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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】超分光イメージセンサ及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   G01J 3/36 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
G01J3/36
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022149916
(22)【出願日】2022-09-21
(65)【公開番号】P2023063236
(43)【公開日】2023-05-09
【審査請求日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0141769
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】510273927
【氏名又は名称】財団法人 中央大学校 産学協力団
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】金 彦 庭
(72)【発明者】
【氏名】韓 政 秀
(72)【発明者】
【氏名】孫 炯 彬
(72)【発明者】
【氏名】李 受 娟
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0242901(US,A1)
【文献】国際公開第2019/151394(WO,A1)
【文献】特表2019-502418(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0069111(US,A1)
【文献】牧野 義雄,AIと光センシング技術を利用した生鮮食品の非破壊品質評価,日本食品工学会誌,2021年09月,第22巻,第3号
【文献】鳥居 有沙ら,ハイパースペクトルデータを用いためっき加工状態の認識および加工面の定量的評価,日本機械学会論文集,2020年,第86巻,第892号,P.20-00232
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 3/00-G01J 4/04
G01J 7/00-G01J 9/04
G01N 21/00-G01N 21/01
G01N 21/17-G01N 21/61
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超分光イメージセンサにおいて、
対象体の一部領域である検査領域に光を照射する光照射器と、
前記光の照射に対応して互いに異なる複数のサブ検査領域を含む前記検査領域で発生した検出光の経路を調節する光経路調節要素と、
前記光経路調節要素から前記検出光を受信し、前記検査領域に含まれる前記複数のサブ検査領域それぞれに係わるスペクトル信号を生成する光検出器と、
前記スペクトル信号に基づき、前記検査領域に係わる超分光イメージを生成するプロセッサと、を含み、
前記光照射器は、
第1光源アレイ、第2光源アレイ及び透過窓を含み、
前記第1光源アレイ及び前記第2光源アレイは、前記透過窓を挟み、互いに離隔され、前記第1光源アレイ及び前記第2光源アレイそれぞれは、一方向に沿って配列される複数の光源を含み、前記複数の光源を通じて前記検査領域に複数の検査光を同時に照射し、
前記光経路調節要素は、
前記透過窓を介して複数の前記サブ検査領域を含む前記検査領域で生じた前記検出光を第1方向に受信して前記第1方向と垂直な第2方向に前記検出光を調節して前記光検出器に提供し、
前記光検出器は、
前記検出光を受信するレンズと、
前記検出光を受信し、前記複数のサブ検査領域それぞれに係わる、互いに異なる波長に対応した複数の波長別サブ分光信号を出力する分光フィルタであって、複数の前記波長別サブ分光信号を、複数のチャネルそれぞれを介し、スペクトル信号生成器に伝送する分光フィルタと、
前記分光フィルタから伝送された複数の前記波長別サブ分光信号に基づき、複数のピクセルの集合で構成された前記複数のサブ検査領域それぞれに係わるサブスペクトル信号を生成するスペクトル信号生成器と、を含み、
前記プロセッサは、
前記サブスペクトル信号に基づき、前記複数のサブ検査領域それぞれに係わるサブ超分光イメージを一度に生成し、
前記サブ超分光イメージを併合し、前記検査領域に係わる前記超分光イメージを生成する、超分光イメージセンサ。
【請求項2】
前記分光フィルタは、
前記複数のサブ検査領域それぞれにつき、少なくとも3個の波長別サブ分光信号を出力する、請求項1に記載の超分光イメージセンサ。
【請求項3】
前記光照射器は、
前記対象体から、既設定の距離以内に配される、請求項1に記載の超分光イメージセンサ。
【請求項4】
前記透過窓は、開口形態に形成される、請求項1に記載の超分光イメージセンサ。
【請求項5】
前記光照射器は、
以前検査領域と異なる現在検査領域に光を照射する、請求項1に記載の超分光イメージセンサ。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記以前検査領域で生成された以前超分光イメージと、前記現在検査領域で生成された現在超分光イメージとに基づき、前記対象体に係わる全体超分光イメージを生成する、請求項5に記載の超分光イメージセンサ。
【請求項7】
前記光照射器は、
以前検査領域と少なくとも一部が重畳される現在検査領域に光を照射する、請求項1に記載の超分光イメージセンサ。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記以前検査領域で生成された以前超分光イメージと、前記現在検査領域で生成された現在超分光イメージとにおいて、重畳領域に係わる重畳超分光イメージを削除することにより、前記対象体に係わる全体超分光イメージを生成する、請求項7に記載の超分光イメージセンサ。
【請求項9】
超分光イメージセンサの動作方法において、
第1光源アレイ、第2光源アレイ及び透過窓を含む光照射器を介して対象体の一部領域である検査領域に光を照射する段階と、光経路調節要素を介して前記光の照射に対応して互いに異なる複数のサブ検査領域を含む前記検査領域で生じた検出光の経路を調節する段階と、
光検出器を介して前記光の照射によって生じる前記検査領域における検出光を受信する段階と、
前記光検出器を介して前記検査領域に含まれる前記複数のサブ検査領域それぞれに係わるスペクトル信号を生成する段階と、
プロセッサを介して前記スペクトル信号に基づき、前記検査領域に係わる超分光イメージを生成する段階と、を含み、
前記光を照射する段階は、
複数の光源を介して前記検査領域に複数の検査光を同時に照射する段階を含むが、前記第1光源アレイ及び前記第2光源アレイは、前記透過窓を挟み、互いに離隔され、前記第1光源アレイ及び前記第2光源アレイそれぞれは、一方向に沿って配列される前記複数の光源を含み、
前記検出光の経路を調節する段階は、
前記透過窓を介して複数の前記サブ検査領域を含む前記検査領域で生じた前記検出光を第1方向に受信して前記第1方向と垂直な第2方向に前記検出光を調節して前記光検出器に提供する段階を含み、
前記スペクトル信号を生成する段階は、
前記複数のサブ検査領域それぞれに係わる、互いに異なる波長に対応した複数の波長別サブ分光信号を出力する段階と、複数の前記波長別サブ分光信号を、複数のチャネルそれぞれを介し、伝送する段階と、
前記伝送された複数の前記波長別サブ分光信号に基づき、複数のピクセルの集合で構成された前記複数のサブ検査領域それぞれに係わるサブスペクトル信号を生成する段階と、を含み、
前記超分光イメージを生成する段階は、
前記サブスペクトル信号に基づき、前記複数のサブ検査領域それぞれに係わるサブ超分光イメージを一度に生成する段階と、
前記サブ超分光イメージを併合し、前記検査領域に係わる前記超分光イメージを生成する段階と、を含む、方法。
【請求項10】
以前検査領域と異なる現在検査領域に光を照射する段階と、
前記以前検査領域で生成された以前超分光イメージと、前記現在検査領域で生成された現在超分光イメージとに基づき、前記対象体に係わる全体超分光イメージを生成する段階と、をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
以前検査領域と少なくとも一部が重畳される現在検査領域に光を照射する段階と、
前記以前検査領域で生成された以前超分光イメージと、前記現在検査領域で生成された現在超分光イメージとにおいて、重畳領域に係わる重畳超分光イメージを削除することにより、前記対象体に係わる全体超分光イメージを生成する段階と、を含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超分光イメージセンサ及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超分光映像(hyperspectral imaging)技術は、対象物に係わる映像に係わる連続した光スペクトルを同時に測定する技術である。該超分光映像技術は、既存のスポット(spot)分光に対比して、対象物の各部分の光スペクトルを短時間内に測定することができる。
【0003】
該超分光映像技術は、映像内の各画素がスペクトル情報を含んでいるので、イメージを撮影し、対象物の性質及び特性を測定するさまざまな応用が可能である。例えば、ドローン、及び人工衛星、航空機などで地上撮影を行い、農業現場状態分析、鉱物分布、地表面植生、汚染程度などを分析するのに、超分光映像技術が適用され、食品安全、皮膚/顔分析、生体組織分析のような多様な分野においても、応用が検討されている。
【0004】
そのような超分光映像技術において、伝統的には、点スキャン(point scan)方式またはラインスキャン(line scan)方式で、超分光映像を獲得している。しかしながら、点スキャン方式やラインスキャン方式を利用する場合、対象体の小さな領域でのみ信号を獲得するために、期待される信号ノイズ比(SNR:Signal to Noise Ratio)を得るためには、スキャン速度が遅くなってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、超分光イメージセンサ及びその動作方法を提供するところにある。本実施形態がなすべき技術的課題は、前述のような技術的課題に限定されるものではなく、以下の実施形態から他の術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様によれば、超分光イメージセンサは、対象体の一部領域である検査領域に光を照射する光照射器、前記光の照射によって生じる前記検査領域における検出光を受信し、前記検査領域に含まれる複数のサブ検査領域それぞれに係わるスペクトル信号を生成する光検出器、及び前記スペクトル信号に基づき、前記検査領域に係わる超分光イメージを生成するプロセッサを含む。
【0007】
また、前記光検出器は、前記検査領域で生じる前記検出光を受信するレンズ、前記検出光を受信し、前記複数のサブ検査領域それぞれに係わる波長別サブ分光信号を出力する分光フィルタ、及び前記サブ分光信号に基づき、前記複数のサブ検査領域それぞれに係わるサブスペクトル信号を生成するスペクトル信号生成器を含む。
【0008】
また、前記プロセッサは、前記サブスペクトル信号に基づき、前記複数のサブ検査領域それぞれに係わるサブ超分光イメージを生成し、前記サブ超分光イメージを併合し、前記検査領域に係わる前記超分光イメージを生成する。
【0009】
また、前記分光フィルタは、前記複数のサブ検査領域それぞれにつき、少なくとも3個の波長別サブ分光信号を出力する。
【0010】
また、前記分光フィルタは、前記サブ分光信号を複数のチャネルそれぞれを介し、前記スペクトル信号生成器に伝送する。
【0011】
また、前記光照射器は、前記対象体から、既設定の距離以内に配される。
【0012】
また、前記光照射器は、複数の光源を含む光源アレイを含み、前記光源アレイは、前記検査領域に複数の検査光を照射する。
【0013】
また、前記光源アレイは、前記複数の検査光を、前記検査領域に同時に照射する。
【0014】
また、前記光照射器は、前記検査領域で生じる前記検出光を受信する透過窓を含む。
【0015】
また、前記透過窓は、開口形態に形成される。
【0016】
また、前記光照射器は、以前検査領域と異なる現在検査領域に光を照射する。
【0017】
また、前記プロセッサは、前記以前検査領域で生成された以前超分光イメージと、前記現在検査領域で生成された現在超分光イメージとに基づき、前記対象体に係わる全体超分光イメージを生成する。
【0018】
また、前記光照射器は、以前検査領域と少なくとも一部が重畳される現在検査領域に光を照射する。
【0019】
また、前記プロセッサは、前記以前検査領域で生成された以前超分光イメージと、前記現在検査領域で生成された現在超分光イメージとにおいて、重畳領域に係わる重畳超分光イメージを削除することにより、前記対象体に係わる全体超分光イメージを生成する。
【0020】
他の態様によれば、超分光イメージセンサの動作方法は、対象体の一部領域である検査領域に光を照射する段階、前記光の照射によって生じる前記検査領域における検出光を受信する段階、前記検査領域に含まれる複数のサブ検査領域それぞれに係わるスペクトル信号を生成する段階、及び前記スペクトル信号に基づき、前記検査領域に係わる超分光イメージを生成する段階を含む。
【0021】
また、前記光を照射する段階は、前記検査領域に複数の検査光を同時に照射する。
【0022】
また、前記スペクトル信号を生成する段階は、前記複数のサブ検査領域それぞれに係わる波長別サブ分光信号を出力する段階、及び前記サブ分光信号に基づき、前記複数のサブ検査領域それぞれに係わるサブスペクトル信号を生成する段階を含む。
【0023】
また、前記超分光イメージを生成する段階は、前記サブスペクトル信号に基づき、前記複数のサブ検査領域それぞれに係わるサブ超分光イメージを生成する段階、及び前記サブ超分光イメージを併合し、前記検査領域に係わる前記超分光イメージを生成する段階を含む。
【0024】
また、該超分光イメージ生成方法は、以前検査領域と異なる現在検査領域に光を照射する段階、及び前記以前検査領域で生成された以前超分光イメージと、前記現在検査領域で生成された現在超分光イメージとに基づき、前記対象体に係わる全体超分光イメージを生成する段階をさらに含む。
【0025】
また、該超分光イメージ生成方法は、以前検査領域と少なくとも一部が重畳される現在検査領域に光を照射する段階、及び前記以前検査領域で生成された以前超分光イメージと、前記現在検査領域で生成された現在超分光イメージとにおいて、重畳領域に係わる重畳超分光イメージを削除することにより、前記対象体に係わる全体超分光イメージを生成する段階を含む。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】一実施形態による超分光イメージセンサのブロック図である。
図2】一実施形態による超分光イメージセンサの概念図である。
図3】一実施形態による光照射器の概念図である。
図4】他の実施形態による光照射器の概念図である。
図5】一実施形態による光検出器の概念図である。
図6】他の実施形態による光検出器の概念図である。
図7】一実施形態による、超分光イメージの生成方法について説明するための参照図である。
図8】一実施形態による、超分光イメージの生成方法について説明するための参照図である。
図9図7ないし図8の説明に参照される図である。
図10】一実施形態による、超分光イメージの生成方法について説明するためのフローチャートである。
図11】一実施形態による、全体超分光イメージの生成方法について説明するための参照図である。
図12】一実施形態による、全体超分光イメージの生成方法について説明するための参照図である。
図13】一実施形態による、全体超分光イメージの生成方法について説明するためのフローチャートである。
図14】他の実施形態による、全体超分光イメージの生成方法について説明するためのフローチャートである。
図15】衣類管理装置に配される超分光イメージセンサについて説明するための参照図である。
図16】衣類管理装置に配される超分光イメージセンサについて説明するための参照図である。
図17】室外機に配される超分光イメージセンサについて説明するための参照図である。
図18】室外機に配される超分光イメージセンサについて説明するための参照図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書において、多様なところに登場する「一部実施形態において」または「一実施形態において」のような語句は、必ずしもいずれも同一実施形態を示すものではない。
【0028】
本開始の一部実施形態は、機能的なブロック構成、及び多様な処理段階によっても示される。そのような機能ブロックの一部または全部は、特定機能を実行する多様な個数のハードウェア構成及び/またはソフトウェア構成によっても具現される。例えば、本開示の機能ブロックは、1以上のマイクロプロセッサによって具現されるか、あるいは所定の機能のための回路構成によっても具現される。また、例えば、本開示の機能ブロックは、多様なプログラミング言語またはスクリプティング言語によっても具現される。該機能ブロックは、1以上のプロセッサで実行されるアルゴリズムによっても具現される。また、本開示は、電子的な環境設定、信号処理及び/またはデータ処理などのために、従来技術を採用することができる。「メカニズム」、「要素」、「手段」及び「構成」のような用語は、汎用され、機械的であって物理的な構成として限定されるものではない。
【0029】
また、図面に図示された構成要素間の連結線または連結部材は、機能的な連結、及び/あるいは物理的または回路的な連結を例示的に示したものであるのみである。実際の装置においては、代替可能であったり、追加されたりする多様な機能的連結、物理的連結または回路連結により、構成要素間の連結が示されうる。
【0030】
図1は、一実施形態による超分光イメージセンサのブロック図である。
【0031】
図1を参照すれば、超分光イメージセンサ10は、光照射器100、光検出器200及びプロセッサ300を含むものでもある。
【0032】
光照射器100は、対象体OBJ(図2)に光を照射することができる。光照射器100は、対象体OBJの一部領域である検査領域に、光を照射することができる。光照射器100は、対象体OBJの検査領域を変更しながら、光を照射することができる。
【0033】
光照射器100は、対象体OBJに隣接するようにも配される。光照射器100は、対象体OBJから、既設定の距離以内にも配される。例えば、光照射器100と対象体OBJとの離隔距離は、10cm以内にも設定されるが、それに制限されるものではない。後述するように、プロセッサ300が、ラインスキャン方式または点スキャン方式ではない領域スキャン方式により、対象体OBJの超分光イメージを生成するので、光照射器100は、対象体OBJに隣接するようにも配される。
【0034】
光照射器100が放出する光の波長は、対象体OBJの種類によって異なっても設定される。例えば、対象体OBJが肉類(meat)である場合、光照射器100は、335nmないし370nmの波長を有する光を放出することができる。そのために、光照射器100は、LED(light emitting diode)を含むものでもある。
【0035】
光検出器200は、対象体OBJから生じる検出光を受信することができる。一実施形態において、該検出光は、光照射器100が放出した光が、対象体OBJによって反射され、反射された光が光検出器200に受信されるとき、光検出器200が受信した光を意味しうる。他の実施形態において、該検出光は、光照射器100が放出した光が対象体OBJによって散乱され、散乱された光が、光検出器200に受信されるとき、光検出器200が受信した光を意味しうる。さらに他の実施形態において、該検出光は、光照射器100が放出した光を対象体OBJが吸収し、光の吸収により、対象体OBJから放出される蛍光(fluorescence)をも意味しうる。さらに他の実施形態において、該検出光は、ラマン分光をも意味しうる。ただし、本開示の検出光は、それらに制限されるものではなく、光照射の結果として、光検出器200が検出した光をいずれも意味しうる。
【0036】
光検出器200は、検出光に基づき、スペクトル信号を生成することができる。光検出器200は、検出光を分光し、スペクトル信号を生成することができる。
【0037】
光検出器200は、検査領域で生じる検出光を受信し、検査領域に含まれる複数のサブ検査領域それぞれに係わるスペクトル信号を生成することができる。
【0038】
プロセッサ300は、光検出器200から、スペクトル信号を受信することができる。プロセッサ300は、スペクトル信号に基づき、対象体OBJの超分光イメージを生成しうる。該超分光イメージは、対象体OBJの位置別スペクトル分布の組み合わせを意味しうる。
【0039】
図2は、一実施形態による超分光イメージセンサの概念図であり、図3は、一実施形態による光照射器の概念図であり、図4は、他の実施形態による光照射器の概念図であり、図5は、一実施形態による光検出器の概念図であり、図6は、他の実施形態による光検出器の概念図である。
【0040】
図2において、対象体OBJは、支持台SP上にも置かれる。対象体OBJは、衣類、熱交換気、肉類のよう、超分光イメージが必要な全てのものを意味しうる。
【0041】
光照射器100は、対象体OBJと対向するようにも配される。光照射器100は、対象体OBJに光を照射することができる。このとき、光照射器100が照射する光を、検査光ILa,ILb(以下において、区分の必要がない場合、ILとする)と称しうる。
【0042】
図3ないし図4において、光照射器100は、複数の光源を含む光源アレイ110a,110b(以下、区別の必要がない場合、これらを総称して110とする)を含むものでもある。光源アレイ110は、対象体OBJの一部領域である検査領域に、複数の光を照射することができる。
【0043】
光源アレイ110は、第1光源アレイ110a、第2光源アレイ110b及び透過窓120を含むものでもある。第1光源アレイ110aと第2光源アレイ110bは、透過窓120を挟み、互いに離隔されてもいる。第1光源アレイ110a及び第2光源アレイ110bのそれぞれは、一方向に沿って配列される複数の光源を含むものでもある。例えば、該光源は、LEDでもある。
【0044】
複数の光源は、透過窓120に沿っても配列されることができる。図3において、第1光源アレイ110a及び第2光源アレイ110bに含まれたそれぞれの光源は、2列に形成されるように図示されているが、それに制限されるものではない。
【0045】
透過窓120は、光の照射により、前記対象体OBJで生じる検出光OLを受信することができる。
【0046】
透過窓120は、図3のように、透明な材質を含むものでもある。例えば、透過窓120は、透明プラスチックまたはガラスでもある。透過窓120は、低温に対する耐久性が高い材質を含むものでもある。検出光OLは、透過窓120を通過し、光検出器200にも提供される。
【0047】
一実施形態により、透過窓120は、図4のように、開口形態としても形成される。検出光OLは、該開口を介し、光検出器200にも提供される。
【0048】
再び図2において、検出光OLは、光経路調節要素20により、光検出器200にも提供される。一実施形態により、光検出器200は、超分光カメラを含むものでもある。
【0049】
図5ないし図6において、光検出器200は、レンズ220、分光フィルタ230、スペクトル信号生成器250を含むものでもある。一実施形態により、光検出器200は、スリット要素210及び集光レンズ240をさらに含むものでもある。
【0050】
スリット要素210は、検出光OLから、検査に必要な部分を抽出するためにも使用される。検出光OLは、スリット要素210によっても発散される。
【0051】
レンズ220は、スリット要素210を通過した検出光OLを受信することができる。レンズ220は、検出光OLが平行光または収斂光になるように調節することができる。例えば、レンズ220は、コリメーティングレンズ(collimating lens)でもある。該コリメーティングレンズは、凸型レンズを含むものでもある。
【0052】
分光フィルタ230は、レンズ220から提供される検出光OLを分光させることができる。分光フィルタ230は、図5のように、機械的にも形成され、図6のように、電気的にも形成される。例えば、図5において、分光フィルタ230は、プリズムでもある。
【0053】
分光フィルタ230は、互いに異なる波長帯域の光をそれぞれ通過させることができる。分光フィルタ230は、レンズ220から提供される検出光OLが、空間的に互いに異なる波長を有するように、フィルタリングすることができる。言い換えれば、分光フィルタ230の互いに異なる領域を通過した検出光OLの部分は、互いに異なる波長を有することができる。分光フィルタ230によって分光された検出光OLは、集光レンズ240を経て、スペクトル信号生成器250にも提供される。例えば、集光レンズ240は、凸型レンズを含むものでもある。
【0054】
スペクトル信号生成器250は、検出光OLに係わるスペクトル信号を生成しうる。スペクトル信号生成器250は、スペクトル信号をプロセッサ300に提供することができる。
【0055】
プロセッサ300は、スペクトル信号に基づき、対象体OBJの超分光イメージを生成しうる。対象体OBJの超分光イメージは、対象体OBJの位置別スペクトル分布情報を併合しても生成される。言い換えれば、対象体OBJの超分光イメージは、対象体OBJの位置別スペクトル分布の集合でもある。例えば、プロセッサ300は、それぞれのサブ超分光イメージからオフセットを除去し、該オフセットが除去されたサブ超分光イメージを合算(summation)することにより、対象体OBJに係わる超分光イメージを生成しうる。ただし、本開示の超分光イメージの生成方法は、それに制限されるものではなく、公知された超分光イメージ生成方法も使用されうる。
【0056】
図7ないし図8は、一実施形態による、超分光イメージの生成方法について説明するための参照図面である。
【0057】
図7ないし図8を参照すれば、光照射器100は、対象体OBJの一部領域である検査領域R1に光ILa,ILbを照射することができる。図7ないし図8の検査領域R1を、図11ないし図12の検査領域R2と区別するために、図7ないし図8の検査領域R1を、第1検査領域R1と命名し、図11ないし図12の検査領域R2を、第2検査領域R2と命名することができる。または、図7ないし図8の検査領域R1を、以前検査領域R1と命名し、図11ないし図12の検査領域R2を、現在検査領域R2と命名することができる。
【0058】
検査領域R1は、複数のサブ検査領域R1a,R1b,R1c(以下、区別の必要がない場合、これらを総称してR1aとする)を含むものでもある。
【0059】
図7において、光照射器100は、複数の光源を含み、複数の検査光ILa,ILbを、検査領域R1に同時に照射することができる。従って、複数のサブ検査領域R1aそれぞれには、光が同時に逹しうる。
【0060】
図8において、光検出器200は、光の照射により、対象体OBJで生じる検出光OLを受信することができる。例えば、検出光OLは、反射光、散乱光、蛍光、ラマン分光などを意味しうる。ただし、本開示の検出光OLは、それに制限されるものではなく、光照射の結果として、光検出器200が検出した光をいずれも意味しうる。
【0061】
検出光OLは、透過窓120を通過し、超分光イメージセンサ10にさらに提供されうる。光調節要素20は、検出光OLの経路を調節し、検出光OLを光検出器200に提供することができる。
【0062】
光検出器200は、分光フィルタ230及びスペクトル信号生成器250を含むものでもある。分光フィルタ230は、検出光OLを受信することができる。光検出器200は、複数のサブ検査領域R1aそれぞれに係わる波長別サブ分光信号を出力することができる。分光フィルタ230は、少なくとも3個の、互いに異なる波長に対応した波長別サブ分光信号を出力することができる。例えば、分光フィルタ230は、赤色(red)、緑色(green)及び青色(blue)のサブ分光信号を出力するできる。言い換えれば、複数のサブ分光信号は、単一サブ検査領域R1aに対応することができ、単一サブ検査領域R1aに対応する複数のサブ分光信号それぞれは、単一サブ検査領域R1aに対応する他の複数のサブ分光信号それぞれと互いに異なる波長を有しうる。
【0063】
分光フィルタ230は、サブ分光信号を、複数のチャネルそれぞれを介し、スペクトル信号生成器250に伝送することができる。例えば、分光フィルタ230が、赤色、緑色及び青色の波長を分光する場合、分光フィルタ230は、3チャネルを介し、サブ分光信号を、スペクトル信号生成器250に伝送することができる。
【0064】
スペクトル信号生成器250は、サブ分光信号に基づき、複数のサブ検査領域R1aそれぞれに係わるサブスペクトル信号を生成しうる。
【0065】
スペクトル信号生成器250は、複数のピクセル集合を含むものでもある。一実施形態において、複数のピクセル集合は、検査領域R1内の互いに異なる複数のサブ検査領域R1aに対応しうる。複数のピクセル集合それぞれは、複数の波長帯域それぞれに対応する複数のサブピクセル集合を含むものでもある。例えば、第1サブピクセル集合は、第1波長帯域の光を測定し、第2サブピクセル集合は、第1波長帯域と異なる第2波長帯域の光を測定し、第3サブピクセル集合は、第1波長帯域及び第2波長帯域と異なる第3波長帯域の光を測定することができる。それにより、スペクトル信号生成器250は、サブ検査領域R1aそれぞれに係わるサブスペクトル信号を生成しうる。
【0066】
スペクトル信号生成器250は、サブスペクトル信号を、プロセッサ300に提供することができる。
【0067】
プロセッサ300は、サブスペクトル信号に基づき、複数のサブ検査領域R1aそれぞれに係わるサブ超分光イメージを生成しうる。該サブ超分光イメージは、検出光のスペクトル分布情報を含むものでもある。
【0068】
プロセッサ300は、サブ超分光イメージを併合し、検査領域R1に係わる超分光イメージを生成しうる。
【0069】
図9は、図7ないし図8の説明に参照される図面である。
【0070】
図9を参照すれば、検査領域R1は、第1サブ検査領域R1a、第2サブ検査領域R1b及び第3サブ検査領域R1cを含むものでもある。
【0071】
光検出器200は、レンズ220、分光フィルタ230及びスペクトル信号生成器250を含むものでもある。光検出器200は、対象体OBJの検査領域R1で生じた検出光OLを同時に受信することができる。
【0072】
光検出器200は、既設定の波長帯域個数に基づき、検出光OLを分光することができる。図9は、検出光OLを3個の波長帯域に分光する場合について説明するが、一実施形態により、波長帯域の個数は、増減されうる。
【0073】
光検出器200は、複数のサブ検査領域R1a,R1b,R1cそれぞれで生じた検出光を、3個の波長帯域に分光することができる。光検出器200は、第1サブ検査領域R1aで生じた検出光を、3個の波長帯域に分光し、第1サブ分光信号を出力することができる。光検出器200は、第2サブ検査領域R1bで生じた検出光を3個の波長帯域に分光し、第2サブ分光信号を出力することができる。光検出器200は、第3サブ検査領域R1cで生じた検出光を3個の波長帯域に分光し、第3サブ分光信号を出力することができる。
【0074】
光検出器200は、サブ分光信号に基づき、複数のサブ検査領域R1a,R1b,R1cに係わるサブスペクトル信号を生成しうる。光検出器200は、第1サブ分光信号に基づき、第1サブスペクトル信号を生成しうる。光検出器200は、第2サブ分光信号に基づき、第2サブスペクトル信号を生成しうる。光検出器200は、第3サブ分光信号に基づき、第3サブスペクトル信号を生成しうる。光検出器200は、サブスペクトル信号を、プロセッサ300に提供することができる。
【0075】
プロセッサ300は、サブスペクトル信号に基づき、複数のサブ検査領域それぞれに係わるサブ超分光イメージを生成しうる。プロセッサ300は、第1サブスペクトル信号に基づき、第1サブ検査領域R1aに係わる第1サブ超分光イメージI1aを生成しうる。プロセッサ300は、第2サブスペクトル信号に基づき、第2サブ検査領域R1bに係わる第2サブ超分光イメージI1bを生成しうる。プロセッサ300は、第3サブスペクトル信号に基づき、第3サブ検査領域R1cに係わる第3サブ超分光イメージI1cを生成しうる。
【0076】
プロセッサ300は、第1超分光イメージI1a、第2超分光イメージI1b及び第3超分光イメージI1cを併合し、検査領域R1に係わる超分光イメージを生成しうる。
【0077】
本開示の超分光イメージセンサ10は、超分光イメージを併合するとき、同一波長を通過させるチャネル数が多いために、対象体OBJの同一位置がn倍測定され、信号(S)がn倍増大する。また、ノイズ(N)の場合、n個の超分光イメージ間に相関関係がないので、二乗平均平方根(root mean square)公式によって合算され、ノイズ(N)は、(n)1/2に比例することになる。従って、同一の併合時間とスキャンステップ(scan step)との条件において、信号ノイズ比(SNR)が(n)1/2で増大する。
【0078】
図10は、一実施形態による、超分光イメージの生成方法について説明するためのフローチャートである。
【0079】
図10を参照すれば、S1010段階において、光照射器100は、対象体OBJの一部領域である検査領域R1に光を照射することができる。
【0080】
光照射器100は、複数の光源を含む光源アレイを含み、該光源アレイは、検査領域R1に、複数の検査光を同時に照射することができる。
【0081】
S1020段階において、光検出器200は、光の照射によって生じる検査領域R1における検出光を受信することができる。
【0082】
光検出器200は、対象体OBJの検査領域R1で生じた検出光OLを、同時に受信することができる。
【0083】
S1030段階において、光検出器200は、検査領域R1に含まれる複数のサブ検査領域R1aそれぞれに係わるスペクトル信号を生成しうる。
【0084】
光検出器200は、複数のサブ検査領域R1aそれぞれに係わる波長別サブ分光信号を出力することができる。例えば、波長帯域は、3個に設定され、光検出器200は、赤色、緑色、青色の波長帯域に対応するサブ分光信号を出力することができる。光検出器200は、サブ分光信号に基づき、複数のサブ検査領域R1aそれぞれに係わるサブスペクトル信号を生成しうる。
【0085】
S1040段階において、プロセッサ300は、スペクトル信号に基づき、検査領域R1に係わる超分光イメージを生成しうる。
【0086】
プロセッサ300は、サブスペクトル信号に基づき、複数のサブ検査領域R1aそれぞれに係わるサブ超分光イメージを生成しうる。プロセッサ300は、サブ超分光イメージを併合し、検査領域R1に係わる超分光イメージを生成しうる。
【0087】
本開示の超分光イメージセンサ10は、対象体OBJの面積に係わる超分光イメージを一度に生成するので、ラインスキャン方式または点スキャン方式に比べ、高速のスキャンが可能である。また、本開示の超分光イメージセンサ10は、スペクトル信号生成器250のピクセル使用面積を拡張させ、超分光イメージの併合時間を短縮させることにより、スキャンステップ及び解像度は、維持しながら、高速で対象体OBJをスキャンすることもできる。また、本開示の超分光イメージセンサ10は、スキャンステップ及び解像度を低減させ、超高速の対象体OBJスキャンも可能である。
【0088】
図11ないし図12は、一実施形態による、全体超分光イメージの生成方法について説明するための参照図面である。
【0089】
図11ないし図12を参照すれば、光照射器100は、第1検査領域R1と対向する位置から、第2検査領域R2と対向する位置にも移動される。第1検査領域R1を、以前検査領域R1と命名し、第2検査領域R2を、現在検査領域R2と命名することもできる。第2検査領域R2は、第1検査領域R1と異なる領域でもある。一実施形態により、第2検査領域R2は、第1検査領域R1と、少なくとも一部が重畳されうる。
【0090】
なお、図11ないし図12においては、超分光イメージセンサ10全体が移動される場合を図示するが、超分光イメージセンサ10は、光照射器100の位置及び角度のうち少なくともいずれか一つを調整する調整器具をさらに含み、該調整器具の制御により、光照射器100が移動されうる。
【0091】
第2検査領域R2は、複数のサブ検査領域R2a,R2b,R2c(以下、区別の必要がない場合、これらを総称してR2aとする)を含むものでもある。
【0092】
図11において、光照射器100は、第2検査領域R2と対向する位置において、対象体OBJに向け、検査光ILa,ILbを照射することができる。光照射器100は、複数の光源を含み、複数の検査光ILa,ILbを、第2検査領域R2に同時に照射することができる。従って、複数のサブ検査領域R2aそれぞれには、光が同時に逹しうる。
【0093】
図12において、光検出器200は、光の照射により、対象体OBJで生じる検出光OLを受信することができる。光検出器200は、検出光OLに基づき、複数のサブ検査領域R2aそれぞれに係わる波長別サブ分光信号を出力することができる。光検出器200は、サブ分光信号に基づき、複数のサブ検査領域R2aそれぞれに係わるサブスペクトル信号を生成しうる。図12におけるサブスペクトル信号生成方法は、図7ないし図8におけるサブスペクトル信号生成方法と実質的に同一でもある。
【0094】
プロセッサ300は、サブスペクトル信号に基づき、複数のサブ検査領域R2aそれぞれに係わるサブ超分光イメージを生成しうる。プロセッサ300は、サブ超分光イメージを併合し、第2検査領域R2に係わる超分光イメージを生成しうる。第1検査領域R1で生成された超分光イメージを、第1超分光イメージと命名し、第2検査領域R2で生成された超分光イメージを、第2超分光イメージと命名することができる。
【0095】
プロセッサ300は、第1超分光イメージと第2超分光イメージとを併合し、対象体(OBJ)に対する全体超分光イメージを生成しうる。
【0096】
図13は、一実施形態による、全体超分光イメージの生成方法について説明するためのフローチャートである。
【0097】
図13を参照すれば、S1310段階において、光照射器100は、以前検査領域R1と異なる現在検査領域R2に光を照射することができる。以前検査領域R1と現在検査領域R2は、重畳しなくてもよい。
【0098】
S1320段階において、光照射器100は、以前検査領域R1で生成された以前超分光イメージと、現在検査領域R2で生成された現在超分光イメージとに基づき、対象体に係わる全体超分光イメージを生成しうる。
【0099】
以前検査領域R1と現在検査領域R2とが重畳されない場合、対象体OBJの高速スキャン及び超分光イメージの高速併合が可能である。
【0100】
図14は、他の実施形態による、全体超分光イメージの生成方法について説明するためのフローチャートである。
【0101】
図14を参照すれば、S1410段階において、光照射器100は、以前検査領域R1と少なくとも一部が重畳される現在検査領域R2に光を照射することができる。
【0102】
S1420段階において、プロセッサ300は、以前検査領域R1で生成された以前超分光イメージと、現在検査領域R2で生成された現在超分光イメージとにおける重畳領域に係わる重畳超分光イメージを削除することにより、対象体OBJに対する全体超分光イメージを生成しうる。
【0103】
一実施形態で、プロセッサ300は、以前超分光イメージと現在超分光イメージとの併合時、以前分光イメージと現在超分光イメージとのうちいずれか一つにおいて、該重畳領域に係わる超分光イメージを削除することができる。それにより、全体超分光イメージに、重畳領域に係わる超分光イメージが重複して反映されることが防止されうる。
【0104】
図15ないし図16は、衣類管理装置に配される超分光イメージセンサについて説明するための参照図面である。
【0105】
図15ないし図16を参照すれば、超分光イメージセンサ10は、衣類管理装置1500にも配される。
【0106】
衣類管理装置1500は、スチームのようなエアを噴射する方式を介し、内部に収容された衣類のにおい、ほこりまたはしわを除去する電子装置によっても具現される。
【0107】
衣類管理装置1500は、内部に、衣類管理室1520を形成することができる。本体の前面には、開口が形成され、該開口には回転自在に結合され、本体を開閉することができるドア1510が設けられうる。ドア1510は、衣類管理室1520を開閉するようにも設けられる。ドア1510は、ヒンジのような連結部材を介しても本体に設けられる。
【0108】
衣類管理室1520は、衣類が収容される空間を形成することができる。衣類管理室1520は、衣類が収容されて支持されうるように、衣類支持部材が設けられうる。
【0109】
超分光イメージセンサ10は、ドア1510の内部面、及び衣類管理室1520の内部面のうち少なくともいずれか一つにも配される。超分光イメージセンサ10は、ドア1510が閉められる場合、衣類に隣接するようにも配される。超分光イメージセンサ10は、ドア1510の開閉と関係なく、衣類が収容される場合、衣類に隣接するようにも配される。
【0110】
本開示の超分光イメージセンサ10は、視野(FOV:Field Of View)が十分に確保されていない位置においても、衣類を正確にセンシングすることができる。
【0111】
ドア1510が閉じられ、ユーザ入力が受信される場合、超分光イメージセンサ10は、衣類をスキャンすることができる。
【0112】
衣類管理装置1500は、既設定の条件でもって、衣類の材質を分析することができる。例えば、該既設定の条件は、スキャン長(scanning length)でもある。衣類管理装置1500は、衣類材質により、動作モードを選択することができる。該動作モードにより、スチームの強度、加熱程度、除湿程度、衣類支持台の出力などが可変されうる。
【0113】
図17ないし図18は、室外機に配される超分光イメージセンサについて説明するための参照図面である。
【0114】
図17ないし図18を参照すれば、超分光イメージセンサ10は、室外機1700にも配される。
【0115】
室外機1700は、室外空気と熱交換するための熱交換器1710を含むものでもある。室外機1700は、室外に配されるので、湿気により、汚染源が熱交換器1710に容易に載置されうる。例えば、該汚染源は、菌類を意味しうるが、それに制限されるものではない。超分光イメージセンサ10は、熱交換器1710に隣接するように配され、汚染源をセンシングすることができる。本開示の超分光イメージセンサ10は、視野(FOV)が十分に確保されていない位置においても、汚染源を正確にセンシングすることができる。
【0116】
ユーザ入力が受信され、既設定のスキャニング周期に逹した場合、室外機1700は、熱交換器1710に付着した汚染源をスキャンすることができる。
【0117】
室外機1700は、既設定の条件でもって、熱交換器1710に付着した汚染源をスキャンすることができる。例えば、該既設定の条件は、スキャン長でもある。室外機1700は、汚染源が存在すると判断した場合、汚染源の存在を、室内機のディスプレイに表示することができる。
【0118】
室外機1700は、該汚染源の量により、室外機1700の掃除時間を決定し、掃除時間に基づき、該汚染源を除去することができる。例えば、室外機1700は、送風ファンを駆動させ、該汚染源を除去することができる。
【0119】
なお、前述の実施形態は、コンピュータで実行されうるプログラムでもって作成可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を利用し、前述のプログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータによっても具現される。また、前述の実施形態で使用されたデータ構造は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に、さまざまな手段を介しても記録される。前述のコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(read-only memory)、フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光学的判読媒体(例えば、CD-ROM(compact disc read-only memory)、DVD(digital versatile disc)など)のような記録媒体を含む。
【0120】
本実施形態と係わる技術分野において当業者であるならば、前述の記載の本質的な特性から外れない範囲において実施形態が変形された形態にも具現されるということを理解することができるであろう。従って、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されなければならないのである。権利範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異は、本実施形態に含まれたものであると解釈されなければならないのである。
【符号の説明】
【0121】
10 超分光イメージセンサ
20 光経路調節要素
100 光照射器
110a 第1光源アレイ
110b 第2光源アレイ
120 透過窓
200 光検出器
300 プロセッサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18