(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】回転する容器のための単一ローラを備える真空チャンバ装置
(51)【国際特許分類】
F26B 3/347 20060101AFI20240712BHJP
F26B 5/04 20060101ALI20240712BHJP
F26B 17/32 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
F26B3/347
F26B5/04
F26B17/32 A
(21)【出願番号】P 2022550951
(86)(22)【出願日】2020-02-28
(86)【国際出願番号】 CA2020050266
(87)【国際公開番号】W WO2021168532
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】510089351
【氏名又は名称】エンウェイブ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】ENWAVE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】カオ,リ ビン
(72)【発明者】
【氏名】フー,ジュン
(72)【発明者】
【氏名】バーカー,ノエル
【審査官】広瀬 雅治
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-081093(JP,A)
【文献】特表2015-536440(JP,A)
【文献】特表2011-501086(JP,A)
【文献】特開昭62-143674(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0115057(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-0804835(KR,B1)
【文献】特開平04-207168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 3/347
F26B 5/04
F26B 17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機材料を脱水する装置であって、
(a)前記有機材料を保持するための容器であって、その長手軸について回転可能であり、その外周面に沿って延在するスパーギア歯を有する、容器と、
(b)前記容器の導入のための入力端と、前記容器の除去のための排出端とを有する、真空チャンバと、
(c)前記入力端に近接する入力ゾーンと前記排出端に近接する排出ゾーンとの間で前記真空チャンバ内に延在する
単一のローラであって、その外周面に沿って延在するスパーギア歯を有し、前記容器を支持するために前記真空チャンバ内に位置付けられ、前記ローラの前記スパーギア歯は、前記容器の前記スパーギア歯と噛み合う、ローラと、
(d)前記ローラの長手軸について前記ローラを回転させ、それによって、前記容器を回転させる手段と、
(e)前記回転する容器を前記ローラ上に保持する手段と、
(f)前記真空チャンバを通じて前記ローラに沿って前記入力端から前記排出端に前記回転する容器を移動させる手段と、
(g)前記真空チャンバ内へのマイクロ波放射の伝達のために配置されるマイクロ波生成器と、
(h)前記真空チャンバの内側の圧力を減少させる手段と、を含む、
装置。
【請求項2】
前記容器上の前記スパーギア歯は、前記容器の前記長手軸に対して平行であり、前記ローラ上の前記スパーギア歯は、前記ローラの前記長手軸に対して平行である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ローラの前記長手軸は、水平である、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記回転する容器を前記ローラ上に保持する手段は、一対のガイド部材を含む、請求項1~3のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記回転する容器を前記ローラ上に保持する手段は、複数の対の長手方向に離間する又は隣接するガイド部材を含む、請求項1~3のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記真空チャンバを通じて前記ローラに沿って前記回転する容器を移動させる手段は、前記容器を前記真空チャンバ内に押し込むように構成されるピストンを含む、請求項1~5のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記容器を前記真空チャンバの前記入力端内に導入する手段を更に含む、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記容器を前記真空チャンバの前記入力端内に導入する手段は、
前記容器を受け入れる第1の端と、前記真空チャンバの前記入力端に隣接する第2の端とを有する、装填モジュールと、
前記装填モジュールを前記真空チャンバの前記入力端から分離する装填エアロックドアと、
前記容器を前記装填モジュールから前記真空チャンバ内に押し込むように構成されるピストンと、を含む、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記排出端で前記真空チャンバから前記容器を除去する手段を更に含む、請求項1~8のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記真空チャンバの前記排出端で前記真空チャンバから前記容器を除去する手段は、
前記真空チャンバの前記排出端に隣接する第1の端と、第2の端とを有する、排出モジュールと、
前記排出モジュールを前記真空チャンバの前記排出端から分離する取り出しエアロックドアと、
前記容器を前記真空チャンバから前記排出モジュール内に引っ張るように構成されるピストンと、を含む、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記容器は、閉じた端と、反対側の端にある取り外し可能な蓋と、前記それぞれのピストンを前記閉じた端及び前記取り外し可能な蓋に接続する手段とを有する、請求項8又は10に記載の装置。
【請求項12】
前記ローラの前記スパーギア歯は、前記ローラの前記外周面の全長に沿って延在する、請求項1~11のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記ローラの前記スパーギア歯は、前記ローラの前記外周面の長さに沿って断続的に延在し、前記ローラは、前記スパーギア歯を備える周面の区画と滑らかな周面を備える区画とを交互に有する、請求項1~11のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
有機材料を脱水する方法であって、
(a)真空チャンバ内の圧力を大気圧未満の圧力まで減少させるステップと、
(b)前記有機材料
を保持する容器を前記真空チャンバ内に導入するステップと、
(c)前記容器を前記真空チャンバ内の単一のローラ上に支持するステップであって、前記ローラ
の外周面に沿って延在するスパーギア歯は、前記容器
の外周面に沿って延在するスパーギア歯と噛み合う、ステップと、
(d)前記ローラを回転させて、前記ロー
ラの前記スパーギア歯を前記容
器の前記スパーギア歯と係合させ、それによって、前記容器を回転させるステップと、
(e)マイクロ波放射を適用しながら、前記ローラ上に支持される
前記回転せられる容器を、前記真空チャンバを通じて
前記ローラに沿って前記真空チャンバの入力端から前記真空チャンバの排出端に移動させて、前記有機材料を脱水させるステップと、
(f)脱水された有機材料
を保持する前記容器を前記真空チャンバから除去するステップと、を含む、
方法。
【請求項15】
前記真空チャンバの内側の前記容器は、水平軸について回転される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機材料が回転する容器内の真空チャンバを通じて輸送されるタイプの真空チャンバ内の食品のような有機材料を脱水する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真空マイクロ波脱水による食品及び植物材料のような有機材料の脱水は、当技術分野において知られている。例えば、2009年4月23日に公開された特許文献1及び2014年6月12日に公開された特許文献2に開示されている1つのタイプのこれらの脱水装置において、有機材料は、回転する容器内の真空マイクロ波チャンバを通じて材料を輸送することによって脱水される。特許文献2に開示されている装置では、一対の回転可能なローラが、水平軸について材料の容器を支持して回転させるように配置されており、チェーン駆動装置が、チャンバの長さを通じてローラに沿って容器を輸送するように設けられている。このタイプの先行技術の機械は、機械的に複雑である。すなわち、二重ローラは、同期を維持しなければならず、ローラを作動させるための伝動機構は、非常に複雑であり、ローラの相対的な整列(例えば、ローラ間の距離及び角度)は、ローラを容器と適切に係合させるために回転可能な容器の直径と正確に対応しなければならない。このタイプの機械を適切に作動させるために必要とされるレベルの精度は、マイクロ波脱水プロセスにおいて達成することが困難であり得る。何故ならば、容器が膨張し、最終的には、高い動作温度で時間の経過と共に歪められるようになるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
脱水産業には、転可能な容器を輸送するためのより単純でより頑強(ロバスト)な機構を有する真空マイクロ波脱水装置の必要がある。本発明は、改良された真空マイクロ波乾燥装置に向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、有機材料を脱水する装置を提供する。真空チャンバが、脱水されるべき材料の容器の導入のための入力端と、脱水された材料の容器を除去するための排出端とを有する。容器は、その外周面の一部又は全部に沿って延在するスパーギア歯を有し、真空チャンバの長さに沿って長手方向に延びる単一のローラ上で支持され、スパーギア歯は、その外周面の一部又は全部に沿って延在する。ローラのスパーギア歯は、その長手軸についてのローラの回転を駆動することが、容器をその長手軸について回転させるように、容器のスパーギア歯と噛み合う。装置は、真空チャンバ内の圧力を減少させる手段と、ローラをその長手軸について回転させる手段と、回転する容器をローラ上に保持する手段と、真空チャンバを通じてローラに沿って入力ゾーンから排出ゾーンに回転する容器を移動させる手段とを含む。装置は、マイクロ波生成器も含み、マイクロ波生成器は、マイクロ波生成器から真空チャンバ内へのマイクロ波放射の伝達のために配置される。
【0005】
本発明の別の態様は、有機材料を脱水する方法を提供する。脱水されるべき有機材料が容器内に装填される。容器は、真空チャンバ内に導入され、真空チャンバは、大気圧未満の圧力にある。容器は、真空チャンバ内の単一のローラ上に支持され、ローラ上のスパーギア歯は、容器上のスパーギア歯と噛み合う。容器は、対のスパーギア歯の係合を通じてローラの回転によって真空チャンバの内側で回転される。回転する容器は、マイクロ波放射を加えながら、真空チャンバを通じて移動させられて、有機材料を脱水する。次に、脱水された有機材料の容器は、真空チャンバから除去される。
【0006】
本発明のさらなる態様及び本発明の特定の実施形態の構成が以下に記載される。
【0007】
例示的な実施形態が算用される図面の図に例示されている。本明細書に開示する実施形態及び図は限定的というよりもむしろ例示的であると考えられるべきであることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態による真空マイクロ波乾燥装置の破断図である。
【0009】
【
図2】
図1の装置の真空チャンバの入力端を示し、排出端は入力端と実質的に同一である、
図1の線2-2での断面図である。
【0010】
【
図3】部分的に破断した
図1の装置の真空チャンバの等角断面図である。
【0011】
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1~
図3を参照すると、一実施形態において、本発明の装置は、真空マイクロ波脱水装置20(vacuum microwave dehydration apparatus)である。装置20は、真空チャンバ22と、マイクロ波生成器76とを有し、有機材料の容器24が、真空マイクロ波脱水のために真空チャンバ22を通じて輸送される。真空チャンバ22は、スタンド21によって支持された円筒形の壁25と、容器24を真空チャンバ22内に導入するための入力端26(input end)と、容器24を真空チャンバ22から除去するための排出端28(discharge end)とを有する。装填モジュール30(loading module)が、脱水されるべき有機材料を含む容器24を真空チャンバ22内に装填するために入力端26に設けられている。真空チャンバ22から除去された後に脱水された有機材料を収容する容器24を保持するために、排出モジュール32が排出端28に設けられている。装填モジュール30及び排出モジュール32は、各々、一対のエアロックドア33、34及び36、37(airlock doors)をそれぞれ有する。これらは容器24が真空チャンバ22に装填される(loaded)こと及び真空チャンバ22から取り出される(unloaded)ことを可能にする一方で、チャンバ22を脱水プロセスに必要とされる減圧状態に維持する。エアロックドアは、それらの閉鎖位置において気密シールを形成する自己封止ドア(self-sealing doors)である。エアロックドア34、36は、それぞれの装填モジュール30及び排出モジュール32を真空チャンバ22から分離する。
【0013】
容器24を回転させて、容器を入力端26から排出端28へ移動させるための手段が、真空チャンバ22内に設けられている。ローラ42が、真空チャンバ22の長さに沿って延びる長手ロッドであり、一端は、真空チャンバ22の入力ゾーン29に取り付けられており、他端は、真空チャンバ22内で、その長手の水平軸、すなわち、真空チャンバ22の長手軸に対して平行な軸についての回転のために、排出ゾーン31に取り付けられている。ローラ42のそれぞれの端を支持するために、取付板(図示せず)が、入力ゾーン29及び排出ゾーン31に設けられてよい。入力ゾーン29は、入力端26に近接する真空チャンバ22の部分であり、排出ゾーン31は、排出端28に近接する真空チャンバ22の部分である。ローラ42は、ローラ42の長手軸に対して平行なその長さに沿って延びるスパーギア(平歯車)歯46を有する周面44(circumferential surface)を有する。スパーギア歯46は、ローラ42の全長に沿って延在してよく、或いは、ローラ42が円周面46A~46Eを含むスパーギア歯の交互の区画と滑らかな円周面47A~47Dを有する区画とを有するように、その長さに沿って断続的に延在してよい。ギア78は、一端でローラ42のスパーギア歯46に係合するように、ローラ42より下で入力ゾーン取付板に取り付けられており、ギア82は、他端でローラ42のスパーギア歯46に係合するように、ローラ42より下で排出ゾーン取付板に取り付けられている。ギア78、82は、ローラ42を真空チャンバ22内でその長手軸について回転させるために、互いに同期されたそれぞれの駆動モータ48、50によって駆動される。取付板は、真空チャンバ22のそれぞれの入力ゾーン29及び排出ゾーン31で円筒形の壁25の内側に取り付けられる、それぞれの端支持フレーム86、88に固定されてよい。
【0014】
容器24は、閉じた底壁54と、円筒面56(cylindrical surface)と、取り外し可能な蓋58とを有する、高密度ポリエチレンのようなマイクロ波透過性材料で作られた、バスケットである。円筒面56は、容器24の長手軸に対して平行な、その外周面の一部又は全部に沿って延在する、スパーギア歯60を有する。ローラ42のスパーギア歯46は、ローラ42がその長手軸について回転するように駆動されるときに、容器24をその長手軸について回転させるように、容器24のスパーギア歯60と噛み合うように整列させられる。端支持フレーム86、88は、開口90、92を画定し、容器24は、開口を通じて真空チャンバ22に導入され且つ真空チャンバ22から除去されて、真空チャンバ22内でローラ42のスパーギア歯46を容器24のスパーギア歯60と整列させる。
【0015】
回転するローラ42上で容器24を保持する手段が、真空チャンバ22内に設けられる。
図2に最良に見ることができるように、一対のガイド部材72、74が、入力ゾーン29でローラ42から円周方向に離間した端支持フレーム86によって画定される開口90の両側に、並びに排出ゾーン31でローラ42から円周方向に離隔した端支持フレーム88によって画定される開口92の両側に、固定されている。ガイド部材72、74は、真空チャンバ22の長手軸に対して平行に、真空チャンバ22の長さを通じて入力ゾーン29から排出ゾーン31まで長手方向に延びる。ガイド部材72、74は、容器24が回転するローラ42に沿って移動するときに容器24を案内するために、容器24の円筒面56の両側に隣接して配置される、平坦な矩形プレートである。真空チャンバ22の長さを延ばすために、複数の対の長手方向に離間した又は隣接するガイド部材(図示せず)が設けられてよい。これは、例えば、真空チャンバが実質的な長さを有する場合に、有用である。
【0016】
各々が真空チャンバ22の内部横断面領域を横切って延在する複数のチャンバ分割器94(chamber dividers)が、真空チャンバ22を(
図1にモジュール22a、22b、22cとして示さす)複数の真空チャンバモジュールに分離する。例示の便宜のために、真空チャンバ22は、3つのモジュールのみを備えて示されているが、真空得チャンバ22は、特定の用途のために必要とされることがあるような、任意の実用的な数のモジュールを有することができることが理解されるであろう。チャンバ分割器94の各々は、開口96、97を有し、ガイド部材72、74及びローラ42は、入力ゾーン29及び排出ゾーン31で端支持フレーム86、88の間の真空チャンバ22の中間部分を通じてガイド部材及びローラを支持するために、開口96、97を通じてそれぞれ延びる。チャンバ分割器94の各々は、1つのモジュールから隣接するモジュールへの容器24の移動のための隣接する真空チャンバモジュールの間の通路を提供するための開口99も有する。チャンバ分割器94は、チャンバモジュール間の交差干渉を最小限に抑えるためにマイクロ波チョーク(microwave chokes)として作用する。
【0017】
入力モジュール30で真空チャンバ22を通じて容器24を移動させ、排出モジュール32で真空チャンバ22から容器24を除去する手段が、設けられている。
図1は、例示的な機構を示している。押出シリンダ64(pushing cylinder)が、真空チャンバ22の入力端26を通じて容器24を押すために、入力モジュール30に取り付けられ、引張シリンダ66(pulling cylinder)が、排出端28で容器24を真空チャンバ22から引き出すために、排出モジュール32に取り付けられる。押出シリンダ64及び引張シリンダ66は、エアシリンダであり、それぞれの装填モジュール30及び排出モジュール32を通じて真空チャンバ22内に延びる位置と引込位置(retracted position)との間を移動可能なピストン68、70をそれぞれ備える。容器24をそれぞれのピストン68、70に固定するために、接続手段が容器24の底壁54及び蓋58に設けられてよい。
【0018】
有機材料がそれぞれ充填された複数の容器24をローラ42上で同時に支持することができる。
図1に最良に見ることができるように、容器24は、真空チャンバ22内に順次式に導入され、ローラ42の長さに沿って次々に移動されるように配置される。容器は、各々の下流の容器が隣接する上流の容器によって押されるように、ローラ42上で互いに当接し合う。
【0019】
脱水装置20は、真空マイクロ波乾燥器の動作に従来必要とされるコンポーネント(構成要素)を含む。
図4に概略的に示すように、真空ポンプ98は、凝縮器100(condenser)を通じて並びに真空分配器102を介して真空チャンバ22内の真空ポートに動作的に接続される。凝縮器は、有機材料の脱水中に生成される水蒸気を凝縮する。コンプレッサと、冷却ファンと、冷媒ポンプとを含む、冷凍ユニット104が、冷媒を凝縮器100に運んで、凝縮器を所望の温度に維持する。水装填システム106(water load system)が、水ポンプ及び真空チャンバ内の従来の配管によって過剰のマイクロ波エネルギを吸収するように、真空チャンバ22内に設けられてよい。脱水装置20は、ローラ42、マイクロ波生成器76、真空ポンプ98、冷媒ポンプ、エアロックドア33、34、36、37、並びに押出及び引張シリンダ64、66を回転させるために駆動モータ48、50を制御することを含む、システムの動作を制御するようにプログラムされ且つ接続される、プログラマブルロジックコントローラ110(PLC:programmable logic controller)を含む。
【0020】
脱水装置20は、以下の方法に従って作動する。真空ポンプ98、冷媒ポンプ、水ポンプ、マイクロ波生成器76、及びローラを回転させるモータ48、50は、全てPLCの制御の下で作動させられる。真空チャンバ22は、減少した圧力にされる。動作圧力は、例えば、約30~300Torr(3.9~39.9kPa)又は0.1~30Torr(0.13~4.0kPa)の範囲内にあってよい。脱水されるべき有機材料の容器24が、装填モジュール30内に装填され、次に、その圧力が真空室22と均等化される。エアロックドア34が持ち上げられ、容器24がピストン68によって入力端26にある端支持フレーム86の開口90を通じて、回転するローラ42によって支持され且つ回転するローラ42に沿って移動する真空チャンバ22内に押し込まれる。容器24は、その外周面上のスパーギア歯60と回転するローラ42の外周面上のスパーギア歯46との係合によって真空チャンバ22内でその長手軸について回転して、材料が脱水されているときに容器24内で材料を転がす。長手に延びるガイド部材72、74は、容器24がその長さに沿って移動するときに、容器24をローラ42上の所定の位置に保持する。スパーギア歯46、60は、ローラ42に沿う容器24の移動中に噛み合う。
【0021】
図示の例示的な実施形態において、容器24は、エアロックドア33を通じて装填モジュール30内に装填(ロード)される。装填モジュール30は、封止(シール)され、その圧力は、真空チャンバ22と均等化される。次に、エアロックドア34が開かれ、押出シリンダ64の作動がピストン68を装填モジュール30内に移動させ、容器24を装填モジュール30から真空チャンバ22内に押し込む。次に、エアロックドア34は閉じられ、ピストン68は引っ込められる。第2の容器は、第1の容器と同じ方法で装填される。第2の容器が装填モジュール30内にひとたび入ると、エアロックドア34は開かれ、ピストン68はそれを回転するローラ42上に押す。これは第2の容器を第1の容器に対して押して、第1の容器を1つの容器の長さだけ排出端28に向かって真空チャンバ22の更に下に変位させる。このプロセスは、同じ方法で追加の容器を装填することによって繰り返され、各容器は、真空チャンバ22内の従前に装填された容器を置換させる。第1の容器がひとたび排出端28又は排出端付近にあると、エアロックドア36は開かれ、引張シリンダ66が作動されて、排出端28を通じてピストン70を真空チャンバ22内に移動させ、第1の容器を排出モジュール32内に引き込む。次に、エアロックドア36は閉じられ、ピストン70は引っ込められる。排出モジュール32は、大気圧にされ、第1の容器は、エアロックドア37を通じて除去される。次に、排出モジュール32は封止され、その圧力が真空チャンバ22と均等化される。プロセスは、同様の方法で真空チャンバ22から追加の容器を除去することによって、再び繰り返される。装置は、連続スループットベース(continuous-throughput basis)で操作される。
【0022】
対応する部分及び同等の部分が同じ参照符号によって識別される前述の記述及び図面を通じて、より完全な理解を当業者に提供するために、特定の詳細が記載されている。しかしながら、よく知られている要素は、本開示を不必要に不明瞭にすることを避けるために、詳細に図示又は記載されないことがあるか或いは全く図示又は記載されないことがある。
【0023】
前述の開示に照らして当業者に明らかなように、多くの変更及び修正が、本発明の範囲から逸脱することなく本発明の実施において可能である。従って、本記述及び図面は、限定的な意味というよりもむしろ例示的な意味において考えられるべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【文献】国際公開第2009/049409号
【文献】国際公開第2014/085897号