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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】パウチカーリング防止装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 51/26 20060101AFI20240716BHJP
   B29C 51/08 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
B29C51/26
B29C51/08
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022580995
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-28
(86)【国際出願番号】 KR2022009902
(87)【国際公開番号】W WO2023282681
(87)【国際公開日】2023-01-12
【審査請求日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0089816
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ゲ・ファン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ホ・ヨン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ウン・グン・オ
(72)【発明者】
【氏名】ス・ホ・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】サン・ウク・ヨ
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-030167(JP,A)
【文献】特開2000-288664(JP,A)
【文献】特開2018-024059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 51/00-51/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パウチフィルムフォーミング装置の後方に位置するパウチカーリング防止装置であって、
上部ローラーを含む上部ローラーアセンブリーと、
下部ローラーを含む下部ローラーアセンブリーと、を含み、
前記上部ローラーと前記下部ローラーとは互いに対面して位置し、
前記上部ローラー及び前記下部ローラーのうちの一つ以上は回転可能であり、
前記パウチフィルムフォーミング装置から供給されるパウチフィルムは上部ローラー部と下部ローラー部との間を通過し、
前記上部ローラー部は上部ローラー軸を備え、前記上部ローラー軸が前記上部ローラーを貫通し、
前記下部ローラー部は下部ローラー軸を備え、前記下部ローラー軸が前記下部ローラーを貫通するパウチカーリング防止装置において、
前記パウチカーリング防止装置は、電極組立体を収容するコップ部が形成されたパウチフィルムを前記パウチフィルムフォーミング装置から受けて、前記コップ部の縁端のパウチフィルムの両面を前記上部ローラー及び下部ローラーを介してローリングすることによって、前記パウチフィルムのフォーミング過程においてパウチフィルムに形成されたカーリングに反対方向の応力を加え、これにより前記カーリングを緩和又は除去する、パウチカーリング防止装置
【請求項2】
前記上部ローラーと前記下部ローラーとは所定の間隔で離隔して互いに対面して位置し、
前記パウチフィルムフォーミング装置から供給される前記パウチフィルムのパウチ縁部が前記上部ローラーと前記下部ローラーとの間を通過する、請求項1に記載のパウチカーリング防止装置。
【請求項3】
前記上部ローラーアセンブリーは、所定の距離だけ離隔して位置する一対の上部ローラーを含み、
前記下部ローラーアセンブリーは、所定の距離だけ離隔して位置する一対の下部ローラーを含み、
前記一対の上部ローラーと一対の下部ローラーはそれぞれ対応するように対面して位置する、請求項1に記載のパウチカーリング防止装置。
【請求項4】
前記上部ローラーアセンブリーは、前記上部ローラーの位置を可変させる位置可変部を含む、請求項1~3の何れか一項に記載のパウチカーリング防止装置。
【請求項5】
前記位置可変部は、前記上部ローラー部の前記上部ローラー軸が装着される多数の溝部を含む、請求項4に記載のパウチカーリング防止装置。
【請求項6】
前記上部ローラー軸が装着される前記溝部の位置が変更されることにより、前記上部ローラーと前記下部ローラーとの間の離隔間隔を調節する、請求項5に記載のパウチカーリング防止装置。
【請求項7】
前記一対の上部ローラーの間の離隔距離または前記一対の下部ローラーの間の離隔距離は調節可能である、請求項3に記載のパウチカーリング防止装置。
【請求項8】
前記上部ローラーアセンブリーは、上下に移動可能になって前記上部ローラー部の高さを調節する垂直支持部を含む、請求項1~3の何れか一項に記載のパウチカーリング防止装置。
【請求項9】
前記下部ローラーアセンブリーは下部ローラー固定部を含み、
前記下部ローラー固定部は、前記下部ローラーの上下位置を調節する位置調節部材を含む、請求項1に記載のパウチカーリング防止装置。
【請求項10】
対面して位置する前記上部ローラー及び前記下部ローラーのうちの一つ以上は弾性材を含む、請求項2に記載のパウチカーリング防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2021年7月8日付の韓国許出願第2021-0089816号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国許出願の文献に開示されたすべての内容はこの明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は重要な問題として認識し、パウチフォーミング工程で、パンチの押圧によって形成されるコップ部の周辺縁端に形成されるカーリングに反対方向の応力を加えることで、生成されたカーリングを緩和させることができ、また、既存のパウチフォーミング工程に容易に適用することができるパウチカーリング防止装置に対する技術である。
【背景技術】
【0003】
スマートフォン、パッド型PC、ノートブック型PCなどの携帯用電子機器に対する需要が高くなるのに伴い、これらのエネルギー源である二次電池の需要も急激に増加している。そのうち、高エネルギー密度及び長い電池寿命を有するリチウム二次電池が一番広く使われる。
【0004】
リチウム二次電池は、正極活物質と負極活物質とがそれぞれ塗布された正極板と負極板とがセパレーターを間に挟んで配置された電極組立体と、このような電極組立体を電解液とともに密封状態で収納する電池ケースとを含む。一般に、リチウム二次電池は、外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池とに分類することができる。
【0005】
パウチ型二次電池を製造する過程では、所定の体積を有する電極組立体を電池ケースの内部に安定的に内装及び固定させ、電池セル内の死空間(dead space)を減らすために、ラミネートシートにディープドローイング装置を用いて前記電極組立体収容部を形成する過程を一般的に経ることになる。
【0006】
図1は一般的なパウチ型二次電池の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【0007】
図1を参照すると、前記パウチ型二次電池はシングルコップタイプのパウチ型二次電池であり、アルミニウムラミネートシートからなるパウチケース3と、前記パウチケース3の内部に収納され、正極/分離膜/負極を含む電気化学セルが多重に積層されたセルアセンブリー1とを含む。前記パウチケース3は、図1に示すように、一側辺が連結されたシングルコップタイプのパウチケースである。前記パウチケース3は、上部パウチフィルム3(a)と、下部パウチフィルム3(b)とからなる。そして、前記下部パウチフィルム3(b)にはセルアセンブリー1が着座することができるコップ部2が形成されている。前記下部パウチフィルム3(b)には、フォーミング(forming)工程によって前記セルアセンブリー1の形状に対応するコップ部2が形成される。前記コップ部の深さhは前記セルアセンブリー1の厚さによって決定される。
【0008】
図2はパウチフィルムフォーミング装置10がパウチフィルム30に収納部を形成するフォーミング工程を示す工程図である。図2の(a)は前記フォーミング工程の平面図であり、(b)は前記フォーミング工程の側面図である。
【0009】
図2を参照すると、パウチフィルムフォーミング装置10は、パンチ11、ストリッパー12、及びダイ13を含む。前記ダイ13には、パウチフィルム30を用いてパウチケースをフォーミングするとき、所望のパウチケース形状に対応する形状の着座溝(図示せず)が形成されている。ここで、前記着座溝の深さは所望のパウチケースに形成されるべき収納部の深さに対応する深さを有する。そして、前記パンチ11は、パウチフィルム30を用いて所望の深さの収納部を有するパウチケースを形成するために、前記ダイ13にパウチフィルム30を載せて押圧する役割、すなわち、押してフォーミングする役割を果たす。
【0010】
前述のようなフォーミング過程で、パウチフィルムでカーリング(Curling)現象が発生し、よってパウチケースフォーミング工程の後の切断、シーリングなどの工程で前記カーリングによる不良が発生して二次電池の品質が低下する問題が発生する。
【0011】
特許文献1はラミネートシートの引張力の調節が可能なディープドローイング装置を用いて電極組立体収容部を形成する過程に関するものであり、フォーミング工程でパウチのコップ部の縁端に隣接した上面にローラー部が形成されており、ローラー部がラミネートシートを移動させ、第2グリッパー側を押圧することで、ラミネートシートに印加される引張力が減少し、パンチでラミネートシートを押圧するときにしわが形成されることを防止する技術を開示した。
【0012】
特許文献2は、フォーミングの後のパウチ縁端の一部を切り捨てる切断工程で多数のローラーでローリングすることでカーリングの発生を防止するために、パウチ型二次電池の両側縁端に隣接した上下面に接触してローリングすることができる多数対の上部ローラー及び下部ローラーを備えており、ローラーアセンブリーを支持する支持フレームを備えており、上部ローラー及び下部ローラーが対応するように位置し、パウチ型二次電池の両側縁端に隣接した上下面に対してローリング動作を遂行して応力を除去することでカーリングの発生を防止する技術を開示する。
【0013】
したがって、本発明で重要な問題として認識し、パウチフォーミング工程で、パンチの押圧によって形成されるコップ部の周辺縁端に形成されるカーリングに反対方向の応力を加えることで、生成されたカーリングを緩和させることができ、また、既存のパウチフォーミング工程に容易に適用することができるパウチカーリング防止装置に対する技術はいまだに提示されなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】韓国登録特許第10-2150010号公報
【文献】韓国登録特許第10-2224911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は前記のような問題を解決するためのものであり、パウチフィルムフォーミング工程でパウチの縁部に形成されるカーリングに反対方向の応力を加えることでカーリングを緩和させるか除去することができ、また既存のパウチフィルムフォーミング工程に容易に適用することができるパウチカーリング防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記のような目的を達成するための本発明によるパウチカーリング防止装置はパウチフィルムフォーミング装置の後方に位置し、上部ローラー(131)を含む上部ローラーアセンブリー(100)と、下部ローラー(231)を含む下部ローラーアセンブリー(200)とを含み、前記上部ローラー(131)と前記下部ローラー(231)とは互いに対面して位置し、前記上部ローラー(131)及び前記下部ローラー(231)のうちの一つ以上は回転可能であり、前記パウチフィルムフォーミング装置から供給されるパウチフィルムは上部ローラー部(130)と下部ローラー部(230)との間を通過し、前記上部ローラー部は上部ローラー軸を備え、前記上部ローラー軸が前記上部ローラーを貫通し、前記下部ローラー部は下部ローラー軸を備え、前記下部ローラー軸が前記下部ローラーを貫通することができる。
【0017】
前記上部ローラー(131)と前記下部ローラー(231)とは所定の間隔で離隔して互いに対面して位置し、前記パウチフィルムフォーミング装置から供給されるパウチフィルムのパウチ縁部が前記上部ローラー(131)と前記下部ローラー(231)との間を通過することができる。
【0018】
前記上部ローラーアセンブリー(100)は、所定の距離だけ離隔して位置する一対の上部ローラー(131)を含み、前記下部ローラーアセンブリー(200)は、所定の距離だけ離隔して位置する一対の下部ローラー(231)を含み、前記一対の上部ローラー(131)と一対の下部ローラー(231)とはそれぞれ対応するように対面して位置することができる。
【0019】
前記上部ローラーアセンブリー(100)は、前記上部ローラーの位置を可変させる位置可変部(300)を含むことができる。
【0020】
前記位置可変部(300)は、上部ローラー部(130)の上部ローラー軸(132)が装着される多数の溝部(310)を含むことができる。
【0021】
前記上部ローラー軸(132)が装着される前記溝部(310)の位置が変更されることにより、前記上部ローラー(131)と前記下部ローラー(231)との間の離隔間隔を調節することができる。
【0022】
前記一対の上部ローラー(131)の間の離隔距離または前記一対の下部ローラー(231)の間の離隔距離は調節可能である。
【0023】
前記上部ローラーアセンブリー(100)は、上下に移動可能になって前記上部ローラー部(130)の高さを調節する垂直支持部(110)を含むことができる。
【0024】
前記下部ローラーアセンブリー(200)は下部ローラー固定部(233)を含み、前記下部ローラー固定部(233)は、前記下部ローラーの上下位置を調節する位置調節部材を含むことができる。
【0025】
対面して位置する上部ローラー(131)及び下部ローラー(231)のうちの一つ以上は弾性材を含むことができる。
【0026】
また、本発明は前記課題の解決手段を多様に組み合わせた形態としても提供することができる。
【発明の効果】
【0027】
以上で説明したように、本発明によるパウチフィルムフォーミング工程で形成されるパウチコップ部の縁端に生成されるカーリングの反対方向に応力を加えることで、生成されたカーリングを緩和させるか除去することができる。
【0028】
本発明によるパウチカーリング防止装置を適用することで、品質が向上したパウチケースを生産して後続工程での不良率を減らし、高品質のパウチ型二次電池を製造することができる。
【0029】
本発明によるパウチカーリング防止装置は、既存のパウチフィルムフォーミング工程に容易に適用することができるので、パウチフィルムフォーミング工程の経済性を向上させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】一般的なパウチ型二次電池の構成を示す概略図である。
図2】パウチフィルムフォーミング装置がパウチフィルムにコップ部を形成するフォーミング工程を示す工程図である。
図3】本発明の一実施例によるパウチカーリング防止装置を適用したパウチフィルムフォーミング工程を示す工程図である。
図4】本発明の一実施例によるパウチカーリング防止装置の斜視図である。
図5】本発明の一実施例によるパウチカーリング防止装置の正面図及び部分拡大図である。
図6】本発明の一実施例によるパウチカーリング防止装置の側面図及び部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができる実施例を詳細に説明する。ただ、本発明の好適な実施例に対する動作原理を詳細に説明するにあたり、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0032】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般で、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0033】
また、構成要素を限定するか付け加えて具体化する説明は、特別な制限がない限り、すべての発明に適用可能であり、特定の発明に限定されない。
【0034】
また、本発明の説明及び特許請求の範囲全般にわたって単数で表示したものは、別に言及しない限り、複数の場合も含む。
【0035】
また、本発明の説明及び特許請求の範囲全般にわたって「または」は、別に言及しない限り、「及び」を含むものである。したがって、「AまたはBを含む」はAを含むか、Bを含むか、A及びBの両者を含む3種の場合を意味する。
【0036】
また、すべての数値範囲は、はっきりと除くという記載がない限り、両端の値とその間のすべての中間値とを含む。
【0037】
以下、本発明によるパウチカーリング防止装置について添付図面を参照しながら説明する。
【0038】
図3は本発明の一実施例によるパウチカーリング防止装置を適用したパウチフィルムフォーミング工程を示す工程図である。図3で、(c)は工程平面図であり、(d)は工程側面図である。
【0039】
図3を参照して説明すると、本発明によるパウチカーリング防止装置はパウチフィルムフォーミング工程でパウチフィルムをフォーミングしてコップ部を形成する段階の後に使用されるように位置し、詳細にはパウチフィルム30の移送方向においてパウチフィルムフォーミング装置10の後方に位置する。
【0040】
本発明において、前記パウチフィルム30はラミネートシートであり、金属層の両面に高分子物質からなる絶縁層が接合された構造を有することができる。前記絶縁層はおよそ30μm~40μmの厚さを有し、金属層にコーティングまたはラミネーティングされることができる。前記絶縁層のうち上部のものは熱融着可能な高分子フィルム層であり、下部のものは外部保護層として機能する高分子フィルム層である。一方、前記金属層の材料としては、鉄、炭素、クロム及びマンガンの合金、鉄、クロム及びニッケルの合金、アルミニウムまたはその等価物から選択されるいずれか1種を用いることができるが、アルミニウム金属ホイルが広く使われる。
【0041】
パウチフィルムフォーミング装置10は、パウチフィルム30が配置されるダイ13、前記ダイ13に配置されたパウチフィルム30を押圧して固定するストリッパー12、及び前記ダイ13に配置されたパウチフィルム30を押圧して電極組立体収容部を成形するパンチ11を含むことができる。また、前記それぞれの構成を支持し、パウチフィルム30を後続の工程に移送して伝達することができる作業台(図示せず)を含むことができる。
【0042】
前記ダイ13は、図3に示すように、パウチフィルム30を配置するためのものであり、上面にパウチフィルム30が配置されるダイ13を固定するダイホルダー(図示せず)を含むことができる。ここで、前記ダイ13は前記ダイホルダー(図示せず)より小さい面積を有し、上面にはパウチフィルム30に電極組立体を収容するコップ部を成形するための成形部(図示せず)が形成される。
【0043】
前記ストリッパー12はダイ13に配置されたパウチフィルムを固定するためのものであり、前記ダイ13の上部に上下に移動可能に備えられ、下降の際、前記ダイ13に配置された前記パウチフィルム30を固定するように押圧することができる。前記ストリッパー12は前記ダイ13の上面に対応するサイズを有し、上面には、上下方向に貫通され、前記ダイ13上に備えられた成形部(図示せず)と同じ大きさの貫通ホール(図示せず)が形成されることができる。
【0044】
前記パンチ11は前記ダイ13の上部に上下に移動可能に備えられ、下降の際、前記成形部に挿入されることで、前記パウチフィルム30に電極組立体収容部を成形する。また、パンチ11を上下方向に移動させる駆動部(図示せず)を含む。パンチ11は前記駆動部によって下降し、前記ストリッパー12の貫通ホールを通過した後、前記成形部に挿入される。この際、成形部に位置するパウチフィルム30を押圧した状態で前記成形部に挿入されることで、前記パウチフィルム30に成形部形態の電極組立体収容部を成形することができる。前記収容部を成形した後、前記ダイ13及び前記ストリッパー12は上昇し、電極組立体を収容するコップ部が形成されたパウチフィルム30はパウチフィルム移送部材(図示せず)によって後方に移送され、パウチの縁部に形成されたカーリングは後方のパウチカーリング防止装置によって緩和されるか除去される。前記パウチ縁部はパウチフィルム30のうち前記電極組立体を収容するコップ部が形成されなかった部分であり得る。詳細には、パウチフィルム30の両側辺から前記辺に平行に位置する前記コップ部の辺までのフォーミングされなかった部分であり得る。
【0045】
本発明で、パウチカーリング防止装置は前記パウチフィルム30の移送方向においてパウチフィルムフォーミング装置10の後方に位置する。
【0046】
図3を参照すると、パウチカーリング防止装置は、パウチフィルム30の幅方向(y軸方向)に所定の距離だけ離隔して位置する一対の上部ローラー131及び一対の下部ローラー231を含む。
【0047】
パウチフィルムフォーミング装置10のパンチ11及びダイ13の成形部(図示せず)はパウチフィルム30の幅方向(y軸方向)に前記二つの上部ローラー131の間及び前記二つの下部ローラー231の間に位置する。また、前記一対の上部ローラー131及び一対の下部ローラー231はパウチフィルム30の幅方向(y軸方向)においてパウチフィルムフォーミング装置10によって形成された電極組立体を収容するコップ部の縁端に位置する。
【0048】
図4は本発明の一実施例によるパウチカーリング防止装置の斜視図である、図5は本発明の一実施例によるパウチカーリング防止装置の正面図及び部分拡大図であり、図6は本発明の一実施例によるパウチカーリング防止装置の側面図及び部分拡大図である。
【0049】
図4図6を参照しながら本発明のパウチカーリング防止装置を説明する。
【0050】
本発明によるパウチカーリング防止装置は、前記のようなパウチフィルムフォーミング装置10から電極組立体を収容するコップ部が形成されたパウチフィルムを受け、前記コップ部の縁端のパウチフィルムの両面をローラーでローリングすることで、前記パウチフィルムフォーミング過程でパウチフィルムに形成されたカーリングに反対方向の応力を加えて前記カーリングを緩和させるか除去する。ここで、パウチフィルムを移送する駆動部を備えることができ、またパウチカーリング防止装置のそれぞれの単位構成を個別的に駆動する駆動部を別に備えることができる。
【0051】
パウチカーリング防止装置は、上部ローラーアセンブリー100と、下部ローラーアセンブリー200とを含むことができる。
【0052】
まず、下部ローラーアセンブリー200について説明する。
【0053】
下部ローラーアセンブリー200は、パウチフィルムフォーミング装置10の作業台(図示せず)に固定的に結合された下部フレーム201を含む。前記下部フレーム201は、前記パウチフィルムフォーミング装置10の作業台(図示せず)に結合される下部フレーム垂直部(図示せず)と、前記下部フレーム201の上端を移動して通過するパウチフィルム30の広い面に平行に位置する下部フレーム水平部(図示せず)とを含むことができる。詳細には、前記下部フレーム水平部(図示せず)はパウチフィルム30の移送方向(x軸方向)に対して垂直に配置されることができる。下部フレーム201には下部ローラー部230が固定状態で位置することができる。詳細には、前記下部フレーム水平部の上方に一対の下部ローラー固定部233が所定の距離だけ離隔して位置することができ、前記下部ローラー固定部233には下部ローラー軸232が位置することで、下部ローラー231を前記下部ローラー固定部233に固定させることができる。
【0054】
前記下部ローラー231は円柱形態を有することができ、前記円柱の中心軸方向に貫通ホールが形成されることにより、前記下部ローラー軸232が貫通することができ、前記下部ローラー231は前記下部ローラー軸232を中心に回転可能である。前記下部ローラー231の回転方向はパウチフィルム30の移送方向と同一方向または反対方向であり得る。また、前記下部ローラー231の中心軸は前記パウチフィルム30の幅方向(y軸方向)に対して平行に位置することができる。
【0055】
前記パウチフィルムフォーミング装置10から供給されるパウチフィルム30のパウチ縁部は前記下部ローラー231の外周面と対面して接触した状態で後方に移送される。ここで、下部ローラー231は、対面しているパウチフィルム30に応力を加えることができる材料であれば、特に限定されない。詳細には弾性材からなることができ、より詳細には剛性弾性材からなることができる。
【0056】
ここで、前記下部ローラー固定部233は上下位置調節部材を備えることで、前記下部ローラー軸232の位置を垂直方向(z軸方向)の上下に調節することができる。これにより、下部ローラー231の外周面の上端を通過するとき、水平に移送されるパウチフィルム30のパウチ縁部の変形角度が変わることができる。これは、全段のパウチフィルム30のフォーミング作業過程で形成されるパウチカーリングの程度によってリバース(reverse)カール(curl)を異に形成することで、前記パウチカーリングを緩和させるか除去するのに有利である。
【0057】
次に、上部ローラーアセンブリー100について説明する。
【0058】
上部ローラーアセンブリー100は前記下部ローラーアセンブリー200の上部に位置することができる。上部ローラーアセンブリー100は上部フレーム101を含み、前記上部フレーム101は、前記下部フレーム水平部に対して平行に位置する上部フレーム水平部(図示せず)と、上部フレーム垂直部(図示せず)とを含むことができる。前記上部フレーム垂直部は前記下部フレーム水平部の上部に結合されている。
【0059】
前記上部フレーム水平部の下端の方向に、垂直支持部110と前記垂直支持部110と連結された水平支持部120とが位置することができる。前記垂直支持部110は上下移動可能な構造を有するように形成され、連結された水平支持部120の上下位置を調節することができる。
【0060】
上部ローラーアセンブリー100は位置可変部300を含むことができる。位置可変部300は前記水平支持部120の両端部にはそれぞれ位置することができる。前記位置可変部300はプレート形状を有することができ、詳細には中央部に円弧形の閉鎖貫通ホール(図示せず)が形成され、後述する上部ローラー軸132が前記貫通ホールを貫通して位置することができる。ここで、前記貫通ホールの下端部には溝部310が形成されることができ、前記上部ローラー軸132は前記溝部310に装着されることができる。前記溝部310は前記円弧形の閉鎖貫通ホールの中心から所定の角度で離隔して多数が形成されることができる。前記所定の角度は30°以下、詳細には15°以下であり得る。また、前記溝部310は前記円弧形の貫通ホールの垂直方向中心軸を基準に対称状に配置されることができる。
【0061】
前記一対の位置可変部300の前記貫通ホールには上部ローラー部130が装着されることができる。上部ローラー部130は、前記一対の位置可変部300に装着される上部ローラー軸132、及び前記上部ローラー軸132を貫通し、前記一対の下部ローラー231に対応する一対の上部ローラー131を含む。前記対面して位置する下部ローラー231の外周面と上部ローラー131の外周面との間には所定の間隔が形成され、前記外周面の間に、全段のパウチフィルムフォーミング装置10でフォーミング作業を受けたパウチ縁部が通過することができる。同様に、上部ローラー131は、対面するパウチフィルム30に応力を加えることができる材料であれば、特に限定されない。詳細には、弾性材からなることができ、より詳細には剛性弾性材からなることができる。
【0062】
ここで、上部ローラー131と下部ローラー231とはパウチフィルム30の移送方向にまたはその反対方向に回転することができ、前記上部ローラー131及び下部ローラー231を所定の速度で回転させる別の駆動部及び制御部を備えることができる。
【0063】
前記上部ローラー131または前記下部ローラー231の位置は水平に変更可能である。これは、上部ローラー131と下部ローラー231との間を通過するパウチ縁部の面積を調節するのに有利である。
【0064】
前記上部ローラー軸132の両端部は前記一対の位置可変部300の溝部310にそれぞれ装着されることができる。また、前記上部ローラー軸132は前記多数の溝部310のうちのいずれか一つに選択的に位置することができる。このように、溝部310での上部ローラー軸132の位置を変更することで、互いに対面して位置する上部ローラー131と下部ローラー231との間の間隔が変更され、よって前記上部ローラー131と下部ローラー231との間を通過する前記パウチ縁部に加える応力を変更することができる。これは、パウチフィルムフォーミング装置10で形成されるカーリングの程度によってパウチ縁部に作用する応力を変更して効果的にカーリングを緩和させるか除去するとともに、パウチ縁部に対する応力を減らすことにより、後続工程でパウチ縁部の損傷が発生することを防止するのに有利である。
【0065】
前記位置可変部300を間に挟んで、前記上部ローラー131の対向側に上部ローラー軸固定部133が位置することができる。固定部133は、上部ローラー軸132が溝部310の位置を変更した後、前記上部ローラー軸132を位置可変部300に固定させる作用を果たす。これは、上部ローラー軸132の上下方向(z軸方向)及び左右方向(y軸方向)への移動によって上部ローラー131と下部ローラー231との相対的位置及び離隔間隔が変更されることを防止することができる。また、前記上部ローラー131と前記下部ローラー231との間を通過する前記パウチ縁部に対する応力が一定でなくてパウチ縁部に損傷が発生することを防止するのに有利である。前記上部ローラー軸固定部133はネジ型の軸を備えて上部ローラー軸132と結合することができる。
【0066】
以上で本発明の内容の特定部分を詳細に記述したが、当該分野で通常の知識を有する者にこのような具体的技術はただ好適な実施様態であるだけで、これによって本発明の範囲が限定されるものではなく、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で多様な変更及び修正が可能であるというのは当業者に明らかなものであり、このような変形及び修正も添付の特許請求範囲に属するものであるというのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0067】
1 セルアセンブリー
2 コップ部
3 パウチケース
3(a) 上部パウチフィルム
3(b) 下部パウチフィルム
10 パウチフィルムフォーミング装置
11 パンチ
12 ストリッパー
13 ダイ
30 パウチフィルム
100 上部ローラーアセンブリー
101 上部フレーム
110 垂直支持部
120 水平支持部
130 上部ローラー部
131 上部ローラー
132 上部ローラー軸
133 上部ローラー軸固定部
200 下部ローラーアセンブリー
201 下部フレーム
230 下部ローラー部
231 下部ローラー
232 下部ローラー軸
233 下部ローラー固定部
300 位置可変部
310 溝部
図1
図2
図3
図4
図5
図6