(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】管理システム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20240716BHJP
B65B 57/10 20060101ALI20240716BHJP
B65B 57/00 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
B65B57/10 D
B65B57/10 B
B65B57/00 A
(21)【出願番号】P 2020047780
(22)【出願日】2020-03-18
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】橋口 伸樹
(72)【発明者】
【氏名】石橋 剛
【審査官】稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-185087(JP,A)
【文献】特開2004-331107(JP,A)
【文献】特開2018-205948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
B65B 57/00
B65B 57/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を計量する計量装置及び計量された
前記食品を
袋により包装する包装装置を含む処理装置と、前記処理装置により
前記袋を用いて包装された前記
食品である包装物が不良品か否かを検査する検査装置と、を備える生産ラインを管理する管理システムであって、
前記検査装置による検査により不良品と判定された前記包装物を検査した時刻を基準として、前記包装物に含まれる不良食品を前記処理装置が計量又は包装に関する処理をした処理時刻を推定する制御部と、
前記制御部により推定された処理時刻に関連する前記処理装置の処理情報を出力可能に記憶する記憶部と、を有する管理システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記生産ラインにおける単位時間当たりの前記食品の処理速度に基づいて、前記処理時刻を推定する請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記処理装置による前記食品の処理状況を撮影するカメラを備え、
前記制御部は、前記カメラにより撮影された前記処理状況を示す画像情報から、前記処理時刻を含む時間帯の画像情報を選択し、
前記記憶部は、前記選択された画像情報を前記処理情報として記憶する請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記処理装置は、前記食品に対して、第1処理と、前記第1処理よりも後に実行される第2処理と、を実行し、
前記カメラは、前記第1処理における前記食品の処理状況を撮影する第1カメラと、前記第2処理における前記食品の処理状況を撮影する第2カメラと、を有し、
前記制御部は、
前記検査した時刻を基準として、前記第1処理により前記不良食品が処理された第1処理時刻と、前記第2処理により前記不良食品が処理された第2処理時刻と、を推定し、
前記第1カメラにより撮影された前記処理状況を示す画像情報から前記第1処理時刻を含む第1時間帯の画像情報を選択し、
前記第2カメラにより撮影された前記処理状況を示す画像情報から前記第2処理時刻を含む第2時間帯の画像情報を選択し、
前記記憶部は、前記選択された各画像情報を前記処理情報として記憶する請求項3に記載の管理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記計量装置により前記不良食品が処理された前記処理時刻を推定する請求項1から4のいずれか1項に記載の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品を処理する処理装置と、処理装置により処理された食品が不良品か否かを検査する検査装置と、を有する生産ラインを管理する管理システムが広く知られている(例えば、特許文献1参照)。検査装置によって食品が不良品であると判定された場合、良品である食品と分けられ廃棄される。これにより、不良食品を含まない食品のみを出荷できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように不良品が発生した場合、再度の不良品発生を低減するため、発生原因を特定することが望まれている。作業者は、発生原因を特定することで、改善の対策を立て易くなる。
【0005】
しかしながら、作業者は、検査装置によって、処理装置により処理された食品が不良品であることが分かったとしても、システム全体として複雑化し、処理装置の処理に起因した不良食品の発生原因を特定することは難しかった。
【0006】
そこで、本発明は、食品を処理する処理装置と、処理装置により処理された食品が不良品か否かを検査する検査装置と、を有する生産ラインを管理する管理システムであって、処理装置の処理に起因した不良食品の発生原因を特定し易い管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係る管理システムは、食品を処理する処理装置と、前記処理装置により処理された前記食品が不良品か否かを検査する検査装置と、を備える生産ラインを管理する。当該管理システムは、前記検査装置による検査により不良品と判定された不良食品を検査した時刻を基準として、前記処理装置により前記不良食品が処理された処理時刻を推定する制御部と、前記制御部により推定された処理時刻に関連する前記処理装置の処理情報を出力可能に記憶する記憶部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る生産ラインの概念図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る管理システムのブロック構成図である。
【
図3】
図3は、管理装置の動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態に係る物品搬送装置について図面を参照しながら説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。以下に説明される実施形態は、本発明の具体例の一つであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0010】
(1)管理システムの構成
管理システム1は、生産ライン2を管理する。生産ライン2では、例えば、スナック菓子やキャンディーなどの工業的に大量生産された食品が、所定の重量または個数ごとに小分けされ、袋詰めにされて下流工程に送られる。生産ライン2の下流工程では、袋詰めにされた物品の品質検査が行われる。下流工程では、不良品が取り除かれ、良品のみが箱詰めにされて出荷されてよい。
【0011】
本実施形態に係る生産ライン2の概念図を
図1に示す。管理システム1のブロック構成図を
図2に示す。生産ライン2は、管理システム1(管理装置60)によって管理される。生産ライン2は、食品を処理する処理装置20と、処理装置20により処理された食品が不良品か否かを検査する検査装置40と、処理装置20による食品の処理状況を撮影するカメラ70と、を備える。処理装置20は、食品に対して複数の処理を実行してよい。処理装置20は、例えば、第1処理と、第1処理よりも後に実行される第2処理とを実行してよい。処理装置20は、供給装置21と、計量装置22と、包装装置23とを備える。
【0012】
供給装置21は、生産された食品を計量装置22へ供給する。具体的には、供給装置21は、計量装置22の上方から食品を落下させて、計量装置22へ供給する。供給装置21は、例えば、物品がポテトチップスである場合、材料を油で揚げるフライヤ、および、物品に味付けをする味付け装置を含んでよい。
【0013】
計量装置22は、供給装置21から供給された物品を、所定の重量または個数ごとに小分けして、包装装置23に供給する。計量装置22は、中央部が加振器222によって支持される傘状の分散テーブル223と、分散テーブル223の周囲に配置される複数の振動フィーダ224と、各振動フィーダ224の下方に配置されるプールホッパ225と、各プールホッパ225の下方に配置される計量ホッパ226とを有する。
【0014】
供給装置21から供給された食品は、分散テーブル223の上面に載せられる。加振器222の駆動によって分散テーブル223が振動すると、食品は、分散テーブル223の上面を放射状に分散する。分散された食品は、振動フィーダ224に載せられた後、振動フィーダ224の振動によって落下して、プールホッパ225に一時的に貯留される。プールホッパ225内の食品は、計量ホッパ226に投入される。計量ホッパ226は、投入された食品の重量を測定する。計量装置22は、包装装置23に供給する食品の重量が所定値になるように、複数の計量ホッパ226による食品の重量の測定値を選択して組み合わせる。そして、選択された測定値を示す計量ホッパ226内の食品が排出されて合流して、包装装置23に供給される。
【0015】
包装装置23は、計量装置22によって所定の重量または個数ごとに小分けされた食品を、包材を用いて袋詰めにして、検査装置40に送る。包装装置23は、包材である熱可塑性のフィルムを円筒状に成形し、物品を詰めてシールする。
【0016】
検査装置40は、包装装置23によって包装された物品(食品)の品質を検査する。
図2に示されるように、検査装置40は、異物検出装置41、重量チェッカー42、および、シールチェッカー43を含む。検査装置40は、これらの各装置を用いて、包装装置23から送られてきた物品が良品か不良品かを判定する。
【0017】
異物検出装置41は、包装装置23によって包装された物品に、金属片などの異物が混入していないか否かを検出する。異物検出装置41は、例えば、金属の異物を検出できる金属検出機や、金属だけでなく非金属の異物も検出できるX線異物検出機である。異物検出装置41は、異物が検出された物品を不良品と判定する。
【0018】
重量チェッカー42は、包装装置23によって包装された物品の重量を測定し、重量の測定値が所定の範囲内にあるかどうかを判定する。重量チェッカー42は、重量が所定の範囲内にない物品を不良品と判定する。
【0019】
シールチェッカー43は、包装装置23によって包装された物品が詰まっている袋のシール不良を検出する。シールチェッカー43は、シール不良が検出された袋に包装される物品を不良品と判定する。
【0020】
生産ライン2は、振分装置(不図示)、箱詰装置(不図示)及びケースチェッカー(不図示)を備えてよい。振分装置は、検査装置40で不良品と判定された物品を、生産ライン2から取り除き、箱詰装置に送る。具体的には、振分装置は、異物検出装置41によって異物が検出された不良品と、重量チェッカー42によって重量が所定の範囲内にないと判定された不良品と、シールチェッカー43によってシール不良が検出された不良品と、を生産ライン2から取り除き、良品のみを箱詰装置に送る。箱詰装置は、振分装置から送られた物品を、所定の個数だけ箱に詰めて封緘する。箱詰装置は、箱を組み立てる機構を有してもよい。ケースチェッカーは、箱詰装置によって封緘された箱の重量を測定し、重量の測定値が所定の範囲内にあるかどうかを判定する。ケースチェッカーは、重量が所定の範囲内にない箱を、生産ライン2から取り除く。
【0021】
(2)管理装置60の構成
管理装置60は、生産ライン2を管理する。管理装置60は、生産ライン2を構成する各装置と通信回線を介して接続されるパーソナルコンピュータである。管理装置60は、制御部61と、記憶部62と、通信部63と、出力部64とを有する。
【0022】
制御部61は、CPUなどの演算装置である。制御部61は、記憶部62と、通信部63と、出力部64とを制御する。制御部61は、例えば、記憶部62に記憶されているプログラムを読み込んで実行して、生産ライン2を構成する各装置から通信部63が受信したデータを処理し、処理結果を出力部64に表示する。本実施形態において、制御部61は、入力されたデータを演算処理して演算結果を出力するプログラムと、演算処理に使用されるデータを取得するプログラムと、を含んでよい。
【0023】
記憶部62は、RAMなどの主記憶装置、および、HDDやUSBメモリなどの補助記憶装置である。記憶部62は、制御部61によって実行されるプログラム、および、通信部63によって送受信されるデータなどを記憶する。
【0024】
通信部63は、LANカードやモデムなどの、通信回線の接続端子を有するネットワークインターフェイス機器である。通信部63は、生産ライン2を構成する計量装置22、包装装置23、検査装置40のそれぞれと、通信回線を介して接続される。通信部63は、振分装置、箱詰装置、および、ケースチェッカーのそれぞれと、通信回線を介して接続されてもよい。通信回線は、LANケーブルやインターネット回線などである。通信部63は、生産ライン2を構成する各装置から送信されたデータを受信し、かつ、制御部61からの指令を各装置に送信する。通信部63は、例えば数秒ごとに、生産ライン2を構成する各装置からデータを受信することで、各装置の計量データ、エラー情報などをリアルタイムに取得することができる。
【0025】
出力部64は、モニターやプリンタなどの、データを出力する装置である。本実施形態において、出力部64は、画面を有するディスプレイ装置である。出力部64は、制御部61によって処理されたデータ、記憶部62に記憶されたデータ、および、生産ライン2を構成する各装置から通信部63が送受信したデータなどを出力する。
【0026】
カメラ70は、処理装置20による食品の処理状況を撮影する。カメラにより撮影された処理状況を示す画像情報が、通信部63を介して管理装置60へ送られ、記憶部62に記憶される。画像情報は、静止画でもよく、動画でもよい。画像情報は、記憶部62に所定の形式で圧縮保存されてよい。例えば、画像情報は、モーションJPEGにより圧縮されてよい。画像情報は、撮影された日時を示す画像時刻情報と共に管理装置60へ送られてよい。
【0027】
カメラ70は、複数のカメラにより構成されてよい。実施形態では、カメラ70は、第1カメラ71、第2カメラ72及び第3カメラ73により構成される。第1カメラ71は、第1処理における食品の処理状況を撮影する。実施形態では、第1カメラ71は、食品の第1搬送処理状況を撮影する。具体的には、第1搬送処理状況は、供給装置21から計量装置22(分散テーブル223)へ食品が搬送される状況、分散テーブル223から振動フィーダ224へ食品が搬送される状況、振動フィーダ224からプールホッパ225へ食品が搬送される状況の少なくともいずれかの処理状況である。第2カメラ72は、第1処理よりも後に実行される第2処理における食品の処理状況を撮影する。第2カメラ72は、食品の第2搬送処理状況を撮影する。具体的には、第2搬送処理状況は、計量装置22から食品が排出される状況である。第3カメラ73は、第2処理よりも後に実行される第3処理における食品の処理状況を撮影する。第3カメラ73は、食品の第3搬送処理状況を撮影する。具体的には、第3搬送処理状況は、計量装置22から包装装置23へ食品が搬送される状況である。
【0028】
(3)管理装置の動作
次に、管理装置60の動作について、
図3を用いて説明する。
図3は、実施形態に係る管理装置60の動作の一例を示す図である。以下、制御部61と、記憶部62と、通信部63と、出力部64との少なくともいずれかの動作を、管理装置60の動作として適宜説明する。
【0029】
工程S1において、管理装置60は、画像情報を記憶する。具体的には、管理装置60の記憶部62は、カメラ70から送られてきた画像情報を記憶する。カメラ70は、画像情報を管理装置60へ所定周期(例えば、数秒ごとに)で画像情報を送ってよい。記憶部62は、画像時刻情報と共に画像情報を記憶してよい。記憶部62は、画像情報を受信した受信時刻と共に画像情報を記憶してよい。画像情報は、複数の連続した静止画像により構成されてよいし、動画により構成されてよい。
【0030】
工程S2において、管理装置60(制御部61)は、不良食品を検査した時刻を基準として、処理装置20により不良食品が処理された処理時刻を推定する処理時刻を推定する。実施形態では、管理装置60(制御部61)は、計量装置22により不良食品が処理された処理時刻を推定する。
【0031】
管理装置60は、検査装置40により不良食品の判定がなされたことに応じて、処理時刻を推定する。検査装置40は、不良食品を判定したことを示す判定情報を管理装置60へ送ってよい。判定情報は、検査装置による検査により不良品と判定された不良食品を検査した時刻を示す情報を含んでよい。また、判定情報は、食品が包装されている包装体に個別の識別情報が付与されている場合、判定情報は、識別情報を含んでよい。管理装置60は、判定情報の受信に応じて、不良食品を検査した時刻を基準として、処理時刻を推定してよい。
【0032】
管理装置60は、生産ライン2における単位時間当たりの食品の処理速度に基づいて、処理時刻を推定してよい。単位時間当たりの食品の処理速度は、作業者が管理装置60へ入力してもよい。また、処理速度を推定するためのサンプルを生産ライン2へ流すことで、管理装置が、サンプルが処理される処理速度に基づいて、処理速度を推定してよい。
【0033】
管理装置60は、検査した時刻を基準として、複数の処理に応じた各処理時刻を推定してよい。管理装置60は、第1処理により不良食品が処理された第1処理時刻と、前記第2処理により不良食品が処理された第2処理時刻と、を推定してよい。実施形態では、管理装置60は、例えば、時刻tで不良食品が検査された場合、第1処理における処理時刻をt-xと推定し、第2処理における処理時刻をt-yと推定し、第3処理における処理時刻をt-zと推定してよい。x、y、zは、x>y>zの関係を満たす値である。x、y、zは、の単位は例えば秒である。x、y、zは、処理速度に応じて決定してよい。
【0034】
工程S3において、管理装置60(制御部61)は、カメラ70により撮影された処理状況を示す画像情報から、処理時刻を含む時間帯の画像情報を選択する。時間帯は、処理時刻を基準として、例えば、前後数秒であってよい。選択された画像情報は、所定の時間帯の複数の連続した静止画像により構成されてよいし、所定の時間帯の動画により構成されてよい。所定の時間帯は、処理速度に応じて決定できてよい。所定の時間帯は、各カメラ70で撮影される不良食品となった食品の処理装置20での処理状況が全て撮影される程度長い時間帯であることが好ましい一方で、記憶容量の節約の観点からは短いことが好ましい。従って、不良食品となった食品がカメラの撮影画面外に存在する期間は可能な限り含まれないことが好ましい。
【0035】
管理装置60は、複数の処理毎に当該複数の処理のそれぞれで撮影された各画像情報の中から所定の時間帯の画像情報を選択してよい。具体的には、管理装置60は、第1カメラ71により撮影された処理状況を示す画像情報から第1処理時刻を含む第1時間帯の画像情報を選択し、第2カメラ72により撮影された処理状況を示す画像情報から第2処理時刻を含む第2時間帯の画像情報を選択し、第3カメラ73により撮影された処理状況を示す画像情報から第3処理時刻を含む第3時間帯の画像情報を選択してよい。また、時間帯は、複数の処理に応じて変更してよい。例えば、食品の搬送速度が遅い第1処理における処理時刻の時間帯は、食品の搬送速度が第1処理よりも速い第2処理及び第3処理における処理時刻の時間帯よりも長くてよい。
【0036】
工程S4において、管理装置60(記憶部62)は、処理情報を記憶する。具体的には、記憶部62は、制御部61により推定された処理時刻に関連する処理装置20の処理情報を出力可能に記憶する。本実施形態では、管理装置60(記憶部62)は、選択された画像情報を処理情報として記憶する。記憶部62は、複数の処理が行われる場合、選択された各画像情報を処理情報として記憶してよい。
【0037】
なお、処理情報は、推定された処理時刻を示す情報を含む。処理情報は、他の情報を含んでよい。処理情報は、例えば、不良食品を検査した時刻(エラー発生時刻)、検査内容(エラー内容)、不良品が発生したライン番号などの少なくともいずれかを示す情報を含んでよい。各画像情報は、処理情報に含まれる上記いずれかの情報と関連づけられたファイル名にて記憶されてよい。
【0038】
工程S5において、管理装置60(出力部64)は、処理情報を出力する。管理装置60(制御部61)は、処理情報の記憶に応じて、出力部64に処理情報の少なくとも一部の情報を出力してよい。管理装置60は、作業者の操作に応じて、処理情報を出力してよい。管理装置60は、処理情報として選択された画像情報を表示してよい。また、管理装置60は、処理情報として推定された処理時刻を表示してよい。作業者は、ファイル名に基づき、画像情報を検索できてよい。作業者の操作により、検索された画像情報が出力部64(例えば、モニタ)で再生されてよい。
【0039】
以上のように、本実施形態では、制御部61は、不良食品を検査した時刻を基準として、処理装置20により不良食品が処理された処理時刻を推定する。記憶部62は、制御部61により推定された処理時刻に関連する処理装置20の処理情報を出力可能に記憶する。これにより、作業者は、記憶部に記憶された処理情報を出力することで、処理情報を確認できる。その結果、作業者は、処理情報に基づいて、処理装置の処理に起因した不良食品の発生原因を特定し易くなる。
【0040】
また、本実施形態では、制御部61は、生産ライン2における単位時間当たりの食品の処理速度に基づいて、処理時刻を推定する。これにより、制御部61が推定する処理時刻の精度を向上できる。
【0041】
また、制御部61は、カメラ70により撮影された処理状況を示す画像情報から、処理時刻を含む時間帯の画像情報を選択する。記憶部62は、選択された画像情報を処理情報として記憶する。作業者は、選択された画像を出力することで、処理時刻を含む画像を確認できる。これにより、作業者は、食品の処理状況を撮影した画像情報の中から、不良食品が処理されている画像情報を探す必要がなくなるため、処理装置20の処理に起因した不良食品の発生原因を特定するための時間を短縮できる。
【0042】
また、記憶部62は、複数のカメラ70により撮影された画像情報のそれぞれの中から選択された各画像情報を処理情報として記憶する。これにより、作業者は、複数のカメラ70により撮影された複数の画像情報の中から、各処理において不良食品が処理されている画像情報を探す必要がなくなるため、処理装置20の処理に起因した不良食品の発生原因を特定するための時間をさらに短縮できる。
【0043】
また、実施形態では、制御部61は、計量装置22により不良食品が処理された処理時刻を推定する。包装前の食品には、個別の識別番号を付与することができないため、計量装置22の処理に起因した不良食品の発生原因を特定することは特に難しい。しかしながら、制御部61により、計量装置22の処理時刻が推定されるため、作業者は、計量装置22の処理に起因した不良食品の発生原因を特定し易くなる。
【0044】
(その他実施形態)
上記のように実施形態について記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0045】
例えば、カメラ70は、包装装置23における包装処理状況を撮影するカメラを有してよい。
【符号の説明】
【0046】
1 :管理システム
2 :生産ライン
20 :処理装置
21 :供給装置
22 :計量装置
23 :包装装置
40 :検査装置
41 :異物検出装置
42 :重量チェッカー
43 :シールチェッカー
60 :管理装置
61 :制御部
62 :記憶部
63 :通信部
64 :出力部
70 :カメラ
71 :第1カメラ
72 :第2カメラ
73 :第3カメラ