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特許7520307界面構造体を作製する方法および作製された界面構造体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】界面構造体を作製する方法および作製された界面構造体
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/04 20060101AFI20240716BHJP
   C23C 14/28 20060101ALI20240716BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20240716BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20240716BHJP
【FI】
B23K9/04 G
C23C14/28
B33Y10/00
B33Y80/00
B23K9/04 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021547130
(86)(22)【出願日】2020-02-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-06
(86)【国際出願番号】 SG2020050063
(87)【国際公開番号】W WO2020167249
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】10201901130S
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(73)【特許権者】
【識別番号】504161939
【氏名又は名称】ナンヤン・テクノロジカル・ユニバーシティー
(73)【特許権者】
【識別番号】503231882
【氏名又は名称】エージェンシー フォー サイエンス,テクノロジー アンド リサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(72)【発明者】
【氏名】パン,ホック ライ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】タン,ジーエン エディ
(72)【発明者】
【氏名】カミンスキー,ヤツェク
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-144252(JP,A)
【文献】特開2015-120343(JP,A)
【文献】特開2008-264841(JP,A)
【文献】特開2008-128147(JP,A)
【文献】特開2017-024260(JP,A)
【文献】特開2000-202626(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104227313(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 9/04
C23C 14/28
B33Y 10/00
B33Y 80/00
B23K 9/04
B23K 26/34
C22C 14/28
B33Y 10/00、40/10、
70/00、80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板および該基板に突出部を有して成る界面構造体を作製する方法であって、該方法は、
工程a)前記基板を供すること、
工程b)前記基板の表面から凸部が外向きに延在するように、前記基板の表面に複数の段差を除去製造によって凸部として作ること、および
工程c)前記複数の段差上への付加製造によって、前記基板に前記突出部を作製し、それにより前記基板と前記突出部との間に段差状の界面接合部を作ること、を含み、
前記突出部が、前記基板の表面および前記複数の段差から外向きに延在する、方法。
【請求項2】
工程b)は、前記凸部を完全に囲むように前記複数の段差を作ることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
工程b)において、前記複数の段差を金属機械加工によって作り、工程c)において、前記突出部をレーザー金属蒸着によって作る、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
工程a)は、付加製造によって前記基板を作製することを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記段差状の界面接合部は冶金的結合を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記基板の前記表面が上を向いている際に、前記複数の段差のそれぞれは横向き面および上向き面を含み、
工程a)は、各横向き面を垂直からの角度がθになるように作り、および各上向き面を水平からの角度がαになるように作ることを含み、
θおよびαのそれぞれは0°~80°の範囲である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
工程a)は、少なくとも1つの上向き面と1つの横向き面との間にフィレットを作ることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
工程a)は、少なくとも1つの横向き面と1つの上向き面との間に面取りを作ることを含む、請求項またはに記載の方法。
【請求項9】
工程b)は、前記複数の段差の上に前記突出部の薄壁固体物を作製することを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
工程b)は、前記複数の段差の上に前記突出部の非中空部を作製することを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
基板、突出部、および段差状の界面接合部を有して成る作製された界面構造体であって、
前記基板は、前記基板の表面から凸部が外向きに延在するように、該基板の表面に除去製造によって凸部として作られた複数の段差を有し、
前記突出部は、前記複数の段差の上に付加製造によって作製され、および
前記段差状の界面接合部は、前記基板と前記突出部との間にあり、
前記突出部が、前記基板の表面および前記複数の段差から外向きに延在する、作製された界面構造体。
【請求項12】
前記複数の段差は前記凸部を完全に囲む、請求項11に記載の作製された界面構造体。
【請求項13】
前記段差状の界面接合部は冶金的結合を有して成る、請求項11または12に記載の作製された界面構造体。
【請求項14】
前記複数の段差のそれぞれは、前記基板の前記表面が上を向いている際に、横向き面および上向き面を有して成り、
各横向き面は、垂直からの角度がθであり、
各上向き面は、水平からの角度がαであり、
θおよびαのそれぞれは、0°~80°の範囲である、請求項1113のいずれ一項に記載の作製された界面構造体。
【請求項15】
前記突出部は前記複数の段差の上に作製された薄壁固体物を有して成る、請求項1114のいずれか一項に記載の作製された界面構造体。
【請求項16】
前記突出部は前記複数の段差の上に作製された非中空固体物を有して成る、請求項1114のいずれか一項に記載の作製された界面構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、界面構造体を作製する方法および作製された界面構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまなエンジニアリング用途では、フランジ、リッジ、ならびにその他の機能的な構造および機能等を有して成るがこれらに限定されないコンポーネントに幾何学的な変更がなされる必要がある。特に、航空宇宙および自動車産業には、エアフォイルやエキゾーストマニホールド等の2つの界面金属製固体物を有して成る作製された界面構造体を利用する重要な用途がある。そのような作製された界面構造体は、しばしば、基板および基板に作製された突出部を有して成り、基板は、新たに作製された部品または既存の部品であり得る。締結具および接着剤を使用する従来の欠点の点からみると、航空宇宙および自動車産業での再製造や特徴変更等の用途では、レーザー金属蒸着(LMD)を代わりに使用して基板上に突出部を作製した。しかしながら、LMDを使用して界面構造体を作製する従来の方法は、LMDによって基板に構築された突出部と基板との間の不十分な界面結合により一般的に界面位置で弱いため、この取り組み方は本質的な欠点を具体化する。それゆえ、基板に突出部を作製するための従来のLMD技術を使用して部品を構築または接合することに関連する不十分な界面強度の欠点を回避する、2つ以上の部品の界面構造体を作製する方法が求められている。
【発明の概要】
【0003】
第1の態様によると、界面構造体を作製する方法が供され、当該界面構造体は、基板および上記基板に突出部を有して成る界面構造体を有して成り、上記方法は、工程a)基板を供すること、工程b)基板の表面に複数の段差を作ること、および工程c)複数の段差上への付加製造によって、基板に突出部を作製し、それにより基板と突出部との間に段差状の界面接合部を作ること、を含む。
【0004】
工程b)は、基板の表面に凹部としての複数の段差を作ることを含み得る。
【0005】
工程b)は、凹部を完全に(または全体的に;fully)囲むように複数の段差を作ることを含み得る。
【0006】
工程b)は、基板の表面に凸部としての複数の段差を作ることを含み得る。
【0007】
工程b)は、突出部(または凸部;projection)を完全に囲むように複数の段差を作ることを含み得る。
【0008】
工程b)は、除去製造により複数の段差を作ることを含み得る。
【0009】
工程b)において、複数の段差を金属機械加工によって作り、工程c)において、突出部をレーザー金属蒸着によって作ることを含み得る。
【0010】
工程a)は、付加製造によって基板を作製することを含み得る。
【0011】
工程b)は、基板の付加製造作製の間に複数の段差を作ることを含み得る。
【0012】
工程a)は、少なくとも1つの上向き面と1つの横向き面との間にフィレットを作ることを含み得る。
【0013】
工程a)は、少なくとも1つの横向き面と1つの上向き面との間に面取りを作ることを含み得る。
【0014】
工程b)は、複数の段差の上に突出部の薄壁固体物を作製することを含み得る。
【0015】
工程b)は、複数の段差の上に突出部の非中空部を作製することを含み得る。
【0016】
第2の対応によると、段差状の界面接合部を有して成る作製された界面構造体が供され、基板は、当該基板の表面に作られた複数の段差を有し、突出部は、複数の段差の上に付加製造によって作製され、および段差状の界面接合部は、基板と突出部との間にある。
【0017】
複数の段差が基板の表面に凹部として作られ得る。
【0018】
複数の段差は凹部を完全に囲み得る。
【0019】
複数の段差が基板の表面に凸部として作られ得る。
【0020】
複数の段差は凸部を完全に囲み得る。
【0021】
突出部は複数の段差の上に作製された薄壁固体物を有して成り得る。
【0022】
突出部は複数の段差の上に作製された非中空固体物を有して成り得る。
【0023】
複数の段差のそれぞれは、基板の表面が上を向いている際に、横向き面および上向き面を有して成り得て、各横向き面は、垂直からの角度がθであり、各上向き面は、水平からの角度がαであり、θおよびαのそれぞれは、0°~80°の範囲であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明を完全に理解し、容易に実施できるようにするために、本発明の例示的な実施形態のみを非限定的な例として説明し、説明は添付の例示的な図面を参照する。
図1図1は、非中空固体基板と非中空固体突出部との間の段差状の界面接合部の概略断面図である。
図2図2(a)は、基板の表面に凹部として作られた複数の段差に付加製造によって作製された直方体の非中空固体突出部を有して成る、段差状に作製された界面構造体の斜視図である。図2(b)は、基板の表面に凹部として作られた複数の段差に付加製造によって作製された円筒形の非中空固体突出部を有して成る、段差状に作製された界面構造体の斜視図である。
図3図3は、基板の表面に凹部として作られた複数の段差に付加製造によって作製されたエアフォイル型非中空固体突出部を有して成る段差状に作製された界面構造体の斜視図である。
図4図4(a)は、非中空の固体基板と薄壁の固体突出部との間の対称的な段差状の界面接合部の概略断面図である。図4(b)は、非中空の固体基板と薄壁の固体突出部との間の非対称の段差状の界面接合部の概略断面図である。
図5図5(a)は、基板の表面に凹部として作られた複数の段差に付加製造によって作製された直方体の薄壁の固体突出部を有して成る、段差状に製造された界面構造体の斜視図である。図5(b)は、基板の表面に凹部として作られた複数の段差に付加製造によって作製された円筒形の薄壁の固体突出部を有して成る、段差状に製造された界面構造体の斜視図である。
図6図6は、基板の表面に凹部として作られた複数の段差に付加製造によって作製された排気マニホルドの薄壁の固体突出部を有して成る、段差状に作製された界面構造体の斜視図である。
図7図7(a)は、基板の表面に凹部として作られた複数の面取りされた段差に付加製造によって作製された突出部を有して成る、面取りされた段差状の界面構造体の概略断面図である。図7(b)は、基板の表面に凸部として作られた複数の面取りされた段差に付加製造によって作製された突出部を有して成る、面取りされた段差状の界面構造体の概略断面図である。
図8図8(a)は、基板の表面に凹部として作られた複数のフィレットの段差に付加製造によって作製された突出部を有して成る、フィレットの段差状の界面構造体の概略断面図である。図8(b)は、基板の表面に凸部として作られた複数のフィレットの段差に付加製造によって作製された突出部を有して成る、フィレットの段差の界面構造体の概略断面図である。
図9図9(a)は、平歯車の一部の斜視図である。図9(b)は、歯車の歯が損傷している平歯車の部分の斜視図である。図9(c)は、損傷部位の平歯車の表面に凹部として作られた複数の段差を有する平歯車の部分の斜視図である。図9(d)は、平歯車の表面の凹部に作られた複数の段差に付加製造によって作製された歯車突出部を有して成る、修理された平歯車の一部の斜視図である。
図10図10は、3つの異なる界面構造体の機械的性能に関する調査の試験シーケンスおよび作製のフローチャートである。
図11図11は、(a)等角図、(b)正面図、および(c)側面図を、平坦な界面構造体の基板の寸法とともに示している。
図12図12は、(a)等角図、(b)正面図、および(c)側面図を、V字型の界面構造体における基板の寸法とともに示している。
図13図13は、(a)等角図、(b)正面図、および(c)側面図を段差状の界面構造体における基板の寸法とともに示している。
図14図14は、図11の基板にレーザー金属蒸着(LMD)によって作製された突出部を有して成る平坦な界面構造体の(a)正面図および(b)等角図を示している。
図15図15は、図12の基板にLMDによって作られた突出部を有して成るV字型界面構造体の(a)正面図および(b)等角図を示している。
図16図16は、図13の基板にLMDによって作られた突出部を有して成る段差状の界面構造体の(a)正面図および(b)等角図を示している。
図17図17は、LMDプロセスにおける堆積シーケンスの概略図である。
図18図18は、基板と、基板にLMDによって作られた突出部とを有して成る界面構造体から抽出されたシャルピー試験サンプルの寸法を示す側面図である。
図19図19(a)は、平坦な界面構造体のシャルピー試験サンプルの等角図である。図19(b)は、V字型の界面構造体のシャルピー試験サンプルの等角図である。図19(c)は、段差状の界面構造体のシャルピー試験サンプルの等角図である。図19(d)は、図19(a)のシャルピー試験サンプルに対する回転ノッチ(または回転したノッチ;rotated notch)を有する平坦な界面構造体のシャルピー試験サンプルの等角図である。図19(e)は、図19(b)のシャルピー試験サンプルに対する回転ノッチ(または回転したノッチ;rotated notch)を有するV字型界面構造体のシャルピー試験サンプルの等角図である。図19(f)は、図19(c)のシャルピー試験サンプルに対する回転ノッチ(または回転したノッチ;rotated notch)を有する段差状の界面構造体のシャルピー試験サンプルの等角図である。
図20図20(a)は、300J振り子ヘッドを備えた、アムスラーRKP 450シャルピー試験機のズウィック・ロエルの写真である。図20(b)は、図320(a)のシャルピー試験機に取り付けられたシャルピー試験サンプルの写真である。
図21図21(a)は、図19(a)の構成のシャルピー試験サンプルの試験後の写真である。図21(b)は、図19(b)の構成のシャルピー試験サンプルの試験後の写真である。図21(c)は、図19(c)の構成のシャルピー試験サンプルの試験後の写真である。図21(d)は、図19(d)の構成のシャルピー試験サンプルの試験後の写真である。図21(e)は、図19(e)の構成のシャルピー試験サンプルの試験後の写真である。図21(f)は、図19(f)の構成のシャルピー試験サンプルの試験後の写真である。
図22図22(a)は、図19(a)~19(c)の構成のシャルピー試験サンプルのシャルピー試験結果のグラフである。図22(b)は、図19(d)~19(f)の構成のシャルピー試験サンプルのシャルピー試験結果のグラフである。
図23図23は、異なる界面構造体およびノッチ配向に対する異なるシャルピー試験サンプルの靭性の主な効果プロットを示す。
図24図24(a)は、図19(a)の構成のシャルピー試験サンプルの破面トポロジーを示す。図24(b)は、図19(b)の構成のシャルピー試験サンプルの破面トポロジーを示す。図24(c)は、図19(c)の構成のシャルピー試験サンプルの破面トポロジーを示す。図24(d)は、図19(d)の構成のシャルピー試験サンプルの破面トポロジーを示す。図24(e)は、図19(e)の構成のシャルピー試験サンプルの破面トポロジーを示す。図24(f)は、図19(f)の構成のシャルピー試験サンプルの破面トポロジーを示す。
図25図25は、界面構造体を作製する例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
界面構造体(または界面構造、または界面構造物;interfacial structure)200を作製する(または組み立てる、組立作製する)方法100および作製された(または組立てられた、組立作製された;fabricated)界面構造体200の例示的な実施形態を、図1および図25を参照して以下に説明する。同じまたは類似の部分を指すために、図全体で同じ参照番号が使用される。
【0026】
図1および図25に示されるように、界面構造体200を作製する方法100では、基板20が、基板20に作製される突出部30の受け手として供される(110)。突出部30は、基板20(130)に付加製造(または付加造形、または積層造形;additive manufacturing)によって作製され、基板20の表面29から外向きに延在する。本明細書全体を通して、突出部30は、界面290で基板20と結合して界面接合部210を形成するため、突出部30は、言い換え可能に界面突出部30と称され得る。突出部30は、界面接合部210で基板20上に付加製造によって同時に構築され、基板20に接合されるため、界面接合部210は、言い換え可能に界面構築/接合部210と称され得る。「基板」という用語は、本明細書全体を通して、突出部30が作製される任意の種類の部分を指すために使用される。例えば、基板20は、付加製造を含むがこれに限定されない任意の従来の方法によって作られる新たに作製された部分であり得るか、または、基板20は、再製造される損傷部位を有する既存の部分を含むがこれに限定されない既存の部分であり得る。
【0027】
方法100では、基板20が提供され(110)、金属機械加工(または金属加工;metal machining)、機械的作製、レーザー処理等の任意の従来の方法を使用して、または付加製造作製(または付加製造、または付加作製;additive manufacturing fabrication)中であっても、基板20(120)の表面29上に複数の段差22が作られる。例示的な実施形態では、基板20が付加製造によって製造され得て、一方で、複数の段差22は作製された基板20上の金属機械加工によって作られる。作られる複数の段差22は、用途の要件と実施形態に応じて、2から数百の範囲になり得る。すべての図に見られるように、基板20の表面29が上向きである際、複数の段差22のそれぞれは、横向きの表面40および上向きの表面50を含む。隣接する横向きの表面40間の距離は、各段差22の幅wを規定し、隣接する上向きの表面50間の距離は、図1図4、および図7に示されるように、各段差22の高さhを規定する。種々のh値およびw値の組み合わせは、段差状(または段差付き;stepped)の接合部210実施形態の単一の実例内で使用することができる。例えば、ある複数の段差22は、特定の段差高さh値を有することができ、一方、同じ段差状の界面290の実施形態内の別の複数の段差22は、異なるh値を有することができる。これらの異なるh値は、h-1、h-2等として表すことができる。同様に、ある複数の段差22は、特定の段差幅w値を有することができ、一方、同じ段差状の界面290の実施形態内の別の複数の段差22は、異なるw値を有することができる。これらの異なるw値は、w-1、w-2等として表すことができる。
【0028】
図1および図4に示されるように、界面290での段差高さhは、アプリケーションの要件および実施形態に応じて、hを0.1mm~5mmの範囲の値に調整することによって最適化され得る。同様に、界面290での段差幅wは、アプリケーションの要件および実施形態に応じて、1mm~300mmの範囲の値にwを調整することによって最適化され得る。段差幅wは、好ましくは、段差高さhおよび基板20上に作成された実際の複数の段差22に直接的に関連している。
【0029】
図1、4、および7に示されるように、複数の段差22の各横向き面(または横方向に向く面;sideways-facing surface)40は、垂直(または鉛直;vertical)から角度θ(垂直段差角度θと称する)で作られ、複数の段差22の各上向き面(または上方向に向く面;upward-facing surface)は、水平から角度α(水平段差角度αと称する)で作られる。界面290での垂直段差角度θは、垂直段差角度θを0°~80°の角度に調整することによって最適化され得る。同様に、界面290での水平段差角度αは、水平段差角度αを0°~80°の角度に調整することによって最適化され得る。どちらの角度の選択も、アプリケーションの要件と実施形態によって異なる。異なる「α」値と「θ」値の組み合わせを、段差状の接合部の実施形態の単一実例内で使用できる。例えば、複数の段差22は、特定のα値を有することができ、一方、同じ段差状の界面の実施形態内の他方の複数の段差22は、異なるα値を有することができる。これらのα値は、α-1、α-2等として表すことができ、同様に、ある複数の段差22は特定のθ値を有することができ、同じ段差状の界面の実施形態内の他方の複数の段差22は異なるθ値を有することができる。これらのθ値は、θ-1、θ-2等として表すことができる。
【0030】
さらに、複数の段差22は、図7に示すような面取り構成、または図8のフィレット構成を有し得る。図8では、隣接する上向き面50間に半径rのフィレット60が作られる。図8に示すように、フィレット段差状の接合部210の設計が面取り段差状の接合部210設計よりも選択される場合、フィレット半径rは、フィレット半径rを0.5mm~5mmの範囲の値に調整することによって最適化できる。フィレットの界面構築/接合部設計は、h、w、およびrに基づいて定義される。図7および8に示されるように、凹面または凸面の形態の段差状の界面構築/接合部の変型、および面取りまたはフィレット基板の界面設計は、製造工程の基板準備段階での幾何学的なアクセス可能性および利用可能性に基づいて選択することができる。
【0031】
基板20(120)に複数の段差22を作った後、次いで、突出部30は、複数の段差22(130)上への付加製造によって基板20に作製され、それによって、突出部30と基板20との間に段差状の界面接合部210が作製される。突出部30を作製することは、基板20上の複数の段差22に突出部30の材料を直接堆積させる付加製造を使用して、層ごとに突出部30を構築することを含む。例えば、付加製造がレーザー金属蒸着(またはレーザー金属堆積)(LMD)等の金属指向性エネルギー堆積(DED)を含む場合、基板20および突出部30は金属製であり得て、それによって、金属結合を含む段差状の界面構築/接合部210によって突出部30が基板20に接合される。
【0032】
したがって、結果として作製された界面構造体200は、基板20と突出部30との間に、段差状の接合部界面290を有する界面構築/接合部210を有して成る。段差状の接合部界面290の形態での界面突出部30の設計を採用することにより、基板20と突出部30との間の改善された界面結合が達成される。段差状の界面290は、段差状の界面接合部210でより広い領域に作用荷重を分散させ、それによりそれ(段差状の界面または段差状の界面接合部)を強化する。
【0033】
方法100を使用して作製された界面構造体200の例示的な実施形態は、図2、3、7(a)および8(a)で見ることができ、突出部30は非中空固体物を有して成り、複数の段差22は基板20の表面29に凹部(またはレセス;recess)28として作られる。例えば、界面突出部30は、それぞれ図2(a)、2(b)および3に示されるような直方体、円筒形、またはエアフォイル型(または翼形;air-foil)の構成を有し得て、段差状界面290は、図7(a)および8(a)に示されるような面取りまたはフィレット構成を有し得る。
【0034】
図4および5は、突出部30が薄壁固体物を有して成り、複数の段差22が基板20の表面29上の環状の凹部28として作られる、作製された界面構造体200の代替の実施形態を示す。「薄壁(または薄肉;thin-walled)固体物」とは、図4および5に見られるように、固体物(または固定体、または固体、または立体物;solid body)が少なくとも部分的に管状の構成を有し、当該構成では固体突出部30の中央部分が中空であることを意味する。段差状の接合部界面290は、図4(a)に示されるように、対称的な断面プロファイル(または外径、または輪郭;profile)を有し得るか、または図4(b)に示されるように、拡張された(または延在する、または広範囲の;extended)溝(またはトレンチ;trench)構成を有する非対称な断面プロファイルを有して成り得る。例えば、界面突出部30は、直方体または円筒形の薄壁固体物構成を有し得て、基板20に作られた段差状の凹部28は、図5(a)および5(b)に示されるように、それぞれ長方形の環状凹部28または円形の環状凹部28を対応して含み得る。図6は、基板20の表面29にそれぞれ単一の段差22を有して成る複数の凹部28に付加製造によって作製される排気マニホルド構成を有する薄壁固体突出部30を有して成る、作製された界面構造体200の別の実施形態を示す。
【0035】
突出部30は、図2~8に示されるように、完全に非中空の固体物または完全に薄壁の固体物のいずれか一方を有して成るものとして描かれているが、界面突出部の設計は、必要に応じて他の様々な自由な形状にも拡張できることに留意されたい。
【0036】
基板20の表面29に凹部28として作られる複数の段差22の代替として、複数の段差22は、代わりに、図7(b)および図8(b)に示されるように、基板20の表面29に凸部(または突起物;protrusion)25として作られ得る。
【0037】
突出部30が基板20と接触して接合する界面構築/接合部210の強度は、接合部界面290の正味の界面面積に比例する。従来技術の界面接合部は、通常、2つの接合された本体間に平坦な接合部界面を有し、その結果、段差状の界面構築/接合部の設計よりも小さな界面面積がもたらされる。有利には、段差状の界面構築/接合部210は、図1、4、7、および8に示されるように、その設計を定義するために、上記のように、h、w、r、θ、およびαなどの様々な段差設計パラメータを使用して、その設計を定義する。これらの段差設計のパラメータは、接合部界面290の正味の界面構築/接合部領域を最大化する。
【0038】
図2(a)に示されるような直方体の界面構築/接合部の設計に対して、界面構築/接合部の特徴の従来の(従来技術の)発現(または発揮:manifestation)は、面積=長さ×幅である平坦な界面領域である。同様に、図5(a)に示されるような薄壁直方体の界面構築/接合部設計に対して、界面構築/接合部の特徴の従来の(従来技術の)発現は、面積=(外側の長さ×外側の幅)-(内側の長さ×内側の幅))である平坦な界面領域である。図2(b)に示されるような円筒形の界面構築/接合部設計に対して、界面構築/接合部の特徴の従来の(従来技術の)発現は、「面積=π×半径」である平坦な界面領域である。同様に、図5(b)に示されるような薄壁直方体の界面構築/接合部設計に対して、界面構築/接合部の特徴の従来の(従来技術の)発現は、「面積=(π×外側半径)-(π×内側半径)」である平坦な界面領域である。図3および図6に示されるような自由形状の界面接合部の設計の場合、従来の(従来技術の)発現はまた、平坦な界面領域の発現でもある。
【0039】
本出願において、構築/接合部界面290で複数の段差22を有して成る段差状の特徴を導入することにより、典型的には平坦な界面領域を有する界面構築/接合部設計の上記の従来の(従来技術)発現(または発揮:manifestation)とは対照的に、図1、4、7、および8に示されるような、上記で定義されたh、w、r、α、θのパラメータ、および複数の段差22を調整および最適化して、界面の構築/接合部領域を大幅に増やすことができる。
【0040】
接合部界面290に誘発される(またはもたらされる;induced)応力は、「応力=力÷面積」のようなものである。したがって、任意の界面の強度は、それぞれの界面面積に比例する。基板20上に作られた複数の段差の形態で段差状の特徴を導入し、それによって界面面積を増加させることによって、界面構築/接合部210を、任意の作用荷重をより広い領域に分散させることによって大幅に強化することができる。したがって、引張、せん断、曲げ応力、および衝撃強度に対する3D応力等の接合部強度特性を強化できる。
【0041】
たとえば、寸法が「L×B=50mm×50mm」の直方体の界面構築/接合部の特徴の場合、従来の(従来技術の)平坦な界面構築/接合部の正味の界面面積は2500mmである。比較すると、それぞれの段差がα=0°、θ=0°、w=5mm、およびh=3mmである5つの段差22を有して成る追加された段差構築/接合部界面290を有する同じ直方体界面構築/接合部の特徴では、その正味の界面面積は4300mmである。界面構築/接合部の特徴における任意の作用荷重は、段差状の界面構築/接合部の設計を備えた同様の界面構築/接合部の特徴のより大きな界面構築/接合部領域に分散されるため、界面強度は1.5から2倍に比例して改善できる。
【0042】
例示的な用途-損傷した平歯車の修理
本発明の例示的な用途では、欠けた歯車歯91を有する平歯車90(図9(a))を、上記方法100を使用して再製造することができる。欠けた歯車の歯91が配置されていた歯車90の損傷部位20(図9(b))は、図9に示すように、損傷部位20の歯車90に段差状の凹部22、28を作るための、除去製造(またサブトラクティブ製造;subtractive manufacturing)を使用して段差状の凹部22、28が作られる基板20と見なすことができる。次に、再製造された「新しい」歯車歯30は、損傷部位20の段差状凹部22、28に付加製造によって突出部30として作製され得て、その結果、新しい歯30は、冶金的結合(または冶金学的結合、または溶融結合、または金属結合、または溶接;metallurgical bond)を含む、段差状界面接合部210を介して歯車20に接合される。そうするために、損傷部位20は、最初に、その摩耗および損傷の程度、ならびに亀裂または塑性変形のような他の形態の欠陥について検査される。超音波測定などの非破壊検査技術を使用して、最初の欠けた領域から伝播した亀裂を検出できる。損傷の程度を診断した後、この例では段差状の凹部22、28を有して成る適切な段差状接合部界面290が、除去工程が損傷部位20内の欠陥を確実に除去するように図られる。段差状界面290は、コンピュータ支援描画(CAD)およびコンピュータ支援製造(CAM)ソフトウェアで作られ、図9(c)に見られるように、ハイブリッド機械、例えばフライス盤を用いて損傷部位20上で除去製造技術を使用して製造される。界面接合部の特徴210から構築される歯車歯30は、CADおよびCAMソフトウェアで作られ、図9(d)に見られるように、同じハイブリッド機械からのLMDを使用して付加製造される。最後に、除去製造を使用して、復元された歯車の歯30に必要な表面仕上げを作り出すことができる。
【0043】
3つの異なる界面構造体の機械的性能の調査
3つの異なる界面接合部:平坦な界面接合部(先行技術)、V字型の界面接合部(先行技術)、および段差状の界面接合部210(現在の開示)の機械的性能を調査するために調査が行われた。平坦な界面接合部の設計は、付加製造で作製された界面構造体の従来の界面設計である。V字型の界面接合部の設計と段差状界面接合部210の設計は、2つの変型(または変形;variant)であり、その機械的性能は、この研究における従来の平坦な界面接合部の設計と比較される。サンプルの作製とテストシーケンスが図10に示される。
【0044】
実施された実験では、170mm×15mm×37mmのステンレス鋼316Lの直方体を有して成る突出部30が、検討される各々の界面接合タイプで設計されたステンレス鋼316Lの基板20にLMDによって構築された。3つの異なる界面接合部210の基板20の設計および寸法:平坦な界面接合部(従来技術)、V字型の界面接合部(従来技術)、および段差状の界面接合部(本開示)は、それぞれ図11、12および13に詳述されている。各界面接合タイプの基板20にLMDによって構築された突出部30は、図14、15、および16に示されている。突出部30を形成するためのLMDの堆積シーケンスは、図17に示されている。LMDによって作製された突出部30の寸法は、ノッチが界面構造体200の中央に位置する、6つのシャルピーサンプルを抽出する(または抜き出す、または取り出す;extract)ために必要なビルドボリューム(または構築体積;build volume)に基づいて選択された。基板20および基板20上にLMDによって作製された突出部30を有して成る界面構造体200からのシャルピーサンプル抽出位置の図が、図18に示されている。図19に示すように、得られたシャルピーサンプルのそれぞれについて、その体積の半分はLMD突出部30の領域にあり、残りの半分は基板20の領域にあった。各タイプの界面接合部210のシャルピーサンプルの2つの変型が使用された。2つの変型は、シャルピーサンプルタイプごとにノッチ99が配置されている場所が異なる。各界面接合部の設計タイプのシャルピーサンプルおよび各シャルピーノッチ変型のノッチ99の位置が図18(a)~(f)に示されている。3つのシャルピーサンプルが抽出され、ノッチ変型タイプごとにテストされた。2つのノッチ変型を使用する目的は、界面接合部210の機械的性能に対する衝撃の方向性の影響を調査することである。
【0045】
シャルピーサンプルの破面トポロジーは、3D焦点深度顕微鏡法を備えたツアィス・スマート・ズーム5(Zeiss Smart Zoom 5)を使用して測定された。
【0046】
シャルピー試験は、300J振り子ハンマーを備えたズウィック・ロエル、アムスラー・RKP450(ZwickRoell、Amsler RKP450)を使用して実施された。シャルピー試験機とシャルピーサンプルの取り付けの画像をそれぞれ図20(a)と図20(b)に示す。試験後のシャルピーサンプルの写真を図21に示す。シャルピー試験の結果を図22に示し、さまざまな界面接合部とノッチ変型の主な効果プロットを図23に示す。V字型および段差状の界面接合部210の設計は、従来の平坦な界面接合部の設計と比較して、靭性において9%~119%の改善をもたらした。回転ノッチを備えた段差状の界面接合部210は、靭性において最大の改善をもたらした。これは、現在開示されている方法100を使用して作られた段差状の界面接合部210が、一方向において他の方向よりも強い機械的性能を有することを示している。
【0047】
図22の主な効果プロットは、界面接合部のタイプと衝撃の方向性(さまざまなノッチ変型から決定されるような)の両方が、接合部の機械的性能に重要な役割を果たしていることを示めす。図24に示すシャルピーサンプルの破面(または破断面:fracture surface)トポロジー画像は、ツアィス・スマート・ズーム5(Zeiss Smart Zoom 5)を使用して、3D焦点深度再構成法を使用して34倍の倍率、30μmのZ軸分解能で撮影された。
破面トポロジー顕微鏡画像は、各図の2つの白い矢印で示されているように、亀裂の伝播が接合部の境界面に沿って発生することを示めす。これは、各界面接合部の設計タイプの機械的性能の違いに寄与する要因である。
【0048】
上記の方法100を使用すると、突出部30と基板20は、基板20に作られた複数の段差22に突出部30を作製するための付加製造の使用から生じる冶金的結合を有して成る段差状の界面接合部210によって接合されるので、突出部30を基板20に接合するために締結具または接着剤は必要ない。本方法100はまた、現在のLMD法を使用して基板上に突出部を作製することから生じる従来の平坦な界面接合部に見られる不十分な結合の問題に対処する。平坦または溝付き基板上に構築する現在のLMD法とは異なり、本明細書に開示されている方法は、従来の平坦な界面接合部よりも機械的に強い接合部を提供する段差状の界面特徴を導入する。このように作製された段差状の界面接合部210は、上記の実験を通じて、従来の平坦な界面接合部およびV字型界面接合部よりも優れた靭性を有することが示されている。したがって、開示された方法100および結果として生じる段差状の段差状の接合部210は、従来の締結具および接着剤接合部の問題を回避し、また、従来の平坦な界面接合部よりも優れた接合部靭性を提供し、例えば、エアフォイルやエキゾーストマニホールド等の金属エンジン構造等の構築および修理への航空宇宙および自動車用途に特に適している。
【0049】
例示的な実施形態では、基板に複数の段差(120)を作る際の除去製造と、基板の複数の段差(130)上の突出部30を作製する際の付加製造を組み合わせることによって、現在開示されている方法100は、接合部界面に複雑な遷移形状を有する構造を、冶金的結合に結合された機械的に連結する界面で作製することを可能にする。これにより、独自の形状の構造を作製できるため、かつては作製にコストがかかりすぎた、またはまったく製造できなかった製品や部品の開発が可能になる。除去製造工程と付加製造工程は、ハイブリッド製造の単一のマシンに組み合わせ得る。上記ハイブリッド製造は、付加製造工程を従来の除去製造ラインに合理化および簡素化することを目的とした、付加製造分野内の新しい技術である。このようにして、製造ラインへの付加製造の組み込みが大幅に簡素化され、ハイブリッド製造を使用して、本出願に開示されるような段差状の界面の特徴を作ることができる。ここで、本発明において、除去製造は、付加製造を使用して目的の機能を突出部として構築する前に、最初に界面段差を作るために使用される。本発明の方法のハイブリッド製造の実施において、除去製造を使用して基板の表面に複数の段差を作るに先立って、付加製造が最初に基板を製造するために使用され得て、続いて複数の段差に付加製造によって突出部を作製する。このようにして、本発明の方法は基板と突出部との間に段差状の界面を作り出すので、付加製造のみによって完全に作製される構造の突出部と基板との間の単層接合における固有の弱点が回避される。これにより、接合面積が増加し、それに応じて基板と突出部の間の接合および接合強度が増加する。
【0050】
前述の説明には、本発明の例示的な実施形態が記載されているが、設計、構造および/または動作の詳細における多くの変型および組み合わせが、本発明から逸脱することなく行われ得ることが、関係する技術の当業者によって理解されるであろう。例えば、本開示の方法および作製された界面構造体の様々な実施形態で使用および/または作成され得る基板および突起の形状および寸法は、添付の図を参照して上記のものに限定されない。
(態様1)
基板および該基板に突出部を有して成る界面構造体を作製する方法であって、該方法は、
工程a)前記基板を供すること、
工程b)前記基板の表面に複数の段差を作ること、および
工程c)前記複数の段差上への付加製造によって、前記基板に前記突出部を作製し、それにより前記基板と前記突出部との間に段差状の界面接合部を作ること、を含む方法。
(態様2)
工程b)は、前記基板の前記表面に凹部としての前記複数の段差を作ることを含む、態様1に記載の方法。
(態様3)
工程b)は、前記凹部を完全に囲むように前記複数の段差を作ることを含む、態様2に記載の方法。
(態様4)
工程b)は、前記基板の前記表面に凸部としての前記複数の段差を作ることを含む、態様1に記載の方法。
(態様5)
工程b)は、前記突出部を完全に囲むように前記複数の段差を作ることを含む、態様4に記載の方法。
(態様6)
工程b)は、除去製造により前記複数の段差を作ることを含む、態様1~5のいずれか一項に記載の方法。
(態様7)
工程b)において、前記複数の段差を金属機械加工によって作り、工程c)において、前記突出部をレーザー金属蒸着によって作る、態様6に記載の方法。
(態様8)
工程a)は、付加製造によって前記基板を作製することを含む、態様1~7のいずれか一項に記載の方法。
(態様9)
工程b)は、前記基板の付加製造作製の間に前記複数の段差を作ることを含む、態様1~5のいずれか一項に従属する態様8に記載の方法。
(態様10)
前記段差状の界面接合部は冶金的結合を含む、態様1~9のいずれか一項に記載の方法。
(態様11)
前記基板の前記表面が上を向いている際に、前記複数の段差のそれぞれは横向き面および上向き面を含み、
工程a)は、各横向き面を垂直からの角度がθになるように作り、および各上向き面を水平からの角度がαになるように作ることを含み、
θおよびαのそれぞれは0°~80°の範囲である、態様1~10のいずれか一項に記載の方法。
(態様12)
工程a)は、少なくとも1つの上向き面と1つの横向き面との間にフィレットを作ることを含む、態様11に記載の方法。
(態様13)
工程a)は、少なくとも1つの横向き面と1つの上向き面との間に面取りを作ることを含む、態様11または12に記載の方法。
(態様14)
工程b)は、前記複数の段差の上に前記突出部の薄壁固体物を作製することを含む、態様1~13のいずれか一項に記載の方法。
(態様15)
工程b)は、前記複数の段差の上に前記突出部の非中空部を作製することを含む、態様1~14のいずれか一項に記載の方法。
(態様16)
基板、突出部、および段差状の界面接合部を有して成る作製された界面構造体であって、
前記基板は、該基板の表面に作られた複数の段差を有し、
前記突出部は、前記複数の段差の上に付加製造によって作製され、および
前記段差状の界面接合部は、前記基板と前記突出部との間にある、作製された界面構造体。
(態様17)
前記複数の段差が前記基板の前記表面に凹部として作られる、態様16に記載の作製された界面構造体。
(態様18)
前記複数の段差は前記凹部を完全に囲む、態様17に記載の作製された界面構造体。
(態様19)
前記複数の段差が前記基板の前記表面に凸部として作られる、態様16に記載の作製された界面構造体。
(態様20)
前記複数の段差は前記凸部を完全に囲む、態様19に記載の作製された界面構造体。
(態様21)
前記段差状の界面接合部は冶金的結合を有して成る、態様16~20のいずれか一項に記載の作製された界面構造体。
(態様22)
前記複数の段差のそれぞれは、前記基板の前記表面が上を向いている際に、横向き面および上向き面を有して成り、
各横向き面は、垂直からの角度がθであり、
各上向き面は、水平からの角度がαであり、
θおよびαのそれぞれは、0°~80°の範囲である、態様16~21のいずれ一項に記載の作製された界面構造体。
(態様23)
前記突出部は前記複数の段差の上に作製された薄壁固体物を有して成る、態様16~22のいずれか一項に記載の作製された界面構造体。
(態様24)
前記突出部は前記複数の段差の上に作製された非中空固体物を有して成る、態様16~22のいずれか一項に記載の作製された界面構造体。
図1
図2(a)】
図2(b)】
図3
図4(a)】
図4(b)】
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7(a)】
図7(b)】
図8(a)】
図8(b)】
図9(a)】
図9(b)】
図9(c)】
図9(d)】
図10
図11(a)】
図11(b)】
図11(c)】
図12(a)】
図12(b)】
図12(c)】
図13(a)】
図13(b)】
図13(c)】
図14(a)】
図14(b)】
図15(a)】
図15(b)】
図16(a)】
図16(b)】
図17
図18
図19(a)】
図19(b)】
図19(c)】
図19(d)】
図19(e)】
図19(f)】
図20
図21
図22
図23
図24
図25