(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】温度測定システム
(51)【国際特許分類】
G01J 5/60 20060101AFI20240716BHJP
G01K 13/024 20210101ALI20240716BHJP
G01K 1/14 20210101ALI20240716BHJP
G01J 5/0818 20220101ALI20240716BHJP
G01J 5/00 20220101ALI20240716BHJP
【FI】
G01J5/60 D
G01K13/024
G01K1/14 L
G01J5/0818
G01J5/00 101A
(21)【出願番号】P 2021544411
(86)(22)【出願日】2020-01-17
(86)【国際出願番号】 US2020014065
(87)【国際公開番号】W WO2020159723
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-11-18
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391020182
【氏名又は名称】ソウラー タービンズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SOLAR TURBINES INCORPORATED
(73)【特許権者】
【識別番号】592087647
【氏名又は名称】ブリガム・ヤング・ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】BRIGHAM YOUNG UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダレル ツェルトナー
(72)【発明者】
【氏名】デール アール.ツリー
(72)【発明者】
【氏名】モフセン レザソルターニ
(72)【発明者】
【氏名】スコット エグバート
【審査官】小澤 瞬
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-013702(JP,A)
【文献】国際公開第2016/136844(WO,A1)
【文献】特開2012-057623(JP,A)
【文献】特開平11-142247(JP,A)
【文献】特開2012-132442(JP,A)
【文献】米国特許第05755510(US,A)
【文献】Daniel Jared Ellis,Temperature Measurement Using Infrared Spectral Band Emissions From H2O,Journal of Energy Resources Technology-Transactions of the Asme,2016年,Vol.138, No.4,DOI:10.1115/1.4032425
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 17/08
F02C 9/00
G01J 5/00 - G01J 5/90
G01K 13/02 - G01K 13/024
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービン外壁(462)、タービン内壁(460)、及びロータ-ステータ軸方向ギャップ(470)を備えたタービンを有するガスタービンエンジン(100)用の温度測定システム(700)であって、該温度測定システム(700)は、
前記タービン内に配置された先端部(755)、及び
前記タービン外壁を通って延び、ガスから放出された赤外光を受光し、その長さに沿って該赤外光を伝送するように動作可能であるファイバ(760)を含む
光学組立体(750)と、
前記先端部と反対側の前記フ
ァイバに隣接して配置され、前記受光した赤外光を、第1の波長域に対して少なくとも第1の光強度及び第2の波長域に対して第2の光強度を含むデジタル信号に変換するように動作可能なスペクトルデータ受信器(710)と、を備え
、
前記デジタル信号に基づく前記ガスの温度は近似放射伝達方程式を用いて計算される温度測定システム(700)。
【請求項2】
前記先端部が、前記ロータ-ステータ軸方向ギャップの1つの中に少なくとも部分的に配置されている、請求項1に記載の温度測定システム。
【請求項3】
前記先端部が、前記ロータ-ステータ軸方向ギャップの1つを横切って前記タービン内壁に沿って第1のポイントから前記タービン内壁に沿って第2のポイントまで延びる翼弦長に沿って少なくとも部分的に方向づけられている、請求項2に記載の温度測定システム。
【請求項4】
前記フ
ァイバが、前記ロータ-ステータの軸方向ギャップの1つを横切って前記タービン内壁に沿って第1のポイントから前記タービン内壁に沿って
第2のポイントまで延びる弦長に沿って向かい合うように整形されている、請求項1に記載の温度測定システム。
【請求項5】
前記フ
ァイバが前記ガスと流体連通している、請求項1に記載の温度測定システム。
【請求項6】
ガスタービンエンジンの動作中にタービン内で生成されたガスの温度測定方法であって、該方法が、
前記タービン内の前記ガスから放出された赤外光を、フ
ァイバにおいて、受光することと、
前記フ
ァイバに沿って前記赤外光を伝送することと、
前記フ
ァイバから前記赤外光を、スペクトルデータ受信器において、受光することと、
前記赤外光を、少なくとも第1の波長域に対する第1の光強度及び第2の波長域に対する第2の光強度を含むデジタル信号に、前記スペクトルデータ受信器において、変換することと、
近似放射伝達方程式を用いて前記デジタル信号に基づいて前記ガスの温度を計算することと、を含む方法。
【請求項7】
前記計算することが、第1の積分強度を生成するために前記第1の波長域にわたって前記第1の光強度を積分することを含み、第2の積分強度を生成するために前記第2の波長
域にわたって前記第2の光強度を積分するように動作可能である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記計算することが、前記第1の積分強度と前記第2の積分強度と
の積分強度比に基づいて前記温度を推定することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の波長域及び前記第2の波長域が
、赤外光B波長範囲内にある、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記ガスが水蒸気を含み、前記フ
ァイバがサフ
ァイアを含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、システムに関する。より具体的には、本出願は、温度測定システムを目的としている。
【背景技術】
【0002】
温度、ガス種濃度、及び熱流束は、炎の中で発生する物理的プロセスを評価、特性評価、及び理解するために使用できる測定値である。このような測定を行うための現在の取り組みは、複雑なハードウェアを備えたシステムにおいて使用するには煩わしく、実用的でなく、その耐久性が低く、あるいは精度が疑わしい技術を利用している。高温と腐食性の環境では、良好な時間的及び空間的分解能でその場の温度測定値を取得することが非常に困難になっている。これらの考慮事項に加えて、温度が1600°C、例えば現在の熱電対の上限温度を超える状況において、若しくは目的の測定が、典型的な二色高温測定法を使用不能にさせる、密閉された空間内にある場合に、既知の温度測定方法を適用することは複雑である。
【0003】
中谷らに付与された米国特許出願第15/553,399号は、ガスの温度、特に水蒸気を含むガスの温度を非接触で高精度に測定できる温度測定方法及び装置について記載している。分光ユニットは、測定対象である水蒸気からの放射光から、少なくとも第1の波長域の光強度と第2の波長域の光強度を取得する。該第1の波長域と第2の波長域は両方とも近赤外領域に含まれる波長域である。第1の波長域の中心波長と第2の波長域の中心波長は、相互に異なる値に設定されている。温度計算ユニットは、第1の波長域の光強度と第2の波長域の光強度との比を用いて水蒸気の温度を計算する。
【0004】
本開示は、発明者によって発見された、若しくは当技術分野で知られている問題の1つ又は複数を克服することを目的としている。
【発明の概要】
【0005】
ガスタービンエンジン用の温度測定システムが本明細書に開示されている。実施形態では、温度測定装置は、光学組立体及びスペクトルデータ受信器を含む。該光学組立体は、タービン内に配置された先端部を含む。光学組立体は、タービンの外壁を通って延びるファイバを含み、ガスから放出された赤外光を受光し、その長さに沿って赤外光を伝送するように動作可能である。該スペクトルデータ受信器は、タービン内壁の反対側のファイバに隣接して配置され、受光した赤外光をデジタル信号に変換するように動作可能である。該デジタル信号は、第1の波長域に対する第1の光強度及び第2の波長域に対する第2の光強度を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】例示的なガスタービンエンジンの概略図である。
【
図2】
図1からのタービンの一部分の断面図であり、光学組立体の一部分を含む。
【
図3】先端部を含む1つの実施形態の断面図である。
【
図4】スペクトルデータ受信器の機能的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
添付の図面に関連して以下に記載される「発明を実施するための形態」は、様々な実施形態の説明として意図されており、本開示が実践され得る唯一の実施形態を表すことを意図していない。この「発明を実施するための形態」は、実施形態の完全な理解を提供することを目的とした具体的な詳細事項を含む。しかしながら、本発明の実施形態が、これらの具体的な詳細事項がなくても実践され得ることは当業者には明らかであろう。場合によっては、説明を簡潔にするために、周知の構造と構成要素が簡略化された形式で示されている。
【0008】
図1は、例示的なガスタービンエンジンの概略図である。説明を明確かつ容易にするために、一部の外形と参照符号が省略又は誇張されている場合がある(
図1及び他の図)。また、本開示は、前方及び後方の方向を言及する場合がある。一般に、「前方」及び「後方」へのすべての言及は、特に明記しない限り、一次空気(すなわち、燃焼プロセスで使用される空気)の流れ方向に関連付けられている。たとえば、前方は一次空気流に対して「上流」であり、後方は一次空気流に対して「下流」である。
【0009】
さらに、本開示は、ガスタービンエンジン100の回転の中心軸95を一般に言及することができ、これは、一般に、そのシャフト120(複数の軸受組立体150によって支持される)の長手方向軸によって規定され得る。該中心軸95は、他の様々なエンジン同心円状部品と共通又は共有され得る。半径方向、軸方向、及び円周方向へのすべての言及及び計量は、特に明記しない限り、中心軸95を基準とし、「内側」及び「外側」などの用語は、一般に、より小さな又はより大きなラジアル距離を示し、この場合ラジアル96が中心軸95から垂直で外方に放射する任意の方向にある。
【0010】
構造的に、ガスタービンエンジン100は、入口110、圧縮機200、燃焼器300、タービン400、排気500、及び動力出力カップリング50を含む。該圧縮機200は、1つ又は複数の圧縮機ロータ組立体220を含む。該燃焼器300は1つ又は複数の燃料噴射器600を含み、1つ又は複数の燃焼室390を含む。該タービン400は、1つ又は複数のタービンロータ組立体420を含む。該排気500は、排気ディフューザ510及び排気集合器520を含む。
【0011】
図示のように、圧縮機ロータ組立体220及びタービンロータ組立体420の両方は、軸流ロータ組立体であり、各ロータ組立体は、複数の翼形部(「ロータブレード」)が円周方向に実装されたロータディスクを含む。取り付けられると、1つのロータディスクに関連付けられるロータブレードは、環状ケーシング内に円周方向に分布する静翼(「ステータベーン」又は「ステータ」)250、450によって隣接するディスクに関連付けられるロータブレードから軸方向に分離される。
【0012】
機能的には、ガス(典型的には空気10)は「作動流体」として入口110に流入し、圧縮機200によって圧縮される。圧縮機200では、作動流体は、一連の圧縮機ロータ組立体によって環状流路115内で圧縮される。特に、空気10は、複数の「段」まで圧縮され、各段は、各圧縮機ロータ組立体220に関連付けられる。例えば、「第4段空気」は、下流すなわち「後方」方向-入口110から排気500に向かう)の第4圧縮機ロータ組立体220に関連付けられ得る。同様に、各タービンロータ組立体420は、特定の段に関連付けられ得る。例えば、第1段タービンロータ組立体421は、タービンロータ組立体420のうちの最も前方のものである。しかしながら、他の付番法/命名法も使用され得る。
【0013】
圧縮空気10が圧縮機200から吐き出ると、燃焼器300に流入し、そこで拡散され、燃料が添加される。空気10及び燃料は、燃料噴射装置600を介して燃焼室390に噴射され、点火される。次に、燃焼反応後、一連のタービンロータ組立体420の各段によって、タービン400を介して燃焼燃料/空気混合物からエネルギーが抽出される。次に、排気ガス90は、排気ディフューザ510内で拡散され、集合され、方向転換され、排気集合器520を介してシステムから流出され得る。該排気ガス90は、(例えば、有害排出物質を低減、及び/又は排気ガス90から熱を回収するように)さらに処理されてもよい。
【0014】
タービン400は、温度測定システム700を含むことができる。1つの実施形態では、温度測定システム700は、スペクトルデータ受信器710及び光学組立体750を含む。スペクトルデータ受信器710は、ガスタービンエンジン100の外側に配置することができる。光学組立体750は、スペクトルデータ受信器710から延び、タービン外壁462及びタービン内壁460を通ってタービン400内に延びることができ、一連のタービンロータ組立体420の任意の段間に位置決めすることができる。
【0015】
図2は、
図1のタービン400の一部の断面図であり、光学組立体750の一部を含む。該光学組立体750は、タービン外壁462及びタービン内壁460を通ってタービン400を通って部分的に延びることができる。代替的に、光学組立体750は、燃焼器300を通ってかつ
図1に示されるロケーション699に近接する噴射器600を通って部分的に延びることができる。一例では、光学組立体750は、噴射器600の後端に近接して、燃焼器300を通って及び燃焼室390を通って部分的に延びることができる。タービン外壁462は、タービン400及び燃焼器300を周囲環境から分離する。タービン内壁460は燃焼生成物を含むガスを収容し、該燃焼生成物はタービンエンジン100の動作中に該ガスがタービンロータ組立体420及びステータ450を通って移動する際に生成される。光学組立体750は、タービン内壁460の内側とタービン内壁460の外側との間の圧力及び温度差を維持するためにタービン内壁460で密封することができる。光学組立体750は、例えば、第1段のステータ-ロータ軸方向ギャップ471、第1段のロータ-ステータ軸方向ギャップ472、第2段のステータ-ロータ軸方向ギャップ473、第2段のロータ-ステータ軸方向ギャップ474、又は後続段のロータ-ステータ軸方向ギャップなどのロータ-ステータ軸方向ギャップ470のうちの1つの中に少なくとも部分的に配置され得る先端部755を有することができる。1つの実施形態では、該先端部755は、第1段タービンロータ組立体421とステータ450のうちの1つとの間に配置される。タービンロータ組立体420とステータ450との間のロータ-ステータ軸方向ギャップ470は、燃焼室390内の燃料と空気10の混合物の燃焼からタービンエンジン100の動作中に生成される燃焼ガスを収容することができる。1つの実施形態では、先端部755は、第1段タービンロータ組立体421と組立体ステータ450との間に位置する第1段ステータロータ軸方向ギャップ471内に配置される。別の実施形態では、先端部755は、ロータ-ステータ軸方向ギャップ470の1つに少なくとも部分的に隣接し、流れ連通することができる。1つの実施形態では、先端部755は、タービン内壁460の内面に沿って同一平面にすることができる。別の実施形態では、先端部755を真っ直ぐにできる。1つの実施形態では、先端部755を屈曲、又は湾曲させることができる。1つの実施形態では、先端部755を、中心軸95に向かって少なくとも部分的に位置合わせすることができる。別の実施形態では、先端部755は、ロータ-ステータ軸方向ギャップ470の1つを横切ってタービン内壁460に沿った第1のポイントからタービン内壁460に沿った第2のポイントまで延びる弦長に沿って少なくとも部分的に方向づけることができる。追加的に、翼弦長は、タービンブレード及びハブなどの他のタービンロータ420及びステータ450構成要素によって視覚的に遮られない場合がある。遮るもののない翼弦長は、タービン内壁460から中心軸95に向かう遮るもののないラジアル距離よりも長くすることができる。
【0016】
図3は、例示的な温度測定システムの断面図である。1つの実施形態では、光学組立体750は、タービン400を通って延びる。光学組立体750は、スペクトルデータ受信器710の反対側に配置されたフ
ァイバ760、チューブ770、及び先端部755を含むことができる。1つの実施形態では、該フ
ァイバ760は、先端部755からスペクトルデータ受信器710の内部に延びる。フ
ァイバ760は、少なくとも光信号を第1の端部からスペクトルデータ受信器710まで伝送するように動作可能な光フ
ァイバであり得る。フ
ァイバ760は、サフ
ァイアフ
ァイバを含むことができ、1.7~2.63マイクロメートルの範囲内の発光を伝送するように動作可能であり得る。フ
ァイバ760は、純粋なシリカフ
ァイバ又は他の好適な光フ
ァイバを含むことができる。該チューブ770は、フ
ァイバ60の周りに配置され、フ
ァイバ60の一部に沿って軸方向に延びることができ、フ
ァイバ60を損傷から保護するように構成されることができる。チューブ770は、ステンレス鋼を含むことができる。先端部755は、レンズ780、レンズホルダー782、レンズ止めネジ784、チューブ止めネジ776、チューブ770の一部、及びフ
ァイバ760の一部を含むことができる。該レンズホルダー782は、ステンレス鋼を含むことができる。1つの実施形態では、該レンズ780は、レンズホルダー782内に配置することができる。レンズ780は、球面サフ
ァイアレンズを含むことができる。レンズ780は、フッ化カルシウムで作製された平凸レンズであり得る。該チューブ770は、レンズ780の反対側のレンズホルダー782内に部分的に配置することができる。該レンズ止めネジ784は、レンズ780とチューブ770との間のレンズホルダー782内に配置することができる。フ
ァイバ760は、レンズホルダー782内に部分的に配置することができる。フ
ァイバ760は、レンズ止めネジ784及びチューブ770内に部分的に配置することができる。レンズホルダー782は、レンズホルダー782を通って延び、チューブ770に隣接することができるチューブ止めネジ776を有し得る。
【0017】
代替の実施形態では、先端部755は、ファイバ760の端部を含む。ファイバ760は、タービン内壁460を通って延び、タービン内壁460の内方にある間、様々な向きに湾曲、屈曲、又は配置され得る。ファイバ60は、タービン内壁460に隣接して配置され、タービン内壁460から離れてタービン外壁462を通って延びることができる。ファイバ60は、ガス又は燃焼生成物から放出される赤外光を受光し、その長さに沿った赤外光を伝送するよう動作可能である。チューブ770は、タービン内壁460からスペクトルデータ受信器710に向かって延びることができる。ファイバ60は、チューブ770によって密封することができる。
【0018】
図4は、スペクトルデータ受信器の機能的ブロック図である。スペクトルデータ受信器710は、フ
ァイバ760の一部、フィルタ820、及びセンサ816を含むことができる。フ
ァイバ760の一部は、スペクトルデータ受信器710内部に延び、フィルタ820と光通信することができる。1つの実施形態では、フィルタ820は、選択された波長域内の赤外光を通過させ、選択された波長域外の光を遮断させることを可能にする光学フィルタである。1つの実施形態では、フィルタ820は複数のフィルタである。例えば、複数のフィルタ820は、第1の光波長域が第1のフィルタを通ることが許容され、第2の波長域が第2のフィルタを通ることが許容され、第3の波長域が第3のフィルタを通ることが許容され、第4の波長域が第4のフィルターを通ることが許容されるように選択することができる。検出器又はセンサ816を使用して、複数のフィルター820を通ることが許容される赤外光を検出することができる。1つの実施形態では、センサ816は、複数のセンサ又は検出器であり得る。赤外光を受光するセンサ816は、赤外光をデジタル信号に変換することができる。該デジタル信号は、センサ816から、リンク824に沿って、入力/出力回路812を介してコントローラ804まで伝送することができる。スペクトルデータ受信器710は、フーリエ変換赤外線分光計を備えてもよい。スペクトルデータ受信器710は、赤外線検出器、光学フィルタ、及びサーモパイル検出器、多結晶硫化鉛検出器、インジウムガリウムヒ素フォトダイオード検出器赤外光フィルター、及び液体窒素冷却センサなどのセンサを含むことができる。
【0019】
スペクトルデータ受信器710は、入力/出力(I/O)回路812に接続されたリンク822を介してデータベース814に動作可能に接続されたコントローラ804を有することができる。図示されていないが、追加のデータベース814が既知の方法でコントローラ804にリンクされ得ることに留意されたい。さらに、これらのデータベース814は、スペクトルデータ受信器710の外部にあってもよい。
【0020】
コントローラ804は、プログラムメモリ806、プロセッサ808(マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサと呼ばれることもある)、ランダムアクセスメモリ(RAM)810、及び入力/出力(I/O)回路812を含み、これらはすべて、アドレス/データバス821を介して相互接続される。1つのマイクロプロセッサ808のみが示されているが、コントローラ804は、複数のマイクロプロセッサ808を含むことができる。同様に、コントローラ804のメモリは、複数のRAM810及び複数のプログラムメモリ806を含むことができる。I/O回路812は単一のブロックとして示されているが、I/O回路812は、いくつかの異なるタイプのI/O回路を含み得ることを理解されたい。RAM810及びプログラムメモリ806は、例えば、半導体メモリ、磁気的に読み取り可能なメモリ、不揮発性メモリ、及び/又は光学的に読み取り可能なメモリとして実装されてもよい。
【0021】
プログラムメモリ806及び/又はRAM810は、マイクロプロセッサ808によって実行するための様々なアプリケーション(すなわち、機械可読命令)を格納することができる。例えば、オペレーティングシステム830は、本明細書に記載のプロセスを実施するために、一般に、スペクトルデータ受信器710の動作を制御し、スペクトルデータ受信器710にユーザーインターフェースを提供し得る。プログラムメモリ806及び/又はRAM810はまた、スペクトルデータ受信器710の特定の機能にアクセスするための様々なサブルーチン832を格納することができる。例として挙げるが、該サブルーチン832は、とりわけ、センサ816によって検出された赤外光信号に関連付けられたデジタル信号を取得すること、選択された波長域にわたるデジタル信号の光強度を識別すること、波長と比較した光強度の視覚的表現を生成すること、選択された波長域にわたる光強度を積分すること、該積分光強度(integrated light intensity)を第2の積分光強度と比較して積分強度比(integrated intensity ratio)を計算すること、該積分強度比をチャートと比較して積分強度比及び選択された波長域に関連する温度値を推定することを含むが、これらに限定されるものではない。
【0022】
他の例では、サブルーチン832は、推定温度の視覚的表現をさらに生成し、グラフィカルユーザーインターフェースを介してディスプレイ826に該視覚的表現を表示することができる。該グラフィカルユーザーインターフェイスは、視覚的/グラフィカルな比較のために、複数(2つ以上)のデータセットの表現(プロットやダイアグラムなど)を視覚化又は表示できる。いくつかの実施形態では、3つ以上のデータセットは、スペクトルデータ受信器710を使用して比較対照することができる。例えば、既知値を記録値と比較することによる温度測定システム700の較正のために比較対照される。
【0023】
サブルーチン832は、本明細書に記載された動作のいずれをも実行するためのサブルーチンを含むことができる。サブルーチン832は、例えば、ソフトウェアキーボード機能を実施すること、スペクトルデータ受信器710において他のハードウェアとインターフェイスすることなど、他のサブルーチンを含むことができる。プログラムメモリ806及び/又はRAM810はまた、スペクトルデータ受信器710の構成及び/又は動作に関連した、及び/又は1つ又は複数のサブルーチン832に関連したデータを更に格納することができる。例えば、該データは、センサ816から収集されたデータ、プロセッサ808によって決定及び/又は計算されたデータなどであってもよい。コントローラ804に加えて、スペクトルデータ受信器710は、他のハードウェアリソースを含むことができる。スペクトルデータ受信器710はまた、視覚的ディスプレイ826及び入力デバイス828(例えば、キーパッド、キーボードなど)などの様々なタイプの入力/出力ハードウェアを含むことができる。1つの実施形態では、ディスプレイ826はタッチセンサー式であり、ソフトウェアルーチン832の1つとしてソフトウェアキーボードルーチンと協調して、ユーザ入力を受け入れることができる。スペクトルデータ受信器710にとって、いくつかの既知のネットワーキングデバイス及び技術のいずれかを介して(例えば、イントラネット、インターネットなどのようなコンピュータネットワークを介して)より広いネットワーク(図示せず)と通信することは有利であり得る。例えば、スペクトルデータ受信器710は、温度と比較して或る特定の波長域に関する積分強度比のデータベース814に接続され得る。該データベース814は、温度、圧力、及び濃度などの入力と相関関係を持つ、水、二酸化炭素、及び一酸化炭素の吸収値又は発光スペクトル線の強さを含むスペクトル情報を含むことができる。例えば、データベース814は、L.S.Rothman, I.E.G, R.J. Barber, H. Dothe, R.R. Gamache, A. Goldman, V.I. Perevalov, S.A. Tashkun, J. Tennyson. 2010「HITEMP、the high temperature molecular spectropic database(高温分子分光データベース)」 Journal of Quantitative Spectroscopy and Radiative Transfer 3:2139-2150(HITEMP2010)のデータベースを含むことができる。
【0024】
代替的に、データベース814、ディスプレイ826、入力デバイス828、及びコントローラ304及びその残りの構成要素は、スペクトルデータ受信器710から独立させることができる、コンピュータ又はコンピューティングデバイスなどの別のシステムに含めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本開示は、一般に、温度測定システム700及び温度測定システム700を有するガスタービンエンジン100に適用される。説明された実施形態は、特定のタイプのガスタービンエンジン100と組み合わせて使用することに限定されず、むしろ固定式又は移動式ガスタービンエンジン、又はそれらの任意の変形型に適用されることができる。ガスタービンエンジン、及びそれらの構成要素は、石油及び天然ガス産業(石油及び天然ガスの輸送、集合、貯留、採取、及び吸上げを含む)、発電産業、コージェネレーション、航空宇宙及び輸送産業の多種多様な側面といった、幾つもの産業応用に適応することができるが、これらに限定されるものではなく、これらはほんの一部の例にすぎない。
【0026】
一般に、現在開示されている温度測定システム700の実施形態は、ガスタービンエンジン100の使用、組立、製造、操作、保守、修理、及び改良に適用可能であり、性能及び効率を改良し、保守を減少させ、保守及び修理を軽減、及び/又はコストを削減するために使用することができる。さらに、現在開示されている温度測定システム700の実施形態は、設計から試作と最初の製造まで、ガスタービンエンジンの100の寿命の任意の段階で、そして寿命の終わりまで適用可能であり得る。したがって、温度測定システム700は、既存のガスタービンエンジンの改装又は改良として、予防措置として、あるいは事象への対応としてさえ、最初の製品で使用することができる。
【0027】
図1を参照すると、
図1に示されるように、ガス(通常、空気10)は、「作動流体」として入口110に流入し、圧縮機200によって圧縮される。圧縮機200では、該作動流体は、一連の圧縮機ロータ組立体220によって環状流路115内で圧縮される。特に、該空気10は、複数の「段」で圧縮され、各段は、各圧縮機ロータ組立体220に関連付けられる。例えば、「第4段空気」は、下流においてすなわち「後方」方向(入口110から排気500に向かう)において、第4圧縮機ロータ組立体220に関連付けられ得る。同様に、各タービンロータ組立体420は、1つの段に関連付けられ得る。
【0028】
ガスタービンエンジン100では、空気10及び燃料が燃焼室390内にに噴射されて燃焼される。エネルギーは、一連のタービンロータ組立体420の各段を通過する燃焼ガスによって、タービン400を介して燃焼反応から抽出される。同様の悪環境条件を伴う他の用途とともに、一連のタービンロータ組立体420の各段間の燃焼された空気燃料混合物又は燃焼ガスの温度を測定することは利益がある。燃料噴射器600及び燃焼室390に存在するガスの温度を測定することも利益がある。一例では、温度測定システム700は、噴射器600内の温度を測定し、最大温度値に基づいてフラッシュバックが発生するかどうかを検出することができる。別の例では、温度測定システム700は、最小温度値に基づいてフレームアウトが発生するかどうかを検出することができる。
【0029】
温度測定システム700は、水蒸気などの燃焼ガスに見られる燃焼生成物からの赤外発光(infrared emissions)を利用して、燃焼前及び燃焼環境でガスの温度を測定するために使用することができる。ガス又は燃焼生成物からの該赤外発光を利用することにより、光源より出る光が生成される必要がない、また温度測定システム700によって使用される必要もない。温度測定システム700は、異なる波長域にわたって積分されたガス又は燃焼生成物の測定されたスペクトル発光強度(spectral emission intensities)を利用することができ、積分強度比を使用して温度を推定することができる。
【0030】
温度測定システム700の動作中、レンズ780は、ガス又は燃焼生成物から放出された赤外光をファイバ760に集束させるように動作可能にできる。1つの実施形態では、ガス又は燃焼生成物は水蒸気であり得る。別の実施形態では、ガス又は燃焼生成物は二酸化炭素であり得る。ファイバ760は、レンズ780からの赤外光を受光し、その長さに沿って赤外光を伝送して赤外光をスペクトルデータ受信器710に送達するように動作可能である。代替的に、ファイバ760は、レンズ780を使用しないガス又は燃焼生成物から放出される赤外光を受光するように動作可能にできる。
【0031】
スペクトルデータ受信器710は、赤外光を受光し、赤外光をデジタル信号に変換するように動作可能にできる。該デジタル信号は、少なくとも短波長赤外範囲の第1の波長域に対する第1の光強度及び短波長赤外線範囲の第2波長域に対する第2の光強度を含むことができる。言い換えれば、スペクトルデータ受信器710は、複数の波長域(例えば、少なくとも第3の波長域に関する第3の光強度及び第4の波長域に関する第4の光強度を含む)に関して複数の光強度を受光することができる。
【0032】
デジタル信号情報は、放射伝達方程式:
【0033】
【0034】
に使用することができる。
【0035】
ガスの場合、通常、無視できる散乱があり、かつ煤(すす)粒子の散乱を無視することが、通常、受け入れられる。その理由は、煤粒子は非常に小さいため、散乱のために濃度を異常に大きくする必要があるからである。散乱が無視できる微粒子と比較して、より大きな粒子の濃度が比較的低いため、この仮定は、通常、ほとんどの燃焼流に対して良好である。散乱が無視できる場合、放射伝達方程式(radiative transfer equation)は次式:
【0036】
【0037】
に近似される。
【0038】
ロータ-ステータギャップ470などの火炎後領域に位置する燃焼ガスの場合、温度及び濃度は一般に均一であり、均一な温度係数及び吸収係数に導く。これは方程式:
【0039】
【0040】
に導く。
【0041】
ここで、Cabs、Pi、R、NA、及びTは、それぞれ吸収断面積、分圧、アボガドロ数、理想ガス定数及び絶対温度である。近似放射伝達方程式(reduced radiative transfer equation)は次のようになる。
【0042】
【0043】
1つの実施形態では、スペクトルデータ受信器710は、赤外線信号及び第1の光強度及び第1の波長域を記録し、第2の光強度及び第2の波長域は、記録された赤外線信号から選択される。フーリエ変換赤外分光計などのスペクトルデータ受信器の使用を通じて、該記録された赤外線信号から複数の光強度と波長域を抽出できる。
【0044】
スペクトルデータ受信器710又はコンピューティングデバイスは、上記の近似放射伝達方程式を用いて、第1の波長域にわたって第1の光強度を積分して第1の積分強度を生成するように動作可能であり得、第2の波長にわたって第2の光強度を積分して第2の積分強度を生成するように動作可能であり得る。第1の積分強度を第2の積分強度で割って積分強度比を生成することができる。複数の光強度が異なる温度と波長で記録されると、該生成された積分強度比は、単一の温度が特定の積分強度比に関連付けられている単調関数を生成できる。
【0045】
さらに、第1及び第2の波長域は、ガス又は燃焼生成物によって生成される光強度を記録することに向けることができる。第3及び第4の波長域を記録及び選択して、ガス又は燃焼生成物を含有する高温表面の少なくとも1つによって生成される光強度を測定することができる。高温ガスの温度を測定する際には、近傍の高温表面は、近傍の高温ガスの光強度測定において各々の光信号又は「ノイズ」を生成する可能性がある。この「ノイズ」を説明するために、近傍の高温表面から放出される光は、選択された第3及び第4の光波長域を使用して測定され、ガス又は燃焼生成物によって生成される光線を取得するたに放出される全光線から差し引くことができ、より正確なガス又は燃焼生成物温度を取得することに導くことができる。スペクトルデータ受信器710は、第3及び第4の波長域から記録された光信号情報を利用することによって、記録された第1及び第2の光強度値から光信号ノイズを除去するように動作可能にできる。
【0046】
データベース814は、輝線の各々にエネルギーを提供することができるが、各輝線の形状を提供しない場合がある。各輝線の形状は、様々な研究者によって様々にモデル化されている。例えば、個々の輝線の形状及びモデルは、J.T. Pearson, B.W. Webb, V.P. Solovjov, J. Ma. 2014.「Effect of total pressure on the absorption line blackbody distribution function and radiative transfer in H2O, CO2, and CO”(全圧がH2O、CO2、及びCOにおける吸収線黒体(完全放射体)分布関数と放射伝達に及ぼす影響)」。 Journal of the Quantitative Spectroscopy and Radiative Transfer 143:100-110。
【0047】
輝線の形状を選択した後、個々の輝線を組み合わせて全スペクトルを生成できる。このスペクトル放射グラフは、所与の温度、圧力、及びH2OとCO2の濃度に相関している。モデルにおいて温度が変更される場合には、グラフの放射が変化するであろう。われわれが選択した積分帯域率(integrated band ratio)が温度によってどのように変化するかを確認するためにモデルを複数の値で実行することができる。したがって、測定された積分帯域率がモデル化された積分帯域率と一致する際には、測定された温度はモデル化された温度と一致すると想定される。これにより、温度測定システム700は、熱電対などの別のデバイスからの測定温度に依存することなく、較正された放射率を生成し、モデル化された放射率と比較するように動作可能にすることができる。
【0048】
温度測定システム700は、温度測定システム700を黒体(BB)放射体の前に配置することによって較正することができる。次に、温度測定システム700は、測定された信号を記録し、黒体温度を用いてプランクの曲線を使用して測定波長での強度を計算することができる。次に、温度測定システム700の出力と強度との間の関係が知られている。データベース814は、HITEMP2010データベースを含む基本的なモデリング原理に基づいてガス及び背景温度を決定するために強度比を用いることができる。このプロセスには、光学部品の透過率損失説明することをはじめとして検出器の結合された感度(combined sensitivity)を較正するとことが含まれる。代替的に、黒体放射体は、タングステンランプ放射体などの他の放射体で代用することができる。
【0049】
バンド放射率(ratio of band emissions)と温度との関係は、モデル化された積分放射(integrated emissions)を通じって決定される。以前の方法では、高分解能でのデータ取得が必要であり、不確かさは較正の絶対値に依存する。積分強度比(integrated intensity radio)を利用することにより、スペクトル分解能及びスペクトルデータ受信器710を用いたスペクトルの正確な測定の必要性が少なくなる。また、この比率法により、スペクトルデータ受信器710及び光学組立体750の絶対較正の必要性が低くなり、この技術を、感度がより低くより安価な機器とともに、光学フィルタ、センサ、及び検出器に使用することが可能になる。フィルタ、センサ、及び検出器では、選択した波長域の総積分強度の直接出力が可能となり、フーリエ変換赤外分光計を使用する場合など、積分ステップを実行するためにプログラム及び必要な構成要素を必要とすることがなくなる。フィルタ、センサ、及び検出器を使用すれば、この比率法の時間分解能を向上させることが可能であろう、また温度を決定するための後処理を必要とせずに、1秒未満の応答時間を許容できる。
【0050】
1つの実施形態では、波長域は重複しない。1つの実施形態では、波長域は、1400ナノメートルと3000ナノメートルの波長の間にあり、短波長赤外線領域又は赤外線Bと呼ばれることもある。1つの実施形態では、ガス又は燃焼生成物は、エンクロージャ内に位置付けられている。1つの実施形態では、波長域は2.43マイクロメートルから2.63マイクロメートルの間である。
【0051】
1つの実施形態では、レンズ780は、ガス又は燃焼生成物と少なくとも部分的に流体連通するか、又は接触することができる。1つの実施形態では、ファイバ60は、ガス又は燃焼生成物と少なくとも部分的に流体連通するか、又は接触することができる。別の実施形態では、レンズ780が中心軸95に向けられるように先端部755を屈曲させるか又は湾曲させることができる。別の実施形態では、ファイバ760が中心軸95に向けられるように先端部755を屈曲させるか又は湾曲させることできる。1つの実施形態では、ロータ-ステータ軸方向ギャップ470の1つを横切ってタービン内壁460に沿った第1のポイントから、タービン内壁460に沿った第2のポイントまで延びる翼弦長に沿って向かい合うようにレンズ780が整形されるように先端部755を屈曲させるか又は湾曲させることができる。1つの実施形態では、ファイバ760は、レンズ効果を提供するために、整形又は接地された先端を有することができる。翼弦長は、タービンブレード及びハブなどの他のタービンロータ420及びステータ450の構成部品によって視覚的に遮るものがないようにできる。遮るもののない翼弦長は、タービン内壁460から中心軸95に向かう遮るもののないラジアル距離よりも長くなる可能性があり、光路長の増加につながる可能性があり、見通し線(line of sight)と呼ばれることもある。光路長が長いほど、よりクリーンでより強い赤外線の読み取り値につながる可能性があり、推定温度値が向上する。1つの実施形態では、レンズ780がロータ-ステータ軸方向ギャップ470のラジアル長さを挟んで向かい合うようにレンズ780を整形又は位置決めすることができる。レンズ780は、中心軸95の方に向いているか、又はロータ-ステータ軸方向ギャップ470の1つを横切って第1のポイントからタービン内壁460に沿った第2のポイントまで延びる翼弦長に沿った方向に向けることができる。1つの実施形態では、ファイバ760は、ファイバ760がロータ-ステータ軸方向ギャップ470のラジアル長さを挟んで向かい合うように整形又は位置決めすることができる。ファイバ760は中心軸95の方に向いているか、又はロータ-ステータ軸方向ギャップ470の1つを横切ってタービン内壁460に沿った第1のポイントからタービン内壁460に沿った第2のポイントまで延びる翼弦長に沿った方向に向けることができる。
【0052】
1つの実施形態では、温度測定システム700は、1気圧を超えて使用することができる。積分スペクトル帯域放射率(ratio of integrated spectral band emissions)は、圧力が増加しても温度の単調関数のままであり、より高い圧力での関係は大気圧での関係と同様のままである。この関係から利益を得るには、先端部755は、適切な材料を利用することにより、最大30気圧の圧力及び最大1650ケルビンの温度に耐えるように動作可能にすることができ、したがって、開示されたガスタービンエンジン100などの産業用途に温度測定システム700を使用する能力を促進することができる。
【0053】
前述の「発明を実施するための形態」は、本質的に単なる例示であり、本発明又は本発明の適用及び使用を限定することを意図するものではない。説明された実施形態は、特定のタイプのガスタービンエンジン又は特定の燃焼器と組み合わせて使用することに限定されない。したがって、本開示は、説明の便宜のために、温度測定システムの特定の実施形態を表現及び記述しているが、本開示による温度測定システムは、様々な他の構成で実施でき、様々な他のタイプの燃焼器及びガスタービンエンジンに使用でき、他のタイプの機械に使用できることが理解されるであろう。1つの実施形態に関連する任意の説明は、他の実施形態の同様の特徴に適用され、複数の実施形態の要素を組み合わせて、他の実施形態を形成することができる。さらに、前述の「背景技術」又は「発明を実施するための形態」に提示された理論に拘束される意図はない。説明図は、図示された参照品目をよりよく説明するために誇張された寸法を含む場合があり、そのように明示的に述べられていない限り、限定することを考慮しないことも理解される。