(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20240712BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20240712BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/60
(21)【出願番号】P 2022561700
(86)(22)【出願日】2020-11-10
(86)【国際出願番号】 JP2020041795
(87)【国際公開番号】W WO2022101954
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-11-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100198845
【氏名又は名称】井上 善喬
(72)【発明者】
【氏名】山田 学
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-518235(JP,A)
【文献】特開2019-122403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材を用いてエアロゾルを生成する吸引装置が行う前記エアロゾルを生成する動作に関する情報であるプロファイルと、前記吸引装置により生成された前記エアロゾルをユーザが吸引したことが検出されたタイミングであるパフ検出タイミングに関する情報と、を対応付けて表示する表示画像を生成する制御部、
を備え
、
前記プロファイルは、開始時点から終了時点までに前記吸引装置が行う前記エアロゾルを生成する動作に関するパラメータの時系列変化を示す情報であり、
前記表示画像は、前記プロファイルの時間軸における前記パフ検出タイミングの位置を示す情報を含み、
前記パラメータは、前記吸引装置が行う前記エアロゾルを生成する動作を規定する情報であり、
前記吸引装置は、前記プロファイルに従って動作する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記表示画像は、前記パフ検出タイミングにおける前記パラメータを示す情報を含む、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示画像は、前記開始時点から前記終了時点までの前記プロファイルに、前記開始時点から前記終了時点までに検出された前記パフ検出タイミングにおける前記パラメータを示す情報を対応付けて表示する、
請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示画像は、前記開始時点から前記終了時点までの前記プロファイルに、前記開始時点から現在までに検出された前記パフ検出タイミングにおける前記パラメータを示す情報を対応付けて表示する、
請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示画像は、前記開始時点から現在までの前記プロファイルに、前記開始時点から現在までに検出された前記パフ検出タイミングにおける前記パラメータを示す情報を対応付けて表示する、
請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示画像は、前記開始時点から前記終了時点までの全体の時間区間のうち、前記パフ検出タイミングを含む一部の区間の前記プロファイルを抜粋して表示する、
請求項
2~
5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記パラメータは、前記基材を加熱する加熱部の温度である、
請求項
1~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記パラメータは、前記基材を加熱する加熱部により加熱される部位の温度である、
請求項
1~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記パラメータは、前記基材を加熱する加熱部に給電される電気に関する、
請求項
1~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記表示画像は、前記プロファイルを、グラフとして表示する、
請求項1~
9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記表示画像は、前記パフ検出タイミングに関する情報を、表として表示する、
請求項1~1
0のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記プロファイルにおけるパラメータは、前記ユーザによる操作に応じて変更可能であり、
表示画像は、前記ユーザによって変更されたプロファイルに従って前記吸引装置が動作した際に検出されると予測される情報をさらに含む、
請求項1~11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記予測される情報は、前記基材を加熱する加熱部により生成された前記エアロゾルが前記ユーザに吸引される量である、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
基材を用いてエアロゾルを生成する吸引装置が行う前記エアロゾルを生成する動作に関する情報であるプロファイルと、前記吸引装置により生成された前記エアロゾルをユーザが吸引したことが検出されたタイミングであるパフ検出タイミングに関する情報と、を対応付けて表示する表示画像を生成すること、
を含み、
前記プロファイルは、開始時点から終了時点までに前記吸引装置が行う前記エアロゾルを生成する動作に関するパラメータの時系列変化を示す情報であり、
前記表示画像は、前記プロファイルの時間軸における前記パフ検出タイミングの位置を示す情報を含み、
前記パラメータは、前記吸引装置が行う前記エアロゾルを生成する動作を規定する情報であり、
前記吸引装置は、前記プロファイルに従って動作する、
情報処理方法。
【請求項15】
コンピュータを、
基材を用いてエアロゾルを生成する吸引装置が行う前記エアロゾルを生成する動作に関する情報であるプロファイルと、前記吸引装置により生成された前記エアロゾルをユーザが吸引したことが検出されたタイミングであるパフ検出タイミングに関する情報と、を対応付けて表示する表示画像を生成する制御部、
として機能させ
、
前記プロファイルは、開始時点から終了時点までに前記吸引装置が行う前記エアロゾルを生成する動作に関するパラメータの時系列変化を示す情報であり、
前記表示画像は、前記プロファイルの時間軸における前記パフ検出タイミングの位置を示す情報を含み、
前記パラメータは、前記吸引装置が行う前記エアロゾルを生成する動作を規定する情報であり、
前記吸引装置は、前記プロファイルに従って動作する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ及びネブライザ等の、ユーザに吸引される物質を生成する吸引装置が広く普及している。例えば、吸引装置は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル源、及び生成されたエアロゾルに香味成分を付与するための香味源等を含む基材を用いて、香味成分が付与されたエアロゾルを生成する。ユーザは、吸引装置により生成された、香味成分が付与されたエアロゾルを吸引することで、香味を味わうことができる。
【0003】
近年では、ユーザの吸引体験をより豊かにするために、吸引装置に関する様々な技術が開発されている。例えば、下記特許文献1では、吸引装置によるエアロゾルの送達量を、時間経過と共に変化させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に開示された技術は、開発されてから未だ日が浅く、ユーザの吸引体験をより豊かにするためのさらなる技術開発が求められている。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザが吸引装置の動作をより容易に認識することが可能な仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、基材を用いてエアロゾルを生成する吸引装置が行う前記エアロゾルを生成する動作に関する情報であるプロファイルと、前記吸引装置により生成された前記エアロゾルをユーザが吸引したことが検出されたタイミングであるパフ検出タイミングに関する情報と、を対応付けて表示する表示画像を生成する制御部、を備える情報処理装置が提供される。
【0008】
前記プロファイルは、開始時点から終了時点までに前記吸引装置が行う前記エアロゾルを生成する動作に関するパラメータの時系列変化を示す情報であり、前記表示画像は、前記プロファイルの時間軸における前記パフ検出タイミングの位置を示す情報を含んでいてもよい。
【0009】
前記表示画像は、前記パフ検出タイミングにおける前記パラメータを示す情報を含んでいてもよい。
【0010】
前記表示画像は、前記開始時点から前記終了時点までの前記プロファイルに、前記開始時点から前記終了時点までに検出された前記パフ検出タイミングにおける前記パラメータを示す情報を対応付けて表示してもよい。
【0011】
前記表示画像は、前記開始時点から前記終了時点までの前記プロファイルに、前記開始時点から現在までに検出された前記パフ検出タイミングにおける前記パラメータを示す情報を対応付けて表示してもよい。
【0012】
前記表示画像は、前記開始時点から現在までの前記プロファイルに、前記開始時点から現在までに検出された前記パフ検出タイミングにおける前記パラメータを示す情報を対応付けて表示してもよい。
【0013】
前記表示画像は、前記開始時点から前記終了時点までの全体の時間区間のうち、前記パフ検出タイミングを含む一部の区間の前記プロファイルを抜粋して表示してもよい。
【0014】
前記パラメータは、前記吸引装置が行う前記エアロゾルを生成する動作を規定する情報であり、前記吸引装置は、前記プロファイルに従って動作してもよい。
【0015】
前記パラメータは、前記吸引装置が前記エアロゾルを生成する動作を行った際に検出された情報であってもよい。
【0016】
前記パラメータは、前記基材を加熱する加熱部の温度であってもよい。
【0017】
前記パラメータは、前記基材を加熱する加熱部により加熱される部位の温度であってもよい。
【0018】
前記パラメータは、前記基材を加熱する加熱部に給電される電気に関していてもよい。
【0019】
前記パラメータは、前記基材を加熱する加熱部により生成された前記エアロゾルがユーザに吸引される量であってもよい。
【0020】
前記表示画像は、前記プロファイルを、グラフとして表示してもよい。
【0021】
前記表示画像は、前記パフ検出タイミングに関する情報を、表として表示してもよい。
【0022】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、基材を用いてエアロゾルを生成する吸引装置が行う前記エアロゾルを生成する動作に関する情報であるプロファイルと、前記吸引装置により生成された前記エアロゾルをユーザが吸引したことが検出されたタイミングであるパフ検出タイミングに関する情報と、を対応付けて表示する表示画像を生成すること、を含む情報処理方法が提供される。
【0023】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、基材を用いてエアロゾルを生成する吸引装置が行う前記エアロゾルを生成する動作に関する情報であるプロファイルと、前記吸引装置により生成された前記エアロゾルをユーザが吸引したことが検出されたタイミングであるパフ検出タイミングに関する情報と、を対応付けて表示する表示画像を生成する制御部、として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明によれば、ユーザが吸引装置の動作をより容易に認識することが可能な仕組みが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】吸引装置の第1の構成例を模式的に示す模式図である。
【
図2】吸引装置の第2の構成例を模式的に示す模式図である。
【
図3】本実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る加熱プロファイルの一例を示すグラフである。
【
図5】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図12】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図13】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図14】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図15】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図16】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図17】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図18】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図19】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図20】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図21】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図22】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図23】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図24】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図25】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図26】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図27】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図28】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図29】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図30】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図31】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図32】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図33】本実施形態に係るユーザ端末により生成される表示画像の一例を示す図である。
【
図34】本実施形態に係るシステムにおいて実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図35】本実施形態に係るシステムにおいて実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0027】
<<1.吸引装置の構成例>>
吸引装置は、ユーザにより吸引される物質を生成する装置である。以下では、吸引装置により生成される物質が、エアロゾルであるものとして説明する。他に、吸引装置により生成される物質は、気体であってもよい。
【0028】
(1)第1の構成例
図1は、吸引装置の第1の構成例を模式的に示す模式図である。
図1に示すように、本構成例に係る吸引装置100Aは、電源ユニット110、カートリッジ120、及び香味付与カートリッジ130を含む。電源ユニット110は、電源部111A、センサ部112A、通知部113A、記憶部114A、通信部115A、及び制御部116Aを含む。カートリッジ120は、加熱部121A、液誘導部122、及び液貯蔵部123を含む。香味付与カートリッジ130は、香味源131、及びマウスピース124を含む。カートリッジ120及び香味付与カートリッジ130には、空気流路180が形成される。
【0029】
電源部111Aは、電力を蓄積する。そして、電源部111Aは、制御部116Aによる制御に基づいて、吸引装置100Aの各構成要素に電力を供給する。電源部111Aは、例えば、リチウムイオン二次電池等の充電式バッテリにより構成され得る。
【0030】
センサ部112Aは、吸引装置100Aに関する各種情報を取得する。一例として、センサ部112Aは、マイクロホンコンデンサ等の圧力センサ、流量センサ又は温度センサ等により構成され、ユーザによる吸引に伴う値を取得する。他の一例として、センサ部112Aは、ボタン又はスイッチ等の、ユーザからの情報の入力を受け付ける入力装置により構成される。
【0031】
通知部113Aは、情報をユーザに通知する。通知部113Aは、例えば、発光する発光装置、画像を表示する表示装置、音を出力する音出力装置、又は振動する振動装置等により構成される。
【0032】
記憶部114Aは、吸引装置100Aの動作のための各種情報を記憶する。記憶部114Aは、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0033】
通信部115Aは、有線又は無線の任意の通信規格に準拠した通信を行うことが可能な通信インタフェースである。かかる通信規格としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等が採用され得る。
【0034】
制御部116Aは、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って吸引装置100A内の動作全般を制御する。制御部116Aは、例えばCPU(Central Processing Unit)、及びマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。
【0035】
液貯蔵部123は、エアロゾル源を貯蔵する。エアロゾル源が霧化されることで、エアロゾルが生成される。エアロゾル源は、例えば、グリセリン及びプロピレングリコール等の多価アルコール、並びに水等の液体である。エアロゾル源は、たばこ由来又は非たばこ由来の香味成分を含んでいてもよい。吸引装置100Aがネブライザ等の医療用吸入器である場合、エアロゾル源は、薬剤を含んでもよい。
【0036】
液誘導部122は、液貯蔵部123に貯蔵された液体であるエアロゾル源を、液貯蔵部123から誘導し、保持する。液誘導部122は、例えば、ガラス繊維等の繊維素材又は多孔質状のセラミック等の多孔質状素材を撚って形成されるウィックである。その場合、液貯蔵部123に貯蔵されたエアロゾル源は、ウィックの毛細管効果により誘導される。
【0037】
加熱部121Aは、エアロゾル源を加熱することで、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する。
図1に示した例では、加熱部121Aは、コイルとして構成され、液誘導部122に巻き付けられる。加熱部121Aが発熱すると、液誘導部122に保持されたエアロゾル源が加熱されて霧化され、エアロゾルが生成される。加熱部121Aは、電源部111Aから給電されると発熱する。一例として、ユーザが吸引を開始したこと、及び/又は所定の情報が入力されたことが、センサ部112Aにより検出された場合に、給電されてもよい。そして、ユーザが吸引を終了したこと、及び/又は所定の情報が入力されたことが、センサ部112Aにより検出された場合に、給電が停止されてもよい。
【0038】
香味源131は、エアロゾルに香味成分を付与するための構成要素である。香味源131は、たばこ由来又は非たばこ由来の香味成分を含んでいてもよい。
【0039】
空気流路180は、ユーザに吸引される空気の流路である。空気流路180は、空気流路180内への空気の入り口である空気流入孔181と、空気流路180からの空気の出口である空気流出孔182と、を両端とする管状構造を有する。空気流路180の途中には、上流側(空気流入孔181に近い側)に液誘導部122が配置され、下流側(空気流出孔182に近い側)に香味源131が配置される。ユーザによる吸引に伴い空気流入孔181から流入した空気は、加熱部121Aにより生成されたエアロゾルと混合され、矢印190に示すように、香味源131を通過して空気流出孔182へ輸送される。エアロゾルと空気との混合流体が香味源131を通過する際には、香味源131に含まれる香味成分がエアロゾルに付与される。
【0040】
マウスピース124は、吸引の際にユーザに咥えられる部材である。マウスピース124には、空気流出孔182が配置される。ユーザは、マウスピース124を咥えて吸引することで、エアロゾルと空気との混合流体を口腔内へ取り込むことができる。
【0041】
以上、吸引装置100Aの構成例を説明した。もちろん吸引装置100Aの構成は上記に限定されず、以下に例示する多様な構成をとり得る。
【0042】
一例として、吸引装置100Aは、香味付与カートリッジ130を含んでいなくてもよい。その場合、カートリッジ120にマウスピース124が設けられる。
【0043】
他の一例として、吸引装置100Aは、複数種類のエアロゾル源を含んでいてもよい。複数種類のエアロゾル源から生成された複数種類のエアロゾルが空気流路180内で混合され化学反応を起こすことで、さらに他の種類のエアロゾルが生成されてもよい。
【0044】
また、エアロゾル源を霧化する手段は、加熱部121Aによる加熱に限定されない。例えば、エアロゾル源を霧化する手段は、振動霧化、又は誘導加熱であってもよい。
【0045】
(2)第2の構成例
図2は、吸引装置の第2の構成例を模式的に示す模式図である。
図2に示すように、本構成例に係る吸引装置100Bは、電源部111B、センサ部112B、通知部113B、記憶部114B、通信部115B、制御部116B、加熱部121B、保持部140、及び断熱部144を含む。
【0046】
電源部111B、センサ部112B、通知部113B、記憶部114B、通信部115B、及び制御部116Bの各々は、第1の構成例に係る吸引装置100Aに含まれる対応する構成要素と実質的に同一である。
【0047】
保持部140は、内部空間141を有し、内部空間141にスティック型基材150の一部を収容しながらスティック型基材150を保持する。保持部140は、内部空間141を外部に連通する開口142を有し、開口142から内部空間141に挿入されたスティック型基材150を保持する。例えば、保持部140は、開口142及び底部143を底面とする筒状体であり、柱状の内部空間141を画定する。保持部140は、スティック型基材150へ供給される空気の流路を画定する機能も有する。かかる流路への空気の入り口である空気流入孔は、例えば底部143に配置される。他方、かかる流路からの空気の出口である空気流出孔は、開口142である。
【0048】
スティック型基材150は、基材部151、及び吸口部152を含む。基材部151は、エアロゾル源を含む。なお、本構成例において、エアロゾル源は液体に限られるものではなく、固体であってもよい。スティック型基材150が保持部140に保持された状態において、基材部151の少なくとも一部は内部空間141に収容され、吸口部152の少なくとも一部は開口142から突出する。そして、開口142から突出した吸口部152をユーザが咥えて吸引すると、図示しない空気流入孔から内部空間141に空気が流入し、基材部151から発生するエアロゾルと共にユーザの口内に到達する。
【0049】
加熱部121Bは、第1の構成例に係る加熱部121Aと同様の構成を有する。ただし、
図2に示した例では、加熱部121Bは、フィルム状に構成され、保持部140の外周を覆うように配置される。そして、加熱部121Bが発熱すると、スティック型基材150の基材部151が外周から加熱され、エアロゾルが生成される。
【0050】
断熱部144は、加熱部121Bから他の構成要素への伝熱を防止する。例えば、断熱部144は、真空断熱材、又はエアロゲル断熱材等により構成される。
【0051】
以上、吸引装置100Bの構成例を説明した。もちろん吸引装置100Bの構成は上記に限定されず、以下に例示する多様な構成をとり得る。
【0052】
一例として、加熱部121Bは、ブレード状に構成され、保持部140の底部143から内部空間141に突出するように配置されてもよい。その場合、ブレード状の加熱部121Bは、スティック型基材150の基材部151に挿入され、スティック型基材150の基材部151を内部から加熱する。他の一例として、加熱部121Bは、保持部140の底部143を覆うように配置されてもよい。また、加熱部121Bは、保持部140の外周を覆う第1の加熱部、ブレード状の第2の加熱部、及び保持部140の底部143を覆う第3の加熱部のうち、2以上の組み合わせとして構成されてもよい。
【0053】
他の一例として、保持部140は、内部空間141を形成する外殻の一部を開閉する、ヒンジ等の開閉機構を含んでいてもよい。そして、保持部140は、外殻を開閉することで、内部空間141に挿入されたスティック型基材150を挟持してもよい。その場合、加熱部121Bは、保持部140における当該挟持箇所に設けられ、スティック型基材150を押圧しながら加熱してもよい。
【0054】
また、エアロゾル源を霧化する手段は、加熱部121Bによる加熱に限定されない。例えば、エアロゾル源を霧化する手段は、誘導加熱であってもよい。
【0055】
また、吸引装置100Bは、第1の構成例に係る加熱部121A、液誘導部122、液貯蔵部123、及び空気流路180をさらに含んでいてもよく、空気流路180の空気流出孔182が内部空間141への空気流入孔を兼ねていてもよい。この場合、加熱部121Aにより生成されたエアロゾルと空気との混合流体は、内部空間141に流入して加熱部121Bにより生成されたエアロゾルとさらに混合され、ユーザの口腔内に到達する。
【0056】
<<2.技術的特徴>>
<2.1.システム構成例>
図3は、本実施形態に係るシステム1の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、システム1は、吸引装置100、及びユーザ端末200を含む。
【0057】
(1)吸引装置100の構成
吸引装置100は、上記説明した第1の構成例、又は第2の構成例のうち任意の構成例を取り得る。以下では、吸引装置100により生成されたエアロゾルをユーザが吸引することを、単に「吸引」又は「パフ」とも称する。
【0058】
本実施形態に係る吸引装置100は、基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する。加熱部121は、エアロゾルを生成する生成部の一例である。第1の構成例におけるカートリッジ120及び香味付与カートリッジ130、並びに第2の構成例におけるスティック型基材150は、本発明における基材の一例である。吸引装置100は、吸引装置100に装着された基材を用いてエアロゾルを生成する。第1の構成例において、電源ユニット110に接続されたカートリッジ120及び香味付与カートリッジ130は、吸引装置100に装着された基材の一例である。第2の構成例において、吸引装置100に挿入されたスティック型基材150は、吸引装置100に装着された基材の一例である。
【0059】
(2)ユーザ端末200の構成
ユーザ端末200は、吸引装置100のユーザにより使用される端末装置である。例えば、ユーザ端末200は、スマートフォン、タブレット端末又はウェアラブルデバイス等の任意の情報処理装置により構成される。
図3に示すように、ユーザ端末200は、入力部210、出力部220、通信部230、記憶部240、及び制御部250を含む。
【0060】
入力部210は、各種情報の入力を受け付ける機能を有する。入力部210は、ユーザからの情報の入力を受け付ける入力装置を含んでいてもよい。入力装置としては、例えば、ボタン、キーボード、タッチパネル、及びマイク等が挙げられる。他にも、入力部210は、画像センサ等の各種センサを含んでいてもよい。
【0061】
出力部220は、情報を出力する機能を有する。出力部220は、ユーザに対し情報を出力する出力装置を含んでいてもよい。出力装置としては、例えば、情報を表示する表示装置、発光する発光装置、振動する振動装置、及び音を出力する音出力装置等が挙げられる。表示装置の一例は、ディスプレイである。発光装置の一例は、LED(Light Emitting Diode)である。振動装置の一例は、偏心モータである。音出力装置の一例は、スピーカである。出力部220は、制御部250から入力された情報を出力することで、情報をユーザに通知する。
【0062】
通信部230は、ユーザ端末200と他の装置との間で情報の送受信を行うための、通信インタフェースである。通信部230は、有線又は無線の任意の通信規格に準拠した通信を行う。かかる通信規格としては、例えば、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等が採用され得る。
【0063】
記憶部240は、ユーザ端末200の動作のための各種情報を記憶する。記憶部240は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0064】
制御部250は、演算処理装置又は制御装置として機能し、各種プログラムに従ってユーザ端末200内の動作全般を制御する。制御部250は、例えばCPU(Central Processing Unit)、又はマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。他に、制御部250は、使用するプログラム及び演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、並びに適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。ユーザ端末200は、制御部250による制御に基づいて、各種処理を実行する。入力部210により入力された情報の処理、出力部220による情報の出力、通信部230による情報の送受信、並びに記憶部240による情報の記憶及び読み出しは、制御部250により制御される処理の一例である。各構成要素への情報の入力、及び各構成要素から出力された情報に基づく処理等、ユーザ端末200により実行されるその他の処理も、制御部250により制御される。
【0065】
なお、制御部250の機能は、アプリケーションを用いて実現されてもよい。当該アプリケーションは、プリインストールされていてもよいし、ダウンロードされてもよい。また、制御部250の機能は、PWA(Progressive Web Apps)により実現されてもよい。
【0066】
<2.2.加熱プロファイルの表示>
(1)加熱プロファイル
本実施形態に係る吸引装置100は、加熱プロファイル(第1のプロファイルに相当する)に従って動作する。加熱プロファイルとは、吸引装置100が行うエアロゾルを生成する動作(即ち、基材を加熱する動作)を規定する情報である。吸引装置100は、加熱プロファイルに従って基材を加熱することで、エアロゾルを生成する。
【0067】
より詳しくは、加熱プロファイルは、吸引装置100が行うエアロゾルを生成する動作に関するパラメータの時系列変化を示す情報である。パラメータの一例は、加熱部121の温度である。制御部116は、加熱プロファイルにおいて定義された温度を目標温度として、目標温度と同様の温度が加熱部121において実現されるよう、加熱部121の温度を制御する。加熱部121の温度制御は、例えば公知のフィードバック制御によって実現できる。具体的には、制御部116は、電源部111からの電力を、パルス幅変調(PWM)又はパルス周波数変調(PFM)によるパルスの形態で、加熱部121に供給させる。その場合、制御部116は、電力パルスのデューティ比を調整することによって、加熱部121の温度制御を行うことができる。
【0068】
フィードバック制御では、制御部116は、加熱部121の温度と目標温度との差分等に基づいて、加熱部121へ供給する電力、例えば上述したデューティ比を制御すればよい。フィードバック制御は、例えばPID制御(Proportional-Integral-Differential Controller)であってよい。加熱部121の温度は、例えば、加熱部121を構成する発熱抵抗体の電気抵抗値を測定又は推定することによって定量できる。これは、発熱抵抗体の電気抵抗値が、温度に応じて変化するためである。発熱抵抗体の電気抵抗値は、例えば、発熱抵抗体での電圧降下量を測定することによって推定できる。発熱抵抗体での電圧降下量は、発熱抵抗体に印加される電位差を測定する電圧センサによって測定できる。他の例では、加熱部121の温度は、加熱部121付近に設置された温度センサによって測定されることができる。
【0069】
第1の構成例においては、加熱部121Aによる加熱は、パフが検出されたタイミングで行われる。即ち、加熱部121Aは、パフが検出される度に加熱を行う。第1の構成例に係る吸引装置100Aに基材が装着されてから、パフが行われる度に基材に含まれるエアロゾル源は減少していき、いずれ枯渇する。そのため、典型的には、ユーザは、エアロゾル源が枯渇するタイミングで、基材を交換する。
【0070】
他方、第2の構成例においては、加熱部121Bによる加熱は、加熱開始を指示する操作が行われたことが検出されたタイミングから開始される。加熱部121Bによる加熱が行われている間、基材からエアロゾルが発生する。加熱開始後、時間経過と共に基材に含まれるエアロゾル源は減少していく。エアロゾル源が枯渇するタイミングで、加熱部121Bによる加熱が停止される。そのため、典型的には、ユーザは、加熱部121Bによる加熱が行われる間にパフを行う。
【0071】
なお、十分な量のエアロゾルが発生すると想定される期間は、パフ可能期間とも称される。他方、加熱が開始されてからパフ可能期間が開始されるまでの期間は、予備加熱期間とも称される。予備加熱期間において行われる加熱は、予備加熱とも称される。パフ可能期間が開始するタイミング及び終了するタイミングが、ユーザに通知されてもよい。その場合、ユーザは、かかる通知を参考に、パフ可能期間においてパフを行うことができる。
【0072】
第2の構成例における加熱プロファイルの一例を、
図4を参照しながら説明する。
図4は、本実施形態に係る加熱プロファイルの一例を示すグラフである。本グラフの横軸は、時間である。本グラフの縦軸は、加熱部121の温度である。本グラフにおける実線21は、加熱プロファイルにおける目標温度の時系列変化を示している。本グラフにおける破線29は、加熱プロファイルに従って動作した際の実際の温度の時系列変化のうち、加熱プロファイルとの乖離が大きい部分を示している。
【0073】
本グラフの実線21を参照すると、時刻T0から時刻T2までの第1期間P1中に第1目標温度TA1が設定されている。時刻T2から時刻T3までの第2期間P2中に第2目標温度TA2が設定されている。時刻T3から時刻T4までの第3期間P3中に第3目標温度TA3が設定されている。そのため、制御部116は、これらの期間の各々において、設定された目標温度に向けて加熱部121の温度を制御する。その結果、本グラフの破線29に示すように、一部加熱プロファイルと乖離する部分が発生しながらも、加熱プロファイルに追随するようにして、加熱部121の温度が変化する。
【0074】
時刻T1までに、基材が十分に加熱されて十分な量のエアロゾルが生成される状態となる。そのため、時刻T1に予備加熱期間が終了し、時刻T1からパフ可能期間が開始される。時刻T4から後の第4の期間P4においては、目標温度が設定されていない。そのため、制御部116は、加熱部121による加熱を停止する。ただし、加熱部121及び基材の余熱が残っている間は、エアロゾルが生成される。そのため、時刻T4よりも後の時刻T5において、パフ可能期間が終了する。
【0075】
(2)加熱プロファイルとパフ検出タイミングとの重畳表示
ユーザ端末200は、開始時点から終了時点までの加熱プロファイルと、パフ検出タイミングに関する情報と、を対応付けて表示する表示画像を生成する。パフ検出タイミングとは、吸引装置100により生成されたエアロゾルをユーザが吸引したことが検出されたタイミングである。第1の構成例における加熱プロファイルの開始時点の一例は、新たな基材が装着されたタイミングである。第1の構成例における加熱プロファイルの終了時点の一例は、装着済みの基材が取り外されたタイミングである。第2の構成例における加熱プロファイルの開始時点の一例は、予備加熱が開始するタイミング、及び吸引可能期間が開始するタイミングである。また、第2の構成例における加熱プロファイルの終了時点の一例は、加熱部121による加熱が終了するタイミング、及び吸引可能期間が終了するタイミングである。
【0076】
例えば、ユーザ端末200は、吸引装置100がエアロゾルを生成する際に使用する加熱プロファイルを、吸引装置100から受信する。また、ユーザ端末200は、センサ部112によりパフが検出されたことを示す情報を、吸引装置100から受信する。なお、吸引装置100は、パフが検出されたことを示す情報を、検出されて即送信してもよいし、後にまとめて送信してもよい。そして、ユーザ端末200は、これらの情報に基づいて、加熱プロファイルとパフ検出タイミングとを対応付けて表示する表示画像を生成し、生成した表示画像を出力する。かかる表示画像を視認することで、ユーザは、加熱プロファイルとパフ検出タイミングとの関係を認識することが可能となる。さらに言えば、ユーザは、エアロゾルを吸引した感覚に照らしながら、加熱プロファイルとパフ検出タイミングとの関係を認識することが可能となる。
【0077】
表示画像は、加熱プロファイルの時間軸におけるパフ検出タイミングの位置を示す情報を含んでいてもよい。かかる構成によれば、ユーザは、加熱プロファイルとパフ検出タイミングとの関係をより明確に認識することが可能となる。
【0078】
表示画像は、パフ検出タイミングにおけるパラメータを示す情報を含んでいてもよい。かかる構成によれば、ユーザは、エアロゾルを吸引した感覚と、加熱プロファイルのパラメータとの関係を認識することが可能となる。
【0079】
以下、表示画像の一例を説明する。
【0080】
-第1の表示例
表示画像は、開始時点から終了時点までの加熱プロファイルに、開始時点から終了時点までに検出されたパフ検出タイミングにおけるパラメータを示す情報を対応付けて表示してもよい。例えば、第2の構成例に関しては、表示画像は、予備加熱が開始されてからパフ可能期間が終了するまでの期間の加熱プロファイルに対し、同期間に検出されたパフ検出タイミングにおけるパラメータを対応付けて表示してもよい。当該表示画像の一例を、
図5を参照しながら説明する。
【0081】
図5は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図5に示す表示画像10Aは、予備加熱が開始されてからパフ可能期間が終了するまでの加熱プロファイルを示す線21Aを表示するグラフ20Aを含む。グラフ20Aの横軸は、時間である。グラフ20Aの縦軸は、加熱プロファイルのパラメータ(即ち、加熱部121の目標温度)である。グラフ20AにおけるX字状のポイント30(30-1~30-5)は、予備加熱が開始されてからパフ可能期間が終了するまでの間に検出されたパフについての、パフ検出タイミングにおけるパラメータを示している。ポイント30の横軸の値が、パフ検出タイミングに相当する。ポイント30の縦軸の値が、パフ検出タイミングにおけるパラメータに相当する。
【0082】
第1の表示例にかかる表示画像は、パフ可能期間が終了した後に、即ちユーザが一連のパフを終えた後に、表示される。よって、ユーザは、一連のパフを終えた後に、当該一連のパフにおける加熱プロファイルとパフ検出タイミングとの関係を、まとめて認識することが可能となる。
【0083】
-第2の表示例
表示画像は、開始時点から終了時点までの加熱プロファイルに、開始時点から現在までに検出されたパフ検出タイミングにおけるパラメータを示す情報を対応付けて表示してもよい。例えば、第2の構成例に関しては、表示画像は、予備加熱が開始されてからパフ可能期間が終了するまでの加熱プロファイルに対し、現在までに検出されたパフ検出タイミングにおけるパラメータを対応付けて表示してもよい。当該表示画像の一例を、
図6を参照しながら説明する。
【0084】
図6は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図6に示す表示画像10Bは、予備加熱が開始されてからパフ可能期間が終了するまでの加熱プロファイルを示す線21Bを表示するグラフ20Bを含む。グラフ20Bの横軸は、時間である。現在時刻は時刻T2であるものとする。グラフ20Bの縦軸は、加熱部121の目標温度である。グラフ20BにおけるX字状のポイント30-1は、予備加熱が開始されてから現在に至るまでの間に検出されたパフについての、パフ検出タイミングにおけるパラメータを示している。ユーザによるパフが行われる度に、グラフ20Bにポイント30が追加される。
【0085】
第2の表示例にかかる表示画像は、加熱部121による加熱が行われている間に、リアルタイムに表示される。よって、ユーザは、パフ動作を行いながら、加熱プロファイルとパフ検出タイミングとの関係をリアルタイムに認識することが可能となる。
【0086】
-第3の表示例
表示画像は、開始時点から終了時点までの全体の時間区間のうち、予備加熱が開始されてからの経過時間に基づいて、すでに経過した区間を第1の表示態様で、まだ経過していない区間を第2の表示態様で表示してもよい。ユーザ端末200は、例えば、吸引装置100から、予備加熱が開始を示す情報を受信し、当該予備加熱の開始を示す情報を受信したことに応じて、予備加熱が開始されてからの経過時間の計測を開始する。そして、ユーザ端末200は、開始時点から終了時点までの全体の時間区間のうち、計測している経過時間に基づいて、すでに経過した区間を第1の表示態様で、まだ経過していない区間を第2の表示態様で表示する。当該表示画像の一例を、
図7を参照しながら説明する。
【0087】
図7は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図7に示す表示画像10B2は、予備加熱が開始されてからすでに経過した区間までの加熱プロファイルを示す線22Bと、まだ経過していない区間の加熱プロファイルを示す線23B
を表示するグラフ20B2を含む。グラフ20B2の横軸は、時間である。現在時刻は時刻T2であるものとする。グラフ20B2の縦軸は、加熱部121の目標温度である。グラフ20B2におけるX字状のポイント30-1は、予備加熱が開始されてから現在に至るまでの間に検出されたパフについての、パフ検出タイミングにおけるパラメータを示している。ユーザによるパフが行われる度に、グラフ20B2にポイント30が追加される。
【0088】
表示画像10B2において、予備加熱が開始されてからすでに経過した区間までの加熱プロファイルを示す線22Bは、第2の表示態様で表示される。表示画像10B2において、第1の表示態様は、実線である。一方、表示画像10B2において、まだ経過していない区間の加熱プロファイルを示す線23Bは、第2の表示態様で表示される。表示画像10B2において、第2の表示態様は、破線である。
【0089】
ここで、第1の表示態様と、第2の表示態様は、互いに異なる表示態様である。第1の表示態様及び第2の表示態様は、互いに色が異なる、互いに濃淡が異なる、互いに太さが異なる、互いに形状が異なるなど、互いに表示態様が異なれば、どのようなものであってもよい。例えば、表示画像10B2において、線22Bが赤色、線23Bが黒色などと、互いに色が異なるように表示されてもよい。すなわち、表示画像10B2において、例えば、加熱プロファイルのうち、予備加熱が開始されてからすでに経過した区間は赤色で、まだ経過していない区間は黒色で表示されることになる。
【0090】
第3の表示例にかかる表示画像は、加熱部121による加熱が行われている間に、リアルタイムに表示される。よって、ユーザは、パフ動作を行いながら、加熱プロファイルとパフ検出タイミングとの関係をリアルタイムに認識することが可能となる。
【0091】
-第4の表示例
表示画像は、開始時点から現在までの加熱プロファイルに、開始時点から現在までに検出されたパフ検出タイミングにおけるパラメータを示す情報を対応付けて表示してもよい。例えば、第2の構成例に関しては、表示画像は、予備加熱が開始されてから現在までの期間の加熱プロファイルに対し、同期間に検出されたパフ検出タイミングにおけるパラメータを対応付けて表示してもよい。当該表示画像の一例を、
図8を参照しながら説明する。
【0092】
図8は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図8に示す表示画像10Cは、予備加熱が開始されてから現在に至るまでの加熱プロファイルを示す線21Cを表示するグラフ20Cを含む。グラフ20Cの横軸は、時間である。現在時刻は時刻T2であるものとする。グラフ20Cの縦軸は、加熱部121の目標温度である。グラフ20CにおけるX字状のポイント30-1は、予備加熱が開始されてから現在に至るまでに検出されたパフについての、パフ検出タイミングにおけるパラメータを示している。時間が経過する度に、加熱プロファイルを示す線21Cは延長される。ユーザによるパフが行われる度に、グラフ20Cにポイント30が追加される。
【0093】
第4の表示例にかかる表示画像は、加熱部121による加熱が行われている間に、リアルタイムに表示される。よって、ユーザは、パフ動作を行いながら、加熱プロファイルとパフ検出タイミングとの関係をリアルタイムに認識することが可能となる。
【0094】
-第5の表示例
表示画像は、開始時点から終了時点までの全体の時間区間のうち、パフ検出タイミングを含む一部の区間の加熱プロファイルを抜粋して表示してもよい。例えば、第2の構成例に関しては、表示画像は、予備加熱が開始されてからパフ可能期間が終了するまでの期間のうち、パフ検出タイミングを含む加熱プロファイルの抜粋に対し、パフ検出タイミングにおけるパラメータ示す情報を対応付けて表示してもよい。当該表示画像の一例を、
図9を参照しながら説明する。
【0095】
図9は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図9に示す表示画像10Dは、予備加熱が開始されてからパフ可能期間が終了するまでの期間のうち、パフ検出タイミングを含む加熱プロファイルを示す線21Dを抜粋したグラフ20D(20D-1~20D-5)を含む。グラフ20D-1~20D-5の各々は、パフが検出された各タイミングにおける、加熱プロファイルを示している。グラフ20Dの横軸はパフ回数(パフが行われた累計回数)であり、グラフ20D-1~20D-5の各々の横軸は時間である。グラフ20D-1~20D-5の各々の縦軸は、加熱部121の目標温度である。グラフ20D-1~20D-5の各々には、予備加熱が開始されてからの経過時間、及びパフ検出回数が対応付けて表示されている。なお、予備加熱が開始されてからの経過時間は、表示されなくてもよい。また、予備加熱が開始されてからの経過時間と共に、又は代えて、1回目のパフが検出されたタイミングからの経過時間が表示されてもよい。グラフ20DにおけるX字状のポイント30(30-1~30-5)は、パフ検出タイミングにおけるパラメータを示している。
【0096】
第5の表示例によれば、ユーザは、加熱プロファイルとパフ検出タイミングとの関係を、パフ検出タイミングに焦点を当てて認識することが可能となる。
【0097】
-第6の表示例
第1の表示例~第5の表示例に係る表示画像は、加熱プロファイルをグラフとして表示していた。そして、グラフ表示された加熱プロファイルに対して、パフ検出タイミングにおけるパラメータが対応付けて表示されていた。しかし、本発明はかかる例に限定されない。表示画像は、パフ検出タイミングに関する情報を表として表示してもよい。当該表示画像の一例を、
図10を参照しながら説明する。
【0098】
図10は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図10に示す表示画像10Eは、予備加熱が開始されてからパフ可能期間が終了するまでの期間において検出されたパフ検出タイミングにおける、パフ回数、加熱開始(即ち、予備加熱開始)からの経過時間、及び加熱温度(即ち、加熱部121の
目標温度)を示す表を含む。なお、加熱開始からの経過時間は、表示されなくてもよい。また、表示画像は、加熱開始からの経過時間と共に、又は代えて、1回目のパフが検出されたタイミングからの経過時間が表示されてもよい。
【0099】
第6の表示例によれば、ユーザは、加熱プロファイルとパフ検出タイミングとの関係を、パフ検出タイミングに焦点を当てて認識することが可能となる。
【0100】
-第7の表示例
上記表示例では、第2の構成例に係る吸引装置100に関する表示画像の一例を示した。もちろん、第1の構成例に係る吸引装置100に関しても同様の表示画像が生成される。第1の構成例に係る吸引装置100に関する表示画像の一例を、
図11を参照しながら説明する。
【0101】
図11は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図11に示す表示画像10Fは、新たな基材が装着されてから取り外されるまでの加熱プロファイルを示す線21Fを表示するグラフ20Fを含む。ただし、線21Fは、パフが検出された場合に行われる加熱についての目標温度の時系列変化を示している。グラフ20Fの横軸は、時間である。なお、本加熱プロファイルの開始時点は、最初のパフが検出されたタイミングである。即ち、本グラフの横軸は、最初のパフが検出されたタイミングからの経過時間である。グラフ20Fの縦軸は、加熱部121の目標温度である。グラフ20FにおけるX字状のポイント30(30-1~30-5)は、パフ検出タイミングにおけるパラメータに相当する。ポイント30の横軸の値が、パフ検出タイミングに相当する。ポイント30の縦軸の値が、パフ検出タイミングにおける目標温度に相当する。なお、グラフ20Fの横軸は、時間の他に、パフ回数であってもよい。
【0102】
図11に示した表示画像10Fは、第1の表示例と同様に、開始時点から終了時点までの期間の加熱プロファイルに、同期間に検出されたパフ検出タイミングにおけるパラメータを示す情報を対応付けて表示している。第1の構成例に係る吸引装置100に関する表示画像において、第1の表示例の他にも、第2~第6の表示例に係る表示画像と同様の表示が行われてもよい。
【0103】
<2.3.加熱プロファイルのカスタマイズ>
ユーザ端末200は、加熱プロファイルを表示する表示画像を生成する。そして、ユーザ端末200は、表示画像における操作対象のパラメータに対するユーザ操作に応じて、加熱プロファイル及び表示画像における加熱プロファイルの表示を変更する。操作対象のパラメータとは、加熱プロファイルのパラメータのうち、ユーザ操作に応じて変更可能なパラメータである。かかる構成によれば、ユーザは、加熱プロファイルが変更される様子を視認しながら加熱プロファイルを変更することができる。従って、加熱プロファイルをカスタマイズする際のユーザビリティが向上する。
【0104】
具体的には、ユーザ端末200は、操作対象のパラメータを変更するユーザ操作に応じて、加熱プロファイルにおける操作対象のパラメータを変更する。そして、ユーザ端末200は、表示画像に表示された加熱プロファイルにおける操作対象のパラメータを、変更後のものに更新する。かかる構成によれば、ユーザは、加熱プロファイルにおけるパラメータを、直感的に変更することが可能となる。
【0105】
表示画像は、上述したように、加熱プロファイルにパフ検出タイミングを示す情報を対応付けて表示してもよい。その場合、ユーザは、エアロゾルを吸引した感覚に照らしながら、加熱プロファイルとパフ検出タイミングとの関係を認識した上で、加熱プロファイルをカスタマイズすることができる。
【0106】
ユーザ端末200は、変更後の加熱プロファイルに従って動作するよう吸引装置100を制御する。例えば、ユーザ端末200は、吸引装置100から変更前の加熱プロファイルを受信して表示し、ユーザによる変更後の加熱プロファイルを吸引装置100に送信する。その際、ユーザ端末200は、変更後の加熱プロファイルを送信してもよいし、変更前後の差分を送信してもよい。吸引装置100は、次回エアロゾルを生成する際に、変更後の加熱プロファイルに従って動作することとなる。かかる構成によれば、ユーザは、吸引装置100の動作を自由にカスタマイズすることが可能となる。これにより、ユーザは、例えば好みの吸い心地を実現する加熱プロファイルを、カスタマイズを重ねながら探求することが可能となる。
【0107】
(1)基本的な表示画像及びカスタマイズ
以下では、上述した第1の表示例に係る表示画像に対してカスタマイズが行われる例を説明する。
【0108】
図12は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図12に図示された、表示画像10G-1に含まれるグラフ20G、線21G、及びポイント30の各要素は、
図5に図示された対応する符号を有する要素と同様の特徴を有する。即ち、表示画像10G-1は、開始時点から終了時点までの加熱プロファイルを示す線21Gに、開始時点から終了時点までに検出されたパフ検出タイミングにおけるパラメータを示すポイント30を対応付けて表示している。
【0109】
操作対象のパラメータは、パフ検出タイミングにおけるパラメータであってもよい。例えば、ユーザは、パフ検出タイミングにおけるパラメータを示すポイント30を選択して、上下に動かす操作を行う。ユーザ端末200は、かかるユーザ操作に応じて、選択されたポイント30に対応するパラメータを変更する。かかる構成によれば、ユーザは、エアロゾルを吸引した感覚に照らしながら、加熱プロファイルをカスタマイズすることができる。
【0110】
一例として、
図12に示した表示画像10G-1において、ポイント30-2が選択されてパラメータを上げる操作が行われた場合の、変更後の表示画像10G-2を
図13に示す。
図13は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図13に示すように、ポイント30-2におけるパラメータが、
図12に示した状態から上げられている。さらに、ポイント30-2付近の線21Gの形状が、
図12では直線状であったのに対し、
図13ではポイント30-2を頂点とする山型に変更されている。このように、ユーザ端末200は、ユーザ操作により変更されたパラメータに対応するタイミングと時間軸方向で連続する他のタイミングのパラメータも変更してもよい。
【0111】
表示画像10G-1は、操作対象のパラメータを変更可能であることを示す情報を含んでいてもよい。矢印40(40-1~40-5)が、かかる情報の一例である。例えば、
図12に示した例では、ポイント30の各々に矢印40が重畳されている。かかる構成によれば、ユーザは、これらのポイント30におけるパラメータを変更可能であることを、容易に認識することが可能となる。
【0112】
表示画像10G-1は、操作対象のパラメータを変更可能な範囲を示す情報を含んでいてもよい。矢印40の縦軸方向の範囲が、かかる情報の一例である。例えば、
図12に示した例では、ポイント30におけるパラメータを、矢印40が重畳された範囲で上下に変更可能である。かかる構成によれば、ユーザは、パラメータを変更可能な範囲を容易に認識することが可能となる。
【0113】
なお、操作対象のパラメータを変更な範囲は、加熱部121の性能及びユーザによる設定等に基づいて定まる。複数の操作対象のパラメータ間で、パラメータを変更可能な範囲は異なっていてもよいし、同一であってもよい。
【0114】
第1の表示例に表示画像は、パフ可能期間が終了した後に、即ちユーザが一連のパフを終えた後に、表示される。よって、ユーザは、当該一連のパフにおける加熱プロファイルとパフ検出タイミングとの関係をまとめて認識しながら、加熱プロファイルをカスタマイズすることが可能となる。
【0115】
(2)表示画像及びカスタマイズのバリエーション
-第1のバリエーション
加熱プロファイルは複数の時間区間に分割されていてもよく、時間区間ごとにパラメータ変更の可否、及びパラメータを変更可能な範囲が設定されてもよい。かかる構成について、
図14を参照しながら説明する。
【0116】
図14は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図14に図示された、表示画像10Hに含まれるグラフ20H、線21H、ポイント30、及び矢印40の各要素は、
図12に図示された対応する符号を有する要素と同様の特徴を有する。
【0117】
時刻T0から時刻T2までの区間は、パラメータの変更が禁止された、変更禁止区間である。よって、ポイント30-1に対するパラメータを変更するための操作は受け付けられない。その旨を示すために、ポイント30-1は破線で表示されている。また、パラメータの変更ができないので、矢印40が重畳されていない。なお、パラメータの変更が禁止された区間では、ポイント30はそもそも表示されていなくてもよい。
【0118】
時刻T2から時刻T3までの区間は、パラメータの変更が可能な変更可能区間であり、大きな変更量が許容される区間である。そのため、ポイント30-2及びポイント30-3には、変更可能な範囲が大きいことを示す、長さが比較的長い矢印40-2及び矢印40-3が重畳されている。
【0119】
時刻T3から時刻T4までの区間は、パラメータの変更が可能な変更可能区間であり、小さな変更量が許容される区間である。そのため、ポイント30-4及びポイント30-5には、変更可能な範囲が小さいことを示す、長さが比較的短い矢印40-4及び矢印40-5が重畳されている。
【0120】
時間区間ごとのパラメータ変更の可否、及びパラメータを変更可能な範囲は、加熱部121の特性及び基材の特性等の、エアロゾルの生成に寄与する特性に応じて設定され得る。かかる構成によれば、エアロゾルが適切に生成される範囲で、加熱プロファイルをカスタマイズすることが可能となる。
【0121】
-第2のバリエーション
ユーザ端末200は、操作対象のパラメータを変更可能な範囲を、他の操作対象のパラメータがユーザ操作に応じて変更されたことに基づいて変更してもよい。一例として、
図12に示した表示画像10G-1において、ポイント30-2が選択されてパラメータを上げる操作が行われた場合の、変更後の表示画像10G-3を
図15に示す。
【0122】
図15は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図15に示すグラフ20Gは、
図13に示したグラフ20Gと同様の形状をしている。さらに、ポイント30-2と時間軸方向で連続する、ポイント30-1及びポイント30-3におけるパラメータを変更可能な範囲は、パラメータを上げる方向のみに縮小されている。このように、ポイント30-1及びポイント30-3におけるパラメータを変更可能な範囲が、ポイント30-2におけるパラメータの変更に伴い、変更されている。
【0123】
このような、他の操作対象のパラメータの変更に伴う、操作対象のパラメータの変更可能な範囲の変更は、加熱部121の特性、基材の特性、及びパフの間隔等の、エアロゾルの生成に寄与する各種情報に応じて設定され得る。かかる構成によれば、エアロゾルが適切に生成される範囲で、加熱プロファイルをカスタマイズすることが可能となる。
【0124】
一例として、操作対象のパラメータの変更可能な範囲は、加熱部121の特性、及び基材の特性に基づいて初期設定される。そして、ユーザ端末200は、変更された操作対象のパラメータの値、及び変更された操作対象のパラメータと他の操作対象のパラメータとの間の時間間隔に基づいて、当該他の操作対象のパラメータの変更可能な範囲を設定する。例えば、操作対象のパラメータの変更可能な範囲が、200℃から250℃に初期設定されるものとする。そして、あるポイント30におけるパラメータが、ユーザ操作により230℃から240℃に変更されたものとする。その場合、ユーザ端末200は、変更されたポイント30との間の時間間隔が10秒である他のポイント30におけるパラメータの変更可能な範囲を、230℃から±10度に設定する。他方、ユーザ端末200は、変更されたポイント30との間の時間間隔が20秒である他のポイント30におけるパラメータの変更可能な範囲を、230℃から±20度に設定する。
【0125】
-第3のバリエーション
操作対象のパラメータは、パフ検出タイミング以外のタイミングにおけるパラメータを含んでいてもよい。かかる構成について、
図16を参照しながら説明する。
【0126】
図16は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図16に図示された、表示画像10Iに含まれるグラフ20I、線21I、及びポイント30の各要素は、
図12に図示された対応する符号を有する要素と同様の特徴を有する。ユーザは、パフ検出タイミング以外のタイミングにおけるパラメータを変更する操作として、線21Iを直接変更してもよい。
図16では、加熱プロファイルを示す線21Iのうち、符号22Iに示す部分が選択されて、パラメータを上げる操作が行われた後の加熱プロファイルが示されている。かかる構成によれば、カスタマイズの自由度をより高くすることが可能となる。
【0127】
ここで、表示画像は、操作対象のパラメータを、操作対象ではないパラメータとは異なる態様で表示することが望ましい。
図12等に示した、操作対象のパラメータを示すポイント30は、操作対象ではないパラメータとは異なる態様による表示の一例である。操作対象のパラメータが、パフ検出タイミング以外におけるパラメータである場合も、作対象ではないパラメータとは異なる態様で表示されることが望ましい。かかる構成について、
図17を参照しながら説明する。
【0128】
図17は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図17に図示された、表示画像10Jに含まれるグラフ20J、線21J、及びポイント30の各要素は、
図12に図示された対応する符号を有する要素と同様の特徴を有する。
図17では、パフ検出タイミングにおけるパラメータを示すポイント30の他に、操作対象のパラメータであることを示すポイント31を含む。ユーザは、ポイント31を選択して、上下に動かす操作を行う。ユーザ端末200は、かかるユーザ操作に応じて、選択されたポイント31に対応するパラメータを変更する。かかる構成によれば、カスタマイズ可能なパラメータの視認性を高めることが可能となる。
【0129】
-第4のバリエーション
表示画像は、加熱プロファイルの比較対象である他の加熱プロファイルをさらに表示してもよい。かかる構成によれば、ユーザは、他の加熱プロファイルと比較しながら、加熱プロファイルのカスタマイズをすることができるので、ユーザビリティを向上させることができる。なお、複数の比較対象の加熱プロファイルが、表示画像に表示されてもよい。
【0130】
比較対象である加熱プロファイルは、変更前の加熱プロファイルであってもよい。かかる構成によれば、ユーザは、変更前の加熱プロファイルを手掛かりに、加熱プロファイルをカスタマイズすることが可能となる。
【0131】
また、比較対象である加熱プロフィルは、過去の加熱プロファイルであってもよい。過去の加熱プロファイルは、吸引装置100に過去に設定されたことがある加熱プロファイルである。例えば、過去の加熱プロファイルは、吸引装置100に現在設定されている加熱プロファイルよりも以前の任意の時点で、吸引装置100に設定されていた加熱プロファイルである。また、過去の加熱プロファイルは、ユーザが過去にカスタマイズした加熱プロファイルであってもよい。
【0132】
この場合、吸引装置100又はユーザ端末200は、吸引装置100に設定されたことのある加熱プロファイル、又は、ユーザが過去にカスタマイズした加熱プロファイルに関する情報を記憶していてもよい。ユーザ端末200は、吸引装置100又は自装置に記憶している過去の加熱プロファイルに関する情報に基づいて、当該過去の加熱プロファイルを表示画像において表示してもよい。また、過去の加熱プロファイルが複数ある場合、ユーザ端末200は、複数の過去の加熱プロファイルから、ユーザにより選択された加熱プロファイルを、表示画像において表示してもよい。
【0133】
また、ユーザ端末200は、比較対象である加熱プロファイルとして、複数の過去の加熱プロファイルを、表示画像において表示してもよい。この場合、表示画像において表示される複数の過去の加熱プロファイルは、互いに異なる表示態様であってもよい。複数の過去の加熱プロファイルの各々に適用される表示態様は、互いに色が異なる、互いに濃淡が異なる、互いに太さが異なる、互いに形状が異なるなど、互いに表示態様が異なれば、どのようなものであってもよい。例えば、第1の過去の加熱プロファイルは赤色の線で表示され、第2の過去の加熱プロファイルは黒色の線で表示されるなどと、複数の加熱プロファイルは互いに色が異なるように表示されてもよい。また、表示画像において表示される加熱プロファイルの数は、ユーザが任意に選択できてもよい。例えば、ユーザにより選択された過去の加熱プロファイルが5つある場合、当該5つの過去の加熱プロファイルを、表示画像に表示してもよい。
【0134】
かかる構成によれば、ユーザは、過去の加熱プロファイルを手掛かりに、加熱プロファイルをカスタマイズすることが可能となる。例えば、ユーザが過去にカスタマイズした加熱プロファイルが表示画像に表示される場合、ユーザは、過去にカスタマイズした加熱プロファイルを手掛かりに、当該過去にカスタマイズした加熱プロファイルとの差を確認しながら、試行錯誤して、当該ユーザが所望する加熱プロファイルにカスタマイズすることができる。具体的には、ユーザは、例えば、前回カスタマイズした時の第1の過去の加熱プロファイルと、前々回カスタマイズした時の第2の過去の加熱プロファイルとの差を確認しながら、今回カスタマイズする加熱プロファイルを、ユーザにとってより望ましい加熱プロファイルに調整することが可能となる。
【0135】
他にも、比較対象である加熱プロファイルは、標準的な加熱プロファイルであってもよい。標準的な加熱プロファイルの一例は、基材ごとに予め準備された加熱プロファイルである。標準的な加熱プロファイルの他の一例は、強い吸いごたえの加熱プロファイル、標準的な吸いごたえの加熱プロファイル、及びマイルドな吸いごたえの加熱プロファイル等の、吸いごたえに応じた加熱プロファイルである。ユーザ端末200は、複数の標準的な加熱プロファイルから、ユーザにより選択された加熱プロファイルを、表示画像において表示してもよい。かかる構成によれば、ユーザは、標準的な加熱プロファイルを手掛かりに、加熱プロファイルをカスタマイズすることが可能となる。
【0136】
図18は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図18に図示された、表示画像10Kに含まれるグラフ20K、線21K、及びポイント30の各要素は、
図12に図示された対応する符号を有する要素と同様の特徴を有する。
図18では、ユーザによる変更後の加熱プロファイルを示す線21Kと共に、比較対象の加熱プロファイルを示す線23Kが、表示されている。線21Kと線23Kとは、実線と破線で表示される、又は異なる色で表示される等、異なる態様で表示されることが好ましい。かかる構成によれば、ユーザは、線23Kと線21Kとの差分を認識しながら、加熱プロファイルをカスタマイズすることができる。なお、
図18では、比較対象の加熱プロファイルを示す線23Kが、加熱プロファイルとの間で差分が生じる部分にのみ表示されているが、時刻T0から時刻T4までの全体にわたって表示されてもよい。
【0137】
(3)他の表示例
上記では、上述した第1の表示例に係る表示画像に対してカスタマイズが行われる例を説明した。もちろん、第2~第7の表示例に係る表示画像に対してカスタマイズが行われてもよい。以下、第2~第7の表示例に係る表示画像に対してカスタマイズが行われる例を説明する。
【0138】
-第2の表示例
図19は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図19に図示された、表示画像10Lに含まれるグラフ20L、線21L、及びポイント30の各要素は、
図6に図示された対応する符号を有する要素と同様の特徴を有する。即ち、表示画像10Lは、開始時点から終了時点までの加熱プロファイルを示す線21Lに、開始時点から現在までに検出されたパフ検出タイミングにおけるパラメータを示すポイント30-1を対応付けて表示している。ユーザは、矢印40-1により示される変更可能な範囲内で、ポイント30-1におけるパラメータを変更することができる。
【0139】
第2の表示例にかかる表示画像では、パフ検出タイミングにおけるパラメータが、リアルタイムに表示される。よって、ユーザは、パフ動作を行いながら、リアルタイムで加熱プロファイルをカスタマイズすることが可能となる。
【0140】
-第3の表示例
図20は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図20に図示された、表示画像10L2に含まれるグラフ20L2、線22L、線23L及びポイント30の各要素は、
図7に図示された対応する符号を有する要素と同様の特徴を有する。即ち、予備加熱が開始されてからすでに経過した区間までの加熱プロファイルを示す線22Lと、まだ経過していない区間の加熱プロファイルを示す線23Lを含む。そして、表示画像10L2は、予備加熱が開始されてからすでに経過した区間までの加熱プロファイルを示す線22Lに、開始時点から現在までに検出されたパフ検出タイミングにおけるパラメータを示すポイント30-1を対応付けて表示している。ユーザは、矢印40-1により示される変更可能な範囲内で、ポイント30-1におけるパラメータを変更することができる。
【0141】
第3の表示例にかかる表示画像では、パフ検出タイミングにおけるパラメータが、リアルタイムに表示される。よって、ユーザは、パフ動作を行いながら、リアルタイムで加熱プロファイルをカスタマイズすることが可能となる。
【0142】
-第4の表示例
図21は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図21に図示された、表示画像10Mに含まれるグラフ20M、線21M、及びポイント30の各要素は、
図8に図示された対応する符号を有する要素と同様の特徴を有する。即ち、表示画像10Mは、開始時点から現在までの加熱プロファイルを示す線21Mに、開始時点から現在までに検出されたパフ検出タイミングにおけるパラメータを示すポイント30-1を対応付けて表示している。ユーザは、矢印40-1により示される変更可能な範囲内で、ポイント30-1におけるパラメータを変更することができる。
【0143】
第4の表示例にかかる表示画像では、加熱プロファイルにおけるパラメータの時系推移及びパフ検出タイミングにおけるパラメータが、リアルタイムに表示される。よって、ユーザは、パフ動作を行いながら、リアルタイムで加熱プロファイルをカスタマイズすることが可能となる。
【0144】
-第5の表示例
図22は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図22に図示された、表示画像10Nに含まれるグラフ20N(20N-1~20N-5)、線21N、及びポイント30の各要素は、
図9に図示された対応する符号を有する要素と同様の特徴を有する。即ち、表示画像10Nは、開始時点から終了時点までの全体の時間区間のうち、パフ検出タイミングを含む一部の区間の加熱プロファイルを示す線21Nを、グラフ20N-1~20N-5として抜粋して表示している。ユーザは、グラフ20N-1~20N-5の各々において、矢印40-1~40-5の各々により示される変更可能な範囲内で、ポイント30-1~30-5の各々におけるパラメータを変更することができる。
【0145】
第5の表示例によれば、ユーザは、パフ検出タイミングに焦点を当てて、加熱プロファイルをカスタマイズすることが可能となる。
【0146】
-第6の表示例
図23は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図23に図示された、表示画像10Oに含まれる表は、
図10に図示された表と同様の特徴を有する。即ち、表示画像10Oは、パフ検出タイミングに関する情報を表として表示している。より詳しくは、表示画像10Oは、予備加熱が開始されてからパフ可能期間が終了するまでの期間において検出されたパフ検出タイミングにおける、パフ回数、加熱開始(即ち、予備加熱開始)からの経過時間、及び加熱温度(即ち、加熱部121の目標温度)を示す表を含む。ユーザは、マイナスアイコン41を操作することで、加熱温度を下げることができる。また、ユーザは、プラスアイコン42を操作することで、加熱温度を上げることができる。なお、パラメータ操作のためのUI(User Interface)は、マイナスアイコン41及びプラスアイコン42に限定されない。例えば、パラメータをタッチして左右又は上下にスクロールすることでパラメータを増減させる、いわゆるスクロールUIが用いられてもよい。
【0147】
第6の表示例によれば、ユーザは、パフ検出タイミングに焦点を当てて、加熱プロファイルをカスタマイズすることが可能となる。
【0148】
-第7の表示例
図24は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図24に図示された、表示画像10Pに含まれるグラフ20P、線21P、及びポイント30の各要素は、
図11に図示された対応する符号を有する要素と同様の特徴を有する。即ち、表示画像10Pは、第1の構成例に係る吸引装置100に関する表示画像であって、新たな基材が装着されてから取り外されるまでの加熱プロファイルを示す線21Pを表示するグラフ20Pを含む。ユーザは、矢印40-1~40-5の各々により示される変更可能な範囲内で、ポイント30-1~30-5の各々におけるパラメータを変更することができる。
【0149】
第7の構成例に係る吸引装置100に関する表示画像において、上記説明した、第2~第6の表示例に係る表示画像と同様の表示が行われ、ユーザ操作に応じて操作対象のパラメータが変更されてもよい。
【0150】
<2.4.表示画像の変形例>
表示画像は、加熱プロファイルとして、加熱プロファイルと基準とする他の加熱プロファイル(以下、基準加熱プロファイルとも称する)との差を表示してもよい。ユーザは、かかる差を変更する操作を行う。すると、ユーザ端末200は、加熱プロファイルを、基準加熱プロファイルに対してユーザにより指定した差を設けた加熱プロファイルに変更する。かかる構成によれば、ユーザは、基準加熱プロファイルを基準にして、加熱プロファイルをカスタマイズすることができる。
【0151】
ここで、基準とする加熱プロファイルは、変更前の加熱プロファイルであってもよい。かかる構成によれば、ユーザは、変更前の加熱プロファイルを手掛かりに、加熱プロファイルをカスタマイズすることが可能となる。
【0152】
他にも、基準とする加熱プロファイルは、標準的な加熱プロファイルであってもよい。かかる構成によれば、ユーザは、標準的な加熱プロファイルを手掛かりに、加熱プロファイルをカスタマイズすることが可能となる。
【0153】
(1)基本的な表示画像及びカスタマイズ
以下では、第1の表示例に対応する、基本的な表示画像に対してカスタマイズが行われる例を説明する。
【0154】
図25は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図25に示す表示画像10Q-1は、予備加熱が開始されてからパフ可能期間が終了するまでの間の、加熱プロファイルと基準加熱プロファイルとの差の時系列変化を示す線21Qを表示するグラフ20Qを含む。グラフ20Qの横軸は、時間である。グラフ20Qの縦軸は、加熱プロファイルにおけるパラメータ(即ち、加熱部121の目標温度)と、基準加熱プロファイルにおけるパラメータと、の差である。ポイント30の横軸の値が、パフ検出タイミングに相当する。ポイント30の縦軸の値が、パフ検出タイミングにおける、加熱プロファイルの、基準加熱プロファイルからの温度差を示している。なお、
図25に示した例では、線21Qは常時0である。即ち、加熱プロファイルは、基準加熱プロファイルと同一である。
【0155】
操作対象のパラメータは、パフ検出タイミングにおけるパラメータであってもよい。ユーザは、パフ検出タイミングにおけるパラメータを示すポイント30を選択して、上下に動かす操作を行う。ユーザ端末200は、かかるユーザ操作に応じて、選択されたポイント30に対応するパラメータを変更する。詳しくは、ユーザ端末200は、加熱プロファイルを、基準加熱プロファイルに対してユーザ操作により指定された差を設けたものに変更する。かかる構成によれば、ユーザは、エアロゾルを吸引した感覚に照らしながら、且つ基準加熱プロファイルを基準にして、加熱プロファイルをカスタマイズすることができる。
【0156】
一例として、
図25に示した表示画像10Q-1において、ポイント30-2が選択されてパラメータを上げる操作が行われた場合の、変更後の表示画像10Q-2を
図26に示す。
図26は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図26に示すように、ポイント30-2における基準加熱プロファイルからの温度差が、
図25に示した状態からプラス10
℃に上げられている。そのため、加熱プロファイルのポイント30-2における目標温度は、基準加熱プロファイルの対応するタイミングにおける目標温度に10℃加算した温度に変更される。さらに、ポイント30-2付近の線21Qの形状が、
図25では直線状であったのに対し、
図26ではポイント30-2を頂点とする山型に変更されている。このように、ユーザ端末200は、ユーザ操作により変更されたタイミングと時間軸方向で連続する他のタイミングのパラメータも変更してもよい。
【0157】
表示画像10Q-1は、矢印40を含む。矢印40の特徴は、
図12等を参照しながら上記説明した通りである。
【0158】
上記説明した表示画像10Q-1は、第1の表示例と同様に、パフ可能期間が終了した後に、即ちユーザが一連のパフを終えた後に、表示される。よって、ユーザは、当該一連のパフにおける加熱プロファイルとパフ検出タイミングとの関係をまとめて認識しながら、加熱プロファイルをカスタマイズすることが可能となる。
【0159】
(2)表示画像及びカスタマイズのバリエーション
-第1のバリエーション
図14を参照しながら上記説明した第1のバリエーションは、本変形例においても適用可能である。本変形例における第1のバリエーションについて、
図27を参照しながら説明する。
【0160】
図27は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図27に図示された、表示画像10Rに含まれるグラフ20R、線21R、ポイント30、及び矢印40の各要素は、
図25に図示された対応する符号を有する要素と同様の特徴を有する。また、時刻T0から時刻T2までの変更禁止区間、時刻T2から時刻T3までの変更可能区間(変更量大)、及び時刻T3から時刻T4までの変更可能区間(変更量小)については、
図14を参照しながら上記説明した通りである。かかる構成によれば、エアロゾルが適切に生成される範囲で、加熱プロファイルをカスタマイズすることが可能となる。
【0161】
-第2のバリエーション
図15を参照しながら上記説明した第2のバリエーションは、本変形例においても適用可能である。以下、本変形例における第2のバリエーションについて説明する。一例として、
図25に示した表示画像10Q-1において、ポイント30-2が選択されてパラメータを上げる操作が行われた場合の、変更後の表示画像10Q-3を
図28に示す。
【0162】
図28は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図28に示すグラフ20Qは、
図26に示したグラフ20Qと同様の形状をしている。さらに、ポイント30-2と時間軸方向で連続する、ポイント30-1及びポイント30-3におけるパラメータを変更可能な範囲は、パラメータを上げる方向のみに縮小されている。このように、ポイント30-1及びポイント30-3におけるパラメータを変更可能な範囲が、ポイント30-2におけるパラメータの変更に伴い、変更されている。かかる構成によれば、エアロゾルが適切に生成される範囲で、加熱プロファイルをカスタマイズすることが可能となる。
【0163】
-第3のバリエーション
図16及び
図17を参照しながら上記説明した第3のバリエーションは、本変形例においても適用可能である。本変形例における第3のバリエーションについて、
図29及び
図30を参照しながら説明する。
【0164】
図29は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図29に図示された、表示画像10Sに含まれるグラフ20S、線21S、及びポイント30の各要素は、
図25に図示された対応する符号を有する要素と同様の特徴を有する。ユーザは、パフ検出タイミング以外のタイミングにおけるパラメータを変更する操作として、線21Sを直接変更してもよい。
図29では、加熱プロファイルを示す線21Sのうち、符号22Sに示す部分が選択されて、パラメータを上げる操作が行われた後の加熱プロファイルが示されている。かかる構成によれば、カスタマイズの自由度をより高くすることが可能となる。
【0165】
図30は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図30に図示された、表示画像10Tに含まれるグラフ20T、線21T、及びポイント30の各要素は、
図25に図示された対応する符号を有する要素と同様の特徴を有する。
図30では、パフ検出タイミングにおけるパラメータを示すポイント30の他に、操作対象のパラメータであることを示すポイント31を含む。ユーザは、ポイント31を選択して、上下に動かす操作を行う。ユーザ端末200は、かかるユーザ操作に応じて、選択されたポイント31に対応するパラメータを変更する。かかる構成によれば、カスタマイズ可能なパラメータの視認性を高めることが可能となる。
【0166】
-第4のバリエーション
図18を参照しながら上記説明した第4のバリエーションは、本変形例においても適用可能である。本変形例における第4のバリエーションについて、
図31を参照しながら説明する。
【0167】
図31は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図31に図示された、表示画像10Uに含まれるグラフ20U、線21U、線23U及びポイント30の各要素は、
図25に図示された対応する符号を有する要素と同様の特徴を有する。
図31では、ユーザによる変更後の加熱プロファイルを示す線21Uと共に、比較対象の加熱プロファイルを示す線23Uが、表示されている。かかる構成によれば、ユーザは、線23Uと線21Uとの差分を認識しながら、加熱プロファイルをカスタマイズすることができる。
【0168】
-第5のバリエーション
本変形例においても、
図19を参照しながら上記説明した第2の表示例、及び
図21を参照しながら上記説明した第3の表示例と同様に、表示画像において加熱プロファイルがリアルタイムに表示されながら、パラメータの変更操作が受け付けられてもよい。
以下、当該バリエーションについて、
図32及び
図33を参照しながら説明する。
【0169】
図32は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図32に図示された、表示画像10Vに含まれるグラフ20V、線21V、ポイント30、及び矢印40の各要素は、
図25に図示された対応する符号を有する要素と同様の特徴を有する。ただし、表示画像10Vは、開始時点から終了時点までの加熱プロファイルを示す線21Vに、開始時点から現在までに検出されたパフ検出タイミングにおけるパラメータを示すポイント30-1を対応付けて表示している。ユーザは、矢印40-1により示される変更可能な範囲内で、ポイント30-1におけるパラメータを変更することができる。よって、ユーザは、パフ動作を行いながら、リアルタイムで加熱プロファイルをカスタマイズすることが可能となる。
【0170】
図33は、本実施形態に係るユーザ端末200により生成される表示画像の一例を示す図である。
図33に図示された、表示画像10Wに含まれるグラフ20W、線21W、ポイント30、及び矢印40の各要素は、
図25に図示された対応する符号を有する要素と同様の特徴を有する。ただし、表示画像10Wは、開始時点から現在までの加熱プロファイルを示す線21Wに、開始時点から現在までに検出されたパフ検出タイミングにおけるパラメータを示すポイント30-1を対応付けて表示している。ユーザは、矢印40-1により示される変更可能な範囲内で、ポイント30-1におけるパラメータを変更することができる。よって、ユーザは、パフ動作を行いながら、リアルタイムで加熱プロファイルをカスタマイズすることが可能となる。
【0171】
<2.5.処理の流れ>
-表示画像の表示
図34は、本実施形態に係るシステム1において実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図34に示すように、本シーケンスには、吸引装置100及びユーザ端末200が関与する。
【0172】
まず、吸引装置100は、エアロゾルを生成する際に使用する加熱プロファイルを送信する(ステップS102)。ユーザ端末200は、加熱プロファイルを受信すると、受信した加熱プロファイルを表示する表示画像を生成し、表示する(ステップS104)。
【0173】
次に、吸引装置100は、ユーザによりパフが行われたことを検出する度に、パフ検出タイミングを示す情報を送信する(ステップS106)。そして、ユーザ端末200は、パフ検出タイミングを示す情報を受信する度に、加熱プロファイルにパフ検出タイミングにおけるパラメータを対応付けて表示するよう、表示画像を更新する(ステップS108)。システム1は、ユーザによるパフが行われる度に、ステップS106及びステップS108に係る処理を繰り返す。
【0174】
-加熱プロファイルのカスタマイズ
図35は、本実施形態に係るシステム1において実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0175】
図35に示すように、まず、ユーザ端末200は、加熱プロファイルにパフ検出タイミングにおけるパラメータを対応付けて表示する表示画像を生成し、表示する(ステップS202)。
【0176】
次いで、ユーザ端末200は、パラメータを変更するユーザ操作が検出されたか否かを判定する(ステップS204)。パラメータを変更するユーザ操作が検出されたと判定された場合(ステップS204:YES)、ユーザ端末200は、ユーザ操作に応じて加熱プロファイルを変更し、変更後の加熱プロファイルを表示するよう表示画像を更新する(ステップS206)。その後、処理は終了する。パラメータを変更するユーザ操作が検出されないと判定された場合(ステップS204:NO)、処理は終了する。
【0177】
<<3.補足>>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0178】
例えば、上記実施形態では、加熱プロファイルにおけるパラメータが加熱部121の温度である例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。一例として、パラメータは、加熱部121により加熱される部位の温度であってもよい。加熱部121により加熱される部位としては、例えば、保持部140が挙げられる。その場合、制御部116は、加熱プロファイルにおいて定義された目標温度と同様の温度が保持部140において実現されるよう、加熱部121への給電を制御する。他の一例として、パラメータは、加熱部121に給電される電気に関する情報であってもよい。例えば、パラメータは、加熱部121に給電される電圧、電流、抵抗又は電力であってもよい。その場合、制御部116は、加熱プロファイルにおいて定義された電圧、電流、抵抗又は電力と同様の電圧、電流、抵抗又は電力が加熱部121に給電されるように、加熱部121への給電を制御する。
【0179】
上述した加熱プロファイルは、吸引装置100が行うエアロゾルを生成する動作に関する情報である、プロファイルの一例である。ユーザ端末200は、加熱プロファイル以外のプロファイルと、パフ検出タイミングを示す情報と、を対応付けて表示する表示画像を生成してもよい。加熱プロファイル以外のプロファイルの一例は、吸引装置100が行ったエアロゾルを生成する動作の結果を示す情報(第2のプロファイルに相当する。以下、動作結果プロファイルとも称する)であってもよい。動作結果プロファイルにおけるパラメータは、吸引装置100がエアロゾルを生成する動作を行った際に検出された情報である。例えば、加熱プロファイルは目標とする温度推移を示す情報であったのに対し、動作結果プロファイルは実際の温度推移を示す情報であってもよい。かかる構成によれば、ユーザは、エアロゾルを吸引した感覚に照らしながら、動作結果プロファイルとパフ検出タイミングとの関係を認識することが可能となる。
【0180】
動作結果プロファイルにおけるパラメータの例としては、加熱プロファイルと同様に、加熱部121の温度、加熱部121により加熱される部位の温度、及び加熱部121に給電される電気に関する情報が挙げられる。他にも、動作結果プロファイルにおけるパラメータは、加熱部121により生成されたエアロゾルがユーザに吸引される量(以下、エアロゾル送達量とも称する)であってもよい。その場合、センサ部112は、エアロゾル送達量を検出するためのセンサとして、エアロゾルを捕集するフィルタ、及び捕集されたエアロゾルの成分を分析する成分分装置を含む。なお、ここでのエアロゾル送達量とは、ユーザの口腔内に送達される、パフ動作1回当たりの主要エアロゾル成分量であってもよい。主要エアロゾル成分とは、基材に含まれる種々のエアロゾル源を所定温度以上で加熱したときに発生する可視性のエアロゾル成分である。なお、基材に含まれるエアロゾル源は、典型的にはプロピレングリコール及びグリセリンである。また、基材がたばこ等の香味源を含有する場合には、当該香味源に由来するエアロゾル成分も主要エアロゾル成分に含まれる。
【0181】
例えば、表示画像は、変更後の加熱プロファイルに従って吸引装置100が動作した際に検出されると予測される情報をさらに含んでいてもよい。予測される情報としては、動作結果プロファイルが挙げられる。一例として、ユーザ端末200は、加熱プロファイルとエアロゾル送達量に関する動作結果プロファイルとの対応関係を学習する。そして、ユーザ端末200は、学習結果を参照して、変更後の加熱プロファイルに従って吸引装置100が動作した際のエアロゾル送達量を予測して、表示画像において表示してもよい。かかる構成によれば、エアロゾル送達量の予測を参照しながらカスタマイズすることができるので、好みの吸い心地を実現する加熱プロファイルをより容易に探求することが可能となる。
【0182】
例えば、動作結果プロファイルに対してカスタマイズが行われてもよい。その場合、ユーザ端末200は、変更後の動作結果プロファイルを実現するための加熱プロファイルを生成し、生成した加熱プロファイルに従って動作するよう吸引装置100を制御する。一例として、ユーザ端末200は、加熱プロファイルとエアロゾル送達量に関する動作結果プロファイルとの対応関係を学習する。そして、ユーザ端末200は、学習結果を参照して、変更後のエアロゾル送達量に関する動作結果プロファイルを実現するための加熱プロファイルを生成する。かかる構成によれば、エアロゾル送達量を直接的にカスタマイズすることができるので、好みの吸い心地を実現する加熱プロファイルをより容易に探求することが可能となる。
【0183】
なお、本明細書において説明した各装置は、単独の装置として実現されてもよく、一部または全部が別々の装置として実現されても良い。例えば、
図3に示したユーザ端末200の機能構成例のうち、制御部250に含まれる表示画像を生成する機能、及びユーザ操作に応じて加熱プロファイルを変更する機能が、ユーザ端末200とネットワーク等で接続されたサーバ等の装置に備えられていても良い。他にも、吸引装置100に、制御部250に含まれる表示画像を生成する機能、及びユーザ操作に応じて加熱プロファイルを変更する機能が備えられていてもよい。
【0184】
また、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記録媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。上記記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0185】
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0186】
なお、以下のような構成も本発明の技術的範囲に属する。
(1)
基材を用いてエアロゾルを生成する吸引装置が行う前記エアロゾルを生成する動作に関する情報であるプロファイルと、前記吸引装置により生成された前記エアロゾルをユーザが吸引したことが検出されたタイミングであるパフ検出タイミングに関する情報と、を対応付けて表示する表示画像を生成する制御部、
を備える情報処理装置。
(2)
前記プロファイルは、開始時点から終了時点までに前記吸引装置が行う前記エアロゾルを生成する動作に関するパラメータの時系列変化を示す情報であり、
前記表示画像は、前記プロファイルの時間軸における前記パフ検出タイミングの位置を示す情報を含む、
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記表示画像は、前記パフ検出タイミングにおける前記パラメータを示す情報を含む、
前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記表示画像は、前記開始時点から前記終了時点までの前記プロファイルに、前記開始時点から前記終了時点までに検出された前記パフ検出タイミングにおける前記パラメータを示す情報を対応付けて表示する、
前記(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記表示画像は、前記開始時点から前記終了時点までの前記プロファイルに、前記開始時点から現在までに検出された前記パフ検出タイミングにおける前記パラメータを示す情報を対応付けて表示する、
前記(3)に記載の情報処理装置。
(6)
前記表示画像は、前記開始時点から現在までの前記プロファイルに、前記開始時点から現在までに検出された前記パフ検出タイミングにおける前記パラメータを示す情報を対応付けて表示する、
前記(3)に記載の情報処理装置。
(7)
前記表示画像は、前記開始時点から前記終了時点までの全体の時間区間のうち、前記パフ検出タイミングを含む一部の区間の前記プロファイルを抜粋して表示する、
前記(3)~(6)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(8)
前記パラメータは、前記吸引装置が行う前記エアロゾルを生成する動作を規定する情報であり、
前記吸引装置は、前記プロファイルに従って動作する、
前記(3)~(7)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(9)
前記パラメータは、前記吸引装置が前記エアロゾルを生成する動作を行った際に検出された情報である、
前記(3)~(7)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(10)
前記パラメータは、前記基材を加熱する加熱部の温度である、
前記(8)又は(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記パラメータは、前記基材を加熱する加熱部により加熱される部位の温度である、
前記(8)又は(9)に記載の情報処理装置。
(12)
前記パラメータは、前記基材を加熱する加熱部に給電される電気に関する、
前記(8)又は(9)に記載の情報処理装置。
(13)
前記パラメータは、前記基材を加熱する加熱部により生成された前記エアロゾルがユーザに吸引される量である、
前記(9)に記載の情報処理装置。
(14)
前記表示画像は、前記プロファイルを、グラフとして表示する、
前記(1)~(13)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(15)
前記表示画像は、前記パフ検出タイミングに関する情報を、表として表示する、
前記(1)~(13)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(16)
基材を用いてエアロゾルを生成する吸引装置が行う前記エアロゾルを生成する動作に関する情報であるプロファイルと、前記吸引装置により生成された前記エアロゾルをユーザが吸引したことが検出されたタイミングであるパフ検出タイミングに関する情報と、を対応付けて表示する表示画像を生成すること、
を含む情報処理方法。
(17)
コンピュータを、
基材を用いてエアロゾルを生成する吸引装置が行う前記エアロゾルを生成する動作に関する情報であるプロファイルと、前記吸引装置により生成された前記エアロゾルをユーザが吸引したことが検出されたタイミングであるパフ検出タイミングに関する情報と、を対応付けて表示する表示画像を生成する制御部、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0187】
1 システム
100 吸引装置
110 電源ユニット
111 電源部
112 センサ部
113 通知部
114 記憶部
115 通信部
116 制御部
120 カートリッジ
121 加熱部
122 液誘導部
123 液貯蔵部
124 マウスピース
130 香味付与カートリッジ
131 香味源
140 保持部
141 内部空間
142 開口
143 底部
144 断熱部
150 スティック型基材
151 基材部
152 吸口部
180 空気流路
181 空気流入孔
182 空気流出孔
200 ユーザ端末
210 入力部
220 出力部
230 通信部
240 記憶部
250 制御部