(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】失禁用下着のための技術
(51)【国際特許分類】
A61F 13/49 20060101AFI20240712BHJP
A61F 13/539 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
A61F13/49 220
A61F13/539
(21)【出願番号】P 2022554903
(86)(22)【出願日】2021-03-10
(86)【国際出願番号】 US2021021626
(87)【国際公開番号】W WO2021183598
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2024-03-06
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516032263
【氏名又は名称】シンクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Thinx Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】シリワルデネ ニロダ
【審査官】冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/027318(WO,A1)
【文献】米国特許第4898594(US,A)
【文献】特開2015-29542(JP,A)
【文献】特開2006-2255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
縫い目と、第1の層と、第2の層と、第3の層と、第4の層と、第5の層と、第6の層と、第7の層とを収容し、第1の脚開口部及び第2の脚開口部に隣接しているクロッチ区域を含む失禁用下着を備え、
前記第1の層は最も内側にあり、前記第7の層は最も外側にあり、前記第2の層は前記第1の層と前記第3の層との間に延び、前記第4の層は前記第3の層と前記第5の層との間に延び、前記第6の層は前記第5の層と前記第7の層との間に延び、前記縫い目は、前記第1の層、前記第2の層、前記第6の層及び前記第7の層を通って延び、前記縫い目は、前記第3の層、前記第4の層及び前記第5の層を通って延びるのを避けており、前記第2の層は前記第3の層に結合又は接着し、
前記第3の層は、中央部分と、前記中央部分を取り囲む周辺エッジ部分を含み、前記周辺エッジ部分の第1の部分は、前記第1の脚開口部に隣接し、前記周辺エッジ部分の第2の部分は、前記第2の脚開口部に隣接し、前記第1の層は、前記周辺エッジ部分の前記第1の部分及び前記周辺エッジ部分の前記第2の部分と重なり合い、前記第1の層は、前記中央部分と重ならない、
ことを特徴とする、デバイス。
【請求項2】
前記第5の層は、前記第6の層に結合又は接着されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第3の層、前記第4の層、又は前記第5の層は、吸湿性材料を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第3の層、前記第4の層、又は前記第5の層は、防水材料を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第2の層は、ボンディングテープを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第2の層は、第1の点で前記第1の層と前記第3の層との間に延び、前記縫い目は、第2の点で前記第2の層を通って延び、前記第1の点は、前記第2の点から離間している、請求項1記載のデバイス。
【請求項7】
前記第6の層及び前記第7の層は、弾性エッジ部分を定める、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第1の層は、前記第3の層が弓形として提示される弓形区域を定める、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第3の層は、前記第1の層に対して視覚的に区別できる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第2の層は、前記第1の層及び前記第3の層に直接接触する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第2の層は、前記第1の層と、前記第3の層を封止する材料とに直接接触する、請求項1記載のデバイス。
【請求項12】
デバイスであって、
縫い目と、第1の層と、第2の層と、第3の層と、第4の層と、第5の層と、第6の層と、第7の層とを収容するクロッチ区域を含む失禁用下着を備え、
前記第1の層は、最も内側にあり、
前記第7の層は、最も外側にあり、
前記第2の層は、前記第1の層と前記第3の層との間に延び、
前記第4の層は、前記第3の層と前記第5の層との間に延び、
前記第6の層は、前記第5の層と前記第7の層との間に延び、
前記縫い目は、前記第1の層、前記第2の層、前記第6の層及び前記第7の層を通って延び、
前記縫い目は、前記第3の層、前記第4の層及び前記第5の層を通って延びるのを避けており、
前記第2の層は、前記第3の層に結合又は接着し、
前記第3の層、前記第4の層、又は前記第5の層のうちの少なくとも2つは、前記第2の層と前記第6の層との間に延びる材料を介して封止されており、
前記材料は、U字型、C字型、又はV字型である、
ことを特徴とする、デバイス。
【請求項13】
前記材料は、前記第3の層、前記第4の層、及び前記第5の層を封止する、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記材料は、前記第5の層と前記第6の層との間に延びる、請求項12に記載のデバイス。
【請求項15】
前記縫い目は、前記材料を通って延びることを回避する、請求項12に記載のデバイス。
【請求項16】
前記材料及び前記縫い目は、その間にギャップを定め、前記ギャップは、前記第2の層と前記第6の層との間に延びる、請求項12に記載のデバイス。
【請求項17】
縫い目、第1の層、第2の層、第3の層、第4の層、第5の層、第6の層、及び第7の層を収容するクロッチ区域を失禁用下着に含めて、前記第1の層が最も内側にあり、前記第7の層は最も外側にあるようにするステップと、
前記第2の層が前記第3の層に結合又は接着されるように、前記第2の層を前記第1の層と前記第3の層の間に延びるようにするステップと、
前記第4の層を前記第3の層と前記第5の層との間に延びるようにするステップと、
前記第6の層を前記第5の層と前記第7の層との間に延在させるようにするステップと、
前記縫い目が、前記第1の層、前記第2の層、前記第6の層、及び前記第7の層を通って延び、前記第3の層、前記第4の層、及び前記第5の層を通って延びるのを避けるようにするステップと、
前記第3の層、前記第4の層、又は前記第5の層のうちの少なくとも2つを、前記第2の層と前記第6の層との間に延びる材料を介して封止するステップと、
を含み、
前記材料は、U字型、C字型、又はV字型である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本出願は、2020年3月11日に出願された米国非仮出願シリアル番号16/815,961の利益を主張し、その全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、失禁用下着に関する。
【背景技術】
【0003】
本開示において、文書、行為、及び/又は知識の項目が参照及び/又は議論される場合、かかる参照及び/又は議論は、その文書、行為、及び/又は知識の項目、並びにこれらの何れかの組み合わせが、優先日において、公的に入手可能であり、周知であり、共通一般知識の一部であり、及び/又は他の方法で何れかの適用される法規条項に基づいて何れかの従来技術を構成しており、及び/又は本開示が関係する何れかの問題を解決しようとする何れかの試みに関連することが分かっていることを自認するものではない。また、請求権を放棄するものはない。
【0004】
十分な防水性を有し且つ損耗に十分な耐性を有する失禁用下着を可能にする要求が存在する。しかしながら、他者による様々な試みにもかかわらず、このタイプの失禁用下着はまだ存在しない。このため、本開示により、このようなタイプの失禁用下着が可能にとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許公開第20160089276号明細書
【文献】欧州特許第2879534号明細書
【文献】米国特許公開第20180014983号明細書
【文献】米国特許公開第20180092787号明細書
【文献】特許第3718213号公報
【発明の概要】
【0006】
本開示は、上記の非効率性のうちの少なくとも1つに少なくとも一部に対処する。しかしながら、本開示は、他の技術分野にも有用であることが分かる。従って、記載される様々な請求項は、必ずしも上記の非効率性の何れかに対処することに限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0007】
本開示の一実施形態によれば、デバイスは、縫い目と、第1の層と、第2の層と、第3の層と、第4の層と、第5の層と、第6の層と、第7の層とを収容するクロッチ区域を含む失禁用下着を備え、第1の層が最も内側であり、第7の層が最も外側であり、第2の層が第1の層と第3の層との間に延び、第4の層が第3の層と第5の層との間に延び、第6の層が第5の層の下で第7の層の上に延び、縫い目が第1の層、第2の層、第6の層、及び第7の層を通って延び、縫い目がまた、第3の層、第4の層、及び第5の層を通って延びるのを避け、第2の層が第3の層に結合又は接着されている。
【0008】
第2の層は、第1の層に結合又は接着されている、上記の実施形態の1つに記載のデバイス。
【0009】
第2の層は、第6の層に接着又は結合されている、上記の実施形態の1つに記載のデバイス。
【0010】
第1の層は、第2の層を介して第6の層に結合される、上記の実施形態の1つに記載のデバイス。
【0011】
第3の層、第4の層及び第5の層の全周縁に沿って第5の層の下方から第3の層の上方へ延びるボンディングストリップを更に備える、上記の実施形態の1つに記載のデバイス。
【0012】
本開示の一実施形態によれば、方法は、縫い目、第1の層、第2の層、第3の層、第4の層、第5の層、第6の層、及び第7の層を収容するクロッチ区域を失禁用下着に含めて、第1の層が最も内側にあり、第7の層が最も外側にあるようにするステップと、第2の層が第3の層に結合又は接着するように第2の層を第1の層と第3の層との間に延びるようにするステップと、第4の層を第3の層と第5の層との間に延びるようにするステップと、第6の層を第5の層の下及び第7の層の上に延びるようにするステップと、縫い目が第1の層、第2の層、第6の層、及び第7の層を通って延び、第3の層、第4の層、及び第5の層を通って延びることを回避するようにするステップと、を含む。
【0013】
第2の層は、第1の層に接着又は結合されている、上記の実施形態の1つに記載の方法。
【0014】
第2の層は、第6の層に接着又は結合されている、上記の実施形態の1つによる方法。
【0015】
第1の層は、第2の層を介して第6の層に結合される、上記の実施形態の1つによる方法。
【0016】
第3の層、第4の層及び第5の層の全周縁に沿って第5の層の下方から第3の層の上方に延びるボンディングストリップを結合するステップを更に含む、上記の実施形態の1つに従う方法。
【0017】
本開示は、添付の例示的な図面のセットに例示された様々な形態で具現化される。変形形態は、添付して記載される様々な請求項の範囲によってのみ制限される、本開示の一部であることが企図される点に留意されたい。
【0018】
添付の例示的な図面のセットは、本開示の様々な例示的な実施形態を示す。かかる図面は、本開示を必ずしも限定するものとして解釈すべきではない。同じ番号及び/又は類似の番号付与の方式は、全体を通して同じ要素及び/又は類似の要素を参照することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本開示による失禁用下着の様々な斜視図である。
【
図2】本開示による失禁用下着の様々な斜視図である。
【
図3】本開示による失禁用下着の様々な斜視図である。
【
図4】本開示による失禁用下着の様々な斜視図である。
【
図5】本開示による失禁用下着の様々な斜視図である。
【
図6】本開示による失禁用下着の様々な斜視図である。
【
図7】本開示による失禁用下着の様々な斜視図である。
【
図8】本開示の一実施形態による失禁用下着のクロッチ区域の断面図である。
【
図9】本開示の一実施形態による失禁用下着のクロッチ区域の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、ここで、本開示の例示的な実施形態が示されている添付の例示的な図面のセットを参照してより完全に説明される。本開示は、多くの異なる形態で具現化することができ、必ずしも本明細書に開示された例示的な実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、例示的な実施形態は、本開示が徹底的且つ完全であり、関連する技術の当業者に本開示の様々な概念を十分に伝えるように提供される。
【0021】
ある例示的な実施形態に関して説明した特徴は、他の様々な例示的な実施形態において、及び/又は、他の例示的な実施形態と組み合わせる及び部分的に組み合わせることができる。また、本明細書に開示されるような例示的な実施形態の異なる態様及び/又は要素は、同様に組み合わせ及び部分的に組み合わせることができる。更に、幾つかの例示的な実施形態は、個別及び/又は集合的であれ、より大きなシステムの構成要素とすることができ、他の手順がその適用に優先し及び/又は他の方法で変更することができる。更に、本明細書に開示されるように、例示的な実施形態の前、後、及び/又は同時進行で、多数の手順が必要とすることができる。少なくとも本明細書に開示されるような、何れかの及び/又は全ての方法及び/又は工程は、少なくとも部分的に、何れかの方法で少なくとも1つのエンティティを介して実行することができることに留意されたい。
【0022】
本明細書で使用される様々な用語は、直接的又は間接的、完全又は部分的、一時的又は永久的、作用又は不作用を意味することができる。例えば、ある要素が他の要素「の上にある」、「に接続されている」又は「に結合されている」と言及される場合、当該要素は、他の要素に直接上にあるか、接続されるか又は結合されることができ、及び/又は間接及び/又は直接的変形を含む介在要素が存在することができる。対照的に、ある要素が他の要素に「直接接続」又は「直接結合」されていると言及される場合、介在する要素は存在しない。
【0023】
本明細書では、第1、第2、その他の用語を用いて様々な要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションを説明することができるが、これらの要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションは、必ずしもかかる用語によって限定されるべきものではない。これらの用語は、ある要素、構成要素、領域、層又はセクションを他の要素、構成要素、領域、層又はセクションから区別するために使用される。従って、後述する第1の要素、構成要素、領域、層、又はセクションは、本開示の様々な教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層、又はセクションと称することができる。
【0024】
本明細書で使用される様々な用語は、特定の例示的な実施形態を説明するためのものであり、本開示を必ずしも限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、様々な単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、様々な複数形も含むことが意図されている。本明細書で使用される場合、様々な用語「comprise」、「includes」及び/又は「comprising」、「including」は、述べられた特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は成分の存在を指定するが、1又は2以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、成分、及び/又はこれらの群の存在及び/又は付加を排除するものではない。
【0025】
本明細書で使用される場合、用語「又は」は、排他的な「又は」ではなく、包括的な「又は」を意味することが意図される。すなわち、他に指定されない限り、又は文脈から明らかでない限り、「XはA又はBを用いる」は、一連の自然な包括的順列の何れかを意味することが意図される。すなわち、XがAを用いて、XがBを用いて、又はXがAとBの両方を用いる場合、前述の何れの場合にも「XがA又はBを用いる」が満たされる。
【0026】
本開示の例示的な実施形態は、本開示の理想化された実施形態(及び中間構造)の例示を参照して本明細書で説明される。このため、例えば製造技術及び/又は公差の結果として、様々な図示された形状からの変動が予想される。従って、本開示の様々な例示的な実施形態は、必ずしも本明細書に例示された領域の様々な特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、例えば製造に起因する形状における逸脱を含むものとする。
【0027】
本明細書に開示されるような、何れかの及び/又は全ての要素は、単体構造であるような、同一の構造的に連続した要素から形成することができ、及び/又は、組立体及び/又はモジュールであるような、別々に製造及び/又は接続することができる。本明細書に開示されるような何れかの及び/又は全ての要素は、付加製造、除去製造、及び/又は他の何れかの他のタイプの製造であるかどうかに関わらず、何れかの製造プロセスを介して製造することができる。例えば、幾つかの製造プロセスは、3次元(3D)印刷、レーザー切断、コンピュータ数値制御ルーティング、フライス加工、プレス、スタンピング、真空成形、ハイドロフォーミング、射出成形、リソグラフィなどを含む。
【0028】
本明細書に開示されるような何れかの及び/又は全ての要素は、部分的及び/又は完全に関わらず、金属、鉱物、非晶質材料、セラミック、ガラスセラミック、木材等の有機固体及び/又はゴム等のポリマー、複合材料、半導体、ナノ材料、生体材料及び/又はこれらの何れかの組み合わせを含む固体である、及び/又は含むことができる。本明細書に開示されるような何れかの及び/又は全ての要素は、部分的及び/又は完全に関わらず、インクなどの情報コーティング、接着コーティング、真空シール及び/又はヒートシールなどの溶融接着コーティング、テープライナーなどの剥離コーティング、低表面エネルギーコーティング、色合い、色相、彩度、トーン、シェード、透明性、半透明性、不透明性、ルミネセンス、反射、燐光、反射防止及び/又はホログラフィーなどの光学コーティング、感光性コーティング、不動態、絶縁、抵抗又は伝導などの電子及び/又は熱特性コーティング、磁気コーティング、防水及び/又は耐水コーティング、香りコーティング及び/又はこれらの何れかの組み合わせとすることができ、及び/又は含むことができる。本明細書に開示されるように、何れか及び/又は全ての要素は、剛性、可撓性、及び/又はこれらの何れかの他の組み合わせとすることができる。本明細書に開示されるような何れかの及び/又は全ての要素は、材料、形状、サイズ、色、及び/又は長さ、幅、高さ、深さ、面積、向き、周囲、体積、幅、密度、温度、抵抗などの何れかの測定可能寸法において互いに同一及び/又は異なるものとすることが可能である。
【0029】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本開示が属する技術分野における通常の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されるような様々な用語は、関連する技術の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想化された及び/又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではない。
【0030】
更に、「下」、「下」、「上」、及び「上」などの相対的な用語は、添付の例示的な図面のセットに例示されているように、ある要素の別の要素に対する関係を説明するために本明細書で使用することができる。このような相対的な用語は、添付の例示的な図面のセットに描かれた向きに加えて、例示された技術の異なる向きを包含することを意図している。例えば、添付の例示的な図面のセットのデバイスが反転された場合、他の要素の「下」側にあるものとして説明された様々な要素は、その後、他の要素の「上」側に配向されることになる。同様に、例示的な図の1つのデバイスが裏返された場合、他の要素の「下」又は「下」にあると説明された様々な要素は、その後、他の要素の「上」に配向されることになる。従って、様々な例示的な用語「下」及び「下」は、上及び下の配向の両方を包含することができる。
【0031】
本明細書で使用されるように、用語「約」及び/又は「実質的に」は、公称値/用語から+/-10%の変動を指す。このような変動は、このような変動が具体的に言及されているかどうかに関わらず、本明細書で提供される何れかの所与の値/用語に常に含まれるものである。
【0032】
本開示と一部又は全部が矛盾する開示が本書に含まれている場合、矛盾する範囲、より広い開示、より広い用語の定義がある場合は、本開示が基準となる。このような開示の一部又は全部が互いに矛盾する場合、矛盾があれば、その範囲内で、より新しい開示が基準となる。
【0033】
図1~
図7は、本開示による失禁用下着の様々な斜視図である。
図8は、本開示による失禁用下着のクロッチ区域の断面図である。特に、失禁用下着100は、ウエストバンド102、前部区域108、後部区域110、及びこれらの間にクロッチ区域106を定める脚開口部104のペアを含み、これらの何れもが、何れかの適切な材料(例えば、布、天然糸、合成糸、綿、絹、ポリエステル、スパンデックス、ゴム、プラスチック、金属、メリノウール、ナイロン、ポリプロピレン、レーヨン、麻、パンデックス、竹、ゴアテックス、Xスタティック、テンセル)を含むことができる。
【0034】
図1及び
図2に示すように、下着100は、ウエストバンド102、前部区域108、後部区域110、脚開口部104のペア、及びクロッチ区域106を有する外部側(着用者の身体に対して遠位側)を含む。同様に、
図3及び
図4に示すように、下着100は、ウエストバンド102、前部区域108、後部区域110、脚開口部104のペア、及びクロッチ区域106を有する内部側(着用者の身体に近接した側)を含む。
【0035】
図3~8に示すように、クロッチ区域106は、縫い目112、第1の層114、第2の層116、第3の層118、第4の層120、第5の層122、第6の層124、第7の層126、及び材料128を収容し、その何れもが、何れかの適切な材料(例えば、布、天然糸、合成糸、綿、絹、ポリエステル、スパンデックス、ゴム、プラスチック、金属、メリノウール、ナイロン、ポリプロピレン、レーヨン、麻、スパンデックス、竹、ゴアテックス、Xスタティック、テンセル)を含むことができる。第1の層114は、最も内側にある。第7の層126は最も外側にある。或いは、第6の層124が最も外側にある。第2の層116は、第1の層114と第3の層118との間に延びる。第4の層120は、第3の層118と第5の層122との間に延びる。第6の層124は、第5の層122の下方で第7の層126の上方に延びる。
【0036】
第3の層118は、吸湿性材料(例えば、布地、天然糸、合成糸、ウール、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル)を含む。代替的に、第4の層120又は第5の層122は、吸湿性材料を含むことができる。第4の層120は、吸収性材料(例えば、布地、天然糸、合成糸、ウール、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル)を含む。或いは、第3の層118又は第5の層122は、吸収性材料を含む。第5の層122は、防水材料(コーティングとすることができる)を含むが、耐水性又は撥水性材料(コーティングとすることができる)も同様に含むことができる。或いは、第3の層118又は第4の層120は、防水性材料を含むことができる。第2の層116は、ボンディングテープ(例えば、ストリップ)を含むか、又はこれを備える。
【0037】
図9に示すように、縫い目112は、第1の層114、第2の層116、第6の層124、及び第7の層126を通って延びる。縫い目112は、第3の層118、第4の層120、及び第5の層122を通って延びることを回避している。
【0038】
第2の層116は、第3の層118に結合又は接着されている。特定の実施形態では、第2の層116は、第6の層124に結合又は接着される。例えば、このような接着は、適切なボンディングテープ(例えば、ストリップ)を介して行うことができる。同様に、例えば、このような固着は、適切な接着剤(例えば、接着剤)を介してとすることができる。特定の実施形態では、第2の層116は、ボンディングテープ又は接着剤を備える。
【0039】
特定の実施形態では、第3の層118、第4の層120、又は第5の層120のうちの少なくとも2つの縁部は、第2の層116と第6の層124との間に延びる材料128を介して封止(encapsulated)される。材料128は、U字形又はC字形であるが、他の形状も可能である(例えば、V字形)。材料128は、第3の層118、第4の層120、及び第5の層122の縁部を封止するが、材料128は、他の層又は第3の層118、第4の層120、及び第5の層122の少なくとも1つを封止することができる。
【0040】
封止は、例えば、材料128を第5の層122の下方から第3の層118の上方に、第3の層118、第4の層120及び第5の層122の周辺に延ばし、材料128を第3の層118の上部及び第5の層122の下部に結合することによって達成することができる。材料128は、第2の層116と第3の層118との間、及び第5の層122と第6の層124との間に延びる。
【0041】
特定の実施形態では、第2の層116は、材料128を介して第3の層118に結合(例えば、ボンディングテープ)又は接着(例えば、接着剤、接着物)される。特定の実施形態では、材料128以外のボンディングテープ又は接着剤が、第2の層116を第3の層に結合又は接着させるのに使用される。特定の実施形態において、第2の層116はボンディングテープ又は接着剤を備え、第1の層114は第2の層116を介して第3の層118に結合される。
【0042】
特定の実施形態において、第2の層116は、第1の層114及び第3の層118に直接接触する。特定の実施形態において、第2の層116は、第1の層114と材料128とに直接接触する。特定の実施形態では、第2の層116は、第1の層114、第3の層118、及び材料128に直接接触する。
【0043】
図8~
図9に示すように、材料128と縫い目112は、その間にギャップ130を定める。ギャップ130は、第2の層116と第6の層124との間に延びている。ギャップ130は、何れかの体積形状を有することができる。従って、第2の層116は第1の点で第1の層114と第3の層118の間に延び、縫い目112は第2の点で第2の層116を通って延びるので、第1の点は第2の点から離間している(例えば、約0.001インチと3インチの間)。
【0044】
特定の実施形態では、第1の層114及び第2の層116は、弾性エッジ部分を定める。特定の実施形態では、第6の層124及び第7の層126は、弾性エッジ部分を定める。例えば、弾性エッジ部分は、ゴム又は何れかの他の適切な材料(例えば、布、天然糸、合成糸、綿、絹、ポリエステル、スパンデックス、ゴム、プラスチック、金属、メリノウール、ナイロン、ポリプロピレン、レーヨン、麻、スパンデックス、竹、ゴアテックス、Xスタティック、スパンデックス、テンセル)を含むことができる。
【0045】
図5に示すように、第1の層114は、第3の層118が弓形として提示される弓形区域132を定める。第3の層118は、第1の層114に対して視覚的に明瞭であるが、視覚的に明瞭であることを避けることも可能である。弓形区域132は弓形であることに限定されず、他の形状又は形状パターンが可能であることに留意されたい(例えば、三角形、円形、四角形、八角形、五角形、六角形、五角形又は六角形の星、ひし形、水玉模様など)。
【0046】
動作の一態様において、方法は、縫い目112、第1の層114、第2の層116、第3の層118、第4の層120、第5の層122、第6の層124、及び第7の層126を収容するクロッチ区域106を失禁下着100に含ませるステップを含むことができる。第1の層114は最も内側にあり、第7の層126は最も外側にある。本方法は、第2の層116が第3の層118に結合又は接着されるように、第2の層116を第1の層114と第3の層118との間に延在させるステップを含むことができる。本方法は、第4の層120を第3の層118と第5の層122との間に延在させるステップを含むことができる。本方法は、第6の層124を第5の層122と第7の層126の間に延在させるステップを含むことができる。本方法は、縫い目112を、第1の層114、第2の層116、第6の層124、及び第7の層126を通って延在させ、第3の層118、第4の層120、及び第5の層122を通って延在させないようにするステップを含むことができる。このように、クロッチ区域の少なくとも一部は、吸収性及び漏れ防止性(例えば、水、体液、血液、尿、排泄物)を有することができる。
【0047】
動作の1つの態様において、第3の層118は、水分を吸収する(例えば、布、天然糸、合成糸、ウール、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル)。代替的に、第4の層120又は第5の層122が水分を吸水することができる。第4の層120は、水分を吸収する(例えば、布地、天然糸、合成糸、ウール、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル)。或いは、第3の層118又は第5の層122は、水分を吸収する。第5の層122は、水分の移動を防止する(コーティングとすることができる)。或いは、第3の層118又は第4の層120は、水分の移動を防止する。第2の層116は、ボンディングテープ(例えば、ストリップ)を含むか、又はこれを備える。
【0048】
動作の一態様によれば、
図9に示すように、方法は、第1の層114、第2の層116、第6の層124、及び第7の層126を通して縫い目112を延在させるステップを含むことができる。ある動作態様によれば、本方法は、縫い目112が第3の層118、第4の層120、及び第5の層122を通って延びることを回避するステップを含むことができる。
【0049】
特定の実施形態では、本方法は、第2の層116を第3の層118に結合又は接着させるステップを含むことができる。特定の実施形態において、本方法は、第2の層116を第6の層124に結合又は接着させるステップを含むことができる。例えば、このような接着は、適切なボンディングテープ(例えば、ストリップ)を介して行うことができる。同様に、例えば、このような接着は、適切な接着剤(例えば、接着剤)を介してすることができる。特定の実施形態では、第2の層116は、ボンディングテープ又は接着剤を備える。
【0050】
特定の実施形態では、方法は、第2の層116と第6の層124との間に延びる材料128を介して、第3の層118、第4の層120、又は第5の層120のうちの少なくとも2つを封止することを含むことができる。材料128はU字型又はC字型であるが、他の形状も可能である(例えば、V字型)。方法は、材料128が第3の層118、第4の層120、及び第5の層122を封止することを含むことができるが、材料128は、他の層又は第3の層118、第4の層120、及び第5の層122の少なくとも1つをカ封止することができる。
【0051】
封止は、例えば、材料128を第5の層122の下方から第3の層118の上方へ、第3の層118、第4の層120及び第5の層122の周囲に延ばし、材料128を第3の層118の上部及び第5の層122の下部に結合することによって達成することができる。材料128は、第2の層116と第3の層118との間、及び、第5の層122と第6の層124との間に延びる。
【0052】
特定の実施形態では、方法は、材料128を介して、第2の層116を第3の層118に接着(例えば、ボンディングテープ)又は接着(例えば、接着剤、接着剤)させることを含むことができる。特定の実施形態では、材料128以外のボンディングテープ又は接着剤が、第2の層116を第3の層に結合又は接着させるために使用される。特定の実施形態において、第2の層116は、ボンディングテープ又は接着剤からなり、第1の層114を第2の層116を介して第3の層118に結合する。
【0053】
特定の実施形態において、本方法は、第2の層116を第1の層114及び第3の層118に直接接触させることを含むことができる。特定の実施形態において、本方法は、第2の層116を第1の層114及び材料128に直接接触させることを含むことができる。特定の実施形態において、本方法は、第2の層116を第1の層114、第3の層118、及び材料128に直接接触させることを含むことができる。
【0054】
図8~
図9に示すように、本方法は、材料128と縫い目112との間にギャップ130を含むことを含むことができる。本方法は、第2の層116と第6の層124との間にギャップ130を拡張することを含むことができる。ギャップ130は、何れかの体積形状を有することができる。従って、第2の層116は第1の点で第1の層114と第3の層118との間に延長され、縫い目112は第2の点で第2の層116を通って延長されるので、第1の点は第2の点から間隔をあけて(例えば、約0.001インチと3インチの間)配置される。
【0055】
特定の実施形態において、本方法は、第1の層114及び第2の層116が弾性エッジ部分を定めることを含むことができる。特定の実施形態において、本方法は、弾性エッジ部分を定める第6の層124及び第7の層126を含むことができる。例えば、弾性エッジ部分は、ゴム又は何れかの他の適切な材料(例えば、布、天然糸、合成糸、綿、絹、ポリエステル、スパンデックス、ゴム、プラスチック、金属、メリノウール、ナイロン、ポリプロピレン、レーヨン、麻、スパンデックス、竹、ゴアテックス、Xスタティック、スパンデックス、テンセル)を含むことができる。
【0056】
図5に示すように、第1の層114は、第3の層118が弓形として提示される弓形区域132を定める。第3の層118は、第1の層114に対して視覚的に明瞭であるが、視覚的に明瞭であることを避けることも可能である。弓形区域132は弓形であることに限定されず、他の形状又は形状パターンが可能であることに留意されたい(例えば、三角形、円形、長方形、正方形、八角形、五角形、六角形、五角形又は六角形の星、ひし形、水玉模様など)。
【0057】
幾つかの実施形態では、失禁用下着100は、米国特許公開第20160089276号、欧州特許第2879534号、米国特許公開第20180014983号、米国特許公開第20180092787号、特許第3718213号公報に開示されるように具現化することができ、これらの全ては、全ての目的のために引用により本明細書に組み込まれる。このように、このような文献の何れかは、この技術分野の当業者に知られているように、様々な原理を用いて、この開示に基づいて修正することができる。
【0058】
幾つかの実施形態では、様々な機能又は行為が、所与の場所で、及び/又は1又は2以上の装置又はシステムの動作に関連して行うことができる。幾つかの実施形態では、所定の機能又は行為の一部は、第1のデバイス又は位置で実行することができ、機能又は行為の残りは、1つ以上の追加の装置又は位置で実行することができる。
【0059】
以下の請求項における全ての手段又はステッププラス機能要素の対応する構造、材料、行為、及び等価物は、具体的に請求された他の請求項要素との組み合わせで機能を実行するための何れかの構造、材料、又は行為を含むことを意図している。実施形態は、本開示の原理及び実用化を最もよく説明するために、また、当業者が、企図される特定の用途に適するように様々な変更を伴う様々な実施形態について本開示を理解できるように、選択及び説明された。
【0060】
本明細書に描かれた図は、例示的なものである。本開示の精神から逸脱することなく、図又はそこに記載されたステップ(又は操作)に対して多くの変形があり得る。例えば、ステップを異なる順序で実行することができ、又はステップを追加、削除又は修正することができる。これらの変形は全て、本開示の一部とみなされる。当業者は、現在及び将来の両方において、後に続く特許請求の範囲の範囲内に入る様々な改良及び強化を行うことができることが理解されよう。本開示の説明は、例示及び説明のために提示されたが、完全に網羅すること及び/又は開示された形態での開示に限定することは意図されていない。技術及び構造における多くの修正及び変形は、後に続く特許請求の範囲に規定される本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。従って、このような修正及び変形は、本開示の一部であることが企図される。本開示の範囲は、本開示の出願時に既知の同等物及び予測不可能な同等物を含む様々な特許請求の範囲によって定義される。
【符号の説明】
【0061】
100 失禁用下着
102 ウエストバンド
104 脚開口部
106 クロッチ区域