(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】スピロ芳香族環化合物及びその応用
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20240716BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240716BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240716BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240716BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20240716BHJP
A61K 31/4985 20060101ALI20240716BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
C07D487/04 144
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 111
C07D519/00 311
C07D519/00 CSP
C07D519/00 301
C07D487/04 146
A61K31/4985
A61K31/519
(21)【出願番号】P 2021525321
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(86)【国際出願番号】 CN2019115754
(87)【国際公開番号】W WO2020094018
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-10-31
(31)【優先権主張番号】201811314910.1
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520415959
【氏名又は名称】上海奕拓醫藥科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】ETERN BIOPHARMA (SHANGHAI) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】F3-B1, NO.400 FANGCHUN RD SHANGHAI PILOT FREE TRADE ZONE SHANGHAI 201210 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼乾▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼明
(72)【発明者】
【氏名】▲曽▼▲慶▼▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】李靖
(72)【発明者】
【氏名】▲諸▼葛浩
【審査官】松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-502993(JP,A)
【文献】特表2017-503000(JP,A)
【文献】国際公開第2018/172984(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61P
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、同位体置換物、多形
体(ただし、下記式31、34、35および43の化合物は除く)。
【化1】
(式中、
X
1
は、
O又はCR
a
R
b
である;
X
2
は、結合である;
X
3は
、S又はO
である;
X
4は、N又はCR
cから選
ばれる;かつR
a、R
bとR
cは、それぞれに独立に、H、ハロゲン、置換された又は置換されないC
1-6アルキル基、置換された又は置換されないC
1-6アルコキシ基から選
ばれる;
R
1、R
2、R
3、R
4とR
7は、それぞれに独立に、H、-OH、ハロゲン、置換された又は置換されないアミノ基、置換された又は置換されないC
1-6アルキル基、置換された又は置換されないC
1-6アルコキシ基から選
ばれる;かつ、同時に-OH又は-NH
2にしない;
環Aは
、置換された又は置換されないC
5-10アリール基、置換された又は置換されない5-10
員のヘテロアリール基から選
ばれ、上記
のヘテロアリール基が、N、O、
又はSから選
ばれる1-3個のヘテロ原子を含む;
環Cは
、置換された又は置換されない8-10
員の二環ヘテロシクリル
基、置換された又は置換されない5-6
員の単環ヘテロアリール基、置換された又は置換されない8-10
員の二環ヘテロアリール基から選
ばれ、上記
のヘテロアリール基が、N、O、
又はSから選
ばれる1-4個のヘテロ原子を含む;
R
5とR
6は、それぞれに独立に、H、-OH、ハロゲン、シアノ基、置換された又は置換されないアミノ基、置換された又は置換されないC
1-6アルキル基、置換された又は置換されないC
1-6アルコキシ基から選
ばれる;
nは0から3までの任意の整数である;かつ
上記の置換とは、基の一つ又は複数の水素原子は、以下から選
ばれる置換基に置換されることを指す:ハロゲン、-OH、-NO
2、-NH
2、-NH(置換されない又はハロゲン化されたC
1-6アルキル基)、-N(置換されない又はハロゲン化されたC
1-6アルキル基)
2、-CN、置換されない又はハロゲン化されたC
1-8アルキル基、置換されない又はハロゲン化されたC
1-8アルコキシ
基。)
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【請求項2】
X
1
はC
H
2
であることを特徴とする請求項1に記載された式Iの化合物。
【請求項3】
X
3はSであることを特徴とする請求項1に記載された式Iの化合物。
【請求項4】
X
4は、N又はCHから選
ばれることを特徴とする請求項1に記載された式Iの化合物。
【請求項5】
R
1、R
2、R
3、R
4とR
7は、それぞれに独立に、H、-OH、-F、-Cl、-Br、-NH
2、-NHC
1-3アルキル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基又はイソプロポキシ基;ハロゲン、-NH
2、-OH、C
1-3アルキル基又はC
1-3アルコキシ基に置換されたC
1-3アルキル基;又はハロゲン、-NH
2、-OH、C
1-3アルキル基又はC
1-3アルコキシ基に置換されたC
1-3アルコキシ基;から選
ばれることを特徴とする請求項1に記載された式Iの化合物。
【請求項6】
R
5とR
6は、それぞれに独立に、H、-OH、-F、-Cl、-Br、-CN、-NH
2、-NHC
1-3アルキル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基又はイソプロポキシ基;ハロゲン、-NH
2、-OH、C
1-3アルキル基又はC
1-3アルコキシ基に置換されたC
1-3アルキル基;又はハロゲン、-NH
2、-OH、C
1-3アルキル基又はC
1-3アルコキシ基に置換されたC
1-3アルコキシ基;から選
ばれることを特徴とする請求項1に記載された式Iの化合物。
【請求項7】
上記の置換基は、-F、-Cl、-Br、-OH、-NO
2、-NH
2、-NH(C
1-6アルキル基)、-N(C
1-6アルキル基)
2、-CN、C
1-6アルキル基、
又はC
1-4アルコキシ
基から選ばれ
ることを特徴とする請求項1に記載された式Iの化合物。
【請求項8】
上記の置換基は、-F、-Cl、-Br、-OH、-NO
2、-NH
2、-NH(C
1-3アルキル基)、-N(C
1-3アルキル基)
2、-CN、C
1-3アルキル基、
又はC
1-3アルコキシ
基から選
ばれることを特徴とする請求項7に記載された式Iの化合物。
【請求項9】
上記の置換基は、-F、-Cl、-Br、-OH、-NO
2、-NH
2、-NH(C
1-3アルキル基)、-N(C
1-3アルキル基)
2、-CN、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
又はイソプロポキシ
基から選
ばれることを特徴とする請求項8に記載された式Iの化合物。
【請求項10】
上記の環Cは、以下から選
ばれるいずれか一つであることを特徴とする請求項9に記載された式Iの化合物。
【化6】
(式中、X
5、X
6、X
7、X
8とX
9は、それぞれに独立に、N又はCR
dから選
ばれる;且つ多くとも同時に3個はNである;
X
10、X
11、X
12、X
13、X
14、X
15、X
16とX
17は、それぞれに独立に、N又はCR
dから選
ばれる;且つ多くとも同時に5個はNである;
X
18、X
19、X
20とX
21は、それぞれに独立に、N又はCR
dから選
ばれる;且つ多くとも同時に3個はNである;
R
6とR
8は、それぞれに独立に、H、-NH
2、-CN、-OH、-NO
2、ハロゲン、置換されない又はハロゲン化されたC
1-6アルキル基、置換されない又はハロゲン化されたC
1-6アルコキシ基から選
ばれる;かつ
上記のR
dは、H、ハロゲン、置換されない又はハロゲン化されたC
1-6アルキル基、置換されない又はハロゲン化されたC
1-6アルコキシ基から選
ばれる。)
【請求項11】
上記の環Cは、以下から選
ばれるいずれか一つであることを特徴とする請求項10に記載された式Iの化合物。
【化7】
(式中、X
5、X
6、X
7、X
8とX
9の0、1又は2個は、Nであり、残りはCR
dである;
X
18、X
19、X
20とX
21の0、1又は2個は、Nであり、残りはCR
dである;
R
6は、H、-NH
2、-CN、-OH、-NO
2、-F、-Cl、-Br、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、フッ素化または臭素化のC
1-3アルキル基、フッ素化または臭素化のC
1-3アルコキシ基から選
ばれる;かつ
上記のR
dは、H、-F、-Cl、-Br、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、フッ素化または臭素化のC
1-3アルキル基、フッ素化または臭素化のC
1-3アルコキシ基から選
ばれる。)
【請求項12】
上記の環Cは、以下から選
ばれるいずれか一つであることを特徴とする請求項11に記載された式Iの化合物。
【化8】
【請求項13】
上記の環Aは
、置換された又は置換されないC
5-6アリール基、置換された又は置換されない5-6
員ヘテロアリール基から選
ばれ、上記のヘテロシクリル基又はヘテロアリール基が、1-3個のN原子を含むことを特徴とする請求項1に記載された式Iの化合物。
【請求項14】
上記の環Aは、以下から選
ばれるいずれか一つであることを特徴とする請求項13に記載された式Iの化合物。
【化9】
【請求項15】
上記の環Aは、以下から選
ばれるいずれか一つであることを特徴とする請求項14に記載された式Iの化合物。
【化10】
【請求項16】
以下から選
ばれる構造を有することを特徴とする請求項1に記載された式Iの化合物。
【化11】
【請求項17】
上記の
同位体置換物の同位体置換が、水素、炭素、窒素、酸素、フッ素、リン、塩素、
およびヨウ素
からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1に記載された式Iの化合物。
【請求項18】
上記の同位体置換物の同位体置換が、
2
H、
3
H、
11
C、
13
C、
14
C、
15
N、
17
O、
18
O、
18
F、
31
P、
32
P、
35
S、
36
Clおよび
125
Iからなる群より選ばれることを特徴とする請求項1に記載された式Iの化合物。
【請求項19】
以下のステップを含む、請求項1~
18のいずれか一つに記載された式Iの化合物を調製する方法:
(i)式Ibと式Icを求核置換反応させ、式Idを得る;
(ii)式Idと式Ieを置換反応させ、式Ifを得る;かつ
(iii)酸で式Ifを脱保護し、式Iの化合物を得る。
【化12】
【請求項20】
以下の方法における請求項1~
18のいずれか一つに記載された式Iの化合物の使用:
(a)SHP2の異常活性に関連する疾患又は病気を予防又は治療する薬物を調製する方法;
(b)SHP2-仲介の疾患又は病気を予防又は治療する薬物を調製する方法;
(c)SHP2活性を阻害する阻害剤薬物を調製する方法;
(d)体外で非治療的にSHP2活性を阻害する方法;
又は
(e)体外で非治療的に腫瘍細胞の増殖を阻害する方
法。
【請求項21】
上記の疾患は、がんであり、ヌーナン症候群、ヒョウ症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、黒色腫、急性骨髄性白血病、乳癌、食道癌、肺癌、結腸癌、頭癌、神経芽細胞腫、頭頸部扁平上皮癌、胃癌、未分化大細胞リンパ腫および神経膠芽細胞腫を含むがこれらに限定されないことを特徴とする請求項
20に記載された使用。
【請求項22】
以下を含む薬物組成物:
(i)有効量の請求項1~
18のいずれか一つに記載された式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、同位体置換物、多形
体;及び
(ii)薬学的に許容される担体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明が、スピロ芳香族環化合物分野に関わり、具体的に、SHP2阻害剤に用いられるスピロ芳香族環化合物、その薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、同位体置換物、プロドラッグ又は代謝産物に関わる。なお、本発明は、さらに、このような化合物の調製方法、このような化合物を含有する薬物組成物、及びSHP2の異常な活性に関連する疾患又は病気を治療する薬物の調製におけるこのような化合物の使用に関わる。
【背景技術】
【0002】
プロテインチロシンホスファターゼSHP2は、細胞のシグナル伝達過程で非常に重要な位置を占めており、糖尿病、自己免疫疾患、癌などの主要な疾患の治療方法の開発ターゲットである。SHP2は、ヌーナン症候群(Noonan Syndrome)、ヒョウ症候群(Leopard Syndrome)、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、黒色腫、急性骨髄性白血病、乳癌、食道癌、肺癌、結腸癌、頭癌、神経芽細胞腫、頭頸部扁平上皮癌、胃癌、未分化大細胞リンパ腫および神経膠芽細胞腫などの多くの疾患で変異または高度に発現する。分子生物学の研究によって、SHP2がMAPK、JAK/STAT、PI3K/Aktなどの複数の腫瘍細胞シグナル伝達経路に関与していることが示される。同時に、SHP2はPD1-PDL1免疫抑制経路のシグナル伝達にも関与している。したがって、SHP2の活性を阻害すると、腫瘍微小環境における免疫抑制を逆転することができる。
【0003】
SHP2は、2つのN末端Src相同性2ドメイン(N-SH2およびC-SH2)と1つのプロテインチロシンホスファターゼ触媒ドメイン(PTP)で構成される。自己阻害状態では、N-SH2がPTPと結合し、環構造を形成し、そしてPTPの基質への結合を妨げるため、酵素の触媒活性が阻害される;上流の受容体タンパク質のチロシンがリン酸化されると、N-SH2がそれに結合し、PTP触媒ドメインが放出され、ホスファターゼ活性を発揮する。
【0004】
現在、SHP2阻害剤の開発は、主に非触媒領域のアロステリック阻害剤に基づいている、例えば、WO2015107493A1、WO2016203404A1、WO2016203406A1、WO2017216706A1、WO2017211303A1、CN201710062495、WO2018136265A1、WO2018057884などに開示されているいくつかの化合物など。今年の研究によると、SHP2は、新しい創薬可能なターゲットとして、ますます注目を集めている。したがって、この分野には、新しい構造、優れた生物活性、および高い創薬可能性を備えたSHP2阻害剤を開発することが急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明としては、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩、当該化合物又はその薬学的に許容される塩を含有する薬物組成物、及びSHP2の異常に関連する疾患又は病気を治療する薬物の調製における当該化合物又はその薬物組成物の使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様には、式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、同位体置換物、多形体、プロドラッグ又は代謝産物を提供し、
【0007】
【0008】
式中、X1とX2は、それぞれに独立に、結合、O、CRaRb又はNRcから選べられる;
X3は、結合、CRaRb、NRc、S又はOから選べられる;
X4は、N又はCRcから選べられる;かつRa、RbとRcは、それぞれに独立に、H、ハロゲン、置換された又は置換されないC1-6アルキル基、置換された又は置換されないC1-6アルコキシ基から選べられる;
R1、R2、R3、R4とR7は、それぞれに独立に、H、-OH、ハロゲン、置換された又は置換されないアミノ基、置換された又は置換されないC1-6アルキル基、置換された又は置換されないC1-6アルコキシ基から選べられる;かつ、同時に-OH又は-NH2にしない;
環Aは、置換された又は置換されないC4-8シクロ炭化水素基、置換された又は置換されない4-8元のヘテロシクリル基、置換された又は置換されないC5-10アリール基、置換された又は置換されない5-10元のヘテロアリール基から選べられ、上記のヘテロシクリル基又はヘテロアリール基が、N、O、S又はPから選べられる1-3個のヘテロ原子を含む;
環Cは、置換された又は置換されないC4-8シクロ炭化水素基、置換された又は置換されない5-6元の単環ヘテロシクリル基、置換された又は置換されない8-10元の二環ヘテロシクリル基、置換された又は置換されないC5-10単環又は二環アリール基、置換された又は置換されない5-6元の単環ヘテロアリール基、置換された又は置換されない8-10元の二環ヘテロアリール基から選べられ、上記のヘテロシクリル基又はヘテロアリール基が、N、O、S又はPから選べられる1-4個のヘテロ原子を含む;
R5とR6は、それぞれに独立に、H、-OH、ハロゲン、シアノ基、置換された又は置換されないアミノ基、置換された又は置換されないC1-6アルキル基、置換された又は置換されないC1-6アルコキシ基から選べられる;
nは0から3までの任意の整数である;かつ
上記の置換とは、基の一つ又は複数の水素原子は、以下から選べられる置換基に置換されることを指す:ハロゲン、-OH、-NO2、-NH2、-NH(置換されない又はハロゲン化されたC1-6アルキル基)、-N(置換されない又はハロゲン化されたC1-6アルキル基)2、-CN、置換されない又はハロゲン化されたC1-8アルキル基、置換されない又はハロゲン化されたC1-8アルコキシ基、置換されない又はハロゲン化されたC1-8アルコキシ基-C1-8アルキル基、置換されない又はハロゲン化されたC3-8シクロアルキル基-C1-8アルキル基、置換されない又はハロゲン化されたC1-6アルキルカルボニル基、置換されない又はハロゲン化されたC1-6アルコキシカルボニル基、ヒドロキサム酸基、置換されない又はハロゲン化されたC1-6アルキルメルカプト基、-S(O)2N(置換されない又はハロゲン化されたC1-6アルキル基)2、-S(O)2置換されない又はハロゲン化されたC1-6アルキル基、-N(置換されない又はハロゲン化されたC1-6アルキル基)S(O)2N(置換されない又はハロゲン化されたC1-6アルキル基)2、-S(O)N(置換されない又はハロゲン化されたC1-6アルキル基)2、-S(O)(置換されない又はハロゲン化されたC1-6アルキル基)、-N(置換されない又はハロゲン化されたC1-6アルキル基)S(O)N(置換されない又はハロゲン化されたC1-6アルキル基)2、-N(置換されない又はハロゲン化されたC1-6アルキル基)S(O)(置換されない又はハロゲン化されたC1-6アルキル基)、置換されない又はハロゲン化されたC5-10アリール基、置換されない又はハロゲン化された5-10元のヘテロアリール基、置換されない又はハロゲン化されたC4-8シクロ炭化水素基、置換されない又はハロゲン化された4-8元のヘテロシクリル基;上記のヘテロシクリル基とヘテロアリール基が、N、O又はSから選べられる1-4個のヘテロ原子を含む。
【0009】
好ましい実施形態として、X1とX2の一方はCH2で、もう一方は結合である。
【0010】
好ましい実施形態として、X3はSである。
【0011】
好ましい実施形態として、X4は、N又はCHから選べられる。
【0012】
好ましい実施形態として、R1、R2、R3、R4とR7は、それぞれに独立に、H、-OH、-F、-Cl、-Br、-NH2、-NHC1-3アルキル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基又はイソプロポキシ基;ハロゲン、-NH2、-OH、C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基に置換されたC1-3アルキル基;又はハロゲン、-NH2、-OH、C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基に置換されたC1-3アルコキシ基;から選べられる。
【0013】
好ましい実施形態として、R5とR6は、それぞれに独立に、H、-OH、-F、-Cl、-Br、-CN、-NH2、-NHC1-3アルキル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基又はイソプロポキシ基;ハロゲン、-NH2、-OH、C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基に置換されたC1-3アルキル基;又はハロゲン、-NH2、-OH、C1-3アルキル基又はC1-3アルコキシ基に置換されたC1-3アルコキシ基;から選べられる。
【0014】
好ましい実施形態として、上記の置換基は、-F、-Cl、-Br、-OH、-NO2、-NH2、-NH(C1-6アルキル基)、-N(C1-6アルキル基)2、-CN、C1-6アルキル基、C1-4アルコキシ基、C1-4アルコキシ基-C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基-C1-8アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルキルメルカプト基、-S(O)2N(C1-6アルキル基)2、-S(O)2C1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル基)S(O)2N(C1-6アルキル基)2、-S(O)N(C1-6アルキル基)2、-S(O)(C1-6アルキル基)、-N(C1-6アルキル基)S(O)N(C1-6アルキル基)2、-N(C1-6アルキル基)S(O)(C1-6アルキル基)、置換された又は置換されないC5-10アリール基、置換された又は置換されない5-10元のヘテロアリール基、置換された又は置換されないC4-8シクロ炭化水素基、置換された又は置換されない4-8元のヘテロシクリル基から選べられる;上記のヘテロシクリル基とヘテロアリール基が、N、O又はSから選べられる1-4個のヘテロ原子を含む。
【0015】
好ましい実施形態として、上記の置換基は、-F、-Cl、-Br、-OH、-NO2、-NH2、-NH(C1-3アルキル基)、-N(C1-3アルキル基)2、-CN、C1-3アルキル基、C1-3アルコキシ基、C1-3アルキルカルボニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセン基、シクロヘキサジエニル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ピロリジニル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、ホモピペラジニル基、ピペリジニル基、チオモルホリニル基、フェニル基、ナフタレン基、アンスリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キサゾリル基、オキサジアゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾピラゾリル基、インドリル基、フラニル基、ピロリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、トリアジニル基、インダジニル基、イソインドリル基、インダゾリル基、イソインダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基から選べられる。
【0016】
好ましい実施形態として、上記の置換基は、-F、-Cl、-Br、-OH、-NO2、-NH2、-NH(C1-3アルキル基)、-N(C1-3アルキル基)2、-CN、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基又はフェニル基から選べられる。
【0017】
好ましい実施形態として、上記の環Cは、以下から選べられるいずれか一つである。
【0018】
【0019】
式中、X5、X6、X7、X8とX9は、それぞれに独立に、N又はCRdから選べられる;且つ多くとも同時に3個はNである;
X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16とX17は、それぞれに独立に、N又はCRdから選べられる;且つ多くとも同時に5個はNである;
X18、X19、X20とX21は、それぞれに独立に、N又はCRdから選べられる;且つ多くとも同時に3個はNである;
R6とR8は、それぞれに独立に、H、-NH2、-CN、-OH、-NO2、ハロゲン、置換されない又はハロゲン化されたC1-6アルキル基、置換されない又はハロゲン化されたC1-6アルコキシ基から選べられる;かつ
上記のRdは、H、ハロゲン、置換されない又はハロゲン化されたC1-6アルキル基、置換されない又はハロゲン化されたC1-6アルコキシ基から選べられる。
【0020】
好ましい実施形態として、上記の環Cは、以下から選べられるいずれか一つである。
【0021】
【0022】
式中、X5、X6、X7、X8とX9の0、1又は2個は、Nであり、残りはCRdである;
X18、X19、X20とX21の0、1又は2個は、Nであり、残りはCRdである;
R6は、H、-NH2、-CN、-OH、-NO2、-F、-Cl、-Br、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、フッ素化または臭素化のC1-3アルキル基、フッ素化または臭素化のC1-3アルコキシ基から選べられる;かつ
上記のRdは、H、-F、-Cl、-Br、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、フッ素化または臭素化のC1-3アルキル基、フッ素化または臭素化のC1-3アルコキシ基から選べられる。
【0023】
好ましい実施形態として、上記の環Cは、以下から選べられるいずれか一つである。
【0024】
【0025】
好ましい実施形態として、上記の環Aは、置換された又は置換されないC4-6シクロ炭化水素基、置換された又は置換されない4-6元ヘテロシクリル基、置換された又は置換されないC5-6アリール基、置換された又は置換されない5-6元ヘテロアリール基から選べられ、上記のヘテロシクリル基又はヘテロアリール基が、1-3個のN原子を含む。
【0026】
好ましい実施形態として、上記の環Aは、以下から選べられるいずれか一つである。
【0027】
【0028】
好ましい実施形態として、上記の環Aは、以下から選べられるいずれか一つである。
【0029】
【0030】
より好ましい実施形態として、上記の化合物が、以下から選べられる構造を有する。
【0031】
【0032】
好ましい実施形態として、本発明の化合物の同位体置換物の同位体置換は、水素、炭素、窒素、酸素、フッ素、リン、塩素、とヨウ素から選べられる;好ましくに、2H、3H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、18F、31P、32P、35S、36Cl又は125Iである。
【0033】
本発明の第二の態様には、本発明の式Iの化合物を調製する方法を提供し、上記の方法が、以下のステップを含む:
(i)式Ibと式Icを求核置換反応させ、式Idを得る;
(ii)式Idと式Ieを置換反応させ、式Ifを得る;かつ
(iii)酸で式Ifを脱保護し、式Iの化合物を得る:
【0034】
【0035】
本発明の第三の態様には、以下の方法における本発明の式Iの化合物の使用を提供する:
(a)SHP2の異常活性に関連する疾患又は病気を予防又は治療する薬物を調製する方法;
(b)SHP2-仲介の疾患又は病気を予防又は治療する薬物を調製する方法;
(c)SHP2活性を阻害する阻害剤薬物を調製する方法;
(d)体外で非治療的にSHP2活性を阻害する方法;
(e)体外で非治療的に腫瘍細胞の増殖を阻害する方法;又は
(f)SHP2の異常に関連する疾患又は病気を治療する方法。
【0036】
好ましい実施形態には、上記の疾患は、がんである;好ましくに、ヌーナン症候群、ヒョウ症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、黒色腫、急性骨髄性白血病、乳癌、食道癌、肺癌、結腸癌、頭癌、神経芽細胞腫、頭頸部扁平上皮癌、胃癌、未分化大細胞リンパ腫および神経膠芽細胞腫である。
【0037】
本発明の第四の態様には、薬物組成物を提供し、上記の薬物組成物が、以下を含む:
(i)有効量の式Iの化合物、又はその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物、同位体置換物、多形体、プロドラッグ又は代謝産物;及び
(ii)薬学的に許容される担体。
【0038】
本発明の第五の態様には、SHP2活性を阻害する方法を提供し、上記の方法が、以下のステップを含む:必要とする受験者に有効量の本発明の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩を投薬し、又は必要とする受験者に有効量の本発明の薬物組成物を投薬する。
【0039】
本発明の範囲内で、本発明の上記の技術的特徴および以下に具体的に記載される技術的特徴(実施例など)を互いに組み合わせて、新しいまたは好ましい技術を形成することができることを理解すべきである。スペースを節約するために、ここでは説明を繰り返しない。
【発明を実施するための形態】
【0040】
長期にわたる詳細な研究の上、本発明者らは、式Iで表される新しいクラスのアロステリック阻害剤化合物を調製し、それが、SHP2の非触媒領域に結合し、弱いSHP2活性で自己阻害を「ロック」することにより、その活性を阻害する目的を達成する。本発明の化合物は、優れた生物学的活性および創薬可能性を示し、薬剤開発の良好な見通しを有する;非常に低濃度(100nM/L以下)でSHP2を阻害する効果があり、阻害活性が非常に優れているため、腫瘍のようなSHP2関連の疾患又は病気の治療に使用できる。上記の発見に基づいて、本発明者らが、本発明を至る。
【0041】
用語
特に定義がない限り、本明細書のすべての科学技術用語は、特許請求の範囲の主題が属する当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。特に明記しない限り、本明細書に引用されるすべての特許、特許出願、および刊行物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0042】
上記の説明および以下の詳細な説明は例示的なものであり、説明のためだけのものであり、本発明の主題にいかなる制限も課さないことを理解すべきである。本出願では、特に明記しない限り、単数の使用には複数の数も含まれる。明確に示さない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される単数形は、言及されるものの複数形を含む。「または」および「或いは」の使用は、特に明記しない限り、「および/または」を意味することを理解すべきである。さらに、「含む」という用語および「含める」、「含有」および「有する」などの他の形態は、限定的ではなく、それらは、開放、半閉鎖、および閉鎖することができる。言い換えれば、上記の用語は、「基本に……構成される」または「……からなる」という意味も含む。
【0043】
標準的な化学用語の定義は、参考文献(Carey and Sundberg “A
DVANCED ORGANIC CHEMISTRY 4THED。"Vols。A(
2000)and B(2001)、Plenum Press、New Yorkを含む)に記載される。特に明記しない限り、質量分析、NMR、IRおよびUV/VIS分光法、ならびに薬理学的方法など、当技術分野の技術的範囲内の従来の方法が使用される。特定の定義が提供されない限り、本明細書の分析化学、合成有機化学、および医薬品と薬物化学の説明で使用される用語は、当技術分野で知られている。標準的な技術は、化学合成、化学分析、薬物の調製、製剤と送達、および患者の治療に用いられる。例えば、反応および精製は、メーカーによるキットのユーザーマニュアルに従って、または当技術分野で知られている方法または本発明の指示に従って実施することができる。一般に、上記の技術および方法は、当技術分野で公知の従来の方法に従って、本明細書で引用および論じられているいくつかの要約およびより具体的な文書の説明に従って実施することができる。本明細書では、基およびそれらの置換基は、安定した構造および化合物を提供するために当業者によって選択され得る。
【0044】
置換基が左から右に書かれた従来の化学式で記述される場合、その置換基には、構造式が右から左に書かれたときに得られる化学的に均等する置換基も含まれる。たとえば、-CH2O-は-OCH2-と同じである。
【0045】
この明細書で使用されている章の見出しは、明細書を整理することのみを目的としており、主題を制限するものとして解釈されるべきではない。特許、特許出願、文献、本、操作マニュアル、および論文を含むがこれらに限定されない、本出願で引用されたすべての文書または文書部分は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0046】
本明細書で定義される特定の化学基の前には、その基に存在する炭素原子の総数を示す簡略化された記号が付いている。例えば、C1~C6アルキル基は、合計1から6個の炭素原子を有する、以下に定義されるようなアルキル基を指す。簡略化された記号における炭素原子の総数には、基の置換基に存在する可能性のある炭素は含まれない。
【0047】
上記に加えて、本出願の明細書および特許請求の範囲で使用される場合、別段の指定がない限り、以下の用語は以下の意味を有する。
【0048】
本発明では、用語「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を指す。
「ヒドロキシル基」とは、-OH基を指す。
「ヒドロキシル基アルキル基」とは、ヒドロキシル基(-OH)に置換された、以下に定義されるようなアルキル基を指す。
「カルボニル基」とは、-C(=O)-基を指す。
「ニトロ基」とは、-NO2を指す。
「シアノ基」とは、-CNを指す。
「アミノ基」とは、-NH2を指す。
「置換されたアミノ基」とは、一個又は二個の、以下に定義されるようなアルキル基、アルキルカルボニル基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基に置換されたアミノ基を指し、例えば、モノアルキル基アミノ基、ジアルキル基アミノ基、アルキル基アミド基、アラルキル基アミノ基、ヘテロアラルキル基アミノ基を指す。
「カルボキシル基」とは、-COOHを指す。
【0049】
本発明には、基又は他の基の一部として(例えば、ハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素、又はヨウ素)に置換されたアルキル基などの基に使用される置換的アルキル基等基中)、用語「アルキル基」とは、完全に飽和的な直鎖又は分岐の炭化水素鎖基を指し、それが、炭素原子と水素原子だけからなり、例えば1~12個(好ましくに1~8個、より好ましくに1~6個)の炭素原子を有し、かつ単結合で分子の残りの部分と接続し、例えばメチル基、エチル基、N-プロピル基、イソプロピル基、N-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-メチルブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基およびデシル基などを含むが、これらに限定されない。本発明の場合、用語「アルキル」とは、1~8個の炭素原子を含むアルキル基を指す。
【0050】
本発明には、基又は他の基の一部として、用語「アルケン」とは、炭素原子と水素原子だけからなり、少なくとも一つの二重結合を有し、例えば2~20個(好ましくに2至10個、より好ましくに2至6個)の炭素原子を有し、かつ単結合で分子の残りの部分と接続する直鎖又は分岐の炭化水素鎖基を指し、例えばビニル基、プロペニル基、アリル基、ブト-1-エニル基、ブト-2-エニル基、ペント-1-エニル基、ペント-1,4-ジエニル基などを含むが、これらに限定されない。
【0051】
本発明には、基又は他の基の一部として、用語「シクロ炭化水素基」とは、炭素原子と水素原子だけからなる、安定的な非芳香族単環式又は多環式の炭化水素基(例えばアルキル基、アルケン基又はアルキニル基)を指し、それが、縮合環系、架橋環系又はスピロ環系を含み、3~15個の炭素原子(好ましくに3~10個の炭素原子、より好ましくに3~8個の炭素原子、例えば3、4、5、6、7又は8個の炭素原子)を有し、かつ飽和又は不飽和であり、任意の適切な炭素原子を介して単結合で分子の残りの部分に接続することができる。本明細書に特に明記しない限り、シクロ炭化水素基における炭素原子は、任意に酸化されてもよい。シクロ炭化水素基の例として、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセン基、シクロヘキサジエニル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、1H-インデニル基、2,3-ジヒドロ化インデニル基、1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン基、5,6,7,8-テトラヒドロ-ナフタレン基、8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾシクロヘプテニル-6-イル、6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-ベンゾシクロオクテニル、フルオレニル基、ジシクロ[2.2.1]ヘプチル基、7,7-ジメチル-ジシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ジシクロ[2.2.1]ヘプテニル基、ジシクロ[2.2.2]オクチル基、ジシクロ[3.1.1]ヘプチル基、ジシクロ[3.2.1]オクチル基、ジシクロ[2.2.2]オクテニル基、ジシクロ[3.2.1]オクテニル基、アダマンチル基、オクタヒドロ-4,7-メチレン-1H-インデニル基、オクタヒドロ-2,5-メチレン-ジシクロペンタジエニルなどを含むが、これらに限定されない。
【0052】
本発明には、基又は他の基の一部として、用語「ヘテロシクリル基」とは、2~14個の炭素原子(例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14個の炭素原子)及び窒素、リン、酸素、硫黄から選べられる1~6個のヘテロ原子からなる安定的な3元~20元の非芳香族環状基を指す。本明細書に特に説明しない限り、ヘテロシクリル基は、単環、二環、三環又はより多い環の環系であっても良く、それが、縮合環系、架橋環系又はスピロ環系を含む;ヘテロシクリル基における窒素原子、炭素原子又は硫黄原子は、任意的に酸化されてもよい;窒素原子は、任意的に四級化されてもよい;かつヘテロシクリル基は、部分的に又は完全に飽和なものでも良い。ヘテロシクリル基は、炭素原子又はヘテロ原子に介して、単結合で分子の残りの部分に接続することができる。縮合環を含むヘテロシクリル基には、分子の残りの部分との接続点は非芳香族環原子である場合、一個又は多個の環は、以下に定義されるようなアリール基又はヘテロアリール基であっても良い。本発明の目的のために、ヘテロシクリル基は、好ましくに、窒素、酸素、と硫黄から選べられる1~3個のヘテロ原子を含む、安定的な4元~11元の非芳香性単環、二環、架橋環又はスピロ環であり、より好ましくに、窒素、酸素、と硫黄から選べられる1~3個のヘテロ原子を含む、安定的な4元~8元の非芳香性単環、二環、架橋環又はスピロ環基である。ヘテロシクリル基の例としては、ピロリジニル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、ホモピペラジニル基、ピペリジニル基、チオモルホリニル基、2,7-ジアザ-スピロ[3.5]ノナン-7-イル、2-オキサ-6-アザ-スピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、2,5-ジアザ-ジシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル、アゼチジン基、ピラニル基、テトラヒドロピラニル基、チオピラン基、テトラヒドロフラニル基、オキサジニル基、ジオキソラン基、テトラヒドロイソキノリニル基、デカヒドロイソキノリニル基、イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、キノリジジン基、チアゾリジン基、イソチアゾリジン基、イソオキサゾリジン基、ジヒドロインドリル基、オクタヒドロインドリル基、オクタヒドロイソインドリル基、ピロリジニル基、ピラゾリジン基、フタルイミドなどを含むが、これらに限定されない。
【0053】
本発明には、基又は他の基の一部として、用語「アリール基」とは、6~18個の炭素原子(好ましくに、6~10個の炭素原子、例えば、6、7、8、9又は10個の炭素原子を有する)を有する共役炭化水素環系基を指す。本発明の目的のために、アリール基は、単環、二環、三環又はより多い環の環系であっても良く、アリール基が、芳香環における原子に介して、単結合で分子の残りの部分に接続する場合に、以上に定義されるようなシクロアルキル基又はヘテロシクリル基と縮合しても良い。アリール基の例としては、フェニル基、ナフタレン基、アンスリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、2,3-ジヒドロ-1H-イソインドリル基、2-ベンゾオキサゾリノン、2H-1,4-ベンゾオキサジン-3(4H)-オン-7-イルなどを含むが、これらに限定されない。
【0054】
本発明には、用語「アリールアルキル」とは、以上に定義されるようなアリール基に置換された以上に定義されるようなアルキル基を指す。
【0055】
本発明には、基又は他の基の一部として、用語「ヘテロアリール基」とは、環の中に、1~15個の炭素原子(好ましくに、1~10個の炭素原子、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素原子を有する)と、窒素、酸素、と硫黄から選べられる1~6個のヘテロ原子を有する5元~16元の共役環系基を指す。本明細書に特に説明しない限り、ヘテロアリール基は、単環、二環、三環又はより多い環の環系であっても良く、ヘテロアリール基が、芳香環における原子に介して、単結合で分子の残りの部分に接続する場合に、以上に定義されるようなシクロアルキル基又はヘテロシクリル基と縮合しても良い。ヘテロアリール基における窒素原子、炭素原子又は硫黄原子は、任意的に酸化されてもよい;窒素原子は、任意的に四級化されてもよい。本発明の目的のために、ヘテロアリール基は、好ましくに、窒素、酸素、と硫黄から選べられる1~5個のヘテロ原子を含む安定的な5元~12元の芳香性基であり、より好ましくに、窒素、酸素、と硫黄から選べられる1~4個のヘテロ原子を含む安定的な5元~10元の芳香性基又は、窒素、酸素、と硫黄から選べられる1~3個のヘテロ原子を含む5元~6元の芳香性基である。ヘテロアリール基の例としては、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キサゾリル基、オキサジアゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾピラゾリル基、インドリル基、フラニル基、ピロリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、トリアジニル基、インダジニル基、イソインドリル基、インダゾリル基、イソインダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ジアゾナフチル基、ナフチリジン基、キノキサリン基、プテリジン基、カルバゾール基、カルボリン基、フェナントリジン基、フェナントロリン基、アクリジン基、フェナジン基、イソチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチエニル基、オクストリアゾール基、シンノリン基、キナゾリン基、フェニルチオ基、インドリジン基、o-ジアザフェナントリル基、イソキサゾリル基、フェノキサジン基、フェノチアジン基、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チエニル基、ナフトピリジル基、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン、イミダゾ[1,2-a]ピリジン、イミダゾ[1,2-b]ピリダジン、イミダゾ[1,2-a]ピラジンなどを含むが、これらに限定されない。
【0056】
本発明には、用語「ヘテロアリールアルキル」とは、以上に定義されるようなヘテロアリール基に置換された以上に定義されるようなアルキル基を指す。
【0057】
本発明には、「任意」とは、その後に述べられる事象または状態が発生する場合と発生しない場合があることを意味し、当該述べられるものには、事象または状態の発生および非発生の両方が含まれる。例えば、「任意に置換されたアリール基」は、アリール基が、置換された又は置換されないことをを意味し、かつ当該用語が、置換されたアリール基と、置換されないアリール基を含む。本発明の特許請求の範囲と明細書に記載された「任意」的な置換基は、アルキル基、アルケン基、アルキニル基、ハロゲン、ハロアルキル基、ハロアルケン基、ハロアルキニル基、シアノ基、ニトロ基、任意に置換されたアリール基、任意に置換されたヘテロアリール基、任意に置換されたシクロ炭化水素基、任意に置換されたヘテロシクリル基から選べられる。
【0058】
「SHP2」とは、「Src Homolgy-2ホスファターゼ」を指し、SH-PTP2、SH-PT3、Syp、PTP1D、PTP2C、SAP-2又はPTPN11とも呼ばれる。
【0059】
本明細書で使用される用語「部分」、「構造部分」、「化学部分」、「基」、および「化学基」とは、分子内の特定のフラグメントまたは官能基を指す。化学部分は、一般に、分子に埋め込まれた、または付着した化学物質であると見なされる。
【0060】
「立体異性体」とは、同じ原子からなり、同じ結合で結合しているが、異なる三次元構造を有する化合物を指す。本発明は、様々な立体異性体およびそれらの混合物を含む。
【0061】
本発明の化合物がオレフィン性二重結合を含む場合、特に明記しない限り、本発明の化合物は、EおよびZ幾何異性体を含むことを意図している。
【0062】
「互変異性体」とは、プロトンを、分子のある原子から同じ分子の別の原子に移動させることによって形成される異性体を指す。本発明の化合物のすべての互変異性形態も本発明の範囲に含まれる。
【0063】
本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩は、1つまたは複数のキラル炭素原子を含んでも良く、したがって、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび他の立体異性体を生成し得る。各キラル炭素原子は、立体化学に基づいて(R)-または(S)-に定義できる。本発明は、すべての可能な異性体、ならびにそれらのラセミ体および光学的ボイドネスの形態を含むことを意図している。本発明の化合物の調製には、ラセミ体、ジアステレオマーまたはエナンチオマーを原料または中間体として選択することができる。光学活性異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬で調製されてもよく、或いは結晶化やキラルクロマトグラフィーなどの従来の技術で分離されてもよい。
【0064】
個々の異性体を調製/分離するための従来の技術には、適切な光学的ボイドネスな前駆体からのキラル合成、または例えばラセミ体(または塩または誘導体のラセミ体)からキラル高速液体クロマトグラフィーでの分離が含まれ、例えば、Gerald Gubitz and Martin G. Schmid (Eds.), Chiral Separations, Methods and Protocols, Methods in Molecular Biology, Vol. 243, 2004;A.M. Stalcup, Chiral Separations, Annu. Rev. Anal. Chem. 3:341-63, 2010;Fumiss et al. (eds.), VOGEL’S ENCYCLOPEDIA OF PRACTICAL ORGANIC CHEMISTRY 5.sup.TH ED., Longman Scientific and Technical Ltd., Essex, 1991, 809-816;Heller, Acc. Chem. Res. 1990, 23, 128を参照する。
【0065】
本発明は、また、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩のすべての適切な同位体変体を含む。本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩の同位体変体は、その中の少なくとも1つの原子が、同じ原子番号を有するが、自然界でしばしば見られる原子量とは異なる原子量を有する原子に置換されたものとして定義される。本発明の化合物およびそれらの薬学的に許容される塩に組み込むことができる同位体が、H、C、N、およびOの同位体(例えば、2H、3H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、35S、18F、36Clと125I)を含むが、これらに限定されない。本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩の同位体変体は、適切な試薬の適切な同位体変体の使用で、従来の技術によって調製されてもよい。
【0066】
本発明には、用語「薬学的に許容される塩」が、薬学的に許容される酸付加塩および薬学的に許容される塩基付加塩を含む。
【0067】
「薬学的に許容される酸付加塩」とは、他の副作用なしに遊離塩基の生物学的有効性を保持することができる、無機酸または有機酸と形成した塩を指す。無機酸性塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などを含むが、これに限定されない;有機酸性塩が、ギ酸塩、酢酸塩、2,2-ジクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、ヘキサン酸塩、オクタン酸塩、デカン酸塩、ウンデシレン酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、セバシン酸塩、アジピン酸塩、グルタル酸塩、マロン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、ケイ皮酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、グルタミン酸塩、ピログルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、サリチル酸塩、4-アミノサリチル酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩などを含むが、これらに限定されない。これらの塩は、当技術分野で知られている方法によって調製することができる。
【0068】
「薬学的に許容される塩基付加塩」とは、他の副作用なしに遊離酸の生物学的有効性を保持することができる、無機塩基または有機塩基と形成した塩を指す。無機塩基に由来する塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、アルミニウム塩などを含むが、これらに限定されない。好ましい無機塩は、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩である。有機塩基に由来する塩が、以下の塩を含むが、これらに限定されない:第一級、第二級および第三級アミン;天然的に置換されたアミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などの置換されたアミン、例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルコサミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂など。好ましい有機塩基が、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリンおよびカフェインを含む。これらの塩は、当技術分野で知られている方法によって調製することができる。
【0069】
本発明には、「薬物組成物」とは、本発明の化合物と、生物学的に活性な化合物を哺乳動物(ヒトなど)に送達するために当技術分野で一般に許容される媒体との製剤を指す。当該媒体が、薬学的に許容される担体を含む。薬物組成物の目的としては、生物体への投与を促進し、有効成分の吸収を寄与し、そして生物学的活性を発揮することである。
【0070】
本明細書で使用される用語「薬学的に許容される」とは、本発明の化合物の生物学的活性または特性に影響を及ぼさず、比較的毒性がない物質(担体または希釈剤など)を指し、すなわち、当該物質は、有害な生物学的反応を引き起こしないように、或いは、組成物に含まれる成分と望ましくない方式で相互作用することがないように、個体に投与されることができる。
【0071】
本発明には、「薬学的に許容される賦形剤」が、関連する政府当局によって、ヒトまたは家畜に使用可能であると承認された任意のアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味料、希釈剤、防腐剤、染料/着色剤、香味料、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、等張剤、溶媒または乳化剤を含むが、これらに限定されない。
【0072】
本発明に記載された「腫瘍」が、ヌーナン症候群、ヒョウ症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、肉腫、黒色腫、関節軟骨腫、胆管腫、白血病、乳癌、胃腸間質腫瘍、組織球性リンパ腫、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、食道癌、膵臓癌、肺扁平上皮癌、肺腺癌、乳癌、前立腺癌、肝臓癌、皮膚癌、上皮細胞癌、子宮頸癌、卵巣癌、腸癌、鼻咽頭癌、脳癌、骨癌、腎臓癌、口腔癌/頭部癌、神経芽細胞腫、頭頸部の扁平上皮癌、未分化大細胞リンパ腫または神経膠芽細胞腫および他の疾患を含むが、これらに限定されない。
【0073】
本明細書で使用される用語「予防」、「予防的」および「防止」とは、患者における疾患又は病気の発生または悪化する可能性を低減することを含む。
【0074】
本明細書で使用される用語「治療」及び他の同義語が、以下の意味を含む:
(i)哺乳動物における疾患又は病気の発生を予防すること、特にそのような哺乳動物が当該疾患又は病気を罹患する可能性が高いが、当該疾患又は病気を罹患すると診断されていない場合;
(ii)疾患又は病気を阻害すること、すなわちその発症を抑制すること;
(iii)疾患又は病気を緩和すること、すなわち、当該疾患又は病気の状態を治めること;または
(iv)疾患又は病気によって引き起こされる症状を軽減すること。
【0075】
本明細書で使用される用語「有効量」、「治療有効量」または「薬学有効量」とは、投与後に治療される疾患又は病気の一つまたは複数の症状を緩和するのに、少なくとも一つの薬剤または化合物の十分な量を指す。その結果は、兆候、症状や原因の軽減および/または緩和、あるいは生物学的システムにおけるその他の望ましい変化が生じることであっても良い。例えば、治療に用いられる「有効量」は、臨床的に有意な疾患の軽減を提供するために必要とされる、本明細書に開示される化合物を含む組成物の量である。用量漸増試験などの技術を使用して、任意の個体に適した有効量を決定することができる。
【0076】
本明細書で使用される用語「投与」、「投薬」、「使用」とは、化合物または組成物を、生物学的作用に必要とするの部位に送達することができる方法を指す。これらの方法が、経口経路、経十二指腸経路、非経口注射(静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、動脈内注射または注入を含む)、局所投与、および直腸投与を含むが、これらに限定されない。当業者が、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics, current ed.; Pergamon; and Remington’s, Pharmaceutical Sciences (current edition), Mack Publishing Co., Easton, Paで論じられるものなど、本明細書に記載の化合物および方法に使用することができる投与技術に熟知している。好ましい実施形態では、本明細書に記載された化合物および組成物は経口投与される。
【0077】
本明細書で使用される用語「薬物の組み合わせ」、「薬物の併用」、「薬物の組合せ」、「他の治療の使用」、「他の治療剤の投与」などとは、複数の活性物質を混合または組み合わせることによって得られる薬物治療を指し、有効成分の固定および非固定の組み合わせを含む。用語「固定の組み合わせ」とは、単一の実体または単一の剤形の形態で、本明細書に記載された少なくとも1つの化合物および少なくとも1つの相乗剤を、患者への同時投与を指す。用語「非固定の組み合わせ」とは、単一の実体の形態で、本明細書に記載された少なくとも1つの化合物および少なくとも1つの相乗剤を、患者へ同時投与、併用または可変間隔で順次に投与することを指す。これらは、3つ以上の有効成分の投与などのカクテル療法にも適用される。
【0078】
当業者はまた、以下に記載される方法において、中間化合物の官能基が、適切な保護基によって保護される必要がある可能性があることを理解すべきである。このような官能基が、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基およびカルボン酸を含む。適切なヒドロキシ保護基が、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えば、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジルなどを含む。アミノ、アミジノおよびグアニジノの適切な保護基が、tert-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどを含む。メルカプトの適切な保護基が、-C(O)-R”(ただし、R”はアルキル基、アリール基
またはアラルキル基)、p-メトキシベンジル、トリチルなどを含む。カルボキシの適切な保護基が、アルキル基、アリール基またはアラルキルエステルを含む。
【0079】
保護基を、当業者に知られている或いは本明細書に記載されている標準的な技術に従って、導入および除去することができる。保護基の使用は、Greene, T. W.とP. G. M. Wuts, Protective Groups in Organi Synthesis, (1999), 4th Ed., Wileyに詳しくに説明されている。保護基は、ポリマー樹脂であっても良い。
【0080】
式Iの化合物の調製
本発明に提供される上記の式Iの化合物は、以下の方法で調製されてもよい:式Ibと式Icを求核置換反応させ、式Idを得る;式Idと式Ieを置換反応させ、式Ifを得る;かつ酸で式Ifを脱保護し、式Iの化合物を得る。
【0081】
【0082】
式では、各基の定義は上記のとおりである。
【0083】
薬理学と用途
Src Hommolgy-2ホスファターゼ(SHP2)は、PTPN11遺伝子にコードされるプロテインチロシンホスファターゼであり、増殖、分化、細胞周期の維持、移動を含むさまざまな細胞機能を促進する。SHP2は、Ras-マイトジェン-活性化プロテインキナーゼ、JAK-STAT、またはホスホイノシチド3-キナーゼ-AKT経路を介したシグナル伝達に関与する。SHP2は、ErbB1、ErbB2、c-MetのErk1とErk2MAPキナーゼなどの受容体チロシンキナーゼの活性化を仲介する。
【0084】
SHP2には、2つのN末端Src homolgy2ドメイン(N-SH2とC-SH2)、触媒ドメイン(PTP)とC末端テールがある。上記の2つのSH2ドメインが、SHP2の細胞内局在と機能調節を制御する。当該分子が、不活性なコンフォメーションで存在し、N-SH2およびPTPドメインから由来する残基が関与する結合ネットワークを介して、その自身の活性を阻害する。成長因子による刺激に応答して、SHP2が、そのSH2ドメインを介して、ドッキングタンパク質における特定のチロシン-リン酸化部位(例えば、Gab1とGab2)に結合する。これにより、コンフォメーションの変化を引き起こし、SHP2を活性化した。
【0085】
PTPN11の変異は、ヌーナン症候群、ヒョウ斑点症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、黒色腫、急性骨髄性白血病、乳がん、肺がん、結腸がんなどのさまざまなヒトの疾患には確認された。SHP2は、複数な受容体型チロシンキナーゼ(血小板由来成長因子(PDGF-R)、線維芽細胞成長因子(FGF-R)、上皮成長因子(EGF-R)受容体を含む)の重要な下流シグナル伝達分子である。また、SHP2は、マイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼ経路を活性化する重要な下流シグナル伝達分子でもあり、それは、細胞の形質転換(癌の発生に必要な条件)を引き起こすことができる。SHP2のノックダウンは、SHP2変異またはEML4/ALK転座を有する肺がん細胞株と、EGFR増幅の乳がんと食道がんの細胞との成長を有意に抑制した。SHP2は、胃癌、未分化大細胞リンパ腫、神経膠芽腫の活性化された癌遺伝子の下流である。
【0086】
ヌーナン症候群(NS)とヒョウ斑点症候群(LS)-PTPNll変異が、LS(多色素性母斑症候群、異常な心電図伝導、眼との距離の遠すぎ、肺動脈弁狭窄症、異常な性器、成長遅延、感音難聴)およびNS(心臓の欠陥、頭蓋顔面の奇形、低身長の先天性異常を含む)を引き起こす。これらの2つの障害は、RAS/RAF/MEK/ERKマイトジェン活性化プロテインキナーゼ経路(正常な細胞の成長と分化に必要があるものである)の組分における生殖細胞変異によって引き起こされる常染色体優性症候群ファミリーの一部である。この経路の異常な調節が、特に心臓の発育に深刻な影響を及ぼし、それが、弁膜中隔欠損症(valvuloseptal defects)および/または肥大型心筋症(HCM)を含む複数な異常を引き起こす。MAPKシグナル伝達経路の乱しが、これらの障害にとって重要であると明確されておる;KRAS、NRAS、SOS1、RAF1、BRAF、MEK1、MEK2、SHOC2、CBLなどの当該経路に関与するいくつかの候補遺伝子の変異が既に特定された。NSとLSには、最も頻繁に変異する遺伝子はPTPN11である。PTPN11(SHP2)の生殖細胞変異は、NS症例の約50%、およびNSのある特徴を有するほぼすべてのLS患者で発見されている。NSの場合、タンパク質におけるY62DとY63Cは、最も一般的な変異である。これらの2つの変異が、ホスファターゼとそのリン酸化シグナルパートナーとの結合を妨げることないが、SHP2の触媒的に不活性なコンフォメーションに影響を与える。
【0087】
若年性骨髄単球性白血病(JMML)は、JMML(小児骨髄異形成(MPD))患者の約35%で発生する、PTPN11(SHP2)の体細胞変異である。これらの機能獲得型変異は、通常、N-SH2ドメインまたはホスファターゼドメインの点変異であり、それが、触媒ドメインとN-SH2ドメイン間の自己阻害を防ぎ、SHP2活性をもたらす。
【0088】
急性骨髄性白血病は、(骨髄異形成症候群(MDS)、B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)の約7%、急性骨髄性白血病(AML)の約4%などの)小児急性白血病の約10%には、PTPN11変異を確認した。
【0089】
NSと白血病の変異が、自己阻害性のSHP2コンフォメーションにおけるN-SH2ドメインとPTPドメインによって形成される界面に位置するアミノ酸の変化を引き起こし、阻害性分子の内相互作用を破壊し、触媒ドメインの過剰な活性をもたらす。
【0090】
SHP2は、受容体型チロシンキナーゼ(RTK)シグナル伝達には、正の調節因子として機能する。RTKの変化(EGFRamp、Her2amp、FGFRamp、Metamp、転座/活性化RTK、すなわちALK、BCR/ABL)を伴うがんが、食道がん、乳がん、肺がん、結腸がん、胃がん、神経膠腫、頭頸部がんなどを含む。
【0091】
食道がん(または食道がん)は、食道の悪性疾患である。多くのサブタイプがあり、主に扁平上皮癌(<50%)と腺癌である。食道腺癌および扁平上皮癌ではRTKの発現率が高い。したがって、本発明のSHP2阻害剤は、革新的な治療戦略に使用することができる。
【0092】
乳がんは重要ながんで、女性の主な死因であり、患者が、既存の薬剤に耐性を示す。乳がんには、luminal A、luminal B、Her21ik、とトリプルネガティブ/Basal-likeの4つの主要なサブタイプがある。トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、特定の標的療法を欠く攻撃的な乳がんである。上皮成長因子受容体I(EGFR)は、TNBCの治療における有望な標的であることが示される。SHP2を介したHer2およびEGFRの阻害は、乳がんの有望な治療法となる可能性がある。
【0093】
肺がん-NSCLCは、現在、がん関連の死亡の重要な原因である。肺がんの約85%は、主に腺がんと扁平上皮がんである。細胞毒性化学療法は、依然として治療の重要な部分であるが、腫瘍の遺伝的変化(EGFRやALKなど)に基づく標的療法は、標的療法の恩恵を受ける可能性が高くなる。
【0094】
結腸がんは、結腸直腸腫瘍の約30%~50%がKRASに変異(異常)し、BRAF変異が、結腸直腸癌の10~15%で発生することが知られる。結腸直腸腫瘍がEGFRを過剰発現することが示されている患者サブグループに属する場合、これらの患者は抗EGFR療法に対して好ましい臨床反応を示している。
【0095】
胃がんは、最も一般的な種類のがんの1つである。チロシンキナーゼの異常な発現(例えば、胃癌細胞における異常なチロシンリン酸化によって反映されること)は、当技術分野で知られている。3つの受容体型チロシンキナーゼ(すなわち、c-met(HGF受容体)、FGF受容体2、とerbB2/neu)が、胃癌で増幅されることがよくある。したがって、異なるシグナル経路の破壊が、異なる種類の胃がんの進行を促進する。
【0096】
神経芽細胞腫は、発育中の交感神経系の小児腫瘍であり、小児がんの約8%を占めている。未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)遺伝子のゲノム変化は、神経芽細胞腫の発症メカニズムを促進するものであると提案される。
【0097】
頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)-高レベルのEGFR発現は、複数の癌、最も一般的には頭頸部扁平上皮癌(SCCHN)の予後不良および放射線療法への耐性と関連している。EGFRシグナル伝達の遮断が、受容体刺激、細胞増殖、浸潤に対する阻害と、転移の低下にもたらす。したがって、SCCHNでは、EGFRは、新しい抗がん療法の最優の標的である。
【0098】
本発明は、SHP2の活性を阻害することができる化合物に関する。本発明は、さらに本発明の化合物の調製方法と、当該化合物を含む薬物製剤を提供する。本発明のもう一つは、SHP2に仲介された疾患又は病気を治療する方法に関わり、当該方法が、必要が有る患者に治療有効量の本発明の式Iの化合物を投薬するステップを含む。
【0099】
一部の実施形態において、本発明は、上記の方法に関わり、ただし、上記のSHP2に仲介された疾患又は病気は、JMML、AML、MDS、B-ALL、神経芽細胞腫、食道がん、乳がん、肺がん、結腸がん、胃がん、頭頸部がんから選べられるがんであるが、これらに限定されない。
【0100】
本発明の化合物は、さらに、SHP2の異常活性に関連する他の疾患又は病気を治療することに使用できる。そして、好ましい実施形態として、本発明は、以下から選べられる疾患又は病気を治療する方法に関わる:NS、LS、JMML、AML、MDS、B-ALL、神経芽細胞腫、食道がん、乳がん、肺がん、結腸がん、胃がん、頭頸部がん。
【0101】
本発明のSHP2阻害剤は、特にがんの治療には、薬理活性を有する他の化合物と組み合わせてもよく、又は2種又は以上の薬理活性有する他の化合物と組み合わせてもよい。例えば、本発明の式(I)化合物又はその薬学的に許容される塩は、一つ又は複数の以下から選べられる物質と組み合わせるように、同時、順次又は別に投薬しても良い:有糸分裂阻害剤ような化学療法剤、例えばタキサン(taxane)、ビンカアルカロイド(vinca alkaloid)、タキソール(taxol)、ドセタキセル(docetaxel)、ビンクリスチン(vincristine)、ビンブラスチン(vinblastine)、ビノレルビン(vinorelbine)又はのヴィンフルニン(vinflunine);他の抗がん剤、例えば、シスプラチン、5-フルオロウラシル(5-Fluorouracil)又は5-フルオロ-2-4(1H、3H)-ピリミジンジオン(5FU)、フルタミド(Flutamide)又はゲムシタビン(Gemcitabine)。
【0102】
いくつかの組み合わせは、相乗作用を含む治療に大きな利点を提供することができる。
【0103】
一部の実施形態において、本発明は、上記に記載された的方法に関わり、ただし、上記の化合物は、非経口的に投与される。
【0104】
一部の実施形態において、本発明は、以上に記載された方法に関わり、ただし、上記の化合物は、筋肉内、静脈内、皮下、経口、経肺、髄腔内、局所、または鼻腔内によって投薬される。
【0105】
一部の実施形態において、本発明は、上記に記載された的方法に関わり、ただし、上記の化合物は、全身的に投与される。
【0106】
一部の実施形態において、本発明は、上記に記載された的方法に関わり、ただし、上記の患者は哺乳類である。
【0107】
一部の実施形態において、本発明は、上記に記載された的方法に関わり、ただし、上記の患者は霊長類動物である。
【0108】
一部の実施形態において、本発明は、上記に記載された的方法に関わり、ただし、上記の患者はヒトである。
【0109】
一部の実施形態において、本発明は、SHP2に仲介された疾患又は病気を治療する方法に関わり、当該方法が、必要が有る患者に治療有効量の本発明の式Iの化合物を投薬するステップを含む。
【0110】
本発明の主な利点は次のとおり:
1、式Iの化合物を提供する。
2、新しい構造を有するSHP2阻害剤及びその調製と使用を提供し、上記の阻害剤が、SHP2に対する比較的に高い阻害活性を有する。
3、SHP2に関連する疾患又は病気を治療する薬物組成物を提供する。
【実施例】
【0111】
以下、具体的な実施例を参照して、本発明をさらに説明する。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の単なる例示であることが理解されるべく。以下の実施例に具体的な条件を示しない実験方法は、一般的に、通常の条件またはメーカーの推奨条件に従う。特に断らない限り、百分率および部は重量を指す。
【0112】
以下の実施例に使用される出発物質は、Aldrich、TCI、Alfa Aesar、Beide、Anaijiなどの化学ベンダーから購入するか、既知の方法で合成することができる。
【0113】
以下の実施例に含まれる英語の略語の意味は、以下の表1に記載されている通り。
【0114】
【0115】
下記の実施例には、氷浴とは、-5℃~0℃であるものであり、室温とは、10℃~30℃であり、一般的に、還流温度とは、常圧下での溶媒の還流温度を指す。一般的に、反応一晩とは、8~15時間の反応時間を指す。以下の実施例には、特定の動作温度が限定されていない場合、すべてが室温で行う。
【0116】
下記の実施例には、中間体と最終産物は、順相または逆相クロマトグラフィーカラムまたは他の適切な方法によって分離および精製される。順相フラッシュクロマトグラフィーカラムには、酢酸エチルとN-ヘキサン、又はメタノールとジクロロメタンなどを移動相とする。逆相分取高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)には、C18カラムを使用し、UV 214 nmと254 nmより検出し、その移動相は、A(水と0.1%ギ酸)、B(アセトニトリル)、又は移動相A(水と0.1%重炭酸アンモニウム)、B(アセトニトリル)である。
【0117】
各実施例には、LCMS 器械:Pump Agilent 1260 UV 検出器:Agilent 1260 DAD Mass Spectrometer API 3000
カラム:Waters sunfire C18、4.6×50mm、5um
移動相:A-H2O (0.1% HCOOH);B-アセトニトリル NMR
器械:Bruker Ascend 400M (1H NMR: 400MHz; 13C NMR: 100 MHz)。
【0118】
中間体A1の合成:(R)-N-((S)-1、3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
【0119】
【0120】
ステップ1:乾燥された100mLシングルネックフラスコに、tert-ブチル 1-オキソ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(1.51g、5mmol)、チタン酸テトラエチル(6.84g、30mmol)、(R)-(+)-Tert-ブチルスルフィンアミド(2.41g、20mmol)を順番に添加し、加熱還流で攪拌し、15時間反応した。室温まで冷却した後、反応の残留物に飽和塩水(60mL)を添加し、得られた混合物を15分間攪拌し、珪藻土で濾過した。水性混合物を酢酸エチル(3x80mL)で抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧で揮発物を除去した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製(0~30%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)で、白色固体とするtert-ブチル(R,Z)-1-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A1-1、1.61g、収率:80%)を得た。
【0121】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.34 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.48 - 7.39 (m, 1H), 7.35 - 7.28 (m, 2H), 4.21 - 3.92 (m, 2H), 3.00 (s, 2H), 2.88 (t, J = 11.9 Hz, 2H), 2.00 - 1.80 (m, 2H), 1.48 - 1.30 (m, 11H), 1.24 (d, J = 13.1 Hz, 9H) ; LCMS:m/z 405.1 [M+H]+。
【0122】
ステップ2:乾燥された100mLシングルネックフラスコに、順番にtert-ブチル(R,Z)-1-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸 (A1-1、0.802g、2mmol)と、THF(10mL)を添加し、0℃まで冷却した後に、水素化ホウ素リチウム (66mg、3mmol)を添加した。得られた混合物を続いて攪拌し、1時間反応した。メタノールを徐々に添加し、過剰な水素化ホウ素をクエンチし、濾過し、濃縮し、減圧で揮発物を除去した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製(0~50%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)で、淡黄色固体とするtert-ブチル(S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A1-2、0.63g、収率:78%)を得た。
【0123】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.30 - 7.15 (m, 4H), 5.64 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 4.38 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 3.86 (s, 2H), 3.05 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 2.87 (s, 2H), 2.62 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 1.89 (s, 1H), 1.61 - 1.35 (m, 12H), 1.27 - 1.10 (m, 11H); LCMS:m/z 407.1 [M+H]+。
【0124】
ステップ3:乾燥された50mLシングルネックフラスコに、順番にtert-ブチル(S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A1-2、0.406g、1mmol)、ジクロロメタン(5mL)、トリフルオロアセテート(1mL)を添加し、得られた混合物を室温で攪拌し、1時間反応した。pHを7になるまで、Na2CO3の飽和水溶液を添加し、DCM (3x30mL)で水性混合物を抽出した。合併した有機相を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧で揮発物を除去した。冷却し、無色のオイルとする(R)-N-((S)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(A1、0.183g、収率:70%)を得た。
【0125】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.26 - 7.11 (m, 5H), 4.45 (d, J = 10.1 Hz, 1H), 3.77 (s, 1H), 3.18 (s, 2H), 3.04 (d, J = 15.9 Hz, 3H), 2.67 (d, J= 15.8 Hz, 1H), 2.20 (td, J = 12.7, 3.5 Hz, 1H), 1.82 (t, J = 11.1 Hz, 1H), 1.61 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 1.34 - 1.11 (m, 10H) ;
LCMS:m/z 307.1 [M+H]+。
【0126】
中間体A2の合成:R-N-((S)-5、7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
【0127】
【0128】
ステップ1:乾燥された100mLフラスコに、順番に4-シアノピペリジン-1-テルトブチルホルメート(1.05g、5mmol)とTHF(20mL)を添加した。窒素ガスで、混合物を-78℃まで温度を下げ、反応混合物に、2M LDA(3.3mL、6.5mmol)を徐々に添加した。反応混合物を1時間反応し、その中に3-ブロモ-2-(ブロモメチル)ピリジン(1.24g、5mmol)を添加し、そして反応混合物を続いて2時間反応した。反応を終了した後に、その中に飽和塩化アンモニウム溶液(15mL)を添加し、反応をクエンチし、酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、有機層を混合し、飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムより乾燥し、濾過し、減圧濃縮より得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製(0~30%勾配の酢酸エチル/石油エーテル)し、白色固体とするtert-ブチル4-((3-ブロモピリジン-2-イル)メチル)-4-シアノピペリジン-1’-ギ酸(A2-1、1.40g, 収率:75%)を得た。
【0129】
ステップ2:窒素ガスの保護で、乾燥された25mLシングルネックフラスコに、順番にtert-ブチル4-((3-ブロモピリジン-2-イル)メチル)-4-シアノピペリジン-1’-ギ酸(A2-1、379mg、1mmol)、トリエチルアミン(404mg、4mmol)、ジクロロビス-ジ-tert-ブチル-(4-ジメチルアミノフェニル)ホスホパラジウム(II) Pd(AmPhos)2Cl2 (71mg、0.1mmol)とDMA:H2O=10:1 (6mL)を添加し、130℃で攪拌し、18時間反応した。反応が終了した後に、得られた残留物を濾過し、減圧濃縮で得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し(0~50%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)、黄色固体とするtert-ブチル5-オキソ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A2-2、180mg、収率:60%)を得た。LCMS:m/z 303.1 [M+H]+。
【0130】
ステップ3:乾燥した100mLシングルネックフラスコに、tert-ブチル 5-オキソ-5.7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A2-2、0.302g、1mmol)、チタン酸テトラエチル(1.37g、6mmol)、(R)-(+)-Tert-ブチルスルフィンアミド(0.480g、4mmol)を順番に添加し、加熱還流で攪拌し、15時間反応した。室温まで冷却した後、反応の残留物に飽和塩水(15mL)を添加し、得られた混合物を15分間攪拌し、珪藻土で濾過した。水性混合物を酢酸エチル(3x300mL)で抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧で揮発物を除去した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製(0~50%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)で、白色固体とするtert-ブチル(R、Z)-5-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A2-3、0.333g、収率:82%)を得た。LCMS:m/z 406.1 [M+H]+。
【0131】
ステップ4:乾燥された100mLシングルネックフラスコに、順番にtert-ブチル(R、Z)-5-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A2-3、0.20g、0.491mmol)と、THF(50mL)を添加し、0℃まで冷却した後に、水素化ホウ素リチウム(0.018g、0.737mmol)を添加した。得られた混合物を続いて攪拌し、1時間反応した。メタノールを徐々に添加し、過剰な水素化ホウ素をクエンチし、濾過し、濃縮し、減圧で揮発物を除去した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製(0~80%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)で、白色固体とするtert-ブチル((S)-5-((R)-Tert-ブチルスルフィンアミド基)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A2-4、0.130g、収率:65%)を得た。LCMS:m/z 408.1 [M+H]+。
【0132】
ステップ5:乾燥された50mLシングルネックフラスコに、順番にtert-ブチル(S)-5-((R)-Tert-ブチルスルフィンアミド)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A2-4、0.100g、0.245mmol)、ジクロロメタン(5mL)、トリフルオロアセテート(1mL)を添加し、得られた混合物を室温で攪拌し、1時間反応した。pHを7になるまで、Na2CO3の飽和水溶液を添加し、DCM (3x30mL)で水性混合物を抽出した。合併した有機相を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧で揮発物を除去した。冷却し、無色のオイルとするR-N-((S)-5、7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(A2、0.056g、収率:75%)を得た。LCMS:m/z 308.1 [M+H]+。
【0133】
中間体A3の合成:(S)-1、3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-アミン
【0134】
【0135】
ステップ:乾燥された100mL丸底フラスコに、順番にメタノール(1mL)、ジクロロメタン(1mL)とA1-2(540mg、1.33mmol、1.0eq)を得た。室温で、HCl/1,4-ジオキサン(3.3mL、4 M)を滴下し、白色固体が析出され、50℃まで加熱し、2時間攪拌した。反応が終了した後、減圧濃縮で白色固体とする(S)-1、3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-アミン(A3、373mg、収率:97.1%、HCl塩)を得た。LCMS:m/z 203.1 [M+H]+。
【0136】
中間体A4の合成:(S)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン
【0137】
【0138】
中間体A3の合成方法を参照し、中間体A1-2の代わりに、中間体A2-4を使用し、中間体(S)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン(A4)を得た。LCMS:m/z 204.1 [M+H]+.
【0139】
中間体A5の合成: (S)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-7-アミン
【0140】
【0141】
中間体A2、A3の合成方法を参考し、A5を合成した。LCMS:m/z 204.1 [M+H]+.
【0142】
中間体A6の合成:(S)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-7-アミン
【0143】
【0144】
ステップ1:300mL THFと60mL H2Oを有する1Lフラスコに、順番にA6-1(11.1g、60mmol)とNaBH4(2.51g, 66mmol)を添加し、20℃で2時間反応した。薄層クロマトグラフィーで原料が反応しまったことを検出した後に、飽和NH4Cl溶液でクエンチし、水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機相を合併し、飽和NaCl溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムより乾燥し、濾過し、減圧濃縮で白色固体とする2-ブロモ-ピリジン-3-イルメタノール(A6-2、11.2g、収率:100%)を得た。
【0145】
ステップ2:120mLジクロロメタンを有する乾燥された250mLシングルネックフラスコに、順番に、(A6-2、6.73g、36mmol)とMs2O(6.96g、40mmol)を添加した後に、0℃まで冷却し、徐々にTEA(5.45g、54mmol)を添加し、室温まで昇温した後に、3時間攪拌し、反応が終了した後に、水で反応液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製(0~10%勾配の酢酸エチル/ジクロロメタン)し、無色オイルとするメタンスルホン酸(2-ブロモピリジン-3-イル)メチルエステル(A6-3、8.02g、収率:84%)を得た。
【0146】
ステップ3:乾燥された500mL三つ口フラスコに、順番に、tert-ブチル4-エトキシカルボニルピペリジン-1-ギ酸(9.3g、36.2mmol)とTHF(133mL)を添加した。窒素ガスで、混合物を-70℃まで温度を下げ、反応混合物に、2M LDA(21.1mL、42.3mmol)を徐々に添加した。反応混合物を1時間反応し、そして、その中に、65mL THFに溶解したメタンスルホン酸(2-ブロモピリジン-3-イル)メチルエステル(A6-3、8.0g、30.2mmol)を添加し、そして、反応混合物を続いて0.5時間反応した後に、徐々に室温まで昇温し、1時間攪拌した。反応が終了した後、その中に飽和塩水を添加し、反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機相を合併し、飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムより乾燥し、濾過の後に、減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製(8~12%勾配の酢酸エチル/ジクロロメタン)し、無色のオイルとするtert-ブチル4-エトキシカルボニル-4-(2-ブロモ-3-ピリジル)メチル-ピペリジン-1-ギ酸(A6-4、10.5g、収率:81%)を得た。
【0147】
ステップ4:乾燥された250mL三つ口フラスコに、順番に、tert-ブチル4-エトキシカルボニル-4-(2-ブロモ-3-ピリジル)メチル-ピペリジン-1-ギ酸(A6-4、7.85g、18.4mmol)とTHF(120mL)を添加した。窒素ガスで、混合物を-70℃まで温度を下げ、反応混合物に、2.5 M N-ブチルリチウム(11mL、27.6mmol)を徐々に添加した。反応混合物を、1.5時間反応した。反応が終了した後、その中に、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し、反応をクエンチし、そして、飽和塩水希釈を添加し、液体を分離し、酢酸エチルで水相を抽出し、有機相を合併し、飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムより乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製(0~60%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)で、薄茶色固体とするtert-ブチル7-オキソ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A6-5、1.4g、収率:25%)を得た。
【0148】
ステップ5:中間体A2-3の合成方法を参照し、中間体A2-2の代わりに、中間体A6-5を使用し、中間体tert-ブチル(R、Z)-7-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A6-6、1.46g、収率:68%)を得た。
【0149】
ステップ6:乾燥された50mL三つ口瓶に、順番にtert-ブチル(R、Z)-7-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A6-6、530mg、1.31mmol)、THF(10mL)を添加し、窒素ガスの保護で、-70℃まで冷却し、そして、反応混合物に、徐々に1.5 M水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(1.3mL、1.95mmol)を添加した。反応混合物を0.5時間反応した後に、徐々に室温まで昇温し、飽和酒石酸カリウムナトリウムの水溶液でクエンチした後に、0.5時間攪拌した。酢酸エチルで抽出し、有機相を合併し、飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムより乾燥し、濾過し、減圧濃縮で得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製(0~5%勾配のメタノール/ジクロロメタン)し、淡黄色の泡の固体とするtert-ブチル(S)-7-((R)-Tert-ブチルスルフィンアミド)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A6-7、466mg、収率:87%)を得た。
【0150】
ステップ7:乾燥された25mLシングルネックフラスコに、順番にtert-ブチル(S)-7-((R)-Tert-ブチルスルフィンアミド)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A6-7、312mg、0.766mmol)、MeOH(5mL)、4MのHCl/1,4-ジオキサン溶液(3.83mL、15.3mmol)を添加し、そして、50℃まで昇温し、8時間反応し、白い懸濁液を得、減圧濃縮で、白色固体とする(S)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-7-アミンHCl塩(A6、232mg、収率:97%)を得た。LCMS:m/z 204.1 [M+H]+。
【0151】
中間体A7の合成: (S)-6-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-アミン
【0152】
【0153】
ステップ1:中間体A2の合成方法を参照し、原料として、3-ブロモ-2-(ブロモメチル)ピリジンの代わりに、4-フルオロベンジルブロミドを使用し、中間体tert-ブチル4-エトキシカルボニル-4-(4-フルオロベンジル)-ピペリジン-1-ギ酸A7-1を得た。
【0154】
ステップ2:20mLメタノールと20mL水を有する100mLシングルネックフラスコに、順番に化合物tert-ブチル4-エトキシカルボニル-4-(4-フルオロベンジル)-ピペリジン-1-ギ酸(A7-1、3.40g、9.30mmol)と水酸化ナトリウム (1.86g、46.5mmol)を得た。反応液を、70℃で17時間反応した。室温まで冷却した後に、減圧濃縮で揮発物を除去した。得られた残留物に水(50mL)で希釈し、希塩酸でpHを3に調整し、酢酸エチル(80mL)で3回抽出した。合併された有機相を、飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムより乾燥し、濾過し、減圧濃縮で黄色固体とする1-tert-ブトキシカルボニル-4-(4-フルオロベンジル)-ピペリジン-4-ギ酸(A7-2、3.0g、粗品)を得た。
【0155】
ステップ3:乾燥された50mLシングルネックフラスコに、順番に化合物1-tert-ブトキシカルボニル-4-(4-フルオロベンジル)-ピペリジン-4-ギ酸(A7-2、2.0g、5.93mmol)とPPA(15mL)を添加した。反応液を、120℃で2時間反応した。反応液を熱いうちに氷水混合物(50mL)に注ぎ、NaOH固体でpHを10に調整した。そして、得られた混合物にBoc2O(1.94g、8.90mmol)を添加し、20℃で1時間攪拌した。反応液を、酢酸エチル(80mL)で3回抽出した。合併された有機相を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル = 5:1)し、黄色固体とするtert-ブチル6-フルオロ-1-オキソ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A7-3、1.20g、収率:63.5%)を得た。
【0156】
1HNMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.46 - 7.38 (m, 2H), 7.37 - 7.30 (m, 1H), 4.20 - 4.06 (m, 2H), 3.07 - 2.95 (m, 4H), 1.96 - 1.85 (m, 2H), 1.48 (s,9H), 1.44 - 1.35 (m, 2H).
【0157】
ステップ4:中間体A2の合成方法を参照し、中間体A2-2の代わりに、中間体A7-3を使用し、中間体(R,Z)-1-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-6-フルオロ-1-オキソ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-カルボキシレートA7-4を得た。
【0158】
ステップ5:-50℃で、丸底フラスコに、順番に化合物(R,Z)-1-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-6-フルオロ-1-オキソ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-カルボキシレート(A7-4、1.59g、3.76mmol)、テトラヒドロフラン/水(98:2, 32mL)と水素化ホウ素ナトリウム(427mg、11.3mmol)を添加し、 反応液を攪拌しながら、3時間で20℃まで昇温した。TLC薄層クロマトグラフィーで反応が完成したことを確認した。反応液を水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(30mL)で3回抽出した。合併された有機相を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル = 2:1)し、白色固体とするtert-ブチル(S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-6-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A7-5、850mg、収率:53%)を得た。
【0159】
ステップ6:中間体A3の合成方法を参照し、中間体A1-2の代わりに、中間体A7-5を使用し、中間体(S)-6-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-アミンA7を得た。LCMS:m/z 220.1 [M+H]+。
【0160】
中間体A8:(S)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-7-アミン
【0161】
【0162】
ステップ1:4-ブロモニコチンアルデヒド臭化水素酸塩(A8-1、2.5g、9.36mmol)をメタノール(50mL)に溶解し、氷浴で水素化ホウ素ナトリウム(0.72g、18.93mmol、2.0eq)をバッチで添加し、0度で1時間反応し、反応が終了した。氷浴で、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)を添加し、反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出(100mLx2)した。有機相を合併した後に、飽和塩水で洗い、有機相を分離した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮で白色固体とする(4-ブロモピリジン-3-イル)メタノール (A8-2、1.7g、収率:100%)を得た。LCMS:m/z 190.3 [M+H]+
【0163】
ステップ2:(4-ブロモピリジン-3-イル)メタノール(A8-2、1.7g、9.04mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶解し、氷浴しながらトリエチルアミン(2.30g、22.7mmol)を添加した。窒素ガスの保護でメタンスルホン酸無水物(1.95g、11.2mmol)をバッチで添加し、0度で2時間反応した後に、反応が終了した。氷浴下、飽和塩化ナトリウム(50mL)の添加したことで反応をクエンチし、有機相を分離し、飽和塩水で洗った。有機相を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮で赤褐色の固体とするメタンスルホン酸(4-ブロモピリジン-3-イル)メチルエステル(A8-3、1.7g、収率:70.7%)を得た。LCMS:m/z 266.2 [M+H]+
【0164】
ステップ3:tert-ブチル4-シアノピペリジン-1-ギ酸(1.61g、7.67mmol)を無水テトラヒドロフラン(60mL)に溶解し、ドライアイスアセトン浴(-78度)と窒素ガスの保護で、徐々にLDA(4.6mL、9.2mmol)を滴入し、温度を保持しながら0.5時間反応し、反応液に、大量の白色固体が析出した。-78度で徐々にメタンスルホン酸(4-ブロモピリジン-3-イル)メチル(A8-3、1.7g、6.39mmol)の無水テトラヒドロフラン(50mL)溶液を滴入し、続いて保温反応2時間、反応を終了した。飽和塩化アンモニウム(100mL)を添加し、反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出(100mLx3)した。有機相を合併し、飽和塩水で洗い、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し(0~50%勾配のジクロロメタン/石油エーテル)、白色固体とするtert-ブチル4-((4-ブロモピリジン-3-イル)メチル)-4-シアノピペリジン-1-ギ酸(A8-4、1.58g、収率:54%)を得た。LCMS:m/z 326.0 [M+H-56]+
【0165】
ステップ4:tert-ブチル4-((4-ブロモピリジン-3-イル)メチル)-4-シアノピペリジン-1-ギ酸(A8-4、1.5g、3.95mmol)をDMAc/H2O(100mL/10mL)に溶解し、DIPEA(1.34g、15.8mmol)とPd(AmPhos)2Cl2(142mg, 0.20mmol)を添加し、窒素ガスで三回置換し、130度で2時間反応し、反応を終了した。水(50mL)を添加し、酢酸エチルで抽出(100mLx3)し、有機相を合併し、飽和塩水で洗い、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、固体とするtert-ブチル5-オキソ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A8-5、750mg、収率:62%)を得た。LCMS:m/z 303.3 [M+H]+
【0166】
ステップ5:化合物tert-ブチル5-オキソ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A8-5、750mg、2.48mmol)をTHF (10mL)に溶解し、(R)-(+)-Tert-ブチルスルフィンアミド(390mg、3.22mmol)とチタン酸テトラエチル(10mL)を添加した。窒素ガスの保護で、90度まで加熱し、18時間還流反応した。反応を終了し、室温まで冷却し、酢酸エチル(50mL)の添加で希釈し、飽和塩水(10mL)を添加し、白色固体を析出した。混合物を濾過し、ケーキを酢酸エチルで洗浄した。ろ液を飽和塩水で洗い、有機相を分離した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、白色固体とするtert-ブチル(R、Z)-5-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A8-6、800mg、収率:80%)を得た。LCMS:m/z 406.2 [M+H]+
【0167】
ステップ6:tert-ブチル(R、Z)-5-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A8-6、800mg、1.98mmol)をTHF (50mL)に溶解し、窒素ガスの保護で-78度まで冷却した。反応液に徐々に1.5M のDIBAL-H(2mL、3mmol)を滴下し、滴下が終了した後に、-78度で1時間反応し、反応を終了した。水の添加で反応をクエンチし、飽和酒石酸カリウムナトリウム溶液(20mL)を添加し、酢酸エチルで抽出(100mLx2)し、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で一回洗浄し、有機相を分離した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、白色固体とするtert-ブチル(S)-5-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A8-7、680mg、収率:84%)を得た。LCMS:m/z 408.3 [M+H]+
【0168】
ステップ7:tert-ブチル(S)-5-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ基)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A8-7、680mg、1.67mmol)をMeOH (50mL)に溶解し、0度まで冷却し、4 M 塩酸のジオキサン溶液(10mL,40mmol)に滴下し、室温で3時間反応し、反応を終了した。反応液を濃縮し、白色固体とする(S)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-7-アミン塩酸塩 (A8、400mg、収率:99%)。LCMS:m/z 204.1 [M+H]+
【0169】
中間体A9:(S)-1-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-4-オール
【0170】
【0171】
ステップ1:2-ブロモ-6-ヒドロキシベンズアルデヒド(5g、24.9mmol)をDMF (100mL)に溶解し、無水炭酸カリウム(6.88g、49.8mmol)と4-臭化メトキシベンジル(5.26g、26.1mmol)を添加し、窒素ガスの保護で室温で18時間反応し、反応を終了した。反応液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで二回抽出(250mL)した。有機相を合併し、飽和塩水で洗い、有機相を分離した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、淡黄色固体とする2-ブロモ-6-((4-メトキシベンジル)オキシ)ベンズアルデヒド(A9-1、8g、収率100%)を得た。LCMS:m/z 343.0 [M+Na]+
【0172】
ステップ2:2-ブロモ-6-((4-メトキシベンジル)オキシ)ベンズアルデヒド(A9-1、8g、24.9mmol)をエタノール(100mL)に溶解し、氷浴しながら0度まで冷却した。慎重に複数のバッチで、水素化ホウ素ナトリウム(942mg、24.9mmol)を添加した。0度で0.5時間反応し、反応を終了した。反応液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで二回抽出(200mL)した。有機相を合併し、飽和塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、固体とする(2-ブロモ-6-((4-メトキシベンジル)オキシ)フェニル)メタノール(A9-2、7.3g、収率:90%)を得た。LCMS:m/z 345.0 [M+Na]+
【0173】
ステップ3:(2-ブロモ-6-((4-メトキシベンジル)オキシ)フェニル)メタノール(A9-2、7.3g、22.6mmol)をジクロロメタン(200mL)に溶解し、氷浴しながら0度まで冷却した。窒素ガスの保護で、四臭化炭素(11.2g、33.9mmol)とトリフェニルホスフィン(8.88g、33.9mmol)を添加した。0度で5時間反応し、反応を終了した。反応液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで二回抽出(200mL)した。合併された有機相を、飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、固体とする1-ブロモ-2-(ブロモメチル)-3-((4-メトキシベンジル)オキシ)ベンゼン(A9-3、4g、収率:46%)を得た。
【0174】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.40 (t, J = 4.4 Hz, 2H), 7.17-7.20 (m, 1H), 7.11 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 6.92-6.95 (m, 2H), 6.87-6.89 (m, 1H), 5.30 (s, 2H), 4.76 (s, 2H), 3.83 (s, 3H);
【0175】
ステップ4:tert-ブチル4-シアノピペリジン-1-ギ酸(2.6g、12.4mmol)を無水THF(60mL)に溶解し、-78度まで冷却した。徐々に2M LDA(7.5mL、14.9mmol)を滴下した。-78度で0.5時間反応し、続いて、1-ブロモ-2-(ブロモメチル)-3-((4-メトキシベンジル)オキシ)ベンゼン(A9-3、4g、10.4mmol)の無水THF(40mL)溶液を滴下した。-78度で2時間反応し、徐々に0度まで昇温した。反応を終了した。反応液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで二回抽出(200mL)した。合併された有機相を、飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、固体とするtert-ブチル4-(2-ブロモ-6-((4-メトキシベンジル)オキシ)ベンジル)-4-シアノピペリジン-1-ギ酸(A9-4、2.8g、収率:44%)を得た。LCMS:m/z 537.0 [M+Na]+
【0176】
ステップ5:tert-ブチル4-(2-ブロモ-6-((4-メトキシベンジル)オキシ)ベンジル)-4-シアノピペリジン-1-ギ酸(A9-4、2.6g、5.0mmol)をDMAc (100mL)に溶解し、H2O(10mL)、DIPEA(3.225g、25.0mmol)とPdCl2(AmPhos)2(354mg、0.5mmol)を添加した。アルゴンガスの保護で、130度で18時間反応し、反応を終了した。室温まで冷却し、反応液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで二回抽出(300mL)した。合併された有機相を、水と飽和食塩水で一回洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、固体とするtert-ブチル4-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A9-5、1.8g、収率:82%)を得た。LCMS:m/z 382.2 [M-56]+
【0177】
ステップ6:tert-ブチル4-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A9-5、1.8g、4.12mmol)をTHF (20mL)に溶解し、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(748mg、6.18mmol)とチタン酸テトラエチル(50mL)を添加した。窒素ガスの保護で、100度まで加熱し、18時間還流反応した。反応を終了し、室温まで冷却し、酢酸エチル(200mL)の添加で希釈し、飽和塩水(50mL)を添加し、白色固体を析出した。混合物を濾過し、ケーキを酢酸エチルで洗浄した。ろ液を飽和塩水で洗い、有機相を分離した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、白色固体とするtert-ブチル(R、Z)-1-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-4-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A9-6、1.7g、収率:76%)を得た。LCMS:m/z 541.3 [M+H]+
【0178】
ステップ7:tert-ブチル(R、Z)-1-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-4-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A9-6、1.7g、3.15mmol)をTHF (100mL)に溶解し、窒素ガスの保護で-78度まで冷却した。反応液に徐々に1.5M のDIBAL-H(3.15mL、4.7mmol)を滴下し、滴下が終了した後に、-78度で1時間反応し、反応を終了した。水の添加で反応をクエンチし、飽和酒石酸カリウムナトリウム溶液(50mL)を添加し、酢酸エチルで抽出(200mLx2)し、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で一回洗浄し、有機相を分離した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、白色固体とするtert-ブチル(S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-4-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A9-7、1.5g、収率:88%)を得た。LCMS:m/z 543.3 [M+H]+
【0179】
ステップ8:tert-ブチル(S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-4-((4-メトキシベンジル)オキシ)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A9-7、1.5g、2.77mmol)をMeOH (50mL)に溶解し、0度まで冷却し、4 M 塩酸のジオキサン溶液(10mL、40mmol)に滴下し、室温で3時間反応し、反応を終了した。反応液を濃縮し、白色固体とする(S)-1-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-4-オール塩酸塩(A9、600mg、収率:85%)。LCMS:m/z 219.2 [M+H]+
【0180】
中間体A10:(S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-4-シアノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]
【0181】
【0182】
ステップ1:100mLの丸底フラスコに、順番に、2-メチル-3-シアノブロモベンゼン(3.0g、15.3mmol、1.0eq)、N-ブロモスクシンイミド(2.72g、15.3mmol、1.0eq)、過酸化ジベンゾイル(371mg、1.53mmol、0.1eq)と四塩化炭素 (40mL)を添加し、80℃で16時間攪拌し、反応液を減圧濃縮した後に、残留物を得、残留物を酢酸エチル(200mL)に溶解し、2N NaOH水溶液(50mL)で二回洗浄し、飽和塩水(50mL)で一回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。ろ液を減圧濃縮し、粗産物を得、粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、白色固体とする1-ブロモ-2-(ブロモメチル)-3-シアノベンゼン(A10-1、2.0g、収率:47.5%)を得た。
【0183】
ステップ2:100mLの丸底フラスコに、順番に、テトラヒドロフラン (30mL)とtert-ブチル4-シアノピペリジン-1-ギ酸(1.84g、8.73mmol、1.2eq)を添加し、-78℃まで温度を下げ、そして2.0 M LDA (5.1mL、10.2mmol、1.4eq)を添加し、-78℃で一時間攪拌した。その後、1-ブロモ-2-(ブロモメチル)-3-シアノベンゼン(A10-1、2.0g、7.27mmol、1.0eq)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液を添加し、-78℃で0.5時間攪拌した。その後、低温浴を外し、自然に室温に戻し、1時間攪拌を続けた。TLCで原料を消費しまったことを検出した後に、飽和塩水(30mL)の添加でクエンチし、そして酢酸エチル(100mL*2)で抽出した。合併された有機相を、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。ろ液を減圧濃縮し、粗産物を得、粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製しい、淡黄色オイルとするtert-ブチル-4-(2-ブロモ-6-シアノベンジル)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート(A10-2、1.5g、収率:51%)を得た。LC-MS:m/z 404.1,406.1 [M+H]+。
【0184】
ステップ3:乾燥された100mLの丸底三つ口フラスコに、順番に、加入tert-ブチル-4-(2-ブロモ-6-シアノベンジル)-4-シアノピペリジン-1-カルボキシレート(A10-2、1.5g、3.71mmol、1.0eq)、Pd(AmPhos)2Cl2 (262mg、0.37mmol、0.1eq)、ジイソプロピルエチルアミン(2.4g、18.5mmol、5.0eq)、N,N-ジメチルアセトアミド(30mL)、と水(4mL)を添加した。攪拌しながら、窒素ガスで三回置換し、そして140℃まで加熱し、16時間反応した。反応が終了した後、反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、減圧で吸引ろ過し、ケーキを酢酸エチル(20mL)で洗浄し、得られたろ液を飽和塩水(30mL)で三回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。ろ液を減圧濃縮し、粗産物を得、粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、白色固体とするtert-ブチル-4-シアノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-カルボキシレート(A10-3、0.90g、収率:74.3%)を得た。LC-MS:m/z 327.2 [M+H]+。
【0185】
ステップ4:乾燥された100mLシングルネックフラスコに、tert-ブチル-4-シアノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-カルボキシレート(A10-3、900mg、2.76mmol)、チタンテトラエトキシド(3.78g、16.6mmol)、(R)-(+)-Tert-ブチルスルフィンアミド(401mg、3.31mmol)とテトラヒドロフラン(20mL)を順番に添加し、加熱還流で攪拌し、16時間反応した。室温まで冷却した後、反応の残留物に飽和塩水(60mL)を添加し、得られた混合物を15分間攪拌し、珪藻土で濾過した。水性混合物を酢酸エチル(3x80mL)で抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製(0~30%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)で、白色固体とするtert-ブチル(R,Z)-1-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-4-シアノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A10-4、980mg、収率:82.7%)を得た。LCMS:m/z 430.2 [M+H]+。
【0186】
ステップ5:乾燥された50mL三つ口フラスコに、順番に、テトラヒドロフラン (15mL)とtert-ブチル(R,Z)-1-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-4-シアノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン] -1’-ギ酸(A10-4、980mg、2.28mmol、1.0eq)を添加した。-78℃で、窒素ガスの保護で、水素化ジイソブチルアルミニウム(6.8mL、トルエンに1.5 M、10.3mmol、4.5eq)を滴下し、続いて半時間攪拌した。そして0℃まで昇温し、続いて半時間攪拌した。反応が終了した後、酒石酸カリウムナトリウム(4 gを20mL水に溶解したもの)でクエンチし、半時間攪拌し、酢酸エチル(30mL*3)で抽出し、得られた有機相を、飽和塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製(0~70%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)し、黄色固体とするtert-ブチル(S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-4-シアノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン] -1’-ギ酸(A10-5、800mg、収率:81.3%)を得た。LC-MS:m/z 432.2 [M+H]+。
【0187】
ステップ6:乾燥された50mLシングルネックフラスコに、順番にtert-ブチル(S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-4-シアノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン] -1’-ギ酸(A10-5、800mg、1.85mmol)、ジクロロメタン(15mL)、トリフルオロアセテート(5mL)を添加し、得られた混合物を室温で攪拌し、1時間反応した。pHを7になるまで、Na2CO3の飽和水溶液を添加し、ジクロロメタン(3x50mL)で水性混合物を抽出した。合併された有機相を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製(0~70%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)し、黄色固体とする(R)-N-((S)-4-シアノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-メチルプロピル-2-スルフィンアミド(A10、490mg、収率:79.8%)を得た。LCMS:m/z 332.2 [M+H]+。
【0188】
中間体A11:(S)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピラジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン
【0189】
【0190】
ステップ1:2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(5.33g、37.8mmol)を100mLテトラヒドロフランに溶解し、アルゴンガスの保護で、ドライアイスアセトン浴で-65度まで温度を下げ、N-ブチルリチウム(2.5M、15.8mL、39.5mmol)を滴下し、そして0度を30分間保持し、さらに-65度まで温度を下げ、2-ブロモピラジン(5.0g、31.4mmol)と10mLテトラヒドロフランの混合液を滴下し、温度を30分間保持し、DMF(5.75g、78.6mmol)と10mLテトラヒドロフランの混合液を滴下し、続いて2時間攪拌し、完全に反応した。続いて、-65度で75mLメタノールを滴下し、10分間攪拌し、徐々にNaBH4(2.38g、62.9mmol)を添加し、徐々に0度まで昇温し、温度を1時間保持し、完全に反応した。反応液を500mL氷NH4Cl水溶液に注ぎ、酢酸エチルで三回抽出し、有機相を飽和塩水で一回洗い、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムを通過し、黄色固体とする(3-ブロモピリジン-2-イル)メタノール(A11-1、4.33g、収率:72.9%)を得た。LCMS:m/z 191 [M+H]+
【0191】
ステップ2:(3-ブロモピリジン-2-イル)メタノール(A11-1、4.33g、22.9mmol)を80mLジエチルエーテルに溶解し、窒素ガスの保護で、0度でPBr3(6.83g、25.2mmol)を滴下し、そして、約40度まで加熱還流し、4時間反応し、反応を終了した。反応液を氷NaHCO3水溶液に注ぎ、ジクロロメタンで二回抽出し、飽和塩水で一回洗い、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムを通過し、無色に近い透明オイルとする2-ブロモ-3-(ブロモメチル)ピラジン(A11-2、5.14g、収率:89.0%)を得た。LCMS:m/z 252.9 [M+H]+
【0192】
ステップ3:エチルN-Boc-ピペリジン-4-カルボキシレート(6.81g、26.5mmol)を160mL無水テトラヒドロフランに溶解し、アルゴンガスの保護で、ドライアイスアセトン浴で-65度まで温度を下げ、徐々にLDA(2.0 M、16.8mL、33.6mmol)を滴下し、温度を保持しながら、1時間反応した;続いて、-65度で2-ブロモ-3-(ブロモメチル)ピラジン(A11-2、5.14g、24.1mmol)の無水テトラヒドロフラン(30mL)溶液を滴下し、続いて、温度を保持しながら2時間反応し、反応を終了した。反応液を300mL氷NH4Cl水溶液に注ぎ、酢酸エチルで三回抽出し、有機相を飽和塩水で一回洗い、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムを通過し、1-(tert-ブチル)-4-エチル4-((3-ブロモピラジン-2-イル)メチル)ピペリジン-1,4-ジカルボキシレート(A11-3、5.81g、収率:56.4%)を得た。LCMS:m/z 328.1 [M+H-100]+
【0193】
ステップ4:1-(tert-ブチル)-4-エチル4-((3-ブロモピラジン-2-イル)メチル)ピペリジン-1,4-ジカルボキシレート(A11-3、5.8g、13.5mmol)を300mL テトラヒドロフランに溶解し、アルゴンガスの保護で、ドライアイスアセトン浴で-65度まで温度を下げ、N-ブチルリチウム(2.5M、8.2mL、20.3mmol)を滴下し、自然に-10度まで昇温し、温度を3時間保持し、完全に反応した。反応液を300mL氷NH4Cl水溶液に注ぎ、酢酸エチルで三回抽出し、有機相を飽和塩水で一回洗い、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムを通過し、黄色固体とするtert-ブチル5-オキソ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピラジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A11-4、2.23g、収率:54.4%)を得た。
LCMS:m/z 304.2 [M+H]+弱い
【0194】
ステップ5:tert-ブチル5-オキソ-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピラジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A11-4、2.23g、7.35mmol)を350mLテトラヒドロフランに溶解し、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(980mg、8.09mmol)とチタン酸テトラエチル(21.8g、95.6mmol)を添加した。窒素ガスの保護で、80度まで加熱し、10時間還流反応した。反応を終了した。室温まで冷却し、400mL氷水に注ぎ、300mL酢酸エチルを添加し、三回抽出し(水相が、大量の白い綿状の固体を含むが、有機相には固体はほとんどない)、有機相をそれぞれに200mL水と200mL飽和塩水で一回洗い、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムを通過し、ライトオレンジの泡状の固体とするtert-ブチル(R、Z)-5-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピラジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A11-5、2.38g、収率:79.6%)を得た。LCMS:m/z 407.1 [M+H]+
【0195】
ステップ6:tert-ブチル(R、Z)-5-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピラジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A11-5、2.38g、5.85mmol)を280mLテトラヒドロフランに溶解し、アルゴンガスの保護で、ドライアイスアセトン浴で-65度まで温度を下げた。徐々に1.5MのDIBAL-H(5.07mL、7.61mmol)を滴下し、続いて、温度を2時間保持し、反応を終了した。反応液を300mL飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで三回抽出し、有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、黄金色の泡沫状固体とするtert-ブチル(S)-5-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピラジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸粗品(A11-6、2.48 g)を得た。LCMS:m/z 309.3 [M+H-100]+
【0196】
ステップ7:tert-ブチル(S)-5-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピラジン-6,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A11-6、2.48g、5.85mmol)を120mLメタノールに溶解し、アルゴンガスの保護で、氷水で約0度まで冷却し、4 M 塩酸のジオキサン溶液(18mL、72mmol)に滴下し、室温で2時間反応し、反応を終了した。乾燥するまで反応液を濃縮し、無水アセトニトリルを添加し、スラリーにし、アルゴンガスの保護で濾過し、濃い緑色固体粉末(水分を吸収し、濃い緑色の油滴になりやすい)とする(S)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピラジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン塩酸塩(A11、1.77g、収率:99%)を得、アルゴンガスで保存した。LCMS:m/z 205.3 [M+H]+
【0197】
中間体A12:(S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-4-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]
【0198】
【0199】
ステップ1:100mLの丸底フラスコに、順番に、2-メチル-3-メトキシブロモベンゼン(2.0g、9.95mmol、1.0eq)、N-ブロモスクシンイミド(1.77g、9.95mmol、1.0eq)、過酸化ジベンゾイル(241mg、0.995mmol、0.1eq)と四塩化炭素 (40mL)を添加し、80℃で16時間攪拌し、反応液を減圧濃縮した後に、残留物を得、残留物を酢酸エチル(200mL)に溶解し、2N NaOH水溶液(50mL*2)で二回洗浄し、飽和塩水(50mL)で一回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。ろ液を減圧濃縮し、粗産物を得、粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、白色固体とする1-ブロモ-2-(ブロモメチル)-3-メトキシベンゼン(A12-1、2.0g、収率:71.8%)を得た。
【0200】
ステップ2:100mLの丸底フラスコに、順番に、テトラヒドロフラン(30mL)とN-Boc-4-シアノピペリジン(1.8g、8.57mmol、1.2eq)を添加し、-78℃まで温度を下げ、そして2.0 M LDA (5mL、10mmol、1.4eq)を添加し、-78℃で一時間攪拌した。その後、1-ブロモ-2-(ブロモメチル)-3-メトキシベンゼン(A12-1、2.0g、7.14mmol、1.0eq)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液を添加し、-78℃で0.5時間攪拌した。その後、低温浴を外し、自然に室温に戻し、1時間攪拌を続けた。TLCで原料を消費しまったことを検出した後に、飽和塩水(30mL)の添加でクエンチし、そして酢酸エチル(100mL*2)で抽出した。合併された有機相を、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。ろ液を減圧濃縮し、粗産物を得、粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、淡黄色オイルとするN-Boc-4-(2-ブロモ-6-メトキシベンジル)-4-シアノピペリジン(A12-2、1.5g、収率:51.3%)を得た。LCMS:m/z 409.1,411.1 [M+H]+。
【0201】
ステップ3:乾燥された100mLの丸底三つ口フラスコに、順番に、N-Boc-4-(2-ブロモ-6-メトキシベンジル)-4-シアノピペリジン(A12-2、1.5g、3.66mmol、1.0eq)、Pd(AmPhos)2Cl2 (259mg、0.37mmol、0.1eq)、ジイソプロピルエチルアミン(2.37g、18.3mmol、5.0eq)、N,N-ジメチルアセトアミド(30mL)、と水(4mL)を添加した。攪拌しながら、窒素ガスで三回置換し、そして140℃まで加熱し、16時間反応した。反応が終了した後、反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、減圧で吸引ろ過し、ケーキを酢酸エチル(20mL)で洗浄し、得られたろ液を飽和塩水(30mL*3)で三回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。ろ液を減圧濃縮し、粗産物を得、粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、白色固体とするN-Boc-4-メトキシ-1-オキソ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン](A12-3、0.90g、収率:74.1%)を得た。
LC-MS:m/z 332.2 [M+H]+。
【0202】
ステップ4:乾燥された100mLシングルネックフラスコに、N-Boc-4-メトキシ-1-オキソ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン](A12-3、900mg、2.72mmol)、チタンテトラエトキシド(3.72g、16.3mmol)、(R)-(+)-Tert-ブチルスルフィンアミド(395mg、3.26mmol)とテトラヒドロフラン(20mL)を順番に添加し、加熱還流で攪拌し、16時間反応した。室温まで冷却した後、反応の残留物に飽和塩水(60mL)を添加し、得られた混合物を15分間攪拌し、珪藻土で濾過した。水性混合物を酢酸エチル(3x80mL)で抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製(0~30%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)で、白色固体とするN-Boc-(R,Z)-1-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-4-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン](A12-4、800mg、収率:67.8%)を得た。
LC-MS:m/z 435.2 [M+H]+。
【0203】
ステップ5:乾燥された50mL三つ口フラスコに、順番に、テトラヒドロフラン (15mL)とN-Boc-(R,Z)-1-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-4-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン] (A12-4、800mg、1.84mmol、1.0eq)を添加した。-78℃で、窒素ガスの保護で、水素化ジイソブチルアルミニウム(5.52mL、トルエンに1.5 M、8.28mmol、4.5eq)を滴下し、続いて半時間攪拌した。そして0℃まで昇温し、続いて半時間攪拌した。反応が終了した後、酒石酸カリウムナトリウム(4 gを20mL水に溶解したもの)でクエンチし、半時間攪拌し、酢酸エチル(30mL*3)で抽出し、得られた有機相を、飽和塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製(0~70%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)し、黄色固体とするtert-ブチル(S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-4-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン] -1’-カルボキシレート(A12-5、720mg, 収率:89.6%)を得た。LCMS:m/z 437.2 [M+H]+。
【0204】
ステップ6:乾燥された50mLシングルネックフラスコに、順番にtert-ブチル(S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-4-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン] -1’-カルボキシレート(A12-5、720mg、1.65mmol)、ジクロロメタン(15mL)、トリフルオロアセテート(5mL)を添加し、得られた混合物を室温で攪拌し、1時間反応した。pHを7になるまで、Na2CO3の飽和水溶液を添加し、ジクロロメタン(3x30mL)で水性混合物を抽出した。合併された有機相を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製(0~70%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)し、黄色固体とする(R)-N-((S)-4-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-メチルプロピル-2-スルフィンアミド(A12、520mg、収率:93.7%)を得た。LCMS:m/z 337.2 [M+H]+。
【0205】
中間体A13:(S)-2-クロロ-4,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[d]チアゾール-5,4’-ピペリジン]-4-アミン
【0206】
【0207】
ステップ1:1-tert-ブチル4-エチルピペリジン-1,4-二ギ酸 (10.7g、41.6mmol、1.2eq)をTHF (50mL)に溶解し、-78℃でLDA(2M、9.8mL、19.6mmol、1.1eq)を滴下し、当該温度で攪拌し、2 h反応し、さらに、THF(10mL)に溶解された2-クロロ-5-(クロロメチル)チアゾール(A13-1、3g、34.7mmol、1.0eq)を反応系に滴下した。添加後、続いてこの温度で1.5時間反応を続けた。TLCで少し未反応を検出した。水の添加でクエンチし、酢酸エチル(100mLx2)で抽出し、有機相を合併した後に、飽和塩化ナトリウム水で洗い、有機相を分離した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、サンプルを混合し、カラムを通じ(PE:EA:DCM=4:1:1)、黄色オイルとする1-tert-ブチル-4-エチル4-(2-クロロチアゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-1,4-ジカルボキシレート(A13-2、2.4g、収率35%)を得た。
【0208】
ステップ2:1-tert-ブチル-4-エチル4-(2-クロロチアゾール-5-イル)メチル)ピペリジン-1,4-ジカルボキシレート(A13-2、4g、10.3mmol)をTHF(100mL)に溶解し、-78℃で、LDA(2M、8.5mL、16.6mmol)を滴下した。1 h反応し、完全に反応した。飽和アミンクロリド(100mL)を添加し、反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出(100mLx3)した。有機相を合併し、飽和塩化ナトリウム水で洗い、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、ろ液をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、黄色オイル(A13-3、tert-ブチル2-クロロ-4-オキソ-4,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタジエン[d]チアゾール-5,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸)(1.9g、収率54%)を得た。LCMS:m/z 343 [M+H]+
【0209】
ステップ3:tert-ブチル2-クロロ-4-オキソ-4,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタジエン[d]チアゾール-5,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A13-3、710mg、2.07mmol)とTi(OEt)4及び(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(276mg、2.28mmol)を反応フラスコに添加し、窒素ガスの保護で、100℃まで加熱し、5 h反応した。反応を終了し、室温まで冷却し、酢酸エチル(50mL)の添加で希釈し、飽和塩水(15mL)を添加し、白色固体を析出した。混合物を濾過し、ケーキを酢酸エチルで洗浄した。ろ液を飽和塩水で洗い、有機相を分離した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、淡黄色固体とするtert-ブチル (E)-4-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-2-クロロ-4,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[d]チアゾール-5,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A13-4、600mg、収率:68%)を得た。LCMS:m/z 426 [M+H]+
【0210】
ステップ4:tert-ブチル (E)-4-((tert-ブチルスルフィニル)イミノ)-2-クロロ-4,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[d]チアゾール-5,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A13-4、200mg、0.47mmol)をTHF(10mL)に溶解し、窒素ガスの保護で、-78度まで冷却した。反応液に徐々に1.5M のDIBAL-H(0.5mL、0.75mmol)を滴下し、滴下が終了した後に、-78度で1時間反応し、反応を終了した。水の添加で反応をクエンチし、飽和酒石酸カリウムナトリウム溶液(20mL)を添加し、酢酸エチルで抽出(50mLx2)し、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で一回洗浄し、有機相を分離した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、淡黄色固体とするtert-ブチル (S)-4-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-2-クロロ-4,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[d]チアゾール-5,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸A13-5(155mg、収率:76%)を得た。LCMS:m/z 448 [M+H]+
【0211】
ステップ5:tert-ブチル (S)-4-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-2-クロロ-4,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[d]チアゾール-5,4’-ピペリジン]-1’-ギ酸(A13-5、155mg、0.35mmol)を4 M塩酸のジオキサン溶液(5mL、20mmol)に溶解し、室温で3時間反応し、反応を終了した。反応液を濃縮し、淡黄色オイルとする(S)-2-クロロ-4,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[d]チアゾール-5,4’-ピペリジン]-4-アミン(A13、145mg、塩酸塩)を得た。LCMS:m/z 244 [M+H]+
【0212】
中間体B2の合成: 5-クロロ-8-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン
【0213】
【0214】
ステップ1:乾燥された100mLフラスコに、2,4-ジクロロ-5-ヨードピリミジン(1.1g、4mmol)と20mL無水エタノールを添加した。0℃で、窒素ガスで、その中に徐々に80%ヒドラジン水和物(601mg、12mmol)の混合物を添加し、続いて攪拌し、1時間反応した。反応が終了した後、混合物を濾過し、無水エタノールで洗浄し、2-クロロ-4-ヒドラジン-5-ヨードピリミジン(B2-1、850mg、収率78.7%)を得た。
【0215】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.29 (s, 1H), 6.67 (s, 1H), 4.08 (s, 2H);
LCMS:m/z 271.1 [M+H]+。
【0216】
ステップ2:乾燥された100mLフラスコに、順番に2-クロロ-4-ヒドラジン-5-ヨードピリミジン(810mg、3mmol)とオルトギ酸トリメチル(10mL)を添加した。窒素ガスで、混合物を85℃まで加熱し、攪拌し、5時間反応した。反応が終了した後、得られた残留物を、飽和NaCl溶液(50mL)に注ぎ、酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、飽和塩水で洗浄し、有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムより乾燥し、濾過し、減圧濃縮で得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し(0~50%勾配の酢酸エチル/石油エーテル)、淡黄色固体とする5-クロロ-8-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン(B2、420mg、収率:50%)を得た。
LCMS:m/z 280.9 [M+H]+。
【0217】
中間体B3の合成: 5-クロロ-8-ヨードイミダゾ[1,2-c]ピリミジン
【0218】
【0219】
ステップ1:乾燥された100mLフラスコに、順番に、2,4-ジクロロ-5-ヨードピリミジン(1.37g、5mmol)と2,2-ジメトキシエチルアミン(8.4g、10mmol)と無水エタノール(50mL)を添加した。そして、0℃で、窒素ガスで、反応混合物に、徐々にトリエチルアミン(1.01g、10mmol)を滴下した後に、混合物を室温で攪拌し、10時間反応した。反応が終了した後、減圧濃縮し、得られた濃縮物に15mLの水を添加し、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出し、飽和塩水で洗浄し、有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムより乾燥し、濾過し、濃縮し、白色固体とする2-クロロ-N-(2,2-ジメトキシエチル)-5-ヨードピリミジン-4-アミン(B3-1、1.46g、収率: 85%)を得た。
LC-MS:m/z 344.2 [M+H]+。
【0220】
ステップ2:乾燥された100mLフラスコに、順番に、2-クロロ-N-(2,2-ジメトキシエチル)-5-ヨードピリミジン-4-アミン(B3-1、1.03g、3mmol)と10mL濃硫酸を添加した。窒素ガスで、混合物を65℃まで加熱し、攪拌し、2時間反応した。反応が終了した後、反応液を室温まで冷却し、混合物を徐々に氷水に注ぎ、そして4M のNaOH溶液でpHを約6-7に調整し、濾過し、灰白色固体とする8-ヨードイミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-オール(B3-2、407mg、収率52%)を得た。
【0221】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.81 (s, 1H), 7.93 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.40 (d, J = 1.4 Hz, 1H);
LC-MS:m/z 262.2 [M+H]+。
【0222】
ステップ3:乾燥された50mLシングルネックフラスコに、順番に8-ヨードイミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-オール(B3-2、522mg、2mmol)とオキシ塩化リン(8mL)を添加し、窒素ガスの保護で、徐々にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1mL)を滴下し、そして混合物を120℃まで加熱し、5時間攪拌した。反応が終了した後、反応液を室温まで冷却し、減圧濃縮し、そして、飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、酢酸エチル(3×40mL)で抽出し、無水硫酸ナトリウムより乾燥し、濾過し、濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し(0~30%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)、淡黄色固体とする5-クロロ-8-ヨードイミダゾ[1,2-c]ピリミジン(B3、360mg、収率:55%)を得た。
【0223】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.24 (s, 1H), 8.20 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 1.4 Hz, 1H);
LC-MS:m/z 280.1 [M+H]+。
【0224】
中間体C1の合成:2-アミノ-3クロロピリジン-4硫化ナトリウム
【0225】
【0226】
ステップ1:乾燥された100mLの丸底三つ口フラスコに、順番に、3-クロロ-4-ヨードピリジン-2-アミン (2.5g、9.82mmol、1.0eq)、XantPhos (341mg、0.59mmol、0.06eq)、酢酸パラジウム (110mg、0.49mmol、0.05eq)、DIPEA (3.25mL、19.6mmol、2.0 q)、3-プロピオン酸メルカプトメチル (1.19mL、10.8mmol、1.1eq)と1,4-ジオキサン (32.5mL)を得た。攪拌しながら、窒素ガスで三回置換し、そして100℃まで加熱し、3時間反応した。反応が終了した後、反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル (50mL)で希釈し、減圧で吸引ろ過し、ケーキを酢酸エチル (25mL)で洗浄し、得られたろ液を真空濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し(0~30%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)、黄色固体とする3-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)プロピオン酸メチル(C1-1、2.0g、収率:78%)を得た。
【0227】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.89 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 6.53 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 4.87 (s, 2H), 3.74 (s, 3H), 3.24 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.75 (t, J = 7.5 Hz, 2H)。
【0228】
ステップ2:乾燥された100mLの丸底三つ口フラスコに、化合物C1-1 (2g、8.11mmol、1.0eq)をテトラヒドロフラン(28mL)に溶解し、窒素ガスの保護で、室温で反応液にナトリウムエトキシド(2.9g、8.51mmol、1.05 eq、20% wt)を滴下し、そして一時間攪拌した。反応が終了した後、ジクロロメタン (60mL)で希釈し、5分間の超音波を行い、減圧で吸引ろ過し、ケーキを真空乾燥し、黄色固体とする2-アミノ-3クロロピリジン-4硫化ナトリウム(C1、1.4g、収率:89%)を得た。
【0229】
中間体C2の合成:2、3-二クロロピリジン-4-硫化ナトリウム
【0230】
【0231】
ステップ1:2,3-ジクロロ-4-ヨードピリジン(1.0g、3.65mmol、1.0eq)、3-プロピオン酸メルカプトメチル(480mg、4.02mmol、1.1eq)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(950mg、7.3mmol)を1、4-ジオキサン(15mL)に溶解し、アルゴンガスを三回置換し、アルゴンガスの保護で、酢酸パラジウム(82mg、0.37mmol、0.1eq)とXantPhos(211mg、0.37mmol、0.1eq)を添加した後に、100度まで昇温し、3時間反応し、反応を終了した。酢酸エチルで抽出(100mL)し、珪藻土で濾過し、濃縮し、高速液体クロマトグラフィーで白色に近い固体3-((2,3-ジクロロピリジン-4-イル)チオ)プロピオン酸メチル(C2-1、550mg、収率:56.5%)を調製した。LCMS:m/z 266.0 [M+H]+
【0232】
ステップ2:3-((2,3-二クロロピリジン-4-イル)チオ)プロピオン酸メチル(C2-1、100mg、0.37mmol、1.0eq)をテトラヒドロフラン(10mL)とエタノール(0.5mL)に溶解した。窒素ガスの保護で、ナトリウムエトキシド(27mg、0.39mmol、1.05eq)を添加し、室温で3時間反応し、反応の未完成の段階で、ナトリウムエトキシド(27mg、0.39mmol、1.05eq)を追加し、室温で3時間反応し、反応を終了した。精製水を加え、冷凍乾燥し、粗品とする淡黄色固体2、3-ジクロロピリジン-4-硫化ナトリウム(C2、150mg、収率:100%)を得た。LCMS:m/z 180.0 [M+H]+
【0233】
中間体C3の合成:2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-硫化ナトリウム
【0234】
【0235】
ステップ1:3-ブロモ-2-トリフルオロメチルピリジン(400mg、1.77mmol、1.0eq)、3-プロピオン酸メルカプトメチル(235mg、1.95mmol、1.1eq)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(460mg、3.54mmol、2.0eq)を1、4-ジオキサン(15mL)に溶解し、アルゴンガスを三回置換し、アルゴンガスの保護で、Pd2(dba)3(160mg、0.18mmol、0.1eq)とXantPhos(205mg、0.36mmol、0.2eq)を添加した後に、110度まで昇温し、1時間反応、反応を終了した。酢酸エチルで抽出(100mL)し、珪藻土で濾過し、濃縮し、カラムを通し(PE:EA=8/1~6/1)、淡黄色オイルとする3-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)チオ)プロピオン酸メチル(C3-1、450mg、収率:95.7%)を得た。LCMS:m/z 266.1 [M+H]+
【0236】
ステップ2:3-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)チオ)プロピオン酸メチル(C3-1、300mg、1.13mmol、1.0eq)をテトラヒドロフラン(10mL)とエタノール(0.5mL)に溶解した。窒素ガスの保護で、ナトリウムエトキシド(84mg、1.23mmol、1.1eq)を添加し、室温で3時間反応し、反応の未完成の段階で、ナトリウムエトキシド(83mg、1.23mmol、1.1eq)を追加し、室温で3時間反応し、反応を終了した。室温で、減圧よりテトラヒドロフランを除去した後に、精製水を添加し、冷凍乾燥し、粗品とする淡黄色固体2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-硫化ナトリウム (C3、500mg、収率:100%を超え)を得た。LCMS:m/z 179.9 [M+H]+
【0237】
中間体C4の合成:2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-硫化ナトリウム
【0238】
【0239】
ステップ1:4-ブロモ-2-トリフルオロメチルピリジン(1.0g、4.4mmol、1.0eq)、3-プロピオン酸メルカプトメチル(760mg、6.3mmol、1.4eq)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.17g、16.8mmol、3.8eq)を1、4-ジオキサン(25mL)に溶解し、アルゴンガスを三回置換し、アルゴンガスの保護で、Pd2(dba)3(200mg、0.22mmol、0.05eq)とXantPhos(124mg、0.22mmol、0.05eq)を添加した後に、110度まで昇温し、1時間反応、反応を終了した。酢酸エチルで抽出(100mL)し、珪藻土で濾過し、濃縮し、カラムを通し(PE:EA=5/1)、淡黄色オイルとする3-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)チオ)プロピオン酸メチル(C4-1、1.08g、収率:97%)を得た。LCMS:m/z 266.2 [M+H]+
【0240】
ステップ2:3-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)チオ)プロピオン酸メチル(C4-1、230mg、0.85mmol、1.0eq)をテトラヒドロフラン(10mL)とエタノール(0.5mL)に溶解した。窒素ガスの保護で、ナトリウムエトキシド(294mg、0.87mmol、1.02eq)を添加し、室温で1時間反応し、反応を終了した。室温で、減圧よりテトラヒドロフランを除去した後に、精製水を添加し、冷凍乾燥し、粗品とする淡黄色固体2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-硫化ナトリウム (C4、150mg)、LCMS:m/z 180.0 [M+H]+。
【0241】
中間体C5の合成:2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-硫化ナトリウム
【0242】
【0243】
ステップ1:2-フルオロ-4-ヨードピリジン (2.0g、8.97mmol)をTHF (30mL) に溶解した。真空で窒素ガスを三回置換した後に、-65℃まで温度を下げ、LDA(2.0 M in THF、5.4mL、10.80mmol)を滴下し、反応液を徐々に褐色になった。滴下を完成した後に、温度を1.5 時間保持した。1,3,2-ジオキサゾールチオフェン-2,2-ジオキシド(1.45g、11.7mmol)のTHF (30mL)溶液を滴下した。滴下を完成した後に、自然に室温まで昇温し、一晩攪拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル = 1 / 1)で反応の原料が消えることを確認した。再び、0度まで温度を下げ、濃塩酸(4.48mL、40.2mmol)を滴下した。滴下を完成した後に、室温まで昇温し、3時間攪拌した。反応液を飽和NaHCO3水溶液(50mL)に注ぎ、酢酸エチルで抽出(3 × 30mL)し、飽和塩水で順番に洗い(50mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、乾燥まで濃縮した後に、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで、2-(2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-イル)エタン-1-オール (C5-1、2.07g、収率:86.2 %)を得た。
【0244】
ステップ2:2-(2-フルオロ-4-ヨードピリジン-3-イル)エタン-1-オール(C5-1、2.07g、8.97mmol)のジオキサン (60mL)溶液に、炭酸カリウム(4.28g、30.9mmol)を添加した。窒素ガスの保護で、115℃で反応を48時間攪拌し、LCMSとTLC(石油エーテル/酢酸エチル = 1 / 1)が、その中に基本的に原料であり、少量の産物であることを示した。炭酸セシウム(7.56g、23.2mmol)を添加し、続いて115℃で6時間反応し、LCMSとTLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)が、原材料が基本的に完全に反応したことを示した。反応液を室温まで温度を下げ、酢酸エチルで希釈し、珪藻土で濾過し、酢酸エチルですすいだ。ろ液を飽和塩水で洗い(2×50mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、乾燥まで濃縮した後に、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで、酢酸エチル/石油エーテル/ジクロロメタン=0/5/2~1/5/2であり、白色固体とする4-ヨード-2,3-ジヒドロフロ[2,3-b]ピリジン(C5-2、1.21g、収率:63.2%)を得た。LCMS: m/z 248.2 [M+H]+
【0245】
ステップ3:4-ヨード-2,3-ジヒドロフロ[2,3-b]ピリジン(C5-2、600mg、2.43mmol)のジオキサン(10mL)溶液に、3-プロピオン酸メルカプトメチル(437mg、3.64mmol)、DIPEA (1.26g、9.71mmol)、XantPhos (70mg、0.12mmol)とPd(OAc)2 (30mg、0.13mmol)を添加した。窒素ガスの保護で、100℃まで昇温し、3時間反応し、TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)とLCMSが、完全に反応したことを示した。反応液に酢酸エチルで希釈し、濾過し、ろ液を乾燥まで濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、3-((2,3-ジヒドロフロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)チオ)プロピオン酸メチル(C5-3、565mg、収率:97.2%)を得た。LCMS: m/z 240.3 [M+H]+
【0246】
ステップ4:0℃で、3-((2,3-ジヒドロフロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)チオ)プロピオン酸メチル(C5-3、145mg、0.61mmol)のTHF (5mL)溶液に、ナトリウムエトキシドのエタノール溶液 (20%(w/w)、185mg、0.54mmol)を添加した。室温で2時間反応し、TLC(酢酸エチル/石油エーテル = 1/1)とLCMSが、完全に反応したことを示した。反応液を、処理しなく、次のステップで直接使用した。
【0247】
中間体C6の合成:2-メチルアミノ-3―クロロピリジン-4硫化ナトリウム
【0248】
【0249】
ステップ1:2,3-ジクロロ-4-ヨードピリジン(1.0 g、3.65mmol)とメチルアミン/エタノール溶液(27%、25mL)を、ポットに100℃で12 h反応した。TLCで完全に反応したことをモニターした(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)。反応液を減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し(0~5%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)、3-クロロ-4-ヨード-N-メチルピリジン-2-アミン(C6-1、400mg、収率:41%)を得た。LCMS: m/z 268.9 [M+H]+
【0250】
ステップ2:3-クロロ-4-ヨード-N-メチルピリジン-2-アミン(C6-1、400mg、1.49mmol)の無水1,4-ジオキサン(20mL)溶液に、Xantphos(72mg、0.15mmol)、Pd(OAc)2(34mg、0.15mmol)、DIPEA(770mg、5.96mmol)と3-プロピオン酸メルカプトメチル(270mg、2.23mmol)を添加した。100℃で5 h反応した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5/1)で反応を終了したことを検出し、反応が室温まで下げた後に、水(50mL)と酢酸エチル(30mL)を添加し、液を分離し、水相を酢酸エチルで再び抽出(2×40mL)し、有機相を合併し、飽和塩水で洗い(3×50mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)、3-((3-クロロ-2-(メチルアミノ)ピリジン-4-イル)チオ)プロピオン酸メチル(C6-2、250mg、収率:65%)を得た。LCMS: m/z 261.0 [M+H]+
【0251】
ステップ3:3-((3-クロロ-2-(メチルアミノ)ピリジン-4-イル)チオ)プロピオン酸メチル(C6-2、114mg、0.44mmol)をジオキサン(6mL)に溶解し、アルゴンガスの保護で、EtONa(20%(w/w)、150mg、0.44mmol)のエタノール溶液を滴下し、室温で攪拌して約2.5 h反応した。LCMSで完全に反応したことをモニターした。反応液を、次のステップで直接使用した(収率:100%計)。LCMS: m/z 174.8 [M+H-23]+
【0252】
中間体C7の合成:1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-メルカプタンナトリウム
【0253】
【0254】
ステップ1:2-フルオロ-3-アルデヒド-4-ヨードピリジン(1900mg、7.57mmol)のイソプロパノール(30mL)溶液に、ヒドラジン水和物(3032mg、60.56mmol)を添加し、60℃で3h攪拌した。反応液を減圧濃縮し、一部の溶剤を除去した後に、水に注ぎ、濾過し、ケーキを水で洗い、淡黄色固体とする4-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(C7-1、1.8g、収率:97%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.19 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.68 (d, J = 4.8 Hz, 1H).
【0255】
ステップ2:4-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(C7-1、400mg、1.63mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に、順番に、p-トルエンスルホン酸(28mg、0.16mmol)とDHP(206mg、2.45mmol)を添加した。60℃で16h攪拌した。反応液を酢酸エチル(40mL)で希釈し、飽和塩水で洗い(2×40mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(0~50%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)で精製し、淡黄色固体とする4-ヨード-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-B]ピリジン(C7-2、390mg、収率:73%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.17 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.58 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.10 (dd, J = 10.4, 2.4 Hz, 1H), 4.14-4.10 (m, 1H), 3.82 (td, J = 11.6, 2.8 Hz, 1H), 2.69 2.59 (m, 1H), 2.17-2.13 (m, 1H), 2.00-1.96 (m, 1H), 1.83-1.74 (m, 2H), 1.64-1.62 (m, 1H).
【0256】
ステップ3:4-ヨード-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-B]ピリジン(C7-2、390mg、1.18mmol)、3-プロピオン酸メルカプトメチル(157mg、1.30mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(306mg、2.37mmol)を1、4-ジオキサン(10mL)に溶解し、アルゴンガスを三回置換し、アルゴンガスの保護で、Pd(OAc)2(27mg、0.12mmol)とXantphos(137mg、0.24mmol)添加した後に、110℃まで昇温し、2h反応し、反応を終了した。酢酸エチルの添加で抽出(30mL)し、飽和塩水で洗った(2×30mL)。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(0~50%勾配の酢酸エチル:石油エーテル)で精製し、黄褐色オイルとする3-((1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)チオ)プロピオン酸メチル(C7-3、280mg、収率:74%)を得た。LCMS: m/z 322.3 [M+H]+
【0257】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.40 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.08 (s, 1H), 6.95 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.10 (dd, J = 10.8, 2.4 Hz, 1H), 4.14 ~ 4.10 (m, 1H), 3.83 (td, J = 11.2 Hz, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.40 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.79 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.68-2.58 (m, 1H), 2.16-2.13 (m, 1H), 2.00-1.55 (m, 2H), 1.63-1.60 (m, 1H).
【0258】
ステップ4:コンデンサー付け三つ口フラスコに、3-((1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)チオ)プロピオン酸メチル(C7-3、280mg、0.87mmol)を1,4-ジオキサン (7mL)に溶解した。窒素ガスで保護し、0度まで温度を下げ、ナトリウムエトキシドのエタノール溶液(20%(w/w)、266mg、0.78mmol)を添加した。室温で2h攪拌し、TLC(ジクロロメタン/メタノール= 20/1)が、完全に反応したことを示し、得られた1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-メルカプタンナトリウム(C7)を含む反応液を、直接に、次のステップに使用した。
【0259】
実施例一:化合物1の合成
(S)-1’-(8-((2,3-ジヒドロフラン[2,3-b]ピリジン-4-イル)チオ)イミダゾール[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロシクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン
【0260】
【0261】
ステップ1:窒素ガスの保護で、乾燥された25mLシングルネックフラスコに、順番に、5-クロロ-8-ヨードイミダゾ[1,2-c]ピリミジン(B3、80mg、0.285mmol)、((R)-N-((S)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(A4、105mg、0.342mmol)、DIEA(55mg、0.428mmol)とCH3CN(5mL)を添加し、そして95℃で反応を3時間攪拌した。反応が終了した後、得られた反応液を濾過し、減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し(0~10%勾配のメタノール/酢酸エチル)、(1-1、101mg、収率:65%)を得た。LCMS:m/z 551.1 [M+H]+。
【0262】
ステップ2:2,3-ジヒドロフラン[2,3-b]ピリジン-4-チオギ酸ナトリウム(107mg、0.61mmol)をジオキサン(15mL)に添加することで希釈し、さらに(S)-N-((S)-1’-(8-ヨードイミダゾール[1,2-C]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタン[B]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(1-1、200mg、0.36mmol)、DIPEA (141mg、1.09mmol)、XantPhos (63mg、0.11mmol)とPd2(dba)3 (50mg、0.06mmol)を添加した。窒素ガスの保護で、100℃まで昇温し、反応を3時間攪拌し、TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)とLCMSが、完全に反応したことを示した。反応液に酢酸エチルを添加することで希釈し、濾過し、フィルター残渣を酢酸エチルですすいで、ろ液を乾燥まで濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで(S)-N-((S)-1’-(8-((2,3-ジヒドロフラン[2,3-b]ピリジン-4-イル)チオ)イミダゾール[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロシクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルホンアミド(1-2、217mg、収率:98.9%)を得た。LCMS: m/z 576.6 [M+H]+
【0263】
ステップ3:窒素ガスの保護で、0℃で、(S)-N-((S)-1’-(8-((2,3-ジヒドロフラン[2,3-b]ピリジン-4-イル)チオ)イミダゾール[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロシクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルホンアミド(50mg、0.29mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液に、徐々にHCl/ジオキサン(4 M、0.2mL、0.80mmol)を添加し、室温で反応を2時間攪拌し、TLC(ジクロロメタン/メタノール=8/1)とLCMSが完全に反応したことを示した。反応液を0℃まで温度を下げ、徐々にアンモニアメタノール溶液の添加でpHを約10に調整した後に、減圧濃縮し、prep-HPLCで精製し、(S)-1’-(8-((2,3-ジヒドロフラン[2,3-b]ピリジン-4-イル)チオ)イミダゾール[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロシクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミンのギ酸塩(化合物1、8.86mg、収率:20.0%)を得た。LCMS: m/z 472.5 [M+H]+
【0264】
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 8.47 (d, J = 4.0 Hz, 2 H), 8.09 (s, 1H), 7.92 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 7.85 (d, J = 1.6 Hz, 1 H), 7.59 (d, J = 1.6 Hz, 1 H), 7.55 (d, J = 6.0 Hz, 1 H), 7.37 ~ 7.34 (m, 1 H), 6.21 (d, J = 5.6 Hz, 1 H), 4.72 ~ 4.67 (m, 2 H), 4.38 (s, 1 H), 4.06 ~ 4.03 (m, 2 H), 3.48 ~ 3.42 (m, 2 H), 3.28 (s, 2 H), 3.14 (d, J = 16.8 Hz, 2 H) , 2.11 ~ 2.078 (m, 2 H), 1.76 ~ 1.70 (m, 2 H).
【0265】
実施例二:化合物2の合成
(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾール[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-1、3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-アミン
【0266】
【0267】
ステップ1:窒素ガスの保護で、乾燥された25mLシングルネックフラスコに、順番に、5-クロロ-8-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン(B2、80mg、0.285mmol)、((R)-N-((S)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(A1、105mg、0.342mmol)、DIEA(55mg、0.428mmol)とCH3CN(5mL)を添加し、そして95℃で攪拌して3時間反応した。反応が終了した後、得られた残留物を濾過し、減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し(0~10%勾配のメタノール/酢酸エチル)、黄色固体とする(R)-N-((S)-1’-(8-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2-,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(2-1、101mg、収率:65%)を得た。LCMS:m/z 551.1 [M+H]+。
【0268】
ステップ2:窒素ガスの保護で、5mLのマイクロ波反応フラスコに、順番に、(R)-N-((S)-1’-(8-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2-,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(2-1、100mg、0.18mmol)、2-アミノ-3-クロロピリジン-4-メルカプタンナトリウム(49mg、0.27mmol)、Pd2(dba)3(16mg、0.018mmol) 、Xantphos(21mg、0.036mmol)、DIPEA(58mg、0.45mmol)と1,4-ジオキサン溶液(10mL)を添加し、窒素ガスの保護で、当該混合物を100℃までマイクロ波加熱し、攪拌して3時間反応した。反応が終了した後、室温まで冷却し、濾過し、減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し(0~10%勾配のメタノール/酢酸エチル)、(R)-N-((R)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(2-2、65mg、収率:63%)を得た。LC-MS:m/z 584.2 [M+H]+。
【0269】
ステップ3:窒素ガスの保護で、50mLのシングルネックフラスコに、順番に、(R)-N-((R)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(2-2、60mg, 0.10mmol)とメタノール(0.6mL)を添加し、室温で塩酸1、4-ジオキサン溶液(0.06mL,4M)を滴下し、当該混合物を、室温で攪拌しながら1時間反応した。反応が終了した後、室温まで冷却し、濾過し、減圧濃縮し、得られた残留物を、高速液体クロマトグラフィーで精製し、(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-1-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-アミン(化合物2、20mg、収率:42%)を得た。
【0270】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.38 (s, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.58 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.22 (dt, J = 8.0, 4.0 Hz, 3H), 6.33 (s, 2H), 5.96 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.22 - 4.07 (m, 2H), 4.00 (s, 1H), 3.49 (dd, J = 22.5, 11.2 Hz, 2H), 3.12 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 2.75 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 2.03 - 1.86 (m, 2H), 1.63 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 1.39 - 1.29 (m, 1H);
LC-MS:m/z 479.1 [M+H]+。
【0271】
実施例三:化合物3の合成。
(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾール[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-5、7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン
【0272】
【0273】
化合物2の合成方法を参照し、中間体A1の代わりに中間体A2を使用し、3段階の反応で化合物3を得た。
【0274】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)) δ 9.40 (s, 1H), 8.35 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.71 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 7.4, 5.0 Hz, 1H), 6.36 (s, 2H), 5.96 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 4.23 - 4.08 (m, 2H), 4.02 (s, 1H), 3.51 (dd, J = 23.3, 11.6 Hz, 2H), 3.16 (d, J = 16.3 Hz, 1H), 2.84 (d, J = 16.3 Hz, 1H), 2.04 - 1.91 (m, 2H), 1.65 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 1.32 (d, J = 14.8 Hz, 1H);
LC-MS:m/z 480.1 [M+H]+。
【0275】
実施例四:化合物4の合成。
(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)イミダゾール[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-1、3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-アミン
【0276】
【0277】
化合物2の合成方法を参照し、中間体B2の代わりに中間体B3を使用し、3段階の反応で化合物4を得た。(ギ酸塩、白い固体)。
【0278】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ8.03 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.64 - 7.49 (m, 2H), 7.43 (s, 1H), 7.30-7.17 (m, 3H), 6.33 (s, 2H), 5.79 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.12 (s, 1H), 3.95 (d, J = 12.8 Hz, 2H), 3.33 (dd, J = 20.0, 10.8 Hz, 2H), 3.14 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 2.82 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 1.98 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 1.61 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 1.42 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 1.23 (s, 2H);
LC-MS:m/z 478.1 [M+H]+。
【0279】
実施例五:化合物5の合成。
(S)-1’-(8-(((3-クロロ-2-(メチルアミノ)ピリジン-4-イル)チオ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン] -5-アミン
【0280】
【0281】
ステップ1:2-メチルアミノ-3―クロロピリジン-4硫化ナトリウム(C6、86mg)を10mLジオキサン溶液に溶解し、(R)-N-((S)-1’-(8-ヨードイミダゾール[1,2-C]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(161mg、0.29mmol)、Pd2(dba)3(86mg、0.094mmol)、Xantphos(108mg、0.19mmol)とDIPEA(400mg、3.12mmol)を添加した。アルゴンガスの保護で、100℃で5 h反応した。LCMSで完全に反応したことをモニターした。室温まで温度を下げした後に、ジクロロメタン(30mL)を添加し、濾過し、母液に水(40mL)を添加し、液を分離した。水相をジクロロメタンで抽出(2×30mL)し、有機相を合併し、飽和塩水で洗い(3×40mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し(ジクロロメタン:メタノール=15:1)、淡黄色固体とする(R)-N-((S)-1’-(8-((3-クロロ-2-(メチルアミノ)ピリジン-4-イル)チオ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7 -ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン] -5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(5-1、135mg、収率:73 %)を得た。LCMS: m/z 596.9 [M+H]+。
【0282】
ステップ2:(R)-N-((S)-1’-(8-((3-クロロ-2-(メチルアミノ)ピリジン-4-イル)チオ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7 -ジヒドロスピロ[シクロペント[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン] -5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(135mg、0.23mmol)をメタノール(20mL)に溶解し、アルゴンガスで保護で、徐々にHCl/ジオキサン(4 M、1.2mL)を滴下し、室温で約40分間反応し、LCMSで完全に反応したことをモニターした。反応液を氷の飽和重炭酸ナトリウム溶液に注ぎ、溶液を混合し、冷凍乾燥し、ジクロロメタン/メタノール(10:1、20mL)を添加し、濾過し、ろ液を乾燥まで濃縮した後に、prep-HPLCで調製し、精製し、白色固体を得た(化合物5、33mg、収率:30 %)。LCMS: m/z 493.0 [M+H]+
【0283】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.33 (d, J = 4.4 Hz, 1 H), 8.03 (s, 1 H), 7.84 (d, J = 1.2 Hz, 1 H), 7.69 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 7.65 (d, J = 5.2 Hz, 1 H), 7.57 (d, J = 1.2 Hz, 1 H), 7.20 (dd, J = 7.2, 5.2 Hz, 1 H), 6.60 (q, J = 4.4 Hz, 1 H), 5.81 (d, J = 5.2 Hz, 1 H), 3.98 -3.89 (m, 3 H), 3.38-3.22 (m, 2 H), 3.15-3.11 (d, J = 16.0 Hz, 1 H), 2.85 (d, J = 4.8 Hz, 3 H), 2.81 (d, J = 16.4 Hz, 1 H), 2.50-2.39 (m, 1H), 2.05-1.90 (m, 3 H), 1.67 (d, J = 13.2 Hz, 1 H), 1.28 ~ 1.25 (d, J = 13.2 Hz, 1 H).
【0284】
実施例六:化合物6の合成。
(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン
【0285】
【0286】
ステップ1:3mL アセトニトリルを含む25mLシングルネックフラスコに、順番にB3(1.37g、4.9mmol)、A4(1.35g、4.9mmol)、DIPEA(4.86mL、29.41mmol)を添加し、そして80℃で攪拌して2時間反応した。反応を終了した後に、室温まで冷却し、そしてBoc2O(1.6g、7.35mmol、1.5eq)を添加し、50℃まで昇温し、完全に反応したまで反応を行い、反応液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し(0~100%勾配の酢酸エチル/石油エーテル)、黄色固体とする6-1(1.7g、収率:63.4%)を得た。LC-MS:m/z = 547.0 [M +H+]
【0287】
ステップ2:窒素ガスの保護で、5mLのマイクロ波反応フラスコに、順番に、6-1(1.7g、3.11mmol)、2-アミノ-3-クロロピリジン-4-メルカプタンナトリウム(596mg、3.27mmol)、Pd2(dba)3(285mg、0.311mmol)、Xantphos(360mg、0.622mmol)、DIPEA(804mg、6.22mmol)と1,4-ジオキサン溶液(30mL)を添加し、窒素ガスの保護で、当該混合物を100℃までマイクロ波加熱し、攪拌して3時間反応した。反応が終了した後、室温まで冷却し、濾過し、減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し(0~10%勾配の酢酸エチル/メタノール)、(S)-tert-ブチル(1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)イミダゾール[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-カーボネート(6-2、1.2g、66.7%)を得た。
【0288】
ステップ3:窒素ガスの保護で、0℃で、(S)-tert-ブチル(1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)イミダゾール[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-カーボネート(6-2、1.2g、2.07mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液に、徐々にTFA (5mL)を添加し、室温で攪拌して1時間反応した、TLCとLCMSが完全に反応したことを示した。反応液を減圧濃縮し、さらにジクロロメタン/メタノールの混合溶液の添加で溶解し、NaHCO3でpHを中性に調整した。シリカカラムを通じ、(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン(化合物6、400mg、収率:40.0%)を得た。
【0289】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.35 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.83 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 10.4, 3.4 Hz, 2H), 7.20 (dd, J = 7.6, 5.2 Hz, 1H), 6.33 (s, 2H), 5.80 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 4.02 (s, 1H), 3.95 (dd, J = 11.6, 7.6 Hz, 2H), 3.31 (d, J = 13.6 Hz, 2H), 3.15 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 2.83 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 2.00 (tt, J = 12.4, 6.4 Hz, 2H), 1.64 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 1.48 (dd, J = 13.6, 6.4 Hz, 1H), 1.34-1.29 (m, 2H);
LCMS:m/z 479.0 [M+H]+。
【0290】
実施例七:化合物7の合成。
(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-5-、7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-7-アミン
【0291】
【0292】
化合物6の合成方法を参照し、中間体B3の代わりに中間体B2を使用し、中間体A4の代わりに中間体A5を使用し、3段階の反応で化合物7を得た。
【0293】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.51 (s, 2H), 8.38 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.57 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 6.36 (s, 2H), 5.88 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.92 (t, J = 13.6 Hz, 2H), 4.03 (s, 1H), 3.61 (dd, J = 26.8, 12.0 Hz, 2H), 3.16 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 2.78 (s, 1H), 1.92 (td, J = 11.2, 4.0 Hz, 2H), 1.63 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 1.33-1.24 (m, 1H).
LCMS:m/z 480.1 [M+H]+。
【0294】
実施例八:化合物8の合成。
(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-7-アミン
【0295】
【0296】
化合物6の合成方法を参照し、中間体A4の代わりに中間体A5を使用し、3段階の反応で化合物8を得た。
【0297】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.53 (s, 1H), 8.39 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.84 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 6.34 (s, 2H), 5.80 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.07 (s, 1H), 3.93 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 3.37 (dd, J = 19.6, 8.0 Hz, 2H), 3.13 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 2.76 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 1.98 (d, J = 11.6 Hz, 2H), 1.62 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 1.30 (s, 1H).
LCMS:m/z 479.1 [M+H]+。
【0298】
実施例九:化合物9の合成
(S)-1’-(8-(2,3-ジクロロピリジン-4-イル)チオ-[1,2,4]-トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-7-アミン
【0299】
【0300】
ステップ1:(S)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-7-アミン塩酸塩(A6、200mg、1.28mmol)をアセトニトリル(20mL)に溶解し、DIPEA(1.6mL、9.68mmol)と5-クロロ-8-ヨード-[1,2,4]-トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン(B2、180mg、0.64mmol)を添加し、窒素ガスの保護で、90℃まで加熱し、反応を3時間還流し、反応を終了した。室温まで冷却し、反応液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ、ジクロロメタンで二回抽出(80mL)した。有機相を合併した後に、飽和塩水で洗い、有機相を分離した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し(DCM:MeOH=20/1)、淡黄色固体化合物とする(S)-1’-(8-ヨード[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-7-アミン(9-1,260mg、収率90%)を得た。LCMS:m/z 448.2 [M+H]+
【0301】
ステップ2:(S)-1’-(8-ヨード[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-7-アミン(9-1、55mg、0.12mmol)を1,4-ジオキサン(3mL)に溶解し、DIPEA(35mg、0.27mmol)と2、3-ジクロロピリジン-4-メルカプタンナトリウム(C2、100mg、粗品)を得た。窒素ガスの保護で、XantPhos (30mg, 0.05mmol)、Pd2(dba)3(17mg, 0.02mmol)を添加した。窒素ガスを三回置換した後に、100℃で3時間反応し、反応を終了した。反応液を濃縮した後に、高速液体クロマトグラフィーで精製し、淡黄色固体化合物とする(S)-1’-(8-(2,3-ジクロロピリジン-4-イル)チオ-[1,2,4]-トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-7-アミン(化合物9、27mg、TFA塩、収率:40%)を得た。LCMS:m/z 499.1 [M+H]+
【0302】
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 9.35 (s, 1H), 8.56 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.95 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.44-7.41 (m, 1H), 6.80 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.53 (s, 1H), 4.36 - 4.32 (m, 2H), 3.69-3.60 (m, 2H), 3.40 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 3.19 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 2.26-2.19(m, 1H),2.05-1.93 (m, 2H), 1.73-1.70(m, 1H).
【0303】
実施例十:化合物10の合成。
(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-7-アミン
【0304】
【0305】
化合物6の合成方法を参照し、中間体A4の代わりに中間体A6を使用し、3段階の反応で化合物10を得た。
【0306】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.38 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.84 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 9.1, 3.4 Hz, 2H), 7.29 - 7.13 (m, 1H), 6.33 (s, 2H), 5.80 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 4.01 (s, 1H), 3.95 - 3.86 (m, 2H), 3.38 (dd, J = 23.6, 11.2 Hz, 3H), 3.11 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 2.75 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 2.05 - 1.91 (m, 2H), 1.69 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 1.31 (d, J = 14.0 Hz, 2H)。
LC-MS:m/z = 478.0 [M +H+]。
【0307】
実施例十一:化合物11の合成
(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-5-、7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-7-アミン
【0308】
【0309】
化合物6の合成方法を参照し、中間体B3の代わりに中間体B2を使用し、中間体A4の代わりに中間体A6を使用し、3段階の反応で化合物(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-5-、7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-7-アミン(11、ギ酸塩、白色固体)を得た。
【0310】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.40 (s, 1H), 8.48 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.76 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 7.5, 5.0 Hz, 1H), 6.35 (s, 2H), 5.94 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 4.31 (s, 1H), 4.26 - 4.09 (m, 2H), 3.53 (dd, J = 27.1, 12.0 Hz, 2H), 3.24 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 2.92 (d, J = 16.3 Hz, 1H), 2.09 (s, 1H), 1.92 (s, 1H), 1.76 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 1.42 (d, J = 13.2 Hz, 1H).
LCMS:m/z = 479.0 [M+H+]。
【0311】
実施例十二:化合物12の合成。
(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-6-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-アミン
【0312】
【0313】
化合物6の合成方法を参照し、中間体B3の代わりに中間体B2を使用し、中間体A4の代わりに中間体A7を使用し、3段階の反応で化合物(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-6-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-アミン(12、ギ酸塩、白色固体)を得た。
【0314】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.38 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.57 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.31 - 7.20 (m, 1H), 7.16 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.01 (t, J = 8.7 Hz, 1H), 6.34 (s, 2H), 5.95 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 4.14 (t, J = 12.0 Hz, 2H), 4.00 (s, 1H), 3.47 (dd, J = 25.4, 12.0 Hz, 3H), 3.10 (d, J = 15.5 Hz, 1H), 2.71 (d, J = 15.5 Hz, 1H), 2.08 - 1.85 (m, 2H), 1.64 (d, J = 13.3 Hz, 1H), 1.30 (d, J = 13.5 Hz, 1H).LCMS:m/z = 495.0 [M+H+]。
【0315】
実施例十三:化合物13の合成
(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-6-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-アミン
【0316】
【0317】
化合物6の合成方法を参照し、中間体A4の代わりに中間体A7を使用し、2段階の反応で化合物(S)-(1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-3-イル)テルトブチルホルメート(13-2)を得た。
【0318】
ステップ3:乾燥されたシングルネックフラスコに、順番に化合物(S)-(1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-3-イル)テルトブチルホルメート(13-2 、60mg, 0.101mmol)、ジクロロメタン(1mL)とトリフルオロアセテート (0.2mL)を添加した。反応液を、20℃で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮した。得られた残留物の反応液を、飽和重炭酸ナトリウムの水溶液でpHを8に調整し、DCM/MeOH (10:1)の混合溶剤(10mL)で三回抽出し、合併された有機相を減圧濃縮した。得られた残留物を、HPLCで調製し、精製し、白色固体化合物とする(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-6-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-アミン(13、32mg、ギ酸塩、収率:58.2%)を得た。
【0319】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.15 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.83 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.32 - 7.26 (m, 1H), 7.23 - 7.18 (m, 1H), 7.12 - 7.02 (m, 1H), 6.32 (s, 2H), 5.80 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.14 (s, 1H), 4.00 - 3.90 (m, 2H), 3.40 - 3.30 (m, 2H), 3.15 - 3.05 (m, 1H), 2.85 - 2.75 (m, 1H), 2.05 - 1.85 (m, 2H), 1.70 - 1.55 (m, 1H), 1.45 - 1.36 (m, 1H);LC-MS:m/z 496.0 [M+H]+。
【0320】
実施例十四:化合物14の合成
(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン
【0321】
【0322】
ステップ1:(S)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン塩酸塩(A8、200mg、0.83mmol)をアセトニトリル(20mL)に溶解し、DIPEA(1.07g、8.3mmol)と5-クロロ-8-ヨードイミダゾ[1,2-c]ピリミジン(B3、208mg、0.75mmol)を添加し、窒素ガスの保護で、90℃まで加熱し、反応を5時間還流し、反応を終了した。室温まで冷却し、反応液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ、ジクロロメタンで二回抽出(50mL)した。有機相を合併した後に、飽和塩水で洗い、有機相を分離した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、淡黄色固体化合物とする1-(8-ヨードイミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-4-アミン(14-1、250mg、収率74%)を得た。LCMS:m/z 447.1 [M+H]+
【0323】
ステップ2:1’-(8-ヨードイミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-4-アミン(14-1、50mg、0.11mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)に溶解し、DIPEA(36mg、0.28mmol)と2-アミノ-3-クロロピリジン-4-メルカプタンナトリウム(C1、31mg、0.17mmol)を添加した。窒素ガスの保護で、XantPhos (13mg, 0.02mmol)、Pd2(dba)3(10mg, 0.01mmol)を添加した。窒素ガスを三回置換した後に、100℃で3時間反応し、反応を終了した。反応液を濃縮した後に、高速液体クロマトグラフィーで精製し、淡黄色固体化合物とする(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン(14、12mg、収率:22.4%)を得た。
LCMS:m/z 479.2 [M+H]+
【0324】
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 8.64 (s, 1H), 8.56 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.62-7.60(m, 2H), 7.60-7.50 (m, 1H), 5.95-5.94 (m, 1H), 4.64 (s, 1H), 4.22-4.07 (m, 2H), 3.60 (s, 2H),3.6-3.49 (m, 2H), 2.20-2.10(m, 2H),2.10-2.00 (m, 1H), 1.85-1.63(m, 2H).
【0325】
実施例十五:化合物15の合成
(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-5-、7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン
【0326】
【0327】
化合物14の合成方法を参照し、中間体B3の代わりに中間体B2を使用し、2段階の反応で化合物(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-5-、7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン(15)を得た。
LCMS:m/z 480.0 [M+H]+
【0328】
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 9.31 (s, 1H), 8.43-8.46 (m, 2H), 8.02 (s, 1H), 7.49-7.54(m, 2H), 6.05 (d, J = 5.6 MHz, 1H), 4.17-4.29 (m, 3H), 3.48-3.60 (m, 3H), 2.96 (d, J = 16.0 MHz, 1H), 1.98-2.15 (m, 2H),1.76-1.79 (m, 1H), 1.22-1.25 (m, 1H).
【0329】
実施例十六:化合物16の合成
(S)-1-アミノ-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-4-オール
【0330】
【0331】
ステップ1:(S)-1-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-4-オール塩酸塩(A9、200mg、0.79mmol)をアセトニトリル(40mL)に溶解し、DIPEA(1.07g、8.3mmol)と5-クロロ-8-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン(B2、208mg、0.75mmol)を添加し、窒素ガスの保護で、室温で18時間反応し、反応を終了した。室温まで冷却し、反応液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ、ジクロロメタンで二回抽出(100mL)した。有機相を合併した後に、飽和塩水で洗い、有機相を分離した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、淡黄色固体化合物とする(S)-1-アミノ-1’-(8-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン〕-4-オール(16-1、220mg、収率63%)を得た。LCMS:m/z 463.0 [M+H]+
【0332】
ステップ2:(S)-1-アミノ-1’-(8-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン〕-4-オール(16-1、200mg、0.43mmol)を1,4-ジオキサン(30mL)に溶解し、DIPEA(111mg、0.86mmol)と2-アミノ-3-クロロピリジン-4-メルカプタンナトリウム(C1、118mg、0.65mmol)を添加した。窒素ガスの保護で、XantPhos (52.0mg, 0.08mmol)、Pd2(dba)3(41mg, 0.04mmol)を添加した。窒素ガスを三回置換した後に、100℃で3時間反応し、反応を終了した。反応液を濃縮した後に、高速液体クロマトグラフィーで精製し、白色固体化合物とする(S)-1-アミノ-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-4-オール(16、100mg、収率:47%)を得た。LCMS:m/z 495.3 [M+H]+
【0333】
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 9.32 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.53 (d, J = 5.6 MHz,1H), 7.04 (t, J = 7.6 MHz,1H), 6.84 (d, J = 5.6 MHz,1H), 6.64 (d, J = 8.0 MHz,1H), 6.06 (d, J = 5.6 MHz,1H), 4.20-4.24 (m, 2H), 3.95 (s, 1H), 3.54-3.62 (m, 2H), 3.13(d, J = 15.6 MHz,1H),2.74 (d, J = 15.6 MHz,1H), 1.93-2.06(m, 2H),1.70(d, J = 12.8 MHz,1H),1.55(d, J = 12.8 MHz,1H).
【0334】
実施例十七:化合物17の合成
化合物(S)-1-アミノ-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-4-ニトリル
【0335】
【0336】
ステップ1:(S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-4-シアノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン](A10、490mg,1.48mmol)をアセトニトリル(20mL)に溶解し、DIPEA(1.91g、14.8mmol)と5-クロロ-8-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン(B2、415mg、1.48mmol)を添加し、窒素ガスの保護で、85℃で3時間反応し、反応を終了した。減圧濃縮で得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し(0~10%勾配のメタノール/酢酸エチル)、黄色固体化合物とする(R)-N-((S)-1’-(8-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-4-シアノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-tert-ブチルスルホンアミド(17-1、360mg、収率:42.3%)を得た。LCMS:m/z 576.1 [M+H]+。
【0337】
ステップ2:(R)-N-((S)-1’-(8-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-4-シアノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-tert-ブチルスルホンアミド(17-1、360mg、0.63mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)に溶解し、DIPEA(202mg、1.56mmol)と2-アミノ-3-クロロピリジン-4-メルカプタンナトリウム(C1、171mg、0.94mmol)を添加した。窒素ガスの保護で、XantPhos (73mg, 0.126mmol)、Pd2(dba)3(57.7mg, 0.063mmol)を添加した。窒素ガスを三回置換した後に、100℃で3時間反応し、反応を終了した。反応液を濃縮した後に、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、白色固体化合物とする(R)-N-((S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-4-シアノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-tert-ブチルスルホンアミド(17-2、130mg、収率:34.2%)を得た。LC-MS:m/z 608.2 [M+H]+。
【0338】
ステップ3:窒素ガスの保護で、50mLのシングルネックフラスコに、順番に、(R)-N-((S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-4-シアノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-tert-ブチルスルホンアミド(17-2、130mg, 0.21mmol)とメタノール(6mL)を添加し、室温で塩酸1、4-ジオキサン溶液(2mL、4M)を滴下し、当該混合物を、室温で攪拌しながら1時間反応した。反応が終了した後、室温まで冷却し、濾過し、減圧濃縮し、得られた残留物を、高速液体クロマトグラフィーで精製し、化合物(S)-1-アミノ-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-4-ニトリル(17、10mg、収率:9.3%)を得た。
【0339】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.32 (s, 1H), 8.02(s, 1H), 7.71 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.06 (d, J = 5.6 Hz,1H), 4.23 (d, J = 10.8 Hz, 2H), 4.12 (s, 1H), 3.60 (m, 2H), 3.37 (m, 1H), 3.03 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 2.06 (m, 2H), 1.74 (t, 2H), 1.57 (d, J = 19.2 Hz, 2H), 1.52 (s, 2H)。
LCMS:m/z 504.1 [M+H]+。
【0340】
実施例十八:化合物18の合成
(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピラジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン
【0341】
【0342】
ステップ1:(S)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピラジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン塩酸塩(A11、1.50g、4.95mmol)を150mLアセトニトリルに溶解し、DIPEA(5.68g、44.0mmol)と5-クロロ-8-ヨードイミダゾ[1,2-c]ピリミジン(B3、1.28g、4.59mmol)を添加し、窒素ガスの保護で、95℃まで加熱し、反応を3時間還流し、反応を終了した。室温まで温度を下げ、濾過し、ろ液を乾燥まで濃縮し、サンプルを混合しシリカカラムを通過し、ベージュ色粉末化合物とする(S)-1’-(8-ヨードイミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピラジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン(18-1、2.05g、収率:92.7%)を得た。LCMS:m/z 448.0 [M+H]+
【0343】
ステップ2:350mLのガラスシールチューブに、(S)-1’-(8-ヨードイミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピラジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン(18-1、2.05g、4.59mmol)を、120mL 1,4-ジオキサンに溶解し、順番にDIPEA(1.78g、13.8mmol)、2-アミノ-3-クロロピリジン-4-メルカプタンナトリウム(C1、1.26g、6.9mmol)、XantPhos(797mg、1.38mmol)とPd2(dba)3(630mg、0.69mmol)を添加し、アルゴンガスで30秒間バブリング、アルゴンガス雰囲気に100℃まで加熱し、温度を3時間保持し、完全に反応した。室温まで温度を下げ、ジクロロメタンの添加で希釈し、吸引ろ過し、ろ液をスピン乾燥し、カラムを通じ、得られた純点をスピン乾燥し、ジクロロメタン/N-ヘキサン(1/1)で一晩スラリーにし、濾過し、乾燥し、化合物(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピラジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン(化合物18、440mg、収率:19.9%)を得た。LCMS:m/z 480.1 [M+H]+
【0344】
1H NMR (400 MHz, MeOD):δ8.44-8.39(m, 2 H), 8.05 (s, 1 H), 7.85 (d, J= 1.6 Hz, 1 H), 7.56 (d, J= 1.6 Hz, 1 H), 7.49 (d, J= 5.6 Hz, 1 H), 5.89 (d, J= 5.6 Hz, 1 H), 4.14 (s, 1 H), 4.06-4.02 (m, 2 H), 3.49-3.40 (m, 2 H), 3.33 (s, 1 H), 3.01 (d, J= 16.8 Hz, 1H), 2.24-2.10 (m, 2 H), 1.82 (d, J= 13.2 Hz, 1 H), 1.50 (d, J= 13.6 Hz, 1 H).
【0345】
実施例十九:化合物19の合成
(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-4-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-アミン
【0346】
【0347】
ステップ1:(S)-1-(((R)-tert-ブチルスルフィニル)アミノ)-4-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン](A12、520mg0.1.55mmol)をアセトニトリル(20mL)に溶解し、DIPEA(2.0g、15.5mmol)と5-クロロ-8-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン(B2、435mg、1.55mmol)を添加し、窒素ガスの保護で、85℃で3時間反応し、反応を終了した。減圧濃縮で得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し(0~10%勾配のメタノール/酢酸エチル)、黄色固体化合物とする(R)-N-((S)-1’-(8-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-4-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-tert-ブチルスルホンアミド(19-1、420mg、収率:46.8%)を得た。
LCMS:m/z 581.1 [M+H]+。
【0348】
ステップ2:(R)-N-((S)-1’-(8-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-4-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-tert-ブチルスルホンアミド(19-1、420mg、0.72mmol)を1,4-ジオキサン(10mL)に溶解し、DIPEA(234mg、1.81mmol)と2-アミノ-3-クロロピリジン-4-メルカプタンナトリウム(C1、198mg、1.09mmol)を添加した。窒素ガスの保護で、XantPhos (83mg, 0.144mmol)、Pd2(dba)3(66mg, 0.072mmol)を添加した。窒素ガスを三回置換した後に、100℃で3時間反応し、反応を終了した。反応液を濃縮した後に、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、白色固体化合物とする(R)-N-((S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-4-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-tert-ブチルスルホンアミド(19-2、310mg、収率:69.9%)を得た。
LCMS:m/z 613.2 [M+H]+。
【0349】
ステップ3:窒素ガスの保護で、50mLのシングルネックフラスコに、順番に、(R)-N-((S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-4-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-イル)-2-tert-ブチルスルホンアミド(19-2、310mg, 0.51mmol)とメタノール(6mL)を添加し、室温で塩酸1、4-ジオキサン溶液(2mL、4M)を滴下し、当該混合物を、室温で攪拌しながら1時間反応した。反応が終了した後、室温まで冷却し、濾過し、減圧濃縮し、得られた残留物を、高速液体クロマトグラフィーで精製し、(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-4-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-アミン(化合物19、114mg、収率:44.3%)を得た。
【0350】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.80 (s, 1H), 7.95(s, 1H), 7.65 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.26 (t, 2H), 6.96 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.02 (d, J = 5.6 Hz,1H), 4.89 (s, 2H), 4.13-4.04 (m, 4H), 3.86 (s, 3H), 3.53-3.48 (m, 2H), 3.11 (d, J = 16 Hz, 1H), 2.70 (d, J = 16 Hz, 1H), 2.08-2.01 (m, 3H), 1.76 (d, J = 14 Hz, 1H), 1.53 (d, J = 14 Hz, 2H)。
LCMS:m/z 509.2 [M+H]+。
【0351】
実施例二十:化合物20の合成
(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-5-、7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピラジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン
【0352】
【0353】
ステップ1:(S)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピラジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン塩酸塩(A11、89mg、0.29mmol)を20mLアセトニトリルに溶解し、DIPEA(212mg、1.64mmol)と5-クロロ-8-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン(B2、77mg、0.275mmol)を添加し、窒素ガスの保護で、95℃まで加熱し、反応を3時間還流し、反応を終了した。室温まで温度を下げ、濾過し、ろ液を乾燥まで濃縮し、サンプルを混合しシリカカラムを通過し、(S)-1 ’-(8-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピラジン6,4’-ピペリジン]-5-アミン(20-1、65mg、収率:52.7%)を得た。LCMS:m/z 449.2 [M+H]+
【0354】
ステップ2:5mLのマイクロ波チューブに、(S)-1’-(8-ヨード-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピラジン6,4’-ピペリジン]-5-アミン(20-1、65mg、0.145mmol)を、5mL 1,4-ジオキサンに溶解し、順番にDIPEA(56mg、0.434mmol)、2-アミノ-3-クロロピリジン-4-メルカプタンナトリウム(C1、40mg、0.219mmol)、XantPhos(34mg、0.059mmol)とPd2(dba)3(27mg、0.029mmol)を添加し、アルゴンガスで30秒間バブリング、アルゴンガス雰囲気に100℃まで加熱し、温度を3時間保持し、完全に反応した。室温まで温度を下げ、ジクロロメタンの添加で希釈し、吸引ろ過し、ろ液をスピン乾燥し、分取シリカゲルプレートにより精製し、得られた純点を調製に使用し、純な(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-5-、7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピラジン-6,4’-ピペリジン]-5-アミン(化合物20、19.4mg,収率:27.8%)を得た。LCMS:m/z 481.2 [M+H]+
【0355】
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ9.35 (s, 1 H), 8.59-8.57 (m, 2 H), 8.11 (s, 1 H), 7.53 (d, J= 6.8 Hz, 1 H), 6.37 (d, J= 6.4 Hz, 1 H), 4.65 (s, 1 H), 4.37-4.35 (m, 2 H), 3.69-3.62 (m, 2 H), 3.47 (d, J= 17.2 Hz, 1 H), 3.26 (s, 1 H), 2.31-2.23 (m, 1 H), 2.07-1.97 (m, 2 H), 1.68 (d, J= 11.6 Hz, 1H).
【0356】
実施例二十一:化合物21の合成
(S)-1’-(8-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)チオ)-[1,2,4]-トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-7-アミン
【0357】
【0358】
(S)-1’-(8-ヨード[1,2,4]トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-7-アミン(9-1、100mg、0.22mmol)を1,4-ジオキサン(12mL)に溶解し、DIPEA(300mg、2.32mmol)と2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-メルカプタンナトリウム(C2、100mg、粗品)を得た。窒素ガスの保護で、XantPhos (100mg, 0.17mmol)、Pd2(dba)3(100mg, 0.11mmol)を添加した。窒素ガスを三回置換した後に、100℃で3時間反応し、反応を終了した。反応液を濃縮した後に、カラムを通じ(EA:MeOH=5/1、0.5%アンモニア)、白色固体化合物とする(S)-1’-(8-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)チオ)-[1,2,4]-トリアゾロ[4,3-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-7-アミン(化合物21、35mg、収率:31%)を得た。LCMS:m/z 499.1 [M+H]+
【0359】
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 9.32 (s, 1H), 8.41-8.37 (m, 2H), 8.03 (s, 1H), 7.72 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.38-7.35 (m, 1H), 7.28-7.25(m,1H),4.18 - 4.14 (m, 2H),4.04(s,1H),3.62-3.59 (m, 2H), 3.23 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 2.90 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 2.11-2.06(m, 2H),1.79-1.75 (m, 1H), 1.56-1.53(m, 1H).
【0360】
実施例二十二:化合物22の合成
(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-2-クロロ-4,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[d]チアゾール-5,4’-ピペリジン]-4-アミン
【0361】
【0362】
ステップ1:(S)-2-クロロ-4,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[d]チアゾール-5,4’-ピペリジン]-4-アミン塩酸塩(A13、155mg、0.35mmol)をアセトニトリル(10mL)に溶解し、DIPEA(450mg、3.5mmol)と5-クロロ-8-ヨードイミダゾ[1,2-c]ピリミジン(B3、108mg、0.39mmol)を添加し、窒素ガスの保護で、100℃まで加熱し、反応を5時間還流し、反応を終了した。室温まで冷却し、反応液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ、ジクロロメタンで二回抽出(50mLx2)した。有機相を合併した後に、飽和塩水で洗い、有機相を分離した後に、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗品をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、淡黄色固体化合物とする(S)-2-クロロ-1’-(8-ヨードイミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-4,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[d]チアゾール-5,4’-ピペリジン]-4-アミン(22-1、72mg、収率43%)を得た。LCMS:m/z 487 [M+H]+
【0363】
ステップ2:(S)-2-クロロ-1’-(8-ヨードイミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-4,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[d]チアゾール-5,4’-ピペリジン]-4-アミン(22-1、50mg、0.1mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)に溶解し、DIPEA(30mg、0.25mmol)と2-アミノ-3-クロロピリジン-4-メルカプタンナトリウム(C1、30mg、0.15mmol)を添加した。窒素ガスの保護で、XantPhos (13mg, 0.02mmol)、Pd2(dba)3(20mg, 0.02mmol)を添加した。窒素ガスを三回置換した後に、100℃で3時間反応した。反応液を濃縮した後に、高速液体クロマトグラフィーで精製し、淡黄色固体化合物とする(S)-1’-(8-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-2-クロロ-4,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[d]チアゾール-5,4’-ピペリジン]-4-アミン(化合物22、3mg、収率:5%)を得た。LCMS:m/z 519 [M+H]+
【0364】
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 8.06 (s, 1H),7.85 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.50-7.49 (d, 1H), 5.89-5.87 (d, 1H), 4.15 (s, 1H),,4.07-3.99(dd, 2H), 3.53 - 3.39 (m, 4H),3.11-3.09 (d, 2H), 2.21-2.04(m, 4H)
【0365】
実施例二十三:化合物23の合成
【0366】
【0367】
ステップ1:1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-メルカプタンナトリウム(C7、224mg、0.8mmol)を含む反応フラスコに、ジオキサン(20mL)を添加した後に、(S)-N-((S)-1’-(8-ヨードイミダゾール[1,2-C]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタジエン[B]ピリジン-6,4’-ピペリジン]-5-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(1-1、287mg、0.52mmol)、DIPEA (304mg、2.35mmol)、XantPhos (91mg、0.16mmol)とPd2(dba)3 (72mg、0.08mmol)を添加した。窒素ガスの保護で、100℃まで昇温し、反応を3時間攪拌し、TLC(ジクロロメタン/メタノール= 20/1)とLCMSが、完全に反応したことを示した。反応液に酢酸エチルを添加することで希釈し、濾過し、フィルター残渣を酢酸エチルですすいで、ろ液を乾燥まで濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで(R)-2-メチル-N-((5S)-1’-(8-((1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)チオ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタジエン[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン] -5-イル)プロパン-2-スルフィンアミド(23-1、352mg、収率:97.2%)を得た。
LCMS: m/z 658.4 [M+H]+
【0368】
ステップ2:窒素ガスの保護で、0℃で、(R)-2-メチル-N-((5S)-1’-(8-((1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)チオ)イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタジエン[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン] -5-イル)プロパン-2-スルフィンアミド(23-1、176mg、0.26mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、徐々にHCl/ジオキサン (4 M、1.3mL、5.20mmol)を添加し、室温で反応を2 h攪拌し、TLC(ジクロロメタン/メタノール=8/1)とLCMSが、完全に反応したことを示した。反応液を0℃まで温度を下げ、徐々にアンモニアメタノール溶液の添加でpHを約10に調整した後に、減圧濃縮し、prep-TLCで精製し、(S)-1’-(8-(((1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル]チオ]イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-5-イル)-5,7-ジヒドロスピロ[シクロペンタジエニル[b]ピリジン-6,4’-ピペリジン] -5-アミン(23、73.01mg、収率:58.1%)を得た。LCMS: m/z 470.5 [M+H]+
【0369】
1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 8.42 (d, J = 4.0 Hz, 1 H), 8.16 ~ 8.14 (m, 2 H), 8.10 (s, 1H), 7.91 ~ 7.87 (m, 2 H), 7.56 (d, J = 1.2 Hz, 1 H), 7.34 ~ 7.31 (m, 1 H), 4.26 (s, 1 H), 4.11 ~ 4.06 (m, 1 H), 3.49 ~ 3.43 (m, 2 H), 3.28 (s, 1 H), 3.07 (d, J = 16.8 Hz, 1 H), 2.15 ~ 2.07 (m, 2 H), 1.76 (d, J = 12.8 Hz, 2 H), 1.64 (d, J = 13.6 Hz, 2 H).
【0370】
参照化合物の合成:本発明を出願した時、本発明に最も近い参照物質はWO2018136265の実施例25である。その合成経路および操作ステップを参照し、対照化合物aaが得られた。
【0371】
【0372】
本発明に開示された化合物の生物学的機能は、酵素活性および細胞レベルの試験において証明された。例えば、SHP2酵素活性阻害試験において、本発明に開示される化合物は、強力な阻害活性(IC50には1nMに至る)を達成することができる。細胞レベルでは、本発明に開示される化合物も、癌細胞の増殖を阻害する良好な活性を示し、MV4-11細胞株に対する増殖阻害活性は1nMに達することができる。SHP099(6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-アミン)または参照化合物aaと比較すると、本発明の特許の化合物は、酵素レベルと細胞レベルでは、優れた活性を示す。
【0373】
試験例一:SHP2酵素活性試験方法
SHP2酵素活性試験方法:
化合物粉末をDMSOに溶解し、母液にした。実験では、化合物保存溶液をDMSOで3倍の勾配で希釈し、同じ化合物に対して、10つの試験濃度を設定した。1μLの各濃度ポイントの化合物を検出プレート(Corning、Costar 3915)のウェルに取り、各濃度ポイントに、2つの繰り返しを設定した。6,8-ジフルオロ-4-メチル-7-ヒドロキシクマリンホスフェート(DiFMUP)を基質とし、SHP2 E72Aの触媒作用下でそれを加水分解し、6,8-ジフルオロ-4-メチル-7-ヒドロキシクマリン(DiFMU)を生成し、PEEnspire多機能リーダーで、励起波長として358nmを使用し、455nmの蛍光値を検出し、SHP2の酵素活性を測定した。
【0374】
反応に用いられるSHP2バッファー
組成:60mmol/L Hepes、PH7.2、75mmol/L NaCl、75mmol/L KCl、1mmol/L EDTA、5mmol/L DTT。スクリーニングシステムの組成は:SHP2バッファー、酵素SHP2 E76Aタンパク質、基質DiFMUP、および試験化合物。
【0375】
IC50試験方法:
96ウェルスクリーニングプレートにおいて、SHP2バッファーには、50ngのSHP2 E76Aタンパク質を試験化合物と20分間反応させた後、10uMDiFMUPと室温で20分間インキュベートし、PEEnspire多機能リーダーで358nmを励起光とし、455nmでの光強度を読み取った。化合物処理グループによって測定された蛍光値とDMSOコントロールウェルの値との比を、酵素活性に対するサンプルの阻害率が計算された。化合物のIC50値は、Graphpad会社のPrismソフトウェアによって、阻害剤の濃度に対する阻害率の非線形フィッティングによって計算された。化合物濃度によって変化する酵素活性の曲線は、式Y=Bottom+(Top-Bottom)/(1+10^((LogIC50-X)*HillSlope))によってフィッティングされた。各化合物のIC50値を計算した。表2は、本発明の一部の化合物のIC50値を示している。
【0376】
【0377】
試験例二:MV4-11細胞増殖阻害実験
CellTiter-GloR発光細胞生存率アッセイキットを使用し、細胞内ATPを定量化し、培養中の生細胞数を検出した。
【0378】
ステップ1:96ウェルプレートにMV4-11細胞を播種し、ウェルあたり2500細胞の密度で細胞を96ウェルプレートに接種し、ウェルあたり100μLである。37°Cの5%二酸化炭素インキュベーターに、一晩インキュベートした。
【0379】
ステップ2:化合物で細胞を処理した。試験化合物を合計8つの濃度勾配になるように3倍に希釈し、一定量のDMSOまたは試験化合物を各ウェルに加え、各濃度を2回繰り返し、DMSOの最終濃度を0.5%に制御した。37°Cの5%二酸化炭素インキュベーターに、72hインキュベートした。
【0380】
ステップ3:CellTiter-GloR発光細胞生存率アッセイキット(Promega、G7570)で、コントロールグループと処理グループの細胞生存率を検出した。50ulのCellTiter-Gloを各ウェルに加え、よく混合し、室温で10分間インキュベートした。EnSpire(Perkin Elmer)を使用し、信号を読み取った。阻害百分比(%)は、次の式で計算された:
阻害百分比(%)=(1-化合物処理グループの信号値/DMSO処理グループの信号値)* 100、結果を表3に示した。
【0381】
【0382】
試験例三:化合物薬物動態実験
本発明の化合物の薬物動態を測定した。本出願では、次の方法を使用して、本願の化合物の薬物動態パラメータを測定した。
【0383】
研究に使用された健康な雄の成体マウスには、動物の各グループに対して5~100 mg/Kgの単回胃内投与が行われた。投与の10時間前から投与後4時間まで絶食させた。投与後の異なる時点で採血し、化合物の血漿含有量を測定した(LC-MS/MS)。血漿濃度と時間の関係を専門のソフトウェア(winnonlin)で分析して、化合物の薬物動態パラメーターを計算した。表4によれば、本発明の化合物は、優れた薬物動態特性を有する。
【0384】
【0385】
本出願に言及されている全ての参考文献は、参照として単独に引用されるように、本出願に引用されて、参照になる。本発明の好ましい実施形態は、上記で詳細に説明されているが、本発明は、上記の実施形態の特定の詳細に限定されない;本発明の技術概念の範囲内で、様々な簡単な変更を行うことができ、これらの単純な変更はすべて本発明の保護範囲に属する。
【0386】
さらに、上記の特定の実施形態に記載された様々な特定の技術的特徴は、矛盾することなく任意の適切な方法で組み合わせることができ、不必要な繰り返しを避けるために、本発明は、組み合わせ方法を個別に説明しないことを理解すべきである。さらに、本発明の様々な異なる実施形態は、それらが本発明の考えに違反しない限り、任意に組み合わせることができ、それらはまた、本発明に開示された内容と見なされるべきである。