(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】調剤監査装置および調剤監査システム
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
A61J3/00 310K
(21)【出願番号】P 2021132382
(22)【出願日】2021-08-16
【審査請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000151472
【氏名又は名称】株式会社トーショー
(74)【代理人】
【識別番号】100127111
【氏名又は名称】工藤 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100204456
【氏名又は名称】調 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】大村 義人
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-218998(JP,A)
【文献】特開2013-070752(JP,A)
【文献】特開2004-216144(JP,A)
【文献】特表2017-527377(JP,A)
【文献】特開2016-047223(JP,A)
【文献】特開2013-048705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤の表示コードを読取可能であって当該薬剤を特定するための読取部を備えた本体部と、
載置された前記薬剤の重量測定を行い当該本体部と有線または無線でネットワークとして接続された重量測定部からの信号に基づいて前記重量測定部に載置された薬剤を撮影可能な撮像部と、
前記本体部に取り付けられて前記撮像部が撮影した画像を表示する表示部と、
前記撮像部と、前記本体部とを接続するとともに前記撮像部の位置を可変に支持するフレキシブルアームと、
前記読取部によって読み取られた前記薬剤の前記表示コードと、前記重量測定部によって行われた重量測定の結果とが、処方データに入力された薬剤と、重量とに一致するかどうかを判別する監査部と、
を有し、
前記撮像部は、前記重量測定部の計測が確定したと判別され、かつ前記監査部による判別において処方データと重量測定の結果とが一致した際に撮影を行うとともに、
前記撮影の後に前記読取部によって
前記処方データに含まれる新たな薬剤の表示コードが読み取られ、前記重量測定部が再度重量の
増加を測定した際には、前記監査部は、当該新たな薬剤について、前記読取部によって読み取られた前記新たな薬剤の表示コードと、前記重量測定部が測定した前記重量測定の結果の
増加分とが、
前記処方データに入力された薬剤と、重量とに一致するかどうかを判別することを特徴とする調剤監査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の調剤監査装置であって、
前記監査部は、
前記撮影よりも前に測定された前記重量測定部による重量測定の結果と、前記処方データに入力された重量との差が予め設定された許容重量値以内であった場合には、前記判別において一致すると判別することを特徴とする調剤監査装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の調剤監査装置と、
前記調剤監査装置とは別体に、かつ前記撮像部の撮影可能範囲内に設けられ、前記調剤監査装置と有線または無線でネットワークとして接続された前記重量測定部と、を有する調剤監査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処方された薬品を監査する薬剤師等の業務を支援する目的で用いられる調剤監査装置および調剤監査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、処方箋に基づいて薬品が薬剤師から提供される際には、当該薬品の種類や、数量の適否を監査する監査業務が行われている。
従来、こうした監査業務は手作業で行われていたが、ヒューマンエラー防止の観点から、提供される薬品について、手作業によるチェックと併用して種類や数量を機械的にチェックするような監査装置を用いることが知られている(例えば特許文献1~3等参照)。
こうした監査装置においては、例えば電子天秤のような秤上に載置された薬品を撮影し、重量により数量を、画像あるいはバーコードチェックによって薬品の種類を、それぞれ記録に残すことで、薬品の取り間違いや規格違い、数量間違い等の事故を防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6432549号
【文献】特許第6809475号
【文献】特開2020-189216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の調剤監査システムでは、例えば薬品の重量を測定する秤部分と、薬品の画像を撮影するためのカメラ部分とは一体に形成されており、装置自体の取り回しや配置スペースに制限があるという問題が生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、かかる課題を解決するべく薬剤の表示コードを読取可能であって当該薬剤を特定するための読取部を備えた本体部と、載置された前記薬剤の重量測定を行い当該本体部と有線または無線でネットワークとして接続された重量測定部からの信号に基づいて前記重量測定部に載置された薬剤を撮影可能な撮像部と、前記本体部に取り付けられて前記撮像部が撮影した画像を表示する表示部と、前記撮像部と、前記本体部とを接続するとともに前記撮像部の位置を可変に支持するフレキシブルアームと、前記読取部によって読み取られた前記薬剤の前記表示コードと、前記重量測定部によって行われた重量測定の結果とが、処方データに入力された薬剤と、重量とに一致するかどうかを判別する監査部と、を有し、前記撮像部は、前記重量測定部の計測が確定したと判別され、かつ前記監査部による判別において処方データと重量測定の結果とが一致した際に撮影を行うとともに、前記撮影の後に前記読取部によって前記処方データに含まれる新たな薬剤の表示コードが読み取られ、前記重量測定部が再度重量の増加を測定した際には、前記監査部は、当該新たな薬剤について、前記読取部によって読み取られた前記新たな薬剤の表示コードと、前記重量測定部が測定した前記重量測定の結果の増加分とが、前記処方データに入力された薬剤と、重量とに一致するかどうかを判別することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、装置自体の取り回しや配置スペースを自由にすることで、コンパクトで使い勝手の良い調剤監査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態として、調剤監査システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図1に示した制御部の機能構成の一例を示す図である。
【
図3】調剤監査装置において処方データを読み取る際の動作の一例を説明する図である。
【
図4】調剤監査システムの動作の一例を説明する図である。
【
図5】
図3において読み取られた処方データの一例を示す図である。
【
図6】調剤監査システムの重量と数量の推定の動作例を示す図である。
【
図7】
図6にさらに薬剤を追加したときの動作例である。
【
図8】印字部から出力される監査結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に用いられる調剤監査システムである調剤監査システム200及び調剤監査システムを構成する調剤監査装置である監査装置100の全体構成を示す図である。
調剤監査システム200は、監査装置100と、載置された薬品の重量を測定するための電子天秤101と、を有している。
【0009】
電子天秤101は、上面の風袋に載置された薬品の重量を測定する重量測定部としての機能を有している。本実施形態においては、市販の電子天秤であって、監査装置100とは別体として設けられている。
監査装置100は、薬剤Mの表示コードたるバーコード90を読取可能なバーコードリーダである読取部20と、監査内容などを操作者に対して表示可能な表示部30と、を備えた本体部10と、電子天秤101の上方に位置し、電子天秤101上に載置された薬剤Mを撮影可能なカメラ40と、本体部10と、カメラ40とを接続するフレキシブルアーム50と、を有している。
本体部10には、読取部20、表示部30の他、フレキシブルアーム50を取り付けるための本体側接続部51、本体部10の内部において読取部20や表示部30に表示する情報を制御するための制御部80、監査結果等を出力するための印字部60、もそれぞれ設けられている。
【0010】
制御部80は、本体部10に収められた基板上で動作するアプリケーションプログラムもしくは当該アプリケーションプログラムを動作させるコンピュータである。制御部80は、
図2に示すように、電子天秤101に接続されて、電子天秤101上に載置された薬剤Mの重量データを取得する重量取得部81と、読取部20によって読み取られたバーコード90を用いて薬剤Mの種類を薬品マスタ情報から取得する薬品情報取得部82と、カメラ40に接続されて画像を撮影するための撮影トリガを発信するとともに、撮影された画像を取得する画像取得部83と、これらの各部が取得した情報を基に薬剤Mの種類と数量との適否の判断を行う監査部たる監査支援部84と、を有している。
【0011】
読取部20は、薬剤Mや処方箋102に印字されているバーコード90を読み取ることができるバーコードリーダとして機能する読取手段である。
読取部20に例えば薬剤Mの外箱あるいはPTPシート等をかざすと、薬品情報取得部82は読み取ったバーコード90から薬剤Mの薬剤情報を取得し、表示部30に薬剤Mが表示される。
なお、ここではバーコード90から薬剤情報を取得するために薬品マスタ情報から薬品情報取得部82が取得する構成について説明するが、かかる構成に限定されるものではない。例えば上位装置から送られてくるデータや、外部記憶装置等を用いて照合しても良い。また、読取部20は、薬剤M等の情報の取得が可能であればよく、バーコードリーダではなく、例えば画像認識によって薬剤Mを同定する手段を「読取部」として機能させても良い。
【0012】
カメラ40は、
図3に示すように、電子天秤101の上方からトレイ10を撮影するカメラ装置であって、静画あるいは動画を取得可能な撮像部として機能する。
カメラ40は、本体部10にフレキシブルアーム50を介して接続されており、取得された画像データは画像取得部83によって制御部80に設けられたメモリやHDDなどの記憶手段に保存される。
【0013】
フレキシブルアーム50は、接続部51を介して本体部10に取り付けられた屈曲自在に可変支持する支持部材であり、接続部51とは反対側の端部に取り付けられたカメラ40の位置を自在に変更することが可能である。
フレキシブルアーム50は、カメラ40の位置を調整することで、カメラ40が撮影する画像の視野角が、電子天秤101の風袋上に載置された薬剤Mを全て納められるように、適切に設定される。
このように、調剤監査装置100を重量測定部である電子天秤101とは別体として設けた上で、フレキシブルアーム50を用いてカメラ40を自在に移動可能に支持することで、電子天秤101と本体部10との位置関係によらず配置できるため、調剤監査装置100自体の取り回しや配置スペースを自由にすることができる。
【0014】
さて、このような調剤監査装置100の動作について、
図4を例として説明する。
まず、
図3に示したように、操作者はまず処方箋102に印字されたバーコード90を読取部20に提示することで処方データを取得する(ステップS101)。
なおステップS101においては、例えば読取部20を用いずとも、電子カルテ等の上位システムから処方データを取得するとしても良い。
表示部20には、かかる処方データに基づいて、
図5に示すように患者名等の情報や、処方データに含まれる薬剤M1、M2、M3の薬品情報、および数量が併記された状態で表示される(ステップS102)。
【0015】
操作者は、かかる表示部30の表示を見ながら、処方データに含まれる薬剤M(例えば薬剤M1)のバーコード90を読取部20に読み取らせる(ステップS103)。
ステップS103で薬剤M1のバーコード90を読み取らせた後、操作者は電子天秤101の風袋上に薬剤M1を載置する(ステップS104)。
このとき、電子天秤101と本体部10とは有線または無線でネットワークとして接続されており、電子天秤101の指し示す重量値が安定するか、安定し始めたと重量取得部81が判定したときに、重量取得部81は電子天秤101の指し示す重量値を取得する(ステップS105)。
また、監査支援部84は、ステップS105で測定されたかかる重量値と、ステップS103において取得された薬剤M1の薬剤情報から、載置された薬剤M1の数量を推定する(ステップS106)。このように監査支援部84は、重量値から載置された薬剤M1の数量を推定する数量推定部としての機能をも有している。
かかるステップS106の数量推定ステップにおいては、例えば薬剤M1の薬剤マスタ情報に、薬剤M1の1包装あたりの重量(例えば100g)と数量(例えば7枚)が登録されており、例えば1包装あたりの重量が100gのとき、電子天秤101が200gの重量値を示していると、2包装分の数量(
図6では14枚)として数量が推定される。
図6は、薬剤M1を2包、電子天秤101上に配置し、実測値として重量値201.74gを得たときの表示部30に表示される情報を例示したものである。
なお、
図6で示した電子天秤101の重量値(201.74g)から、かかる1包装あたりの重量は、必ずしも整数倍になるとは限らず、また、かかる数字には包装の個体差や、輪ゴムのような誤差の原因を含んでいる。
そこで、本実施形態では、後述するように監査支援部84が推定する数量には、予め許容されるべき許容重量値が、PTP包装、散薬、錠剤、水薬等、薬剤Mの大枠の種別ごとに設定されており、処方データに含まれる重量の目標値(例えば200g)に対する電子天秤101の実測値(例えば201.74g)がかかる許容重量値内(例えば20g以内)であった場合には、2包装分、14枚として表示部30に表示される。
なお、ここで許容重量値を薬剤M1、M2、M3等の薬品種固有にせず、水剤や錠剤等、薬剤Mの大枠の種別ごとに設定している理由としては、例えば薬剤のPTP包装のように、固体差の大きい薬品が存在するためである。そこで、許容重量値には例えば梱包材ボタン32に示すように、輪ゴムやピローのような、予め登録された梱包材の重量を、数量の増減によって変動させるものを含めても良い。監査支援部84は、例えば梱包材ボタン32が輪ゴム1個を示しているときには、予め登録されている輪ゴム1個分の重量を、電子天秤101の実測値から差し引いた上で、数量の推定を行うとしても良い。
【0016】
監査支援部84は、ステップS106で推定された数量と、処方データに含まれる薬剤M1の数量とが一致するかどうかを判定し(ステップS107)、かかる判定で一致した場合には、自動で個数データを数量として取り込むとともに、画像取得部83からカメラ40に対して撮影トリガ信号が発信されて、カメラ40が取得した画像データが画像取得部83へと送信される(ステップS108)。また、このような自動での撮影トリガ信号とは別に、表示部20に表示されたカメラ撮影ボタン等を押下することで、操作者が任意のタイミングで手動での撮影を行っても良い。
なお、ステップS107において、数量が一致しない場合には、数量が一致するまで待機状態が維持される。
このとき電子天秤101に薬剤M1が追加で載せられると、重量取得部81は電子天秤101の指し示す重量値を更新して、ステップS105から同様の動作が行われる。
【0017】
ステップS108において、撮影された画像は、すなわち操作者が薬剤M1のバーコード90を読み込ませた後、監査支援部84が重量取得部81が取得した電子天秤101の重量値から、薬剤M1の数量を推定し、かかる数量が処方データと一致したと判断された時点で撮影された画像である。
よって、かかる画像データは、監査支援部84によって、薬剤M1の種類と数量とを確認された時点でカメラ40によって撮影された画像データであり、操作者が電子天秤101に載置した薬剤M1が正しい種類であること、正しい数量であること、の2点が確認された状態といえる。よって、監査支援部84は、読取部20によって読み取られた薬剤M1のバーコード90と、電子天秤101によって行われた重量測定の結果とが、処方データに入力された薬剤M1と、重量とに一致するかどうかを判別する監査部としても機能する。
かかる構成にすることによれば、本体部10とは別体として設けられた電子天秤101からの重量値を基に、載置された薬剤の数量を判断できて、薬剤の払い出しを正確に行うことができる。
【0018】
このように、電子天秤101の上に載置された薬剤M1が、正しい種類で正しい数量であることが確認されると、制御部80は画像取得部83によって画像を取得する旨の撮影トリガ信号を発信し、カメラ40が画像を撮影する。
次に、さらに処方箋102に含まれる薬剤M2について監査を行う場合についても述べる。
操作者は、処方データに含まれる薬剤の全てについて、これらステップS103~ステップS108の動作を繰り返す。
このとき薬剤M1に加えて、処方データに含まれる薬剤M2を測定する場合には、操作者は、新たな薬剤M2を読取部20にバーコード90を読み込ませ(ステップS103)、電子天秤101の上に載置する(ステップS104)。
重量取得部81は、電子天秤101が、一度安定した状態から、さらに重量値が変動した場合には、所謂「重ね量り」の処理を行う。
具体的には、風袋には薬剤M1が載置されたまま、新たに載置された薬剤M2について、重量取得部81は
図7に示すように重量値の差分を取得する(ステップS105)。
また、監査支援部84は、ステップS105で測定されたかかる重量値の差分と、ステップS103において取得された薬剤M2の薬剤情報から、載置された薬剤M2の数量を推定する(ステップS106)。
例えば
図7においては、201.74gの実測値が206.51gに変化したことから、重量取得部81はかかる実測値の差分4.77gを、重ねられた薬剤M2の重量と検知可能である。そこで、監査支援部84が、薬剤M1において行ったのと同様に、かかる差分値から薬剤M2の数量を推定する。
監査支援部84は、ステップS106で推定された数量と、処方データに含まれる薬剤M2の数量とが一致するかどうかを判定し(ステップS107)、かかる判定で一致した場合には、自動で個数データを数量として取り込むとともに、画像取得部83からカメラ40に対して撮影トリガ信号が発信されて、カメラ40が取得した画像データが画像取得部83へと送信される(ステップS108)。
【0019】
これらの工程を、処方データに含まれる薬剤M1~M3までの全てにおいて終了し、操作者がかかる薬剤M1~M3まで、全て数量と一致したと判定する(ステップS109)と、画像取得部83は、電子天秤101の上に配置されているすべての薬品を撮影する(ステップS110)。ここでステップS109において、処方データに含まれる全薬品が数量と種類とで確認されているので、ステップS110における撮影は、最終的に処方データに含まれる全薬品が撮影されていることとなり、監査記録としての運用が可能である。
さらに、撮影が終了すると、監査支援部84は、調剤結果を、
図8に示すように、印字部60を用いて出力する(ステップS111)。
【0020】
なお、本実施形態では、薬品マスタ情報には、1包装あたりの重量情報が予めデータとして登録されているが、特に複数のPTP包装を1包装としたピロー単位での登録や、そもそもPTP包装では、固体差が大きい。
そのため、例えば監査支援部84が推定する数量は、薬剤の1包装あたりの重量の整数倍となるように、許容誤差を設けている。
しかしながら、かかる許容誤差を以てしても、厳密に1包装あたりの重量情報から数量を推定することには、秤量エラーが生じてしまう場合があり得る。
そこで、本実施形態では、ステップS107において、処方データに含まれる数量に対して、重量取得部81が電子天秤101の上に載置された薬剤の重量が正しくないと判断したときにも、操作者が任意に加減調製を行うことができる(ステップS120)。
かかる加減調製ステップにおいては、処方箋102に記載された薬剤の数量と、実際に電子天秤101の上に載置された薬剤とが一致するかどうかを操作者が確認した上で、例えば重量取得部81が判定した重量値としては不適であったとしても、操作者の権限で秤量結果を正しいものとして認定することが可能である。具体的には、
図6、
図7に示したような加減ボタン31を押下して、表示される数量を上下して確定しても良い。
さらに、薬剤M1~M3の何れかにおいて、かかるステップS120を経て、秤量値が正しいとされた場合には、ステップS111においてこれらの加減調製が行われたことも一緒に記録されることが好ましい。
かかる構成とすれば、重量取得部81あるいは監査支援部84が何らかの理由で正当に数量が評価できなかった場合であっても、トレーサビリティを維持したまま操作者の判断によって薬剤の提供を可能とすることができる。
かかる構成により、手動による調剤の自由度と、機械による監査支援の利点とを両立することができる。
【0021】
以上、本発明を上述した実施形態により説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲で記載した範囲内において適宜変更等が可能である。
【符号の説明】
【0022】
10 本体部
20 読取部
30 表示部
40 カメラ(撮像部)
80 制御部
81 重量取得部
82 薬品情報取得部
83 画像取得部
84 監査支援部
90 バーコード(表示コード)
100 監査装置
101 電子天秤(重量測定部)
200 監査システム
M(M1、M2、M3) 薬剤