(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】電源装置および電源制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240716BHJP
H02J 9/06 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
H02J9/06 120
(21)【出願番号】P 2023120341
(22)【出願日】2023-07-24
【審査請求日】2023-07-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506142794
【氏名又は名称】MIRAI-LABO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001667
【氏名又は名称】弁理士法人プロウィン
(72)【発明者】
【氏名】平塚 利男
(72)【発明者】
【氏名】平塚 雷太
(72)【発明者】
【氏名】遠山 明
(72)【発明者】
【氏名】安井 哲夫
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-296109(JP,A)
【文献】特開2009-181797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電を行う第1バッテリーおよび第2バッテリーと、
一端が前記第1バッテリーの出力部に直列接続された第1スイッチと、
一端が前記第2バッテリーの出力部に直列接続された第2スイッチと、
前記第1スイッチの他端および前記第2スイッチの他端が接続される並列接続部と、
前記第1スイッチおよび前記第2スイッチの開閉を制御するスイッチ制御部を備え、
前記スイッチ制御部は、前記第1スイッチを閉状態から開状態に変更し、前記第2スイッチを開状態から閉状態に変更する際に、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチが同時に閉状態となるオーバーラップ期間を備え
、
前記並列接続部は、DC-ACインバータに接続され、
前記オーバーラップ期間は、前記DC-ACインバータからの出力波形の0.5周期から5周期の範囲であることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
充放電を行う第1バッテリーおよび第2バッテリーと、
一端が前記第1バッテリーの出力部に直列接続された第1スイッチと、
一端が前記第2バッテリーの出力部に直列接続された第2スイッチと、
前記第1スイッチの他端および前記第2スイッチの他端が接続される並列接続部と、
前記第1スイッチおよび前記第2スイッチの開閉を制御するスイッチ制御部を備え、
前記スイッチ制御部は、前記第1スイッチを閉状態から開状態に変更し、前記第2スイッチを開状態から閉状態に変更する際に、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチが同時に閉状態となるオーバーラップ期間を備え
、
前記第1バッテリーの出力部が第1電位であり、
前記第2バッテリーの出力部が第2電位であり、
前記オーバーラップ期間において、前記並列接続部の電位が前記第1電位と前記第2電位の間である中間電位をとることを特徴とする電源装置。
【請求項3】
請求項
1に記載の電源装置であって、
前記オーバーラップ期間における前記出力波形のピーク変動が10%以下であることを特徴とする電源装置。
【請求項4】
請求項
1から3の何れか一つに記載の電源装置であって、
前記オーバーラップ期間は、5m秒以上60m秒以下の範囲であることを特徴とする電源装置。
【請求項5】
充放電を行う第1バッテリーおよび第2バッテリーと並列接続部との接続を切り替える電源制御方法であって、
前記第1バッテリーの出力部を前記並列接続部に接続し、前記第2バッテリーの出力部を前記並列接続部から切断する第1接続期間と、
前記第1バッテリーの出力部を前記並列接続部から切断し、前記第2バッテリーの出力部を前記並列接続部に接続する第2接続期間を有し、
前記第1接続期間と前記第2接続期間との間に、前記第1バッテリーの出力部および前記第2バッテリーの出力部を前記並列接続部に接続するオーバーラップ期間を備え
、
前記並列接続部は、DC-ACインバータに接続され、
前記オーバーラップ期間は、前記DC-ACインバータからの出力波形の0.5周期から5周期の範囲であることを特徴とする電源制御方法。
【請求項6】
充放電を行う第1バッテリーおよび第2バッテリーと並列接続部との接続を切り替える電源制御方法であって、
前記第1バッテリーの出力部を前記並列接続部に接続し、前記第2バッテリーの出力部を前記並列接続部から切断する第1接続期間と、
前記第1バッテリーの出力部を前記並列接続部から切断し、前記第2バッテリーの出力部を前記並列接続部に接続する第2接続期間を有し、
前記第1接続期間と前記第2接続期間との間に、前記第1バッテリーの出力部および前記第2バッテリーの出力部を前記並列接続部に接続するオーバーラップ期間を備え
、
前記第1バッテリーの出力部が第1電位であり、
前記第2バッテリーの出力部が第2電位であり、
前記オーバーラップ期間において、前記並列接続部の電位が前記第1電位と前記第2電位の間である中間電位をとることを特徴とする電源制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置および電源制御方法に関し、特に複数の二次電池を切り替えて電力を供給する電源装置および電源制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、屋外や緊急時においても電気機器を使用可能とするための電源装置が提案されている。このような電源装置では、ガソリンやガスを燃料として内燃機関の発動機を駆動し、発動機の運動エネルギーを電気エネルギーに変換するものが一般的であった。しかし、このような内燃機関を用いた電源装置では、燃料の燃焼により酸素を消費するため、室内空間や密閉された空間内での使用ができないという難点があった。そこで、近年になって電力を貯蔵した二次電池から電力を供給する電源装置も普及しつつある。
【0003】
このような二次電池を用いた電源装置では、供給可能な電力量が二次電池の充電容量に依存するため、大電力を継続して供給するには二次電池が大型化し、重量増加と高価格化を招くという問題があった。このような問題を回避するために、複数の二次電池を着脱可能に搭載して、複数の二次電池からの電力供給を切り替える電源装置も提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の電源装置では、負荷に接続された二次電池の充電残量が減少した場合や二次電池を取り外す場合に、その二次電池の接続を切り離した後に、別の二次電池を選択して負荷に接続している。
図10は、従来の電源装置におけるバッテリー切り替え時の電圧変動を示すグラフである。
【0006】
図10中の横軸は時間経過を示し、縦軸は電圧を示している。
図10中において振幅が小さく太いプロットはDC-ACインバータの入力位置での電圧を示している。
図10中において振幅が大きく細いプロットはDC-ACインバータの出力位置での電圧を示している。また、
図10では、左半分は充電残量が少なく出力電圧が小さい二次電池が負荷に接続された状態を示し、右半分は充電残量が多く出力電圧が大きい二次電池を負荷に接続した状態を示している。
図10の中央近辺では、2つの二次電池が負荷から切り離された状態を示している。
【0007】
DC-ACインバータの入力位置での電圧は、二次電池の接続を切り替える前後において変化し、切り替えの瞬間に二次電池から電力が供給されない時間が存在し、電圧が急激に低下していることが理解できる。また、DC-ACインバータの出力位置での電圧は、二次電池の接続を切り替える前後において出力が安定化した段階では変化しないが、切り替えの瞬間後に短時間の電圧変動が生じていることが理解できる。
【0008】
図10に示したように、従来の電源装置における二次電池の接続切替では、瞬間的に電力が供給されない瞬断が生じてしまい、負荷に対して電力を供給し続けることが困難である。特に、二次電池から供給される直流電流をDC-ACインバータで交流電流に変換する電源装置では、出力される交流電流の電圧変動が大きくなり、精密機器や情報機器などの誤作動を引き起こす可能性があった。また、出力電圧の変動を抑制するためには、応答性の速いインバータ電源回路が必要となり、電源装置の大型化やコストが増加してしまうという問題があった。
【0009】
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、負荷に対する複数の二次電池の接続を切り替えても、瞬断を防止しつつ出力電圧の変動を抑制して、安定した電力の供給を継続することが可能な電源装置および電源制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の電源装置は、充放電を行う第1バッテリーおよび第2バッテリーと、一端が前記第1バッテリーの出力部に直列接続された第1スイッチと、一端が前記第2バッテリーの出力部に直列接続された第2スイッチと、前記第1スイッチの他端および前記第2スイッチの他端が接続される並列接続部と、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチの開閉を制御するスイッチ制御部を備え、前記スイッチ制御部は、前記第1スイッチを閉状態から開状態に変更し、前記第2スイッチを開状態から閉状態に変更する際に、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチが同時に閉状態となるオーバーラップ期間を備え、前記並列接続部は、DC-ACインバータに接続され、前記オーバーラップ期間は、前記DC-ACインバータからの出力波形の0.5周期から5周期の範囲であることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明の電源装置は、充放電を行う第1バッテリーおよび第2バッテリーと、一端が前記第1バッテリーの出力部に直列接続された第1スイッチと、一端が前記第2バッテリーの出力部に直列接続された第2スイッチと、前記第1スイッチの他端および前記第2スイッチの他端が接続される並列接続部と、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチの開閉を制御するスイッチ制御部を備え、前記スイッチ制御部は、前記第1スイッチを閉状態から開状態に変更し、前記第2スイッチを開状態から閉状態に変更する際に、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチが同時に閉状態となるオーバーラップ期間を備え、前記第1バッテリーの出力部が第1電位であり、前記第2バッテリーの出力部が第2電位であり、前記オーバーラップ期間において、前記並列接続部の電位が前記第1電位と前記第2電位の間である中間電位をとることを特徴とする。
【0011】
このような本発明の電源装置では、第1バッテリーから第2バッテリーに接続を切り替える際に、第1スイッチと第2スイッチが同時に閉状態となるオーバーラップ期間を備えるため、負荷に対する複数の二次電池の接続を切り替えても、瞬断を防止しつつ出力電圧の変動を抑制して、安定した電力の供給を継続することが可能となる。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記オーバーラップ期間は、5m秒以上60m秒以下の範囲である。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記オーバーラップ期間における前記出力波形のピーク変動が10%以下である。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の電源制御方法は、充放電を行う第1バッテリーおよび第2バッテリーと並列接続部との接続を切り替える電源制御方法であって、前記第1バッテリーの出力部を前記並列接続部に接続し、前記第2バッテリーの出力部を前記並列接続部から切断する第1接続期間と、前記第1バッテリーの出力部を前記並列接続部から切断し、前記第2バッテリーの出力部を前記並列接続部に接続する第2接続期間を有し、前記第1接続期間と前記第2接続期間との間に、前記第1バッテリーの出力部および前記第2バッテリーの出力部を前記並列接続部に接続するオーバーラップ期間を備え、前記並列接続部は、DC-ACインバータに接続され、前記オーバーラップ期間は、前記DC-ACインバータからの出力波形の0.5周期から5周期の範囲であることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明の電源制御方法は、充放電を行う第1バッテリーおよび第2バッテリーと並列接続部との接続を切り替える電源制御方法であって、前記第1バッテリーの出力部を前記並列接続部に接続し、前記第2バッテリーの出力部を前記並列接続部から切断する第1接続期間と、前記第1バッテリーの出力部を前記並列接続部から切断し、前記第2バッテリーの出力部を前記並列接続部に接続する第2接続期間を有し、前記第1接続期間と前記第2接続期間との間に、前記第1バッテリーの出力部および前記第2バッテリーの出力部を前記並列接続部に接続するオーバーラップ期間を備え、前記第1バッテリーの出力部が第1電位であり、前記第2バッテリーの出力部が第2電位であり、前記オーバーラップ期間において、前記並列接続部の電位が前記第1電位と前記第2電位の間である中間電位をとることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、負荷に対する複数の二次電池の接続を切り替えても、瞬断を防止しつつ出力電圧の変動を抑制して、安定した電力の供給を継続することが可能な電源装置および電源制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る電源装置10の構成例を示すブロック図である。
【
図2】電源装置10における接続の切り替えを示す図であり、
図2(a)は第1接続期間を示し、
図2(b)はオーバーラップ期間を示し、
図2(c)は第2接続期間を示している。
【
図3】電源装置10における接続の切り替えを示すタイミングチャートであり、
図3(a)は第1スイッチSW1の信号を示し、
図3(b)は第2スイッチSW2の信号を示し、
図3(c)はDC-ACインバータ13の入力位置での電圧を示し、
図3(d)はDC-ACインバータ13の出力位置での電圧を示している。
【
図4】オーバーラップ期間を設けない比較例1,2における電圧変動を示すグラフであり、
図4(a)は高電圧から低電圧への切り替えを示し、
図4(b)は低電圧から高電圧への切り替えを示している。
【
図5】オーバーラップ期間を設けた場合における中間電位について示すグラフである。
【
図6】オーバーラップ期間を設けた低電圧から高電圧への切り替えを示すグラフであり、
図6(a)は実施例1を示し、
図6(b)は実施例2を示し、
図6(c)は実施例3を示し、
図6(d)は実施例4を示している。
【
図7】オーバーラップ期間を設けた高電圧から低電圧への切り替えを示すグラフであり、
図7(a)は実施例5を示し、
図7(b)は実施例6を示し、
図7(c)は実施例7を示し、
図7(d)は実施例8を示している。
【
図8】DC-ACインバータ13からの出力変動を示すグラフであり、
図8(a)は高電圧から低電圧への切り替えにおける比較例1と実施例5,6を示し、
図8(b)は低電圧から高電圧への切り替えにおける比較例2と実施例1,2を示し、
図8(c)は実施例7,8を示している。
【
図9】オーバーラップ期間無しの比較例1,2におけるDC-ACインバータ13の出力変動を示すグラフである。
【
図10】従来の電源装置におけるバッテリー切り替え時の電圧変動を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には同一の符号を付すものとし、適宜重複した説明は省略する。
図1は、本実施形態に係る電源装置10の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように電源装置10は、スイッチ制御部11と、第1バッテリー12aと、第2バッテリー12bと、第1スイッチSW1と、第2スイッチSW2と、DC-ACインバータ13と、負荷14を備えている。
【0020】
スイッチ制御部11は、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2の開閉動作を制御する部分である。スイッチ制御部11の具体的構成は限定されないが、図示しないメモリと外部記憶装置、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)、情報通信装置等を備えており、所定のプログラムに従って情報処理を行って、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2を制御するとしてもよい。また、スイッチ制御部11は、電源装置10の各部における状態を監視しておき、各部の状態と所定のプログラムに基づいて第1スイッチSW1および第2スイッチSW2の開閉動作を制御するとしてもよい。
【0021】
第1バッテリー12aおよび第2バッテリー12bは、電力の充電および放電を行うことができる二次電池である。また、公知の二次電池と同様に、第1バッテリー12aおよび第2バッテリー12bは充電および放電に用いる端子や、充電および放電を制御するBMS(Battery Management System)等を備えている。第1バッテリー12aの出力部は第1スイッチSW1の一端に接続されており、第2バッテリー12bの出力部は第2スイッチSW2に接続されている。第1バッテリー12aの出力部における電圧はVBA1であり、第2バッテリー12bの出力部における電圧はVBA2である。
【0022】
第1バッテリー12aおよび第2バッテリー12bの具体的な構成は限定されず、公知のリチウムイオン電池、ニッケル水素電池、全固体電池等を用いることができる。また、電気自動車やハイブリッド自動車等で使用された二次電池に含まれていたバッテリーセルを再利用し、第1バッテリー12aおよび第2バッテリー12bとして用いるとしてもよい。再利用されたバッテリーセルは劣化度が異なり、充電可能な容量や出力電圧が個別に相違している場合が想定されるが、本実施形態の電源装置10では問題無く使用可能である。
【0023】
第1バッテリー12aおよび第2バッテリー12bは、内部インピーダンスが10mΩ以上であることが好ましい。内部インピーダンスが10mΩ未満の場合には、後述する切替動作時のオーバーラップ期間において意図しない充電動作が発生する可能性があり、オーバーラップ期間を十分に確保することが困難になることが想定される。
【0024】
第1スイッチSW1および第2スイッチSW2は、それぞれ第1バッテリー12aおよび第2バッテリー12bの出力部に一端が接続され、開閉動作によって第1バッテリー12aおよび第2バッテリー12bと負荷14との間の接続と切断を行う部分である。
図1に示すように、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2の他端は並列接続部に接続されている。これにより、第1バッテリー12aと第1スイッチSW1の直列接続と、第2バッテリー12bと第2スイッチSW2の直列接続が、互いに並列接続されている。並列接続部の電圧はDCAC_INである。
【0025】
第1スイッチSW1および第2スイッチSW2の具体的構成は限定されず、公知の半導体スイッチや機械スイッチを用いることができる。後述するように、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2の開閉動作はミリ秒レベルで行うため、高速な切替動作が可能な電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)等の半導体スイッチを用いることが好ましい。
【0026】
DC-ACインバータ13は、並列接続部と負荷14の間に設けられ、並列接続部から入力された直流のDCAC_INを交流のAC_OUTに変換して負荷14に対して出力する部分である。DC-ACインバータ13の具体的な回路構成は限定されず、公知の構成を用いることができるが、負荷14として動作させる対象の幅を広げるためには正弦波を出力することが好ましい。DC-ACインバータ13から出力されるAC_OUTは限定されないが、各国において商用電源として用いられる100V~220Vの電圧範囲と、50~60Hzの周波数範囲であることが好ましい。
【0027】
負荷14は、DC-ACインバータ13の出力に接続され、DC-ACインバータ13から出力される交流電流によって駆動される電子機器である。負荷14は限定されないが、一例としてはコンピュータ装置やネットワーク装置、電子医療機器、超低温冷凍庫等が挙げられる。本実施形態の電源装置10では、複数の二次電池を切り替える際にも瞬断が生じず、出力電圧の変動も抑制できるため、安定的な電力供給が要求されるこれらの負荷14を接続して使用を継続することができる。
【0028】
図1では2つのバッテリーと2つのスイッチを用いた例を示しているが、バッテリーとスイッチの数は限定されず、3つ以上のバッテリーとスイッチを用いるとしてもよい。3つ以上のバッテリーを選択的に切り替える場合にも、切り替え前の第1接続期間に接続されているバッテリーと、切り替え後の第2接続期間に接続されるバッテリーとは、一対で動作する。したがって、3つ以上のバッテリーを電源装置10に備えても、接続切替の動作と制御は2つのバッテリーを用いる場合と同様となる。
【0029】
図2は、電源装置10における接続の切り替えを示す図であり、
図2(a)は第1接続期間を示し、
図2(b)はオーバーラップ期間を示し、
図2(c)は第2接続期間を示している。
図2では、簡略化のためにスイッチ制御部11の図示を省略しているが、スイッチ制御部11から送出される制御信号によって第1スイッチSW1および第2スイッチSW2が開閉制御される。また、図中に示した矢印は電流の向きの一例を模式的に表現している。
【0030】
図2(a)に示した第1接続期間では、第1スイッチSW1が閉状態(オン)で第2スイッチSW2が開状態(オフ)とされている。したがって、第1バッテリー12aから第1スイッチSW1、並列接続部まで直流電流が供給され、DC-ACインバータ13でAC_OUTに変換されて負荷14に供給される。電源装置10において、第1バッテリー12aからの放電を停止し、第2バッテリー12bからの放電に切り替える指示が発生した場合には、オーバーラップ期間に移行する。
【0031】
ここで、第1バッテリー12aからの放電を停止する場合とは、第1バッテリー12aの充電残量が低下して放電対象から充電対象に切り替わる場合が挙げられる。また、第1バッテリー12aに取り外しの動作が加えられて、図示しないロック機構が解除状態となった場合も挙げられる。また、使用者が第1バッテリー12aを放電対象から除外する指示を入力した場合が挙げられる。また、第1バッテリー12aの温度が上昇して、電源装置10に備えられた制御部によって放電を停止する保護指示が送出された場合が挙げられる。
【0032】
図2(b)に示したオーバーラップ期間では、第1スイッチSW1が閉状態(オン)で第2スイッチSW2が閉状態(オン)とされている。このオーバーラップ期間においては、第1バッテリー12aと第2バッテリー12bの電圧が高い側から並列接続部まで直流電流が供給され、DC-ACインバータ13でAC_OUTに変換されて負荷14に供給される。また、
図2(b)に示した例では第1バッテリー12aが第2バッテリー12bよりも電圧が高い例を示しており、第1バッテリー12aから第2バッテリー12bに対して電流が供給される。第2バッテリー12bのほうが第1バッテリー12aよりも電圧が高い場合には、電流の流れは逆向きとなる。所定の長さに設定されたオーバーラップ期間が経過した後に、第2接続期間に移行する。
【0033】
図2(c)に示した第2接続期間では、第1スイッチSW1が開状態(オフ)で第2スイッチSW2が閉状態(オン)とされている。したがって、第2バッテリー12bから第2スイッチSW2、並列接続部まで直流電流が供給され、DC-ACインバータ13でAC_OUTに変換されて負荷14に供給される。以後、第2バッテリー12bから供給される電力によって負荷14が継続して稼働される。
【0034】
上述したように本実施形態の電源装置10では、スイッチ制御部11が、第1スイッチSW1を閉状態から開状態に変更し、第2スイッチSW2を開状態から閉状態に変更する際に、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2が同時に閉状態となるオーバーラップ期間を備える。したがって、第1接続期間、オーバーラップ期間および第2接続期間を通して、並列接続部には第1バッテリー12aまたは第2バッテリー12bが接続され、切り替え時の瞬断が発生しない。
【0035】
また、オーバーラップ期間には、電圧が高い側である第1バッテリー12aが放電を行い、電圧が低い側である第2バッテリー12bには、充電される方向の電流が流れてしまう。このオーバーラップ期間に、第2バッテリー12bが充電される方向の電流が大きいと、第2バッテリー12bが備えているBMSの保護回路が動作して、第2バッテリー12bの充放電動作が不可能になってしまう。よって、オーバーラップ期間の長さは、第2バッテリー12bに充電方向の電流が過大に流れないように、短期間に設定する必要がある。オーバーラップ期間の長さについては、詳細を後述する。
【0036】
図3は、電源装置10における接続の切り替えを示すタイミングチャートであり、
図3(a)は第1スイッチSW1の信号を示し、
図3(b)は第2スイッチSW2の信号を示し、
図3(c)はDC-ACインバータ13の入力位置での電圧を示し、
図3(d)はDC-ACインバータ13の出力位置での電圧を示している。図中の横軸は時間tを示し、縦軸は電圧を示している。また、時間t
1までは第1接続期間を示し、時間t
1からt
2まではオーバーラップ期間を示し、時間t
2以後は第2接続期間を示している。
【0037】
図3(a)に示すように、第1スイッチSW1には、第1接続期間およびオーバーラップ期間にオン信号が印加され、第2接続期間にオフ信号が印加されている。また、
図3(b)に示すように、第2スイッチSW2には、第1接続期間にオフ信号が印加され、オーバーラップ期間および第1接続期間にオン信号が印加されている。
【0038】
図3(c)に示すように、DC-ACインバータ13の入力位置(並列接続部)での電圧は、第1接続期間には第1バッテリー12aの出力部における電圧VBA1(第1電位に相当)と略同等であり、第2接続期間には第2バッテリー12bの出力部における電圧VBA2(第2電位に相当)と略同等である。オーバーラップ期間には、DC-ACインバータ13の入力位置(並列接続部)での電圧は、VBA1とVBA2の間の電位である中間電位となっている。
【0039】
図3(c)では、中間電位としてVBA1とVBA2の平均値近傍である例を示しているが、VBA1とVBA2の間であれば平均値でなくともよい。また、
図3(c)ではオーバーラップ期間を通して中間電位が一定値である例を示しているが、VBA1とVBA2の間で電位が変化するとしてもよい。
【0040】
図3(d)に示したように、DC-ACインバータ13の出力位置での電圧AC_OUTは、正弦波の交流として出力されている。
図3(d)中においては、時間t
1より後のAC_OUTの波形に丸数字を付しており、ピークとボトムで1周期であるため各数字は出力波形の半周期順を示している。第1接続期間では、AC_OUTのピーク電圧は安定しているが、時間t
1でオーバーラップ期間に入り、DCAC_INがVBA1から中間電位に変化した後に、ピーク電圧が変動している。また、時間t
2でオーバーラップ期間から第2接続期間に入った際にも、DCAC_INが中間電位からVBA2に変化した後に、ピーク電圧が変動している。
【0041】
AC_OUTのピーク電圧の変動は、オーバーラップ期間に入ったt1と第2接続期間に入ったt2で大きくなり、正弦波の周期が経過するにしたがって減衰している。これはDC-ACインバータ13への入力電圧が変化しても、DC-ACインバータ13の性能および時定数によって目標値の出力電圧に変換されるためである。しかし、出力電圧AC_OUTのピーク電圧の変動が大きく、減衰して安定化するまでの時間が長いと、負荷14が正常に動作しなくなる可能性がある。
【0042】
そこで、本実施形態の電源装置10では、オーバーラップ期間を5m秒以上60m秒以下の範囲とすることが好ましい。より好ましくは5m秒以上20m秒以下の範囲である。または、オーバーラップ期間は、DC-ACインバータ13からの出力波形の0.5周期から5周期の範囲であることが好ましい。より好ましくは0.5周期から2周期の範囲である。さらに、オーバーラップ期間におけるDC-ACインバータ13からの出力波形のピーク変動が10%以下であることが好ましい。
【0043】
(比較例)
図4は、オーバーラップ期間を設けない比較例1,2における電圧変動を示すグラフであり、
図4(a)は高電圧から低電圧への切り替えを示し、
図4(b)は低電圧から高電圧への切り替えを示している。また、
図4中において振幅が小さく太いプロットはDC-ACインバータ13の入力位置(並列接続部)での電圧DCAC_INを示している。
図4中において振幅が大きく細いプロットはDC-ACインバータ13の出力位置での電圧AC_OUTを示している。また、
図4では、第1バッテリー12aが接続された第1接続期間を示し、右半分は第2バッテリー12bが接続された第2接続期間を示している。DC-ACインバータ13の出力は、交流100V、50Hzの正弦波であり、負荷14は1kWである。また、第1バッテリー12aの出力電圧VBA1は27V(高電圧側)で、第2バッテリー12bの出力電圧VBA2は23V(低電圧側)であった。
【0044】
図4(a)に示したように、高電圧側の第1バッテリー12aから低電圧側の第2バッテリー12bへの切り替え後に、AC_OUTのピーク変動量は-8.7%であった。また、
図4(b)に示したように、低電圧側の第2バッテリー12bから高電圧側の第1バッテリー12aへの切り替え後に、AC_OUTのピーク変動量は+12.5%であった。低電圧から高電圧への切り替えを比較例1とし、高電圧から低電圧への切り替えを比較例2とする。
【0045】
(実施例)
実施例1~4は、低電圧側の第2バッテリー12bから高電圧側の第1バッテリー12aへの切り替えであり、それぞれオーバーラップ期間を10ms、20ms、40ms、60msに設定した。実施例5~8は高電圧側の第1バッテリー12aから低電圧側の第2バッテリー12bへの切り替えであり、それぞれオーバーラップ期間を10ms、20ms、40ms、60msに設定した。実施例1~8では、比較例と同様にDC-ACインバータ13の出力が交流100V、50Hzの正弦波であり、負荷14は1kWである。また、第1バッテリー12aの出力電圧VBA1は28.36V(高電圧側)で、第2バッテリー12bの出力電圧VBA2は24.72V(低電圧側)であった。
【0046】
図5は、オーバーラップ期間を設けた場合における中間電位について示すグラフである。
図5で示した例では、実施例8の設定で負荷14を0kWにすることで、DC-ACインバータ13での電圧変換に起因するDCAC_INの変動の影響を排除している。第1接続期間と第2接続期間の間であるオーバーラップ期間において、並列接続部の電圧DCAC_INは、中間電位の26.49Vであり、第1バッテリー12aの出力電圧28.36Vと第2バッテリー12bの出力電圧24.72Vの間となっていることが理解できる。
【0047】
図6は、オーバーラップ期間を設けた低電圧から高電圧への切り替えを示すグラフであり、
図6(a)は実施例1を示し、
図6(b)は実施例2を示し、
図6(c)は実施例3を示し、
図6(d)は実施例4を示している。
図7は、オーバーラップ期間を設けた高電圧から低電圧への切り替えを示すグラフであり、
図7(a)は実施例5を示し、
図7(b)は実施例6を示し、
図7(c)は実施例7を示し、
図7(d)は実施例8を示している。
【0048】
図6および
図7に示したグラフから、比較例1,2と実施例1-8についてAC_OUTの半周期毎のピーク変動量を計測した結果のグラフを
図8に示す。
図8は、DC-ACインバータ13からの出力変動を示すグラフであり、
図8(a)は高電圧から低電圧への切り替えにおける比較例1と実施例5,6を示し、
図8(b)は低電圧から高電圧への切り替えにおける比較例2と実施例1,2を示し、
図8(c)は実施例7,8を示している。
図8の横軸は、時間t
1でオーバーラップ期間に入ってからのAC_OUTの出力波形における半周期毎のピーク順を示している。何れの例でもDC-ACインバータ13の出力は50Hzであるため、半周期は10msに相当している。
図8の縦軸は、DC-ACインバータ13の出力波形における、第1接続期間におけるピーク電圧との変動量を示している。
【0049】
図8(a)(b)に示したように、オーバーラップ期間を設けない比較例1(0ms)のプロットでは、ピーク1,2の変動量が実施例1-8よりも大きくなっている。特に、低電圧側から高電圧側への切り替えである比較例1では、ピーク1,2の変動量が10%を超えており、負荷14の動作に悪影響を及ぼす可能性がある。高電圧側から低電圧側への切り替えである比較例2では、ピーク1,2の変動量が9%弱となっている。しかし、電源装置10においては、低電圧側から高電圧側への切り替えと、高電圧側から低電圧側への切り替えが頻繁に発生するため、負荷14の使用期間においてピーク変動量が10%を超えてしまう。
【0050】
図8(a)に示した低電圧側から高電圧側への切り替えである実施例5(10ms)と実施例6(20ms)では、ピーク1,2の変動量が比較例1よりも小さく、10%以下に抑制されている。また、実施例5,6ともに、ピーク1,2以後は変動量が低下しており、DC-ACインバータ13の出力設定に収束している。実施例5,6ではそれぞれピーク4,6までプロットしており、オーバーラップ期間よりも長い時間までプロットして変動量の収束が確認できる。
【0051】
図8(b)に示した高電圧側から低電圧側への切り替えである実施例1(10ms)と実施例2(20ms)では、最大のピーク位置が比較例2とは異なっているが、最大のピーク変動量は比較例2よりも小さく8%以下に抑制されている。また、実施例1,2ともに、最大のピーク以後は変動量が低下しており、DC-ACインバータ13の出力設定に収束している。実施例1,2ではそれぞれピーク7,8までプロットしており、最大のピーク変動の位置からの収束傾向を確認できる。
【0052】
図8(c)に示した低電圧側から高電圧側への切り替えである実施例7(40ms)と実施例8(60ms)では、ピーク1,2の変動量が比較例1よりも小さく、10%以下に抑制されている。また、実施例7,8ともに、ピーク1,2以後に変動量が低下したのち、二度目のピーク変動量増加があるが、ピーク1,2を超えておらず、その後にDC-ACインバータ13の出力設定に収束している。実施例7,8ではそれぞれピーク10,11までプロットしており、二度目のピーク変動量増加の位置からの収束傾向を確認できる。
【0053】
図8(c)に示すように、実施例8ではピーク11付近までピーク変動が持続しており、オーバーラップ期間をこれ以上長く継続すると、収束までの時間が長期化してしまう。したがって、オーバーラップ期間は5m秒以上60m秒以下の範囲とすることが好ましい。また、実施例7,8ではオーバーラップ期間が終了して第2接続期間に入った段階で二度目のピーク変動量増加が生じているが、実施例5,6では二度目のピーク変動量増加は生じていない。したがって、オーバーラップ期間は5m秒以上20m秒以下の範囲であることがより好ましい。
【0054】
図9は、オーバーラップ期間無しの比較例1,2におけるDC-ACインバータ13の出力変動を示すグラフである。図中における実線のプロットは比較例1を示し、破線のプロットは比較例2を示し、一点鎖線は規格化した変動量の累積を示している。
図9に示すように、比較例1,2でオーバーラップ期間を設けない場合には、ピーク変動量はピーク3~4まででほぼ収束しており、AC_OUTの出力波形が安定化する。したがって、DC-ACインバータ13の応答時間は30~40msと見做すことができる。また、ピーク2までで変動量の累積が63%(-2デシベル)に到達しており、DC-ACインバータ13の時定数は20msとなる。
【0055】
DC-ACインバータ13の応答時間内にオーバーラップ期間を設定することで、オーバーラップ期間の終わりの時刻t2をDC-ACインバータ13の応答時間内にして、二度目のピーク変動量増加を抑制することができる。したがってオーバーラップ期間は、DC-ACインバータ13からのAC_OUTの出力波形の0.5周期から5周期の範囲であることが好ましい。
【0056】
また、DC-ACインバータ13の時定数内にオーバーラップ期間を設定することで、オーバーラップ期間の終わりの時刻t2をDC-ACインバータ13の時定数内にして、二度目のピーク変動量増加を抑制することができる。したがってオーバーラップ期間は、DC-ACインバータ13からのAC_OUTの出力波形の0.5周期から2周期の範囲であることがより好ましい。
【0057】
上述したように本実施形態の電源装置10では、第1バッテリー12aから第2バッテリー12bに接続を切り替える際に、第1スイッチSW1と第2スイッチSW2が同時に閉状態となるオーバーラップ期間を備えるため、負荷14に対する複数の二次電池の接続を切り替えても、瞬断を防止しつつ出力電圧の変動を抑制して、安定した電力の供給を継続することが可能となる。
【0058】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。第1実施形態では、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2の並列接続部と負荷14の間にDC-ACインバータ13を設けて、直流電流を交流電流に変換したが、DC-ACインバータ13に代えてDC-DCコンバータを設けるとしてもよい。DC-DCコンバータを用いる場合には、負荷14は直流電流によって駆動される電子機器が用いられる。
【0059】
DC-DCコンバータを用いる場合にも、第1スイッチSW1と第2スイッチSW2の他端は並列接続部に接続されており、第1接続期間、オーバーラップ期間、第2接続期間の順に接続を切り替える。これにより、DC-DCコンバータに入力される電圧DCAC_INには瞬断が生じず、オーバーラップ期間に中間電位となる。
【0060】
本実施形態の電源装置10でも、第1バッテリー12aから第2バッテリー12bに接続を切り替える際に、第1スイッチSW1と第2スイッチSW2が同時に閉状態となるオーバーラップ期間を備えるため、負荷14に対する複数の二次電池の接続を切り替えても、瞬断を防止しつつ出力電圧の変動を抑制して、安定した電力の供給を継続することが可能となる。
【0061】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
10…電源装置
11…スイッチ制御部
12a…第1バッテリー
12b…第2バッテリー
13…DC-ACインバータ
14…負荷
SW1…第1スイッチ
SW2…第2スイッチ
【要約】
【課題】負荷に対する複数の二次電池の接続を切り替えても、瞬断を防止しつつ出力電圧の変動を抑制して、安定した電力の供給を継続することが可能な電源装置および電源制御方法を提供する。
【解決手段】充放電を行う第1バッテリーおよび第2バッテリーと、一端が第1バッテリーの出力部に直列接続された第1スイッチと、一端が第2バッテリーの出力部に直列接続された第2スイッチと、第1スイッチの他端および第2スイッチの他端が接続される並列接続部と、第1スイッチおよび第2スイッチの開閉を制御するスイッチ制御部を備え、スイッチ制御部は、第1スイッチを閉状態から開状態に変更し、第2スイッチを開状態から閉状態に変更する際に、第1スイッチおよび第2スイッチが同時に閉状態となるオーバーラップ期間を備える電源装置。
【選択図】
図1