(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】制御弁
(51)【国際特許分類】
F16K 11/08 20060101AFI20240712BHJP
【FI】
F16K11/08 Z
(21)【出願番号】P 2023563124
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(86)【国際出願番号】 CN2022087036
(87)【国際公開番号】W WO2022218408
(87)【国際公開日】2022-10-20
【審査請求日】2023-10-16
(31)【優先権主張番号】202110412417.9
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511102675
【氏名又は名称】浙江三花汽車零部件有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 リーシン
(72)【発明者】
【氏名】リン、 ロン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 ユン
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-1925(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0231146(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御弁であって、弁ボディ及び弁体を含み、前記弁ボディは、側壁部を含み、前記制御弁は、弁室を有し、前記側壁部は、前記弁室の周壁の少なくとも一部を形成し、前記弁体は、駆動によって回動可能になり、その少なくとも一部が、前記弁室に位置する制御弁において、
前記弁体は、外部導通室及び第1室体を有し、
前記外部導通室は、前記第1室体の外周側に分布され、
前記弁体は、第1仕切板及び第1弁体軸を含み、
前記第1仕切板は、前記外部導通室と前記第1室体との間に位置し、
前記第1弁体軸は、前記第1仕切板の内周側に位置して前記第1仕切板と隙間を有し、
前記第1室体は、前記第1弁体軸と前記第1仕切板との間の隙間を含み、
前記制御弁は、第1強化リブをさらに含み、
前記第1強化リブは、前記第1室体に位置し、
前記第1強化リブは、前記第1弁体軸の軸線を取り囲むように延在して第1端部、第2端部及び第1本体部を含み、
前記第1本体部は、前記第1端部と前記第2端部との間に接続され、
前記第1端部と前記第2端部とは、前記弁体の高さ方向に沿って高さ差を有することを特徴とする制御弁。
【請求項2】
前記第1本体部は、固定されて接続される第1サブ部と第2サブ部とを含み、
前記第1サブ部は、前記第1端部に接続され、
前記第2サブ部は、前記第2端部に接続され、
前記弁体の高さ方向に沿って前記第1サブ部の正投影と前記第2サブ部の正投影とは、前記第1弁体軸の周方向に沿って配列され、
両者がオーバーラップしていないことを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項3】
前記第1弁体軸は、固定されて接続される伝動接続部と柱状部とを含み、
前記伝動接続部及び前記柱状部は、前記第1弁体軸の高さ方向に沿って配列され、
前記柱状部の少なくとも一部は、前記第1室体内部に位置し、
前記伝動接続部の少なくとも一部は、前記第1室体外部に位置し、
前記伝動接続部の外面は、歯形を有し、
前記伝動接続部は、前記柱状部に近接する応力集中面を有し、
前記第1強化リブは、前記伝動接続部に近接する第1エッジを有し、
前記第1弁体軸の高さ方向に沿って前記第1エッジは、前記応力集中面より低く、又は、前記応力集中面が所在する平面と重なり、
前記第1エッジと前記応力集中面との間の距離は、10ミリ以下であることを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項4】
前記弁ボディは、頂壁部及び第1ストッパブロックをさらに含み、
前記頂壁部と前記側壁部とは、一体構造として固定されて接続され、
前記側壁部の少なくとも一部は、前記弁ボディの軸方向に沿って前記頂壁部から突出するように配置され、
前記第1ストッパブロックは、前記頂壁部に固定されて接続されて前記頂壁部から突出するとともに前記弁室内に位置し、
前記弁体は、間隔を空けて配置される天板、底板及び第2ストッパブロックを含み、
前記天板及び前記底板は、前記弁体の高さ方向に沿って配列され、
前記外部導通室は、前記天板と前記底板との間に位置し、
前記第2ストッパブロックは、前記天板の、前記底板から離れる側に位置し、
前記弁体が所定位置に回動した場合、前記第1ストッパブロックは、前記第2ストッパブロックに当接されて、
前記弁体が、引き続いて前記第1ストッパブロックへ運動することを制限することを特徴とする請求項3に記載の制御弁。
【請求項5】
前記弁体の周方向に沿って前記第1強化リブの前記第1エッジは、前記第2ストッパブロックに近接するように配置されることを特徴とする請求項4に記載の制御弁。
【請求項6】
前記弁体の周方向に沿って前記第2ストッパブロックは、第1ストッパ面及び第2ストッパ面を含み、
前記弁体の周方向に沿って前記第1エッジは、前記第1ストッパ面と前記第2ストッパ面との間に位置し、
前記第1エッジと前記第1ストッパ面との間の距離は、前記第1エッジと前記第2ストッパ面との間の距離に等しいことを特徴とする請求項4に記載の制御弁。
【請求項7】
前記弁体は、複数の接続リブをさらに含み、
複数の前記接続リブは、前記第1弁体軸の周方向に沿って配列され、
前記接続リブの少なくとも一部は、前記第1室体内に位置し、
前記接続リブは、前記第1仕切板の内面及び前記第1弁体軸の外面にそれぞれ接続され、
前記第1強化リブは、前記接続リブ内に挿入され、
前記第1仕切板、前記第1弁体軸、前記第1強化リブ及び前記接続リブは、一体として射出成形されることを特徴とする請求項1~請求項6の何れか1項に記載の制御弁。
【請求項8】
前記第1弁体軸は、第2室体を有し、
前記弁体は、第2強化リブをさらに含み、
前記第2強化リブは、前記第2室体内に位置して前記第1弁体軸の内面に固定されて接続され、
前記第2強化リブは、前記第1弁体軸の軸線を取り囲むように延在して第3端部、第4端部及び第2本体部を含み、
前記第2本体部は、前記第3端部と前記第4端部との間に接続され、
前記第3端部と前記第4端部とは、前記弁体の高さ方向に沿って高さ差を有していることを特徴とする請求項1~請求項6の何れか1項に記載の制御弁。
【請求項9】
前記第2本体部は、固定されて接続される第3サブ部と第4サブ部とを含み、
前記第3サブ部は、前記第3端部に接続され、
前記第4サブ部は、前記第4端部に接続され、
前記第3サブ部の正投影と前記第4サブ部の正投影とは、前記弁体の高さ方向に沿って前記第1弁体軸の周方向に沿って配列され、
両者が、オーバーラップしていないことを特徴とする請求項8に記載の制御弁。
【請求項10】
前記第1弁体軸は、固定されて接続される伝動接続部と柱状部とを含み、
前記伝動接続部及び前記柱状部は、前記第1弁体軸の高さ方向に沿って配列され、
前記伝動接続部は、前記柱状部に近接する応力集中面を有し、
前記第2強化リブは、前記伝動接続部に近接する第2エッジを有し、
前記第1弁体軸の高さ方向に沿って前記第2エッジと前記応力集中面との間の距離は、10ミリ以下であることを特徴とする請求項8に記載の制御弁。
【請求項11】
前記第1弁体軸は、伝動接続部を含み、
前記制御弁は、第2弁体軸及び駆動装置をさらに含み、
前記駆動装置は、前記弁体を回動させ、
前記第2弁体軸は、前記駆動装置に伝動接続されて前記伝動接続部によって前記第1弁体軸に伝動接続され、
前記第2弁体軸は、第3室体を有し、
前記制御弁は、第3強化リブをさらに含み、
前記第3強化リブは、前記第3室体内に位置して前記第2弁体軸の内面に固定されて接続され、
前記第3強化リブは、前記第2弁体軸の軸線を取り囲むように延在して第5端部、第6端部及び第3本体部を含み、
前記第3本体部は、前記第5端部と前記第6端部との間に接続され、
前記弁体の高さ方向に沿って前記第5端部と前記第6端部とは、高さ差を有していることを特徴とする請求項1~請求項6、請求項9、請求項10の何れか1項に記載の制御弁。
【請求項12】
前記第3本体部は、固定されて接続される第5サブ部と第6サブ部とを含み、
前記第5サブ部は、前記第5端部に接続され、
前記第6サブ部は、前記第6端部に接続され、
前記弁体の高さ方向に沿って、前記第5サブ部の正投影と前記第6サブ部の正投影とは前記第2弁体軸の周方向に沿って配列され、
両者は、オーバーラップしていないことを特徴とする請求項11に記載の制御弁。
【請求項13】
前記第1弁体軸の構成材料は、ポリアミド66とガラス繊維との組み合わせ、又は、ポリフタルアミドとガラス繊維との組み合わせ、或いは、ポリフェニレンサルファイドを含み、
前記第2弁体軸の構成材料は、金属、ポリフェニレンサルファイドのうちの1つ又はその組み合わせを含むことを特徴とする請求項11に記載の制御弁。
【請求項14】
前記第1弁体軸、前記第1仕切板及び前記第1強化リブは、一体として射出成形され、前記第2弁体軸の内面は、歯形構造であり、
前記第2弁体軸は、前記第1弁体軸の前記伝動接続部に隙間嵌めされるとともに前記歯形構造によって伝動接続されることを特徴とする請求項13に記載の制御弁。
【請求項15】
前記制御弁は、少なくとも5本の通路を含み、
各前記通路は、一端が前記側壁部を貫通して前記弁室に連通し、他端が、前記制御弁の弁ポートを形成し、
前記弁体は、複数の接続リブをさらに含み、
前記第1強化リブの第1端部は、そのうちの1つの前記接続リブの一方の側面に接続され、
前記第2端部は、前記接続リブの他方の側面に接続され、
前記第1室体は、第1サブ室及び第2サブ室を含み、
前記弁体の高さ方向に沿って前記第1サブ室及び前記第2サブ室は、前記第1強化リブの両側にそれぞれ設けられ、
前記第1強化リブによって前記第1サブ室及び前記第2サブ室は、独立空間として仕切られ、
前記第1仕切板は、前記第1サブ室を形成する室壁には連通孔が設けられ、
前記第1サブ室は、前記連通孔を介して一部の前記外部導通室に連通し、
一部の前記弁ポートは、前記弁室を介して前記第1サブ室に連通することを特徴とする請求項1~請求項6、請求項9、請求項10、請求項12~請求項14の何れか1項に記載の制御弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年04月16日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202110412417.9であり、発明の名称が「制御弁」である中国特許出願の優先権を主張して、その全ての内容は、本出願に援用されている。
【0002】
本発明は、流体制御の分野に関して、制御弁に関している。
【背景技術】
【0003】
制御弁の弁体は、一般的に、駆動部材の駆動によって回動して、制御弁の複数の流路の流体に対する制御を実現し、弁体の構造強度は、制御弁の動作の安定性に対して重要な影響を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、弁体の構造強度及び制御弁の動作の安定性を向上できる制御弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、制御弁を提供し、前記弁ボディは、側壁部を含み、前記制御弁は、弁室を有し、前記側壁部は、前記弁室の周壁の少なくとも一部を形成し、前記弁体は、駆動によって回動可能になり、その少なくとも一部は、前記弁室に位置し、前記弁体は、外部導通室及び第1室体を有し、前記外部導通室は、前記第1室体の外周側に分布され、前記弁体は、第1仕切板及び第1弁体軸を含み、前記第1仕切板は、前記外部導通室と前記第1室体との間に位置し、前記第1弁体軸は、前記第1仕切板の内周側に位置して、前記第1仕切板と隙間を有し、前記第1室体は、前記第1弁体軸と前記第1仕切板との間の隙間を含み、前記制御弁は、第1強化リブをさらに含み、前記第1強化リブは、前記第1室体に位置し、
前記第1強化リブは、前記第1弁体軸の軸線を取り囲むように延在し、第1端部、第2端部及び第1本体部を含み、前記第1本体部は、前記第1端部と前記第2端部との間に接続され、前記第1端部と前記第2端部とは、前記弁体の高さ方向に沿って高さ差を有している。
【発明の効果】
【0006】
本発明の制御弁は、外部導通室及び第1室体を有し、第1室体を配置することで、制御弁の各位置での厚さを近接させて、制御弁の製造過程で肉厚の不均一による変形を防止する。
本発明の制御弁は、第1室体内に位置する第1強化リブをさらに含み、第1強化リブは、第1弁体軸の軸線を取り囲むように延在して、第1強化リブの第1端部と第2端部との間は、高さ差を有し、この場合、第1強化リブは、螺旋構造を呈し、弁体のねじれ抵抗強度を向上して、弁体の回転過程で生じたねじり変形を減少でき、ねじり変形による制御弁の流体漏れという問題を改善して、制御弁の動作の安定性を向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施例である制御弁の分解図である。
【
図2】
図1の制御弁の第1位置での一部断面図である。
【
図3】
図1の制御弁の第2位置での一部断面図である。
【
図4】本発明の実施例における弁体の構造図である。
【
図6】
図4の弁体における第1弁体軸、接続リブ及び第1強化リブの組み合わせ構造の第1視野角での構造図である。
【
図7】本発明の実施例における第1強化リブの構造図である。
【
図8】
図4の弁体における第1弁体軸、接続リブ及び第1強化リブの組み合わせ構造の第2視野角での構造図である。
【
図10】本発明の実施例における弁ボディの一部構造図である。
【
図12】本発明の別の実施例における弁体における第1弁体軸、接続リブ及び第2強化リブの組み合わせ構造の一部断面図である。
【
図13】第2強化リブと第1接続板との組み合わせ構造の図である。
【
図14】本発明の別の実施例における弁体の正面図である。
【
図17】本発明の実施例における第2弁体軸の構造図である。
【
図18】本発明の実施例における第2弁体軸、第2接続板及び第3強化リブの組み合わせ構造の断面図である。
【
図19】
図18の第2接続板と第3強化リブとの組み合わせ構造の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面及び実施例により、本発明を詳しく記載する。
本明細書において、「第1」及び「第2」などの関係用語は、これらの部材の間には、このような実際関係又は順序が存在するように、要求し又は暗示していなく、同じ名称を有する2つの部材を区別するために用いられる。
【0009】
図1~
図3に示すように、本発明の実施例は、制御弁1を提供し、弁ボディ10、弁体20、及び、第1シーリング部材41を含む。
そして、弁ボディ10は、側壁部11を含み、制御弁1は、弁室101を有し、側壁部11は、弁室101の周壁又は周壁の少なくとも一部であり、弁体20の径方向に沿って、第1シーリング部材41は、弁体20と側壁部11との間に位置し、弁体20は、駆動によって回動可能になり、制御弁1は、駆動装置50及びシーリングリング43をさらに含む。
そして、この駆動装置50は、駆動部材を含み、駆動部材は、モータ又はモータと減速歯車群との組み合わせであってもよい。
弁体20は、駆動装置50内の駆動部材の駆動によって回動でき、
図1において、弁ボディ10は、底壁部12及び頂壁部13をさらに含む。
そして、これらの底壁部12、頂壁部13及び側壁部11は、囲まれるように弁室101を形成し、側壁部11の少なくとも一部は、弁沿って頂壁部13から突出するように配置され、シーリングリング43は、頂壁部13と弁体ボディ10の軸方向に弁体20との間に位置し、側壁部11の少なくとも一部は、底壁部12と頂壁部13との間に位置し、底壁部12と頂壁部13とのうちの一方は、側壁部11に一体成形され、他方は、側壁部11にシーリングされるように配置される。
例えば、
図1において、頂壁部13は、側壁部11に一体成形され、底壁部12は、溶接工程によって側壁部11に固定されて接続されるとともに、シーリングされるように配置され、これによって、流体の漏れを防止し、シーリングリング43は、頂壁部13と弁体20との間に位置し、この場合、組立過程で、弁体20は、弁ボディ10の底壁部12から頂壁部13の方向へ組み立てられる。
制御弁1は、少なくとも5本の通路30を含む。
そして、この各通路30は、一端が側壁部11を貫通して弁室101に連通し、他端が制御弁1の弁ポート102を形成し、流体は、弁ポート102から制御弁1を出入することができる。
制御弁1は、バランスシーリングブロック42をさらに含む。
そして、このバランスシーリングブロック42は、側壁部11と弁体20との間に位置し、バランスシーリングブロック42及びシーリング部材41は、弁体20の径方向の両側にそれぞれ設けられ、バランスシーリングブロック42と第1シーリング部材41とが、互いに係合して、共同で弁体20に作用力を付与し、弁体20と側壁部11とを同軸に保持し、弁体20の回動の安定性を向上して、弁体20の偏心による流体の漏れを防止し、制御弁1のシーリング性能及び制御弁1の流体に対する制御の安定性を向上することができる。
【0010】
制御弁1と流体制御システム中の他の部材との組立を容易に実現して、制御弁1と他の部材との集積化程度を向上するために、
図1~
図3に示すように、弁ボディ10は、取付部14をさらに含む。
そして、この取付部14は、側壁部11に固定されて接続されるとともに、側壁部11の、弁室101から離れる側に位置し、例えば、取付部14は、側壁部11に一体成形され、取付面を有し、制御弁1の弁ポート102は、取付面を貫通することで、何れも取付面に配置されるとともに、各弁ポート102の向きが同様であり、制御弁1と他の部材との組立ステップを簡略化して接続部分の漏れ点を減少し、シーリングの確実性を向上することができる。
第1シーリング部材41は、自体を貫通する貫通孔411を含む。
当該貫通孔411は、制御弁1の少なくとも一部の通路30に対応して連通し、第1シーリング部材41は、弁体20及び側壁部11による押圧作用により変形し、第1シーリング部材41の制御弁1に対するシーリングを実現する。
【0011】
図4~
図8に示すように、弁体20は、外部導通室22及び第1室体21を有し、外部導通室22は、弁体20の側面から弁体20の内部へ延在して、第1室体21の外周側に分布される。
本発明の実施例において、外部導通室22は、対応する弁ポート102を導通させ又は遮断できることで、制御弁1は、多流路流体に対する制御を実現し、第1室体21を配置することで、制御弁1の各位置での厚さを近接させて、制御弁1の製造過程で肉厚の不均一による変形を防止することができる。
弁体20は、第1仕切板23、第1弁体軸251及び第1強化リブ253を含む。
第1仕切板23は、外部導通室22と第1室体21との間に位置し、第1弁体軸251は、第1仕切板23の内周側に位置するとともに、第1仕切板23と隙間を有し、第1室体21は、第1弁体軸251と第1仕切板23との間の隙間を含む。
第1強化リブ253は、第1室体21内に位置し、第1強化リブ253は、第1弁体軸251の軸線を取り囲むように延在して、第1弁体軸251の外面及び第1仕切板23の内面にそれぞれ接続される。
図6及び
図7に示すように、第1強化リブ253は、第1端部2531、第2端部2532及び第1本体部2533を含む。
そして、この第1本体部2533は、第1端部2531と第2端部2532との間に接続され、弁体20の高さ方向に沿って第1端部2531と第2端部2532とは、高さ差を有し、第1本体部2533は、固定されて接続される第1サブ部P1と第2サブ部P2とを含む。
第1サブ部P1は、第1端部2531に接続され、第2サブ部P2は、第2端部2532に接続され、弁体20の高さ方向に沿って、第1サブ部P1の正投影と第2サブ部P2の正投影とは、第1弁体軸251の周方向に沿って配列され、両者は、オーバーラップしていない。
第1強化リブ253を配置することで、制御弁1に設けられる外部導通室22及び第1室体21によって招致された弁体20の構造強度の変化を減少する一方、螺旋構造の第1強化リブ253を配置することで、弁体20のねじれ抵抗強度を向上して、弁体20の回転過程で生じたねじり変形を減少することができ、ねじり変形による制御弁1の流体漏れという問題を改善して、制御弁1の動作の安定性を向上し、第1強化リブ253の第1サブ部P1の正投影と第2サブ部P2の正投影とは、第1弁体軸251の周方向に沿って配列され、両者は、オーバーラップしていないように配置されることで、第1強化リブ253、第1仕切板23及び第1弁体軸251の一体射出成形を実現するとともに、製造過程中の弁体20の離型を実現する。
好ましくは、弁体20は、第2仕切板24をさらに含む。
第2仕切板24は、隣接する2つの外部導通室22の間に位置して、各外部導通室22を独立空間として仕切る。
本明細書において弁ボディ10の軸方向及び高さ方向、弁体20の軸方向及び高さ方向は、何れも平行し又は重なる。
【0012】
図2~
図6をさらに参照し、第1強化リブ253は、螺旋状に第1弁体軸251を1周だけ取り囲んで、即ち、弁体の軸方向に沿って、第1端部2531の端面の正投影と第2端部2532の端面の正投影とは重なり、この場合、弁体20の高さ方向に沿って、第1室体21は、第1サブ室211及び第2サブ室212を含む。
そして、これらの第1サブ室211及び第2サブ室212は、弁体20の高さ方向に沿って第1強化リブ253の両側にそれぞれ設けられ、第1強化リブ253によって独立空間として仕切られ、第1仕切板23は、第1サブ室211を形成する室壁には連通孔231が設けられ、第1サブ室211は、連通孔231を介して一部の外部導通室22に連通し、一部の弁ポート102は、弁室101を介して第1サブ室211に連通し、これによって、制御弁1は、弁室、第1サブ室211、連通孔231及び外部導通室22によって2つの弁ポートの間の導通及び/又は遮断を実現する。
【0013】
図1及び
図2に示すように、制御弁1の通路30は、複数の第1流路31を含む。
そして、これらの各第1流路31は、一端が側壁部11を貫通して第1連通口311を形成し、他端が第1弁接続口312を形成し、側壁部11の高さ方向に沿って、第1連通口311が所在する位置は、外部導通室22が所在する位置に対応することで、流体は、外部導通室22と第1連通口311との間で流通し、弁体の外部導通室22は、複数の第1室221及び複数の第2室222を含む。
弁体20の高さ方向に沿って、第1室221の室口の縦方向断面積は、第2室222の室口の縦方向断面積の2倍以上であり、第1室221は、2つの第1弁接続口312に対応し、第2室222は、1つの第1弁接続口312に対応し、回転弁体20は、1つの第1室221、第1連通口311によって第1室221に対応する2つの第2弁接続口322を導通させ及び/又は遮断し、一部の第2室222は、連通孔231を介して第1室体21の第1サブ室211に連通し、回転弁体20は、第1室体21、連通孔231及び第2室222によって第1弁接続口312と、第2室222に対応する1つの弁ポート102とを導通させ及び/又は遮断する。
各導通室(即ち、第1室221又は第2室222)の縦方向断面積は、弁体に沿う軸方向に平行して導通室の両側の周壁エッジを通って弁体を切断することで取得された断面積であり、この断面積は、導通室の、径方向に沿う正投影による投影面積であってもよいし、又は、導通室の、第2弁接続口322に向かう室口面積であってもよい。
【0014】
図1及び
図3をさらに参照し、制御弁1の通路30は、第2流路32を含む。
そして、この第2流路32の一端は、側壁部11を貫通して第2連通口321を形成し、他端は、第2弁接続口322を形成し、第2連通口321は、側壁部11の高さ方向の一端に位置し、
図3を参照し、第2連通口321は、第1シーリング部材41の一端と底壁部12との間の領域に位置し、弁体20の何れか1つの動作モードで、第2弁接続口322は、何れも第2連通口321、弁室101を介して第1室体21の第1サブ室211に連通し、即ち、弁体20の何れか1つの回動角度で、第2弁接続口322から制御弁に流入した流体は、第2連通口321を介して直接的に弁室101に入って、弁室101から第1サブ室211に流入して、連通孔231を介して第1サブ室211と外部導通室22との間で流通する。
【0015】
図4及び
図5に示すように、弁体20の強度を向上するために、弁体20は、複数の接続リブ26をさらに含む。
そして、この複数の接続リブ26は、第1弁体軸251の周方向に沿って第1室体21内に配列されて、第1仕切板23の内面及び第1弁体軸251の外面にそれぞれ接続され、第1強化リブ253は、接続リブ26内に挿入されるとともに、接続リブ26に接続され、第1仕切板23、第1弁体軸251、第1強化リブ253及び接続リブ26は、一体として射出成形されることができる。
図6に示すように、弁体20が接続リブ26を含む場合、第1強化リブ253の第1端部2531は、そのうちの1つの接続リブ26の一方の側面に接続され、第2端部2532は、接続リブ26の他方の側面に接続されることで、第1強化リブ253は、第1弁体軸251を1周だけ取り囲んで、又は、第1強化リブ253の第1端部2531の端面が所在する平面と第2端部2532の端面が所在する平面とは重なってもよい。
【0016】
図5及び
図8をさらに参照し、第1弁体軸251は、固定されて接続される伝動接続部2511と柱状部2513とを含む。
そして、これらの伝動接続部2511及び柱状部2513は、第1弁体軸251の高さ方向に沿って配列され、弁体20は、伝動接続部2511によって制御弁1の駆動装置に伝動接続されることで、駆動装置は、弁体20を回動させ、柱状部2513の少なくとも一部は、第1室体21内に位置し、伝動接続部2511の少なくとも一部は、第1室体21の外部に位置し、伝動接続部2511の外面は、歯形構造であってもよい。
この歯形構造は、駆動装置における歯形構造と係合でき、
図8に示すように、駆動装置における歯形構造は、上から下へ伝動接続部2511の外面に外嵌され、回動過程で、駆動装置と伝動接続部2511との接続端面には大きな応力がある。
この場合、伝動接続部2511は、柱状部2513に近接する応力集中面S1を有し、第1強化リブ253は、伝動接続部2511に近接する第1エッジS2を有し、第1弁体軸251の高さ方向に沿って、第1エッジS2は、応力集中面S1より低く、又は、応力集中面S1が所在する平面と重なり、第1エッジS2と応力集中面S1との間の距離をaとして定義し、aは、10ミリ以下である。
上記の配置によって、第1強化リブ253は、弁体20の回転時のねじれ抵抗強度をよく向上できる。
【0017】
図4、
図8~
図11に示すように、弁ボディ10は、側壁部11の一端に位置する頂壁部13、及び、頂壁部13に固定されて接続される第1ストッパブロック15をさらに含む。
そして、これらの頂壁部13と側壁部11とは、一体構造として固定されて接続され、頂壁部13と側壁部11とは、一体として射出成形されることができ、第1ストッパブロック15は、頂壁部13から突出して弁室101に位置し、弁体20は、間隔を空けて配置される天板201、底板202及び第2ストッパブロック203を含む。
天板201及び底板202は、弁体20の高さ方向に沿って配列され、外部導通室22は、天板201と底板202との間に位置し、第2ストッパブロック203は、天板201の、底板202から離れる側に位置し、弁体20が所定位置に回動した場合、第1ストッパブロック15は、第2ストッパブロック203に当接されて、弁体20が引き続いて第1ストッパブロック15へ運動することを制限し、弁体20の周方向に沿って、第1強化リブ253の第1エッジS2は、第2ストッパブロック203に近接するように配置される。
【0018】
図4をさらに参照し、弁体20の周方向に沿って、第2ストッパブロック203は、第1ストッパ面S3及び第2ストッパ面S4を含む。
弁体20の周方向に沿って、第1強化リブ253の第1エッジS2は、第1ストッパ面S3と第2ストッパ面S4との間に位置し、第1ストッパ面S3と第1エッジS2との間の距離は、第2ストッパ面S4と第1エッジS2との間の距離に等しい。
この場合、弁体20の高さ方向に沿って、第1エッジS2の正投影は、第2ストッパブロック203の、弁体の中軸線と対向する内面及び弁体20の円心から形成された扇形領域内に位置するとともに、当該領域の中間位置にあり、第1ストッパブロック15が、第1ストッパ面S3及び第2ストッパ面S4に当接される時、弁体20のねじれ抵抗強度をよく向上するという作用を発揮することができる。
【0019】
図12及び
図13に示すように、第1弁体軸251は、第2室体2512を有し、第2室体2512は、第1弁体軸251の少なくとも一部を貫通し、弁体20は、第2強化リブ254及び第1接続板2514をさらに含む。
第1接続板2514は、第2室体2512内に位置するとともに、第1弁体軸251の内面に固定されて接続され、
図13に示すように、第1接続板2514は、「十」字状の構造として形成され、第2強化リブ254は、第2室体2512内に位置するとともに、第1弁体軸251の内面に固定されて接続され、その構造は、第1強化リブ253の構造に類似し、第2強化リブ254は、第1弁体軸251の軸線を取り囲むように延在して、第2強化リブ251は、第3端部、第4端部及び第2本体部を含む。
第2本体部は、第3端部と第4端部との間に接続され、弁体の高さ方向に沿って第3端部と第4端部とは、高さ差を有し、第2本体部は、固定されて接続される第3サブ部と第4サブ部とを含む。
そして、この第3サブ部は、第3端部に接続され、第4サブ部は、第4端部に接続され、弁体の高さ方向に沿って、第3サブ部の正投影と第4サブ部の正投影とは、第1弁体軸251の周方向に沿って配列され、両者は、オーバーラップしていなく、この場合、第2強化リブ251は、螺旋構造である。
上記の配置によって、弁体のねじれ抵抗強度を向上する上で、第2強化リブ254と第1弁体軸251との一体射出成形を実現し、第2強化リブ254は、第1接続板2514を取り囲むように1周以下延在し、製造過程中の弁体の離型を容易にする。
【0020】
図8、
図12~
図13をさらに参照し、第1弁体軸251は、固定されて接続される伝動接続部2511と柱状部2513とを含む。
伝動接続部2511及び柱状部2513は、第1弁体軸251の高さ方向に沿って配列され、伝動接続部2511は、柱状部2513に近接する応力集中面S1を有し、第2強化リブ254は、伝動接続部2511に近接する第2エッジS5を有し、第1弁体軸251の高さ方向に沿って、第2エッジS5は、応力集中面S1より高く、又は、応力集中面S1より低く、或いは、応力集中面S1が所在する平面と重なり、応力集中面S1との距離は、10ミリ以下である。
第2強化リブ254は、伝動接続部2511に対応する領域、即ち、伝動接続部2511の内面から囲まれた室体内に設けられて、伝動接続部2511の先端面から螺旋状を呈し始めて、伝動接続部2511の応力集中面S1(伝動接続部2511の底端面)と整合し、又は、応力集中面S1より高く、或いは、応力集中面S1より低くなるまで延在し、これによって、弁体20のねじれ抵抗強度をよく向上する。
【0021】
第1弁体軸251は、伝動接続部2511を含む場合、伝動接続部2511は、歯形構造であってもよく、これに基づいて、弁体20の構造強度を向上するために、
図1、
図14~
図19に示すように、弁体20は、第2弁体軸252をさらに含む。
そして、この第2弁体軸252は、駆動装置50に伝動接続され、駆動装置50は、弁体20を回動させることができ、第1弁体軸251は、伝動接続部2511によって第2弁体軸252に伝動接続され、第2弁体軸252は、第3室体2521を有し、制御弁1は、第3強化リブ255及び第2接続板2524をさらに含む。
そして、この第2接続板2524は、第3室体2521内に位置するとともに、第2弁体軸252の内面に固定されて接続される。
図19に示すように、第2接続板2524は、「十」字状の構造として形成され、第3強化リブ255は、第3室体2521内に位置するとともに、第2弁体軸252の内面に固定されて接続され、その構造は、第1強化リブ253の構造に類似し、第3強化リブ255は、第2弁体軸252の軸線を取り囲むように延在し、第5端部、第6端部及び第3本体部を含む。
第3本体部は、第5端部と第6端部との間に接続され、弁体の高さ方向に沿って第5端部と第6端部とは、高さ差を有し、第3本体部は、固定されて接続される第5サブ部と第6サブ部とを含む。
そして、これらの第5サブ部は、第5端部に接続され、第6サブ部は、第6端部に接続され、弁体の高さ方向に沿って、第5サブ部の正投影と第6サブ部の正投影とは、第2弁体軸252の周方向に沿って配列され、両者は、オーバーラップしていない。
上記の配置によって、第2弁体軸252のねじれ抵抗強度を向上できる上で、第3強化リブ255、第2弁体軸252及び第2接続板2524の一体製造成形を実現でき、この場合、第3強化リブ255は、第2接続板2524を取り囲むように、1周以下延在し、製造及び離型を容易にする。
【0022】
弁体20の強度を向上するために、第2弁体軸252の強度は、第1弁体軸251の強度より大きく、且つ、その線膨張係数がよい。
これによって、制御弁は、多種の温度環境に適用されることができ、制御弁1の適用性を向上し、第2弁体軸252の内面は、歯形構造であり、第2弁体軸252は、歯形構造によって第1弁体軸251の伝動接続部2511に隙間嵌めされるとともに、伝動接続され、第1弁体軸251と第2弁体軸252とを同期に回動させる。
第1弁体軸251の構成材料は、ポリアミド66(Polyamide―66、PA66)とガラス繊維(glass fiber、GF)との組み合わせ、又は、ポリフタルアミド(Polyphthalamide、PPA)とガラス繊維(glass fiber、GF)との組み合わせ、或いは、ポリフェニレンサルファイド(Polyphenylene sulfide、PPS)であってもよく、第2弁体軸252の構成材料は、金属、ポリフェニレンサルファイド(Polyphenylene sulfide、PPS)のうちの1つ又はその組み合わせであってもよい。
制御弁1には、第2弁体軸252が設けられなくてもよく、第1弁体軸251によって駆動装置に伝動接続され、さらに、駆動装置は、弁体を回動させる。
【0023】
以上のように、本発明の実施例である制御弁1は、外部導通室22及び第1室体21を有し、外部導通室22は、対応する弁ポート102を導通させ及び/又は遮断できることで、制御弁1は、多流路流体に対する制御を実現し、第1室体21を配置することで、制御弁1の各位置での厚さを近接させて、制御弁1の製造過程で肉厚の不均一による変形を防止でき、本実施例の制御弁1は、第1室体21内に位置する第1強化リブ253をさらに含む。
制御弁1の強度及び弁体20のねじれ抵抗強度を向上して、弁体20の回転過程で生じたねじり変形を減少でき、ねじり変形による制御弁1の流体漏れという問題を改善して、制御弁1の動作の安定性を向上し、第1強化リブ253の第1サブ部2531の正投影と第2サブ部2532の正投影とは、第1弁体軸251の周方向に沿って配列され、両者は、オーバーラップしていないように配置される。
この場合、第1強化リブ253は、螺旋構造を呈し、弁体20のねじれ抵抗強度を向上して、弁体20の回転過程で生じたねじり変形を減少でき、ねじり変形による制御弁の流体漏れという問題を改善して、制御弁1の動作の安定性を向上し、上記の配置によって、製造過程中の弁体20の離型を容易にする。
【0024】
ここで、以上の実施形態は、本発明を限定していなく、本発明を説明するためのものであり、例えば、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」などの方向の定義について、本明細書において上記実施形態を参照して本発明を詳しく説明したが、本発明に対して補正、結合又は等価置き換えを行うことができ、本発明の精神及び範囲から逸脱しない全ての改良は、本出願の請求項の範囲に該当すべきである。