(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】自動車のヘッドライトレベリング装置
(51)【国際特許分類】
F21S 41/675 20180101AFI20240716BHJP
B60Q 1/11 20060101ALI20240716BHJP
B60Q 1/115 20060101ALI20240716BHJP
F21W 102/13 20180101ALN20240716BHJP
【FI】
F21S41/675
B60Q1/11
B60Q1/115
F21W102:13
(21)【出願番号】P 2023196890
(22)【出願日】2023-11-20
【審査請求日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】202311109310.2
(32)【優先日】2023-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523438821
【氏名又は名称】寧波精華電子科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NINGBO JINGHUA ELECTRONICS TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 136, Chunyuan Road, Zhonghe Street, Yinzhou District, Ningbo City, Zhejiang Province 315000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】王 益明
(72)【発明者】
【氏名】張 清龍
(72)【発明者】
【氏名】徐 金堯
(72)【発明者】
【氏名】呉 海松
(72)【発明者】
【氏名】肖 輝
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-72808(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102673465(CN,A)
【文献】国際公開第2021/053183(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/115319(WO,A1)
【文献】特開2015-99690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/60
B60Q 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(5)を備え、前記筐体(5)の一側に取付溝が設けられ、前記取付溝内にモータ組立体(2)が設けられ、前記取付溝の開放端に蓋板(1)が設けられ、前記筐体(5)の他側には前記取付溝に連通する取付穴(1d)が設けられ、前記取付穴(1d)内にスプロケット(6)が回転可能に設けられ、スプロケット(6)の歯車部は前記取付溝内に位置し、前記取付溝内に複合歯車(4)も設けられ、前記複合歯車(4)の第1歯車は前記モータ組立体(2)と伝動可能に協働し、前記複合歯車(4)の第2歯車は前記スプロケット(6)の歯車部と噛合し、前記スプロケット(6)の内孔に内筒(7)が螺嵌され、前記内筒(7)内にアジャスティングロッド(9)が螺嵌される自動車のヘッドライトレベリング装置であって、前記取付穴(1d)内に外筒(8)も設けられ、前記外筒(8)は前記内筒(7)を外嵌し、前記筐体(5)上の前記取付溝から離れた端には前記取付穴(1d)と同軸上に位置決めスリーブ(5n)が設けられ、前記筐体(5)上の前記位置決めスリーブ(5n)外周に複数の制限用係止部材(5k)が設けられ、前記外筒(8)の一端は前記位置決めスリーブ(5n)を外嵌し、前記外筒(8)の前記位置決めスリーブ(5n)に近い端の外壁に各前記制限用係止部材(5k)に適合する制限凹溝(8g)が設けられ、前記外筒(8)の他端の内壁には、軸方向に沿って千鳥状に配置した2組の位置決めボスが設けられ、前記外筒(8)上の前記位置決めボスに近い端の側壁には周方向に延びる複数の加工溝(8a)が設けられ、前記アジャスティングロッド(9)の前記内筒(7)から離れた端の外周壁には周方向に均等に分布し、軸方向に延びる位置決め凹溝(9f)が設けられ、各前記位置決めボスは対応する前記位置決め凹溝(9f)内にそれぞれ嵌め込まれ、前記外筒(8)に手動調整部材(12)も設けられ、前記手動調整部材(12)を回転させることで、前記アジャスティングロッド(9)を周方向に回転させ、前記アジャスティングロッド(9)と内筒(7)の螺嵌構造の作用により内筒(7)内の軸方向移動を実現することを特徴とする、自動車のヘッドライトレベリング装置。
【請求項2】
各組の前記位置決めボスは、対称に配置された2つの台形ボスを備え、前記位置決め凹溝(9f)は三角溝であり、各前記台形ボスの小径端が対応する三角溝内にそれぞれ嵌め込まれることを特徴とする、請求項1に記載の自動車のヘッドライトレベリング装置。
【請求項3】
前記アジャスティングロッド(9)の前記内筒(7)に近い端の外壁に雄ねじが設けられ、アジャスティングロッド(9)の外壁上に前記雄ねじを2つの部分に分割するための仕切ブロック(9c)が設けられ、前記内筒(7)の内壁には前記雄ねじに適合する少なくとも2つの部分ねじブロック(7e)が設けられ、前記内筒(7)の内壁には制限ブロック(7f)も設けられ、前記アジャスティングロッド(9)の前記内筒(7)に近い端の外壁にはガイドブロック(9b)も設けられ、前記アジャスティングロッド(9)及び前記内筒(7)が下限位置まで回転された時、前記ガイドブロック(9b)の側面が前記制限ブロック(7f)の一方の側面に当接し、前記アジャスティングロッド(9)及び前記内筒(7)が上限位置まで回転した時、前記仕切ブロック(9c)が前記制限ブロック(7f)の他方の側面に当接することを特徴とする、請求項1に記載の自動車のヘッドライトレベリング装置。
【請求項4】
前記内筒(7)の前記スプロケット(6)に近い端は、前記スプロケット(6)と螺嵌し、前記内筒(7)の他端の外壁には軸対称の2本の長方形ボス(7b)が設けられ、前記外筒(8)の内壁には各前記長方形ボス(7b)にそれぞれ適合する細長状溝が設けられ、前記内筒(7)の前記スプロケット(6)に近い端に前記取付溝まで延びる制限板が設けられ、前記制限板の端部に前記モータ組立体(2)上のポテンショメータロッド(2c)に適合する制限用係止溝(7d)が穿設され、前記内筒(7)の前記スプロケット(6)に近い端には半径方向に沿って外側に突き出た位置決めブロック(7a)も設けられ、前記蓋板(1)に2本の制限ポスト(1c)が設けられ、前記位置決めブロック(7a)は2本の前記制限ポスト(1c)の間に嵌め込んで拘束されることを特徴とする、請求項1に記載の自動車のヘッドライトレベリング装置。
【請求項5】
前記取付穴(1d)の前記位置決めスリーブ(5n)から離れた端の内壁には位置決め突起(5f)が設けられ、前記スプロケット(6)の前記取付穴(1d)内にある端の外壁には前記位置決め突起(5f)に適合する環状位置決め溝(6c)が設けられ、前記スプロケット(6)の外壁上の前記環状位置決め溝(6c)に近い位置に補強凸環(6d)が設けられ、前記スプロケット(6)の前記補強凸環(6d)と前記スプロケット(6)の歯車部との間にある部分の外壁には軸方向に沿って延びる複数の補強凸リブ(6e)が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の自動車のヘッドライトレベリング装置。
【請求項6】
前記蓋板(1)の前記取付溝に近い側壁には、位置決めポスト(1a)が設けられ、前記複合歯車(4)の前記第1歯車に近い端に前記位置決めポスト(1a)と挿嵌する位置決め穴(4c)が設けられ、前記複合歯車(4)の他端に差し込みポスト(4d)が設けられ、前記取付溝の底壁に前記差し込みポスト(4d)の挿嵌用の差し込み穴(5a)が設けられ、前記差し込みポスト(4d)と前記差し込み穴(5a)は隙間嵌めで、前記差し込みポスト(4d)の端面は前記差し込み穴(5a)の底面に当接し、前記複合歯車(4)の第1歯車の前記第2歯車に近い端面に環状の差込溝(4a)が内方に凹入するように設けられ、前記環状の差込溝(4a)の横断面は上が大きく下が狭い台形構造となり、前記取付溝の底壁に位置決め突柱が設けられ、前記差し込み穴(5a)は前記位置決め突柱の端面に成形され、前記取付溝の底壁上の前記位置決め突柱の外周に環状の差込部(5c)も設けられ、前記環状の差込部(5c)は前記環状の差込溝(4a)内に挿嵌され、前記環状の差込部(5c)の外端面と前記環状の差込溝(4a)の底部との間には隙間を残すことを特徴とする、請求項1に記載の自動車のヘッドライトレベリング装置。
【請求項7】
前記モータ組立体(2)は、モータ(10)と、モータ(10)の運転を制御するための回路基板(11)とを備え、前記回路基板(11)は前記取付溝内に取り付けられ、前記モータ(10)は前記取付溝の内壁に固定され、前記モータ(10)の出力軸(2a)にウォームシャフト(3)が連結され、前記ウォームシャフト(3)は前記複合歯車(4)の第1歯車と噛合し、前記ウォームシャフト(3)の一端に嵌装穴(3a)が穿設され、前記モータ(10)の前記出力軸(2a)は前記嵌装穴(3a)内に締まり嵌めし、前記嵌装穴(3a)の前記モータ(10)に近い端に十字案内溝(3b)が穿設されることを特徴とする、請求項1に記載の自動車のヘッドライトレベリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のヘッドライトレベリング装置の技術分野に関し、特に、自動車のヘッドライトレベリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の重要な付属品としての自動車前照灯は、前方の道路を照らし、対向車を眩しくさせてはならないが、運転性と安全性を確保するため進行方向の路面も照らす必要がある。しかし、自動車のサスペンションの影響により、自動車の荷重状態が変化する、又は車速が変化するとき、路面に対する車体の傾斜角度が往々にして大きく変化し、これによりロービームの照射距離及び照射方向が変化してしまう。自動車の荷重が増加する或いは加速するとき、自動車の後部が下がり、前部が上がることでヘッドライトが上向きになるため、対向車のドライバーを眩惑させ、ドライバーの視界が狭められる。急ブレーキをかけた場合、前部が下がり、後部が上がるが、このとき、ヘッドライトが下向きになり、大部分のライトが路面を照らし、自動車の機能及び走行時の安全性に影響を与えていた。
【0003】
自動車の安全照明技術の発展に伴い、自動車のインテリジェントな光軸調整システム、特に自動車前照灯用光軸調整モータへの応用が益々普及しており、この光軸調整モータの動作原理は筐体内のモータにより駆動されることである。モータは内部伝動機構を回転駆動させ、内部伝動機構は光軸調整機構を動作させ、光軸調整機構の外筒が回転することで、アジャスティングロッドを伸縮させ、ボールヘッドがヘッドライトの反射ボウルを、回転軸を中心に前後に揺動させて、自動車の光源の距離を変化させて異なる範囲を照らす。
【0004】
従来技術において、自動車のヘッドライト光軸調整機構内のアジャスティングロッドの調整方法が単一すぎるため、通常は単一のモータ調整又は単一の手動調整であり、従来の手動調整構造操作時の安定性が低いため、調整精度が悪くなっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術における少なくとも1つの欠陥を克服し、モータ調整駆動構造を介してアジャスティングロッドの伸縮調整を実現できるだけでなく、手動でアジャスティングロッドを調整することで、手動調整構造の安定性が高い自動車のヘッドライトレベリング装置を提供することを、その技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、筐体を備え、前記筐体の一側に取付溝が設けられ、前記取付溝内にモータ組立体が設けられ、前記取付溝の開放端に蓋板が設けられ、前記筐体の他側には前記取付溝に連通する取付穴が設けられ、前記取付穴内にスプロケットが回転可能に設けられ、スプロケットの歯車部は前記取付溝内に位置し、前記取付溝内に複合歯車も設けられ、前記複合歯車の第1歯車は前記モータ組立体と伝動可能に協働し、前記複合歯車の第2歯車は前記スプロケットの歯車部と噛合し、前記スプロケットの内孔に内筒が螺嵌され、前記内筒内にアジャスティングロッドが螺着され、前記取付穴内に外筒も設けられ、前記外筒は前記内筒を外嵌し、前記筐体上の前記取付溝から離れた端には前記取付穴と同軸上に位置決めスリーブが設けられ、前記筐体上の前記位置決めスリーブ外周に複数の制限用係止部材が設けられ、前記外筒の一端は前記位置決めスリーブを外嵌し、前記外筒の前記位置決めスリーブに近い端の外壁に各前記制限用係止部材に適合する制限凹溝が設けられ、前記外筒の他端の内壁には、軸方向に沿って千鳥状に配置した2組の位置決めボスが設けられ、前記外筒上の前記位置決めボスに近い端の側壁には周方向に延びる複数の加工溝が設けられ、前記アジャスティングロッドの前記内筒から離れた端の外周壁には周方向に均等に分布し、軸方向に延びる位置決め凹溝が設けられ、各前記位置決めボスは対応する位置決め凹溝内にそれぞれ嵌め込まれ、前記外筒に手動調整部材も設けられ、前記手動調整部材を回転させることで、前記アジャスティングロッドを周方向に回転させ、前記アジャスティングロッドと内筒の螺嵌構造の作用により内筒内の軸方向移動を実現する自動車のヘッドライトレベリング装置を提供する。
【0007】
改善された形態として、各組の前記位置決めボスは、対称に配置された2つの台形ボスを備え、前記位置決め凹溝は三角溝であり、各前記台形ボスの小径端が対応する三角溝内にそれぞれ嵌め込まれる。
【0008】
より改善された形態において、前記アジャスティングロッドの前記内筒に近い端の外壁に雄ねじが設けられ、アジャスティングロッドの外壁上に前記雄ねじを2つの部分に分割するための仕切ブロックが設けられ、前記内筒の内壁には前記雄ねじに適合する少なくとも2つの部分ねじブロックが設けられ、前記内筒の内壁には制限ブロックも設けられ、前記アジャスティングロッドの前記内筒に近い端の外壁にはガイドブロックも設けられ、前記アジャスティングロッド及び前記内筒が下限位置まで回転された時、前記ガイドブロックの側面が前記制限ブロックの一方の側面に当接し、前記アジャスティングロッド及び前記内筒が上限位置まで回転した時、前記仕切ブロックが前記制限ブロックの他方の側面に当接する。
【0009】
より改善された形態において、前記内筒の前記スプロケットに近い端は、前記スプロケットと螺嵌し、前記内筒の他端の外壁には軸対称の2本の長方形ボスが設けられ、前記外筒の内壁には各長方形ボスにそれぞれ適合する細長状溝が設けられ、前記内筒の前記スプロケットに近い端に前記取付溝まで延びる制限板が設けられ、前記制限板の端部に前記モータ組立体上のポテンショメータロッドに適合する制限用係止溝が穿設され、前記内筒の前記スプロケットに近い端には半径方向に沿って外側に突き出た位置決めブロックも設けられ、前記蓋板に2本の制限ポストが設けられ、前記位置決めブロックは2本の前記制限ポストの間に嵌め込んで拘束される。上述の改善構造では内円と筐体との間に3つの回転防止構造が設けられ、スプロケット回転中の内筒の安定性が効果的に向上し、すなわちスプロケットの雌ねじの駆動において、内筒は軸方向の伸縮のみを実現して、アジャスティングロッドを伸縮させ、伸縮過程がスムーズで確実である。
【0010】
より改善された形態において、前記取付穴の前記位置決めスリーブから離れた端の内壁には位置決め突起が設けられ、前記スプロケットの前記取付穴内にある端の外壁には前記位置決め突起に適合する環状位置決め溝が設けられ、前記スプロケットの外壁上の前記環状位置決め溝に近い位置に補強凸環が設けられ、前記スプロケットの前記補強凸環と前記スプロケットの歯車部との間にある部分の外壁には軸方向に沿って延びる複数の補強凸リブが設けられる。上述の改善構造では、補強凸環及び補強凸リブの設置によりスプロケットと筐体との嵌装構造の引き抜き力が効果的に強化される。
【0011】
より改善された形態において、前記蓋板の前記取付溝に近い側壁には、位置決めポストが設けられ、前記複合歯車の前記第1歯車に近い端に前記位置決めポストと挿嵌する位置決め穴が設けられ、前記複合歯車の他端に差し込みポストが設けられ、前記取付溝の底壁に前記差し込みポストの挿嵌用の差し込み穴が設けられ、前記差し込みポストと前記差し込み穴は隙間嵌めで、前記差し込みポストの端面は前記差し込み穴の底面に当接する。上述の改善構造では、複合歯車の両端は、留め具を使わずに差し込み構造で蓋板と筐体にそれぞれ固定され、着脱が容易である。
【0012】
より改善された形態において、前記複合歯車の第1歯車の前記第2歯車に近い端面に環状の差込溝が内方に凹入するように設けられ、前記環状の差込溝の横断面は上が大きく下が狭い台形構造となり、前記取付溝の底壁に位置決め突柱が設けられ、前記差し込み穴は前記位置決め突柱の端面に成形され、前記取付溝の底壁上の前記位置決め突柱の外周に環状の差込部も設けられ、前記環状の差込部は前記環状の差込溝内に挿嵌され、前記環状の差込部の外端面と前記環状の差込溝の底部との間には隙間を残す。上述の改善構造では、台形凹溝と環状の差込部との嵌装構造により複合歯車の蓋板から離れた端と筐体との位置決めは径方向に規制され、2つの部材が嵌合する時、軸方向に当接せず、軸方向の位置決めオーバーを避ける。
【0013】
より改善された形態において、前記モータ組立体は、モータと、モータの運転を制御するための回路基板とを備え、前記回路基板は前記取付溝内に取り付けられ、前記モータは前記取付溝の内壁に固定され、前記モータの出力軸にウォームシャフトが連結され、前記ウォームシャフトは前記複合歯車の第1歯車と噛合する。
【0014】
より改善された形態において、前記ウォームシャフトの一端に嵌装穴が穿設され、前記モータの出力軸は前記嵌装穴内に締まり嵌めし、前記嵌装穴の前記モータに近い端に十字案内溝が穿設される。上述の改善構造では、十字案内溝により出力軸とウォームシャフトとの嵌装をより便利にし、2つの部材を嵌合させた時、良好なガイド作用を有する。
【発明の効果】
【0015】
従来技術と比較して、本発明の利点としては、
本発明の自動車のヘッドライトレベリング装置の構造は、モータ組立体を介してアジャスティングロッドの自動調整を実現できるだけではなく、外筒を介して手動調整を実現することもできる。具体的には、モータ組立体を介して内筒を回転させることで、内部に螺嵌されたアジャスティングロッドを伸縮させて、電動調整を実現し、手動調整が必要な場合、専用工具で外筒を回転させるだけで、外筒の回転中に位置決めボスと位置決め凹溝の嵌合作用によりアジャスティングロッドを回転させることができ、且つアジャスティングロッドと内筒の螺嵌構造の駆動において、アジャスティングロッドが軸方向伸縮運動を実現できる。より重要なのは、内筒とアジャスティングロッド外壁の嵌装構造中に軸方向に沿って千鳥状に配置した2組の位置決めボスを設け、この軸方向に千鳥状に配置する設計により、外筒の筐体から離れた端がアジャスティングロッドの外壁上の位置決め凹溝と相対的に摺動する時、外筒は半径方向の同じ平面で過度に変形して部品に損傷を与えることを防ぐことができる。また、外筒上の位置決めボスに近い側に中空の加工溝を設計し、このような構造は外筒上の位置決めボスが位置決め凹溝の外部で摺動変形する際の変形性を高め、すなわち嵌装構造がより安定し、手動調整の精度及び安定性が保証される。
【0016】
本発明のその他の改善形態の特徴及び利点は、以下の具体的な実施形態に説明され、部分的には明細書から明らかになるか、又は本発明の実施により理解され得る。本発明の目的及び他の利点は、明細書及び図面で特に指摘された構造を通じて実現及び獲得され得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の自動車のヘッドライトレベリング装置の概略構成図である。
【
図2】本発明の自動車のヘッドライトレベリング装置の概略構成を示す立体分解図である。
【
図3】本発明の実施例1におけるモータ出力軸の概略構成図である。
【
図4】本発明の実施例1におけるウォームシャフトの概略構成図である。
【
図7】本発明の実施例1における外筒の概略構成図である。
【
図10】本発明の実施例1におけるアジャスティングロッドの断面図である。
【
図11】別の角度から見た本発明の実施例5における筐体の断面図である。
【
図13】本発明の実施例2におけるアジャスティングロッドの部分構造図である。
【
図14】本発明の実施例2における内筒の構造を示す半断面図である。
【
図15】
図13内のアジャスティングロッド構造の部分的な半断面図である。
【
図16】本発明の実施例3における内筒の概略構成図である。
【
図18】本発明の実施例3にける筐体の部分構成図である。
【
図19】本発明の実施例3にける回路基板構造の部分構成図である。
【
図20】本発明の実施例3にける蓋板の部分構成図である。
【
図21】本発明の実施例4におけるスプロケットの概略構成図である。
【
図22】本発明の実施例4における筐体とスプロケットの取り付け構造の部分概略図である。
【
図23】
図21内のスプロケットと筐体の取り付け構造の部分概略図である。
【
図24】本発明の実施例5における複合歯車の概略構成図である。
【
図26】本発明の実施例5における筐体の断面図である。
【
図28】本発明の実施例5における蓋板と複合歯車の嵌装構造の部分概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発の上記目的、特徴及び利点をより明確かつ明白するため、以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
図1~
図12に示すように、本発明は、筐体5を備えた自動車のヘッドライトレベリング装置を提供したものであり、筐体5の一側に取付溝が設けられ、取付溝内にモータ組立体2が設けられ、取付溝の開放端に蓋板1が着脱自在に設けられ、具体的には蓋板1の外周には蓋板1に直交する複数のスナップインパネルが設けられ、各スナップインパネルにスナップイン穴が穿設され、筐体5の開放端の一側の外壁に係着具が設けられ、蓋板1が筐体5の開放端を覆う時、各スナップインパネルは筐体5の開放端の外壁に画設され、係着具は対応するスナップイン穴と嵌合し、留め具を使用せずに蓋板1と筐体5とを迅速に嵌装できる。
【0020】
筐体の他側には取付溝に連通する取付穴1dが設けられ、取付穴1d内にスプロケット6が回転可能に設けられ、スプロケット6の歯車部は取付溝内に位置し、取付溝内に複合歯車4も設けられ、複合歯車4の第1歯車はモータ組立体3と伝動可能に協働し、複合歯車4の第2歯車はスプロケット6の歯車部と噛合する。具体的には、本実施例において、モータ組立体2は、モータ10と、モータ10の運転を制御するための回路基板11とを備え、回路基板11は取付溝内に取り付けられ、モータ10は取付溝の内壁に固定され、モータ10の出力軸2aにウォームシャフト3が連結され、ウォームシャフト3は複合歯車4の第1歯車と噛合する。
【0021】
また、上記構造において、ウォームシャフト3の一端に嵌装穴3aが穿設され、モータ10の出力軸2aは嵌装穴3a内に締まり嵌めし、2つの部材の嵌装後出力軸2aの第1端面2bとウォームシャフト3の第2端面3cは面一となり、第2端面3cを介してウォームシャフト3の取付位置を位置決めし、同時に嵌装穴3aのモータ10に近い端に十字溝3bを設計し、該十字溝3bは出力軸2aを仮組みする際、取り付けガイド作用を発揮する。
【0022】
本実施例において、スプロケット6の内孔に内筒7が螺嵌され、内筒7内にアジャスティングロッド9が螺着され、モータ10の運転によりウォームシャフト3を回転駆動して、複合歯車4を回転させ、複合歯車4の回転により内部に螺嵌された内筒7を軸方向に伸縮させて、アジャスティングロッド9が軸方向に伸縮運動し、この過程が電動調整である。
【0023】
また、
図7、
図8及び
図12に示すように、取付穴1d内に外筒8も設けられ、外筒8は内筒7を外嵌し、筐体5上の取付溝から離れた端には取付穴1dと同軸上に位置決めスリーブ5nが設けられ、筐体5上の位置決めスリーブ5n外周に複数の制限用係止部材5kが設けられ、外筒8の一端は位置決めスリーブ5nを外嵌し、外筒8の位置決めスリーブ5nに近い端の外壁に各制限用係止部材5kに適合する制限凹溝が設けられる。具体的に外筒8は、制限凹溝8gを介して筐体5上の制限用係止部材5kと連結し、位置決めスリーブ5nの外端部に第4丸角部8eが設けられ、限用係止部材5kの外端部に第2面取り部5lが設けられ、第4丸角部8e、第2面取り部5lのガイド作用を介して取り付けの難易度を軽減し、かつ所定の位置に係入された後制限用係止部材5kは制限凹溝8g内に完全に係合し、係着後制限凹溝8gの第3平面8fが制限用係止部材5kの第4平面5mに当接することで、軸方向の制限作用を発揮する。
【0024】
外筒8の他端の内壁には、軸方向に沿って千鳥状に配置した2組の位置決めボスが設けられ、外筒8上の位置決めボスに近い端の側壁には周方向に延びる複数の加工溝8aが設けられ、アジャスティングロッド9の内筒7から離れた端の外周壁には周方向に均等に分布し、軸方向に延びる位置決め凹溝9fが設けられ、各位置決めボスは対応する位置決め凹溝9f内にそれぞれ嵌め込まれ、外筒8に手動調整部材12も設けられ、手動調整部材12を回転させることで、アジャスティングロッド9を周方向に回転させ、アジャスティングロッド9と内筒7の螺嵌構造の作用により内筒7内の軸方向移動を実現する。この構造において、手動調整部材12は、外筒8の中央部の外壁に設けられた調整リングであり、調整リングの一端に軸方向の凸歯が設けられ、他端にも複数の操作凹溝が穿設され、手動調整時專用調整工具で軸方向の凸歯或いは操作凹溝と協働して外筒8全体を回転駆動することができる。
【0025】
本実施例において、好ましくは、
図7、
図9に示すように、2組の位置決めボスは、いずれも対称的に配置された第1台形ボス8cと第2台形ボス8dとを備え、位置決め凹溝9fは
図10に示すように三角溝である。4つの位置決めボスは、いずれもアジャスティングロッド9の外壁上の位置決め凹溝9fと嵌合して、アジャスティングロッド9を回転させるために用いられ、且つ4つの台形ボスは回転する時、同時にアジャスティングロッド9の外壁に作用することで、アジャスティングロッド9が周方向に回転する際の駆動トルクが増大する。
【0026】
上記構造において、
図7に示すように、手動調整時、外力により外筒8を周方向に回転させ、位置決め突起と位置決め凹溝9fとの嵌合作用において、アジャスティングロッド9も同時に回転し、一端は内筒7と螺嵌するため、アジャスティングロッド9が回転する時、ねじのガイド作用の下で軸方向上の伸縮も実現できる。また、外筒8の内壁に軸方向に沿って千鳥状に配置した2組の台形ボスを設け、この軸方向に千鳥状に配置する設計により、外筒8の筐体5から離れた端がアジャスティングロッド9の外壁上の位置決め凹溝9fと相対的に摺動する時、外筒8は半径方向の同じ平面で過度に変形して部品に損傷を与えることを防ぐことができる。また、外筒8上の台形ボスに近い側に2つの中空の加工溝8aを設計し、2つの加工溝8aを細いリブ8bでつながり、このような構造は外筒8上の台形ボス8cが位置決め凹溝9fの外部で摺動変形する際の変形性を高め、アジャスティングロッド9伸縮の柔軟性が向上する。
【実施例2】
【0027】
図13、
図15に示すように、本実施例の構造は、実施例1とほぼ同じであり、すなわち、実施例1を基に、アジャスティングロッド9の連結構造を改善したものであり、具体的には、アジャスティングロッド9の内筒7に近い端の外壁に雄ねじが設けられ、アジャスティングロッド9の外壁上に雄ねじを2つの部分に分割するための仕切ブロックが設けられ、内筒7の内壁には雄ねじに適合するねじブロックが設けられ、内筒7の内壁には制限ブロック7fも設けられ、アジャスティングロッド9の内筒7に近い端の外壁にはガイドブロック9bも設けられ、アジャスティングロッド9及び内筒7が下限位置まで回転された時、ガイドブロック9bの側面が制限ブロック7fの一方の側面に当接し、アジャスティングロッド9及び内筒7が上限位置まで回転した時、仕切ブロック9cが制限ブロック7fの他方の側面に当接する。
【0028】
より具体的には、
図13に示すように、本実施例内のガイドブロック9bの前端に大きな丸角部9aが設けられ、これに対応して内筒7のアジャスティングロッド9に近い端の端部に第3面取り部7gが設けられ、組立時、大きな丸角部9aと面取り部の構造が良好なガイドの作用を発揮し、部品の取り付け・位置決め精度の要求を下げることができる。同時にガイドブロック9bの側面9e及び内筒7の内壁上の制限ブロック7fの第3側面7f-1が下限位置まで回転した時、側面9eが第3側面7f-1と密着してアジャスティングロッド9の軸方向の回転が阻止される。同時にアジャスティングロッド9の一端の雄ねじは二段設計を採用し、すなわちねじの中央部に仕切ブロック9cを設計し、アジャスティングロッド9が上限位置まで回転された時、仕切ブロック9cは制限ブロック7fの第4側面7f-2と密着され、回り止めを行う。一方、仕切ブロック9cの設計により、その後ねじの有効ストロークの修正も容易になり、内筒7の内壁に丸角構造得を有する2つの部分ねじブロック7eが設けられる。また、アジャスティングロッド9のねじ端の先端部に2つの台形ガイド傾斜面9dが設けられ、
図13に示すように、内筒7がアジャスティングロッド9に嵌装される時、2つの部分ねじブロック7eは台形ガイド傾斜面9dを介してガイドされる。また、上述構造において、2つの部分ねじ穴はいずれも丸角設計を採用することで、応力集中による構造の破断を避ける。
【実施例3】
【0029】
本実施例は、
図16~
図20に示すように、実施例1又は実施例2を基に、内筒7の嵌装構造をさらに改善したものであり、すなわち内筒7のスプロケット6に近い端は、スプロケット6と螺嵌し、内筒7の他端の外壁には軸対称の2本の長方形ボス7bが設けられ、外筒8の内壁には各長方形ボス7bにそれぞれ適合する細長状溝が設けられ、内筒7のスプロケット6に近い端に取付溝まで延びる制限板が設けられ、制限板の端部にモータ組立体2上のポテンショメータロッド2cに適合する制限用係止溝7dが穿設され、内筒7のスプロケット6に近い端には半径方向に沿って外側に突き出た位置決めブロック7aも設けられ、蓋板1に2本の制限ポスト1cが設けられ、位置決めブロック7aは2本の制限ポスト1cの間に嵌め込んで拘束される。
【0030】
具体的には、
図16、
図18に示すように、内筒7は、対称な2本の長方形ボス7bを介して筐体5の一端にある位置決めスリーブ5nの内壁上の凹溝5i、5jと嵌装し、2本の長方形ボス7bの第2側面7cと位置決めスリーブ5nの内壁上の対応する凹溝の側面と密着して効果的に回り止めを行い、これは第1の回り止め構造である。また、位置決めスリーブ5nの内壁上の第1凹溝5i及び第2凹溝5jの設置により、内筒7の軸方向の嵌装時ガイド作用を発揮し、内筒7が軸方向にスムーズに上下動できるようになっている。なお、本実施例において、
図17に示すように、制限用係止溝7dを上部が大きく、下部が小さい構造に設計し、すなわち、開口部が大きい構造の上部はモータ組立体2上のポテンショメータロッド2cの仮組みに使用され、ガイド作用を発揮し、開口部が小さい構造の下部はポテンショメータロッド2cの締まり嵌めに使用され、この構造は内筒7と筐体5との間の第2の回り止め構造である。一方、内筒7の一端の径方向に突設された直方体状の位置決めブロック7aは、蓋板1に突設された2本の制限ポスト1cの間に嵌め込まれ、この構造は第3の内筒7と筐体5との間の回り止め構造であり、上述の3つの回り止め構造が設けられた後、取り付け時、強力なトルクを提供することができる。
【実施例4】
【0031】
本実施例は、
図21、
図23に示すように、実施例1~実施例3内のいずれかの構造を基に、高強度のスプロケット6の取り付け構造設計を行ったものであり、取付穴1dの位置決めスリーブ5nから離れた端の内壁には位置決め突起5fが設けられ、スプロケット6の取付穴1d内にある端の外壁には位置決め突起5fに適合する環状位置決め溝6cが設けられ、スプロケット6の外壁上の環状位置決め溝6cに近い位置に補強凸環6dが設けられ、スプロケット6の補強凸環6dとスプロケット6の歯車部との間にある部分の外壁には軸方向に沿って延びる複数の補強凸リブ6eが設けられる。
【0032】
具体的には、スプロケット6と取付穴1dとの取り付けは、完全密閉型の取り付け構造を採用しており、すなわち、スプロケット6の素材自体の弾性特性を利用して取り付けを実現し、取り付け後耐脱落性が高く、スプロケット6上の取付穴1dに取り付ける端には第1面取り部6aが設けられ、スプロケット6を所定の位置に組み付けることに便利である。同様に、取付穴1dの内壁上の位置決めボスの外端にも第1面取り部6aの取り付けに合わせる第3丸角部5gが設けられ、取り付け過程でスプロケット6の差し込み端構造6fは押し付けて変形され、プラスチック自体の弾性を利用して取付穴1dに嵌め込まれ、所定の位置に取り付けられた後、位置決めボス及び密閉式環状位置決め溝6cを介して所定の位置に嵌合し、同時に第1平面5hと第2平面6bの面合わせを介して2つの部材が分離することを防止する。また、
図21に示すように、取り付け中にスプロケット6の差し込み端が損傷するのを防ぐため、スプロケット6の差し込み端の外壁にも構造補強用の補強凸環6dが設けられ、同時に補強凸環6dと歯車部との間に10本の補強凸リブ6eが設けられることで、スプロケット6の引き抜き力をさらい強化する。
【実施例5】
【0033】
本実施例は、
図24、
図29に示すように、実施例1~実施例4内のいずれかの構造を基に、複合歯車4のより効率的な伝動構造設計を行ったものであり、前記蓋板1の前記取付溝に近い側壁には、位置決めポスト1aが設けられ、前記複合歯車4の前記第1歯車に近い端に前記位置決めポスト1aと挿嵌する位置決め穴4cが設けられ、前記複合歯車4の他端に差し込みポスト4dが設けられ、前記取付溝の底壁に前記差し込みポスト4dの挿嵌用の差し込み穴5aが設けられ、前記差し込みポスト4dと前記差し込み穴5aは隙間嵌めで、前記差し込みポスト4dの端面は前記差し込み穴5aの底面に当接する。
【0034】
具体的には、本実施例において、複合歯車4の一端と蓋板1のとの間の制限構造:
蓋板1と筐体5との間のクランプ作用力により軸方向の位置決めを実現し、位置決め後、複合歯車4は、自身の軸に沿って回転することができる。位置決めポスト1aの外端面は、丸面取り1bとなっているので、位置決めポスト1aは位置決め穴4cと嵌合し、軸方向に当接して位置決めする時、位置決めポスト1aの端部と位置決め穴4cと底部は線接触と面接触となり、複合歯車4の回転時の摩擦抵抗が低減される。
【0035】
また、複合歯車4の他端と筐体5の取付溝底壁との間の制限元構造:
差し込みポスト4dの第3端面4eを取付溝底壁上の差し込み穴5aに端面が当接するまで差し込むことで、軸方向の位置決めを実現し、差し込みポスト4d、差し込み穴5aはそれぞれ第1丸角部4fと第2丸角部5bで設計され、取り付け精度の要求を下げ、且つこの構造において、差し込みポスト4dの外壁4gと差し込み穴の内壁5eは隙間嵌めを採用し、半径方向の位置決めには使用しない。
【0036】
図25、
図27に示すように、複合歯車4の第1歯車の第2歯車に近い端面に環状の差込溝4aが内方に凹入するように設けられ、環状の差込溝4aの横断面は上が大きく下が狭い台形構造となり、取付溝の底壁に位置決め突柱が設けられ、差し込み穴は位置決め突柱の端面に成形され、取付溝の底壁上の位置決め突柱の外周に環状の差込部5cも設けられ、環状の差込部5cは環状の差込溝4a内に挿嵌され、環状の差込部5cの外端面と環状の差込溝4aの底部との間には隙間を残す。すなわち、本実施例における複合歯車4と筐体5の径方向の位置決めは、環状の差込溝4aの内壁と環状の差込部5cとの嵌合により実現され、環状の差込溝4aの両側壁は傾斜面4b設計であるため、環状の差込溝4aと環状の差込部5cの構造も線接触となり、複合歯車4が回転する際の摩擦抵抗がさらに低減される。また、この構造内の環状の差込溝4aの底壁構造4fと環状の差込部5cの外端面5dとの間に隙間を残し、軸方向の位置決めオーバーを避ける。
【0037】
以上のように本発明を開示したが、本発明の保護範囲はこれに限定されるものではない。当業者は、本発明の開示の精神及び範囲を脱しない範囲内で多種多様な変更及び修正を加えることができ、かかる変更及び修正は本発明の保護範囲に収まる。
【符号の説明】
【0038】
10 モータ
1 蓋板
1a 位置決めポスト
1b 丸面取り
1c 制限ポスト
1d 取付穴
11 回路基板
12 手動調整部材
2 モータ組立体
2a 出力軸
2b 第1端面
2c ポテンショメータロッド
3 ウォームシャフト
3a 嵌装穴
3b 十字案内溝
3c 第2端面
4 複合歯車
4a 環状の差込溝
4b 傾斜面
4c 位置決め穴
4d 差し込みポスト
4e 第3端面
4f 第1丸角部
4g 差し込みポストの外壁
5 筐体
5a 差し込み穴
5b 第2丸角部
5c 環状の差込部
5d 第4端面
5e 差し込み穴内壁
5f 位置決め突起
5g 第3丸角部
5h 第1平面
5i 第1凹溝
5j 第2凹溝
5k 制限用係止部材
5l 第2面取り部
5m 第4平面
5n 位置決めスリーブ
6 スプロケット
6a 第1面取り部
6b 第2平面
6c 環状位置決め溝
6d 補強凸環
6e 補強凸リブ
7 内筒
7a 位置決めブロック
7b 長方形ボス
7c 第2側面
7d 制限用係止溝
7e 部分ねじブロック
7f 制限ブロック
7f-1 第3側面
7f-2 第4側面
7g 第3面取り部
8 外筒
8a 加工溝
8b 細いリブ
8c 第1台形ボス
8d 第2台形ボス
8e 第4丸角部
8f 第3平面
8g 制限凹溝
9 アジャスティングロッド
9a 大きな丸角部
9b ガイドブロック
9c 仕切ブロック
9d 台形ガイド傾斜面
9e 第1側面
9f 位置決め凹溝
【要約】 (修正有)
【課題】アジャスティングロッドの伸縮調整をモータ駆動構造とともに、手動により調整可能な構造とし、安定性の高い自動車のヘッドライトレベリング装置を提供する。
【解決手段】筐体5を備え、筐体5内にモータ組立体2、複合歯車4、スプロケット6及び内筒7が設けられ、内筒7内にアジャスティングロッド9が螺嵌され、モータ組立体運転により複合歯車4でスプロケット6を回転させることで、内筒7をアジャスティングロッド9と共に伸縮させる。筐体5にも内筒7を外嵌する外筒8が設けられ、外筒8の一端は筐体5に回転可能に連結され、他端はアジャスティングロッド9と緊合し、外筒8を手動で回転させた時、アジャスティングロッド9も一緒に回転し、アジャスティングロッド9の一端が内筒7と螺嵌し、かつ外筒8とアジャスティングロッド9との間は相対的に摺動できるため、螺旋構造の作用によりアジャスティングロッド9は軸方向に伸縮する。
【選択図】
図2