(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】加湿空気清浄機
(51)【国際特許分類】
F24F 6/00 20060101AFI20240712BHJP
F24F 6/04 20060101ALI20240712BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20240712BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20240712BHJP
【FI】
F24F6/00 D
F24F6/00 A
F24F6/00 B
F24F6/04
F24F8/108 110
F24F8/80 212
F24F8/80 238
F24F8/80 252
F24F8/80 400
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023130368
(22)【出願日】2023-08-09
【審査請求日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】202210975711.5
(32)【優先日】2022-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516285032
【氏名又は名称】広東美的環境電器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA ENVIRONMENT APPLIANCES MFG CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.28 East District Hesui Industrial Park,Dongfu Road,Dongfeng Zhongshan,Guangdong 528425,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 涛
(72)【発明者】
【氏名】何 振斌
(72)【発明者】
【氏名】郭 ▲潤▼明
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 高源
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲輝▼
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-020708(JP,A)
【文献】特開2004-275290(JP,A)
【文献】特開2003-302077(JP,A)
【文献】特開2008-241224(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0241987(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 6/00
F24F 6/04
F24F 8/108
F24F 8/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加湿空気清浄機であって、
吸気口と排気口とが設置される本体、
前記本体内に設置され、前記吸気口に近い浄化加湿モジュール、及び、
前記本体内に設置され、前記排気口に近い送風機、を備え、
前記浄化加湿モジュールは、加湿モジュールと浄化モジュールとを備え、
前記加湿モジュールはウェットカーテンウォータータンク、ウェットカーテン及びリフト機構を備え、前記リフト機構は前記ウェットカーテンに接続され、前記ウェットカーテンの動作を駆動することが可能であるように設定され、それにより前記加湿モジュールを加湿状態と非加湿状態との間で切り替え、前記加湿状態において、前記ウェットカーテンの一部は前記ウェットカーテンウォータータンクの水位線の下方に位置して前記ウェットカーテンウォータータンクの水中に浸入し、前記非加湿状態において、前記ウェットカーテンは前記ウェットカーテンウォータータンクの水位線の上方に上昇し、
前記浄化モジュールは環形であり、少なくとも一部が、前記ウェットカーテンの前記ウェットカーテンウォータータンクの外に延出する部分の外に嵌設されることを特徴とする、加湿空気清浄機。
【請求項2】
前記リフト機構は、
駆動部品、及び、
前記駆動部品と前記ウェットカーテンとに接続され、前記駆動部品から出力される回転運動を前記ウェットカーテンの直線運動に変換可能であるように設定される伝動コンポーネント、を備えることを特徴とする、請求項1に記載の加湿空気清浄機。
【請求項3】
前記伝動コンポーネントは、回転盤とリフトブラケットとを備え、
前記回転盤は前記駆動部品に接続され、前記回転盤の外側壁面には雄ねじが設置され、
前記リフトブラケットには、前記雄ねじにマッチする雌ネジが設置され、且つ前記リフトブラケットと前記ウェットカーテンウォータータンクとの間には前記リフトブラケットを前記回転盤の軸方向に沿って平行移動させるガイド構造が設置され、前記ウェットカーテンは前記リフトブラケットに取り付けられることを特徴とする、請求項2に記載の加湿空気清浄機。
【請求項4】
前記ウェットカーテンウォータータンクには取付キャビティ及び前記取付キャビティを囲むウォーターキャビティが設置され、前記駆動部品は前記取付キャビティ内に取り付けられ、前記回転盤は前記取付キャビティ外に位置して、回転可能に前記取付キャビティの壁部に取り付けられ、前記駆動部品の駆動軸は前記取付キャビティの壁部を通過して前記回転盤に接続され、
前記リフトブラケットは環形であり、前記取付キャビティ外に嵌設され、前記雌ネジは前記リフトブラケットの内側壁面に設置されることを特徴とする、請求項3に記載の加湿空気清浄機。
【請求項5】
前記ウェットカーテンは環形であり、前記リフトブラケット外に嵌設され、
前記リフトブラケットの外側壁面には前記ウェットカーテンを支持する階段面が設けられることを特徴とする、請求項3に記載の加湿空気清浄機。
【請求項6】
前記ウェットカーテンの動作方向は前記浄化モジュールの軸線方向に平行するように設定され、且つ前記ウェットカーテンの前記浄化モジュール内に延伸する高さは、前記ウェットカーテンの上昇につき増大し、前記ウェットカーテンの降下につき減少するように設定されることを特徴とする、請求項1に記載の加湿空気清浄機。
【請求項7】
前記浄化加湿モジュールは、前記ウェットカーテンウォータータンクの実際水位線を検出するように設定される水位検出装置を更に備え、
前記加湿空気清浄機は、前記水位検出装置と前記リフト機構とに電気的接続される制御装置を更に備え、前記制御装置は前記水位検出装置による検出結果に基づいて前記リフト機構の作動を制御するように設定され、それにより、前記ウェットカーテンの一部を前記ウェットカーテンウォータータンクの実際水位線の下方に移動させ、又は、前記ウェットカーテンを前記ウェットカーテンウォータータンクの実際水位線の上方に上昇させることを特徴する、請求項1に記載の加湿空気清浄機。
【請求項8】
前記リフト機構に電気的接続される制御装置を更に備え、前記制御装置は前記リフト機構の作動を制御するように設定され、それにより、前記ウェットカーテンの一部を前記ウェットカーテンウォータータンクの定格水位線の下方に移動させ、又は、前記ウェットカーテンを前記ウェットカーテンウォータータンクの定格水位線の上方に上昇させることを特徴する、請求項1に記載の加湿空気清浄機。
【請求項9】
前記制御装置は前記送風機に電気的接続され、前記ウェットカーテンが前記ウェットカーテンウォータータンクの水位線の上方に上昇した後、前記送風機を作動するように制御して前記ウェットカーテンを風で乾燥させるように設定されることを特徴とする、請求項7又は8に記載の加湿空気清浄機。
【請求項10】
前記浄化加湿モジュールは、位置制限リングを更に備え、
前記位置制限リングは前記ウェットカーテンと前記浄化モジュールとの間に嵌められ、前記ウェットカーテンウォータータンクにおいて支持され、前記位置制限リングには通風孔が設置されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の加湿空気清浄機。
【請求項11】
前記加湿モジュールが前記加湿状態にある場合、前記浄化モジュールの前記送風機に近い端は前記ウェットカーテンの前記送風機に近い端よりも突出することを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の加湿空気清浄機。
【請求項12】
前記本体内に設置されて、前記吸気口と前記排気口とを連通する風道コンポーネントを更に備え、前記送風機は前記風道コンポーネントに設けられ、前記浄化加湿モジュールは前記風道コンポーネントの吸気側と前記吸気口との間に位置し、且つ前記浄化加湿モジュールと前記風道コンポーネントとは前記浄化モジュールの軸方向に沿って配置され、
前記送風機は、前記吸気口から進入して前記浄化モジュールの径方向に沿って前記浄化加湿モジュールを経由した後、前記浄化モジュールの軸方向に沿って前記風道コンポーネントを経由して前記排気口に到達して排出するように空気を駆動するように設定されることを特徴とする、請求項11に記載の加湿空気清浄機。
【請求項13】
前記加湿モジュールが前記加湿状態にある場合、前記浄化モジュールの前記送風機に近い端が前記ウェットカーテンの前記送風機に近い端よりも突出する高さはHであり、前記風道コンポーネントの吸気側にはエアガイドリングが設置され、前記エアガイドリングの最小内径はDであり、且つ0.1≦H/D≦0.4であることを特徴とする、請求項12に記載の加湿空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気製品分野に関し、具体的には加湿空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの清浄機類の製品への需要の向上に伴って、従来の単純の清浄機はユーザ需要を満足することができなくなったため、加湿機能付きの清浄機が登場した。通常、従来の加湿空気清浄機製品はフォワード遠心送風機システムを採用し、フォワード遠心送風機システムは吸気口の近傍に設置される。
【0003】
従来の加湿空気清浄機は加湿量が低く、浄化量が低く、騒音が大きい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例は主に、浄化及び加湿の効率が向上し、作動音が低減し、使用性能を向上させる加湿空気清浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本発明の実施例の技術案は下記の通りである。
【0006】
加湿空気清浄機であって、
吸気口と排気口とが設置される本体、
前記本体内に設置され、前記吸気口に近い浄化加湿モジュール、及び、
前記本体内に設置され、前記排気口に近い送風機、を備え、
前記浄化加湿モジュールは、加湿モジュールと浄化モジュールとを備え、
前記加湿モジュールはウェットカーテンウォータータンク、ウェットカーテン及びリフト機構を備え、前記リフト機構は前記ウェットカーテンに接続され、前記ウェットカーテンの動作を駆動することができるように設定され、それにより前記加湿モジュールを加湿状態と非加湿状態との間で切り替え、前記加湿状態において、前記ウェットカーテンの一部は前記ウェットカーテンウォータータンクの水位線の下方に位置して前記ウェットカーテンウォータータンクの水中に浸入し、前記非加湿状態において、前記ウェットカーテンは前記ウェットカーテンウォータータンクの水位線の上方に上昇し、
前記浄化モジュールは環形であり、少なくとも一部が、前記ウェットカーテンの前記ウェットカーテンウォータータンクの外に延出する部分の外に嵌設される。
【0007】
幾つかの例示的な実施例では、前記リフト機構は、
駆動部品、及び、
前記駆動部品と前記ウェットカーテンとに接続され、前記駆動部品から出力される回転運動を前記ウェットカーテンの直線運動に変換できるように設定される伝動コンポーネント、を備える。
【0008】
幾つかの例示的な実施例では、前記伝動コンポーネントは、回転盤とリフトブラケットとを備え、
前記回転盤は前記駆動部品に接続され、前記回転盤の外側壁面には雄ねじが設置され、
前記リフトブラケットには、前記雄ねじにマッチする雌ネジが設置され、且つ前記リフトブラケットと前記ウェットカーテンウォータータンクとの間には前記リフトブラケットを前記回転盤の軸方向に沿って平行移動させるガイド構造が設置され、前記ウェットカーテンは前記リフトブラケットに取り付けられる。
【0009】
幾つかの例示的な実施例では、前記ウェットカーテンウォータータンクには取付キャビティ及び前記取付キャビティを囲むウォーターキャビティが設置され、前記駆動部品は前記取付キャビティ内に取り付けられ、前記回転盤は前記取付キャビティ外に位置して、回転可能に前記取付キャビティの壁部に取り付けられ、前記駆動部品の駆動軸は前記取付キャビティの壁部を通過して前記回転盤に接続され、
前記リフトブラケットは環形であり、前記取付キャビティ外に嵌設され、前記雌ネジは前記リフトブラケットの内側壁面に設置される。
【0010】
幾つかの例示的な実施例では、前記ウェットカーテンは環形であり、前記リフトブラケット外に嵌設され、
前記リフトブラケットの外側壁面には前記ウェットカーテンを支持する階段面が設けられる。
【0011】
幾つかの例示的な実施例では、前記ウェットカーテンの動作方向は前記浄化モジュールの軸線方向に平行するように設定され、且つ前記ウェットカーテンの前記浄化モジュール内に延伸する高さは、前記ウェットカーテンの上昇につき増大し、前記ウェットカーテンの降下につき減少するように設定される。
【0012】
幾つかの例示的な実施例では、前記浄化加湿モジュールは、前記ウェットカーテンウォータータンクの実際水位線を検出するように設定される水位検出装置を更に備え、
前記加湿空気清浄機は、前記水位検出装置と前記リフト機構とに電気的接続される制御装置を更に備え、前記制御装置は前記水位検出装置による検出結果に基づいて前記リフト機構の作動を制御するように設定され、それにより、前記ウェットカーテンの一部を前記ウェットカーテンウォータータンクの実際水位線の下方に移動させ、又は、前記ウェットカーテンを前記ウェットカーテンウォータータンクの実際水位線の上方に上昇させる。
【0013】
幾つかの例示的な実施例では、前記加湿空気清浄機は、
前記リフト機構に電気的接続される制御装置を更に備え、前記制御装置は前記リフト機構の作動を制御するように設定され、それにより、前記ウェットカーテンの一部を前記ウェットカーテンウォータータンクの定格水位線の下方に移動させ、又は、前記ウェットカーテンを前記ウェットカーテンウォータータンクの定格水位線の上方に上昇させる。
【0014】
幾つかの例示的な実施例では、前記制御装置は前記送風機に電気的接続され、前記ウェットカーテンが前記ウェットカーテンウォータータンクの水位線の上方に上昇した後、前記送風機を作動するように制御して前記ウェットカーテンを風で乾燥させるように設定される。
【0015】
幾つかの例示的な実施例では、前記浄化加湿モジュールは、位置制限リングを更に備え、
前記位置制限リングは前記ウェットカーテンと前記浄化モジュールとの間に嵌められ、前記ウェットカーテンウォータータンクにおいて支持され、前記位置制限リングには通風孔が設置される。
【0016】
幾つかの例示的な実施例では、前記加湿モジュールが前記加湿状態にある場合、前記浄化モジュールの前記送風機に近い端は前記ウェットカーテンの前記送風機に近い端よりも突出する。
【0017】
幾つかの例示的な実施例では、前記加湿空気清浄機は、
前記本体内に設置されて、前記吸気口と前記排気口とを連通する風道コンポーネントを更に備え、前記送風機は前記風道コンポーネントに設けられ、前記浄化加湿モジュールは前記風道コンポーネントの吸気側と前記吸気口との間に位置し、且つ前記浄化加湿モジュールと前記風道コンポーネントとは前記浄化モジュールの軸方向に沿って配置され、
前記送風機は、前記吸気口から進入して前記浄化モジュールの径方向に沿って前記浄化加湿モジュールを経由した後、前記浄化モジュールの軸方向に沿って前記風道コンポーネントを経由して排気口に到達して排出するように空気を駆動するように設定される。
【0018】
幾つかの例示的な実施例では、前記加湿モジュールが前記加湿状態にある場合、前記浄化モジュールの前記送風機に近い端が前記ウェットカーテンの前記送風機に近い端よりも突出する高さはHであり、前記風道コンポーネントの吸気側にはエアガイドリングが設置され、前記エアガイドリングの最小内径はDであり、且つ0.1≦H/D≦0.4である。
【0019】
本発明の実施例による加湿空気清浄機は送風機を動力システムとして採用して、吸気口から加湿空気清浄機の本体に進入するように室内の空気を駆動した後に浄化及び加湿を行い、室内の空気の品質を確保する。フォワード遠心送風機システムと比べて、本加湿空気清浄機に採用される送風機は本体の排気口の近傍に設置される、バックワード遠心送風機である。該送風機は作動時に空気を吸入して、本体内を負圧状態とし、送風機が吸入する風量はフォワード遠心送風機システムの送風量よりも大きいため、加湿空気清浄機の浄化及び加湿の効率の向上に寄与し、且つ該送風機の作動時の騒音が低く、加湿空気清浄機の作動時の騒音の低減に寄与し、加湿空気清浄機の使用性能を向上させる。
【0020】
リフト機構はウェットカーテンのリフト運動を駆動して、ウェットカーテンの一部をウェットカーテンウォータータンクの水中に浸入させることができ、それによりウェットカーテンはウェットカーテンウォータータンクにおける水を吸入した後に、通過する空気を加湿する。リフト機構はウェットカーテンの動作を駆動して、ウェットカーテン全体をウェットカーテンウォータータンクの水位線の上方に上昇させることもでき、それによりウェットカーテンの水中における長期間浸入による細菌・ウイルスの繁殖等の問題を避ける。
【0021】
本発明の実施例又は従来技術における技術案をより明確に説明するために、以下では実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかなことに、下記の説明の図面は本発明の幾つかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的労働をしない前提で、これらの図面に示す構成に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は本発明の一実施例による加湿空気清浄機の分解構造模式図である。
【
図2】
図2は
図1に示す加湿空気清浄機の断面構造模式図であり、加湿空気清浄機が正常作動状態にある(加湿モジュールが加湿状態にある)。
【
図3】
図3は
図2に示す加湿空気清浄機の加湿モジュールの構造模式図である。
【
図4】
図4は
図1に示す加湿空気清浄機の断面構造模式図であり、加湿空気清浄機が非作動状態にある(加湿モジュールが非加湿状態にある)。
【
図5】
図5は
図4に示す加湿空気清浄機の加湿モジュールの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の目的の実現、機能特徴及び利点については、実施例を組合わせて、図面を参照して更に説明する。
【0024】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例の技術案を明確且つ完全に説明する。明らかなことに、説明する実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、全部の実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的労働をせずに取得するすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0025】
図1~
図5に示すように、本発明の実施例は加湿空気清浄機を提供し、該加湿空気清浄機は本体1、本体1内に設置される浄化加湿モジュール、及び送風機4を備える。
【0026】
本体1には吸気口11と排気口12とが設置され、且つ吸気口11と排気口12とは連通可能である。吸気口11は本体1の側壁に設置されてもよく、排気口12は本体1の頂壁に設置されてもよい。
【0027】
浄化加湿モジュールは吸気口11の近傍に設置され、送風機4は排気口12の近傍に設置される。
【0028】
浄化加湿モジュールは、加湿モジュール2と浄化モジュール3とを備える。
【0029】
加湿モジュール2はウェットカーテンウォータータンク21、ウェットカーテン22及びリフト機構23を備え、リフト機構23はウェットカーテン22に接続され、ウェットカーテン22の動作を駆動することができるように設定され、それにより加湿モジュール2を加湿状態と非加湿状態との間で切り替える。加湿状態において、ウェットカーテン22の一部はウェットカーテンウォータータンク21の水位線の下方に位置してウェットカーテンウォータータンク21の水中に浸入する(
図2及び
図3に示す)。非加湿状態において、ウェットカーテン22はウェットカーテンウォータータンク21の水位線の上方に上昇する(
図4及び
図5に示す)。
【0030】
浄化モジュール3は環形であり、少なくとも一部が、ウェットカーテン22のウェットカーテンウォータータンク21の外に延出する部分の外に嵌設される。
【0031】
本発明の実施例による加湿空気清浄機は送風機4を動力システムとして採用して、吸気口11から加湿空気清浄機の本体1内に進入するように室内の空気を駆動し、本体1内の浄化加湿モジュールは空気に対して浄化及び加湿を行い、浄化及び加湿後の空気は排気口12を介して本体1から排出され、室内に回流する(空気の流動方向は
図2における矢印で示す)。加湿空気清浄機により室内の空気に対する浄化及び加湿を実現し、室内の空気の品質を確保する。そして、フォワード遠心送風機システムと比べて、本加湿空気清浄機の送風機4は本体1の排気口12の近傍に設置される、バックワード遠心送風機である。送風機4は作動時に空気を吸入して、本体1内を負圧状態とし、送風機4が吸入する風量はフォワード遠心送風機システムの送風量よりも大きいため、加湿空気清浄機の浄化及び加湿の効率の向上に寄与し、且つ送風機4の作動時の騒音が低く、加湿空気清浄機の作動時の騒音の低減に寄与し、加湿空気清浄機の使用性能を向上させる。
【0032】
ウェットカーテンウォータータンク21は水を貯めることに用いられてもよく、ウェットカーテンウォータータンク21の上端には開口が開設されてもよく、それによりウェットカーテン22は開口からウェットカーテンウォータータンク21内に延伸する。リフト機構23はウェットカーテン22に接続され、リフト機構23はウェットカーテン22のリフト運動を駆動して、ウェットカーテン22の一部(下部)をウェットカーテンウォータータンク21の水中に浸入させることができ、それによりウェットカーテン22はウェットカーテンウォータータンク21における水を吸入して、湿ったウェットカーテン22を利用して、通過する空気を加湿し、加湿機能を実現し、この時、加湿モジュール2は
図2及び
図3に示す加湿状態にあってもよい。リフト機構23はウェットカーテン22の動作を駆動して、ウェットカーテン22全体をウェットカーテンウォータータンク21の水位線(実際水位線又は定格水位線)の上方に上昇させることもでき、それによりウェットカーテン22の水中における長期間浸入による細菌・ウイルスの繁殖等の問題を避け、この時、加湿モジュール2は
図4及び
図5に示す非加湿状態にあってもよい。
【0033】
浄化モジュール3は環形に設置され、浄化モジュール3はウェットカーテンウォータータンク21の外に設置され、少なくとも一部が、ウェットカーテン22のウェットカーテンウォータータンク21の外に突出する部分の外に嵌設されてもよい。
図1、
図2及び
図4に示すように、ウェットカーテン22は環形であり、浄化モジュール3は環形のフィルターエレメントを備え、フィルターエレメントは上から下に向かってウェットカーテン22の外側に嵌設されてもよく、且つフィルターエレメントの下端はウェットカーテンウォータータンク21の上端面に当接されてもよく、それによりフィルターエレメントを支持する。フィルターエレメントの内径はウェットカーテン22の外径よりも大きくてもよく、それによりフィルターエレメントとウェットカーテン22との間に隙間がある。
【0034】
吸気口11と送風機4との間には嵌設されるフィルターエレメントとウェットカーテン22とが設置される。加湿空気清浄機が正常に作動する場合、送風機4は起動し、外部の乾燥空気は吸気口11から進入し、乾燥空気は送風機4に進入する前に、まず環形の浄化モジュール3を経由して浄化され、それから環形のウェットカーテン22を更に経由して加湿され、送風機4により加速された後に排気口12を介して排出される。
【0035】
フィルターエレメントとウェットカーテンとの積層設置と比べて、本発明の実施例のフィルターエレメントとウェットカーテン22とは嵌められて嵌設されることにより、浄化加湿モジュール全体の軸方向高さの低減に寄与し、スペースを大幅に節約するとともに、機器全体の空気抵抗を低減し、加湿空気清浄機の浄化及び加湿の効率を向上させ、作動音を低減する。
【0036】
幾つかの例示的な実施例では、ウェットカーテン22の動作方向は浄化モジュール3の軸線方向に平行するように設定され、且つウェットカーテン22の浄化モジュール3内に延伸する高さは、ウェットカーテン22の上昇につき増大し、ウェットカーテン22の降下につき減少するように設定される。
【0037】
リフト機構23はウェットカーテン22のリフト運動を駆動する。ウェットカーテン22が上昇する場合、ウェットカーテン22の浄化モジュール3内に延伸する高さは増大する。それに対して、ウェットカーテン22が降下する場合、ウェットカーテン22の浄化モジュール3内に延伸する高さは減少する。従って、ウェットカーテン22は一部がウェットカーテンウォータータンク21の水中に浸入するまで降下する(加湿モジュール2が加湿状態にある)時、ウェットカーテンの浄化モジュール3内に延伸する高さ(
図2に示すように)は、ウェットカーテン22がウェットカーテンウォータータンク21の水位線の上方まで上昇する(加湿モジュール2が非加湿状態)場合の、ウェットカーテンの浄化モジュール3内に延伸する高さ(
図4に示すように)よりも小さいように設定される。即ち、加湿モジュール2が加湿状態にある場合のウェットカーテンの浄化モジュール3内に延伸する高さは小さい。このように、送風機4が作動する時、室内の空気は吸気口11から進入して、浄化モジュール3を経由して浄化され、浄化モジュール3内の空気に流れ込み、一部の空気はウェットカーテン22を経由して加湿され、他の一部の空気はウェットカーテン22により加湿されなくてもよく、機器全体の空気抵抗と加湿効果との両立に寄与する。
【0038】
幾つかの例示的な実施例では、
図1~
図5に示すように、加湿モジュール2は駆動部品231と伝動コンポーネントとを備える。
【0039】
伝動コンポーネントは駆動部品231とウェットカーテン22とに接続されるように設置され、且つ駆動部品231から出力される回転運動をウェットカーテン22の直線運動に変換できるように設定される。
【0040】
駆動部品231はリフト電動モータを備えてもよく、それにより加湿モジュール2のリフト運動に対する電気的制御を実現する。駆動部品231は手動駆動部品であってもよく、それにより加湿モジュール2のリフト操作に対する手動制御を実現する。
【0041】
伝動コンポーネントは回転盤232とリフトブラケット233とを備える。駆動部品231は回転盤232に接続され、回転盤232の回転を駆動することができるように設置される。回転盤232の外側壁面には雄ねじ2321が設置され、リフトブラケット233には雄ねじ2321にマッチする雌ネジ2331が設置され、且つリフトブラケット233とウェットカーテンウォータータンク21との間にはリフトブラケット233を回転盤232の軸方向に沿って平行移動させるガイド構造が設置され、ウェットカーテン22はリフトブラケット233に取り付けられる。
【0042】
伝動コンポーネントでは、回転盤232は駆動部品231に接続され、回転盤232の回転軸線は垂直方向(上下方向)に沿って伸びる。リフトブラケット233は環形であって回転盤232の外に嵌設されてもよい。回転盤232の外側壁面には雄ねじ2321が設置され、リフトブラケット233の内側壁面には雌ネジ2331が設置され、雌ネジ2331と雄ねじ2321とは噛み合って伝動可能である。そして、リフトブラケット233とウェットカーテンウォータータンク21との間にはガイド構造(図示せず)が設置され、それによりリフトブラケット233を回転盤232の軸方向に沿って平行移動させる(即ちリフト運動を行う)。ガイド構造はリフトブラケット233とウェットカーテンウォータータンク21とのうちの一方に設置されるガイド突起、及びリフトブラケット233とウェットカーテンウォータータンク21とのうちの他方に設置されるガイド溝を備えてもよい。ガイド突起とガイド溝とは回転盤232の軸方向(上下方向)に沿って伸び、且つガイド突起は摺動可能にガイド溝内に挿入されるため、ガイド突起とガイド溝との協働作用により、リフトブラケット233は回転盤232の軸方向に沿って平行移動することができる。
【0043】
加湿モジュール2が作動する時、駆動部品231は回転盤232の正逆両方向回転を駆動し、回転盤232とリフトブラケット233との間の雌ネジ2331・雄ねじ2321の協働作用、及びリフトブラケット233とウェットカーテンウォータータンク21との間のガイド構造の作用により、回転盤232の回転運動をリフトブラケット233の直線運動に変換することができ、それによりリフトブラケット233はリフト運動(上下運動)を行うことができる。駆動部品231が回転盤232の正方向(又は逆方向)回転を駆動する場合、リフトブラケット233は該リフトブラケット233に取り付けられるウェットカーテン22の降下を、ウェットカーテン22の一部(下部)がウェットカーテンウォータータンク21の水中に浸入するまで駆動することができ、それによりウェットカーテン22はウェットカーテンウォータータンク21内の水を吸入して、湿ったウェットカーテン22を利用して、通過する空気を加湿する。駆動部品231が回転盤232の逆方向(又は正方向)回転を駆動する場合、加湿モジュール2はウェットカーテン22の上昇を駆動することもでき、それによりウェットカーテン22全体はウェットカーテンウォータータンク21の水位線の上方に上昇し、ウェットカーテン22の水中における長期間浸入による細菌・ウイルスの繁殖等の問題を避ける。
【0044】
理解すべきように、伝動コンポーネントは雌ネジ・雄ねじの協働を利用して、駆動部品からの回転運動からウェットカーテンの直線運動への変換を実現することができるだけでなく、他の構造、例えば歯車・ラック構造等を利用して実現することもできる。例えば、伝動コンポーネントは歯車と、ラックが設置されるリフトブラケットと、を備えてもよい。歯車は駆動部品に接続され、歯車とラックとは噛み合って伝動する。駆動部品は歯車の正方向・逆方向回転を駆動し、歯車とラックとの噛合いにより、リフトブラケット及び該リフトブラケットにおけるウェットカーテンのリフト運動を駆動することができる。
【0045】
幾つかの例示的な実施例では、
図1~
図5に示すように、ウェットカーテンウォータータンク21には取付キャビティ211及び取付キャビティ211を囲むウォーターキャビティ212が設置され、駆動部品231は取付キャビティ211内に取り付けられ、回転盤232は取付キャビティ211外に位置して、回転可能に取付キャビティ211の壁部に取り付けられ、駆動部品231の駆動軸は取付キャビティ211の壁部を通過して回転盤232に接続され、リフトブラケット233は取付キャビティ211外に嵌設される。
【0046】
ウェットカーテンウォータータンク21には取付キャビティ211とウォーターキャビティ212とが設置され、取付キャビティ211は円柱状のキャビティであってもよく、ウォーターキャビティ212は環形であって、取付キャビティ211を囲むように設置されてもよい。取付キャビティ211は駆動部品231取付用であってもよく、駆動部品231は取付キャビティ211内に取り付けられ、水との接触による駆動部品231の正常作動への影響を避けることができる。
図2~
図5に示すように、駆動部品231は取付キャビティ211のウェットカーテンウォータータンク21の底壁から離れる壁部に取り付け可能であり、即ち駆動部品231は取付キャビティ211の頂壁に取り付け可能である。
【0047】
回転盤232は取付キャビティ211外に位置し、且つ回転可能に取付キャビティ211の壁部に取り付けられて、回転盤232の回転可能を実現する。
図2~
図5に示すように、回転盤232は取付キャビティ211のウェットカーテンウォータータンク21の底壁から離れる壁部に取り付け可能であり、即ち回転盤232は取付キャビティ211の頂壁に取り付け可能である。駆動部品231の駆動軸は取付キャビティ211の頂壁を通過して、駆動部品231と回転盤232との接続を実現することができる。当然ながら、回転盤232は取付キャビティ211の頂壁以外の他の箇所に取り付けられてもよい。例えば、回転盤232は取付キャビティ211の底壁に取り付けられてもよい。
【0048】
リフトブラケット233は取付キャビティ211外に嵌設され、それによりリフトブラケット233は取付キャビティ211の壁部に取り付けられる回転盤232外に嵌設され、リフトブラケット233と回転盤232とにおける雌ネジ2331・雄ねじ2321の伝動協働を実現する。リフトブラケット233の中心軸線、駆動部品231の駆動軸の回転軸線、回転盤232の回転軸線は共線であってもよい。リフトブラケット233は取付キャビティ211外に嵌設され、それによりリフトブラケット233はウェットカーテン22の下部部分のウォーターキャビティ212の水中への浸入を駆動し、空気の加湿を実現する。
【0049】
リフトブラケット233とウェットカーテンウォータータンク21との間のガイド構造は、回転盤232の軸方向(上下方向)に沿って伸びるガイド突起とガイド溝とを含む。ガイド突起はリフトブラケット233とウェットカーテンウォータータンク21とのうちの一方に設置されてもよく、ガイド溝はリフトブラケット233とウェットカーテンウォータータンク21とのうちの他方に設置されてもよい。例えば、ガイド突起はリフトブラケット233の内側壁面に設置されてもよく、ガイド溝は取付キャビティ211の外側壁面に設置されてもよい。
【0050】
幾つかの例示的な実施例では、
図3及び
図5に示すように、リフトブラケット233の外側壁面には階段面2332が設けられ、ウェットカーテン22はリフトブラケット233外に嵌設されて階段面2332において支持される。
【0051】
リフトブラケット233の外側壁面には階段面2332が設けられ、該階段面2332は環形であって、ウェットカーテン22を支持することに用いられてもよい。それにより環形のウェットカーテン22はリフトブラケット233外に嵌設されて、リフトブラケット233の階段面2332において支持され、ウェットカーテン22の支持、固定を実現する。
【0052】
幾つかの例示的な実施例では、
図2~
図5に示すように、浄化加湿モジュールは、ウェットカーテンウォータータンク21の実際水位線を検出するように設定される水位検出装置24を更に備える。
【0053】
加湿空気清浄機は、水位検出装置24と加湿モジュール2とに電気的接続されるように設定される制御装置を更に備える。制御装置は水位検出装置24による検出結果に基づいて加湿モジュール2の作動を制御するように設定され、それにより、ウェットカーテン22の一部(下部)をウェットカーテンウォータータンク21の実際水位線の下方に移動させ、又は、ウェットカーテン22をウェットカーテンウォータータンク21の実際水位線の上方に上昇させる。
【0054】
水位検出装置24はウェットカーテンウォータータンク21に取り付けられて、ウェットカーテンウォータータンク21の実際水位線を検出することができる。加湿空気清浄機が作動する場合、制御装置は水位検出装置24が検出した実際水位線に基づいて、加湿モジュール2のリフト運動を制御することができる。それにより、ウェットカーテン22の下部はウェットカーテンウォータータンク21の実際水位線の下方に移動可能であり、ウェットカーテン22の下部は水中に浸入可能であり、このため、ウェットカーテン22が水を吸入した後に空気を加湿することに寄与する。加湿空気清浄機が非作動状態(即ち加湿モジュール2が加湿しない)場合、制御装置は水位検出装置24が検出した実際水位線に基づいて、加湿モジュール2のリフト運動を制御することができる。それにより、ウェットカーテン22の下部はウェットカーテンウォータータンク21の実際水位線の上方に移動可能であり、ウェットカーテン22全体は水中に浸入せず、ウェットカーテン22の水中における長期間浸入による細菌・ウイルスの繁殖等の問題を避ける。
【0055】
当然ながら、浄化加湿モジュールは水位検出装置24を備えず、ウェットカーテンウォータータンク21に設定される定格水位線に基づいて加湿モジュール2のリフト運動を制御してもよい。
【0056】
例えば、幾つかの例示的な実施例では、加湿空気清浄機は、加湿モジュール2に電気的接続される制御装置を更に備える。制御装置は加湿モジュール2の作動を制御するように設定され、それにより、ウェットカーテン22の一部をウェットカーテンウォータータンク21の定格水位線の下方に移動させ、又は、ウェットカーテン22をウェットカーテンウォータータンク21の定格水位線の上方に上昇させる。
【0057】
ウェットカーテンウォータータンク21は定格水位線を有し、ウェットカーテンウォータータンク21内の実際水位線は定格水位線以下である。初期の場合、ウェットカーテンウォータータンク21内の実際水位線は定格水位線のところにあり、加湿モジュール2の加湿に伴って、ウェットカーテンウォータータンク21内の実際水位線は次第に降下する。
【0058】
加湿モジュール2はウェットカーテン22の降下動作を駆動し、ウェットカーテン22の下部をウェットカーテンウォータータンク21の定格水位線の下方の設定距離のところに移動させ(例えば、ウェットカーテン22はウェットカーテンウォータータンク21のウォーターキャビティ212の底面に当接するまで降下する)、ウェットカーテン22の下部が水中に浸入することを確保し、水を吸入して加湿することができる。又は、加湿モジュール2はウェットカーテン22の上昇動作を駆動し、ウェットカーテン22全体をウェットカーテンウォータータンク21の定格水位線の上方に上昇させ、加湿空気清浄機の非作動時のウェットカーテン22の水中における長期間浸入を避けることができる。
【0059】
幾つかの例示的な実施例では、制御装置は更に送風機4に電気的接続され、ウェットカーテン22がウェットカーテンウォータータンク21の水位線の上方に上昇した後、送風機4を作動するように制御してウェットカーテン22を風で乾燥させるように設定される。
【0060】
制御装置は遠心送風機システムに電気的接続されてもよい。加湿空気清浄機が正常に作動する場合、制御装置は送風機を作動するように制御して、吸気口から加湿空気清浄機の本体内に進入するように室内の空気を駆動することができる。本体内の浄化モジュール3と加湿モジュール2とは空気に対して浄化及び加湿を行い、浄化加湿後の湿った空気は排気口を介して本体から排出し、室内に回流する。加湿空気清浄機による加湿作業が必要でない場合、制御装置はまず加湿モジュール2の作動を制御して、ウェットカーテン22をウェットカーテンウォータータンク21の水位線の上方に上昇させ、それから送風機の作動を制御して、吸気口から加湿空気清浄機の本体内に進入するように室内の空気を駆動して、気流を利用してウェットカーテン22を風で乾燥させることができる。
【0061】
ウェットカーテン22を風で乾燥させる場合の送風機の電力はP1であり、空気を加湿浄化する場合の送風機の電力はP2であり、P1はP2より小さくてもよく、ウェットカーテン22を風で乾燥させる時の騒音を低減する。当然ながら、P1をP2以上に設定して、ウェットカーテン22の風乾燥を加速してもよい。
【0062】
幾つかの例示的な実施例では、
図2~
図5に示すように、浄化加湿モジュールは位置制限リング25を更に備え、位置制限リング25はウェットカーテン22と浄化モジュール3との間に嵌められて、ウェットカーテンウォータータンク21において支持され、且つ位置制限リング25には通風孔251が設置される。
【0063】
ウェットカーテン22の材質は柔軟で、変形し易いため、環形のウェットカーテン22と浄化モジュール3との間に位置制限リング25を設置した。即ち、浄化モジュール3、位置制限リング25、ウェットカーテン22は外から内に向かって順に嵌設され、且つ位置制限リング25と浄化モジュール3とはウェットカーテンウォータータンク21の上端面において支持される。ウェットカーテン22と浄化モジュール3との隙間と比べて、位置制限リング25とウェットカーテン22との隙間は比較的小さく、ウェットカーテン22と浄化モジュール3との同心度の確保に寄与し、且つウェットカーテン22の変形度を低減して、ウェットカーテン22の加湿効果を確保することができる。位置制限リング25には通風孔251が設置され、浄化モジュール3により浄化された空気は位置制限リング25の通風孔251を経由してウェットカーテン22に流れ、ウェットカーテン22による空気の加湿に寄与する。
【0064】
位置制限リング25の構造強度はウェットカーテン22の構造強度よりも大きくてもよく、それにより位置制限リング25は変形し難い。例えば、位置制限リング25はプラスチック又は他の材質であってもよい。
【0065】
幾つかの例示的な実施例では、
図1、
図2及び
図4に示すように、送風機4は遠心ファン42と電動モータ41とを備え、遠心ファン42は電動モータ41の浄化モジュール3に近い側に位置して、電動モータ41の電動モータ軸に接続される。電動モータ41は遠心ファン42の回転を駆動することができ、それにより外部の乾燥空気は吸気口11から進入し、浄化モジュール3による浄化及び加湿モジュール2による加湿を経た後、排気口12から排出する。
【0066】
幾つかの例示的な実施例では、電動モータ41、遠心ファン42、ウェットカーテン22及び浄化モジュール3の軸線は共線である。
【0067】
電動モータ41と遠心ファン42とは機器全体の動力システムとされ、そして機器全体において、電動モータ41、遠心ファン42、ウェットカーテン22及び浄化モジュール3の軸線は共線であり、該軸線は垂直方向に沿って伸びてもよい。電動モータ41、遠心ファン42、ウェットカーテン22及び浄化モジュール3の軸線は共線であり、機器全体の空気抵抗の低減、浄化及び加湿の効率の向上に寄与する。
【0068】
幾つかの例示的な実施例では、
図2に示すように、加湿モジュール2が加湿状態にある場合、浄化モジュール3の送風機4に近い端はウェットカーテン22の送風機4に近い端よりも突出する。
【0069】
図2に示すように、加湿モジュール2が加湿状態にある場合、浄化モジュール3の送風機4に近い端(即ち浄化モジュール3の上端)はウェットカーテン22の送風機4に近い端(即ちウェットカーテン22の上端)よりも突出する。それにより、空気は本体1内に進入して浄化モジュール3により浄化された後、一部の空気は下方のウェットカーテン22を通過して、ウェットカーテン22により加湿され、他の一部の空気はウェットカーテン22の上方を通過し、即ちウェットカーテン22により加湿されず、加湿された又は未加湿の空気は最終的に排気口12から排出する。
【0070】
浄化モジュール3の上端とウェットカーテン22の上端とが揃って、浄化された全部の空気がいずれもウェットカーテン22により加湿される技術案と比べて、浄化モジュール3の上端がウェットカーテン22の上端よりも突出して、一部の空気がウェットカーテン22により加湿されないことにより、空気抵抗の低減、加湿空気清浄機の通風量の向上に寄与し、加湿効果と機器全体の作動効率との両立を実現する。
【0071】
幾つかの例示的な実施例では、
図1、
図2及び
図4に示すように、加湿空気清浄機は風道コンポーネント5を更に備えるように設定される。風道コンポーネント5は本体1内に設置され、吸気口11と排気口12とを連通し、且つ風道コンポーネント5の吸気側にはエアガイドリング51が設置される。送風機4の少なくとも一部は風道コンポーネント5内に設置される。
【0072】
図1、
図2及び
図4に示すように、風道コンポーネント5は分体組立構造又は一体化構造であってもよい。風道コンポーネント5の吸気側に設置されるエアガイドリング51は、その内側壁面が弧面であってもよく、それにより風道コンポーネント5に進入した気流をガイドし、乱流の産生を減少し、空気抵抗の低減、吸気効率の向上に寄与する。
【0073】
幾つかの例示的な実施例では、
図1、
図2及び
図4に示すように、浄化加湿モジュールは風道コンポーネント5外に位置し、且つ風道コンポーネント5の吸気側と吸気口11との間に位置する。浄化加湿モジュールと風道コンポーネント5とは浄化モジュール3の軸方向に沿って配置され、環形の浄化モジュール3の内腔と風道コンポーネント5の吸気側のエアガイドリング51とは連通する。
【0074】
浄化モジュール3の風道コンポーネント5から離れる端(下端)はウェットカーテンウォータータンク21の上端面に当接されてもよい。浄化モジュール3の風道コンポーネント5に近い端(上端)は風道コンポーネント5の吸気側に当接されてもよい。それにより、浄化モジュール3の内腔とエアガイドリング51とは連通する。このように、送風機4が作動する場合、室内の空気は吸気口11から進入して、浄化モジュール3の径方向に沿って浄化加湿モジュールを経由した後、浄化モジュール3の軸方向に沿って風道コンポーネント5を経由して排気口12に到達して排出することができる。空気が浄化加湿モジュールを経由する場合、空気はまず浄化モジュール3を経由して浄化されてもよい。浄化モジュール3内に流れる空気のうち、一部の空気はウェットカーテン22を経由して加湿され、それからエアガイドリング51のガイドにより風道コンポーネント5内に流れてもよく、他の一部の空気はウェットカーテン22により加湿されず、直接にエアガイドリング51のガイドにより風道コンポーネント5内に流れてもよく、最終的に、風道コンポーネント5内の空気は排気口12から排出する。
【0075】
幾つかの例示的な実施例では、
図2に示すように、加湿モジュール2が加湿状態にある場合、浄化モジュール3の送風機4に近い端がウェットカーテン22の送風機4に近い端よりも突出する高さはHであり、エアガイドリング51の最小内径はDであり、且つ0.1≦H/D≦0.4である。
【0076】
図2に示すように、エアガイドリング51の内側壁面は弧面であり、気流の流れ方向に沿って、エアガイドリング51の内径は次第に減少する。従って、エアガイドリング51の排気側において、エアガイドリング51の内径は最小であって、Dである。加湿モジュール2が加湿状態にある場合、浄化モジュール3の送風機4に近い端がウェットカーテン22の送風機4に近い端よりも突出する高さはHであり、HとDとの関係は0.1≦H/D≦0.4を満足し、即ちH/Dの値範囲は0.1~0.4であり、例えばH/Dの値は0.15、0.2、0.25、0.3、0.35等であってもよい。
【0077】
加湿モジュール2が加湿状態にある場合、浄化モジュール3の送風機4に近い端がウェットカーテン22の送風機4に近い端よりも突出する高さはHであり、浄化モジュール3の突出高さHのところを経由する空気はウェットカーテン22を経由せずに直接にエアガイドリング51を介して風道コンポーネント5内に進入してもよい。ウェットカーテン22を経由しないことは、空気の流れ抵抗の低減に寄与し、機器全体の通風効率を確保する。浄化モジュール3のウェットカーテン22外に嵌設される部分を経由する空気は、ウェットカーテン22を経由して加湿されてもよい。従って、HとDとのサイズは上記関係を満足し、それによりウェットカーテン22により加湿されていない空気量はエアガイドリング51の吸気量にマッチし、機器全体の空気抵抗と通風効率との確保に寄与し、且つ加湿浄化効果は良好である。
【0078】
当然ながら、H/Dの値は上記範囲に制限されず、実際ニーズに応じて調整してもよい。
【0079】
上記のように、本発明は加湿機能を有する清浄機である加湿空気清浄機を開示し、吸気口と排気口とを有する本体、本体内に設置されるウェットカーテンウォータータンク、浄化モジュール、ウェットカーテン、リフト機構、電動モータ及び遠心ファンを備える。正常作動状態の場合、電動モータは遠心ファンの回転を駆動し、それにより外部の乾燥空気は吸気口から進入し、排気口から排出する。吸気口と遠心ファンとの間には浄化モジュールとウェットカーテンとが設置され、乾燥空気は遠心ファンに進入する前にまず浄化モジュールによる浄化及びウェットカーテンによる加湿を経ており、それから遠心ファンにより加速された後に排気口から排出する。風乾燥状態の場合、リフト機構は作動し、リフトブラケットの垂直方法に沿う上昇を駆動し、この時、リフトブラケットに取り付けられるウェットカーテンも一緒に、ウェットカーテンウォータータンク内の水位線よりも高くなるまで上昇し、それから電動モータは作動し、遠心ファンの回転を駆動し、ウェットカーテンを風で乾燥させる。
【0080】
排気口に近い送風機(バックワード遠心送風機)を動力システムとして採用し、機器全体におけるウォータータンク、ろ過網、ウェットカーテン、動力システム及び排気口は軸方向に沿って配置され、スペースを大幅に節約する。同時に、浄化モジュールとウェットカーテンとは嵌設方式の取付形態を採用し、機器全体の空気抵抗を低減し、浄化及び加湿の効率を向上させ、騒音を低減する。また、風乾燥状態において、水位検出装置により現在の水位状態を検出し、リフト機構によりウェットカーテンを実際水位線以上に上昇させて、電動モータを起動させて風乾燥を行い、水中における長期間浸入による異臭及び細菌繁殖の問題を避ける。
【0081】
なお、本発明の説明では、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」等の用語が指示する方向又は位置関係は、図面に示す方向又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明及び説明の簡単化のためのものであり、指示される装置又は素子が特定の方向を有し、特定の方向で構成及び操作しなければならないことを示し又は示唆するためのものではないため、本発明の制限ではない。
【0082】
また、「第1」、「第2」等の用語は目的の説明のためのものに過ぎず、相対重要性の指示又は示唆、又は指示される技術的特徴の数量の暗示と理解されるべきではない。従って、「第1」、「第2」が限定された特徴は少なくとも1つの該特徴を明確又は暗黙的に含み得る。本発明の説明において、特別な限定がない限り、「複数」とは少なくとも2つを指し、例えば2つ、3つ等である。
【0083】
本発明では、明確な規定及び限定がない限り、用語の「取付」、「連通」、「接続」、「固定」等は広義的に理解されるべきである。例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続又は一体化接続であってもよく、機械的接続であってもよく、電気的接続であってもよく、直接接続であってもよく、中間媒体を介する接続であってもよく、2つの素子内部の接続又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者は、具体的な状況に応じて上記用語の本発明での具体的な意味を理解することができる。
【0084】
本発明では、明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接に接触すること、又は第1特徴と第2特徴とが中間媒体を介して間接に接触することであってもよい。そして、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の正上方又は斜上方にあることであってもよく、又は単に第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことを示す。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」又は「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の正下方又は斜下方にあることであってもよく、又は単に第1特徴の水平高さが第2特徴よりも小さいことを示す。
【0085】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「幾つかの実施例」、「例示」、「具体的な例示」又は「幾つかの例示」等は、該実施例又は例示を参照して説明される具体的な特徴、構造、材料又は特点が本発明の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語の概略的表現は必ずしも同一の実施例又は例示を意味するとは限らない。また、説明される具体的な特徴、構造、材料又は特点は任意の1つ又は複数の実施例又は例示において適切に組み合わせることができる。また、矛盾しない限り、当業者は本明細書に説明される異なる実施例又は例示、及び異なる実施例又は例示の特徴を結合したり組合わせたりすることができる。
【0086】
以上は本発明の実施例を示したが、理解できるように、上記実施例は例示的なものであり、本発明に対する制限ではない。当業者は本発明の範囲内に上記実施例に対して変更、修正、置換又は変形を行うことができる。
【図面の符号】
【0087】
1 本体;11 吸気口;12 排気口;2 加湿モジュール;21 ウェットカーテンウォータータンク;211 取付キャビティ;212 ウォーターキャビティ;22 ウェットカーテン;23 リフト機構;231 駆動部品;232 回転盤;2321 雄ねじ;233 リフトブラケット;2331 雌ネジ;2332 階段面;24 水位検出装置;25 位置制限リング;251 通風孔;3 浄化モジュール;4 送風機;41 電動モータ;42 遠心ファン;5 風道コンポーネント;51 エアガイドリング。