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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】移送機構、及び移送方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/46 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
B65G47/46 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023151783
(22)【出願日】2023-09-19
【審査請求日】2023-12-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)令和5年3月22日に、経済産業省&日本機械工業連合会 2022年度成果報告会にて公開 (2)令和5年6月6日に、FOOMA JAPAN 2023にて公開 (3)令和5年3月23日に、日刊工業新聞にて公開 (4)令和5年3月23日に、日本食糧新聞にて公開 (5)令和5年3月24日に、Impress Watchにて公開 (6)令和5年3月28日に、日刊工業新聞にて公開 (7)令和5年3月28日に、MONOistにて公開 (8)令和5年3月30日に、食品新聞にて公開 (9)令和5年3月28日に、https://www.youtube.com/watch?v=GZjYx9GFS4cにて公開 (10)令和5年3月29日に、https://www.youtube.com/watch?v=9y9iCfa5WC0にて公開 (11)令和5年6月8日に、https://www.youtube.com/watch?v=xdnywSp4FKgにて公開 (12)令和5年6月26日に、https://www.youtube.com/watch?v=oWb5pRHxWz0にて公開 (13)令和5年6月26日に、https://www.sbbit.jp/article/st/116633にて公開 (14)令和5年7月5日に、https://www.youtube.com/watch?v=v2gASx30Fw0にて公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518106124
【氏名又は名称】コネクテッドロボティクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127384
【弁理士】
【氏名又は名称】坊野 康博
(74)【代理人】
【識別番号】100152054
【弁理士】
【氏名又は名称】仲野 孝雅
(72)【発明者】
【氏名】加藤 靖也
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-232313(JP,A)
【文献】特開2000-038215(JP,A)
【文献】実開昭57-181725(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/00 - 47/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を搬送する搬送装置の搬送方向と水平面において交わる方向に離間して配置された、第1部材と、第2部材とを備え、
前記第1部材は、前記対象物を移送して前記搬送装置の搬送面に押し出すことで、前記対象物を前記搬送面上に位置している前記第2部材に接触させ、
前記第2部材は、前記第1部材によって前記搬送面に押し出された前記対象物に接触すると、前記対象物を、前記第1部材の位置している方向に、前記第1部材には接触しない距離だけ移送する、
ことを特徴とする移送機構。
【請求項2】
前記搬送装置の搬送方向に沿って、他の移送機構が備える前記第1部材及び前記第2部材の組が1組以上配置されており、
前記対象物は、前記第1部材に押し出されて前記第2部材に接触することで、前記搬送面において搬送される際に、より下流に配置されている他の前記第1部材及び前記第2部材と衝突しない位置に案内される、
ことを特徴とする請求項1に記載の移送機構。
【請求項3】
前記第1部材は、
前記対象物を移送する場合に、前記搬送方向の上流側の前記対象物と当接する部分よりも、前記搬送方向の下流側の容器と当接する部分の方が前記搬送面側に張り出している形状を有しており、
当該形状によって前記容器を移送することで、前記対象物を搬送方向に対して斜めな姿勢で搬送面に押し出す、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の移送機構。
【請求項4】
前記当接する部分の斜め方向は、前記搬送面による搬送に基づいて前記対象物が水平面において回転した場合に、該回転により前記対象物の姿勢が不所望の姿勢となることを抑制する方向に構成される、
ことを特徴とする請求項に記載の移送機構。
【請求項5】
前記第1部材及び前記第2部材が前記対象物を移送する際に、前記対象物と当接する面と平行する方向の前記対象物の全長を第1の長さとした場合に、
前記第1部材及び前記第2部材は、前記対象物を移送する際に、前記第1の長さの半分以上の長さである第2の長さで前記対象物と接触しながら前記対象物を移送する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の移送機構。
【請求項6】
前記第1部材は、前記搬送面に隣接する位置で前記対象物に対して所定の処理を行う処理装置が、前記所定の処理を終了した場合に、前記隣接する位置から前記対象物を移送して前記搬送面に押し出すことで、前記対象物を前記搬送面上に位置している前記第2部材に接触させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の移送機構。
【請求項7】
対象物を搬送する搬送装置の搬送方向と水平面において交わる方向に離間して配置された、第1部材と、第2部材とを備えた移送機構が行う移送方法であって、
前記第1部材、前記対象物を移送して前記搬送装置の搬送面に押し出すことで、前記対象物を前記搬送面上に位置している前記第2部材に接触させるステップと、
前記第2部材が、前記第1部材によって前記搬送面に押し出された前記対象物に接触すると、前記対象物を、前記第1部材の位置している方向に、前記第1部材には接触しない距離だけ移送するステップと、
を含むことを特徴とする移送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移送機構、及び移送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場や倉庫において、ベルトコンベアに代表される搬送装置が広く用いられている。作業者は、搬送装置の搬送面に搬送する対象物を載置することで、これらの対象物を目的の位置まで簡便に搬送することができる。
このような搬送装置の搬送面への対象物の載置に関する技術の一例が、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許6881085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような技術を用いることで、搬送すべき対象物を、作業者の人手を介することなく搬送面に載置することができる。また、これにより、作業者による作業を支援することができる。
しかしながら、このような従来の技術では、搬送面に載置した後の対象物に対して何らの働きかけも行わないことから、対象物の姿勢や、対象物の搬送面上の位置が意図しないものとなり、下流で行われる後工程に支障をきたす可能性があった。
このように、従来の技術では、搬送面に載置した後の対象物を制御するという観点において、改善の余地があった。
【0005】
本発明の課題は、搬送面に載置した後の対象物を制御することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る移送機構は、
対象物を搬送する搬送装置の搬送方向と水平面において交わる方向に離間して配置された、第1部材と、第2部材とを備え、
前記第1部材は、前記対象物を移送して前記搬送装置の搬送面に押し出すことで、前記対象物を前記搬送面上に位置している前記第2部材に接触させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、搬送面に載置した後の対象物を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る把持システム1の構成を模式的に示す模式図である。
図2】制御装置10のハードウェア構成を示す模式図である。
図3】制御装置10の機能的構成を示すブロック図である。
図4】ハンド31の先端に設置される把持部材31aの形状例を示す模式図である。
図5】把持動作等の動作を実行する場合の、具材収容部20の収容空間、ハンド31、把持部材31a、ロボットアーム32、及び具材の位置関係について示す図である。
図6】一対の把持部材31aの開閉について示す図である。
図7】検出部40の近傍を拡大して示す斜視図である。
図8】移送位置P1及び解放位置P2の近傍を示す模式図である。
図9】移送位置P1及び解放位置P2の近傍を鉛直上方から俯瞰した図である。
図10】第1移送部材531及び第2移送部材532の構成を示す図である。
図11】第1当接部531aの斜め形状を利用した、容器の姿勢の制御について示す図である。
図12】容器制御動作を実行する際の、移送機構50の一連の動きを示す模式図である。
図13】容器制御動作を実行する際の、移送機構50の一連の動きを示す模式図である。
図14】容器制御動作を実行する際の、移送機構50の一連の動きを示す模式図である。
図15】容器制御動作の効果を説明するための比較について示す図である。
図16】保持部材54の構成を示す斜視図である。
図17】把持システム1が実行する具材盛り付け処理の流れを示すフローチャートである。
図18】把持システム1が実行する具材盛り付け処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[実施形態]
[全体構成]
図1は、本発明に係る把持システム1の構成を模式的に示す模式図である。
ここで、把持システム1は、食材を盛り付けるシステムに本発明を適用することを想定したものである。そのため、以下の説明においては、把持システム1が、惣菜等の具材を把持し、この把持した具材を、惣菜の容器に盛り付ける場合を例に挙げて説明する。
ただし、これは説明のための一例に過ぎず、本発明の適用範囲を限定する趣旨ではない。本発明は、ロボットによって処理を行う様々なシステム全般に対して適用可能である。本発明は盛り付けを行うシステムに限らず、例えば、加熱や冷却により調理を行うシステムや、切断や粉砕等により加工をするシステムといった、様々な処理を行うシステムに対して適用することが可能である。また、この場合に、処理の対象も食材や容器には限定されず、例えば、電子機器等の工業製品を対象として処理をするシステムに適用することも可能である。あるいは、本発明は、ロボットのみならず、人間の作業者が、様々な処理を行うシステムに適用することも可能である。
【0010】
なお、以下の説明において、盛り付けられる具材の量として、重量を例に挙げて説明するが、本発明は、重量以外であっても、体積、かさ、質量等、各種呼称の物理量を対象に適用することが可能である。
【0011】
図1に示すように、把持システム1は、制御装置10と、具材収容部20と、多関節ロボット30と、検出部40と、移送機構50と、を備えている。この内、制御装置10、多関節ロボット30、検出部40、及び移送機構50は、有線又は無線によって通信接続されており、相互に通信可能となっている。
【0012】
また、把持システム1に隣接して、総菜の容器を上流から下流に向かって自動的に運搬するベルトコンベア2が設置されている。ベルトコンベア2は、容器を運搬するための搬送面を有しており、容器はこの搬送面に載置された状態で搬送される。図1では、破線の矢印で図示するように、紙面の左側がベルトコンベア2における搬送の上流であり、紙面の右側がベルトコンベア2における搬送の下流となる。
なお、把持システム1のさらなる上流にて容器をベルトコンベア2の搬送面に供給する作業は、人手によって行われてもよいし、容器の供給装置によって行われてもよい。
【0013】
また、図1では、具材収容部20、多関節ロボット30、検出部40、及び移送機構50、からなる組を一組のみ示しているが、これに限られない。本実施形態では、一台のベルトコンベア2の搬送方向に沿って、これらの組が複数組設置されており、複数の多関節ロボット30が協働して作業することを想定する。
【0014】
制御装置10は、PC(Personal Computer)又はプログラマブルコントローラ等の情報処理装置によって構成され、各種プログラムを実行することにより、把持システム1全体を制御する。例えば、制御装置10は、多関節ロボット30が具材収容部20から具材を把持して、惣菜の容器に解放することで具材を盛り付ける動作等を制御する。より詳細には、制御装置10は、多関節ロボット30の駆動を制御することで、多関節ロボット30のハンド31を予め設定された所定位置に所定ルート及び所定速度で移動させる動作や、ハンド31のアクチェータの駆動を制御することで、ハンド31による具材の把持や解放をする動作を実現する。他にも、例えば、制御装置10は、検出部40の検出結果に基づいて、移送機構50の動作を制御する。
【0015】
具材収容部20は、把持システム1において盛り付けられる惣菜等の具材を収容する収容空間を備えている。この収容空間は、例えば、具材収容部20自体により構成されてもよいし、具材収容部20に設置可能な大型のバットやトレイ等の汎用の容器により構成されてもよい。そして、この収容空間には、例えば、例えば、ポテトサラダ等の練りサラダ(粘性や粘着性を有する具材を含むサラダ)、卯の花(おから)、切り干し大根、なます、ひじき、煮豆、バターコーン等の惣菜が収容される。本実施形態において、この収容空間には、1種類の具材が複数食分(例えば、数十食分~数百食分)収容されているものとする。そして、複数の把持システム1が何れかの惣菜等の具材を、対応する惣菜の容器に盛り付けることで、惣菜の盛り付け作業を完了させることができる。この収容空間は、作業者が手作業によって、又は、多関節ロボット30が自動的に交換することが可能である。
【0016】
多関節ロボット30は、例えば、水平多関節ロボットあるいは垂直多関節ロボット等によって構成され、盛り付けられる具材を把持可能なハンド31と、可動範囲において任意の位置にハンド31を移動させるロボットアーム32と、を備えている。
また、多関節ロボット30のハンド31を保持する関節には、ハンド31が把持した具材の物理量を取得する手段の一例として、把持した具材の重量を計測する重量センサ30Aが設置されている。また、多関節ロボット30のハンド31を保持する関節には、ハンド31が具材に接触したことを検出する手段の一例として、接触した具材からの反力(表面に接触されることで得られる力覚を含む)を計測する力センサ30Bが設置されている。重量センサ30Aによって計測された具材の重量(すなわち、把持された具材の重量)のデータや、力センサ30Bによって計測された具材からの反力(すなわち、具材への接触の検出結果)のデータは、制御装置10に出力される。
【0017】
さらに、ハンド31を保持する関節は、ロボットアーム32に対してハンド31を捻り方向に回転させる軸を備えている。そのため、ハンド31が具材を把持する際に、ハンド31の向きを変化させることで、ハンド31が開閉する方向を調整することができる。これにより、ハンド31が容器の内壁面近傍に達した際に、具材収容部20の収容空間の内壁面と平行な方向にハンド31が開閉するようにハンド31の向きを変更することが可能となり、容器内壁面近傍の具材を把持し易くなる。
【0018】
検出部40は、ベルトコンベア2にて搬送中の容器に関する検出を行う複数の光センサを備える。例えば、検出部40は、ベルトコンベア2にて運搬中の容器の位置を検出するセンサと、容器に盛り付けられている具材を検出するセンサを備える。これらのセンサによって検出された容器の位置のデータや、具材が盛り付けられているか否かのデータは、制御装置10に出力される。
制御装置10は、検出部40に含まれるこれらのセンサの検出結果に基づいて、移送機構50の動作を制御する。検出部40に含まれるこれらのセンサの位置関係や、検出結果に基づいた制御装置10による移送機構50の動作制御の詳細については、後述する。
【0019】
移送機構50は、対象物(ここでは、容器)を移送する機構である。移送機構50は、ベルトコンベア2により移送位置P1まで搬送された容器を、具材が解放される位置である解放位置P2に移送する。その後、解放位置P2で具材の容器への盛り付けが完了すると、移送機構50は、容器を解放位置P2から再度移送位置P1に移送する。
その後、この具材が盛り付けられた容器はベルトコンベア2により更に下流に搬送され、後処理(例えば、容器への蓋閉め)が行われることとなる。
このように、移送機構50が移送を行うことにより、ベルトコンベア2の搬送面にある移送位置P1等ではなく、多関節ロボット30の近傍に設けられた解放位置P2にて具材を解放して盛り付けを行うことができる。これにより、解放した具材がベルトコンベア2の搬送面に落下してしまうことを防止できる。
【0020】
以上、把持システム1の全体構成について説明した。なお、図示を省略しているが、把持システム1の各構成要素を外部から遮蔽するために、各構成要素が設置された領域の周囲を囲う板状部材からなる遮蔽部を設置するようにしてもよい。また、把持システム1の各構成要素に加えて、さらにベルトコンベア2についても、遮蔽部により遮蔽されるようにしてもよい。このように遮蔽部により遮蔽することで、把持システム1の動作に伴い飛散した具材が外部を汚してしまうことや、外部からの異物が具材に混入してしまうことを防止できる。
この場合、遮蔽部を構成する板状部材は、例えば、ガラス又は樹脂等の透明な材料によって構成され、外部から把持システム1の稼動状況を視認することが可能とするとよい。また、遮蔽部が構成する側壁の一部には、開閉可能な扉を設置するとよい。そうすることで、具材収容部20の収容空間の交換、あるいは把持システム1のメンテナンス等が行われる場合、作業者は遮蔽部の扉を開けることで各構成要素に対して接近し、これらの各種作業を行うことができる。
【0021】
[制御装置10のハードウェア構成]
図2は、制御装置10のハードウェア構成を示す模式図である。
図2に示すように、制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)711と、ROM(Read Only Memory)712と、RAM(Random Access Memory)713と、バス714と、入力部715と、出力部716と、記憶部717と、通信部718と、ドライブ719と、を備えている。
【0022】
CPU711は、ROM712に記録されているプログラム、又は、記憶部717からRAM713にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM713には、CPU711が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0023】
CPU711、ROM712及びRAM713は、バス714を介して相互に接続されている。バス714には、入力部715、出力部716、記憶部717、通信部718及びドライブ719が接続されている。
【0024】
入力部715は、マウスやキーボード等の入力装置を備え、制御装置10に対する各種情報の入力を受け付ける。なお、入力部715としてマイクを備え、作業者の音声入力によって各種情報の入力を受け付けることとしてもよい。
出力部716は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部717は、ハードディスクあるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各サーバで管理される各種データを記憶する。
通信部718は、ネットワークを介して他の装置との間で行う通信を制御する。
【0025】
ドライブ719には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア731が適宜装着される。ドライブ719によってリムーバブルメディア731から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部717にインストールされる。
なお、上記ハードウェア構成は、制御装置10の基本的構成であり、一部のハードウェアを備えない構成としたり、付加的なハードウェアを備えたり、ハードウェアの実装形態を変更したりすることができる。
【0026】
[機能的構成]
次に、制御装置10の機能的構成について説明する。
図3は、制御装置10の機能的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、把持システム1の動作を制御するためのプログラムを実行することにより、制御装置10のCPU711においては、センサ情報取得部151と、具材状態判定部152と、具材量判定部153と、多関節ロボット制御部154と、移送機構制御部155と、記録制御部156と、が機能する。また、記憶部717には、パラメータ記憶部171と、履歴データベース(履歴DB)172と、が形成される。
【0027】
パラメータ記憶部171には、把持システム1が動作する際に用いられる各種パラメータが記憶されている。例えば、パラメータ記憶部171には、具材収容部20の収容空間の位置、惣菜の容器内における具材を盛り付ける領域の位置、具材を把持する際のハンド31の具材への差し込み量と把持される具材の重量との関係(関数あるいはテーブル形式のデータ等)、多関節ロボット30の動作パターンを定義するパラメータ等が記憶される。本実施形態において、ハンド31の具材への差し込み量は、具材の重量(物理量)を推定する指標となっている。すなわち、ハンド31の具材への差し込み量と把持される具材の重量との関係から、把持された具材の実際の重量(目標とする把持重量)は、ハンド31の具材への差し込み量に基づいて推定される。
【0028】
履歴DB172には、把持システム1が動作した際に取得される制御に関するパラメータ、あるいは把持システム1で盛り付けられた具材の重量の計測データが履歴として記憶される。また、履歴DB172には、具材収容部20の収容空間における具材の状態を示す具材状態マップも記憶される。この具材状態マップの詳細については、具材状態マップを作成及び更新する記録制御部156の説明と共に後述する。
【0029】
センサ情報取得部151は、把持システム1や検出部40に設置された各種センサによって検出された情報であるセンサ情報を取得する。例えば、センサ情報取得部151は、多関節ロボット30の関節に設置された重量センサ30Aによって計測された具材の重量のデータや、力センサ30Bによって計測された具材からの反力のデータや、検出部40に含まれるセンサによって検出された容器の位置のデータや、具材が盛り付けられているか否かのデータや、後述の処理用センサ56の検出結果のデータをセンサ情報として取得する。これらセンサ情報は、制御装置10の各機能ブロックにより適宜利用される。
【0030】
具材状態判定部152は、力センサ30Bによって計測された具材からの反力のデータに基づいて、具材の状態を認識する。例えば、具材状態判定部152は、力センサ30Bによって計測された具材からの反力のデータから、具材収容部20の収容空間内の具材の深さ(具材収容部20の収容空間内の具材表面から具材収容部20の収容空間底面までの深さ)、表面の平坦度合(表面がどの程度荒れているか)を認識する。本実施形態では、カメラを用いた画像解析で具材の状態を判定するといった手法ではなく、力センサ30Bを用いた反力に基づいて具材の状態を測定するといった手法を用いる。そのため、例えば、カメラの導入コストや管理コストを削減できると共に、カメラの死角等を考慮する必要がないので、多関節ロボット30と具材収容部20の収容空間の位置等の配置をより柔軟に選択することができる。また、カメラを用いないことから、具材から生じる湯気や照明による撮影への影響を考慮する必要もない。
【0031】
また、具材状態判定部152は、具材の深さ及び表面の平坦度合を認識すると、これらが具材を把持するための条件に適合しているか否か(例えば、具材の深さ及び平坦度合が設定された閾値以上であるか否か)を判定する。なお、具材の表面の平坦度合は、例えば、表面が有する凹凸の大きさの絶対値等に基づいて定義することができ、具材の表面が平坦であるほど大きい値となるように定義することができる。また、具材の表面の部分毎に平坦度合を判定することとしてもよい。また、具材状態判定部152は、具材収容部20の収容空間内の具材の状態が、一度の把持動作で規定量の具材を把持可能であるか否かを判定する。
【0032】
具材量判定部153は、多関節ロボット30の重量センサ30Aによって計測された具材の重量のデータに基づいて、規定量の具材が把持されたか否かを判定する。
【0033】
多関節ロボット制御部154は、多関節ロボット30の動作を制御し、把持システム1において定義されている動作パターンに従って、具材を盛り付けるための一連の動作を多関節ロボット30に実行させる。例えば、多関節ロボット制御部154は、検出部40によってベルトコンベア2にて搬送される容器に関する検出をする動作(検出動作)、多関節ロボット30のハンド31によって具材を把持する動作(把持動作)、具材を把持したハンド31を惣菜の容器上に移送する動作(具材移送動作)、把持している具材を容器上で解放する動作(解放動作)、盛り付け後の解放具材の表面を整形する動作(整形動作)等を多関節ロボット30に実行させる。
【0034】
移送機構制御部155は、検出部40に含まれるセンサによって検出された容器の位置のデータや、具材が盛り付けられているか否かのデータや、後述の処理用センサ56の検出結果のデータに基づいて、移送機構50による容器を移送する動作(容器移送動作)を制御する。
【0035】
記録制御部156は、把持システム1が把持動作した際に取得された制御に関するパラメータ及び把持システム1で盛り付けられた具材の重量の計測データを履歴DB172に記憶する。また、記録制御部156は、具材収容部20の収容空間における具材の状態を示す具材状態マップを作成及び更新すると共に、この具材状態マップについても履歴DB172に記憶する。より詳細には、記録制御部156は、把持システム1が把持動作をした際に取得された具材の重量及び具材の反力の計測データや、後述の具材状態判定部152による判定結果や、把持システム1で盛り付けられた具材の重量の計測データに基づいて、具材収容部20の収容空間の各領域の具材の状態を検出し、各領域を識別する識別情報に紐づけて記憶することで、具材状態マップを生成する。
【0036】
この場合、具材の状態とは、各領域における具材の残量や、後述の具材状態判定部152が判定した具材の深さや平坦度合である。また、具材収容部20の収容空間内の具材が盛り付けられた後に、具材収容部20の収容空間が新たに交換された場合には、予め定められた所定量の具材(例えば、具材収容部20の収容空間に対して充分な量の具材)が、所定の状態(例えば、表面が平坦な状態)で収容されているものとして具材状態マップが更新される。
【0037】
[ハンド31の構成]
次に、ハンド31、及びハンド31に設置される把持部材31aの構成の詳細について説明をする。
図4は、ハンド31の先端に設置される把持部材31aの形状例を示す模式図である。
なお、図4においては、一対で用いられる把持部材31aの一方のみが示されている。
図4に示すように、本実施形態における把持部材31aは、天板部と、主板部と、第1側板部と、第2側板部と、により構成されている。天板部は、長方形状の平面を有している。また、主板部は、天板部の有する平面を水平な状態とした場合に、この平面の長手方向の一端から、この平面の長手方向の他端の鉛直下方の離間した位置に向かって傾斜して延在している。さらに、第1側板部と第2側板部は、天板部の有する平面を水平な状態とした場合に、この平面の両端それぞれから鉛直下方に向かって延在している。
なお、以下の説明において、これら一対の把持部材31aのそれぞれを区別することなく説明する際は、単に「把持部材31a」と称する。
【0038】
図5は、把持動作等の動作を実行する場合の、具材収容部20の収容空間、ハンド31、把持部材31a、ロボットアーム32、及び具材の位置関係について示す図である。図5では、鉛直方向をZ方向と称し、このZ方向と直交する第1の水平方向(紙面と直交する方向)をY方向と称し、これらZ方向及びY方向のそれぞれと直交する第2水平方向をX方向と称する。すなわち、Z方向、Y方向、及びX方向はそれぞれ互いに直行する方向である。
【0039】
ハンド31は、ロボットアーム32の先端に配置される。また、把持部材31aは、結合部材により、このハンド31に結合されることで、ハンド31に支持される。そして、このハンド31及びこれに結合された把持部材31aは、制御装置10の制御するロボットアーム32の動作に従って、X方向、Y方向、及びZ方向の各方向における、可動範囲内に移動することが可能である。また、ハンド31は、不図示のアクチュエータによって、一対の把持部材31aをY方向に開閉することで、把持動作を実現する。
また、ハンド31及びこれに結合された把持部材31aは、Z方向を回転軸として回転することが可能である。
このような構成により、本実施形態では、ハンド31及び把持部材31aの、位置や向きを任意に変化させることができ、これにより様々な動きで把持動作や解放動作等の動作を適切に実行することが可能となる。
【0040】
図6は、一対の把持部材31aの開閉について示す図である。図4に示す把持部材31aは、結合部材により、それぞれの開口部が対向するようにハンド31に結合される。また、図6におけるX方向、Y方向、及びZ方向の各方向は、図5において定義した各方向と同一である。一対の把持部材31aは、図6(a)に示すように開閉方向(Y方向)に沿って、開く動作を行うことで、開状態となる。また、一対の把持部材31aは、把持動作を行うにあたって、図6(b)に示すように開閉方向(Y方向)に沿って、閉じる動作を行うことで、閉状態となる。
【0041】
そして、一対の把持部材31aが閉状態となり、把持部材31a同士が当接することで、少なくとも先端及び側板部が閉じた内面が具材を把持するための容器形状となる。このような把持部材31aの形状の場合、練りサラダ等の具材に対して、把持部材31aの先端を表面から垂直に差し込み、所定の深さで一対の把持部材31aを閉じて具材を持ち上げることで、ほぼ一定量の具材を把持して具材収容部20の収容空間から取り出すことができる。
また、把持をした一対の把持部材31aを解放位置P2の惣菜の容器の上に移送した後に、一対の把持部材31aが開状態となり、容器形状の開口部が露出することで、把持により取り出した具材が解放され、惣菜の容器にほぼ一定量の具材を盛り付けることができる。
【0042】
[検出部40の構成]
次に、検出部40の構成の詳細について説明をする。
図7は、検出部40の近傍を拡大して示す斜視図である。図7では、図1と同様に、紙面の左側がベルトコンベア2における搬送の上流であり、紙面の右側がベルトコンベア2における搬送の下流となる。
【0043】
図7に示すように、検出部40は、容器検出センサ41,42と、リフレクタ配置部43と、具材検出センサ44と、を含む。
容器検出センサ41,42は、ベルトコンベア2にて運搬中の容器の位置を検出するセンサである。容器検出センサ41,42は、例えば、光センサにより構成される。容器検出センサ41は、ベルトコンベア2にて搬送中の容器が、移送位置P1に運搬される直前であることを検出する。また、容器検出センサ42は、ベルトコンベア2にて搬送中の容器が、移送位置P1に運搬されたことを検出する。
また、リフレクタ配置部43は、容器検出センサ41,42が検出を行うために投光する光を反射するリフレクタが、容器検出センサ41,42と対向する面に配置された部材である。
【0044】
図示するように、検出部40はベルトコンベア2の搬送面上を跨ぐようにして、リフレクタ配置部43を所定位置に設置する。そして、容器検出センサ41,42が投光する光は、リフレクタ配置部43に配置されたリフレクタにより反射して、容器検出センサ41,42により受光される。これにより、容器検出センサ41,42は、容器の位置を検出することができる。図中では、これら投光及び受光される光の経路を、それぞれ光路L1及び光路L2として図示する。
【0045】
また本実施形態では、リフレクタ配置部43を検出部40の本体の開口部分に挿抜可能な構造となっており、搬送面の幅方向において長さを調整することができる。これにより、ベルトコンベア2の機種によって異なる搬送面の幅方向の長さの違いを吸収して、リフレクタ配置部43を所定位置に設置することができる。ここで、一般的にベルトコンベア2の搬送面は、その機構上、搬送に伴い上下方向等にうねりが生じる。そのため、この影響を避けるべく、所定位置として搬送面の外側の枠部分(すなわち、搬送面ではない部分)にリフレクタ配置部43を設置するとよい。これによりリフレクタ配置部43は、搬送面における上下方向のうねりの影響を受けることなく、具材を盛り付ける容器を検出するために適切な高さに常に固定された状態となる。
【0046】
ここで、容器の高さ(ここでは、搬送面を基準とした相対的な高さ)は、一般的にそれほど高いものではないため、センサ及びリフレクタを数センチないし数ミリ単位の範囲で適切な位置に配置することが望まれる。この点、本実施形態では、このようにリフレクタ配置部43によりリフレクタの位置を所定の位置に固定することで、容器の高さに応じた適切な高さを検出対象範囲として、搬送されている容器の位置を適切に検出することができる。
【0047】
なお、惣菜等の容器としては、色を有している容器が利用されることもあるが、透明な容器も一般的に利用されている。容器検出センサ41,42は、このように色を有している容器や透明の容器の何れについても検出することが可能である。
このような構成で、容器検出センサ41,42は、ベルトコンベア2にて搬送中の容器の位置を精度高く検出する。また、容器検出センサ41,42によって検出された容器の位置のデータは、制御装置10に出力される。
【0048】
具材検出センサ44は、容器に盛り付けられている具材を検出するセンサである。具材検出センサ44は、容器検出センサ41,42と同様に、例えば、光センサにより構成される。具材検出センサ44は、容器検出センサ41,42が位置を検出した容器に具材が盛り付けられているか否かを検出する。そして、具材検出センサ44が投光する光は、鉛直下方に投光され、ベルトコンベア2の搬送面、容器に盛り付けられた具材の天面、あるいは、具材が盛り付けられていない容器の底面の何れかに反射して、具材検出センサ44により受光される。これにより、具材検出センサ44は、容器に具材が盛り付けられているか否かを検出することができる。図中では、これら投光及び受光される光の経路を、光路L3として図示する。
【0049】
上述したように、検出部40はベルトコンベア2の搬送面上を跨ぐようにして設置されることから、ベルトコンベア2の鉛直上方の具材を検出するのに適切な高さ(例えば、搬送面から15[cm]程度の高さ)に具材検出センサ44を配置することができる。すなわち、具材検出センサ44についても、所定位置(ここでは、検出部40と容器及び具材の高さと相対的な位置)に固定されることにより、容器に具材が盛り付けられているか否かを、精度高く検出することができる。具材検出センサ44によって検出された具材が盛り付けられているか否かのデータは、制御装置10に出力される。
【0050】
このように、検出部40は、特徴的な構造を有していると共に、ベルトコンベア2の搬送面上を跨ぐように設置されることで、各種センサやリフレクタを、検出のために最適な位置に配置することができる。
【0051】
[移送機構50の構成]
次に、移送機構50の構成の詳細について説明をする。
図8は、本実施形態における移送位置P1及び解放位置P2の近傍を示す模式図である。この図8では、ベルトコンベア2における搬送の下流方向を紙面の手前側として、ベルトコンベア2、多関節ロボット30、及び移送機構50を示す。
【0052】
図8に示すように、移送機構50は、アクチュエータ51と、スライド部材52と、連結部53と、第1移送部材531と、第2移送部材532と、保持部材54と、を含む。また、図1に示したのと同様に、移送位置P1はベルトコンベア2の搬送面であり、解放位置P2は多関節ロボット30の側面部分に設けられた作業台の上となる。
【0053】
アクチュエータ51は、ベルトコンベア2の鉛直上方に配置され、ベルトコンベア2の進行方向と直交する方向(紙面における左右方向)に直線運動をするアクチュエータである。アクチュエータ51は、例えば、電気式のシリンダ(ロボシリンダ)や、エアシリンダにより実現される。
【0054】
スライド部材52、及び連結部53は、アクチュエータ51の駆動部と連結されており、アクチュエータ51の直線運動に伴って、ベルトコンベア2の搬送方向と直交する方向(紙面における左右方向)に直線運動をする。
連結部53は、さらに、第1移送部材531や第2移送部材532にも連結されており、アクチュエータ51の直線運動は、結果として第1移送部材531や第2移送部材532にも伝達されることから、第1移送部材531や第2移送部材532もアクチュエータ51と同様の直線運動をする。このように、本実施形態の移送機構50は、比較的簡単な構成で駆動機構を実現することができる。
【0055】
図9は、本実施形態における移送位置P1及び解放位置P2の近傍を鉛直上方から俯瞰した図である。図9には、ベルトコンベア2、具材収容部20、多関節ロボット30、連結部53、第1移送部材531、第2移送部材532、及び保持部材54を図示する。
【0056】
保持部材54は、一端がベルトコンベア2の搬送面に設置され、他端が解放位置P2の存在する作業台の天面に設置される。これにより、保持部材54を介して、ベルトコンベア2の搬送面と作業台の天面とが接続される。そして、移送機構50は、アクチュエータ51の水平方向への直線運動を利用して、搬送面の移送位置P1から作業台の天面の解放位置P2まで容器をスライドさせることで容器を移送する。また、逆方向に容器をスライドさせることで、解放位置P2から移送位置P1まで容器を移送する。
【0057】
具体的には、図9(a)に示すように、移送機構制御部155は、移送位置P1に空の容器が搬送されると、移送機構50を移動させ、第2移送部材532の端(紙面における右側の端)で容器に当接しながら、容器を移送位置P1から解放位置P2に移送する。また、移送機構制御部155は、多関節ロボット30により具材が解放されると、第1移送部材531の端(紙面における左側の端)で容器に当接しながら、容器を解放位置P2から移送位置P1に移送する。
【0058】
このように、移送機構50が移送を行うことにより、ベルトコンベア2の搬送面にある移送位置P1等ではなく、多関節ロボット30の近傍に設けられた解放位置P2にて具材を解放して盛り付けを行うことができる。これにより、解放した具材がベルトコンベア2の搬送面に落下してしまうことを防止できる。
また、具材収容部20で把持した後に、近傍の解放位置P2にて盛り付けができるので、多関節ロボット30の移動距離を短縮し、処理時間を短縮することや、移動に伴う具材の飛散を抑制することもできる。さらに、近傍の解放位置P2にて盛り付けができるので、ロボットアーム32を伸ばして遠方で盛り付けを行う場合と比べて、より精度の高い動きが実現でき、適切な盛り付けを実現できる。
【0059】
加えて、移送機構50が移送を行うことから、容器を上流から搬送して供給すればよく、多関節ロボット30の近傍に容器供給装置や容器のストックを配置する必要はない。そのため、省スペース化できるのみならず、具材収容部20や、多関節ロボット30の配置位置の自由度を高めることができる。さらに、具材が解放された容器を同じベルトコンベア2の搬送面に再度移送することから、例えば、盛り付け前の容器を搬送する第1ベルトコンベアと、盛り付け後の容器を搬送する第2ベルトコンベアと、のように複数のベルトコンベアを用意する必要もない。
【0060】
[第1移送部材531及び第2移送部材532の構成]
次に、第1移送部材531及び第2移送部材532の構成の詳細について説明をする。
図10は、第1移送部材531及び第2移送部材532の構成を示す図である。より詳細には、図10(a)は、この構成を天面図として示す図であり、図10(b)は、この構成を斜視図として示す図である。何れの図においても、図9に示したように第1移送部材531及び第2移送部材532が配置された場合の、ベルトコンベア2の搬送方向との関係を示す。
図10(a)及び図10(b)に示すように、第1移送部材531は、第1当接部531aを備える。同様に、第2移送部材532は、第2当接部532aを備える。また、図10(a)に示すように、これら第1当接部531aと、第2当接部532aは、連結部53の一部である支持部材53aの両端(紙面における左右端)それぞれに、溶接等の手法で固定されており、これによって支持される。このような構成において、アクチュエータ51が直線運動を行うと、スライド部材52及び連結部53(支持部材53aを含む)を介して、その直線運動が、第1当接部531aと、第2当接部532aにも伝達する。すなわち、支持部材53aとこれによって繋がれた第1当接部531aと第2当接部532aとは、全体として1つの部材を形成し、アクチュエータ51の直線運動に伴って、同様の直線運動を行う。これにより、移送機構50による移送動作は実現される。
【0061】
そして、第1当接部531aと、第2当接部532aは、移送機構50が容器を移送する際に、容器に当接する部分である。そして、第1当接部531aは、図9(b)に示したように、容器を解放位置P2から移送位置P1に移送する際に、容器と当接する。また、第2当接部532aは、図9(a)に示したように、容器を移送位置P1から解放位置P2に移送する際に、容器と当接する。
第1当接部531aは、上面視において、搬送方向の上流側から下流側になるにしたがって、搬送面の外側から内側に向かって傾斜して斜めとなった形状(以下、「斜め形状」と称する。)となっている。このように斜め形状となっているのは、容器の姿勢を制御するためである。
【0062】
図11は、第1当接部531aの斜め形状を利用した、容器の姿勢の制御について示す図である。
前提として、当接用の部材が容器に当接した状態で容器を移送し、これにより容器が搬送面に押し出された場合、容器には水平面において回転する力がかかる。なぜならば、押し出している過程で、先に搬送面に接触した容器の底面部分には、搬送方向に搬送しようとする力が作用する一方で、未だ搬送面に接触していない容器の底面部分には、搬送方向に搬送しようとする力が作用しないためである。すなわち、底面の一部分のみに搬送しようとする力が作用することによって容器は回転する。
例えば、図示するように搬送方向を前側とした場合の左側(ここでは、紙面の右側)から搬送面に対して押し出した場合、容器には反時計回りに回転しようとする力がかかる。
【0063】
図11(A)には、比較例として、比較用の当接部の容器と当接する部分が、水平面において搬送方向と平行である状態を示す。なお、これはあくまでも比較のための形状であって、本実施形態が本来意図している形状ではない。
対比用当接部によって、容器と当接して押し出した場合、容器の長手方向は、水平面において搬送方向と平行な姿勢で搬送面に押し出される。この場合、容器にかかる回転する力により、容器は回転してしまい、搬送のために適切な姿勢(ここでは、容器の長手方向が、水平面において搬送方向と平行な姿勢)ではなくなってしまう。なお、図11(A)及び図11(B)では、回転する容器の経時的な姿勢の変化を、破線による想像線で図示する。
【0064】
これに対して、図11(B)には、本実施形態の第1当接部531aを用いた場合を示す。第1当接部531aによって、容器と当接した場合、容器の長手方向は、水平面において斜め形状に対応する、搬送方向に対して斜めな姿勢で搬送面に押し出される。この場合も、容器にかかる回転する力により、容器は回転する。しかしながら、当初斜め方向で押し出されていることから、そこから回転することで、結果として搬送のために適切な姿勢となる。
なお、搬送面の搬送速度が速くなるほど、容器にかかる回転する力は強くなる。そのため、搬送面の搬送速度等に基づいて、適宜斜め形状の角度(すなわち、水平面において搬送面と交わる角度)を決定するようにすることが望ましい。
【0065】
このように、本実施形態では、第1当接部531aの容器と当接する面を、意図的に斜め形状とすることで、搬送面に載置した後の容器の姿勢を制御することができる。換言すると、第1当接部531aの形状を、搬送方向の上流側の容器と当接する部分よりも、搬送方向の下流側の容器と当接する部分の方が搬送面側に張り出している形状とすることで、搬送方向に対して斜めな姿勢で容器を搬送面に押し出すことができる。これにより、搬送面に載置した後の容器の姿勢を制御することができる。
【0066】
図10(a)及び図10(b)に戻り、第2当接部532aの搬送方向の上流側の先端部分は、搬送面の外側に折り曲げられた形状(以下、「折り曲げ形状」と称する。)となっている。この折り曲げ形状により、上流から搬送された容器を、搬送面の中央に案内することができる。
【0067】
これら第1移送部材531及び第2移送部材532の容器と当接する面の上面視における長さについては、適宜設計することができる。例えば、第1移送部材531及び第2移送部材532が容器を移送する際に、容器と当接する面と平行する方向の容器の全長を第1の長さと定義する。この場合に、第1移送部材531及び第2移送部材532は、容器を移送する際に、第1の長さの半分以上の長さである第2の長さで容器と接触しながら容器を移送するようにすることが望ましい。そこで、このような条件を満たすように、第1移送部材531及び第2移送部材532の長さを決定するとよい。
これにより、容器の当接する面の中央を含めるように当接して、容器を移送することができる。そのため、次に述べる容器の制御を実施する際に、容器の姿勢や位置を、より精度高く、想定している姿勢や位置に制御することができる。
【0068】
なお、本実施形態では、第1当接部531aや第2当接部532aが、これらを支持する支持部材53aと溶接されていることを想定しているが、これに限られない。例えば、第1当接部531aや第2当接部532aを支持部材53aから脱着可能とし、大きさや形状が異なる他の第1当接部531aや第2当接部532aと交換できるようにしてもよい。これにより、移送の対象とする容器の大きさや、移送において要求される速度や、上述の容器と接触する部分の長さ等の稼働時の環境に基づいて、適宜、適切な第1当接部531aや第2当接部532aに交換し、移送を行うことができる。
【0069】
[容器制御動作]
次に、移送機構50が、第1移送部材531及び第2移送部材532により容器を移送することにより実現される「容器制御動作」について説明をする。本実施形態では、この容器制御動作を行うことによって、搬送面に載置した後の容器の姿勢や位置を制御する。
図12図13、及び図14は、容器制御動作を実行する際の、移送機構50の一連の動きを示す模式図である。これら各図は、図9と同様に、本実施形態における移送位置P1及び解放位置P2の近傍を鉛直上方から俯瞰した図となっている。
【0070】
前提として、図9(a)に示したように、第2移送部材532により、容器が移送位置P1から解放位置P2に移送される。その後、解放位置P2において、多関節ロボット30により具材が容器に解放されると、図9(b)に示したように、第1移送部材531により、容器が解放位置P2から移送位置P1に移送される。この際の移送に伴って容器制御動作が実行される。すなわち、図12(a)は、この容器制御動作の実行開始時の状態を示す。
【0071】
次に、図12(b)に示すように、第1移送部材531は容器に当接した状態で、容器を移送位置P1側に移送する。この場合に、第1移送部材531が、搬送面の適切な位置(例えば、搬送面の中央付近)に容器が移動すると想定される、適切な強さで移送をして、容器を搬送面に押し出すことも考えられる。しかしながら、把持システム1が稼働する環境によって、容器の形状や大きさや、容器に解放される具材の重量や、ベルトコンベア2の搬送速度等は様々である。そのため、このような適切な強さを一律に設定することは困難である。
そこで、本実施形態の容器制御動作では、搬送面の適切な位置に容器が移動すると想定される強さよりも、より強い力によって、容器を搬送面に押し出す。そして、これにより、搬送面上に位置している第移送部材53に、容器を意図的に接触させるようにする。
【0072】
そして、図13(c)に示すように、第移送部材53に接触するような強い力で押し出された容器は、移送が停止した状態となっても、押し出された力で第移送部材53の位置する方向に移動をする。
【0073】
次に、図13(d)に示すように、第2移送部材532は、解放位置P2側への移送を開始する。すると、容器は、第2移送部材532に接触することで移動を停止する。そして、容器は、そのまま第2移送部材532と当接した状態となって解放位置P2側に移送される。この場合に、第2移送部材532は、第1移送部材531が容器を搬送面に押し出した際の力よりも弱い力で移送を行う。例えば、移送距離を短くしたり、移送速度を遅くしたりする。
これにより、第2移送部材532は、緩やかな動作で、容器に衝撃を与えることなく、容器の姿勢を制御することができる。
【0074】
なお、図中では、各移送部材及び容器の挙動を明確とするために、容器は、真っすぐな姿勢(すなわち、搬送方向と容器の長手方向が水平面において平行な姿勢)で図示されている。しかしながら、実際には、第1移送部材531が容器を押し出した力により、多少容器が傾いた姿勢(すなわち、搬送方向と容器の長手方向が水平面において交わる姿勢)となる場合がある。このような場合となったとしても、上述したように、容器は第2移送部材532に接触する。そして、第2移送部材532の第2当接部532aは、水平面において搬送方向と平行な当接面を有している。
そのため、この接触により、容器は真っすぐな姿勢となる。このように、容器制御動作によって、搬送面に載置した後の容器の姿勢を制御することができる。
【0075】
次に、図14(e)に示すように、第2移送部材532は、上述した緩やかな力で移送を継続し、容器を適切な位置(ここでは、搬送面の中央付近)まで移送する。これにより、容器は、第1移送部材531に再度接触するようなことはなく、搬送面の中央付近に移送されることになる。
次に、図14(f)に示すように、第1移送部材531及び第2移送部材532は、移送位置P1側に移動することで待機位置に戻る。ここで、待機位置とは、次の容器を移送するために待機する位置である。その後、次の処理対象となる容器が移送位置P1に搬送されると、待機位置で待機していた第1移送部材531及び第2移送部材532により、再度、図9(a)に示した移送、及び図9(b)に示した移送(容器制御動作を含む)が実行される。
一方、容器制御動作により、搬送面の中央付近に位置した容器は、第1移送部材531及び第2移送部材532の間を通り、より下流に搬送されていく。このように、容器制御動作によって、搬送面に載置した後の容器の位置を制御することができる。
【0076】
図15は、容器制御動作の効果を説明するための比較について示す図である。図15(a)には、比較例として、容器制御動作が行われることなく、容器が、より下流に搬送された状態を示す。なお、これは比較のために敢えて容器制御動作を行わない場合を想定した状態であって、本実施形態が本来意図している状態ではない。
【0077】
容器制御動作を行わない場合、第1移送部材531が、搬送面の適切な位置に容器が移動すると想定される、適切な強さで移送をして、容器を搬送面に押し出すこととなる。そして、押し出された容器は、第2移送部材532と接触することなく、より下流に搬送されていく。しかしながら、上述したように、このような適切な強さを一律に設定することは困難である。
そのため、必ずしも搬送路の中央付近には移送されず、搬送面の色々な位置に移送される。この場合、図示するように、容器は下流において待機位置に位置している第1移送部材531及び第2移送部材532と衝突してしまうおそれがある。そして、容器と、これら各部材が衝突してしまうと、容器が水平面において回転や横転して不適切な姿勢となったり、具材が飛散したりするおそれがある。
【0078】
これに対して、図15(b)には、容器制御動作が行われた容器が、より下流に搬送された状態を示す。上述したように、本実施形態では、1つのベルトコンベア2の搬送面に沿って、複数の多関節ロボット30が配置され、これら複数の多関節ロボット30が協働して作業している。そのため、より下流には、この容器に対して容器制御動作を行った移送機構50以外の、他の移送機構50が待機位置において待機している。
この場合に、容器制御動作が行われた容器は、搬送面の中央付近で真っすぐな姿勢で搬送されている。そのため、下流においても、第1移送部材531及び第2移送部材532の間を通り、より下流に搬送されていく。
【0079】
このように、本実施形態であれば、容器制御動作を行うことで容器の位置や姿勢を制御できることから、比較例のように下流において衝突が発生してしまうようなことを防止できる。また、容器の回転や横転や、具材の飛散や、容器の搬送面からの転落等も防止することができる。したがって、容器制御動作による容器の制御が有益なことは明らかである。
【0080】
[保持部材54の構成]
次に、保持部材54の構成の詳細について説明をする。
図16は、保持部材54の構成を示す斜視図である。図16(a)及び(b)のいずれにおいても、図9に示したようにして保持部材54を設置した状態を表しており、紙面左側が設置時に移送位置P1側となり、紙面右側が設置時に解放位置P2側となる。
図16(a)及び(b)に示すように、保持部材54は、案内部541と、底部542と、スリット543と、を備えている。
【0081】
案内部541は、一対のガイド部として構成される。この案内部541は、移送位置P1側から解放位置P2側に向かってその幅が狭まっていくテーパ状の形状をしており、容器を解放位置P2に案内できる構造となっている。また、この案内部541の解放位置P2側の先端は中心に向かって内側に折り曲げられた形状を有しており、図16(b)に示すように、この折り曲げ部分で容器を保持することができる。本実施形態では、この容器が保持されている位置が、解放位置P2に相当する。そのため、多関節ロボット30は、この案内部541容器が保持された状態において、具材を容器に解放する。
【0082】
底部542は、移送機構50が移送を行う際に、容器の移送面として機能する。また、底部542には、複数のスリット543が設けられている。このスリット543により、仮に解放位置P2において、解放された具材そのものや具材の汁気等が飛散したとしても、その飛散した具材や汁気等は、スリット543からさらに鉛直下方に落下するので容器の底部に具材が付着することを防止できる。
【0083】
また、保持部材54の、移送位置P1側の先端部分は、鉛直上方に隆起した山型の形状となっている。仮に、このような形状ではなく、平坦な形状の場合、搬送面の高さと、作業台の天面の高さが多少でも相違していると、その部材は、一方から他方に傾いた形状となり、他方から一方側にスライドさせることが困難となる。これに対して、保持部材54は、この山型の形状を乗り越えれば他方に下っていくようにスライドすることになるので、搬送面の高さと、作業台の天面の高さが多少相違していたとしても、この相違を吸収して、容器を適切にスライドして移送できる。また、移送後も解放位置P2側にスライドしようとする力が維持されるので、案内部541による容器の保持を、より安定したものとできる。
このように、本実施形態では、保持部材54も特徴的な構造とすることで、より確実に容器の移送や、解放時の容器の保持を実現することができる。
【0084】
[全体動作]
次に、把持システム1の全体動作を説明する。
図17及び図18は、把持システム1が実行する具材盛り付け処理の流れを示すフローチャートである。具材盛り付け処理は、例えば、作業者によって具材盛り付け処理を開始させる操作が行われたことを契機として開始される。
【0085】
具材盛り付け処理が開始されると、図17のステップS11において、多関節ロボット制御部154は、具材盛り付け処理における一連の動作を実行するための動作用のデータ(動作パターンのデータ及びハンド31の差し込み量のデータ等)をパラメータ記憶部171から読み込むことで、具材を把持するための準備を行う。
【0086】
ステップS12において、多関節ロボット制御部154は、動作パターンのデータに従って、具材収容部20の収容空間へ、ハンド31を移送する。
【0087】
ステップS13において、具材状態判定部152は、具材収容部20の収容空間における具材の状態を示す具材状態マップを履歴DB172から読み込むことで、具材収容部20の収容空間における具材の状態を認識する。具材状態判定部152は、その後も、センサ情報取得部151が取得した、力センサ30Bによって計測された具材からの反力のデータに基づいて、具材の状態の認識を継続する。
【0088】
ステップS14において、多関節ロボット制御部154は、ステップS11において読み込んだ動作パターンのデータと、ステップS13において認識した具材収容部20の収容空間における具材の状態とに基づいて、具材に対して把持部材31aを差し込む深さを決定する。
ステップS15において、多関節ロボット制御部154は、決定された差し込み深さまで、具材に対して把持部材31aを差し込む。この場合、例えば、多関節ロボット制御部154は、多関節ロボット30の制御パラメータ(関節の回転角度等)から差し込み量を算出したり、ステップS12で具材の表面を検出して差し込みを開始してからの経過時間から差し込み量を算出したりすることが可能である。
ステップS16において、多関節ロボット制御部154は、把持部材31aを閉じて具材を把持する。
【0089】
ステップS17において、具材量判定部153は、把持している把持具材の重量(物理量)を計測し、規定量の具材が把持されているか否かを判定する。規定量の具材が把持されているとは、例えば、目標とする重量に対して、把持した具材の重量が所定誤差以内(±15%以内等)にあることをいう。ただし、把持部材31aに具材が粘着して解放されないケースを考慮し、把持した重量が規定量よりも多い場合の誤差を少ない場合の誤差よりも大きく設定することとしてもよい。
【0090】
規定量の具材が把持されている場合は、ステップS17においてYesと判定され、処理はステップS18に進む。一方で、規定量の具材が把持されていない場合は、ステップS17においてNoと判定され、処理はステップS14から再度行われる。この場合、把持している把持具材が規定量より超過しているのであれば、再度行われるステップS14において、差し込み深さはより浅くなるように再決定される。一方で、把持している把持具材が規定量より不足しているのであれば、再度行われるステップS14において、差し込み深さはより深くなるように再決定される。
【0091】
なお、ステップS14~ステップS17を繰り返す過程で、前回よりも把持部材31aを具材に深く差し込んだとしても、規定量の具材を把持できない場合(規定量を取るために必要な差し込み深さよりも、把持予定位置における具材の深さが浅い場合)等には、具材表面の複数箇所から具材を把持することにより、複数回で把持した合計の具材の量が規定量となるように制御することも可能である。この場合、例えば、具材の表面における複数箇所に把持部材31aを差し込む深さの合計(差し込み量の合計)が、一度で規定量の具材を把持する場合に把持部材31aを具材に差し込む深さと同一となるように制御することができる。また、例えば、2箇所目以降の把持を行う場合に、把持済みの具材を次の把持予定位置に一旦解放し、解放した具材が存在する具材の表面に対して、一度で規定量の具材を把持する場合に差し込む深さまで把持部材31aを具材に差し込み、規定量の具材を改めて一度で把持するように制御することも可能である。
【0092】
ステップS18において、移送機構制御部155は、容器検出センサ41,42の検出結果に基づいて、移送位置P1において容器が検出されたか否かを判定する。容器が検出された場合は、ステップS18においてYesと判定され、処理はステップS19に進む。一方で、容器が検出されていない場合は、ステップS18においてNoと判定され、処理はステップS18の判定を繰り返す。
【0093】
ステップS19において、移送機構制御部155は、具材検出センサ44の検出結果に基づいて、すでに具材が盛り付けられている容器であるか否かを判定する。具体的には、移送機構制御部155は、具材がすでに盛り付けられている場合を想定した、搬送面からの具材の高さについて閾値を設定する。そして、移送機構制御部155は、具材検出センサ44の検出結果に基づいて、一定時間この閾値を超える高さが検出され続けた場合に、具材がすでに盛り付けられていると判定する。
【0094】
なお、例えば、空の容器のある程度の高さのある部分(例えば、容器の周縁部)が、仮にこの閾値を超えたとしても、それは、短時間に過ぎず一定時間未満となる。従って、この空の容器について、具材がすでに盛り付けられていると、誤って判定してしまうことを防止することができる。この場合、この一定時間の長さは、例えば、容器検出センサ41,42が容器を検出してから、この容器が搬送されて移送位置P1を通り過ぎてしまうまでの時間よりも短い時間の範囲で適宜設定することができる。
【0095】
すでに具材が盛り付けられている場合は、ステップS19においてYesと判定され、処理はステップS18に戻り、ステップS18の判定を再度行う。このようにステップS19においてYesと判定された場合、具材が盛り付けられている容器は、移送機構50第1移送部材531と第2移送部材532の間を通過して、そのままベルトコンベア2の下流に搬送される。一方で、具材が盛り付けられていない場合は、ステップS19においてNoと判定され、処理はステップS20に進む。
なお、この判定を行う理由であるが、上述したように、1つのベルトコンベア2に対して、複数の多関節ロボット30が配置され、これら複数の多関節ロボット30が協働して作業しているような場合に、すでに上流の多関節ロボット30によって具材が盛り付けられている容器が搬送されてくる可能性があるからである。
【0096】
ステップS20において、移送機構制御部155は、移送機構50を駆動させ、容器を移送位置P1から解放位置P2に移送する。
【0097】
図18に移り、ステップS21において、多関節ロボット制御部154は、解放位置P2において容器への解放を実行する。
【0098】
ステップS22において、移送機構制御部155は、解放により具材が盛り付けられた容器を、移送位置P1に移送可能なタイミングか否かを判定する。この判定を行う理由であるが、単に多関節ロボット30による解放が終了したことのみを条件として、容器を移送位置P1に移送してしまうと、移送位置P1に運搬された他の容器(他の空容器又は他の多関節ロボット30が具材を盛り付け済みの容器)と衝突してしまう可能性があるからである。そこで、移送機構制御部155は、容器検出センサ41,42の検出結果に基づいて、他の容器が、移送位置P1に運搬されていないことや、移送位置P1に運搬される直前ではないことを確認できたこと条件として、容器を移送位置P1に移送可能なタイミングであると判定する。これにより容器同士の衝突という事態の発生を防止することができる。
容器を移送位置P1に移送可能なタイミングであると判定されない場合は、ステップS22においてNoと判定され、処理はステップS22の判定を繰り返す。一方で、容器を移送位置P1に移送可能なタイミングであると判定された場合は、ステップS22においてYesと判定され、処理はステップS23に進む。
【0099】
ステップS23において、移送機構制御部155は、移送機構50を駆動させ、第1移送部材531により容器を移送位置P1側に移送して、容器を搬送面に押し出す。
ステップS24において、移送機構制御部155は、移送機構50を駆動させ、第2移送部材532により容器と接触することで容器の姿勢を制御する。そして、そのまま第2移送部材532によりを解放位置P2側に移送して、容器を適切な位置(例えば、搬送面の中央の位置)に位置するように、容器の位置を制御する。
【0100】
ステップS25において、移送機構制御部155は、移送機構50を駆動させ、第1移送部材531及び第2移送部材532を待機位置に戻す。搬送面の中央付近に位置した容器は、第1移送部材531及び第2移送部材532の間を通り、より下流に搬送されていく。なお、ステップS23~25における処理は、図13~15を参照して上述した容器制御動作に対応するものである。
【0101】
ステップS26において、記録制御部156は、具材盛り付け処理において取得された制御に関するパラメータ及び盛り付けられた具材の重量の計測データ(履歴データ)を履歴DB172に記憶する。また、記録制御部156は、具材収容部20の収容空間における具材の状態を示す具材状態マップを更新し、この更新後の具材状態マップも履歴DB172に記憶する。なお、この場合に、盛り付けられた具材の重量に過不足がある場合には、作業者に対してアラートを出力する等してもよい。
【0102】
ステップS27において、多関節ロボット制御部154は、具材盛り付け処理を終了する条件に適合したか否かを判定する。この場合、具材盛り付け処理を終了する条件としては、予定された数の惣菜の容器に具材を盛り付けたこと、あるいは、作業者によって具材盛り付け処理を終了させる操作が行われたこと等を定義することができる。
具材盛り付け処理を終了する条件に適合していない場合は、ステップS27においてNoと判定されて、図17に戻り、処理はステップS12から再度行われる。一方で、具材盛り付け処理を終了する条件に適合している場合は、ステップS27においてYesと判定されて、具材盛り付け処理は終了する。
【0103】
以上のように、本実施形態に係る把持システム1は、第1移送部材531により搬送面に載置された容器に対して、制御のために働きかけることができる。例えば、第1移送部材531により搬送面に載置された容器の姿勢や位置を、搬送面上に位置している第2移送部材532に接触させることで制御することができる。また、第2移送部材532の移送により、搬送のために適切な位置になるように、容器の位置を制御することができる。
従って、本実施形態によれば、搬送面に載置した後の容器を制御することができる。
【0104】
[変形例1]
上述した実施形態では、第1移送部材531、第2移送部材532及び支持部材53aについて、図10(a)及び図10(b)に示す構成に基づいて説明をした。しかしながら、これらの部材の構成はこれに限らず、把持システム1を実装する環境や対象とする容器等に応じて適宜変更することが可能である。
例えば、上述の実施形態では、第1当接部531aと、第2当接部532aは、1つの支持部材53aの両端において支持されていた。しかしながら、これを変形し、第1当接部531aと、第2当接部532aを、それぞれ別途の支持部材53aにより支持するようにしてもよい。この場合、アクチュエータ51、スライド部材52、連結部53(支持部材53aを含む)からなる組を2組設置する。そして、一方の組の支持部材53aによって第1当接部531aを支持し、他方の組の支持部材53aによって第2当接部532aを支持するようにする。
【0105】
これにより、第1当接部531aと、第2当接部532aは、それぞれ自身が対応する組のアクチュエータ51の直線運動に応じて、自身も直線運動を行う。そのため、移送機構50は、第1当接部531aと、第2当接部532aを、直線運動を行う直線上で、同一又は異なるタイミングで、同一又は異なる方向に移動させることが可能となる。これにより、容器を移送させる際に、より自由度の高い動きで容器の移送を実現することができる。すなわち、第1当接部531aと、第2当接部532aは、1つの支持部材53aにより繋げられた全体として1つの部材として機能してもよいし、それぞれが異なる支持部材53aにより移動される個々の部材として機能してもよい。
【0106】
また、例えば、上述の実施形態では、第1当接部531aの容器と当接する面を、意図的に斜め形状とすることで、搬送面に載置した後の容器の姿勢を制御していた。しかしながら、これに限らず、他の形状としてもよい。例えば、第1当接部531aの容器と当接する面を、斜め形状ではなく、平面視した場合にL字型(あるいは、それを反転した型)の形状としてもよい。この場合、L字形状は、搬送方向と平行な主構成部と、搬送方向の下流側において搬送面側に突出した副構成部とで形成される。この場合、容器は、この主構成部の搬送方向上流側の端と、副構成部の搬送方向下流側の突出した端の双方に当接して、搬送面に対して斜めな姿勢で搬送面に押し出される。このようにしても、搬送面に載置した後の容器の姿勢を制御することができる。
このように、第1当接部531aの形状を、搬送方向の上流側の容器と当接する部分よりも、搬送方向の下流側の容器と当接する部分の方が搬送面側に張り出している形状とすれば、上述の実施形態と同様の、容器の姿勢を制御するという効果を奏することができる。
【0107】
[変形例2]
上述した本実施形態では、多関節ロボット30は、容器の近傍にて盛り付けを行うことから、ロボットアーム32を伸ばして遠方で盛り付けを行う場合と比べて、より精度の高い動きが実現でき、適切な盛り付けを実現できる。そこで、多関節ロボット30は、このより精度の高い動きを利用して、容器に具材を解放した後に、さらに解放した具材を整形する動作や、解放後に把持部材31aに付着した具材を、容器に残さず解放する動作を行うようにしてもよい。
【0108】
この場合に、解放した具材を整形する動作としては、例えば、一度解放した具材を、容器から再度把持して、さらに再度容器に解放することでより安定した形状に整形する動作が考えられる。他にも、例えば、容器に解放した状態から把持部材31aを閉じながら上昇することで山型の形状に整形する動作が考えられる。他にも、例えば、把持部材31aの先端で解放した具材を突くことで、具材同士を強固に結合させ、解放した具材が崩れることを防止する整形動作が考えられる。
【0109】
また、解放後に把持部材31aに付着した具材を、容器に残さず解放する動作としては、例えば、把持部材31aを振動させ、これにより把持部材31aに付着した具材を落下させる動作が考えられる。また、容器の鉛直上方から下降し、その際に急停止することで、慣性力で把持部材31aに付着した具材を落下させる動作が考えられる。
【0110】
一般的な技術のように、ベルトコンベアの搬送面で盛り付けを行う場合には、このような動作を行うことは困難である。しかしながら、上述した本実施形態では、多関節ロボット30は、容器の近傍にて、停止している容器に対して動作を行うので、これら例示したような複雑な動作をさらに行うことが可能となる。
【0111】
[変形例3]
上述の実施形態において、一対の把持部材31a(すなわち、2つの把持部材31a)を用いることを想定したが、これに限られない。例えば、3つ以上の複数の把持部材31aを用いるようにしてもよい。そして、各把持部材31aの開口部を近づけることで把持動作を行い、各把持部材31aの開口部を遠ざけることで解放動作を行うような構成としてもよい。
この場合、例えば、3つの把持部材31aを用いるのであれば、鉛直上方から俯瞰した場合に、それぞれの中心角が120°の3つの把持部材31aの先端を中央に近づけたり遠ざけたりするようにする。
このようにしても、上述した案内動作等の各動作を実行することができる。
【0112】
[変形例4]
上述の実施形態において、具材状態判定部152は、力センサ30Bによって計測された具材からの反力(すなわち、具材への接触の検出結果)のデータに基づいて、具材の状態を判定するものとしたが、これに限られない。
【0113】
カメラの設置コスト等が問題とならない場合には、カメラ(すなわち、撮像装置)によって撮影を行うことにより、具材の状態を判定するようにしてもよい。また、上述の実施形態において、多関節ロボット30が把持した具材の重量あるいは惣菜の容器に盛り付けられた具材の重量を重量センサ30Aによって計測するものとしたが、これに限られない。
例えば、撮像装置によって撮像された具材の画像から、具材の体積を推定し、密度と推定された体積を乗算すること等により、具材の重量を算出することも可能である。
この場合、重量センサ30Aを用いることなく、具材の重量を算出する手段を実装することができる。
【0114】
[構成例]
以上のように、本実施形態における移送機構50は、対象物を搬送するベルトコンベア2の搬送方向と水平面において交わる方向に離間して配置された、第1移送部材531と、第2移送部材532とを備える。
第1移送部材531は、対象物を移送してベルトコンベア2の搬送面に押し出すことで、対象物を搬送面上に位置している第2移送部材532に接触させる。
これにより、第1移送部材531により搬送面に載置された対象物に対して、制御のために働きかけることができる。すなわち、第1移送部材531により搬送面に載置された対象物の姿勢や位置を、搬送面上に位置している第2移送部材532に接触させることで制御することができる。
従って、移送機構50によれば、搬送面に載置した後の対象物を制御することができる。
【0115】
第2移送部材532は、第1移送部材531によって搬送面に押し出された対象物に接触すると、対象物を、第1移送部材531の位置している方向に、第1移送部材531には接触しない距離だけ移送する。
これにより、第1移送部材531には接触しない距離だけ移送するための緩やかな動作で、対象物に衝撃を与えることなく、対象物の姿勢を制御することができる。また、第1移送部材531と、第2移送部材532の中央付近等の搬送のために適切な位置に移送されるように、対象物の位置を制御することができる。
【0116】
ベルトコンベア2の搬送方向に沿って、他の移送機構50が備える第1移送部材531及び第2移送部材532の組が1組以上配置されており、
対象物は、第1移送部材531に押し出されて第2移送部材532に接触することで、搬送面において搬送される際に、より下流に配置されている他の第1移送部材531及び第2移送部材532と衝突しない位置に案内される。
これにより、複数の移送機構50が協働して稼働しているような環境において、対象物と、第1移送部材531及び第2移送部材532とが衝突することを防止できる。
【0117】
第1移送部材531は、
対象物を移送する場合に、搬送方向の上流側の対象物と当接する部分よりも、搬送方向の下流側の容器と当接する部分の方が搬送面側に張り出している形状を有しており、
当該形状によって容器を移送することで、対象物を搬送方向に対して斜めな姿勢で搬送面に押し出す。
これにより、斜め方向で搬送面に押し出すという手段で、対象物の姿勢や位置を制御することができる。
【0118】
当接部の斜め方向は、搬送面による搬送に基づいて対象物が水平面において回転した場合に、該回転により対象物の姿勢が不所望の姿勢となることを抑制する方向に構成される。
これにより、搬送面において、対象物が回転してしまう場合に、その姿勢を制御することができる。
【0119】
第1移送部材531及び第2移送部材532が対象物を移送する際に、対象物と当接する面と平行する方向の対象物の全長を第1の長さとした場合に、
第1移送部材531及び第2移送部材532は、対象物を移送する際に、第1の長さの半分以上の長さである第2の長さで対象物と接触しながら対象物を移送する。
これにより、対象物と当接する面の中心を含めて対象物を移送し、対象物の姿勢を、より精度高く、想定している姿勢に制御することができる。
【0120】
第1移送部材531は、搬送面に隣接する位置で対象物に対して所定の処理を行う処理装置が、所定の処理を終了した場合に、隣接する位置から対象物を移送して搬送面に押し出すことで、対象物を搬送面上に位置している第2移送部材532に接触させる。
これにより、搬送面に隣接する位置で処理を行う処理装置を支援することができる。
【0121】
なお、上述の実施形態及び変形例は、本発明の実施形態の一例であり、本発明の機能を実現する種々の実施形態が本発明の範囲に含まれる。
例えば、上述の実施形態及び変形例において、惣菜を盛り付ける把持システムに本発明を適用する場合を例に挙げて説明したが、本発明は、種々の対象物を把持するシステムに適用することができる。例えば、練ったモルタル、コンクリート、漆喰、粘土等、粘性あるいは粘着性が高い材料を把持するシステムに本発明を適用することができる。本発明は、作業温度又は室温において中粘度以上(5000mPa・s)以上の粘度を有する対象物を把持する際に好適である。
また、上述の実施形態に記載された例を適宜組み合わせて、本発明を実施することが可能である。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。すなわち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が把持システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図3の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0122】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0123】
プログラムを記憶する記憶媒体は、装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディア、あるいは、装置本体に予め組み込まれた記憶媒体等で構成される。リムーバブルメディアは、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクあるいはフラッシュメモリ等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu-ray Disc(登録商標)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。フラッシュメモリは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリあるいはSDカードにより構成される。また、装置本体に予め組み込まれた記憶媒体は、例えば、プログラムが記憶されているROMやハードディスク等で構成される。
【0124】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0125】
上記実施形態は、本発明を適用した一例を示しており、本発明の技術的範囲を限定するものではない。すなわち、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができ、上記実施形態以外の各種実施形態を取ることが可能である。本発明が取ることのできる各種実施形態及びその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0126】
1 把持システム、2 ベルトコンベア、10 制御装置、20 具材収容部、30 多関節ロボット、30A 重量センサ、30B 力センサ、31 ハンド、31a 把持部材、32 ロボットアーム、40 検出部、41、42 容器検出センサ、43 リフレクタ配置部、44 具材検出センサ、50 移送機構、51 アクチュエータ、52 スライド部材、53 連結部、53a 支持部材、531 第1移送部材、531a 第1当接部、532 第2移送部材、532a 第2当接部、54 保持部材、541 案内部、542 底部、543 スリット、151 センサ情報取得部、152 具材状態判定部、153 具材量判定部、154 多関節ロボット制御部、155 移送機構制御部、156 記録制御部、171 パラメータ記憶部、172 履歴データベース(履歴DB)、711 CPU、712 ROM、713 RAM、714 バス、715 入力部、716 出力部、717 記憶部、718 通信部、719 ドライブ、731 リムーバブルメディア
【要約】
【課題】搬送面に載置した後の対象物を制御する。
【解決手段】移送機構50は、対象物を搬送するベルトコンベア2の搬送方向と水平面において交わる方向に離間して配置された、第1移送部材531と、第2移送部材532とを備える。第1移送部材531は、対象物を移送してベルトコンベア2の搬送面に押し出すことで、対象物を搬送面上に位置している第2移送部材532に接触させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18