(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】外国為替両建システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/04 20120101AFI20240716BHJP
【FI】
G06Q40/04
(21)【出願番号】P 2023192021
(22)【出願日】2023-11-10
【審査請求日】2023-11-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518327280
【氏名又は名称】株式会社ウィンサイド
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 賢二
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-049416(JP,A)
【文献】堀祐士,改訂確実に稼げるFX副業入門,2016年02月29日,pp. 200-229
【文献】マーチンゲール法はFXに活用できる?FXに役立つ知識中心に考察してみた,海外FXオンライン[online],2023年05月22日,[2024年6月25日検索], インターネット<URL: https://web.archive.org/web/20230522043214/https://emotional-link.co.jp/kaigaifx/fx-martingale/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の資産を別の資産へ交換するためのレートの変化がリアルタイムで表示されるリアルタイムチャートに基づいて、前記所定の資産を用いて前記別の資産を自動的に売買する外国為替両建システムであって、
前記リアルタイムチャートにおいて前記別の資産の購入のための購入用閾値に基づいて前記別の資産を所定数購入するための取引を行う購入処理部と、
前記リアルタイムチャートにおいて前記別の資産の売却のための売却用閾値に基づいて前記別の資産を所定数売却するための取引を行う売却処理部と、
前記リアルタイムチャートにおいて取引の利益確定用閾値に基づいて、前記購入処理部及び前記売却処理部による注文を約定させて利益を確定させる利益確定処理部と、
を備え、
前記リアルタイムチャートにおいて成り行きで最初の買い注文又は売り注文を行い、
前記購入処理部は、最初の注文が買い注文の場合はその買い注文のレートを前記購入用閾値として決定し、前記購入用閾値-第1所定値を前記売却用閾値として決定し、
前記売却処理部は、最初の注文が売り注文の場合はその売り注文のレートを前記売却用閾値として決定し、前記売却用閾値+第1所定値を前記購入用閾値として決定し、
前記購入処理部及び前記売却処理部は、最初の注文の際に決定した前記購入用閾値及び前記売却用閾値を一定値に固定したまま2回目以降の取引を行い、2回目以降の取引は前回の取引と逆の取引を行うように前記購入用閾値又は前記売却用閾値を越えたときに買い注文又は売り注文を行い、かつ、2回目以降の注文の注文数は前回の注文の注文数以上となるように設定されており、
前記利益確定処理部は、前記リアルタイムチャートにおいて前記購入用閾値+第2所定値で定まる前記利益確定用閾値を上回ったとき、又は前記売却用閾値-第2所定値で定まる前記利益確定用閾値を下回ったときに利益を確定することを特徴とする外国為替両建システム。
【請求項2】
請求項
1に記載の外国為替両建システムにおいて、
前記別の資産の購入又は売却の回数が所定の回数を超えるときに前記別の資産の購入又は売却の新たな取引を停止し、かつ、前記第2所定値の値を小さくするように設定する第2調整処理部を備えることを特徴とする外国為替両建システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外国為替両建システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、米ドルと日本円を交換する取引や米ドルと金を交換する取引といった外国為替取引がなされている。本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、インターネットに接続された端末のデスクトップ画面に、外国為替取引に係る通貨ペア、売値、買値等をリアルタイムに表示するリアルレートガジェットと、注文ボタンと通貨ペア、取引開始日、取引決済日等を入力する入力窓を表示し、入力されたデータを用いて取得予測金額をシミュレーションして提示する計算・注文ガジェットと、注文ボタンをクリックすると、外国為替取引システムに外国為替売買手続を実行させるための注文画面を表示し、外国為替取引システに外国為替売買手続を指示して実行させるトレーディングインターフェイスと、を備える外国為替取引プログラムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
素人が外国為替取引を利用して利益を得ることは簡単ではない。このため、素人が安易に外国為替取引に手を出すと甚大な損失が生じることがある。
【0005】
本発明の目的は、素人でも安定的に利益を出すことを可能とする外国為替両建システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る外国為替両建システムは、所定の資産を別の資産へ交換するためのレートの変化がリアルタイムで表示されるリアルタイムチャートに基づいて、前記所定の資産を用いて前記別の資産を自動的に売買する外国為替両建システムであって、前記リアルタイムチャートにおいて前記別の資産の購入のための購入用閾値に基づいて前記別の資産を所定数購入するための取引を行う購入処理部と、前記リアルタイムチャートにおいて前記別の資産の売却のための売却用閾値に基づいて前記別の資産を所定数売却するための取引を行う売却処理部と、前記リアルタイムチャートにおいて取引の利益確定用閾値に基づいて、前記購入処理部及び前記売却処理部による注文を約定させて利益を確定させる利益確定処理部と、を備え、前記リアルタイムチャートにおいて成り行きで最初の買い注文又は売り注文を行い、前記購入処理部は、最初の注文が買い注文の場合はその買い注文のレートを前記購入用閾値として決定し、前記購入用閾値-第1所定値を前記売却用閾値として決定し、前記売却処理部は、最初の注文が売り注文の場合はその売り注文のレートを前記売却用閾値として決定し、前記売却用閾値+第1所定値を前記購入用閾値として決定し、前記購入処理部及び前記売却処理部は、最初の注文の際に決定した前記購入用閾値及び前記売却用閾値を一定値に固定したまま2回目以降の取引を行い、2回目以降の取引は前回の取引と逆の取引を行うように前記購入用閾値又は前記売却用閾値を越えたときに買い注文又は売り注文を行い、かつ、2回目以降の注文の注文数は前回の注文の注文数以上となるように設定されており、前記利益確定処理部は、前記リアルタイムチャートにおいて前記購入用閾値+第2所定値で定まる前記利益確定用閾値を上回ったとき、又は前記売却用閾値-第2所定値で定まる前記利益確定用閾値を下回ったときに利益を確定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る外国為替両建システムにおいて、前記別の資産の購入又は売却の回数が所定の回数を超えるときに前記別の資産の購入又は売却の新たな取引を停止し、かつ、前記第2所定値の値を小さくするように設定する第2調整処理部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、素人でも安定的に利益を出すことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る実施形態の外国為替両建システムを示す図である。
【
図2】本発明に係る実施形態の外国為替両建システムにおいて、金の売買がなされた取引の様子を示す図である。
【
図3】本発明に係る実施形態の外国為替両建システムにおいて、ギャップダウン及びプロフィットダウンを導入することによる金の売買の取引の変化を示す図である。
【
図4】本発明に係る実施形態の外国為替両建システムにおいて、ギャップダウン及びプロフィットダウンを導入して金の売買がなされた様子を示す図であり、売りで利益が確定した場合の取引の様子を示す図である。
【
図5】本発明に係る実施形態の外国為替両建システムにおいて、ギャップダウン及びプロフィットダウンを導入して金の売買がなされた様子を示す図であり、買いで利益が確定した場合の取引の様子を示す図である。
【
図6】本発明に係る実施形態の外国為替両建システムにおいて、ロスカット(ロスカットポジション及びロスカットプロフィット)を導入して金の売買がなされた取引の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0013】
図1は、本発明に係る実施形態の外国為替両建システム10を示す図である。
図2は、本発明に係る実施形態の外国為替両建システム10において、金の売買がなされた取引の様子を示す図である。
【0014】
図2(a)は、本発明に係る実施形態の外国為替両建システム10において、購入用閾値及び売却用閾値が同じ値で取引を行う様子を示す図であり、
図2(b)は、購入用閾値と売却用閾値との間にギャップを設けて取引を行う様子を示す図である。
【0015】
図3は、本発明に係る実施形態の外国為替両建システム10において、ギャップダウンを導入することによる金の売買の取引の変化を示す図である。
【0016】
図3(a)は、購入用閾値と売却用閾値との間にギャップ(ギャップダウン無)を設けて取引を行う様子を示す図であり、
図3(b)は、購入用閾値と売却用閾値との間にギャップ(ギャップダウン有)を設けて取引を行う様子を示す図である。
【0017】
図4は、本発明に係る実施形態の外国為替両建システム10において、ギャップダウン及びプロフィットダウンを導入して金の売買がなされた様子を示す図であり、売りで利益が確定した場合の取引の様子を示す図である。
【0018】
図5は、本発明に係る実施形態の外国為替両建システム10において、ギャップダウン及びプロフィットダウンを導入して金の売買がなされた様子を示す図であり、買いで利益が確定した場合の取引の様子を示す図である。
【0019】
図6は、本発明に係る実施形態の外国為替両建システム10において、ロスカット(ロスカットポジション及びロスカットプロフィット)を導入して金の売買がなされた取引の様子を示す図である。
【0020】
外国為替両建システム10は、所定の資産を別の資産へ交換するためのレートの変化がリアルタイムで表示されるリアルタイムチャートに基づいて、所定の資産を用いて別の資産を自動的に売買するシステムである。
【0021】
外国為替両建システム10は、購入処理部12と、売却処理部14と、利益確定処理部16と、第1調整処理部18と、第2調整処理部20とを有するサーバー11を備えている。
【0022】
外国為替両建システム10は、ネットワーク2を介してユーザー4の端末及び市場6に接続されている。市場6は、外国通貨などを取り扱う証券会社などである。
【0023】
ネットワーク2は、双方向通信可能な通信網であり、代表例としてはインターネットがある。ユーザー4の端末は、ネットワーク2に接続可能な装置であればどのようなものであってもよいが、例えばインターネットに接続可能なパーソナルコンピュータ、或いは携帯電話等の携帯端末がある。
【0024】
サーバー11は、外国為替保証金取引において取引される売り持ち又は買い持ちのポジションが成立した場合に、為替差損が一定の値幅に達した際に売買時期と判断して自動的に当該ポジションを決済する機能を発揮する。
【0025】
サーバー11は、ネットワーク2を介してユーザー4の端末との間で取引対象の新規注文及び新規注文に係る保証金設定のデータを送受信する。
【0026】
サーバー11は、送受信した新規注文及び新規注文に係る保証金設定のデータを取り込んで、外国為替保証金取引での新規注文の取引通貨単位当りに必要な保証金を設定し、取引対象の新規注文の発注を行い、現在の外国為替レート情報(リアルタイムチャート)を外部から取得し、上記外国為替保証金取引における売り持ち又は買い持ちのポジションを成立させて自動的に決済するものである。
【0027】
サーバー11には、市場6が所有する外国為替レート提供システムが接続されている。この外国為替レート提供システムは、サーバー11に対して現在の外国為替レート情報(リアルタイムチャート)を外部から送り込むもので、外国為替取引を行う銀行(市場6)が提供する外国為替レート情報を受信して送り込むようになっている。
【0028】
また、購入処理部12及び売却処理部14は、外国為替保証金取引での新規注文の取引通貨単位当りに必要な保証金を設定するもので、データを書き込み、読み出し可能な記憶手段(例えばメモリ)を有している。そして、ネットワーク2を介してユーザー4の端末から入力された、例えば10万米ドル当りに必要な保証金として例えば40万円と設定して記憶するようになっている。そして、購入処理部12及び売却処理部14は、資金、証拠金によりポジションの売買数量をギャップとプロフィットにより計算する。
【0029】
購入処理部12及び売却処理部14は、外国為替保証金取引の取引対象の売買注文方法の設定及び新規注文の発注を行うもので、データを書き込み、読み出し可能な記憶手段(例えばメモリ)を有している。
【0030】
そして、ネットワーク2を介してユーザー4の端末から入力された、売買する資産の種類(例えば、金(GOLD)/米ドル、米ドル/円、ポンド/円、ユーロ/円、豪ドル/ 円など)や取引額、指定値段などの条件を記憶するようになっている。
【0031】
購入処理部12、売却処理部14及び利益確定処理部16は、現在の外国為替レート情報を外部から取得するもので、例えば受信手段を有している。そして、市場6が所有する外国為替レート提供システムから送られる例えば金(GOLD)/米ドルの為替レート情報(リアルタイムチャート)を受信するようになっている。
【0032】
利益確定処理部16は、取得した現在の外国為替レートと閾値とを比較し注文を約定させるもので、例えば比較手段を有している。
【0033】
購入処理部12は、リアルタイムチャートにおいて別の資産の購入のための購入用閾値に基づいて別の資産を所定数購入するための取引を行う。具体的には、購入処理部12は、
図2(a)に示されるように、成り行きで最初の買い注文(米ドルで金を購入)を行い、このときのレートが購入用閾値及び売却用閾値となる。
【0034】
売却処理部14は、リアルタイムチャートにおいて別の資産の売却のための売却用閾値に基づいて別の資産を所定数売却するための取引を行う。具体的には、売却処理部14は、
図2(a)に示されるように、購入処理部12によって成り行きで最初の買い注文が行われた後、このときに定まった売却用閾値となったときに売り注文(金で売って米ドルを得る)を行う。
【0035】
利益確定処理部16は、リアルタイムチャートにおいて取引の利益確定用閾値に基づいて、購入処理部12及び売却処理部14による注文を約定させて利益を確定させる。具体的には、
図2(a)に示されるようにリアルタイムチャートが購入用閾値及び売却用閾値を超えるたびに売り買いが実行され、購入用閾値及び売却用閾値と所定のギャップが設けられた利益確定用閾値を超える際に購入処理部12及び売却処理部14による注文を約定させて利益を確定させる。
【0036】
続いて、上記構成の外国為替両建システム10の作用について説明する。
図2(a)に示されるように、米ドルと金(GOLD)との交換を行うためのリアルタイムチャートにおいて、購入処理部12は、成り行きで1回目の買い注文を行う。
【0037】
1回目の買い注文(BUY)のときのレートが購入用閾値及び売却用閾値として定まり、1回目の買い注文の際の注文数を1倍とする。そして、
図2(a)に示されるように、チャートは放物線のようなカーブを描いて上下し、購入用閾値及び売却用閾値を下回ったときに1回目の売り注文(SELL)をする。この時、1回目の買い注文の2倍の注文数を売却する。
【0038】
その後、チャートは下方に向いた放物線のようなカーブを描いて再び上昇し、購入用閾値及び売却用閾値を超えたときに2回目の買い注文を行う。この時、1回目の買い注文の2倍の注文数を購入する。
【0039】
次いで、再びチャートは放物線のようなカーブを描いて上下し、購入用閾値及び売却用閾値を下回ったときに2回目の売り注文(SELL)をする。この時、1回目の買い注文の2倍の注文数を売却する。
【0040】
この後、
図2(a)に示されるように、リアルタイムチャートは下降し続けて、購入用閾値及び売却用閾値と所定のギャップ値が設けられた利益確定用閾値を下回った時に、今までの注文を約定させて利益を確定する。このとき、買い注文(BUY)は、-3であり、売り注文(SELL)は、+4であるから利益として1倍を得ることが出来る。
【0041】
以上のように、外国為替両建システム10によれば、ユーザー4は、自らリアルタイムチャートを確認しながら取引する必要なく、自動的に売買されて、安定的に利益を得ることができるという顕著な効果を奏する。
【0042】
図2(a)では、購入用閾値と売却用閾値とは同じ値に設定されていたが、
図2(b)では、購入用閾値と売却用閾値とは第1所定値の差(ギャップ)が設定されている。このとき、利益確定用閾値は、購入用閾値及び売却用閾値との間でそれぞれ第2所定値の差(プロフィット)が設定されている。ギャップを設けるのは、スプレッドやストップレベルを考慮すると一定のギャップが存在することが好ましいからである。
【0043】
図2(b)に示されるように、米ドルと金(GOLD)との交換を行うためのリアルタイムチャートにおいて、購入処理部12は、成り行きで1回目の買い注文(BUY)を行う。
【0044】
1回目の買い注文(BUY)のときのレートが購入用閾値として定まり、1回目の買い注文の際の注文数を1倍とし、第1所定値の差(ギャップ)を200として設定して売却用閾値が定める。
【0045】
図2(b)に示されるように、チャートは放物線のようなカーブを描いて上下し、売却用閾値を下回ったときに1回目の売り注文(SELL)をする。この時、1回目の買い注文の4倍の注文数を売却する。
【0046】
その後、チャートは下方に向いた放物線のようなカーブを描いて再び上昇し、購入用閾値を超えたときに2回目の買い注文を行う。この時、1回目の買い注文の13倍の注文数を購入する。
【0047】
次いで、再びチャートは放物線のようなカーブを描いて上下し、売却用閾値を下回ったときに2回目の売り注文(SELL)をする。この時、1回目の買い注文の40倍の注文数を売却する。
【0048】
この後、
図2(b)に示されるように、リアルタイムチャートは下降し続けて、売却用閾値と所定のプロフィット値(ここでは100)が設けられた利益確定用閾値を下回った時に、いままでの注文を約定させて利益を確定する。このとき、買い注文(BUY)は、-14×300=-4200であり、売り注文(SELL)は、44×100=4400であるから利益として+200の利益を得ることが出来る。
【0049】
次に、
図3に示されるように売買の回数が増えたときにギャップを広げるギャップダウンを導入する例について説明する。
図3(a)は、比較のためにギャップダウンが無い状態で
図2(b)に示されるようにギャップを一定にして取引を行う様子を示す図であり、
図3(b)は、20%のギャップダウンを導入して取引を行う様子を示す図である。ギャップダウンを設けない場合は、
図3(a)に示されるように、多くのポジションを取ってしまう可能性があるため、証拠金の損失のリスクを低減させるため、ポジション数を抑えるようにしている。
【0050】
ギャップダウンの設定は、第1調整処理部18の機能によって実行される。第1調整処理部18は、別の資産の購入又は売却の回数が増えると第1所定値の値(ギャップ)を大きくするように設定する機能を有する。
【0051】
図4は、20%のギャップダウンを導入して売り注文(SELL)で利益確定したときの取引の様子を示す図である。
図4に示されるように1回目の買い注文(BUY)及び売り注文(SELL)のときに比べて、2回目の買い注文(BUY)以降の第1所定値の差(ギャップ)を20%ダウンさせて取引を行っており、このときの第2所定値の差(プロフィット)を90%と設定しており、ここでは、2回目の売り注文の後に利益が確定している。
【0052】
図5は、20%のギャップダウンを導入して買い注文(BUY)で利益確定したときの取引の様子を示す図である。
図5に示されるように1回目の売り注文(SELL)及び買い注文(BUY)のときに比べて、2回目の買い注文(BUY)以降の第1所定値の差(ギャップ)を20%ダウンさせて取引を行っており、このときの第2所定値の差(プロフィット)を90%と設定しており、ここでは、2回目の買い注文の後に利益が確定している。なお、
図4,5では、3ポジション目で10プロフィットダウンとダウン開始ポジションを設定しているが、3ポジション目に限定されず、その他のポジション、例えば、4ポジションや5ポジションであってもよい。
【0053】
図6は、ロスカットの設定をした際の取引の様子を示す図である。ロスカットは、ロスカットポジションとロスカットプロフィットが含まれる。ロスカットの設定は、第2調整処理部20の機能により実現される。第2調整処理部20は、別の資産の購入又は売却の回数が所定の回数を超えるときに別の資産の購入又は売却の新たな取引を停止し、かつ、前記第2所定値の値を小さくするように設定する。
【0054】
ここで、売り注文(SELL)又は買い注文(BUY)が1回のポジションとして設定されている。ここでは、第2調整処理部20は、3回のポジションを上限として新たな注文を停止する。
【符号の説明】
【0055】
2 ネットワーク、4 ユーザー、6 取引所、10 外国為替両建システム、11 サーバー、12 購入処理部、14 売却処理部、16 利益確定処理部、18 第1調整処理部、20 第2調整処理部。
【要約】
【課題】素人でも安定的に利益を出すことを可能とする外国為替両建システムを提供することである。
【解決手段】所定の資産を別の資産へ交換するためのレートの変化がリアルタイムで表示されるリアルタイムチャートに基づいて、所定の資産を用いて別の資産を自動的に売買する外国為替両建システム10であって、リアルタイムチャートにおいて別の資産の購入のための購入用閾値に基づいて別の資産を所定数購入するための取引を行う購入処理部12と、リアルタイムチャートにおいて別の資産の売却のための売却用閾値に基づいて別の資産を所定数売却するための取引を行う売却処理部14と、リアルタイムチャートにおいて取引の利益確定用閾値に基づいて、保有している別の資産を全て売却して所定の資産を得ることで利益を確定させる利益確定処理部16と、を備える。
【選択図】
図1