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特許7520438勤務管理システム、勤務管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】勤務管理システム、勤務管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/00 20180101AFI20240716BHJP
【FI】
G16H40/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024003529
(22)【出願日】2024-01-12
【審査請求日】2024-01-15
(31)【優先権主張番号】P 2023049084
(32)【優先日】2023-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】321005467
【氏名又は名称】InnoJin株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】猪俣 武範
(72)【発明者】
【氏名】奥村 雄一
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-089638(JP,A)
【文献】特開2021-157718(JP,A)
【文献】特開2022-064458(JP,A)
【文献】特開2021-092939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医師ごとに勤務状態及び勤務日時を含む勤務履歴を記憶する勤務履歴記憶部と、
前記勤務履歴に基づいて前記医師の出勤日時及び退勤日時を特定し、最新の前記退勤日時から、前記退勤日時後で前記退勤日時に直近の前記出勤日時までの勤務間インターバルを出力する勤務間インターバル出力部と、
所定期間について前記医師の将来の勤務、休息又は代償休息を示す情報を含むシフト情報を作成するシフト作成部と、
前記所定期間の前期における前記勤務履歴に基づいて求められた前記勤務間インターバルが所定時間よりも少ない場合に、前記休息に対応する前記シフト情報に前記代償休息を示す情報を設定する代償休息設定部と、
を備えることを特徴とする勤務管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の勤務管理システムであって、
前記代償休息設定部は、前記所定時間と前記勤務間インターバルとの差、代償休息を取得するべき時間としてユーザに提示すること、
を特徴とする勤務管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の勤務管理システムであって、
前記休息に対応する前記シフト情報には休息時間が設定され、
前記代償休息設定部は、
前記休息に対応する前記シフト情報から、前記休息時間の合計が前記所定時間と前記勤務間インターバルとの差以上となるように前記シフト情報を選択し、
選択した前記シフト情報を代償休息に割り当てることをユーザに提案すること、
を特徴とする勤務管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の勤務管理システムであって、
前記代償休息設定部は、
前記休息時間を含む前記シフト情報の一覧をユーザに提示し、
前記ユーザから前記代償休息を示す情報を設定する前記休息に対応する前記シフト情報の指定を受け付け、
指定された前記シフト情報を代償休息に割り当てること、
を特徴とする勤務管理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の勤務管理システムであって、
前記シフト情報には、勤務開始日時と勤務時間とが含まれ、
前記代償休息設定部は、
第1の前記シフト情報における前記勤務開始日時から前記勤務時間後の終了日時から前記所定時間後までの間に複数の前記休息に対応する前記シフト情報である第2のシフト情報が存在する場合、前記第2のシフト情報の一部を前記代償休息に割り当てること、
を特徴とする勤務管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の勤務管理システムであって、
前記シフト作成部は、前記医師ごとに休日を設定し、前記休日を示す情報を設定した前記シフト情報を作成し、
前記代償休息設定部は、前記休日又は前記休息に対応する前記シフト情報に後続する、前記休日に対応する前記シフト情報を前記代償休息に割り当てること、
を特徴とする勤務管理システム。
【請求項7】
コンピュータが、
医師ごとに勤務状態及び勤務日時を含む勤務履歴を記憶し、
前記勤務履歴に基づいて前記医師の出勤日時及び退勤日時を特定し、最新の前記退勤日時から、前記退勤日時後で前記退勤日時に直近の前記出勤日時までの勤務間インターバルを出力し、
所定期間について前記医師の将来の勤務、休息又は代償休息を示す情報を含むシフト情報を作成し、
前記所定期間の前期における前記勤務履歴に基づいて求められた前記勤務間インターバルが所定時間よりも少ない場合に、前記休息時間に対応する前記シフト情報に前記代償休息を示す情報を設定すること、
を特徴とする勤務管理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
医師ごとに勤務状態及び勤務日時を含む勤務履歴を記憶するステップと、
前記勤務履歴に基づいて前記医師の出勤日時及び退勤日時を特定し、最新の前記退勤日時から、前記退勤日時後で前記退勤日時に直近の前記出勤日時までの勤務間インターバルを出力するステップと、
所定期間について前記医師の将来の勤務、休息又は代償休息を示す情報を含むシフト情報を作成するステップと、
前記所定期間の前期における前記勤務履歴に基づいて求められた前記勤務間インターバルが所定時間よりも少ない場合に、前記休息時間に対応する前記シフト情報に前記代償休息を示す情報を設定するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、勤務管理システム、勤務管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には医師の勤務状況を管理するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6738064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
医師の働き方改革実現のために勤務状況をより詳細に把握することが求められている。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、医師の勤務状況を管理することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、勤務管理システムであって、医師ごとに勤務状態及び勤務日時を含む勤務履歴を記憶する勤務履歴記憶部と、前記勤務履歴に基づいて前記医師の出勤日時及び退勤日時を特定し、最新の前記退勤日時から、前記退勤日時後で前記退勤日時に直近の前記出勤日時までの勤務間インターバルを出力する勤務間インターバル出力部と、所定期間について前記医師の将来の勤務日時及び休息時間の少なくとも何れかを含むシフト情報を作成するシフト作成部と、前記所定期間の前期における前記勤務履歴に基づいて求められた前記勤務間インターバルが所定時間よりも少ない場合に、前記休息時間を含む前記シフト情報を代償休息に割り当てる代償休息設定部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、医師の勤務状況を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る勤務管理システムの全体構成例を示す図である。
図2】管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
図3】管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】シフト情報の作成画面42の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<システム概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る勤務管理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の勤務管理システムは、医師の勤怠を管理しようとするものである。勤怠管理システムは、管理サーバ2を含んで構成される。管理サーバ2は、ユーザ端末1と通信ネットワーク3を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク3は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0011】
ユーザ端末1は、医師が操作する携帯可能なコンピュータである。ユーザ端末1は、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、ノート型コンピュータなどとすることができる。
【0012】
管理サーバ2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0013】
<ハードウェア>
図2は、管理サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ装置2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0014】
<管理サーバ2>
図3は、管理サーバ2のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ2は、勤務履歴記憶部232と、業務履歴記憶部234と、シフト情報記憶部236と、設定情報記憶部237と、勤務履歴登録部211と、労働時間計算部213と、業務時間計算部216と、インターバル出力部219と、労働時間出力部220と、シフト作成部221と、代償休息設定部222と、を備える。
【0015】
勤務履歴記憶部232は、医師の勤務に関する情報(以下、勤務履歴という。)を記憶する。勤務履歴には、医師を特定する医師IDと、勤務場所を特定する情報(例えば、勤務場所の名称)と、勤務状態と、日時とを含めることができる。勤務状態は、「出勤」「勤務中」「勤務外」又は「退勤」でありうる。また、勤務状態は、「勤務外」に加えて又は代えて、「休憩」「待機」「自己研鑽」などであってもよい。
【0016】
勤務履歴登録部211は、勤務履歴を勤務履歴記憶部232に登録する。勤務履歴登録部211は、医師の勤務状態を取得して、勤務履歴を作成して勤務履歴記憶部232に登録することができる。医師の勤務場所及び勤務状態は、例えば、医師がユーザ端末1に入力したものをユーザ端末1から受信することにより取得することができる。日時は、現在日時を用いることができる。なお、例えば、外部の勤怠管理システムなどから勤怠情報を取得して勤務履歴として登録するようにしてもよい。
【0017】
労働時間計算部213、勤務履歴に基づいて医師の労働時間を計算することができる。労働時間計算部213は、例えば、計算対象となる日付に対応する勤務履歴を日時順にソートし、勤務履歴の日時から次の勤務履歴の日時までの時間が所定時間未満である場合には、当該時間を当該日付の労働時間に加算していくことができる。
【0018】
業務履歴記憶部234は、医師が従事した業務に関する情報(以下、業務履歴という。)を記憶する。業務履歴には、医師を示す医師ID及び業務を示す業務名に対応付けて、当該医師が当該業務に従事した日時を含めることができる。
【0019】
業務時間計算部216は、医師による業務への従事時間を計算する。業務時間計算部216は、業務履歴に基づいて業務時間を計算することができる。業務時間計算部216は、例えば、計算対象となる日付に対応する業務履歴を日時順にソートし、当該業務履歴の日時から次の勤務履歴の日時までの時間が所定時間未満である場合には、当該時間を当該日付の当該業務への従事時間に加算していくことができる。
【0020】
<勤務間インターバルの判定>
インターバル出力部219は、医師の退勤から出勤までの時間(勤務間インターバル)を計算して出力する。インターバル取得部219は、勤務履歴記憶部232に記憶されている最新の退勤日時から、その後の直近の出勤日時までの時間を勤務間インターバルとして計算することができる。
【0021】
インターバル出力部219は、勤務間インターバルが所定の閾値よりも短い場合には、その旨のアラートを出力することができる。インターバル出力部219は、アラートをユーザ端末1に送信することができる。また、インターバル出力部219は、アラートを管理者(例えば病院の端末や医師の上司のユーザ端末1など)に送信するようにしてもよい。
【0022】
<労働時間の出力>
労働時間出力部220は、医師の労働時間を出力する。労働時間出力部220は、労働時間とともに、勤務外の時間についても出力することができる。また、労働時間出力部220は、時間外勤務に係る時間(時間外労働時間)を出力することもできる。
【0023】
労働時間出力部220は、例えば、計算対象となる期間(例えば特定の日付や特定の月)に対応する勤務履歴を日時でソートし、ソートした勤務履歴のリスト中、「出勤」又は「勤務中」の勤務状態が連続する勤務履歴の最古日時から最新日時までの時間を労働時間として計算することができる。労働時間出力部220は、計算対象となる期間の労働時間を合計して合計労働時間を計算することができる。
【0024】
労働時間出力部220はまた、「出勤」又は「勤務中」以外(「勤務外」「休憩」「待機」「自己研鑽」など)の勤務状態が連続する勤務履歴の最古日時から最新日時までの時間を勤務外労働時間として集計することができる。
【0025】
労働時間出力部220は、所定の期間(例えば1日や1週間とすることができる。)の労働時間及び時間外労働時間をそれぞれ合計した合計労働時間及び合計時間外労働時間を出力することができる。
【0026】
労働時間出力部220は、合計労働時間及び/又は合計時間外労働時間についての評価を行い、その評価を出力することもできる。労働時間出力部220は、例えば、設定情報の上限値を、当該上限値に係る所定期間(例えば1週間や1か月)の日数で割った1日当たりの上限値を算出し、所定期間の開始日から現在までの日数に当該1日当たりの上限値を乗じた上限参考値を算出して、合計労働時間が当該上限参考値以下である場合には「◎」、合計労働時間が上限参考値を超えた時間が所定の閾値以下であれば「△」、合計労働時間が上限参考値を超えた時間が所定の閾値を超えれば「×」などの評価値を決定することができる。なお、労働時間出力部220は、評価値をユーザ端末1に送信することができ、また、管理者(例えば病院の端末や医師の上司のユーザ端末1など)に送信するようにしてもよい。
【0027】
設定情報記憶部236は、労働時間に関する設定情報を記憶する。設定情報には、時間外労働時間の算出方法を示す時間外設定と、時間外労働時間又は総労働時間の上限(上限時間)と、時間外労働に関する設定値とを含めることができる。時間外設定には、例えば、勤務時間の開始時刻及び終了時刻を設定して、その期間以外の時刻に勤務した場合を時間外労働とする「勤務時刻」と、所定期間(1日であってもよいし、1カ月であってもよく、任意の期間を設定することができる。)における労働時間の上限値を設定し、その上限値を超えた場合に時間外労働とする「上限水準」とがあり得る。時間外設定が「勤務時刻」である場合には、設定値には、開始時刻及び終了時刻を設定することができる。なお、後述するシフト情報を設定値として用いるようにしてもよい。時間外設定が「上限水準」である場合には、設定値には時間外労働時間又は総労働時間の上限値を決定するための「A水準」「B水準」「C水準」などを設定することができる。
【0028】
労働時間出力部220は、時間外設定が「勤務時刻」である場合には、例えば、計算対象となる期間(例えば特定の日付や特定の月)に対応する勤務履歴を日時でソートし、ソートした勤務履歴のリスト中、「出勤」又は「勤務中」の勤務状態が連続する勤務履歴の最古日時から最新日時までの時間のうち、設定値に設定されている開始時刻前または設定値に設定されている終了時刻後(あるいは、後述するシフト情報に設定されている開始時刻前、又は、開始時刻から勤務時間後の終了時刻よりも後)の時間を時間外労働時間として計算し、時間外労働時間を合計して合計時間外労働時間を計算することができる。
【0029】
労働時間出力部220は、時間外設定が「上限水準」である場合には、例えば、計算対象となる期間(例えば特定の日付や特定の月)に対応する勤務履歴を日時でソートし、ソートした勤務履歴のリスト中、「出勤」又は「勤務中」の勤務状態が連続する勤務履歴の最古日時から最新日時までの時間を労働時間として計算し、この労働時間を合計して合計労働時間を計算し、合計労働時間のうち設定値(A水準等)に応じた総労働時間の上限値(上限時間)を超えた時間を合計時間外労働時間として計算することができる。
【0030】
なお、労働時間出力部220は、勤務地ごとに労働時間及び時間外労働時間を計算し出力することができる。また、労働時間出力部220は、時間外労働時間が、上限時間に達した場合、上限時間の所定割合(例えば80%の時間)に達した場合、予め設定した時間(例えば80時間)に達した場合に、アラートを出力するようにしてもよい。労働時間出力部220は、ユーザ(医師)のユーザ端末1にアラートを送信するようにしてもよいし、ユーザの管理者(上司や人事部の従業員など)のユーザ端末1にアラートを送信するようにしてもよい。
【0031】
また、時間外労働時間が上限時間に達した場合、又は、時間外労働時間が上限時間を超えた場合に、産業医に対する面接の予約処理を実行する予約処理部を設けるようにしてもよい。また、予約処理部は、例えば、eラーニングによる指導を受けることの予約処理を行うようにしてもよい。
【0032】
<シフトの作成>
シフト情報記憶部236は、医師のシフトを示す情報(以下、シフト情報という。)を記憶する。シフト情報には、医師を示す医師ID、日付、勤務地を示す勤務地名、勤務の開始時刻、勤務時間、業務を示す業務名などを含めることができる。
【0033】
シフト情報には、休息時間を設定することができる。この場合、シフト情報の業務名には「休息」(「休み」「休日」「休暇」「休息」などとしてもよい。)と設定し、勤務地名には情報を設定せず、あるいは、「自宅」を設定することができる。
【0034】
また、シフト情報には、事前に計画された勤務間インターバルを含めることができる。この場合、シフト情報の業務名には「勤務間インターバル」を設定し、勤務地名には情報を設定せず、あるいは、「自宅」を設定することができる。
【0035】
また、シフト情報には、宿日直(当直)、宿日直許可のある宿日直、代償休息の予定を含めることができる。これらの場合、シフト情報の業務名には、「宿日直」「宿日直許可のある宿日直」「代償休息」のいずれかを設定することができる。また、「代償休息」の場合、シフト情報の勤務地名には情報を設定せず、あるいは「自宅」を設定することができる。
【0036】
また、シフト情報には、休日の設定を含めることもできる。この場合、業務名には「休日」を設定することができる。なお、休日については、開始時刻及び時間の設定を省略してもよいし、0時から24時間を自動的に設定するようにしてもよい。この場合、医療機関ごとに休日(休診)となる日を記憶する休診日記憶部を設けるようにしてもよい。また、医師ごとに休日を決定するための情報(例えば、毎週日曜日を休日とする、隔週日曜日と1週ずらした隔週月曜日を休日とする、10日・20日・30日を休日とするなど、医師ごとに任意の休日を決定するための条件やロジックを設定することができる。)を記憶する休日記憶部を設けるようにしてもよい。
【0037】
シフト作成部221は、休診日記憶部及び/又は休日記憶部を参照することで、シフトを作成する対象となる医師の休日を決定することができ、決定した休日について、休日を示すシフト情報を作成してシフト情報記憶部236に登録することができる。また、シフト作成部221は、決定した休日について、シフトを作成しているユーザに、休日のシフトを登録するように提案を行うようにしてもよい。
【0038】
シフト作成部221は、医師のシフトを作成する。シフト作成部221は、ユーザ端末1にカレンダーを表示させ、医師ごとに勤務日、勤務開始時刻、勤務時間、勤務地、業務などの入力を受け付けることができる。シフト作成部221は、受け付けた各項目を含むシフト情報を作成してシフト情報記憶部236に登録することができる。
【0039】
シフト作成部221はまた、自動でシフトを作成することができる。シフト作成部221は、例えば、1日当たり、週当たり、及び/又は月当たりの医師の勤務時間が所定の上限値以下となるように、勤務開始時刻及び勤務時間を決定することができる。
【0040】
シフト作成部221は、自動で医師の勤務日、勤務開始時間、勤務時間を決定した後、業務の指定を受け付けるようにしてもよい。また、シフト作成部221は、勤務日、開始時間、勤務時間の修正を受け付けるようにしてもよい。
【0041】
シフト作成部221は、勤務間インターバルとする連続した休息時間の指定を受け付けることができる。なお、シフト作成部221は、シフト情報を設定した勤務の終了時(すなわち、勤務間インターバルの開始日時)から連続した休息時間の長さ又は終了日時の指定を受け付けることができる。なお、シフト作成部221は、「宿日直許可のある宿日直」に係るシフト情報について、開始時間から終了時間までの時間のうち、所定の時間(例えば、9時間)のみを勤務間インターバルとして設定することができる。
【0042】
また、シフト作成部221は、医師ごとに、前月に取得できなかった勤務間インターバルの時間を計算することができる。シフト作成部221は、例えば、前月の日付に対応する業務履歴に基づいて、予め計画された勤務間インターバルが取得されたか否かを判定する。シフト作成部221は、例えば、前月の日付及び判定対象の医師に対応する「勤務間インターバル」のシフト情報を取得し、取得したシフト情報の開始日時から終了日時までの期間に重なる勤務履歴が存在した場合に、重なる期間を除いた時間が、勤務間インターバルとして規定されている所定時間(例えば、始業から24時間以内に確保するべき9時間の連続した時間、あるいは、始業から46時間以内に確保するべき18時間の連続した時間)よりも短ければ、取得できなかった勤務間インターバルとして特定し、特定した取得できなかった勤務間インターバルの長さの合計値を、前月に取得できなかった勤務間インターバルの合計値として計算する。
【0043】
代償休息設定部222は、代償休息を設定する。代償休息設定部222は、前月取得できなかった勤務間インターバルの合計値について、今月のシフトの作成時に、又は今月のソフトの作成後の修正時に、代償休息を計画させることができる。
【0044】
代償休息設定部222は、例えば、休息時間を含むシフト情報を代償休息に割り当てることができる。代償休息への割当は、例えば、業務名を「代償休息」に設定することにより行うことができる。
【0045】
代償休息設定部222は、休日又は休息時間に対応するシフト情報から、休息時間(シフト情報の勤務時間)の合計が、所定時間(前月取得できなかった勤務間インターバルの合計値)と、前月取得できた勤務間インターバルの合計値との差(代償休息の取得必要時間)以上となるようにシフト情報を選択し、選択したシフト情報を代償休息に割り当てることをユーザに提案することができる。シフト情報の中から提案するものを選択するに当たり、代償休息設定部222は、例えば、休息時間(勤務時間)の長いものから順に、合計が上記取得必要時間以上となるように選択することができる。代償休息設定部222は、選択した休息時間に対応するシフト情報の一覧を表示して、代償休息に割り当てるべきものの入力を受け付けてシフト情報を更新することができる。なお、代償休息設定部222は、当月に設定されている全ての休日及び/又は休息時間に対応するシフト情報を一覧表示するようにしてもよい。
【0046】
代償休息設定部222は、シフト情報の退勤日時から、勤務間インターバルとして認められる所定の時間後までの間に、休日又は休息時間に対応するシフト情報が複数存在する場合、そのシフト情報の一部(例えば、シフト情報の退勤日時から上記所定の時間後から直近の開始日時となるシフト情報を残して、それ以外のシフト情報を順次、取得必要時間になるまで)を代償休息に割り当てることができる。
【0047】
代償休息設定部222は、休日又は休息時間に対応するシフト情報に後続する、休日に対応するシフト情報を代償休息に割り当てることができる。例えば、あるシフト情報の退勤日時から上記所定の時間経過した日時以後の休日又は休息時間に対応するシフト情報を特定し、特定したシフト情報に後続する、休日に対応するシフト情報を代償休息に割り当てることができる。例えば、土曜日及び日曜日が休日であった場合に、土曜日のシフト情報の前に勤務間インターバルとして認められる所定の時間が経過している場合、日曜日のシフト情報を代償休息に割り当てることができる。
【0048】
代償休息設定部222は、シフト情報の入力画面において、前月取得できなかった勤務間インターバルの合計値から、対象月の日付と「代償休息」とに対応するシフト情報の時間の合計を引いた値を、対象月に取得するべき代償休息の時間の残り時間として表示することができる。例えば、「あとXX時間の代償休息の設定が必要です。」といったメッセージとして表示することができる。
【0049】
<シフト作成>
図4は、シフト情報の作成画面42の一例を示す図である。作成画面42には、所定の勤務地に勤務する医師のアイコン421が表示され、このアイコン421を作成画面42上でカレンダー422にドラッグして医師のシフトを登録することができる。カレンダー422の時間枠上に医師のアイコン421がドロップされると、医師が従事する予定の業務内容の選択肢423が表示され、この選択肢423により業務内容が選択されうる。管理サーバ2は、医師ごとに、シフトの登録された日付、業務の開始時間、業務に従事する時間、業務内容を受け付けて、シフト情報を作成し、シフト情報記憶部236に登録することができる。
【0050】
管理サーバ2は、アイコン421を自動的に各時間帯に割り付けるようにすることもできる。この場合、管理サーバ2は、1人の医師に対応する勤務時間の1日、1週間、及び/又は1か月の合計時間が所定の閾値を超えないように割り付けを行うことができる。
【0051】
なお、管理サーバ2は、設定したシフトの開始時刻及び勤務時間後の終了時刻に基づいて、勤務間インターバルを計算し、勤務間インターバルが所定の閾値(予め設定することができ、例えば、勤務地ごとに設定することができる。)より短い場合にアラートを出力することができる。
【0052】
また、管理サーバ2は、所定期間(例えば1週間)のシフト情報に基づいて、当該期間の勤務時間の合計値(予定される総労働時間)を計算し、この合計値のばらつきが最小となるようにシフト情報を自動設定し、シフト情報の編集を受け付けるようにすることもできる。
【0053】
また、管理サーバ2は、医師の属性(医師になって何年目か、性別、勤務年数、スキル、勤務経験など)に応じて、属性のばらつきが最大となるようにシフト情報を自動設定し、シフト情報の編集を受け付けるようにすることもできる。
【0054】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0055】
<開示事項>
なお、本開示には、以下のような構成も含まれる。
[項目1]
医師ごとに勤務状態及び勤務日時を含む勤務履歴を記憶する勤務履歴記憶部と、
前記勤務履歴に基づいて前記医師の出勤日時及び退勤日時を特定し、最新の前記退勤日時から、前記退勤日時後で前記退勤日時に直近の前記出勤日時までの勤務間インターバルを出力する勤務間インターバル出力部と、
所定期間について前記医師の将来の勤務日時及び休息時間の少なくとも何れかを含むシフト情報を作成するシフト作成部と、
前記所定期間の前期における前記勤務履歴に基づいて求められた前記勤務間インターバルが所定時間よりも少ない場合に、前記休息時間を含む前記シフト情報を代償休息に割り当てる代償休息設定部と、
を備えることを特徴とする勤務管理システム。
[項目2](代償休息に割り当てるべき時間の表示)
項目1に記載の勤務管理システムであって、
前記代償休息設定部は、前記所定時間と前記勤務間インターバルとの差とともに、代償休息を取得するべき時間としてユーザに提示すること、
を特徴とする勤務管理システム。
[項目3]
項目1に記載の勤務管理システムであって、
前記代償休息設定部は、
前記休息時間を含む前記シフト情報から、前記休息時間の合計が前記所定時間と前記勤務間インターバルとの差以上となるように前記シフト情報を選択し、
選択した前記シフト情報を代償休息に割り当てることをユーザに提案すること、
を特徴とする勤務管理システム。
[項目4]
項目1に記載の勤務管理システムであって、
前記代償休息設定部は、
前記休息時間を含む前記シフト情報の一覧をユーザに提示し、
前記ユーザから前記代償休息に割り当てる前記休息時間を含む前記シフト情報の指定を受け付け、
指定された前記シフト情報を代償休息に割り当てること、
を特徴とする勤務管理システム。
[項目5]
項目1に記載の勤務管理システムであって、
前記代償休息設定部は、
第1の前記シフト情報の前記退勤日時から前記所定時間後までの間に複数の第2の前記シフト情報が存在する場合、前記第2のシフト情報の一部を前記代償休息に割り当てること、
を特徴とする勤務管理システム。
[項目6]
項目1に記載の勤務管理システムであって、
前記シフト作成部は、所定のアルゴリズムにより前記医師ごとに休日を決定し、前記休日に係る前記シフト情報を作成し、
前記代償休息設定部は、前記休日又は前記休息時間を含む前記シフト情報に後続する、前記休日に係る前記シフト情報を前記代償休息に割り当てること、
を特徴とする勤務管理システム。
[項目7]
コンピュータが、
医師ごとに勤務状態及び勤務日時を含む勤務履歴を記憶し、
前記勤務履歴に基づいて前記医師の出勤日時及び退勤日時を特定し、最新の前記退勤日時から、前記退勤日時後で前記退勤日時に直近の前記出勤日時までの勤務間インターバルを出力し、
所定期間について前記医師の将来の勤務日時及び休息時間の少なくとも何れかを含むシフト情報を作成し、
前記所定期間の前期における前記勤務履歴に基づいて求められた前記勤務間インターバルが所定時間よりも少ない場合に、前記休息時間を含む前記シフト情報を代償休息に割り当てること、
を特徴とする勤務管理方法。
[項目8]
コンピュータに、
医師ごとに勤務状態及び勤務日時を含む勤務履歴を記憶するステップと、
前記勤務履歴に基づいて前記医師の出勤日時及び退勤日時を特定し、最新の前記退勤日時から、前記退勤日時後で前記退勤日時に直近の前記出勤日時までの勤務間インターバルを出力するステップと、
所定期間について前記医師の将来の勤務日時及び休息時間の少なくとも何れかを含むシフト情報を作成するステップと、
前記所定期間の前期における前記勤務履歴に基づいて求められた前記勤務間インターバルが所定時間よりも少ない場合に、前記休息時間を含む前記シフト情報を代償休息に割り当てるステップと、
を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0056】
1 ユーザ端末
2 管理サーバ
【要約】      (修正有)
【課題】医師の勤務状況を管理する勤務管理システム、勤務管理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】勤務管理システムにおいて、管理サーバは、医師毎に勤務状態及び勤務日時を含む勤務履歴を記憶する勤務履歴記憶部と、勤務履歴に基づいて医師の出勤日時及び退勤日時を特定し、最新の退勤日時から、退勤日時後で退勤日時に直近の出勤日時までの勤務間インターバルを出力する勤務間インターバル出力部と、所定期間について医師の将来の勤務日時及び休息時間の少なくとも何れかを含むシフト情報を作成するシフト作成部と、所定期間の前期における勤務履歴に基づいて求められた勤務間インターバルが所定時間よりも少ない場合に、休息時間を含むシフト情報を代償休息に割り当てる代償休息設定部と、を備える。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4