫通ホール23h4は下部埋立層55cgを露出させることができる。
【0140】
一方、貫通ホール25h5が形成される。貫通ホール25h5は、第1のLED積層23を貫通して、第1の透明電極25を露出させる。また、第1及び第2の中間絶縁層61,63を貫通する貫通ホール61hが形成され得る。貫通ホール61hは、第1の導電型半導体層23aを露出させる。
【0141】
貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4は、同一工程で一緒に形成できる。これら貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4は、第1及び第2の中間絶縁層61,63、第1のLED積層23、第1の透明電極25および第2のボンディング層59を貫通することができる。さらに、貫通ホール23h3は下部絶縁層51を貫通することができる。
【0142】
これとは異なり、貫通ホール61hおよび貫通ホール23h5は、貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4とはエッチングの深さが異なるため、別の工程により形成できる。貫通ホール61hおよび貫通ホール23h5も互いに異なる工程を通じて形成できる。
【0143】
次いで、貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4,23h5,61hを埋める上部埋立層65cb,65b,65g,65cg,65r,65crが形成される。上部埋立層を形成するために、第2の側壁絶縁層64が貫通ホール23h1,23h2,23h3,23h4,23h5,61hの側壁を覆うように形成され、シード層および金属めっき層が形成され得、化学機械研磨技術を用いて第2の中間絶縁層63上の金属層が除去され得る。シード層を形成する前に金属障壁層を追加形成してもよい。上部埋立層65cb,65b,65g,65cg,65r,65crを形成する工程は、下部埋立層55cb,55b,55cgを形成する工程と大体似ているため、詳しい説明は省略する。
【0144】
図10aおよび
図10bを参照すると、第2の中間絶縁層63上に第1~第3の上部コネクタ67b,67g,67rおよび上部共通コネクタ67cが形成される。第1の上部コネクタ67rは上部埋立層65rに電気的に接続され、第2の上部コネクタ67gは上部埋立層67gに電気的に接続され、第3の上部コネクタ67bは上部埋立層65bに電気的に接続される。一方、上部共通コネクタ67cは上部埋立層65cb,65cg,65crに電気的に接続される。
【0145】
よって、第1~第3の上部コネクタ67r,67g,67bは、それぞれ第1~第3のLED積層23,33,43の第2の導電型半導体層23b,33b,43bに電気的に接続され、上部共通コネクタ67cは第1~第3のLED積層23,33,43の第1の導電型半導体層23a,33a,43aに電気的に接続される。
【0146】
図11aおよび
図11bを参照すると、アイソレーション工程によって発光素子100領域を定義するための分離溝が形成される。分離溝は、第1~第3のLED積層23,33,43の周りに沿って第3の基板41を露出させることができる。発光素子領域間で第1のLED積層23、第1の透明電極25、第2のボンディング層59、下部絶縁層51、第2のLED積層33、第1のボンディング層49、第3のLED積層43を順に除去することにより、分離溝を形成することができる。第2の透明電極35及び第3の透明電極45は、アイソレーション工程を行う間、露出されなく、よって、エッチングガスによって損傷しない。第2及び第3の透明電極35,45がZnOで形成される場合、ZnOはエッチングガスによって容易に損傷され得る。しかし、本開示は第2及び第3の透明電極35,45を予めリセスさせることにより、これらがエッチングガスに露出することを防ぐことができる。
【0147】
本実施例において、アイソレーション工程を通じて第1~第3のLED積層23,33,43が順にパターニングされることを説明するが、本開示が必ずしもこれに限定されるのではない。第2のLED積層33をボンディングする前に、分離溝が形成される領域で第3のLED積層43が予め除去される場合もあり、第1のLED積層23をボンディングする前に、分離溝が形成される領域で第2のLED積層33が予め除去される場合もある。この場合、第3のLED積層43が除去された領域は、第1のボンディング層49で埋めることができ、第2のLED積層33が除去された領域は、第2のボンディング層59で埋めることができる。これにより、アイソレーション工程で第2および第3のLED積層33,43は、露出されないことがある。
【0148】
アイソレーション工程は、上部コネクタ67r,67g,67b,67cを形成する前に行うこともでき、この場合、アイソレーション工程によって露出した側壁を保護するために第2の中間絶縁層63を覆う保護絶縁層が追加され得る。保護絶縁層は、上部埋立層65b,65cb,65g,65cg,65r,65crを露出させる開口部を有し得、上部コネクタ67r,67g,67b,67cが上部埋立層に電気的に接続するように形成できる。
【0149】
一方、上部コネクタ67r,67g,67b,67cを覆う上部絶縁層71が形成される。上部絶縁層71は、第2の中間絶縁層63又は保護絶縁層を覆うことができる。
【0150】
上部絶縁層71は、第1~第3のLED積層23,33,43の側面を覆うことができる。上部絶縁層71は、第1~第3の上部コネクタ67r,67g,67bおよび上部共通コネクタ67cを露出させる開口部71aを有するようにパターニングできる。
【0151】
次いで、前記開口部71a内にそれぞれバンプパッド73r,73g,73b,73cが形成される。第1のバンプパッド73rは、第1の上部コネクタ67r上に配置され、第2のバンプパッド73gは第2の上部コネクタ67g上に配置され、第3のバンプパッド73bは第3の上部コネクタ67b上に配置される。共通バンプパッド73cは上部共通コネクタ67c上に配置される。
【0152】
続いて、発光素子100を回路基板101上にボンディングし、第3の基板41を分離することにより、第3の基板41から分離された発光素子100が完成する。回路基板101にボンディングされた発光素子100の概略的な断面図は
図12に示した。
【0153】
図12は、単一の発光素子100が回路基板101上に配置されたことを示しているが、回路基板101上には複数の発光素子100が実装される。それぞれの発光素子100は、青色光、緑色光および赤色光を放出できる一つのピクセルを構成し、回路基板101上に複数のピクセルが整列してディスプレイパネルが提供される。
【0154】
一方、第3の基板41上には複数の発光素子100が形成でき、これら発光素子100は一つずつ回路基板101に転写されるのではなく、集団で回路基板101上に転写できる。
図13a、
図13b、及び
図13cは、一実施例にかかる発光素子を回路基板に転写する方法を説明するための概略的な断面図である。ここでは、第3の基板41上に形成された発光素子100を集団で回路基板101に転写する方法を説明する。
【0155】
図13aを参照すると、
図11aおよび
図11bで説明したように、第3の基板41上に発光素子100の製造工程が完了したら、第3の基板41上に複数の発光素子100が分離溝によって分離されて整列される。
【0156】
一方、上面にパッドを有する回路基板101が提供される。パッドはディスプレイのためのピクセルの整列位置に対応するように回路基板101上に配列される。一般的に、第3の基板41上に整列された発光素子100の間隔は、回路基板101内のピクセルの間隔に比べてより稠密になっている。
【0157】
図13bを参照すると、発光素子100のバンプパッドを回路基板101上のパッドにボンディングする。バンプパッドとパッドは、Inボンディングを用いてボンディングできる。一方、ピクセル領域間に位置する発光素子100は、ボンディングされるパッドがないため、回路基板101から離れた状態を維持する。
【0158】
次いで、第3の基板41上にレーザーを照射する。レーザーは、パッドにボンディングされた発光素子100に選択的に照射される。そのために、第3の基板41上に発光素子100を選択的に露出させる開口部を有するマスクが形成されてもよい。
【0159】
その後、レーザーが照射された発光素子100を第3の基板41から分離することにより、発光素子100が回路基板101に転写される。これにより、
図13cに示したように、回路基板101上に発光素子100が整列したディスプレイパネルが提供される。ディスプレイパネルは、
図1を参照して説明したような多様なディスプレイ装置に実装され得る。
【0160】
図14は、また別の実施例にかかる発光素子の転写方法を説明するための概略的な断面図である。
【0161】
図14を参照すると、本実施例にかかる発光素子の転写方法は、異方性伝導性接着フィルム、又は異方性伝導性接着ペーストを用いて発光素子をパッドにボンディングすることに違いがある。つまり、異方性伝導性接着フィルム又は接着ペースト121がパッド上に提供され、発光素子100が異方性伝導性接着フィルムや接着ペースト121を通じてパッドに接着され得る。発光素子100は、異方性伝導性接着フィルムや接着ペースト121内の導電物質によって、パッドに電気的に接続される。
【0162】
本実施例において、バンプパッド73r,73g,73b,73cは省略することができ、上部コネクタ67r,67g,67b,67cが導電物質を通じてパッドに電気的に連結され得る。
【0163】
以上で、本開示の多様な実施例について説明したが、本開示はこれら実施例に限定されるのではない。また、一つの実施例について説明した事項や構成要素は、本開示の技術的思想から外れない限り、別の実施例にも適用できる。