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特許7520264ユーザ端末、リアクション制御方法、およびリアクション制御プログラム、および配信システム
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  • 特許-ユーザ端末、リアクション制御方法、およびリアクション制御プログラム、および配信システム 図1
  • 特許-ユーザ端末、リアクション制御方法、およびリアクション制御プログラム、および配信システム 図2
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  • 特許-ユーザ端末、リアクション制御方法、およびリアクション制御プログラム、および配信システム 図4
  • 特許-ユーザ端末、リアクション制御方法、およびリアクション制御プログラム、および配信システム 図5
  • 特許-ユーザ端末、リアクション制御方法、およびリアクション制御プログラム、および配信システム 図6
  • 特許-ユーザ端末、リアクション制御方法、およびリアクション制御プログラム、および配信システム 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-11
(45)【発行日】2024-07-22
(54)【発明の名称】ユーザ端末、リアクション制御方法、およびリアクション制御プログラム、および配信システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/47 20110101AFI20240712BHJP
【FI】
H04N21/47
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024072893
(22)【出願日】2024-04-26
【審査請求日】2024-04-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598138327
【氏名又は名称】株式会社ドワンゴ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100144440
【弁理士】
【氏名又は名称】保坂 一之
(72)【発明者】
【氏名】小穴 長門
(72)【発明者】
【氏名】小田桐 優理
(72)【発明者】
【氏名】服部 一浩
【審査官】鈴木 隆夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-157465(JP,A)
【文献】特開2023-119526(JP,A)
【文献】特開2013-229873(JP,A)
【文献】特開2015-115892(JP,A)
【文献】国際公開第2021/167732(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
配信システムから配信された動画コンテンツを表示し、
前記動画コンテンツの指定シーンと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含むリアクション候補情報を、前記表示されている動画コンテンツにおいて該指定シーンが到来する前にユーザに提示し、
前記リアクション候補情報から前記推奨リアクションを選択するユーザ操作に応答して、該選択を示す投稿データを前記配信システムに送信して、前記配信システムに、前記選択された推奨リアクションを前記指定シーンと共に表示させる、
ユーザ端末。
【請求項2】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記選択された推奨リアクションと、前記ユーザ操作に対応する前記動画コンテンツの表示時点との対応を示す前記投稿データを前記配信システムに送信し、
前記表示時点が前記指定シーンの開始時点より前の場合には、前記配信システムに、前記選択された推奨リアクションを該開始時点以降に表示させる、
請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項3】
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記表示時点が前記開始時点から前記指定シーンの終了時点までの間である場合には、前記配信システムに、前記選択された推奨リアクションを前記表示時点で表示させる、
請求項2に記載のユーザ端末。
【請求項4】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記推奨リアクションを投稿することが可能な投稿可能時間帯を設定し、ここで、該投稿可能時間帯の終了時点が前記指定シーンの終了時点以前であり、
前記投稿可能時間帯が経過する前まで前記リアクション候補情報を前記ユーザに提示し、
前記投稿可能時間帯が経過したことに応答して前記リアクション候補情報を無効化する、
請求項1~3のいずれか一項に記載のユーザ端末。
【請求項5】
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記選択された推奨リアクションを選択不可に設定する、
請求項1~3のいずれか一項に記載のユーザ端末。
【請求項6】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記表示されている動画コンテンツが全画面モードに設定されたことに応答して、前記リアクション候補情報を非表示に設定し、
前記全画面モードで表示されている前記動画コンテンツを制御するユーザインタフェースを再表示させるためのユーザ操作に応答して、前記リアクション候補情報を再表示する、
請求項1~3のいずれか一項に記載のユーザ端末。
【請求項7】
前記動画コンテンツが、第1指定シーンと、該第1指定シーンより後の第2指定シーンとを含み、
前記リアクション候補情報が、前記第1指定シーンと共に表示可能な前記1以上の推奨リアクションを含む第1リアクション候補情報と、前記第2指定シーンと共に表示可能な前記1以上の推奨リアクションを含む第2リアクション候補情報とを含み、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記表示されている動画コンテンツにおいて前記第1指定シーンが到来する前に、前記第1リアクション候補情報が前記第2リアクション候補情報とは異なる表示形式で表示されるように、前記第1リアクション候補情報および前記第2リアクション候補情報を前記ユーザに提示する、
請求項1~3のいずれか一項に記載のユーザ端末。
【請求項8】
少なくとも一つのプロセッサを備えるユーザ端末によって実行されるリアクション制御方法であって、
配信システムから配信された動画コンテンツを表示するステップと、
前記動画コンテンツの指定シーンと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含むリアクション候補情報を、前記表示されている動画コンテンツにおいて該指定シーンが到来する前にユーザに提示するステップと、
前記リアクション候補情報から前記推奨リアクションを選択するユーザ操作に応答して、該選択を示す投稿データを前記配信システムに送信して、前記配信システムに、前記選択された推奨リアクションを前記指定シーンと共に表示させるステップと、
を含むリアクション制御方法。
【請求項9】
配信システムから配信された動画コンテンツを表示するステップと、
前記動画コンテンツの指定シーンと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含むリアクション候補情報を、前記表示されている動画コンテンツにおいて該指定シーンが到来する前にユーザに提示するステップと、
前記リアクション候補情報から前記推奨リアクションを選択するユーザ操作に応答して、該選択を示す投稿データを前記配信システムに送信して、前記配信システムに、前記選択された推奨リアクションを前記指定シーンと共に表示させるステップと、
をコンピュータに実行させるリアクション制御プログラム。
【請求項10】
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
動画コンテンツをユーザ端末上に表示させ、
前記動画コンテンツの指定シーンと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含むリアクション候補情報を、前記表示されている動画コンテンツにおいて該指定シーンが到来する前に前記ユーザ端末上に表示し、
前記ユーザ端末上で前記リアクション候補情報から選択された前記推奨リアクションを示す投稿データを前記ユーザ端末から受信したことに応答して、該選択された推奨リアクションを前記指定シーンと共に前記ユーザ端末上に表示させる、
配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面はユーザ端末、リアクション制御方法、およびリアクション制御プログラム、および配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
配信された動画コンテンツに対してコメントなどのリアクションの投稿を受け付け、そのリアクションをその動画コンテンツと共に表示させる技術が知られている。例えば特許文献1には、出力装置に再生される動画データの再生開始からの経過時間に応じて文字列をユーザの入力候補として選択する選択部を備える候補選択装置が記載されている。特許文献2には、視聴者が選択できるリアクションの候補が動画の進行に伴って所定の時間ごとに切り替えられるとき、リアクションの候補が次のリアクションの候補へと切り替えられた直後でも、切り替えられる前のリアクションの候補を選択することができるリアクション選択装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-229873号公報
【文献】特許第6178941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
動画コンテンツの表示の状況に合ったリアクションを簡単に投稿するための仕組みが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係るユーザ端末は、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、配信システムから配信された動画コンテンツを表示し、動画コンテンツの指定シーンと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含むリアクション候補情報を、表示されている動画コンテンツにおいて該指定シーンが到来する前にユーザに提示し、リアクション候補情報から推奨リアクションを選択するユーザ操作に応答して、該選択を示す投稿データを配信システムに送信して、配信システムに、選択された推奨リアクションを指定シーンと共に表示させる。
【0006】
このような側面においては、動画コンテンツの指定シーンに対応する推奨リアクションの候補が、その指定シーンが到来する前にユーザに提示される。ユーザにより選択された推奨リアクションは指定シーンと共に表示される。推奨リアクションをユーザに事前に提示し、選択された推奨リアクションが、予め指定されたシーンで自動的に表示されるので、ユーザは動画コンテンツの表示の状況に合ったリアクションを簡単に投稿できる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一側面によれば、動画コンテンツの表示の状況に合ったリアクションを簡単に投稿できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】配信システムの適用の例を示す図である。
図2】配信システムおよびユーザ端末のハードウェア構成の例を示す図である。
図3】配信システムおよびユーザ端末の機能構成の例を示す図である。
図4】指定シーンとリアクション候補情報との関係の例を示す図である。
図5】配信方法およびリアクション制御方法の例を示すフローチャートである。
図6】指定シーンおよびリアクション候補情報の遷移の例を示す図である。
図7】指定シーンおよびリアクション候補情報の遷移の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本開示での様々な例を詳細に説明する。図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
[システムの概要]
本開示に係る配信システムは、ユーザにコンテンツを配信するコンピュータシステムである。コンテンツとは、コンピュータまたはコンピュータシステムによって提供され、人が認識可能な情報をいう。コンテンツを示す電子データをコンテンツデータという。一例では、コンテンツは音声を含み得る映像によって表現される動画コンテンツである。動画コンテンツは、カメラなどの撮像装置によって生成された映像を含んでもよいし、コンピュータグラフィック(CG)を含んでもよいし、これらの双方を含んでもよい。コンテンツは様々な態様の情報伝達またはコミュニケーションのために用いることができ、例えば、ニュース、教育、医療、ゲーム、チャット、商取引、講演、セミナー、研修、コンサート、アンケートなどの様々な場面または目的で利用され得る。コンテンツの配信とは、ユーザにコンテンツを提供するために実行される処理をいい、例えば、通信ネットワークを経由して情報をユーザに向けて送信する処理をいう。
【0011】
配信システムは、視聴者が任意のタイミングでコンテンツを視聴可能なオンデマンド配信を行ってもよい。配信システムは、過去に撮影された映像を処理することで生成されたコンテンツデータをデータベースなどの記憶装置に予め格納する。配信システムは、視聴者の要求に応じて、格納されたコンテンツデータを視聴者端末に向けて送信する。別の例として、配信システムはリアルタイム配信を行ってもよい。この場合には、配信者端末が、配信者により撮影された映像を処理してコンテンツデータを生成し、そのコンテンツデータを配信システムに向けてリアルタイムに送信する。配信システムはそのコンテンツデータを視聴者端末にリアルタイムに転送する。これはインターネット生放送の一態様である。コンテンツデータは配信システムにおいて生成されてもよい。すなわち、配信システムは、配信者端末から提供されるリアルタイムの映像を処理してコンテンツデータを生成し、そのコンテンツデータを視聴者端末に向けてリアルタイムに送信してもよい。配信システムは、リアルタイム配信後の所与の期間においてコンテンツを視聴可能なタイムシフトのために用いられてもよい。本開示において、「コンテンツを表示する」という表現は「コンテンツを再生する」と言い換えられてもよい。
【0012】
視聴者とは、配信システムによって情報を得ようとする人をいい、コンテンツの利用者である。配信者とは、配信システムによって視聴者に情報を提供しようとする人をいい、コンテンツの発信者である。視聴者も配信者も配信システムのユーザである。これに関連して、視聴者端末および配信者端末はいずれもユーザ端末であると言える。
【0013】
配信システムは、コンテンツに対するリアクションを投稿する機能をユーザに提供する。リアクションとは、端末上に表示されているコンテンツに対するユーザの反応を示す可視化された情報をいう。リアクションはコンテンツとは独立した情報である。リアクションは、1以上の文字から成る文字列を用いて表現されるコメントでもよいし、意味を概念的に示すマークによって表現されてもよいし、コメントおよびマークの組合せによって表現されてもよい。マークは、静止画(写真、イラストなど)、動画像(映像またはアニメーション)、および絵文字のうちの少なくとも一つを含んで構成されてもよい。リアクションの投稿とは、コンテンツと共に表示されることになるリアクションを配信システムに送信する行為をいう。配信システムは、コンテンツを表示しているユーザ端末上に、投稿されたリアクションを更に表示する。リアクションは、前に投稿されたリアクションへの応答を示す応答リアクションであり得る。
【0014】
配信システムおよびユーザ端末は協働して、動画コンテンツの表示の状況に合ったリアクションを簡単に投稿できる機能をユーザに提供する。配信システムは、動画コンテンツの特定のシーン(指定シーン)と共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含むリアクション候補情報としてユーザ端末に送信する。シーンとは特定の時間幅にわたる動画コンテンツの一部分をいう。ユーザ端末はリアクション候補情報を表示し、これによりそのリアクション候補情報がユーザに提示される。ユーザ端末は、ユーザが推奨リアクションを選択したことに応答して、該選択を示す投稿データを配信システムに送信する。配信システムは選択された推奨リアクションを指定シーンと共に表示する。選択された推奨リアクションは、該推奨リアクションを選択したユーザのユーザ端末と、推奨リアクションが選択された後に指定シーンを視聴する別のユーザのユーザ端末とに表示される。このような仕組みにより、ユーザは自分でリアクションを入力することなく、動画コンテンツの表示の状況に合わせて所望のリアクションを投稿できる。推奨リアクションは、指定シーンに対して投稿可能なリアクションであるとも言える。
【0015】
本開示では、指定シーンと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを単に「指定シーンのための推奨リアクション」とも言う。また、指定シーンと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含むリアクション候補情報を単に「指定シーンのためのリアクション候補情報」とも言う。リアクションを動画コンテンツのシーンと共に表示する処理とは、リアクションおよびシーンの双方を同一画面上に表示する処理をいう。リアクションはシーンと重なることなく表示されてもよいし、リアクションの少なくとも一部がシーンと重なるように表示されてもよい。
【0016】
[システムの構成]
図1は一例に係る配信システム1の適用の例を示す図である。この例では、配信システム1はコンテンツサーバ10およびリアクションサーバ20を備える。コンテンツサーバ10は動画コンテンツを配信するコンピュータである。リアクションサーバ20は、投稿されたリアクションを各ユーザ端末において動画コンテンツと共に表示させるコンピュータである。配信システム1は通信ネットワークNを介してデータベース群30および1以上のユーザ端末40と接続する。通信ネットワークNはインターネットを含んで構成されていてもよいし、イントラネットを含んで構成されていてもよい。
【0017】
データベース群30はコンテンツの配信およびリアクションの制御のために用いられるデータを記憶する1以上のデータベースの集合である。一例ではデータベース群30はコンテンツデータベース31およびリアクションデータベース32を備える。
【0018】
コンテンツデータベース31は過去に生成または配信された動画コンテンツのコンテンツデータを記憶する非一時的な記憶装置である。一例では、コンテンツデータの各レコードは、個々の動画コンテンツを一意に特定する識別子であるコンテンツIDと、動画コンテンツのデータファイルと、動画コンテンツの特徴または性質を示すコンテンツ属性と、動画コンテンツに投稿されたリアクションに関するリアクション情報とを含む。コンテンツ属性の例として、動画コンテンツのタイトルおよび説明文と、動画コンテンツの1以上の指定シーンに関するシーン情報と、動画コンテンツに投稿されたリアクションに関するリアクション情報と、動画コンテンツに設定されたタグ情報とが挙げられる。シーン情報は、1以上の指定シーンのそれぞれについて、該指定シーンを一意に特定する識別子であるシーンIDと、該指定シーンの開始時点および終了時点とを含む。リアクション情報は、1以上のリアクションのそれぞれについて、該リアクションを一意に特定する識別子であるリアクションIDと、該リアクションの表現(表示されるコメント、マークなど)と、該リアクションが動画コンテンツ上に表示されるタイミングとを含む。そのタイミングはシーンまたは表示時点により規定され得る。
【0019】
リアクションデータベース32は推奨リアクションを示すリアクションデータを記憶する非一時的な記憶装置である。一例では、リアクションデータの各レコードは、リアクションIDと、推奨リアクションの表現(表示されるコメント、マークなど)と、対応する動画コンテンツのコンテンツIDと、対応する指定シーンのシーンIDとを含む。各レコードは、推奨リアクションが生成された根拠を示す根拠情報と、推奨リアクションに対する評価を示す評価情報との少なくとも一方を更に含んでもよい。
【0020】
データベース群30の各データベースは、配信システム1の構成要素であってもよいし、配信システム1とは別のコンピュータシステム内に設けられてもよい。
【0021】
ユーザ端末40は視聴者によって用いられるコンピュータである。ユーザ端末40は、配信システム1にアクセスして動画コンテンツを受信および表示する機能と、その動画コンテンツに対応するリアクションを投稿および表示する機能とを有する。ユーザ端末40は高機能携帯電話機(スマートフォン)、タブレット端末、ウェアラブル端末(例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スマートグラスなど)、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、携帯電話機などの携帯端末でもよい。あるいは、ユーザ端末40はデスクトップ型パーソナルコンピュータなどの据置型端末でもよい。
【0022】
視聴者は自分のユーザ端末(視聴者端末)40を操作して配信システム1にログインし、これにより動画コンテンツを視聴できる。配信者は自分のユーザ端末(配信者端末)40を操作して配信システム1にログインし、これにより動画コンテンツを視聴者に提供できる。以下の説明では、ユーザが配信システム1に既にログインしていることを前提とする。配信システム1は、ログインしていない一般の視聴者のユーザ端末(視聴者端末)40に動画コンテンツを送信してもよく、これにより、ログインしていない一般の視聴者もコンテンツを視聴できる。
【0023】
図2は、配信システム1およびユーザ端末40のハードウェア構成の一例を示す図である。図2は、コンテンツサーバ10またはリアクションサーバ20として機能するサーバコンピュータ100と、ユーザ端末40として機能する端末コンピュータ200とを示す。
【0024】
一例として、サーバコンピュータ100はハードウェア構成要素として、プロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、および通信部104を備える。プロセッサ101は、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する演算装置であり、例えばCPU(Central Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)である。主記憶部102は、実行されようとするプログラム、演算結果などを記憶する装置であり、例えばROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)により構成される。補助記憶部103は、一般に主記憶部102よりも大量のデータを記憶可能な装置であり、例えばハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体によって構成される。補助記憶部103は、サーバコンピュータ100をコンテンツサーバ10またはリアクションサーバ20として機能させるためのサーバプログラムP1と各種のデータとを記憶する。通信部104は、通信ネットワークNを介して他のコンピュータとの間でデータ通信を実行する装置であり、例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールにより構成される。
【0025】
本開示に係る配信制御プログラムはサーバプログラムP1として実装される。コンテンツサーバ10またはリアクションサーバ20の各機能要素は、対応するサーバプログラムP1をプロセッサ101または主記憶部102の上に読み込ませてプロセッサ101にそのプログラムを実行させることで実現される。サーバプログラムP1は、コンテンツサーバ10またはリアクションサーバ20の各機能要素を実現するためのコードを含む。プロセッサ101はサーバプログラムP1に従って通信部104を動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出しおよび書き込みを実行する。
【0026】
コンテンツサーバ10およびリアクションサーバ20はいずれも、一つまたは複数のコンピュータにより構成され得る。複数のコンピュータが用いられる場合には、通信ネットワークNを介してこれらのコンピュータが互いに接続されることで、論理的に一つのコンテンツサーバ10または論理的に一つのリアクションサーバ20が構成される。
【0027】
一例として、端末コンピュータ200はハードウェア構成要素として、プロセッサ201、主記憶部202、補助記憶部203、通信部204、入力インタフェース205、出力インタフェース206、および撮像部207を備える。プロセッサ201は、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する演算装置であり、例えばCPUまたはGPUである。主記憶部202は、実行されようとするプログラム、演算結果などを記憶する装置であり、例えばROMまたはRAMにより構成される。補助記憶部203は、一般に主記憶部202よりも大量のデータを記憶可能な装置であり、例えばハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体によって構成される。補助記憶部203は、端末コンピュータ200をユーザ端末40として機能させるためのクライアントプログラムP2と各種のデータとを記憶する。通信部204は、通信ネットワークNを介して他のコンピュータとの間でデータ通信を実行する装置であり、例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールにより構成される。入力インタフェース205は、ユーザの操作または動作に基づいてデータを受け付ける装置であり、例えば、キーボード、操作ボタン、ポインティングデバイス、タッチパネル、マイクロフォン、センサ、およびカメラのうちの少なくとも一つによって構成される。出力インタフェース206は、端末コンピュータ200で処理されたデータを出力する装置であり、例えば、モニタ、タッチパネル、HMDなどの表示装置を含んで構成される。撮像部207は、現実世界を写した画像(映像または写真)を撮影する装置であり、例えばカメラである。撮像部207は入力インタフェース205としても機能し得る。
【0028】
本開示に係るリアクション制御プログラムはクライアントプログラムP2として実装される。ユーザ端末40の各機能要素は、クライアントプログラムP2をプロセッサ201または主記憶部202に読み込ませてプロセッサ201にそのプログラムを実行させることで実現される。クライアントプログラムP2は、ユーザ端末40の各機能要素を実現するためのコードを含む。プロセッサ201はクライアントプログラムP2に従って通信部204、入力インタフェース205、出力インタフェース206、または撮像部207を動作させ、主記憶部202または補助記憶部203におけるデータの読み出しおよび書き込みを実行する。
【0029】
サーバプログラムP1およびクライアントプログラムP2の少なくとも一つは、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどの非一時的な記録媒体に記録された上で提供されてもよい。あるいは、これらのプログラムの少なくとも一つは、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークNを介して提供されてもよい。これらのプログラムは別々に提供されてもよいし、一緒に提供されてもよい。
【0030】
図3は、配信システム1およびユーザ端末40の機能構成を示す。コンテンツサーバ10は機能的構成要素としてコンテンツ配信部11を備える。コンテンツ配信部11は動画コンテンツのコンテンツデータをユーザ端末40に配信する機能要素である。
【0031】
リアクションサーバ20は機能的構成要素として候補設定部21、リアクション配信部22、およびリアクション準備部23を備える。候補設定部21は1以上の推奨リアクションを含むリアクション候補情報を設定してそのリアクション候補情報をユーザ端末40に送信する機能要素である。リアクション配信部22はユーザ端末40において選択された推奨リアクションを1以上のユーザ端末40上に送信する機能要素である。リアクション準備部23は、リアクションデータベース32内のリアクションデータを生成または更新する機能要素である。
【0032】
ユーザ端末40は機能的構成要素としてコンテンツ表示部41、候補制御部42、リアクション投稿部43、およびリアクション表示部44を備える。コンテンツ表示部41は、コンテンツサーバ10からコンテンツデータを受信し、該コンテンツデータに基づいて動画コンテンツを表示する機能要素である。候補制御部42は、リアクションサーバ20からリアクション候補情報を受信し、該リアクション候補情報を制御する機能要素である。リアクション投稿部43は、リアクション候補情報からの推奨リアクションの選択を示す投稿データをリアクションサーバ20に送信する機能要素である。リアクション表示部44は、ユーザ端末40または他のユーザ端末から投稿されたリアクションをリアクションサーバ20から受信して、そのリアクションを表示する機能要素である。
【0033】
[リアクションデータベースの管理]
リアクション準備部23によるリアクションデータベース32の管理について説明する。一例では、リアクション準備部23は定期的なバッチ処理によりリアクションデータベース32内のリアクションデータを更新する。リアクション準備部23はコンテンツデータベース31内の少なくとも一部のコンテンツデータを参照し、該コンテンツデータにより示される1以上の動画コンテンツのそれぞれについて、各指定シーンでの推奨リアクションを生成または更新してもよい。例えば、リアクション準備部23は前回のバッチ処理から今回のバッチ処理までの間に所定数以上のユーザがリアクションを投稿した動画コンテンツを特定し、その動画コンテンツについて推奨リアクションを生成または更新する。
【0034】
リアクション準備部23は、或る動画コンテンツについての指定シーンの設定および推奨リアクションの生成に関して様々な手法を用い得る。
【0035】
リアクション準備部23は動画コンテンツを所定の時間幅ごとに区切り、区切られた各時間幅を指定シーンとして設定してもよい。あるいは、リアクション準備部23は動画コンテンツにおいて過去に所定数以上のリアクションが投稿された時間幅、すなわちリアクションの密度が所定値以上である時間幅を特定し、その時間幅を指定シーンとして設定してもよい。
【0036】
リアクション準備部23は特定された各指定シーンについて推奨リアクションを生成する。リアクション準備部23は指定シーン中に過去に投稿されたリアクションをそのまま該指定シーンのための推奨リアクションとして採用してもよい。例えば、リアクション準備部23は指定シーン中に過去に所定回数以上投稿されたリアクションを採用してもよいし、指定シーン中に画面上に同時に所定数以上表示されたリアクションを採用してもよい。あるいは、リアクション準備部23は、指定シーン中に過去に投稿された複数のリアクションをクラスタリング、大規模言語モデルなどの手法によって分類し、各分類におけるリアクションの総数を特定し、その総数が最も多い分類に属する1以上のリアクションから推奨リアクションを選択してもよい。
【0037】
リアクション準備部23は、指定シーン中に過去に投稿されたリアクションを大規模言語モデルなどの生成AIに入力して、該投稿されたリアクションに類似するリアクションを、該指定シーンのための推奨リアクションとして生成AIから取得してもよい。例えば、リアクション準備部23は過去に投稿されたコメント「ベース音が気持ちいい」から「ベースがいい音してる」という推奨コメントを生成する。リアクション準備部23は、所定のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)にアクセスして動画コンテンツに関連する過去の投稿を収集し、収集された投稿に基づいて推奨コメントを生成してもよい。リアクション準備部23は、処理対象である動画コンテンツと近い文脈を有する別の動画コンテンツをコンテンツデータベース31から特定し、該別の動画コンテンツから得られたリアクションに基づいて推奨リアクションを生成してもよい。リアクション準備部23は、「かわいい」、「かっこいい」などのような、人の心理(共感性)を示すリアクションに限定して推奨リアクションを生成してもよい。リアクション準備部23は指定シーン中の映像に対する画像認識、または指定シーン中の音声に対する音声認識を実行し、これらの認識処理から得られたテキストまたは文脈に基づいて該指定シーンのための推奨リアクションを生成してもよい。リアクション準備部23は動画コンテンツのタイトル、説明文、およびタグ情報のうちの少なくとも一つに基づいて推奨リアクションを生成し、その推奨リアクションを少なくとも一つの指定シーンために採用してもよい。
【0038】
リアクション準備部23は、上記のいずれかの手法により生成された推奨リアクションを、1以上の不適切なリアクションを示す所定のブラックリストと比較し、ブラックリストに存在する推奨リアクションを排除し、残った推奨リアクションを最終的に採用してもよい。
【0039】
リアクション準備部23は、最終的に生成または採用された推奨リアクションのそれぞれについて、該推奨リアクションのリアクションデータを生成し、該リアクションデータをリアクションデータベース32に登録する。リアクション準備部23は、推奨リアクションを生成する際に参照されたリアクション(元リアクション)をリアクションデータの根拠情報として設定してもよい。例えば、過去に投稿されたコメント「ベース音が気持ちいい」から「ベースがいい音してる」という推奨コメントを生成した場合には、リアクション準備部23はその推奨コメントの根拠情報として「ベース音が気持ちいい」を設定する。
【0040】
[システムの動作]
図4は指定シーンとリアクション候補情報との関係の例を示す図である。この例では、動画コンテンツは連続する4個のシーンSa,Sb,Sc,Sdを含む。ユーザ端末40上で動画コンテンツが表示されると、シーンSa,Sb,Sc,Sdがこの順に表示される。動画コンテンツを表示しているユーザ端末40は、シーンSaの開始時点tより前の時点tで、該シーンSaと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含むリアクション候補情報Laを表示し有効化する。ユーザ端末40はそのリアクション候補情報LaをシーンSaの終了時点tより前の時点tで無効化する。その後、ユーザ端末40は、シーンSbの途中でありシーンScの開始時点tより前の時点tで、該シーンScと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含むリアクション候補情報Lcを表示および有効化する。ユーザ端末40はそのリアクション候補情報LcをシーンScの終了時点tより前の時点tで無効化する。時点tはシーンSdの開始時点でもある。ユーザ端末40は時点tで、シーンSdと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含むリアクション候補情報Ldを表示および有効化する。ユーザ端末40はそのリアクション候補情報LdをシーンSdの終了時点t10より前の時点tで無効化する。リアクション候補情報の無効化は、リアクション候補情報を非表示に設定することであってもよい。
【0041】
リアクション候補情報は、推奨リアクションを投稿することが可能な時間幅である投稿可能時間帯に関連付けられてもよい。図4の例では、各リアクション候補情報について、投稿可能時間帯の開始時点は対応する指定シーンの開始時点より前に設定され、該投稿可能時間帯の終了時点は該指定シーンの終了時点より前に設定する。例えば、リアクション候補情報Laの投稿可能時間帯は時点tから時点tである。リアクション候補情報は、投稿可能時間帯の間においては有効化されてユーザに提示され、投稿可能時間帯が経過したときに無効化される。ユーザは投稿可能時間帯に限ってリアクション候補情報に対して選択などの操作を行うことができる。
【0042】
図4の例では、ユーザ端末40は、指定シーンのためのリアクション候補情報を、表示されている動画コンテンツにおいて該指定シーンが到来する前にユーザに提示する。指定シーンの開始時点と、該指定シーンのためのリアクション候補情報の投稿可能時間帯の開始時点との時間差、すなわち、該リアクション候補情報を指定シーンの開始よりどれだけ早く表示および有効化させるかは選択的に設定されてよい。例えば、その時間差は0秒より大きく5秒以下であってもよい。時間差を0秒より大きくすることで、推奨リアクションが表示されてからユーザが該推奨リアクションを選択するまでのタイムラグ、その選択から推奨リアクションが実際に表示されるまでのタイムラグなどの時間幅を考慮して、動画コンテンツの表示の状況に合わせて推奨リアクションをユーザに提示できる。その時間差は0秒であってもよく、すなわち、ユーザ端末40は、指定シーンのためのリアクション候補情報の投稿可能時間帯の開始時点を該指定シーンの開始時点に合わせてもよい。したがって、投稿可能時間帯の開始時点は、対応する指定シーンの開始時点以前であり得る。
【0043】
図4の例では、ユーザ端末40は、指定シーンのためのリアクション候補情報を、表示されている動画コンテンツにおいて該指定シーンが終了する前に無効化する。指定シーンの終了時点と、該指定シーンのためのリアクション候補情報の投稿可能時間帯の終了時点との時間差、すなわち、該リアクション候補情報を指定シーンの終了よりどれだけ早く無効化するかは選択的に設定されてよい。例えば、その時間差は0秒より大きく5秒以下であってもよい。その時間差は0秒であってもよく、すなわち、ユーザ端末40は指定シーンのためのリアクション候補情報の投稿可能時間帯の終了時点を該指定シーンの終了時点に合わせてもよい。したがって、投稿可能時間帯の終了時点は、対応する指定シーンの終了時点以前であり得る。
【0044】
図5を参照しながら、本開示に係る配信方法およびリアクション制御方法の例を説明する。図5はその例を処理フローS1として示すフローチャートである。処理フローS1は視聴者端末としての一つのユーザ端末40での処理を示す。処理フローS1は、配信システム1がコンテンツデータベース31内の動画コンテンツをユーザ端末40に配信することを前提とする。
【0045】
ステップS11では、ユーザ端末40が配信システム1から配信された動画コンテンツを表示する。ステップS11は、配信システム1が動画コンテンツをユーザ端末40上に表示させる処理であるとも言える。一例では、ユーザ端末40のコンテンツ表示部41がユーザ操作によって指定された動画コンテンツを配信システム1に要求する。配信システム1では、コンテンツ配信部11がその動画コンテンツのコンテンツデータをコンテンツデータベース31から読み出し、そのコンテンツデータをユーザ端末40に送信する。コンテンツ表示部41は配信されたコンテンツデータを処理して動画コンテンツを表示装置上に表示する。
【0046】
ステップS12では、候補制御部42が、表示されている動画コンテンツにおいて指定シーンが到来する前に、該指定シーンのためのリアクション候補情報を受信する。このリアクション候補情報は、その指定シーンと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含む。一例では、候補設定部21が指定シーンの開始時点より前の所定のタイミングで、該指定シーンのための1以上の推奨リアクションをリアクションデータベース32から抽出する。候補設定部21は動画コンテンツのコンテンツIDおよび指定シーンのシーンIDに対応する推奨リアクションを抽出する。候補設定部21は抽出された1以上の推奨リアクションを示すリアクションデータを含むリアクション候補情報をユーザ端末40に送信し、候補制御部42はそのリアクション候補情報を受信する。
【0047】
ステップS13では、候補制御部42が、表示されている動画コンテンツにおいて指定シーンが到来する前に、受信されたリアクション候補情報を表示装置上に表示する。この表示処理によってリアクション候補情報がユーザに提示される。一例では、候補制御部42はリアクション候補情報の投稿可能時間帯を設定する。候補制御部42は配信システム1(候補設定部21)から提供される投稿可能時間帯を採用してもよいし、コンテンツデータのシーン情報に基づいて設定してもよい。候補制御部42は投稿可能時間帯の開始時点からリアクション候補情報をユーザに提示する。
【0048】
候補制御部42は、リアクション候補情報に含まれる各推奨リアクションを、吹き出しなどの表現を伴うユーザインタフェースによって個別に表示してもよい。あるいは、候補制御部42はリアクション候補情報の全体を吹き出し、リストボックスなどの表現を伴うユーザインタフェースによって表示してもよい。候補制御部42は所定のキャラクタの画像を用いて、該キャラクタが推奨リアクションを発しているような表現形式でリアクション候補情報を表示してもよい。このような演出により、キャラクタのリアクションが投稿されるような感覚をユーザに抱かせて、ユーザがコメントの投稿を躊躇する状況を抑制または解消することができる。キャラクタはコンテンツとは独立した情報である。
【0049】
リアクション候補情報の操作性を考慮して、候補制御部42はリアクション候補情報を画面の右側または左側に表示してもよい。ユーザの利き手を考慮するための手法として、候補制御部42はユーザ設定に従ってリアクション候補情報を画面の右側または左側に表示してもよい。
【0050】
候補制御部42は、ユーザが推奨リアクションをマウスホバーした場合に(マウスホバーに対応する別の操作でもよい)、該推奨リアクションに関する付加情報を表示装置上に表示してもよい。例えば、候補制御部42は推奨リアクションの根拠情報で示されるリアクションが動画コンテンツに表示されている場合に、該表示されているリアクションを強調表示してもよい。
【0051】
候補制御部42は、推奨リアクションに対する評価の入力を受け付けてもよい。例えば、ユーザはレイティング(rating)の入力などのユーザ操作により推奨リアクションを評価する。キャラクタを表示している場合には、候補制御部42はそのユーザ操作に応答して、キャラクタが所定の動作をするように該キャラクタを制御してもよい。候補制御部42は入力された評価を、推奨リアクションの評価情報として設定する。その後、リアクション準備部23は設定された評価情報をリアクションデータベース32内のリアクションデータに反映する。
【0052】
候補制御部42は、リアクション候補情報を表示する前に、候補制御部42と協働して、リアクション候補情報を表示するまでの時間をカウントダウンなどの形式により表示してもよい。この処理によって、動画コンテンツの特定のシーン(例えば、盛り上がるシーン)、次にリアクションを取ることができるタイミングなどのような情報をユーザに分かりやすく伝えることができる。候補制御部42は、リアクション候補情報を表示した後に、指定シーンの開始時点までの残り時間をカウントダウンなどの形式により表示してもよい。この処理によって、リアクションが表示されるタイミングなどのような情報をユーザに分かりやすく伝えることができる。
【0053】
ステップS12,S13に示すように、配信システム1は、動画コンテンツの指定シーンと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含むリアクション候補情報を、表示されている動画コンテンツにおいて該指定シーンが到来する前にユーザ端末40上に表示する。
【0054】
ステップS14では、リアクション投稿部43が、リアクション候補情報から推奨リアクションを選択するユーザ操作に応答して、該選択を示す投稿データを配信システム1に送信する。配信システム1ではリアクション配信部22がその投稿データを受信する。投稿データは、選択された推奨リアクションを指定シーンと共に表示させる処理を配信システム1に実行させるための指示信号としての役割を担う。ステップS14の処理は、指定シーンが到来する前に実行されるかもしれないし、指定シーンが表示されている間に実行されるかもしれない。一例では、リアクション配信部22はコンテンツデータベース31にアクセスし、ユーザ端末40で表示されている動画コンテンツのコンテンツデータのリアクション情報に、投稿データによって示される推奨リアクションの情報を追加する。
【0055】
ユーザは吹き出し、リストボックスのような表現を伴うユーザインタフェースをクリックまたはタップにより操作して一つの推奨リアクションを選択する。リアクション投稿部43はそのユーザ操作に応答して投稿データを生成および送信する。一例では、リアクション投稿部43は、選択された推奨リアクションと、ユーザ操作に対応する動画コンテンツの表示時点(すなわち、推奨リアクションが選択されたタイミングでの動画コンテンツの表示時点)との対応を示す投稿データを生成し、この投稿データを配信システム1に送信する。例えば、或る推奨リアクションが動画コンテンツの開始から5分35秒の時点で選択された場合には、リアクション投稿部43はその推奨リアクションのリアクションデータと表示時点「05:35」との対応を示す投稿データを生成および送信する。
【0056】
ステップS14において、候補制御部42は選択された推奨リアクションをリアクション候補情報内で選択不可に設定してもよい。この場合は、ユーザは指定シーン内で推奨リアクションを2回以上投稿できない。この設定は行われなくてもよく、この場合には、ユーザは同じリアクションを2回以上投稿できる。
【0057】
ステップS15に示すように、ユーザ端末40上で表示されている動画コンテンツにおいて指定シーンが到来したか否かで後続の処理が異なる。指定シーンが到来した場合には(ステップS15においてYES)、処理はステップS16に移る。指定シーンがまだ到来しない場合には(ステップS15においてNO)、リアクション投稿部43は更なる推奨リアクションの選択に応答して、更なる投稿データを送信し得る。すなわち、リアクション候補情報が表示されてから指定シーンが到来するまでの間に、リアクション投稿部43は2以上の選択のそれぞれについて投稿データを配信システム1に送信し得る。
【0058】
ステップS16では、リアクション表示部44が選択された推奨リアクションを配信システム1から受信する。配信システム1ではリアクション配信部22が、受信された投稿データ内のリアクションデータを、指定シーンが到来した後にユーザ端末40に送信する。リアクション表示部44はそのリアクションデータを受信する。指定シーンが到来する前に推奨リアクションの選択が2回以上実行された場合には、リアクション配信部22は選択された2以上の推奨リアクションに対応するリアクションデータをユーザ端末40に送信し、リアクション表示部44はそのリアクションデータを受信する。
【0059】
ステップS17では、リアクション表示部44が受信された推奨リアクションを指定シーンと共に表示装置上に表示する。例えば、リアクション表示部44は、推奨リアクションが動画コンテンツを横切るような視覚効果を用いて、該推奨リアクションを動画コンテンツ上に表示する。すなわち、リアクション表示部44は、動画コンテンツ上を流れるように推奨リアクションを表示してもよい。その視覚効果が用いられる場合には、推奨リアクションが選択されたタイミングによっては、推奨リアクションが指定シーンの終了後も動画コンテンツ上に表示される可能性がある。リアクション表示部44は、推奨リアクションが指定シーンの終了時点までに画面上から消えるように該推奨リアクションの初期位置を設定してもよい。あるいは、動画コンテンツがオンデマンド配信またはタイムシフトによって次に視聴される場合に推奨リアクションが指定シーンの終了時点までに画面上から消えるように、リアクション表示部44はその推奨リアクションを、指定シーン内であり、かつユーザ操作に対応する表示時点より前の時点から、指定シーンと共に表示してもよい。リアクション表示部44は、リアクション候補情報が表示されて直ぐに選択された推奨リアクションが該指定シーンより早く表示されないように、または指定シーンの終了直前に選択された推奨リアクションが該指定シーンの後に表示されないように、受信された推奨リアクションの表示タイミングを調整してもよい。
【0060】
ステップS18では、候補制御部42が、リアクション候補情報の投稿可能時間帯が経過したか否かを判定する。
【0061】
投稿可能時間帯が終了していない場合には(ステップS18においてNO)、処理はステップS14に戻る。この場合には、候補制御部42はリアクション候補情報をユーザに提示し続ける。リアクション投稿部43は、リアクション候補情報から推奨リアクションを選択する次のユーザ操作に応答して、該選択を示す次の投稿データを配信システム1に送信する(ステップS14)。指定シーンは既に表示されているので(ステップS15においてYES)、リアクション表示部44は選択された推奨リアクションを配信システム1から受信し(ステップS16)、その推奨リアクションを指定シーンと共に表示装置上に表示する(ステップS17)。したがって、リアクション表示部44はこの場合には、指定シーンが表示されている間にユーザによって選択された推奨リアクションをリアルタイムに指定シーンと共に表示する。
【0062】
ユーザ端末40から見た場合には、ステップS14~S17の処理は次のように説明され得る。すなわち、ユーザ端末40は、リアクション候補情報から推奨リアクションを選択するユーザ操作に応答して、該選択を示す投稿データを配信システム1に送信して、配信システム1に、該選択された推奨リアクションを指定シーンと共に表示させる。一方、配信システム1から見た場合には、ステップS14~S17の処理は次のように説明され得る。すなわち、配信システム1は、ユーザ端末40上でリアクション候補情報から選択された推奨リアクションを示す投稿データをユーザ端末40から受信したことに応答して、該選択された推奨リアクションを指定シーンと共にユーザ端末40上に表示させる。
【0063】
ステップS14,S15の変形例として、リアクション投稿部43は、推奨リアクションを選択するユーザ操作が指定シーンの到来前に行われた場合に、該指定シーンが到来した時点で、該選択を示す投稿データを配信システム1に送信してもよい。ステップS16では、リアクション配信部22が、受信された投稿データ内のリアクションデータをユーザ端末40に送信する。「リアクション候補情報から推奨リアクションを選択するユーザ操作に応答して、該選択を示す投稿データを配信システムに送信する」という表現は、該ユーザ操作が行われた時点で該投稿データを送信する処理と、該ユーザ操作の後の所定の時点で該投稿データを送信する処理との双方を含む概念を示す。
【0064】
投稿可能時間帯が終了した場合には(ステップS18においてYES)、処理はステップS19に進む。ステップS19では、候補制御部42が、投稿可能時間帯が経過したことに応答してリアクション候補情報を無効化する。例えば候補制御部42はリアクション候補情報を非表示に設定してその無効化を実現する。この結果、ユーザはそのリアクション候補情報から推奨リアクションを選択できなくなる。
【0065】
ステップS14~S19で示されるように、推奨リアクションを選択するユーザ操作に対応する動画コンテンツの表示時点が指定シーンの開始時点より前か否かによって、その推奨リアクションの表示タイミングが異なる。その表示時点が指定シーンの開始時点より前の場合には、ユーザ端末40は配信システム1に、選択された推奨リアクションを該開始時点以降に(すなわち指定シーンが到来した以降に)表示させる。その表示時点が指定シーンの開始時点から終了時点までの間である場合には、ユーザ端末40は配信システム1に、選択された推奨リアクションを該表示時点で(すなわちリアルタイムに)表示させる。
【0066】
ステップS16,S17に関連して、ユーザ端末40において選択された推奨リアクションは、該ユーザ端末40と同時にまたはその後に動画コンテンツを表示する他のユーザ端末上にも表示される。本開示では、或るユーザによって選択された推奨リアクションが表示されるユーザ端末を「対象端末」とも言う。対象端末は、ユーザ端末40に加えてまたは代えて、他のユーザ端末を含み得る。ステップS16では、リアクション配信部22は受信された投稿データ内のリアクションデータをユーザ端末40に加えて他のユーザ端末に送信し得る。この場合には、他のユーザ端末もステップS17の処理を実行して推奨リアクションを指定シーンと共に表示する。オンデマンド配信またはタイムシフトによって後で動画コンテンツが或るユーザ端末で表示される場合には、該動画コンテンツのコンテンツデータのリアクション情報に基づいて、ユーザ端末40で過去に選択された推奨リアクションが自動的に表示される。
【0067】
リアクション候補情報が表示されている間において、候補制御部42は動画コンテンツの表示モードの変化に応答してリアクション候補情報の表示を制御してもよい。例えば、候補制御部42は、表示されている動画コンテンツが全画面モードに設定されたことに応答して、リアクション候補情報を非表示に設定する。候補制御部42は、全画面モードで表示されている動画コンテンツを制御するユーザインタフェース(例えば、シークバー、再生ボタン、スキップボタン、全画面表示のON/OFFボタンなど)を表示させるためのユーザ操作に応答して、リアクション候補情報を再表示する。この結果、リアクション候補情報はそのユーザインタフェースと共に表示装置上に再表示される。
【0068】
ステップS20で示すように、動画コンテンツが表示されている間にステップS12~S19の処理が繰り返される。繰り返されるステップS12,S13では、配信システム1は、動画コンテンツの次の指定シーンと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含む次のリアクション候補情報を、表示されている動画コンテンツにおいて該次の指定シーンが到来する前にユーザ端末40上に表示する。繰り返されるステップS14~S19では、ユーザ端末40は、そのリアクション候補情報から推奨リアクションを選択するユーザ操作に応答して、該選択を示す投稿データを配信システム1に送信して、配信システム1に、選択された推奨リアクションをその指定シーンと共に表示させる。
【0069】
図6は指定シーンおよびリアクション候補情報の遷移の例を示す図である。この例では、ユーザ端末40はシーン301,302,303をこの順に含む動画コンテンツ300を表示する。シーン302,303は指定シーンとして処理される。それぞれのシーンでは、1以上のユーザにより投稿されたリアクション310が、動画コンテンツを横切るような視覚効果で動画コンテンツ300上に表示される。
【0070】
指定シーン302が到来する前に、候補制御部42は指定シーン302のためのリアクション候補情報320を受信し、そのリアクション候補情報320をシーン301の間に表示する(ステップS12,S13)。リアクション候補情報320は推奨リアクション321、322を含む。推奨リアクション321は「かわいい」というコメントであり、推奨リアクション322は絵文字のマークである。この例では、候補制御部42はそれぞれの推奨リアクションを、吹き出しの表現を伴うユーザインタフェース(ボタン)により表示する。リアクション候補情報320は表示された時点から有効化され、ユーザは指定シーン302が到来する前から、ユーザインタフェース(吹き出し)をクリックまたはタップして推奨リアクション321,322を選択できる。この例では、指定シーン302が到来する前にまたは指定シーン302の間にユーザが推奨リアクション322を1回選択したとする。リアクション投稿部43はそのユーザ操作に応答して、その選択を示す投稿データを配信システム1に送信する(ステップS14)。
【0071】
指定シーン302の間に(ステップS15においてYES)、リアクション表示部44は推奨リアクション322を配信システム1から受信し、その推奨リアクション322を指定シーン302と共に表示する(ステップS16,S17)。推奨リアクション322は1以上のリアクション310のうちの一つとして動画コンテンツ300上に表示される。
【0072】
指定シーン303が到来する前に、候補制御部42は指定シーン303のためのリアクション候補情報330を受信し、そのリアクション候補情報330を指定シーン302の間に表示する(ステップS12,S13)。リアクション候補情報330は、「いい声」というコメントである推奨リアクション331を含む。リアクション候補情報330は表示された時点から有効化されており、ユーザは指定シーン303が到来する前から推奨リアクション331を選択できる。この例では、指定シーン303が到来する前にまたは指定シーン303の間にユーザが推奨リアクション331を1回選択したとする。リアクション投稿部43はそのユーザ操作に応答して、その選択を示す投稿データを配信システム1に送信する(ステップS14)。
【0073】
指定シーン303の間に(ステップS15においてYES)、リアクション表示部44は推奨リアクション331を配信システム1から受信し、その推奨リアクション331を指定シーン303と共に表示する(ステップS16,S17)。推奨リアクション331は1以上のリアクション310のうちの一つとして動画コンテンツ300上に表示される。
【0074】
指定シーン303の間に、候補制御部42は指定シーン303の次の指定シーンのためのリアクション候補情報340を受信し、そのリアクション候補情報340を指定シーン303の間に表示する(ステップS12,S13)。リアクション候補情報340は推奨リアクション341,342を含む。ユーザ端末40は、リアクション候補情報320,330の場合と同様に、リアクション候補情報340に関する処理を実行し得る。
【0075】
[変形例]
以上、本開示に係る技術をその様々な例に基づいて詳細に説明した。しかし、本開示は上記の例に限定されるものではない。本開示に係る技術については、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0076】
上記の例では、配信システム1およびユーザ端末40が協働して、次に到来する一つの指定シーンのためのリアクション候補情報をユーザに提示する。別の例として、配信システムおよびユーザ端末は、到来していない複数の指定シーンに対応する複数のリアクション候補情報をユーザに同時に提示してもよい。この例では、動画コンテンツは第1指定シーンと、該第1指定シーンより後の第2指定シーンとを含む。リアクション候補情報は、第1指定シーンと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含む第1リアクション候補情報と、第2指定シーンと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含む第2リアクション候補情報とを含む。ユーザ端末は、表示されている動画コンテンツにおいて第1指定シーンが到来する前に、第1リアクション候補情報が第2リアクション候補情報とは異なる表示形式で表示されるように、第1リアクション候補情報および第2リアクション候補情報をユーザに提示する。
【0077】
図7は、複数のリアクション候補情報をユーザに提示する場合における、指定シーンおよびリアクション候補情報の遷移の例を示す図である。図6と同様に、図7は動画コンテンツ300のシーン301~303を示す。シーン302,303は指定シーンとして処理される。
【0078】
シーン302が到来する前に、候補制御部42はシーン302,303を含む複数の未到来の指定シーンに対応する複数のリアクション候補情報を受信し、これらのリアクション候補情報をシーン301の間に表示する(ステップS12,S13)。図7の例では、候補制御部42はリアクション候補情報320,330,340を受信および表示する。
【0079】
候補制御部42は、未到来の複数の指定シーンのうち最初に到来する指定シーン302のリアクション候補情報(第1リアクション候補情報)320を、残りの指定シーンのリアクション候補情報(第2リアクション候補情報)330,340とは異なる表示形式で表示する(ステップS13)。例えば、候補制御部42はリアクション候補情報320を選択可能に設定し、リアクション候補情報330,340を選択不可に設定してもよい。すなわち、候補制御部42はリアクション候補情報320を有効化し、リアクション候補情報330,340を無効化してもよい。このような有効化および無効化に代えてまたは加えて、候補制御部42はリアクション候補情報320がリアクション候補情報330,340よりも強調して表示されるようにこれらのリアクション候補情報を表示してもよい。
【0080】
リアクション候補情報320は表示された時点から有効化され、ユーザは指定シーン302が到来する前から推奨リアクション321,322を選択できる。リアクション候補情報330,340が有効化される場合には、ユーザは指定シーン302が到来する前から、これらのリアクション候補情報内の推奨リアクションも選択できる。リアクション投稿部43はユーザによる推奨リアクションの選択を示す投稿データを配信システム1に送信する(ステップS14)。
【0081】
指定シーン302の間に(ステップS15においてYES)、リアクション表示部44はリアクション候補情報320から選択された推奨リアクションを配信システム1から受信し、その推奨リアクションを指定シーン302と共に表示する(ステップS16,S17)。リアクション候補情報320の投稿可能時間帯が経過したことに応答して(ステップS18)、候補制御部42はリアクション候補情報320を非表示に設定してリアクション候補情報320を無効化する。
【0082】
指定シーン303が到来する前に、候補制御部42は、未到来の複数の指定シーンのうち最初に到来する指定シーン303のリアクション候補情報(第1リアクション候補情報)330を、残りの指定シーンのリアクション候補情報(第2リアクション候補情報)とは異なる表示形式で表示する(ステップS13)。リアクション候補情報330は有効化されるかまたは引き続き有効であり、ユーザは指定シーン303が到来する前から推奨リアクション331を選択できる。リアクション候補情報340が有効化される場合には、ユーザは指定シーン303が到来する前からリアクション候補情報340内の推奨リアクションも選択できる。
【0083】
指定シーン303の間に(ステップS15においてYES)、リアクション表示部44はリアクション候補情報330から選択された推奨リアクションを配信システム1から受信し、その推奨リアクションを指定シーン303と共に表示する(ステップS16,S17)。リアクション候補情報330の投稿可能時間帯が経過したことに応答して(ステップS18)、候補制御部42はリアクション候補情報330を非表示に設定してリアクション候補情報330を無効化する。この結果、画面上にはリアクション候補情報340が残る。
【0084】
配信システムおよびユーザ端末の少なくとも一方の機能構成は上記の例と異なってもよく、例えば、それぞれのコンピュータでの処理負荷を考慮して決定されてもよい。上記の例では配信システム1がコンテンツサーバ10およびリアクションサーバ20を含むが、これらのサーバが一つのサーバに統合されてもよい。リアクション準備部23に相当する機能要素はユーザ端末に設けられてもよい。
【0085】
本開示に係る技術は、サーバを用いないユーザ端末間のコンテンツ配信に適用されてもよい。この場合には、配信システム1の各機能要素は、いずれかのユーザ端末に実装されてもよく、複数のユーザ端末に分かれて実装されてもよい。これに関連して、リアクション制御プログラムはクライアントプログラムとして実現されてもよい。すなわち、配信システムは、クライアント-サーバ方式によって実装されてもよく、クライアント-クライアント方式であるP2P(Peer to Peer)またはE2E(End to End)暗号化によって実装されてもよい。クライアント-クライアント方式では、コンテンツ配信の秘匿性が向上する。
【0086】
本開示において、「少なくとも一つのプロセッサが、第1の処理を実行し、第2の処理を実行し、…第nの処理を実行する。」との表現、またはこれに対応する表現は、第1の処理から第nの処理までのn個の処理の実行主体(すなわちプロセッサ)が途中で変わる場合を含む概念を示す。すなわち、この表現は、n個の処理のすべてが同じプロセッサで実行される場合と、n個の処理においてプロセッサが任意の方針で変わる場合との双方を含む概念を示す。
【0087】
少なくとも一つのプロセッサにより実行される方法の処理手順は上記実施形態での例に限定されない。例えば、上述したステップの一部が省略されてもよいし、別の順序で各ステップが実行されてもよい。また、上述したステップのうちの任意の2以上のステップが組み合わされてもよいし、ステップの一部が修正または削除されてもよい。あるいは、上記の各ステップに加えて他のステップが実行されてもよい。
【0088】
二つの数値の大小関係の比較では、「以上」および「よりも大きい」という二つの基準のどちらが用いられてもよく、「以下」および「未満」という二つの基準のうちのどちらが用いられてもよい。
【0089】
本明細書で述べた各機能要素の任意の一部または全部がプログラムによって実現されてもよい。本明細書で言及したプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に非一時的に記録して頒布されてもよいし、インターネットなどの通信回線(無線通信も含む)を介して頒布されてもよいし、任意の端末にインストールされた状態で頒布されてもよい。
【0090】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本開示についての追加の効果または種々の変形例を想到できるかもしれないが、本開示の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本開示の概念的な思想と趣旨とを逸脱しない範囲で、種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【0091】
例えば、本明細書において1台の装置(あるいは部材。以下同じ)として説明される構成(これは、図面において1台の装置として描かれている構成を含む)が、複数の装置によって実現されもよい。あるいは、本明細書において複数の装置として説明される構成(これは、図面において複数の装置として描かれている構成を含む)が1台の装置によって実現されてもよい。あるいは、或る装置(例えばサーバ)に含まれる手段または機能の一部または全部が、他の装置(例えばユーザ端末)に含まれてもよい。
【0092】
本明細書に記載された事項のすべてが必須の要件というわけではない。例えば、本明細書に記載されているが特許請求の範囲に記載されていない事項は、任意の付加的事項ということができる。
【0093】
本出願人は本明細書の「先行技術文献」欄に記載された公知技術を知っているにすぎない。本開示は必ずしもその公知技術における課題を解決することを目的とするものではないことにも留意されたい。本開示において解決しようとする課題は、本明細書の全体を考慮して認定されるべきものである。例えば、本明細書において、特定の構成によって所定の効果を奏する旨の記載がある場合、当該所定の効果に対応する課題が解決されるということもできる。しかし、その効果に関する記載は必ずしも、そのような特定の構成を必須の要件とする趣旨ではない。
【0094】
[付記]
上記の様々な例から把握されるとおり、本開示は以下に示す態様を含む。
(付記1)
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
配信システムから配信された動画コンテンツを表示し、
前記動画コンテンツの指定シーンと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含むリアクション候補情報を、前記表示されている動画コンテンツにおいて該指定シーンが到来する前にユーザに提示し、
前記リアクション候補情報から前記推奨リアクションを選択するユーザ操作に応答して、該選択を示す投稿データを前記配信システムに送信して、前記配信システムに、前記選択された推奨リアクションを前記指定シーンと共に表示させる、
ユーザ端末。
(付記2)
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記選択された推奨リアクションと、前記ユーザ操作に対応する前記動画コンテンツの表示時点との対応を示す前記投稿データを前記配信システムに送信し、
前記表示時点が前記指定シーンの開始時点より前の場合には、前記配信システムに、前記選択された推奨リアクションを該開始時点以降に表示させる、
付記1に記載のユーザ端末。
(付記3)
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記表示時点が前記開始時点から前記指定シーンの終了時点までの間である場合には、前記配信システムに、前記選択された推奨リアクションを前記表示時点で表示させる、
付記2に記載のユーザ端末。
(付記4)
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記推奨リアクションを投稿することが可能な投稿可能時間帯を設定し、ここで、該投稿可能時間帯の終了時点が前記指定シーンの終了時点以前であり、
前記投稿可能時間帯が経過する前まで前記リアクション候補情報を前記ユーザに提示し、
前記投稿可能時間帯が経過したことに応答して前記リアクション候補情報を無効化する、
付記1~3のいずれか一つに記載のユーザ端末。
(付記5)
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記選択された推奨リアクションを選択不可に設定する、
付記1~4のいずれか一つに記載のユーザ端末。
(付記6)
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記表示されている動画コンテンツが全画面モードに設定されたことに応答して、前記リアクション候補情報を非表示に設定し、
前記全画面モードで表示されている前記動画コンテンツを制御するユーザインタフェースを再表示させるためのユーザ操作に応答して、前記リアクション候補情報を再表示する、
付記1~5のいずれか一つに記載のユーザ端末。
(付記7)
前記動画コンテンツが、第1指定シーンと、該第1指定シーンより後の第2指定シーンとを含み、
前記リアクション候補情報が、前記第1指定シーンと共に表示可能な前記1以上の推奨リアクションを含む第1リアクション候補情報と、前記第2指定シーンと共に表示可能な前記1以上の推奨リアクションを含む第2リアクション候補情報とを含み、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記表示されている動画コンテンツにおいて前記第1指定シーンが到来する前に、前記第1リアクション候補情報が前記第2リアクション候補情報とは異なる表示形式で表示されるように、前記第1リアクション候補情報および前記第2リアクション候補情報を前記ユーザに提示する、
付記1~6のいずれか一つに記載のユーザ端末。
(付記8)
少なくとも一つのプロセッサを備えるユーザ端末によって実行されるリアクション制御方法であって、
配信システムから配信された動画コンテンツを表示するステップと、
前記動画コンテンツの指定シーンと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含むリアクション候補情報を、前記表示されている動画コンテンツにおいて該指定シーンが到来する前にユーザに提示するステップと、
前記リアクション候補情報から前記推奨リアクションを選択するユーザ操作に応答して、該選択を示す投稿データを前記配信システムに送信して、前記配信システムに、前記選択された推奨リアクションを前記指定シーンと共に表示させるステップと、
を含むリアクション制御方法。
(付記9)
配信システムから配信された動画コンテンツを表示するステップと、
前記動画コンテンツの指定シーンと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含むリアクション候補情報を、前記表示されている動画コンテンツにおいて該指定シーンが到来する前にユーザに提示するステップと、
前記リアクション候補情報から前記推奨リアクションを選択するユーザ操作に応答して、該選択を示す投稿データを前記配信システムに送信して、前記配信システムに、前記選択された推奨リアクションを前記指定シーンと共に表示させるステップと、
をコンピュータに実行させるリアクション制御プログラム。
(付記10)
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
動画コンテンツをユーザ端末上に表示させ、
前記動画コンテンツの指定シーンと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含むリアクション候補情報を、前記表示されている動画コンテンツにおいて該指定シーンが到来する前に前記ユーザ端末上に表示し、
前記ユーザ端末上で前記リアクション候補情報から選択された前記推奨リアクションを示す投稿データを前記ユーザ端末から受信したことに応答して、該選択された推奨リアクションを前記指定シーンと共に前記ユーザ端末上に表示させる、
配信システム。
【0095】
付記1,8~10によれば、動画コンテンツの指定シーンに対応する推奨リアクションの候補が、その指定シーンが到来する前にユーザに提示される。ユーザにより選択された推奨リアクションは指定シーンと共に表示される。推奨リアクションをユーザに事前に提示し、選択された推奨リアクションが、予め指定されたシーンで自動的に表示されるので、ユーザは動画コンテンツの表示の状況に合ったリアクションを簡単に投稿できる。一例として、リアクションを投稿した経験が少ないユーザは、どのようなリアクションをどのタイミングで投稿するのがよいか分からず、リアクションの投稿に躊躇するかもしれない。推奨リアクションの候補を指定シーンより前にユーザに提示し、選択された推奨リアクションを指定シーンに合わせて自動的に表示させることで、そのような経験の少ないユーザも気軽にリアクションを投稿できる。
【0096】
付記2によれば、指定シーンが到来する前にユーザにより選択された推奨リアクションが、該指定シーンの開始と共に表示される。このような制御により選択と表示処理との間の時間間隔を最短にすることで、動画コンテンツの表示の状況に合ったリアクションの表示と、ユーザ操作に対する反応とのバランスを取ることができる。
【0097】
付記3によれば、指定シーンの間にユーザに選択された推奨リアクションがリアルタイムに表示されるので、通常のリアクションの投稿と同じ体験をユーザに提供できる。
【0098】
付記4によれば、推奨リアクションを投稿できる時間帯が指定シーンの終了以前に設定されるので、指定シーンのための推奨リアクションが該指定シーンを過ぎた後に投稿される状況を確実に防止できる。
【0099】
付記5によれば、選択された推奨リアクションが選択不可に設定されるので、同一ユーザによる同一リアクションの連続投稿による迷惑行為を防止できる。
【0100】
付記6によれば、全画面モードにおいて、動画コンテンツを制御するユーザインタフェースと共にリアクション候補情報が再表示される。リアクション候補情報が表示されるタイミングを他のユーザインタフェースに合わせることで、洗練された画面デザインおよび表示制御をユーザに提供できる。
【0101】
付記7によれば、未到来の複数の指定シーンに対応する複数のリアクション候補情報が表示される。この表示処理では、最初に到来する指定シーンのリアクション候補情報が他のリアクション候補情報と区別される態様でユーザに提示されるので、どのリアクション候補情報から先に推奨リアクションを選択するのが望ましいかをユーザに明確に伝えることができる。
【符号の説明】
【0102】
1…配信システム、10…コンテンツサーバ、11…コンテンツ配信部、20…リアクションサーバ、21…候補設定部、22…リアクション配信部、23…リアクション準備部、30…データベース群、31…コンテンツデータベース、32…リアクションデータベース、40…ユーザ端末、41…コンテンツ表示部、42…候補制御部、43…リアクション投稿部、44…リアクション表示部、300…動画コンテンツ、302,303…指定シーン、310…リアクション、320,330,340…リアクション候補情報、321,322,331,341,342…推奨リアクション、P1…サーバプログラム、P2…クライアントプログラム。
【要約】
【課題】動画コンテンツの表示の状況に合ったリアクションを簡単に投稿すること。
【解決手段】ユーザ端末は、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、配信システムから配信された動画コンテンツを表示し、動画コンテンツの指定シーンと共に表示可能な1以上の推奨リアクションを含むリアクション候補情報を、表示されている動画コンテンツにおいて該指定シーンが到来する前にユーザに提示し、リアクション候補情報から推奨リアクションを選択するユーザ操作に応答して、該選択を示す投稿データを配信システムに送信して、配信システムに、選択された推奨リアクションを指定シーンと共に表示させる。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7