(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】真空掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/28 20060101AFI20240712BHJP
A47L 5/24 20060101ALI20240712BHJP
A47L 9/04 20060101ALN20240712BHJP
【FI】
A47L9/28 L
A47L9/28 M
A47L5/24 A
A47L9/04 A
(21)【出願番号】P 2023501468
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(86)【国際出願番号】 GB2021051369
(87)【国際公開番号】W WO2022008865
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-02-14
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】マッシモ キャンプラーニ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー コリングウッド ワトソン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド アラン ミリントン
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン ローソン マクリーン
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-269063(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0235270(US,A1)
【文献】国際公開第2018/202367(WO,A1)
【文献】特開平06-154139(JP,A)
【文献】特開2019-000442(JP,A)
【文献】特開2019-088543(JP,A)
【文献】特開2005-211364(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0073844(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第3058860(EP,A1)
【文献】特開2012-101060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/00- 9/32
A47L 5/00- 5/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空掃除機であって、
本体と、
真空モータと、
感知された前記
本体の動きおよび向きに基づいて第1のセンサ信号を生成するように構成された第1のセンサ
であって、前記動きは直線加速度および角加速度である、第1のセンサと、
撹拌器を含む掃除機ヘッドと、
感知された前記掃除機ヘッドのパラメータに基づいて第2のセンサ信号を生成するように構成された1つ以上の診断センサと、
コントローラであって、
前記生成された第1および第2のセンサ信号を処理して、前記真空掃除機が操作されている表面タイプを判断し、
前記判断された表面タイプに応じて前記真空モータのパワーを制御する
ように構成された、コントローラと、
を備えた、真空掃除機。
【請求項2】
前記第1のセンサは、慣性計測装置(IMU)を含む、請求項1に記載の真空掃除機。
【請求項3】
前記掃除機ヘッドは、前記撹拌器を回転させるように配置された撹拌器モータをさらに含み、
前記感知された前記掃除機ヘッドのパラメータは、前記撹拌器モータの電流を含む、請求項1または2に記載の真空掃除機。
【請求項4】
前記コントローラは、前記判断された表面タイプに応じて、前記撹拌器モータのパワーを制御するように構成されている、請求項3に記載の真空掃除機。
【請求項5】
前記感知された前記掃除機ヘッドのパラメータは、前記掃除機ヘッドに印加される圧力を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の真空掃除機。
【請求項6】
前記コントローラは、生成されたセンサ信号と表面タイプとの間のマッピングを定義する表面タイプモデルを使用して、前記生成された第1および第2のセンサ信号を処理して、前記真空掃除機が操作されている表面タイプを判断するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の真空掃除機。
【請求項7】
前記表面タイプモデルは、複数のクラスタを含み、各クラスタは、各々の表面タイプに対応している、請求項6に記載の真空掃除機。
【請求項8】
前記表面タイプモデルに定義される前記表面タイプは、2つ以上の異なるタイプのカーペット、および硬質な床を含む、請求項6または7に記載の真空掃除機。
【請求項9】
前記表面タイプモデルに定義される前記表面タイプは、少なくとも4つの異なるタイプのカーペットを含む、請求項8に記載の真空掃除機。
【請求項10】
前記4つの異なるタイプのカーペットは、
プラシ天のカーペット、
マルチレベルループカーペット、
レベルループカーペット、および
ディープパイルカーペット
を含む、請求項9に記載の真空掃除機。
【請求項11】
真空掃除機を操作する方法であって、
感知された前記真空掃除機
の本体の動きおよび向きに基づいて第1のセンサ信号を生成することと、
撹拌器を含む
前記真空掃除機の掃除機ヘッドの感知されたパラメータに基づいて第2のセンサ信号を生成することと、
前記生成された第1および第2のセンサ信号を処理して、前記真空掃除機が操作されている表面タイプを判断することと、
前記判断された表面タイプに応じて前記
真空掃除機の真空モータのパワーを制御することと、
を含む、方法。
【請求項12】
コンピュータ化されたデバイスによって実行されると、前記コンピュータ化されたデバイスに真空掃除機を操作する方法を実行させる、一連の命令を含むコンピュータプログラムであって、
前記方法は、
感知された前記真空掃除機の
本体の動きおよび向きに基づいて第1のセンサ信号を生成することと、
撹拌器を含む
前記真空掃除機の掃除機ヘッドの感知されたパラメータに基づいて第2のセンサ信号を生成することと、
前記生成された第1および第2のセンサ信号を処理して、前記真空掃除機が操作されている表面タイプを判断することと、
前記判断された表面タイプに応じて前記
真空掃除機の真空モータのパワーを制御することと、
を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、真空掃除機に関する。特に、排他的ではないが、本開示は、真空掃除機を操作するための方法、装置、およびコンピュータプログラムを含む手段に関する。
【背景技術】
【0002】
概して、真空掃除機には、「直立型」真空掃除機、「シリンダ型」真空掃除機(「キャニスター型」真空掃除機とも呼ばれる)、「携行式」真空掃除機および「スティック型」真空掃除機の4つのタイプがある。
【0003】
直立型真空掃除機およびシリンダ型掃除機は、商用電源で作動する傾向がある。
【0004】
携行式真空掃除機は、比較的小型で高い携帯性を有する真空掃除機であって、家屋の床および内装の部分的な清掃や車両およびボートの内部清掃等のような比較的低負荷に特に適している。直立型真空掃除機およびシリンダ型真空掃除機とは異なり、それらは、利用の際には手で運搬されるように設計されており、バッテリ駆動されるようになっている。
【0005】
スティック型真空掃除機は、ユーザが床面を掃除している間立ち続けられるように、効果的に床面に到達する剛性の細長い吸引ワンドと組み合わされた携行式真空掃除機を備えることができる。典型的には、床ツールは、剛性の細長い吸引ワンドの端部に取り付けられているか、または代替的にワンドの底端部と一体化されている。
【0006】
スティック型真空掃除機は、典型的には、硬質な床や様々なタイプのカーペットを含む、様々な異なる床面タイプを含む環境において使用される。通常、硬質な床と比較して、カーペットから、特にディープパイルカーペットから塵埃を取り除くには、真空モータからのより大きなパワーが必要である。一部のスティック型真空掃除機は、表面タイプがカーペットか硬質な床かを感知し、それに応じて真空モータのパワーを調整することができる。しかしながら、既存のデバイスは固定パラメータに基づいており、新しいタイプの表面を発見して適応することはできない。更に、真空掃除機のコンポーネントは、デバイスが経年変化すると変化し得る。これにより、最終的に真空掃除機が表面タイプを誤認し、結果的に、最善には及ばない真空モータのパワーを使用する結果となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の目的は、上記の欠点を軽減または除去すること、および/または改善されたあるいは代替的な真空掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様によれば、真空モータと、感知された真空掃除機の動きおよび向きに基づいて第1のセンサ信号を生成するように構成された第1のセンサと、撹拌器を含む掃除機ヘッドと、感知された掃除機ヘッドのパラメータに基づいて第2のセンサ信号を生成するように構成された1つ以上の診断センサと、生成された第1および第2のセンサ信号を処理して、真空掃除機が操作されている表面タイプを判断し、判断された表面タイプに応じて真空モータのパワーを制御するように構成されたコントローラと、を備える真空掃除機が提供される。
【0009】
コントローラは、表面タイプを判断するために、真空掃除機の様々なセンサによって生成されるセンサデータを組み合わせる。これにより、表面タイプのより正確な判断が可能となり、コントローラが複数の異なる表面タイプを、例えば、異なるタイプのカーペットを識別することが可能となる。例えば、第1のセンサ信号は、真空掃除機が異なる表面上で操作されるときに、異なる表面によって引き起こされる異なる振動に起因して、異なるシグネチャを含み得る。
【0010】
実施形態では、第1のセンサは、慣性計測装置(IMU)を含む。
【0011】
実施形態では、掃除機ヘッドは、更に、撹拌器を回転させるように配置された撹拌器モータを備え、感知された掃除機ヘッドのパラメータは、撹拌器モータの電流を含む。
【0012】
実施形態では、コントローラは、判断された表面タイプに応じて撹拌器モータのパワーを制御するように構成される。
【0013】
実施形態では、感知された掃除機ヘッドのパラメータは、掃除機ヘッドに印加される圧力を含む。
【0014】
実施形態では、コントローラは、生成されたセンサ信号と表面タイプとの間のマッピングを定義する表面タイプモデルを使用して、生成された第1および第2のセンサ信号を処理して、真空掃除機が操作されている表面タイプを判断するように構成される。
【0015】
実施形態では、表面タイプモデルは、複数のクラスタを含み、各クラスタは、各々の表面タイプに対応している。
【0016】
実施形態では、表面タイプモデルに定義される表面タイプは、2つ以上の異なるタイプのカーペット、および硬質な床を含む。
【0017】
このように、真空掃除機は、硬質な床とカーペットとを区別できるだけでなく、異なるタイプのカーペットを区別することも可能であり、それによって、清掃性能およびバッテリ稼働時間を更に最適化することができる。
【0018】
実施形態では、表面タイプモデルに定義される表面タイプは、少なくとも4つの異なるタイプのカーペットを含む。
【0019】
実施形態では、4つの異なるタイプのカーペットは、プラシ天のカーペット、マルチレベルループカーペット、レベルループカーペットおよびディープパイルカーペットを含む。
【0020】
本開示の一態様によれば、真空掃除機の操作方法が提供され、この方法は、感知された真空掃除機の動きおよび向きに基づいて第1のセンサ信号を生成することと、撹拌器を含む掃除機ヘッドの感知されたパラメータに基づいて第2のセンサ信号を生成することと、生成された第1および第2のセンサ信号を処理して、真空掃除機が操作されている表面タイプを判断することと、判断された表面タイプに応じて真空モータのパワーを制御することと、を含む。
【0021】
本開示の一態様によれば、コンピュータ化されたデバイスによって実行されると、コンピュータ化されたデバイスに真空掃除機の操作方法を実行させる、一連の命令を含むコンピュータプログラムが提供され、この方法は、感知された真空掃除機の動きおよび向きに基づいて第1のセンサ信号を生成することと、撹拌器を含む掃除機ヘッドの感知されたパラメータに基づいて第2のセンサ信号を生成することと、生成された第1および第2のセンサ信号を処理して、真空掃除機が操作されている表面タイプを判断することと、判断された表面タイプに応じて真空モータのパワーを制御することと、を含む。
【0022】
本開示は、任意の特定のタイプの真空掃除機に限定されない。例えば、本開示の態様は、直立型真空掃除機、シリンダ型真空掃除機または携行式あるいは「スティック型」真空掃除機で利用することができる。
【0023】
本開示の一態様に関連して説明した特徴は、本開示の他の態様に組み込むことができることを理解されたい。例えば、方法の態様は、装置の態様を参照して説明した特徴のいずれかを組み込むことができ、その逆も可能である。
【0024】
次に、添付の概略図を参照して、単なる例示として、本開示の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示の一実施形態による、スティック型真空掃除機の斜視図である。
【
図2】
図1の真空掃除機の掃除機ヘッドを下方から見た図である。
【
図3】
図1の真空掃除機の電気部品の概略図である。
【
図4】
図1のスティック型真空掃除機の本体の斜視図である。
【
図5】本開示の実施形態による、真空掃除機の慣性計測装置によって生成される直線加速度および角加速度に対応するセンサ信号を示す図である。
【
図6】本開示の実施形態による、真空掃除機の慣性計測装置によって生成される向きに対応する更なるセンサ信号を示す図である。
【
図7】本開示の実施形態による、真空掃除機の慣性計測装置によって生成される向きに対応する更なるセンサ信号を示す図である。
【
図8】本開示の実施形態による、センサと、ヒューマン-コンピュータインタフェースと、モータと、コントローラとの間の電気接続を示す、
図3の真空掃除機の電気部品の簡略化された概略図である。
【
図9】本開示の様々な実施形態による、コントローラによって実行される例示的なセンサ信号処理を示すブロック図である。
【
図10】本開示の実施形態による、表面タイプを検出する真空掃除機の操作方法を示すフローチャートである。
【
図11】本開示の実施形態による、
図10および
図13に示される方法に適用可能な、コントローラによって実行される例示的なセンサ信号処理を示すブロック図である。
【
図12a】本開示の実施形態による、生成されたセンサ信号と表面タイプとの間のマッピングを定義する例示的な表面タイプモデルを示す図である。
【
図12b】本開示の実施形態による、生成されたセンサ信号と表面タイプとの間のマッピングを定義する例示的な表面タイプモデルを示す図である。
【
図13】本開示の実施形態による、表面タイプを検出する真空掃除機の操作方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1~
図4は、本開示の実施形態による真空掃除機2を示す。真空掃除機2は、概して管状の細長いワンド8によって本体6に接続された掃除機ヘッド4を備える「スティック型」真空掃除機である。掃除機ヘッド4はまた、本体6に直接接続可能であり、真空掃除機2を携行式真空掃除機に変換することができる。隙間ツール3、ダストブラシ7および小型電動掃除機ヘッド5のような他の取り外し可能なツールを本体6に、または細長いワンド8の端部に直接取り付けて、多様な清掃作業に適合させることができる。
【0027】
本体6は、この場合においてはサイクロン型分離器である粉塵分離器10を備える。サイクロン型分離器は、単一のサイクロンを備える第1のサイクロン段12と、並列に配置された複数のサイクロン16を備える第2のサイクロン段14と、を有する。本体6はまた、真空掃除機2から空気を排出可能な通気口20が設けられた取り外し可能なフィルタ組立体18も有する。真空掃除機2の本体6は、ユーザが保持するように位置付けられたピストル型グリップ22を有する。ピストル型グリップ22の上端には、真空掃除機2のスイッチを入れるために通常は押下されるトリガスイッチ24の形態のユーザ入力デバイスがある。しかしながら、いくつかの実施形態では、物理的なトリガスイッチ24は、任意である。ピストル型グリップ22の下端の下には、複数の充電可能電池27を含むバッテリパック26が配置されている。コントローラ50と、電気モータによって駆動されるファンを備える真空モータ52とは、粉塵分離器10の後方で本体6内に設けられている。
【0028】
図2には、掃除機ヘッド4が下方から示されている。掃除機ヘッド4は、吸引チャンバ32および底プレート34を画定するケース30を有する。底プレート34は、空気が吸引チャンバ32に入ることを可能にする吸引開口部36と、床面に係合するホイール37と、を有する。ケース30は、空気が吸引チャンバ32からワンド8に通過可能な出口38を画定する。吸引チャンバ32内には、ブラシバーの形態の撹拌器40が配置されている。撹拌器40は、撹拌器モータ54によって吸引チャンバ32内で回転するように駆動することができる。この実施形態の撹拌器モータ54は、撹拌器40の内側に収容されている。撹拌器40は、溝部42から突出する螺旋状アレイの剛毛43を有し、剛毛43が吸引開口部36を通して吸引チャンバ34から外へ突出するように吸引チャンバに位置付けられている。
【0029】
図3は、真空掃除機2の電気部品の概略図である。コントローラ50は、バッテリパック26の電池27から真空モータ52への電力の供給を管理する。真空モータ52の電源が入ると、これにより空気の流れが生成され、吸引力を発生させる。粉塵が混入された空気は、掃除機ヘッド4(または、取り付けられている場合は、隙間ツール3、小型電動掃除機ヘッド5、またはダストブラシ7のような他のツールのうちの1つ)に吸い込まれ、吸引開口部36を介して、吸引チャンバ32に吸い込まれる。そこから、空気は、掃除機ヘッド4の出口38を通って、ワンド8に沿って粉塵分離器10に吸い込まれる。混入された粉塵は、粉塵分離器10によって取り除かれ、次に、比較的清潔な空気が真空モータ52を介して引き込まれ、フィルタ組立体18を通って、通気口20を介して真空掃除機2から排出される。更に、コントローラ50はまた、撹拌器40を回転させるように、ワンドの内側に沿って配置されたワイヤ56を介して、バッテリパック26から掃除機ヘッド4の撹拌器モータ54に電力を供給する。掃除機ヘッド4が硬質な床上にあるとき、掃除機ヘッド4はホイール37によって支持されており、底プレート34および撹拌器40は、床面から離間している。掃除機ヘッド4がカーペット状面上に載置されているとき、ホイール37は、カーペットのパイル内に沈み込み、従って、底プレート34は(掃除機ヘッド4の残部と共に)更に下方に位置付けられる。これにより、カーペットの繊維が吸引開口部36に向けて(場合によっては、吸引開口部36を通って)突出することが可能となり、そうするとすぐに、カーペットの繊維は、回転している撹拌器40の剛毛43によってかき乱され、それにより、塵埃およびゴミが繊維から解される。
【0030】
本開示の実施形態による真空掃除機2は、
図3および
図4に見られる追加の構成要素を備える。これらは、掃除機ヘッド4の撹拌器モータ54によって引き出された電流を感知するための電流センサ58と、掃除機ヘッド4の底プレート34に印加される圧力を感知するための圧力センサ60と、真空掃除機2の本体6の動きおよび向きに敏感な慣性計測装置(IMU)62と、ヒューマンコンピュータインターフェース(HCI)64と、典型的には飛行時間型(TOF)センサ72の形態の1つ以上の近接センサと、ツールスイッチセンサ74と、ピストル型グリップ22に配置された静電容量センサ76と、のうちの1つ以上を含む。電流センサ58は、掃除機ヘッド4に配置されるように図示されているが、代替的に、本体6に配置することもできる。例えば、電流センサ58は、ワイヤ56を介して、バッテリ26から撹拌器モータ54に供給される電流を感知するように動作可能である場合、コントローラ50の一部として統合することができる。図示の実施形態では、1つのTOFセンサ72が取り外し可能なワンド8の端部に、掃除機ヘッド4または他のツール3、5、7のうちの1つが取り付けられている場所付近に配置されている。取り外し可能なツール3、5、7自体に、更なるTOFセンサ72を設けることもできる。各TOFセンサ72は、TOFセンサ72に対する物体の近接度に依存するセンサ信号を生成する。適切なTOFセンサ72は、レーダまたはレーザ装置を含む。ツールスイッチセンサ74は、真空掃除機2の本体6に配置され、ツール3、4、5、7またはワンド8が本体6に取り付けられているか否かに依存する信号を生成する。実施形態では、ツールスイッチセンサ74は、本体6またはワンド8に取り付けられたツール3、4、5、7のタイプに依存する信号を生成する。静電容量センサ76は、ピストル型グリップ22に配置され、ユーザがピストル型グリップを把持しているか否かに依存する信号を生成する。実施形態では、真空掃除機2は、1つ以上の追加のIMUを備えることができる。例えば、掃除機ヘッド4は、掃除機ヘッド4の動きおよび向きに敏感であり、本体6のIMU62によって生成された信号を補足するための更なるセンサ信号を生成するIMUを備えることができる。IMU62は、1つ以上の加速度計、1つ以上のジャイロスコープおよび/または1つ以上の磁力計を含むことができる。
【0031】
図4により詳細に示されるように、真空掃除機2の本体6は、本体6の前端9から後端11まで延在する長手方向軸70を規定する。本体6の前端9に取り付けられると、ワンド8は、長手方向軸70と平行になる(この場合、同一直線上にある)。図示の実施形態では、HCI64は、視覚表示装置65、より具体的には、平面の、フルカラーのバックライト付き薄膜トランジスタ(TFT)スクリーンを含む。スクリーン65は、コントローラ50によって制御され、バッテリ26から電力を受け取る。スクリーンは、エラーメッセージ、真空掃除機2が動作しているモードの表示、またはバッテリ26残量の表示等の情報をユーザに表示する。スクリーン65は、実質的に後方を向いている(即ち、その平面は、長手方向軸70に対して実質的に垂直に向けられている)。スクリーン65の下に(ピストル型グリップ22によって規定される垂直方向に)配置されているのは、一対の制御部材66であり、これらはまたHCI64の一部を形成し、各制御部材66はスクリーン65に隣接して配置され、ユーザからの制御入力を受け取るように構成されている。実施形態では、制御部材は、真空掃除機のモードを変更するように、例えば、真空モータ52の動力を手動で増加または減少させるように構成されている。実施形態では、HCI64はまた、ユーザに可聴フィードバックを提供可能なスピーカー67等のオーディオ出力装置も備える。
【0032】
IMU62は、3つの空間次元(x、y、およびz)における真空掃除機2の本体6の動きおよび向きに依存するセンサ信号を生成する。動きには、本体6の直線加速度および角加速度が含まれる。
図5aは、清掃動作前、清掃動作中および清掃動作後の本体6の直線加速度に対応する、生成された例示的なIMU62センサデータを示す。時間目盛は、25Hzのサンプリングレートで収集されたサンプルインデックスを示す。縦目盛は、重力による加速度の単位である。トレース91a、91bおよび91cは、それぞれ、x、yおよびz方向における本体6の直線加速度に対応する。
図5bは、
図5aに示したのと同じ清掃動作前、清掃動作中および清掃動作後の本体6の角加速度に対応する、生成された例示的なIMU62センサデータを示す。トレース92a、92bおよび92cは、それぞれ、x、yおよびz軸の周りの角加速度に対応している。
図5aおよび
図5bの両方において、真空掃除機2は、最初は静止している(休止している)。続いて、清掃ストロークを含む清掃セッションが行われ、生成されたセンサデータの一部に振動動作を生じさせる。最後に、真空掃除機2は、再び休止状態に戻される。
図5aおよび
図5bに示されるデータは、例えば、バンドパスフィルタまたはローパスフィルタによって平滑化されている。
図6は、異なる携行式清掃動作中のy軸を中心とした本体6の向きに対応する、例示的な生成されたIMU62センサデータを示す。具体的には、間隔93aは低レベル表面、例えば巾木の清掃に対応しており、間隔93bは本体6がテーブル上に休止している期間に対応しており、間隔93cは高い表面、例えば天井、ブラインド、カーテン、または戸棚の頂部の清掃に対応している。
図7は、更に、電動掃除機ヘッド4、5を使用した異なる清掃動作中のy軸を中心とした、本体6の向きに対応する例示的な生成されたIMU62センサデータを示す。トレース94aは、ワンド8に取り付けられた主要な掃除機ヘッド4を使用した家具の下の清掃に対応している。トレース94bは、ワンド8を使用せずに、本体6に直接取り付けられた小型電動掃除機ヘッド5を使用する階段の清掃に対応している。トレース94cは、ワンド8に取り付けられた掃除機ヘッド4を使用する通常の直立型真空掃除に対応している。異なる清掃活動は、IMU62によって生成されるセンサデータに異なるシグネチャを生じさせることを理解されよう。このように、IMU62センサデータを処理して、真空掃除機を使用しているユーザによって実行されている清掃活動に関する情報または真空掃除機が動作している環境に関する情報を推測することができることを理解されたい。
【0033】
図8は、実施形態による真空掃除機2の電気的レイアウトを概略的に示す。実施形態では、コントローラ50は、トリガ24、電流センサ58、圧力センサ60、IMU62、1つ以上のTOFセンサ72、ツールスイッチセンサ74、および静電容量センサ76のうちの1つ以上によって生成される信号を受信して処理する。コントローラ50は、コントローラ50がセンサ信号を処理するための命令が記憶されたメモリ51を有する。センサ信号の処理に基づいて、コントローラ50は、真空掃除機2の動作を強化し、それによって、ユーザ経験を向上させるために、真空モータ52、撹拌器モータ54、およびHCI64のうちの1つ以上を制御する。強化の例には、塵埃のピックアップ能力の改善およびバッテリ寿命の改善等が含まれる。
【0034】
図9は、本開示の様々な実施形態による、コントローラ50によって実行される例示的なセンサ信号処理を示すブロック図である。フィルタリングされていないセンサ信号88は、利用可能なセンサのうちの1つ以上からコントローラ50にて受信される。異なる実施形態は、異なるセンサからのセンサ信号を利用する。いくつかの実施形態は、例えば、IMU62等の1つのセンサのみからのセンサ信号を利用する。バンドパスフィルタまたはローパスフィルタ82は、生センサ信号88をフィルタリングして、更なる処理により適した平滑化されたセンサ信号90を生成する。ブロック84にて、所定の特徴F
1、F
2・・・F
nが平滑化されたセンサ信号から抽出され、続いて、分類器86によって分析される。実施形態では、分類器86は、抽出された特徴から、真空掃除機2を使用するユーザによって実行されている特定の清掃活動を判断する。他の実施形態では、分類器86は、抽出された特徴から、真空掃除機2が動作している特定の表面タイプを判断する。他の実施形態では、分類器86は、抽出された特徴から、真空掃除機2が積極的に使用されているか否かを判断して、トリガのない真空掃除機2を提供するのを支援する。上記を決定した上で、コントローラ50は、真空モータ52、撹拌器モータ54およびHCI64のうちの1つ以上を伴う動作(単数または複数)を実行させ、それらは、分類器86の出力に依存し、任意にトリガ24の状態に依存するように構成される。フィルタ82、特徴抽出ブロック84および分類器86は、一般に、コントローラ50の制御部にてまたはコントローラ50の制御下で実行されるソフトウェアモジュールとして実装される。コントローラメモリ51は、フィルタ82、特徴抽出84、分類器86およびその結果の動作を定義する一連の命令を記憶する。実施形態では、分類器は、人工ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト、サポートベクターマシンまたは任意の他の適切な訓練されたモデルのような機械学習分類器に基づく。モデルは、スーパーバイズされた学習アプローチを使用して、例えば工場にて、事前にトレーニングされてもよい。一般的には、スライディングウィンドウアプローチを使用して、フィルタリングされたセンサ信号をスパンし、信号の特定の時間部分に対応する特徴を抽出する。通常、連続フレームは、ある程度オーバーラップするが、通常は別々に処理される。利用可能な全てのセンサからセンサデータを受信して処理することが必ずしも常に必要なわけではないことを理解されたい。例えば、実施形態では、コントローラ50は、IMU62センサデータのみを処理して、分類器出力を得ることができる。更に、IMU62センサデータの場合、コントローラ50は、例えば、真空掃除機2の向きに関するIMU62センサデータのみ、または真空掃除機2の加速度に関するIMU62センサデータのみを考慮してもよい。
【0035】
真空掃除機2は、典型的には、硬質な床や様々なタイプのカーペットを含む、様々な異なる床面タイプを含む環境において使用される。通常、硬質な床と比較して、カーペットから、特にディープパイルカーペットから塵埃を取り除くには、真空モータ52からのより強力なパワーが必要とされる。しかしながら、これは、バッテリ26駆動の真空掃除機2の稼働時間を短縮するという代償を伴うことが多い。一般に、掃除機ヘッド4がカーペット上にあるときには真空モータ52に供給されるパワーを増加させ、掃除機ヘッド4が硬質な床上にあるときには減少させるべきである。このようにして、清掃性能を著しく低下させることなく、稼働時間を維持することができる。
【0036】
図10は、実施形態による真空掃除機2の操作方法270を示すフローチャートである。ステップ272では、真空掃除機2に関連付けられた1つ以上のセンサによって、センサ信号が生成される。実施形態では、センサのうちの1つは、IMU62のような、感知された真空掃除機2の動きおよび向きに基づいてセンサ信号を生成するように構成されたセンサである。真空掃除機が、撹拌器モータ54によって駆動される撹拌器40を含む掃除機ヘッド4と共に使用される場合、センサは、感知された掃除機ヘッド4のパラメータに基づいてセンサ信号を生成するように構成された診断センサを含むことができる。このような診断センサには、撹拌器モータ54によって引き出される電流を感知する電流センサ58と、掃除機ヘッド4に印加される圧力を感知する圧力センサ60とが含まれる。しかしながら、いくつかの実施形態では、IMU62からのセンサ信号のみが使用され、または、診断センサからのセンサ信号のみが使用されることを理解されたい。ステップ274では、生成されたセンサ信号は、生成されたセンサ信号と表面タイプとの間のマッピングを定義する表面タイプモデルを使用して、コントローラ50によって処理されて、真空掃除機2が操作されている表面タイプを判断する。ステップ276では、判断された表面タイプに応じて、真空モータ52のパワーを制御する。ステップ278では、生成されたセンサ信号および/または判断された表面タイプに基づいて、表面タイプモデルが更新される。実施形態では、表面タイプモデルは、プラシ天のカーペット、マルチレベルループカーペット、レベルループカーペットおよびディープパイルカーペット等、異なるタイプのカーペットを考慮している。従って、真空掃除機2は、硬質な床とカーペットとを区別できるだけでなく、異なるタイプのカーペットを区別することさえ可能であり、真空モータ52のパワーを更に制御して、清掃効率および稼働時間を最適化することができる。
【0037】
図11を参照すると、真空掃除機2に関連する1つ以上のセンサからのフィルタリングされたセンサ信号90は、表面タイプモデル110への入力を形成する。実施形態では、表面タイプモデル110は、
図9を参照して説明した特徴抽出ブロック84および分類器86に類似している。表面タイプモデル110は、判断された表面タイプに対応する出力を提供し、その出力に基づいて、
図11に示されるように、真空モータ52のパワーが制御される。
図12aを参照すると、表面タイプモデル110は、パラメータ空間内に複数のクラスタ120、122を含むことができ、そのそれぞれが各々のタイプの表面に対応している。
図12aでは、パラメータ空間は、圧力センサ60によって感知される掃除機ヘッド圧力と、電流センサ58によって感知される撹拌器モータ電流(またはブラシバー電流)とによって形成される。
図12aおよび
図12bでは、撹拌器モータ電流およびヘッド圧力を再スケーリングして、パラメータ空間での表現により便利な無次元量を形成している。パラメータ空間における各ポイントは、2つのセンサから抽出された値のペアに対応している。一般に、パラメータ空間がn次元であるように、2つより多いまたは少ないセンサタイプを使用可能であることを理解されたい。クラスタ120、122は、当業者によって理解されるであろうガウスフィッティング手順を使用して判断することができる。真空掃除機2が操作されている表面タイプの判断は、一般に、抽出された値のペア(この例では電流および圧力)がどのクラスタ120、122に属するかを判断することを含む。
【0038】
判断された表面タイプに応じて真空モータ52を制御することとは別に、実施形態では、表面タイプモデル110を経時的に動的に改善および適合させるために、追加のステップが実行される。
図11を参照すると、コントローラ50は、データポイント(即ち、特定の電流および圧力のペアのような、抽出されたセンサ値(単数または複数))が既存のクラスタ120、122に対応するか否かを判断する。それが既存のクラスタに対応する場合、表面タイプモデル110の更新は、表面タイプモデル110の既存のクラスタ120、122を強化または調整することを含む。例えば、コントローラ50は、定期的にガウスフィットを再計算して、経時的な真空掃除機のパラメータの僅かな変化を考慮することができ、これは、ガウス幅または中心をシフトさせる結果となり得る。あるいは、データポイントが既存のクラスタ120、122に対応していない場合、コントローラ50は、112にて、新規クラスタを発見することができる。
図12bを参照すると、新規クラスタ124は、経時的に収集された一連のデータポイントから発見される。新規クラスタ124は、最初の表面タイプモデル110に含まれていなかった新しい表面タイプに対応することができる。新規クラスタ124は、今後の真空清掃操作において、真空掃除機2が新しい表面タイプに応答できるように、表面タイプモデル110に任意に追加される。これは、ユーザが手動で新規表面に対する所望の真空モータパワー52を入力することによって支援することができ、コントローラ50は、将来的にその表面を再び検出したときに、後にそれを記憶している。コントローラ50は、メモリ51にクラスタ履歴114を保持しており、これにより、コントローラ50は、例えば、掃除機ヘッド4の剛毛の摩耗に起因する、経時的な真空掃除機2のパラメータの変化を追跡することができる。実施形態では、コントローラは、特定のクラスタに対応する表面タイプが所定の時間にわたり観察されていないとの判断に応答して、メモリ51から特定のクラスタをパージする(即ち、除去/削除する)ように構成される。このようにして、表面が一定時間にわたり観察されない場合、クラスタは真空掃除機のメモリからエージアウトされ、デバイス上のストレージ要件が減少する。所定の時間は、例えば、1週間、1ヶ月または1年であり得る。
【0039】
図13は、実施形態による真空掃除機2の操作方法280を示すフローチャートである。ステップ282では、感知された掃除機ヘッド4のパラメータに基づいてセンサ信号が生成される。掃除機ヘッド4が撹拌器モータ54によって駆動される撹拌器40を含む実施形態では、診断センサは、感知された掃除機ヘッド4のパラメータに基づいてセンサ信号を生成するように構成される。このような診断センサには、撹拌器モータ54によって引き出される電流を感知する電流センサ58と、掃除機ヘッド4に印加される圧力を感知する圧力センサ60とが含まれる。ステップ284では、感知された真空掃除機の動きおよび向きに基づいて更なるセンサ信号が生成される。実施形態では、更なるセンサ信号は、IMU62によって生成される。ステップ286では、(感知された掃除機ヘッドのパラメータに基づいて、また感知された真空掃除機の動きおよび向きに基づいて)生成されたセンサ信号は、コントローラ50によって処理されて、真空掃除機2が操作されている表面タイプを判断する。ステップ288では、真空モータ52のパワーは、判断された表面タイプに応じて制御される。従って、コントローラ50は、表面タイプを判断するために、感知された動きおよび向きを感知された掃除機ヘッド4のパラメータと組み合わせる。これは、
図11、
図12aおよび
図12bを参照して説明したような、生成されたセンサ信号と表面タイプとの間のマッピングを定義する表面タイプモデル110を使用して達成することができる。表面タイプモデルは、複数のクラスタ120、122を含むことができ、そのそれぞれが各々の表面タイプに対応している。表面タイプモデルの更新が任意となるように、モデルは静的であってもよい。
【0040】
任意の1つの実施形態および/または態様に関して説明した任意の特徴は、単独で、または説明した他の特徴と組み合わせて使用されてもよく、任意の他の実施形態および/または態様の1つ以上の特徴と組み合わせて使用されてもよく、または任意の他の実施形態および/または態様の任意の組み合わせで使用されてもよいことを理解されたい。例えば、方法270、280のうちの所与の1つに関して説明した特徴および/またはステップは、方法270、280のうちの他方に関して説明した特徴および/またはステップの代わりに、またはそれらに加えて含まれてもよいことが理解されよう。
【0041】
本開示の実施形態では、真空掃除機2は、コントローラ50を備える。コントローラ50は、本明細書で説明される様々な方法を実行するように構成される。実施形態では、コントローラは、処理システムを含む。そのような処理システムは、1つ以上のプロセッサおよび/またはメモリを備えることができる。本明細書で説明される例のいずれかに関連して説明される各デバイス、コンポーネント、または機能、例えば、IMU62および/またはHCI64は、同様にプロセッサを備えるか、またはプロセッサを備える装置に含まれてもよい。本明細書で説明する実施形態の1つ以上の態様は、装置によって実行されるプロセスを含む。いくつかの例では、装置は、これらのプロセスを実行するように構成された1つ以上のプロセッサを備える。これに関して、実施形態は、(非一時的)メモリに格納され、プロセッサによって実行可能なコンピュータソフトウェアによって、またはハードウェアによって、またはタンジブルに格納されたソフトウェアとハードウェア(とタンジブルに格納されたファームウェア)との組み合わせによって、少なくとも部分的に実装され得る。実施形態はまた、上述の実施形態を実施するように適合された、コンピュータプログラム、特にキャリア上またはキャリア内のコンピュータプログラムにも及ぶ。プログラムは、非一時的なソースコードあるいはオブジェクトコードの形態で、または実施形態によるプロセスの実装に使用するのに適した任意の他の非一時的な形態であってもよい。キャリアは、RAM、ROM、または光メモリデバイス等のような、プログラムを実行可能な任意のエンティティまたはデバイスであり得る。
【0042】
処理システムの1つ以上のプロセッサは、中央処理装置(CPU)を備えることができる。1つ以上のプロセッサは、画像処理装置(GPU)を備えることができる。1つ以上のプロセッサは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、またはコンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)のうちの1つ以上を備えることができる。1つ以上のプロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)を備えることができる。提供された例に加えて、多くの他のタイプのデバイスを使用して、1つ以上のプロセッサを提供できることを当業者は理解されよう。1つ以上のプロセッサは、同じ場所に配置された複数のプロセッサまたは別々に配置された複数のプロセッサを含むことができる。1つ以上のプロセッサによって実行される動作は、ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアのうちの1つ以上によって実行され得る。処理システムは、説明したものよりも多くの、少ない、および/または異なるコンポーネントを含み得ることを理解されたい。
【0043】
本明細書で説明する技術は、ソフトウェアまたはハードウェアで実装することができ、またはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせを使用して実装することができる。技術には、本明細書で説明される技術のいずれかまたは全てを実行および/またはサポートするように装置を構成することが含まれ得る。図面を参照して本明細書で説明される例の少なくともいくつかの態様は、処理システムまたはプロセッサで実行されるコンピュータプロセスを含むが、本明細書で説明される例は、実施例を実践するのに適したコンピュータプログラム、例えばキャリア上またはキャリア内のコンピュータプログラムにも及ぶ。キャリアは、プログラムを実行可能な任意のエンティティまたはデバイスであることができる。キャリアは、コンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。タンジブルなコンピュータ可読記憶媒体の例には、限定されないが、光学媒体(例えば、CD-ROM、DVD-ROM、またはBlu-ray)、フラッシュメモリカード、フロッピーあるいはハードディスク、または少なくとも1つのROMまたはRAMまたはプログラマブルROM(PROM)チップ内のファームウェアまたはマイクロコード等のコンピュータ可読命令を記憶可能な任意の他の媒体が含まれる。
【0044】
前述の説明において、既知の、明白な、または予見可能な均等物を有する整数または要素が言及されている場合、そのような均等物は、個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。本開示の真の範囲を決定するための特許請求の範囲を参照すべきであり、特許請求の範囲は、あらゆるそのような均等物を包含するように解釈されるべきである。好ましい、有利、便利等と記載されている本開示の整数または特徴は任意であり、独立請求項の範囲を限定しないことも読者によって理解されるであろう。更に、そのような任意の整数または特徴は、本開示のいくつかの実施形態では有益であり得るが、他の実施形態では望ましくない可能性があり、従って、存在しない可能性があることを理解されたい。