IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社フジクラの特許一覧

特許7520145ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法
<>
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図1
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図2
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図3
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図4
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図5
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図6
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図7
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図8
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図9
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図10
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図11
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図12
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図13
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図14
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図15
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図16
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図17
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図18
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図19
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図20
  • 特許-ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】ファイバ接続体、光通信システム、光デバイス、及び、ファイバ接続体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/42 20060101AFI20240712BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20240712BHJP
   H04J 14/00 20060101ALI20240712BHJP
【FI】
G02B6/42
G02B6/02 461
G02B6/02 411
H04J14/00
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022567019
(86)(22)【出願日】2021-12-06
(86)【国際出願番号】 JP2021044719
(87)【国際公開番号】W WO2022118985
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2022-08-10
(31)【優先権主張番号】P 2020202250
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021144241
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】小田 拓弥
(72)【発明者】
【氏名】菊池 修
【審査官】野口 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-203036(JP,A)
【文献】特開2011-170099(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104238004(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0227716(US,A1)
【文献】特表2002-525645(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0198449(US,A1)
【文献】国際公開第2016/035883(WO,A1)
【文献】特開2016-033627(JP,A)
【文献】特開2014-197094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/02-6/10
6/24
6/255-6/27
6/30-6/34
6/36-6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
m本(mは4以上の自然数)のマルチコアファイバが接続されたファイバ接続体であって、
前記m本のマルチコアファイバは、クラッドと、前記クラッドの内部に配置された複数のコアであって、複数の軸の各々に対して線対称に配置された複数のコアと、中心が前記複数のコアの対称軸以外の位置に配置されたマーカと、を含む断面構造を有しており、
前記m本のマルチコアファイバにおいて、前記複数の軸に対する前記マーカの位置は共通であり、
前記複数の軸から選択された特定の軸について、互いに隣接する2つのマルチコアファイバが接続されるm-1箇所の接続箇所のうち、一方のマルチコアファイバの端面を第1端面、前記第1端面と接続される他方のマルチコアファイバの端面を第2端面として、(1)前記第1端面の前記複数のコアの各々が、前記第2端面の前記複数のコアの何れかと重なるという条件、及び、(2)前記第1端面の前記マーカが、前記第2端面において前記特定の軸に対して前記第2端面の前記マーカと線対称な位置と重なるという条件を満たす接続箇所の個数が3個以上の奇数個であり、
前記複数のコアの個数をnとして、当該ファイバ接続体の一端に位置する第1マルチコアファイバ及び当該ファイバ接続体の他端に位置する第mマルチコアファイバにおける前記複数のコアの序数を前記マーカからの距離に応じて定めた場合、前記第1マルチコアファイバのi番目(iは1以上n以下の自然数)のコアは、前記第mマルチコアファイバの前記複数のコアのうち、i番目のコアと前記特定の軸に対して線対称な位置にあるコアと光学結合している、
ことを特徴とするファイバ接続体。
【請求項2】
m本(mは4以上の自然数)のマルチコアファイバが接続されたファイバ接続体であって、
前記m本のマルチコアファイバは、クラッドと、前記クラッドの内部に配置された複数のコアであって、複数の軸の各々に対して線対称に配置された複数のコアと、中心が前記複数のコアの対称軸以外の位置に配置されたマーカと、を含む断面構造を有しており、
前記m本のマルチコアファイバにおいて、前記複数の軸に対する前記マーカの位置は共通であり、
前記複数の軸から選択された特定の軸について、互いに隣接する2つのマルチコアファイバが接続されるm-1箇所の接続箇所のうち、一方のマルチコアファイバの端面を第1端面、前記第1端面と接続される他方のマルチコアファイバの端面を第2端面として、(1)前記第1端面の前記複数のコアの各々が、前記第2端面の前記複数のコアの何れかと重なるという条件、及び、(2)前記第1端面の前記マーカが、前記第2端面において前記特定の軸に対して前記第2端面の前記マーカと線対称な位置と重なるという条件を満たす接続箇所の個数が3個以上の奇数個であり、
前記複数の軸のうち前記特定の軸以外の他の軸のそれぞれについて、互いに隣接する2つのマルチコアファイバが接続されるm-1箇所の接続箇所のうち、一方のマルチコアファイバの端面を第1端面、前記第1端面と接続される他方のマルチコアファイバの端面を第2端面として、(1)前記第1端面の前記複数のコアの各々が、前記第2端面の前記複数のコアの何れかと重なるという条件、及び、(2)前記第1端面の前記マーカが、前記第2端面において前記他の軸に対して前記第2端面の前記マーカと線対称な位置と重なるという条件を満たす接続箇所の個数が偶数個(0個を含む)であり、
互いに隣接する2つのマルチコアファイバが接続されるm-1箇所の接続箇所のうち、前記3個以上の奇数個の接続箇所及び前記偶数個(0個を含む)の接続箇所以外の接続箇所において、一方のマルチコアファイバの端面を第1端面、前記第1端面と接続される他方のマルチコアファイバの端面を第2端面として、(1)前記第1端面の前記複数のコアの各々が、前記第2端面の前記複数のコアの何れかと重なるという条件、及び、(2)前記第1端面の前記マーカが、前記第2端面の前記マーカと重なるという条件を満たす、
ことを特徴とするファイバ接続体。
【請求項3】
前記複数のコアは、何れも前記複数の軸以外の位置に配置されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のファイバ接続体。
【請求項4】
当該ファイバ接続体の両方の端面において、光信号の入力に用いるコア同士が対角に配置され、且つ、光信号の出力に用いるコア同士が対角に配置される、
ことを特徴とする請求項3に記載のファイバ接続体。
【請求項5】
m本(mは2以上の自然数)のマルチコアファイバが接続されたファイバ接続体と、前記ファイバ接続体の一端側に設けられた第1トランシーバと、前記ファイバ接続体の他端側に設けられた第2トランシーバと、を備えており、
前記m本のマルチコアファイバは、クラッドと、前記クラッドの内部にマルチコアファイバの中心軸と重ならないように配置された複数のコアであって、前記複数のコアを通らない複数の軸の各々に対して線対称に配置された複数のコアと、中心が前記複数のコアの対称軸以外の位置に配置されたマーカと、を含む断面構造を有しており、
前記m本のマルチコアファイバにおいて、前記複数の軸に対する前記マーカの位置は共通であり、
前記複数の軸から選択された特定の軸について、互いに隣接する2つのマルチコアファイバが接続されるm-1箇所の接続箇所のうち、一方のマルチコアファイバの端面を第1端面、前記第1端面と接続される他方のマルチコアファイバの端面を第2端面として、(1)前記第1端面の前記複数のコアの各々が、前記第2端面の前記複数のコアの何れかと重なるという条件、及び、(2)前記第1端面の前記マーカが、前記第2端面において前記特定の軸に対して前記第2端面の前記マーカと線対称な位置と重なるという条件を満たす接続箇所の個数が奇数個であり、
前記第1トランシーバと接続される前記ファイバ接続体の一端側のマルチコアファイバの前記複数のコアにそれぞれ接続される前記第1トランシーバの複数のポートに関するポート配置構造と、前記第2トランシーバと接続される前記ファイバ接続体の他端側のマルチコアファイバの前記複数のコアにそれぞれ接続される前記第2トランシーバの複数のポートに関するポート配置構造と、が同一であり、
前記第1トランシーバと前記第2トランシーバとにおいて、前記複数のポートに含まれる送信用ポートの各々が前記複数のポートに含まれる受信用ポートの何れかと線対称に配置されており、
前記第1トランシーバの前記送信用ポートの各々が前記第2トランシーバの前記受信用ポートの何れかと前記ファイバ接続体を介して光学結合しており、前記第1トランシーバの前記受信用ポートの各々が前記第2トランシーバの前記送信用ポートの何れかと前記ファイバ接続体を介して光学結合している、
ことを特徴とする光通信システム。
【請求項6】
m本(mは2以上の自然数)のマルチコアファイバが接続されたファイバ接続体と、前記ファイバ接続体の一端側に設けられた第1ファンイン/ファンアウトデバイスと、前記ファイバ接続体の他端側に設けられた第2ファンイン/ファンアウトデバイスと、を備えており、
前記m本のマルチコアファイバは、クラッドと、前記クラッドの内部にマルチコアファイバの中心軸と重ならないように配置された複数のコアであって、前記複数のコアを通らない複数の軸の各々に対して線対称に配置された複数のコアと、中心が前記複数のコアの対称軸以外の位置に配置されたマーカと、を含む断面構造を有しており、
前記m本のマルチコアファイバにおいて、前記複数の軸に対する前記マーカの位置は共通であり、
前記複数の軸から選択された特定の軸について、互いに隣接する2つのマルチコアファイバが接続されるm-1箇所の接続箇所のうち、一方のマルチコアファイバの端面を第1端面、前記第1端面と接続される他方のマルチコアファイバの端面を第2端面として、(1)前記第1端面の前記複数のコアの各々が、前記第2端面の前記複数のコアの何れかと重なるという条件、及び、(2)前記第1端面の前記マーカが、前記第2端面において前記特定の軸に対して前記第2端面の前記マーカと線対称な位置と重なるという条件を満たす接続箇所の個数が奇数個であり、
前記第1ファンイン/ファンアウトデバイスと接続される前記ファイバ接続体の一端側のマルチコアファイバの前記複数のコアにそれぞれ接続される前記第1ファンイン/ファンアウトデバイスの複数のポートに関するポート配置構造と、前記第2ファンイン/ファンアウトデバイスと接続される前記ファイバ接続体の他端側のマルチコアファイバの前記複数のコアにそれぞれ接続される前記第2ファンイン/ファンアウトデバイスの複数のポートに関するポート配置構造と、が同一であり、
前記第1ファンイン/ファンアウトデバイスと前記第2ファンイン/ファンアウトデバイスとにおいて、前記複数のポートに含まれる送信用ポートの各々が前記複数のポートに含まれる受信用ポートの何れかと線対称に配置されており、
前記第1ファンイン/ファンアウトデバイスの前記送信用ポートの各々が前記第2ファンイン/ファンアウトデバイスの前記受信用ポートの何れかと前記ファイバ接続体を介して光学結合しており、前記第1ファンイン/ファンアウトデバイスの前記受信用ポートの各々が前記第2ファンイン/ファンアウトデバイスの前記送信用ポートの何れかと前記ファイバ接続体を介して光学結合している、
ことを特徴とする光デバイス。
【請求項7】
請求項1~4の何れか一項に記載のファイバ接続体の製造方法であって、
互いに隣接するマルチコアファイバが接続されるm-1箇所の接続箇所のうち、一方のマルチコアファイバの端面を第1端面、前記第1端面と接続される他方のマルチコアファイバの端面を第2端面として、(1)前記第1端面の前記複数のコアの各々が、前記第2端面の前記複数のコアの何れかと重なるという条件、及び、(2)前記第1端面の前記マーカが、前記第2端面において前記特定の軸に対して前記第2端面の前記マーカと線対称な位置と重なるという条件を満たす接続箇所の個数が3個以上の奇数個になるように、前記m本のマルチコアファイバを接続する、
ことを特徴とするファイバ接続体の製造方法。
【請求項8】
m本(mは4以上の自然数)のマルチコアファイバが接続されたファイバ接続体であって、
前記m本のマルチコアファイバは、クラッドと、前記クラッドの内部に配置された複数のコアであって、唯一の対称軸に対して線対称に配置された複数のコアと、前記対称軸以外の位置に配置されたマーカと、を含む断面構造を有しており、
前記m本のマルチコアファイバにおいて、前記対称軸に対する前記マーカの位置は共通であり、
互いに隣接する2つのマルチコアファイバが接続されるm-1箇所の接続箇所のうち、一方のマルチコアファイバの端面を第1端面、前記第1端面と接続される他方のマルチコアファイバの端面を第2端面として、(1)前記第1端面の前記複数のコアの各々が、前記第2端面の前記複数のコアの何れかと重なるという条件、及び、(2)前記第1端面の前記マーカが、前記第2端面において前記対称軸に対して前記第2端面の前記マーカと線対称な位置と重なるという条件を満たす接続箇所の個数が3個以上の奇数個であり、
前記複数のコアの個数をnとして、当該ファイバ接続体の一端に位置する第1マルチコアファイバ及び当該ファイバ接続体の他端に位置する第mマルチコアファイバにおける前記複数のコアの序数を前記マーカからの距離に応じて定めた場合、前記第1マルチコアファイバのi番目(iは1以上n以下の自然数)のコアは、前記第mマルチコアファイバの前記複数のコアのうち、i番目のコアと前記対称軸に対して線対称な位置にあるコアと光学結合している、
ことを特徴とするファイバ接続体。
【請求項9】
m本(mは4以上の自然数)のマルチコアファイバが接続されたファイバ接続体であって、
前記m本のマルチコアファイバは、クラッドと、前記クラッドの内部に配置された複数のコアであって、唯一の対称軸に対して線対称に配置された複数のコアと、前記対称軸以外の位置に配置されたマーカと、を含む断面構造を有しており、
前記m本のマルチコアファイバにおいて、前記対称軸に対する前記マーカの位置は共通であり、
互いに隣接する2つのマルチコアファイバが接続されるm-1箇所の接続箇所のうち、一方のマルチコアファイバの端面を第1端面、前記第1端面と接続される他方のマルチコアファイバの端面を第2端面として、(1)前記第1端面の前記複数のコアの各々が、前記第2端面の前記複数のコアの何れかと重なるという条件、及び、(2)前記第1端面の前記マーカが、前記第2端面において前記対称軸に対して前記第2端面の前記マーカと線対称な位置と重なるという条件を満たす接続箇所の個数が3個以上の奇数個であり、
互いに隣接する2つのマルチコアファイバが接続されるm-1箇所の接続箇所のうち、前記3個以上の奇数個の接続箇所以外の接続箇所において、一方のマルチコアファイバの端面を第1端面、前記第1端面と接続される他方のマルチコアファイバの端面を第2端面として、(1)前記第1端面の前記複数のコアの各々が、前記第2端面の前記複数のコアの何れかと重なるという条件、及び、(2)前記第1端面の前記マーカが、前記第2端面の前記マーカと重なるという条件を満たす、
ことを特徴とするファイバ接続体。
【請求項10】
m本(mは2以上の自然数)のマルチコアファイバが接続されたファイバ接続体と、前記ファイバ接続体の一端側に設けられた第1トランシーバと、前記ファイバ接続体の他端側に設けられた第2トランシーバと、を備えており、
前記m本のマルチコアファイバは、クラッドと、前記クラッドの内部にマルチコアファイバの中心軸と重ならないように配置された複数のコアであって、前記複数のコアを通らない唯一の対称軸に対して線対称に配置された複数のコアと、中心が前記対称軸以外の位置に配置されたマーカと、を含む断面構造を有しており、
前記m本のマルチコアファイバにおいて、前記対称軸に対する前記マーカの位置は共通であり、
互いに隣接する2つのマルチコアファイバが接続されるm-1箇所の接続箇所のうち、一方のマルチコアファイバの端面を第1端面、前記第1端面と接続される他方のマルチコアファイバの端面を第2端面として、(1)前記第1端面の前記複数のコアの各々が、前記第2端面の前記複数のコアの何れかと重なるという条件、及び、(2)前記第1端面の前記マーカが、前記第2端面において前記対称軸に対して前記第2端面の前記マーカと線対称な位置と重なるという条件を満たす接続箇所の個数が奇数個であり、
前記第1トランシーバと接続される前記ファイバ接続体の一端側のマルチコアファイバの前記複数のコアにそれぞれ接続される前記第1トランシーバの複数のポートに関するポート配置構造と、前記第2トランシーバと接続される前記ファイバ接続体の他端側のマルチコアファイバの前記複数のコアにそれぞれ接続される前記第2トランシーバの複数のポートに関するポート配置構造と、が同一であり、
前記第1トランシーバと前記第2トランシーバとにおいて、前記複数のポートに含まれる送信用ポートの各々が前記複数のポートに含まれる受信用ポートの何れかと線対称に配置されており、
前記第1トランシーバの前記送信用ポートの各々が前記第2トランシーバの前記受信用ポートの何れかと前記ファイバ接続体を介して光学結合しており、前記第1トランシーバの前記受信用ポートの各々が前記第2トランシーバの前記送信用ポートの何れかと前記ファイバ接続体を介して光学結合している、
ことを特徴とする光通信システム。
【請求項11】
m本(mは2以上の自然数)のマルチコアファイバが接続されたファイバ接続体と、前記ファイバ接続体の一端側に設けられた第1ファンイン/ファンアウトデバイスと、前記ファイバ接続体の他端側に設けられた第2ファンイン/ファンアウトデバイスと、を備えており、
前記m本のマルチコアファイバは、クラッドと、前記クラッドの内部にマルチコアファイバの中心軸と重ならないように配置された複数のコアであって、前記複数のコアを通らない唯一の対称軸に対して線対称に配置された複数のコアと、中心が前記対称軸以外の位置に配置されたマーカと、を含む断面構造を有しており、
前記m本のマルチコアファイバにおいて、前記対称軸に対する前記マーカの位置は共通であり、
互いに隣接する2つのマルチコアファイバが接続されるm-1箇所の接続箇所のうち、一方のマルチコアファイバの端面を第1端面、前記第1端面と接続される他方のマルチコアファイバの端面を第2端面として、(1)前記第1端面の前記複数のコアの各々が、前記第2端面の前記複数のコアの何れかと重なるという条件、及び、(2)前記第1端面の前記マーカが、前記第2端面において前記対称軸に対して前記第2端面の前記マーカと線対称な位置と重なるという条件を満たす接続箇所の個数が奇数個であり、
前記第1ファンイン/ファンアウトデバイスと接続される前記ファイバ接続体の一端側のマルチコアファイバの前記複数のコアにそれぞれ接続される前記第1ファンイン/ファンアウトデバイスの複数のポートに関するポート配置構造と、前記第2ファンイン/ファンアウトデバイスと接続される前記ファイバ接続体の他端側のマルチコアファイバの前記複数のコアにそれぞれ接続される前記第2ファンイン/ファンアウトデバイスの複数のポートに関するポート配置構造と、が同一であり、
前記第1ファンイン/ファンアウトデバイスと前記第2ファンイン/ファンアウトデバイスとにおいて、前記複数のポートに含まれる送信用ポートの各々が前記複数のポートに含まれる受信用ポートの何れかと線対称に配置されており、
前記第1ファンイン/ファンアウトデバイスの前記送信用ポートの各々が前記第2ファンイン/ファンアウトデバイスの前記受信用ポートの何れかと前記ファイバ接続体を介して光学結合しており、前記第1ファンイン/ファンアウトデバイスの前記受信用ポートの各々が前記第2ファンイン/ファンアウトデバイスの前記送信用ポートの何れかと前記ファイバ接続体を介して光学結合している、
ことを特徴とする光デバイス。
【請求項12】
請求項8又は9に記載のファイバ接続体の製造方法であって、
互いに隣接するマルチコアファイバが接続されるm-1箇所の接続箇所のうち、一方のマルチコアファイバの端面を第1端面、前記第1端面と接続される他方のマルチコアファイバの端面を第2端面として、(1)前記第1端面の前記複数のコアの各々が、前記第2端面の前記複数のコアの何れかと重なるという条件、及び、(2)前記第1端面の前記マーカが、前記第2端面において前記対称軸に対して前記第2端面の前記マーカと線対称な位置と重なるという条件を満たす接続箇所の個数が3個以上の奇数個になるように、前記m本のマルチコアファイバを接続する、
ことを特徴とするファイバ接続体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のマルチコアファイバを備えたファイバ接続体、及び、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信の分野においては、複数のコアを備えたマルチコアファイバが広く利用されている。マルチコアファイバを開示した文献としては、例えば、特許文献1が挙げられる。複数のマルチコアファイバを接続したマルチコアファイバ接続体も広く利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2019-152866号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以下の第2の課題を解決することを目的とする。なお、本明細書には、以下の第2の課題を解決することを目的とする発明の他に、以下の第1の課題を解決することを目的とする発明も参考発明として開示されている。
【0005】
(第1の課題)
マルチコアファイバは、複数のコアとクラッドとを備えている。クラッドは、円柱状の部材であり、各コアは、クラッドの内部に設けられた、クラッドよりも屈折率の高い、クラッドと同一方向に延在する円柱状の領域である。マルチコアファイバには、複数のコアの各々を識別するためのマーカが形成されることがある。マーカは、クラッドの内部に設けられた、クラッドとは屈折率の異なる、クラッドと同一方向に延在する領域である。マーカの形状は任意であり、例えば、円柱状や三角柱状などである。マーカが形成された複数のマルチコアファイバを接続することによりファイバ接続体を製造する場合、一方のマルチコアファイバのマーカが他方のマルチコアファイバのマーカと接続されるように接続作業が行われる。しかしながら、このように製造されたファイバ接続体においては、光学特性を改善する余地が残されていた。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、マーカを有する少なくとも2つのマルチコアファイバを備えたファイバ接続体であって、光学特性が改善されたファイバ接続体を提供すること、又は、そのようなファイバ接続体の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
(第2の課題)
マルチコアファイバには、コアを識別するためのマーカが形成されることがある。このようなマルチコアファイバを接続した従来のファイバ接続体においては、互いに隣接するマルチコアファイバの一方の端面を第1端面、他方の端面を第2端面として、下記の条件を満たすようにマルチコアファイバ同士が接続されている。
【0008】
(1)第1端面における複数のコアの各々が第2端面における複数のコアの各々と重なる。
【0009】
(2)第1端面におけるマーカが第2端面におけるマーカと重なる。
【0010】
このため、ファイバ接続体の両端面においてマーカからの距離に基づいてコアを識別した場合、互いに光学結合するコアに同じ識別子が付与される。このため、例えば各コアを光信号の入力又は出力の何れかの目的に用いる場合、同じ識別子が付与されたコアを同じ目的に用いると、互いに光学結合するコアの両端が入力用となったり、互いに光学結合するコアの両端が出力用となったりする。以上のような点で、従来のファイバ接続体には、取り扱いが困難であるという問題があった。
【0011】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来よりも取り扱いが容易なファイバ接続体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(第2の課題を解決するための手段)
本発明の第2の側面の一態様に係るファイバ接続体は、コア配置が共通する複数のマルチコアファイバが接続されたファイバ接続体であって、各マルチコアファイバは、クラッドと、前記クラッドの内部に線対称に配置された複数のコアと、マーカと、を含む端面を有し、前記マーカの中心が前記複数のコアの対称軸以外の位置に配置され、互いに隣接するマルチコアファイバの一方の端面を第1端面、他方の端面を第2端面として、(1)前記第1端面の前記複数のコアの各々が、前記第2端面の前記複数のコアの各々と重なるという条件、及び、(2)前記第1端面の前記マーカが、前記第2端面において前記対称軸に対して前記第2端面の前記マーカと線対称な位置と重なるという条件を満たす接続箇所の個数が奇数個である、ことを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の側面の一態様に係るファイバ接続体の製造方法は、コア配置が共通する複数のマルチコアファイバが接続されたファイバ接続体の製造方法であって、各マルチコアファイバは、クラッドと、前記クラッドの内部に線対称に配置された複数のコアと、前記複数のコアの対称軸以外の位置に配置されたマーカと、を含む端面を有し、互いに隣接するマルチコアファイバの一方の端面を第1端面、他方の端面を第2端面として、(1)前記第1端面の前記複数のコアの各々が、前記第2端面の前記複数のコアの各々と重なるという条件、及び、(2)前記第1端面の前記マーカが、前記第2端面において前記対称軸に対して前記第2端面の前記マーカと線対称な位置と重なるという条件を満たす接続箇所の個数が奇数個になるように、前記複数のマルチコアファイバを接続する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様は、以下の第1の効果又は第2の効果を有する。
【0017】
(第1の効果)
本発明の第1の側面の一態様によれば、マーカを有する少なくとも2つのマルチコアファイバを備えたファイバ接続体であって、光学特性が改善されたファイバ接続体を提供することができる。
【0018】
(第2の効果)
本発明の第2の側面の一態様によれば、従来よりも取り扱いが容易なファイバ接続体を実現することができる。また、本発明の一態様によれば、そのようなファイバ接続体を備えた光通信システム、又は、光デバイスを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の側面の第1の実施形態に係るファイバ接続体の構成を示す側面図及び断面図である。
図2図1に示すファイバ接続体の断面図であり、接続パターンのバリエーションを示す。
図3図1に示すファイバ接続体の第1の変形例を示す側面図及び断面図である。
図4図1に示すファイバ接続体の第2の変形例を示す側面図及び断面図である。
図5】本発明の第1の側面の第2の実施形態に係るファイバ接続体の構成を示す側面図及び断面図である。
図6図5に示すファイバ接続体の断面図であり、接続パターンのバリエーションを示す。
図7図5に示すファイバ接続体の断面図であり、マーカ配置のバリエーションを示す。
図8図5に示すファイバ接続体の変形例を示す側面図及び断面図である。
図9】本発明の第2の側面の一態様に係るファイバ接続体に含まれるマルチコアファイバを示す図である。(a)は、そのマルチコアファイバの側面図であり、(b)は、そのマルチコアファイバの一方の端面の正面図であり、(c)は、そのマルチコアファイバの他方の端面の正面図である。
図10図9に示すマルチコアファイバの断面構造のバリエーションを示す図である。(a)~(f)は、そのマルチコアファイバの一方の端面の正面図である。
図11】通常接続された2つのマルチコアファイを示す図である。(a)は、2つのマルチコアファイバの側面図であり、(b)は、一方のマルチコアファイバの端面の正面図であり、(c)は、他方のマルチコアファイバの端面の正面図である。
図12】反転接続された2つのマルチコアファイバを示す図である。(a)は、2つのマルチコアファイバの側面図であり、(b)は、一方のマルチコアファイバの端面の正面図であり、(c)は、他方のマルチコアファイバの端面の正面図である。
図13】反転接続された2つのマルチコアファイバを示す図である。(a)は、2つのマルチコアファイバの側面図であり、(b)は、一方のマルチコアファイバの端面の正面図であり、(c)は、他方のマルチコアファイバの端面の正面図である。
図14】本発明の第2の側面の一態様に係るファイバ接続体を示す図である。(a)は、そのファイバ接続体の側面図であり、(b)は、そのファイバ接続体の一方の端面の正面図であり、(c)は、そのファイバ接続体の他方の端面の正面図である。
図15図14に示すファイバ接続体の効果を説明する図である。(a)は、そのファイバ接続体の一方の端面の正面図であり、(b)は、そのファイバ接続体の他方の端面の正面図である。
図16図14に示すファイバ接続体の一変形例を示す図である。(a)は、そのファイバ接続体の側面図であり、(b)は、そのファイバ接続体の一方の端面の正面図であり、(c)は、そのファイバ接続体の他方の端面の正面図である。
図17図14に示すファイバ接続体と2つのトランシーバを含む光通信システムを示す図である。(a)は、その通信システムの側面図であり、(b)は、そのファイバ接続体の一方の端面の正面図であり、(c)は、そのファイバ接続体の他方の端面の正面図であり、(d)は、一方のトランシーバの光入出力素子の正面図であり、(e)は、他方のトランシーバの光入出力素子の正面図である。
図18図14に示すファイバ接続体と2つのファンイン/ファンアウトデバイスを含む光通信システムを示すブロック図である。
図19】本発明の第1の側面の第1の実施形態に係るファイバ接続体の変形例を示す断面図である。
図20】本発明の第1の側面の第1の実施形態に係るファイバ接続体の変形例を示す断面図である。
図21】本発明の第1の側面の第1の実施形態に係るファイバ接続体の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1の側面>
〔第1の側面の第1の実施形態〕
(ファイバ接続体の構成)
本発明の第1の側面の第1の実施形態に係るファイバ接続体101の構成について、図1を参照して説明する。図1は、ファイバ接続体101の構成を示す側面図及び断面図である。
【0021】
ファイバ接続体101は、図1に示すように、第1マルチコアファイバ111及び第2マルチコアファイバ112を備えている。第1マルチコアファイバ111の一方の端面111Rは、第2マルチコアファイバ112の一方の端面112Lに接続(本実施形態においては融着)されている。
【0022】
第1マルチコアファイバ111は、n個(nは2以上の自然数)のコア111a1~111anと、クラッド111bと、を備えている。クラッド111bは、円柱状の部材である。なお、クラッド111bの断面形状は、特に限定されず、例えば、四角形や六角形などの多角形状であってもよく、樽型であってもよい。クラッド111bは、例えば、石英ガラスにより構成される。各コア111ai(iは1以上n以下の自然数)は、クラッド111bの内部に設けられた、クラッド111bよりも屈折率の高い、クラッド111bと同一方向に延在する円柱状の領域である。各コア111aiは、例えば、ゲルマニウムなどのアップドーパントが添加された石英ガラスにより構成さる。コア111a1~111anの配置は、それらの断面の中心がクラッド111bの中心から半径Rの円周上の位置に等間隔に並ぶように決められている。
【0023】
第1マルチコアファイバ111には、更に、マーカ111cが含まれている。マーカ111cは、クラッド111bの内部に設けられた、クラッド111bとは屈折率の異なる、クラッド111bと同一方向に延在する領域である。マーカ111cの形状は任意であり、例えば、円柱状や三角柱状などである。マーカ111cは、例えば、フッ素やホウ素などのダウンドーパントが添加された石英ガラスにより構成される。この場合、マーカ111cの屈折率は、クラッド111bの屈折率よりも低くなる。マーカ111cは、或いは、ゲルマニウム、アルミニウム、リン、塩素などのアップドーパントが添加された石英ガラスにより構成される。この場合、マーカ111cの屈折率は、クラッド111bの屈折率よりも高くなる。マーカ111cの形成には、例えば、孔開法やスタック&ドロー法などを用いればよい。
【0024】
第1マルチコアファイバ111におけるマーカ111cの配置は、マーカ111cからコア111aiまでの距離をdiとして、d1,d2,…,dnが全て異なるように決められている。これは、マーカ111cからの距離に基づいて、コア111a1~111anを容易に識別できるようにするためである。これにより、各コアをより確実に識別でき、例えば、特定のコアの特性を測定できるようになる。また、第1マルチコアファイバ111におけるコア111a1~コア111anの序数は、マーカ111cとの位置関係に基づいて、以下のように決められている。すなわち、コア111a1~111anにおいて、マーカ111cに最も近いコアを、第1コア111a1とする。また、コア111a1~111anにおいて、第1コア111a1の次にマーカ111cに近いコアを、第2コア111a2とする。残りのコア111a3~111anの序数は、上述した半径Rの円周上の並び順に従って決められている。例えば、第2コア111a2に隣接する2つのコアのうち、第1コア111a1ではない方のコアを第3コア111a3とする。また、第3コア111a3に隣接する2つのコアのうち、第2コア111a2ではない方のコアを第4コア111a4とする。
【0025】
第2マルチコアファイバ112は、n個のコア112a1~112anと、クラッド112bと、を備えている。クラッド112bは、円柱状の部材である。クラッド112bは、例えば、石英ガラスにより構成される。各コア112aiは、クラッド112bの内部に設けられた、クラッド112bよりも屈折率の高い、クラッド112bと同一方向に延在する円柱状の領域である。なお、クラッド112bの断面形状は、特に限定されず、例えば、四角形や六角形などの多角形状であってもよく、樽型であってもよい。各コア112aiは、例えば、ゲルマニウムなどのアップドーパントが添加された石英ガラスにより構成される。コア112a1~112anの個数は、第1マルチコアファイバ111におけるコア111a1~111anの個数と同一である。また、コア112a1~112anの直径は、第1マルチコアファイバ111におけるコア111a1~111anの直径と同一である。また、コア112a1~112anの配置は、第1マルチコアファイバ111におけるコア111a1~111anの配置と同様、それらの断面がクラッド112bの中心から半径Rの円周上の位置に等間隔に並ぶように決められている。
【0026】
第2マルチコアファイバ112には、更に、マーカ112cが含まれている。マーカ112cは、クラッド112bの内部に設けられた、クラッド112bとは屈折率の異なる、クラッド112bと同一方向に延在する領域である。マーカ112cの形状は任意であり、例えば、円柱状や三角柱状などである。マーカ112cは、例えば、フッ素などのダウンドーパントが添加された石英ガラスにより構成される。この場合、マーカ112cの屈折率は、クラッド112bの屈折率よりも低くなる。マーカ112cは、或いは、ゲルマニウム、アルミニウム、リン、塩素などのアップドーパントが添加された石英ガラスにより構成される。この場合、マーカ112cの屈折率は、クラッド112bの屈折率よりも高くなる。マーカ112cの形成には、例えば、孔開法やスタック&ドロー法などを用いればよい。
【0027】
第2マルチコアファイバ112におけるマーカ112cの配置は、第1マルチコアファイバ111におけるマーカ111cの配置と同様に決められている。また、第2マルチコアファイバ112におけるコア112a1~112anの序数は、第1マルチコアファイバ111におけるコア111a1~111anの序数と同様に決められている。
【0028】
なお、図1に示した第1マルチコアファイバ111のAA’断面は、図1における右方向から見たものであるのに対して、図1に示した第2マルチコアファイバ112のBB’断面は、図1における左方向から見たものである。したがって、一方の端面111Rと一方の端面112Lとの接続部において、第1マルチコアファイバ111のAA’断面の図1における右端と第2マルチコアファイバ112のBB’断面の図1における左端とが互いに接続され、第1マルチコアファイバ111のAA’断面の図1における左端と第2マルチコアファイバ112のBB’断面の図1における右端とが互いに接続される。
【0029】
本実施形態に係るファイバ接続体101において、第1マルチコアファイバ111と第2マルチコアファイバ112とは、以下の条件を満たすように接続されている。
【0030】
条件1:第2マルチコアファイバ112の各コア112aiは、第1マルチコアファイバ111のコア111a1~111anの何れかと接続されている。
【0031】
条件2:第2マルチコアファイバ112のマーカ112cは、第1マルチコアファイバ111のマーカ111c以外の部分と接続されている。
【0032】
更に、本実施形態に係るファイバ接続体101は、以下の条件を満たす。
【0033】
条件3A:第2マルチコアファイバ112においてマーカ112cに最も近い第1コア112a1は、第1マルチコアファイバ111のコア111a1~111anのうち、マーカ111cに最も近い第1コア111a1以外のコア(具体的には第3コア111a3)に接続されている。
【0034】
(ファイバ接続体の効果)
マルチコアファイバにおいては、マーカに最も近いコアの光導波路としての特性が悪化し易いことが知られている。その原因は、様々であるが、例えば以下のようなものが挙げられる。すなわち、マルチコアファイバの母材やマルチコアファイバ等において、マーカ材料とクラッド材料との間にできた隙間が潰れることがある。また、マルチコアファイバの母材を線引き後に冷却する際、マーカとクラッドとの線膨張係数の違いによって、マーカの周囲のガラスが変形したり応力を受けたりすることがある。このような場合、マーカに最も近いコアが応力を受けたり、変形したりすることによって、マーカに最も近いコアの光導波路としての特性が悪化し得る。マーカに最も近いコアにおいて悪化し得る特性としては、例えば、偏波モード分散などが挙げられる。
【0035】
従来のファイバ接続体においては、第2マルチコアファイバにおいてマーカに最も近いコアが第1マルチコアファイバにおいてマーカに最も近いコアに接続されていた。このため、第1マルチコアファイバにおいてマーカに最も近いコアを導波される信号光に関して、第1マルチコアファイバおよび第2マルチコアファイバの両方においてマーカに起因する劣化が生じ易かった。このため、第1マルチコアファイバにおいてマーカに最も近いコアを導波される信号光を用いた通信においてエラーが生じることがあった。
【0036】
これに対して、本実施形態に係るファイバ接続体101においては、第2マルチコアファイバ112においてマーカ112cに最も近い第1コア112a1が、第1マルチコアファイバ111のコア111a1~111anのうち、マーカ111cに最も近い第1コア111a1以外のコア(具体的には第3コア111a3)に接続されている。したがって、第1マルチコアファイバ111においてマーカ111cに最も近いコア111a1を導波される信号光に関して、第2マルチコアファイバ112においてマーカ112cに起因する劣化を抑えることができる。このため、第1マルチコアファイバ111においてマーカ111cに最も近い第1コア111a1を導波される信号光を用いた通信においてエラーが生じる可能性を低減することができる。
【0037】
なお、図1に示す接続パターンにおいては、第1マルチコアファイバ111においてマーカ111cに最も近い第1コア111a1と、第2マルチコアファイバ112においてマーカ112cから最も遠い第3コア112a3とが接続されている。また、第1マルチコアファイバ111において第1コア111a1の次にマーカ111cに近い第2コア111a2と、第2マルチコアファイバ112において第3コア112a3の次にマーカ112cから遠い第4コア112a4とが接続されている。これにより、第1マルチコアファイバ111の各コア111aiを導波される信号光の劣化をより均一化することができる。なぜなら、第1マルチコアファイバ111において光学特性が一番劣化し易い第1コア111a1と、第2マルチコアファイバ112において光学特性が一番劣化し難い第3コア112a3とが接続されているからである。また、第1マルチコアファイバ111において光学特性が二番目に劣化し易い第2コア111a2と、第2マルチコアファイバ112において光学特性が二番目に劣化し難い第4コア112a4とが接続されているからである。その結果、第1マルチコアファイバ111の各コア111aiを導波される信号光を用いた通信においてエラーが生じる可能性をより低減することができる。
【0038】
(接続パターンのバリエーション)
上述した条件1、2、及び3Aを満たす接続パターンは、図1に示した接続パターンに限定されない。上述した条件1、2、及び3Aを満たす、図1に示した接続パターン以外の接続パターンを、図2に示す。
【0039】
図2の(a)は、第1マルチコアファイバ111においてマーカ111cに最も近い第1コア111a1が、第2マルチコアファイバ112の第2コア112a2に接続される接続パターンを示す。第2マルチコアファイバ112においてマーカ112cに最も近い第1コア112a1は、第1マルチコアファイバ111の第4コア111a4に接続される。
【0040】
図2の(b)は、第1マルチコアファイバ111においてマーカ111cに最も近い第1コア111a1が、第2マルチコアファイバ112の第4コア112a4に接続される接続パターンを示す。第2マルチコアファイバ112においてマーカ112cに最も近い第1コア112a1は、第1マルチコアファイバ111の第2コア111a2に接続される。
【0041】
図2の(c)は、第1マルチコアファイバ111においてマーカ111cに最も近い第1コア111a1が、第2マルチコアファイバ112の第2コア112a2に接続される接続パターンを示す。第2マルチコアファイバ112においてマーカ112cに最も近い第1コア112a1は、第1マルチコアファイバ111の第2コア111a2に接続される。
【0042】
図2の(d)は、第1マルチコアファイバ111においてマーカ111cに最も近い第1コア111a1が、第2マルチコアファイバ112の第4コア112a4に接続される接続パターンを示す。第2マルチコアファイバ112においてマーカ112cに最も近い第1コア112a1は、第1マルチコアファイバ111の第4コア111a4に接続される。
【0043】
図2の(e)は、第1マルチコアファイバ111においてマーカ111cに最も近い第1コア111a1が、第2マルチコアファイバ112の第3コア112a3に接続される接続パターンを示す。第2マルチコアファイバ112においてマーカ112cに最も近い第1コア112a1は、第1マルチコアファイバ111の第4コア111a4に接続される。
【0044】
図2の(a)~(e)に示した接続パターンの何れにおいても、第2マルチコアファイバ112においてマーカ112cに最も近い第1コア112a1が、第1マルチコアファイバ111のコア111a1~111anのうち、マーカ111cに最も近い第1コア111a1以外のコアに接続されている。したがって、第1マルチコアファイバ111においてマーカ111cに最も近いコア111a1を導波される信号光に関して、第2マルチコアファイバ112においてマーカ112cに起因する劣化が生じ難い。このため、第1マルチコアファイバ111においてマーカ111cに最も近い第1コア111a1を導波される信号光を用いた通信においてエラーが生じる可能性を低減することができる。
【0045】
なお、図2の(d)に示す接続パターンにおいては、第1マルチコアファイバ111においてマーカ111cに最も近い第1コア111a1と、第2マルチコアファイバ112において第3コア112a3の次にマーカ112cから遠い第4コア112a4とが接続されている。また、第1マルチコアファイバ111において第1コア111a1の次にマーカ111cに近い第2コア111a2と、第2マルチコアファイバ112においてマーカ112cから最も遠い第3コア112a3とが接続されている。これにより、第1マルチコアファイバ111の各コア111aiを導波される信号光の劣化をより均一化することができる。なぜなら、第1マルチコアファイバ111において光学特性が一番劣化し易い第1コア111a1と、第2マルチコアファイバ112において光学特性が二番目に劣化し難い第4コア112a4とが接続されているからである。また、第1マルチコアファイバ111において光学特性が二番目に劣化し易い第2コア111a2と、第2マルチコアファイバ112において光学特性が一番劣化し難い第3コア112a3とが接続されているからである。その結果、第1マルチコアファイバ111の各コア111aiを導波される信号光を用いた通信においてエラーが生じる可能性をより低減することができる。
【0046】
(変形例)
なお、図1に示すファイバ接続体101は、2本のマルチコアファイバ111,112により構成されているが、これに限定されない。すなわち、ファイバ接続体101は、3本以上のマルチコアファイバにより構成されていてもよい。以下、3本のマルチコアファイバ111~113により構成されたファイバ接続体101について、図3及び図4を参照して説明する。
【0047】
図3は、ファイバ接続体101の第1の変形例(以下、ファイバ接続体101Aと記載する)を示す側面図及び断面図である。なお、図3に示した第1マルチコアファイバ111のAA’断面は、図3における右方向から見たものであるのに対して、図3に示した第2マルチコアファイバ112のBB’断面は、図3における左方向から見たものである。また、図3に示した第2マルチコアファイバ111のCC’断面は、図3における右方向から見たものであるのに対して、図3に示した第3マルチコアファイバ113のDD’断面は、図3における左方向から見たものである。
【0048】
ファイバ接続体101Aは、図3に示すように、第1マルチコアファイバ111、第2マルチコアファイバ112、及び第3マルチコアファイバ113を備えている。第1マルチコアファイバ111の一方の端面111Rは、第2マルチコアファイバ112の一方の端面112Lに接続されている。第2マルチコアファイバ112の他方の端面112Rは、第3マルチコアファイバ113の一方の端面113Lに接続されている。第1マルチコアファイバ111及び第2マルチコアファイバ112の構成については、既に説明したとおりである。
【0049】
第3マルチコアファイバ113は、n個のコア113a1~113anと、クラッド113bと、を備えている。クラッド113bは、円柱状の部材である。クラッド113bは、例えば、石英ガラスにより構成される。各コア113aiは、クラッド113bの内部に設けられた、クラッド113bよりも屈折率の高い、クラッド113bと同一方向に延在する円柱状の領域である。各コア113aiは、例えば、ゲルマニウムなどのアップドーパントが添加された石英ガラスにより構成される。コア113a1~113nの個数は、第1マルチコアファイバ111におけるコア111a1~111anの個数と同一である。また、コア113a1~113anの直径は、第1マルチコアファイバ111におけるコア111a1~111anの直径と同一である。また、コア113a1~113anの配置は、第1マルチコアファイバ111におけるコア111a1~111anの配置と同様、それらの断面がクラッド113bの中心から半径Rの円周上の位置に等間隔に並ぶように決められている。
【0050】
第3マルチコアファイバ113には、更に、マーカ113cが含まれている。マーカ113cは、クラッド113bの内部に設けられた、クラッド113bとは屈折率の異なる、クラッド113bと同一方向に延在する領域である。マーカ113cの形状は任意であり、例えば、円柱状や三角柱状などである。マーカ113cは、例えば、フッ素などのダウンドーパントが添加された石英ガラスにより構成される。この場合、マーカ113cの屈折率は、クラッド113bの屈折率よりも低くなる。マーカ113cは、或いは、ゲルマニウム、アルミニウム、リン、塩素などのアップドーパントが添加された石英ガラスにより構成される。この場合、マーカ113cの屈折率は、クラッド113bの屈折率よりも高くなる。マーカ113cの形成には、例えば、孔開法やスタック&ドロー法などを用いればよい。
【0051】
第3マルチコアファイバ113におけるマーカ113cの配置は、第1マルチコアファイバ111におけるマーカ111cの配置と同様に決められている。また、第3マルチコアファイバ113におけるコア113a1~113anの序数は、第1マルチコアファイバ111におけるコア111a1~111anの序数と同様に決められている。
【0052】
ファイバ接続体101Aにおいて、第1マルチコアファイバ111と第2マルチコアファイバ112とは、上述した条件1、条件2、及び条件3Aを満たすように接続されている。また、ファイバ接続体101Aにおいて、第2マルチコアファイバ112と第3マルチコアファイバ113とは、以下の条件4を満たすように接続されている。
【0053】
条件4:第3マルチコアファイバ113の第iコア113aiは、第2マルチコアファイバ112のコア112a1~112anのうち、第1マルチコアファイバ111の第iコア111aiに接続されたコアに接続される。
【0054】
すなわち、第3マルチコアファイバ113の第1コア113a1は、第2マルチコアファイバ112のコア112a1~112anのうち、第1マルチコアファイバ111の第1コア111a1に接続された第3コア112a3に接続されている。また、第3マルチコアファイバ113の第2コア113a2は、第2マルチコアファイバ112のコア112a1~112anのうち、第1マルチコアファイバ111の第2コア111a2に接続された第4コア112a4に接続されている。また、第3マルチコアファイバ113の第3コア113a3は、第2マルチコアファイバ112のコア112a1~112anのうち、第1マルチコアファイバ111の第3コア111a3に接続された第1コア112a1に接続されている。また、第3マルチコアファイバ113の第4コア113a4は、第2マルチコアファイバ112のコア112a1~112anのうち、第1マルチコアファイバ111の第4コア111a4に接続された第2コア112a2に接続されている。
【0055】
これにより、第1マルチコアファイバ111の第iコア111aiから入力された光信号は、第3マルチコアファイバ113の第iコア113aiから出力される。このように、光信号の入力と出力とでコア番号が同一になるので、第1マルチコアファイバ111及び第3マルチコアファイバ113にそれぞれファン・イン及びファン・アウト又は送信器、受信器及び中継器が接続されている場合に、ネットワーク構築時の誤配線が生じ難くなる。
【0056】
なお、ここでは、第1マルチコアファイバ111と第2マルチコアファイバ112との接続パターンを図1に示した接続パターンとしたが、これに限定されない。第1マルチコアファイバ111と第2マルチコアファイバ112との接続パターンは、図2に示した何れの接続パターンであってもよい。
【0057】
図4は、ファイバ接続体101の第2の変形例(以下、ファイバ接続体101Bと記載する)を示す側面図及び断面図である。
【0058】
ファイバ接続体101Bは、図4に示すように、第1マルチコアファイバ111、第2マルチコアファイバ112、及び第3マルチコアファイバ113を備えている。第1マルチコアファイバ111の一方の端面111Rは、第2マルチコアファイバ112の一方の端面112Lに接続されている。第2マルチコアファイバ112の他方の端面112Rは、第3マルチコアファイバ113の一方の端面113Lに接続されている。第1マルチコアファイバ111、第2マルチコアファイバ112、及び第3マルチコアファイバ113の構成については、既に説明したとおりである。
【0059】
ファイバ接続体101Bにおいて、第1マルチコアファイバ111と第2マルチコアファイバ112とは、上述した条件1、条件2、及び条件3Aを満たすように接続されている。また、ファイバ接続体101Bにおいて、第2マルチコアファイバ112と第3マルチコアファイバ113とは、下記の条件5を満たすように接続されている。
【0060】
条件5:第3マルチコアファイバ113においてマーカ113cに最も近い第1コア113a1は、第2マルチコアファイバ112のコア112a1~112anのうち、(1)マーカ112cに最も近い第1コア112a1以外のコアであり、且つ、(2)第1マルチコアファイバ111においてマーカ111cに最も近い第1コア111a1に接続された第3コア112a3以外のコア(具体的には第4コア112a4)に接続される。
【0061】
これにより、第1マルチコアファイバ111においてマーカ111cに最も近い第1コア111a1を導波される信号光に関して、第2マルチコアファイバ112におけるマーカ112cに起因する劣化を抑えると共に、第3マルチコアファイバ113におけるマーカ113cに起因する劣化を抑えることができる。また、第2マルチコアファイバ112においてマーカ112cに最も近い第1コア112a1を導波される信号光に関して、第1マルチコアファイバ111におけるマーカ111cに起因する劣化を抑えると共に、第3マルチコアファイバ113におけるマーカ113cに起因する劣化を抑えることができる。
【0062】
〔第1の側面の第2の実施形態〕
(ファイバ接続体の構成)
本発明の第1の側面の第2の実施形態に係るファイバ接続体102の構成について、図5を参照して説明する。図5は、ファイバ接続体102の構成を示す側面図及び断面図である。
【0063】
ファイバ接続体102は、図5に示すように、第1マルチコアファイバ121及び第2マルチコアファイバ122を備えている。第1マルチコアファイバ121の一方の端面121Rは、第2マルチコアファイバ122の一方の端面122Lに接続(本実施形態においては融着)されている。
【0064】
第1マルチコアファイバ121は、n個(nは3以上の自然数)のコア121a1~121anと、クラッド121bと、を備えている。クラッド121bは、円柱状の部材である。クラッド121bは、例えば、石英ガラスにより構成される。各コア121ai(iは1以上n以下の自然数)は、クラッド121bの内部に設けられた、クラッド121bよりも屈折率の高い、クラッド121bと同一方向に延在する円柱状の領域である。各コア121aiは、例えば、ゲルマニウムなどのアップドーパントが添加された石英ガラスにより構成さる。コア121a1~121anの配置は、それらの断面の中心がクラッド121bの中心から半径Rの円周上の位置に等間隔に並ぶように決められている。
【0065】
第1マルチコアファイバ121には、更に、マーカ121cが含まれている。マーカ121cは、クラッド121bの内部に設けられた、クラッド121bとは屈折率の異なる、クラッド121bと同一方向に延在する領域である。マーカ121cの形状は任意であり、例えば、円柱状や三角柱状などである。マーカ121cは、例えば、フッ素などのダウンドーパントが添加された石英ガラスにより構成される。この場合、マーカ121cの屈折率は、クラッド121bの屈折率よりも低くなる。マーカ121cは、或いは、ゲルマニウム、アルミニウム、リン、塩素などのアップドーパントが添加された石英ガラスにより構成される。この場合、マーカ121cの屈折率は、クラッド121bの屈折率よりも高くなる。マーカ121cの形成には、例えば、孔開法やスタック&ドロー法などを用いればよい。
【0066】
第1マルチコアファイバ121におけるマーカ121cの配置は、マーカ121cからコア121aiまでの距離をdiとして、d1,d2,…,dnが全て異なるように決められている。これは、マーカ121cからの距離に基づいて、コア121a1~121anを容易に識別できるようにするためである。これにより、各コアをより確実に識別でき、例えば、特定のコアの特性を測定できるようになる。また、第1マルチコアファイバ121におけるコア121a1~コア121anの序数は、マーカ121cとの位置関係に基づいて、以下のように決められている。すなわち、コア121a1~121anにおいて、マーカ121cに一番近いコアを、第1コア121a1とする。また、コア121a1~121anにおいて、第1コア121aに隣接する2つのコアのうち、マーカ121cに近い方のコアを、第2コア121a2とする。残りのコア121a3~121anの序数は、上述した半径Rの円周上の並び順に従って決められている。例えば、第2コア121a2に隣接する2つのコアのうち、第1コア121a1ではない方のコアを第3コア121a3とする。また、第3コア121a3に隣接する2つのコアのうち、第2コア121a2ではない方のコアを第4コア121a4とする。
【0067】
第2マルチコアファイバ122は、n個のコア122a1~122anと、クラッド122bと、を備えている。クラッド122bは、円柱状の部材である。クラッド122bは、例えば、石英ガラスにより構成される。各コア122aiは、クラッド122bの内部に設けられた、クラッド122bよりも屈折率の高い、クラッド122bと同一方向に延在する円柱状の領域である。各コア122aiは、例えば、ゲルマニウムなどのアップドーパントが添加された石英ガラスにより構成される。コア122a1~122anの個数は、第1マルチコアファイバ121におけるコア121a1~121anの個数と同一である。また、コア122a1~122anの直径は、第1マルチコアファイバ121におけるコア121a1~121anの直径と同一である。また、コア122a1~122anの配置は、第1マルチコアファイバ121におけるコア121a1~121anの配置と同様、それらの断面がクラッド122bの中心から半径Rの円周上の位置に等間隔に並ぶように決められている。
【0068】
第2マルチコアファイバ122には、更に、マーカ122cが含まれている。マーカ122cは、クラッド122bの内部に設けられた、クラッド122bとは屈折率の異なる、クラッド122bと同一方向に延在する領域である。マーカ121cの形状は任意であり、例えば、円柱状や三角柱状などである。マーカ122cは、例えば、フッ素などのダウンドーパントが添加された石英ガラスにより構成される。この場合、マーカ122cの屈折率は、クラッド122bの屈折率よりも低くなる。マーカ122cは、或いは、ゲルマニウム、アルミニウム、リン、塩素などのアップドーパントが添加された石英ガラスにより構成される。この場合、マーカ122cの屈折率は、クラッド122bの屈折率よりも高くなる。マーカ122cの形成には、例えば、孔開法やスタック&ドロー法などを用いればよい。
【0069】
第2マルチコアファイバ122におけるマーカ122cの配置は、第1マルチコアファイバ121におけるマーカ121cの配置と同様に決められている。また、第2マルチコアファイバ122におけるコア122a1~122anの序数は、第1マルチコアファイバ121におけるコア121a1~121anの序数と同様に決められている。
【0070】
なお、図5に示した第1マルチコアファイバ121のAA’断面は、図5における右方向から見たものであるのに対して、図5に示した第2マルチコアファイバ122のBB’断面は、図5における左方向から見たものである。したがって、一方の端面121Rと一方の端面122Lとの接続部において、第1マルチコアファイバ121のAA’断面の図5における右端と第2マルチコアファイバ122のBB’断面の図5における左端とが互いに接続され、第1マルチコアファイバ121のAA’断面の図5における左端と第2マルチコアファイバ122のBB’断面の図5における右端とが互いに接続される。
【0071】
本実施形態に係るファイバ接続体102において、第1マルチコアファイバ121と第2マルチコアファイバ122とは、以下の条件を満たすように接続されている。
【0072】
条件1:第2マルチコアファイバ122の各コア122aiは、第1マルチコアファイバ121のコア121a1~121anの何れかと接続されている。
【0073】
条件2:第2マルチコアファイバ122のマーカ122cは、第1マルチコアファイバ121のマーカ121c以外の部分と接続されている。
【0074】
更に、本実施形態に係るファイバ接続体102は、以下の条件を満たす。
【0075】
条件3B:第2マルチコアファイバ122においてマーカ122cに最も近い第1コア122a1と次に近い第2コア122a2とのペアは、第1マルチコアファイバ121においてマーカ121cに最も近い第1コア121a1と次に近い第2コア121a2とのペア以外のペア(具体的には第3コア121a3と第2コア121a2とのペア)に接続されている。
【0076】
(ファイバ接続体の効果)
マルチコアファイバおいては、互いに隣接する2つのコアの間にマーカが存在すると、一方のコアから他方のコアへの光の浸み出しが抑えられる。このため、マーカに最も近いコアと次にマーカに近いコアとの間のクロストークを低減することができる。
【0077】
従来のファイバ接続体においては、第1マルチコアファイバにおいてマーカに最も近いコアと次に近いコアとのペアが第2マルチコアファイバにおいてマーカに最も近いコアと次に近いコアとのペアに接続されていた。その結果、クロストークの低減効果を得られるコアのペアが、1ペアに限定されていた。
【0078】
これに対して、本実施形態に係るファイバ接続体102において、第1マルチコアファイバ121においてマーカ121cに最も近い第1コア121a1と次に近い第2コア121a2とのペアは、第2マルチコアファイバ122においてマーカ122cに最も近い第1コア122a1と次に近い第2コア122a2とのペア以外のペア(具体的には第2コア122a2と第3コア122a3とのペア)に接続されている。したがって、これらのコアのペアについては、クロストークの低減効果が得られる。
【0079】
また、本実施形態に係るファイバ接続体102において、第2マルチコアファイバ122においてマーカ122cに最も近い第1コア122a1と次に近い第2コア122a2とのペアは、第1マルチコアファイバ121においてマーカ121cに最も近い第1コア121a1と次に近い第2コア122a2とのペア以外のペア(具体的には第3コア121a3と第2コア121a2とのペア)に接続されている。したがって、これらのコアのペアについても、クロストークの低減効果が得られる。
【0080】
以上のように、本実施形態に係るファイバ接続体102によれば、クロストークの低減効果を得られるコアのペアを、増やすことができる。ここで、各マルチコアファイバにおけるコアの序数が、マーカに最も近いコアが1番目となり、且つ、当該マーカに次に近いコアが2番目となるように、コアの並び順に従って決められている場合で、2番目に近いコアが複数あった場合は、いずれかのペアを選ぶことになるが、いずれのペアでも同様の効果を奏し得る。
【0081】
なお、マーカ121c,122cの屈折率をクラッド121b,122bの屈折率よりも低くした場合、本実施形態に係るファイバ接続体102は、以下の点で有利である。すなわち、第1コア121a1,122a1から第2コア121a2,22a2への光の浸み出し、及び、第2コア121a2,22a2から第1コア121a1,122a1への光の浸み出しを、より効果的に抑えることができる。したがって、クロストークの低減効果をより高めることができる。逆に、マーカ121c,122cの屈折率をクラッド121b,122bの屈折率よりも高くした場合、本実施形態に係るファイバ接続体102は、以下の点で有利である。すなわち、マーカ121c,122cにトラップされた光が第1マルチコアファイバ121及び第2マルチコアファイバ122を伝搬するので、伝搬距離やファイバパラメータによっては有利である。或いは、マーカ121c,122cに近接する第1コア121a1,122a1と第2コア121a2,122a2との間のクロストークが悪化するので、クロストーク特性の悪いペアをばらつかせるので、マルチコアファイバ全体で見たクロストークとしては改善され得るという意味で有利である。
【0082】
(接続パターンのバリエーション)
上述した条件1、2、及び3Bを満たす接続パターンは、図5に示した接続パターンに限定されない。上述した条件1、2、及び3Bを満たす、図5に示した接続パターン以外の接続パターンを、図6に示す。
【0083】
図6の(a)は、第1マルチコアファイバ121においてマーカ121cに最も近い第1コア121a1と次に近い第2コア121a2とのペアが、第2マルチコアファイバ122の第3コア122a3と第4コア122a4とのペアに接続される接続パターンを示す。第2マルチコアファイバ122においてマーカ122cに最も近い第1コア122a1と次に近い第2コア122a2とのペアは、第1マルチコアファイバ121の第3コア121a3と第4コア121a4とのペアに接続される。
【0084】
図6の(b)は、第1マルチコアファイバ121においてマーカ121cに最も近い第1コア121a1と次に近い第2コア121a2とのペアが、第2マルチコアファイバ122の第4コア122a4と第1コア122a1とのペアに接続される接続パターンを示す。第2マルチコアファイバ122においてマーカ122cに最も近い第1コア122a1と次に近い第2コア122a2とのペアは、第1マルチコアファイバ121の第2コア121a2と第3コア121a3とのペアに接続される。
【0085】
図6の(c)は、第1マルチコアファイバ121においてマーカ121cに最も近い第1コア121a1と次に近い第2コア121a2とのペアが、第2マルチコアファイバ122の第1コア122a1と第4コア122a4とのペアに接続される接続パターンを示す。第2マルチコアファイバ122においてマーカ122cに最も近い第1コア122a1と次に近い第2コア122a2とのペアは、第1マルチコアファイバ121の第1コア121a1と第4コア121a4とのペアに接続される。
【0086】
図6の(d)は、第1マルチコアファイバ121においてマーカ121cに最も近い第1コア121a1と次に近い第2コア121a2とのペアが、第2マルチコアファイバ122の第4コア122a4と第3コア122a3とのペアに接続される接続パターンを示す。第2マルチコアファイバ122においてマーカ122cに最も近い第1コア122a1と次に近い第2コア122a2とのペアは、第1マルチコアファイバ121の第4コア121a4と第3コア121a3とのペアに接続される。
【0087】
図6の(e)は、第1マルチコアファイバ121においてマーカ121cに最も近い第1コア121a1と次に近い第2コア121a2とのペアが、第2マルチコアファイバ122の第3コア122a3と第2コア122a2とのペアに接続される接続パターンを示す。第2マルチコアファイバ122においてマーカ122cに最も近い第1コア122a1と次に近い第2コア122a2とのペアは、第1マルチコアファイバ121の第3コア121a3と第2コア121a2とのペアに接続される。
【0088】
図6の(a)~(e)に示した接続パターンの何れにおいても、第1マルチコアファイバ121においてマーカ121cに最も近い第1コア121a1と次に近い第2コア121a2とのペアは、第2マルチコアファイバ122においてマーカ122cに最も近い第1コア122a1と次に近い第2コア122a2とのペア以外のペアに接続されている。したがって、これらのコアのペアについては、クロストークの低減効果が得られる。
【0089】
また、図6の(a)~(e)に示した接続パターンの何れにおいても、第2マルチコアファイバ122においてマーカ122cに最も近い第1コア122a1と次に近い第2コア122a2とのペアは、第1マルチコアファイバ121においてマーカ121cに最も近い第1コア121a1と次に近い第2コア122a2とのペア以外のペアに接続されている。したがって、これらのコアのペアについても、クロストークの低減効果が得られる。
【0090】
以上のように、図6の(a)~(e)に示した接続パターンの何れにおいても、クロストークの低減効果を得られるコアのペアを、2ペアにすることができる。
【0091】
(マーカの配置に関する補足)
第1マルチコアファイバ121におけるマーカ121cは、図7の(a)に示すように、第1コア121a1と第2コア121a2との間に挟まれた領域Aの内部に配置されていることが好ましい。第1コア121aから漏れ出す光の強度は、通常、第1マルチコアファイバ121の断面において同心円状のガウシアン分布になる。マルチコアファイバ121における第1コア121a1と第2コア121a2との間のクロストークの大きさは、第1コア121a1から漏れ出す光の強度分布と第2コア121a2から漏れ出す光の強度分布との重なり積分によって決まる。これは、図7の(a)に示す配置を採用することで、光強度が比較的高い領域での光の閉じ込めを抑圧し、最も効果的にクロストークを低減することができるからである。第2マルチコアファイバ122におけるマーカ122cの配置についても、同様のことが言える。
【0092】
ただし、第1マルチコアファイバ121におけるマーカ121cの位置は、これに限定されない。例えば、第1マルチコアファイバ121におけるマーカ121cは、図7の(b)に示すように、第1コア121a1と第2コア121a2との間に挟まれた領域Aの境界上に配置されていてもよい。図7の(a)に示す配置を採用する場合には劣るもの、図7の(b)に示す配置を採用する場合であっても、クロストークを低減する効果が得られるからである。また、第1マルチコアファイバ121におけるマーカ121cは、図7の(c)に示すように、第1コア121a1と第2コア121a2との間に挟まれた領域Aの近傍に配置されていてもよい。図7の(a)に示す配置及び図7の(b)に示す配置を採用する場合には劣るもの、図7の(c)に示す配置を採用する場合であっても、クロストークを低減する効果が得られるからである。また、第1マルチコアファイバ121におけるマーカ121cは、図7の(d)に示すように、第1コア121a1と第2コア121a2との間に挟まれた領域Aから離れたところに配置されていてもよい。図7の(a)に示す配置、図7の(b)に示す配置、及び図7の(c)に示す配置を採用する場合には劣るもの、図7の(d)に示す配置を採用する場合であっても、クロストークを低減する効果が得られるからである。第2マルチコアファイバ122におけるマーカ122cの配置についても、同様のことが言える。
【0093】
(変形例)
なお、図5に示すファイバ接続体102は、両端に光コネクタを設けることができる。以下、光コネクタを設けたファイバ接続体102について、図8を参照して説明する。
【0094】
図8は、ファイバ接続体102の変形例を示す側面図及び断面図である。なお、図8の(b)及び(c)に示したフレーム141のEE’断面は、図8の(a)における右方向から見たものであるのに対して、図8の(b)及び(c)に示したフレーム142のFF’断面は、図8の(a)における左方向から見たものである。
【0095】
図8の(a)に示すように、第1マルチコアファイバ121の第2マルチコアファイバ122側の端面がフェルール131により覆われ、更に、フェルール131がフレーム141により覆われる。また、第2マルチコアファイバ122の第1マルチコアファイバ121側の端面がフェルール132により覆われ、更に、フェルール132がフレーム142により覆われる。フレーム141,142の外側面には、接続キー141a,142aと呼ばれる凸部が設けられている。
【0096】
この場合、次の流れでファイバ接続体が構成される。まず、図8の(b)又は(c)に示すように、フレーム141の接続キー141aの位置とフレーム142の接続キー142aの位置とを揃える。次に、不図示のアダプタの接続キー溝にそれぞれの接続キーを嵌合させて位置合わせした上で、フレーム141とフレーム142とを互いに接続する。これにより、第1マルチコアファイバ121と第2マルチコアファイバ122とが接続され、ファイバ接続体が構成される。また、ファイバ接続体は、次の構成を備えていると理解できる。すなわち、第1マルチコアファイバ121の第2マルチコアファイバ122側の端部に設けられたフレーム141と、第2マルチコアファイバ122の第1マルチコアファイバ121側の端部に設けられたフレーム142と、を更に備え、フレーム141の表面に設けられた接続キー141aの位置がマーカ121cに最も近いコア121a1の位置に揃えられ、フレーム142の表面に設けられた接続キー142aの位置がマーカ121cに最も近いコア122a1の位置に揃えられた構成である。上記の構成により、2つの接続キーの位置を揃えて接続すれば、第1マルチコアファイバ121と第2マルチコアファイバ122とが適切に接続されることになる。したがって、第1マルチコアファイバと第2マルチコアファイバとの適切な接続が容易となるファイバ接続体を実現し得る。
【0097】
なお、上述したマルチコアファイバ接続体101は、下記の条件α1又は条件α2を満たすように構成されていてもよい。一例として、条件α1及び条件α2の両方を満たすマルチコアファイバ接続体101における第1マルチコアファイバ111及び第2マルチコアファイバ112の端面を、図19に示す。
【0098】
条件α1:第2マルチコアファイバ112のマーカ112cの一部のみが、第1マルチコアファイバ111のマーカ111c以外の部分(クラッド111b等)に接続される。
【0099】
条件α2:第1マルチコアファイバ111のマーカ111cの一部のみが、第2マルチコアファイバ112のマーカ112c以外の部分(クラッド111b等)に接続される。
【0100】
第1マルチコアファイバ111について、マーカ111cが少なくともマーカ111cに最も近いコア111a1と接近すると、第1マルチコアファイバ111の母材やマルチコアファイバ111において、マーカ材料とクラッド材料との間にできた隙間が潰れたり、マルチコアファイバ111の母材を線引き後に冷却する際、マーカ111cとクラッド111bとの線膨張係数の違いによって、マーカ111cの周囲のガラスが変形したりすることがある。そして、マーカ111cに最も近いコア111a1が応力を受けたり、変形したりすることによって、マーカ111cに最も近いコア111a1の光導波路としての特性が悪化し得るという特性劣化問題を生じ得る。ここで、マーカに最も近いコアにおいて悪化し得る特性としては、例えば、偏波モード分散などが挙げられる。第2マルチコアファイバ112についても、同様のことが言える。条件α1又はα2を満たす場合、条件α1及び条件α2を満たさない場合(マーカ111cとマーカ112cとが重なりを持たない場合(後述の条件δ1及び条件δ2を満たす場合))と比べて、第1マルチコアファイバ111においてマーカ111cが少なくともマーカ111cに最も近いコア111a1から離間されると共に、第2マルチコアファイバ112においてマーカ112cが少なくともマーカ112cに最も近いコア112a1から離間されることができる場合がある。この場合、上記のような特性劣化問題を抑制し得る(以下、前者の効果とも記載する場合がある)。また、径方向に離間した場合と比べ、クラッド111bの厚さの増大または製造時等に起因したクラッド111bの変形を抑制し得る(以下、後者の効果とも記載する場合がある)。条件α2についても、第2マルチコアファイバ112に関して同様の効果を奏し得る。
【0101】
また、上述したマルチコアファイバ接続体101は、上記の条件α1又は条件α2に加えて、下記の条件β1又はβ2を満たすように構成されていてもよい。一例として、条件β1及び条件β2の両方を満たすマルチコアファイバ接続体101における第1マルチコアファイバ111及び第2マルチコアファイバ112の端面を、図20に示す。
【0102】
条件β1:第1マルチコアファイバ111の端面において、マーカ111cが、第1マルチコアファイバ111のコア111a1~111a4のうち、マーカ111cに最も近いコア111a1の中心と次に近いコア111a2の中心とを結ぶ仮想的な線分の仮想的な垂直二等分線と重なる。
【0103】
条件β2:第2マルチコアファイバ112の端面において、マーカ112cが、第2マルチコアファイバ112のコア112a1~112a4のうち、マーカ112cに最も近いコア112a1の中心と次に近いコア12a2の中心とを結ぶ仮想的な線分の仮想的な垂直二等分線と重なる。
【0104】
条件β1又は条件β2を満たす場合、第1マルチコアファイバ111においてマーカ111cが少なくともマーカ111cに最も近いコア111a1からより一層離間され得ると共に、第2マルチコアファイバ112においてマーカ112cが少なくともマーカ112cに最も近いコア112a1からより一層離間され得る。したがって、マーカ111cが少なくともコア111a1に接近した場合、及び、マーカ112cが少なくともコア112a1に接近した場合に生じる上記の特性劣化問題を抑制し得る。
【0105】
また、上述の条件β1は以下の条件β1’であってもよく、また、条件β2は以下の条件β2’であってもよい。この場合、第1マルチコアファイバ111においてマーカ111cをコア111a1~a4からさらに一層離間させると共に、第2マルチコアファイバ112においてマーカ112cをコア112a1~112a4からさらに一層離間させることができる。したがって、マーカ111cがコア111a1~111a4に接近した場合、及び、マーカ112cがコア112a1~112a4に接近した場合に生じる上記の特性劣化問題を更に一層を抑制し得る。
【0106】
条件β1’:第1マルチコアファイバ111の端面において、マーカ111cの中心が、第1マルチコアファイバ111のコア111a1~111a4のうち、マーカ111cに最も近いコア111a1の中心と次に近いコア111a2の中心とを結ぶ仮想的な線分の仮想的な垂直二等分線と重なっていてもよい。
【0107】
条件β2’:また、第2マルチコアファイバ112の端面において、マーカ112cの中心が、第2マルチコアファイバ112のコア112a1~112a4のうち、マーカ112cに最も近いコア112a1の中心と次に近いコア12a2の中心とを結ぶ仮想的な線分の仮想的な垂直二等分線と重なる。
【0108】
また、上述したマルチコアファイバ接続体101は、下記の条件γ1又はγ2を満たすように構成されていてもよい。また、上記の条件α1又は条件α2に加えて、下記の条件γ1又はγ2を満たすように構成されていてもよい。また、上記の条件α1又は条件α2及び条件β1、条件β1’、条件β2又は条件β2’に加えて、下記の条件γ1又はγ2を満たすように構成されていてもよい。一例として、条件γ1及び条件γ2の両方を満たすマルチコアファイバ接続体101における第1マルチコアファイバ111及び第2マルチコアファイバ112の端面を、図21の(a)に示す。
【0109】
条件γ1:第1マルチコアファイバ111の端面において、マーカ111cの中心が、第1マルチコアファイバ111のコア111a1~111a4のうち、マーカ111cに最も近いコア111a1の中心と次に近いコア111a2の中心とを結ぶ仮想的な線分の仮想的な垂直二等分線と重ならない。
【0110】
条件γ2:第2マルチコアファイバ112の端面において、マーカ112cの中心が、第2マルチコアファイバ112のコア112a1~112a4のうち、マーカ112cに最も近いコア112a1の中心と次に近いコア112a2の中心とを結ぶ仮想的な線分の仮想的な垂直二等分線と重ならない。
【0111】
この場合、マーカ111cの中心またはマーカ112cの中心が上述した仮想的な垂直二等分線からずれることになる。したがって、第1マルチコアファイバ111のマーカ111cと第2マルチコアファイバ112のマーカ112cとが完全に重なった場合やマーカ111cの中心及びマーカ112cの中心が上述した仮想的な垂直二等分線と重なった場合と比べて、第1マルチコアファイバ111の端面と第2マルチコアファイバ112の端面との識別または第1マルチコアファイバ111のコア番号の識別もしくは第2マルチコアファイバ112のコア番号の識別が容易になる。これにより、第1マルチコアファイバ111又は第2マルチコアファイバ112と外部のトランシーバや外部のファンイン/ファンアウトデバイスとの接続が容易となり得る。
【0112】
また、上述したマルチコアファイバ接続体101は、下記の条件ηを満たすように構成されていてもよい。一例として、条件ηの両方を満たすマルチコアファイバ接続体101における第1マルチコアファイバ111及び第2マルチコアファイバ112の端面を、図21の(b)に示す。
【0113】
条件η:第1マルチコアファイバ111の一方の端面または第2マルチコアファイバ112の一方の端面において、第1マルチコアファイバ111のマーカ111cの中心と第2マルチコアファイバ112のマーカ112cの中心とを結ぶ仮想的な直線と、第1マルチコアファイバ111の端面においてマーカ111cに最も近いコア111a1の中心と次に近いコア111a2の中心とを結ぶ仮想的な直線、又は、第2マルチコアファイバ112の端面においてマーカ112cに最も近いコア112a1の中心と次に近いコア112a2の中心とを結ぶ仮想的な直線とが平行である。
【0114】
この場合、上述した効果と同様に、第1マルチコアファイバ111の端面と第2マルチコアファイバ112の端面との識別または第1マルチコアファイバ111のコア番号の識別もしくは第2マルチコアファイバ112のコア番号の識別が容易になる。これにより、第1マルチコアファイバ111又は第2マルチコアファイバ112と外部のトランシーバや外部のファンイン/ファンアウトデバイスとの接続が容易となり得る。さらに、2つのマーカ111c,112cを結ぶ仮想的な直線が非平行に配置されている場合と比べて、2つのマーカ111c,112cの少なくとも一方がクラッド111b,112bの外周から離れ得る場合があるので、クラッド111b,112bの厚さの増大、又は、製造時等におけるクラッド111b,112bの変形を抑制し得るという効果を奏し得る。
【0115】
なお、上述したマルチコアファイバ接続体101は、図1等に示したように、下記の条件δ1又は条件δ2を満たすように構成されていてもよい。
【0116】
条件δ1:第2マルチコアファイバ112のマーカ112cの全体が第1マルチコアファイバ111のマーカ111c以外の部分(クラッド111b等)に接続されている。
【0117】
条件δ2:第1マルチコアファイバ111のマーカ111cの全体が第2マルチコアファイバ112のマーカ112c以外の部分(クラッド111b等)に接続されている。
【0118】
比較的面積の小さいマーカ111cが比較的面積の小さいマーカ112cと接続されたり、マーカ111cがマーカ112c及びクラッド112bにまたがって接続されたりするよりも、マーカ111cが比較的面積の大きいクラッド111bのみに接続される方が、マーカ111cが受ける応力を低減(緩和)できる。これにより、マーカ111cへのダメージを抑制でき得る。マーカ112cについても同様のことが言える。
【0119】
また、上述したマルチコアファイバ接続体101は、図7の(b)又は図7の(c)に示したように、下記の条件ε1又は条件ε2を満たすように構成されていてもよい。
【0120】
条件ε1:第1マルチコアファイバ111の端面において、マーカ111cの中心が、(1)第1マルチコアファイバ111の複数のコア111a1~111a4のうち、マーカ111cに最も近いコア111a1と次に近いコア111a2とに外接する仮想的な外接円であって、第1マルチコアファイバ111のクラッド111bの中心を中心とする仮想的な外接円と、(2)マーカ111cに最も近いコア111a1の中心と次に近いコア111a2の中心を通る仮想的な直線とコア111a1の中心とクラッド111bの中心とを通る仮想的な直線とがなす角の仮想的な二等分線と、(3)コア111a1の中心とコア111a2の中心を通る仮想的な直線とコア111a2の中心とクラッド111bの中心とを結ぶ仮想的な直線とがなす角の仮想的な二等分線と、に挟まれた領域(以下、領域Bとも記載する)に配置される。
【0121】
条件ε2:第2マルチコアファイバ112の端面において、マーカ112cの中心が、(1)第2マルチコアファイバ112の複数のコア112a1~112a4のうち、マーカ112cに最も近いコア112a1と次に近いコア112a2とに外接する仮想的な外接円であって、第2マルチコアファイバ112のクラッド112bの中心を中心とする仮想的な外接円と、(2)マーカ112cに最も近いコア112a1の中心と次に近いコア112a2の中心を通る仮想的な直線とコア112a1の中心とクラッド112bの中心とを通る仮想的な直線とがなす角の仮想的な二等分線と、(3)コア112a1の中心とコア112a2の中心を通る仮想的な直線とコア112a2の中心とクラッド112bの中心とを結ぶ仮想的な直線とがなす角の仮想的な二等分線と、に挟まれた領域(以下、領域Cとも記載する)に配置される。
【0122】
この場合、第1マルチコアファイバ111においては、上述した前者の効果及び後者の効果の両方を奏し得るが、特に後述の条件ζ1又は条件ζ2の場合と比べて、マーカ111cがクラッド111bの外周から離間された位置に配置されるので、クラッド111b,112bの厚さの増大、又は、製造時等におけるクラッド111bの変形を抑制でき得る為、特に後者の効果が一層大きくなり得る。第2マルチコアファイバ112についても、同様のことがいえる。
【0123】
また、上述したマルチコアファイバ接続体101は、下記の条件ζ1又は条件ζ2を満たすように構成されていてもよい。
【0124】
条件ζ1:第1マルチコアファイバ111の端面において、マーカ111cの中心が、(1)第1マルチコアファイバ111の複数のコア111a1~111a4のうち、マーカ111cに最も近いコア111a1と次に近いコア111a2とに外接する仮想的な外接円であって、第1マルチコアファイバ111のクラッド111bの中心を中心とする仮想的な外接円と、(2)マーカ111cに最も近いコア111a1の中心と次に近いコア111a2の中心を通る仮想的な直線とコア111a1の中心とクラッド111bの中心とを通る仮想的な直線とがなす角の仮想的な二等分線と、(3)コア111a1の中心とコア111a2の中心を通る仮想的な直線とコア111a2の中心とクラッド111bの中心とを結ぶ仮想的な直線とがなす角の仮想的な二等分線と、(4)前記クラッドの外周に挟まれた領域(以下、領域Dとも記載する)に配置される。
【0125】
条件ζ2:第2マルチコアファイバ112の端面において、マーカ112cの中心が、(1)第2マルチコアファイバ112の複数のコア112a1~112a4のうち、マーカ112cに最も近いコア112a1と次に近いコア112a2とに外接する仮想的な外接円であって、第2マルチコアファイバ112のクラッド112bの中心を中心とする仮想的な外接円と、(2)マーカ112cに最も近いコア112a1の中心と次に近いコア112a2の中心を通る仮想的な直線とコア112a1の中心とクラッド112bの中心とを通る仮想的な直線とがなす角の仮想的な二等分線と、(3)コア112a1の中心とコア112a2の中心を通る仮想的な直線とコア112a2の中心とクラッド112bの中心とを結ぶ仮想的な直線とがなす角の仮想的な二等分線と、(4)前記クラッドの外周に挟まれた領域(以下、領域Eとも記載する)に配置される。
【0126】
この場合、第1マルチコアファイバ111においては、上述した前者の効果及び後者の効果の両方を奏し得るが、特に条件ε1又は条件ε2の場合と比べて、マーカ111cがコア111a1または111a2から離間された位置に配置されるので、コア111a1または111a2の変形を抑制でき得る為、特に前者の効果が一層大きくなり得る。第2マルチコアファイバ112についても、同様のことがいえる。
【0127】
なお、条件ε1、条件ε2、条件ζ1又は条件ζ2に対して、第1マルチコアファイバ111の端面において、マーカ111cの少なくとも一部が領域Bまたは領域Dに配置される構成(以下、構成1とも記載する)、マーカ111cの全体が領域Bまたは領域Dに配置される構成(以下、構成2とも記載する)又はマーカ111cの少なくとも一部が領域Bと領域Dとの境界にまたがって配置される構成(以下、構成3とも記載する)を採用することもできる。構成1~構成3のいずれも前者の効果及び後者の効果を奏し得る。しかし、特に構成2の場合においてマーカ111cの全体が領域Bに配置される構成は、構成2の場合においてマーカ111cの全体が領域Dに配置される構成や構成3と比べて、マーカ111cがクラッド111bの外周から離間された位置に配置されるので、特に後者の効果が一層大きくなり得る。また、特に構成2の場合においてマーカ111cの全体が領域Dに配置される構成は、構成2の場合においてマーカ111cの全体が領域Bに配置される構成や構成3と比べて、マーカ111cがコア111a1または111a2から離間された位置に配置されるので、特に前者の効果が一層大きくなり得る。また、特に構成3は、構成2と比べて、マーカ111cがクラッド111bの外周及びコア111a1または111a2から離間された位置に配置されるので、前者の効果と後者の効果をバランスよく奏する事が可能となり得る。同様に、第2マルチコアファイバ112の端面において、マーカ112cの少なくとも一部が領域Cまたは領域Eに配置される構成、マーカ112cの全体が領域Cまたは領域Eに配置される構成を又はマーカ112cの少なくとも一部が領域Cと領域Eとの境界に配置される構成を採用することもできる。この場合に得られる効果は、上述した第1マルチコアファイバ111で得られる効果と同様である。
【0128】
〔付記事項1〕
本発明の第1の側面は上述した実施形態又は変形例に限定されるものではなく、本明細書に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態又は変形例にそれぞれ開示された各技術的手段が適宜組み合わされて得られる形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0129】
例えば、ファイバ接続体を構成する各マルチコアファイバのコア数は、4に限定されず、効果が得られる範囲で任意である。例えば、ファイバ接続体を構成する各マルチコアファイバのコア数は、5個であってもよいし、6個であってもよいし、7個であってもよいし、8個であってもよいし、9個であってもよい。
【0130】
また、本実施形態においては、第1マルチコアファイバのコア数と第2マルチコアファイバのコア数とが同数であり、第1マルチコアファイバの各コアが第2マルチコアファイバの何れかのコアに接続されると共に、第2マルチコアファイバの各コアが第1マルチコアファイバの各コアに接続される構成を採用しているが、これに限定されない。例えば、第1マルチコアファイバのコア数が第2マルチコアファイバのコア数よりも多い場合、第2マルチコアファイバの各コアが第1マルチコアファイバの何れかのコアに接続されていればよい。或いは、第2マルチコアファイバのコア数が第1マルチコアファイバのコア数よりも多い場合、第1マルチコアファイバの各コアが第2マルチコアファイバの何れかのコアに接続されていればよい。
【0131】
また、ファイバ接続体を構成する各マルチコアファイバのマーカ数は、1に限定されず、効果が得られる範囲で任意である。例えば、ファイバ接続体を構成する各マルチコアファイバのマーカ数は、2個であってもよいし、3個であってもよいし、4個であってもよいし、5個であってもよいし、6個であってもよい。マーカが複数である場合、第2マルチコアファイバのマーカの少なくとも何れか1つが第1マルチコアファイバのマーカ以外の部分に接続されていてもよいし、第1マルチコアファイバのマーカの少なくとも何れか1つが第2マルチコアファイバのマーカ以外の部分に接続されていてもよい。
【0132】
また、第2マルチコアファイバのマーカが第1マルチコアファイバのマーカ以外の部分に接続される構成には、第2マルチコアファイバのマーカの一部が第1マルチコアファイバのマーカ以外の部分に接続される構成も含まれる(ただし、第2マルチコアファイバのマーカが第1マルチコアファイバのマーカよりも大きく、第2マルチコアファイバのマーカが第1マルチコアファイバのマーカを真に包含する構成を除く)。同様に、第1マルチコアファイバのマーカが第2マルチコアファイバのマーカ以外の部分に接続される構成には、第1マルチコアファイバのマーカの一部が第2マルチコアファイバのマーカ以外の部分に接続される構成も含まれる(ただし、第1マルチコアファイバのマーカが第2マルチコアファイバのマーカよりも大きく、第1マルチコアファイバのマーカが第2マルチコアファイバのマーカを真に包含する構成を除く)。
【0133】
また、ファイバ接続体を構成する各マルチコアファイバに設けられるマーカの断面形状は、円形に限定されず、任意である。例えば、ファイバ接続体を構成する各マルチコアファイバに設けられるマーカの断面形状は、三角形であってもよいし、四角形であってもよいし、五角形であってもよいし、六角形であってもよい。
【0134】
また、ファイバ接続体を構成する各マルチコアファイバに設けられるマーカの材料は、石英ガラスに限定されず、任意である。例えば、ファイバ接続体を構成する各マルチコアファイバに設けられるマーカは、空孔であってもよい。この場合、マーカの屈折率(空気の屈折率)は、フッ素を添加した石英ガラスの屈折率よりも低くなる。したがって、この場合、より効果的にクロストークを低減することができる。
【0135】
また、ファイバ接続体を構成するマルチコアファイバ同士の接続方法は、融着による接続に限定されず、任意である。例えば、ファイバ接続体を構成するマルチコアファイバ同士の接続方法は、例えば、コネクタによる接続であってもよいし、接着剤による接続であってもよい。
【0136】
<第2の側面>
〔第2の側面の実施形態〕
〔ファイバ接続体〕
本発明の一実施形態に係るファイバ接続体について、図面に基づいて説明すれば以下のとおりである。なお、本実施形態に係るファイバ接続体は、複数のマルチコアファイバを接続することにより得られるものである。以下では、マルチコアファイバと、その接続箇所の2つの形態について説明した後、本実施形態に係るマルチコアファイバについて説明する。
【0137】
(マルチコアファイバ)
マルチコアファイバMFについて、図9を参照して説明する。図9において、(a)は、マルチコアファイバMFの側面図であり、(b)は、マルチコアファイバMFの一方の端面σ1を視線E1方向から見た正面図であり、(c)は、マルチコアファイバMFの他方の端面σ2を視線E2方向から見た正面図である。
【0138】
マルチコアファイバMFは、n個(nは2以上の自然数)のコアa1~anと、クラッドbと、を備えている。クラッドbは、円柱状の部材である。クラッドbは、例えば、石英ガラスにより構成される。各コアai(iは1以上n以下の自然数)は、クラッドbの内部に設けられた、クラッドbよりも屈折率の高い、クラッドbと同一方向に延在する円柱状の領域である。各コアaiは、例えば、ゲルマニウムなどのアップドーパントが添加された石英ガラスにより構成さる。なお、クラッドbは、柱状であればよく、その断面形状は、任意である。クラッドbの断面形状は、例えば、四角形や六角形などの多角形状であってもよいし、樽型であってもよい。また、クラッドbの断面形状は、特に限定されず、後述する軸L1に対してクラッド形状が対称であることが好ましい。これは、2つのマルチコアファイバMFを融着接続するときに対向する2つのマルチコアファイバMFのクラッド形状が概ね一致し、マルチコアファイバMFの溶融の際にクラッドの変形を抑制できる為である。
【0139】
端面σ1,σ2において、コアa1~anは、マルチコアファイバMFの中心軸L0と直交する軸L1に対して線対称に配置されている。また、端面σ1,σ2において、コアa1~anは、軸L1を避けるように配置されている。換言すれば、端面σ1,σ2において、コアa1~anは、軸L1以外の位置に配置されている。
【0140】
マルチコアファイバMFは、更に、マーカcを備えている。マーカcは、クラッドbの内部に設けられた、クラッドbとは屈折率の異なる、クラッドbと同一方向に延在する領域である。マーカcの断面形状は任意であり、例えば、円形状、三角形状、四角形状などである。マーカcは、例えば、フッ素やホウ素などのダウンドーパントが添加された石英ガラスにより構成される。この場合、マーカcの屈折率は、クラッドbの屈折率よりも低くなる。マーカcは、或いは、ゲルマニウム、アルミニウム、リン、塩素などのアップドーパントが添加された石英ガラスにより構成される。この場合、マーカcの屈折率は、クラッドbの屈折率よりも高くなる。マーカcの形成には、例えば、孔開法やスタック&ドロー法などを用いればよい。
【0141】
端面σ1,σ2において、マーカcの中心は、軸L1を避けるように配置されている。換言すれば、端面σ1,σ2において、マーカcの中心(幾何中心)は、軸L1以外の位置に配置されている。なお、マーカcは、その中心が軸L1を避けるように配置されていればよく、マーカcの一部が軸L1と重なっていても構わない。
【0142】
(断面構造のバリエーション)
マルチコアファイバMFの断面構造のバリエーションについて、図10を参照して説明する。
【0143】
図10の(a)は、第1の具体例(図9に示した具体例)に係るマルチコアファイバMFの端面σ1の正面図である。本具体例に係るマルチコアファイバMFは、正方形の頂点上に配置された4つのコアa1~a4を備えている。これら4つのコアa1~a4は、(1)上述した軸L1に対して線対称に配置されているとも言えるし、(2)軸L2に対して線対称に配置されているとも言える。ここで、軸L2は、マルチコアファイバMFの端面σ1において軸L1と直交する軸である。これら4つのコアa1~a4は、軸L1,L2を避けるように配置されている。換言すれば、軸L1,L2以外の位置に配置されている。なお、コアa1~a4が線対称の軸上に配置される構成も許せば、軸L1,L2と45°を成す不図示の対称軸が更に2本存在する。
【0144】
図10の(b)は、第2の具体例に係るマルチコアファイバMFの端面σ1の正面図である。本具体例に係るマルチコアファイバMFは、等脚台形の頂点上に配置された4つのコアa1~a4を備えている。これら4つのコアa1~a4は、軸L1に対して線対称に配置されていると言える。ここで、軸L1は、マルチコアファイバMFの中心軸に直交する軸である。これら4つのコアa1~a4は、この軸L1を避けるように配置されている。換言すれば、軸L1以外の位置に配置されている。
【0145】
図10の(c)は、マルチコアファイバMFの第3の具体例に係るマルチコアファイバMFの端面σ1の正面図である。本具体例に係るマルチコアファイバMFは、正六角形の頂点上に配置された6つのコアa1~a6を備えている。これら6つのコアa1~a6は、(1)軸L1に対して線対称に配置されていると言えるし、(2)軸L2に対して線対称に配置されているともの言えるし、(3)軸L3に対して線対称に配置されているともの言える。ここで、軸L1は、マルチコアファイバMFの中心軸に直交する軸である。軸L2は、マルチコアファイバMFの端面σ1において、軸L1のなす角が60°となる軸である。軸L3は、マルチコアファイバMFの端面σ1において、軸L1,L2との成す角がそれぞれ60°となる軸である。これら6つのコアa1~a6は、軸L1,L2,L3を避けるように配置されている。換言すれば、軸L1,L2,L3以外の位置に配置されている。なお、コアa1~a6が対称軸上に配置される構成も許せば、軸L1,L2,L3と30°を成す不図示の対称軸が更に3本存在する。
【0146】
図10の(d)は、マルチコアファイバMFの第4の具体例に係るマルチコアファイバMFの端面σ1の正面図である。本具体例に係るマルチコアファイバMFは、正六角形の頂点上に配置された6つのコアa1~a6と、その正六角形の中止に配置された1つのコアa7を備えている。これら7つのコアa1~a7は、(1)軸L1に対して線対称に配置されていると言えるし、(2)軸L2に対して線対称に配置されているともの言えるし、(3)軸L3に対して線対称に配置されているともの言える。ここで、軸L1は、マルチコアファイバMFの中心軸に直交する軸である。軸L2は、マルチコアファイバMFの端面σ1において、軸L1のなす角が60°となる軸である。軸L3は、マルチコアファイバMFの端面σ1において、軸L1,L2との成す角がそれぞれ60°となる軸である。これら7つのコアa1~a7のうち、正六角形の頂点上に配置された6つのコアa1~a6は、軸L1,L2,L3を避けるように配置されている。換言すれば、軸L1,L2,L3以外の位置に配置されて。これらのコアa1~a6は、後述するように、光信号を入力する用途、又は、光信号を出力する用途に適している。また、正六角形の中心上に配置された1つのコアa7は、軸L1,L2,L3上に配置されている。このコアa7は、光信号を入力する用途、又は、光信号を出力する用途に使ってもよいし、光信号の入出力を行わないダミーコアとしてもよい。言うまでもないことであるが、後述のファイバ接続体201の一方の端面211においてコアa7を光信号入力用とした場合、他方の端面212においてコアa7は光信号出力用となり、一方の端面211においてコアa7を光信号出力用とした場合、他方の端面212においてコアa7は光信号入力用となる。なお、コアa1~a6が対称軸上に配置される構成も許せば、軸L1,L2,L3と30°を成す不図示の対称軸が更に3本存在する。
【0147】
図10の(e)は、マルチコアファイバMFの第5の具体例に係るマルチコアファイバMFの端面σ1の正面図である。本具体例に係るマルチコアファイバMFは、正八角形の頂点上に配置された8つのコアa1~a8を備えている。これら8つのコアa1~a8は、(1)軸L1に対して線対称に配置されていると言えるし、(2)軸L2に対して線対称に配置されているともの言えるし、(3)軸L3に対して線対称に配置されているともの言えるし、(4)軸L4に対して線対称に配置されているとも言える。ここで、軸L1は、マルチコアファイバMFの中心軸に直交する軸である。軸L2は、マルチコアファイバMFの端面σ1において、軸L1のなす角が45°となる軸である。軸L3は、マルチコアファイバMFの端面σ1において、軸L2との成す角が45°となる軸である。軸L4は、マルチコアファイバMFの端面σ1において、軸L3,L1との成す角がそれぞれ45°となる軸である。これら8つのコアa1~a8は、軸L1,L2,L3,L4を避けるように配置されている。換言すれば、軸L1,L2,L3,L4以外の位置に配置されている。なお、コアa1~a8が対称軸上に配置される構成も許せば、軸L1,L2,L3,L4と22.5°を成す不図示の対称軸が更に4本存在する。
【0148】
図10の(f)は、マルチコアファイバMFの第6の具体例に係るマルチコアファイバMFの端面σ1の正面図である。本具体例に係るマルチコアファイバMFは、2行4列の行列状に配置された8つのコアa1~a8を備えている。これら8つのコアa1~a8は、(1)軸L1に対して線対称に配置されていると言えるし、(2)軸L2に対して線対称に配置されているともの言える。ここで、軸L1は、マルチコアファイバMFの中心軸に直交し、且つ、コアa1~a8の列方向に平行な軸であり、軸L2は、マルチコアファイバMFの中心軸に直交し、且つ、コアa1~a8の行方向に平行な軸である。これら8つのコアa1~a8は、軸L1,L2を避けるように配置されている。換言すれば、軸L1,L2以外の位置に配置されている。
【0149】
(マルチコアファイバの接続箇所)
2本のマルチコアファイバMFの接続箇所について、図11図13を参照して説明する。以下、接続される2本のマルチコアファイバMFのうち、一方をマルチコアファイバMF1と記載し、他方をマルチコアファイバMF2と記載する。マルチコアファイバMF1,MF2は、断面構造が共通のマルチコアファイバである。マルチコアファイバMF1,MF2の接続は、融着接続であってもよいし、コネクタを用いた接続であってもよし、接着剤を用いた接続であってもよい。
【0150】
マルチコアファイバMF1,MF2の接続箇所には、通常接続の接続箇所と反転接続の接続箇所とがある。
【0151】
図11は、通常接続の接続箇所を示す図であり、(a)は、マルチコアファイバMF1,MF2の側面図、(b)は、マルチコアファイバMF1の端面σ2を視線E2方向から見た正面図、(c)は、マルチコアファイバMF2の端面σ1を視線E1方向から見た正面図である。通常接続の接続箇所は、マルチコアファイバMF1の端面σ2とマルチコアファイバMF2の端面σ1とを接続する接続箇所、又は、マルチコアファイバMF1の端面σ1とマルチコアファイバMF2の端面σ2とを接続する接続箇所である(図11は前者)。通常接続の接続箇所は、以下の条件を満たす。
【0152】
条件1:マルチコアファイバMF2の端面σ1の各コアa1~anは、マルチコアファイバMF1の端面σ2の各コアa1~anと重なる。具体的には、(1)マルチコアファイバMF2の端面σ1のコアa1は、マルチコアファイバMF1の端面σ2のコアa1と重なり、(2)マルチコアファイバMF2の端面σ1のコアa2は、マルチコアファイバMF1の端面σ2のコアa2と重なり、(3)マルチコアファイバMF2の端面σ1のコアa3は、マルチコアファイバMF1の端面σ2のコアa3と重なり、(4)マルチコアファイバMF2の端面σ1のコアa4は、マルチコアファイバMF1の端面σ2のコアa4と重なる。
【0153】
条件2a:マルチコアファイバMF2の端面σ1のマーカcは、マルチコアファイバMF1の端面σ2のマーカcと重なる。
【0154】
通常接続は、一言で言えば、コアa1~anが光学結合し、且つ、マーカcが繋がる接続態様である。
【0155】
図12は、反転接続の接続箇所を示す図であり、(a)は、マルチコアファイバMF1,MF2の側面図、(b)は、マルチコアファイバMF1の端面σ2を視線E2方向から見た正面図、(c)は、マルチコアファイバMF2の端面σ2を視線E1方向から見た正面図である。反転接続の接続箇所は、マルチコアファイバMF1の端面σ2とマルチコアファイバMF2の端面σ2とを接続する接続箇所、又は、マルチコアファイバMF1の端面σ1とマルチコアファイバMF2の端面σ1とを接続する接続箇所である(図12は前者)。反転接続の接続箇所は、以下の条件を満たす。
【0156】
条件1:マルチコアファイバMF2の端面σ2の各コアa1~anは、マルチコアファイバMF1の端面σ2の各コアa1~anと重なる。具体的には、(1)マルチコアファイバMF2の端面σ2のコアa1は、マルチコアファイバMF1の端面σ2のコアa4と重なり、(2)マルチコアファイバMF2の端面σ2のコアa2は、マルチコアファイバMF1の端面σ2のコアa3と重なり、(3)マルチコアファイバMF2の端面σ2のコアa3は、マルチコアファイバMF1の端面σ2のコアa2と重なり、(4)マルチコアファイバMF2の端面σ2のコアa4は、マルチコアファイバMF1の端面σ2のコアa1と重なる。
【0157】
条件2b:マルチコアファイバMF2の端面σ2のマーカcは、マルチコアファイバMF1の端面σ2において軸L1に対してマルチコアファイバMF1のマーカcと線対称な位置xと重なる。
【0158】
反転接続は、一言で言えば、コアa1~anが光学結合し、且つ、マーカcが繋がらない接続態様である。
【0159】
なお、反転接続は、コアa1~anの線対称の軸ごとに定義される。例えば、図10の(a)に示す断面構造を有するマルチコアファイバMF1,MF2において、コアa1~a4は、軸L1に対して線対称であると共に、軸L2に対して線対称である。したがって、これらのマルチコアファイバMF1,MF2は、図12に示す軸L1に対する反転接続の他に、図13に示す軸L2に対する反転接続が可能である。
【0160】
図13は、反転接続の接続箇所を示す図であり、(a)は、マルチコアファイバMF1,MF2の側面図、(b)は、マルチコアファイバMF1の端面σ2を視線E2方向から見た正面図、(c)は、マルチコアファイバMF2の端面σ2を視線E1方向から見た正面図である。反転接続の接続箇所は、マルチコアファイバMF1の端面σ2とマルチコアファイバMF2の端面σ2とを接続する接続箇所、又は、マルチコアファイバMF1の端面σ1とマルチコアファイバMF2の端面σ1とを接続する接続箇所である(図13は前者)。反転接続の接続箇所は、以下の条件を満たす。
【0161】
条件1:マルチコアファイバMF2の端面σ1の各コアa1~anは、マルチコアファイバMF1の端面σ2の各コアa1~anと重なる。具体的には、(1)マルチコアファイバMF2の端面σ2のコアa1は、マルチコアファイバMF1の端面σ2のコアa2と重なり、(2)マルチコアファイバMF2の端面σ2のコアa2は、マルチコアファイバMF1の端面σ2のコアa1と重なり、(3)マルチコアファイバMF2の端面σ2のコアa3は、マルチコアファイバMF1の端面σ2のコアa4と重なり、(4)マルチコアファイバMF2の端面σ2のコアa4は、マルチコアファイバMF1の端面σ2のコアa3と重なる。
【0162】
条件2b:マルチコアファイバMF2の端面σ2のマーカcは、マルチコアファイバMF1の端面σ2において軸L2に対してマルチコアファイバMF1のマーカcと線対称な位置xと重なる。
【0163】
(ファイバ接続体)
本実施形態に係るファイバ接続体201について、図14を参照して説明する。
【0164】
図14の(a)は、本実施形態に係るファイバ接続体201の側面図である。ファイバ接続体201は、m本(mは2以上の自然数)のマルチコアファイバMFを接続することにより得られるファイバ接続体である。以下、ファイバ接続体201を構成するマルチコアファイバMFを、マルチコアファイバMF1、マルチコアファイバMF2、…、マルチコアファイバMFmとも記載する。マルチコアファイバMF1~MFmは、断面構造が共通のマルチコアファイバである。マルチコアファイバMF1~MFmの接続は、融着接続であってもよいし、コネクタを用いた接続であってもよし、接着剤を用いた接続であってもよい。
【0165】
ファイバ接続体201は、m本のマルチコアファイバMF1~MFmにより構成されている。したがって、ファイバ接続体201には、m-1個の接続箇所CP1~CPm-1が含まれている。接続箇所CPi(iは1以上m-1以下の自然数)は、マルチコアファイバMFiとマルチコアファイバMFi+1の接続により生じる接続箇所である。ファイバ接続体201の特徴は、これらm-1個の接続箇所CP1~CPm-1のうち、奇数個の接続箇所が特定の軸に対する反転接続の接続箇所である点にある。本実施形態において、それ以外の接続箇所は、すべて通常接続の接続箇所であるとする。ただし、それ以外の接続箇所に、別の特定の軸に対する反転接続の接続箇所が偶数個含まれていても構わない。
【0166】
この特徴により、ファイバ接続体201の端面211,212は、両方がマルチコアファイバMFの端面σ1になるか、又は、両方がマルチコアファイバMFの端面σ2になるか、の何れかになる。
【0167】
図14の(b)及び(c)は、ファイバ接続体201の両端面211,212がマルチコアファイバMFの端面σ1になる場合に関するものである。図14の(b)は、視線E1方向から見たファイバ接続体201の一方の端面211の正面図であり、図14の(c)は、視線E2方向から見たファイバ接続体201の他方の端面212の正面図である。
【0168】
この場合、(1)前段に位置するマルチコアファイバ(ここでは、例えばマルチコアファイバMF1)のコアa1は、後段に位置するマルチコアファイバ(ここでは、例えばマルチコアファイバMF2)のコアa4と光学結合し、(2)前段に位置するマルチコアファイバ(ここでは、例えばマルチコアファイバMF1)のコアa2は、後段に位置するマルチコアファイバ(ここでは、例えばマルチコアファイバMF2)のコアa3と光学結合し、(3)前段に位置するマルチコアファイバ(ここでは、例えばマルチコアファイバMF1)のコアa3は、後段に位置するマルチコアファイバ(ここでは、例えばマルチコアファイバMF2)のコアa2と光学結合し、(4)前段に位置するマルチコアファイバ(ここでは、例えばマルチコアファイバMF1)のコアa4は、後段に位置するマルチコアファイバ(ここでは、例えばマルチコアファイバMF2)コアa1と光学結合する。
【0169】
図14の(d)及び(e)は、ファイバ接続体201の両端面211,212がマルチコアファイバMFの端面σ2になる場合に関するものである。図14の(d)は、視線E1方向から見たファイバ接続体201の一方の端面211の正面図であり、図14の(e)は、視線E2方向から見たファイバ接続体201の他方の端面212の正面図である。
【0170】
この場合、(1)マルチコアファイバMF1のコアa1は、マルチコアファイバMFmのコアa4と光学結合し、(2)マルチコアファイバMF1のコアa2は、マルチコアファイバMFmのコアa3と光学結合し、(3)マルチコアファイバMF1のコアa3は、マルチコアファイバMFmのコアa2と光学結合し、(4)マルチコアファイバMF1のコアa4は、マルチコアファイバMFmのコアa1と光学結合する。
【0171】
(ファイバ接続体の効果)
ファイバ接続体201の奏する効果について、図15を参照して説明する。図15の(a)及び(b)は、図14の(b)及び(c)と同様、ファイバ接続体201の両端面211,212がマルチコアファイバMFの端面σ1になる場合に関するものである。図15の(a)は、視線E1方向から見たファイバ接続体201の一方の端面211の正面図であり、図15の(b)は、視線E2方向から見たファイバ接続体201の他方の端面212の正面図である。
【0172】
ファイバ接続体201の両端面211,212において、マーカcからの距離に応じてコアa1~a4を識別することを考える。ここでは、図15に示すように、マーカcに最も近いコアa1に識別子「1」、マーカcに二番目に近いコアa4に識別子「2」、マーカcに三番目に近いコアa2に識別子「3」、マーカcから最も遠いコアa3に識別子「4」を付与するものとする。すなわち、上述した線対称の軸以外に配置されたコアについて、ファイバ接続体201の両端面211,212において識別子からの距離に基づいてコアを識別した場合、互いに線対称の関係にあるコアに同じ識別子を付与するものとする。
【0173】
そうすると、ファイバ接続体201の一方の端面211において識別子「1」を付与されたコアa1は、ファイバ接続体201の他方の端面212において識別子「2」を付与されたコアa4と光学結合する。また、ファイバ接続体201の一方の端面211において識別子「2」を付与されたコアa4は、ファイバ接続体201の他方の端面212において識別子「1」を付与されたコアa1と光学結合する。また、ファイバ接続体201の一方の端面211において識別子「3」を付与されたコアa2は、ファイバ接続体201の他方の端面212において識別子「4」を付与されたコアa3と光学結合する。また、ファイバ接続体201の一方の端面211において識別子「4」を付与されたコアa3は、ファイバ接続体201の他方の端面212において識別子「3」を付与されたコアa2と光学結合する。
【0174】
このように、ファイバ接続体201においては、両端面211,212において、同じ識別子を付与されたコア同士が光学結合するのではなく、互換の関係(1←→2、3←→4)にある識別子を付与されたコア同士が光学結合することになる。したがって、コアa1~a4を互いに相補的な2つの目的(例えば、光入力及び光出力)に用いる場合、同じ識別子が付与されたコアを同じ目的に用いたときに、互いに相補的な目的に用いられるコア同士を光学結合させることができる。このため、互いに連通するコアの両端が入力用となったり、互いに連通するコアの両端が出力用となったりすることがない。したがって、上記の構成によれば、従来よりも取り扱いに優れたファイバ接続体201を実現することができる。なお、この効果は、コアa1~anのうち、対称軸L1を避けて配置されたコア(全てのコアa1~anが対称軸を避けて配置されている場合には、全てのコア)について成り立つ。また、全てのコアa1~anが対称軸を避けて配置されている場合には、全てのコアa1~anが対称軸を避けて配置されている場合と比べて、従来よりも一層取り扱いに優れたファイバ接続体201を実現することができる。
【0175】
例えば、両端面211,212において、識別子「1」が付与されたコアを第1光信号の入力に用い、識別子「2」が付与されたコアを第1光信号の出力に用い、識別子「3」が付与されたコアを第2光信号の出力に用い、識別子「4」が付与されたコアを第2光信号の入力に用いるものとする。
【0176】
そうすると、ファイバ接続体201においては、一方の端面211において識別子「1」が付与された、第1光信号の入力用のコアa1は、他方の端面212において識別子「2」が付与された、第1光信号の出力用のコアa4と光学結合するので、通信が成立する。同様に、一方の端面211において識別子「2」が付与された、第1光信号の出力用のコアa4は、他方の端面212において識別子「1」が付与された、第1光信号の入力用のコアa1と光学結合するので、通信が成立する。同様に、一方の端面211において識別子「3」が付与された、第2光信号の出力用のコアa2は、他方の端面212において識別子「4」が付与された、第2光信号の入力用のコアa3と光学結合するので、通信が成立する。同様に、一方の端面211において識別子「4」が付与された、第2光信号の入力用のコアa3は、他方の端面212において識別子「3」が付与された、第2光信号の出力用のコアa2と光学結合するので、通信が成立する。なお、コアa1~a4については、両端面211,212において、第1光信号の入力用のコアと第2光信号の入力用のコアとが対角に配置され、かつ、第1光信号の出力用のコアと第2光信号の出力用のコアとが対角に配置されるように決定することが好ましい。これにより、一方の端面から他法の端面に向かって第1光信号と第2光信号とが伝搬するコアの間隔を広くすることができる。したがって、端面211側から端面212側に又は端面212側から端面211側に第1光信号又は第2光信号が伝搬する場合に、特定のコアを伝搬する当該第1光信号又は当該第2光信号が、当該第1光信号又は当該第2光信号と同種の光信号が伝搬可能なコアであって当該特定のコアとは異なるコアへの伝搬を抑制できる。以上により、第1光信号と第2光信号とのクロストークを低減することができる。
【0177】
なお、ここでは、ファイバ接続体201の両端面211,212がマルチコアファイバMFの端面σ1になる場合について、ファイバ接続体201の奏する効果を説明したが、ファイバ接続体201の両端面211,212がマルチコアファイバMFの端面σ2になる場合についても、同様の効果が得られる。また、ここでは、軸L1に対する反転接続の接続箇所が奇数個存在する場合について、ファイバ接続体201の奏する効果を説明したが、軸L2に対する反転接続の接続箇所が奇数個存在する場合についても、同様の効果が得られる。
【0178】
また、ファイバ接続体201の両端にファンイン/ファンアウトデバイスまたはトランシーバを接続する場合、以下のような効果を奏する。すなわち、全ての接続箇所が通常接続である従来のファイバ接続体の両端にファンイン/ファンアウトデバイスまたはトランシーバを接続する場合、ポート配置構造の異なるファンイン/ファンアウトデバイス若しくはトランシーバを用意するか、又は、各ポートの用途を切り替え可能なファンイン/ファンアウトデバイス若しくはトランシーバを用意する必要がある。したがって、前者の場合には、部品点数が増えるという問題を生じ、後者の場合には、構造が複雑化するという問題を生じる。これに対して、奇数個の接続箇所が反転接続であるファイバ接続体201の両端にファンイン/ファンアウトデバイスを接続する場合、後述するように、ポート配置構造が共通のファンイン/ファンアウトデバイスであっても、一方のファンイン/ファンアウトデバイスの送信ポートが他方のファンイン/ファンアウトデバイスの受信ポートに接続されるので、ポート配置構造の異なるファンイン/ファンアウトデバイスを用意したり、各ポートの用途を切り替え可能なファンイン/ファンアウトデバイスを用意したりする必要がない。したがって、ファイバ接続体201を用いることによって、従来よりも少ない部品点数で、又は、従来よりも簡単な構成で通信システムを実現することが可能になる。ここで、ファイバ接続体201の両端にトランシーバを接続する場合についても、同様の効果が得られる。ここで、上述したポート配置構造の詳細については後述する。
【0179】
(ファイバ接続体の変形例)
ファイバ接続体201の第1の変形例(以下、ファイバ接続体201Aと記載する)について、図16を参照して説明する。図16において、(a)は、ファイバ接続体201Aの側面図であり、(b)は、マルチコアファイバMF1のマルチコアファイバMF2側の端面(σ1)を視線E2方向から見た正面図であり、(c)は、マルチコアファイバMF2のマルチコアファイバMF1側の端面(σ1)を視線E1方向から見た正面図である。
【0180】
ファイバ接続体201Aは、各マルチコアファイバMFがフェルールdとフレームeとを両端に備えている点において、ファイバ接続体201と異なる。フェルールdは、クラッドbの外側面を覆う円筒状の構造体であり、フレームeは、フェルールdの外側面を覆う円筒状の構造体である。フレームeには、キーfが設けられている。キーfは、フレームeの外側面に設けられた凸状の構造である。フェルールd及びフレームeは、マルチコアファイバMF1,MFmを覆うジャケットの一例である。
【0181】
キーfは、図14の(b)及び(c)に示すように、コアa1~anの線対称の軸L1上に配置されていている。これにより、マルチコアファイバMF1とマルチコアファイバMF2とを、それぞれの有するキーfの位置が合うように接続することによって、通常接続又は反転接続(図16の場合は反転接続)を容易に実現することができる。なお、マルチコアファイバMF1とマルチコアファイバMF2との接続は、例えば、以下のように行われる。まず、マルチコアファイバMF1側のフレームeのキーfの位置とマルチコアファイバMF2側のフレームeのキーfの位置とを揃える。次に、不図示のアダプタの接続キー溝にそれぞれのキーfを嵌合させて位置合わせした上で、マルチコアファイバMF1側のフレームeとマルチコアファイバMF2側のフレームとを互いに接続する。
【0182】
なお、ここでは、全ての接続箇所CPi(iは1以上m-1以下の自然数)について、マルチコアファイバMFiのマルチコアファイバMFi+1側の端面近傍とマルチコアファイバMFi+1のマルチコアファイバMFi側の端面近傍とにキーfが設けられている構成について説明したが、これに限定されない。少なくとも1つの接続箇所CPiについて、マルチコアファイバMFiのマルチコアファイバMFi+1側の端面近傍とマルチコアファイバMFi+1のマルチコアファイバMFi側の端面近傍とにキーfが設けられていれば、それらのマルチコアファイバMFi,MFの通常接続又は反転接続を容易に行うことができる。また、マルチコアファイバMF1の端面211の近傍、及び/又は、マルチコアファイバmの端面212の近傍にキーfを設けてもよい。
【0183】
〔光通信システム〕
ファイバ接続体201を含む光通信システム210について、図17を参照して説明する。
【0184】
図17の(a)は、光通信システム210の側面図である。光通信システム210は、ファイバ接続体201と、ファイバ接続体201の一方の端面211に接続された第1トランシーバ202と、ファイバ接続体201の他方の端面に接続された第2トランシーバ203と、を備えている。また、第1トランシーバ202は光入出力素子202aを備えており、第2トランシーバ203は光入出力素子203aを備えている。
【0185】
図17の(b)は、ファイバ接続体201の端面211を視線E1方向から見た正面図であり、図17の(c)は、ファイバ接続体201の端面212を視線E2方向から見た正面図である。図17の(d)は、第1トランシーバ202の光入出力素子202aを視線E2方向から見た正面図であり、図17の(e)は、第2トランシーバ203の光入出力素子203aを視線E1方向から見た正面図である。光入出力素子202a,203aは、それぞれ、第1光信号を送信する送信ポートTx1、第1光信号を受信する受信ポートRx1、第2光信号を送信する送信ポートTx2、及び、第2光信号を受信する受信ポートRx2を備えている。送信ポートTx1と受信ポートRx1とが第1のペアを構成するポートであり、送信ポートTx2と受信ポートRx2とが第2のペアを構成するポートである。また、送信ポートTx1、受信ポートRx1、送信ポートTx2、受信ポートRx2を備えたポート配置構造は、光入出力素子202a,203aの端面において共通の構造となっている。
【0186】
ファイバ接続体201を用いることにより、第1トランシーバ202の光入出力素子202aにおけるポート配置構造と第2トランシーバ203の光入出力素子203aにおけるポート配置構造とが共通化された光通信システム210を実現することができる。したがって、第1トランシーバ202の光入出力素子202aと第2トランシーバ203の光入出力素子203aとを、同一部品とすることができる。したがって、より部品点数が少ない、又は、より簡易な構成を備える光通信システム210を実現することが可能になる。ここで、ポート配置構造が共通であるとは、例えば、それぞれの光入出力素子に振られる識別番号が付与されたラベル又はタグが同じことを指す。
【0187】
実際、(1)端面211のコアa1は、端面212のコアa4と光学結合し、(2)端面211のコアa4は、端面212のコアa1と光学結合し、(3)端面211のコアa2は、端面212のコアa3と光学結合し、(4)端面211のコアa3は、端面212のコアa2と光学結合する。このため、光入出力素子202a,203aにおいて送信ポートTx1,受信ポートRx1、送信ポートTx2,及び、受信ポートRx2の配置を共通化しても、通信を成立させることができる。
【0188】
なぜなら、(1)ファイバ接続体201の一方の端面211において光入出力素子202aの送信ポートTx1に接続されるコアa1は、ファイバ接続体201の他方の端面212において光入出力素子203aの受信ポートRx1に接続されるコアa4と光学結合し、(2)ファイバ接続体201の一方の端面211において光入出力素子202aの受信ポートRx1に接続されるコアa4は、ファイバ接続体201の他方の端面212において光入出力素子203aの送信ポートTx1に接続されるコアa1と光学結合し、(3)ファイバ接続体201の一方の端面211において光入出力素子202aの受信ポートRx2に接続されるコアa2は、ファイバ接続体201の他方の端面212において光入出力素子203aの送信ポートTx2に接続されるコアa3と光学結合し、(4)ファイバ接続体201の一方の端面211において光入出力素子202aの送信ポートTx2に接続されるコアa3は、ファイバ接続体201の他方の端面212において光入出力素子203aの受信ポートRx2に接続されるコアa2と光学結合するからである。これは、ファイバ接続体201の上述した特徴により奏される効果である。
【0189】
〔光デバイス〕
ファイバ接続体201を含む光デバイス220について、図18を参照して説明する。
【0190】
図18の(a)は、光デバイス220のブロック図である。光デバイス220は、ファイバ接続体201と、ファイバ接続体201の一方の端面211に接続された第1ファンイン/ファンアウトデバイス204と、ファイバ接続体201の他方の端面212に接続された第2ファンイン/ファンアウトデバイス205と、を備えている。また、第1ファンイン/ファンアウトデバイス204および第2ファンイン/ファンアウトデバイス205は、それぞれ、光路変換部204a、205aと、光路変換部204a、205aと接続されたシングルコアファイバと、当該シングルコアファイバと接続された4つのコネクタとを備えている。
【0191】
図18の(b)は、ファイバ接続体201の端面211を視線E1方向から見た正面図であり、図18の(c)は、ファイバ接続体201の端面212を視線E2方向から見た正面図である。図18の(d)は、第1ファンイン/ファンアウトデバイス204の光路変換部204aの端面を視線E2方向から見た正面図であり、図18の(e)は、第2ファンイン/ファンアウトデバイス205の光路変換部205aを視線E1方向から見た正面図である。光路変換部204a,205aは、それぞれ、第1光信号を送信する第1送信コネクタに接続された送信ポートTx1、第1光信号を受信する第1受信コネクタに接続された受信ポートRx1、第2光信号を送信する第2送信コネクタに接続された送信ポートTx2、及び、第2光信号を受信する第2受信コネクタに接続された受信ポートRx2を備えている。ここで、送信ポートTx1、受信ポートRx1、送信ポートTx2、受信ポートRx2を備えたポート配置構造は、光路変換部204a,205aの端面において共通の構造となっている。
【0192】
ファイバ接続体201を用いることにより、第1ファンイン/ファンアウトデバイス204の光路変換部204aにおけるポート配置構造と第2ファンイン/ファンアウトデバイス205の光路変換部205aにおけるポート配置構造とが、共通化された光デバイス220を実現することができる。その理由は、光通信システム210において、第1トランシーバ202の光入出力素子202aにおけるポート配置構造と第2トランシーバ203の光入出力素子203aにおけるポート配置構造とを共通化することができる理由と同様である。ここで、ポート配置構造が共通であるとは、例えば、それぞれのコネクタに振られる識別番号が付与されたラベル又はタグが同じことやリボンファイバ又は多芯コネクタの場合にファイバの並び順が同じことを指す。したがって、より部品点数が少ない、又は、より簡易な構成を備える光デバイス220を実現することが可能になる。
【0193】
なお、ここでは、ファンイン/ファンアウトデバイス204,205として、マルチコアファイバの構成を備えたピグテールファイバを持たないファンイン/ファンアウトデバイスを用いたが、これに限定されない。例えば、ファンイン/ファンアウトデバイスと204,205として、マルチコアファイバの構成を備えたピグテールファイバが接続されたファンイン/ファンアウトデイバスであってもよい。この場合、上述した効果と同様の効果が得られる。また、コア配列構造を識別可能なピグテールファイバが接続されたファンイン/ファンアウトデバイス204,205を用いた方が、ポート配置構造が互いに共通化されたファンイン/ファンアウトデバイス204,205を実現できる。これにより、より部品点数が少ない、又は、より簡易な構成を備える光デバイス220を実現することが可能になる。また、当該コア配列構造を確認するだけでファンイン/ファンアウトデバイス204,205のポート配置構造を容易に識別できる。ここで、コア配列構造を識別可能なピグテールファイバとは、例えば、ピグテールファイバの端面にマーカが備えられたファイバ、ピグテールファイバの周囲を覆うジャケットにキーが備えられたファイバ、ピグテールファイバの周囲に識別情報を備えたファイバ等が挙げられる。また、ファンイン/ファンアウトデバイス204,205の方式は特に限定されず、例えば、溶融延伸型、空間結合型、ファイババンドル型、平面導波路型等が挙げられる。
【0194】
〔付記事項2〕
本発明の第2の側面は上述した実施形態又は変形例に限定されるものではなく、本明細書に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態又は変形例にそれぞれ開示された各技術的手段が適宜組み合わされて得られる形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0195】
(まとめ1)
本発明の第1の側面の態様1に係るファイバ接続体は、複数のコアと少なくとも1つの第1マーカとがクラッドの内部に配置された第1マルチコアファイバと、複数のコアと少なくとも1つの第2マーカとがクラッドの内部に配置された第2マルチコアファイバであって、一方の端面が前記第1マルチコアファイバの一方の端面と接続された第2マルチコアファイバと、を少なくとも備え、前記第2マルチコアファイバの各コアが前記第1マルチコアファイバの何れかのコアに接続されているか、又は、前記第1マルチコアファイバの各コアが前記第2マルチコアファイバの何れかのコアに接続されており、前記第2マルチコアファイバの前記第2マーカの少なくとも何れか1つが前記第1マルチコアファイバの前記第1マーカ以外の部分に接続されているか、又は、前記第1マルチコアファイバの前記第1マーカの少なくとも何れか1つが前記第2マルチコアファイバの前記第2マーカ以外の部分に接続されている、ことを特徴とする。
【0196】
本発明の第1の側面の態様2に係るファイバ接続体においては、態様1の構成に加えて、前記第1マルチコアファイバ及び前記第2マルチコアファイバにおけるコアの個数は2以上であり、前記第2マルチコアファイバにおいて前記第2マーカに最も近いコアが、前記第1マルチコアファイバのコアのうち、前記第1マルチコアファイバにおいて前記第1マーカに最も近いコア以外のコアに接続されている、という構成が採用されている。
【0197】
本発明の第1の側面の態様3に係るファイバ接続体においては、態様1の構成に加えて、前記第1マルチコアファイバ及び前記第2マルチコアファイバにおけるコアの個数は3以上であり、前記第2マルチコアファイバのコアのペアのうち、前記第2マーカに最も近いコアと次に近いコアとのペア、又は、前記第2マーカに最も近い2つのコアのペアが、前記第1マルチコアファイバのコアのペアのうち、前記第1マーカに最も近いコアと次に近いコアとのペア以外のペア、又は、前記第1マーカに最も近い2つのコアのペア以外のペアに接続されている、という構成が採用されている。
【0198】
本発明の第1の側面の態様4に係るファイバ接続体においては、態様3の構成に加えて、前記第1マーカの屈折率は、前記第1マルチコアファイバの前記クラッドの屈折率よりも低く、前記第2マーカの屈折率は、前記第2マルチコアファイバの前記クラッドの屈折率よりも低い、という構成が採用されている。
【0199】
本発明の第1の側面の態様5に係るファイバ接続体においては、態様1~4の何れかの構成に加えて、複数のコアと第3マーカとがクラッドの内部に配置された第3マルチコアファイバであって、一方の端面が前記第2マルチコアファイバの他方の端面と接続された第3マルチコアファイバを更に備え、前記第1マルチコアファイバ及び前記第3マルチコアファイバにおけるコアの個数が、n(nは2以上の自然数)であり、各マルチコアファイバにおけるコアの序数が、マーカに最も近いコアが1番目となり、且つ、当該マーカに次に近いコアが2番目となるように、コアの並び順に従って決められている場合、前記第3マルチコアファイバのi番目(iは1以上n以下の自然数)のコアは、前記第2マルチコアファイバのコアのうち、第1マルチコアファイバのi番目のコアと接続されたコアに接続されている、という構成が採用されている。
【0200】
本発明の第1の側面の態様6に係るファイバ接続体においては、態様1~4の何れかの構成に加えて、複数のコアと第3マーカとがクラッドの内部に配置された第3マルチコアファイバであって、一方の端面が前記第2マルチコアファイバの他方の端面と接続された第3マルチコアファイバを更に備え、前記第3マルチコアファイバにおいて前記第3マーカに最も近いコアは、(1)前記第2マルチコアファイバのコアのうち、前記第2マーカに最も近いコア以外のコアであって、(2)前記第2マルチコアファイバのコアのうち、前記第1マルチコアファイバにおいて前記第1マーカに最も近いコアに接続されたコア以外のコアに接続されている、という構成が採用されている。
【0201】
本発明の第1の側面の態様7に係るファイバ接続体においては、態様1~6の何れかの構成に加えて、前記第1マルチコアファイバにおいて、前記第1マーカは、前記第1マーカから各コアまでの距離が全て異なるように配置されており、前記第2マルチコアファイバにおいて、前記第2マーカは、前記第2マーカから各コアまでの距離が全て異なるように配置されている、という構成が採用されている。
【0202】
本発明の第1の側面の態様8に係るファイバ接続体においては、態様1~7の何れかの構成に加えて、前記第1マルチコアファイバの前記第2マルチコアファイバ側の端部に設けられた第1フレームと、前記第2マルチコアファイバの前記第1マルチコアファイバ側の端部に設けられた第2フレームと、を更に備え、前記第1フレームの表面に設けられた接続キーの位置が前記第1マーカに最も近いコアの位置に揃えられ、前記第2フレームの表面に設けられた接続キーの位置が前記第2マーカに最も近いコアの位置に揃えられている、という構成が採用されている。
【0203】
本発明の第1の側面の態様9に係るファイバ接続体の製造方法は、複数のコアと少なくとも1つの第1マーカとがクラッドの内部に配置された第1マルチコアファイバと、複数のコアと少なくとも1つの第2マーカとがクラッドの内部に配置された第2マルチコアファイバと、を備えたファイバ接続体の製造方法であって、前記第2マルチコアファイバの各コアが前記第1マルチコアファイバの何れかのコアに接続されるか、又は、前記第1マルチコアファイバの各コアが前記第2マルチコアファイバの何れかのコアに接続されるように、且つ、前記第2マルチコアファイバの前記第2マーカの少なくとも何れか1つが前記第1マルチコアファイバの前記第1マーカ以外の部分に接続されるか、又は、前記第1マルチコアファイバの前記第1マーカの少なくとも何れか1つが前記第2マルチコアファイバの前記第2マーカ以外の部分に接続されるように、前記第2マルチコアファイバの一方の端面を前記第1マルチコアファイバの一方の端面に接続する工程を含んでいる、ことを特徴とする。
【0204】
(まとめ2)
本発明の第2の側面の態様1に係るファイバ接続体は、コア配置が共通する複数のマルチコアファイバが接続されたファイバ接続体であって、各マルチコアファイバは、クラッドと、前記クラッドの内部に線対称に配置された複数のコアと、マーカと、を含む端面を有し、前記マーカの中心が前記複数のコアの対称軸以外の位置に配置され、互いに隣接するマルチコアファイバの一方の端面を第1端面、他方の端面を第2端面として、(1)前記第1端面の前記複数のコアの各々が、前記第2端面の前記複数のコアの各々と重なるという条件、及び、(2)前記第1端面の前記マーカが、前記第2端面において前記対称軸に対して前記第2端面の前記マーカと線対称な位置と重なるという条件を満たす接続箇所の個数が奇数個である、ことを特徴とする。
【0205】
本発明の第2の側面の態様2に係るファイバ接続体においては、態様1の構成に加えて、前記複数のコアは、何れも前記対称軸以外の位置に配置されている、という構成が採用されている。
【0206】
本発明の第2の側面の態様3に係るファイバ接続体においては、態様1又は2の構成に加えて、互いに隣接する前記マルチコアファイバを第1マルチコアファイバ及び第2マルチコアファイバとして、前記第1マルチコアファイバの側面を覆うジャケットの外側にキーが設けられると共に、前記第2マルチコアファイバの側面を覆うジャケットの外側にキーが設けられている、という構成が採用されている。
【0207】
本発明の第2の側面の態様4に係るファイバ接続体においては、態様1~3の何れかの構成に加えて、当該ファイバ接続体の両方の端面において、光信号の入力に用いるコア同士が対角に配置され、且つ、光信号の出力に用いるコア同士が対角に配置されるように、前記複数のコアの用途が定められている、という構成が採用されている。
【0208】
本発明の第2の側面の態様5に係る光通信システムは、態様1~4の何れかのファイバ接続体と、前記ファイバ接続体の一端側に設けられた第1トランシーバと、前記ファイバ接続体の他端側に設けられた第2トランシーバと、を備えており、前記第1トランシーバのポート配置構造と前記第2トランシーバのポート配置構造とが同一である、という構成が採用されている。
【0209】
本発明の第2の側面の態様6に係る光デバイスは、態様1~4の何れかのファイバ接続体と、前記ファイバ接続体の一端側に設けられた第1ファンイン/ファンアウトデバイスと、前記ファイバ接続体の他端側に設けられた第2ファンイン/ファンアウトデバイスと、を備えており、前記第1ファンイン/ファンアウトデバイスのポート配置構造と前記第2ファンイン/ファンアウトデバイスのポート配置構造とが同一である、という構成が採用されている。
【0210】
本発明の第2の側面の態様7に係るファイバ接続体の製造方法は、コア配置が共通する複数のマルチコアファイバが接続されたファイバ接続体の製造方法であって、各マルチコアファイバは、クラッドと、前記クラッドの内部に線対称に配置された複数のコアと、前記複数のコアの対称軸以外の位置に配置されたマーカと、を含む端面を有し、互いに隣接するマルチコアファイバの一方の端面を第1端面、他方の端面を第2端面として、(1)前記第1端面の前記複数のコアの各々が、前記第2端面の前記複数のコアの各々と重なるという条件、及び、(2)前記第1端面の前記マーカが、前記第2端面において前記対称軸に対して前記第2端面の前記マーカと線対称な位置と重なるという条件を満たす接続箇所の個数が奇数個になるように、前記複数のマルチコアファイバを接続する、ことを特徴とする。
【0211】
〔付記事項3〕
本発明の第1の側面及び第2の側面は、上述した実施形態又は変形例に限定されるものではなく、本明細書に示した範囲で種々の変更が可能であり、第1の側面の実施形態又は変形例に開示された各技術的手段と第2の側面の実施形態又は変形例に開示された各技術的手段とが適宜組み合わされて得られる形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0212】
確認的に、技術的に矛盾が生じない範囲において、本発明の技術的範囲は以下の(1)~(6)のいずれかの構成についても含み得る。
【0213】
(1)本発明の第1の側面の態様1~9のうちいずれか1つの態様の構成。
【0214】
(2)本発明の第1の側面の態様1~9のうちいずれか2つ以上の態様が組み合わされた構成。
【0215】
(3)本発明の第2の側面の態様1~7のうちいずれか1つの態様の構成。
【0216】
(4)本発明の第2の側面の態様1~7のうちいずれか2つ以上の態様が組み合わされた構成。
【0217】
(5)上記(1)~(4)の構成のうちいずれか2つ以上が組み合わされた構成。
【0218】
(6)上記(1)~(5)の構成のうちいずれかに対して上記各技術的手段が組み合わされた構成。
【0219】
(まとめ3)
本発明の態様1に係るファイバ接続体は、クラッドの内部に配置された複数のコアと第1マーカとを含む第1マルチコアファイバと、クラッドの内部に配置された複数のコアと第2マーカとを含む第2マルチコアファイバであって、一方の端面が前記第1マルチコアファイバの一方の端面と接続された第2マルチコアファイバと、を少なくとも備え、前記第2マルチコアファイバの前記複数のコアの各々が前記第1マルチコアファイバの前記複数のコアの何れかに接続されているか、又は、前記第1マルチコアファイバの前記複数のコアの各々が前記第2マルチコアファイバの前記複数のコアの何れかに接続されている、ことを特徴とする。
【0220】
本発明の態様2に係るファイバ接続体は、態様1の構成に加えて、前記第2マルチコアファイバの前記第2マーカの少なくとも一部が前記第1マルチコアファイバの前記第1マーカ以外の部分に接続されているか、又は、前記第1マルチコアファイバの前記第1マーカの少なくとも一部が前記第2マルチコアファイバの前記第2マーカ以外の部分に接続されている、という構成が採用されている。
【0221】
本発明の態様3に係るファイバ接続体は、態様2の構成に加えて、前記第1マルチコアファイバの前記複数のコアの個数、及び、前記第2マルチコアファイバの前記複数のコアの個数は、それぞれ、2以上であり、
前記第2マルチコアファイバの前記複数のコアのうち、前記第2マーカに最も近いコアが、前記第1マルチコアファイバの前記複数のコアのうち、前記第1マーカに最も近いコア以外のコアに接続されている、という構成が採用されている。
【0222】
本発明の態様4に係るファイバ接続体は、態様2の構成に加えて、前記第1マルチコアファイバの前記複数のコアの個数、及び、前記第2マルチコアファイバの前記複数のコアの個数は、それぞれ、3以上であり、前記第2マルチコアファイバの前記複数のコアから選択された2つのコアのペアのうち、前記第2マーカに最も近いコアと次に近いコアとのペア、又は、前記第2マーカに最も近い2つのコアのペアが、前記第1マルチコアファイバの前記複数のコアから選択された2つのコアのペアのうち、前記第1マーカに最も近いコアと次に近いコアとのペア以外のペア、又は、前記第1マーカに最も近い2つのコアのペア以外のペアに接続されている、という構成が採用されている。
【0223】
本発明の態様5に係るファイバ接続体は、態様4の構成に加えて、前記第1マーカの屈折率は、前記第1マルチコアファイバの前記クラッドの屈折率よりも低く、前記第2マーカの屈折率は、前記第2マルチコアファイバの前記クラッドの屈折率よりも低い、という構成が採用されている。
【0224】
本発明の態様6に係るファイバ接続体は、態様2~5の何れかの構成に加えて、複数のコアと第3マーカとがクラッドの内部に配置された第3マルチコアファイバであって、一方の端面が前記第2マルチコアファイバの他方の端面と接続された第3マルチコアファイバを更に備え、前記第1マルチコアファイバの前記複数のコアの個数、及び、前記第3マルチコアファイバの前記複数のコアの個数が、それぞれ、n(nは2以上の自然数)であり、前記第1マルチコアファイバの前記複数のコアの序数が、前記第1マーカに最も近いコアが1番目となり、且つ、前記第1マーカに次に近いコアが2番目となるように、前記複数のコアの並び順に従って決められ、前記第2マルチコアファイバの前記複数のコアの序数が、前記第2マーカに最も近いコアが1番目となり、且つ、前記第1マーカに次に近いコアが2番目となるように、前記複数のコアの並び順に従って決められ、前記第3マルチコアファイバの前記複数のコアの序数が、前記第3マーカに最も近いコアが1番目となり、且つ、前記第1マーカに次に近いコアが2番目となるように、前記複数のコアの並び順に従って決められている場合、前記第3マルチコアファイバのi番目(iは1以上n以下の自然数)のコアは、前記第2マルチコアファイバの前記複数のコアのうち、第1マルチコアファイバのi番目のコアと接続されたコアに接続されている、という構成が採用されている。なお、本態様においては、反転接続の回数が偶数回であることが好ましい。
【0225】
本発明の態様7に係るファイバ接続体は、態様2~5の何れかの構成に加えて、複数のコアと第3マーカとがクラッドの内部に配置された第3マルチコアファイバであって、一方の端面が前記第2マルチコアファイバの他方の端面と接続された第3マルチコアファイバを更に備え、前記第3マルチコアファイバの前記複数のコアのうち、前記第3マーカに最も近いコアは、前記第2マルチコアファイバの前記複数のコアのうち、(1)前記第2マーカに最も近いコア以外のコアであって、(2)前記第1マルチコアファイバの前記複数のコアのうち、前記第1マーカに最も近いコアに接続されたコア以外のコアに接続されている、という構成が採用されている。
【0226】
本発明の態様8に係るファイバ接続体は、態様2~7の何れかの構成に加えて、前記第1マルチコアファイバにおいて、前記第1マーカは、前記第1マーカから前記複数のコアの各々までの距離が全て異なるように配置されており、前記第2マルチコアファイバにおいて、前記第2マーカは、前記第2マーカから前記複数のコアの各々までの距離が全て異なるように配置されている、という構成が採用されている。
【0227】
本発明の態様9に係るファイバ接続体は、態様2~8の何れかの構成に加えて、前記第2マルチコアファイバの前記第2マーカの全体が前記第1マルチコアファイバの前記第1マーカ以外の部分に接続されているか、又は、前記第1マルチコアファイバの前記第1マーカの全体が前記第2マルチコアファイバの前記第2マーカ以外の部分に接続されている、という構成が採用されている。
【0228】
本発明の態様10に係るファイバ接続体は、態様2~8の何れかの構成に加えて、前記第2マルチコアファイバの前記第2マーカの一部のみが前記第1マルチコアファイバの前記第1マーカ以外の部分に接続されているか、又は、前記第1マルチコアファイバの前記第1マーカの一部のみが前記第2マルチコアファイバの前記第2マーカ以外の部分に接続されている、という構成が採用されている。
【0229】
本発明の態様11に係るファイバ接続体は、態様2~10の構成に加えて、前記第1マルチコアファイバの前記一方の端面において、前記第1マーカが、前記第1マルチコアファイバの前記複数のコアのうち、前記第1マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心とを結ぶ仮想的な線分の仮想的な垂直二等分線と重なるか、又は、前記第2マルチコアファイバの前記一方の端面において、前記第2マーカが、前記第2マルチコアファイバの前記複数のコアのうち、前記第2マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心とを結ぶ仮想的な線分の仮想的な垂直二等分線と重なる、
という構成が採用されている。
【0230】
本発明の態様12に係るファイバ接続体は、態様2~11の何れかの構成に加えて、前記第1マルチコアファイバの前記一方の端面において、前記第1マーカの中心が、前記第1マルチコアファイバの前記複数のコアのうち、前記第1マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心とを結ぶ仮想的な線分の仮想的な垂直二等分線と重ならないか、又は、前記第2マルチコアファイバの前記一方の端面において、前記第2マーカの中心が、前記第2マルチコアファイバの前記複数のコアのうち、前記第2マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心とを結ぶ仮想的な線分の仮想的な垂直二等分線と重ならない、という構成が採用されている。
【0231】
本発明の態様13に係るファイバ接続体は、態様2~12の何れかの構成に加えて、前記第1マルチコアファイバの前記一方の端面または前記第2マルチコアファイバの前記一方の端面において、前記第1マーカの中心と前記第2マーカの中心とを結ぶ仮想的な直線と、前記第1マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心とを結ぶ仮想的な直線、又は、前記第2マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心とを結ぶ仮想的な直線とが平行である、という構成が採用されている。
【0232】
本発明の態様14に係るファイバ接続体は、態様2~13の何れかの構成に加えて、前記第1マルチコアファイバの前記一方の端面において、前記第1マーカの中心が、(1)前記第1マルチコアファイバの前記複数のコアのうち、前記第1マーカに最も近いコアと次に近いコアとに外接する仮想的な外接円であって、前記第1マルチコアファイバのクラッドの中心を中心とする仮想的な外接円と、(2)前記第1マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心を通る仮想的な直線と前記第1マーカに最も近いコアの中心と前記クラッドの中心とを結ぶ仮想的な直線とがなす角の仮想的な二等分線と、(3)前記第1マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心を通る仮想的な直線と前記次に近いコアの中心と前記クラッドの中心とを結ぶ仮想的な直線とがなす角の仮想的な二等分線とに挟まれた領域に配置されるか、又は、前記第2マルチコアファイバの前記一方の端面において、前記第2マーカの中心が、(1)前記第2マルチコアファイバの前記複数のコアのうち、前記第2マーカに最も近いコアと次に近いコアとに外接する仮想的な外接円であって、前記第2マルチコアファイバのクラッドの中心を中心とする仮想的な外接円と、(2)前記第2マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心を通る仮想的な直線と前記第2マーカに最も近いコアの中心と前記クラッドの中心とを結ぶ仮想的な直線とがなす角の仮想的な二等分線と、(3)前記第2マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心を通る仮想的な直線と前記次に近いコアの中心と前記クラッドの中心とを結ぶ仮想的な直線とがなす角の仮想的な二等分線とに挟まれた領域に配置される、という構成が採用されている。また、本態様において、上記の前記第1マーカの中心または前記第2マーカの中心は、それぞれ上記の前記第1マーカの全体または前記第2マーカの全体であっても良い。
【0233】
本発明の態様15に係るファイバ接続体は、態様2~13の何れかの構成に加えて、前記第1マルチコアファイバの前記一方の端面において、前記第1マーカの中心が、(1)前記第1マルチコアファイバの前記複数のコアのうち、前記第1マーカに最も近いコアと次に近いコアとに外接する仮想的な外接円であって、前記第1マルチコアファイバのクラッドの中心を中心とする仮想的な外接円と、(2)前記第1マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心を通る仮想的な直線と前記第1マーカに最も近いコアの中心と前記クラッドの中心とを結ぶ仮想的な直線とがなす角の仮想的な二等分線と、(3)前記第1マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心を通る仮想的な直線と前記次に近いコアの中心と前記クラッドの中心とを結ぶ仮想的な直線とがなす角の仮想的な二等分線と、(4)前記クラッドの外周に挟まれた領域に配置されるか、又は、前記第2マルチコアファイバの前記一方の端面において、前記第2マーカの中心が、(1)前記第2マルチコアファイバの前記複数のコアのうち、前記第2マーカに最も近いコアと次に近いコアとに外接する仮想的な外接円であって、前記第2マルチコアファイバのクラッドの中心を中心とする仮想的な外接円と、(2)前記第2マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心を通る仮想的な直線と前記第2マーカに最も近いコアの中心と前記クラッドの中心とを結ぶ仮想的な直線とがなす角の仮想的な二等分線と、(3)前記第2マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心を通る仮想的な直線と前記次に近いコアの中心と前記クラッドの中心とを結ぶ仮想的な直線とがなす角の仮想的な二等分線と、(4)前記クラッドの外周に挟まれた領域に配置される、という構成が採用されている。また、本態様において、上記の前記第1マーカの中心または前記第2マーカの中心は、それぞれ上記の前記第1マーカの全体または前記第2マーカの全体であっても良い。
【0234】
本発明の態様16に係るファイバ接続体は、態様1~15の何れかの構成に加えて、前記第1マルチコアファイバ及び前記第2マルチコアファイバを含む複数のマルチコアファイバが接続されたファイバ接続体であって、前記複数のマルチコアファイバは、クラッドと、前記クラッドの内部に線対称に配置された複数のコアと、マーカと、を含む端面を有するマルチコアファイバであって、前記マーカの中心が前記複数のコアの仮想対称軸以外の位置に配置されたマルチコアファイバを含み、前記複数のマルチコアファイバのうち、互いに隣接する2つのマルチコアファイバの接続箇所について、一方のマルチコアファイバの端面を第1端面、他方のマルチコアファイバの端面を第2端面として、(1)前記第1端面の前記複数のコアの各々が、前記第2端面の前記複数のコアの何れかと重なるという条件、及び、(2)前記第1端面の前記マーカが、前記第2端面において前記仮想対称軸に対して前記第2端面の前記マーカと線対称な位置と重なるという条件を満たす接続箇所の個数が奇数個であるという構成が採用されている。なお、確認的に、上述で説明した本発明の第1の側面又は第2の側面に係る対称軸は、仮想対称軸との解釈として理解でき得る。
【0235】
本発明の態様17に係るファイバ接続体は、態様16の構成に加えて、前記複数のコアは、何れも前記仮想対称軸以外の位置に配置されている、という構成が採用されている。
【0236】
本発明の態様18に係るファイバ接続体は、態様1~17の何れかの構成に加えて、当該ファイバ接続体の両方の端面において、光信号の入力に用いるコア同士が対角に配置され、且つ、光信号の出力に用いるコア同士が対角に配置される、という構成が採用されている。なお、光信号の入力に用いるコア又は光信号の出力に用いるコアが次の構成であってもよい。すなわち、光信号の入力に用いるコアが外部のトランシーバの入力ポートと光学的に結合可能なコアであり、信号の出力に用いるコアが外部のトランシーバの出力ポートと光学的に結合可能なコアである。
【0237】
本発明の態様19に係る光通信システムは、態様1~18の何れかのファイバ接続体と、前記ファイバ接続体の一端側に設けられた第1トランシーバと、前記ファイバ接続体の他端側に設けられた第2トランシーバと、を備えており、前記第1トランシーバと接続される前記ファイバ接続体の一端側のマルチコアファイバのコアであって信号光が導波可能なコアに接続される前記第1トランシーバのポートに関するポート配置構造又は前記第1トランシーバと前記ファイバ接続体の一端側との間に接続されるマルチコアファイバのコアであって信号光が導波可能なコアに接続される前記第1トランシーバのポートに関するポート配置構造と、前記第2トランシーバと接続される前記ファイバ接続体の他端側のマルチコアファイバのコアであって信号光が導波可能なコアに接続される前記第2トランシーバのポートに関するポート配置構造又は前記第2トランシーバと前記ファイバ接続体の他端側との間に接続されるマルチコアファイバのコアであって信号光が導波可能なコアに接続される前記第2トランシーバのポートに関するポート配置構造とが同一である、という構成が採用されている。
【0238】
本発明の態様20に係る光デバイスは、態様1~18の何れかのファイバ接続体と、前記ファイバ接続体の一端側に設けられた第1ファンイン/ファンアウトデバイスと、前記ファイバ接続体の他端側に設けられた第2ファンイン/ファンアウトデバイスと、を備えており、前記第1ファンイン/ファンアウトデバイスと接続される前記ファイバ接続体の一端側のマルチコアファイバのコアであって信号光が導波可能なコアに接続される前記第1ファンイン/ファンアウトデバイスのポートに関するポート配置構造又は前記第1ファンイン/ファンアウトデバイスと前記ファイバ接続体の一端側との間に接続されるマルチコアファイバのコアであって信号光が導波可能なコアに接続される前記第1ファンイン/ファンアウトデバイスのポートに関するポート配置構造と、前記第2ファンイン/ファンアウトデバイスと接続される前記ファイバ接続体の他端側のマルチコアファイバのコアであって信号光が導波可能なコアに接続される前記第2ファンイン/ファンアウトデバイスのポートに関するポート配置構造又は前記第2ファンイン/ファンアウトデバイスと前記ファイバ接続体の他端側との間に接続されるマルチコアファイバのコアであって信号光が導波可能なコアに接続される前記第2ファンイン/ファンアウトデバイスのポートに関するポート配置構造とが同一である、という構成が採用されている。
【0239】
本発明の態様21に係るファイバ接続体の製造方法は、本発明の態様2~15の何れかのファイバ接続体の製造方法であって、前記第2マルチコアファイバの前記複数のコアの各々が前記第1マルチコアファイバの前記複数のコアの何れかに接続されるか、又は、前記第1マルチコアファイバの前記複数のコアの各々が前記第2マルチコアファイバの前記複数のコアの何れかに接続されるように、且つ、前記第2マルチコアファイバの前記第2マーカの少なくとも一部が前記第1マルチコアファイバの前記第1マーカ以外の部分に接続されるか、又は、前記第1マルチコアファイバの前記第1マーカの少なくとも一部が前記第2マルチコアファイバの前記第2マーカ以外の部分に接続されるように、前記第2マルチコアファイバの一方の端面を前記第1マルチコアファイバの一方の端面に接続する工程を含んでいる、ことを特徴とする。
【0240】
本発明の態様22に係るファイバ接続体の製造方法は、本発明の態様16~18の何れかのファイバ接続体の製造方法であって、前記複数のマルチコアファイバのうち、互いに隣接するマルチコアファイバの一方の端面を第1端面、他方の端面を第2端面として、(1)前記第1端面の前記複数のコアの各々が、前記第2端面の前記複数のコアの何れかと重なるという条件、及び、(2)前記第1端面の前記マーカが、前記第2端面において前記仮想対称軸に対して前記第2端面の前記マーカと線対称な位置と重なるという条件を満たす接続箇所の個数が奇数個になるように、前記複数のマルチコアファイバを接続する、ことを特徴とする。
【0241】
本発明の態様23に係るファイバ接続体は、態様2~12又は15の何れかの構成に加えて、前記第1マルチコアファイバの前記一方の端面において、前記第1マーカの中心が、(1)前記第1マルチコアファイバの前記複数のコアのうち、前記第1マーカに最も近いコアと次に近いコアとに外接する仮想的な外接円であって、前記第1マルチコアファイバのクラッドの中心を中心とする仮想的な外接円と、(2)前記第1マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心を通る仮想的な直線と前記第1マーカに最も近いコアの中心と前記クラッドの中心とを結ぶ仮想的な直線とがなす角の仮想的な二等分線と、(3)前記第1マーカに最も近いコアの中心と前記クラッドの中心とを結ぶ仮想的な直線とに挟まれた領域(以下、領域Fとも記載する)に配置されるか、又は、前記第2マルチコアファイバの前記一方の端面において、前記第2マーカの中心が、(1)前記第2マルチコアファイバの前記複数のコアのうち、前記第2マーカに最も近いコアと次に近いコアとに外接する仮想的な外接円であって、前記第2マルチコアファイバのクラッドの中心を中心とする仮想的な外接円と、(2)前記第2マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心を通る仮想的な直線と前記第2マーカに最も近いコアの中心と前記クラッドの中心とを結ぶ仮想的な直線とがなす角の仮想的な二等分線と、(3)前記第2マーカに最も近いコアの中心と前記クラッドの中心とを結ぶ仮想的な直線とに挟まれた領域(以下、領域Gとも記載する)に配置される、という構成が採用されている。本態様において、上記(1)~(3)の構成に加えて(4)クラッド111bの外周またはクラッド112bの外周の構成を採用する事もできる。この場合、前記第1マーカの中心または前記第2マーカの中心が、上記(1)~(4)に挟まれた領域(以下、それぞれ領域H、Iとも記載する)に配置される。また、前記第1マーカの中心が領域Fと領域Hとの境界にまたがって配置される構成や前記第2マーカの中心が領域Gと領域Iとの境界にまたがって配置される構成であっても良い。また、上記の前記第1マーカの中心または前記第2マーカの中心は、それぞれ上記の前記第1マーカの全体または前記第2マーカの全体であっても良い。
【0242】
本発明の態様24に係るファイバ接続体は、態様2~12、14、15又は23の何れかの構成に加えて、前記第1マルチコアファイバの前記一方の端面において、前記第1マーカの中心が、前記第1マルチコアファイバの前記複数のコアのうち、前記第1マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心とを結ぶ仮想的な線分の仮想的な垂直二等分線と重なり、前記第2マルチコアファイバの前記一方の端面において、前記第2マーカの中心が、前記第2マルチコアファイバの前記複数のコアのうち、前記第2マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心とを結ぶ仮想的な線分の仮想的な垂直二等分線と重なり、前記第1マーカの中心と前記第1マーカに最も近いコアの中心との距離及び前記第1マーカに次に近いコアの中心との距離と、前記第2マーカの中心と前記第2マーカに最も近いコアの中心との距離及び前記第2マーカに次に近いコアの中心との距離と、が略同一である、という構成が採用されている。本態様においては、前記第2マルチコアファイバの前記第2マーカの一部のみが前記第1マルチコアファイバの前記第1マーカ以外の部分に接続されているか、又は、前記第1マルチコアファイバの前記第1マーカの一部のみが前記第2マルチコアファイバの前記第2マーカ以外の部分に接続されている、という構成が採用されていてもよい。また、前記第2マルチコアファイバの前記第2マーカの全体が前記第1マルチコアファイバの前記第1マーカ以外の部分に接続されているか、又は、前記第1マルチコアファイバの前記第1マーカの全体が前記第2マルチコアファイバの前記第2マーカ以外の部分に接続されている、という構成が採用されていてもよい。
【0243】
上記構成によれば、第1マーカと2つのコアとの距離および2マーカと2つのコアとの距離が略同一となるので、第1マルチコアファイバ111の2つのコア111を導波される信号光の劣化または第2マルチコアファイバ112の2つのコア112を導波される信号光の劣化をより均一化することができる。その結果、第1マルチコアファイバ111の2つのコア111を導波される信号光または第2マルチコアファイバ112の2つのコア112を導波される信号光を用いた通信においてエラーが生じる可能性をより低減することができる。さらに、上述したクロストーク低減の効果が得られ得る。第1マーカに近接する2つのコアと第2マーカに近接する2つのコアとの間のクロストークが悪化し得るので、クロストーク特性の悪いコアのペアをばらつかせることができる。このため、クロストークの劣化をより均一化することができ得るので、2つのマルチコアファイバにおけるクロストーク抑制の効果が得られる。
【0244】
〔付記事項4〕
本発明の第1の側面及び第2の側面は、上述した実施形態又は変形例に限定されるものではなく、本明細書に示した範囲で種々の変更が可能であり、第1の側面の実施形態又は変形例に開示された各技術的手段と第2の側面の実施形態又は変形例に開示された各技術的手段とが適宜組み合わされて得られる形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0245】
確認的に、技術的に矛盾が生じない範囲において、本発明の技術的範囲は以下の(1)~(10)の構成についても含み得る。
【0246】
(1)本発明の態様1~15、21、23、24のうちいずれか1つの態様の構成。
【0247】
(2)本発明の態様1~15、21、23、24のうちいずれか2つ以上の態様が組み合わされた構成。
【0248】
(3)本発明の態様1~15、21、23、24のうち少なくとも1つの態様又はいずれか2つ以上の態様に対して本発明の第1の側面の態様1~9のうち少なくとも1つの態様又はいずれか2つ以上の態様が組み合わされた構成。
【0249】
(4)本発明の態様1~15、21、23、24のうち少なくとも1つの態様又はいずれか2つ以上の態様に対して本発明の第2の側面の態様1~7のうち少なくとも1つの態様又はいずれか2つ以上の態様が組み合わされた構成。
【0250】
(5)本発明の態様1、16~20、22のうちいずれか1つの態様の構成。
【0251】
(6)本発明の態様1、16~20、22のうちいずれか2つ以上の態様が組み合わされた構成。
【0252】
(7)本発明の態様1、16~20、22のうち少なくとも1つの態様又はいずれか2つ以上の態様に対して本発明の第1の側面の態様1~9のうち少なくとも1つの態様又はいずれか2つ以上の態様が組み合わされた構成。
【0253】
(8)本発明の態様1、16~20、22のうち少なくとも1つの態様又はいずれか2つ以上の態様に対して本発明の第2の側面の態様1~7のうち少なくとも1つの態様又はいずれか2つ以上の態様が組み合わされた構成。
【0254】
(9)上記(1)~(8)の構成のうちいずれか2つ以上が組み合わされた構成。
【0255】
(10)上記(1)~(9)の構成のうちいずれかに対して上記各技術的手段が組み合わされた構成。
【0256】
また、確認的に、技術的に矛盾が生じない範囲において、本発明の技術的範囲は以下の(1)~(18)の構成についても含み得る。
【0257】
(1)本発明の態様1又は2のファイバ接続体の構成に本発明の第1の側面の態様1、態様2又は態様3に係るファイバ接続体の構成を加えた構成。
【0258】
(2)本発明の態様1又は4のファイバ接続体の構成に本発明の第1の側面の態様4に係るファイバ接続体の構成を加えた構成。
【0259】
(3)本発明の態様1~5の何れかのファイバ接続体の構成に本発明の第1の側面の態様5又は態様6に係るファイバ接続体の構成を加えた構成。
【0260】
(4)本発明の態様1~7の何れかのファイバ接続体の構成に本発明の第1の側面の態様7に係るファイバ接続体の構成を加えた構成。
【0261】
(5)本発明の態様1~18の何れかのファイバ接続体の構成に本発明の第1の側面の態様8に係るファイバ接続体の構成を加えた構成。
【0262】
(6)本発明の態様1~15、態様23又は態様24の何れかのファイバ接続体の構成を採用したファイバ接続体の製造方法の構成に本発明の第1の側面の態様9に係るファイバ接続体の製造方法の構成を加えた構成又は本発明の態様21のファイバ接続体の製造方法の構成に本発明の第1の側面の態様9に係る構成を加えた構成。
【0263】
(7)本発明の態様1~15、態様23又は態様24の何れかのファイバ接続体の構成に本発明の第2の側面の態様1に係るファイバ接続体の構成を加えた構成。
【0264】
(8)本発明の態様1~16、態様23又は態様24の何れかのファイバ接続体の構成に本発明の第2の側面の態様2に係るファイバ接続体の構成を加えた構成。
【0265】
(9)本発明の態様1~17、態様23又は態様24の何れかのファイバ接続体の構成に本発明の第2の側面の態様3に係るファイバ接続体の構成を加えた構成。
【0266】
(10)本発明の態様1~18、態様23又は態様24の何れかのファイバ接続体の構成に本発明の第2の側面の態様4に係るファイバ接続体の構成を加えた構成。
【0267】
(11)本発明の態様1~18、態様23又は態様24の何れかのファイバ接続体の構成を採用した本発明の第2の側面の態様5に係る光通信システムの構成又は本発明の態様19に係る光通信システムの構成に本発明の第2の側面の態様5に係る光通信システムの構成を加えた構成。
【0268】
(12)本発明の態様1~18、態様23又は態様24の何れかのファイバ接続体の構成を採用した本発明の第2の側面の態様6に係る光デバイスの構成又は本発明の態様20に係る光デバイスの構成に本発明の第2の側面の態様6に係る光デバイスの構成を加えた構成。
【0269】
(13)本発明の態様16~18の何れかのファイバ接続体の構成を採用したファイバ接続体の製造方法の構成に本発明の第2の側面の態様7に係るファイバ接続体の製造方法の構成を加えた構成又は本発明の態様22のファイバ接続体の製造方法の構成に本発明の第2の側面の態様7に係る構成を加えた構成。
【0270】
(14)本発明の第1の側面の態様1~8の何れかのファイバ接続体の構成に本発明の態様9、態様10、態様12、態様13、態様14、態様15、態様23または態様24の何れかのファイバ接続体の構成を加えた構成。
【0271】
(15)本発明の第1の側面の態様1~8の何れかのファイバ接続体の構成に加えた本発明の態様10に対して本発明の態様11に係るファイバ接続体の構成を加えた構成。
【0272】
(16)本発明の第1の側面の態様8、本発明の第2の側面の態様3又は本発明の態様23もしくは24の何れかのファイバ接続体の構成を採用した本発明の態様19に係る光通信システムの構成。
【0273】
(17)本発明の第1の側面の態様8、本発明の第2の側面の態様3又は本発明の態様23もしくは24の何れかのファイバ接続体の構成を採用した本発明の態様20に係る光デバイスの構成。
【0274】
(18)上記(1)~(17)の構成のうちいずれかに対して第1の側面の実施形態又は変形例に開示された各技術的手段及び第2の側面の実施形態又は変形例に開示された各技術的手段の少なくとも1つの技術的手段が組み合わされた構成
【0275】
確認的に、本発明の態様2~4のファイバ接続体の構成は、それぞれ、本発明の第1の側面の態様1~3に係るファイバ接続体の構成の上位概念とも解釈出来得る。また、本発明の態様6~8のファイバ接続体の構成は、それぞれ、本発明の第1の側面の態様5~7に係るファイバ接続体の構成の上位概念とも解釈出来得る。また、本発明の態様16のファイバ接続体の構成は、本発明の第2の側面の態様1に係るファイバ接続体の構成の上位概念とも解釈出来得る。また、本発明の態様19の光通信システムの構成は、本発明の第2の側面の態様5に係る光通信システムの構成の上位概念とも解釈出来得る。また、本発明の態様20の光デバイスの構成は、本発明の第2の側面の態様6に係る光デバイスの構成の上位概念とも解釈出来得る。また、本発明の態様21のファイバ接続体の製造方法の構成は、本発明の第1の側面の態様9に係るファイバ接続体の製造方法の構成の上位概念とも解釈出来得る。また、本発明の態様22のファイバ接続体の製造方法の構成は、本発明の第2の側面の態様7に係るファイバ接続体の製造方法の構成の上位概念とも解釈出来得る。
【0276】
また、確認的に、本発明の第1の側面又は第2の側面に係るファイバ接続体は、互いに接続された2本のマルチコアファイバによって構成されていても良い。また、確認的に、本発明の第1の側面に係るファイバ接続体の第1マーカの位置または第2マーカの位置は、本発明の態様1または態様2の少なくともいずれかを満たせば特に限定されず、例えば、次のような構成でも良い。すなわち、第1マルチコアファイバの一方の端面において、第1マルチコアファイバの複数のコアのうち、第1マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心とを結ぶ仮想的な線分の仮想的な垂直二等分線に対して配置される第1マーカと、第2マルチコアファイバの一方の端面において、第2マルチコアファイバの複数のコアのうち、第2マーカに最も近いコアの中心と次に近いコアの中心とを結ぶ仮想的な線分の仮想的な垂直二等分線に対して配置される第2マーカとが、上述した垂直二等分線のいずれかに対して互いに線対称であっても良く、回転対称であっても良く、非対称であっても良い。
【符号の説明】
【0277】
101 ファイバ接続体
111 第1マルチコアファイバ
111a1~111an コア
111b クラッド
111c マーカ
112 第2マルチコアファイバ
112a1~112an コア
112b クラッド
112c マーカ
113 第3マルチコアファイバ
113a1~113an コア
113b クラッド
113c マーカ
102 ファイバ接続体
121 第1マルチコアファイバ
121a1~121an コア
121b クラッド
121c マーカ
122 第2マルチコアファイバ
122a1~122an コア
122b クラッド
122c マーカ
201 ファイバ接続体
MF,MF1~MFm マルチコアファイバ
a1~an コア
b クラッド
c マーカ
210 光通信システム
202,203 トランシーバ
220 光デバイス
204,205 ファンイン/ファンアウトデバイス

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21