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  • 特許-組立式パレットラック 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】組立式パレットラック
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/28 20060101AFI20240716BHJP
   B65G 1/02 20060101ALN20240716BHJP
【FI】
B65D19/28 A
B65G1/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022182157
(22)【出願日】2022-11-14
(65)【公開番号】P2024071293
(43)【公開日】2024-05-24
【審査請求日】2024-04-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398018973
【氏名又は名称】株式会社ニッコー
(74)【代理人】
【識別番号】100129540
【弁理士】
【氏名又は名称】谷田 龍一
(74)【代理人】
【識別番号】100137648
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢一
(72)【発明者】
【氏名】堀川 博
【審査官】二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第210339066(CN,U)
【文献】特開平11-189242(JP,A)
【文献】特開2005-178869(JP,A)
【文献】登録実用新案第3196885(JP,U)
【文献】特開2017-193378(JP,A)
【文献】中国実用新案第205023074(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/00 - 19/44
B65G 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
其々の対の斜辺部が着脱可能に接合されることにより方形の枠体を構成する4つの台形フレームと、
前記枠体の4つの角部に其々連結される支持脚と、
を備え、
前記台形フレームは、前記一対の斜辺部と、互いに平行な長辺部及び短辺部と、が其々金属製角パイプで形成されて溶接により接続されており、
前記4つの台形フレームは、隣り合う前記台形フレームの其々の前記斜辺部が全長に亘って平行に接合されるとともにボルト及びナットによって連結されている、
組立式パレットラック。
【請求項2】
前記4つの台形フレームが同一寸法の等脚台形である、請求項1に記載の組立式パレットラック。
【請求項3】
前記4つの台形フレームの各々の脚の同一位置に、接合用ボルトを挿通するためのボルト孔が形成されている、請求項2に記載の組立式パレットラック。
【請求項4】
前記支持脚は、隣り合って接合される一対の前記台形フレームを螺子留めにより連結する、請求項1に記載の組立式パレットラック。
【請求項5】
前記斜辺部を形成する金属製角パイプは、平行に接合される前記斜辺部と接合される側面に前記ボルトの螺子部が通るボルト孔が形成され、前記斜辺部を形成する金属製角パイプの前記ボルト孔と反対側の側面にボルトヘッド又はナットを挿通可能な開口が形成されている、請求項1に記載の組立式パレットラック。
【請求項6】
前記支持脚は、金属板の曲げ加工により断面L字状とされた支柱本体と、前記支柱本体の長手方向両端縁に曲げ加工により形成された鍔部と、を備え、
前記鍔部は、上端が切欠かれて前記枠体の下面が載置される段部が形成されている、
請求項1に記載の組立式パレットラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流倉庫等のパレットの積載に用いられ、AGV、GTP、AMR等の無人搬送ロボットによる搬送に適した組立式パレットラックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物流倉庫等のパレットを平済みするためにパレットラックが用いられる。この種のパレットラックは、例えば、図6に示すように、支持脚10と支持脚10に支持される枠体11とで構成されている。枠体11は、スチール製の角パイプを溶接して製作される。枠体11は、方形の枠フレーム11aと、枠フレーム11aの内側に横架される横架フレーム11bとを備えている。枠フレーム11aは、4辺のスチール製角パイプが其々の端部で溶接されている。横架フレーム11bは、其々の端部が溶接されて固定されている。横架フレーム11b上に主としてパレット(図示せず。)が載置される。枠体11、支持脚10は、其々、防錆塗装が施された後、ボルト・ナット等で固定される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】株式会社ニッコー、製品一覧 “AGV/AMR用_納品事例のご紹介”、[online]、[令和4年10月31日検索]、インターネット<URL:http://k-nikkou.co.jp/2021/11/767/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のパレットラックは、枠体に防錆塗料を吹付塗装する際に広い塗装室が必要となるとともに、塗装の際には枠体を吊るした状態で吹付塗装するが、大型の吊下設備が必要となる。また、上記従来のパレットラックは、枠体をトラックで搬送する際に、大型のトラックが必要となり、重量もあって積込みにはフォークリフトが必要となる。
【0005】
そこで、本発明は、塗装するための塗装室や塗装設備を縮小でき、持ち運びも容易な組立式パレットラックを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る組立式パレットラックは、其々の対の斜辺部が着脱可能に接合されることにより方形の枠体を構成する4つの台形フレームと、前記枠体の4つの角部に其々連結される支持脚と、を備え、前記台形フレームは、前記一対の斜辺部と、互いに平行な長辺部及び短辺部と、が其々金属製角パイプで形成されて溶接により接続されており、前記4つの台形フレームは、隣り合う前記台形フレームの其々の前記斜辺部が全長に亘って平行に接合されるとともにボルト及びナットによって連結されている。
【0007】
前記4つの台形フレームは、同一寸法の等脚台形とすることができる。
【0008】
前記4つの台形フレームの各々の脚の同一位置に、接合用ボルトを挿通するためのボルト孔が形成され得る。
【0009】
前記支持脚は、隣り合って接合される一対の前記台形フレームを螺子留めにより連結され得る。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、4つの台形フレームを組み合わせて枠体を構成するため、4つの台形フレームの其々を塗装してから枠体に組み立てることで、塗装スペースの省スペース化、及び、塗装設備の小型化が可能であり、搬送時も台形フレームの形態で搬送することにより、枠体の形態で持ち運ぶより容易に持ち運ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る組立式パレットラックの一実施形態を示す斜視図である。
図2図1の組立式パレットラックの構成要素である台形フレームを示す斜視図である。
図3図1の組立式パレットラックの構成要素である支持脚を示す斜視図である。
図4図1の組立式パレットラックの構成要素である枠体の斜辺部同士の接続構造を示す断面図である。
図5】本発明に係る組立式パレットラックの他の実施形態を示す斜視図である。
図6】従来の組立式パレットラックの一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る組立式パレットラックの実施形態について、以下に図1図5を参照して説明する。
【0013】
図1を参照して、組立式パレットラック1は、其々の対の斜辺部2a、2bが着脱可能に接合されることにより方形の枠体3を構成する4つの台形フレーム2と、枠体3の4つの角部に其々連結される支持脚4と、を備える。


【0014】
台形フレーム3は、一般的な図形の台形の脚に相当する一対の斜辺部2a,2bと、一般的な図形の台形の上辺に対応する短辺部2cと、一般的な図形の台形の長辺部2dとを備える。短辺部2cと長辺部2dとが平行で、一対の斜辺部2a、2bが非平行である。
【0015】
短辺部2c、長辺部2d、及び一対の斜辺部2a、2bは、其々、スチール製の角パイプで形成され、其々の両端部で溶接されている。短辺部2c及び一対の斜辺部2a、2bは、長辺部2dより薄幅とすることができる。図示例では、長辺部2dを構成するスチールパイプの断面寸法が50mm×50mmの正方形であり、短辺部2c及び斜辺部2a、2bを構成するスチールパイプの断面寸法が50mm×20mmの長方形である。短辺部2c、長辺部2d、及び斜辺部2a、2bの材質及び寸法は、変更可能である。
【0016】
4つの台形フレーム2は、好ましくは図示例のように同一寸法の等脚台形とされる。そうすることにより、1種類の台形フレーム2を4つ製作すればよく、部品点数及び製造コストを低減し得る。
【0017】
4つの台形フレーム2の各々の斜辺部2a、2bの同一位置にボルト孔2eが形成されている。詳細には、図4を参照して、斜辺部2a、2bを構成する角パイプの内側の側面2a1、2b1に、接合用ボルトBの螺子部B1が通るボルト孔2eが形成され、該角パイプの対応する外側の側面2a2、2b2に、ボルトヘッドB2又はナットNを挿通可能な開口2fが形成されている。図示例では、ボルト孔2eは、斜辺部2a、2bの其々に一か所設けられているが斜辺部2a、2bの其々に複数個所設けても良い。
【0018】
4つの台形フレーム2は、其々の斜辺部2a、2bを、他の台形フレーム2の斜辺部2b、2aと全長に亘って平行に接合させ、接合用ボルトB及びナットNで緊締することにより着脱可能な方形に連結され、4つの長辺部2dが方形の枠体3の外枠を形成し、4つの短辺部2cが方形の枠体3の内枠を形成し、これにより枠体3が形成される。即ち、台形フレーム2は、枠体3を4分割した分割体である。
【0019】
支持脚4は、底板4aと、底板4aに溶接して立設れた支柱部4bとを備える。支柱部4bは、金属板の曲げ加工により、断面L字状の支柱本体4b1と、支柱本体4b1の長手方向両端縁に曲げ加工により形成された鍔部4b2とを備える。鍔部4b2は、上端から所定長さ、具体的には、枠体3の高さ寸法(図示例では50mm)け、切欠かれ、段部4b3が形成されている。この段部4b3に枠体3の下面が載置される。段部3に載置された枠体3と、支持脚4の支柱本体4b1の内面とが当接し、両者が螺子留めにより連結され固定される。支持脚4の支柱本体4b1には、雄螺子5を通すための通孔4b4が形成され、枠体3を構成する台形フレーム2の長辺部2dの端部に、雄螺子5を螺入するための雌螺子孔2gが設けられている。支柱本体4b1は、隣り合って接合される一対の台形フレーム2と連結される。
【0020】
台形フレーム2は、枠体3に組まれる前に、防錆塗装され得る。台形フレーム2は、枠体3を塗装するための塗装室に比べて狭い塗装室で吹付塗装でき、吹付塗装の際に枠体を吊り下げる吊下装置より小型の吊下装置で吊り下げて吹付塗装することができる。
【0021】
また、組立式パレットラックを搬送する際に、枠体3に組む前の台形フレーム2の形態で搬送することができ、トラックへの積み込み作業もフォークリフトを用いずに積み込むことができ、枠体3の形態で搬送する場合に比して小型のトラックでも搬送できる。
【0022】
4つの台形フレーム2で組んだ枠体3に荷重がかかると、台形フレーム2の短辺部2cで四角に組まれた内枠の角から4方向に延びる斜辺部2a、2bを通じて4本の支持脚4へ荷重を分散して伝わるため、集中荷重による変形を防止し、安定して荷重を受けることができる。
【0023】
図5に示すように、4つの短辺部2cによって囲まれる内枠の内側に、プレート6が固定され得る。プレート6の裏面には、バーコードやQRコード(登録商標)等の情報ラベル(図示せず。)が添付される。図示しない無人搬送機が、枠体3の下部に入り込んで前記情報ラベルをスキャンすることにより、位置情報等の情報を読み込むことができる。
【0024】
本発明は、上記実施形態に限定解釈されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、枠体は正方形であるが、長方形の枠体を構成するように台形フレームの形状を変更することも可能である。
【符号の説明】
【0025】
1 組立式パレットラック
2 台形フレーム
2a、2b 斜辺部
3 枠体
4 支持脚
図1
図2
図3
図4
図5
図6