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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】情報検索プログラム及び情報検索装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20240716BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20240716BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
G01C21/34
G01C21/26 P
G08G1/005
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021095045
(22)【出願日】2021-06-07
(62)【分割の表示】P 2020038339の分割
【原出願日】2020-03-06
(65)【公開番号】P2021139913
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-02-27
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】518388498
【氏名又は名称】株式会社MaaS Tech Japan
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】日高 洋祐
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-126551(JP,A)
【文献】特開2019-040643(JP,A)
【文献】特開2003-166839(JP,A)
【文献】特開2016-125979(JP,A)
【文献】特開2013-191047(JP,A)
【文献】特開2012-242296(JP,A)
【文献】特開2011-075393(JP,A)
【文献】特開2002-310693(JP,A)
【文献】特開2020-173133(JP,A)
【文献】特開2021-064039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
G09B 29/00 - 29/14
B61L 1/00 - 99/00
G06Q 50/00 - 50/20
G06Q 50/26 - 99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、
公共交通手段を用いた移動経路に関する経路データベースと、前記公共交通手段の乗降所及びユーザの活動施設に関する地図データベースを構築可能に構成される記憶手段、
ユーザの出発地及び目的地、並びに、前記出発地から前記目的地へ移動する途中にユーザが体験する活動に関する検索条件を前記端末装置から取得する取得手段、
前記地図データベースの中から、前記活動を体験し得る活動施設に対応付けられた乗降所を検索する乗降所検索と、前記経路データベースの中から、前記乗降所検索により抽出された乗降所を経由地とする前記出発地から前記目的地までの移動経路を検索する経路検索と、を前記取得手段により取得された前記検索条件を用いて行い、前記乗降所検索の後に前記経路検索を行う検索手段、
前記検索手段による検索結果の出力を前記端末装置に指示する出力指示手段、
として機能させるための情報検索プログラム。
【請求項2】
前記検索手段は、前記地図データベースの中から、前記乗降所検索により抽出された乗降所の周辺にある活動施設を検索する施設検索をさらに行い、
前記出力指示手段は、前記乗降所検索、前記経路検索、及び前記施設検索による検索結果の組み合わせから特定される1又は複数の行動計画の出力を指示する、
請求項1に記載の情報検索プログラム。
【請求項3】
前記出力指示手段は、前記出発地から前記目的地までの移動経路が互いに異なる複数の行動計画の出力を指示する、請求項2に記載の情報検索プログラム。
【請求項4】
前記検索手段は、前記乗降所検索及び前記経路検索を組み合わせてなる組合せ検索と、該組合せ検索による検索結果に基づく前記施設検索と、を順次行う、
請求項2に記載の情報検索プログラム。
【請求項5】
前記出力指示手段は、前記検索手段が行う前記組合せ検索により抽出された複数の移動経路候補の出力を指示し、
前記取得手段は、前記複数の移動経路候補の中からユーザが選択した移動経路を示す選択情報を前記端末装置から取得し、
前記検索手段は、前記選択情報により特定される移動経路に対応する乗降所の周辺にある活動施設に関する前記施設検索を行う、
請求項に記載の情報検索プログラム。
【請求項6】
前記出力指示手段は、前記検索手段が行う前記組合せ検索により抽出された複数の乗降所候補の出力を指示し、
前記取得手段は、前記複数の乗降所候補の中からユーザが選択した乗降所を示す選択情報を前記端末装置から取得し、
前記検索手段は、前記選択情報により特定される乗降所の周辺にある活動施設に関する前記施設検索を行う、
請求項に記載の情報検索プログラム。
【請求項7】
前記検索手段は、前記乗降所検索及び前記施設検索を組み合わせてなる組合せ検索と、該組合せ検索による検索結果に基づく前記経路検索と、を順次行う、
請求項2に記載の情報検索プログラム。
【請求項8】
前記出力指示手段は、前記検索手段が行う前記組合せ検索により抽出された複数の活動施設候補の出力を指示し、
前記取得手段は、前記複数の活動施設候補の中からユーザが選択した活動施設を示す選択情報を前記端末装置から取得し、
前記検索手段は、前記選択情報により特定される活動施設に対応する乗降所を経由地とする移動経路に関する前記経路検索を行う、
請求項に記載の情報検索プログラム。
【請求項9】
前記出力指示手段は、前記検索手段が行う前記組合せ検索により抽出された複数の乗降所候補の出力を指示し、
前記取得手段は、前記複数の乗降所候補の中からユーザが選択した乗降所を示す選択情報を前記端末装置から取得し、
前記検索手段は、前記選択情報により特定される乗降所を経由地とする移動経路に関する前記経路検索を行う、
請求項に記載の情報検索プログラム。
【請求項10】
前記検索手段は、前記公共交通手段とは別の移動手段に関するアクセス条件を満たす施設であって、前記検索条件に含まれる前記活動の種類に対応する活動施設がある乗降所に関する前記乗降所検索を行う、
請求項1に記載の情報検索プログラム。
【請求項11】
前記検索手段は、前記出発地又は前記目的地を1回通過する移動経路が前記検索結果に含まれるように前記乗降所検索を行う、請求項1~10のいずれか1項に記載の情報検索プログラム。
【請求項12】
前記検索手段は、一部の区間を往復する移動経路が前記検索結果に含まれるように前記乗降所検索を行う、請求項1~10のいずれか1項に記載の情報検索プログラム。
【請求項13】
ユーザの端末装置と通信可能な情報検索装置であって、
公共交通手段を用いた移動経路に関する経路データベースと、前記公共交通手段の乗降所及びユーザの活動施設に関する地図データベースを構築可能に構成される記憶手段と、
ユーザの出発地及び目的地、並びに、前記出発地から前記目的地へ移動する途中にユーザが体験する活動に関する検索条件を前記端末装置から取得する取得手段と、
前記地図データベースの中から、前記活動を体験し得る活動施設に対応付けられた乗降所を検索する乗降所検索と、前記経路データベースの中から、前記乗降所検索により抽出された乗降所を経由地とする前記出発地から前記目的地までの移動経路を検索する経路検索と、を前記取得手段により取得された前記検索条件を用いて行い、前記乗降所検索の後に前記経路検索を行う検索手段と、
前記検索手段による検索結果の出力を前記端末装置に指示する出力指示手段と、
を備える情報検索装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報検索プログラム及び情報検索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電車を含む公共交通手段を用いた移動経路の検索に関する様々な技術が提案されている。例えば、指定された検索条件を満たす複数の経路がある場合、所定の評価基準から優先順序を定め、その順序に従って表示対象の経路を絞り込む手法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-151548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した移動経路の検索(以下、「経路検索」ともいう)と、ユーザが活動を行うための施設の検索(以下、「施設検索」ともいう)を組み合わせることで、検索サービスのユーザに対してより有用な情報が提供され得る。この「活動」は、例えば、宿泊、食事、マッサージ、会議のように、ユーザにとってありふれたイベントを意味する。
【0005】
例えば、経路検索及び施設検索をこの順序で実行する場合、検索結果として、出発地から目的地までの最適な経路と、該目的地の周辺にある活動施設が併せて提示される傾向がある。これにより、ユーザが体験する活動に関する選択肢が少なくなってしまう。
【0006】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、経路検索及び施設検索を組み合わせて行う場合、ユーザにとって選択の幅がより広い検索結果を取得可能な情報検索プログラム及び情報検索装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明における情報検索プログラムは、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、公共交通手段を用いた移動経路に関する経路データベースと、前記公共交通手段の乗降所及びユーザの活動施設に関する地図データベースを構築可能に構成される記憶手段、ユーザの出発地及び目的地、並びに、前記出発地から前記目的地へ移動する途中にユーザが体験する活動に関する検索条件を前記端末装置から取得する取得手段、前記地図データベースの中から、前記活動を体験し得る活動施設に対応付けられた乗降所を検索する乗降所検索と、前記経路データベースの中から、前記乗降所検索により抽出された乗降所を経由地とする前記出発地から前記目的地までの移動経路を検索する経路検索と、を前記取得手段により取得された前記検索条件を用いて行う検索手段、前記検索手段による検索結果の出力を前記端末装置に指示する出力指示手段、として機能させる。
【0008】
また、前記検索手段は、前記地図データベースの中から、前記乗降所検索により抽出された乗降所の周辺にある活動施設を検索する施設検索をさらに行い、前記出力指示手段は、前記乗降所検索、前記経路検索、及び前記施設検索による検索結果の組み合わせから特定される1又は複数の行動計画の出力を指示してもよい。
【0009】
また、前記出力指示手段は、前記出発地から前記目的地までの移動経路が互いに異なる複数の行動計画の出力を指示してもよい。
【0010】
また、前記検索手段は、前記経路検索及び前記施設検索よりも先に前記乗降所検索を行い、前記乗降所検索では、前記活動を体験し得る活動施設に対応付けられた乗降所グループの中から、前記出発地からの移動経路及び前記目的地までの移動経路のうちの少なくとも一方が互いに異なる複数の乗降所候補を抽出してもよい。
【0011】
また、前記検索手段は、前記乗降所検索及び前記経路検索を組み合わせてなる組合せ検索と、該組合せ検索による検索結果に基づく前記施設検索と、を順次行ってもよい。
【0012】
また、前記出力指示手段は、前記検索手段が行う前記組合せ検索により抽出された複数の移動経路候補の出力を指示し、前記取得手段は、前記複数の移動経路候補の中からユーザが選択した移動経路を示す選択情報を前記端末装置から取得し、前記検索手段は、前記選択情報により特定される移動経路に対応する乗降所の周辺にある活動施設に関する前記施設検索を行ってもよい。
【0013】
また、前記出力指示手段は、前記検索手段が行う前記組合せ検索により抽出された複数の乗降所候補の出力を指示し、前記取得手段は、前記複数の乗降所候補の中からユーザが選択した乗降所を示す選択情報を前記端末装置から取得し、前記検索手段は、前記選択情報により特定される乗降所の周辺にある活動施設に関する前記施設検索を行ってもよい。
【0014】
また、前記検索手段は、前記乗降所検索及び前記施設検索を組み合わせてなる組合せ検索と、該組合せ検索による検索結果に基づく前記経路検索と、を順次行ってもよい。
【0015】
また、前記出力指示手段は、前記検索手段が行う前記組合せ検索により抽出された複数の活動施設候補の出力を指示し、前記取得手段は、前記複数の活動施設候補の中からユーザが選択した活動施設を示す選択情報を前記端末装置から取得し、前記検索手段は、前記選択情報により特定される活動施設に対応する乗降所を経由地とする移動経路に関する前記経路検索を行ってもよい。
【0016】
また、前記出力指示手段は、前記検索手段が行う前記組合せ検索により抽出された複数の乗降所候補の出力を指示し、前記取得手段は、前記複数の乗降所候補の中からユーザが選択した乗降所を示す選択情報を前記端末装置から取得し、前記検索手段は、前記選択情報により特定される乗降所を経由地とする移動経路に関する前記経路検索を行ってもよい。
【0017】
また、前記検索手段は、前記公共交通手段とは別の移動手段に関するアクセス条件を満たす施設であって、前記検索条件に含まれる前記活動の種類に対応する活動施設がある乗降所に関する前記乗降所検索を行ってもよい。
【0018】
また、前記検索手段は、前記出発地又は前記目的地を1回通過する移動経路が前記検索結果に含まれるように、前記乗降所検索又は前記経路検索を行ってもよい。
【0019】
また、前記検索手段は、一部の区間を往復する移動経路が前記検索結果に含まれるように、前記乗降所検索又は前記経路検索を行ってもよい。
【0020】
第2の本発明における情報検索装置は、ユーザの端末装置と通信可能な装置であって、公共交通手段を用いた移動経路に関する経路データベースと、前記公共交通手段の乗降所及びユーザの活動施設に関する地図データベースを構築可能に構成される記憶手段と、ユーザの出発地及び目的地、並びに、前記出発地から前記目的地へ移動する途中にユーザが体験する活動に関する検索条件を前記端末装置から取得する取得手段と、前記地図データベースの中から、前記活動を体験し得る活動施設に対応付けられた乗降所を検索する乗降所検索と、前記経路データベースの中から、前記乗降所検索により抽出された乗降所を経由地とする前記出発地から前記目的地までの移動経路を検索する経路検索と、を前記取得手段により取得された前記検索条件を用いて行う検索手段と、前記検索手段による検索結果の出力を前記端末装置に指示する出力指示手段と、を備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、経路検索及び施設検索を組み合わせて行う場合、ユーザにとって選択の幅がより広い検索結果を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態における情報検索装置としてのサーバ装置が組み込まれた情報検索システムの全体構成図である。
図2図1におけるサーバ装置及び端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図1及び図2におけるサーバ装置の機能ブロックの一例を示す図である。
図4】サーバ装置と端末装置の間における処理の流れを例示するフローチャートである。
図5】端末装置に表示される検索入力画面の一例を示す図である。
図6図6(a)は、図3の乗降所情報が有するデータ構造の一例を示す図である。図6(b)は、図3の施設情報が有するデータ構造の一例を示す図である。
図7】端末装置に表示される検索出力画面の一例を示す図である。
図8】路線、駅、及びホテルの位置関係を模式的に示す図である。
図9】第1例の連携検索に関するフローチャートである。
図10】第1例の連携検索における検索結果画面の一例を示す図である。
図11】第2例の連携検索に関するフローチャートである。
図12】第2例の連携検索における選択要求画面の一例を示す図である。
図13】第3例の連携検索に関するフローチャートである。
図14】第3例の連携検索における選択要求画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明における情報検索プログラムについて、情報検索装置との関係において好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対して可能な限り同一の符号を付するとともに、重複する説明を省略する場合がある。
【0024】
[情報検索システム10の構成]
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態における情報検索装置としてのサーバ装置12が組み込まれた情報検索システム10の全体構成図である。情報検索システム10は、ユーザによる検索の要求に応じて、公共交通手段の移動経路及びユーザの活動施設を含む各種情報に関する検索結果を提示する「情報検索サービス」を提供可能に構成される。
【0025】
ここで、「公共交通手段」は、一般の人が共同で利用可能であって乗降所が設けられている交通手段を意味する。公共交通手段の一例として、鉄道、バス、航空機、船舶などが挙げられる。また、「活動施設」は、ユーザが活動を体験し得る施設である。ここで述べる「活動」とは、観光を含む希少性が高いイベントではなく、例えば、宿泊、食事、マッサージ、会議のように比較的ありふれたイベントを意味する。
【0026】
情報検索システム10は、具体的には、サーバ装置12と、1又は複数の端末装置14と、を含んで構成される。各々の端末装置14は、ネットワークNTを通じて、サーバ装置12と相互に通信可能である。
【0027】
サーバ装置12は、上記した情報検索サービスに関する各種制御を行うサーバコンピュータである。図1の例では、サーバ装置12を単体のコンピュータとして示しているが、これに代わって、サーバ装置12は、分散システムを構築するコンピュータ群であってもよい。また、サーバ装置12は、クラウド型のサーバ(いわゆる、クラウドサーバ)であってもよいし、オンプレミス型のサーバであってもよい。
【0028】
端末装置14は、ユーザが所有する据置型又は携帯型のコンピュータ端末である。端末装置14は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、ウェアラブルデバイスなどから構成される。
【0029】
<ハードウェア構成>
図2は、図1におけるサーバ装置12及び端末装置14のハードウェア構成の一例を示す図である。図面の下側に示す端末装置14は、通信I/F21と、入力装置22と、出力装置23と、プロセッサ24と、メモリ25と、記憶装置26と、を含んで構成される。一方、図面の上側に示すサーバ装置12は、通信I/F31と、プロセッサ34と、メモリ35と、記憶装置36と、を含んで構成される。
【0030】
通信I/F21,31は、外部装置に対して電気信号を送受信するインターフェースである。これにより、端末装置14は、検索条件66(図3)をサーバ装置12に送信可能であるとともに、結果情報68(図3)をサーバ装置12から受信可能である。
【0031】
入力装置22は、マウス、キーボード、タッチセンサ、マイクロフォンを含むデバイスである。出力装置23は、ディスプレイ、スピーカを含むデバイスからなる。端末装置14は、入力装置22による入力機能と出力装置23による表示機能を組み合わせることで、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を構築する。
【0032】
プロセッサ24,34は、CPU(Central Processing Unit)を含む汎用プロセッサであってもよいし、GPU(Graphics Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)を含む専用プロセッサであってもよい。メモリ25,35は、非一過性の記憶媒体であり、プロセッサ24,34が各構成要素を制御するのに必要なプログラム及びデータを記憶している。記憶装置26,36は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)やソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)を含む非一過性の記憶媒体である。
【0033】
<機能ブロック>
図3は、図1及び図2におけるサーバ装置12の機能ブロックの一例を示す図である。サーバ装置12は、情報検索プログラムを読み出して実行することで、取得手段40、検索手段42、出力指示手段44、予約処理手段46、及び記憶手段48として機能する。取得手段40は、図2の通信I/F31及びプロセッサ34によって実現される手段である。検索手段42は、図2のプロセッサ34により実現される手段である。出力指示手段44及び予約処理手段46はそれぞれ、図2の通信I/F31及びプロセッサ34によって実現される手段である。記憶手段48は、図2の記憶装置36によって実現される手段である。
【0034】
取得手段40は、端末装置14との通信によって、検索手段42による検索処理に必要な検索条件66を取得する。また、取得手段40は、上記した検索処理の途中に、必要に応じて、複数の条件候補(例えば、乗降所、移動経路、活動施設)の中からユーザが選択した結果を含む選択情報を取得する。
【0035】
検索手段42は、いずれも後述する経路DB58及び地図DB64に対して所望の検索処理を行う。検索手段42は、地図DB64に対して乗降所の検索(以下、「乗降所検索」ともいう)を行う乗降所検索部50と、経路DB58に対して移動経路の検索(以下、「経路検索」ともいう)を行う経路検索部52と、地図DB64に対する活動施設の検索(以下、「施設検索」ともいう)を行う施設検索部54と、を含んで構成される。検索手段42は、上記した乗降所検索、経路検索、及び施設検索を連携させて実行する。
【0036】
出力指示手段44は、検索手段42による検索結果の出力を端末装置14に指示する。具体的には、出力指示手段44は、乗降所検索、経路検索、及び施設検索による検索結果の組み合わせから特定される1又は複数の行動計画の出力を指示する。ここで、「行動計画」とは、出発地から目的地に到着するまでのユーザの行動に関する計画を意味する。行動計画は、出発地から経由地までの移動工程、経由地から活動施設までの移動工程、活動施設での体験工程、一の活動施設から他の活動施設までの移動工程、活動施設から経由地までの移動工程、経由地から目的地までの移動工程を含む。
【0037】
予約処理手段46は、ユーザの要求に応じて活動施設の予約処理を行う。例えば、予約処理手段46は、端末装置14から取得した予約情報を用いて該当する予約サーバを特定した後、当該予約サーバとの間で予約の代行手配を行う。あるいは、予約処理手段46は、予約の手配を行おうとする端末装置14と、上記した予約サーバの間の接続を仲介する処理を行う。
【0038】
記憶手段48は、公共交通手段を用いた移動経路に関するデータベースであって、経路情報56を蓄積する経路データベース(以下、経路DB58)が構築されている。また、記憶手段48は、公共交通手段の乗降所及びユーザの活動施設に関するデータベースであって、乗降所情報60及び施設情報62を蓄積する地図データベース(以下、地図DB64)が構築されている。また、記憶手段48は、検索手段42による検索の際に、検索条件66及び結果情報68を一時的に記憶する。ここで、検索条件66は、ユーザの出発地及び目的地、並びに、出発地から目的地へ移動する途中にユーザが体験する活動に関する条件である。また、結果情報68は、検索手段42による検索結果(例えば、最終結果又は中間結果)を示す情報である。
【0039】
[情報検索システム10の動作]
情報検索装置としてのサーバ装置12が組み込まれた情報検索システム10は、以上のように構成される。続いて、サーバ装置12と端末装置14の間における処理の流れについて、図4のフローチャートを主に参照しながら説明する。このフローチャートのステップSP16,18,20,28はサーバ装置12により実行される一方、残りのステップは端末装置14により実行される。
【0040】
<全体の流れ>
図4のステップSP10において、端末装置14は、情報検索用アプリケーションの起動中、検索に用いられる検索条件66を入力するための画面(以下、検索入力画面80)を出力装置23のディスプレイに表示させる。
【0041】
図5は、図1の出力装置23により表示される検索入力画面80の一例を示す図である。具体的には、検索入力画面80上に、経路入力欄82と、活動入力欄84と、[検索]と表記されたボタン86と、が設けられている。
【0042】
経路入力欄82は、出発地に関する出発地情報を入力可能に構成される第1ユーザコントロール群88と、目的地に関する目的地情報を入力可能に構成される第2ユーザコントロール群90と、を備える。第1ユーザコントロール群88は、出発地を示す場所情報(例えば、駅名)や出発時点を示す時間情報(例えば、年月日及び時刻)などを入力するためのユーザコントロールの集合体である。第2ユーザコントロール群90は、目的地を示す場所情報(例えば、駅名)や到着時点を示す時間情報(ここでは、年月日、時刻あるいは時間帯)などを入力するためのユーザコントロールの集合体である。
【0043】
活動入力欄84は、少なくとも1組のユーザコントロール群92及びボタン94と、一対のボタン96と、を備える。ユーザコントロール群92は、活動の種類や時間情報(ここでは、年月日及び予約時刻)などを入力するためのユーザコントロールの集合体である。ボタン94は、活動に関する追加の検索条件66を入力可能なウィンドウをポップアップ表示させるためのユーザコントロールである。一対のボタン96は、ユーザコントロール群92を追加又は削除するためのユーザコントロールである。
【0044】
図4のステップSP12において、端末装置14は、ユーザによる検索の要求があったか否かを確認する。図5の例では、端末装置14は、検索入力画面80上の[検索]ボタン86をクリックする操作を受け付けたか否かを確認する。検索の要求がなかった場合(ステップSP12:NO)、ステップSP10に戻って、所定の要求操作を受け付けるまでステップSP10,12を順次繰り返す。一方、検索の要求があった場合(ステップSP12:YES)、次のステップSP14に進む。
【0045】
ステップSP14において、端末装置14は、ステップSP12の要求時点に検索入力画面80を介して指定された検索条件66を取得した後、この検索条件66を端末装置14の識別情報(つまり、端末ID)と対応付けてサーバ装置12に送信する。
【0046】
ステップSP16において、サーバ装置12の取得手段40は、端末装置14からの受信を通じて、後述する連携検索に用いられる検索条件66を取得する。
【0047】
ステップSP18において、サーバ装置12の検索手段42は、ステップSP16で取得された検索条件66に基づく連携検索を行う。ここで、「連携検索」とは、[1]乗降所検索部50による「駅検索」、[2]経路検索部52による「経路検索」、[3]施設検索部54による「施設検索」を連携させて行う処理を意味する。なお、サーバ装置12は、この連携検索の実行中に、必要に応じて端末装置14との間でデータのやり取りを行ってもよい。
【0048】
図3の経路情報56には、例えば、ノードとリンクを組み合わせたデータ構造を有する路線情報、各路線の時刻表、運行状況を示す運行情報、交通流の時間変化を示す交通流情報などが含まれる。
【0049】
図6(a)は、図3の乗降所情報60が有するデータ構造の一例を示す図である。この乗降所情報60は、[1]鉄道駅(あるいは、単に「駅」ともいう)の識別情報である「駅ID」と、[2]駅の名称を示す「駅名」と、[3]駅の位置を示す「位置情報」との間の対応関係を示すテーブル形式のデータである。ここで、位置情報は、地図上の位置を示す情報であり、例えば、地区名、緯度・経度、路線名、住所を含む。
【0050】
図6(b)は、図3の施設情報62が有するデータ構造の一例を示す図である。この施設情報62は、[1]活動施設の識別情報である「施設ID」と、[2]活動施設の名称を示す「施設名」と、[3]活動施設の区分を示す「種類」と、[4]活動施設の位置を示す「位置情報」との間の対応関係を示すテーブル形式のデータである。
【0051】
図4のステップSP20において、サーバ装置12の出力指示手段44は、ステップSP18での連携検索により得られた検索結果を含む結果情報68を、検索条件66に紐付けられた端末IDを有する端末装置14に送信する。
【0052】
ステップSP22において、端末装置14は、サーバ装置12からの受信を通じて、検索条件66に対応する結果情報68を取得する。
【0053】
ステップSP24において、端末装置14は、ステップSP22で受信した検索条件66を用いて、検索の結果を示す画面(以下、検索出力画面100)を出力装置23のディスプレイに表示させる。
【0054】
図7は、図1の出力装置23により表示される検索出力画面100の一例を示す図である。具体的には、検索出力画面100上に、行動計画の各工程を示す工程欄101~107と、[再検索]と表記されたボタン110と、[検索]と表記されたボタン112と、が設けられている。
【0055】
第1の工程欄101は、目的地(A駅)から経由地(P3駅)までの区間を鉄道で移動するスケジュールを示している。第2の工程欄102は、経由地(P3駅)から1番目の活動施設(マッサージ店)までの区間を徒歩で移動するスケジュールを示している。第3の工程欄103は、1番目の活動施設での行動(マッサージの施術)を示している。第4の工程欄104は、1番目の活動施設(マッサージ店)から2番目の活動施設(ホテル)までの区間を徒歩で移動するスケジュールを示している。第5の工程欄105は、2番目の活動施設での行動(宿泊)を示している。第6の工程欄106は、2番目の活動施設(ホテル)から経由地(P3駅)までの区間を徒歩で移動するスケジュールを示している。第7の工程欄107は、経由地(P3駅)から目的地(B駅)までの区間を鉄道で移動するスケジュールを示している。
【0056】
第3の工程欄103には、マッサージ店の予約情報を入力可能なウィンドウをポップアップ表示させるためのボタン114と、入力済みの予約情報の内容を示す確認欄115と、が設けられている。第5の工程欄105には、ホテルの予約情報を入力可能なウィンドウをポップアップ表示させるためのボタン116と、入力済みの予約情報の内容を示す確認欄117と、が設けられている。
【0057】
例えば、端末装置14のユーザが[再検索]ボタン110をクリックする操作を行うと、出力装置23のディスプレイには、図5の検索入力画面80が再び表示される。一方、ユーザが[予約]ボタン112をクリックする操作を行うと、次のステップSP26に進む。
【0058】
図4のステップSP26において、端末装置14は、サーバ装置12に対して活動施設の予約の要求を行う。具体的には、端末装置14は、[予約]ボタン112(図7)のクリック時点に検索出力画面100を介して入力された予約情報を取得した後、この予約情報を端末装置14の端末IDと対応付けてサーバ装置12に送信する。
【0059】
ステップSP28において、サーバ装置12の予約処理手段46は、活動施設の予約処理を行う。具体的には、予約処理手段46は、端末装置14から取得した予約情報を用いて該当する予約サーバ(不図示)を特定した後、当該予約サーバとの間で予約の手配を行ってもよいし、端末装置14と予約サーバの間の接続を仲介する処理を行ってもよい。
【0060】
[連携検索の具体例]
以上のようにして、情報検索システム10による一連の動作が終了する。続いて、検索手段42による連携検索(図4のステップSP18)の具体例について、図8図14を参照しながら説明する。以下、公共交通手段が「鉄道」、出発地が「A駅」、目的地が「B駅」、活動の種類が「宿泊/マッサージの施術」、活動施設が「ホテル/マッサージ店」であることを前提に説明する。
【0061】
図8は、路線、駅、及びホテルの位置関係を模式的に示す図である。3本の実線は鉄道の「路線」(路線X,Y,Z)を示すとともに、実線上の丸印は「駅」(駅A,B,P1~P5)を示している。「H」と表記された正方形状のマークは、ホテルの位置を示している。なお、塗り潰しがある2個の丸印のうち、図面の右上側にある印が「出発駅」(A駅)に相当し、図面の左下側にある印が「到着駅」(B駅)に相当する。なお、理解を容易にするため、本図ではマッサージ店の有無について説明を省略するとともに、1駅につき1棟のホテルだけを表記している。
【0062】
ここで、ユーザが、A駅からB駅に向かう際に前泊を行うような行動計画の検索を行う場合を想定する。例えば、繁華街のような地域では、目的地であるB駅の近くにビジネスホテルなどの宿泊施設がある可能性が高い。この場合、経路検索及び施設検索をこの順序で実行すると、検索結果として、A駅からB駅までの最適な移動経路と、B駅の周辺にあるホテルが併せて提示される傾向がある。これにより、ユーザが行動計画を選択する余地が少なくなってしまう。そこで、上記した「連携検索」を行うことで、ユーザにとって選択の幅がより広い検索結果が得られる。
【0063】
具体的には、さらに経由駅を検索対象とすることで、B駅の他に、[1]最短経路である路線X上の中間駅(P1駅,P2駅,P3駅)、[2]最短区間外の駅(P4駅)、[3]別の路線Y,Z上の駅(P5駅)も経由駅の候補として抽出され得る。このように、A駅又はB駅を1回通過する移動経路や、一部の区間を往復する移動経路などが許容されることで、ユーザは、例えば、混雑時における鉄道の利用を避ける行動計画を選択することができる。
【0064】
<第1例>
まず、第1例の連携検索(ステップSP18A)について、図9のフローチャート及び図10の画面例を参照しながら説明する。
【0065】
図9のステップSP40において、検索手段42は、地図DB64の中から、活動施設に対応付けられた駅を検索する「駅検索」を行う。この「対応付け」は、データテーブルに直接的に記述された関係性であってもよいし、施設ID及び駅IDに対応付けられた位置情報を用いて得られた関係性であってもよい。後者の例では、検索手段42は、[1]A駅、B駅の位置を焦点とする楕円状のエリアAr(図8)内に位置すること、[2]所定のアクセス条件を満たす活動施設があること、[3]該当する活動施設が、検索条件66に含まれる活動の種類(ここでは、宿泊又はマッサージの施術)に対応すること、を同時に満たす駅を検索する。
【0066】
この「アクセス条件」は、鉄道以外の手段(例えば、徒歩、バス、自転車など)を用いた移動に関する1又は複数の条件を意味し、一例として「該当する駅から徒歩5分以内で到着可能であること」が挙げられる。このアクセス条件は、例えば、該当する駅からの直線距離、道程距離、所要時間、料金、運行頻度などを含む様々な評価項目に基づいて定められる。また、このアクセス条件は、ユーザによらない一律の条件であってもよいし、ユーザ毎にカスタマイズされた条件であってもよい。このカスタマイズは、例えば、ユーザによる指定操作や、過去の検索履歴、閲覧履歴又は利用履歴などに基づいて行われてもよい。また、活動施設にユーザへの推奨度が設定されている場合、例えば、推奨度が閾値よりも高い活動施設に対するアクセス条件の判定を緩和し、該当する駅及び活動施設を抽出されやすくしてもよい。
【0067】
ステップSP42において、検索手段42は、ステップSP40の駅検索により抽出された駅グループの中から絞り込みを行って複数の経由駅候補を抽出する。例えば、検索手段42は、検索条件66の内容から特定される優先順序に従って経由駅候補を抽出してもよいし、無作為に経由駅候補を抽出してもよい。これにより、出発駅からの移動経路及び目的駅までの移動経路のうちの少なくとも一方が異なるように、上記した駅グループの中から複数の経由駅候補が抽出される。
【0068】
ステップSP44において、検索手段42は、ループ変数(i)に関するループ制御を開始する。ループ変数iは、開始値i=1から終了値i=Nになるまでの間、1ずつ加算される。ここで、N(N≧2)は、ステップSP42にて抽出された経由駅候補の個数に相当する。
【0069】
ステップSP46において、検索手段42は、経路DB58の中から、現在指定されているi番目の経由駅候補を経由地とする経路検索を行う。例えば、検索手段42は、移動時間、料金、乗り換え回数などに関する評価基準に従って、[1]出発駅から経由駅候補までの第1経路、[2]経由駅候補から目的駅までの第2経路を組み合わせた1の移動経路を決定する。
【0070】
ステップSP48において、検索手段42は、地図DB64の中から、現在指定されているi番目の経由駅候補の周辺における施設検索を行う。例えば、検索手段42は、料金、設備、サービスの利便性、空き状況などに関する評価基準に従って、検索条件66に一致又は類似する1組の活動施設(ここでは、マッサージ店及びホテル)を決定する。その後、ループ変数をカウントアップ(i=i+1)した上で、このループ制御を継続する。
【0071】
ステップSP50において、検索手段42は、ループ変数iに関するループ制御を終了する。これにより、検索手段42による第1例の連携検索が終了する。その後、結果情報68は、出力指示手段44による指示を通じて、出力装置23のディスプレイに表示される。
【0072】
図10は、第1例の連携検索における検索出力画面120の一例を示す図である。この検索出力画面120上には、検索結果の一部を示す結果欄122,124,126と、[再検索]と表記されたボタン128と、[詳細]と表記された3つのボタン130と、が設けられている。
【0073】
結果欄122は、「P3駅」を経由駅とした場合における移動経路、マッサージ店名、及びホテル名を示している。結果欄124は、「P4駅」を経由駅とした場合における移動経路、マッサージ店名、及びホテル名を示している。結果欄126は、「P5駅」を経由駅とした場合における移動経路、マッサージ店名、及びホテル名を示している。
【0074】
ユーザは、結果欄122,124,126の内容を見比べた上で、関心の高い行動計画がなかった場合、[再検索]ボタン128のクリック操作を行う。これにより、出力装置23のディスプレイには、ユーザに再入力を促す検索入力画面80(図5)が再び表示される。一方、関心の高い行動計画があった場合、ユーザは、該当する[詳細]ボタン130のクリック操作を行う。これにより、出力装置23のディスプレイには、行動計画の具体的な各工程を示す検索出力画面100(図7)が表示される。
【0075】
<第2例>
続いて、第2例の連携検索(ステップSP18B)について、図11のフローチャート及び図12の画面例を参照しながら説明する。
【0076】
図11のステップSP60において、検索手段42は、経路DB58及び地図DB64の中から、検索条件66に合致する経由駅及び移動経路の組み合わせを検索する「組み合わせ検索」を行う。ここで、検索手段42は、[1]A駅、B駅の位置を焦点とする楕円状のエリアAr(図8)内に位置すること、[2]所定のアクセス条件を満たす活動施設があること、[3]該当する活動施設が、検索条件66に含まれる活動の種類(ここでは、宿泊又はマッサージの施術)に対応すること、を同時に満たす駅及び当該駅を経由する移動経路を検索する。
【0077】
ステップSP62において、検索手段42は、ステップSP60の組合せ検索により抽出された移動経路グループの中から絞り込みを行って複数の経路候補を抽出する。例えば、検索手段42は、検索条件66の内容から特定される優先順序に従って経路候補を抽出してもよいし、無作為に経路候補を抽出してもよい。
【0078】
ステップSP64において、出力指示手段44は、ステップSP62の絞り込みで抽出された経路候補を含む結果情報68を、検索条件66に紐付けられた端末IDを有する端末装置14に送信する。そうすると、この結果情報68が、出力装置23のディスプレイに表示される。
【0079】
図12は、第2例の連携検索における選択要求画面140の一例を示す図である。この選択要求画面140上には、検索結果の一部を示す結果欄142,144,146と、[再検索]と表記されたボタン148と、[再検索]と表記されたボタン150と、3つのチェックボックス152と、が設けられている。
【0080】
結果欄142は、「P3駅」を経由駅とした場合における移動経路及びその利用条件(料金、時刻、路線名など)を示している。結果欄144は、「P4駅」を経由駅とした場合における移動経路及びその利用条件を示している。結果欄142は、「P5駅」を経由駅とした場合における移動経路及びその利用条件を示している。
【0081】
ユーザは、結果欄142,144,146の内容を見比べた上で、関心の高い移動経路がなかった場合、[再検索]ボタン148のクリック操作を行う。これにより、出力装置23のディスプレイには、ユーザに再入力を促す検索入力画面80(図5)が再び表示される。一方、関心の高い移動経路があった場合、ユーザは、該当する1以上のチェックボックス152を選択した後に[選択]ボタン150のクリック操作を行う。そうすると、端末装置14は、選択要求画面140上にあるチェックボックス152の操作状態を含む選択情報を、端末IDと対応付けてサーバ装置12に送信する。
【0082】
ステップSP66において、検索手段42は、端末装置14からの選択情報を受け付けたか否かを確認する。検索手段42が選択情報をまだ受け付けていない場合(ステップSP66:NO)、この選択情報を受け付けるまでの間、ステップSP66に留まる。一方、検索手段42が選択情報を受け付けた場合(ステップSP66:YES)、次のステップSP68に進む。
【0083】
ステップSP68において、検索手段42は、地図DB64の中から、ステップSP66で受け付けた選択情報により選択された移動経路に対応する経由駅に関する施設検索を行う。第1例の場合と同様に、検索手段42は、料金、設備、サービスの利便性、空き状況などに関する評価基準に従って、検索条件66に一致又は類似する複数の活動施設を抽出する。
【0084】
このようにして、検索手段42による第2例の連携検索が終了する。その後、図4のステップSP20,SP22,SP24を経て、結果情報68は、出力装置23のディスプレイ(より詳しくは、図7の検索出力画面100上)に表示される。
【0085】
<第3例>
続いて、第3例の連携検索(ステップSP18C)について、図13のフローチャート及び図14の画面例を参照しながら説明する。
【0086】
ステップSP80において、検索手段42は、地図DB64の中から、検索条件66に合致する経由駅及び活動施設の組み合わせを検索する「組み合わせ検索」を行う。ここで、検索手段42は、[1]A駅、B駅の位置を焦点とする楕円状のエリアAr(図8)内に位置すること、[2]所定のアクセス条件を満たす活動施設があること、[3]該当する活動施設が、検索条件66に含まれる活動の種類(ここでは、宿泊又はマッサージの施術)に対応すること、を同時に満たす駅及び当該駅の周辺にある活動施設を検索する。
【0087】
ステップSP82において、検索手段42は、ステップSP80の組合せ検索により抽出された活動施設グループの中から絞り込みを行って複数の施設候補を抽出する。例えば、検索手段42は、検索条件66の内容から特定される優先順序に従って施設候補を抽出してもよいし、無作為に施設候補を抽出してもよい。
【0088】
ステップSP84において、出力指示手段44は、ステップSP82の絞り込みで抽出された施設候補を含む結果情報68を、検索条件66に紐付けられた端末IDを有する端末装置14に送信する。そうすると、この結果情報68は、出力装置23のディスプレイに表示される。
【0089】
図14は、第3例の連携検索における選択要求画面160の一例を示す図である。この選択要求画面160上には、検索結果の一部を示す結果欄162,164,166と、[再検索]と表記されたボタン168と、[再検索]と表記されたボタン170と、3つのチェックボックス172と、が設けられている。
【0090】
結果欄162は、「P3駅」を経由駅とした場合におけるホテル名及びその関連情報(経由駅名、路線名、サービスの概要など)を示している。結果欄164は、「P4駅」を経由駅とした場合におけるホテル名及びその関連情報を示している。結果欄166は、「P5駅」を経由駅とした場合におけるホテル名及びその関連情報を示している。
【0091】
ユーザは、結果欄162,164,166の内容を見比べた上で、関心の高いホテルがなかった場合、[再検索]ボタン168のクリック操作を行う。これにより、出力装置23のディスプレイには、ユーザに再入力を促す検索入力画面80(図5)が再び表示される。一方、関心の高いホテルがあった場合、ユーザは、該当する1以上のチェックボックス172を選択した後に[選択]ボタン170のクリック操作を行う。そうすると、端末装置14は、選択要求画面160上にあるチェックボックス172の操作状態を含む選択情報を、端末IDと対応付けてサーバ装置12に送信する。
【0092】
ステップSP86において、検索手段42は、端末装置14からの選択情報を受け付けたか否かを確認する。検索手段42が選択情報をまだ受け付けていない場合(ステップSP86:NO)、この選択情報を受け付けるまでの間、ステップSP86に留まる。一方、検索手段42が選択情報を受け付けた場合(ステップSP86:YES)、次のステップSP88に進む。
【0093】
ステップSP88において、検索手段42は、経路DB58の中から、ステップSP86で受け付けた選択情報により選択されたホテルに対応する経由駅に関する経路検索を行う。第1例の場合と同様に、検索手段42は、移動時間、料金、乗り換え回数などに関する評価基準に従って、出発駅から経由駅までの第1経路、経由駅から目的駅までの第2経路を組み合わせた複数の移動経路を決定する。
【0094】
このようにして、検索手段42による第3例の連携検索が終了する。その後、図4のステップSP20,SP22,SP24を経て、結果情報68は、出力装置23のディスプレイ(より詳しくは、図7の検索出力画面100上)に表示される。
【0095】
[実施形態による効果]
以上のように、情報検索装置としてのサーバ装置12は、公共交通手段を用いた移動経路に関する経路DB58と、公共交通手段の乗降所及びユーザの活動施設に関する地図DB64を構築可能に構成される記憶手段48と、ユーザの出発地及び目的地、並びに、出発地から目的地へ移動する途中にユーザが体験する活動に関する検索条件66を端末装置14から取得する取得手段40と、地図DB64の中から、活動を体験し得る活動施設に対応付けられた乗降所を検索する乗降所検索と、経路DB58の中から、乗降所検索により抽出された乗降所を経由地とする出発地から目的地までの移動経路を検索する経路検索と、を取得手段40により取得された検索条件66を用いて行う検索手段42と、検索手段42による検索結果の出力を端末装置14に指示する出力指示手段44と、を備える。
【0096】
また、この情報検索方法及び情報検索プログラムは、公共交通手段を用いた移動経路に関する経路DB58と、公共交通手段の乗降所及びユーザの活動施設に関する地図DB64を構築するステップと、ユーザの出発地及び目的地、並びに、出発地から目的地へ移動する途中にユーザが体験する活動に関する検索条件66を端末装置14から取得するステップSP16と、地図DB64の中から、活動を体験し得る活動施設に対応付けられた乗降所を検索する乗降所検索と、経路DB58の中から、乗降所検索により抽出された乗降所を経由地とする出発地から目的地までの移動経路を検索する経路検索と、を取得された検索条件66を用いて行うステップSP18と、ステップSP18による検索結果の出力を端末装置14に指示するステップSP20と、1又は複数のコンピュータが実行する。
【0097】
このように、活動を体験し得る活動施設に対応付けられた乗降所を検索することで、出発地から目的地までの移動経路の検索結果から乗降所を選択する場合と比べて、経由地候補になり得る乗降所の選択肢を増やすことが可能となる。これにより、経路検索及び施設検索を組み合わせて行う場合、ユーザにとって選択の幅がより広い検索結果を取得することができる。
【0098】
また、検索手段42は、地図DB64の中から、乗降所検索により抽出された乗降所の周辺にある活動施設を検索する施設検索をさらに行い、出力指示手段44は、乗降所検索、経路検索、及び施設検索による検索結果の組み合わせから特定される1又は複数の行動計画の出力を指示してもよい。
【0099】
また、検索手段42は、公共交通手段とは別の移動手段に関するアクセス条件を満たす施設であって、検索条件66に含まれる活動の種類に対応する活動施設がある乗降所に関する乗降所検索を行ってもよい。
【0100】
また、検索手段42は、出発地又は目的地を1回通過する移動経路が検索結果に含まれるように乗降所検索を行ってもよい。また、検索手段42は、一部の区間を往復する移動経路が検索結果に含まれるように乗降所検索を行ってもよい。これにより、検索結果に含まれる乗降所の数が増加するので、その分だけユーザにとって選択の幅が広がる。
【0101】
連携検索の第1例(図9及び図10)における出力指示手段44は、出発地から目的地までの移動経路が互いに異なる複数の行動計画の出力を指示してもよい。これにより、ユーザに対して移動経路が異なる複数の行動計画を提示可能となり、ユーザにとって選択の幅が広がる。
【0102】
例えば、検索手段42は、経路検索及び施設検索よりも先に乗降所検索を行うとともに、乗降所検索では、体験し得る活動施設に対応付けられた乗降所グループの中から、出発地からの移動経路及び目的地までの移動経路のうちの少なくとも一方が互いに異なる複数の乗降所候補を抽出してもよい。これにより、後に実行される経路検索の手法にかかわらず、複数の異なる移動経路が選択されるようになる。
【0103】
連携検索の第2例(図11及び図12)における検索手段42は、乗降所検索及び経路検索を組み合わせてなる組合せ検索と、該組合せ検索による検索結果に基づく施設検索と、を順次行ってもよい。
【0104】
例えば、出力指示手段44は、検索手段42が行う組合せ検索により抽出された複数の移動経路候補の出力を指示し、取得手段40は、複数の移動経路候補の中からユーザが選択した移動経路を示す選択情報を端末装置14から取得し、検索手段42は、選択情報により特定される移動経路に対応する乗降所の周辺にある活動施設に関する施設検索を行ってもよい。これにより、移動経路に関するユーザの意向を検索結果に反映させることができる。
【0105】
連携検索の第3例(図13及び図14)における検索手段42は、乗降所検索及び施設検索を組み合わせてなる組合せ検索と、該組合せ検索による検索結果に基づく経路検索と、を順次行ってもよい。
【0106】
具体的には、出力指示手段44は、検索手段42が行う組合せ検索により抽出された複数の活動施設候補の出力を指示し、取得手段40は、複数の活動施設候補の中からユーザが選択した活動施設を示す選択情報を端末装置14から取得し、検索手段42は、選択情報により特定される活動施設に対応する乗降所を経由地とする移動経路に関する経路検索を行ってもよい。これにより、活動施設に関するユーザの意向を検索結果に反映させることができる。
【0107】
[変形例]
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。あるいは、技術的に矛盾が生じない範囲で各々の構成を任意に組み合わせてもよい。
【0108】
上記した実施形態では、選択要求画面140(図12)上の結果欄142,144,146には、複数の移動経路候補が提示されているが、これと併せて又はこれとは別に、複数の経由駅候補が提示されてもよい。この場合、図11のステップSP68において、検索手段42は、端末装置14からの選択情報により特定される乗降所の周辺にある活動施設に関する施設検索を行えばよい。
【0109】
上記した実施形態では、選択要求画面160(図14)上の結果欄162,164,166には、複数の活動施設候補が提示されているが、これと併せて又はこれとは別に、複数の経由駅候補が提示されてもよい。この場合、図13のステップSP88において、検索手段42は、端末装置14からの選択情報により特定される乗降所の周辺にある活動施設に関する施設検索を行えばよい。
【0110】
上記した実施形態では、経路DB58及び地図DB64図3)が別々のデータベースとして構築されているが、これに代えて、両者が統合された一体のデータベースとして構築されてもよい。また、ユーザの行動計画に含まれる活動の数は、2個に限られず、1個あるいは3個以上であってもよい。また、ユーザが1の活動施設において2以上の活動を順次又は同時に体験するような行動計画が作成されてもよい。
【符号の説明】
【0111】
10…情報検索システム、12…サーバ装置(情報検索装置)、14…端末装置、40…取得手段、42…検索手段、44…出力指示手段、48…記憶手段、56…経路情報、58…経路DB(経路データベース)、60…乗降所情報、62…施設情報、64…施設DB(施設データベース)、66…検索条件、68…結果情報、80…検索入力画面、100,120…検索出力画面、140,160…選択要求画面

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14