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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20240716BHJP
【FI】
G06Q30/0207 350
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023204932
(22)【出願日】2023-12-04
(62)【分割の表示】P 2021044225の分割
【原出願日】2019-11-13
(65)【公開番号】P2024012719
(43)【公開日】2024-01-30
【審査請求日】2023-12-25
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】518388498
【氏名又は名称】株式会社MaaS Tech Japan
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】日高 洋祐
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-097730(JP,A)
【文献】特開2002-216187(JP,A)
【文献】特表2015-535629(JP,A)
【文献】国際公開第2019/176943(WO,A1)
【文献】特開2003-208698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザが利用した移動経路及び前記移動経路における出発地点から到着地点までの移動時間を取得する取得手段、
前記ユーザの移動スケジュールであって将来の移動予定及び/又は過去の移動履歴を含む移動スケジュールにおける前記出発地点から前記到着地点までの移動の平均時間と比較して、前記移動経路における当該出発地点から当該到着地点までの移動時間が長い場合に、難易度を高く算出する算出手段、
前記難易度が所定値以上であるか否かを判定する判定手段、
前記判定が肯定された場合、前記ユーザに特典を付与する付与手段、
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記算出手段は、前記移動スケジュールに含まれる移動経路における前記出発地点から前記到着地点までの移動の平均の時間を前記平均時間として用いる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記移動スケジュールは、前記移動履歴を含み、
前記算出手段は、前記移動スケジュールに含まれる過去所定期間内にユーザが利用した移動経路における前記出発地点から前記到着地点までの移動の平均の時間を前記平均時間として用いる、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
ユーザが利用した移動経路及び前記移動経路における出発地点から到着地点までの移動時間を取得する取得手段と、
前記ユーザの移動スケジュールであって将来の移動予定及び/又は過去の移動履歴を含む移動スケジュールにおける前記出発地点から前記到着地点までの移動の平均時間と比較して、前記移動経路における当該出発地点から当該到着地点までの移動時間が長い場合に、難易度を高く算出する算出手段と、
前記難易度が所定値以上であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定が肯定された場合、前記ユーザに特典を付与する付与手段と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、渋滞や公共交通機関の混雑を緩和させるためのシステムが知られている。
【0003】
これに関し、非特許文献1には、オフピーク通勤を行ったユーザに対して、ポイントを付与する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】東京都交通局、“都営交通2019夏の時差Bizキャンペーン”、[online]、令和1年6月27日、[令和1年11月3日検索]、インターネット<URL:https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/pickup_information/news/pdf/2019/sub_p_201906278624_h_05.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、非特許文献1の技術では、オフピークに交通機関を利用することが困難なユーザと容易なユーザに対して同一のポイントを付与している。このため、各ユーザの特性や嗜好を考慮したポイント付与ができず、効率的に混雑緩和を実現することができないという問題があった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、各ユーザの特性や嗜好を考慮した特典付与によって、効率的に混雑緩和を実現することができるプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザが利用した移動経路を取得する取得手段、前記ユーザの移動スケジュールから、当該ユーザが前記移動経路を利用する難易度を算出する算出手段、前記難易度が所定値以上であるか否かを判定する判定手段、前記判定が肯定された場合、前記ユーザに特典を付与する付与手段、として機能させる。
【0008】
また、本発明の第二態様では、前記取得手段は、前記移動経路を利用した時間帯を取得し、前記判定手段は、前記難易度が所定値以上であり、且つ、前記移動経路を利用した時間帯が混雑時間帯に含まれていない場合に判定を肯定する。
【0009】
また、本発明の第三態様では、前記取得手段は、各ユーザの移動予定を取得し、前記算出手段は、前記各ユーザの移動予定から前記移動経路に関する前記混雑時間帯を算出する。
【0010】
また、本発明の第四態様では、コンピュータを、前記算出された前記混雑時間帯に前記移動経路を利用する移動予定を登録している場合、当該移動予定の変更を促す提案を行う提案手段、として機能させる。
【0011】
また、本発明の第五態様では、前記算出手段は、前記移動スケジュールにおいて、前記移動経路を利用した時間帯における前記ユーザの移動頻度が低い場合に、前記難易度を高く算出する。
【0012】
また、本発明の第六態様では、前記算出手段は、前記移動スケジュールにおいて、前記ユーザによる前記移動経路の利用頻度が低い場合に、前記難易度を高く算出する。
【0013】
また、本発明の第七態様では、前記取得手段は、前記移動経路における出発地点から到着地点までの移動時間を取得し、前記算出手段は、前記移動スケジュールにおける前記出発地点から前記到着地点までの平均移動時間と比較して、前記移動経路における当該出発地点から当該到着地点までの移動時間が長い場合に、前記難易度を高く算出する。
【0014】
また、本発明の第八態様では、前記算出手段は、前記移動スケジュールにおける出発地点から到着地点までに排出する温暖化ガス量の平均値と比較して、前記移動経路における当該出発地点から当該到着地点までに排出された温暖化ガス量が少ない場合に、前記難易度を高く算出する。
【0015】
また、本発明の第九態様では、前記取得手段は、前記ユーザが移動経路を利用した際の天候を取得し、前記算出手段は、前記天候が悪天候である場合、前記難易度を高く算出する。
【0016】
また、本発明の第十態様に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザが利用した移動経路を取得する取得手段、前記ユーザの移動スケジュールから、当該ユーザが前記移動経路を利用する嗜好性を算出する算出手段、前記嗜好性に応じて、前記ユーザに特典を付与する付与手段、として機能させる。
【0017】
また、本発明の第十一態様に係る情報処理装置は、ユーザが利用した移動経路を取得する取得手段と、前記ユーザの移動スケジュールから、当該ユーザが前記移動経路を利用する難易度を算出する算出手段と、前記難易度が所定値以上であるか否かを判定する判定手段と、前記判定が肯定された場合、前記ユーザに特典を付与する付与手段と、を備える。
【0018】
また、本発明の第十二態様に係る情報処理装置は、ユーザが利用した移動経路を取得する取得手段と、前記ユーザの移動スケジュールから、当該ユーザが前記移動経路を利用する嗜好性を算出する算出手段と、前記嗜好性に応じて、前記ユーザに特典を付与する付与手段と、を備える。
【発明の効果】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
本発明によれば、ユーザの特性や嗜好を考慮した報酬付与によって、効率的に混雑緩和を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第一実施形態に係るスケジュール管理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
図2図1に示すサーバ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】サーバ装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図4】第一実施形態に係るスケジュール管理システムにおいて、特典付与を行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】端末装置に表示される特典付与ページの一例を示す図である。
図6】第二実施形態に係るスケジュール管理システムにおいて、新たな移動経路を提案する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】端末装置に表示される提案ページの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照しながら本発明の複数の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0025】
---第一実施形態---
まず、第一実施形態について説明する。
【0026】
<全体構成>
図1は、第一実施形態に係るスケジュール管理システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0027】
図1に示すように、第一実施形態に係るスケジュール管理システム1は、サーバ装置10と、一又は複数の端末装置12と、を備える。これらサーバ装置10と端末装置12は、イントラネットやインターネット、電話回線等の通信ネットワークNTを介して互いに通信可能に接続されている。
【0028】
サーバ装置10は、一又は複数のユーザのスケジュールを管理する情報処理装置(コンピュータ)である。このサーバ装置10は、端末装置12を介したユーザの指示に基づき、スケジュールを閲覧可能にしたり、スケジュールを追加したりする。
【0029】
端末装置12は、ユーザが操作する情報処理装置である。ユーザは、この端末装置12を操作してサーバ装置10にアクセスする。端末装置12としては、例えば、携帯電話や、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等の様々なものが挙げられる。なお、端末装置12には、GPS(Global Positioning System)等の端末装置12の現在の位置情報を取得する機能や、加速度センサ等の端末装置12に与えられた加速度を検出する機能を備えていることが好ましい。
【0030】
<ハードウェア構成>
図2は、図1に示すサーバ装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0031】
図2に示すように、サーバ装置10は、制御装置20と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)22及びメモリ24を主に備えて構成される。
【0032】
制御装置20では、CPU22がメモリ24或いは記憶装置28等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能手段として機能する。この機能手段の詳細については後述する。
【0033】
通信装置26は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置26は、例えば、端末装置12との間で各種の情報を送受信(通信)する。
【0034】
記憶装置28は、ハードディスク等で構成される。記憶装置28は、制御装置20における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0035】
なお、サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、図2は、サーバ装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置10は、サーバが一般的に備える他の構成を備えることができる。また、複数の端末装置12のハードウェア構成も、例えば操作手段や表示装置等を備える他は、サーバ装置10と同様の構成を備えることができる。
【0036】
<機能的構成>
図3は、サーバ装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0037】
図3に示すように、サーバ装置10は、機能的構成として、記憶手段50と、取得手段52と、検索手段54と、算出手段56と、判定手段58と、付与手段60と、提案手段62と、を備える。記憶手段50は、一又は複数の記憶装置28で実現される。記憶手段50以外の機能的構成は、記憶装置28等に格納されたプログラムを制御装置20が実行することにより実現される。
【0038】
記憶手段50は、例えば、ウェブページ50Aと、経路情報50Bと、ユーザ情報50Cと、スケジュール50Dと、を記憶する機能手段である。
【0039】
ウェブページ50Aは、ユーザのスケジュールを一覧可能なスケジュール一覧ページやログインページ等、複数のウェブページを含む。経路情報50Bは、例えば日本全国にある電車やバス、タクシー等の移動手段の各経路の名称やリンク情報、各経路における移動手段の出発時間、到着時間、料金等を含む。ユーザ情報50Cは、ユーザ毎に設けられ、ユーザIDや名前、性別、住所、連絡先、ログインID、パスワード、付与された特典等を含む。スケジュール50Dは、ユーザ毎に設けられ、場所情報や、場所情報が示す場所での目的情報、目的情報が示す目的の開始時間情報、目的情報が示す目的の終了時間情報を含む。また、スケジュール50Dは、ユーザのスケジュール間の移動スケジュールを含む。この移動スケジュールは、過去の移動履歴と将来の移動予定を含み、当該移動履歴および当該移動予定には、経路情報と、出発時間と、到着時間が含まれる。この経路情報は、出発地点から到着地点までの移動に利用した(利用する)移動手段の名称や料金等を含む。なお、過去の移動履歴は、ユーザが移動予定として登録した情報(経路等)であってもよいし、端末装置12のGPS等を用いて取得したユーザが実際に利用した情報(経路等)であってもよい。
【0040】
取得手段52は、ユーザの移動に関する各種情報を取得する機能手段である。第一実施形態では、取得手段52は、各ユーザの移動スケジュールや、各ユーザが利用した移動経路を取得する。例えば、取得手段52は、ユーザの端末装置12から取得した所定時間(例えば1分)毎の位置情報や、移動スケジュールを参照して、当該ユーザが利用した移動経路を取得(特定)する。この移動経路には、移動手段や移動ルート(リンク及びノード等)が含まれる。なお、取得手段52は、所定時間毎の位置情報をユーザの端末装置12から逐次取得してもよいし、まとめて一括で取得してもよい。
【0041】
また、取得手段52は、ユーザが当該移動経路を利用した時間帯を取得する。例えば、取得手段52は、30分刻みで時間帯を取得する。具体的には、ユーザが出発地点から移動を開始した時間(出発時間)が7時40分であり、到着地点までの移動を終了した時間(到着時間)が8時15分である場合、取得手段52は、移動経路を利用した時間帯として、7時30分~8時30分を取得する。
【0042】
また、取得手段52は、移動経路における出発地点から到着地点までの移動時間を取得する。具体的には、取得手段52は、ユーザが出発地点から移動を開始した時間(出発時間)が6時00分であり、到着地点までの移動を終了した時間(到着時間)が7時20分である場合、取得手段52は、移動経路における出発地点から到着地点までの移動時間として、1時間20分を取得する。
【0043】
また、取得手段52は、ユーザが移動経路を利用した際の天候を取得する。具体的には、取得手段52は、ユーザが移動経路を利用した時間帯における当該移動経路の範囲の天候情報を外部のサーバ装置から取得する。この天候情報には、天気(晴れ、曇、雨等)や、気温、風速等が含まれる。
【0044】
検索手段54は、移動経路を検索する機能手段である。例えば、検索手段54は、経路情報50Bを参照して、出発地点から到着地点までの移動に利用可能な移動経路を検索する。
【0045】
算出手段56は、各種情報を算出する機能手段である。第一実施形態では、算出手段56は、ユーザの移動スケジュール(例えば過去の移動履歴)から、当該ユーザが移動経路を利用する難易度を算出する。この難易度とは、ユーザが移動経路を利用する特性や嗜好性を示す値である。例えば、難易度は、ユーザが移動経路を利用する特性や嗜好性が高いほど低い値となり、特性や嗜好性が低いほど高い値となる。以下、算出手段56が当該難易度を上昇させる具体例を説明する。
【0046】
(1)移動経路を利用した時間帯の移動頻度が低い場合
算出手段56は、ユーザの過去の移動履歴において、移動経路を利用した時間帯におけるユーザの移動頻度が低い場合に、当該ユーザが当該移動経路を利用する難易度を高く算出する。具体的には、算出手段56は、ユーザが移動経路を利用した時間帯が6時00分~7時30分であって、ユーザの過去の移動履歴において当該時間帯の移動頻度が過去1ヶ月間のうち5回未満である場合、当該移動経路を利用する難易度を5上昇させ、当該時間帯の移動頻度が過去1ヶ月間のうち5回以上10回未満である場合、当該移動経路を利用する難易度を2上昇させる。
【0047】
(2)移動経路の利用頻度が低い場合
算出手段56は、ユーザの過去の移動履歴において、ユーザによる移動経路の利用頻度が低い場合に、当該ユーザが当該移動経路を利用する難易度を高く算出する。具体的には、算出手段56は、ユーザによる移動経路の利用頻度が過去1ヶ月間のうち5回未満である場合、当該移動経路を利用する難易度を3上昇させ、当該移動経路の利用頻度が過去1ヶ月間のうち5回以上10回未満である場合、当該移動経路を利用する難易度を1上昇させる。
【0048】
(3)移動時間が長い場合
算出手段56は、ユーザの過去の移動履歴における出発地点から到着地点までの平均移動時間と比較して、利用した移動経路における当該出発地点から当該到着地点までの移動時間が長い場合に、当該ユーザが当該移動経路を利用する難易度を高く算出する。すなわち、算出手段56は、ユーザが過去に利用していた移動経路の平均移動時間よりも移動時間が長い移動経路を利用した場合、難易度を高く算出する。具体的には、算出手段56は、ユーザが過去1ヶ月間に利用していた移動経路における出発地点から到着地点までの平均移動時間よりも、今回利用した移動経路における当該出発地点から当該到着地点までの移動時間が15分以上長い場合、今回利用した移動経路を利用する難易度を3上昇させる。
【0049】
(4)温暖化ガス量が少ない場合
算出手段56は、ユーザの過去の移動履歴における出発地点から到着地点までに排出された温暖化ガス量の平均値と比較して、移動経路における当該出発地点から当該到着地点までに排出された温暖化ガス量が少ない場合に、ユーザが当該移動経路を利用する難易度を高く算出する。この温暖化ガス量(二酸化炭素量)は、予め移動手段毎に定められており、例えば自動車(タクシー)は140g/km、バスは60g/km、電車は20g/km、飛行機は90g/km、徒歩及び自転車は0g/kmである。具体的には、算出手段56は、ユーザが過去1ヶ月間に利用していた移動経路における出発地点から到着地点までに排出された温暖化ガス量の平均値が、今回利用した移動経路における当該出発地点から当該到着地点までに排出された温暖化ガス量よりも100g/km以上少ない場合、今回利用した移動経路を利用する難易度を5上昇させる。
【0050】
(5)悪天候の場合
算出手段56は、ユーザが移動経路を利用した際の当該移動経路の範囲が悪天候である場合に、ユーザが当該移動経路を利用する難易度を高くする。具体的には、算出手段56は、ユーザが移動経路を利用した時間帯における当該移動経路の範囲の天候が、例えば雨である場合、当該ユーザが当該移動経路を利用する難易度を3上昇させる。また、算出手段56は、ユーザが移動経路を利用した時間帯における当該移動経路の範囲の気温が、例えば35℃以上である場合、当該ユーザが当該移動経路を利用する難易度を3上昇させる。
【0051】
また、算出手段56は、各ユーザの移動スケジュール(移動予定)から移動経路に関する混雑時間帯を算出する。例えば、算出手段56は、ユーザが移動経路の混雑時間帯以外に当該移動経路を利用した場合に限って、当該ユーザが当該移動経路を利用する難易度を算出する。この混雑時間帯とは、例えば、移動経路の利用率(混雑率)が閾値(例えば80)以上の時間帯をいう。
【0052】
判定手段58は、所定条件を満たしたか否かを判定する機能手段である。第一実施形態では、判定手段58は、難易度が所定値以上であるか否かを判定する。また、判定手段58は、難易度が所定値以上であり、且つ、ユーザが移動経路を利用した時間帯が混雑時間帯に含まれていない場合に判定を肯定する。
【0053】
付与手段60は、ユーザに特典を付与する機能手段である。第一実施形態では、付与手段60は、判定手段58による判定が肯定された場合、ユーザに特典を付与する。この特典としては、移動手段や移動経路上の施設で利用可能なポイントや、割引クーポン、無料クーポン等が挙げられる。このポイントは、例えば、金銭的な価値を有するものであってもよいし、プレゼント抽選の応募に必要となるものであってもよい。
【0054】
提案手段62は、ユーザの端末装置12に各種提案を行う機能手段である。第一実施形態では、提案手段62は、算出手段56により算出された混雑時間帯に移動経路を利用する移動スケジュール(移動予定)をユーザが登録している場合、当該移動スケジュール(移動予定)の変更を促す提案を行う。具体的には、取得手段52は、定期的(例えば毎日0時)に、各ユーザが登録した移動スケジュール(移動予定)を取得する。続いて、算出手段56は、取得手段52が取得した移動スケジュール(移動予定)に基づいて、各移動経路の混雑時間帯を算出する。続いて、提案手段62は、算出手段56により算出された混雑時間帯に移動経路を利用する移動スケジュール(移動予定)をユーザが登録している場合、当該移動スケジュール(移動予定)の変更を促す提案をユーザの端末装置12に行う。例えば、提案手段62は、ユーザに特典(例えば多くのポイント)が付与される移動経路や、出発時間、到着時間に変更するように提案してもよい。
【0055】
<特典付与に係る処理の流れ>
図4は、第一実施形態に係るスケジュール管理システム1において、特典付与を行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、以下のステップの処理は、例えば、ユーザが登録している移動スケジュールの移動予定が終了したタイミングで開始される。このタイミングは、例えばサーバ装置10が端末装置12から当該移動スケジュールの到着地点に到着した情報を受信したタイミングである。なお、以下の処理の内容及び処理の順番は適宜変更することができる。
【0056】
(ステップSP10)
取得手段52は、ユーザが利用した移動経路と、当該移動経路を利用した時間帯を取得する。第一実施形態では、取得手段52は、端末装置12から取得した位置情報と時間情報に基づき、ユーザの移動速度を取得(特定)する。続いて、取得手段52は、駅やバス停、交差点付近で移動速度又は加速度の変化を検出したことや、ユーザが登録した移動スケジュール(移動予定)に基づいて、当該ユーザが利用した移動経路を取得(特定)する。そして、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0057】
(ステップSP12)
取得手段52は、各ユーザの移動スケジュールを取得する。第一実施形態では、取得手段52は、各ユーザの将来の移動予定を取得する。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0058】
(ステップSP14)
算出手段56は、各ユーザの移動予定から、ステップSP10で取得された移動経路に関する混雑時間帯を算出する。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0059】
(ステップSP16)
判定手段58は、ステップSP10で取得された移動経路を利用した時間帯の全部が、ステップSP14で算出された混雑時間帯に含まれていないか否かを判定する。具体的には、判定手段58は、ステップSP10で取得された時間帯が7時30分~8時30分であって、ステップSP14で算出された混雑時間帯が6時00~7時20分である場合、判定を肯定する。一方、判定手段58は、ステップSP10で取得された時間帯が7時45分~8時45分であって、ステップSP14で算出された混雑時間帯が7時00~8時30分である場合、判定を否定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP18の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、図4に示す一連の処理を終了する。
【0060】
(ステップSP18)
算出手段56は、ステップSP10で取得された移動経路をユーザが利用する難易度を算出する。例えば、算出手段56は、ユーザが移動経路を利用した時間帯の移動頻度が低い場合、難易度を上昇させる。また、算出手段56は、ユーザによる移動経路の利用頻度が低い場合、難易度を上昇させる。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0061】
(ステップSP20)
判定手段58は、ステップSP18で算出された難易度が所定値以上であるか否かを判定する。この所定値は、例えば6である。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP22の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、図4に示す一連の処理を終了する。
【0062】
(ステップSP22)
付与手段60は、ユーザに特典を付与する。例えば、付与手段60は、ステップSP18で算出された難易度に応じたポイントをユーザに付与する。具体的には、付与手段60は、難易度が10であった場合は100ポイントをユーザに付与し、難易度が7であった場合は70ポイントをユーザに付与する。これに伴い、端末装置12は、サーバ装置10から特典付与ページを受信する。
【0063】
図5は、端末装置12に表示される特典付与ページ70の一例を示す図である。
【0064】
図5に示すように、特典付与ページ70には、特典情報提示領域72と、特典残高提示領域74とが設けられている。特典情報提示領域72には、利用した移動経路の難易度によってユーザに付与された(ユーザが獲得した)特典の量が表されている。特典残高提示領域74には、ユーザが所有している特典の量(残高)が表されている。
【0065】
そして、処理は、図4に示す一連の処理を終了する。
【0066】
<効果>
以上、第一実施形態では、コンピュータを、ユーザが利用した移動経路を取得する取得手段52、ユーザの移動スケジュールから、当該ユーザが移動経路を利用する難易度を算出する算出手段56、難易度が所定値以上であるか否かを判定する判定手段58、判定が肯定された場合、ユーザに特典を付与する付与手段60、として機能させる。
【0067】
この構成によれば、ユーザの移動スケジュールから、当該ユーザの特性や嗜好を考慮した難易度を算出し、当該難易度に基づく特典付与が行えるため、効率的に混雑緩和を実現することができる。
【0068】
また、第一実施形態では、取得手段52は、移動経路を利用した時間帯を取得し、判定手段58は、難易度が所定値以上であり、且つ、移動経路を利用した時間帯が混雑時間帯に含まれていない場合に判定を肯定する。
【0069】
この構成によれば、混雑時間帯を回避したユーザに特典を付与することができるため、効率的に混雑緩和を実現することができる。
【0070】
また、第一実施形態では、取得手段52は、各ユーザの移動予定を取得し、算出手段56は、各ユーザの移動予定から移動経路に関する混雑時間帯を算出する。
【0071】
この構成によれば、事前に各ユーザが登録した移動予定に基づいて混雑時間帯を算出するため、交通機関等による混雑予想に比べ、より精度の高い混雑時間帯を算出することができる。
【0072】
また、第一実施形態では、コンピュータを、算出された混雑時間帯に移動経路を利用する移動予定を登録している場合、当該移動予定の変更を促す提案を行う提案手段62、として機能させる。
【0073】
この構成によれば、混雑時間帯に移動経路を利用する予定であるユーザに移動予定の変更を促すことができるため、効率的に混雑緩和を実現することができる。
【0074】
また、第一実施形態では、算出手段56は、移動スケジュールにおいて、移動経路を利用した時間帯におけるユーザの移動頻度が低い場合に、難易度を高く算出する。
【0075】
この構成によれば、移動経路を利用した時間帯に移動頻度が低いユーザに対して、当該ユーザが当該移動経路を利用する難易度を高く算出するため、ユーザの特性や嗜好を考慮した特典付与が行える。
【0076】
また、第一実施形態では、算出手段56は、移動スケジュールにおいて、ユーザによる移動経路の利用頻度が低い場合に、難易度を高く算出する。
【0077】
この構成によれば、移動経路の利用頻度が低いユーザに対して、当該ユーザが当該移動経路を利用する難易度を高く算出するため、ユーザの特性や嗜好を考慮した特典付与が行える。
【0078】
また、第一実施形態では、取得手段52は、移動経路における出発地点から到着地点までの移動時間を取得し、算出手段56は、移動スケジュールにおける出発地点から到着地点までの平均移動時間と比較して、移動経路における当該出発地点から当該到着地点までの移動時間が長い場合に、難易度を高く算出する。
【0079】
この構成によれば、利用した移動経路における移動時間が、これまでの平均移動時間よりも長い場合、ユーザが当該移動経路を利用する難易度を高く算出するため、ユーザの特性や嗜好を考慮した特典付与が行える。
【0080】
また、第一実施形態では、算出手段56は、移動スケジュールにおける出発地点から到着地点までに排出する温暖化ガス量の平均値と比較して、移動経路における当該出発地点から当該到着地点までに排出された温暖化ガス量が少ない場合に、難易度を高く算出する。
【0081】
この構成によれば、利用した移動経路において排出された温暖化ガス量が、移動スケジュール内の異なる移動経路における温暖化ガス量の平均値よりも少ない場合、ユーザが当該移動経路を利用する難易度を高く算出するため、ユーザの特性や嗜好を考慮した特典付与が行えるとともに、環境を考慮したモビリティマネジメントが行える。
【0082】
また、第一実施形態では、取得手段52は、ユーザが移動経路を利用した際の天候を取得し、算出手段56は、天候が悪天候である場合、難易度を高く算出する。
【0083】
この構成によれば、利用した移動経路が悪天候であった場合、ユーザが当該移動経路を利用する難易度を高く算出するため、ユーザの特性や嗜好を考慮した特典付与が行える。
【0084】
また、第一実施形態では、コンピュータを、ユーザが利用した移動経路を取得する取得手段52、ユーザの移動スケジュールから、当該ユーザが移動経路を利用する嗜好性を算出する算出手段56、嗜好性に応じて、ユーザに特典を付与する付与手段60、として機能させる。
【0085】
この構成によれば、ユーザの移動スケジュールから、当該ユーザの嗜好性を算出し、当該嗜好性に基づく特典付与が行えるため、効率的に混雑緩和を実現することができる。
【0086】
---第二実施形態---
次に、第二実施形態について説明する。
【0087】
第二実施形態では、取得手段52がユーザの移動スケジュール(移動予定)から移動に利用する一の移動経路等を取得する点、検索手段54が当該一の移動経路とは異なる他の移動経路を検索する点、算出手段56が当該他の移動経路の利用頻度等を算出する点、判定手段58が当該他の移動経路の利用頻度が所定値未満であるか否かを判定する点、付与手段60が当該他の移動経路に関する特典をユーザに付与する点、および、提案手段62が当該他の移動経路をユーザに提案する点で第一実施形態と異なる。なお、以下で説明しない第二実施形態に係るスケジュール管理システム1の構成及び機能は、第一実施形態に係るスケジュール管理システム1の構成及び機能と同様である。
【0088】
また、第二実施形態では、取得手段52は、ユーザの移動スケジュール(移動予定)から、出発地点から到着地点までの移動に利用する一の移動経路と、当該一の移動経路を利用する時間帯とを取得する。
【0089】
また、第二実施形態では、検索手段54は、取得手段52によって取得された一の移動経路を利用する時間帯において、出発地点から到着地点までの移動に利用可能な移動経路であって、一の移動経路とは異なる他の移動経路を検索する。
【0090】
また、第二実施形態では、算出手段56は、ユーザの移動スケジュール(例えば過去の移動履歴)から、他の移動経路の利用頻度を算出する。この利用頻度は、0~100の数値で示され、例えばユーザが過去1ヶ月間で一度も利用したことがない移動経路である場合は0となり、ユーザが過去1ヶ月間で20回以上利用している移動経路である場合は100となる。
【0091】
また、算出手段56は、取得手段52によって取得された一の移動経路を利用する時間帯における一の移動経路の利用率(混雑率)と他の移動経路の利用率(混雑率)を算出する。また、算出手段56は、各ユーザの移動スケジュールから、当該利用率を算出する。この利用率は、例えば移動手段の定員数と、当該移動手段を利用予定のユーザ数とに基づいて算出され、例えば0~100の数値で示される。なお、この利用率は、移動手段を運営する交通機関のサーバ装置から取得してもよい。
【0092】
また、第二実施形態では、判定手段58は、他の移動経路の利用頻度が所定値未満であるか否かを判定する。具体的には、判定手段58は、他の移動経路の利用頻度が所定値未満であって、且つ、当該他の移動経路の利用率が一の移動経路の利用率よりも低いか否かを判定する。
【0093】
また、第二実施形態では、付与手段60は、提案された他の移動経路に関する特典をユーザに付与する。この特典は、他の移動経路で利用される移動手段(交通機関)において利用可能な無料クーポンや割引クーポンであってもよいし、他の移動経路上の施設において利用可能な無料クーポンや割引クーポンであってもよい。また、付与手段60は、他の移動経路の利用頻度に応じたポイントをユーザに付与する。具体的には、付与手段60は、例えば当該利用頻度が10であった場合は90ポイントをユーザに付与し、当該利用頻度が40であった場合は60ポイントをユーザに付与する。
【0094】
また、第二実施形態では、提案手段62は、判定が肯定された場合、一の移動経路の代わりに、他の移動経路をユーザに提案する。
【0095】
また、提案手段62は、提案する他の移動経路が複数存在する場合、出発地点から到着地点までの移動時間が短い移動経路を優先的に提案してもよいし、出発地点から到着地点までの移動で排出される温暖化ガス量が少ない移動経路を優先的に提案してもよい。また、提案手段62は、提案する他の移動経路上の施設を紹介してもよい。この施設は、例えば、他の移動経路上における乗換地点(駅やバス停)や道路沿い等のユーザが立ち寄り可能な場所にある施設であって、新規オープンした店舗や、評価の高い飲食店等が挙げられる。例えば、提案手段62は、当該施設を紹介した記事や詳細情報を示すホームページのURL(Uniform Resource Locator)を含む画面をユーザの端末装置12に表示させる。
【0096】
<新たな移動経路の提案に係る処理の流れ>
図6は、第二実施形態に係るスケジュール管理システム1において、新たな移動経路を提案する処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、以下のステップの処理は、例えば、定期的なタイミングで開始される。このタイミングは、例えば、毎日13時である。なお、以下の処理の内容及び処理の順番は適宜変更することができる。
【0097】
(ステップSP30)
取得手段52は、ユーザの移動スケジュール(移動予定)から、出発地点から到着地点までの移動に利用する一の移動経路と、当該一の移動経路を利用する時間帯とを取得する。そして、処理は、ステップSP32の処理に移行する。
【0098】
(ステップSP32)
検索手段54は、ステップSP30で取得された時間帯において、一の移動経路の出発地点から到着地点までの移動に利用可能な移動経路であって、当該一の移動経路とは異なる他の移動経路を検索する。そして、処理は、ステップSP34の処理に移行する。
【0099】
(ステップSP34)
算出手段56は、各ユーザの移動スケジュール(移動予定)から、一の移動経路の利用率(混雑率)と、ステップSP32で検索された他の移動経路の利用率(混雑率)を算出する。なお、算出手段56は、ステップSP32で複数の他の移動経路が検索された場合、各移動経路の利用率を算出する。そして、処理は、ステップSP36の処理に移行する。
【0100】
(ステップSP36)
判定手段58は、ステップSP34で算出された他の移動経路の利用率が、一の移動経路の利用率よりも低いか否かを判定する。具体的には、判定手段58は、一の移動経路の利用率が80であって、他の移動経路の利用率が50である場合、判定を肯定する。なお、判定手段58は、他の移動経路が複数存在する場合、そのうちの一部の移動経路の利用率が一の移動経路の利用率よりも低い場合、判定を肯定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP38の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、図6に示す一連の処理を終了する。
【0101】
(ステップSP38)
算出手段56は、ユーザの移動スケジュール(過去の移動履歴)から、ステップSP36で利用率が低いと判定された他の移動経路の利用頻度を算出する。そして、処理は、ステップSP40の処理に移行する。
【0102】
(ステップSP40)
判定手段58は、ステップSP38で算出された他の移動経路の利用頻度が所定値未満であるか否かを判定する。この所定値は、例えば20である。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP42の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、図6に示す一連の処理を終了する。
【0103】
(ステップSP42)
提案手段62は、一の移動経路の代わりに、ステップSP40で利用頻度が所定値未満であると判定された他の移動経路をユーザに提案する。ここで、提案手段62は、当該利用頻度が所定値未満であると判定された他の移動経路が複数存在する場合、所定の優先度に基づいて当該他の移動経路を提案する。例えば、提案手段62は、例えば出発地点から到達地点までの移動時間が短い移動経路や、移動で排出される温暖化ガス量の少ない移動経路を優先的に提案する。これに伴い、端末装置12は、サーバ装置10から提案ページを受信する。
【0104】
図7は、端末装置12に表示される提案ページ80の一例を示す図である。
【0105】
図7に示すように、提案ページ80には、提案情報提示領域82と、特典情報提示領域84と、変更ボタン86とが設けられている。提案情報提示領域82には、一の移動経路の代わりに、ユーザに利用を提案する他の移動経路が表されている。特典情報提示領域84には、提案された移動経路上で利用可能な特典が表されている。変更ボタン86は、一の移動経路が登録されている移動スケジュールを他の移動経路に変更するためのボタンである。
【0106】
図6に戻って、提案ページ80において変更ボタン86が押下された場合、付与手段56は、例えば提案した他の移動経路で利用される移動手段(交通機関)において利用可能な特典(例えば無料クーポンや割引クーポン)をユーザに付与する。そして、処理は、図6に示す一連の処理を終了する。
【0107】
<効果>
以上、第二実施形態では、コンピュータを、ユーザの移動スケジュールから、出発地点から到着地点までの移動に利用する一の移動経路と、当該一の移動経路を利用する時間帯とを取得する取得手段52、取得された時間帯において、出発地点から到着地点までの移動に利用可能な移動経路であって、一の移動経路とは異なる他の移動経路を検索する検索手段54、ユーザの移動スケジュールから、他の移動経路の利用頻度を算出する算出手段56、他の移動経路の利用頻度が所定値未満であるか否かを判定する判定手段58、判定が肯定された場合、一の移動経路の代わりに、他の移動経路をユーザに提案する提案手段62、として機能させる。
【0108】
この構成によれば、ユーザの利用頻度が低い移動経路を提案することができるため、ユーザが移動する時間帯を変更できない場合でも、当該ユーザに新たな移動経路を利用する動機付けを与えることができる。
【0109】
また、第二実施形態では、コンピュータを、ユーザの移動スケジュールから、出発地点から到着地点までの移動に利用する一の移動経路と、当該一の移動経路を利用する時間帯とを取得する取得手段52、取得された時間帯において、出発地点から到着地点までの移動に利用可能な移動経路であって、一の移動経路とは異なる他の移動経路を検索する検索手段54、ユーザの移動スケジュールから、一の移動経路と他の移動経路の利用頻度を算出する算出手段56、一の移動経路の利用頻度が他の移動経路の利用頻度よりも高いか否かを判定する判定手段58、判定が肯定された場合、一の移動経路の代わりに、当該他の移動経路をユーザに提案する提案手段62、として機能させる。
【0110】
この構成によれば、ユーザの利用頻度が低い移動経路を提案することができるため、ユーザが移動する時間帯を変更できない場合でも、当該ユーザに新たな移動経路を利用する動機付けを与えることができる。
【0111】
また、第二実施形態では、算出手段56は、取得された時間帯における一の移動経路の利用率と他の移動経路の利用率を算出し、判定手段58は、他の移動経路の利用頻度が所定値未満であって、且つ、当該他の移動経路の利用率が一の移動経路の利用率よりも低いか否かを判定する。
【0112】
この構成によれば、利用率が低い他の移動経路を提案するため、ユーザに新たな移動経路を継続して利用する動機付けを与えることができる。
【0113】
また、第二実施形態では、算出手段56は、各ユーザの移動スケジュールから、一の移動経路の利用率と他の移動経路の利用率を算出する。
【0114】
この構成によれば、事前に各ユーザが登録した移動スケジュールに基づいて混雑時間帯を算出するため、交通機関等による利用率(混雑率)の予想に比べ、より精度の高い利用率を算出することができる。
【0115】
また、第二実施形態では、コンピュータを、ユーザの移動スケジュールから、出発地点から到着地点までの移動に利用する一の移動経路と、当該一の移動経路を利用する時間帯とを取得する取得手段52、ユーザの移動スケジュールから、一の移動経路の利用頻度を算出する算出手段56、一の移動経路の利用頻度が所定値以上であるか否かを判定する判定手段58、判定が肯定された場合、取得された時間帯において、出発地点から到着地点までの移動に利用可能な移動経路であって、一の移動経路とは異なる他の移動経路を検索する検索手段54、他の移動経路が検索されたことに応じて、一の移動経路の代わりに、当該他の移動経路をユーザに提案する提案手段62、として機能させる。
【0116】
この構成によれば、ユーザの利用頻度が高い移動経路に代えて、他の移動経路を提案することができるため、ユーザが移動する時間帯を変更できない場合でも、当該ユーザに新たな移動経路を利用する動機付けを与えることができる。
【0117】
また、第二実施形態では、算出手段56は、他の移動経路の利用頻度を算出し、提案手段62は、他の移動経路の利用頻度が所定値未満である場合に、当該他の移動経路をユーザに提案する。
【0118】
この構成によれば、ユーザの利用頻度が低い移動経路を提案することができるため、ユーザが移動する時間帯を変更できない場合でも、当該ユーザに新たな移動経路を利用する動機付けを与えることができる。
【0119】
また、第二実施形態では、提案手段62は、提案する他の移動経路が複数存在する場合、出発地点から到着地点までの移動時間が短い移動経路を優先的に提案する。
【0120】
この構成によれば、移動時間が短い他の移動経路を優先的に提案するため、ユーザに新たな移動経路を継続して利用する動機付けを与えることができる。
【0121】
また、第二実施形態では、提案手段62は、提案する他の移動経路が複数存在する場合、出発地点から到着地点までの移動で排出される温暖化ガス量が少ない移動経路を優先的に提案する。
【0122】
この構成によれば、排出される温暖化ガス量が少ない他の移動経路を優先的に提案するため、環境を考慮したモビリティマネジメントが行える。
【0123】
また、第二実施形態では、コンピュータを、提案された他の移動経路に関する特典をユーザに付与する付与手段60、として機能させる。
【0124】
この構成によれば、他の移動経路に関する特典を付与するため、ユーザに新たな移動経路を利用する動機付けを与えることができる。
【0125】
また、第二実施形態では、特典は、他の移動経路で利用される交通機関において利用可能な特典である。
【0126】
この構成によれば、他の移動経路で利用される交通機関において利用可能な特典が付与されるため、当該交通機関を利用する動機付けを与えることができ、もって、ユーザに新たな移動経路を利用する動機付けを与えることができる。
【0127】
また、第二実施形態では、特典は、他の移動経路上の施設において利用可能な特典である。
【0128】
この構成によれば、他の移動経路上の施設において利用可能な特典が付与されるため、当該施設を利用する動機付けを与えることができ、もって、ユーザに新たな移動経路を利用する動機付けを与えることができる。
【0129】
また、第二実施形態では、提案手段62は、提案する他の移動経路上の施設を紹介する。
【0130】
この構成によれば、他の移動経路上の施設が紹介されるため、当該施設を利用する動機付けを与えることができ、もって、ユーザに新たな移動経路を利用する動機付けを与えることができる。
【0131】
---変形例---
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0132】
例えば、第一実施形態では、算出手段56は、ユーザの過去の移動履歴に応じて難易度を上昇させる場合を説明したが、ユーザの過去の移動履歴および/又は将来の移動予定に応じて難易度を上昇させることとしてもよい。例えば、算出手段56は、ユーザの将来の移動予定において、移動経路を利用した時間帯におけるユーザの移動頻度が低い場合に、当該ユーザが当該移動経路を利用する難易度を高く算出する。また、例えば、算出手段56は、ユーザの将来の移動予定において、ユーザによる移動経路の利用頻度が低い場合に、当該ユーザが当該移動経路を利用する難易度を高く算出する。また、例えば、算出手段56は、ユーザの将来の移動予定における出発地点から到着地点までの平均移動時間と比較して、利用した移動経路における当該出発地点から当該到着地点までの移動時間が長い場合に、当該ユーザが当該移動経路を利用する難易度を高く算出する。また、例えば、算出手段56は、ユーザの将来の移動予定における出発地点から到着地点までに排出する温暖化ガス量の平均値と比較して、移動経路における当該出発地点から当該到着地点までに排出された温暖化ガス量が少ない場合に、ユーザが当該移動経路を利用する難易度を高く算出する。
【0133】
また、第一実施形態では、算出手段56は、ユーザが移動経路を利用する難易度を算出する場合を説明したが、特性や嗜好性を算出することとしてもよい。例えば、算出手段56は、ユーザの移動スケジュールにおいて、ユーザによる移動経路の利用頻度が高い場合に、当該ユーザが当該移動経路を利用する嗜好性を高く算出する。そして、付与手段60は、算出された嗜好性に応じてユーザに特典を付与する。逆に、算出手段56は、ユーザの移動スケジュールにおいて、ユーザによる移動経路の利用頻度が低い場合に、当該ユーザが当該移動経路を利用する嗜好性を低く算出する。そして、付与手段60は、算出された嗜好性に応じてユーザに特典を付与する。ここで、付与手段60は、利用した移動経路の嗜好性が低いほど、多くのポイントを付与する。なお、付与手段60は、ユーザが移動予定に登録している嗜好性が高い(難易度が低い)移動経路を、嗜好性が低い(難易度が高い)移動経路に変更した場合、多くのポイントを付与することとしてもよい。逆に、付与手段60は、利用した移動経路の嗜好性が高いほど、多くのポイントを付与してもよい。また、嗜好性は、パラメータであっても、移動経路を利用することが好きか嫌いか等で表現されてもよい。すなわち、算出手段56は、ユーザの移動スケジュールにおいて、ユーザによる移動経路の利用頻度が高い場合に、当該ユーザが当該移動経路を利用することが好きであることを算出(決定)してもよい。また、算出手段56は、ユーザの移動スケジュールにおいて、ユーザによる移動経路の利用頻度が低い場合に、当該ユーザが当該移動経路を利用することが嫌いであることを算出(決定)してもよい。
【0134】
また、第一実施形態では、判定手段58は、難易度が所定値(例えば6)以上であるか否かを判定する場合を説明したが、ユーザに応じて当該所定値を変更してもよい。例えば、既に多くの特典(ポイント等)を付与されているユーザには、当該所定値を高くしてもよい。
【0135】
また、第一実施形態では、判定手段58は、移動経路を利用した時間帯の全部が混雑時間帯に含まれていない場合に判定を肯定する場合を説明したが、移動経路を利用した時間帯の一部が混雑時間帯に含まれていない場合に判定を肯定してもよい。例えば、判定手段58は、移動経路を利用した時間帯が7時30分~8時30分であって、混雑時間帯が7時00~8時00分である場合、判定を肯定する。
【0136】
また、第一実施形態では、付与手段60は、判定手段58が判定を肯定した場合にのみ特典を付与する場合を説明したが、難易度に応じた特典を付与することとしてもよい。例えば、付与手段60は、算出された難易度に所定数(例えば10)を乗じたポイントを付与することとしてもよい。
【0137】
また、第二実施形態では、提案手段62は、他の移動経路の利用頻度が所定値未満である場合に当該他の移動経路を提案する場合を説明したが、これに限られない。例えば、提案手段62は、一の移動経路の利用頻度が他の移動経路の利用頻度よりも高い場合に、当該一の移動経路の代わりに、当該他の移動経路をユーザに提案してもよい。具体的には、算出手段56は、ユーザの過去の移動履歴から、一の移動経路と他の移動経路の利用頻度を算出する。続いて、判定手段58は、一の移動経路の利用頻度が他の移動経路の利用頻度よりも高いか否かを判定する。そして、提案手段62は、判定が肯定された場合、一の移動経路の代わりに、他の移動経路をユーザに提案する。
【0138】
また、提案手段62は、一の移動経路の利用頻度が所定値以上である場合に、当該一の移動経路の代わりに、当該他の移動経路をユーザに提案してもよい。具体的には、判定手段58は、一の移動経路の利用頻度が所定値以上であるか否かを判定する。続いて、検索手段54は、判定が肯定された場合、取得手段52により取得された時間帯において、一の移動経路における出発地点から到着地点までの移動に利用可能な移動経路であって、当該一の移動経路とは異なる他の移動経路を検索する。そして、提案手段62は、他の移動経路が検索されたことに応じて、一の移動経路の代わりに、他の移動経路をユーザに提案する。例えば、提案手段62は、一の移動経路としての〇〇線の移動経路の利用頻度が高い場合、一の移動経路の代替となる他の移動経路としての△△線を利用した移動経路をユーザに提案する。この場合、算出手段56は、検索された他の移動経路の利用頻度を算出し、提案手段62は、当該他の移動経路の利用頻度が所定値未満である場合に、当該他の移動経路をユーザに提案することとしてもよい。
【0139】
また、第二実施形態では、算出手段56は、ユーザの過去の移動履歴から移動経路の利用頻度を算出する場合を説明したが、ユーザの過去の移動履歴および/又は将来の移動予定から移動経路の利用頻度を算出してもよい。例えば、算出手段56は、ユーザの過去1ヶ月間と将来1ヶ月間のうち、当該移動経路を利用した回数と利用予定の回数に基づいて、移動経路の利用頻度を算出してもよい。
【0140】
また、取得手段52は、ユーザの移動スケジュールから、出発地点から到着地点までの移動に利用する一の移動経路と、当該一の移動経路を利用する時間帯とを取得する場合を説明したが、ユーザの移動スケジュールの代わりに、端末装置12に表示される移動経路の検索ウェブサイトから、発地点から到着地点までの移動に利用する一の移動経路と、当該一の移動経路を利用する時間帯とを取得してもよい。また、取得手段52は、時間帯の代わりに、出発時間のみを取得してもよい。また、取得手段52は、時間帯を取得せず、一の移動経路のみを取得してもよい。この場合、検索手段54は、時間帯に係らず、出発地点から到着地点までの移動に利用可能な移動経路であって、一の移動経路とは異なる他の移動経路を検索する。
【符号の説明】
【0141】
10…サーバ装置(コンピュータ)、12…端末装置、50…記憶手段、52…取得手段、56…算出手段、58…判定手段、60…付与手段、62…提案手段

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7