(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】注入器
(51)【国際特許分類】
A61M 5/20 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
A61M5/20 550
(21)【出願番号】P 2021536675
(86)(22)【出願日】2019-09-04
(86)【国際出願番号】 US2019049483
(87)【国際公開番号】W WO2020051201
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-04-29
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-06
(32)【優先日】2018-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521084471
【氏名又は名称】アラジェ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147511
【氏名又は名称】北来 亘
(72)【発明者】
【氏名】エブリン,ハヴィエア
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,ウィリアム,ハンター
(72)【発明者】
【氏名】アイヴィー,ネイサン
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】近藤 利充
【審判官】安井 寿儀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0328411(US,A1)
【文献】特開2015-213781(JP,A)
【文献】国際公開第2018/148741(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0243504(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入器において、
a)ハウジングと、
b)前記ハウジング内に可動に位置づけられたシリンジであって、前記シリンジはその中に医薬品を収納している、シリンジと、
c)前記ハウジングへ解放可能に固定されていて、1つ又はそれ以上の付勢部材によって動かされる制御器であって、前記制御器は解放されたときに、前記シリンジを自動的に前記シリンジの軸方向に押して前記シリンジの一部分を前記ハウジングの外に露出させるとともに、前記シリンジのプランジャを自動的にその軸方向に押して前記シリンジの露出された一部分を通して前記医薬品を分配する、制御器と、
d)シースの付勢部材によって可動式に前記ハウジングと連通しているシースであって、前記制御器が解放されたとき、前記シースは前記ハウジングから解放されるとともに前記シリンジの露出された一部分を自動的に覆うように付勢される、シースとを備えており、
前記注入器はモバイルデバイスケース内又はモバイルデバイスケースへ固定された注入器ケース内に収納されている、注入器。
【請求項2】
前記シリンジの露出された一部分は針である、請求項1に記載の注入器。
【請求項3】
前記制御器は、前記制御器に係合している前記ハウジング上のボタンへ加えられる力を介して解放される、請求項1又は2に記載の注入器。
【請求項4】
ストッパが前記制御器を前記ハウジングへ固定していて、前記ストッパが前記注入器から取り外されると前記制御器が解放され前記シリンジに係合するようになっている、請求項3に記載の注入器。
【請求項5】
前記ストッパは前記ハウジングへ可動に固定されたピンである、請求項4に記載の注入器。
【請求項6】
前記注入器は1注入向けに構成されている、請求項1に記載の注入器。
【請求項7】
前記注入器は複数注入向けに構成されている、請求項1に記載の注入器。
【請求項8】
前記シースは、1つ又はそれ以上のシースブレーキが前記ハウジングに係合し前記シースの更なる運動を妨げるまで伸展する、請求項1又は2に記載の注入器。
【請求項9】
前記ピンは前記ハウジングのボタンに解放可能に係合している、請求項5に記載の注入器。
【請求項10】
前記注入器は前記注入器ケース内に収納され、前記注入器ケースは前記
モバイルデバイスケースへ解放可能に固定されている、請求項1に記載の注入器。
【請求項11】
前記注入器ケースの第1の区分が前記
モバイルデバイスケースへ固着式に固定され、前記注入器ケースの第2の区分が前記
モバイルデバイスケースへ取り外し可能に固定されている、請求項10に記載の注入器。
【請求項12】
前記注入器ケースの前記第2の区分は前記注入器へ固着式に付着されている、請求項11に記載の注入器。
【請求項13】
前記注入器ケースの前記第2の区分は前記注入器の前記ハウジングの一部分である、請求項11に記載の注入器。
【請求項14】
1つ又はそれ以上の近距離無線通信センサ、を含んでいる請求項1に記載の注入器。
【請求項15】
前記1つ又はそれ以上の近距離無線通信センサは、前記ハウジングへ接続されている電話機を参照して前記
注入器の所在地を識別する及び/又はモニターするように適合されている、請求項14に記載の注入器。
【請求項16】
前記1つ又はそれ以上の近距離無線通信センサは、前記
注入器の温度を識別する及び/又はモニターするように適合されている、請求項15に記載の注入器。
【請求項17】
前記
注入器の前記温度が既定の受容可能範囲の外であることの通知をユーザーが受信する、請求項16に記載の注入器。
【請求項18】
前記
注入器が前記電話機から分離されたときに1つ又はそれ以上の既定の第三者デバイスが通知を受信する、請求項15に記載の注入器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は概括的には自動化された医療デバイスに関する。より具体的には、本教示は概して1つ又はそれ以上の医薬品を注入する自動注入医療デバイスに関連する。
【背景技術】
【0002】
エピネフリン自動注入器(EAI)は、食物アレルギーに苦しむ1,500万人を超えるアメリカ人によってアナフィラキシー反応時に使用される救命医療デバイスである。エピネフリン自動注入器(EAI)は、エピネフリンの緊急注射(「ショット」)である。この薬は、重度の腫脹、呼吸障害、又は血圧の低下の様な生命を脅かすアレルギー反応に対して使用される。アレルギー反応又はアナフィラキシー反応は、刺す虫や咬む虫、アレルギー注射、食物、医薬品、運動、又は他の既知及び/又は未知の原因によって引き起こされることがある。
【0003】
EAIは、通常、処方箋に応じて0.15mg~0.3mgの用量で個々の保護ケースに納められている。様々な応答を患者は医薬品の使用から来すので、EAIを2つ携行することが推奨されている。
【0004】
同様に、インスリン又は他の医薬品の注射が、米国内の糖尿病に苦しむ3000万人を超える人々によって必要とされる可能性がある。インスリンを注射しなければ、糖尿病患者は重篤な低血糖症即ち糖尿病性ショックに見舞われるかもしれず、そうなると生命が脅かされかねない。ゆえに糖尿病患者は万一の低血糖に備えてインスリンを携帯する。インスリンは、迅速使用のための自動注入器のカートリッジで入手可能である。しかしながら現在使用されているカートリッジについては、インスリンは56°F~80°F(13.3℃~26.6℃)の間で保存されなくてはならない。インスリン注射は糖尿病を患う人々の大半によって必要とされているので、常に手近にインスリンを確保しておく必要がある。
【0005】
よくある問題は、自動注入器が必要時に速やかに利用できない可能性があることだ。もう1つの問題は、ユーザーの知らぬ間に自動注入器が期限切れになる可能性があることだ。自動注入器にまつわる更なる問題は、ユーザーがどのように注入器を注射に使用するかに無頓着であることかもしれない。加えて、医師、看護師、家族を含む介護者が個人のために医薬品使用及び自動注入器の適正使用をモニターしたいと思うことは多く、個人が児童又は高齢者の場合は特にそうである。
【0006】
その様な自動注入器の実施例は、PCT特許出願第PCT/US/2018/018031号、並びに2018年9月4日出願の米国仮特許出願第62/726,895号、2018年9月11日出願の米国仮特許出願第62/729,589号、2018年9月24日出願の米国仮特許出願第62/735,238号、2018年9月27日出願の米国仮特許出願第62/737,249号、2018年10月10日出願の米国仮特許出願第62/743,713号、及び2018年12月27日出願の米国仮特許出願第62/785,357号に見つけることができ、上記出願全てを言及によりあらゆる目的で本明細書に援用する。ユーザーにとって簡単にアクセスできる自動注入器を持つことは魅力的であるだろう。必要とされているものは、モバイルデバイスのケース上に収納することのできる自動注入器である。最小限のユーザーインターフェースで以て医薬品をユーザーの中へ自動的に注入する注入器を持つことは魅力的であるだろう。必要とされているものは、注入動作を遂行するための単一の制御器及び/又はボタンを有する自動注入器である。自動注入器の1つ又はそれ以上の構成要素との不要な接触からユーザーを保護する保護ケーシングを有する携帯式自動注入器を持つことは魅力的であるだろう。必要とされているものは、注入前、注入後、又はその両方にて、自動注入器の1つ又はそれ以上の構成要素との接触からユーザーを保護する可動式シースを備えた自動注入器である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【0008】
本教示は、(a)ハウジングと、(b)ハウジングへ解放可能に固定された制御器と、(c)ハウジング内に可動に位置づけられたシリンジと、を備える注入器において、制御器は解放されたときにシリンジを駆動してシリンジの一部分をハウジングの外に露出させる、注入器、を提供することによって現存する必要性の1つ又はそれ以上を満たす。
【0009】
本教示は、注入器において、シリンジの露出部分は針である;シリンジは制御器によって駆動されるプランジャを介し針を通ってユーザーの中へ分配される医薬品を収納している;制御器は1つ又はそれ以上の付勢部材によって動かされる;注入器は制御器の解放前、制御器の解放後、又はその両方にて可動に針を保護するシースを更に備えている;注入器はモバイルデバイスケース内に、モバイルデバイスケースへ固定された注入器ケース内に、又はその両方に収納されている;制御器は制御器に係合しているハウジング上のボタンへ加えられる力を介して解放される;ストッパが制御器をハウジングへ固定していて、ストッパが注入器から取り外されると制御器が解放されシリンジに係合するようになっている;ストッパはハウジングへ可動に固定されたピンである;注入器は1回の注入向けに構成されている;注入器は複数回の注入向けに構成されている;1つ又はそれ以上の付勢部材はばねである;シースはハウジングへ付着されていて、シリンジが制御器によって駆動されたとき、シリンジはシースの一部分に接触しシースをハウジングから解放してシリンジの露出部分を包み込ませるようになっている;シースは1つ又はそれ以上の付勢部材を介してハウジングへ固定されていて、注入器からの注入後にシースは付勢されてシリンジの露出部分を覆って伸展するようになっている;シースの1つ又はそれ以上の付勢部材はばねである;ピンはハウジングのボタンに解放可能に係合している;注入器ケースは電話機ケースへ解放可能に固定されている;注入器ケースの第1の区分が電話機ケースへ固着式に固定され、注入器ケースの第2の区分が電話機ケースへ取り外し可能に固定されている;注入器ケースの第2の区分は注入器へ固着式に付着されている;注入器ケースの第2の区分は注入器のハウジングの一部分である;又はそれらの組合せ、である注入器、を提供することによって現存する必要性の1つ又はそれ以上を満たす。
【0010】
本教示は、シースを有する注入器において、シースはハウジング内に固定されたプレートへ付着されていて、シリンジが制御器によって駆動されたとき、制御器がシースを固定している互いに反対側のフィンガに接触し、フィンガを解放し、するとシースは自由になり、伸展してシリンジの露出部分を包み込むようになっている;シースは付勢部材を介して付勢されていて、シースは自由になり次第伸展するようになっている;シースはプレートの突起へ固定され、フィンガはプレート上に配置されている複数の孔へ回転可能に固定されている;又はそれらの組合せ、である注入器、を提供することによって現存する必要性の1つ又はそれ以上を満たす。
【0011】
本教示は、ユーザーにとって簡単にアクセスできる自動注入器;モバイルデバイスのケース上に収納することのできる自動注入器;最小限のユーザーインターフェースで以て医薬品をユーザーの中へ自動的に注入する自動注入器;注入動作を遂行するための単一の制御器及び/又はボタンを有する自動注入器;自動注入器の1つ又はそれ以上の構成要素との不要な接触からユーザーを保護する保護ケーシングを有する携帯式自動注入器;注入前、注入後、又はその両方にて、自動注入器の1つ又はそれ以上の構成要素との接触からユーザーを保護する可動式シース;を提供することによって現存する必要性の1つ又はそれ以上を満たす。
【0012】
注入器は、1つ又はそれ以上の近距離無線通信センサを更に含んでいてもよい。1つ又はそれ以上の近距離無線通信センサは、ハウジングへ接続されている電話機を参照して、医療デバイスの所在地を識別する及び/又はモニターするように適合されることができる。1つ又はそれ以上の近距離無線通信センサは、医療デバイスの温度を識別する及び/又はモニターするように適合されることができる。医療デバイスの温度が既定の受容可能範囲の外であることの通知をユーザーが受信するようになっていてもよい。医療デバイスが電話機から分離されたときに1つ又はそれ以上の既定の第三者デバイスが通知を受信するようになっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】注入器を有する電話機ケースの斜視図である。
【
図2】注入器を有する電話機ケースの斜視図である。
【
図3】電話機ケースから解放された注入器を有する電話機ケースの斜視図である。
【
図4】電話機ケースから解放された注入器を有する電話機ケースの斜視図である。
【
図5】注入器ケース及び電話機ケースの斜視図である。
【
図6】注入器を有する電話機ケースの前面図である。
【
図8A】活動化前の静止位置にある注入器の断面図である。
【
図9A】活動化前の静止位置にある注入器の断面図である。
【
図9C】注入後の、シース組立体が途中まで関節運動された状態の
図9Aの注入器の断面図である。
【
図9D】注入後の、シース組立体が一杯まで関節運動された状態の
図9Aの注入器の断面図である。
【
図11A】近距離無線通信センサの配設を有する電話機ケースの前面図である。
【
図11B】近距離無線通信センサ及び温度センサの配設を有する電話機ケースの前面図である。
【
図11C】温度センサの配設を有する注入器の前面図である。
【
図27A】活動化前の静止位置にある注入器の断面図である。
【
図27C】注入後の、シース組立体が一杯まで伸展された状態の
図27Aの注入器の断面図である。
【
図32A】活動化前の静止位置にある注入器の断面図である。
【
図32C】注入後の、シース組立体が一杯まで伸展された状態の
図32Aの注入器の断面図である。
【
図37A】活動化前の静止位置にある注入器の断面図である。
【
図37C】注入後の、シース組立体が一杯まで伸展された状態の
図37Aの注入器の断面図である。
【
図42A】活動化前の静止位置にある注入器の断面図である。
【
図42C】注入後の、シース組立体が一杯まで伸展された状態の
図42Aの注入器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願は、以下のより早期に出願された米国仮特許出願である、2018年9月4日出願の米国仮特許出願第62/726,895号、2018年9月11日出願の米国仮特許出願第62/729,589号、2018年9月24日出願の米国仮特許出願第62/735,238号、2018年9月27日出願の米国仮特許出願第62/737,249号、2018年9月10日出願の米国仮特許出願第62/743,713号、2018年12月27日出願の米国仮特許出願第62/785,357号、2019年5月1日出願の米国仮特許出願第62/841,360号、及び、2019年6月12日出願の米国仮特許出願第62/860,726号の恩典を主張し、それら仮特許出願全てをあらゆる目的で本明細書に援用する。
【0015】
本明細書に提示されている解説及び例示は、当業者に本教示、その原理、及びその実践的適用に習熟してもらうことを意図している。当業者は、特定の用途の必要条件に最も適するところの数々の形態に本教示を適合させ、適用することができる。したがって、示されている本教示の特定の実施形態は網羅的であろうとする意図もなければ本教示を限定する意図もない。ゆえに、本教示の範囲は、本明細書の記述を参照して確定されるのではなく、代わりに付随の特許請求の範囲並びにその様な特許請求の範囲が権利を有する等価物の完全な範囲を参照して確定されるべきである。特許出願及び特許公開を含むすべての論文及び参考文献の開示は、あらゆる目的で参照により援用される。付随の特許請求の範囲から収集され得るところの他の組合せも実施可能であり、その様な組合せもまたこれによりこの書面による記述へ参照により組み入れられる。
【0016】
本明細書の教示は携帯式注入器に関する。注入器は、1人又はそれ以上のユーザーに医薬品を注入するように機能することができる。注入器は、ユーザーに医薬品を注入するために完全自動化又は部分自動化されることができる。注入器は、速効性の薬又は必要な薬を担持する任意の注入器とすることができる。注入器は温度感受性の物質を収納していてもよい。注入器には、エピネフリン自動注入器(EAI)、吸入器、インスリン自動注入器(IAI)、及び/又は類似機器が挙げられる。エピネフリン又は他の医薬品は、鼻スプレー、流体、又はその両方の形態をしていてもよい。より具体的には、本教示は、モバイルデバイスへ付着させることのできる注入器へ向けられている。注入器は付着デバイスへ一体化されてもよい。注入器は付着デバイスへ取り外し可能に付着されてもよい。モバイルデバイスは、個人の手によって保持され操作されるように十分に小さいコンピューティングデバイスを含み、電波を使用してデータを送受信するモバイル技術(例えば、3G、4G、Bluetooth、Wi-Fi、近距離無線通信)を含むことができる。モバイルデバイスには、携帯電話機、スマートフォン、タブレットコンピュータ、類似機器、又はそれらの何れかの組合せが挙げられる。
【0017】
注入器はハウジングを含んでいてもよい。ハウジングは注入器の1つ又はそれ以上の構成要素を収納するように機能することができる。ハウジングは、シリンジ、1つ又はそれ以上の付勢部材、1つ又はそれ以上の作動器、1つ又はそれ以上の制御器、追加の構成要素、又はそれらの組合せを収納することができる。ハウジングは、シリンジがハウジング内を動くことができるようにシリンジを取り囲んでいてもよい。例えば、シリンジは、1つ又はそれ以上の付勢部材を基礎にしてハウジング内に封入されている場合に、ハウジングに対して1つ又はそれ以上の方向に動くようになっていてもよい。ハウジングは、1つ又はそれ以上の空洞、1つ又はそれ以上の壁、1つ又はそれ以上のポケット、1つ又はそれ以上のセグメント、又はそれらの組合せを含んでいてもよい。ハウジングは、1つ又はそれ以上の孔、1つ又はそれ以上の突出、1つ又はそれ以上の突起、1つ又はそれ以上の陥凹、又はそれらの組合せを含んでいてもよい。ハウジングは、シリンジ、追加の構成要素、又はその両方を収納するように構成された何れの大きさ及び形状であってもよい。ハウジングは、一体形成されていてもよいし、一体に組み立てられた複数の部片を含んでいてもよい。ハウジングは、薬の注入のためにシリンジがハウジングから突き出てユーザーに接触することができるように1つ又はそれ以上の開口部を含んでいてもよい。
【0018】
ハウジングは1つ又はそれ以上のプラットフォームを含んでいてもよい。プラットフォームはシリンジの位置を固定するように機能することができる。プラットフォームは固着的に位置付けられていてもよいし、又は自由に動くようになっていてもよい。例えば、プラットフォームは初期位置とユーザーに医薬品を注入する注入位置との間で動くようになっていてもよい。プラットフォームは複数のプラットフォームであってもよい。例えば、第1のプラットフォームと第2のプラットフォームが運動中のシリンジを固定するように間にシリンジを挟んでいてもよい。プラットフォームは構造的に剛性であってもよい。プラットフォームは1つ又はそれ以上の付勢部材を介して機械的に関節運動されるようになっていてもよい。代替的には、プラットフォームは1つ又はそれ以上の作動器、モーター、又はその両方を介して関節運動されるようになっていてもよい。
【0019】
ハウジングはキャップを含んでいてもよい。キャップは、ハウジングの一部分の開放及び閉鎖を許容するように機能することができる。キャップは、シリンジの交換、注入器の内部の検査、又はその両方を許容するためにハウジングから自由になるハウジングの一部片であってもよい。キャップは、キャップをハウジングへ固定するためのねじ部を含んでいてもよい。キャップはねじ部なしであってもよい。例えば、キャップは、キャップとハウジングの間の押し込み嵌め条件を使用してハウジングへ固定されるようになっていてもよい。
【0020】
ハウジングはカバーを含んでいてもよい。カバーは、ハウジングの全体又は部分を包囲するように機能することができる。カバーは、外部のごみ、湿気、又はその両方からハウジングの1つ又はそれ以上の内部空洞を保護するように構成されることができる。カバーは、シリンジの滅菌性を維持するため、ハウジング内に位置するシリンジを包囲することができる。カバーは取り外し可能であってもよい。例えば、カバーは注入器内のシリンジを交換するために取り外すことができる。カバーはハウジングに対して密閉封止されていてもよい。カバーは、ハウジングの1つ又はそれ以上の面と実質的に同様の形状をしていてもよい。カバーは、ハウジングと一体に形成されていてもよいし、又はハウジングへ固定されていてもよい。例えば、カバーは1つ又はそれ以上のヒンジを介して枢動式にハウジングへ係合されていてもよい。カバーは、1つ又はそれ以上の接着剤、1つ又はそれ以上の締結具、又はそれらの組合せを介してハウジングへ固定されていてもよい。カバーは構造的に剛性であってもよい。注入器のユーザーに、ハウジング内に位置するシリンジの様な1つ又はそれ以上の構成要素が見えるように、カバーは透明であってもよい。
【0021】
カバーは1つ又はそれ以上のタブを含んでいてもよい。タブはカバーをハウジングへ固定するように機能することができる。タブはカバーの面から張り出していてもよい。タブは、ハウジングの1つ又はそれ以上のスロット、ノッチ、又はその両方へ挿入されるようになっていてもよい。タブは、カバーをハウジングへ固定するためにハウジングの周辺縁の周りに撓むように可撓性であってもよい。タブは、歯、ラッチ、フック、又はそれらの組合せであってもよい。タブはカバーに沿ってどこに配置されていてもよい。タブは、カバーの1つ又はそれ以上の周辺縁に沿って位置づけられていてもよい。タブはハウジングから何れの所望角度で張り出していてもよい。タブは、ハウジングの大きさ及び形状に基づく何れの大きさ及び形状であってもよい。タブはカバーと一体的に(即ち、モノリシックに)形成されることができる。例えば、カバーは複数のタブを備えて形成された射出成形部片であってもよい。
【0022】
シリンジは、医薬品を貯蔵し医薬品をユーザーの中へ分配するように機能することができる。シリンジは、医薬品を投与する針、プランジャ、又はその両方を含んでいてもよい。注入器は、医薬品を交換するため、シリンジサイズを入れ替えるため、又はその両方のために、交換可能又はカスタマイズ可能なシリンジを含んでいてもよい。シリンジが注入前の不正操作(tampering)から保護されるようにするため、シリンジは注入器のハウジング内に配置されていてもよい。シリンジの一部分又はシリンジ全体は、ユーザーに接触するために、1つ又はそれ以上の付勢部材、1つ又はそれ以上の作動器、又はその両方を介して駆動されることができる。シリンジは、所望の適用、所望の医薬品、又はその両方に適した何れの大きさ及び形状であってもよい。
【0023】
シリンジはプランジャを含んでいてもよい。プランジャは、シリンジに貯蔵されている医薬品をシリンジの針の中へ押し進めるように機能することができる。プランジャは、シリンジの空洞内への機能的な嵌りを提供していてもよい。例えば、プランジャは、医薬品を所望の方向に押し進めるようにシリンジの内管に摩擦式に当接する1つ又はそれ以上の圧縮可能な部材を含んでいてもよい。プランジャはシャフトを含み、シャフトが、医薬品に直接接触する摩擦部材へ接続していてもよい。摩擦部材は、ワッシャ、ニップル、ストッパ、又はそれらの組合せであってもよい。プランジャは、シリンジへ取り外し可能に固定されるようになっていてもよい。例えば、プランジャは注入前には、シリンジ、ハウジング、又はその両方の外部面上に保管されていて、注入のためにシリンジの中へ挿入されるようになっていてもよい。
【0024】
プランジャは医薬品を針の中へ押し進めることができる。針は、医薬品をユーザー、対象物、又はその両方の中へ投与するように機能することができる。針は、医薬品を受け入れるように、医薬品をユーザーの中へ投与するように、又はその両方を行うように構成された何れの針であってもよい。針は、シリンジと共に使用するように構成された何れの医療針であってもよい。針は、交換可能、カスタマイズ可能、又はその両方であってもよい。針は、大きさ、形状、又はその両方が様々であってもよい。例えば、異なる長さを有する針同士が、所望の適用に基づいて入れ替え可能であってもよい。
【0025】
針は滅菌カバー内に収納されていてもよい。滅菌カバーは、注入前に、ごみ、細菌、又はその両方から針を保護するように機能することができる。滅菌カバーは、注入前の針を保護する何れのカバーであってもよい。滅菌カバーは注入動作中に、引きちぎられる、圧縮される、破断される、又はそれらの組合せが行われるようになっていてもよい。例えば、針がシリンジの作動中に滅菌カバーを穿孔するようになっていてもよい。滅菌カバーは、ラミネート、カプセル、フィルム、ハウジング、又はそれらの組合せであってもよい。滅菌カバーは針を収納する何れの大きさ及び形状であってもよい。
【0026】
シリンジ内には医薬品が貯蔵されていてもよい。医薬品はユーザーの中へ注入されることができる。医薬品はシリンジを用いて投与されるように構成された何れの医薬品であってもよい。医薬品は、液体、混合物、溶液、又はそれらの組合せであってもよい。例えば、医薬品は、エピネフリン、アンフェタミン、麻酔薬、鎮痛薬、制酸薬、抗生物質、抗凝固薬、抗うつ薬、解毒薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、抗レトロウイルス薬、避妊薬、うっ血除去薬、抑制薬、ステロイド、ワクチン、又はそれらの組合せであってもよい。
【0027】
シリンジはハウジング内で制御器を介して駆動されるようになっていてもよい。制御器は、シリンジに接触し、シリンジを所望方向に動かすように機能することができる。制御器は、シリンジの針がユーザーに接触するためにハウジングの外に露出するようにシリンジを動かすことができる。制御器はシリンジを駆動するために構造的に剛性であってもよい。制御器は、1つ又はそれ以上の曲がり、1つ又はそれ以上の角度、1つ又はそれ以上の突出、1つ又はそれ以上の突起、1つ又はそれ以上のタブ、1つ又はそれ以上の耳部、又はそれらの組合せを含んでいてもよい。制御器はシリンジを所望位置へ駆動することができる。制御器は、プランジャが注入のために医薬品を針の中へ押し進めるようにシリンジのプランジャを駆動することができる。制御器はハウジングの1つ又はそれ以上の壁に当てて付勢されていてもよい。制御器は、制御器の運動中にシース組立体又はシース組立体の一部分を解放するようになっていてもよい。例えば、制御器は、シース組立体の1つ又はそれ以上のシース係合機構を固定しているハウジングの内側の面(例えば、ハウジング内の1つ又はそれ以上の棚部)に制御器が当接するまでシリンジを駆動し、それによりシース係合機構を解放し、シース組立体を自由に伸展させるようになっていてもよい。代替的には、制御器が活動化前はシース組立体を圧縮状態に固定していてもよく、そうすると制御器の活動化(即ち、制御器の解放及び駆動)後にシース組立体は解放され、自由に伸展できるようになる。
【0028】
制御器は付勢圧縮位置から1つ又はそれ以上のボタンを介して解放されるようになっていてもよい。ボタンは制御器の運動を開始させるように機能することができる。ボタンは医薬品の注入を注入器の関節運動を介して開始させるように機能することができる。注入を開始させるためにボタンへ力が加えられるようになっていてもよい。ボタンは何れの大きさ及び形状であってもよい。ボタンはハウジングの外部面に沿って配置されていてもよい。ボタンは、注入器の動作のために押圧されることのできる何れの物体であってもよい。
【0029】
ボタンはストッパの解放後に注入を開始させることができる。ストッパは注入器の静止位置を維持するように機能することができる。静止位置は注入前の注入器の何れの位置であってもよい。例えば、静止位置は、開始させたときに制御器が1つ又はそれ以上の付勢部材を介して駆動されてシリンジを押し進め注入を開始させるように制御器がハウジングの内部面に当接している状態を含むこともできる。ストッパは、ハウジング、シリンジ、又はその両方に対する制御器の位置を維持することができる。ストッパは、ピン、ラッチ、フック、突起、締結具、クリップ、又はそれらの組合せであってもよい。例えば、ストッパは、制御器がハウジングに対して動くことができるようにハウジング及び制御器を貫いて延びる受け入れ孔から解放されるピンであってもよい。代替的には、ストッパは、制御器がハウジングに対して動くことができるように制御器の係合用特徴部から解放されるスライド式ラッチであってもよい。ストッパは、制御器、ハウジング、又は両方との一体型構成要素であって、ハウジングに対する制御器の運動を開始させるために制御器、ハウジング、又はその両方から破断される一体型構成要素であってもよい。ストッパは、制御器の関節運動を直接開始させる(即ち、注入運動を始める)ために動かされるようになっていてもよい。代替的には、ストッパは、ボタンの様な1つ又はそれ以上の追加の構成要素が活動化され制御器の関節運動を開始させるのを許容するために動かされるようになっていてもよい。ストッパは、活動化前のシリンジ、シース、又はその両方の始動点を決定することができる。
【0030】
針はハウジングの外に伸展し、注入後はシース組立体によって包み込まれることができる。シース組立体は、針の露出部分の周りにシースを伸展させるように機能することができる。シース組立体は、ハウジングの内、ハウジングの外、又はその両方に位置づけられることができる。例えば、シース組立体の取り付け部分がハウジング内に固定され、シース組立体の関節運動型シースがハウジングの外に伸展してもよい。シース組立体は、シース組立体が針を包み込むことができるように針の近くに位置づけられていてもよい。シース組立体は、1つ又はそれ以上の静止(即ち、固着されている)構成要素、1つ又はそれ以上の可動構成要素、又はその両方を含んでいてもよい。
【0031】
シース組立体はプレートを含んでいてもよい。プレートはシース組立体の1つ又はそれ以上の構成要素をハウジングへ固定するように機能することができる。プレートは、シース組立体のシースが針の周りに位置づけられることができるように、ハウジングの境界内に固定されていてもよい。プレートは、シース組立体をハウジングへ固定する何れの大きさ及び形状であってもよい。プレートは構造的に剛性であってもよい。プレートは可撓性であってもよい。
【0032】
プレートは1つ又はそれ以上の突起を含んでいてもよい。突起はシース組立体の1つ又はそれ以上の構成要素を固定するように機能することができる。突起はプレートの付着部分として機能することができる。例えば、付勢部材、シース、又はその両方は突起を介してプレートへ固定されるようになっていてもよい。突起は何れの大きさ及び形状であってもよい。例えば、突起の第1のセットが実質的に円筒形状であり、また突起の第2のセットが実質的に矩形の形状をしていてもよい。突起はプレートの何れかの面から何れの角度で張り出していてもよい。突起はプレートの面から約30度以上、約60度以上、又は約90度以上の角度で張り出していてもよい。突起は、約170度以下、約140度以下、又は約110度以下の角度で張り出していてもよい。突起はプレートとモノリシックに(即ち、一体的に)形成されていてもよい。突起は二次的構成要素としてプレートへ固定されていてもよい。突起はプレートに沿ってどこに配置されていてもよい。
【0033】
シース組立体の1つ又はそれ以上の構成要素を固定するのに、プレートの1つ又はそれ以上の孔が突起と共に又は突起の代わりに使用されてもよい。孔はシース組立体の1つ又はそれ以上の構成要素をプレートへ固定するように機能することができる。孔はプレートに沿ってどこに配置されていてもよい。孔は何れの大きさ及び形状であってもよい。孔は1つ又はそれ以上の面取りされた縁部を含んでいてもよい。孔は1つ又はそれ以上の縁部の周りに1つ又はそれ以上の潤滑剤を含んでいてもよい。孔はプレートの全厚さを貫いて延びていてもよいし又はプレートの厚さをより部分的に貫いて延びていてもよい。孔はシース組立体の1つ又はそれ以上のフィンガを可動に固定していてもよい。代替的には、シース組立体の1つ又はそれ以上の部分がハウジング内で動くのを許容するために、1つ又はそれ以上の孔がハウジング内に配置されていてもよい。
【0034】
フィンガはシースを所望位置に固定するように機能することができる。フィンガは、シースが所望位置へ関節運動することができるようにシースを解放するように機能するものであってもよい。フィンガはシースを所望位置へ関節運動させるように機能するものであってもよい。フィンガはプレートの孔内に、フィンガが孔の軸周りに回転可能に動くように固定されていてもよい。フィンガはフィンガを孔に固定する1つ又はそれ以上の係合用特徴部を含んでいてもよい。1つ又はそれ以上の係合用特徴部は、突起、ボタン、フィンガ、伸長部、フック、ラッチ、締結具、又はそれらの組合せであってもよい。例えば、係合用特徴部は、実質的に孔様の形状をしているボタンであって、ボタンが孔の軸周りのフィンガの回転を許容するべく孔との押し込み嵌めを作り出すようになっていてもよい。フィンガは、1つ又はそれ以上の位置の間で関節運動することができる。フィンガは、フィンガがシースを第1の位置に固定している係合位置と、フィンガがシースから係合解除されてシースが第2の位置へ動けるようになる解放位置との間で関節運動するようになっていてもよい。フィンガは制御器の係合を介して1つ又はそれ以上の位置の間で関節運動するようになっていてもよい。例えば、制御器がフィンガに接触し、フィンガをシースから離れるように関節運動させると、シースは解放され自由に伸展位置へ動く、というようになっていてもよい。フィンガはハウジング内に配置されていてもよい。フィンガはシースに係合する1つ又はそれ以上の固定用特徴部を含んでいてもよい。例えば、フィンガはシースの1つ又はそれ以上の開口部によって受け入れられるフックを含んでいてもよい。フィンガは、シースがシリンジの露出部分(例えば、針の露出部分)の周りに伸展するまでシースの1つ又はそれ以上の部分を回転させるべく関節運動するようになっていてもよい。フィンガは、フィンガの一部分へ加えられる力を介して関節運動するようになっていてもよい。フィンガは、フィンガの何らかの関節運動がシースの関節運動をもたらすようにシースと一体に(即ち、モニリシックに)形成されていてもよい。フィンガとシースの間の相互接続は、関節、曲がり、シースの一部分に沿った薄肉厚、又はそれらの組合せであってもよい。
【0035】
シースは注入後にシリンジの針を収納して針との不要な接触を防ぐように機能することができる。シースは、ハウジングから延びている、ハウジングと一体形成されている、又はその両方であってもよい。シースはハウジングへ取り外し可能に付着されていてもよい。シースは注入後に針を自動的に包み込むようになっていてもよい。例えば、シースはハウジングの外部面、ハウジング内のプレート、又はその両方に当てて付勢されていて、制御器の1つ又はそれ以上の突出がフィンガに接触してシースを解放させる、というようになっていてもよい。針がユーザーとの接触から離された後、解放されたシースは1つ又はそれ以上の付勢部材を介して針を包み込むことができる。シースは構造的に剛性であってもよいし、又は可撓性であってもよい。シースは、1つ又はそれ以上の屈曲可能又は可動式の部分を含むことができる。シースは1つ又はそれ以上の位置の間で動くようになっていてもよい。例えば、シースは、シースが露出している針から離れるように付勢される第1の位置と、シースが展開され針を包み込む第2の位置との間で動くようになっていてもよい。シースは、露出している針の周りに折れ曲がる1つ又はそれ以上の折り曲げ可能部分を含んでいてもよい。シースは、シースが露出している針を包み込む前に針がシースを通って伸展することができるように1つ又はそれ以上の孔を含んでいてもよい。シースはシース組立体のプレートへ固定されていてもよい。シースはプレートの突起へ固定される1つ又はそれ以上の孔を含んでいてもよい。シースは実質的にフィンガ、付勢部材、又はその両方の近くに位置づけられていてもよい。シースは、フィンガ、付勢部材、又はその両方へ固定されていてもよい。シースは折り畳み式であってもよい。シースは1つ又はそれ以上の屈曲点を含んでいてもよい。1つ又はそれ以上の屈曲点は、シースとモノリシックに形成されていて、シースが1つ又はそれ以上の付勢部材からの付勢力に基づいて関節運動するのを許容するようになっていてもよい。
【0036】
シースの運動はシースブレーキを介して停止させることができる。シースブレーキは、所望長さを超えるシースの運動を防止するように機能することができる。シースブレーキは、シースがシリンジの露出部分の周りに伸展するまではシースが自由に動くのを許容しつつも、シースが伸びすぎること及び/又はハウジングから接続解除されてしまうことを防止するように位置付けられるものとする。シースブレーキはハウジングの一部分であってもよい。シースブレーキはシース組立体の一部分であってもよい。シースブレーキは、楔、突起、フック、ラッチ、ペグ、又はそれらの組合せであってもよい。シースブレーキは、シースの過剰伸展、シースの引っ込み、又はその両方を防止することができる。例えば、シースブレーキは、シースブレーキがシースの引っ込みを防止するようにハウジングの内側の面に沿って位置する1つ又はそれ以上の歯に当接するためのシースから外向きに延びているシースの1つ又はそれ以上の可撓性部分であってもよい。歯はハウジング内のどこに配置されていてもよい。例えば、歯は、シースブレーキに当接し引っ込み方向への運動を妨げるがなおも伸展方向の運動を許容するように、又はその逆を許容するように、ハウジングの1つ又はそれ以上の内部壁から張り出していてもよい。
【0037】
シースは、ハウジングの一部分、制御器の一部分、シリンジの一部分、又はそれらの組合せへ、1つ又はそれ以上の係合機構によって解放可能に固定されていてもよい。係合機構は、注入器の活動化前のシースの運動を防止するために、シースを、ハウジング、制御器、シリンジ、又はそれらの組合せへ接続するように機能することができる。注入後はシースがシリンジの露出部分の周りに伸展することができるように、シースの運動を許容するべく係合機構はハウジング、制御器、シリンジ、又はそれらの組合せから自由になることができる。係合機構はシースをハウジングに沿った1つ又はそれ以上の孔に固定するように適合されていてもよい。1つ又はそれ以上の孔は何れの大きさ及び形状であってもよい。1つ又はそれ以上の孔は、ハウジングの外側の面、ハウジング内、又はその両方に沿ったどこに位置づけられていてもよい。例えば、係合機構は孔を通って延びることによってシースをハウジング内の1つ又はそれ以上の孔に固定していてもよい。係合機構は、加えられた力によってハウジングから自由になるプッシュクリップであってもよい。力は、注入器の活動化、制御器の駆動、又はその両方を介して加えられてもよい。例えば、制御器は、係合機構を解放し及び係合機構にぶつかり、それにより係合機構及びシースを解放するようになっていてもよい。係合機構は、ラッチ、クラスプ、フック、クリップ、フィンガ、アーム、又はそれらの組合せであってもよい。係合機構は解放前には1つ又はそれ以上の棚部(例えば、ハウジングの1つ又はそれ以上の内側の面、制御器の1つ又はそれ以上の面、又はその両方であって係合機構を受け入れ及び/又は固定するように構成されている面)に係合していてもよい。シースの運動を許容するために1つ又はそれ以上の棚部が係合機構から離れて伸びるようになっていてもよいし、又は係合機構の運動を許容するために係合機構が棚部から曲げられ、動かされ、又はそれ以外のやり方で解放されるようになっていてもよい。
【0038】
係合機構は1つ又はそれ以上の棚部によって支持されていてもよい。棚部はシース組立体の一部分に係合するように機能することができる。棚部はシリンジの注入前のシースの運動を防止するように機能することができる。棚部はシース組立体の1つ又はそれ以上の係合機構の受け入れ、支持、又はその両方を行うことができる。棚部はハウジングの内側の面であってもよい。棚部は制御器の一部分であってもよい。棚部は実質的に係合機構を受け入れる形状であってもよい。棚部は、ノッチ、カットアウト、窪み、平面状の面、段、又はそれらの組合せであってもよい。
【0039】
注入器内には1つ又はそれ以上の付勢部材が配置されていてもよい。1つ又はそれ以上の付勢部材は、注入器のシース、制御器、又はその両方を付勢するように機能することができる。1つ又はそれ以上の付勢部材は注入動作中にシース、制御器、又はその両方を駆動するようになっていてもよい。例えば、付勢部材の第1のセットが、シリンジを動かすように制御器を駆動し、更に、付勢部材の第2のセットが、注入後に針を包み込むようにシースを駆動する、というのであってもよい。付勢部材の第1のセットと第2のセットは同様であってもよいし同様でなくてもよい。1つ又はそれ以上の付勢部材は、ばね、弾性部材、圧縮性部材、又はそれらの組合せであってもよい。
【0040】
1つ又はそれ以上の付勢部材は、制御器の柱部、シース組立体の柱部、又はその両方の柱部に沿って配置されていてもよい。柱部は注入器内の付勢部材の位置を固定するように機能することができる。柱部は付勢部材の内側部分の中に配置されることができる。例えば、柱部はばね内を延びていて、ばねのコイルが柱部の周りに巻き付けられていてもよい。柱部は何れの所望の大きさ及び形状であってもよい。代替的には、付勢部材は、1つ又はそれ以上の柱部への接続がなく、シース組立体、制御器、又はその両方を動かすためにハウジング内のどこかに配置されていてもよい。
【0041】
1つ又はそれ以上の付勢部材は、1つ又はそれ以上の作動器の代わりに又は作動器と共に使用されることができる。1つ又はそれ以上の作動器は、シリンジ、シース、又はその両方を駆動するように機能することができる。1つ又はそれ以上の作動器は、シリンジ、シース、又はその両方へ固定された直線作動器であってもよい。1つ又はそれ以上の作動器は注入器のボタンの開始に基づいて作動されるようになっていてもよい。注入器は複数の作動器を含んでいてもよい。例えば、第1の作動器がシリンジを駆動し、更に第2の作動器が注入後にシースを駆動するようになっていてもよい。
【0042】
シースは1つ又はそれ以上のシース駆動器によって駆動されることができる。シース駆動器はシース組立体の一部分に力を加えてシースを動かすように機能することができる。シース駆動器は1つ又はそれ以上の付勢部材を介してシース組立体に力を加えるようになっていてもよい。例えば、シース駆動器は、シース組立体の1つ又はそれ以上のフィンガへ力を加えるためにハウジング内の孔を通って伸びていてもよい。加えられる力がフィンガを関節運動させ、それがひいてはシースを関節運動させるようになっていてもよい。シース駆動器は係合機構を含んでいてもよい。例えば、注入器の活動化に際し、シース駆動器の係合機構が制御器と同時に解放され、その結果、駆動器がシース組立体に力を加えるようになっていてもよい。シース駆動器は何れの大きさ及び形状であってもよい。シース駆動器は、1つ又はそれ以上の付勢部材を受け入れるための、ハウジング内の1つ又はそれ以上の孔を通って延びるための、又はその両方のための実質的に柱状の部分を有していてもよい。シース駆動器はハウジング内のどこに配置されていてもよい。
【0043】
1つ又はそれ以上の作動器は注入器のコントローラから信号を受信するようになっていてもよい。コントローラは、作動器、1つ又はそれ以上の追加の電気的構成要素、又はその両方の作動を制御するように機能することができる。コントローラは注入器のボタンと通信していてもよい。コントローラは1つ又はそれ以上の外部電気的構成要素と通信していてもよい。例えば、コントローラは携帯電話機と通信していてもよく、又はコントローラは注入器へ固定された携帯電話機のコントローラであってもよい。コントローラは、印刷回路板(PCB)、1つ又はそれ以上のトランジスタ、1つ又はそれ以上のコンデンサ、1つ又はそれ以上のメモリストレージユニット、又はそれらの組合せを含んでいてもよい。コントローラは、注入器のハウジングに収納されていてもよいし、又は注入器へ無線接続されていてもよい。コントローラは内部パワーユニットを含んでいてもよい。パワーユニットは交換式、再充電式、又はその両方であってもよい。
【0044】
注入器は、電子デバイス、電子デバイスのケース、又はその両方へ固定されることができる。例えば、注入器は携帯電話機ケース内に固定されていてもよい。電話機ケースは、携帯電話機、注入器、又はその両方を収納するように機能することができる。例えば、電話機ケースの背面区分が携帯電話機を収納し、一方、電話機ケースの前面区分が注入器を固定するようになっていてもよい。電話機ケースは何れの電話機の大きさ及び形状向けに構成されていてもよい。電話機ケースは構造的に剛性、可撓性、又はその両方であってもよい。電話機ケースは、1つ又はそれ以上の突起、1つ又はそれ以上の空洞、1つ又はそれ以上の孔、1つ又はそれ以上の突出、1つ又はそれ以上のボタン、1つ又はそれ以上のラッチ、又はそれらの組合せを含んでいてもよい。
【0045】
電話機ケースは注入器ケースを含んでいてもよい。注入器ケースは使用前の注入器を収納するように機能することができる。注入器ケースは、電話機ケースと一体に形成されていてもよいし、電話機ケースへ取り外し可能に固定されていてもよいし、又はその両方であってもよい。注入器ケースは、一体に形成された1つ又はそれ以上の区分、互いへ取り外し可能に付着された1つ又はそれ以上の区分、又はその両方を含んでいてもよい。例えば、注入器ケースは、第1の注入器ケース区分及び対向する第2の注入器ケース区分を含み、使用のために注入器を露出させるのに第2の注入器ケース区分が第1の注入器ケース区分から離れてスライドするようになっていてもよい。
【0046】
第1の注入器ケース区分と第2の注入器ケース区分は、ロック位置(即ち、第1の注入器ケース区分と第2の注入器ケース区分が互いにへ固着的に固定される)とロック解除位置(即ち、第2の注入器ケース区分が第1の注入器ケース区分から自由になる、又はその逆)との間で切り替えることのできる解放ラッチを介して互いへ固定されていてもよい。解放ラッチは、第1及び第2の注入器ケース区分、第1及び第2の注入器ケース区分内に収納された注入器、又はその両方を取り外し可能に固定するように機能することができる。解放ラッチは注入器ケース区分を解放可能に固定することのできる何れの機械式ロック機構であってもよい。解放ラッチは、ボタン、トグル、スイッチ、ラッチ、タブ、ピン、又はそれらの組合せを含んでいてもよい。解放ラッチは、注入器ケースと一体に形成されていてもよいし、又は注入器ケースから取り外せるようになっていてもよい。
【0047】
電話機ケース、注入器、又はその両方は1つ又はそれ以上のセンサを含んでいてもよい。センサはモバイルデバイスと注入器の間で通信するように機能することができる。センサは、注入器が電話機ケース内へ固定されたときにセンサに当接するように電話機ケースへ付着されていてもよい。センサは近距離無線通信(NFC)センサであってもよい。NFCセンサは、電話機ケース、注入器ケース、モバイルデバイス、又はそれらの組合せに対する注入器の位置を求めることができる。センサは温度センサであってもよい。温度センサは、注入器の温度、注入器内の医薬品の温度、又はその両方を求めることができる。センサは、モバイルデバイスの1人又はそれ以上のユーザーへの、又は注入器に関する情報を受信することを許容されている1人又はそれ以上の第三者へのメッセージを中継するようになっていてもよい。例えば、注入器がセンサによって指示された医薬品に害を与えかねない高まった温度に達したときはモバイルデバイスのユーザーが通知を受信するようになっていてもよい。代替的には、注入器がシリンジの交換を要するとき、注入器が使用されたとき、又はその両方のときに、第三者が通知されるようになっていてもよい。
【0048】
これより図に目を向けると、
図1及び
図2は本教示による注入器10を収納している電話機ケース60の斜視図を描いている。電話機ケース60は、モバイルデバイス(図示せず)を受け入れるための背面区分62を含んでいる。第1の注入器ケース区分64A及び第2の注入器ケース区分64Bを含む注入器ケース64が、電話機ケース60の前面区分(即ち、背面区分62とは反対側の面)へ固定されている。解放ラッチ66が第1の注入器ケース区分64A上に位置している。第1の注入器ケース区分64Aと第2の注入器ケース区分64Bが互いから分離されると、その中にある注入器10が露になる。解放ラッチ66の運動が、第1の注入器ケース区分64Aと第2の注入器ケース区分64Bが接続解除位置(図示の通り)にあるか、注入器10を包み込む接続位置にあるか、又はその両方にあるかを決めることになる。
図2に示されている様に、注入器10は、注入器10の活動化を許容するためにユーザーが取り外すことのできる取り外し可能なストッパ40を含んでいてもよい。
【0049】
図3は、電話機ケース60から解放された注入器10を有する電話機ケース60の斜視図を描いている。電話機ケース60は、モバイルデバイス(図示せず)を受け入れるための背面区分62を含んでいる。第1の注入器ケース区分64A及び第2の注入器ケース区分64Bを含む注入器ケース64が、電話機ケース60の前面区分(即ち、背面区分62とは反対側の面)へ固定されている。解放ラッチ66が第1の注入器ケース区分64A上に位置している。図示されている様に、第1の注入器ケース区分64Aと第2の注入器ケース区分64Bが互いから分離されると、その中にある注入器10が露になる。解放ラッチ66の運動が、第1の注入器ケース区分64Aと第2の注入器ケース区分64Bが接続解除位置(図示の通り)にあるか、注入器10を包み込む接続位置にあるか、又はその両方にあるかを決める。注入器10はストッパ40を更に含んでおり、それによりユーザーがストッパ40を取り外せば注入器10の活動化を許容することができる(
図7及び
図8参照)。
【0050】
図4は、電話機ケース60から解放された注入器10を有する電話機ケース60の斜視図を描いている。電話機ケース60は、モバイルデバイス(図示せず)を受け入れるための背面区分62を含んでいる。第1の注入器ケース区分64A及び第2の注入器ケース区分64Bを含む注入器ケース64が、電話機ケース60の前面区分(即ち、背面区分62とは反対側の面)へ固定されている。解放ラッチ66が第1の注入器ケース区分64A上に位置している。図示されている様に、第1の注入器ケース区分64Aと第2の注入器ケース区分64Bが互いから分離されると、その中にある注入器10が露になる。解放ラッチ66の運動が、第1の注入器ケース区分64Aと第2の注入器ケース区分64Bが接続解除位置(図示の通り)にあるか、注入器10を包み込む接続位置にあるか、又はその両方にあるかを決める。注入器10はストッパ(図示せず)を更に含んでおり、それによりユーザーがストッパを取り外せば注入器10の活動化を許容することができる(
図3、
図7、及び
図8参照)。ひとたび活動化されれば、ユーザーは注入器10内に収納された作動針28を介して医薬品を注入することができる。
【0051】
図5は、電話機ケース60から接続解除された注入器ケース64の斜視図を描いている。電話機ケース60は、モバイルデバイス(図示せず)を受け入れるための背面区分62を含んでいる。第1の注入器ケース区分64A及び第2の注入器ケース区分64Bを含む注入器ケース64が、電話機ケース60の前面区分(即ち、背面区分62とは反対側の面)へ取り外し可能に固定されている。解放ラッチ66が第1の注入器ケース区分64A上に位置している。第1の注入器ケース区分64Aと第2の注入器ケース区分64Bが互いから分離されると、その中にある注入器が露になる(
図1-
図4参照)。解放ラッチ66の運動が、第1の注入器ケース区分64Aと第2の注入器ケース区分64Bが接続解除位置にあるか、注入器10を包み込む接続位置(図示の通り)にあるか、又はその両方にあるかを決める。注入器10はストッパ40を更に含んでおり、それによりユーザーがストッパ40を取り外せば注入器10の活動化を許容することができる(
図3、
図7、及び
図8を参照)。
【0052】
図6は、電話機ケース60へ固定された注入器ケース64の前面図を描いている。電話機ケース60は、モバイルデバイス(図示せず)を受け入れるための背面区分62を含んでいる。第1の注入器ケース区分64A及び第2の注入器ケース区分64Bを含む注入器ケース64は、電話機ケース60の前面区分(即ち、背面区分とは反対側の面)へ固定されている。解放ラッチ66が第1の注入器ケース区分64A上に位置している。第1の注入器ケース区分64Aと第2の注入器ケース区分64Bが互いから分離されると、その中にある注入器が露になる(
図1-
図4参照)。解放ラッチ66の運動が、第1の注入器ケース区分64Aと第2の注入器ケース区分64Bが接続解除位置にあるか、注入器を包み込む接続位置(図示の通り)にあるか、又はその両方にあるかを決めることになる。注入器10はストッパ40を更に含んでおり、それによりユーザーがストッパ40を取り外せば注入器10の活動化を許容することができる(
図3、
図7、及び
図8参照)。
【0053】
図7は注入器10の分解図である。注入器10は、カバー20を有するハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられ、注入器10のハウジング12上に位置するボタン44の活動化を許容するために注入器10のストッパ40が取り外される。図示されている様に、ストッパ40は、ピンの様な取り外し可能な部材であってもよい。ストッパ40が取り外された後、力がボタンへ加えられると、それがひいては制御器24を解放し、一対の付勢部材を介してシリンジ14を駆動して針28を露出させ、ユーザーの皮膚表面に接触させる(
図8A及び8B参照)。シリンジ14は、シリンジ14の更なる運動を妨げるハウジング12の内側の面にシリンジ14が接触するまで駆動される。シリンジ14がハウジング12の内側の面に当接したら、制御器24がプランジャ16を駆動して医薬品18と接触させ、医薬品18は針28の中へ、次いでユーザーの中へと分配されてゆく。注入後、注入器10は皮膚表面から離され、するとシース32が露出している針28を包囲するように動く。シース32は、露出している針28を包み込むために1つ又はそれ以上の追加の付勢部材を動かす1つ又はそれ以上の関節運動型部片を含むことができることに注目されたい。
【0054】
図8A及び
図8Bは、活動化前の静止位置にある注入器10及び注入中の注入器10をそれぞれ描いている。注入器10はハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられ、注入器10のハウジング12上に位置するボタン44の活動化を許容するために注入器10のストッパ40が(R)方向に取り外される。ストッパ40が取り外された後、力(F)がボタン44へ加えられると、それがひいては制御器24を解放し、一対の付勢部材26を介してシリンジ14を駆動して針28を露出させ、ユーザーの皮膚表面に接触させる。シリンジ14は、シリンジ14の更なる運動を妨げるハウジング12の内側の面にシリンジ14が接触するまで駆動される。シリンジ14がハウジング12の内側の面に当接したら、制御器24がプランジャ16を駆動して医薬品18と接触させ、医薬品18は針28の中へ、次いでユーザーの中へと分配されてゆく。注入後、注入器10は皮膚表面から離され、するとシース32が露出している針28を包囲するように動く。シース32は、露出している針28を包み込むために1つ又はそれ以上の追加の付勢部材を動かす1つ又はそれ以上の関節運動型部片を含むことができることに注目されたい。
【0055】
図9A及び
図9Bは、活動化前の静止位置にある注入器10及び注入中の注入器10をそれぞれ描いている。注入器10はハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられる。注入器10の位置付けの後、力(F)がボタン44へ加えられると、それがひいては制御器24を解放し、一対の付勢部材26を介してシリンジ14を駆動させ、針28を露出させてユーザーの皮膚表面に接触させる。シリンジ14は、シリンジ14の更なる運動を妨げるハウジング12の内側の面にシリンジ14が接触するまで駆動される。シリンジ14がハウジング12の内側の面に当接したら、制御器24がプランジャ16を駆動して医薬品18と接触させ、医薬品18は針28の中へ、次いでユーザーの中へと分配されてゆく。加えて、制御器24がプランジャ16を駆動する際、制御器24はシース組立体30の複数のフィンガ34も解放する。
【0056】
図9C及び
図9Dに描かれている様に注入後に注入器10は皮膚表面から離され、するとシース組立体30のシース32が露出している針28を包囲するために関節運動する。
図9Cに示されている様に、シース32は複数の突起38上に固定された付勢部材26によって付勢されていて、したがってフィンガ34が解放されシース32を接続解除したとき、シース32は露出している針28を覆うように伸び、展開し始める。
図9Dに示されている様に、シース32が一杯まで伸び、展開したら、針28はもはや露出せず、シース32内に完全に包み込まれる。
【0057】
図10は、シース組立体30の分解図を描いている。シース組立体は、複数の突起38及び複数の孔42を有するプレート36を含んでいる。描かれている様に、付勢部材26が実質的に円筒状の形状をしている一対の突起38へ固定されている。一対の互いに反対側のフィンガ34が、それぞれ、プレート36の孔42の1つへ挿入される係合用特徴部46を含んでいて、フィンガ34が注入器の制御器に係合されたときにプレート36に対して回転して、フィンガ34がシース32へ係合される係合位置とフィンガ34がシース32から係合解除される解放位置との間で関節運動することができるようにしている(
図9A-
図9D参照)。シース32の孔42は、実質的に矩形の形状で付勢部材26へ付着された突起38へ固定されていて、フィンガ34がシース32を解放したとき、シース32は注入器の針の周りに展開し伸びるように関節運動する(
図9A?
図9D参照)。
【0058】
図11A、11B、及び11Cは、1つ又はそれ以上のセンサ84を含む電話機ケース60を描いている。
図11Aに示されている様に、電話機ケース60は、電話機ケース60へ固定された注入器ケース64を含んでいる。電話機ケース60は、注入器ケース60内に位置する注入器10と通信する近距離無線通信リーダ(例えば、NFCセンサ)84Aを含んでいる。
図11Bに示されている様に、電話機ケース60は、更に、注入器ケース60内に位置していて注入器のその温度をモニターする温度センサ84Bを含むことができる。留意すべきこととして、
図11Cに示されている様に、温度センサ84Bは、注入器10内に固定され、注入器16と共に注入器ケース64中に固定されることができる。留意すべきこととして、センサ84は、注入器16、注入器16内の医薬品、又はその両方をモニターするようになっていてもよい。そのようなモニタリングは、注入器10及び/又は医薬品の所在地をモニターすること、注入器16及び/又は医薬品の温度をモニターすること、又はその両方をモニターすることができる。センサ84の1つ又はそれ以上がタグの役目を果たしていて注入器10上へ置かれていてもよい。注入器10を注入器ケース64の中へ設置し次第、電話機ケース64内に固定された携帯電話機(図示せず)がタグを読み出すようになっていてもよい。タグが読み出され次第、注入器10の所在地、注入器10の温度、又は携帯電話機と共にある注入器10の存在のうちの1つ又はそれ以上がモニターされるようになっていてもよい。温度の読み出しが受容可能範囲を外れている場合、携帯電話機はユーザーにとって視認可能な通知を表示するようになっていてもよい。携帯電話機は、携帯電話機に対する注入器10の近接性をモニターするのに近距離無線通信を利用することができる。その様な近接性は、注入器10が依然として携帯電話機と共に固定されていることを確かめるためにユーザーによって使用されることができる。その様な近接性は、注入器10がユーザーによって使用されてしまったのかどうか及びいつ使用されたのかを判定するのに利用することができ、その様な使用の通知はユーザー及び/又はユーザーの介護仲間(即ち、その様な通知を受信するように指定された所定の個々人)を含む事前に決められたデバイスへ配布されてもよい。注入器10のモニターされた温度は、携帯電話機に対する注入器10の近接性を求めるのに利用されてもよい。注入器10のリアルタイム温度を求めるために複数のセンサ84が利用されていてもよい。注入器10はここでは
図11A-図11Cに関して論じられているが、注入器10は何れの医療デバイスであってもよいことに留意されたい。
【0059】
図12A-
図12Cは注入器10の側面図を描いている。注入器10はハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、可動式の第1のプラットフォーム70と可動式の第2のプラットフォーム72の間に位置づけられている。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられ、シリンジ14を動かすために注入器10の制御器24へ力(F)が加えられる。
図12Aに示されている様に、注入器10は注入前には静止位置にある。
図12Bに示されている様に、力(F)が制御器24へ加えられた後は、制御器24が第1のプラットフォーム70から突出している一対のシリンジ係合機構68Aの係合を解放する。シリンジ係合機構68Aが解放されることで、第1の付勢部材26Aがシリンジ14を動かし、その結果、プランジャ16は実質的に軸方向に第2の付勢部材26Bの軸と共に位置づけられ、針28はユーザーに接触するようにハウジング12の外に伸びる。ひとたびプランジャ16と第2の付勢部材26Bが整列したら、第2の付勢部材26Bは解放されてプランジャ16を医薬品18の中へ押し出し、その結果、医薬品18が針28の中へ、次いでユーザーの中へ分配されてゆく。係合中、第2のプラットフォーム72の一対の突出74が、シース32をハウジング12から解放させるようにシース32の一対のシース係合機構68Bに接触する。
図12Cに示されている様に注入後は、注入器10は皮膚表面から離され、すると一対の付勢部材26がシース32を伸展させて針28を包囲させる。
【0060】
図13は注入器10の側面図を描いている。注入器10はハウジング12内に囲まれたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、シリンジ14に封入された医薬品18に対して可動に対向するプランジャ16を含んでいる。注入器10は、ユーザーが注入器10のキャップ76を取り外し、注入のためにシリンジ14の針28を露出することができるように構成されている。注入するために、針28がユーザーの皮膚へ刺入され、注入器10の制御器24へ力(F)が加えられると、第1の付勢部材26Aがプランジャ16を駆動して医薬品18を、針28を通してユーザーの中へ押し出させる。注入器10は、更に、第2の付勢部材26Bを介しハウジング12に対して付勢される可動式シース32を含んでいる。シース32は注入中には第2の付勢部材26Bを圧縮するように構成されていて、したがって注入が完了するや、第2の付勢部材26Bが、針28を包み込み針28との偶発的な接触を防止する元の位置へシース32を伸展させる。
【0061】
図14A及び
図14Bは、取り外し可能なプランジャ16を有する注入器10の側面図を描いている。シリンジ14は注入器12のハウジング12内に固定されている。注入中、プランジャ16は、注入器10のハウジング12に当接しプランジャ16をシリンジ14の医薬品18と整列させるように動かされる。注入するために、制御器24へ力(F)が加えられると、付勢部材26がプランジャ16を医薬品18の中へ押し進め、その結果、医薬品18が針28を通ってユーザーの中へ押し出される。注入器10は、更に、注入前、注入後、又はその両方にて針28との偶発的接触からユーザーを保護する可動式シース32を含んでいる。
【0062】
図15A-図15Cは注入器10の側面図を描いている。注入器10はハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられ、注入器10の制御器24の位置を固定しているストッパ40が取り外される。
図15Aに示されている様に、注入器10は注入前には静止位置にある。
図15Bに示されている様に、ストッパ40が取り外された後、制御器24は第1の付勢部材26Aを介してシリンジ14を駆動して針28を露出させ、ユーザーの皮膚表面に接触させる。シリンジ14は、シリンジ14の更なる運動を妨げるハウジング12の面にシリンジ14が接触するまで駆動される。シリンジがハウジング12の面に当接したら、制御器24がプランジャ16を駆動して医薬品18と接触させ、医薬品18は針28の中へ、次いでユーザーの中へと分配されてゆく。係合中にシリンジ14はシース32に接触し、その結果、シース32がハウジング12から解放される。注入後は
図15Cに示されている様に、注入器10は皮膚表面から離され、すると第2の付勢部材26Bがシース32を、シースブレーキ33がハウジング12の面に当接するまで伸展させ、シース32は針28を包囲する。
【0063】
図16は静止位置にある注入器10の側面図を描いている。注入器10はハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられ、注入器10の制御器24の位置を固定しているストッパ40が取り外される。ストッパ40が取り外された後、制御器24は第1の対の付勢部材26Aを介してシリンジを駆動して針28を露出させ、ユーザーの皮膚表面に接触させる。シリンジ14は、シリンジ14の更なる運動を妨げるハウジング12の面にシリンジ14が接触するまで駆動される。シリンジがハウジング12の面に当接したら、制御器24がプランジャ16を駆動して医薬品18と接触させ、医薬品18は針28の中へ、次いでユーザーの中へと分配されてゆく。係合中にシリンジ14はシース32に接触し、その結果、シース32がハウジング12から解放される。注入後、注入器10は皮膚表面から離され、すると第2の対の付勢部材26Bがシース32を、シースブレーキ33がハウジング12の面に当接するまで伸展させ、シース32は針28を包囲する。
【0064】
図17A-
図17Cは注入器10の側面図を描いている。注入器10はハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられ、注入器10の制御器24へ力(F)が加えられる。力(F)が加えられた後、制御器24は第1の対の付勢部材26Aを介してシリンジ14を駆動して針28を露出させ、ユーザーの皮膚表面に接触させる。
図17Aに示されている様に、注入器10は注入前には静止位置にある。
図17Bに示されている様に、シリンジ14は、シリンジ14の更なる運動を妨げるハウジング12の面にシリンジ14が接触するまで駆動される。シリンジがハウジング12の面に当接したら、制御器24がプランジャ16を駆動して医薬品18と接触させ、医薬品18は針28の中へ、次いでユーザーの中へと分配されてゆく。係合中にシリンジ14はシース係合機構68Bに接触し、シース係合機構68Bを破断し、その結果、シース32がハウジング12から解放される。注入後は
図17Cに示されている様に、注入器10は皮膚表面から離され、すると第2の対の付勢部材26Bがシース32を伸展させ、針28を包囲させる。
【0065】
図18及び
図18Bは、注入器10の斜視図及び注入器10の側面図をそれぞれ描いている。注入器10はハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられ、注入器10の制御器24の位置を固定しているストッパ40が取り外される。ストッパ40が取り外された後、制御器24は一対の付勢部材(図示せず)を介してシリンジ14を駆動して針28を露出させ、ユーザーの皮膚表面に接触させる。シリンジ14は、シリンジ14の更なる運動を妨げるハウジング12の面にシリンジ14が接触するまで駆動される。シリンジ14がハウジング12の面に当接したら、制御器24がプランジャ16を駆動して医薬品18と接触させ、医薬品18は針28の中へ、次いでユーザーの中へと分配されてゆく。注入後、注入器10は皮膚表面から離され、するとシース32が露出している針28を包囲する(
図16参照)。
【0066】
図19は、
図18の注入器10の分解図を描いている。注入器10はハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられ、注入器10の制御器24の位置を固定しているストッパ40が取り外される。ストッパ40が取り外された後、制御器24は一対の付勢部材26を介してシリンジを駆動して針28を露出させ、ユーザーの皮膚表面に接触させる。シリンジ14は、シリンジ14の更なる運動を妨げるハウジング12の面にシリンジ14が接触するまで駆動される。シリンジがハウジング12の面に当接したら、制御器24がプランジャ16を駆動して医薬品18と接触させ、医薬品18は針28の中へ、次いでユーザーの中へと分配されてゆく。注入後、注入器10は皮膚表面から離され、するとシース32が針28を包囲する(
図16参照)。
【0067】
図20A-
図20Cは注入器10の側面図を描いている。注入器10はハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられ、ストッパ40が解放され、注入器10のボタン44へ力(F)が加えられる。力(F)が加えられた後、ボタン44は、ハウジングに当てて付勢されている制御器24を解放して第1の対の付勢部材26Aを介してシリンジ14を駆動させ、針28を露出させ、ユーザーの皮膚表面に接触させる。
図20Aに示されている様に、注入器10は注入前には静止位置にある。
図20Bに示されている様に、シリンジ14は、ハウジング12の面にシリンジ14が接触するまで駆動され、その結果、針28が滅菌カバー78を穿孔し、ハウジング12の外へ伸びる。シリンジ14がハウジング12の面に当接したら、制御器24がプランジャ16を駆動して医薬品18と接触させ、医薬品18は針28の中へ、次いでユーザーの中へと分配されてゆく。係合中に制御器24の突出74がシース係合機構68Bに接触し、その結果、シース32はハウジング12から解放される。注入後は
図20Cに示されている様に、注入器10は皮膚表面から離され、すると第2の対の付勢部材26Bがシース32を伸展させて針28を包囲させる。
【0068】
図21は注入器10の側面図を描いている。注入器10はハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられ、ハウジング12上に位置するボタン44へ力(F)が加えられる。ボタン44の係合の結果、信号が注入器10のコントローラ82へ送信されることになる。コントローラ80はシリンジ14を駆動する第1の直線作動器80Aと通信して第1の直線作動器80Aを作動させ、その結果、針28がハウジング12を越えて伸び、ユーザーの皮膚表面に接触する。針28が皮膚表面に接触した後、第2の直線作動器80Bが作動されてプランジャ16を駆動し、医薬品18を針28の中へ、そしてユーザーの中へと分配させてゆく。
【0069】
図22は注入器10の斜視図を描いている。注入器10はハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられ、注入器10の制御器24の位置を固定しているストッパ40が取り外される。ストッパ40が取り外された後、制御器24が一対の付勢部材(図示せず)を介してシリンジを駆動して針28を露出させ、ユーザーの皮膚表面に接触させる。シリンジ14は、シリンジ14の更なる運動を妨げるハウジング12の面にシリンジ14が接触するまで駆動される。シリンジがハウジング12の面に当接したら、制御器24がプランジャ16を駆動して医薬品18と接触させ、医薬品18は針28の中へ、次いでユーザーの中へと分配されてゆく。注入後、注入器10は皮膚表面から離され、するとシース(図示せず)が針28を包囲する(
図20A-
図20C参照)。
【0070】
図23は
図7の注入器10の分解図を描いている。注入器10はハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられ、注入器10の制御器24の位置を固定しているストッパ40が取り外される。ストッパ40が取り外された後、制御器24は一対の付勢部材26を介してシリンジを駆動して針28を露出させ、ユーザーの皮膚表面に接触させる。シリンジ14は、シリンジ14の更なる運動を妨げるハウジング12の面にシリンジ14が接触するまで駆動される。シリンジがハウジング12の面に当接したら、制御器24がプランジャ16を駆動して医薬品18と接触させ、医薬品18は針28の中へ、次いでユーザーの中へと分配されてゆく。注入後、注入器10は皮膚表面から離され、するとシース32が針28を包囲する(
図20A-
図20C参照)。
【0071】
図24は注入器10の分解図を描いている。注入器10は、カバー20を有するハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられ、注入器のボタン44を露出させるために注入器10のストッパ40が取り外されるか又は関節運動される。図示されている様に、ストッパ40はラッチ又はスライド式部材であってもよい。ストッパ40が取り外された後、ボタン44へ力が加えられ、それがひいては制御器24を解放し、一対の付勢部材26を介してシリンジ14を駆動して針28を露出させ、ユーザーの皮膚表面に接触させる(
図20A-
図20C参照)。シリンジ14は、シリンジ14の更なる運動を妨げるハウジング12の面にシリンジ14が接触するまで駆動される。シリンジ14がハウジング12の面に当接したら、制御器24がプランジャ16を駆動して医薬品18と接触させ、医薬品18は針28の中へ、次いでユーザーの中へと分配されてゆく。注入後、注入器10は皮膚表面から離され、すると2部片式シース32が針28の周りに伸展し、針28を包囲する。
【0072】
図25A及び
図25Bは注入器10の側面図を描いている。注入器10は、取り外し可能なカバー20を有するハウジング12を含んでいる。ストッパ40がハウジング12内に移動可能に固定されていて、ストッパ40が移動されたときに、ボタン44を作動させて注入器10の関節運動を開始させることができる。注入器10の関節運動を始めるには、ボタン44の活動化を許容するためにストッパ40が取り外し方向(R)に動かされる。ストッパ40の取り外し後、ボタン44が、力(F)を加えられることによって活動化され、それがひいては注入器10の関節運動を開始させて注入器10内に貯蔵された医薬品を投与させる(
図25C-図25E参照)。
【0073】
図25C-
図25Eは、カバー20が取り外された状態の
図11Bの注入器10の側面図を描いている。
図25Cに示されている様に、注入器10はハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられ、制御器24の位置を固定しているストッパ40が取り外される。ストッパ40が取り外された後、ハウジング12上に位置するボタン44が活動化され、すると制御器24が第1の対の付勢部材26Aを介してシリンジ14を駆動して針28を露出させ、ユーザーの皮膚表面に接触させる。
図25Dに示されている様に、シリンジ14は、シリンジ14の更なる運動を妨げるハウジング12の面にシリンジ14が接触するまで駆動される。シリンジ14がハウジング12の面に当接したら、制御器24がプランジャ16を駆動して医薬品18と接触させ、医薬品18は針28の中へ、次いでユーザーの中へと分配されてゆく。注入後、注入器10は皮膚表面から離され、すると2つのシース半部32が一対のシース付勢部材26Cを介して動いて針28を包囲する(
図25E参照)。
【0074】
図26は、
図25A-25Eの注入器10の分解図を描いている。注入器10は、カバー20を有するハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられ、注入器10のハウジング12上に位置するボタン44の活動化を許容するために注入器10のストッパ40が取り外されるか又は関節運動される。図示されている様に、ストッパ40は取り外し可能な部材であってもよい。ストッパ40が取り外された後、ボタン44へ力が加えられ、それがひいては制御器24を解放し、第1の対の付勢部材26Aを介してシリンジ14を駆動して針28を露出させ、ユーザーの皮膚表面に接触させる(
図25A-
図25E参照)。シリンジ14は、シリンジ14の更なる運動を妨げるハウジング12の面にシリンジ14が接触するまで駆動される。シリンジ14がハウジング12の面に当接したら、制御器24がプランジャ16を駆動して医薬品18と接触させ、医薬品18は針28の中へ、次いでユーザーの中へと分配されてゆく。注入後、注入器10は皮膚表面から離され、すると2つのシース半部32が一対のシース付勢部材26Cを介して動いて針28を包囲する。
【0075】
図27A及び
図27Bは、活動化前の静止位置にある注入器10及び注入中の注入器10をそれぞれ描いている。注入器10は、ハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられ、注入器10はボタンか又は注入器10の周囲表面に沿った他の活動化デバイス(図示せず、一例として
図9Aを参照)によって活動化される。注入器10が活動化されたら、制御器24は解放されて、制御器24の柱部90の周りに固定された第1の対の付勢部材26Aを介してシリンジ14を駆動して針28を伸ばし滅菌カバー78を貫いてユーザーの皮膚表面に接触させる。シリンジ14は、一対のシース係合機構68B及びシリンジ14の更なる運動を妨げるハウジング12の内側の面に制御器24が接触するまで駆動される。シリンジ14がハウジング12の内側の面に接触したら、制御器24がプランジャ16を駆動して医薬品18と接触させ、医薬品18は針28の中へ、次いでユーザーの中へと分配されてゆく。
【0076】
注入後は
図27Cに描かれている様に、注入器10は皮膚表面から離され、するとシース組立体30のシース32が伸展して露出している針28を包囲する。図示されている様に、シース32は一対のシース付勢部材26Cによってハウジング12の内側部分に当てて付勢されているので、注入中にシース係合機構68Bが制御器24によって接触されハウジング12の棚部86から解放されると、注入器10が皮膚表面から離されたときにシース32は一対のシース係合機構68Bがハウジングのシースブレーキ33によって停止させられるまで伸展し、露出している針28を包囲する。描かれている様に、シース32が一杯まで伸びたら、針28はもはや露出せず、シース32内に完全に包み込まれる。
【0077】
図28は
図27Aの注入器のハウジング12を描いている。描かれている様に、ハウジング12は、制御器によるシース係合機構の解放及びシースの関節運動より前にはシース係合機構を固定している互いに反対側の棚部86を含んでいる(
図27A-図27C参照)。
【0078】
図29は、
図28のハウジングへ、ハウジング12のスロット、陥凹、周囲縁、又はそれらの組合せに係合する複数のタブ88を介して固定されることのできるカバー20を描いている。
【0079】
図30は
図27Aの注入器の制御器24を描いている。制御器24は、第1の対の付勢部材の内部部分へ挿入されることによって第1の対の付勢部材を固定するように構成された一対の柱部90を含んでいる(
図27A-図27C参照)。
【0080】
図31は
図27Aの注入器のシース組立体30を描いている。シース組立体30は、注入後に露出している針の周りに伸展して針を完全に包み込み、針との不要な接触を防止するシース32を含んでいる。一対のシース係合機構68Bを注入器のハウジングの棚部から解放することによって、シース32は露出している針の周りに伸展される(
図27A-図27C参照)。
【0081】
図32A及び
図32Bは、活動化前の静止位置にある注入器10及び注入中の注入器10をそれぞれ描いている。注入器10はハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられ、注入器10はボタンか又は注入器10の周囲表面に沿った他の活動化デバイス(図示せず、一例として
図9Aを参照)を介して活動化される。注入器10が活動化されたら、制御器24は解放されて、制御器24の柱部90の周りに固定された第1の対の付勢部材26Aを介してシリンジ14を駆動して針28を伸ばし滅菌カバー78を貫いてユーザーの皮膚表面に接触させる。シリンジ14は、ハウジング12の孔の中に位置づけられていてハウジング12内に位置する棚部86へ固定されているシース係合機構68Bに制御器24が接触するまで駆動される。制御器24がシース係合機構68B及び棚部86に接触したら、シリンジ14は更なる運動を妨げられる。シリンジ14がハウジング12内での更なる運動を妨げられたら、制御器24がプランジャ16を駆動して医薬品18と接触させ、医薬品18は針28の中へ、次いでユーザーの中へと分配されてゆく。
【0082】
注入後は
図32Cに描かれている様に、注入器10は皮膚表面から離され、するとシース組立体30のシース32が伸展して露出している針28を包囲する。図示されている様に、シース32はシース組立体30の柱部90の周りに固定された一対のシース付勢部材26Cによってハウジング12の内側部分に当てて付勢されているので、注入中にシース係合機構68Bが制御器24によって接触されハウジング12の棚部86から解放されると、注入器10が皮膚表面から離されたときにシース32は伸展して露出している針28を包囲する。シース32は、シース組立体30のシースブレーキ33がハウジング12内に位置するハウジング12の1つ又はそれ以上の突起、突出、壁、ペグ、又はそれらの組合せに係合するまで伸びることができる。描かれている様に、シース32が一杯まで伸びたら、針28はもはや露出せず、シース32内に完全に包み込まれる。
【0083】
図33は
図32Aの注入器のハウジング12を描いている。描かれている様に、ハウジング12は、ハウジングの孔42を通るシース係合機構が制御器によって解放される前にはシース係合機構を固定している棚部86を含んでいる(
図32A-図32C参照)。
【0084】
図34は、
図33のハウジングへ、ハウジング12のスロット、陥凹、周囲縁、又はそれらの組合せに係合する複数のタブ88を介して固定されることのできるカバー20を描いている。
【0085】
図35は
図32Aの注入器の制御器24を描いている。制御器24は、第1の対の付勢部材の内部部分へ挿入されることによって第1の対の付勢部材を固定するように構成された一対の柱部90を含んでいる。(
図32A-図32C参照)。
【0086】
図36は
図32Aの注入器のシース組立体30を描いている。シース組立体30は、注入後に露出している針の周りに伸展して針を完全に包み込み、針との不要な接触を防止するシース32を含んでいる。シース係合機構68Bを注入器のハウジングの棚部から解放し、シース組立体30の柱部90の周りに固定された一対のシース付勢部材を介してシース組立体30を駆動することによって、シース32はシースブレーキ33がハウジングの一部分に接触するまで露出している針の周りに伸展される(
図32A-32C参照)。
【0087】
図37A及び
図37Bは、活動化前の静止位置にある注入器10及び注入中の注入器10をそれぞれ描いている。注入器10はハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられ、注入器10はボタンか又は注入器10の周囲表面に沿った他の活動化デバイス(図示せず、一例として
図9Aを参照)を介して活動化される。注入器10が活動化されたら、制御器24は解放されて、制御器24の柱部90の周りに固定された第1の対の付勢部材26Aを介してシリンジ14を駆動して針28を伸ばし滅菌カバー78を貫いてユーザーの皮膚表面に接触させる。シリンジ14は、ハウジング12の内側表面に制御器24が接触し、それによりシリンジ14の更なる運動が妨げられるまで駆動される。シリンジ14がハウジング12内での更なる運動を妨げられたら、制御器24がプランジャ16を駆動して医薬品18と接触させ、医薬品18は針28の中へ、次いでユーザーの中へと分配されてゆく。
【0088】
注入後は
図37Cに描かれている様に、注入器10は皮膚表面から離され、するとシース組立体30のシース32が伸展して露出している針28を包囲する。図示されている様に、シース32は一対のシース付勢部材26Cによってハウジング12の内側部分に当てて付勢されている。注入中に制御器24が駆動されると、制御器24の棚部86がシリンジ係合機構68Aから離れて駆動され、それによりシース組立体30が露出している針28の周りに伸展することが許容される。シース係合機構68Aの解放後、シース組立体30は注入器10が皮膚表面から離されるまでその場に留まることができる。注入器10が皮膚表面から離されたら、シース組立体30は、シースブレーキ33がシース32の不要な引っ込み、シース32内包囲後の針28の露出、又はその両方を防止するためのハウジング12の内側の壁に沿った歯92に当接するまで、露出している針28の周りに自由に伸展する。
【0089】
図38は
図37Aの注入器のハウジング12を描いている。描かれている様に、ハウジング12は、シース組立体が露出している針の周りに伸展した後に、シース32の不要な引っ込み、シース内包囲後の針28の露出、又はその両方を防止するために、シース組立体のシースブレーキに当接する内側の壁に沿った歯92を含んでいる(
図37A-図37C参照)。
【0090】
図39は、
図38のハウジングへ、ハウジング12のスロット、陥凹、周囲縁、又はそれらの組合せに係合する複数のタブ88を介して固定されることのできるカバー20を描いている。
【0091】
図40は
図37Aの注入器の制御器24を描いている。制御器24は、第1の対の付勢部材の内部部分へ挿入されることによって第1の対の付勢部材を固定するように構成された一対の柱部90を含んでいる(
図37A-図37C参照)。制御器24は、注入器の活動化前にはシース組立体のシリンジ係合機構に当接している一対の棚部86を更に含んでいる(
図37A参照)。
【0092】
図41は
図37Aの注入器のシース組立体30を描いている。シース組立体30は、注入後に露出している針の周りに伸展して針を完全に包み込み、針との不要な接触を防止するシース32を含んでいる。制御器の棚部をシリンジ係合機構68Aから解放し、それによりシース組立体30が伸展することを許容することによって、シース32は、シースブレーキ33がハウジングの歯に当接するまで、露出している針の周りに伸展される(
図37A-図37C参照)。
【0093】
図42A及び
図42Bは、活動化前の静止位置にある注入器10及び注入中の注入器10をそれぞれ描いている。注入器10はハウジング12内に固定されたシリンジ14を含んでいる。シリンジ14は、ユーザーへ投与するために医薬品18をシリンジ14の針28の中へ分配するように構成されたプランジャ16を含んでいる。医薬品18をユーザーの中へ注入するには、注入器10がユーザーの皮膚表面に位置づけられ、注入器10はボタンか又は注入器10の周囲表面に沿った他の活動化デバイス(図示せず、一例として
図9Aを参照)を介して活動化される。注入器10が活動化されたら、制御器24は解放されて、制御器24の柱部90の周りに固定された第1の対の付勢部材26Aを介してシリンジ14を駆動して針28を伸ばし滅菌カバー78を貫いてユーザーの皮膚表面に接触させる。シリンジ14は、ハウジング12の内側表面に制御器24が接触し、それによりシリンジ14の更なる運動が妨げられるまで駆動される。シリンジ14がハウジング12内での更なる運動を妨げられたら、制御器24がプランジャ16を駆動して医薬品18と接触させ、医薬品18は針28の中へ、次いでユーザーの中へと分配されてゆく。活動化中、一対のシース駆動器94のシース係合機構68Bも解放され、それによりシース組立体30のフィンガ34に対する付勢力が、シース駆動器94の周りに固定されたシース付勢部材26Cを介して加えられる。
【0094】
注入後は
図42Cに描かれている様に、注入器10は皮膚表面から離され、するとシース組立体30のシース32が伸展して露出している針28を包囲する。図示されている様に、注入器10が皮膚表面から離されたら、シース駆動器94を介して加えられる付勢力がフィンガ34を関節運動させ、その結果、シース32が露出している針28の周りに位置づけられる。
【0095】
図43は
図42Aの注入器のハウジング12を描いている。描かれている様に、ハウジング12は、シース組立体を関節運動させて露出している針を包囲させることができるように、シース組立体のフィンガと接触するシース駆動器の伸展を許容する孔42を含んでいる(
図42A-
図42C参照)。
【0096】
図44は
図42Aのシース駆動器94を描いている。シース駆動器94は、注入器の活動化中にシース駆動器を固定しているハウジングの部分から解放されることのできるシース係合機構68Bを含んでいる(
図42A-
図42C参照)。
【0097】
図45は
図42Aの注入器のシース組立体30を描いている。シース組立体30は、注入後に露出している針の周りに伸展して針を完全に包み込み、針との不要な接触を防止するシース32を含んでいる。シース駆動器を介してシース組立体30のフィンガ34を関節運動させ、それによりシース32が露出している針の周りに伸びることを許容することによって、シース32は露出している針の周りに伸展される(
図42A-図42C参照)。
【0098】
本明細書での使用に際し、別段の言及のない限り、教示は、属(リスト)の何れかの員が属から除外されること及び/又はマーカッシュグルーピングの何れかの員がグルーピングから除外されることもあり得ると想定している。
【0099】
別段の言及のない限り、すべての範囲は、両方の終点及び終点間のすべての数を含む。範囲に関連しての「約」又は「近似的」の使用は範囲の両端へ適用される。したがって、「約20~30」は、少なくとも指定された終点を含めて「約20~約30」を網羅することを意図している。
【0100】
別段の言及のない限り、「約」又は「近似的」という用語を数的な量と組み合わせて用いている教示は、記載されている量の教示はもとより記載されている量の近似値の教示も包含する。一例として、「約100」という教示は100+/-10という教示を包含する。
【0101】
特許出願及び特許公開を含むすべての論文及び参考文献の開示は、あらゆる目的で言及により援用される。組合せを記述するための「本質的に○○から成る」という用語は、識別されている要素、成分、構成要素、又は工程、並びに組合せの基本的で新規性のある特性に実質的に影響を及ぼさないその様な他の要素、成分、構成要素、又は工程を含むものとする。本明細書での、要素、成分、構成要素、又は工程の組合せを記述するための「○○を備える」又は「○○を含む」という用語の使用は、当該の要素、成分、構成要素、又は工程から成る又は本質的に成る実施形態をも想定している。
【0102】
複数の要素、成分、構成要素、又は工程は、単一の統合された要素、成分、構成要素、又は工程によって提供されることもできる。代替的に、単一の統合された要素、成分、構成要素、又は工程が、別々の複数の要素、成分、構成要素、又は工程へ分割されることもできるだろう。要素、成分、構成要素、又工程を記述するための原文の「a」又は「one」の対訳である「或る」又は「1つの」という開示は、追加の要素、成分、構成要素、又は工程を排除することを意図していない。
本願発明の実施形態は、例えば、以下の通りである。
[実施形態1]
a)ハウジングと、
b)前記ハウジングへ解放可能に固定された制御器と、
c)前記ハウジング内に可動に位置づけられたシリンジと、
を備えている注入器において、
前記制御器は解放されたときに前記シリンジを駆動して前記シリンジの一部分を前記ハウジングの外に露出させる、注入器。
[実施形態2]
前記シリンジの前記露出部分は針である、実施形態1に記載の注入器。
[実施形態3]
前記シリンジは、前記制御器によって駆動されるプランジャを介し前記針を通ってユーザーの中へ分配される医薬品を収納している、実施形態1又は実施形態2に記載の注入器。
[実施形態4]
前記制御器は1つ又はそれ以上の付勢部材によって動かされる、上記実施形態の何れかの一つに記載の注入器。
[実施形態5]
前記制御器の解放前、前記制御器の解放後、又はその両方にて可動に前記針を保護するシース、を更に備えている上記実施形態の何れかの一つに記載の注入器。
[実施形態6]
前記注入器は、モバイルデバイスケース内に、モバイルデバイスケースへ固定された注入器ケース内に、又はその両方に収納されている、上記実施形態の何れかの一つに記載の注入器。
[実施形態7]
前記制御器は、前記制御器に係合している前記ハウジング上のボタンへ加えられる力を介して解放される、上記実施形態の何れかの一つに記載の注入器。
[実施形態8]
ストッパが前記制御器を前記ハウジングへ固定していて、前記ストッパが前記注入器から取り外されると前記制御器が解放され前記シリンジに係合するようになっている、上記実施形態の何れかの一つに記載の注入器。
[実施形態9]
前記ストッパは前記ハウジングへ可動に固定されたピンである、実施形態8に記載の注入器。
[実施形態10]
前記注入器は1回の注入向けに構成されている、上記実施形態の何れかの一つに記載の注入器。
[実施形態11]
前記注入器は複数回の注入向けに構成されている、上記実施形態の何れかの一つに記載の注入器。
[実施形態12]
前記1つ又はそれ以上の付勢部材はばねである、実施形態4に記載の注入器。
[実施形態13]
前記シースは前記ハウジングへ付着されていて、前記シリンジが前記制御器によって駆動されたとき、前記シリンジは前記シースの一部分に接触し、前記シースを前記ハウジングから解放して前記シリンジの前記露出部分を包み込ませるようになっている、実施形態5に記載の注入器。
[実施形態14]
前記シースは1つ又はそれ以上の付勢部材を介して圧縮状態で前記ハウジングの中に固定されていて、前記注入器からの注入後に前記シースは付勢されて前記シリンジの前記露出部分を覆って伸展するようになっている、実施形態13に記載の注入器。
[実施形態15]
前記1つ又はそれ以上の付勢部材はばねである、実施形態14に記載の注入器。
[実施形態16]
前記ピンは前記ハウジングの前記ボタンに解放可能に係合している、上記実施形態の何れかの一つに記載の注入器。
[実施形態17]
前記注入器ケースは前記電話機ケースへ解放可能に固定されている、上記実施形態の何れかの一つに記載の注入器。
[実施形態18]
前記注入器ケースの第1の区分が前記電話機ケースへ固着式に固定され、前記注入器ケースの第2の区分が前記電話機ケースへ取り外し可能に固定されている、上記実施形態の何れかの一つに記載の注入器。
[実施形態19]
前記注入器ケースの前記第2の区分は前記注入器へ固着式に付着されている、実施形態18に記載の注入器。
[実施形態20]
前記注入器ケースの前記第2の区分は前記注入器の前記ハウジングの一部分である、実施形態19に記載の注入器。
[実施形態21]
前記シースは前記ハウジング内に固定されたプレートへ付着されていて、前記シリンジが前記制御器によって駆動されたとき、前記制御器が前記シースを固定している互いに反対側のフィンガに接触し当該フィンガを解放し、すると前記シースは自由になり、伸展して前記シリンジの前記露出部分を包み込むようになっている、実施形態5に記載の注入器。
[実施形態22]
前記シースは付勢部材を介して付勢されていて、前記シースは自由になり次第伸展するようになっている、実施形態21に記載の注入器。
[実施形態23]
前記シースは前記プレートの突起へ固定され、前記フィンガは前記プレート上に配置されている複数の孔へ回転可能に固定されている、実施形態21又は実施形態22に記載の注入器。
[実施形態24]
1つ又はそれ以上の近距離無線通信センサ、を含んでいる上記実施形態の何れかの一つに記載の注入器。
[実施形態25]
前記ハウジングへ接続されている電話機を参照して前記注入器としての医療デバイスの所在地を識別する及び/又はモニターするように適合される1つ又はそれ以上の近距離無線通信センサ、を含んでいる上記実施形態の何れかの一つに記載の注入器。
[実施形態26]
前記注入器としての医療デバイスの温度を識別する及び/又はモニターするように適合される1つ又はそれ以上の近距離無線通信センサ、を含んでいる上記実施形態の何れかの一つに記載の注入器。
[実施形態27]
前記医療デバイスの前記温度が既定の受容可能範囲の外であることの通知をユーザーが受信する、実施形態26に記載の注入器。
[実施形態28]
前記医療デバイスが前記電話機から分離されたときに1つ又はそれ以上の既定の第三者デバイスが通知を受信する、実施形態25に記載の注入器。
[実施形態29]
前記シリンジが前記制御器によって駆動されたとき、前記制御器は、前記シースを前記ハウジングの内側部分へ固定しているシース係合機構に接触し、当該シース係合機構を解放し、すると前記シースが自由になり、伸展して前記シリンジの前記露出部分を包み込む、実施形態5に記載の注入器。
[実施形態30]
前記シリンジが前記制御器によって駆動されたとき、前記制御器の棚部が前記シース組立体のシリンジ係合機構の支持を解放し、それにより前記シースが前記ハウジングの内側部分に沿った歯にシースブレーキが当接するまで伸展することが許容され、前記シースは前記シリンジの前記露出部分を包み込む、実施形態5に記載の注入器。
[実施形態31]
前記制御器が前記ハウジングから解放されたとき、1つ又はそれ以上のシース駆動器も前記ハウジングから解放され、前記シース駆動器はシース組立体のフィンガへ力を加えて前記フィンガを関節運動させ、前記シースを前記シリンジの前記露出部分の周りに伸展させる、実施形態5に記載の注入器。
[実施形態32]
前記シースは、1つ又はそれ以上のシースブレーキが前記シース係合機構に当接し前記シースの更なる運動を妨げるまで伸展する、実施形態29に記載の注入器。
[実施形態33]
前記シースは、前記シースの1つ又はそれ以上のシースブレーキが前記ハウジング内の1つ又はそれ以上のペグ、突出部、伸長部、又はそれらの組合せに当接しそれにより前記シースの更なる運動を妨げるまで伸展する、実施形態32に記載の注入器。
【0103】
以上の記述は説明を目的としており制限を課そうとするものではないことが理解される。当業者には、上記説明が読まれ次第、提供されている実施例の他にも多くの実施形態並びに多くの適用が明らかとなろう。したがって、本発明の範囲は、上記説明を参照して確定されるべきではなく、代わりに、付随の特許請求の範囲並びにその様な特許請求の範囲が権利を有する等価物の完全な範囲を参照して確定されるべきである。特許出願及び特許公開を含むすべての論文及び参考文献の開示は、あらゆる目的で言及により援用される。付随の特許請求の範囲での、本明細書に開示されている主題の何れかの態様の省略は、その様な主題の放棄ではないし、また本発明者らがその様な主題を開示されている発明の主題の一部であると考えていなかったと見なされることもあってはならない。
【符号の説明】
【0104】
10 注入器
12 ハウジング
14 シリンジ
16 プランジャ
18 医薬品
20 カバー
24 制御器
26 付勢部材
26A 第1の付勢部材(又は第1の対)
26B 第2の付勢部材(又は第2の対)
26C シース付勢部材
28 針
30 シース組立体
32 シース
33 シースブレーキ
34 フィンガ
36 プレート
38 突起
40 ストッパ
42 孔
44 ボタン
46 係合用特徴部
60 電話機ケース
62 背面区分
64 注入器ケース
64A 第1の注入器ケース区分
64B 第2の注入器ケース区分
66 解放ラッチ
68 係合機構
68A シリンジ係合機構
68B シース係合機構
70 第1のプラットフォーム
72 第2のプラットフォーム
74 突出
76 キャップ
78 滅菌カバー
80 作動器
80A 第1の直線作動器
80B 第2の直線作動器
82 コントローラ
84 センサ
84A 近距離無線通信(NFC)センサ
84B 温度センサ
86 棚部
88 タブ
90 柱部
92 歯
94 シース駆動器
F (ボタンに加えられる)力
R ストッパの取り外し方向