(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
A63F5/04 650
(21)【出願番号】P 2023016330
(22)【出願日】2023-02-06
【審査請求日】2023-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 優
【審査官】森田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-230264(JP,A)
【文献】「[初体験]スマスロで万枚目指して大暴れしたいっ!!!!!!!![パチスロ 革命機ヴァルヴレイヴ][日直島田の優等生台み~つけた♪]」,YouTube [online] [video],日直島田の優等生台TV,2022年12月24日,[2024年2月7日検索],<https://www.youtube.com/watch?v=9lzVxCc2v8k>,26:07~26:14、52:58~53:13
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が保有する遊技価値を記憶可能な記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている遊技価値に関する
遊技価値情報を表示可能な第1表示手段と、
前
記遊技価
値情報を表示可能な第2表示手段と、
を備え、
前記第2表示手段は、
前記記憶手段に記憶されている遊技価値が特定値となっていない場合、第1位置に前記
遊技価値情報を表示可能であり、
前記記憶手段に記憶されている遊技価値が前記特定値となった場合、前記第1位置から第2位置に変更して前記
遊技価値情報を表示可能であり、
前記第1表示手段における第3位置と前記第1位置との間の第1距離よりも、前記第3位置と前記第2位置との間の第2距離の方が長くなるように、前記
遊技価値情報を表示可能である
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機として、複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な表示装置を備え、変動表示ゲームの結果に応じて、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるようにしたパチンコ遊技機が知られている。また、複数のリールを備え、遊技者の開始操作に基づき該複数のリールを変動表示させてゲームを実行し、遊技者の停止操作に基づき複数のリールを停止させて、該複数のリールの停止表示態様に応じて、特定遊技状態を発生するようにしたスロットマシンが知られている。また、近年のスロットマシンにおいては、リールの他に表示装置を備えて、表示装置においてゲームに関連した演出を行うようにしたものが増えている。
このような遊技機においては、複数の表示装置を設け、各表示装置において種々の情報を表示するようにした遊技機も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このような従来の遊技機には、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、遊技者が保有する遊技価値を記憶可能な記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている遊技価値に関する遊技価値情報を表示可能な第1表示手段と、前記遊技価値情報を表示可能な第2表示手段と、を備え、前記第2表示手段は、前記記憶手段に記憶されている遊技価値が特定値となっていない場合、第1位置に前記遊技価値情報を表示可能であり、前記記憶手段に記憶されている遊技価値が前記特定値となった場合、前記第1位置から第2位置に変更して前記遊技価値情報を表示可能であり、前記第1表示手段における第3位置と前記第1位置との間の第1距離よりも、前記第3位置と前記第2位置との間の第2距離の方が長くなるように、前記遊技価値情報を表示可能である構成としている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】遊技機における外観を示す概略正面図である。
【
図2】遊技機における内部構成を示す概略斜視図である。
【
図3】遊技機における制御構成を示すブロック図である。
【
図4】遊技機における遊技方法を示すフローチャートである。
【
図5】遊技機における遊技メダル数の表示態様を説明するための図である。
【
図6】遊技機における遊技メダル数の計数処理時の表示態様を説明するための図である。
【
図7】遊技機における第2表示手段の変形例を説明するための図である。
【
図8】遊技機における遊技メダル数の表示態様の変形例を説明するための図である。
【
図9】遊技機における遊技ポイント数を加算する際の加算値を決定するための抽選テーブルを説明するための図表である。
【
図10】遊技機における天井ポイント数を決定するための抽選テーブルを説明するための図表である。
【
図11】遊技機における当選演出が行われた場合のサブ演出表示器の表示内容を説明するための図である。
【
図12】遊技機における遊技ポイント数を加算する際にボタン演出が行われた場合のメイン演出表示器およびサブ演出表示器の表示内容を説明するための図である。
【
図13】遊技機におけるボーナス確定画像が表示された場合のメイン演出表示器およびサブ演出表示器の表示内容を説明するための図である。
【
図14】遊技機における遊技ポイント数を更新表示する際の変形例であり、演出ボタン毎の更新態様の違いを説明するための図である。
【
図15】遊技機におけるゲーム間ボタン演出実行時の演出ボタンの操作信号と演出画像の関係を説明するためのタイミングチャートである。
【
図16】遊技機におけるAT終了画像が表示されてからAT中画像が表示された場合のメイン演出表示器の表示内容を説明するための図である。
【
図17】遊技機における複数回の操作手段の操作を伴うボタン演出が行われた場合の各操作手段の操作態様を説明するための図である。
【
図18】遊技機における複数回の操作手段の操作を伴うボタン演出が行われた場合の各操作手段の操作態様を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について説明する。
本実施形態の遊技機は、実物のメダル(遊技媒体)を使用せず、メダルをデータとして管理し、当該データ形式の疑似遊技媒体を使用して遊技を行う遊技機(以下、メダルレス遊技機という)である。
以下、メダルレス遊技機として、AT状態(ART)状態を有する6号機のスロットマシンに適用した例を説明するが、これに限らず、例えば、リアルボーナスの遊技が可能なノーマルタイプ(所謂Aタイプ)のスロットマシンに本発明を適用することもできる。
なお、メダルレス遊技機で使用されるデータとしてのメダルを「遊技メダル」と称し、過去の遊技で獲得した「遊技メダル」を遊技店側(管理装置、専用ユニット)に預けたデータとしてのメダルを「持メダル」と称する。
【0008】
本発明に係る遊技機の実施形態について、
図1~
図22を参照して説明する。
【0009】
図1は、メダルレス遊技機(遊技機)の外観を示す概略正面図である。
図2は、メダルレス遊技機(遊技機)の内部構成を示す概略斜視図である。
図1、2に示すように、メダルレス遊技機1は、筐体1bと、この筐体の開口部を開閉可能に覆う前扉1aを備えている。
前扉1aの中央部には、後方を視認可能な表示窓6が形成されており、この表示窓6を透して、リール41に表された図柄を視認することができる。
表示窓6の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の周辺に、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、第1演出ボタン2g、計数ボタン2c、精算ボタン2d、スタートレバー3、停止ボタン5などの操作手段や、遊技メダル数表示装置7、計数ボタンランプ2e、ベット数ランプ2fなどの報知手段を設けている。なお、遊技メダル数表示装置7は、段部の上面側や前面側に設けるようにしてもよい。
表示窓6の左側部には、有利区間ランプ13を設けており、表示窓6の上方には、遊技者に停止ボタン5の操作順序をナビゲートするナビランプ12を備えている。また、表示窓6の右側部には、液晶表示器で構成される、報知手段や演出手段として動作するサブ演出表示器18を備えている。
前扉1aの上部には、報知手段や演出手段として動作するメイン演出表示器8を備えている。メイン演出表示器8は、所定の表示面積を有する液晶表示器から構成される表示部8a(
図5参照)を有し、各種演出画像や遊技メダル数を表示可能としている。
【0010】
メイン演出表示器8の側方には、第2演出ボタン2hや、音による演出や報知を行うスピーカ9や、各役の入賞時やメイン演出表示器8で表示される演出に対応して光の演出や報知を行うランプ11を備えている。
【0011】
筐体1bの内部には、遊技を統括的に制御するCPUを実装した主制御部10を備え、また、主制御部10の制御下で遊技の演出等に関する制御を行うCPUを実装した副制御部20を備えている。
また、筐体1bの内部には、ドラムユニット4を備えている。ドラムユニット4は、水平方向に並設される3つのリール41a~41cを備え、これらリール41が、ステッピングモータ(図示省略)の駆動によりそれぞれ回転可能に構成されている。
各リール41a~41cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄(識別情報)が表され、リール41の停止状態において、各リール41a~41cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が表示窓6を透して視認可能となっている。
筐体1bの内部には、主制御部10及び副制御部20を含む各装置に電力を供給するための電源装置15を設けている。
筐体1bの内部には、遊技メダル数クリアボタン14や確率設定装置16が設けられており、台間装置である専用ユニット19が、各メダルレス遊技機1に対応して遊技機の外部に隣接されている(図示省略)。
【0012】
図3に示すように、主制御部10には、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、精算ボタン2d、スタートレバー3、停止ボタン5、専用ユニット19、ドラムユニット4、有利区間ランプ13、計数ボタン2c、遊技メダル数表示装置7、遊技メダル数クリアボタン14、確率設定装置16、電源装置15などの各部が接続されている。
なお、
図3の破線部(専用ユニット19)は外部の機器であることを示している。
主制御部10は、遊技に関する抽選を実行可能な抽選手段として機能するほか、上記各部の動作を検知・制御したり、遊技状態を移行したり、所定のタイミングで、所定のコマンド(制御情報)を副制御部20に出力する。
また、主制御部10は、遊技者が所有する遊技価値(遊技メダル)を記憶可能な記憶部を有し、記憶部に記憶されている遊技価値に基づきゲームを実行させる制御を行う。
副制御部20には、ナビランプ12、計数ボタンランプ2e、ベット数ランプ2f、メイン演出表示器8、サブ演出表示器18、スピーカ9、ランプ11、第1演出ボタン2g、第2演出ボタン2hなどの各部が接続されている。
副制御部20は、演出制御手段として動作し、主制御部10からのコマンド(制御情報)に応じて、上記各部の動作を制御する。
主制御部10および副制御部20のうちの何れか一方或いは両方で、本発明における、表示制御手段、第1表示制御手段、第2表示制御手段、表示態様変更制御手段が構成される。なお、遊技メダル数表示装置7が表示制御手段、表示態様変更制御手段を構成するようにしてもよい。
【0013】
要部の動作について説明する。
遊技メダル数表示装置7は、遊技価値表示手段であり、遊技に使用可能な遊技メダル(遊技価値)の総数を表示する。
このため、遊技者は、遊技メダル数表示装置7に表示されている遊技メダル数の範囲内で遊技メダルを投入して遊技を行うことができる。
遊技メダル数表示装置7は、記憶手段(RAMなど)と、例えば、7セグLEDで構成された遊技メダル数表示器7a(
図5参照)とを備え、主制御部10は、遊技メダルが貸し出されたり付与されたりした場合は、その貸出数や付与数を加算することで、加算結果(総計)を「遊技メダル数」として記憶手段に記憶(記録)し、遊技メダル数表示器7aに表示する。
また、主制御部10は、遊技メダルが投入されたり、計数されたりすると、遊技メダル数表示装置7において「記憶・表示」している「遊技メダル数」から投入数分あるいは計数分を減算する。
遊技メダルの貸出しは、台間装置である専用ユニット19の貸出操作により行われ、遊技メダルの投入は、ベットボタン2a又はMAXベットボタン2bの操作により行われる。
遊技メダル数表示装置7において記憶・表示可能な遊技メダル数(遊技価値の量)には、上限値(例えば16300とする)が設定されており、例えば入賞による付与により遊技メダルの総計が上限値を超過すると遊技ができないように「遊技不可」の制御が実行される。
「遊技不可」の状態では、スタートレバー3、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、精算ボタン2dの各操作を受付けないようにしている。
【0014】
主制御部10は、遊技メダルが貸し出されたり付与されたりした場合は、その貸出数や付与数を加算することで、加算結果(総計)を「遊技メダル数」として記憶手段に記憶(記録)するとともに、副制御部20にその時点の「遊技メダル数」を特定可能な制御情報を送信する。
また、主制御部10は、遊技メダルが投入されたり、計数されたりすると、その投入あるいは計数により減算された「遊技メダル数」を特定可能な制御情報を副制御部20に送信する。
【0015】
ベットボタン2a及びMAXベットボタン2bは、遊技の開始に際して遊技メダルを投入(ベット)するために使用される操作手段である。
ベットボタン2aは、押圧操作によりベット数「1」を設定(一時的にRAMに記憶)し、MAXベットボタン2bは、最大のベット数「3」を設定(一時的にRAMに記憶)する。
主制御部10は、ベットボタン2a又はMAXベットボタン2bの押下操作に応じ、対応するベット数を遊技メダル数表示装置7にて記憶・表示されている遊技メダル数から減算する。
【0016】
スタートレバー3は、遊技メダルが投入された後に、遊技者が遊技を開始する際に操作する操作手段である。
停止ボタン5は、スタートレバー3の操作に応じて回転するリール41を停止する際に押圧操作する操作手段である。
【0017】
計数ボタン2cは、遊技者が獲得した遊技メダルを計数処理する場合に操作する操作手段である。
具体的には、計数ボタン2cは、遊技メダル数表示器7aに表示される遊技メダル(遊技価値)の少なくとも一部を計数データとして専用ユニット19(外部)に出力するために操作する計数操作手段である。
このため、計数ボタン2cは、遊技を終了する際において操作されるが、これに限らず、原則いつでも(遊技中や遊技不可の状態でも)操作可能である。
計数ボタン2cは、押下態様によって計数の量が異なる。
例えば、計数ボタン2cが「短押し」(例えば500ミリ秒未満押下)された場合、主制御部10は、「1」の遊技メダルが計数されたこと、すなわち計数量「1」を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力する。この場合、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量「1」を減算する処理を実行する。
【0018】
計数ボタン2cが「長押し」(例えば500ミリ秒以上押下)された場合、主制御部10は、最大「50」の遊技メダルが計数されたこと、すなわち、最大計数量「50」を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力する。この場合、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量(最大「50」)を減算する処理を実行する。
例えば、遊技メダル数表示器7aにおいて「50以下」の遊技メダル数が表示されている状態において計数ボタン2cが長押しされた場合、最大「50」の遊技メダルが計数されることから、すべての遊技メダル数が計数される。
この場合、主制御部10は、計数量を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力すると共に、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量を減算する。
この結果、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数は「0」に更新される。
また、遊技メダル数表示器7aにおいて「50超」の遊技メダル数が表示されている状態において計数ボタン2cの長押しが継続された場合、1回目の長押し検知に応じ遊技メダル数「50」が計数され、2回目以降の長押し検知のたび(例えば300ミリ秒ごと)に最大「50」の遊技メダルが計数される。
この場合、主制御部10は、計数総量を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力すると共に、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数総量を減算する。
なお、長押し継続に基づく専用ユニット19への計数データの出力は、長押し継続の終了時に計数総量を特定可能な計数データを一括で出力してもよく、長押し検知のたびに計数量(最大50)を特定可能な計数データを個別出力してもよい。
専用ユニット19側では、例えば専用ユニット19に設けられた返却ボタン(図示略)が操作されるまでの計数量の総数を持メダル数として管理する。
また、通常の計数ボタン2c以外に、例えば短押しで100枚計数できるボタンや、長押ししても500枚までで止めてくれる計数ボタンなど、別個の計数ボタンを設けてもよい。
【0019】
このように、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数は、計数処理によって減算することができる。
このため、遊技メダル数が上限値を超過することで「遊技不可」の状態になった場合、対処方法として、計数ボタン2cの操作により遊技メダル数を上限値以下に減らすことで「遊技不可」の状態を解除することができる。
【0020】
遊技メダル数クリアボタン14は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数をリセットする(0にする)ための店員用の操作手段である。
遊技メダル数クリアボタン14が操作された場合、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数を「0」に更新する。
このため、「遊技不可」の状態は、店員による遊技メダル数クリアボタン14の操作によっても解除することができる。
【0021】
精算ボタン2dは、設定されたベット数を遊技メダル数表示装置7に返却(移行)する場合に操作する操作手段である。
例えば、ベット数「1」が設定されている状態で精算ボタン2dが押下操作された場合、主制御部10は、ベット数をクリアすると共に、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダルに「1」を加算する。
ベット数「2」が設定されている状態で精算ボタン2dが押下操作された場合、主制御部10は、ベット数をクリアすると共に、遊技メダル数表示器7aにおいて表示されている遊技メダル数に「2」を加算する。
ベット数「3」が設定された状態で精算ボタン2dが押下操作された場合、主制御部10は、ベット数をクリアすると共に、遊技メダル数表示器7aにおいて表示されている遊技メダル数に「3」を加算する。
つまり、精算ボタン2dは、ベット数(賭け数)として設定された遊技メダル(遊技価値)を、遊技メダル数表示器7a(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル数(遊技価値)に加えるために操作可能な特定操作手段である。
このため、遊技者は、遊技を終了する場合、ベット数ランプ2fが点灯していることによりベット数が設定されていることを確認したときは、精算ボタン2dを押下すればよい。
これにより、設定中のベット数の遊技メダル数が遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数に加算されるため、その後、計数ボタン2cを押下操作すればベット数も合わせて返却することができる。
【0022】
なお、ベットボタン2aなど他の操作手段に精算ボタン2dの機能を持たせることもできる。
例えば、ベットボタン2aを「短押し」した場合はベット数「1」を設定し、ベットボタン2aを「長押し」した場合は精算ボタン2dの動作(上記返却動作)を行うようにできる。
【0023】
ベット数ランプ2fは、ベット数が設定されたことや、ベット数(1~3ベット)をLEDの点灯により、遊技開始前に報知する報知手段である。
副制御部20は、主制御部10からの制御情報の受信に基づき、ベット数「1」が設定された状態において1つのランプ(例えば
図1に示す「1BET」のランプ)を点灯し、ベット数「2」が設定された状態において2つのランプ(例えば
図1に示す「1BET」と「2BET」のランプ)を点灯し、ベット数「3」が設定された状態において3つのランプ(例えば、
図1に示す「1BET」と「2BET」と「3BET」のランプ)を点灯する制御を行う。
すなわち、ベット数ランプ2fは、賭け数表示手段であり、遊技における賭け数として設定されたベット数(遊技価値)を少なくとも遊技開始前に表示するようにしている。
副制御部20は、主制御部10からの遊技の開始(スタートレバー3の操作)を特定する情報の受信に基づき、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
【0024】
また、副制御部20は、主制御部10からの制御情報の受信に基づき、ベット数に対応する遊技メダルが投入された場合に、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
また、副制御部20は、主制御部10からの制御情報の受信に基づき、精算ボタン2dが操作されてベット数が遊技メダル数に移行された場合に、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
つまり、ベット数ランプ2fは、ベット数が設定された状態において点灯し、遊技メダルの投入、あるいは遊技メダルの精算(返却)に応じて消灯する。
なお、ベット数ランプ2fとは別個に、ベット数を表示するための表示手段を設けて、当該表示手段を主制御部10で直接制御するようにしてもよい。
【0025】
また、副制御部20は、主制御部10から送信される「遊技メダル数」を特定可能な制御情報の受信に基づき、メイン演出表示器8の表示部8aにその時点の「遊技メダル数」を表示する。したがって、「遊技メダル数」は、遊技メダル数表示器7aの他に、メイン演出表示器8においても表示されることとなり、遊技メダルの貸し出しや付与、あるいは投入や計数により「遊技メダル数」が加減算された場合には、遊技メダル数表示器7aとメイン演出表示器8の両方の数値情報が更新されることとなる。
なお、「遊技メダル数」の記憶は、副制御部20の記憶手段により行うようにしてもよい。
【0026】
有利区間ランプ13は、遊技者にとって有利な状態である旨を報知する報知手段である。
有利区間ランプ13は、有利区間中に点灯するが、有利区間中で、かつ、メダルが増加する遊技状態(AT状態等)中に点灯するようにしてもよい。
ただし、有利区間ランプ13を設けつつ、ランプを点灯しないようにもできる。
また、有利区間ランプ13を設けなくてもよい。この場合、AT状態中の認識が困難にならないように、有利区間ランプ13に代えてAT状態中に点灯するランプなどを設けることが好ましい。
【0027】
確率設定装置16はAT状態の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能である。
主制御部10は、遊技場の店員による確率設定装置16における確率設定操作に基づき、何れか1つの設定値を記憶部に記憶し、当該記憶された設定値に基づいてAT状態の当選確率を制御する。例えば、設定1が最も低い当選確率であり、大きい数字ほど当選確率が高くなっている。
【0028】
専用ユニット19は、遊技メダルの貸し出しを行う貸出装置である。
専用ユニット19は、メダルレス遊技機1の外部に併設され、メダルレス遊技機1とは接続端子板を介してデータ通信可能に接続されている。
専用ユニット19において現金の投入(紙幣)などの貸出操作が行われると、専用ユニット19は、遊技メダルの貸出数を特定可能な貸出データをメダルレス遊技機1に出力する。
メダルレス遊技機1では、主制御部10が、入力した貸出データに基づいて遊技メダルの貸出数を特定し、当該貸出数を遊技メダル数表示装置7において記憶・表示している遊技メダル数に加算する。
【0029】
専用ユニット19は、遊技メダルの返却を行う返却装置でもある。
具体的には、メダルレス遊技機1は、計数ボタン2cの操作に基づき、遊技メダルの計数量を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力する。
専用ユニット19は、メダルレス遊技機1から出力された計数データを入力すると、当該計数データに基づき特定された遊技メダルの計数量を持メダル数として管理する。
【0030】
専用ユニット19には、例えば、7セグLEDで構成された持メダル数表示器19a(
図15参照)が設けられていて、記憶管理されている持メダル数を持メダル数表示器19aに表示するようになっている。
また、専用ユニット19は、カードユニット(図示省略)を備えており、カードユニット(図示省略)において持メダル数をICカードに記憶(記録)することができる。
ICカードは、専用ユニット19に設けられた返却ボタンの操作(返却操作)によりカードユニットから排出されることができる。
排出されたICカードは、遊技場に設けられた景品交換コーナーに渡すことで、持メダル数と景品とを景品交換したり、他の専用ユニット19のカードユニットに挿入することで、持メダル数を使用して再遊技することができる。
専用ユニット19と遊技メダル数表示装置7とは連動しており、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示している遊技メダル数が少なくとも「1」以上あればICカードを返却操作により排出できず、遊技メダル数が「0」の場合に限りICカードを返却操作により排出できるようになっている。
つまり、遊技者は、遊技メダル数をすべて計数した後でなければICカードを取得することができない。
これにより、遊技者が、残存する遊技メダルの返却漏れを無くすことができる。
【0031】
専用ユニット19は、ホールコンピュータや管理コンピュータと呼ばれるコンピュータと中継装置を介して又は直接接続することが可能であり、アウト、セーフなどの遊技情報や売上情報等をコンピュータに出力できるようになっている。
これにより、例えば、コンピュータにおいてアウト数、セーフ数、景品玉数などを遊技機毎に集計したり、これらの遊技情報により誤差玉を算出できるようになっている。
これにより、例えば、コンピュータにおいてアウト数、セーフ数、景品玉数などを遊技機毎に集計したり、これらの遊技情報により誤差玉を算出できるようになっている。
【0032】
また、専用ユニット19は、遊技者が係員(店員)を呼び出す際に操作する呼出ボタンや、係員が呼び出されたことを報知する呼出ランプ等が設けられた呼出装置(図示略)と中継装置を介して又は直接接続することが可能であり、メダルレス遊技機1から受信したゲームの実行情報や特定遊技状態(AT状態等)の発生情報などの遊技情報を呼出装置に出力できるようになっている。
【0033】
メダルレス遊技機1における遊技(メダルレス遊技ともいう)について、
図4のフローチャートを参照して説明する。
まずは、ステップS1で、遊技開始処理を実行する。
遊技開始処理では、まず、メダルレス遊技機1は、専用ユニット19から出力された貸出データを入力する。
具体的には、遊技者が、専用ユニット19において遊技メダルの貸出操作を行うと、専用ユニット19から貸出数を特定可能な貸出データが出力されるので、メダルレス遊技機1は、この貸出データを入力する。
メダルレス遊技機1は、貸出データを入力すると、主制御部10が、当該貸出データに基づいて貸出数を特定し、当該貸出数に対応する遊技メダル数を遊技メダル数表示装置7において記憶・表示させるとともに、貸出数に対応する遊技メダル数を特定可能な制御情報を副制御部20に送信して、メイン演出表示器8において遊技メダル数を表示させる。
「貸出数」が「100」の場合、遊技メダル数表示装置7(遊技メダル数表示器7a)およびメイン演出表示器8において表示されている初期の遊技メダル数は「0」であるから、「0」から「100」(=0+100)に更新される。
遊技開始処理では、次に、遊技者による操作に応じ、遊技メダルの投入を行う。
具体的には、ベットボタン2a又はMAXベットボタン2bの操作に応じ、1回の遊技に使用される遊技メダル数としてベット数を設定する。
遊技メダル数表示装置7(遊技メダル数表示器7a)およびメイン演出表示器8において遊技メダル数「100」が表示されている状態で、ベット数「3」が設定された場合、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数を「100」から「97」(=100-3)に更新し、副制御部20は、ベット数ランプ2fが有する「3BET」のランプを点灯させるとともに、メイン演出表示器8において表示されている遊技メダル数を「100」から「97」(=100-3)に更新する。
1回の遊技に使用される遊技メダル数としてベット数(例えば3ベット)が設定されると、遊技開始可能な状態となり、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。
なお、メダルレス遊技機1をベット数「3」でのみゲームを実行可能としてもよい。
【0034】
次に、ステップS2で、抽選処理を実行する。
遊技開始な状態において、スタートレバー3が傾動操作されるとゲームが開始され、主制御部10は、複数の当選役の中から、今回ゲームの当選役を決定する内部抽選処理を実行する。
副制御部20は、スタートレバー3の傾動操作に応じ、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
ベット数ランプ2fの消灯により、投入(ベット)された遊技メダル数が使用されたことが示される。
【0035】
次に、ステップS3で、リール回転処理を実行する。
具体的には、主制御部10が、複数の図柄の表されたリール41a~41cの変動を開始させる。各リール41a~41cは、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達すると、各リール41a~41cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0036】
次に、ステップS4で、リール停止処理を実行する。
各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、主制御部10は、操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止表示するように、各リール41a~41cの停止制御を行う。
【0037】
次に、ステップS5で、入賞処理を実行する。
主制御部10は、リール41の停止制御では、停止ボタン5の操作タイミングに基づき、内部抽選処理の当選結果に応じた図柄の組合せで停止するように制御が行われるところ、第3停止操作後に、有効ライン上に停止した図柄の組合せを判定した結果、所定の図柄の組合せであるときに入賞と判定する。
なお、第3停止操作後とは、遊技者が第3リールを停止するために停止操作した停止ボタン5から指等を離した時点後のことをいい、第3リールとは、3つのリール41a~41cの停止操作が各1回ずつ計3回された場合において、その最後である3操作目に停止操作(第3停止操作)されたリールをいう。
【0038】
次に、ステップS6で、払出処理(付与処理)を実行する。
特定の小役について入賞したことが判定された場合、対応する数の遊技メダルを付与する(払い出す)処理を実行する。
主制御部10は、例えば、10枚役に入賞したことを判定した場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数に付与数「10」を加算する。
【0039】
次に、ステップS7で、遊技終了処理を実行する。
遊技終了処理では、遊技メダルの計数処理を実行する。
具体的には、遊技者により計数ボタン2cが操作されると、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7に記憶・表示されている遊技メダル数を計数するとともに、メイン演出表示器8において表示されている遊技メダル数を更新表示する。
より具体的には、計数ボタン2cが短押しされた場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量「1」を減算するとともに、メイン演出表示器8において表示されている遊技メダル数から「1」を減算表示する。
計数ボタン2cが長押しされた場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から最大計数量「50」を減算するとともに、メイン演出表示器8において表示されている遊技メダル数を更新表示する。
計数ボタン2cの長押しが継続された場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から最大計数量「50」を続けて減算するとともに、メイン演出表示器8において表示されている遊技メダル数から「50」を減算表示する。
これにより計数量を特定可能な計数データが専用ユニット19に出力される。
専用ユニット19は、入力した計数データに基づき計数量の総数を持メダル数として記憶する。
専用ユニット19では、返却操作に応じ、カードユニットにおいて持メダル数がICカードに記憶され、次いで、当該ICカードがカードユニットから排出される。
なお、ICカードは、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数が「0」の場合にのみ排出可能である。
このため、遊技者は、遊技メダル数表示装置7において表示されている遊技メダル数が「0」になるまで計数ボタン2cを操作して計数処理を実行させる必要がある。
遊技者は、排出されたICカードに基づいて再遊技や景品交換を行うことができる。
再遊技は、S1において現金を投入する代わりに、ICカードをカードユニットに挿入する。
これにより、専用ユニット19における貸出操作等に応じ遊技開始処理(S1)が実行可能になり、次いで、抽選処理(S2)~払出処理(S6)が実行可能になる。
本発明に係るメダルレス遊技機1は、上述の構成に加え、以下の特徴的な構成を備えている。各項目の構成をそれぞれ単独で搭載してもよく、組み合わせて搭載してもよい。
【0040】
<遊技メダル数の表示>
次に、
図5~
図9を参照して、本発明に係るメダルレス遊技機1における遊技メダル数の表示について説明する。
【0041】
[遊技メダル数の表示位置]
まず、
図5を参照して、本実施形態のメダルレス遊技機1における遊技メダル数の表示位置について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、従来の遊技機とは異なり、物理的なメダルを使用しないで遊技を実行する構成であるので、遊技者は、表示手段(第1表示手段)としての遊技メダル数表示器7aに表示されている遊技メダル数を確認しながらメダルレス遊技機1での遊技を行うようになっている。
また、本実施形態のメダルレス遊技機1においては、遊技メダル数表示器7aにおける遊技メダル数の他に、表示手段(第2表示手段)としてのメイン演出表示器8の表示部8aにおいても遊技メダル数表示器7aにおける遊技メダル数と同数の遊技メダル数を表示可能としている。
すなわち、遊技メダル数表示装置7および副制御部20は、主制御部10からの遊技メダル数を特定可能な制御情報の受信に基づき、遊技メダル数表示器7aおよびメイン演出表示器8(表示部8a)に遊技メダル数を表示する制御を行う表示制御手段を構成するのである。
したがって、遊技者は、メイン演出表示器8において表示されている各種演出表示の近傍において遊技メダル数を確認可能となっているのである。
【0042】
さらに、本実施形態のメダルレス遊技機1においては、メイン演出表示器8(表示部8a)における遊技メダル数の表示態様を所定条件の成立に基づき変更可能としている。
具体的には、メイン演出表示器8の表示部8aにおける遊技メダル数の表示位置を、第1位置と第2位置とのいずれかに表示可能として、遊技者が保有する遊技メダル数(遊技価値)が特定値(例えば、2000枚)未満の場合には遊技メダル数を第1位置に表示し、特定値(例えば、2000枚)以上の場合には遊技メダル数を第2位置に表示するようにしている。
【0043】
図5(a)は、遊技者が保有する遊技メダル数(遊技価値)が特定値(例えば、2000枚)未満の場合において、遊技メダル数が第1位置に表示された場合のメイン演出表示器8と、遊技メダル数表示器7aの表示内容を示している。
図5(a)に示すように、遊技メダル数が特定値未満である、例えば、「200」の場合には、5桁のLEDからなる遊技メダル数表示器7aに「200」の数値情報が表示される。
また、遊技メダル数が特定値未満である、例えば、「200」の場合には、メイン演出表示器8の表示部8aの右下部の第1位置に、「200」の数値情報からなる第1遊技メダル数画像30aが表示される。
副制御部20は、表示部8aに第1遊技メダル数画像30aを表示する場合に、遊技メダル数表示器7aとの距離、例えば、遊技メダル数表示器7aの上端部から第1遊技メダル数画像30aの下端部との距離がL1となる位置に第1位置を設定する。
このように、遊技者が保有する遊技メダル数が特定値未満の場合には、メイン演出表示器8の表示部8aの右下部の第1位置に第1遊技メダル数画像30aが表示されることで、遊技メダル数表示器7aおよび表示部8aの第1位置により比較的集約した状態で遊技メダル数が表示されることとなる。
【0044】
図5(b)は、遊技者が保有する遊技メダル数(遊技価値)が特定値(例えば、2000枚)以上の場合において、遊技メダル数が第2位置に表示された場合のメイン演出表示器8と、遊技メダル数表示器7aの表示内容を示している。
図5(b)に示すように、遊技メダル数が特定値以上である、例えば、「2000」の場合には、5桁のLEDからなる遊技メダル数表示器7aに「2000」の数値情報が表示される。
また、遊技メダル数が特定値以上である、例えば、「2000」の場合には、メイン演出表示器8の表示部8aの左上部の第2位置に、「2000」の数値情報からなる第2遊技メダル数画像30bが表示される。このとき表示される第2遊技メダル数画像30bは、前述した第1遊技メダル数画像30aよりも表示面積が大きく設定されている。
副制御部20は、表示部8aに第2遊技メダル数画像30bを表示する場合に、遊技メダル数表示器7aとの距離、例えば、遊技メダル数表示器7aの上端部から第1遊技メダル数画像30aの下端部との距離がL2となる位置に第2位置を設定する。そして、遊技メダル数表示器7aと第2遊技メダル数画像30bとの間の距離L2は、遊技メダル数表示器7aと第1遊技メダル数画像30aとの間の距離L1よりも大きく設定される。
このように、遊技者が保有する遊技メダル数が特定値以上となった場合には、メイン演出表示器8の表示部8aの右下部の第1位置に表示された第1遊技メダル数画像30aから、表示部8aの左上部の第2位置の第2遊技メダル数画像30bに表示位置が変更(表示態様が変更)されて表示されることで、当該メダルレス遊技機1で遊技している遊技者以外の遊技者にも遊技メダル数が視認できる状態で表示されることとなる。
【0045】
また、メイン演出表示器8の表示部8aの略中央部には、ゲームの進行に応じて各種演出を行う演出表示部31aが設定されることとなるが、この演出表示部31aは、遊技メダル数表示器7aと第2遊技メダル数画像30bとの間に設定されることとなる。
したがって、遊技メダル数が特定値未満から特定値以上に変化した場合には、演出表示部31aの右下部の遊技メダル数の表示が、演出表示部31aを挟んで演出表示部31aの左上部に移動表示されつつ拡大表示されることとなるのである。
【0046】
以上のように、本実施形態においては、副制御部20は、遊技者が保有する遊技メダル数を遊技メダル数表示器7aとメイン演出表示器8の表示部8aに表示可能とし、遊技メダル数が特定値以上となった場合に、メイン演出表示器8の表示部8aにおける遊技メダル数の表示位置を変更するのである。
すなわち、表示制御手段としての副制御部20は、表示手段(メイン演出表示器8)に表示されている遊技価値の表示態様を変更可能な表示態様変更制御手段を含み、表示態様変更制御手段は、記憶部に記憶されている遊技価値(遊技メダル数)が特定値(例えば、「2000」)となった場合に、表示部8aにおける遊技価値の表示位置を変更可能とするのである。
したがって、遊技メダル数の表示位置の変更により、遊技者は保有する遊技メダル数が特定値以上となったことを確実に認識することが可能となるのである。
また、当該メダルレス遊技機1で遊技している遊技者以外の遊技者に対しても、遊技メダル数が特定値以上となったことをアピールすることが可能となるのである。
【0047】
また、副制御部20は、遊技メダル数が特定値未満の場合には、メイン演出表示器8の表示部8aにおける第1位置に第1遊技メダル数画像30aを表示し、遊技メダル数が特定値以上の場合には、メイン演出表示器8の表示部8aにおける第2位置に第2遊技メダル数画像30bを表示し、第2位置に第2遊技メダル数画像30bが表示された場合には、第1位置の第1遊技メダル数画像30aと遊技メダル数表示器7aとの間の距離よりも、第2位置の第2遊技メダル数画像30bと遊技メダル数表示器7aとの間の距離の方が大きくなるのである。
すなわち、表示態様変更制御手段としての副制御部20は、記憶部に記憶されている遊技価値(遊技メダル数)が特定値となっていない場合には、表示部8aにおける第1位置に遊技価値を表示可能とし、記憶部に記憶されている遊技価値が特定値となった場合には、表示部8aにおける第2位置に遊技価値を表示可能とし、第1表示手段(遊技メダル数表示器7a)と第1位置との間の第1距離(L1)よりも、第1表示手段と第2位置との間の第2距離(L2)の方が大きくなるように設定可能とするのである。
したがって、遊技メダル数が特定値未満の場合には、遊技メダル数表示器7aの遊技メダル数と、表示部8aの遊技メダル数とが近い位置で表示されることとなるので、遊技者にその時点の遊技メダル数を確実に把握させることが可能となり、例えば、遊技メダルの貸し出しが必要であるか否かを正確に判断させることが可能となるのである。
一方、遊技メダル数が特定値以上の場合には、遊技メダルの貸し出しは不要であるので、遊技メダル数表示器7aの遊技メダル数と、表示部8aの遊技メダル数とを離れた位置で表示しても何ら問題はないばかりか、メイン演出表示器8における遊技メダル数の表示位置を他の遊技者に対してより目立つ位置に設定することが可能となるのである。
【0048】
また、メイン演出表示器8の表示部8aの略中央部には、ゲームの進行に応じて各種演出を行う演出表示部31aが設定され、この演出表示部31aは、遊技メダル数表示器7aと第2遊技メダル数画像30bとの間に設定されるのである。
すなわち、表示態様変更制御手段としての副制御部20は、第1表示手段と表示部8aにおける第2位置との間に、演出表示部31aが位置するように第2位置に遊技価値を表示可能とするのである。
したがって、メイン演出表示器8で実行される各種演出の視認性を阻害することなく、目立つ位置である第2位置に第2遊技メダル数画像30bを表示することが可能となるのである。
【0049】
なお、メイン演出表示器8の表示部8aにおける第2位置は、他の遊技者が容易に遊技メダル数を確認できる位置であれば、表示部8aの左上部以外でもよく、例えば、表示部8aの右上部でもよい。また、メイン演出表示器8の表示部8aにおける第1位置は、表示部8aの左下部でもよい。
また、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、疑似ボーナス状態、AT状態)に移行した場合には、当該遊技状態中に遊技者が獲得した獲得メダル数や残りゲーム数等の数値情報をメイン演出表示器8(表示部8a)に表示する場合も多いが、この場合には、上記数値情報を遊技メダル数の表示(第1遊技メダル数画像30aあるいは第2遊技メダル数画像30b)とは異なる位置(例えば、画面左上部)に表示すればよい。また、遊技メダル数の表示の上部に獲得メダル数を並べて表示してもよく、このようにすれば、両情報の更新を見比べることが可能となる。また、遊技メダル数の表示位置の移動に応じて上記数値情報を別の位置に移動させるようにしてもよい。また、遊技メダル数の表示と上記数値情報の表示位置を同一位置に設定し、例えば、ゲーム中は数値情報を表示し、ゲーム間は遊技メダル数を表示する等、所定タイミングで切替表示を行うようにしてもよい。
【0050】
[遊技メダル数の計数処理時の表示態様]
次に、
図6を参照して、計数ボタン2cが操作された場合の遊技メダル数の表示態様について説明する。
前述したように、遊技者保有の遊技メダル数を計数する際には計数ボタン2cを操作することとなるが、この計数ボタン2cの長押しが継続された場合には、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から最大計数量「50」を続けて減算するとともに、メイン演出表示器8において表示されている遊技メダル数から「50」を減算表示することとなる。
【0051】
例えば、
図6(a)に示すように、表示部8aの第2位置の第2遊技メダル数画像30bが「3000」を示す値となっている状態から、遊技メダル数を「0」にする場合には、通常、遊技メダル数が「0」となるまで計数ボタン2cの長押し操作を継続して行うこととなる。
そして、この計数ボタン2cの長押し操作を継続して行っている間に、遊技メダル数が「2000」未満となった場合には、副制御部20は、本来ならば遊技メダル数を表示部8aの第1位置での第1遊技メダル数画像30aに移動表示することとなるが、計数処理を行っている間に限っては、
図6(b)に示すように、遊技メダル数が「2000」未満となった場合でも、第2位置での第2遊技メダル数画像30bを表示した状態のまま減算表示を継続するようにしている。
【0052】
したがって、計数ボタン2cの長押し操作を継続して行っている限り、遊技メダル数が「0」となるまで第2位置の第2遊技メダル数画像30bが継続して表示されることとなるのである。
すなわち、表示態様変更制御手段としての副制御部20は、遊技者が記憶部に記憶されている遊技価値(遊技メダル数)の計数処理を行っている場合には、記憶部に記憶されている遊技価値が、特定値以上から特定値未満となっても、表示部8aにおける第2位置での遊技価値の表示を継続可能とするのである。
これにより、遊技メダル数の計数処理が終了するまで、他の遊技者に目立つ位置で遊技メダル数を表示することが可能となり、遊技終了時における遊技者の満足感を最後まで持続させることが可能となるのである。
なお、計数ボタン2cの長押し操作の継続が途切れた場合でも、所定時間(例えば、3秒)が経過するまでは、第2位置での第2遊技メダル数画像30bを表示し、所定時間以内に長押し操作を再開した場合に、第2位置での第2遊技メダル数画像30bにより遊技メダル数の減算を再開するようにしてもよい。
また、計数処理時には所定の効果音をスピーカ9から出力するようにしてもよく、この場合、遊技メダル数が特定値未満の場合と、特定値以上の場合とで異なる効果音を出力するようにしても良い。
【0053】
[第2表示手段の変形例]
次に、
図7を参照して、第2表示手段の変形例について説明する。
本実施形態においては、前述したようにリール41の上部に第2表示手段としてのメイン演出表示器8を配設する構成であるが、
図7に示すように、リール41の上部以外に第2表示手段を配設するようにしてもよい。
【0054】
図7に示すように、本変形例においては、第2表示手段として所定面積の開口部を有する開口型メイン演出表示器32を備え、この開口部に表示窓6を設定するようにしている。また、開口型メイン演出表示器32には、複数の情報を表示可能な液晶表示器からなる開口型表示部32aが備えられる。
すなわち、開口部の後方にリール41が配設され、開口部を表示窓6としてこの表示窓6からリール41の所定範囲を前方に臨ませて構成することで、リール41の全周に亘って開口型表示部32aを配設するようにしている。
したがって、リール41の全周囲において、各種演出等が実行されることとなるのである。
また、本変形例においては、遊技メダル数表示装置7を前扉1aに形成される段部の前面側に設けるようにしている。
【0055】
図7(a)は、遊技者が保有する遊技メダル数(遊技価値)が特定値(例えば、2000枚)未満の場合において、遊技メダル数が第1位置に表示された場合の開口型メイン演出表示器32と、遊技メダル数表示器7aの表示内容を示している。
図7(a)に示すように、遊技メダル数が特定値未満である、例えば、「200」の場合には、5桁のLEDからなる遊技メダル数表示器7aに「200」の数値情報が表示される。
また、遊技メダル数が特定値未満である、例えば、「200」の場合には、副制御部20の制御により、開口型メイン演出表示器32の開口型表示部32aの左下部であって、遊技メダル数表示器7aからの距離がL3となる位置に第1位置が設定され、この第1位置に「200」の数値情報からなる第3遊技メダル数画像30cが表示される。
このように、遊技者が保有する遊技メダル数が特定値未満の場合には、開口型メイン演出表示器32の開口型表示部32aの左下部の第1位置に第3遊技メダル数画像30cが表示されることで、遊技メダル数表示器7aおよび開口型表示部32aの第1位置により比較的集約した状態で遊技メダル数が表示されることとなる。
【0056】
次に、
図7(b)は、遊技者が保有する遊技メダル数(遊技価値)が特定値(例えば、2000枚)以上の場合において、遊技メダル数が第2位置に表示された場合の開口型メイン演出表示器32と、遊技メダル数表示器7aの表示内容を示している。
図7(b)に示すように、遊技メダル数が特定値以上である、例えば、「2000」の場合には、5桁のLEDからなる遊技メダル数表示器7aに「2000」の数値情報が表示される。
また、遊技メダル数が特定値以上である、例えば、「2000」の場合には、副制御部20の制御により、開口型メイン演出表示器32の開口型表示部32aの左上部であって、遊技メダル数表示器7aからの距離がL3よりも大きいL4となる位置に第2位置が設定され、この第2位置に「2000」の数値情報からなる第4遊技メダル数画像30dが表示される。このときの第4遊技メダル数画像30dの表示面積は、第3遊技メダル数画像30cよりも大きく設定される。
このように、遊技者が保有する遊技メダル数が特定値以上となった場合には、開口型メイン演出表示器32の開口型表示部32aの左下部の第1位置に表示された第3遊技メダル数画像30cから、開口型表示部32aの左上部の第2位置の第4遊技メダル数画像30dに表示位置が変更(表示態様が変更)されて表示されることで、当該メダルレス遊技機1で遊技している遊技者以外の遊技者にも遊技メダル数が視認できる状態で表示されることとなる。
【0057】
また、開口型メイン演出表示器32の開口型表示部32aにおける表示窓6の上部には、ゲームの進行に応じて各種演出を行う上部演出表示部31bが設定されることとなるが、この上部演出表示部31bは、遊技メダル数表示器7aと第4遊技メダル数画像30dとの間に設定されることとなる。
したがって、遊技メダル数が特定値未満から特定値以上に変化した場合には、上部演出表示部31bの左下部の遊技メダル数の表示が、上部演出表示部31bを挟んで上部演出表示部31bの左上部に移動表示されつつ拡大表示されることとなるのである。
【0058】
以上のように、本変形例においては、遊技メダル数が特定値以上となった場合には、開口型メイン演出表示器32の開口型表示部32aの左下部に設定された第1位置の第3遊技メダル数画像30cが消去されるとともに、開口型表示部32aの左上部に設定された第2位置に第4遊技メダル数画像30dが表示されるのである。
したがって、前述した実施形態と同様の効果が得られる上に、リール41の周囲を効率よく利用して、各表示位置において遊技メダル数を表示することが可能となるのである。
なお、開口型メイン演出表示器32の開口型表示部32aにおける第2位置は、他の遊技者が容易に遊技メダル数を確認できる位置であれば、開口型表示部32aの左上部以外でもよく、例えば、開口型表示部32aの右上部でもよい。また、開口型メイン演出表示器32の開口型表示部32aにおける第1位置は、開口型表示部32aの右下部でもよい。
【0059】
[遊技メダル数の表示態様の変形例]
次に、
図8を参照して、第2表示手段としてのメイン演出表示器8での遊技メダル数の表示態様の変形例について説明する。
【0060】
まず、
図8(a)に示すように、第2表示手段としてのメイン演出表示器8の表示部8aにおいて、第2位置に第2遊技メダル数画像30bを表示する場合に、第2遊技メダル数画像30bの周囲を囲うようにエフェクト画像30eを表示するようにしてもよい。
このようにすれば、第2遊技メダル数画像30bがより目立つこととなり、遊技メダル数が特定値以上となったことを周囲にアピールすることが可能となるのである。
なお、エフェクト画像30eは、第2遊技メダル数画像30bがより目立つこととなればいずれでもよく、例えば、赤色等の派手な色の背景画像で構成したり、所定の模様からなる背景画像で構成したりしてもよい。
【0061】
また、
図8(b)に示すように、第2表示手段としてのメイン演出表示器8の表示部8aにおいて、第2位置に第2遊技メダル数画像30bを表示する場合に、第2遊技メダル数画像30bの周囲に常にエフェクト画像30eを表示するのではなく、例えば、1000の位の数値が加算される毎に、所定時間(例えば、5秒)だけ第2遊技メダル数画像30bの周囲に常にエフェクト画像30eを表示するようにしてもよい。
また、この場合、図示するようにエフェクト画像30eが表示されている間は、第2遊技メダル数画像30bを拡大表示するようにしてもよい。
このようにすれば、増加する遊技メダル数の節目的な時期に第2遊技メダル数画像30bを目立たたせることができ、より効率よく遊技メダル数が周囲にアピールすることが可能となるのである。
【0062】
また、遊技メダル数が多数となった場合には、途中で一部を計数処理することも考えられるが、この場合には、遊技メダル数が「0」とならない限りは、途中で計数処理した遊技メダル数と、計数処理していない遊技メダル数との合計値に基づき、遊技メダル数の表示位置を決定するようにしてもよい。
例えば、
図8(c)に示すように、遊技メダル数が「3000」の時点で、遊技メダル数が「1000」となるまで計数処理、すなわち、「2000」の遊技メダル数を計数処理した場合には、途中で計数処理した遊技メダル数と、計数処理していない遊技メダル数との合計値が特定値以上となるので、計数処理していない遊技メダル数が特定値未満である「1000」(3000-2000)となった場合でも、第2位置において第2遊技メダル数画像30bを表示するようにしてもよい。
この場合、第2遊技メダル数画像30bの下部に遊技メダル数の合計値を示す合計値画像30fを表示するようにしてもよい。
このようにすれば、遊技メダル数を途中で計数処理した場合でも、遊技者が獲得した遊技メダル数の総数が特定値以上である場合には、第2位置での第2遊技メダル数画像30bが表示されることとなるので、より効率よく遊技メダル数が周囲にアピールすることが可能となるのである。
【0063】
また、メダルレス遊技機1においては、メイン演出表示器8に表示される演出画像の大きさや位置等の演出態様が機種毎に異なることとなるので、機種によってはメイン演出表示器8における遊技メダル数の表示が演出表示の視認性を阻害する場合もある。
そこで、副制御部20の制御により、機種毎に遊技メダル数の表示位置を変更可能とするようにしてもよい。
例えば、
図8(d)に示すように、第1位置の第1遊技メダル数画像30aは、相対的に画像面積が小さく演出表示の視認性を阻害しないので、画面の左下部の機種にかかわらず固定位置に表示するようにするが、第2位置の第2遊技メダル数画像30bは、相対的に画像面積が大きく演出表示の視認性を阻害する可能性があるので、機種に応じて画面の右上部あるいは左上部のいずれかの変更可能位置に表示するようにしてもよい。
この場合、例えば、メダルレス遊技機1の電源投入時に、副制御部20の制御により第2遊技メダル数画像30bを表示する第2位置を、画面の右上部あるいは左上部のいずれかに選択する選択画像をサブ演出表示器18に表示して、第1演出ボタン2g等の操作により第2位置を選択可能な選択手段を備えればよい。
このようにすれば、メイン演出表示器8に表示される演出画像の大きさや位置等の演出態様が機種毎に異なる場合でも、演出表示の視認性を阻害しないように第2遊技メダル数画像30bを表示する第2位置を変更することが可能となるのである。
以上のように遊技メダル数の表示が行われる。
【0064】
<ボタン演出>
次に、
図9~
図14を参照して、本発明に係るメダルレス遊技機1におけるボタン演出について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、メイン演出表示器8あるいはサブ演出表示器18における各種演出の実行時に、ボタン演出を実行可能としている。
ボタン演出は、主制御部10からの制御情報の受信に基づき副制御部20の制御により実行される演出であって、第1演出ボタン2gあるいは第2演出ボタン2hの操作により、表示されている演出画像の一部あるいは全部を変化させたり、新たな演出画像を現出させたりする演出である。
すなわち、ボタン演出が実行された場合には、遊技者による第1演出ボタン2gあるいは第2演出ボタン2hの操作により演出内容を変化させることが可能となるのである。また、ボタン演出実行時には、遊技者に第1演出ボタン2gあるいは第2演出ボタン2hの操作を指示する指示画像を表示する場合もある。
【0065】
[ゲーム内容]
まず、上記ボタン演出が実行されることとなるメダルレス遊技機1におけるゲーム内容について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1の遊技は、通常遊技状態、疑似ボーナス状態、AT状態の複数の遊技状態において実行される。主制御部10は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御可能となっている。
【0066】
通常遊技状態は、遊技者にとって不利な遊技状態であり、基本的には疑似ボーナス状態を発生させるための遊技状態である。
本実施形態においては、詳細は後述するが、通常遊技状態中のゲームにおいて所定数の遊技ポイントを加算し、その合計値である遊技ポイント数が予め決定されている天井ポイント数となった場合に疑似ボーナス状態の移行条件が成立して、遊技状態を疑似ボーナス状態に移行させるようにしている。
また、通常遊技状態中における疑似ボーナス状態の移行条件は、上記遊技ポイント数が天井ポイント数となった場合以外にも成立可能となっていて、例えば、ゲーム実行時の役の抽選結果が所定のレア役の当選となった場合の所定確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態の移行条件を成立させるようにしている。
また、詳細は後述するが、通常遊技状態中のゲームにおいてレア役に当選した場合には、例えば、サブ演出表示器18においてレア役に当選したこと報知するためや、疑似ボーナス状態の移行に対する期待感を高めるための当選演出が実行される、
なお、遊技状態としては、上記した以外の遊技状態を発生させるようにしてもよく、例えば、疑似ボーナス状態の移行条件が通常遊技状態よりも成立し易いCZ状態(所謂チャンスゾーン)を所定期間発生させるようにしてもよい。
【0067】
疑似ボーナス状態は、当該疑似ボーナス状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、各々役を入賞させるための停止ボタン5の操作順序(押し順)の異なる複数種類(例えば、6種類)の押し順ベル役に対して、当選した押し順ベル役に対応する押し順ナビを実行することで、当選した押し順ベル役の入賞を容易にして遊技メダルの獲得が極めて容易となる遊技状態である。
また、疑似ボーナス状態は、所定期間継続して、その間に実行される所定のゲームにおいて、AT状態の移行抽選が行われるものとなっている。
本実施形態においては、疑似ボーナス状態は、予め定められた期間(例えば、20ゲーム)実行されるものとなっている。
【0068】
疑似ボーナス状態中においては、押し順ナビが実行されることとなるが、押し順ベル役の当選確率は、押し順ナビに従って遊技者がゲームを実行すれば遊技メダルが増加する値となっている。したがって、多数の遊技メダルを獲得可能な疑似ボーナス状態中にAT状態の移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態の終了後にAT状態が発生することとなるので、遊技者が一定の遊技メダルを獲得しつつ、次の疑似ボーナス状態を発生させるためのゲームを実行することが可能となり、相乗的に遊技者に有利な状態が生じることとなるのである。
【0069】
疑似ボーナス状態では、当該疑似ボーナス状態中の各ゲームの実行に基づきAT状態の移行抽選処理が行われ、AT状態に移行させるか否かが決定される。
そして、AT状態の移行抽選処理の結果、AT状態への移行条件が成立した場合には、疑似ボーナス状態の終了後に遊技状態がAT状態に移行することとなる。
なお、AT状態の移行抽選処理は、疑似ボーナス状態が発生した場合の一部でAT状態に移行するように行われるものであればいずれでもよく、各ゲームで固定の確率でAT状態の移行抽選を行ってもよいし、レア役に当選した場合には、レア役以外に当選した場合よりも高い確率でAT状態の移行抽選を行ってもよい。
【0070】
AT状態は、当該AT状態中のゲームにおいて、遊技者にとって有利な操作態様の報知として、疑似ボーナス状態と同様に当選した押し順ベル役に対する押し順ナビが行われることで、遊技メダルの獲得が容易な遊技状態である。
また、AT状態は、所定ゲーム数(例えば、30ゲーム)を1セットとして、そのセット中に次回以降の継続権利が付与された場合に次回のセットに継続するような継続制御(所謂セット管理型)が行われるものである。
AT状態の継続権利の付与は、AT状態中の役の抽選結果に基づき行われ、例えば、所定のレア役の当選に基づき、セット数の上乗せ抽選が行われ、上乗せ抽選に当選した場合には、所定セット分の継続権利(所謂ストック)が付与されることとなる。付与された継続権利の数は、全てを遊技者に報知してもよいし一部を報知しなくてもよい。
なお、AT状態は、当該AT状態中に遊技者が実際に獲得した遊技メダル数(純増枚数)や、AT状態中に払い出された遊技メダル数が所定数(例えば、100枚)となるまで継続するように継続制御を行うようにしてもよい。
また、終了条件の異なる複数種類のAT状態を設けて、AT状態の移行権利の獲得時に、何れかのAT状態を選択的に発生可能としてもよい。
【0071】
また、本第1実施形態においては、AT状態中のゲームにおいて、所定の条件が成立した場合には、所定期間上乗せ特化ゾーンが発生して、この上乗せ特化ゾーン中にはセット数の上乗せ抽選が上乗せ特化ゾーン中以外よりも高められて実行される。
なお、上乗せ特化ゾーンは遊技者に極めて有利となる状態であるので、上記所定の条件は、レア役のうち当選確率の低いものが当選した場合の所定確率で成立するようにすることが好ましい。
【0072】
また、本実施形態の主制御部10は、上記遊技状態とは別に、遊技区間として通常区間(非有利区間)および有利区間のいずれかに制御することが可能な区間制御手段を備えている。
通常区間は、押し順ナビが実行されることのない遊技区間、すなわち、疑似ボーナス状態やAT状態に制御不能な遊技区間であり、有利区間終了条件が成立した後、次ゲームが開始されることで開始され、有利区間移行条件が成立することで終了される。
通常区間では、有利区間ランプ13は消灯状態に制御される。
【0073】
また、通常区間では、有利区間移行条件が成立すること、例えば、内部抽選において所定の役(例えば、リプレイ役および押し順ベル役)に当選することで、有利区間に移行させることが決定される。
通常区間では、押し順ナビが実行されないものとなっている。
また、主制御部10のリセット時には通常区間に制御される。
なお、有利区間への移行時期は、上記した時期以外でもよく、例えば、有利区間移行条件が成立したゲームの終了時点(最後に操作した停止ボタン5の押圧操作を終了した瞬間等)でもよい。この場合、次ゲームが開始される前から有利区間に移行することとなる。
【0074】
有利区間は、押し順ナビが実行されることのある遊技区間、すなわち、疑似ボーナス状態やAT状態に制御可能な遊技区間であり、押し順ナビが実行され得ることで通常区間に比較して遊技者にとって有利な遊技区間である。
また、有利区間は、通常区間において有利区間移行条件が成立した後、次ゲームが開始されることで開始され、所定の有利区間終了条件が成立することで終了される。
有利区間では、有利区間ランプ13は点灯状態に制御される。
なお、有利区間への移行後、押し順ナビの実行により遊技者が保有するメダル数が増加する遊技状態(例えば、AT状態)となった時点で、有利区間ランプ13の点灯状態を開始してもよい。
【0075】
また、有利区間は、当該有利区間中における有利区間の終了条件の成立に基づき、通常区間に移行するものとなっている。
有利区間の終了条件としては、例えば、メダルレス遊技機1(主制御部10)がリセット(設定変更時も含む)された場合等が例示される。
なお、基本的にはAT状態の終了時には有利区間は継続するものとなっているが、AT状態終了時の一部で有利区間の終了条件を成立させるようにしてもよいし、AT状態の終了時の差枚数に応じて有利区間を終了するか否かを決定するようにしてもよい。
【0076】
さらに、メダルレス遊技機1には、遊技者が獲得する遊技メダル数を制限するためのリミッタ機能(以降単にリミッタという)が設けられていて、リミッタが作動した場合にも有利区間の終了条件が成立するものとなっている。
例えば、1回の有利区間における差枚数(払い出された遊技メダル数―投入された遊技メダル数)が上限枚数(例えば、+2400枚)に達した場合にリミッタが作動するものとなっている。
【0077】
また、リミッタの作動条件として、上記以外に1回の有利区間におけるゲーム数(有利区間ゲーム数)が上限ゲーム数(例えば、4000ゲーム)に達した場合を設定するようにしている。
したがって、リミッタは、1回の有利区間における差枚数が上限枚数に達した場合、あるいは1回の有利区間におけるゲーム数が上限ゲーム数に達した場合のいずれかが成立した場合に作動することとなる。
なお、リミッタの作動条件を、1回の有利区間における差枚数が上限枚数に達した場合のみに設定し、1回の有利区間におけるゲーム数に上限ゲーム数を設けないようにしてもよい。
そして、上記した何れかの有利区間の終了条件が成立した場合に有利区間が終了するものとなっている。
【0078】
また、本実施形態のメダルレス遊技機1には、遊技者が獲得する遊技メダル数を制限するための機能として上記リミッタ機能の他に、メダルレス遊技機1の電源が投入されてから遮断されるまでに遊技者側が実際に獲得する遊技メダル数(純増枚数:所謂MY)を制限する所謂コンプリート機能(単にコンプリートともいう)も設けていて、メダルレス遊技機1の電源が投入されてから遮断されるまでの純増枚数が所定数(コンプリート値である+19000枚)に達した場合に、ゲーム実行不能状態として、その後のゲームが不能となる遊技停止状態にするようにしている。
したがって、遊技店の営業中において、遊技者側が獲得するメダル数が制限されることとなるのである。
また、遊技店の営業中に、1回の有利区間中における差枚数が極めて小さい値となっていて、リミッタ機能が作動するまでに極めて多数の遊技メダルを遊技者が獲得可能な状態となっていても、リミッタ機能が作動するまでにコンプリート機能が先に作動することとなり、差枚数が極めて小さい値となっていた場合でも、遊技店側の不利益が極めて大きくなってしまうことを防止可能となるのである。
【0079】
[疑似ボーナス状態の移行制御]
次に、
図9、
図10を参照して、上述した疑似ボーナス状態の移行制御について詳しく説明する。
まず、
図9を参照して、疑似ボーナス状態の移行に関わる遊技ポイントの加算について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、上述したように、主制御部10は、通常遊技状態中のゲームにおける役の抽選結果および役の入賞結果に基づき、所定数の遊技ポイントを加算し、その加算後の合計値である遊技ポイント数が予め決定されている天井ポイント数に到達した場合に遊技状態を疑似ボーナス状態に移行させるようにしている。
また、本実施形態のメダルレス遊技機1においては、役の種類として、リプレイ役、役を入賞させるための停止ボタン5の操作順序(押し順)が設定されていない共通ベル役、役を入賞させるための押し順が設定されている複数種類(例えば、6種類)の押し順ベル役、リプレイ役やベル役(共通ベル役および押し順ベル役)よりも当選確率の低いレア役(例えば、チェリー役やスイカ役)等が設定されていて、ゲームにおける役の抽選結果(ハズレも含む)および役の入賞結果に基づき、遊技ポイント数を加算するか否か、あるいは遊技ポイント数の加算値を決定するようにしている。
なお、レア役を入賞させるためには、特定の図柄を狙った所謂目押し操作が必要となるように図柄の配列を構成することが好ましい。
【0080】
図9は、主制御部10において、通常遊技状態中のゲームにおける遊技ポイントの加算値を決定する際に用いられる抽選テーブルを示している。
図9に示すように、ゲーム終了時の役の入賞結果がベル役(共通ベル役および押し順ベル役)の入賞であった場合には、160/256の確率で遊技ポイント数に「1」を加算し、64/256の確率で遊技ポイント数に「2」を加算し、32/256の確率で遊技ポイント数に「3」を加算するような抽選が行われる。
また、役の抽選結果がレア役(例えば、チェリー役やスイカ役)の当選であった場合には、0/256の確率で遊技ポイント数に「1」を加算し、0/256の確率で遊技ポイント数に「2」を加算し、256/256の確率で遊技ポイント数に「3」を加算するような抽選が行われる。
なお、ベル役に当選しても、当選したベル役に対応する図柄組合せが停止せずにベル役が入賞しなかった場合には、遊技ポイント数が加算されないが、レア役に当選した場合には、当選したレア役に対応する図柄組合せが停止せずにレア役が入賞しなかった場合(所謂取りこぼしの場合)でも、遊技ポイント数は加算される。
【0081】
以上のような遊技ポイント数の加算抽選が行われることから、例えば、通常遊技状態中のゲームにおいて押し順ベル役に当選した場合には、押し順ナビは行われないが、当選した押し順ベル役を入賞させることができた場合には、遊技ポイント数が加算されることとなる。
また、当選確率の相対的に低いレア役に当選した場合には、多数の遊技ポイントが加算される可能性が高くなるのである。
【0082】
次に、
図10を参照して、疑似ボーナス状態に移行することとなる天井ポイント数の抽選について説明する。
主制御部10は、通常遊技状態における通常区間において、有利区間移行条件が成立した場合、および疑似ボーナス状態やAT状態が終了した場合に、その後の通常遊技状態における天井ポイント数を選択設定するようにしている。
そして、通常遊技状態のゲームにおいて獲得した遊技ポイント数が、選択設定された天井ポイント数に到達した場合に、特典の付与として疑似ボーナス状態を発生するようにしている。
【0083】
また、主制御部10は、天井ポイント数を決定するに際して、天井ポイント数を大まかに決定するための所定ゲーム数範囲が規定されたゾーンを先ずは決定し、決定されたゾーン中におけるポイント数の範囲内から1のポイント数を選択することで天井ポイント数を決定するようにしている。
上記ゾーンは、ゾーン1~4までの4種類が予め設定されていて、各々のゾーンは所定間隔を空けて設定されている。したがって、この4種類のゾーン中に実際の遊技ポイント数が到達した場合には、疑似ボーナス状態が発生する可能性が高まることとなり、所定のタイミング毎に遊技者の期待感が高まることとなるのである。
【0084】
図10は、通常区間から有利区間に移行する際、および疑似ボーナス状態やAT状態が終了した際において、天井ポイント数を抽選する際に用いられる抽選テーブルを示している。
天井ポイント数の抽選は、先ずは
図10に示した抽選テーブルを用いて天井ポイント数を決定するためのゾーンを決定し、次いで、決定されたゾーン内から天井ポイント数が決定される。
【0085】
選択される各ゾーンは、天井ポイント数として80ポイント~100ポイントの何れかが選択されるゾーン1と、天井ポイント数として230ポイント~250ポイントの何れかが選択されるゾーン2と、天井ポイント数として430ポイント~450ポイントの何れかが選択されるゾーン3と、天井ポイント数として780ポイント~800ポイントの何れかが選択されるゾーン4と、が設定されている。
【0086】
したがって、例えば、ゾーン1が選択された場合には、比較的ポイント数の少ない天井ポイント数が決定されることとなり遊技者に有利な態様でゲームが進行することとなるが、一方で、ゾーン4が選択された場合には、比較的ポイント数の多い天井ポイント数が決定されることとなり遊技者に不利な態様でゲームが進行することとなるのである。ただし、ゾーン4が選択された場合でも、最大値が800ポイントに設定されているので、それ以上の遊技ポイント数が獲得されるまでには疑似ボーナス状態は必ず発生することとなる。
【0087】
図10に示すように、例えば、確率設定装置16での設定値が設定1の場合には、48/256の確率でゾーン1が選択され、16/256の確率でゾーン2が選択され、64/256の確率でゾーン3が選択され、128/256の確率でゾーン4が選択される。
また、詳細な説明は省略するが、確率設定装置16での設定値が設定2~6の場合にも、
図10に示す各確率で何れかのゾーンが選択決定されることとなる。
【0088】
そして、図示は省略するが、各ゾーンが決定された後、ゾーン内において設定されている天井ポイント数を決定するための抽選が行われ、最終的に今回の有利区間移行後の天井ポイント数が決定されることとなる。
例えば、ゾーン1が決定された場合には、80ポイント~100ポイントのうちから何れかのポイント数が天井ポイント数として決定されるのである。
なお、上記天井ポイント数の決定は、ゾーン抽選用の乱数の抽出と同様に有利区間移行条件の成立時に抽出される天井ポイント数抽選用乱数に基づき実行され、各ゾーン内での天井ポイント数が均等に抽選されることとなるが、各ゾーン内において所定の天井ポイント数の選択率が高まるように抽選処理を行うようにしてもよい。
以上のように天井ポイント数が決定されることから、確率設定装置16での設定値が高いほど、少ない天井ポイント数が選択される確率が高くなるのである。
【0089】
[第1ボタン演出および第2ボタン演出]
次に、
図11、
図12を参照して、本実施形態のメダルレス遊技機1における第1ボタン演出および第2ボタン演出について説明する。
まず、
図11を参照して、第1ボタン演出について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、主制御部10からの制御情報の受信に基づき、副制御部20は、第1表示手段としてのサブ演出表示器18において第1操作手段としての第1演出ボタン2gを用いた第1ボタン演出を実行可能としている。
第1ボタン演出は、第1演出ボタン2gの使用を伴う演出であって、所定の演出画像が表示された後に、第1演出ボタン2gの操作に基づき、表示されている演出画像を変化させたり、新たな演出画像を現出させたりする演出である。
【0090】
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、第1ボタン演出を当選演出の一部において(所定の割合で)実行するようにしている。
当選演出は、ゲームの実行時に役の抽選結果や疑似ボーナス状態の移行抽選結果に基づき実行される演出であって、当選した役の種類を報知したり、疑似ボーナス状態の移行に対する期待感を高めたりする演出である。
当選演出の実行期間は、基本的には発生の契機となったゲームが継続している間(1のゲーム)において設定されるが、複数(例えば、2~3回)のゲームに跨って設定するようにしてもよい。
当選演出の発生条件は、例えば、レア役以外の役に当選した場合の所定確率(例えば、10%)で実行し、レア役に当選した場合の所定確率(例えば、90%)で実行するようになっている。
また、当選演出は、メイン演出表示器8あるいはサブ演出表示器18において実行可能となっていて、役の抽選結果や疑似ボーナス状態の移行抽選の結果に基づき、いずれかの表示器において選択的に実行可能となっている。
また、当選演出の実行時には、スピーカ9から所定の効果音が出力されるとともに、ランプ11が所定態様で発光するようになっている。
【0091】
図11は、通常遊技状態中のゲームにおいて所定のレア役(例えば、チェリー役)に当選した場合であって、第1ボタン演出が、第1表示手段としてのサブ演出表示器18での当選演出において実行された場合を示している。
なお、図示は省略するが通常遊技状態中においては通常遊技状態であることを示す通常遊技状態画像が表示されている。
また、通常遊技状態中においては、サブ演出表示器18の画面下方部に、その時点の遊技ポイント数を報知する第1遊技ポイント数画像41aが、他の画像とともに継続して表示される。
【0092】
まず、
図11(a)に示すように、ゲームの開始に伴いサブ演出表示器18において当選演出が実行された場合には、それまで表示されていた通常遊技状態画像が消去されるとともに、サブ演出表示器18の画面主要部に第1画像としての当選演出画像40aが表示される。
当選演出画像40aは、例えば、所定の背景上に所定のキャラクタが表示される画像(静止画あるいは動画)であって、何らかの役に当選したことを示唆する画像となっている。
なお、当選演出画像40aは上記以外でもよく、所定のアイテム画像や文字画像等でもよい。
【0093】
次に、
図11(b)に示すように、当該ゲームにおいて最初のリール41が停止されると、当選演出画像40aの表示とともに、「押して」の文字情報からなる第1操作指示画像40bが画面の上方部に表示される。また、第1演出ボタン2gが有効化されるとともに内部LEDが発光される。
すなわち、サブ演出表示器18における当選演出中において第1操作手段としての第1演出ボタン2gの操作を促す第1ボタン演出が実行されることとなるのである。
なお、第1操作指示画像40bを表示する時期は、当該ゲームが開始された時点から次のゲームが開始されるまでの間であればいずれでもよく、2番目あるいは3番目のリール41が停止された時点、ゲーム開始時点あるいはゲーム開始から所定時間(例えば、1秒)が経過した時点でもよい。
また、第1演出ボタン2gの操作を促す演出としては、「押して」の文字情報とともにサブ演出表示器18の画面に第1演出ボタン2gを模した画像を表示するようにしてもよい。
【0094】
そして、遊技者が第1演出ボタン2gを操作すると、
図11(c)に示すように、表示されていた当選演出画像40aが消去されるとともに、サブ演出表示器18の画面略中央部に「チャンス」の文字情報からなる第1画像としてのチャンスアップ画像40cが表示される。
上述したように、通常遊技状態中のゲームにおいてレア役に当選した場合には、疑似ボーナス状態の移行抽選が行われるので、チャンスアップ画像40cの表示により、レア役の当選に対する期待感や、疑似ボーナス状態の移行に対する期待感が高められることとなる。
すなわち、第1表示手段としてのサブ演出表示器18において第1ボタン演出を伴う当選演出が実行された場合に、当該ゲームにおいて、まずは第1画像としての当選演出画像40aが表示され、その後、第1操作手段としての第1演出ボタン2gが操作されると第1画像が変化してチャンスアップ画像40cが表示されることとなるのである。
【0095】
なお、第1ボタン演出が実行された場合に、次ゲーム開始までに遊技者が第1演出ボタン2gに対する操作を行わなかった場合には、チャンスアップ画像40cを表示しないようにしてもよいし、次ゲームの開始時にチャンスアップ画像40cを表示するようにしてもよい。
また、第1演出ボタン2gの操作により当選演出画像40aを消去して、チャンスアップ画像40cを現出表示するようにしているが、第1演出ボタン2gが操作された場合に、当選演出画像40aを消去せずに、当選演出画像40aを表示したままその前面側にチャンスアップ画像40cを表示するようにしてもよい。すなわち、第1画像を変化させる態様としては、当選演出画像40aからチャンスアップ画像40cに切り替えるものと、当選演出画像40aにチャンスアップ画像40cを加えるものも含まれるのである。
【0096】
また、第1演出ボタン2gの操作により現出されるチャンスアップ画像40cには、「チャンス」の文字情報の他に「激アツ」の文字情報も含まれ、予め決定されている疑似ボーナス状態への移行抽選結果に基づき、いずれかの文字情報が選択されることとなる。例えば、「チャンス」が表示された場合よりも「激アツ」が表示された場合の方が、高い確率で疑似ボーナス状態に移行するように選択制御が行われる。
また、レア役の当選に基づき当選演出が実行された場合でも、第1ボタン演出を伴わない状態で当選演出を実行するようにしてもよく、この場合には、当選演出実行中において第1演出ボタン2gの操作を必要とせずに所定の時期(例えば、全てのリール41の停止時)にチャンスアップ画像40cを表示すればよい。また、この場合には、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合には、当選していない場合よりも高い確率で第1ボタン演出を伴う当選演出を実行するようにしてもよい。
【0097】
また、上記当選演出は、レア役以外の役に当選した場合にも、所定確率で実行されることとなるが、その場合には第1ボタン演出は実行されず、所定の時期(例えば、最初のリール41が停止された時点)で、当選した役を示唆する画像が表示されることとなる。例えば、リプレイ役に当選した場合には、青色の配色のアイテム画像が表示され、共通ベル役に当選した場合には、黄色の配色のアイテム画像が表示される。
また、第1操作指示画像40bが表示されて第1演出ボタン2gが有効化された場合でも、第2演出ボタン2hは無効化されていて、この時点で第2演出ボタン2hを操作しても表示されている画像は変化しない。
【0098】
図11(c)に示すチャンスアップ画像40cが表示された後は、当該チャンスアップ画像40cの表示の契機となったレア役の当選時における疑似ボーナス状態の移行抽選結果に応じて、遊技状態が進行することとなる。
すなわち、例えば、レア役当選時に疑似ボーナス状態の移行抽選に当選していた場合には、チャンスアップ画像40cの表示以降のゲームにおいて疑似ボーナス状態が発生することとなる。
また、図示は省略したが、レア役当選時に疑似ボーナス状態の移行抽選に当選していた場合には、次ゲームから疑似ボーナス状態に移行するのではなく、所定期間の前兆期間(例えば、32ゲーム間)を挟んで疑似ボーナス状態に移行することとなる。また、前兆期間中においては、メイン演出表示器8において所定の前兆演出が実行されるとともに、前兆演出の終盤(例えば、最後の3ゲーム間)で対戦演出が実行されて、この対戦演出の結果により疑似ボーナス状態に移行することが報知されることとなる。
なお、レア役に当選したゲームの次ゲームから疑似ボーナス状態に移行させるようにしてもよいし、次ゲームから疑似ボーナス状態に移行させるか、前兆期間を挟むかを選択的に決定するようにしてもよい。
【0099】
以上のように、通常遊技状態中のゲームにおいてレア役に当選した場合に、当該ゲームの実行中にサブ演出表示器18において当選演出が実行されて当選演出画像40aが表示されるのである。
すなわち、副制御部20は、1のゲームにおいて第1表示手段(サブ演出表示器18)に第1画像(当選演出画像40a)を表示させる制御を実行可能な第1表示制御手段を備えるのである。
【0100】
また、サブ演出表示器18における当選演出が第1ボタン演出を伴う状態で実行された場合には、レア役に当選したゲームにおいて、まずは当選演出画像40aが表示され、その後、第1演出ボタン2gが操作されると第1画像が変化してチャンスアップ画像40cが表示されることとなるのである。
すなわち、第1表示制御手段としての副制御部20は、第1操作手段(第1演出ボタン2g)が操作された場合において、第1画像(当選演出画像40a)を変化させる制御を実行可能とするのである。
したがって、遊技の興趣性を向上させることが可能となるとともに、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
なお、第1ボタン演出において第1演出ボタン2gの操作により変化させる画像は、サブ演出表示器18に表示されている演出画像であれば当選演出画像40a以外でもよく、例えば、前兆演出時に表示されている演出画像でもよいし、対戦演出時に表示されている演出画像でもよい。
【0101】
次に、
図12を参照して、本実施形態のメダルレス遊技機1における第2ボタン演出について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、主制御部10からの制御情報の受信に基づき、副制御部20は、メイン演出表示器8とサブ演出表示器18、および第1演出ボタン2gと第2演出ボタン2hを用いた第2ボタン演出を実行可能としている。
第2ボタン演出は、第1演出ボタン2gあるいは第2演出ボタン2hの使用を伴う演出であって、遊技の進行に伴う所定の画像が表示された後に、第1演出ボタン2gあるいは第2演出ボタン2hの操作に基づき、表示されている画像を変化させたり、新たな画像を現出させたりする演出である。
【0102】
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、第2ボタン演出を遊技ポイント数の表示を更新する際の一部において(所定の割合で)実行するようにしている。
本実施形態においては、上述したように通常遊技状態中のゲームにおいて遊技ポイント数を増加させて疑似ボーナス状態の移行制御を行っている。そして、遊技ポイント数をメイン演出表示器8およびサブ演出表示器18に表示することでその時点の遊技ポイント数を報知している。
したがって、遊技ポイント数が増加する際には、その増加に応じてメイン演出表示器8およびサブ演出表示器18に表示されていた遊技ポイント数が更新表示されることとなる。
【0103】
また、遊技ポイント数を増加させる際には、その加算値として「1」~「3」のいずれかが選択されることとなるが、加算値が「3」であった場合の所定確率(例えば、30%)でメイン演出表示器8およびサブ演出表示器18における遊技ポイント数を更新する際に、第2ボタン演出を伴う更新演出を実行するようにしている。
すなわち、遊技ポイント数を更新表示する際に、通常ではゲーム開始後の所定の時期(例えば、ゲーム終了時点)で自動的に遊技ポイント数を更新表示することとなるが、第2ボタン演出を伴う更新演出が行われた場合には、第1演出ボタン2gあるいは第2演出ボタン2hの操作に基づき遊技ポイント数を更新表示するのである。
【0104】
図12は、通常遊技状態中のゲームにおいて遊技ポイント数が加算された場合であって、遊技ポイント数の更新表示が行われる際に第2ボタン演出が実行された場合を示している。
なお、図示は省略するが通常遊技状態中においては通常遊技状態であることを示す通常遊技状態画像がメイン演出表示器8およびサブ演出表示器18が表示される。
【0105】
まず、
図12(a)に示すように、通常遊技状態中においては、その時点の遊技ポイント数を示す画像として、第1表示手段としてのサブ演出表示器18の画面下方部に第2画像としての第1遊技ポイント数画像41aと、第2表示手段としてのメイン演出表示器8の画面右下方部に第3画像としての第2遊技ポイント数画像41bが表示される。なお、
図12(a)では遊技ポイント数が「100」の場合を例示しているので、第1遊技ポイント数画像41aおよび第2遊技ポイント数画像41bが「100P」となっている。
したがって、遊技の進行に応じて更新される遊技ポイント数が両方の表示器で報知されることとなるので、疑似ボーナス状態の移行に関わる重要な情報であるその時点の遊技ポイント数が遊技者に対して確実に報知されることとなる。
そして、図示は省略するが、遊技の進行に応じた遊技ポイント数の増加時に第2ボタン演出を伴わない場合には、ゲームの終了時点(例えば、最後のリール41を停止した時点)で、第1遊技ポイント数画像41aおよび第2遊技ポイント数画像41bにおける数値情報の双方が自動的に更新表示されることとなる。
【0106】
一方、遊技ポイント数の増加時に第2ボタン演出を伴う場合には、
図12(b)に示すように、当該ゲームの終了時点で、メイン演出表示器8における第2遊技ポイント数画像41bの上部位置に「押せ」の文字情報からなる第2操作指示画像42aが表示される。また、このとき第1演出ボタン2gおよび第2演出ボタン2hの双方が有効化されるとともに双方の内部LEDが発光される。
すなわち、サブ演出表示器18の第1遊技ポイント数画像41aおよびメイン演出表示器8の第2遊技ポイント数画像41bを更新表示する際に、第1操作手段としての第1演出ボタン2gの操作、および第2操作手段としての第2演出ボタン2hの操作を促す第2ボタン演出が開始されることとなるのである。
【0107】
なお、第2操作指示画像42aを表示する時期は、当該ゲームが開始された時点から次のゲームが開始されるまでの間であればいずれでもよく、2番目あるは3番目のリール41が停止された時点、ゲーム開始時点あるいはゲーム開始から所定時間(例えば、1秒)が経過した時点でもよい。また、第2操作指示画像42aをサブ演出表示器18に表示してもよいし、第2操作指示画像42aを表示せずに第1演出ボタン2gおよび第2演出ボタン2hの双方を有効化するのみでもよい。
また、第1演出ボタン2gおよび第2演出ボタン2hの操作を促す演出としては、「押せ」の文字情報とともにメイン演出表示器8の画面に第1演出ボタン2gおよび第2演出ボタン2hを模した画像を表示するようにしてもよい。
【0108】
そして、遊技者が第1演出ボタン2gあるいは第2演出ボタン2hを操作すると、
図12(c)に示すように、表示されていたサブ演出表示器18の第1遊技ポイント数画像41aおよびメイン演出表示器8の第2遊技ポイント数画像41bが更新表示される。
図12(c)では、遊技ポイント数が「3」増加した場合を例示しているので、第1遊技ポイント数画像41aおよび第2遊技ポイント数画像41bが「100P」から「103P」に更新表示されることとなる。また、第1遊技ポイント数画像41aの更新表示に対応してそのときの加算値を示す第1加算値画像42b(図示「3」)が表示されるとともに、第2遊技ポイント数画像41bの更新表示に対応してそのときの加算値を示す第2加算値画像42c(図示「3」)が表示されて加算値が報知される。
このように、本実施形態においては、遊技ポイント数の増加時に第2ボタン演出を伴う場合には、遊技者が第1演出ボタン2gを操作した場合でも、あるいは第2演出ボタン2hを操作した場合でも同様に第1遊技ポイント数画像41aおよび第2遊技ポイント数画像41bの更新表示が行われるのである。
【0109】
なお、第2ボタン演出が実行された場合に、遊技者が第1演出ボタン2gおよび第2演出ボタン2hに対するいずれの操作も行わなかった場合には、次ゲームの開始時に第1遊技ポイント数画像41aおよび第2遊技ポイント数画像41bの更新表示を行うことが好ましい。
また、本実施形態においては、遊技ポイント数の加算値が「3」の場合の所定確率(例えば、30%)で第2ボタン演出を行うようにしているが、加算値が「3」の場合には必ず第2ボタン演出を行うようにしてもよいし、加算値が「2」の場合の所定確率(例えば、10%)でも第2ボタン演出を行うようにしてもよい。
また、遊技者が第1演出ボタン2gあるいは第2演出ボタン2hを操作したとき(更新表示を行うとき)に、スピーカ9から所定の効果音を出力してもよいし、ランプ11を所定態様で発光するようにしてもよい。
【0110】
以上のように、本実施形態においては、通常遊技状態中のゲームの進行に関連して更新される遊技ポイント数が、サブ演出表示器18およびメイン演出表示器8において表示されるのである。
すなわち、副制御部20は、ゲームの進行に関連して、第1表示手段(サブ演出表示器18)に第2画像(第1遊技ポイント数画像41a)を表示させるとともに第2表示手段(メイン演出表示器8)に第3画像(第2遊技ポイント数画像41b)を表示させる制御を実行可能な第2表示制御手段を備えるのである。
【0111】
また、サブ演出表示器18およびメイン演出表示器8における遊技ポイント数の更新表示が、第2ボタン演出を伴う態様で実行された場合には、第1演出ボタン2gが操作された場合と、第2演出ボタン2hが操作された場合とで、第1遊技ポイント数画像41aおよび第2遊技ポイント数画像41bの双方が同様に更新表示されることとなるのである。
すなわち、第2表示制御手段としての副制御部20は、第1ボタン演出の実行中においては、第1操作手段(第1演出ボタン2g)のみが操作された場合に、第1画像(当選演出画像40a)を変化させる制御を実行するのに対して、第2ボタン演出の実行中においては、第1操作手段(第1演出ボタン2g)と第2操作手段(第2演出ボタン2h)のいずれかが操作された場合に、第2画像(第1遊技ポイント数画像41a)および第3画像(第2遊技ポイント数画像41b)を変化させる制御を実行可能とするのである。
したがって、遊技の興趣性を向上させることが可能となるとともに、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
また、第1ボタン演出の実行中においては、第1演出ボタン2gのみの操作により当選演出画像40aが変化するのに対して、第2ボタン演出の実行中においては、第1演出ボタン2gと第2演出ボタン2hのいずれかの操作により第2遊技ポイント数画像41bが変化することとなる。すなわち、遊技者にとって重要となる多数の遊技ポイント数の更新表示が、複数の操作手段により実行されることとなるので、多数の遊技ポイント数が更新表示されたことを確実に報知することが可能となるのである。
なお、第1ボタン演出において第1演出ボタン2gあるいは第2演出ボタン2hの操作により変化させる画像は、サブ演出表示器18およびメイン演出表示器8に表示されていてゲームの進行に関連したものであれば第1遊技ポイント数画像41aおよび第2遊技ポイント数画像41b以外でもよく、例えば、遊技メダル数を報知する画像でもよい。
【0112】
[第3画像の消去]
次に、
図13を参照して、本実施形態のメダルレス遊技機1における第3画像の消去について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、上述したように主制御部10からの制御情報の受信に基づき、副制御部20は、第1表示手段としてのサブ演出表示器18に第2画像としての第1遊技ポイント数画像41aを表示するとともに、第2表示手段としてのメイン演出表示器8に第3画像としての第2遊技ポイント数画像41bを表示するようにしている。
また、本実施形態のメダルレス遊技機1においては、通常遊技状態中において疑似ボーナス状態の移行条件が成立した場合に、遊技状態を遊技者にとって有利な特定の遊技状態としての疑似ボーナス状態に移行させるようにしている。
そして、遊技状態が疑似ボーナス状態に移行した場合には、当該疑似ボーナス状態に移行したことを報知する画像をメイン演出表示器8に表示することとなるが、このときメイン演出表示器8に表示されていた第2遊技ポイント数画像41bを一時的に消去するようにしている。
【0113】
図13は、疑似ボーナス状態への移行時におけるメイン演出表示器8およびサブ演出表示器18での各種画像の表示内容を示している。
まず、
図13(a)は、疑似ボーナス状態に移行する前の前兆期間中のメイン演出表示器8およびサブ演出表示器18の表示内容を示している。
本実施形態においては、通常遊技状態中に疑似ボーナス状態の移行条件が成立した場合には、前兆期間(例えば、32ゲーム間)を挟んで疑似ボーナス状態に移行させるようにしている。
そして、前兆期間中においては、メイン演出表示器8に疑似ボーナス状態の移行に対する期待感を高めるような前兆演出を実行するようにしている。また、前兆期間の終盤(例えば、最終ゲームを残した3ゲーム間)においては、例えば、味方キャラクタと敵キャラクタが対戦する対戦演出を実行させ、疑似ボーナス状態に移行することが決定していた場合には、対戦演出において味方キャラクタが勝利する画像を表示することで疑似ボーナス状態に移行することを報知するようにしている。
なお、レア役に当選したが疑似ボーナス状態の移行抽選に当選しなかった場合にも、上記同様の前兆演出(この場合はフェイク前兆演出)が実行され、その終盤で敵キャラクタが勝利する対戦演出が実行されることとなる。
【0114】
図13(a)は、上記前兆演出中において対戦演出が実行された場合を示していて、例えば、遊技ポイント数が「235」の時点で疑似ボーナス状態の移行条件が成立し、その後前兆演出中に遊技ポイント数が「240」に更新された時点を示している。
図13(a)に示すように、対戦演出が実行された場合には、メイン演出表示器8の画面主要部に対戦演出画像43aが表示される。
なお、
図13(a)では対戦演出画像43aとして簡略したものを示しているが、対戦演出が実行された場合には、味方キャラクタと敵キャラクタとがゲーム毎に攻防を繰り返すような動画が表示される。
また、対戦演出中においても、サブ演出表示器18の第1遊技ポイント数画像41a(図示「240P」)と、メイン演出表示器8の第2遊技ポイント数画像41b(図示「240P」)は継続して表示される。なお、対戦演出中においては、サブ演出表示器18においても対戦演出に対応した画像を表示するようにしてもよい。
【0115】
そして、疑似ボーナス状態の移行条件が成立していた場合には、対戦演出中の最終ゲーム(31ゲーム目のゲーム)において味方キャラクタが勝利する画像が表示されることとなるが、前兆期間の最終ゲームであるその次のゲームが開始された場合には、
図13(b)に示すように、メイン演出表示器8の画面主要部に、例えば、味方キャラクタの勝利を祝福する画像からなるボーナス確定画像43bが表示されるとともに、画面下方部に「ボーナス確定」の文字情報からなるボーナス確定情報画像43cが表示される。
このとき、それまで表示されていたメイン演出表示器8における第2遊技ポイント数画像41bが、ボーナス確定画像43bの表示とともに消去されることとなる。
【0116】
すなわち、このときには既に疑似ボーナス状態の移行が確定しているので、遊技者は第2遊技ポイント数画像41bの表示に対してはそれほど興味を持っていないので、第2遊技ポイント数画像41bを消去する一方で、疑似ボーナス状態の移行に対する遊技者の満足感を高めるためにボーナス確定画像43bやボーナス確定情報画像43cを際立たせて表示するのである。
ただし、図示するように、サブ演出表示器18における第1遊技ポイント数画像41aは継続して表示するようにしているので、この時点の遊技ポイント数に関して、遊技者は何ら問題なく確認することが可能となる。
なお、疑似ボーナス状態に移行時の遊技ポイント数を、当該疑似ボーナス状態中における特典の付与に関連付けるようにしてもよく、例えば、このときの遊技ポイント数が多いほど疑似ボーナス状態中においてAT状態の移行抽選に当選する確率を高めるようにしてもよい。このようにした場合でも、サブ演出表示器18における第1遊技ポイント数画像41aは継続して表示されるので、遊技者による遊技ポイント数の確認に対して何ら問題は生じない。
【0117】
そして、メイン演出表示器8における第2遊技ポイント数画像41bが消去された状態において、遊技者が第1演出ボタン2gあるいは第2演出ボタン2hを操作すると、
図13(c)に示すように、消去されていたメイン演出表示器8における第2遊技ポイント数画像41bが復帰表示されることとなる。
すなわち、副制御部20は、メイン演出表示器8における第2遊技ポイント数画像41bが消去された状態でも第1演出ボタン2gおよび第2演出ボタン2hを有効化し、遊技者が第1演出ボタン2gと第2演出ボタン2hのいずれかが操作された場合に、メイン演出表示器8における第2遊技ポイント数画像41bを復帰表示するのである。
なお、このとき第1演出ボタン2gおよび第2演出ボタン2hを有効化した場合でも、メイン演出表示器8において第1演出ボタン2gおよび第2演出ボタン2hの操作を促す画像は表示しないようにするか、あるいは第1演出ボタン2gおよび第2演出ボタン2hの内部LEDのみを作動(所謂隠れボタン演出として実行)させるようにすることが好ましく、このようにすれば、この状態でも第1演出ボタン2gあるいは第2演出ボタン2hを操作すれば第2遊技ポイント数画像41bが復帰表示することを認識している遊技者のみが、一定の優越感を得ることが可能となる。
【0118】
以上のように、本実施形態においては、疑似ボーナス状態の移行時に、メイン演出表示器8における第2遊技ポイント数画像41bを消去するのである。
すなわち、第2表示制御手段としての副制御部20は、特定の遊技状態(疑似ボーナス状態)の発生に関連して、第2表示手段(メイン演出表示器8)に表示されている第3画像(第2遊技ポイント数画像41b)を消去可能とするのである。
したがって、第2遊技ポイント数画像41bの表示が、疑似ボーナス状態の発生に関連してメイン演出表示器8に表示される各種画像の視認性を阻害することを防止でき、疑似ボーナス状態が発生することを確実に報知できるとともに、遊技者の期待感を効率よく向上させることが可能となるのである。
【0119】
また、メイン演出表示器8における第2遊技ポイント数画像41bが消去された状態でも、サブ演出表示器18における第1遊技ポイント数画像41aは継続して表示するようにしている。
したがって、第2遊技ポイント数画像41bが消去された状態でも、遊技者は、遊技ポイント数を何ら問題なく確認することが可能となるのである。
【0120】
また、副制御部20は、メイン演出表示器8における第2遊技ポイント数画像41bが消去された状態において、第1演出ボタン2gおよび第2演出ボタン2hを有効化し、遊技者が第1演出ボタン2gと第2演出ボタン2hのいずれかが操作された場合に、メイン演出表示器8における第2遊技ポイント数画像41bを復帰表示するのである。
すなわち、第2表示制御手段としての副制御部20は、第3画像(第2遊技ポイント数画像41b)が消去されている状態において、第1操作手段(第1演出ボタン2g)と第2操作手段(第2演出ボタン2h)のいずれかが操作された場合に、第3画像を復帰表示させる制御を実行可能とするのである。
したがって、メイン演出表示器8における第2遊技ポイント数画像41bが消去された状態においても、第1演出ボタン2gあるいは第2演出ボタン2hの操作により、その時点の遊技ポイント数を確認することが可能となるのである。
【0121】
[第2画像および第3画像を変化させる際の変形例]
次に、
図14を参照して、本実施形態のメダルレス遊技機1における第2画像および第3画像を変化させる際の変形例について説明する。
上述した実施形態においては、遊技ポイント数(第1遊技ポイント数画像41aおよび第2遊技ポイント数画像41b)の更新表示が第2ボタン演出を伴う態様で実行された場合には、第1演出ボタン2gが操作された場合でも、第2演出ボタン2hが操作された場合でも、遊技ポイント数の更新表示は同様の態様で実行されているが、本変形例においては、操作された操作手段に応じて遊技ポイント数の更新態様を異なる態様で実行するようにしている。
すなわち、第1演出ボタン2gが操作された場合の遊技ポイント数の更新態様と、第2演出ボタン2hが操作された場合の遊技ポイント数の更新態様とを異ならせるようにしている。
【0122】
図14は、副制御部20の制御により実行される操作手段毎の遊技ポイント数の更新態様を示している。
なお、
図14は、上述の
図12(b)に示した状態以降に続くものとしている。すなわち、操作手段の操作を促す第2操作指示画像42aが表示された以降の状態を示していて、遊技ポイント数に「3」が加算される場合を示している。
【0123】
まず、
図14(a)に示すように、メイン演出表示器8において第2操作指示画像42a(
図12(b)参照)が表示された後に、遊技者により第1演出ボタン2gが操作された場合には、上述(
図12(c)参照)と同様に、表示されていたサブ演出表示器18の第1遊技ポイント数画像41aおよびメイン演出表示器8の第2遊技ポイント数画像41bが更新表示される。
すなわち、第1演出ボタン2gに対する1回の操作により、第1遊技ポイント数画像41aおよび第2遊技ポイント数画像41bが「100P」から「103P」に一度に更新表示されることとなる。また、第1遊技ポイント数画像41aの更新表示に対応してそのときの加算値を示す第1加算値画像42b(図示「3」)が表示されるとともに、第2遊技ポイント数画像41bの更新表示に対応してそのときの加算値を示す第2加算値画像42c(図示「3」)が表示されて加算値が報知される。
【0124】
次に、
図14(b)に示すように、メイン演出表示器8において第2操作指示画像42aが表示された後に、遊技者により第2演出ボタン2hが操作された場合には、表示されていたサブ演出表示器18の第1遊技ポイント数画像41aおよびメイン演出表示器8の第2遊技ポイント数画像41bの更新表示が、第1演出ボタン2gが操作された場合とは異なる態様で実行される。
具体的には、第2演出ボタン2hに対する1回の操作により、第1遊技ポイント数画像41aおよび第2遊技ポイント数画像41bが「100P」から「101P」に更新表示されることとなる。また、遊技ポイント数の加算値を示す第1加算値画像42bおよび第2加算値画像42cとして「1」が表示される。
【0125】
そして、
図14(c)に示すように、その後、遊技者により第2演出ボタン2hが再度操作された場合には、上記同様に第2演出ボタン2hに対する1回の操作により、第1遊技ポイント数画像41aおよび第2遊技ポイント数画像41bが「101P」から「102P」に更新表示されることとなり、以降も同様に、第1遊技ポイント数画像41aおよび第2遊技ポイント数画像41bが「103P」となるまで、操作に対する更新態様が繰り返して行われることとなる。
すなわち、遊技者により第2演出ボタン2hが操作された場合には、第2演出ボタン2hに対する1回の操作により、遊技ポイント数が「1」ずつ更新されるような態様の更新表示が行われるのである。
なお、第1遊技ポイント数画像41aおよび第2遊技ポイント数画像41bが「103P」となる前に、第1演出ボタン2gが操作された場合、あるいは次ゲームが開始された場合には、その時点で両画像が一度に「103P」に変更される。
【0126】
以上のように、本変形例においては、遊技ポイント数(第1遊技ポイント数画像41aおよび第2遊技ポイント数画像41b)の更新表示が第2ボタン演出を伴う態様で実行された場合に、第1演出ボタン2gが操作された場合の遊技ポイント数の更新態様と、第2演出ボタン2hが操作された場合の遊技ポイント数の更新態様とを異ならせるのである。
すなわち、第2表示制御手段としての副制御部20は、第2画像(第1遊技ポイント数画像41a)および第3画像(第2遊技ポイント数画像41b)を変化させる際の態様を、操作された操作手段の種類に応じて変更可能とするのである。
したがって、遊技ポイント数の更新表示を興趣性の高い態様で実行することが可能となるとともに、遊技者の好みに応じて更新態様を変更することが可能となるのである。
以上のように第1ボタン演出および第2ボタン演出が実行される。
【0127】
[複数ゲームに跨るゲーム間ボタン演出]
次に、
図15を参照して、本実施形態のメダルレス遊技機1における複数ゲームに跨るボタン演出について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、ゲームの進行に対応して種々の演出を行っている。また、演出の一部においては、操作手段(第1演出ボタン2gあるいは第2演出ボタン2h)を用いた、上述した第1ボタン演出および第2ボタン演出以外のボタン演出も実行可能としている。
【0128】
また、第1ボタン演出および第2ボタン演出以外のボタン演出が実行された場合には、操作手段の操作態様を複数の操作態様のうちから選択的に決定していて、決定された操作態様に対応したボタン演出を実行可能としている。例えば、操作手段を1回操作すれば表示されている演出画像を変化させる通常操作、操作手段を複数回操作可能として、操作手段の連続的な操作毎に演出画像を段階的に変化させる連続操作、操作手段を継続して操作可能とし、操作手段の継続的な操作(センサーのON状態を継続させる操作)に対応して演出画像を段階的に変化させる長押し操作、のいずれかの操作態様を選択的に決定していて、決定した操作態様でのボタン演出を実行するようにしている。
また、本実施形態のメダルレス遊技機1においては、例えば、メイン演出表示器8において対戦演出等の複数のゲームに跨った連続演出が実行された場合にもボタン演出を実行可能としていて、この連続演出中において行われるゲーム間ボタン演出では、操作手段における種々の操作態様に対応した演出を実行するようにしている。
【0129】
図15は、副制御部20の制御による連続演出の実行中において、操作手段の長押し操作により演出画像を変化させるゲーム間ボタン演出が実行された場合における、操作手段の操作信号の状態および演出画像の状態を示すタイミングチャートを示している。なお、
図15は、連続演出の1回目(1G目)のゲーム実行中の所定の時期(例えば、最初のリール41を停止した時点)において、操作手段(例えば、第1演出ボタン2g)の長押し操作を促す画像が表示されるゲーム間ボタン演出が実行された場合を示している。
図15に示すように、連続演出の1回目のゲーム実行中の所定の時期に、長押し操作を促す画像の表示に応じて遊技者が操作手段を長押し操作すると、当該操作手段からの操作信号が継続してON状態に切り替えられる。
また、操作信号の継続したON状態の切り替えに応じて、例えば、メイン演出表示器8において表示されている演出画像が段階的に変化する演出が実行される。例えば、所定の配色が施されたガラス玉が、操作信号のON状態の継続時間が所定時間(例えば、2秒)となる毎に破壊されて異なる配色の新たなガラス玉が現出する演出が繰り返されるような演出が実行される。なお、ガラス玉の配色は、白色→青色→緑色→赤色等に変化し、赤色に近づくほど特典の付与に対する期待度が高くなるが、連続演出時に予め最終的に変化するガラス玉の配色は決定されていて、操作信号のON状態が長時間継続してもそれ以上のガラス玉に変化することはない。
【0130】
したがって、
図15に示すように、連続演出の1回目のゲーム実行中の所定の時期に、遊技者が操作手段を長押し操作すると、そのときメイン演出表示器8において表示されている演出画像が長押し操作の継続時間に応じて段階的に変化することとなるのである。
また、ゲーム間ボタン演出は、連続演出における1回目のゲームが終了した場合でも継続して実行され、副制御部20は、操作手段からの操作信号を継続して受け付け、当該操作信号の入力に基づき当該ゲーム終了後においても継続して演出画像の段階的な変化を実行することとなる。
さらに、ゲーム間ボタン演出は、連続演出における2回目のゲームが開始した場合でも継続して実行され、副制御部20は、操作手段からの操作信号を継続して受け付け、当該操作信号の入力に基づき2回目のゲーム実行中においても継続して演出画像の段階的な変化を実行することとなる。
なお、連続演出における2回目のゲームが終了して、3回目のゲームが開始された場合にも、上記同様にボタン演出を実行するようにしてもよい。すなわち、3ゲーム以降のゲームに跨ってゲーム間ボタン演出を実行するようにしてもよい。
【0131】
このように、副制御部20は、連続演出中において操作手段の長押し操作を要するゲーム間ボタン演出が実行された場合には、複数のゲームに跨って継続してボタン演出を実行可能とするのである。
すなわち、副制御部20は、複数のゲームに跨って連続的な連続演出を実行可能とし、連続演出中において操作手段に対する特定の操作(例えば、長押し操作)を要する操作演出(ボタン演出)を実行可能とし、連続演出中における複数のゲームに跨って、操作手段に対する継続した特定の操作が行われた場合には、当該特定の操作に対応して演出画像を変化可能とするのである。
したがって、複数のゲームに跨った操作手段の操作により演出画像が変化することとなり、従来にない斬新かつ興趣性の高い演出を実行することが可能となるのである。
特に、メダルレス遊技機1においては、遊技者の手による物理的なメダルを投入する作業の必要がないので、従来よりもボタン演出を効果的に実行可能となるのである。すなわち、一方の手でゲームを進行しつつ、他方の手で操作手段を操作することが可能となるので、複数のゲームに跨って特定の操作を要するゲーム間ボタン演出が実行された場合でも、遊技者はゲームを進行しながら何ら問題なくゲーム間ボタン演出を楽しむことが可能となるのである。
【0132】
[AT状態終了時の画像]
次に、
図16を参照して、本実施形態のメダルレス遊技機1におけるAT状態終了時の画像について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、上述したように、1セット分のAT状態が終了したときに、次セットのAT状態に移行する継続権利(所謂ストック)がない場合にAT状態を終了させるようにしている。
そして、AT状態が終了することとなる当該AT状態の最終ゲームの終了後には、AT状態が終了することを報知する画像がメイン演出表示器8において表示されることとなる。
【0133】
また、本実施形態のメダルレス遊技機1においては、主制御部10からの制御情報の受信に基づき、副制御部20は、AT状態の終了時にメイン演出表示器8に表示する画像を予め複数種類設けていて、そのときの確率設定装置16の設定値に基づき、何れかの画像に選択するようにしている。例えば、高設定になるほど選択され易い画像や、低設定になるほど選択され易い画像が生ずるような画像の選択制御を行うようにしている。
したがって、AT状態の終了時にメイン演出表示器8に表示される画像により確率設定装置16での設定値が示唆されることとなるのである。
【0134】
図16は、副制御部20の制御により、AT状態の終了時にメイン演出表示器8において表示される演出画像を示している。
まず、
図16(a)は、1セット分のAT状態が終了することとなる最終ゲームの終了後においてメイン演出表示器8に表示される演出画像を示している。
図16(a)に示すように、1セット分のAT状態が終了することとなる最終ゲームの終了後には、メイン演出表示器8の画面主要部に、AT状態が終了することを報知するAT終了画像44bが表示される。AT状態終了画像44bは、AT状態が終了することを報知する画像であれば、所定のキャラクタや文字情報を含んだ静止画でも動画でもよい。また、このときAT状態中に獲得した遊技メダル数等の成績を示すリザルト画像を含ませてもよい。
そして、通常では、この状態から次ゲームを開始すると、メイン演出表示器8においては、AT終了画像44bが消去されて、通常遊技状態中であることを報知可能な画像が表示されることとなる。
なお、AT状態の継続権利が付与されていて、そのことを明確に報知している場合には、AT状態終了画像44bは表示されず、次ゲームの開始によりAT状態中であることを示す画像が表示される。
【0135】
そして、このとき表示されるAT終了画像44bを複数種類設けていて、その時点の確率設定装置16での設定値に応じて、何れかの画像を選択するようにしている。
具体的には、画像1~画像5までの5種類が予め設定されていて、画像1は、設定値に関係しないで満遍なく選択される画像であり、画像2は、設定値が奇数値の場合に選択され易い画像であり、画像3は、設定値が偶数値の場合に選択され易い画像であり、画像4は、設定値が高い値(例えば、設定4~設定6)である場合に選択され易い画像であり、画像5は、設定値が設定6である場合に選択され易い画像となっている。
なお、設定値に関係しないで満遍なく選択される画像を設けていれば、各画像の選択率や傾向は上記以外でもよい。
【0136】
また、AT状態中においては、次回以降の継続権利が付与されていることを明確に報知しない場合もあることから、AT状態の継続権利は付与されているが明確に報知していない場合には、AT状態は継続することとなるがAT状態終了画像44bを表示した後にAT状態を継続させた方が、遊技者に意外性を与えて遊技の興趣性を高められるので、
図16(b)に示すように、一旦AT終了画像44bを表示した後の次ゲームの開始により、AT終了画像44bを消去するとともに、AT状態中であることを報知するAT中画像44aをメイン演出表示器8に表示する、所謂復活演出を行うこととなる。
そして、本実施形態のメダルレス遊技機1においては、副制御部20の制御により、この復活演出の実行時に一旦表示するAT終了画像44bとして、上記した画像1を強制的に選択するようにしている。
すなわち、復活演出の実行時に表示されるAT終了画像44bは、確率設定装置16での設定値を推測する上で何ら参考とならない画像を選択するのである。
これは、復活演出を実行せずにAT状態を継続させる場合には、AT終了画像44bは表示されないことから、復活演出時に、確率設定装置16での設定値を示唆する画像を表示してしまうと、その分遊技者に有用な情報を与えてしまうこととなり、遊技者に対して不平等感を与えてしまう虞があるからである。
【0137】
このように、副制御部20は、AT状態の終了時に復活演出を実行する場合には、AT状態の終了時に表示する画像を決定する際には、確率設定装置16での設定値を示唆しない画像を強制的に選択するのである。
すなわち、副制御部20は、AT状態の終了時に当該AT状態が終了することを報知可能な終了画像(AT終了画像44b)を表示可能とし、終了画像を決定する際には、確率設定装置16での設定値に応じて終了画像の種類を選択可能とし、終了画像を表示させた後、AT状態を継続させる場合には、当該終了画像の種類を確率設定装置16での設定値に関係なく決定するのである。
したがって、復活演出の有無に応じて遊技者に有用な情報を提供する機会が変化することで、遊技者に対して不平等感を与えてしまうことを防止することが可能となるのである。
また、遊技者に対して不平等感を与えることがないので、復活演出の実行確率を高めることが可能となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
なお、復活演出時に表示する終了画像を、確率設定装置16での設定値をより高い信頼度で示唆する画像としてもよい。
また、遊技者に対して確率設定装置16での設定値の示唆情報(例えば、各画像が表示された確率)を提供する機能(例えば、遊技者所有の携帯端末に情報を出力する機能)を備えた場合には、復活演出時に表示された終了画像を除いた分の示唆情報を提供するようにしてもよい。
【0138】
[複数回の操作手段の操作を伴うボタン演出]
次に、
図17、
図18を参照して、本実施形態のメダルレス遊技機1における1ゲームにおいて複数回の操作手段の操作を伴うボタン演出について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、上述した第1ボタン演出および第2ボタン演出以外のボタン演出であって、1回のゲームの実行中において複数回の操作手段の操作を伴うボタン演出を実行可能としている。
例えば、対戦演出中の所定の1ゲーム(例えば、最終ゲーム)における所定の時期(例えば、スタートレバー3の操作後)に、第1演出ボタン2gあるいは第2演出ボタン2hのいずれかを操作するボタン演出を実行し、その後、当該ゲームにおける異なる時期(例えば、最初のリール41の停止後)に、再度第1演出ボタン2gあるいは第2演出ボタン2hのいずれかを操作するボタン演出を実行可能としている。
そして、1ゲームにおいて、第1演出ボタン2gの操作から第2演出ボタン2hの操作、あるいは第2演出ボタン2hの操作から第1演出ボタン2gの操作、というように異なる操作手段への操作切替回数が多くなるほど特典(例えば、疑似ボーナス状態)が付与される確率が高まるようにボタン演出を実行するようにしている。
【0139】
まず、
図17を参照して、副制御部20の制御により、1ゲームにおいて異なる操作手段への操作切替回数が1回とされた場合について説明する。
図17(a)に示すように、対戦演出(例えば、3ゲーム間の対戦演出)が実行された場合にはメイン演出表示器8の画面主要部に対戦演出画像43aが表示される。
そして、対戦演出中における所定ゲーム(例えば、最終ゲーム)における第1の時期(例えば、スタートレバー3の操作後)にボタン演出が実行されて、メイン演出表示器8の画面下方部に、第1演出ボタン2gの操作を促す「下ボタンを押せ」の文字情報からなる下ボタン操作指示画像45aが表示される。
なお、図示は省略するが、このとき遊技者が第1演出ボタン2gを操作すると、メイン演出表示器8の画面の所定部に、例えば、「チャンス」の文字情報が表示されて、特典の付与に対する期待感を高めるような演出が行われる。
【0140】
そして、
図17(b)に示すように、同一ゲームにおける上記第1の時期とは異なる第2の時期(例えば、最初のリール41の停止後)に再びボタン演出が実行されて、メイン演出表示器8の画面下方部に、第2演出ボタン2hの操作を促す「上ボタンを押せ」の文字情報からなる上ボタン操作指示画像45bが表示される。
なお、図示は省略するが、このとき遊技者が第2演出ボタン2hを操作すると、メイン演出表示器8の画面の所定部に、例えば、「ボタン切替1回・熱い」の文字情報が表示されて、操作対象が、第1演出ボタン2gから第2演出ボタン2hへ切り替わって、操作切替が1回行われたことが報知されるとともに、特典の付与に対する期待感をより高めるような演出が行われる。
また、第1演出ボタン2gの操作の後に第2演出ボタン2hの操作を促す演出が実行されない場合もあり、この場合には、第1演出ボタン2gの操作の後に第2演出ボタン2hの操作を促す演出が実行された場合よりも特典が付与される確率が低くなる。
このように、1回のゲームにおいて、複数回の操作手段の操作を伴うボタン演出が実行され、その操作対象が第1演出ボタン2gから第2演出ボタン2hへ切り替わった場合には、特典が付与される確率が高くなるのである。
【0141】
次に、
図18を参照して、副制御部20の制御により、1ゲームにおいて異なる操作手段への操作切替回数が2回とされた場合について説明する。
なお、副制御部20では、対戦演出中に操作切替回数が2回行われた場合には、1回の場合よりも特典が付与される確率が高くなるようにボタン演出の制御を行うようにしている。
図18(a)に示すように、対戦演出中における所定ゲーム(例えば、最終ゲーム)における第1の時期(例えば、スタートレバー3の操作後)にボタン演出が実行されて、メイン演出表示器8の画面下方部に、第1演出ボタン2gの操作を促す「下ボタンを押せ」の文字情報からなる下ボタン操作指示画像45aが表示される。
なお、上記同様に、このとき遊技者が第1演出ボタン2gを操作すると、メイン演出表示器8の画面の所定部に、例えば、「チャンス」の文字情報が表示されて、特典の付与に対する期待感を高めるような演出が行われる。
【0142】
そして、
図18(b)に示すように、同一ゲームにおける上記第1の時期とは異なる第2の時期(例えば、左停止ボタン5aの操作による最初のリール41の停止後)に再びボタン演出が実行されて、メイン演出表示器8の画面下方部に、第2演出ボタン2hの操作を促す「上ボタンを押せ」の文字情報からなる上ボタン操作指示画像45bが表示される。
なお、上記同様に、このとき遊技者が第2演出ボタン2hを操作すると、メイン演出表示器8の画面の所定部に、例えば、「ボタン切替1回・熱い」の文字情報が表示されて、操作手段の操作が、第1演出ボタン2gから第2演出ボタン2hへ切り替わって、操作切替が1回行われたことが報知されるとともに、特典の付与に対する期待感をより高めるような演出が行われる。
【0143】
さらに、
図18(c)に示すように、同一ゲームにおける上記第2の時期とは異なる第3の時期(例えば、中停止ボタン5bの操作による2番目のリール41の停止後)に三度ボタン演出が実行されて、メイン演出表示器8の画面下方部に、第1演出ボタン2gの操作を促す「下ボタンを押せ」の文字情報からなる下ボタン操作指示画像45aが表示される。
なお、図示は省略するが、このとき遊技者が第1演出ボタン2gを操作すると、メイン演出表示器8の画面の所定部に、例えば、「ボタン切替2回・激アツ」の文字情報が表示されて、操作対象が、第1演出ボタン2gから第2演出ボタン2hへ、さらに第2演出ボタン2hから第1演出ボタン2gへ切り替わって、操作切替が2回行われたことが報知されるとともに、特典の付与に対する期待感を極めて高めるような演出が行われる。
このように、1回のゲームにおいて、複数回の操作手段の操作を伴うボタン演出が実行され、その操作対象が第1演出ボタン2gから第2演出ボタン2hへ切り替わり、さらに第2演出ボタン2hから第1演出ボタン2gへ切り替わった場合には、特典が付与される確率が極めて高くなるのである。
【0144】
以上のように、副制御部20は、1回のゲームにおいて複数回の操作手段の操作を伴うボタン演出を実行可能とし、そのときの操作対象が異なる操作手段へ切り替わった回数が多くなるほど特典(疑似ボーナス状態)が付与される確率が高くなるようにボタン演出の制御を行うのである。
したがって、遊技者が演出に参加する回数や、参加する際の操作態様が複雑になるほど特典が付与される確率が高くなるので、遊技の興趣性を向上させることが可能となるとともに、遊技者の期待感を効率よく高めることが可能となるのである。
なお、上記した操作切替は、操作対象が変更されるものであれば上記した以外でもよく、また、操作手段は、遊技者が操作可能なものであれば第2演出ボタン2hおよび第1演出ボタン2g以外(例えば、スタートレバー3や停止ボタン5)でもよい。
また、上記ボタン演出が実行される第1の時期および第2の時期は、上記した以外でもよく、例えば、第2の時期を最後のリール41の停止時期としてもよい。
また、上記ボタン演出を対戦演出における所定のゲーム中に実行するようにしているが、その他の演出(例えば、当選演出)において実行するようにしてもよい。また、当該ボタン演出を実行するゲーム中に、リール41を疑似停止させる疑似遊技を実行するようにしてもよい。
【0145】
以上説明したように、本発明は、遊技者保有の遊技価値(遊技メダル)を記憶可能な記憶部を有し、前記記憶部に記憶されている遊技価値に基づきゲームを実行可能とする遊技機(メダルレス遊技機1)において、複数の情報を表示可能な所定表示面積の表示部(8a)を有する表示手段(遊技メダル数表示器7a、メイン演出表示器8)と、前記記憶部に記憶されている遊技価値を前記表示手段に表示させる制御が可能な表示制御手段(遊技メダル数表示装置7、副制御部20)と、を備え、前記表示制御手段は、前記表示手段に表示されている遊技価値の表示態様を変更可能な表示態様変更制御手段(副制御部20)を含み、前記表示態様変更制御手段は、前記記憶部に記憶されている遊技価値が特定値(例えば、2000枚)となった場合に、前記表示部における前記遊技価値の表示位置を変更可能な構成としている。
したがって、遊技価値の表示位置の変更により、遊技者は、保有する遊技価値が特定値以上となったことを確実に認識することが可能となる。
また、当該遊技機で遊技している遊技者以外の遊技者に対しても、遊技価値が特定値以上となったことをアピールすることが可能となる。
【0146】
また、前記表示手段は、第1表示手段(遊技メダル数表示器7a)と、前記第1表示手段とは別個に設けられるとともに、前記表示部(8a)を有する第2表示手段(メイン演出表示器8)と、を含み、前記表示制御手段は、前記記憶部に記憶されている遊技価値を、前記表示部および前記第1表示手段に表示させる制御を可能とし、前記表示態様変更制御手段は、前記記憶部に記憶されている遊技価値が特定値となっていない場合には、前記表示部における第1位置に前記遊技価値を表示可能とし、前記記憶部に記憶されている遊技価値が特定値となった場合には、前記表示部における第2位置に前記遊技価値を表示可能とし、前記第1表示手段と前記第1位置との間の第1距離(L1)よりも、前記第1表示手段と前記第2位置との間の第2距離(L2)の方が大きくなるように設定可能な構成としている。
したがって、遊技価値が特定値未満の場合には、第1表示手段に表示される遊技価値と、表示部に表示される遊技価値とが近い位置で表示されることとなるので、遊技者にその時点の遊技価値を確実に把握させることが可能となり、例えば、遊技価値の貸し出しが必要であるか否かを正確に判断させることが可能となる。
一方、遊技価値が特定値以上の場合には、遊技価値の貸し出しは不要であるので、第1表示手段の遊技価値と、第2表示手段(表示部a)の遊技価値とを離れた位置で表示されていても何ら問題はないばかりか、第2表示手段における遊技価値の表示位置を他の遊技者に対してより目立つ位置に設定することが可能となる。
【0147】
また、前記表示部(8a)には、所定の演出を実行可能な演出表示部(31a)が設定され、前記表示態様変更制御手段は、前記第1表示手段(遊技メダル数表示器7a)と前記表示部における前記第2位置との間に、前記演出表示部が位置するように前記第2位置に前記遊技価値を表示可能な構成としている。
したがって、メイン演出表示器8で実行される各種演出の視認性を阻害することなく、目立つ位置である第2位置に第2遊技メダル数画像30bを表示することが可能となるのである。
【0148】
また、前記表示態様変更制御手段(副制御部20)は、遊技者が前記記憶部に記憶されている遊技価値の計数処理を行っている場合には、前記記憶部に記憶されている遊技価値が、前記特定値以上から前記特定値未満となっても、前記表示部(8a)における前記第2位置での遊技価値の表示を継続可能な構成としている。
これにより、遊技価値の計数処理が終了するまで、他の遊技者に目立つ位置で遊技価値を表示することが可能となり、遊技終了時における遊技者の満足感を最後まで持続させることが可能となる。
【0149】
なお、表示制御手段、表示態様変更制御手段は、主制御部10が備えるものであってもよいし副制御部20が備えるものであってもよいし、また、遊技メダル数表示装置7が備えるものであってもよい。また、主制御部10、副制御部20および遊技メダル数表示装置7の協働により構成されるものであってもよい。
【0150】
一方、従来の遊技機として、特許文献(特開2015-154991)には、メダルレスで遊技が可能なスロットマシンが開示されている。
しかしながら、このような従来の遊技機では、報知性を向上させる上で十分とはいえないものであった。
本実施形態の遊技機によれば、従来の遊技機が改善すべき上記課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0151】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、主制御部10は、CPUを搭載する主基板を2枚とすることもできる。
この場合、主制御部10は、主制御CPUが搭載された主制御基板とメダル数制御CPUが搭載されたメダル数制御基板とで構成することができる。
具体的には、メダル数制御CPUに、遊技メダル数表示装置7の制御や、計数ボタン2c、遊技メダル数クリアボタン14、専用ユニット19の動作に応じた制御を担わせ、それ以外の遊技を統括的に制御する動作を主制御CPUに担わせることができる。
【0152】
また、主制御部10が担う動作の一部又は全部を副制御部20が担う構成でもよく、副制御部20が担う動作の一部又は全部を主制御部10が担う構成でもよい。
例えば、副制御部20により遊技メダル数表示装置7を制御してもよく、計数ボタン2c、遊技メダル数クリアボタン14、専用ユニット19の動作に応じた制御を副制御部20が担ってもよい。
また、主制御部10により計数ボタンランプ2eやベット数ランプ2fの動作を制御してもよい。
また、本実施形態中において、「一方よりも他方の方が確率が高い」、あるいは「一方よりも他方の方が確率が低い」、と表現した場合には、一方の確率は0%を含み、他方の確率が100%を含むものとする。
また、本実施形態中において、各種抽選時に規定された数値は一例であり、幅を持った数値(2以上)でもよいし、幅を持たない数値(1)でもよい。
【0153】
また、本実施形態において、遊技機は、スロットマシンである例を示したが、パチンコ機でもよい。
すなわち、遊技球などの遊技媒体を外部に払い出さず、内部循環させてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機でもよい。
この場合、遊技機は、遊技メダル数表示装置7に対応する遊技球数表示装置を設けることができる。
その上で、例えば、遊技球数表示装置において記憶・表示されている遊技球数の多寡に応じて報知態様を変更してもよく、また、計数ボタンを長押しした場合には短押しの場合よりも計数の量を多くし、遊技球数表示装置において記憶・表示されている遊技球数が0となった後も長押しされたまま遊技球を獲得した場合に、当該遊技球を計数してもよい。
【符号の説明】
【0154】
1 メダルレス遊技機
2a ベットボタン
2b MAXベットボタン
2c 計数ボタン
2d 精算ボタン
2f ベット数ランプ
7 遊技メダル数表示装置
7a 遊技メダル数表示器
8 メイン演出表示器
10 主制御部
19 専用ユニット
19a 持メダル数表示器
19b 金額情報表示器
【要約】
【課題】効果的な情報表示を実現する遊技機を提供する。
【解決手段】複数の情報を表示可能な所定表示面積の表示部を有する表示手段と、前記記憶部に記憶されている遊技価値を前記表示手段に表示させる制御が可能な表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記表示手段に表示されている遊技価値の表示態様を変更可能な表示態様変更制御手段を含み、前記表示態様変更制御手段は、前記記憶部に記憶されている遊技価値が特定値となった場合に、前記表示部における前記遊技価値の表示位置を変更可能とした。
【選択図】
図5