(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】知能型氷落下装置、及びそれを備えたデバイス
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20240716BHJP
F25C 5/20 20180101ALI20240716BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
F25C5/20 302Z
(21)【出願番号】P 2023071730
(22)【出願日】2023-04-25
【審査請求日】2023-04-25
(32)【優先日】2022-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】521518297
【氏名又は名称】朱建融
【氏名又は名称原語表記】CHU,CHIEN-JUNG
【住所又は居所原語表記】No.140,Ruifa St., Qianzhen Dist.,Kaohsiung City 806014,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】朱 建融
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 常熙
(72)【発明者】
【氏名】柯 斐騰
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03075363(US,A)
【文献】特開2008-014539(JP,A)
【文献】米国特許第05165255(US,A)
【文献】米国特許第03192734(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/08
F25C 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
氷出し装置を有する氷貯蔵容器と、
上端部と下端部とを有し、前記氷貯蔵容器内に回転可能に配置される攪拌棒と、水平方向に前記攪拌棒の前記上端部と前記下端部との間に接続されて配置される複数の攪拌翼と、
前記攪拌棒の前記下端部に直立的に接続された複数の氷落下仕切り板であって、前記複数の氷落下仕切り板と、
前記攪拌棒の前記上端部に取り付けられ、氷を供給するように前記攪拌棒、前記複数の攪拌翼及び前記複数の氷落下仕切り板を回転駆動するか、或いは、氷の詰まりを除去するように前記攪拌棒、前記複数の攪拌翼、及び前記複数の氷落下仕切り板を振動させる駆動手段と、
を備え
、
前記氷貯蔵容器は、氷受け皿と、前記氷受け皿の底部に垂直に取り付けられた少なくとも1つの弾性バッフルと、を備え、前記攪拌棒は、前記複数の氷落下仕切り板が前記少なくとも1つの弾性バッフルの下方に配置されるように前記氷受け皿を通過する、ことを特徴とする、知能型氷落下装置。
【請求項2】
前記駆動手段は、駆動モジュール、回転角度検知モジュール及び制御モジュールを有し、
前記駆動モジュールは、前記攪拌棒に接続された回転軸を有し、
前記回転角度検知モジュールは、前記回転軸の回転角度を検出し、これに応じて回転角度データを出力し、
前記制御モジュールは、前記駆動モジュール及び前記回転角度検知モジュールに電気的に接続され、前記制御モジュールは、前記駆動モジュールに第1の制御信号を送信することで、前記駆動モジュールが前記回転軸を駆動させて氷の出力量を制御するように目標回転角度を回転させ、前記駆動モジュールが前記回転軸を駆動させて氷の出力量を制御するための目標回転角度を回転させ、さらに、読み取った回転角度データに基づいて前記回転軸の実際回転角度と前記目標回転角度との角度差を求め、前記回転軸の位置調整を精密で行うための位置フィードバック制御を行い、そして、前記角度差に応じて氷詰まりの有無を判断し、氷詰まりがあると判断された場合、前記駆動モジュールに第2の制御信号を送り、前記回転軸を振動させ、時計回り及び反時計回りに往復回転させることで、同時に前記複数の氷落下仕切り板を時計回り及び反時計回りに往復回転させて、前記複数の氷落下仕切り板の上にある氷は、前記弾性バッフルの少なくとも1つに弾力的に押しつけられることで、氷詰まりの状態を解消する、請求項
1に記載の知能型氷落下装置。
【請求項3】
前記制御モジュールは、さらに、前記角度差の値を加算して形成される累積誤差に基づいて、前記角度差の値が所定の最大許容値を超えているか否かを判定し、前記所定の
最大許容値を超えていると判定した場合、前記駆動モジュールに第3の制御信号を送り、前記駆動モジュールに前記回転軸を回転駆動させて所定の初期位置に自動的に戻らせる、請求項
2に記載の知能型氷落下装置。
【請求項4】
前記弾性バッフルは、少なくとも2つが左右並んで設けられている、請求項
2に記載の知能型氷落下装置。
【請求項5】
前記複数の攪拌翼のそれぞれは、水平板と、前記水平板の長辺から斜めに延びる斜め板と、を有する、請求項1に記載の知能型氷落下装置。
【請求項6】
前記各斜め板には、弾性板を備えていること、請求項
5に記載の知能型氷落下装置。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか1項に記載の知能型氷落下装置を有する知能型飲料調製デバイス。
【請求項8】
請求項1~
6のいずれか1項に記載の知能型氷落下装置と、原料貯蔵装置と、を備え、前記原料貯蔵装置は、少なくとも1つの出液口を有する少なくとも1つの飲料用バケツを備え、前記出液口は、集約手段によって前記知能型氷落下装置の氷出し口に接続されている、知能型飲料調製デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、氷落下装置に関し、特に氷の自動供給と氷詰まりの自動除去とが可能な知能型氷落下装置、及びそのような知能型氷落下装置を備えたデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
氷落下装置は、レストラン、飲料店、バーなど、氷を大量消費する店舗で広く使用されている。しかし、既存の氷落下装置は、手動で氷を供給することしかできず、自動的に氷の詰まりを解消することはできない。また、本発明者は、飲料の調製する効率を高めるために、ユーザのニーズに応じて、各種飲料と適量の氷とを自動的に集約させて調製飲料を形成できる知能型飲料調製デバイス(例えば、特許文献1)を発明した。当発明は欠点がないように見えるかもしれないが、改良の精神に基づき、本発明者は、氷落下装置を備えた知能型飲料調製デバイスをさらに理想的なものにすることを望んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、構成及び制御により、氷の詰まりを軽減し、自動的に氷の詰まりを解消することができる知能型氷落下装置、及びそれを備えたデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの実施形態では、氷を自動的に供給し、氷の詰まりを自動的に除去することができる、知能型氷落下装置を開示しており、知能型氷落下装置は、氷出し装置を有する氷貯蔵容器と、上端部と下端部とを有し、前記氷貯蔵容器内に回転可能に配置される攪拌棒と、水平方向に前記攪拌棒の前記上端部と前記下端部との間に接続されて配置される複数の攪拌翼と、前記攪拌棒の前記下端部に直立的に接続された複数の氷落下仕切り板であって、前記複数の氷落下仕切り板と、前記攪拌棒の前記上端部に取り付けられ、氷を供給するように前記攪拌棒、前記複数の攪拌翼及び前記複数の氷落下仕切り板を回転駆動するか、或いは、氷の詰まりを除去するように前記攪拌棒、前記複数の攪拌翼、及び前記複数の氷落下仕切り板を振動させる駆動手段と、を備える。
【0006】
本発明の実施形態は、飲料を調製し、調製された飲料で少なくとも1つの飲料カップを充填するための知能型飲料調製デバイスを開示する。前記知能型調製デバイスは、ユーザのニーズに応じて自動的に飲料を調製できるように、適量の氷を加えるための知能型氷落下装置を有する。知能型氷落下装置は、氷出し装置を有する氷貯蔵容器と、上端部と下端部とを有し、前記氷貯蔵容器内に回転可能に配置される攪拌棒と、水平方向に前記攪拌棒の前記上端部と前記下端部の間に接続されて配置される複数の攪拌翼と、前記攪拌棒の前記下端部に直立的に接続された複数の氷落下仕切り板であって、前記複数の氷落下仕切り板と、前記攪拌棒の前記上端部に取り付けられ、氷を供給するように前記攪拌棒、前記複数の攪拌翼及び前記複数の氷落下仕切り板を回転駆動するか、或いは、氷の詰まりを除去するように前記攪拌棒、前記複数の攪拌翼、及び前記複数の氷落下仕切り板を振動させる駆動手段と、を備える。
【0007】
本発明の実施形態によれば、前記氷貯蔵容器は、氷受け皿と、前記氷受け皿の底部に垂直に取り付けられた少なくとも1つの弾性バッフルと、を備え、前記攪拌棒は、前記複数の氷落下仕切り板が前記少なくとも1つの弾性バッフルの下に位置するように前記氷受け皿を貫通する。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、前記駆動装置は、駆動モジュール、回転角度検知モジュール及び制御モジュールを備え、前記駆動モジュールは、前記攪拌棒に連結された回転軸を有し、回転角度検知モジュールは、前記回転軸の回転角度を検出し、これに応じて回転角度データを出力し、前記制御モジュールは、前記駆動モジュール及び前記回転角度検知モジュールに電気的に接続し、前記制御モジュールは、前記駆動モジュールに第1の制御信号を送り、前記駆動モジュールに前記回転軸を駆動させて目標回転角度を回転させて氷の出力量を制御し、読み取った前記回転角度データに基づいて前記回転軸の実際の回転角度と前記目標回転角度との角度差を決定して、位置フィードバック制御を行って前記回転軸の回転角度を調整し、前記回転軸の位置調整を精密で達成しながら、前記回転角度に基づいて氷詰まり発生の有無判定し、更に氷詰まりが発生したと判定された場合に前記駆動モジュールに第2の制御信号を送信し、前記回転軸を振動させた後、時計回り方向及び反時計回り方向に往復回転させて前記複数の氷仕切板を同時に時計回り方向又は反時計回り方向に駆動し、前記複数の氷仕切板の上の氷を前記弾性バッフルの少なくとも1つに弾力的に押し付けて氷詰まりを解消する。
【0009】
本発明の実施形態によれば、前記制御モジュールは、さらに、前記角度差の値を加算して形成される累積誤差に基づいて、所定の最大許容値を超えているかどうかを判定し、前記所定の最大許容値を超えていると判定された場合、前記駆動モジュールが前記回転軸を回転駆動して所定の初期位置に自動的に戻るように、第3の制御信号を前記駆動モジュールへ送る。
【0010】
本発明の実施形態によれば、前記可撓性フラップは、少なくとも2つ並んで設けられる。
【0011】
本発明の実施形態によれば、前記各攪拌翼は、水平板と、前記水平板の長辺から斜めに延びる斜め板と、を有する。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、前記各斜め板には、弾性板が設けられている。
【0013】
本発明が開示した知能型氷落下装置、及びそれを備えたデバイスでは、攪拌棒の下端部に、落下する氷の量を枠で定量する複数の氷落下仕切り板を設け、攪拌棒の上端部に、氷を自動的に供給するように攪拌棒、攪拌翼、氷落下仕切り板を回転駆動するための駆動装置が設けられ、かつ、駆動装置は、攪拌棒、攪拌翼、氷落下仕切り板を振動駆動して自動的に氷詰まりを解消することもできる。このように、本発明の知能型氷落下装置は、需要に応じて自動的に氷を供給するだけでなく、氷詰まりを軽減し、自動的に氷詰まりを除去することができる。
【0014】
本発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考及び説明のために提供するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の知能型氷落下装置の第1の実施形態を示す模式図である。
【
図2】本発明の知能型氷落下装置の第1の実施形態の斜視模式図である。
【
図3】本発明の知能型氷落下装置の第2の実施形態を示す模式図である。
【
図4】本発明の知能型氷落下装置の第2の実施形態を示す部分模式図である。
【
図5】本発明の知能型氷落下装置の第2の実施形態を示す部分斜視模式図である。
【
図6】本発明の知能型氷落下装置の第2の実施形態を示す部分斜視分解模式図である。
【
図7】本発明の知能型氷落下装置の第2の実施形態の他の角度を示す部分斜視模式図である。
【
図8】本発明知能型氷落下装置の第2の実施形態の機能ブロックを示す模式図である。
【
図9】本発明の知能型氷落下装置の第3の実施形態を示す部分斜視模式図である。
【
図10】本発明の知能型氷落下装置の第4の実施形態を示す模式図である。
【
図11】本発明の知能型氷落下装置の第5の実施形態を示す模式図である。
【
図12】本発明の第6の実施形態に備わるデバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
下記より、具体的な実施例で本発明に係る実施形態を説明する。当業者は本明細書の公開内容により本発明のメリット及び効果を理解し得る。本発明は他の異なる実施形態により実行又は応用できる。本明細書における各細節も様々な観点又は応用に基づいて、本発明の精神逸脱しない限りに、均等の変形と変更とを行うことができる。また、本発明の図面は簡単で模式的に説明するためのものであり、実際の寸法を示すものではない。以下の実施形態において、さらに本発明に係る技術事項を説明するが、公開された内容は本発明を限定するものではない。
【0017】
本発明は、構成と制御手段とにより、氷の詰まりを軽減し、自動的に氷の詰まりを解消する知能型な氷落下装置を提供する。
【0018】
[第1の実施形態]
図1及び
図2を参照して、本発明の第1の実施形態の知能型氷落下装置は、氷貯蔵容器1、攪拌棒2、攪拌翼3、氷落下仕切り板4、及び駆動装置5を含む。
【0019】
氷貯蔵容器1は、氷を貯めるための容器である。氷貯蔵容器1の底部には、氷が落下可能な氷出し口11が設けられていてもよい。氷貯蔵容器1は、丸い筒状であってもよいが、特に限定されず、種々の形状であってもよい。さらに、氷貯蔵容器1内の氷は、好ましくは四角いブロック状であるが、これに限定されることなく、様々な形状であってよい。
【0020】
攪拌棒2は、氷容器1内で回転可能であり、攪拌棒2の対向する端部は、それぞれ上端部21と下端部22とを形成し、複数の攪拌翼3は、攪拌棒2と水平に接続され、攪拌棒2の上端部21と下端部22との間に配置される。好ましくは、羽根は互いに上下に間隔をあけて配置される。本実施例の複数の攪拌翼3は、氷貯蔵容器1内の氷の回転攪拌を容易にして、氷の固着を回避するものである。
【0021】
本実施形態における氷落下仕切り板4の数は、一対に設定された4枚であるが、氷落下仕切り板4の数は、2枚でも8枚でもよく、特に制限はない。氷落下仕切り板4は、攪拌棒2の下端部22に直立して接続され、氷出し口11の上方に位置し、氷落下仕切り板4間に形成される落下氷用仕切り区画を利用して、各落下氷用仕切り区画に降る氷の量を区分けすることができる。
【0022】
駆動装置5は、攪拌棒2の上端部21に取り付けられており、攪拌棒2、攪拌翼3、氷落下仕切り板4を回転駆動して氷を自動的に供給する、すなわち、落下氷用仕切り区画が1回転するごとに1単位の氷を投下することが可能である。さらに、駆動装置5には、駆動モータや振動モータを内蔵して、攪拌棒2、攪拌翼3及び氷落下仕切り板4を回転駆動及び振動駆動させることができる。さらに、駆動装置5は、内部設定にしたがって、あるいは一定期間にわたって、攪拌棒2、攪拌翼3及び氷落下仕切り板4を振動させるように駆動したり、検出結果に応じて攪拌棒2、攪拌翼3及び氷落下仕切り板4を振動または回転させるように駆動したりして、氷の詰まりを自動的に取り除くことができるようにすることができる。
【0023】
[第2の実施形態]
図3~
図8を参照して、本発明の第2の実施形態の知能型氷落下装置は、氷貯蔵容器1、攪拌棒2、攪拌翼3、氷落下仕切り板4、駆動装置5、氷受け皿6、氷落下バケツ7、弾性バッフル8、氷出し皿9を含む。
【0024】
本実施例の氷貯蔵容器1は、
図3に示すように上蓋12を有し、氷貯蔵容器1の側面と底面とにはそれぞれ氷入り口13と氷出し口11とが形成されている。さらに、本実施例の氷貯蔵容器1は、容器本体101が丸い筒状であるが、四角い筒状などでもよく、また氷貯蔵容器1は曲がった筒状などの形の氷出しパイプ102でもよくは、容器本体101の底部に接続されている。氷入り口13は容器本体101の側面に開口し、氷出し口11は氷出しパイプ102の底部に開口することができる。
【0025】
氷受け皿6は
図3に示すように氷貯蔵容器1に固定され、氷受け皿6と上蓋12との間に角氷を収納するための貯氷空間SPを形成することができ、すなわち、氷受け皿6と上蓋12との間の距離によって貯氷空間SPの大きさを決定できる。本実施例の氷受け皿6は円形の皿であるが、角板状の皿でもよく、氷受け皿6には、
図5に示すように、氷が落下するための第1の氷落下口61が形成されている。
【0026】
氷落下バケツ7は、
図3に示すように、氷受け皿6の下に配置される。本実施形態の氷落下バケツ7は、上下に開口部を有する中空のバケツであり、中空の丸いバケツとすることができるが、中空の四角いバケツとすることも可能である。氷落下バケツ7の上にある氷受け皿6は、大量の氷が氷落下バケツ7に直接落下しないように、氷を受け止めるために使用することができる。本例の氷受け皿6は、氷受け皿6上の氷の一部を氷落下バケツ7に落下させるための半円形の第1の氷落下口61が形成されている。
【0027】
弾性バッフル8は、
図4に示すように、氷受け皿6の底面に垂直に固定されて氷落下バケツ7内に下方に延びており、
図5に示すように、弾性バッフル8の壁面と氷落下バケツ7の内周との間に、第1の氷落下口61に対応する氷落下路THが形成されており、氷受け皿6上の氷の一部が第1の氷落下口61から氷落下路THに下方に落下することができる。本実施形態では、弾性バッフル8が2つ並んで配置されているが、弾性バッフル8が4つ並んで配置されていることも可能である。本実施形態の弾性バッフル8は、弾性材料、すなわちある程度の反発力を有する材料、好ましくは熱硬化性エラストマー(例えばシリコーンエラストマー)を含むポリマー系主材料をベースとする複合材料で作られていることは特筆すべきことである。それは、高反発性、低変形率、低脆弱性温度を有する複合材料である。
【0028】
この例では、攪拌棒2は、複数の氷落下仕切り板4が弾性バッフル8の下に位置するように氷受け皿6を通過し、氷落下仕切り板4の内板端は攪拌棒2の外周に取り付け、氷落下仕切り板4の外板端は外枠401の内壁に取り付け、枠401が落氷バケツ7に回転して弾性バッフル8の下に配置できるようにできる。本実施形態のフレーム401は、円形であることが好ましいが、楕円形や四角形であってもよい。本実施形態では、4つの落下氷用仕切り区画PAを有するが、特に制限はなく、落下氷用仕切り区画PAの少なくとも1つをドロップアイス流路THに接続することができ、すなわち、落下氷用仕切り区画PAの少なくとも1つを回転可能にドロップアイス流路THに接続し、ドロップアイス流路THから落下氷用仕切り区画PAの少なくとも1つの中に氷を落下させることができる。さらに、弾性バッフル8は、大量の氷がこれらの落下氷用仕切り区画PAに直接落下することを防止する。この実施例の落下氷用仕切り区画PAは、扇形区画であるが、半円形や四角形であってもよい。また、この実施例の落下氷用仕切り区画PAは、外枠401と氷落下仕切り板4との間に形成することができる。さらに、本実施形態の各攪拌翼3は、水平板31と、水平板31の長辺から斜めに延びる斜め板32と、を備えている。
【0029】
氷出し皿9は、
図3に示すように氷貯蔵容器1に固定され、氷落下バケツ7の下方に配置される。この例では、氷出し皿9は円形であるが、四角形でもよく、攪拌棒2の下端部22は、氷出し皿9の中心を通って下に延びる端縁を有している。さらに、氷出し皿9は、
図6及び
図7に示すように、氷が下方に落下するための第2の氷落下口91が形成されており、氷貯蔵容器1の上方の少なくとも1つの落下氷用仕切り区画PAと下方の氷出し口11とを連通して、少なくとも1つの落下氷用仕切り区画PA、第2の氷落下口91及び氷出し口11を介して氷貯蔵容器1の外部に排出可能になっている。本実施形態の氷出し皿9には、スカラップ状の落下氷用仕切り区画PAに対応して、扇形の第2の氷落下口91が形成されている。
【0030】
本実施例の駆動装置5は、
図4に示すように、上蓋12に固定された実装ハウジング501を有していてもよく、さらに、
図8に示すように、駆動モジュール51、回転角度検出モジュール52、制御モジュール53を有していてもよい。
【0031】
駆動モジュール51は駆動モータを含んでいてもよい。かつ、駆動モータはステッピングモータであってもよい。攪拌棒2の上端部21は、ステッピングモータの回転軸510に接続されてもよい。これにより、回転軸510の回転角度を明確に制御することができ、攪拌トルクを向上させることができる。
【0032】
回転角度検知モジュール52は、モータの回転軸510の回転角度を検出し、対応する回転角度データを出力するために使用される。本実施形態の回転角度検知モジュール52は、例えば光学式エンコーダであるか、またはそれを含むが、限定されることなく、ホール効果磁気エンコーダまたは他のセンサであってもよい。さらに、本実施形態の回転角度検出モジュール52は、高分解能光学式エンコーダであってもよく、高分解能光学式エンコーダは、回転軸510の回転角度をより精密に検出できるように、より多くのパルス信号を生成できるためである。あるいは、本実施例の駆動モジュール51と回転角度検出モジュール52とを一体化して、駆動モジュール51を光学式エンコーダ付きステッピングモータにすることもできる。
【0033】
制御モジュール53は、駆動モジュール51及び回転角度検知モジュール52に電気的に接続されている。本実施形態の制御モジュール53は、マイクロコントローラ(MCU)又は他のコントローラであってもよく、又はそれを含んでいてもよく、実装ハウジング501の内部又は外部に配置されてもよい。さらに、制御モジュール53は、外部コマンドに応答して駆動モジュール51に第1の制御信号を送信し、氷の吐出量を制御するために、駆動モジュール51に回転軸510を目標回転角度だけ回転するように駆動させる、すなわち、落下氷用仕切り区画PAの回転角度が1回転するごとに1ユニットの氷を吐出することができる。回転軸510の実際の回転角度と目標回転角度との間の角度差は、回転軸510の正確な位置決めを達成するために回転軸510の回転角度を調整する位置フィードバック制御に用いられ、角度差に従って氷詰まりがあるかどうかを判定するために用いられる。駆動モジュール51は、回転軸510を時計回り及び反時計回りに回転させて複数の氷落下仕切り板4を同期させ、複数の氷落下仕切り板4の上の氷を弾力性のある弾性バッフル8に押し付けて氷詰まりを解消させる。
【0034】
さらに、氷詰まりが発生していないと判断された場合でも、一定期間の累積角度差は累積誤差となるため、制御モジュール53は、累積角度差が所定の最大許容値を超えたかどうかを判断し、所定の最大許容値を超えたと判断した場合、オートリターン機能を作動、すなわち駆動モジュール51に第3の制御信号を送信して回転軸510を駆動させる第3の制御信号は駆動モジュール51に送られ、駆動モジュール51は回転軸510を回転駆動させ、デフォルトの初期位置に自動的に戻るようにする。
【0035】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態を示す
図9を参照すると、本実施形態の構成は第2の実施形態と実質的に同じであり、以下に述べる相違点がある。
【0036】
本実施形態では、各ブレード3は、斜め板32に弾性材料を含む柔軟板301を設けており、ブレード3が回転して氷塊を攪拌する際にクッションの役割を果たし、多数の氷塊が直接落下しないようにしている。
【0037】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態を示す
図10を参照すると、本実施形態の構成は、第2の実施形態と実質的に同じであり、以下に述べる相違点がある。
【0038】
本実施形態では、氷貯蔵容器1の下部、例えば、氷出し皿9の下方に重量センサ14を設け、これを
図8に示す制御モジュール53に電気的に接続して氷塊の重量変化を感知し、感知した重量変化に対応する重量データを制御モジュール53に出力し、制御モジュール53が氷貯蔵容器1内の残氷を把握して注意メッセージを送信できるようにした知能型氷落下装置が提供される。また、制御モジュール53は、氷貯蔵容器1内の氷の残量を把握して注意喚起メッセージを送信することができ、氷を補充するための通知や注意喚起を適時行うことができる。
【0039】
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態を示す
図11を参照すると、本実施形態の構成は、第2の実施形態と実質的に同じであり、以下に述べる相違点がある。
【0040】
本実施形態においても、外側バケツ本体103に外側ハッチドア1031を設けてなる知能型氷落下装置を提供し、外側バケツ本体103の内部に氷貯蔵容器1を設け、外側ハッチドア1031を開いて氷貯蔵容器1の氷入り口13を露出させて、氷を投入することができる。さらに、外側バケツ本体103と氷貯蔵容器1とは空洞CHで仕切られており、この空洞CHにポリウレタンなどの断熱材を充填して断熱効果を高めることができる。
【0041】
[第6の実施形態]
図12を参照すると、本発明の第6の実施形態が示されている。この実施形態では、飲料を調製し、調製された飲料を少なくとも1つの飲料カップに調製するための知能型飲料調製デバイス7000が提供される。知能型飲料調製デバイス7000は、特許文献1の構成要素の一部または全部を構成することができ、限定されないが、実際の設計要件に応じて適宜変更することができる。
【0042】
さらに、知能型飲料調製デバイス7000は、内部に原料貯蔵装置5000を備え、前記実施形態のいずれかに記載の知能型氷落下装置1000を備え、前記原料貯蔵装置5000は、任意の形態の集約手段3000によって知能型氷落下装置1000の氷出口に接続され得る少なくとも一つの出液口を含む。詳細には、原料貯蔵装置5000は、飲料または飲料の調製における材料として使用する液体材料、例えば、新鮮なミルク、お茶、熱湯、砂糖水などを貯蔵するための複数の飲料容器5001で構成されてもよい。さらに、知能型飲料調製デバイス7000は、入力された飲料要求情報(例えば、製品、糖度、氷量など)に基づいて飲料調製過程で知能型氷落下装置1000を通じて飲料に適量の氷を加えることができるので、要求に応じて調製された飲料をユーザに自動供給することができる。
【0043】
要約すると、本発明の知能型氷落下装置及びこの知能型氷落下装置を有するデバイスは、攪拌棒の下端部に、落下させる氷の量を枠で囲む複数の氷落下仕切り板を設け、攪拌棒の上端部に接続した駆動装置を用いて、攪拌棒、攪拌板及び氷落下仕切り板を回転駆動させて氷を自動的に供給できるとともに、駆動装置がまた、この駆動により、攪拌棒、攪拌翼、氷落下仕切り板を振動させて、氷塊を自動的に除去することができる。このように、本発明の知能型氷落下装置は、需要に応じて自動的に氷を供給するだけでなく、氷詰まりを軽減し、自動的に氷詰まりを除去することができる。
【0044】
以上に開示される内容は本発明の好ましい実施可能な実施例に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではないので、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0045】
1:氷貯蔵容器
101:容器本体
102:氷出しパイプ
103:外側バケツ本体
1031:外側ハッチドア
11:氷出し口
12:上蓋
13:氷入り口
14:重量センサ
2:攪拌棒
21:上端部
22:下端部
3:攪拌翼
301:弾性プレート
31:水平シート
32:斜設シート
4:氷落下仕切り板
401:外枠
5:駆動装置
501:実装ハウジング
51:駆動モジュール
510:回転軸
52:回転角度検知モジュール
53:制御モジュール
6:氷受け皿
61:第1の氷落下口
7:氷落下バケツ
8:弾性バッフル
9:氷出し皿
91:第2の氷落下口
SP:氷貯蔵空間
TH:氷落下路
PA:落下氷用仕切り区画
CH:キャビティ
7000:知能型飲料調製デバイス
5000:原料貯蔵装置
5001:飲料用バケツ
3000:集約手段
1000:知能型氷落下デバイス